進撃の梅雨(73)
ミカサ「エレン、見て。そこの紫陽花、キレイな紫色ね...」
クリスタ「エレン、こっちの紫陽花は青くてカワイイよ」
エレン「そ、そうだな...」
しとしとと雨が降る最中、一本の傘に人間三人。
ミカサとクリスタの間に挟まれながら、エレンは珍しく考えていた。
「両手に花」と「板挟み」、この状況をアルミンならどちらの言葉で表現するだろう....と。
事の発端は、アルミンが胃痛で倒れた事だった。
医務室の医師によると偶然胃痛の薬が盗まれてしまったらしく、休暇の最中だったエレンが街の薬屋までお使いに行ったのだ。
簡単なお使いだが、外は生憎の雨。
傘を差して街まで行き、薬を購入して足早にアルミンの元へ戻る帰り道に、雨宿りをするクリスタに出会った。
なんでもうっかり傘を持たずに外出してしまい、困っていたのだという。
それなら丁度いいと相合傘で歩き出した矢先、何処からともなくミカサが現れた。
傘を盗まれたとか何とか。
お前なんで立体機動装置付けてんだよ
かくして、一個の傘に男一匹女二匹が入るという、諸君らが歯ぎしりしながら羨む状況が出来上がったとさ
クリスタ「それにしても助かったわ、エレンが偶然通りかかってくれて...」
エレン「こんな天気に傘を持たずに出掛けるからだぞクリスタ?」
クリスタ「えへへ...軽い用事だったもんだから、つい♪」
ミカサ「....無様ね」
クリスタ「あら?他人に傘を盗まれる方が無様だと思うけど?」
エレン「まぁ確かにな。でもミカサが盗みにあうなんて、珍しい事もあるんだな...怪我とかはしてないか?」
ミカサ「えぇ、大丈夫...」ありがとう、エレン」
クリスタ「......」
ミカサ「......」
エレン「.....??」
エレン(にしても手狭だな...流石に一本に三人が入るとギュウギュウだな...ていうか両側から異様に詰められて、俺が窮屈すぎる。ここはちょっと、アルミンみたく交渉するか...)
エレン「なぁミカサ、ちょっと近すぎやしないか?」
ミカサ「こうでもしないと濡れてしまう...エレンは私に、雨に濡れろと言うの?」
エレン「い、いや?別にそういうわけじゃ...」
エレン「あー...クリスタ、ちょっと....おい、なんだその頭の上に乗ってるカエルは」
クリスタ「乗ってるんじゃなくて、乗せて雨宿りさせてるの。カワイイでしょ?」
エレン「...そうっすね」
問題外過ぎた。やっぱりアルミンが交渉上手の天才だったのだろう...
エレン(はぁ...どうにもコレは訓練所まで帰らないと終わらないみたいだな)
ミカサ「...エレン、冷えてない?」
エレン「あ?俺は平気だけど...俺よりお前の方が冷たいぞミカサ?」
ミカサ「...なんやかんやあって服が濡れてしまってるから...」
クリスタ「早く乾かさないと、風邪ひいちゃうよ?」
ミカサ「えぇ、そうね....」
ミカサ「......ねぇエレン。せっかくだから...湯屋に寄っていかない?」
アルミン「うううぅぅッ!!!」キリキリキリキリキリキリ
マルコ「アルミン!大丈夫かい?!」
アルミン「ま、また..突然胃が....!!」キリキリキリ
サシャ「え、えーっと...は、はい!お芋!」
アルミン「胃を荒らす気かよおぉぉぉぉ!!」キリキリキリキリキリキリ
エレン「...は?湯屋って風呂屋の事?」
クリスタ「?!」
ミカサ「そう。雨で冷え切った身体を暖めて、ついでに背中を洗いっこ...」
エレン「あー、昔よく一緒にやったっけ...懐かしいな」
クリスタ「むー...」
どうやら最初の疑問の回答はコニーでも分かるレベルだったようだ。
クリスタ「で、でもミカサ!残念だけど世間一般のお風呂屋さんで男女一緒なんて出来ないからエレンと洗いっこは無理だよ?それに訓練所ももうすぐだし、そこにもお風呂はあるから、ミカサだけゆっくり浸かればいいんじゃないの?」
エレン「あぁ、確かにな」
ミカサ「心配ない...男湯と女湯が分かれていない湯屋に行けばいいだけの話。この近くにそのいい湯屋がある」
クリスタ「え?!」
ミカサ「さぁ、行きましょうエレン」
エレン「あぁ待てよ。クリスタはどうする?一緒に入るか?」
クリスタ「へっ?!」
ミカサ「......」
クリスタ「え、えっと....み、ミカサ...?混浴のお風呂屋さんに行くのって...冗談だよね?」
ミカサ「さぁ、どうかしら」
しとしとと降る雨音は、騒がしいエレン達の声にかき消されてもう聞こえなかった。
傘が一つ、右へ左へ揺れながら雨に壁に覆われた濡れた街の通りを進んで行く...
アルミン「ううぅぅ...エレェェン...は、はやく戻ってきてよぉ....」キリキリキリキリキリキリ
サシャ「...カタツムリって料理になったりするんですよね?」
エレン「流石に脱衣所は別々なんだな」
ライナー「ふぅ、いい湯だったぜ...」
エレン「あれ?ライナー?」
ライナー「ん?おぉエレンも風呂か」
ジャン「あぁ?今死に急ぎ野郎って言ったか?」
エレン「ジャンも?お前ら今上がったところか」
ライナー「あぁ。ここの風呂は人出が少ないが、湯加減も広さも最高なんだ」
ジャン「残念だが、お子ちゃま風呂はねぇし、今女どころか一人も入ってねぇから、覗きとかできねーからな、ガハハ」
エレン「あ?別にそんなんじゃないし...ミカサに誘われたから来たんだよ」
ジャン「なんだと?!!」
ライナー「なんだエレン、ミカサと一緒に混浴か?」
エレン「ミカサだけじゃねぇよ、クリスタも...」
ライナー「おいどういうことだ3pか、3pする気か腹筋女と天使と3かオイコラ」ガシッ
ジャン「ちょっと話聞かせろやワレ」ガシシッ
エレン「おい離せよ破けちゃうだろ?!」
ライナー「ジャン、俺二度風呂するわ」
ジャン「奇遇だなライナー、俺もそうしようと思ったんだ」
エレン「????」
あとはまかせた
クリスタ「...../////」ドキドキ
ミカサ「....」ヌギヌギ
クリスタ(うわぁ...すごい身体...胸も大っきくて...ただ...腹筋が....)
クリスタ「....////」ヌギヌギ
ミカサ(...小さい、けど美しい身体...「天使」という言葉が本当に合う...)
クリスタ「.....////」ジー
ミカサ「.....」ジー
「「....なに?」」
「「あっ....」」
ミカサ「....えっと...クリスタ。恥ずかしいのなら、無理して入ることはないと、私は思う」
クリスタ「う、うぅん、私も、エレンが入るのなら...私だって入る」
クリスタ「それに...その...み、ミカサに先を越されるのは...いや...」
ミカサ「....わかった、入りましょ」
クリスタ「う、うん////」
((...バスタオルはちゃんと巻いとくんだ...))
エレン「うぉ、すげぇ、ホントに広いな」
ライナー「だろ?」ソワソワ
ジャン「ミカサは?!ミカサはどこだ?!」キョロキョロ
ガラッ
ライナー・ジャン「!!」
ミカサ「エレン、お待たせ」
クリスタ「お、お待たせ..../////」
ライナー・ジャン(ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!)
※バスタオル一枚だけのミカサとクリスタを想像しましょう(bgm:amazing grace)
そろそろ過労死しそう
ネタは尽きないけど命が尽きる
てなわけで寝る
あとはまかせた
ミカサ(....なんでライナーとジャンが....?)
クリスタ(へっ?!な、なんで二人がここに...?!//////)
ライナー「...エレン。俺ちょっとサウナ行ってくるわ」クルッ
ジャン「あぁ、俺は水風呂だな」クルッ
エレン「お前らなんで反対向きながら横歩きなんだ?ていうかそのテンt」
ミカサ「エレン。身体を流してはやく浸かりましょ」
エレン「お、おぉ」
さて、ここで5名の心の中をチェックしてみましょう
ミカサ(あぁ...エレンが....!エレンに私の生まれたままの姿を見られれている....!あぁエレン、そんなに舐め回すように見なくてもいいえもっと見て構わないわむしろ今すぐ全部さらけ出して感触自体伝えてしまいたいでもクリスタもいるしホモサピエンスとジャンバラヤがいるからそれができないけどかわりに存分に私の裸を目に焼き付けてエレン!)
クリスタ(あうぅ....どうしよどうしよ...すごく恥ずかしい....!!今すぐ逃げたい...でも...エレンと一緒に洗いっこ....きゃっ..../////)
エレン(やべぇぇぇなにやってんだよ何誘われたまま女と一緒に風呂入ってんだよ俺ぇぇぇ?!これ一瞬気を抜いただけで股間の巨人が立ち上がっちまう...そうなったらミカサとクリスタに変態よばわりされるし、ライナーとジャンに皆に言われたら俺の人生終わっちまう!!)
ジャン(2357235723572357......)
ライナー(クリスタの裸....クリスタの裸....うっ....ふぅ...触れずにイケるなこりゃ...)
カポーン...
エレン「......」
ミカサ「......」
クリスタ「////////」
エレン「....良い、湯だな」
ミカサ「えぇ」
クリスタ「う、うん//////」
エレン「クリスタ?もうのぼせたか?」
クリスタ「ち、違うの...大丈夫だょ..../////」
エレン(ごめん俺の股間が大丈夫じゃない)
エレン(第一...湯に浸かってるから..ミ、ミカサの胸が浮かんで....て、ていうか二人ともタオルが透けて少し見えてんだよぉぉぉぉ!!)
エレン(やばいな...そうだ、やばい事になる前に上がっちゃえばいいんだ)
ザバッ
エレン「お、俺身体洗うぜ...?」
ミカサ「待って、洗いっこの予定」
エレン(オウマイガーッ 忘れてた)
エレン「お、おぉ...」
クリスタ「あ...わ、私、も.../////」
ガス切れ寸前でごぜぇます
ミカサ「エレン、私の背中をお願い...」
エレン「お、おう」
エレン(...筋肉あるけどキレイな背中だな...)
ミカサ(エレンの手が滑ってあんなとこやそんなとこに触れてしまうアクシデントかもーん...)ワクワク
クリスタ(み、見られてないウチに他の部分洗っておこ.../////)
エレン「あ、洗うぞ?」
ミカサ「ばっちこい」
ゴシゴシ...
エレン(ミカサと背中洗いっこなんて...何年ぶりかな...)
ミカサ(幸せ...)アヘェ
クリスタ(うわ...すごいヘブン顔....気持ちいいのかな...?////)ドキドキ
ミカサ(エレンが洗ってくれると、どういうわけかマッサージを受けているように心地いい...エレン、あなたは私を中毒にするテクニックを生まれつき持っているのね....)アヘェ
エレン(うわー...すげぇ筋肉...)
ジャン(ギリギリギリギリギリギリ...)
ミカサ「エレン...次は前も...」
エレン「いや...さ、流石にそこは自分で洗えよ...」
ミカサ「....」シュン
クリスタ「あー、あー困っちゃったなー////」
エレン「ん?」
クリスタ「せ、背中洗おうと思っても手が届かないなー。だ、誰か...洗ってくれないか...なー...//////」
エレン「......」
クリスタ「...../////」チラッ
エレン「.....」
クリスタ「....//////」チラッチラッ
エレン「...お、俺が洗ってやろうか?」
クリスタ「お、お願いしましゅ...//////」
ミカサ「チッ」
クリスタ「......///////」ドキドキ
エレン「あ、洗うぞー...?」
ピトッ
クリスタ「ひゃあっ!!/////」ビクン
エレン「うおぉ?!!」
クリスタ「あっ...ご、ごめんね...ビックリしちゃって.../////」
エレン「お、おぉ...悪い、次から優しくするから...」
クリスタ「う...うん.../////」ドキドキドキドキ
ピトッ
クリスタ「んっ.//////」
ゴシ....ゴシ...
クリスタ「んっ...はぁ....んぁ..../////」ビクッビクッ
ゴシ...ゴシ....
クリスタ「ふぁっ....あ...もっと.../////」
エレン「もっと強く?」
クリスタ「......//////」コクコク
ゴシゴシゴシゴシ
クリスタ「んひぁっ....あふっ...ん..//////」
クリスタ(嘘...なにこれ...気持ちいい.....//////)トロ~ン
ミカサ(堕ちた....堕天した...)
エレン「あっ」ツルッ
ミカサ「えっ」
クリスタ「え?」
スッ...
クリスタ「んっ?!!/////」ビクン
エレン(え...割れ目....?)
ポク ポク ポク ポク ポク
チーン コ
エレン(あ.....)
エレンのエレン「脅威の天使パワアアァァァァ」ムクムク
エレン「」バサッ
クリスタ「キャアアアアアアアア!!!///////」
ミカサ「エレェェェェェン!!!」
ライナー「クリスタァァァァァァアアアアアアアアクリスタの尻ぃぃぃぃぃ....うっ」
ジャン「母ちゃんの顔母ちゃんの顔....」ブツブツ
エレン「ぎゃあああああああ御免なさいぃぃぃ!!!」前かがみで
クリスタ「変態!最低!エッチ!スケベ!ワンタッチマン!変態!鈍感!ニブチン!変態!変態変態変態変態変態変態へんたいいぃぃ!///////////」
ミカサ「どうして私じゃなくてクリスタなのエレン?!小さい子?小さい子の方がいいのエレン?!ロリコンなのエレン?!違うのなら私にもラッキースケベをして証明しなさいさぁ!!」バサッ
エレン「おいいいいぃぃぃぃ?!!」
クリスタ「キャアアアアアアアアミカサなんでそんな大胆な事出来るのおおぉぉぉぉぉ?!」
ジャン「」ブシャアアアアァァァァ
ライナー「ジャァァァァァァン!それ以上噴射したら出血多量で死ぬぞーー!!」
湯屋のばっちゃん「若い者は元気があるね~~」ポクポク
ミカサ「さぁエレン!私にも!さぁ!さぁ!!」ズイズイ
エレン「よ、寄るなバカ...うわっ?!」ツルッ
ドタッ
エレン「イッテェ.....?!」
クリスタ「あ、エレン!大丈.....夫......?」
パサァ
エレン「あ」
エレンのエレン「」ビンビン
クリスタ「//////////////」
ミカサ「....素敵.....」ウットリ
ジャン(え、俺よりデケェ)
ライナー(俺よりはちっこいな...)
エレン「あ.....え...えっと....」
クリスタ「///////////」
バタン
エレン「?!」
クリスタ「....ん....」
ミカサ「気がついた?」
クリスタ「....あれ...ミカサ....ここは...?」
ミカサ「湯屋の広間よ。倒れてしまったから身体を拭いて着替えさせて運んできた...気分は?」
クリスタ「うぅ....大丈夫....」
ミカサ「よかった」
クリスタ「....あれ...私...なんで倒れたりなんかして...」
エレン「クリスタ?」ヒョコッ
クリスタ「...あ..エレ....」
『エレンのエレン「」』
クリスタ「」
クリスタ「!!!/////////」ボンッ
エレン「クリスタ?!」
クリスタ「○×△□◆▼%#+*$\/////////」
ミカサ「クリスタ...何を言っているのか分からないわ....」
エレン「....クリスタ...」
クリスタ「あぅあぅあぅ.....//////」
バッ
エレン「御免なさい!!」
エレン「クリスタの恥ずかしい部分触ったりして御免なさい!!汚物を見せてしまい御免なさい!!」
ミカサ「...エレン....」
クリスタ「......////////」
クリスタ「あ...謝られても....触られたのと見ちゃったのはどうしようもないよ...////」
エレン「うっ...だ、だよな....」
クリスタ「....//////」
エレン「な...なんとかなんないかな....?なんでもするからさ....」
ミカサ「えっ」
クリスタ「え?いま...なんでもって言った?」
エレン「え?」
クリスタ「今 なんでも するから って 言ったよね?」
エレン「お、おぅ...言ったけど...?」
クリスタ「......ふーん....」
ミカサ「.....ずるい.....」ジー...
クリスタ「.....じゃぁエレン?」
エレン「」ビクッ
クリスタ「今度の休暇に....一緒に出かけてくれる?」
エレン「....え?それだけ?」
クリスタ「それだけって...まぁいいや。で...一緒に出かけてくれる?」
エレン「あ?あぁ、いいぜ!」
クリスタ「ふふっ...約束だよ?」
ミカサ「......」
クリスタ(...ホントはもっと欲深いお願いしたかったけど...それはいつか...ね....)
クリスタ「あ...そういえば、ジャンとライナーは?」
ミカサ「あの二人なら心配ない。記憶が無くなる程度にしておいたから」
クリスタ「....???」
湯屋のばっちゃん「また来いや~」
エレン(多分もう来る事はないよばっちゃん...)
ミカサ(次は色々用意してきます)
クリスタ(今度は...エレンと二人だけで...)
エレン「お、雨も止み始めてきたな...」
クリスタ「うわぁ...凄く涼しい...」
エレン「これくらいならもう傘は...」
ミカサ・クリスタ「何言ってるのエレン?女の子を雨に濡らすの?」
エレン「えっ」
クリスタ「わー、エレンってさいてー」
ミカサ「さいてー...」
ミカサ・クリスタ「ねー?」
エレン「.....わかりました、よ。ほれ」
ピトトッ
クリスタ「ふふ....♪」
ミカサ「.....♪」
エレン「....だよな」
ポツリポツリと降る雨の中、ちょっとお熱い三人を覆う傘が、街の通りを進んで行くのでした
アルミン「エレェェェェェン...はやくぅぅ.....」キリキリキリキリキリキリ
アニ「.......はぁ.....」ポンポン
くぅ~疲れたw
なんかグダグダしてしまいました..すいません
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歯磨けよ!風呂はいれよ!宿題やれよ!
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