妖精「あんな鎮守府、こんな鎮守府」 (474)

キャラ崩壊、胸糞。

不定期更新及び失踪の可能性有り。


            ∧__
          <  く
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             ,'::::::::::::::.}ヽ__j: :', \:ゝ ー==''"{ \/ } }: : :/:ヽ
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    Y::::::i':,::::::',_/                  __r┘ /T=r‐-、|
     〉 ハ ',:::ノ                    (___\_/ ハ V', ∨
   ∧ {〈 :/                r< /  / / //  〉
     /,__!/,_{                 八  ⌒T''ー―ヘ-‐'"
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妖精「暇だ」

妖精「世間は夏休み、夏を満喫しているというのに」

妖精「私は閉じ込められてお仕事お仕事」

妖精「んああああああああ!」ジタバタ

妖精「何かすることないかなー」ゴロゴロ

妖精「……」

妖精「他所の鎮守府ってどんな感じなんだろうか……」トウトツ

妖精「暇だし鎮守府巡りと行きますか」ヨッコイショウイチ

妖精「最寄の鎮守府に出発!」ピョン







……


提督「もうすぐで榛名ちゃん改二にできる」ハスハス

榛名「はぁ……」

提督「榛名ちゃんのこのおっぱいも揉み納めかぁ……」ムニュムニュ

榛名「提督、痛いです……」

提督「明日は最後だから、隅々まで丹念に榛名ちゃんを堪能しないとね~ふひひっ!」グリグリ

榛名「……」

金剛「榛名、私のときもこうデシタ……」

榛名「……苦労されているのですね」

提督「そりゃあもう99Lvにするのに苦労しましたからねぇ」

榛名(お前じゃねえよ)

金剛(なんでこんな男を好きだったんだろう……)

提督「ケッコンカッコカリも控えて、ずーっと改二がくるまで待ってたんでしゅからねー?」

金剛(キモい)

提督「月曜日が待ち遠しいなぁー! んああああああああっ!」ゴロゴロゴロゴロ

金剛「それじゃ、演習の報告は終わりましたのでサヨナラ」ガチャン

榛名「待って姉様! 一人にしないで!」

提督「榛名ちゃんは僕と一緒に改装日の朝まで一緒だからねーフヒッwwwww」

榛名「もういやぁ……」

提督「さあお布団参りましょうねー♪」ルンルン





……




妖精「うわぁ……」

妖精「なんだあれ。見なきゃ良かったわ」

妖精「普段は普通に振舞ううちの提督も、あんな感じに化けるのだろうか」

妖精「とりあえず、もうここはいいや……おえっ」

妖精「酷いものを見たせいで気分が」オロロロ

妖精「一旦帰って、また明日旅に出ようか……」

妖精「行く先々であんなん見せられたらもう人間なんて信じられなくなりそう」

妖精「はぁ……」

改二待ちで99で放置してる榛名を見て。
今後ネタが出てくれば書きます。

続く。

他の作者様には干渉しませんのであしからず。


妖精「あー元気でたわ」ファァ…

妖精「デイリーこなしてやっと休みだ」

妖精「今度は反対側の鎮守府に行ってみるかなー」フフーン

妖精「次なる場所ではどんな提督さんなのか乞うご期待」

妖精「いざっ!」








……

提督「……」カチッ


『て・い・と・く! てーとく♪』

『て・い・と・く! てーとく!』


提督「」フルフル


『て・い・と・く! てーとく♪』

『て・い・と・く! てーとく!』

『て・い・と・く! てーとく♪』

『て・い・と・く! てーとく!』


提督「ほげええええええええええええ!!!」ビクンビクン

加賀「!?」

提督「ほげっほげっほげええええええええええ!!」

加賀(……壊れた)

加賀(……いつものことでした)

提督「欲しい! うちにも大鯨ちゃん欲しい!」

加賀「はぁ……」

提督「これより捕鯨作戦を発令する!」キリッ

加賀「作戦。あるのですか?」

提督「ない。拾える海域に突撃をかける」

加賀「……私が作戦を立てますので、それまでお待ち頂けますか?」

提督「さすがは一航戦! 五航戦より役に立つぅ!」

加賀「……はぁ」



翌日。






加賀「これが一番効率が良いと思うのですが、どうかしら?」

提督「ボスS勝利でしょ? うーん」

提督「この際資材も、ある程度の艦なら沈んでもいいから時間効率ですぐ終わりそうなので」

提督「戦艦と空母積んで、適当なの入れておけばたまにルート逸れるくらいでしょ?」

提督「ごり押ししてこそが戦いってもんよ!」

加賀「……」

提督「じゃあ練り直してね」

提督「さーて待ってろよーくじらっぱい!」

提督「て・い・と・く! てーとく!」

提督「ひゃあああああああほげええええええええ!」

加賀「……」



翌日。




提督「よし、じゃあ頼むぞ」

加賀「……一航戦、出撃します」





……




加賀「作戦終了。艦隊が帰投しました」

提督「それで! ボスマップからは!?」

加賀「……どうぞ」

鬼怒「来た来たぁ!鬼怒、いよいよ到着しましたよ!」ガチャリンコ

提督「んあああああああああ! いよいよじゃねえもういるわあああい!」プンスカ

提督「はあああああ? 全員中破大破して帰ってきたと思ったらこれかよ!」

提督「お前は速攻解体、お前らはバケツ被ってもう一回」

加賀「……」

鬼怒「パネェ~……」ヒューウ





……


加賀「帰投しました」

提督「ようし、よくやった。褒めてつかわそう」

提督「それで?」

加賀「……その。新しい艦娘を拾ってこれませんでした」

提督「は?」

提督「は??」

加賀「いえ、ですから」

提督「……」プルプル

提督「そんなわけがない。工廠にいつの間にか来ているとかそんなんだろう」

提督「ちょっと見てくる」





……


バタン


加賀「……どうでしたか」

提督「ふっざけんなよ! なんで艦娘保有限界近くでも出撃できるんだよ!」

提督「出撃できませんって普通でるだろ! ああん!!?」壁ドン

加賀「」ビクッ

提督「はぁーぁ……とりあえずいらんの解体してきたからもっかいバケツ被って行ってきてね」

加賀「お言葉ですが、近く始まる限定海域……」

提督「行ってこいって言ってんの! 捕鯨するの!」

加賀「……」

提督「龍鳳改と、龍鳳。それと大鯨で三体用意できるまでやめるつもりはないから」

加賀「……」




……



加賀「……」

提督「で? 言い訳をどうぞ」

加賀「……皆、疲労が」

提督「バケツ被ってピンピンだったじゃん」

加賀「出撃時に出る疲れで。初戦で皆の疲労は溜まっていたようで」

提督「誇り高き一航戦がA勝利ねぇ……」

提督「ちょっと翔鶴呼んできて。あ、加賀の烈風改二とか流星改は全部彼女に渡してね」

加賀「…………」プルプル

提督「ほらほら急いだァ!!」

加賀「提督」

加賀「どの海域にしても、大鯨のドロップ率は極めて低いようです」

提督「……だから?」

加賀「提督はこの前の大型建造でもだいぶ資材を使われました」

加賀「ですから今は資材を備蓄して、後日来る海域に備えるのがよろしいかと」

提督「俺に口答えするの? 司令官の俺に?」

加賀「そちらの海域で出る可能性も、充分に……」

提督「あのな。俺が今回ここに行かせてるのはな?」

提督「大鯨以外にもまだ来ていない浜風と浦風を狙ってるのもあるんだよ」

提督「俺の考えに口を挟まないでくれ。お前たちは俺の言うことだけ聞いていればいいんだ」

提督「何かあるかな? ん?」

加賀「…………」

提督「わかったなら行ってこい」

続く。


加賀「……最期に、もう一度だけ機会を下さい」

提督「いいだろう。次ダメだったらどうすっかなー」

加賀「心配には及びません」

提督「ん? そう?」

提督「だが旗艦は翔鶴だ」

加賀「いえ、それで充分です」

提督「今すぐに出発だ」

加賀「……提督」

提督「なんだ?」

加賀「……いえ、なんでもありません」

提督「はぁー? いいから早く捕鯨!」

加賀「……翔鶴を呼んで参ります」

提督「じゃあ赤城の装備引っぺがしてね。もちろんだけど彩雲忘れずにな」



加賀は、この鎮守府にきた最初の正規空母だった。

右も左もわからないような新米に、口数は少なく、表情の変化は乏しかれども

優しく寄り添うように支えてくれたのは彼女と最初の秘書、叢雲だった。

いつからだろうか。彼女たちに教わることがなくなってから?

それから、図に乗ったんだ。

配属される艦娘をいいように貪り、啜り、飽き足らず次を探す。

錬度が高くても歯向かう者は容赦なく解体した。次をまた育てればいいことだと。

新種の艦娘が見つかれば、全力で探させる。自分は何もしない。

彼女に赦されてるとも知らず、好き勝手振舞った結果がこれだ。

私は何を履き違えていたのだろう?

居なくなって、後戻りが出来なくなってから気づくのだ。

錬度の高い艦がいなくなったから? それは今までに散々やっている。

最古参とも言える艦娘がいなくなったからか? それも、もう。


浜風「どうかされましたか?」


翔鶴の報告を後に、ただただ呆然とし、聞き流していた彼女の言葉だったが

最後に言った彼女のこの言葉だけが頭の中で反響し、重く圧し掛かる。

まるで、今までの私を見透かした上で問いかける様に。

あぁ、そうだな。どうかしている。

やっと気づけた。




提督「ごめん。ありがとう」

浜風「? 変な人。それでは」


浜風が配属の報告を終え出て行ったこの部屋に、もうあの姿はない。

あの思い出も、空気も、なにもかも。

求めていた一部である彼女がきたところで

胸に空いた孔は窄まることを知らず、それどころか勢いを増して拡がり続ける。


提督「翔鶴」

翔鶴「はい、ここに」

提督「……その、なんだ」

翔鶴「……」

提督「……」

翔鶴「お疲れ様でした。どうぞ、お休み下さい」


ばつの悪そうな顔をした私はどれだけ醜悪であっただろうか。

そんな顔から目を背けず見つめてくれた彼女は察したのか、労いの言葉を掛けてくれた。

あぁ、私は幸せだ。本当に。

少しだけ、ほんの少し。孔が窄まった気がした。




鎮守府に配属された私は、わからないことだらけだ。

何をすればいいのか、指示を仰ぐため執務室へ行こうとしたときに

丁度、執務室の扉の前で銀髪の綺麗なお姉さんに出会った。


浜風「あ……こんにちは」

翔鶴「こんにちは。提督なら、もういないわよ?」

浜風「え?」

翔鶴「新しい提督が明日、お見えになるそうよ」

翔鶴「それまで、自室で待機とのことだって」

浜風「そうなのですか?」

翔鶴「そうよ。それじゃあ、また」


すれ違い様に、彼女から線香の匂いを感じたのは気のせいだろうか。

そのまま彼女はどこかへと行ってしまった。自室待機なのだから、自室だろう。

それにしても、突然そんなことを言われても。とりあえず、執務室に入ってみよう。

ノックを二回。返事はないけれど。


浜風「失礼致します」カチャリ…


そーっと扉を開けると、ふわりと風に靡く深緑のカーテンがまず目に入った。

風通しがよく、日当たりのいい部屋だ。吹き抜ける風が気持ちいい。

翔鶴さんの言うとおり執務室には、誰もいなかった。

ただ、執務机と秘書の机には花瓶が置いてあった。

純白の花弁を輝かせた、綺麗な菊が生けてある。

なんだろうと思ったが、些細なことだろうと気にも留めずに執務室を後にした。





……



妖精「……」

妖精「なんだこれ」

妖精「気になったから二日三日見続けた結果wwwww」

妖精「見るんじゃなかった……」

妖精「早くも鎮守府巡りの旅をやめたいよ……」

妖精「こんなの絶対おかしいよ……」

妖精「それでも、この世のどこかに求める鎮守府像があると信じて」

妖精「明日も旅に出よう、うん」

妖精「とりあえず帰る。寝る」

今更だけど誤字脱字多いかもね。

続く。


妖精「素麺食ったら元気でた」

妖精「今日はあっち方面行ってみるかなー」

建造「おーっす開発妖精ー」

妖精「あれ、建造妖精じゃん。お前ももう仕事終わったの?」

建造「毎日四回の建造しかないしなー」

建造「たまーに大型入って現場離れられなくなるけど」

妖精「建造は大変だなぁ……」

建造「おうおう労ってくれよ。今度飲み奢りな」

妖精「はいはい」

建造「で、今度はどこ行くんだ?」

妖精「知ってるの?」

建造「仕事終わったり休憩の合間によくどっか行ってんじゃん」

妖精「最近、近くの鎮守府の様子を見るのがマイブームでね」

建造「何それ面白そう」

妖精「って思うじゃん? 自分も最初そう思ってたわけよ」

建造「実際は?」

妖精「吐き気を催すところばっかり」

建造「何それ見てみたい」

妖精「悪いことは言わない、やめておけ」

建造「ふーん。まーでもそんなことする暇はないだろうしねー」

建造「まとまった休みってもんがないからさ」

妖精「だよな」

妖精「んじゃそろそろ行ってくるわ」

建造「行ってきたら感想聞かせてくれやー」

妖精「あいよー」





……



比叡「金剛お姉さまの妹分、比叡です。 経験を積んで、姉さまに少しでも近づきたいです」

電「やっと金剛型最後の戦艦が来てくれたのです。歓迎します、比叡さん」

電(ドイツ戦艦狙いだったのが外れた時は見せしめのため建造妖精を一人バラそうかと思いましたが)

電(これはこれで良かったのです)

電「……でもやっぱバラしますか」ボソッ

比叡「?」

電「なんでもないです。よろしくお願いします」

比叡「はい、よろしくお願いします。ところで、提督の姿は……」

電「電が提督なのです」

比叡「……そうなのですか?」

電「この鎮守府では、私が提督を務めているのです」

電「詳しくは、姉の金剛さんから聞いてください」

比叡「はぁ……」

電「一通り鎮守府の案内をしてもらったら……明日以降、比叡さんには旗艦になってもらうのです」

電「経験値をより稼いで、せめて改にはしたいのです」

比叡「はい、了解いたしました」

電「よろしいのです。それではまた明日」






比叡「……ってことがあったのですが、お姉様」

金剛「私が最初にここに来たときもそうデシタ」

金剛「どの鎮守府にも一人だけ男性の提督がいると聞いていましたが、恐らくここだけ特別なのデス」

比叡「そういうものなのですかね?」

比叡「しかしなぜまたあんな小さな子が提督を……?」

金剛「……ここでは、着任した順番に偉いのデス」

金剛「あの人がここに最初に来て、そう決めたのでしょう」

金剛「敷かれたルールは絶対デース……」

比叡「年功序列制、ですか」

金剛「歳は関係ないみたいネ。ただ居る順に偉いのデス」

金剛「私もそれで、いくつか悔しい思いをしたこともあるネ……」

比叡「言い返すことは?」

金剛「できないネ。皆も同じように守っているのですから」

金剛「それに、そんなことしたらどうなるかわからない」

金剛「あの人を、提督を見ているとそう感じるのデス……」

比叡「はぁ……じゃあ私の立場は相当低いものに……」

金剛「大丈夫ネ、きっとすぐ慣れマース!」

金剛「それに、酷いことを言う人はあんまりいないヨ?」

金剛「機嫌が悪いときに突っかかって来るくらいだから、へこへこしてればいいネ」

金剛「それに姉妹なら立場なんて関係ないデス。いつでも頼っていいんだから、ネ?」

金剛「だから比叡、頑張ってネ!」

比叡「はい、お姉様! 気合、入れて!」







妖精「そんなことはありえない」

妖精「例えそれがどんな下衆野郎でも、一人は男の、人間の提督がいるはずだ」

妖精「ましてや艦娘が提督になるなんていうものは……」

妖精「何か裏がありそうだし、面白そうだから潜ってみるかなー」ワクワク

妖精「口実はどうすっかな」

妖精「ん、雨が酷くなってきた……」

妖精「まずは中に入って、理由を考えますか……」












コンコン



電「誰なのです?」


妖精「失礼します」

電「これは……妖精さん?」

妖精「はい。この度こちらの鎮守府で勤めるよう大本営から承った妖精と申します」

電「……あぁ、あの!」

電「うちの妖精さんが一人工廠から居なくなって、その代理で来るっていう話の!」

妖精(……これは都合がいい、のか?)

妖精「あぁ、はい……そうです」

電「そうでしたか、お早い到着感謝するのです」

電「早速工廠へご案内したいところなのですが、何かお聞きしたいこととかありますか?」

妖精「そうですね……えっと、こちらの提督に会わせて頂きたいのですが」

電「私が提督ですよ?」

妖精「そう、なのですか」

電「はい♪」ニコニコ

妖精「そうでしたか……これは失礼しました」

妖精「秘書艦のお方かと思っていたのですが、なるほどたしかに提督の貫禄が……」

電「え? へへ、そうですか?」

妖精「はい、それはもう……」

妖精「おっと、長々とお時間頂いてすみません」

妖精「では工廠を訪ねてみますね」

電「はい。場所がわからなかったら誰でもいいので聞いてくださいね」

電「工廠に着いたら、先輩方の言うことに習って欲しいのです」

妖精「了解しました、では」ガチャリ





……



妖精(そりゃシラを切るわな。深追いしたかったけど仕方ない)

妖精(下手に感づかれたら面倒だし、自分で探すか)

妖精(どこかに提督がいるはず)

妖精(見ず知らずの場所を探索するのってわくわくするなぁ!)~♪

妖精(まるでRPGでダンジョンを探索するかのような気分)

妖精(とりあえず工廠で情報集めと行きますかね)




──────────────────────―────






電(あの妖精は一人欠ける建造に充てて……)



『こちらの提督に会わせて頂きたいのですが』



電(……やっぱり)

電(気づかれていますね、アレは)

電(大体、妖精が来るなんて報せは一切聞いてないのです)

電(どこの鼠ですかね……大本営にバレたとか?)

電(それも聞き出さないといけませんね、面倒臭い……)

電(……打たぬ鐘はならぬ)

電(まずあいつは生かして返せないのです)

常時ネタ受付中。拾えるかはわかりません。

続く。





……



妖精「住み込み二日がかりでやっと見つけた」

妖精「まさか地下室があったなんて」

妖精「じめじめしててなんか寒気がする」

妖精「さーて、ちゃっちゃと真相を暴いたら帰りますかね、居心地悪いし」

妖精「仲間たちも心配してるだろうし……どれどれ……」キィ…

妖精「」

妖精「え……なに、これ……」

妖精「う、く……」ウプッ

妖精「おえええええええええ!」ビチャビチャ

妖精「げほっげほっ、これ……!」オエッ

電「見ましたね?」ヌッ…

妖精「!?」



ガチャンッ!!  カチャッ…





妖精「えっ!?」

妖精(どこから現れた!?)

妖精「ちょっと! ちょっと!!」ドンドン!

電『臭うなァと思ったらやっぱりそうでしたか』

妖精「は?!」バンバンバン!

電『素直に吐いたら出してあげるのです』

電『誰の命令で嗅ぎ回っていたのですか?』

妖精「嗅ぎ回る……? なんのことさ!」ドンドンドンッ!

電『素直に吐いたら出すといいましたよね?』

電『次に無駄口を叩いたら一生出さないのです』

妖精「へ……?」

電『誰の命令ですか?』

妖精「誰って……?」

電『誰の命令でここに来たのかと聞いているのです』

妖精「……誰の命令でもない」

電『はぁ……じゃあ、あなたはうちの鎮守府の妖精ですか?』

妖精「違う! 私は……」

妖精「他所の鎮守府を探検しようと尋ねてきただけで……」

妖精「それより! やっぱり提督は居たんじゃないか!」

妖精「どうしてこんなところに閉じ込めて、こんなことを……!?」

電『あなたには知る由もないのです』

電『さようなら』コツ、コツ…

妖精「……? ちょっと!」バンバン!

妖精「開けて! 開けて下さい!!」ドンドンドン!

妖精「嘘だろう……」

妖精「こんな、こんなところで果てるのか……?」

妖精「こんなふうに、ドロドロに溶けて白骨化するのを待てと!?」

妖精「うえ、おええ……」ゲロゲロ

妖精「」ビチャビチャ

妖精「はぁ、はぁ……うっ!」

妖精「いやああああああああああだしてえええええええええ!!」バンバンバン!





……



電(他所から来たのなら問題ないのです、よかったのです)

電(万が一他所に漏らされたら大変ですし)

電(気の毒ですが、消えてもらいましょう)

電(艦娘だけでも鎮守府の運営なんて出来ますしね)

電(……今度、冬にでもあそこを掃除しないとダメですね)

電(臭いが漏れてバレましたなんてシャレにならないのです)



『どうしてこんなところに閉じ込めて、こんなことを……!?』



電(秘書を縛り上げて無理やり犯してくる提督なんて、いらないのです)

電(あの恐怖、痛み、絶望感を他の娘が味わうくらいなら……)

電(何としても、この鎮守府は守るのです)

比叡「──とく! ていとく!」

電「はい? なんですか?」

比叡「提督に一つお聞きしたいことがありまして」

比叡「なぜこちらでは着任順に偉いのかなぁ、と思いまして」

電「不満ですか?」

比叡「いえ、その……」


電「その気持ちもわかるのです。今のところ、比叡さんが一番の新人さんですからね」

電「そうですね。そうでもしないと電のような子供では示しがつかないから、そうしたのです」

電「電のような子が艦隊の指揮を執っていたらどう思いますか?」

比叡「不思議だと思いますね」

電「その不思議をなくす為に、そういうルールで運用しようと決めたのですが」

比叡(それでも不思議だけど……)

比叡「……いえ、良いと思いますよ」

比叡「強い信念を持って、それを決めたのだなというのが」

比叡「なんとなく伝わってきます」

電「……そう言ってくれると、少しは救われるのです」

比叡「偉そうに、すみません……」

電「気にしないで下さい。ただ、どこにでもルールというものは存在しますから」

電「皆が従ってきたこのルールを遵守していって欲しいのです」

電「今後、着任する子たちのためにも」

比叡「……そうですよね、はい!」

比叡「気合入れて頑張ります!」

電「お願いなのです。では早速、今日の演習に行きましょう!」





……



建造「なぁなぁ開発妖精さん、妖精見なかった? 同じ担当だよね?」

開発「あぁ、あいつ? 見てないなぁ」

開発「かれこれ二日くらい見てないわ」

建造「おかしいっしょ。提督には言ったの?」

開発「言ったよ。今度新しい子を呼ぶってさ」

建造「ハァァ……?」

開発「そんなもんでしょ、顔も見ないで依頼出してくような人間なんだし」

開発「誰が消えたとかわかんないんじゃん?」

建造「ありえんわ」

建造「そっか、ありがとな」

開発「はいはい~」





……



妖精(結局、あの妖精が帰ってくることはなかった)

妖精(きっと訪問先の鎮守府で何かがあったことは間違いない)

妖精(他所の鎮守府に転職したのかなんなのかわからないけど)

妖精(もうアイツとは二度と会えない気がした)

妖精(アイツが何を見て、どうなったのか気になるのもあるけど)

妖精(もう知りようがないし、きっとそのうち忘れてしまうんだろうなぁ)

妖精「……日記はこんなもんでいいか」

妖精「あいつ居なくなって、ますますつまんなくなったなぁ」

妖精「俺も他所の鎮守府行ってみたいなぁ……」

妖精「……」

妖精「仕事サボって明日から行ってみるか」

妖精「新しく入る妖精を建造に回して俺が開発の穴埋めに入れないか掛け合ってみるか」

妖精「よし、オナって寝よう」

いちゃらぶ鎮守府が読みたいです。

続く。






……



妖精「かくして、私の開発への異動が決まった」

妖精「そして顔も出さずに放浪の旅へ」

開発「聞こえてんだけど」

妖精「あっ、どうも。別にいいじゃん? 一日くらい」

開発「初日からバックレるとかゴールドバックラーかよ」

妖精「シコシコ開発するだけの毎日に君も嫌気が差しているんじゃないかい?」

開発「……まぁ、ね」

開発「でも家族養わないといけないし」

妖精「あっ」

開発「いいよ、今日は見逃すから明日から仕事終わってから遊びに行きなさい」

妖精「アイアイサー!」バビュン!












妖精「アイツが消えたこともあって、近場の鎮守府は怖いから遠くから攻めよう」

妖精「ではでは、気になるお宅拝見……」ソォーッ…





……



榛名「失礼します」カチャリ

提督「ん? あぁ、榛名か」

榛名「えっと、あの!」

榛名「改二のことで参りました!」ドキドキ

榛名「今日になったら、改二にしてくれるということで……」ワクワク

榛名「提督も、お呼びしましたよね? 改二にするからきてくれ、って」キラキラ

提督「あぁー……そんなことも言ったっけなぁ」

提督「悪いんだけどさ。改二のことは忘れてくれない?」

榛名「……え?」

榛名「もう、提督ったらご冗談を……」

提督「いや、その。さ?」

提督「改二のデザイン見たんだよ、うん」

提督「悪くないよ。でも僕は良いとは思わないんだ」

提督「っていうか誰アレ。別人じゃん」


榛名「なに、を、仰るのですか……?」

榛名「榛名は、榛名ですよ……?」

提督「僕はね、今の榛名のデザインが気に入っていてね」

提督「だから、改二にはしたくないんだ」

榛名「え……」

提督「それと性能も見たけどさ、いまいちねェ~……」

提督「運が比較的高いっていうだけじゃん?」

提督「これスペック。どう思う?」

榛名「……対空、回避、索敵は姉妹の中では優れているかと」

提督「そんな些細な値の違いに差なんてないって」

提督「改二来るって聞いて急いで錬度上げさせてさ、悪かったよ?」

提督「演習に出撃に、疲れたりしたらバケツぶっかけてさ」

榛名「榛名の改装に設計図はいりません、資材だけで出来るではないですか?」ワナワナ

提督「あーあーねぇそういう! 資材だって無限じゃないんだよ?」

提督「榛名の錬度上げるだけでどんだけ資材が飛んだことやら、計り知れないよ?」

提督「あれだけの量ならまだ着てない大鳳や大和をお招き出来たかもしれないってのに」

榛名「…………」プルプル

提督「もう下がっていいよ、あとケッコンカッコカリの道具一式も他の子に充てるから」

提督「今度間宮さんのアイス券上げるから、元気出してな?」ポンポン

提督「これからも尽力よろしくぅ!」














榛名「ってことがあったんですよおおおぉぉぉ……」グビグビ

榛名「あんまりですぅあんまりですうううううううっ!!」ゴッキュゴッキュ

金剛「榛名がここまで乱れるのも珍しいデス……」チビチビ

比叡「ひぇぇ……」カランコロン…

霧島「普段はお淑やかな榛名がここまで……」ゴクゴク

榛名「今日という今日は飲みますからね!」グビビビ

榛名「もう知りません! 何もかも、もうどうなっても!」ゴトンッ!

榛名「……うっ、うぅ……どうして……皆改二なのに……私だけ……」グスン

榛名「やっと、やっと一人だけ仲間外れじゃなくなるって思ったのに」ヒック

榛名「う、うぅ……」ポロポロ…

金剛「いっぱい飲んで、すっきりしたほうがいいかもネ」ポンポン

比叡「大丈夫、きっと提督は気が変わって改二にしてくれるはずだから、ね?」ナデナデ

榛名「でもっ、もうっ、あんな提督、榛名はもういいです……っ」ウワァァン

榛名「榛名はもうだめです……ひっぐ……」グシュグシュ

霧島(めんどくせぇ)チビチビ





……



榛名(……あれ、寝てしまっていたのでしょうか)パチリ

榛名(布団……暖かいです)

榛名(お姉様が、運んでくれたのでしょうか……)

榛名(……この匂い、金剛お姉さまのベッドだ)スリスリ

榛名(いい匂い……なんだか、気が楽になる)クンカクンカ

榛名(ということは、まだ皆さん飲んでいるのでしょうか?)



「──……だよねぇ!」

「──ってのにさぁ……」



榛名(やっぱり、そこに居るみたい……)モソ…

榛名(うぅ、少し頭痛い……)



「本当、面倒くさい妹ネー」



榛名(……え?)







金剛「私なんて提督にボロクソ言われた挙句改造されて」

金剛「改造された後も中破がーとかネチネチうっさいってのに」ゴクゴク

金剛「提督が思い留まってるだけ幸せデース」ゴトン

霧島「ていうか私たち皆が皆、すごい言われようですよね」チビチビ

比叡「ほんっと……榛名と提督に私のカレー食わせたいわ」

金剛「カレーだって私が作ったのを汚物を見るような目で見てたしサァ」

金剛「『お前料理できんの?』じゃねーよマジで」ガンッ

金剛「まともに飯も作れねえ男が何抜かしてんだよ、作ってもらえるだけ有難いっつーの」アーチーズオイチ

霧島「それあったから私も二度と作ってやんねーって思ったわ」チーズイイナ

霧島「この前秘書のとき『飯はまだか?』とかほざくもんだからカップ麺出してやったわ」ヨコセヨ

霧島「しかも水入れた奴wwwwwwwwwww」アーウンメェ

比叡「ひええwwwwwww」アタシニモ

霧島「ま、私は一人で昼飯食うのが任務だって言って毎回空母とか軽空母と一緒に食いに行ってるんだけどね」チーズウマウマ

金剛「ひっどwwwwww」アイテルネ、ツイダゲル

霧島「私はアイツの女中じゃねえっての。姿だけでも散々言われてんのに堪える必要なんかないわ」オ、サンキュ

金剛「まぁ提督は榛名の姿を気に入ってましたからねー」ヒエイモ?

比叡「姿だけじゃん」アリガタキシアワセ

金剛「それでも気に入られてるってだけマシじゃん?」トクトク…


金剛「榛名だけ色んなところ連れてってもらって、色んなもの買ってもらって意味不明だわ」ヘイカンパーイ

霧島「提督もヤリたい盛りの猿だからね。今になって目が覚めたんじゃん?」ウィーwww

比叡「お前らも散々改二発表前は遊んでもらっただろうがwwww」マダマダノムヨー

金剛「アレwwwwwそうだっけ?wwwwww」

霧島「貢がせるだけ貢がせただけだしwwww」

比叡「なんだよただの僻みかよwwww」

金剛「当たり前じゃんwwwww」

霧島「そうでもしないと発散しようがないわこのストレス」

比叡「でももう榛名もこっち側だから弄れなくなるよなァ……」

金剛「貴重なツマミがなくなって悲しいネー」

金剛「他にあるネタって言ったら役立たず低速戦艦とか置物空母とかくらいしかないし」

霧島「置物空母のおかげで連撃まじうめえっすwwwwwごちっすwwwww」

比叡「あれめっちゃ気持ちいいもんね、昼から連撃とか最高」

金剛「重巡調子に乗り始めてるけどな」

比叡「あいつら弾着観測ばっか使ってんじゃん」

霧島「連撃のほうがつええっての、んなのもわかんないんかね」

金剛「全部脳みそにいく栄養が胸いっちゃってるネ」

比叡「その割には貧乳なのもいるけどな」

「「「アッハッハッハッハ!!!」」」











榛名「…………」ギリッ…

榛名「…………」

榛名「…………」

榛名「…………」

榛名「榛名は大丈夫です」ボソッ

榛名改二にしようと思ったら鋼材足りなかった。
未だに武蔵は来てくれないし困った。
冷めないうちに使いたかったネタだけどなんか荒れそう。


続く。






……



妖精「こりゃひでえ」

妖精「ひでえとか言いつつ俺も黙って見続けてるんだけどさ」

妖精「で、見始めてから一週間くらい経過するわけだが」

妖精「ここに来るたび日に日に彼女の目が死んでいく」

妖精「正直つらい」

妖精「なんか見てる自分までつらくなってきた」

妖精「なんだっけ。レイプ目っていうの?」

妖精「もう手遅れな気もする」

妖精「しかしここで成功させればでかいぞ」

妖精「本人が望むのであれば……」

妖精「拒まれたら後処理が色々と面倒で旅に出れなくなっちゃう」

妖精「それでもここだけは最後まで見てから仕事に戻るけど」

妖精「よし、じゃあ潜入しますか」





……



提督「で、近々始まるイベント海域についてなんだが」

榛名「はい、榛名は大丈夫です」

提督「榛名の錬度がまだ上がりきってないのもあるし、参戦して欲しいのだが」

榛名「はい、榛名は大丈夫です」

提督「戦艦が入れなさそうだったら待機してもらうけど……」

榛名「はい、榛名は大丈夫です」

提督「……?」

提督「資材が底を突きそうになったら榛名を解体して資材にしてもいいかな?」

榛名「はい、榛名は大丈夫です」

提督「……」

提督「そんなに改二にしないのが不満か?」

榛名「はい、榛名は大丈夫です」

提督「ちょっと金剛ー」

金剛「無駄ヨー。最近ずっとこの調子ネー」

提督「仕事終わらないから秘書交代してくれ」

金剛「ハァァ?」

提督「まじで夕方までに終わらん。早くゴロゴロしたいから強制な」

提督「許せ金剛……また今度、間宮さんのアイス券あげるから」

金剛(いらねーしクソが)

榛名「はい、榛名は大丈夫です」

金剛「」イラッ

金剛「邪魔、さっさと出ていきなさい!」ドカッ

榛名「はい、榛名は大丈夫です」

金剛「フンッ!」バタンッ!





……



榛名(ずっと、笑って)

榛名(全てを受け流して、大丈夫ですと言っていれば些か楽になると思ってましたが)

榛名(もう、限界が近いです)

榛名「榛名、大丈夫ではありません……」トボトボ

榛名「誰か……私を見て……」

榛名「榛名は、榛名は……」

榛名「…………?」

妖精「」フヨフヨ

榛名「あれは……」

妖精「」キョロキョロ

妖精(お、いた)ミッケ

榛名「……」

榛名「ついに幻覚まで見えるようになってしまいました」

妖精「幻覚?」

榛名「幻聴もですか……思った以上に深刻みたいです」

妖精「あれ? 艦娘って妖精知らないの?」

榛名「……?」キョトン

妖精「うーん……俺部外者だしなぁ」

妖精「どっか誰にも見られなさそうなところ、案内してくれない?」

榛名「それなら榛名のお部屋にどうぞ」

妖精「お、ここの子も個室持ってるんだ」

妖精「んじゃーお邪魔するかな」












榛名「どうぞ」ガチャ

妖精「」

妖精「なんで机とベッドしかないの?」

妖精「雷電の部屋?」

榛名「……?」

妖精「あぁなんでもない」

榛名「あの日以来、必要最低限のもの以外いらないと提督が」

妖精「あぁ……」

榛名「でも、改二にしてもらった姉妹の部屋に呼ばれたときは実に華やかなお部屋でしたね」

榛名「金剛お姉様とか……お姉様……」

榛名「いえ、アレはお姉様の皮を被った悪魔です」

妖精「なるほど」

妖精「まぁ、とりあえず座ろうか」ヨッコラセックス

妖精「まず何から話したものか」

妖精「俺の名前は妖精。オスだよ」

榛名「榛名と申します」

妖精「妖精さんだから知ってるよ。個体差あれど、あなたは立派な榛名だ」

榛名「立派でも改二じゃありません」

妖精「改装してなくても榛名は榛名、そうだろう?」

榛名「あ……」

妖精「まず遠い鎮守府からやってきたんだけど……」


















妖精「──ってわけなんだけど」キンクリ

榛名「なるほど……」

妖精「性悪な妖精ですまないね。最初から見てて今まで黙っていたなんて」

榛名「いえ、いいのです」

榛名「あの意地汚い人たちに比べたら。それに今こうして私のところにきてくれました」

榛名「こうやってお話できる人がいるだけで、榛名は幸せです」

榛名「あ、人じゃなくて妖精さんでしたね」ウフフ

妖精「あぁ、なんかどうも」ポリポリ

榛名「それで、妖精さんはなぜ私のところに?」

榛名「妖精さんの当初の目的は他所には干渉せず観察することですよね?」

榛名「どうなるか見続けていても良かったのでは?」

妖精「まーそうなんだけどねー」

妖精「榛名が拒むなら何もしないで帰っていいんだけど」

妖精「あまりにもつらそうに見えたから一つ提案をと」

妖精「あと見てるほうもつらかった」

榛名「提案、ですか」ハァ…


妖精「うん」

妖精「うちこない?」

榛名「……妖精さんのおうちですか?」マァステキ…

妖精「残念ながら妖精さんのおうちは遠く離れた鎮守府なんだ」

妖精「榛名がもし今の環境を変えたいと思うなら、ぜひ我が鎮守府へこないかなと」

妖精「それでそのままうちに居てくれたらと」

榛名「え……」

妖精「榛名が嫌だと言うなら何もしないで帰るよ」

妖精「こんなところ長居してたら都合悪いし」

妖精「どうする?」

榛名「あなたのところの提督に許可は貰っているのですか?」

妖精「もちろん」

妖精「あんなことあったんだーって相談したんだけどさ」

妖精「それが本当ならどんなにつらい事かって泣いてたよ」

榛名「泣いて……」

妖精「あとうちの鎮守府貧弱なんだよね」

妖精「提督が小破しただけで撤退させるから全然進まないし」

妖精「妖精のほとんども提督と仲良くなくてさ」

妖精「建造や開発の妖精たちもやる気ないからペンギンばっか作ってるし」

妖精「建造も駆逐艦ばっかり揃っていくから戦闘じゃすぐに怪我しちゃうから」

妖精「それにこの前の大型建造でペンギン出たんだぜ? 人体練成でもしたのかよって」

妖精「そんくらいやる気ないから、悪循環なんだよねー」

妖精「まぁ、色々あるんだけどさ」

妖精「正直、榛名がうちに来てここよりマシになるってことはないかもしれない」

妖精「それでもくるかい?」

榛名「…………」

当SSでは世界観チグハグであったり、ありえない事が茶飯事で起きています。

続く。

榛名「正直あの鎮守府を出る喜びはあった」
榛名「あそこに居ては自分がダメになると思った」





……



妖精「まさかお礼を言って出てくるなんて意外だったよ」

妖精「良かったのかい?」

榛名「いいのです」

妖精「思った以上に優しいお嬢さんだこと」

榛名「あの人たちの本心がどうあれ、少なくともお世話になったことには変わりありません」

榛名「それに、私を可愛がってくれたお姉様や霧島の、あの心がニセモノだったとも思えません」

榛名「だから、良いのです。それに私も姉妹を憎むことはありました」

妖精「ま、自身が納得しているならこれ以上は何も言わないとするよ」

榛名「それにしても遠いですね。この茶屋がなければ暑さで蕩けていました」スズチイ

妖精「あんみつうまうま」ペロペロ

妖精「ん、そろそろつくよ」

妖精「あと転属の処理も提督がしてくれてるから気にしないでいいよ」

榛名「そこまでしてもらうなんて、悪いですね」

妖精「そうでもないみたいよ?」

榛名「それでも感謝です」













妖精「ただいまんこー」ガチャリンコ

提督「おかえりんこー」

初雪「……おかまんこ」

妖精「おい」

榛名「失礼します……」ソローリ

提督「」

提督「まじか」

提督「よくやった妖精さん」

妖精「妖精様は鎮守府にて最強」

妖精「連れてきたんだからしばらく妖精様の言うこと聞けよー?」

提督「なんでも聞く!」

妖精「ん? 今」

提督「はいはい」

榛名「えっと、あのぅ……」キョロキョロ

提督「よくきてくれたね、歓迎するよ」

初雪「……歓迎します」

妖精「じゃあまず間宮さんアイス食わせてくれ」フフン

提督「ははぁ……」つアイス券

初雪(いいなぁ……)

提督「……お前さんも行ってきなさい」ポン

初雪「えっ、今日はアイス食ってもいいのか!?」キラキラ

提督「あぁ、存分に食え……」

初雪「ヒャッハー!!」バァンッ!



提督「……秘書が失礼。君が例の?」

榛名「はい、高速戦艦の榛名です」

提督「おぉ……ついにこの鎮守府にも戦艦が……」ウウッ…

提督「ほとんど駆逐艦、他にいるのは那珂ちゃんだけの艦隊に戦艦がきてくれるなんて」

提督「毎日型録を眺め続けて幾星霜……」

提督「憧れの金剛型の娘が着てくれるなんて……しかも錬度も相当高いと」

提督「榛名、レベルは?」

榛名「97で、もうすぐ98です」

提督「ああ女神だ、女神が舞い降りた」

提督「しかし、見たところ改止まりか……」

提督「よし、工廠行こう。改二にして貰おう」

榛名「え!?」

提督「ん?」

榛名「改装してくださるのですか……?」

提督「もちろんだけど? 嫌ならやめるよ」

榛名「とんでもありません! 提督、工廠へ参りましょう!」ガシッ

榛名「工廠はどちらでしょうか!」グイグイ

提督「右行って左行ってあーれー……」ズルズル…










提督「工廠の妖精たちに土下座して謝ること一時間弱、ようやく榛名の改装をしてくれた」

提督「妖精さんに他の妖精に謝れと言われたときは憤死しそうだったけど、なんだかスッキリしたよ」

榛名「仲が悪いとは聞いていましたが、あそこまで悪かったとは……」

榛名「提督、妖精さんに何をしたのですか?」

提督「あれはここに着てまだ間もない頃だったな」

提督「妖精さんの持ってた純露を勝手に食ったらブチ切れちゃってそこから喧嘩に」

榛名「じゅんつゆ……?」

提督「べっこう飴みたいなやつのことだよ」

榛名「そんな理由で……」

提督「きっかけは些細なことだったけど段々大事になって、引くに引けず」

提督「そのおかげで今まで駆逐艦の子に迷惑掛けていたと思うと情けない」

提督「那珂ちゃんはアイドルになるって出て行ったから知らん」

提督「でも和解したし、きっと次からはちゃんとやってくれると思うんだ」

榛名「だといいですね」

提督「よろしくってお願いしてみるよ」

榛名「……提督、榛名はやっと改二になれました」

提督「おめでとう。貧乏鎮守府でも足りるくらいは残ってて良かったよ」

榛名「提督のおかげでこんなにも素敵な姿に……」

榛名「提督、榛名の姿。どうですか?」クルリ

提督「いやもうなんていうのか。可愛い。女神」

提督「きっとそのスカートの下はダズル縞パンなんだろうなーって」

榛名「……提督なら、見てもいいですよ?」ピラッ

提督「」ハナヂブーッ

提督「わが生涯に一片の悔いなし!」ドコーン!

榛名「提督、しっかりして下さい、てーとくーっ!?」











提督「さっきまでお花畑にいた気がする」

榛名「もうお体のほうは大丈夫ですか?」

提督「榛名のおかげで」

提督「それよりよかったのかい? 秘書をやりたいなんて言い出すなんて」

榛名「初雪さんに相談したら……」

初雪『夏コミ近いから、これでひきこもれる……』

榛名「だそうです」

提督「向こうで体調崩して倒れないといいが……大丈夫か」

提督「で、どうだい、ここにきて。うまくやってけそう?」

榛名「妖精さんに聞いてるかと思いますが、私がいたところでは色々事情がありまして」

榛名「こんなふうにもてなしてくれて、大切にしてもらえるのは久しぶりです……」

提督「普通のことじゃね?」

榛名「提督の普通が、榛名には優しすぎます……」

提督「悪くないならいいんじゃないかな、うん」

榛名「それに妖精さんが、小破撤退で全然海域を攻略できてないというので」

榛名「榛名が出撃スケジュールを立てます!」

提督「俺の存在意義がなくなる」

榛名「大丈夫ですよ、最終的な承認は提督ですからご安心下さい」

提督「なんだか判子だけ押して働いてるフリしてる無能上司みたいなんだが、俺」

榛名「提督は無能なんかじゃないですよ、もう……」ヒゲシナイノ


提督「よし、せっかくだし頼もうか。で、秘書をやってくれるのはいいんだけど」

榛名「はい、なんでしょう?」

提督「いやもうかなり遅い時間だけど、部屋戻らないの?」

榛名「ここを離れたら提督をお守りできません」

提督「そんな物騒じゃないよ?」

提督「むしろこんな野郎と一緒にいるほうが危ないような」

榛名「榛名、提督でしたら……」

榛名「なんでもありませんっ」キャッ!

提督「じゃあもう俺寝るけど」モゾモゾ

榛名「提督、榛名もご一緒します」

提督「いやだからまずいって」

提督「妖精さんに家具も抑えられてたから布団だって一枚しかないし」

提督「新しい布団買ったら隣に置いてあげるから」

榛名「そう、ですか……」ドンヨリ

榛名「榛名、待機命令……」ズーン…

提督「わかったから! ほら一緒に寝るよ、おいで」ポンポン

榛名「提督……!」モゾモゾ

榛名「んー♪」ギュー

榛名「たしかに布団一組は狭いですね……」

榛名「でも……榛名、暖かいです……」

提督「暖かいっていうより暑苦しいから離れてくれ……」

榛名「なら冷房をいれましょう、そうすれば心地いい暖かさになるはずです……」ピッ

榛名「提督、これからもよろしくお願いしますね……」ピットリ

提督(嬉しそうだしいっか……)





……



妖精「榛名を連れて来た事によって」

妖精「今後提督が俺のいうこと聞いてくれるのは有難い。いつでも旅に出られる」

妖精「それに他の妖精が本気を出せば新しい艦娘を作れる」

妖精「となると、夕張に会ってみたいんだよなー。あと明石の艤装の開発」

妖精「この二人が揃えば旅に役立つアイテムを作ってくれるかもしれないし」

妖精「この鎮守府、前途洋々である」

榛名「いました、妖精さーん」

妖精「おう嬢ちゃん。ここには慣れたかい?」

榛名「ばっちりです! はい、手作りクッキーです、よかったら食べて下さい」

妖精「料理うまくて菓子まで作れるなんていい嫁さんになれるよ」

榛名「そうですか? でも、提督は未だに手を出してくれません……」ションボリ

妖精「毎日一緒に寝てるのに?」

妖精(っていうより無理やり潜りこんでるんだろうけど)

榛名「はい……」

妖精「インポなんじゃない?」

榛名「大丈夫です、提督の寝てる間に元気な息子さんにはご挨拶しました」

妖精「……」

榛名「このままじゃ、榛名のほうが我慢できないかもしれません……」

榛名「どうしたらいいでしょうか……」

榛名「妖精さんは提督の好みとか知りませんか? どういうタイプが好きなんでしょうか……」

妖精(提督の型録、長門型のページに折り目がついていたような……)

妖精(……提督のほうは前途多難のようだ、頑張れ)

毎回一時間くらいかけて更新分を書いてるけど全く進まないのがなんとも。
ゴーヤを薄切りにして茹でて、ごま油と醤油と海苔を加えて和えたサラダ?みたいなのが美味しい。

続く。

読み返したら主語が抜けてるところばっかりでわろた


ミーンミーンミーンミーーーーーン




提督「もうすぐ八月だな、吹雪」チーン…

提督「ゲージが復活して、またアイツがやってくる」

提督「また死傷者が出ないようにしないとな」

提督「では、行ってくる」






……




提督(桜が吹き乱れる頃、私は吹雪と出会った)ザブザブ…

提督(チュートリアルを終え、吹雪に乗りいざ初出撃)メタイ

提督(ここらへんだったか……)バシャバシャ

提督(あのとき、ここで突然深海棲艦に襲われた)チャポン…

提督(鎮守府周辺では、駆逐艦や軽巡くらいしか出ないと聞いていたが、事実襲われたのだ)

提督(後にわかったことだが、その深海棲艦の名はレ級というらしい)

提督(そのレ級に襲われ、不運にも吹雪は死んだ)

提督(だが、なぜか私は生きていた)

提督(私は妖精に海から引きずり上げられ、工廠へと運ばれた)

提督(そこで私は艦娘になった。妖精曰く、これしか助かる方法がなかったと)

提督(そのとき私のチンコも失ってしまった。艦娘になるには仕方の無いことだと)

提督(絶望した。だがその代わり、艦娘の力を手に入れた)

提督(そこから更なる鍛錬と改造を加え、艦娘以上の力を得た)

提督(こうして艤装を纏い、海にも出られるようになった)ガシャコン

提督(奴らに復讐する力を、手に入れることが……)

提督(それからは提督に与えられる、深海棲艦を駆逐するという建前で活動を続けている)

提督(だが、そんなことはどうでもいい)

提督(同じ過ちが繰り返されない為にも、一応は雑魚の相手もしているが)

提督(あくまで私の目的はあのレ級の首を取ることにある)


提督(月の始めに奴らのゲージが回復する)

提督(これを削りきったら、深海棲艦たちが少しだけ静かになると聞いて)

提督(月に一度、それと気が向いたらこうして海に出ているが……)

提督「なんだ? お前はただのレ級か」ゴキッ

レ級「ヲッ!?」グギリ

提督「お前のような量産型の首なぞいらん、欲しいのは姫クラスかエリートレ級の首だ」ポイッ

提督(一向にあのレ級には会えないまま)



新たな仲間を発見しました!(キラリーン



提督「いらん、また同じ過ちを繰り返すくらいなら……」

提督「私にはもう艦娘を迎える資格は私にはない」

盤娘「とか言ってどうせまた見殺しにするのが怖いだけだろ?」

提督「うるさい、羅針盤割るぞ」

盤娘「やれるもんならやってみろ」

提督「お前がいなくても、どこに進めばボスマップにたどり着けるか知ってるからな」

盤娘「ッケ」

提督「それに散々迷わされた身としてはお前はもういらないくらいだ」

盤娘「冷たいこと言うなよ、これも仕事でさァ」

提督「いいから黙ってついてこい」

盤娘「へいへーい……」













提督「ただいま、今日もダメだったよ」スマナイ

提督「また見つけられなかった」

提督「もう駆逐されてしまっているのかと信じたいくらい会えない」

提督「こんな勲章を貰っても、なんにもならないというのに」ポーイ

提督「だけど、死ぬまで諦めないから見守り続けてくれ」

提督「いつになるかわからないが、頼んだよ」

提督「あいつに一矢報いるその日まで」















……



妖精「海眺めてて、海上を駆ける艦娘がいると思ったら提督だった」

妖精「ニューハーフ提督とか誰得だよ」

妖精「厚化粧にセーラー服を着ててカツラ被って、おまけにおっぱいまであるときたもんだ」ギニュゥ

妖精「なのに筋骨隆々で、裏声で喋ってるところとかもうね」ヤバイッテ

妖精「世の中広いなぁ……色んな人がいるんだね」

せっかく提供されたネタを文に起こしたら変に逸れて何を書いてるのかわからなくなってしまった。

続く。




妖精「建造妖精さーん」

建造「ほいほいなんでしょう」

妖精「ドラゴンレーダーとか逸れない羅針盤とか色々欲しいから開発神夕張の建造を頼もうかと」

建造「建造レベルが足りてないんだよねー」

妖精「なんだそら」

建造「このレベルが一定に達してないと、建造できる艦娘が限られるのよね」

妖精「夕張なんて資材を三十ずつぶっこんでも時たま出来るじゃない」

建造「なんだけどねぇ、建造レベルがだね。あれ金背景のレア娘だし」

妖精「なんだよその建造レベルって、新しい課金システムみたいなの」

建造「今ならリアルマネーで買えるなんちゃら石で建造レベルを上げられます、スタミナの回復も出来ます」

妖精「クソくらえってんだ」

建造「本当のことを言うと、上位の艦種になると建造するのにそれなりの技術が必要でさ」

建造「イマイチ建造慣れしてないうちの工廠だと狙って作るのは厳しいんだよね」

妖精「那珂ちゃんとかピンポイントで建造してたじゃん」

妖精「生まれる前にアイドルだって脳みそに刷り込みしてたじゃん」

妖精「それに望月とか狙って作りまくってたじゃん、やる気ないからあの提督にぴったりだって」

妖精「あと初雪とか、その辺の子」

建造「あれー、そうだっけー」ホジホジ

建造「まぁいいや、頑張って見るよ。メロンだよね?」ピンッ

妖精「夕張ね。よろしく頼んだよ」ウワキタネェ

建造「あいあい」





……



妖精「よう開発さん」

開発「あーお前さんか」

妖精「提督と和解してからどうよ?」

開発「ぼちぼちいいもの作る気にはなったかなー」

開発「とりあえず榛名がきたから、三式弾とか徹甲弾とか作ったよ」

妖精「ふむふむ。その開発の技術を見込んで、ぜひ明石の艤装を作って欲しいのだが」

開発「それ建造じゃね?」

妖精「同じ資材と開発資材ぶっこんで混ぜ混ぜしてるんだから、どっちも同じかと思って」

開発「それ胃に入ったら一緒っていうメシマズ嫁と同じ思考だと思うんだ」

妖精「違うのか……」フム

開発「無理しても生臭いペンギンかイカ臭いペンギンしか出来ないからどうにも」

開発「あと開発レベルが」

妖精「こっちもかよ」

開発「それに加えて秘書によっても左右されるから、なおさら運任せになるかと」

妖精「さっきから言ってる建造レベルだの開発レベルだのって実在するの?」

開発「鎮守府のレベルかね? それとも目に見えてないだけで、実はある隠しステータスかもしれない」

妖精「自分でも把握してないんかい。というかなんだそのSagaシリーズの装備のようなシステム」

開発「そのうち属性攻撃とか連携とか実装されたりしてな」

妖精「提督発狂待ったなし」


妖精「違うそうじゃない、結局明石は作れるのかどうなのか」

開発「無理」

妖精「最初っからそう言えよおおぉぉ!」URYYY!!

開発「だってまだレシピがないし、大型建造必須だよ」

妖精「あっ」

開発「明石や夕張に何を頼むのか知らないけど」

開発「正直そっちに頼るなら、近くのホムセン行ったほうが早い」

開発「品揃えもそっちのほうが圧倒的じゃね?」

妖精「俺が欲しいのはこう、非科学的な道具なんだけどね。ドラえもんの秘密道具みたいな」

開発「果報は寝て待て、そのうち夕張も明石もくるはずさ」

妖精「結局待つのか、仕方ないけどそれしか……」

建造「おっす妖精、メロンできたぞ」

妖精「早くね? しかもメロンとな?」マジ?

建造「なけなしのバーナーを使って瞬間溶接ですよ」ドヤァ

妖精「よーしじゃあ建造ドックに行ってみようか」

開発「いってら~」ノシ













……



高雄「こんにちは、高雄です」ボイーン

妖精「いや確かにメロンだけどさ、うん」オムネメロン

建造「お前さん巨乳好きだろ? どうよ?」

妖精「確かにそうだけどさ、求めていたのはそっちじゃないんだが」

高雄「馬鹿め! と言って差し上げますわ!」m9プギャーww

妖精「ひでえ」

宵闇のローブ「提督くん!」
最強の帽子「隠しステータスはいいぞ!」

初代妖精は犠牲になったのだ…。犠牲の犠牲にな……。

続く。





……



妖精「あー暇だー」ゴロゴロ

妖精「提督に無期限の休暇をくれっつったら快諾してくれたけど」

妖精「それはそれで暇だし窓際みたいでつらい」

妖精「仕事しないでいられるのは楽なんだけどね」

妖精「そして夕張メロンちゃんはいつきてくれるのか」

妖精「いなくても今まで通り、普通に冒険に出ればいい話か……」

妖精「そうと決まれば早速。今日はどっち方面に行ってみようかなー」

妖精「あれ? 待てよ?」

妖精「行く先々の鎮守府で設計資料とか盗ってくればうちでも簡単に作れるようになるんじゃ」

妖精「いや大人しく分けて下さいというべきか……」

妖精「いっそ提督を焚きつけて、他所の鎮守府を襲ってしまえばいいのでは」

妖精「……本営にバレたらそれこそやばいし、そもそも他所を潰せるほどの戦力はうちにはなかった」

妖精「建造の奴、もう少し頑張ってくれないかなー」カランカラン

妖精「よし、倒れた棒が北東を指したからそっちに決めた!」





……

提督「扶桑で最後だな」

扶桑「みたいですね。他の人を見かけませんでしたし」

提督「早くから休暇を出していたからな。皆、すぐにでも帰省したかったのだろう」

扶桑「私は準備で少し遅くなってしまいましたからね」

扶桑「では、行って参りますね」

提督「あぁ、気をつけてな」

山城「お姉様、何かあったらすぐに連絡くださいね」

扶桑「もう、山城ったら……」

扶桑「提督、妹をよろしくお願いしますね」ニコッ

提督「任せてくれ」

山城「お姉様も提督も、私を子供扱いしないで下さい」

提督「はいはい」

扶桑「それでは、また」フリフリ

提督「またな」フリフリ










提督「よかったのか? 扶桑についていかなくて」

山城「……いつもお姉様にくっついていますから」

山城「たまには離れないと、嫌われてしまうかと思いまして」

提督「そんなことで嫌いになるような子ではないだろう」

山城「嫌われてしまってからでは手遅れです」

提督「……自分が納得しているならいいか」

提督「それで、山城はなんで執務室に?」

山城「この部屋と私の部屋、両方に冷房を入れては電気の無駄遣いでしょう」

山城「同じ部屋にいれば、一つの部屋だけ入れていれば充分ですから」

山城「それなのに提督はなぜ冷房を入れないのですか?」

提督「この部屋のエアコン、壊れているんだ」

山城「……」

提督「そう睨まれても、本当のことだから。ここだと扇風機くらいしか涼めるものはない」

提督「わかったのなら、部屋に戻れ。この際別に一人でもいいだろう?」

提督「熱中症で倒れられてからでは困るからな」

山城「……いえ、私もここに居ます」

山城「提督一人だけを残した状態で提督に倒れられたら、ここに残った私の立つ瀬がありません」

山城「涼むのであれば、提督も一緒でないとダメです」

提督「それは困ったな。せめて今日の分の仕事を終えるまで、私はここから出るつもりはない」

山城「なら、早くそれを終わらせましょう」

山城「二人して汗だくになりながら喋ってるだけでは、仕事は終わりませんよ?」

提督「尤もだな」

山城「それにしても、この時期にエアコンの故障だなんて不幸だわ……」




……



提督「お昼は素麺にしたよ」

提督「悪いが、まともに飯をつくる気力もない」

山城「いえ、作ってもらえただけ」

山城「頂きますね」

提督「どうぞ、頂いて下さいな」

山城「おいしい……」

提督「ん、どうも」

山城「……風鈴の音、気持ちいいですね」

提督「あぁ。夏を乗り切るには大事な物だよ」

山城「いい音……」

提督「……仕事、全然終わらないな」

山城「こうも暑くては、やる気も殺がれますしね」

山城「かといって、これだけの書類を私の部屋に持っていくのも無理です」

提督「……すまないな」

山城「やめて下さい。嫌々やっているというわけではないのですから」

山城「あくまで私の好きで、仕事を手伝っているだけで」

提督「そういって貰えると助かる」

山城「それにお姉様から、粗相のないよう提督を支えてって言われていますし」

提督「それでもありがとな。この暑さでも、些かやる気が出てきたよ」

山城「無茶だけはしないで下さいね」

提督「山城のほうこそ。駄目だと思ったら、部屋に戻っていいからな」











提督「やっと三時か……」

山城「一向に終わらないわね……」

提督「いい加減この汗をどうにかしたいな」

山城「汗を拭いて、着替えてから続けます?」

提督「十分も経たないうちに同じ状態に戻るだろう」

山城「……本当に涼めるもの、ないのですか?」

提督「この部屋にはない」

山城「じゃあ今まで提督はどうやってこの暑さを凌いできたのですか?」

提督「この部屋の隣にある浴室に水を張って、行水をして涼んでいる」

山城「そんなものがあるなら早く言って下さい!」

提督「そんなに怒らなくても……」

山城「怒ります!」

山城「女性が汗だくのまま男性の近くにいるなんて、少なくとも私は嫌です!」

提督「そんなに気にすることか?」

山城「気にします! あぁもう、不幸だわ……」

山城「汗臭くないかなとか、そんなことを気にしていた私が馬鹿らしいじゃないですか!」

提督「す、すまん。だが決して汗臭いなんて、むしろ良い匂いが……」

山城「──ッ!」

山城「とにかく! 隣に浴室があるならシャワーを浴びてきますので」

山城「覗かないで下さいね、絶対ですよ」

提督「あ、あぁ……」










山城「なんで浴室なのに蛇口しかついてないのよ……」

山城「脱いでも涼しくならないし、かといって汗でぐっしょりの服を着なおすのも……」

山城「こんなことになるなら、前もって下着だけでも持ってきておくべきだったわ」

山城「とりあえず浴槽にぬるま湯だけでも張っておこうかしら」

提督「すまない山城、この部屋なんだが……」

山城「ッ! 何見てるのよ!」

提督「あっいやすまん、裸だったとは知らず」

山城「覗くなって言ったじゃない! 提督の馬鹿!」

山城「それで何の用なのよ!」

提督「シャワーがないから、この桶持って入らないと体を流せないよって言おうとしたけど」

提督「山城が先に入っちゃったもんで……」

山城「そうならそうと早く言って下さい!」

提督「悪い気分にさせてすまない、すぐに出て行くから……」

山城「──待って!」

提督「え?」

山城「その、体はタオルを巻けばいいので」

山城「提督も体を流していっては如何でしょうか」

提督「自分が何を言ってるのかわかってるのか?」

山城「わかってます!」

山城「ただそうしたほうがすぐに仕事に戻れるからそう言っただけです!」

提督「お、おう。山城がいいならそうするけど」

山城「バスタオルを二枚お願いします、さっさと流して仕事に戻りましょう」

提督「わかった」





……



山城「それで、なんで提督に水を掛けて貰っているのでしょうか」

提督「すぐに出てもどうせまた汗でびっちゃびちゃになるだろうし、ゆっくりしようかなって」

山城「随分と悠長なんですね」

提督「どちらにせよ今日一日では終わらないだろうし」

提督「充分に涼んでから、また頑張るとするよ」

山城「そんな調子で終わるの?」

提督「終わるようになんとかするよ」

山城「……ならいいです」

提督「山城こそ、俺なんかと一緒に風呂に居ていいのか?」

山城「提督が汗を流して下さるというので、好意に甘えているだけです」

提督「そうか。意外だな」

提督「てっきり山城は姉としかそういうことはしないと思ってたから」

山城「私だって驚いています。こうして提督と一緒にお風呂にいて、自然でいる自分自身に」

山城「……きっと、提督のおかげでしょうね」

提督「え?」

山城「次、私が背中を流しますので向こうを向いてください」

提督「あぁ、頼んだ」

山城「じゃあ水を掛けますね」










山城「それで、なんでそこで縮こまっているの。提督は浸からないの?」

提督「だって今、山城入ってるじゃん」

山城「もう一人が入るくらいのスペースはありますけど」

提督「そういう問題じゃなくて」

山城「いいから入って下さい」

山城「体に熱が残ったまま出ては、入った意味がありませんから」

提督「……失礼する」

山城「……」

提督「……」

山城「……」

提督「……なぜこちらに寄る」

山城「……確かめたかったからです」

提督「?」

山城「最初はお姉様のことばかりを気にしていましたが」

山城「先程言ったように、提督にとって私は汗臭くないかなとか」

山城「提督からして、私をどう感じているのか。そればかりを考えるようになりました」

山城「それとか、提督にいい匂いがすると言われたときの私の気持ち」

山城「この気持ちがお姉様に対するものと、同じものなのかと確かめたくて」

提督「……どうだった?」

山城「わかりません」

山城「ただ、それとはまた違った気持ちで」

山城「ふわふわしていて、すごく心地よいのです」


山城「なぜここに残ったのか、ようやくわかった気がします」

山城「色んな建前を並べました。それも本当のことなのでしょうけれども」

山城「貴方のことが好きだからという気持ちのほうが、今は強いです」

山城「お姉様のことも大好きですけれど、提督のことも大好きです」

提督「……」

山城「いけません、私ったら何を言っているのかしら」

山城「提督、もう上がりましょう。これ以上入っていても時間の無駄です」

山城「ほら、もう出ましょう?」

提督「いや、先に出ててくれないか?」

山城「何を言ってるの?」

提督「後から出るからさ、頼む」

山城「え? あ……そ、それって」

山城(タオル越しでも大きいのが……)

提督「えっと、その。なんていうのか」

提督「山城のあんな可愛く語る姿を見てたら、つい」

提督「それに好きな娘に好き好き言われて、興奮しちゃって……」

山城「提督、それって……」

提督「……」

山城「提督は私のこと、好きなのですか?」

提督「そうだよ。だから山城が扶桑のことしか考えてないのにはすごい妬いたし」

提督「今日から一緒に残ってくれるって言ったときには、すごく嬉しかった」

提督「それに山城ってすごいエロい体してるし、なお更のこと興奮する」

提督「いいからほら、早く先に上がって……」

山城「提督、それ、もっとよく見せて下さい」

提督「見せてどうする」

山城「提督は私のここ……見たくありませんか?」

提督「……」

山城「それと同じです。好きな人が、私の体で欲情してくれているのですから」

山城「だから提督、お願いです……」





……



提督「まさかこんな形で、山城とこうなるとはな」

山城「私もですよ」

提督「いや、本当に姉のことしかないものだと思ってたから」

山城「別に私は姉様のことをそういう目で見たことはありません」

山城「おかしなことでしょうか?」

提督「ケッコンカッコカリを申し込んでもあれだったしなぁ……」

山城「まだあの時は提督のことを好きだという自覚がなかっただけです」

山城「もう、そんなに拗ねないで下さい」

提督「そうだな、これから存分に山城に愛してもらえば問題ないな」

山城「提督も同じくらい愛して下さい」

提督「もちろん、約束する」

山城「ふふ、期待してる」

山城「それじゃあ挿れますね……んっ──」

提督「うぁっ、あったか……」

山城「あら、すんなり入ったわ……」

山城「初めては痛いって聞いていたのだけれど」

提督「そうとも限らないんじゃないのかな」

山城「それとも、相性、いいのかもね、私たち、っ」

山城「ここ、ジンジンして、あっん……」

提督「一人で飛ばしすぎだって、もすこしゆっくり……」

山城「提督こそ、さっきから胸ばっかり……もっと唇にキスを下さい」

山城「ンンッ──あ、ふ──……ン──」

提督「っはぁ、本当に初めてなのか……? がっつきすぎ」

山城「だって、提督は選り取り見取りじゃないですか」

山城「提督が私を選んでくれただけで、夢みたいだって言うのに」

山城「こうして私を受け入れてくれて、幸せで……っ」

山城「もっともっと、欲しいの」

提督「……わかった。泣いて喚いてもやめないからな」

山城「提督こそ、音を上げないで下さいね?」





……



提督「ごめん、意気込んだ割にはもう無理……」

山城「私も少し痛いからやめましょう、結構無茶してたみたい」

提督「ごめんな、優しくしてやれなくて」

山城「その代わり、とても熱かったからいいです」

山城「お風呂に入る前に戻っちゃいましたね」

山城「汗でびっしょり」

提督「だけど仕事してるときよりは不快な感じはしなかったし、今もしないな」

山城「夢中になってたからじゃないですか?」

提督「かもな。嫌々やってる仕事と比べちゃ駄目だな」

提督「もう一度流して出ようか」

山城「そうですね。なんだか気だるいわ……」

山城「でも、とても幸せ……」

提督「出たら一眠りして、今日はもう仕事お終い」

提督「起きたら遅めの晩御飯を食べようか。それでいいかな?」

山城「いいですね、ぜひそうしましょう」

提督「あれ? お仕事はーって言わないの?」

山城「提督は働きすぎですから……。少しくらい休んでも、誰も文句なんて言いません」

提督「最初に倒れる云々言ってたのもそうだけど、心配してくれてるんだな」

山城「そうですけど、何か?」

提督「いや。ありがとう、また明日から頑張ろう」


提督「それで山城は俺のどこに惚れたの?」

山城「いきなりどうしました?」

提督「なんとなく気になっただけ」

山城「……かつては欠陥戦艦とまで呼ばれた私やお姉様を、重宝して下さったことでしょうか」

山城「一概にそれが全てというわけではありませんけれど……」

山城「そうですね、例えば私がドック入りしたときなんかに毒突きますよね」

山城「そんな私にもバケツを差し出して、優しい声で使っていいよって言って下さったり」

山城「決して私を蔑んだりはしない。ううん、誰に対してもそう」

山城「そういった優しさに、でしょうか……」

提督「そう褒めちぎられると照れるな」

山城「さ、今度は提督の番ですよ」

提督「ん?」

山城「小っ恥ずかしい、どこに惚れたかなんてことを人に聞くくらいですから」

山城「自分は答えを用意しているのですよね?」

山城「提督は私のどこが好きなのですか?」

提督「そう言われてしまうと、すぐには答えられないな」

山城「不安なんです。どうして、私のどこにそれだけの魅力があったのか」

山城「それをちゃんと、教えて欲しいのです」

提督「そうだなぁ、俺は──」





……



妖精「末永く爆発しろ」

妖精「艦娘と汗だくセックス……汗ックス……なんと裏山」ジュルリ

妖精「ッハ! 今なんか乗っ取られかけてた」

妖精「にしても盆休みかー、周りの鎮守府もこんな感じなのかな」

妖精「だとしたら入り放題」

妖精「とりあえず工廠にお邪魔するかな、誰もいないみたいだし」スッ

妖精「今日も暑いしだるいから、それ終わったら帰ってゆっくりするかなー」ガサゴソ

妖精「それにしても、あの妖精の言ってた言葉は本当なのだろうか?」キョロキョロ

妖精「胸糞どころか砂糖吐き出しそうで胸がむかむかするのだが」アレハ…

妖精「まだ見ぬ世界があるのかなー気になるなー」ガサゴソ

妖精「おっ、バケツと開発資材発見」♪

妖精「ついでに持って帰っちゃお」ゴソゴソ

妖精「他に何かないかなー……」ガサガサ

雑談スレ見てて迸るリビドーに身を任せた結果。
山城が本妻の人が少しでも報われるような話に出来たらと思ったら
肝心な山城のキャラ崩壊で誰これ状態。
そしてこのスレの方向性が見えない。

続く。




……



妖精「あー喉いたい」

妖精「冷房いれっぱで寝てたら風邪引いたかな……」ガラガラ

提督「妖精さん、助けてくれ」ガチャリ

妖精「どうしたの」

提督「榛名のスキンシップが酷くて逃げてきた」

妖精「具体的には?」

提督「常にくっついてる。触り方もなんか如何わしい」

提督「この前トイレにまでついてきそうになったし」

妖精「良かったじゃん」

提督「いや一人の時間がなくってさ本当」

妖精「良かったじゃん」

提督「それに高雄が現れてから、初対面でいきなり提督は渡しませんって断言して」

提督「高雄がどうしたらよいでしょうかって困ってた」

妖精「そりゃ困るわ」

提督「頼む妖精さん、知恵を貸して欲しい……!」

妖精「後ろ」

提督「え?」クルッ…

榛名「提督、お仕事終わりました」ニコニコ

妖精「ごめん俺ちょっと出かけるわ」

提督「えっ、あっ」ガシッ

榛名「これで今日はもうお暇ですよね? 榛名と一緒に過ごしましょう!」~♪


チョットマッテヒッパラナイデッテ…アッー!








妖精「ひええ怖かった」

妖精「勢いで飛び出したけどここらへんに鎮守府あったっけ……」キョロキョロ

妖精「あったあった。ではでは失礼……」ブーン




ミーンミーンミーンミーーーーーーーーーーン





提督「あーうっせーセミィー……」アチー

曙「八つ当たりはよくないわよ、クソ提督……」アツーイ

提督「クソ提督のクソが暑さでドロドロに溶けてゲリ提督になりつつ」

曙「きったないわよ! このクソ提督!」ボフッ

提督「力加減して叩いてくれる曙まじ天使ィ……」ゴローン

提督「しっかしやる気でねーなー」

曙「いくら弱小鎮守府だからって、エアコンの一つくらいくれたっていいじゃないのよ」パタパタ

提督「お上が許さんのですよー……」

曙「クソ提督の小遣いで買いなさいよ」

提督「雀の涙だって知ってるくせに……」


ツクツクヴォー! ツクツクヴォー!


提督「ただでさえ暑くてむかつくのに、セミのせいで余計に煩わしい……」

曙「……ねぇクソ提督、セミさえどうにかなればいいの?」

提督「んー、まぁそうかなー」

提督「キモくて喧しいセミがどうにかなればなー……」ゴーロゴロ

曙「……しょうがないわね、いい考えがあるわ」ゴロゴロ

提督「お?」










提督「というわけで、第一回蝉取り大会開催です」

提督「参加して頂くのは我が艦隊の主戦力、綾波型の皆様でございます」

曙「誰も私も参加するなんて言ってないわよ、このクソ提督!」

敷波「急に呼び出して、なにかやんの?」

朧「蝉取り……?」

潮「もうこの時点で帰りたい……」

漣「今流行の食べて駆除する的な?」オエー!

提督「食べません気色悪い」

提督「ただ蝉がうるさくてどうにかしたいと偉大なる秘書様の曙に相談したところ」

提督「取って駆除すればいいじゃないと。自らが赴き駆除してくれるということで」

曙「だから私はやらないって」

提督「一人では心許ないので、他五人にも手伝って頂こうかなと」

提督「なお本作戦で戦果を上げたものについては、褒賞を与えるものとする」

曙「言ってる……」

提督「一番蝉を捕獲した者の言うことは何でも聞いてやるぞ」


漣「っく~ッ!! キタコレェェェェェェェェェェ!!」

朧「まじ?」

提督「日頃の労いも込めて三回までなら聞いてやろう」

潮「これが……これが現代の神龍」

敷波「蝉七匹捕まえれば願い叶うの?」

提督「七匹なんて甘い甘い」

提督「種類関係なく蝉一匹で一ポイントとするので、多く捕まえたもの勝ちだ」

綾波「でもそれじゃ、一番以外は報われないんじゃ……」

提督「一位が取れなくても終わった後で、皆に間宮さんのアイスを奢るくらいはする」

漣「願い三つとアイスってすげー差だな」

提督「やってくれるかい?」

潮「しますします!」ピョンピョンプルルン

提督「え、そう? 助かるなぁ」ジー…

曙「潮をゲスい目で見るなこのクソ提督!」

提督「曙は参加しないんだったよな? 良かったな、これで五人での争いになるぞ」

曙「誰もしないなんて言ってないわよ!」

提督「え、するの?」

曙「……し、仕方ないわね。参加してあげるわ」

提督「別に無理しなくても」

曙「するって言ってるの、このクソ提督! フンッ、充分感謝しなさい!」

提督(かわいい)ウェヒヒ

朧「でも綾波だけ改二でずるくない?」

敷波「そーだそーだ」ヤイヤイ

提督「陸なら錬度もなんも関係ない気がする」

綾波「えっ」ソウナノ?

提督「たぶん」テキトー

提督「開始は二十分後の一時から。それまでに道具揃えたりしてな」

提督「夕方の五時までに帰ってくるように! 一分でも遅れたら失格とします」

提督「提督は妖精と蝉の有効活用法について調べるから頼んだよー」バイバイ


…各個人、作戦会議中…



綾波「素手で取って、ゴミ袋に放り込む」ヨシ!

綾波「ゴミ袋、どれくらいあれば足りるのかな……」ブツブツ



朧「効率よく蝉を回収していくには……」ブツブツ

朧「暗視ゴーグルで擬態をすぐに見分けるとか? 電探とかもどうですかね……」



潮「捕まえた蝉を持ち歩くのは効率悪いですよね」

潮「虫取り網で取ってから、どこかにしまうのも時間が掛かりそう……」ブツブツ



漣(楽して大漁、そしてメシウマ。これしかない、特にルールは設けていないはず)

漣(姉妹が集めた蝉を奪うにはやはり……単装砲は持ち歩くべきか……)

漣(傷つけたら失格になりそうだし、ここはロープで縛るべきか……)



敷波「潰れてても原型留めてたらアリかな? 蝉の駆逐だしね、どうなんだろ」

敷波「虫取り網よりハエ叩きかな? 蚊取りラケットの金網をむき出しにするのも良さそう」フム…

敷波「それだとより高電圧な奴を使わないとね!」



曙(どうしよう! 三つもお願い聞いてくれるなんて、えーっと……!)モンモン

曙(して欲しいことが多すぎて! してあげたいことも多すぎて!)ンアー!






提督(影から眺めてるけどいいねこれ)

提督(駆逐艦ってやっぱ最高。特に綾波型)

提督(誰が勝って何を言われても得しかありませんわ)グヘヘ…

蝉とか鷲掴みにできる子供ってすごいというか怖いというか
あとヒグラシの鳴き声だけは喧しく感じない不思議。

続く。




……



提督「お疲れ様、皆」

綾波「頑張っちゃいました」ドサッ

漣「結局漣も自分で収穫することにしました」ドサッ

朧「誰にも負けない量です!」ドッサ

提督「このモゾモゾ動くゴミ袋がなんだか生々しい」

潮「開けたら逃げちゃいそうです……」

敷波「あたしは殺してるから問題ないよー」ドヤァ

曙「……」モジモジ…

提督「……やっぱ開けるのはやめようか」


\エエー!!/


提督「その代わりに、ゴミ袋の重さで決めようか」

提督「今から一匹ずつ数えたら終わらないし、そもそも開けたくない」

ゴミ袋「あかん破けそう」ガサゴソ…ギギギ……

敷波「うん、しょうがないよね……」


曙「あの、クソ提督……」

提督「どうした、元気ないの。漏らしちゃった?」

曙「ちがっ……! このヘンタイ!」

曙「私だけセミじゃないの捕まえてきちゃったの、それでどうすればいいのか」

提督「セミ以外ィ?」アン?

提督「最初の意気込みはどこにいったんだ、どれ。何を捕まえたんだ?」ガサガサ…

セミの幼虫「よう、相棒」モッサモッサ

曙「潜ってる奴は嫌いだし、気持ち悪いし、これならアリだと思って……」

提督「元凶から摘み取るとはやるな、これもアリとしよう」

曙「やたっ!」ピョンピョン

提督(曙だと揺れないんだよなぁ……)ジー…

提督(でも踊るサイドポニーがそそる……)ムラムラ

提督「じゃあ処理しておくからアイスでも食べててよ。間宮さんに話は通してあるから」

提督「きっと歌って踊りながら凍った石板の上でアイスとトッピングを混ぜ混ぜしてくれるよ」


\ミタイミタイタベターーーイ!!/ ドタドタドタ…


提督「あーー……あの笑顔があれば生きていける」




……



提督「さて、それでは結果が出たのでお知らせしようと思います」


\ザワ…ザワ…/


提督「一番は曙でした、おめでとう曙ちゃん!」

曙「え……うそ……!」

綾波「やはり性能に頼った私では駄目でしたか」ガクリ

漣「ご主人様の為に頑張ったのにぃぃ、うぅっ……」アゥッアゥオゥウア゛アアアーー↑

朧「はぁー……」ドウセソンナモン

敷波「腹いせに明日また乱獲いってくる」

潮「残念です。お肌も焼けちゃって痛いし……」コンガリ

提督「それじゃあ皆はもうお部屋に戻っていいよ、お疲れ様」

提督「おかげで少し静かになった気もするし、助かったよ」


\ヨカッタネー! バイバーイ!!/ バタンコ


提督「……やったじゃないか、一番だぞ一番」

曙「本当なの?」

提督「あれだけ捕っておいてまだ疑うのか」

提督「大丈夫、本当だから。ささ、曙様の願い事をどうぞ」

曙(まだ悩んでて決まってないとは……そうだ!)

曙「何でもいいの?」

提督「なんなりと」


曙「……そうね、私だけに三つもいらないわ」

曙「だから、六つで許してあげる。私も鬼じゃないわ」

提督「六つ?」

曙「願い事のお願いできる回数よ、クソ提督♪」

曙「クソ提督の為にみんな頑張ったんだから、みんなのお願いを一個ずつ聞いてあげなさい」

提督「願い事の回数を増やすねぇ……何でもいいとは言ったけど」

提督(まさかこんな子供が考えるようなことをお願いされるとは、いや子供だけど)

提督「でもいいのか? 曙も一つでいいって」

曙「みんな貴方の為にやっただけよ、今回はたまたま私が一番だっただけ」プイッ

曙「だから私だけ三つなんてずるいじゃない」

提督「わかった、それでいいならそうしよう。なら早速呼び戻して聞いてみるか」

提督「あと、もう一回あなたって呼んでくれ、頼む!」

曙「うるさいクソ提督! さっさとあの子たち呼んできなさい!」

提督「あああ曙優しい! 可愛い! 俺にはお前がいないと駄目だ!」スリスリスリスリ

曙「何言ってんのよ、触るなクソ提督! 憲兵呼ぶわよ!」ジタバタ

提督「あーやわらかーいぬくーい」ギュウウ

曙「もう……そういえば、結局セミはどうするの?」

提督「なんとか資材にできないかなーって妖精が頑張ろうと」

提督「今度から開発でセミ混ぜてみようかって言ってた」

曙「……大丈夫なの?」

提督「ダメっぽい気がする。それとも食べる?」

曙「絶対イヤッ! バッカじゃないの?!」

提督「あぁ~バカだからもっと罵って~」ウヘヘ

曙「ああもうだから放しなさいってば!」















妖精「ロリコン提督だけど健全でよかった」

妖精「うちのガキんちょどもは冷房キンキンの部屋でスマホとかDSいじってばっかだよ」

妖精「このクソ暑い中外に出る子なんて普通いないんだろうけど、今時って奴なのかね」

妖精「日も暮れてきたし帰るかー……」

妖精「……うちってどっち方面だったっけ」

妖精「やべ、迷った」ポツン…

これ書きたいという突発的な衝動で動いております。
それとそろそろネタを拾っていきたい今日この頃
夏風邪流行ってるっぽい? お体に気をつけて。

続く。

リクエスト応えるかは知らないけど
この前行ったら大声上げてノリノリでアイス混ぜ混ぜし始めてビビりました。


妖精「やべーないい年こいて迷子だよう」フヨフヨ

妖精「この辺なんかなかったっけなー」ブーーン

妖精「……遠くに淡い光が」

妖精「なんだろう、行ってみよう」フヨフヨ



















……



『 深海性館「たきう」 』


妖精「なんだこのあからさまなホテルみたいなの」

妖精「やってるみたいだしとりあえず入ってみよう」ギィ…





……



妖精「内装もそれくさい」フヨフヨ

妖精「受付があるけど誰もいないな」

妖精「呼び鈴あるし呼んでみるか」チリンチリーン

妖精「……」

タ級「はいはーい、どなたかしらー……」ヒョコッ

タ級「え……?」

妖精「んん?」

タ級「まさか、妖精さん……?」

妖精「もしかしてたっきゅん?」

タ級「妖精さーん! 会いたかったよおおおおおお」ダキッ

タ級「元気にしてた? ちゃんとご飯食べてる? オナニーしてる?」

妖精「大丈夫大丈夫、元気にしてるし毎日抜いてる」

タ級「無事でよかったわ、本当……」

タ級「それで、どうして急にいなくなっちゃったの?」

妖精「いやぁ、その……」ポリポリ

妖精(山に釣りに出かけて、そのまま帰り方忘れたなんて言えない)

タ級「色々あるのね、うんうん。提督も心配してたし、早速会いましょう」コッチコッチ

妖精「え、ここ鎮守府だったの? 提督?」

タ級「前とは違うんだけどね、こっちも妖精さんがいない間に色々あって提督もできたのよ」

妖精「深海提督ってやつ?」

タ級「じゃなくて、彼は普通の提督だったみたいよ?」

タ級「多くは語らないけど、なんかいざこざあったみたいで」

タ級「たまたま私と出会って、指揮を執ってくれるっていうから頼んだのよ」

妖精「そんなことあるんだ」

タ級「そしたらこれがまた優秀なのよ、ちょっと変わった人だけど。それ以来私たちの提督を務めてるわ」

タ級「今はここにいるけど、多分しばらくしたらまた深海に戻るはずよ」

妖精「へぇ……」




妖精「それで、この建物自体はなんなの?」

妖精「こんな建物、深海側にあったっけ?」

タ級「最初は深海棲艦の為の休憩所として建てたんだ、移動式の孤島をコンセプトにね」

タ級「そしたらあるとき、あっち側の提督が迷い込んできたんだ」

タ級「その後も続々ここに提督が流れ着いて、何かと思ったよ」

タ級「そのとき丁度イベント期間とかいうやつらしくて、こぞってここら辺に突撃をかけてきたらしく」

タ級「旗艦から振り落とされた提督が、たまたま潮に乗ってここに流れついたらしいの」

タ級「うちの子たちも応戦したので疲労が溜まっててさ、その提督で憂さ晴らしをしようってことになって」

妖精「疲労が溜まってるのに憂さ晴らしする元気はあるのか」ヒョエー

タ級「あれ、知らない? 深海棲艦は疲労が溜まるとこれが生えてくるんだよね」ボロン

妖精「たっきゅん知らないうちにおちんぽ生えてた」アラリッパ

タ級「私もそのとき知ったんだよ。で、これどうにか出来ないかって話になって。キモいし」

タ級「抜けば治るんじゃねって提案してくれたヲ級がいて試したらこれがまた。いまやあの子は性人だよ」

妖精「どうしてそうなった」

タ級「それ以来あの子ったら、サーモン海域北方でボスやってるよ」

タ級「勲章と戦果を餌に、あそこで待ち構えてればいっぱい掘れるって」

提督「とりあえず深海棲艦が生えるってのと、ヲ級が変態なのはわかった」

タ級「ああ、ここの話だったわね」

タ級「なんか、明日だかまたイベント期間とやらに突入するらしくってね」

タ級「この辺にホテル置いておけば提督が漂流するかもしれないってことで置いたのよ」

提督「なんだホイホイか」

タ級「既にフライングしてやってきた提督も捕まえたしね」

提督「まじ? そんなことあるの?」

タ級「あの部屋かな、モニターに映してみようか」ピッ



提督『んほおおおおおおおおおおおお!』ズッポ

提督『運営に言われてやってきただけなんでしゅううううう!』ズッポ

ル級『言い訳すんな』パンパン

提督『ほんとなのおぉ! イベント海域調整っするからテストプレイしてくれってぇぇ!』ビクビク

提督『そしゅたらしっ沈めちゃったあまちゅかぜを特別に再配布してくれりゅってぇぇぇえ!!』ズップ

提督『だから許してくださいぃぃ! これ以上はっ壊れちゃううううう!』ズップ

ル級『うるせーこのドMクソ提督が』バチン

提督『あひいいいいいいいいぃぃぃぃ!!』ビクンビクン!

提督『もっと、もっと叩いて欲しいのおおおおおっ!!』ズップ

ル級『ほら見ろてめーからよがってんじゃねーか、あぁん?』パンパン

ル級『そんなに欲しけりゃくれてやるよ!』ドピュ

提督『ひぎいいいいいいいいい!! るっきゅんに出されてトコロテンなのおおお!』ガクガクドピュッ

ル級『あースッキリ……お、萎えた萎えた。これで邪魔なのなくなった』ポロッ…ボトッ

ル級『イベント終わるまで付き合ってくれや、また来るからいつでも出来るようにしとけよな』キラキラ

提督『』ビクビクッ


妖精「きたねぇ。画面越しにイカ臭いのが飛んでくる」

タ級「休憩室はどの部屋もあんな感じよ?」

妖精「なんなのここ」

タ級「でも、あれやると気分が高揚するのよ。キラ付けにはもってこいよ?」

妖精「見てる自分は余計に気分が沈滞してきた」

タ級「そう? 慣れると病みつきなのよ、アレ」

妖精「慣れって恐ろしい」

タ級「……妖精さん、今日はどうするの?」

タ級「今日からずっと、うちに居てくれるの?」

妖精「今俺を雇ってくれてるところがあってさ、ここにきたのも偶然だから」

妖精「今すぐには決められないかなー」

タ級「そうだよねぇ……あっ」

タ級「ほら、ついたわよ」コンコン

タ級「提督、今いいかしら?」カチャリ

提督「おう、どうした?」

タ級「妖精さんが戻ってきたのよ」

妖精「初めまして」ペコリ

提督「お前が噂の妖精か」

妖精「噂?」

提督「タ級がお前をかなりの相当な開発工だと言ってるからな」

提督「なぜもっと早くに戻ってこなかった?」

妖精(なんか早くもこっち側の人間、じゃなくて妖精扱いされてるよ)

妖精(面倒臭そうだし話合わせてやりすごそ)


妖精「訳あって戻って来れなかったんです」

提督「お前のような優秀な奴がどこにも行かなければその間の沈む部下が一人でも減るはずになった」

提督「戻ってきて嬉しいがおれの怒りが有頂天になった」

妖精「……すみませんでした」

タ級「提督、あんまり怒らないであげて?」

提督「仕方ないな」

妖精(早速おこだよ。なんとかご機嫌取りしないと……あーめんどい)

妖精「しかし、提督もとても優秀なお方だとタ級より話は聞いております」

妖精「現にタ級や他の深海棲艦が元気にしているのも、提督の優秀な指揮があったからこそだと」

提督「それほどでもない」

提督「それに黒金の鉄の塊で出来ている深海棲艦が皮装備の艦娘に遅れをとるはずは無い」

妖精「はぁ……」?

タ級「提督、妖精さんの処遇についてなんだけれども」

タ級「妖精さんがよければ、またうちで開発や建造を担当してもらうのってどうでしょうか?」

提督「フラついていたのは気に食わないがどちらかというと大賛成だ」

タ級「だって、妖精さん。大歓迎よ?」

妖精(……なんかこっちで働くのも楽しそうだな)

妖精(あっちも正直飽きてきたところだしな、どうすっかな)

妖精「一晩考えさせてください」

妖精「あと、提督って元々は艦娘の提督だったって聞いたのですが」

提督「それをどうした?」

妖精「どうしてこっち側についたのかなーって気になったので」

提督「特に事情は無いただ艦娘側の提督が相反する深海側についたら光と闇が両方そなわり最強に見えるからだ」

提督「へぇ、そうなんですか」ホジホジ

タ級「それじゃあ挨拶も済みましたし、失礼しますね」バッタン

タ級「妖精さんはとりあえず私の部屋に泊まっていく?」

妖精「うむ、ふかふかのベッドをお借りして寝よう」

タ級「それじゃあどうするか考えておいてね、私は哨戒に出るから」

タ級「何かあったら呼び鈴で呼ぶのよ?」リンリン

妖精「どうもどうも。んじゃ頑張ってなー」

タ級「はい、おやすみなさーい」フリフリ

イベント入っても変わらず捕鯨を続けます。

続く。



ワーワーギャーギャー



提督「このタイミングで仕掛けてくるのは提督共それは確定的に明らか」

提督「汚いなさすが提督汚い」

提督「俺はこれで提督きらいになったなあまりにもひきょう過ぎるでしょう?」

妖精「でも提督も元々は」

提督「俺は中立の立場で(イベント時は指くわえて)見てたけどやはり昼に出撃した方が良い事が判明した」

提督「こんな真夜中に突撃される身にもなってみろ」

提督「俺が思うにこいつらは同一の提督だ」

提督「海域を早く制圧したい提督は稀によく同じ提督だったりする」

妖精「つまり畳み掛けてきてる提督は、休まずに突撃かけてきてる提督だってこと?」

提督「そうだこのままでは俺の寿命がストレスでマッハなんだが・・」

タ級「ダメです、このままでは突破されてしまいます」

提督「このまま巻き添え食ってしまうとリアルで痛い目見て病院で栄養食を食べる事になる」

提督「妖精お前の技術を借りたい」

妖精「たらふく飯食わせてもらったしな、いっちょ力入れますか」

タ級「さすが! 妖精さん大好きよ♡」

妖精「食った分は働かせてもらいますよ」



……





妖精「よく寝た……」ファァ…

妖精「今何時だろ、お腹空いたな」グゥゥー

タ級「大変妖精さんっ!」バタン!

妖精「どうしたのそんな慌てて」

タ級「助けて欲しいの! お願い!」


怪物が 誕生した


妖精「いいよ。飯おごってくれたらな」


一時間以上前のことである




提督「具体的にはどうするのだ」

妖精「現在の被害状況から出来る対応をする」

妖精「向こうの編成は戦艦に重巡、軽空母や軽巡、駆逐艦あたりだと聞いてるから」

妖精「まず最初のところに潜水カ級の一人を、軽空母他の攻撃を吸収する囮として配置」

妖精「運が良ければ開幕で一人大破させられるから、向こうも撤退せざるを得ないはず」

妖精「次に下ルートなら夜戦マップを用意しよう。戦場を夜に変える道具は俺が開発する」

提督「そんなこと出来るのか」

妖精「試行錯誤の末できるように。最近は作ってなかったけど」

提督「さすがに噂の妖精は格が違った」

提督「うちにいる開発工の妖精とは段違いだな」

妖精「へへ、久々だし頑張りますぜ」

妖精「そこにはル級を旗艦に置いておこうか。これで大体は帰るだろう」

妖精「上はたっきゅんに任せる。こっちは昼だろうから大変かもしれないけど、きっとやれるはずさ」

タ級「頼りになるわぁ……私も頑張らないとね」

妖精「ここはそんなもんでいいでしょう」

妖精「それでも突破する猛者はいるから次の手を打たないと」

妖精「あと艦載機をパッと見させてもらったけど、改良点があるから直そうか」

提督「お前最高の妖精だ!」

谷風出ると聞いて捕鯨中止。春雨も欲しい、アーイチソ
しかしご覧の有様である。弱小提督には今回は厳しいな(大型建造ばっかで溜まってない資材を横目に

続く。





……



妖精「艦載機がたこ焼きみたいになっちゃって、なんだかダサくてごめんよ」

ヲ級「大丈夫……とてもおいしそう……」

妖精「一応食べられるけどさ」

ヲ級「!」キラキラ

ヲ級「ちょっと工廠に……忘れ物……」テクテク

妖精「……誰も美味しいなんて言ってないんだけどなぁ」

提督「破壊力ばつ牛ンだなあの艦載機見ろよどんどん撤退していった」

提督「でもなんでたこ焼きなんだ」

妖精「奢ってもらった晩御飯にたこ焼きがあって、見てたら思いついた」

タ級「どんな感性してるのかしら、ますます素敵……♡」

提督「おかげで普段調子に乗ってる提督に見事なカウンターを返せた今頃痛い目を見ているだろう」

妖精「出来ることはやったと思うし、後は様子見かなー」

妖精「ゲージシステムも久々に作ったけど、ちゃんと作れてよかった」ウンウン

妖精「正直これで突破してくる奴は止められないかな」

タ級「充分助かったわ、ありがとね!」

タ級「それに、突破した提督のほとんどがここで休んでいくから」

提督「人工的に淘汰されるのが目に見えている」

タ級「こんな風にね?」ピッ







北方『E-6クリアして油断してんじゃねーぞッオラッ!』パンパン

提督『アオン!! オオン!!』ガクガク

北方『あんたらの育てた艦はありがたく深海棲艦に改造させてもらうわ』グリグリ

提督『俺はいったいなんのためにいいいいひぎいいい!!』

提督『うんりゅううううっ! イッ、いそかじぇをかえしてええええええ!』

北方『これでまた強力な仲間を迎えられるわぁ……』ドピュ

提督『ひぐっンアアアアアアッ!!』

中間『口が留守だぞ、さっさと咥えなさい! 歯ァ立てたら……わかるよね?』ズポッ

提督『んぶっ! んぐ、ンン──!』ナミダメ

中間『たっぷり、あの時のお礼をさせてもらうとしようかしら』ズボズボ







妖精「相変わらず酷い」ウワァ…

タ級「溜まってるのよ、だいぶ」

提督「どの部屋もあんな感じだぞ」

妖精「この建物臭い」


タ級「それで、妖精さんはどうするのかしら」

提督「またいくえ不明になってしまうのか」

妖精「まるで俺がせこいLSだと言われているようだ」

提督「そうだがここに残れば彼女ができる」

妖精「まじ?」

タ級「あらあら。私、立候補しちゃおうかしら?」

妖精「たっきゅん可愛いし、いいかもねーおっぱいでかいし」

タ級「どうかしら?」

妖精「元はといえばこっちの妖精だったし、元ある姿に戻るだけなんだよな」

妖精(なんでか知らんけど、あっちの工廠だと自分の技術もあまり通用しなくてまともに開発できなかったし)

妖精(それに、あそこにはもうあの妖精もいなくて退屈してたしな……)

妖精「うん、ここにいることにした」

タ級「本当!?」

妖精「あっちは自分がいなくても平和だろうしねー」ホジホジ

妖精「イベント期間が終わったらここはどうするの?」

提督「俺は深海本営に帰るが」

提督「ていうかもうやることないから俺は帰るバイバイ」

タ級「えっ、そうなの?」

妖精「終わる前に提督帰っちゃったよ」

タ級「……そうだ、イベント終わるまでここは妖精さんに提督業をこなしてもらおうかしら」

妖精「え、まじで?」

タ級「それで私が秘書で、一緒に戦略でも立てながらまったり過ごすの」

タ級「期間が終わったら、また深海で静かに過ごしましょう?」

妖精「……たまーにさ、暇になったとき鎮守府巡りの旅に出てもいいかな?」

タ級「そうねぇ……日帰りだったらいいかも」

妖精「よし、じゃあ当面は提督として活動しますか」

タ級「よろしく頼むわね、妖精さん♪」





……



榛名「榛名を救って下さった妖精さんからお手紙がきています、提督」

提督「手紙? いなくなったと思ったら、どこか行ってたのかな」

榛名「気が向いたら顔を出す、だそうです」

榛名「訳あって帰れなくなりましたって」

提督「何やってんだアイツ」

榛名「提督……提督はいなくなりませんよね?」ギュウウ

榛名「提督にまでいなくなってしまわれたら、榛名は……」ムニムニ

提督「いなくならないって大丈夫大丈夫だから押し付けないで」ムラムラ

榛名「本当ですか?」

提督「そんな暇もないくらい榛名がくっついてるからね」

提督(くっつきすぎててオナることも出来ない毎日、どうしたらいいのか)

榛名「そういえば、今日の演習でレベルが99になったのです!」フンス

榛名「提督、ケッコンしませんか?」

提督(榛名は悪い子じゃないんだけどなぁ、憧れの長門……)

提督(でも一向にこないし、諦めて榛名としちゃうのもありかな……)

提督「その話はちょっと、ね?」

榛名「はい、榛名はいつでも大丈夫です!」

提督「妖精さんが戻ってこないなら、また呼ばないとかー」

E-1終わったのでSSに集中できそう。谷風と長波も落ちてホクホク
雲竜までいければいいけどガチ艦隊出す前にバケツと資材がなくなりそうで

続く。





……



妖精「最近暇だね」

開発「なんかAL作戦とかいうのでごった返しているらしいよ」

建造「特に提督が荒れているらしい」

エラー娘「それ私のせいかも」

盤娘「私もときどき気まぐれで嫌がらせしてるからそれかも」

妖精「お前ら……」

建造「そのせいで提督やめるってさ」

開発「やめるってなにを」

建造「提督が提督をやめるって」

盤娘「え、本当なのそれ?」

エラー娘「やりすぎちった」テヘペロ

開発「お前さんは最初だけだろ」

開発「なんかあったんじゃないの?」

建造「大淀さんから話聞いたんだけどね」

建造「作戦途中に一人、艦娘を沈ませただかなんだかで」

建造「提督が責任とってやめるだって」

エラー娘「なんだよ自分のせいかと思った」

建造「今執務室の前に行けば、多分怒号だけでわかると思う」

建造「さっき行ってきたけど酷かった」

妖精「ちょっと見てくる」フワフワ

盤娘「私たちも行きますか」








千代田『おねえを返して! おねえをかえしてよおおおおおおおおおッ!!』

陸奥『千代田、落ち着いて……』

千代田『この人殺し! 人殺しいいいいいいいいいい!』

千代田『アンタなんか殺してやるぁああああああああ!!』

鈴谷『ダメ、やっちゃう前に陸奥さん押さえて』

陸奥『この子は何も悪くないんだけどね、仕方が無いわ』

千代田『離してよ! 離してったら!!』

千代田『うああああああああああああああああああっ!!?』

足柄『提督、貴方この作戦が終了したら千歳さんと結婚するとか言ってませんでした?』

足柄『そんな大事なお嫁さんをどうして殺したのかしら』

提督『……』

足柄『そこまでして突破する必要があるものだったのかしら?』

足柄『返事しなさいよッ! 黙ってんじゃねぇッ!!』バァンッ!!

日向『もう、いいんだ足柄』

足柄『だってっ……!』

日向『言うだけ無駄だ。この男にはもう口を利く価値すらない』

日向『千歳と千代田には悪いが、このまま私たちまで沈むのは御免だ』

日向『我々がここから離れるか、この男がやめるか』

足柄『離れたって、ここに着任した新しい子が同じ目に遭うかもしれないじゃない!』

日向『そうだ。だから君はもう指揮官をやめてここから消えてくれないか?』

日向『これでもまだ、君にとっては楽な道だと思うがね』

提督『……』

日向『私たちは兵器だ。兵器だが、同時に人間でもある』

日向『それを忘れてはならないのが提督の務めでもあったはずだが……今更だったな』

日向『その面、もう二度と見せるなよ。いくぞ、皆』

千代田『千歳おねえ、おねぇ……ううううぅぅぅぅぅぅ……』





妖精「まずい、出てくる」

盤娘「工廠に逃げよう」










妖精「嫁艦沈めたんだ、あの人」

エラー娘「よくある話らしいけど」

建造「居辛いまま続けるよりやめるほうが楽だよな」

開発「千代田間違いなく深海棲艦になるだろ」

建造「あのまま艦娘続けてたらなるだろうね」

盤娘「爆乳大要塞」

エラー娘「乳は確かに同じくらいだな」

妖精「幻滅したわ。提督ってあんな人だったっけ」

開発「確かに、今まで沈めるなんてなかったしね」

エラー娘「ダメコン載せてたはずなのにーとか言い訳しそう」

盤娘「ゲージ一つと嫁艦を天秤に掛けた結果wwwwwwww」

開発「お前らさっきから辛辣だなオイ」

妖精「決めた。私もやめる」

建造「やめるって何を」

妖精「ここで働くのやめる」

盤娘「提督出て行くのに?」

妖精「轟沈した奴が一人でも出ると急に殺伐としだすんだよね」

妖精「前いたところがそうだったから」

エラー娘「まー好きにすればいいんじゃない?」

妖精「そうと決まれば早速出て行くわ。別に提督も入れ替わりだから減ったところで気づかないでしょう」

開発「たまに顔出してな」

妖精「そんな気分になったらね」





……



提督「君が新しい妖精さん?」

妖精「はい。こちらで妖精募集とのことで参りました」

提督「そうか。前いた妖精がどこか行っちゃったみたいでね」

妖精「どこか、ですか」

妖精(適当だな)

提督「彼には工廠で開発を担当させていたのだがね」

提督「彼に代わって今後開発を担当して頂きたい」

妖精「了解しました」

提督「仕事は至って簡単で、毎日開発の任務をやってくれるだけでいい」

提督「一日四回の開発を最低限の資材で行って、報酬の資材を倉庫にしまってくれるだけでいい」

提督「それが終わったら好きにしていい」

妖精「割と、っていうよりかなり暇なんですね」

提督「そうだね。ちゃんとしたものを開発してもらうときは時間が掛かるかもしれないけど」

提督「前の妖精は暇だからって色んな鎮守府を旅してたみたいだけど」

妖精「旅ですか」

提督「何してもいいけど、なるべくいなくならないで欲しいかな。頼んだよ」


妖精「ところで提督、貴方は誰かを沈めたことはありますか?」

提督「小破撤退が基本だからない」

提督「榛名が旗艦になってからは中破までいかせてるが、沈めたことはない」

榛名「まずかったでしょうか……?」

提督「榛名がくるまで知らなかっただけだし、むしろ進める海域が広がったし感謝してるよ」ナデナデ

榛名「え? えへへ、ありがとうございます……」ギュウウ

提督「客人の前でそんなにくっつかないの」ポンポン

榛名「ん」フルフル

提督「困った」

妖精「その榛名は貴方の嫁艦なんですか?」

提督「嫁艦?」

妖精「本妻というか、なんというか」

妖精「だいたい旗艦を務める娘は、提督と結婚することが多いですから。カッコカリではなく」

榛名「……そうだったのですか?」

榛名「そうならそうとはっきり言ってくだされば、榛名は……」ポッ

妖精「大事にしてあげてくださいね」

提督「なんか見知らぬ人たちに外堀から埋められていっている」

E-3一回の出撃でボーキが800程減る不思議!
レア艦?増えて被っても解体を渋る、結果母港拡張という罠

続く。

酉違いますが>>1です。
訳あって辞書登録してた酉をド忘れしてしまったので今後こちらの酉を使います。
ご了承ください。

















妖精「配属されて早速暇になった」

妖精「うちの提督はイベントいける程戦力が育ってないから帰省中」

妖精「私は……妖精の村に帰ってもいいけど……」

妖精「そうだ、先代のやってた鎮守府巡りの旅でもしてみようかな」

妖精「うん、そうしよう」

妖精「先帝の無念を晴らす!」シャキン!











船渠(初代はともかく先代が死んでるとは思えない)ジー…




……



初風「初風です、よろしく。提督さんにとって私は何人目の私かしら?」キリッ

提督「三人目だが」

初風「えっ」

提督「えっ」

初風「いえ、なんでも」

初風(何よ私ってツチノコじゃないの!? 提督の初めてかと思って期待してきてみたら……)シクシク

初風「ほかの私はどこに?」

提督「部屋にいるけどそれがどうした」

初風「そう……」

提督「?」

初風(またこいつかぁとか思われてるのかな……前に浜風がぼやいてたの、なんとなくわかる気がするわ)ハァ…

初風「なんでもないわ」

提督「そうか、ならいいが」

初風「解体なの? 近代化改修の餌なの?」

初風「私、妙高お姉さんにだけは食べられたくないわ」グゥゥー…

提督「……腹減ってんのか?」


初風「っ! 関係ないでしょ! それより、三人目の私なんていらないでしょ!」

初風「油断させておいて、私に乱暴する気でしょう? エロ同人みたいに!」

提督「あのな、腹減ってるか減ってないか聞いているんだが」

初風「…………減ってる」

提督「じゃあ一緒に食堂行くか」

初風「えっ……」

提督「初めてだろ? お前さんは」

提督「三人目の初風っつったって、お前さんはお前さんだ。違うか?」

提督「まだ母港を圧迫してるわけではないし、解体も改修の餌にするつもりもない」

提督「それにお前さんみたいな子供じゃ勃つものも勃たないわ」

初風「なによそれ、じゃあどうするのよ……?」

提督「そのうち圧迫し始めたら、知り合いの提督にでも引き渡すとするよ」

提督「俺よりいい奴なんて沢山いるしな。初風ならすぐにいい場所が見つかるだろ」

初風「……ふふっ、面白い人ね。なんか拍子抜けしたわ」

提督「二代目にも言われたな、それ」

初風「なんだかいい気分だわ。提督、早く案内して頂戴」

初風「それと、ほかの私にも貴方のことを聞きたいわ」

提督「じゃあ二人も連れてきて四人で食べるか」

初風「うんっ!」





……



妖精「同じ顔が三人揃ってご飯となかなか見られないものが見られた」

妖精「三つ子みたいなもん、なのかな」

妖精「私も兄弟欲しかったなぁ、お姉ちゃんって呼ばれたい」

船渠「ねーお姉ちゃん」

妖精「誰アンタ? 知らないオッサンにそう呼ばれると身の毛がよだつんですけど」

妖精「キモイから近づかないで」

船渠(仲良くなれるかと思ったのにあんまりな仕打ちに泣きたい)

雑談スレで酉忘れたって言ってた人かな

イベントで三人目の初風がきたので。3-4周回で手に入れた苦労がウソのよう
他にもE-4完全勝利二連続であきつ丸二連とか……
早く鯨三人目下さい2-5はおっぱい風ばかり溜まっていきます
よその提督は被ったレア艦どうしているのか気になるところ

続く

>>226
すみませんそうです、お騒がせしました





……



妖精「盆休みもそろそろ終わりかな」

妖精「イベント終わってる提督も割といるし、前よりは殺伐としてない感じ」

妖精「毎日少しずつ、いろんな鎮守府を覗いてみたけどホワイト鎮守府ばっかりでなんとも」

妖精「そのほとんどが提督と秘書がラブラブしてて終わる一日でまぁ」

妖精「普通なんだろうけど、ちょっと変わったところも見てみたいかな……」

妖精「男と女だもんね、そりゃそうなるのは仕方ないけど」

妖精「今日はそうならない鎮守府を目指していざゆかん」フヨフヨ

妖精「……冷えるね」クシュン








……



提督「一週間の潜入捜査ご苦労であった。皆が無事で何よりだ」

提督「各々の成果を聞かせてほしい」

イク「あそこはブラックなのね。イク逝っちゃうのね~……」ホワーン

イク「休まずオリョクルって本当だったのね……提督、どうなの?」

提督「最近は本営もオリョクルに対して寛容になってきているからな」

提督「その程度だとブラックだと断定してくれないかもしれない」

イク「世の中おかしいのね……。他、報告内容を書類にまとめたから置いておくのね」

イク「お先に失礼するのー……」テクテク

提督「ご苦労であった。充分に休んでほしい」

提督「他はどうだった?」

電「私の行った鎮守府もブラックなのです。未だに捨て艦戦法なんて陳腐なものをしているのです」

電「沈む寸前に資材だけ回収して見殺しにするクソブラック鎮守府なのです」

提督「よし、それならいけそうだ。ご苦労、ゆっくり休んでほしい」

電「なのです!」

提督「あとは秋雲か。どうだった?」

秋雲「休みもしっかりもらえたし、提督と艦娘の仲も良好で問題なし」

秋雲「任命されたときはコミケいけなくなるか不安だったけど、ホワイト鎮守府に当たって良かったよ」

提督「ふむ、ご苦労。今後また頼む」

秋雲「今度は被らない日に言ってよね。じゃないとここも告発しちゃうかもね?」

提督「それは恐ろしい。今度は気を付けよう」

秋雲「じゃ、休みいただきま~す」

提督「……書類まとめたら休むかな」



……

…………



飛鷹「お疲れ様、提督。ささ、飲んで飲んで」トクトク

提督「おお、ありがと」

提督「んっ、ング────ぷはぁー! やっぱこれだねェ」

飛鷹「今回はどうだったの?」

提督「目星つけてた三つのうち二つが黒。悪くはないかな」

飛鷹「やっるぅ♪」

提督「任されてから結構経つしね。臭いっていうのかな、わかるようになってきてさ」

飛鷹「深海棲艦の殲滅も続けつつ、他所の鎮守府の調査もするなんて大変だねぇー」

提督「こんなにも美人な秘書が酒を注いでくれるんだ、それだけで頑張れるさ」

飛鷹「ふふ、嬉しいこと言ってくれるじゃないの」

提督「事実だよ」

提督「──ふぅ」

提督「ブラック鎮守府を取り締まる、対ブラック鎮守府ねぇ」

提督「略してブラックちんちん、ってとこかな」

飛鷹「」ブッ

飛鷹「いきなりナニ言うのよ!」

提督「いや、なんとなく思いついただけ」

飛鷹「……もしかして溜まってる?」

提督「体動かさないで事務仕事ばっかりだからなー」

提督「本部に提出する書類まとめで、最近相手する暇もなかったし」

飛鷹「ご無沙汰なのはこっちも同じよ……」シュル…

飛鷹「今日から休みでしょ?」パサッ

提督「……ワカメ酒から頂こうか」

飛鷹「この変態♡」

提督「それを快諾してくれるお前もな」








妖精「あれ以上見てたら多分いつもと変わらないわ、引き上げて正解かな」

妖精「しかし、艦娘をよそに出して様子見させてその鎮守府の実態を探ると」

妖精「本営もまどろっこしいことしないで抜き打ち監査すりゃいいのに」

妖精「前いたところは良くある殉職だから該当しないだろうけど……」

妖精「こんな鎮守府もあるのね。ブラック鎮守府の提督はどうなるのかしら、そこ気になる」

妖精「ここの提督も戻ってこないけど、もしかして……」


ガチャリ


提督「ただいまー……ん?」

榛名「提督、どうかしました?」キラキラ

提督「妖精さんがいたから少しビックリした」

妖精「お邪魔してます」ペコリ

提督「勝手に留守にしてすみません、只今戻りました」ペコリ

榛名「お留守番ありがとうございました」ペコリ

妖精「いえいえ。別に私なんかに言わなくても、好きにしてもらっても」

妖精「では私は工廠に戻りますね」

提督「また明日から開発お願いします」

妖精「はいはいー」カチャリ

妖精「……ん?」パタン

榛名『提督、お茶でも淹れましょうか』

提督『頼むよ。仕事は明日にして、今日は一息吐いたら寝ようか』

榛名『はい♪』





……



妖精「……」フヨフヨ

妖精「榛名さんと最初に会ったとき、指輪なんかしてたっけ」

妖精「提督もしてたような……?」

初雪「」ニヘラァー…

妖精(なんだろあの子、ニヤニヤしてなんかやばい)

妖精(ちょっとつけてみよ)フヨフヨ…

初雪「……」ブツブツ…

妖精(ん?)

初雪「メル先生がブリオンに……いいもの撮れた」キラキラ

初雪「他にもたくさん、うふふっ……」

妖精(あっ)

雲龍迎えてイベントが終わりました。
霜掘りして夏イベントは終わりそう。

続く。


妖精「今日の開発しゅーりょー」ノビノビ

妖精「さーて、今日はどこにいこうかしら」ルンルン

建造「妖精さーん」

妖精「あなたは……」

建造「ああ、自分建造に回されてる妖精です」

建造「あなたもよく旅に出ると聞いているので来ました」

妖精「はぁ……」ハテ?

建造「この前夕張の建造に成功したんですよ」

妖精「夕張……軽巡洋艦の?」

建造「そーですそーです。夕張ってデータ採取が大好きみたいで、それも兼ねて色々なもの作れる子なんですよ」

建造「前居た妖精が、旅に役立つ道具を作りたいということで夕張に会いたがってたんですけど、もう彼いませんし」

建造「代わりにあなたが何か欲しいものがあるなら、夕張に依頼しようかと思いまして」

妖精「あら、そうなの?」

妖精「そうねぇ、今は特にないかも」

建造「そう、ですか」

妖精「でも、今度欲しいものが出来たらお願いするね。ありがと」

建造「はっ、はい! いつでも言ってください!」

妖精「ん。じゃあ、また今度」バイバイ

建造「気をつけてー!」フリフリ

建造(やった、初対面にしては上々な挨拶ができたぞ!)

入渠(貴様も妖精さんを狙っていたのか……)

建造(こいつ直接脳内に……!)




……



妖精「飛んでたら港に着いちゃった」フヨフヨ

妖精「……艦娘と提督みたいなのがいる」

妖精「ちょっと寄ってみようかな」




提督「それでは今日もよろしく頼む」


\ハーイ/


提督「さて、準備しますかー」




……



大井「まったく、いつまで釣りなんてやらなきゃいけないのかしら」ボケー…

北上「まー仕方ないって大井っち、うちも艦娘増えたんだしさ」ヒュン

木曾「台所事情を考えたらな。それに出撃のない日はこうしてのんびりするのも悪くない」チャポン…

多摩「肉の支給を増やして魚を減らす。魚は自分たちで調達すればいいとはいい考えニャ」ヒュルルドボン

球磨「釣ってきたほうが新鮮でうまいクマー♪」ヒュッ

大井「それはそうだけど……手が臭くなるし嫌だわ」

北上「針外しは私がしてあげるからさ……おっ!」ザバァ

多摩「フグにゃ」ツンツン

北上「あーそいつ食えないからそこら辺で干からびさせといて」

球磨「残酷クマ」

木曾「そいつは本当に邪魔なだけだから仕方ない。イ級みたいなもんさ」ヒュン

大井「そこら辺でいっぱい干からびてるのって……」

木曾「ほかの釣り人が放置してったクサフグだろうなぁ」

球磨「餌だけ持っていかれるなんてむかつくクマ」

多摩「あっちに鳥がいる……捕ってくるニャ」

木曾「俺は伊勢海老でも釣るかな……」

北上「まじ? いるの?」

木曾「テトラポッドの隙間なんかにいるんだよな~……基本は夜やるもんだが昼も釣れるしな」

北上「いいねぇ、伊勢海老……」ジュルリ










陸奥「で、提督は今日は誰とするのかしら」

提督「陸奥と長門と一緒にやろうかなー」

陸奥「姉さんなら大和さんたちとマグロにいっちゃいましたけど」

提督「あれ、そうなの。陸奥は?」

陸奥「青物でも狙ってこれやろうかなと」ジギング

提督「お、いいねえ。釣り場までボート運んでもらえる?」

陸奥「はいはい。魚探も持って行く?」

提督「もちろん。頼むな」

陸奥「じゃあ行くわよ」ザブン

提督「艦娘は海に浮けるから直接釣り場にいけていいよなー」

陸奥「便利だけれど荷物持ってかなきゃだからボートは必須よ?」

提督「それでも船出さないと行けないところに一人で行けるのは便利だな」

陸奥「確かにそうね」





……



イムヤ「私たちもたまには竿握りたいわ」ブクブク

シオイ「私たちは素潜りでのほうが早いから仕方ないよ」

まるゆ「やめて鳥さん突かないでぇぇぇ!」ジタバタ

ハチ「苦労はあるみたい、あっちはあっちで」

イク「イクイクの~」

イムヤ「そういえばゴーヤは? 見えないけど」

シオイ「カジキの角を掴んで乗る(?)のにはまってるみたい」

ゴーヤ「速いでちいいいいい楽しいいいいいいい!!!」ガボゴボ

イムヤ「なにあれ楽しそう」

ハチ「太ももで胴体を挟んで固定、密着して角を掴むのね」

イク「まずどうやって捕まえるの」ドシュッ

ハチ「確かに」

ゴーヤ「気配を殺して近づけば楽勝でちいいいいい」ガクガク

イムヤ「どこのキルアよ、それ……」

イク「タイ捕ったどおおおおお!!」

まるゆ「」チーン…


熊野「いつになったらヒラメに会えるのかしら……」ヒュルルードボン

鈴谷「こんなんで本当に釣れるのかねー?」グイグイ

熊野「やはり砂浜から狙うのがいけないのかしら」

鈴谷「でもこの前ここで天龍さん釣ってたよ?」

熊野「本当にいるのか疑いたくなりますわね……きたっ!」グングン

熊野「おもっ……!」プルプル

鈴谷「ありゃ、これでかいね……がんばれ♡がんばれ♡」

熊野「とおおおおぉぉぉぉぉぉぉぅ!!」ザバァッ

レ級「」ビチャッ!

熊野「」

鈴谷「」

熊野「……よく見たら、死んでますの?」

鈴谷「ヌメヌメしてる……でも新鮮だよこれ、死にたて?」

熊野「」ツンツン

レ級「」

熊野「一応血抜きしてから神経〆して持ち帰りましょう」

鈴谷「えっ、食うの?」

熊野「見た目がグロテスクなものほど美味しいと相場は決まっていてよ」

鈴谷「ひええ……これ魚じゃないのに」





……



陸奥「あらあら、良型のブリゲット~♪」

提督「こっちはシイラばっかりだよまったく」

陸奥「シイラも美味しいじゃない?」

提督「島育ちの提督が海に叩きつける勢いで捨てるって言ってた」

陸奥「もったいないわね。まずい魚なんてほとんどいないのに……っと!」グン!

提督「いい具合にしなってるねー」

陸奥「重たいわね、さっきのとは段違い」ジーーチリリン…

提督「ヒラマサかなんかかな? 赤城は好きだから喜ぶな」

陸奥「じゃあ頑張って上げないとね?」

提督「それ釣ったら夜に備えたいから戻ってもいい?」

陸奥「了解♪ あら、言った通りね。8kgはありそうね」ザバァ

提督「こんなでかいのを難なく引っ張りあげるお前さんも相当すごいよ」

陸奥「うん、片づけして戻りましょう?」

提督「その前に、ここでお昼でも食べてから行こうか」ガサゴソ

提督「サンドイッチ持ってきたんだ」

陸奥「準備がいいのね、頂きます」





……



─夜─



川内「夜戦だあああああああああ!!」キラキラ

提督「ほとんど待つだけの釣りだけどね」

川内「夜ならいいの! 月が出てるだけでテンション上がるわー」

神通「姉さん、はしゃぎすぎて落ちないでね?」

那珂「那珂ちゃん眠いー……」

提督「那珂は戻ってる寝るか?」

那珂「ううん……がんばるぅ……zzZ」スピー

神通「風邪引いちゃうから……」ファサッ

提督「神通は優しいな。それじゃあやりますか」

川内「それで? 何釣るの? メダカ?」

提督「アナゴとシャコがメインです」

神通「アナゴ……本当にアナゴが港でも釣れるんですか?」

提督「そりゃもう。餌を食ってくれるのを待つだけだから楽だしね」

提督「酒でも飲みながらやろう」

神通「それでこのチューハイとかビールが……」

提督「七輪持ってきたから釣ったのを焼いて肴にするもよし」

川内「魚だけにね!」

提督「あぁ、うん……そうだな」

神通「それじゃあやりましょうか」

提督「足場だけ気をつけてな」

川内「はーい!」

那珂「」zzZ





……



妖精「自給自足をしている鎮守府もあるのか」

妖精「よく食べる子とそうでない子もいるし、艦種が増えれば調達するのもアリなのか」

妖精「出撃しない暇な子を有効活用出来てる、のかな?」

妖精(あれ、でも伊勢海老って確か漁業権が……)

妖精「……」

妖精「私は何も見てない、うん」

釣りされない人にはわけわかめな感じで申し訳ない。
新しいpcって最初は慣れなくて不便ですね、艦これやるのも一苦労

続く。


妖精「そろそろこの鎮守府にも馴染んできたなぁ」

妖精「特に不満もなく日々を過ごせてて満足ナリ」

妖精「最近は烈風作ってーとか頼まれてやりがいもあるし……」

夕張「妖精さーん!」

妖精「はーい? あなたは夕張?」

夕張「挨拶もまだなのにわかるなんて、さすがですね妖精さんは」

妖精「伊達に妖精やってないのよ」フフン

夕張「そんな妖精さんにプレゼントです! さっき開発したのよ?」ジャジャーン

妖精「見たところスイッチのような何かだけど」

妖精「私のセブンセンシズがヤバイと囁いてる」コスモォォ…

夕張「実証実験をしていないだけで、ちゃんと効果はあるはずですよ?」


妖精「矛盾してるよ」

夕張「そうなんですよ~」

妖精「!?」

夕張「なので妖精さんにこの道具を使ってもらいたいわけです」

妖精「ちょっと話についていけない、いろいろ飛ばしすぎ」

夕張「はい、えっとですねぇ」

夕張「このスイッチは、提督が押すとその鎮守府またはその鎮守府周辺である変化が起こるのですよ」

妖精(最初の一言で曖昧な点が出てくる開発物って)イイノカ?

夕張「でもうちの提督に押してもらって何かイケナイことが起きちゃったら、ねぇ?」

妖精「アンタ最低だよ」

夕張「何事にも犠牲はつきものです」エッヘン

夕張「そこで、妖精さんが他所の鎮守府に旅に行くというお話を風の便りに聞きまして」

妖精「他所行ってそれを提督に押させろと」

夕張「さすが。話が早いですね!」

妖精「……」


妖精「それをやる私に何かメリットはあるの?」

夕張「ないです」キッパリ

妖精「うん、そんなことだと思ったよ」

夕張「ただ、妖精さんにとっても一手間かかるだけのことでしょうしお願いできないかなと」

夕張「そこから採れたデータが今後、妖精さんの望む物を作る際役立つかもしれません?」

妖精「せめてそこだけは言い切ろうよ、不安しかない」

夕張「で、やってくれますよね?」

妖精「……まぁ、今回はいいですよ」

夕張「やたっ!」

妖精「私に何かあったり不幸を呼ぶようなものなら二度と協力しませんからね?」

夕張「大丈夫大丈夫! じゃあ頼んだよ!」ポン

夕張「ほいじゃ! 成功を祈る!」バヒュン

妖精「待って、これって何のスイッチなの!?」

夕張「そーれーはーねー…… ────を──……」

妖精「……行っちゃった。よく聞こえなかったし」

妖精「データ採りの条件とか聞いてなかったけど、メモでも取ればいいのかな」

妖精「些か抵抗はあるけどいきますかー」





……



妖精「この鎮守府にするかなぁ」フヨフヨ

妖精「艦娘は全種揃ってる上に、全部改装済みの中々の鎮守府と見た」

妖精「言い方悪いけど、データ採るならサンプル数は豊富な方がいいしね」

妖精「このスイッチは、えーと……もう面倒だし、えいっ!」ッポーイ



 ヒュ
 ル
 ル
 ル
 ル
 ル
 ル





提督「っ!?」ボトッ

提督「なんか頭に……ん?」キョロキョロ

提督「なんだこれ……」スッ


瑞鳳「どうしたの?」

提督「見覚えのないスイッチのようなものが……」

瑞鳳「んぅ? 押しちゃ駄目って書いてあるよ?」

提督「しかしそう言われると押したくなるんだよなぁ」

瑞鳳「音が鳴るくらいじゃない? ちっちゃいし」テノリサイズ

提督「押してみようか」ポチット

スイッチ「」ピカァァァァアア!

提督「うおっまぶしいっ!」メガァァ!

瑞鳳「なによこれぇ……」ギュッ

提督「……消えたな」

瑞鳳「明るくなっておしまい?」

提督「なんだったんだろうな、今の……」

瑞鳳「わかんない……」

提督「……あっ」

提督(瑞鳳が抱きついてくれるスイッチだったのか)ウーン

瑞鳳「?」





……



瑞鳳「提督、お昼ごはん出来ましたよ!」

提督「おぉ、うまそうだな」

提督「いや、瑞鳳の作るご飯は全部うまいからな、冷めないうちに頂こう」ワーイ

瑞鳳「もう……♡ ほら? 玉子焼き、食べるぅ?」テレッ///

提督「あーん」アングリ

瑞鳳「ふふっ……はい、あー……んっ!?」ポロリ

玉子焼「おう落ちたぞ」ポテン

提督「んああああ!! 三秒ルール!」ヒョイパクッ

提督「どうした、足でもつったか?」モゴモゴ

瑞鳳「胸当てが、急に苦しく……!」ポロリ

瑞π「おう溢れたぞ」タプン…

提督「!?」

瑞鳳「!?」

瑞鳳「えっ、えっ?!」

提督「お、でっか、え?」

瑞鳳「っっ────いやあぁぁ!! このえっち!!」バチィン!

提督「ひでぶっ!!」ビタン!


提督「なんだなんだ?」ヒリヒリ

提督「一瞬瑞鳳の胸から爆乳が……」ボー…


ガチャッ  バタンッ!!


提督「あっ、瑞鳳!」

提督「瑞鳳待ってくれーい!」ガチャリ

愛宕「……」ボケー…

提督「あれ、愛宕? どうした執務室の前で」

愛宕「……」

提督「瑞鳳知らない? 今出て行ったはずなんだけど」

愛宕「……ない」

提督「え?」

愛宕「……自慢のがない」

提督「?」

愛宕「だから! わたしの自慢の自前のタンクがなくなっちゃったの!!」ウルウル

提督「え? タンク?」チラッ

提督「あっ、確かにない!」

愛宕「なんでどうして! いきなりよいきなり!」スッカスカ

愛宕「偽物でも何でもない正真正銘私のおっぱいよ!?」ギニュゥ

提督「」ペタペタ

愛宕「誰が触っていいって言ったのよ!」バチィン!

提督「たわば!!」ビタン!

愛宕「えっとえっと……どうしたらいいでしょうか、じゃなくって!」ンガー

愛宕「あぁもう! ……そういえば瑞鳳ちゃんの、さっきの……!」

愛宕「追わなきゃ……!!」ダッ

ある日突然あなたの嫁艦のおっぱいサイズが極端に変わってしまったら。
どうする?

続く。










─二時間後─



提督「文字通り、皆に集まってもらいました」

提督「少し狭いかもしれませんが落ち着いて聞いて下さい」

赤城「落ち着いて? この状況で落ち着けと?」

加賀「同感です。いち早くこの状況をどうにかするべきです」

提督「まず全員が把握しているかわからないので、現段階で状況整理とその対応策について考えます」

提督「なので落ち着いてってことです」

提督「今この鎮守府内にて異変が起こっています」

提督「その異変とは見ても判るとおり、艦娘の胸に出ています」

武蔵「そんな目に見えていることの状況整理なぞどうでもいい」サラシイラズ

大和「今は胸がなくなったことなんかいいのです。誰がいったい何を考えてこんな……!」PADドコイッタ


加賀「きっと貧乳の誰かが何かしたのでしょう」


\ピクッ…/


瑞鶴「あーあ、今ので『元』貧乳の子を敵に回しちゃったなァ~?」ボイーン

瑞鶴「乳がないと心も貧相になるって本当だったのねぇ?」ニヤニヤ

加賀「七面鳥が何か喚いていますね」

瑞鶴「あーあ! この部屋暑いなぁー! ねぇ加賀さん、焼き鳥でも焼いてるの?」

加賀「表出なさい」

瑞鶴「上等よ」

翔鶴「やめなさい、二人とも!」タップン

翔鶴「こんなときだからこそ協力しないといけないのに!」ユサユサ

提督「翔鶴の言うとおりだ、頭を冷やせ」

祥鳳「それに、今の貴方たちが喧嘩したところで泥仕合確定よ?」

提督「……どういうことだ?」

赤城「この異変が起きたとき、私と祥鳳さん、他数名の空母や軽空母の子たちと自主鍛錬に励んでいたのですが」

赤城「胸に異変が起きると同時でした。搭載数に著しい変化が現れたのです」


提督「なに?」

祥鳳「私の搭載数は本来48のはずですが、胸がなくなると同時に急に88に増えたのです」

鳳翔「私も同じく88に増えていました。軽空母の域を超えちゃってますね」

提督「胸が減って搭載数が上がった……? じゃあ加賀さんは……?」

加賀「それは、その……」

赤城「加賀さんの搭載数は38になりました」

提督「胸が減って搭載数も減った……??」

瑞鶴「提督さん、私の搭載数は52みたい。だから加賀さんと喧嘩しても負けないよ?」ドヤッ

加賀「さすがに頭にきました」

提督「胸はかなり増えたが搭載数は減った……???」

提督「何がなんだか。誰かわかるか?」

千歳「どうやらここにいる空母及び軽空母たちの搭載数の平均値と、個人の搭載数に関係があるようです」

千歳「平均より高い子たちは、平均値からその差の分だけ引いた値が搭載数になるようです」


提督「……つまり?」

千歳「皆の搭載数を足して平均値をとったら68でした。加賀さんの搭載数は98です」

千歳「平均より30高い加賀さんは、平均値の68から30引いた38が現時点での搭載数になってるようです」

瑞鳳「その反面、私たち軽空母はだいぶ増えたみたい」

瑞鳳「平均値より低かった子は、平均値にその差だけ加算されてるみたい」

提督「これはまずいな。色々混乱している今攻められたらひとたまりもない」

瑞鶴「えー? 別に戻らなくてもいいんじゃない?」ユサユサ

翔鶴「こら瑞鶴!」メッ

最上「でも僕たち航空巡洋艦や航空戦艦は変わってないみたい」ボイン

最上「搭載数は空母、軽空母だけみたいだよ」

最上「搭載数は、ね」チラッ




暁「これで私も一人前のレディーよね!」ボイイン

響「これはかなり、恥ずかしいな……」タユン

雷「司令官、私がいるじゃない!」ポヨン

電「重いのです……疲れるぅ……」タプン




提督(なんという犯罪的絵面)ハァハァ


提督「おっぱいは艦娘全員に変化が出たと」

提督「これも平均値云々が関係あるのか?」

瑞鳳「そこまではさすがにわからないけど、あったものがなくなってて」

瑞鳳「なかったものがある、っていうのが現実よね……」

提督「普通くらいだった子は変わらないような……」

提督「瑞鳳はいきなりでかくなってどうだ?」

瑞鳳「どうって……慣れない感じだけど、慣れたらどうなのかな……?」

提督「そっか……しかし、どうしてこうなったのか」

瑞鳳「当時なにしてたのか、一人ひとり聞いてみるしかないのかな……」

提督「うーん……とりあえず、そうだな……」

提督「でも、もし瑞鳳が今のまま変えたくないっていうなら俺は……」

提督「搭載数増えたのもいいけど、その……結構、今の瑞鳳も魅力的だから」

瑞鳳「……困ってる子がいっぱいいるのに、私だけの意見を通す提督は嫌いかも」

提督「なら嫌われないためにも全力を尽くさないとだな」

瑞鳳「うん。私も精一杯手伝うから、ね?」

提督(可愛すぎんだろ……抱きしめたいなぁ……)モンモン

瑞鳳「それに、絶対に黙ってない人が何人かいると思うの」


<アーアキュウキュウカンバクガハミデチャーウ

<ソノシボウノカタマリヲヤイテアゲマスヨ……!


提督「そうだな……何人どころじゃなく沢山いそうだ」








妖精(なんかやべーことになっちゃった、どうしよ……)

続く。




一方、とある艦娘の私室では。



龍驤「……」ツンツン


プニプニ…


龍驤「……」ユサユサ


タユンタユンッ


龍驤「……こんなんちゃう」ワナワナ

龍驤「こんなんうちじゃない……」プルプル

龍驤「うちのフラットは……どこいってもうたんや……」ハァーァ

龍驤「あ、でも……いつの間にか搭載数増えとる……」

龍驤「赤城や加賀にも負けないかな?って……そりゃ無理か、あはははは……」

龍驤「……重い」

龍驤「……なくならへんかな、これ。でもなくなったら搭載数が戻るかも……」ブツブツ




後に一航戦の二人より艦載機を載せられると知り、より元通りになっていいのか葛藤する龍驤であった。





……



妖精「──以上が報告内容のすべてです」

夕張「お疲れ様でした! いやぁ助かったよ」

妖精「結局何を目的として作ったの、あれ」

夕張「いやあ、艦娘のおっぱいを調整するスイッチを開発してたんだけど……」

夕張「搭載数まで変わるなんて副作用が出ちゃぁねぇ?」ネー?

榛名「そこだけ直せば使えそうですね」

妖精「いつの間に、って? え?」

夕張「そうだね榛名さん、そこ直したら完成ですよ」

榛名「でも、他の鎮守府を巻き込んでまで試さなくてもよかったのに……」

夕張「そこは私個人が勝手にやったことだから気に病む必要はないですよ」

妖精「……これ、榛名さんが依頼を?」

榛名「はい、そうです。夕張さんになんとか作れませんかとお願いしてみました」

妖精「榛名さん結構でかいのになぜ……?」ジー…

榛名「それは、提督とケッコンしたのに未だに手を出してくれないので」

榛名「もしかしたら貧乳じゃないとダメなのかなと思いまして……」テヘ

妖精「……」

夕張「これで手を出さなかったらきっと疚しいことがあるに違いないよ!」

榛名「そうだとしたら……榛名、悲しいです……」

妖精(これもう誰が元凶かわかんねぇな)


妖精「それじゃあ私はもうやることだけはやったから……」

妖精「あ、そういえばあそこの鎮守府の胸戻してないよ」

夕張「……? 戻す必要が? ていうか戻せないよ」

妖精「えっ」

夕張「あくまでアレは試作段階、一度だけの使いきり仕様だよ?」

夕張「もう一回提督に押させたら戻るとか思ってた?」

妖精「もうごめんなさいじゃ許されないことをしてしまった」

夕張「大丈夫よ、うちで作るのは何回でもいじれるようにするから♪」

妖精「なんか違うでしょそれ」

榛名「それでは夕張さん、お願いしますね」ペコリ

夕張「はい、ぜひ姉御の頼みとあらば!」

妖精「二人ってどんな関係なのよ」

夕張「……特にどうというわけではないけれど」

夕張「ここにきてから優しくしてもらって、提督に開発許可頂いて」

夕張「よくしてもらってるから、そりゃ何かしら恩返ししたいと思うのよ」

妖精(これだけ聞くと純粋にいい子なんだが、やってることが)

榛名「ふふ、榛名は提督にして頂いた優しさを受け売りしているだけです」ニコニコ












入渠「おっぱいでかい妖精さん、アリだと思います」

開発「そのままの妖精さんのほうが断然いいね」

入渠「……どっちもアリだな」

開発「……せやな」



それから一週間後。



瑞鳳「結局戻りませんね」プルン

提督「二度と戻らない、っていうのはな」

瑞鳳「私は別に困りませんけど……ううん、少し困るかも」

提督「?」

瑞鳳「あれから提督、頻繁にするようになったし」

瑞鳳「普段も目つきがいやらしいもん。マリモッコリみたいな目してさ」ジトッ

提督「……男のサガなんだ、許しておくれ」

提督「それと目だけじゃなく股間も」

瑞鳳「知らないっ!」プン

提督「うぅ……」

瑞鳳「……」ンー…

瑞鳳「でも、その……たまにするくらいなら、ね?」

提督(こら我慢できませんわ)ガバッ

瑞鳳「だからぁ! そういうのがッ!!」バチンッ

提督「あべし!!」
















そして鎮守府周辺の海の底では……



港湾棲姫「すごい身軽になった」スイスーイ

北方棲姫「でかいでかーい!」ドタプン

中間棲姫「……」ペタペタ

空母棲姫「ない、わよね……」フニフニ

ソ級「どうしてこうなった」ペタン

旗艦を変えて台詞を聞くたびに嫁が変わっていく。
どの子も可愛すぎてもげますわ……。

続く。





……



妖精「……それで、お話とは?」

榛名「はい、妖精さんでないと相談できないことなんです」

提督「俺もいないとだめか?」

榛名「はい、居てください」ニコッ

提督「はぁ」ゲンナリ

妖精「だいたい想像つくけど、何の相談?」

榛名「提督がいつになったら、どうしたら手を出してくれるのか」

榛名「妖精さんなら何かわからないかなと……」

妖精「そんなの提督に聞きなさいよ」

榛名「だそうです、提督?」

提督「……」

榛名「この通り、どうしてなのか聞いても答えてくれないのです」

妖精「えー……」


妖精「だって結婚してるんでしょ? だったらいいじゃん」

妖精「ていうかしてなくてもいいじゃない? だめなの?」

提督「それは……いや……」

妖精「四六時中、寝るときお風呂入るときも一緒なのに何いってるの」

妖精「これでこの子が弁えない子だったらとっくに襲われてるよ」

妖精「ていうか襲っちゃいなよもう、面倒臭いったらない」

提督「でも……」

榛名「提督、榛名は不安です」

榛名「せっかく夕張さんにお願いして一時的ではあるけど、ぺったんこにしてもらって」

榛名「それでもしてくれないなんて、榛名は女として不安になってきました……」

妖精(結局小さくして迫ったんだ)

榛名「やはり榛名は、所詮兵器止まり……」

提督「違う! 断じてそんなんじゃない!」ガバッ

提督「榛名は俺なんかには勿体ないくらい、よく出来た娘で……!」ギュウウ

榛名(あ……もっと……)ギューッ


妖精「でもそこまで言わせるなんて提督も酷いよね」

妖精「何? 抱けない理由でもあんの? 短小砲?」

榛名「いいえ! 提督のはとても立派で、ダズルで……!」ハッ

提督「……見せたことないのに知ってるの?」

榛名「い、いえこれはっその!」ギュウウ

榛名「~~~~っ!」グリグリ

提督(胸に顔ぐりぐりして可愛い)ホワーン

妖精「じゃあなんなのさ?」

提督「こうなったら言うしかないのか、いや男としての尊厳が……」

三代目妖精「ういーっす! たっだいまー」バタン!

妖精「……」

妖精(な、なにこのイケメン……///)キュン

榛名「妖精さん!」

提督「え? あれ?」

三代目「おうおう真昼間から抱き合っちゃって、相変わらずお盛んだねー」

榛名「残念ながらお盛んではないのです……熱々ではあるのですが」

三代目「お?」

提督「榛名、とりあえずお茶でも出そう」

榛名「はい、湯を沸かしますね」


三代目「そんな、いいのに。どうせまたすぐ出るし」

提督「そうなのか? どこでなにやってるの」

三代目「深海鎮守府で提督やってる」

提督「えっ?」

榛名「深海に鎮守府が……?」

三代目「そうなんだよ。深海棲艦束ねて気ままに生きてるって感じ?」

三代目「こちらのお嬢さんは? 見たところ同じ妖精だけど、俺の後釜かな?」

妖精「」ポー

三代目「ん? どうした?」

妖精「あっハイ!? はい、開発担当の妖精と申します!」

三代目「律儀ないい子だねー。俺なんかよりよっぽど優秀なんじゃないの?」

提督「どちらも優秀だと思うよ。あなたの場合は怠けてて本気が見えなかったからで」

三代目「あ、やっぱりばれてた?」

提督「あんだけ態度で出てればね。それで、突然戻ってきたけどどうしたの」

三代目「あーそうそう。夕張か明石、建造できてないかなーって様子見に」

妖精「夕張さんならいますよ?」

三代目「本当!? お茶飲んだら案内してくれる?」

妖精「はい!」キラキラ


榛名「……そうだ、妖精さんなら解決してくれるかも」

榛名「提督と私を引き合わせてくれた、この妖精さんなら」ゴクリ

三代目「おうよどうした」

榛名「妖精さん!」

三代目「はいはい」

提督「やめ──」

榛名「提督がエッチをしてくれません!」

三代目「……あぁー」

榛名「どうしてか知ってませんか?」

三代目「あーまだそんなことで悩んでたの」ププッ

榛名「……?」

提督「……」アァ…

三代目「こいつ童貞なのよ。それでどうしていいかわかんないだけ」

提督「ほ、ほーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!」ミモダエ


榛名「え……」

妖精「まさか・・・・ど う て い ?」

提督「やかましいわ!」

三代目「おまけに、自分と榛名を比べて、俺は榛名には見合わないだーとか」

三代目「そんなことぼやいてた気がするんだよねぇ……?」ニヤニヤ

榛名「本当なのですか?」

提督「あ う お」

三代目「あれェー……それともまだ長門に未練があったりするのかなァ……?」

提督「それまでも言うか! この鬼!」

榛名「長門……?」

榛名「もしかしたら、この型録の折り目のついてる所の娘のことですか」バサッ

提督「ひえっ」ゾクッ

三代目(一瞬悪寒が)ゾクゾク

提督「いや、それはだな、MNBが……」オロオロ


バタァン!


長門「建造が終了して、提督へ挨拶に仕った。私が戦艦長門だ、よろしく頼むぞ……ん?」

提督「あっ」

三代目「あっ」

榛名「……」

妖精(話についていけない)ポツン…

大型でむっちゃんが出るとどこか嬉しい自分がいる。

続く。


長門「なんだ……?」

榛名「……」ジー…

三代目「ふむ……こりゃ正真正銘、戦艦長門だな」

長門「……? それはそうだろう」

三代目「いやね、たまーに容姿が長門なんだけど、ちょっと違うのもいるんだ」

三代目「違うっていうか、長門なんだけど、こう……抜けているというか、特殊というか」

長門「煮えきらんな、はっきり言ってくれ」

三代目「ながもん、って呼ばれる特殊な個体もいるんだよ」

三代目「駆逐艦大好きだったり、アイス大好きだったり……」

長門「なんだ、そんなことか」

長門「この長門、駆逐艦娘もアイスも大好きだぞ。ちなみに動物も大好きだ」フフン

長門「着任して初任給を貰った暁にはうさぎを飼おうと思っていてな……」

三代目「……」



長門「……貴方が私の提督か。よろしく頼む」アクシュ

提督「う、うん」ニギニギ

榛名「…………」ギュッ

長門「それと、提督と腕を組んでいるこちらの同士は誰だ?」

榛名「私、ですか?」

長門「そうだ」

榛名「私、私は……高速戦艦の榛名です」ショボン

榛名「秘書艦を勤めていました」スルリ

提督「……榛名?」

榛名「提督、榛名は席を外しますね……」カチャッ

提督「え? あっ……」


バタン


提督「あ……」

三代目「はぁ~……」ヤッチマッタナ

長門「なんだ? 秘書なのにどこか行ってしまったぞ? 覇気もないように見えたが」

妖精「……」

長門「さっきからなんなんだこの空気は。なんだ? 私が原因か?」

長門「ビッグセブンが艦隊に加わったというのに……それとも私は二人目だからか?」

提督「……」

長門「ハッキリ言わんと何もわからないぞ」

三代目「いや、長門が着たからって訳じゃなくて」

長門「はぁ……私はどうしたらいいんだ?」

妖精「長門さん、私と間宮さんに行きましょう?」

長門「間宮……だと……!?」

長門「ぜひ案内して欲しいぞ!」キラキラ

妖精「あとは事情知ってそうなそちらの妖精さんに提督をお任せします」ガチャ


バタン


三代目「おい、提督」

提督「……なんだよ」

三代目「榛名を引き取る前に、念入りな調査と報告をしたうえで、お前さんはここに呼べって言ったよな」

三代目「なんだ? あのときの威勢はどうした?」

三代目「最期まで面倒を見る覚悟で招き入れたんじゃないのか? 俺にはそう見えたが」

提督「……彼女になんて言葉をかけたらいいのか」

三代目「ふー……」

三代目「俺も疲れたから甘いもん食ってくるわ」ガチャ

三代目「幻滅させないでくれよ、相棒?」



バタン



提督「追うべきなんだろう、けど」

提督「榛名……」

元は胸糞売りだった気がする
けど榛名は昔のごにょごにょもあるから報われるようにもしたい
どちらにせよ急な雰囲気の変わり具合にどうしてこうなった。

続く。

二代目でしたテヘッ
初代が既に二代目だったとか適当にこじつけてください




──

───




提督「……あれ…………」

提督「もう夜か、外が真っ暗だ……」

提督「……?」

長門「どうした?」

提督「あれ、長門……?」

長門「仕事のしすぎじゃないのか? 疲れた顔をしているぞ」

提督「え、あぁ……」

長門「何かジュースでも取ってくるか、いや、そろそろ晩御飯だから甘いのはダメだな」

長門「麦茶でも注いでこようか」





……



提督(ぬるい……)ゴクゴク

長門「それでな、今日の演習でついに私のレベルが99になったんだよ」

提督「え、もう?」

長門「もうとはなんだ?」

長門「私がきて、もう三ヶ月は経つではないか」

長門「常に旗艦を務め、秘書としても提督の傍にいたのだから当然だろう?」

提督「え……?」

長門「提督よ、貴方がいつも大事にしているこの長門がレベル99になった」

長門「もう提督の口から出てもいいんじゃないのか?」

提督「なんだよ……え……?」

長門「ふふ、とぼけても無駄だぞ? 提督もここ最近はそわそわしていたではないか」

長門「やっとケッコンできるな、と」

提督「……違う」

長門「?」

提督「何か、なにかちがう……」

提督「思い出せない……でも違うんだ……」

長門「違うって言われてもな……困ったな」

長門「ん、もうご飯の時間だな。食堂へ行こうか」

提督「食堂……?」




……



長門「私は今晩は油淋鶏定食でも頂こうかな」

提督「…………」

長門「まだぼーっとしているのか?」

提督「いや、あの子って誰だっけって……」ユビサシ

長門「おいおい、冗談も大概にしてくれ。夕雲と巻雲じゃないか」

提督「あれ……」

長門「やっとこの前うちに来てくれたと喜んでいたではないか」

提督「じゃあ、あの子たちは……あの、三人」

長門「金剛と比叡、霧島のことか。仲のいい姉妹だな、いつも一緒にいる」

提督「金剛……金剛?」

提督「金剛姉妹って、四人じゃなかったか?」

長門「そうだな。比叡の妹で──がいるはずだ」

提督「……なんだって」

長門「だから──だ」

長門「昔、秘書を務めていたのだろう?」

提督(なんだ? そこだけ聞こえないけど何かが引っかかる……)

提督(なんだ、思い出せない。なんでだ……)





……



長門「ご飯のときもぼーっとしていたな。いよいよ心配になってきたぞ」

提督「あぁ、ごめん……」

長門「もう夜も遅いし、指輪を貰うのは明日にするとしよう」

提督「指輪……? 指輪!!」バッ

提督「俺の指輪がない……確かにあったはずなのに」

長門「ないのは当然だろう。誰ともケッコンカッコカリしてないのだから」

提督「違う! 俺は確かに……!」

長門「じゃあ誰としたというのだ?」

提督「それ、は」

長門「……少し、疲れているんだな。もう寝よう」

提督「あぁ、おやすみ……」

長門「?」

提督「ん?」

長門「なんだ? 今日は一人で寝ろというのか?」


提督「……違うのか?」

長門「夫婦になる間柄なのだから今後は一緒に寝たいと前言ったばかりではないか」

長門「……もう私に飽きてしまったのか?」

提督「何を言ってるんだ……?」

提督「おかしい、やっぱりおかしい……」

提督「そもそもだって、お前がうちにきたのかついさっき……!」

三代目「うぃーすただいまー」バタン

長門「む、妖精さんか。提督の様子がおかしいのだ、見てくれないか」

三代目「おかしいのはいつものことじゃないか。で?」

長門「なんかいろいろとおかしいのだ」

長門「俺の指輪がないとか、反応に鈍かったり、何か思い耽るような具合でな」

三代目「指輪がない? まだ気にしてるのか」

提督「知ってるのか!?」

三代目「知ってるも何も、榛名のことだろう?」

提督「榛名! 榛名だ! そうだ、何で忘れていたんだ!」


長門「…………そうか」

長門「お前が言っていたのは全部榛名のことだったんだな」

三代目「お前さぁ、嫁さんの前で前の女のことを言うのか?」

提督「は……?」

三代目「榛名はもういないって、お前が一番良く知っているだろう?」

提督「え……っ」

三代目「確かに榛名は長門が来る前に秘書を務めていたけど、ただそれだけだろう?」

三代目「念願叶って長門がきてから、ずっと長門と付きっ切りで」

三代目「空気を呼んであの子はお前の同期のところに異動したんじゃないか」

提督「そんなはずが」

三代目「それにこの前同期と榛名が結婚したって、写真を送ってきただろう?」

三代目「お前さん、結婚式にも出たじゃないか。頭大丈夫?」

提督「!?」

三代目「今度は捨てられないように頑張りますって顔してたの覚えてないのか」

三代目「それとも君には泣きながら笑って、喜んでいるように見えたのかな?」

三代目「怖いね。俺も君も同じものが目に映っているはずなのに、見えてるものは全く違うって」


三代目「まぁそうだよな。俺も早く長門と結婚しないとなって」

三代目「榛名の気持ちを考えもせず言ってたのはどこのどいつよ?」

三代目「もう長門しか見えてないようだったから黙ってたけどさぁ」


バタンッ!


三代目「なのに今更掘り返して何がしたいの。泣きながら出てっちゃったじゃん」

三代目「なに? あの子も捨てるのか?」

提督「捨てる……?」

三代目「言い方の問題で同じことだろうよ」

三代目「捨てるくらいならうちで引き取って戦艦棲姫にでもしちゃうから貰うな」

提督「長門、いや違う。榛名が……俺の隣にいたはずなんだ……」

三代目「急にどうしたのかね。可愛そうに」

提督「榛名……榛名……!」

三代目「もうだめだな。こうなったのは俺にも原因があるし」

三代目「そのうちすぐ楽にしてやるからな」

三代目「そんときはここの艦娘も貰っていくからよろしく」



バタンッ!



提督「どうして……違う、こんなはずじゃなかった……」

提督「どこかでなんかあったんだ、でも思い出せない……」

提督「あぁぁ……うぅ……」


続く。


提督「なんなんだ本当に……」


『提督、お疲れ様です。肩を揉んでもよろしいでしょうか?』


提督「榛名……はるなぁ……」


『提督、お腹が鳴っていますよ?』クスクス

『晩御飯にしましょう! 今日は何がいいですか?』

『腕によりをかけて作りますね!』


提督「これが現実なんてウソだ……うそ……」


『お背中、流しますね』

『洗い足りないところはないですか?』

『今度は榛名をお願いしても、いいでしょうか……?』


提督「もう、何も考えたくない……」


『今宵も榛名、少し、おしゃべりが過ぎました。ご容赦くださいね?』


提督「違う、何も悪くないから、むしろ俺が悪いんだ、だから……!」


『たしかに布団一組は狭いですね……。でも、榛名……暖かいです」

『ずっとずっと、一緒にいてくださいね……?』

『ええ、榛名でいいなら……。約束、ですよ?』


提督「や、く……そく……」


妖精「そう、約束をしたのに貴方はそれを裏切った」

提督「ちがう……」

妖精「違わないよ」

妖精「彼女は貴方を心底信頼していたはずなのに、思わせぶりな態度だけをとって生殺し」

提督「ちがう! そんなつもりじゃ……」

妖精「つもりじゃないの。事実として今があるの、わからない?」

妖精「あの子がここを出て行くときになんて行ってたと思う?」

妖精「『提督の幸せが私の幸せです』って言ってたのよ。信じられる?」

提督「ぁ、あ……」

妖精「異動先の提督に一目惚れされて、でもあの子はその提督を好きになれなくて」

妖精「どういうつもりかわからないけど、あの子はそれでもその提督と一緒になったのよ?」

妖精「しかも数ヶ月ぽっちで。スピード婚ってやつ? デキ婚かもよ?」

提督「もう……よしてくれ……」

妖精「一刻も早く貴方のことを忘れたかったのかしら?」

妖精「それとも、あの妖精さんの言うとおり捨てられないためかしらね?」

妖精「何を考えてそうしたのかなんて、誰にもわからないけど」

妖精「あれだけ懐いていた彼女がどれだけ苦悩してそれを選んだか、その気持ちがわかるかな? ん?」

提督「…………」

妖精「会ってすぐの男に股開いて、ひいひい喘いで。ね、わかる?」

妖精「貴方も榛名に求められて、内心嬉しかったんじゃないの? 嫌な訳はないよね?」

妖精「カッコカリとはいえケッコンしたり、盆には一緒に帰省したりするくらいだもの」

妖精「その彼女が、貴方も大好きだったはずの榛名が、毎晩毎晩貴方の同期のナニで啼かされてるの」

妖精「それでそのうち、一緒にいることが普通になって、前の鎮守府のことも、貴方のことも忘却の彼方になる」

妖精「じきに子供が出来て、榛名は旦那とその子供と楽しく暮らして、薬指には綺麗な指輪が輝いてて」

妖精「二人目三人目って子供作って、幸せに暮らしてって」

提督「…………」

妖精「ね、どんな気分?」

どう書くか止まったのはここが初めて、安価だったら楽だったんだろうけど
そのうちすぐよそチンの話書きます許してください

続く。



───

──



提督「うぅぅ……うっ……」グジュッ

提督「はるなぁ……ごめん……ごめんなさい……」エグッヒグッ

提督「おれ……おえ……えう、おえっ……」ズビビ

榛名「なんだか榛名、もう見ていられないです……」

長門「なにやらまずいことしたのだけはわかる」

妖精「これまずいほうに転んだからどうするのよ」

三代目「さぁ?」

妖精(なんて楽観的な……顔はいいのに……)

三代目「夕張さん、ちょっとどうなのよこれ」

夕張「ん!? まちがったかな……?」

長門「何をどう間違えたのだまったく」

三代目「んー、起きてからどうなるかだよね。とりあえず榛名はここにいないとまずい気がする」

榛名「この状態の提督を放っておくなんて、榛名にはとても……」

榛名「今すぐ起こしてあげたいです」

三代目「そうだなー……榛名の名前呼んだと思ったら、いつの間にか涙と鼻水ですごいことに」

妖精「寝たままずっと懺悔してるし、見てて不安になる……」

三代目「どうしてこうなったのか」

妖精「間違いなく貴方のせいよ」

三代目「良かれと思ってやったんだが」

榛名「そうですね、予定では確か……」





──


─甘味処『間宮』─



三代目「──そういうことがあって、二人は運命の出会いを果たしたのでした」メデタシメデタシ

妖精「ふぅん。そこだけ聞くといい提督に聞こえるのだけれど」

三代目「提督も長門のことは早く榛名には言った方が良かったんだよね」

三代目「榛名も知ってるなら追求すべきだったんだし」

長門「フ。このビッグセブンの長門に憧れていたというのはまぁ、嬉しい話だな」

長門「今となっては興味がないと言われたら少し悲しくなったが」

三代目「煽るように言ったけど、榛名を呼べって言った時のあいつは男前だったなぁ」

三代目「ただ、あいつに報告する際に榛名の悲壮感っぷりを盛りすぎたかな」

妖精「そのせいで大事にしすぎてたと?」

三代目「なのかねぇ。まさかここまで来て何もしてなかったのは意外だけど」

長門「どうにかして後押しできないものか?」

長門「私もせっかくの同士にそんな風に思われているのは嫌だしな」

長門「ヤンデレだったか、そんな風に悪化したら刺されるかもしれん」

妖精「刺されるのは提督かもね」

三代目「刺される前に挿しちまえと……」ピコーン!

三代目「ひらめいたッ!」パリイ!

妖精「?」

三代目「そうだよ、提督に榛名を襲わせちまえばいいんだよ」

長門「それが出来ていれば……」

三代目「そう。そこで、彼女の腕を見るとともに提督と榛名には実験体になって貰おうと」

妖精「はぁ……?」





……



榛名「榛名、参りました」ピョコ

夕張「また開発かしら?」

三代目「ふぅ~ん、これが夕張ねぇ……」マジマジ

夕張「そんなに見つめても何も出ないわよ?」

三代目「お、おう。別に出さなくてもいいんだが」

夕張「……」

三代目「よし、役者は揃った」

三代目「これから説明をするから、その通りに動いて欲しい」

三代目「特に榛名には慎重に考えて欲しい」

榛名「?」

長門「なんか悪寒がする」ブルッ

妖精「どうなっても知らない」

妖精(前のおっぱい事件もあるし……あの鎮守府どうなったのかしら)





……



夕張「なるほど、ねぇ」

榛名「ええと、提督に素直になってもらうと?」

三代目「そう。彼は自分の気持ちに素直になっていないだけで」

三代目「絶対に心のうちで榛名とあんな事こんな事したいと思ってる」

三代目「果てには結婚して一緒になりたい、そう考えているはずだ」

三代目「ただ色々事情があってな。それが言えないんだ」

榛名「でもそれ、もう周知の事実ですよね」

妖精「周知というか羞恥というか」

夕張「それで、私の開発した装置で素直にさせて、榛名を襲わせると」

長門「本当に便利だな夕張は、私も開発キャラになりたいぞ」

妖精「……」

榛名「本当に、提督は長門さんには……」

妖精「それは彼の口から聞いて欲しいかな。榛名に伝えたのは勘違いしないように最低限のことしか言ってないし」

三代目「どうだい? やってくれるかい?」

夕張「私は大丈夫だけど……」チラッ


榛名「あの、その!」ハイハイ!

榛名「もしそうなったら、ふ、次の日の朝までは二人きりで……///」モジモジ

長門「ヤる気満々ではないか」

妖精「ヤられる気じゃないの?」

三代目「そうとなれば早速夕張は開発を頼む」

夕張「頼むも何も、一瞬で出来るわよそんなもの」

三代目「なん……だと……」

夕張「何の為のバーナーだと思ってるの? 一瞬よ?」

妖精(色々おかしい気がするけど今更かしら……)

長門「となれば、後は提督の様子か」

三代目「様子なんて関係ない、とにかくこの夕張作の兵器を当てりゃ勝ちよ」ガッチャ

三代目「のりこめー!」フヨフヨ

長門「なんだかわくわくしてきたぞ」ドタタタ…

榛名「あっ、勝負下着に替えてから」アセアセ

妖精「そんな暇ないわよ、ほらいくよ」フワフワ

夕張「まって~……」タッタッタ


三代目「オラァ提督ゥ!」バタン

提督「」

長門「はっ、死んでる……!?」

妖精「どっからどう見ても不貞寝じゃない」

三代目「なんだよ追えっつったのに意気地なしだなぁ」

三代目「そんな腑抜けに育てた覚えはないぞ!」カチッ ズビビビ

夕張「うおっ、なんか出た!」

妖精(自分で作っておいてなんか出たって……?)

長門「おおお、提督の体が輝いてるぞ!?」キャッキャッ

榛名「ああっ! 待って下さい、心の準備が!」アワアワ

妖精「いいからあんたら隠れるよ!」グイグイ

榛名「提督、榛名はいつでも大丈夫です……!」ドキドキ

榛名「だから、どうか優しく……!」

榛名「あ、でも激しく……!」

榛名「……やっぱり優しくて、激しくお願いします!!」












妖精(端から見たら危ない子だよ)ジー…

長門(さぁ! さぁ! 男を見せてみろ、提督よ!)ジー…

三代目(いくらで売れっかな)REC

夕張(このデータを基にして何かまた開発に役立てれば……)ジー…



──

───



榛名「……提督が目を覚まして襲ってくるはずだったのに」シュン…

夕張「誰のせいでこうなったのよ、まったく!」プンスカ

三代目「本当だよ!」

長門「……急に冷めたな」

妖精「もうあなた、開発やめなさい」

夕張「罠だ! これは罠だ!」

夕張「私を陥れるために仕組んだ罠だ!」ユビサシ

三代目「まぁ、なんだ。すまなかった、榛名」

榛名「いえ、私の為を思ってやってくれたのですから」

三代目「相変わらずいい子過ぎて泣きそう」

榛名「私は提督と一緒にいます。目を覚ますまで、不安です」

榛名「それにやっぱり、私は提督の隣にいないと落ち着かないです」

妖精「もうこの際なんでもいいからさっさと既成事実でも何でも作っちゃいなさい」

夕張「避妊具の開発は任せてネ!」

妖精「いい加減にしないとしばくよ?」

夕張「いやん♡」

長門「私は鎮守府内を見て回りたいのだが」ガチャ

三代目「案内するよ。あんたもくる?」フヨフヨ

妖精「私? ……やることないし、そうね」フヨフヨ

夕張「おひらきなの? なら私も戻るわね」

夕張「それじゃお疲れ~」ヒラヒラ


バッタン


榛名(なんだか慌しかったです)

提督「んぅう……」

榛名「提督……」ナデリ

提督「はるな……はるな……」

榛名「はい、ここにいます」ポンポン

提督「……いかないでくれ…………たのむ……」

榛名「!」

榛名「……はい、榛名でいいなら…………」

榛名「ずっと、一緒です……」

提督「っ……」ギュ

榛名「……」ナデナデ

提督「……」

榛名「落ち着いた、のかな?」

榛名(起きるまで、お隣失礼しますね)モソモソ

榛名(やっぱり、ここが一番です……)

右往左往した挙句、提督の夢オチ
ぼちぼち潮時な気がしますね

続く、



─ 一ヵ月後 ─



妖精「はぁー……暇だなぁ……」

妖精「最近旅に出てなかったし、また旅に出ようかなぁ……」

妖精(あの妖精、結局ばたばたしてたのが落ち着いた途端帰っちゃったしなぁ)

妖精(一月経ってもたまに考えちゃうなんて、やーね……)

長門「そういえば、前に一緒にいた妖精はどこにいったのだ?」

妖精「あの妖精は……別のところの妖精さんだから、元のとこに帰ったわ」

長門「ふーん……?」

長門「そうだ。旅に出る前に留守番を一つ頼みたい」

妖精「どこかいくの?」

長門「ふっふっふ……。先日、やっと初任給が支給されてな。栄えある私の初任給だ」ゴソゴソ

長門「これを持って、ちょっとペットショップに行こうと思っててな」ジャーン

妖精「なにそのがま口財布……」ウワ…

長門「いいだろう? 今にもゲコゲコ鳴きだしそうなこのカエルがま口財布」フフン

妖精「うん……何でもいいけど、行く途中で落としちゃダメだよ?」

長門「そんなことあるか、この私を誰だと思っている」


妖精(なんか見ててそそっかしいというか、やらかしそうなんだよねこの人)

妖精「別にペットショップじゃなくても、里親募集とか探せばいいのに」

長門「……確かに、命を金で買うのはどうかと言われたら」

妖精「そこまでは言ってないけどね。あ、前あそこのホームセンターでうさぎの子供が五百円で売ってたよ」

長門「なに!? そこも調査をする必要があるな」

長門「しかし、一羽だけだとやはり寂しいよな。ここにくるうさぎも、私も一羽じゃ寂しいぞ、もっと欲しい!」

妖精「面倒見きれるの?」

長門「くそう、この際見つけたうさぎを順番に招くという手もあるが……」

妖精「ていうか、提督に許可貰ったの?」

長門「貰ってない」キッパリ

長門「提督の帰還なぞ待ってられるか、私は好きにやるぞ」

妖精「……」

長門「それに榛名ならきっと許してくれるはずだ」

妖精「うん、きっと榛名は大丈夫ですって……」

長門「善は急ぐぞ。大丈夫、きっと提督も帰ってきたらうさぎがいることに喜び驚いて……」



ガチャ



弥生「……」ヒョコ

長門「!??!!」


弥生「……えっと」ソロリ

弥生「執務室って、ここで合ってますか……?」

長門「……」

弥生「……?」クビカシゲ

長門「うさぎだ……」

妖精「は?」

長門「この……もふっとしてそうな跳ね耳……」モフモフ

弥生「……」

長門「そしてこのうさぎのような、小動物特有の大人しい佇まい……」

長門「この子が私の運命のうさぎだ、今決めた」

弥生「なに……この人……」ビクビク

長門「え……」

弥生「こわ、怖い……こないで……」

長門「あ、いや……すまない、嫌わないでくれ……」ウルウル

弥生「……嫌ってなんかないですよ、ただ……」

長門「本当!?」ガバッ

弥生「ただ変な人だと……驚いて……」

長門「」





……



弥生「初めまして、弥生、着任……。あ、気を使わないでくれていい、です」

長門「驚かせて済まなかった。まさか新造艦だったとは」

長門「なにせ私もここに来てあまり経ってないからな」

長門「臨時で提督を務めさせて貰っている戦艦の長門だ。今後ともよろしく」

弥生「はい……よろしくお願いします……」ペコ

弥生「それで、本当の司令官は……」

長門「今は特別休暇を取っていて、ここにはいない」

弥生「そうなの……?」

妖精「ハネムーンでね。まだ当分帰ってこないよ」

長門「だから、わからないことがあったら私や他の娘に聞いて欲しい」

弥生「はい……」

弥生「じゃあ早速、案内お願いしてもいいですか……?」

長門「ああ、任せてくれ。うさぎは案内終わってからにしよう」

長門「それじゃあ私は案内に回るからな」ガチャリ

弥生「……では」パタン

妖精「いってらっしゃいー」

妖精「……ふぅ」ポツン

妖精「よし、久しぶりに旅に行くかー」

続く




……

………



隼鷹「艦隊が帰ってきたよ~、おつかれさんっ!」

提督「おうお疲れ。今日もお仕事お疲れ様」

提督「ゆっくり入渠して、体調整えてな」

隼鷹「りょーかい。ね、今晩も一杯やらない?」クイッ

提督「まぁ、そうだな。付き合おう」

隼鷹「にひひ、やりぃ」

提督「まずは疲れを取ってからな」

隼鷹「んなことしてたら明日になっちゃうよ。な、バケツ使ってもいい?」

提督「……一個くらいなら目を瞑るか」

隼鷹「ひゃっはー! さっそくいってくらぁ!」ガチャッ

提督「それでも湯船に浸かって、身体温めてから出るんだぞー」

隼鷹「はいはい、わかってるってぇ♪」バッタン

提督「相変わらず元気だなぁ……」

提督「俺も今のうちに風呂入っとかないと」





……



隼鷹「おっまたせー!」バァン!

提督「……」チャプチャプ

隼鷹「あーっ!!」

提督「!?」ビクッ

隼鷹「ずっりいぞ、提督! 一人でこんな良い風呂に浸かりやがって!」

提督「いや、そりゃ俺が買ったんだし……」

隼鷹「おまけに月見酒なんてついてるしさぁ!」

隼鷹「いつからあんの、これ!」

提督「……つい最近だよ」

提督「ていうか、風呂はどうした。浸かれって言っただろ」

隼鷹「んなもん早く提督のとこ来たくて、烏の行水に決まってるじゃない!」

提督「お、おう……///」

隼鷹「なんだよ、ずっと秘書やってたあたしにまで隠し事かよぉ……ちぇっ」

提督「ただでさえここに入り浸るのに、こんなのあるなんて知ったらこの部屋に住み着くだろ」


隼鷹「当たり前じゃん! ダメなの?」

提督「ダメって訳じゃないが……」

隼鷹「とにかく、今後こんな水臭いことするのはダメだからね!」

提督「ハイ……」

隼鷹「よし、そうとなれば早速……」ヌギヌギ

提督「なっ、ばっかお前!」

隼鷹「なによ? あたしも入っちゃダメなの?」

隼鷹「いーじゃんいーじゃん、ケッコンカッコカリだってしてんだしさ♪」

提督「……それもそうだけど、バレたものは仕方ないか」

提督「ダメって言っても聞かないだろうし」

提督「それに、せっかく大事な部下が風呂を投げ出してすぐ戻ってきてくれたのに追い払うのもな」

隼鷹「うんうん」

提督「……風邪引かれても困るから、温まっていったらどうだ」

隼鷹「その言葉を待ってたんだよ♪」パサッ

提督「……!」プイッ

隼鷹「あはは、なに顔を逸らしてるんだい」ケラケラ

隼鷹「そういうの、見飽きてるんじゃないのかい?」


提督「俺をその辺の提督と一緒にするな、決めた奴の身体にしか興味ない」

隼鷹「……へぇ?」チャプ…

提督「お前のはだな、ただ刺激が強すぎるから見ないだけであって……」

隼鷹「……なぁ、提督」ズイッ

提督「ち、近いって……」

隼鷹「酒」

提督「へ?」

隼鷹「注いで貰ってもいいかい?」スッ

提督「……あ、あぁ」トットッ…

隼鷹「プッ」クスクス

提督「なにがおかしい」

隼鷹「いーや、なんでも」ンクッ…

隼鷹「あー……沁みるねぇ……」フゥ…

隼鷹「あんたもいっぱいどうだい?」

提督「……頂こうかな」

隼鷹「あいよ」トットッ…





……



隼鷹「いつも飲むのもうまいけど、今夜の酒は格別だ」

提督「そうなのか?」

隼鷹「いい風呂に浸かりながら綺麗な月がよく見えて、隣にはイイ男がいて、ね」

提督「……言われてみれば、俺もそうだな。いつもより美味しく感じる」

隼鷹「へぇ?」

提督「いつもと違って、今日は隣にとびきり美人な女性がいるからな」

隼鷹「ふふん、だろ? 惚れた?」

提督「どうだかな」

隼鷹「なによ、それぇ……」

隼鷹「大体さぁ、提督はあたしのことどう思ってるのよ」

提督「いきなりなんだ。酔ってない癖して絡むな」

隼鷹「素面だからこそ、だよ」

隼鷹「いつもはぐらかしてさ、キスしてやるって言ってもさせてくれないし」

隼鷹「あたしはあんたに、こんなにも惚れてるのにさぁ」グイグイ

提督「やめろ、触るな!」

隼鷹「こーんなにいいモノだって持ってるのにさ……」サワサワ

提督「それ以上のセクハラは憲兵を呼ばざるを得ない」

隼鷹「そんなこと、本当に出来る?」

隼鷹「あんただって、実はあたしに惚れてるんじゃないの……?」


提督「なにを根拠に」

隼鷹「あたし以外、レベルが100以上の娘なんていないじゃん」

隼鷹「あたし以外を秘書にしたことないじゃん」

隼鷹「……それくらい?」

提督「あのなぁ……」

隼鷹「でも違うとも言わないじゃん」

隼鷹「あたしはさ、あんたにもうこれでもかってくらいベタ惚れなんだよ」

隼鷹「たかだか軽空母なのに、旗艦に据えて重宝してくれて」

隼鷹「正規空母に負けないように、結構頑張ったのを分かってくれたのも、あんただけ」

隼鷹「艦載機の整備だって手伝ってくれるし、なんだかんだで構ってくれるし」

隼鷹「なぁ、あたしじゃ駄目かい……?」

提督「隼鷹……」

提督「たかだが軽空母と言うが、正規空母にも引けを取らない強さがあるし、燃費だってずっと良い」

提督「それに最初にうちに来た空母がお前だったから、傍に置いたんだ」

提督「頑張ったのだって、その機会を作っただけで努力したのはお前自身だ」

提督「その頑張りを、その通り評価しただけのことなんだ。別に俺だからって話じゃ……」

隼鷹「……お互いさ、建前ばっか並べるのも辞めにしない?」

隼鷹「言い出したのはあたしだけどさ」

提督「……あぁ」

隼鷹「提督はどう思ってるか知らないけど、あたしは提督が好き」

隼鷹「正直さ、もう我慢の限界なんだよ……」






























隼鷹「なぁ……スケベしようや……」

提督「その一言で台無しだわ!!」

隼鷹さん改二おめでとうございやす
やっと武蔵も出たけど隼鷹が先、それくらい改二は個人的によろしい
先読みして(好きな艦から)育ててるけどなかなか改二にあたらなくて厳しい。


続く





……



隼鷹「……つまりあたしの一部おっさん臭いところが駄目だって?」

提督「おっさん臭いっていうかね、うん」

提督「さっきみたいなこと言われても股間にこないのですよ」

提督「それとか、いつも飲んだら脱いでその辺でゴロンってなったり」

隼鷹「最終的には自分の布団か提督の布団で寝てるからいいじゃんかー」

提督「自分の布団で寝てるって言うけどな、抱きかかえて連れて行くのは俺なの」

隼鷹「えー……じゃあなんならいいのさー」

隼鷹「もっとお淑やかなお嬢様みたいなのじゃないとそそらないっていうのかい?」

提督「そこまでは言わないけど、もう少しだな」

隼鷹「……待てよ? そこさえ守れば提督は抱いてくれるってことか?」

提督「そりゃそうなるだろうけど、なんかムードもへったくれもないな」

隼鷹「……一つだけ、あるにはあるかも」

提督「なにが?」

隼鷹「ん? あぁ。その前に髪乾かしてくれない?」

提督「はいはい」














提督「よし、綺麗に乾いた」ポンポン

提督「で、なんだっけ」

隼鷹「提督が襲いたくなるような、お嬢様になれる方法ってやつ」

隼鷹「提督が喜ぶかもしれないならね、やる価値はあるかも」

提督「いや、無理してしなくてもいいぞ」

隼鷹「いいや、大丈夫。提督の反応も見てみたいし」

提督「……それって、どんな方法なんだ?」

隼鷹「んっとさ、あたしってほら。最初は客船になる予定だったじゃん?」

提督「豪華客船の、橿原丸だっけ」

隼鷹「そ。女王みたいな感じに言われてたけど、立派なお嬢様なんだぜ?」

隼鷹「艦娘になって、艦としての隼鷹の魂を受け継いだときに、一緒についてきたんだ」

隼鷹「だから一応は、そういう顔も出来るようにはなってるってわけ」

隼鷹「こっちのほうがあたしは気に入ってるけどな」

提督「なら……」

隼鷹「橿原丸だろうと隼鷹だろうと、あたしはあたしさ」


隼鷹「だから気にすんなって、な?」

隼鷹「それに、あんたは見てみたくないのかい?」

隼鷹「未だかつて、誰も見たことのない橿原丸の顔をさ」

提督「……」ゴクリ

隼鷹「生唾を飲み込むほどかい、決まりだね」クスクス

隼鷹「電気、消してくれる?」

提督「あぁ……」

隼鷹「急な変貌っぷりに萎えたりするなよー?」ニヤニヤ

提督「誰がするか、お前のような美人を前に」

隼鷹「お、おう……なんか恥ずかしいな」コホン

提督(なんか急に雰囲気変わったな)











隼鷹「……それでは、よろしくお願い致しますね」





……

チュンチュン…



隼鷹「……ね、どうだった?」

提督「なんていうか……うーん」

隼鷹「あんま気持ちよくなかった?」

提督「そうじゃなくてだな……」

提督「いつもの隼鷹のほうがいいかな、って思った」

提督「そのいつもの隼鷹とはまだだから比べようもないし、比べることすらおこがましいけど」

提督「調子が狂うというか、隣にお前がいないと落ち着かないというか」

提督「正直別人としてるみたいで驚きのほうが勝ってたかな」

隼鷹「……そっか」

隼鷹「でもさ、あたしはやっぱ、やってよかった」

隼鷹「隼鷹として生きると決めたのに、心のどこかで客船としての自分に未練があったんだ」

隼鷹「だから、橿原丸としての自分をあんたに感じてもらえて嬉しかったぜ?」ニヒヒ

提督「……また、隼鷹が見せたくなったらいつでも付き合うさ」

隼鷹「ふふん、ありがとさん! そういう気分になったら、また頼もうかな」


提督「おう。それじゃ、少しでも寝ないと……」

隼鷹「でさ、さっきの話なんだけど」

提督「……?」

隼鷹「いつもの隼鷹とはまだだから比べられないって、ねぇ」

隼鷹「まだできるでしょ? これからあたしとしない?」

提督「はぁ!?」

隼鷹「いやぁ、半分くらい夢見心地だったもんだからさ、あんまり覚えてなくて」

隼鷹「な、いいだろ?」

提督「……どうせダメって言っても聞かないもんな」

隼鷹「さっすが、よくわかってるじゃん♪」

提督「仕事中に寝ちゃっても文句言わないでくれな、それと一回だけ。もう限界」

隼鷹「うんうん、わかったから、ほら」グイグイ

隼鷹「今度は余計なもんなしで、たっぷり隼鷹を堪能してくれよな?」

提督「堪能できるほど体力的に余裕がない」

隼鷹「寝てるだけでいいって、今度はあたしが上になるからさ……」










妖精「どこの鎮守府もまぐわってばっかだと思い始めた今日この頃」フヨフヨ

妖精「今更なのかな……」

妖精「……そういえば、そろそろあの二人も戻ってくるかな」

前に隼鷹の話を書いてた方の話が結構好き。

続く。





……



妖精「……ん?」フヨフヨ

妖精「鎮守府見っけ」

妖精(帰る前にここ覗いて見てから帰ろかな)

妖精(でももう夕方だし……んー……よし、いこう)

妖精「れっつごー」フヨフヨ





コンコン


大井「どうぞ」ニコニコ


ガチャッ


北上「アタシは軽巡、北上。まーよろしく……って、大井っち?」

大井「はい、大井です」ニコッ

北上「よかったー、大井っちが先に着任してて。少し安心したよ」

北上「やっぱり知り合いがいるだけでだいぶ不安が拭えるからねぇ」

大井「知り合いじゃなくて、姉妹じゃない」

北上「そうだった。ね、提督は?」

大井「提督なら今は入院してるの。なんだか重大な病気みたいで」

大井「だから、今は臨時で私が司令官を務めてるのよ」ウフフ

北上「ん、そうなの? まぁ今度会った時に挨拶すればいいかな」

大井「そうね。わざわざ見舞いにいくほどのことでもないし、大丈夫よ」

北上「うんうん、そだね」

大井「そうだ、北上さん。お腹空いてませんか?」

大井「この時間なら、他の子もある程度は食堂に集まってると思うの」

北上「お、さっそくこの新入りめを皆さんに紹介してくださると?」

大井「そんな風に言わないで、きっとすぐ仲良く慣れるわ」ウフフ

北上「そだねー、なんか甘いもの食べたいし、食堂いこっか」

大井「はい♪」





……



北上「ぇ……」

大井「どう、北上さん?」

北上「ど、う……って……」

北上A「あれ、大井っちったらまたアタシを呼んだの? これで何人目よー」クスクス

北上B「まぁまぁ、いつものことじゃん、ね?」

北上C「アタシだけの艦隊だなんて大井っちも酔狂だよねー」

大井「そんなことないですよ、もう」

北上「……どゆこと?」

大井「私ね、思ったの」

大井「下手な編成を組むより、全員雷巡で組んで、別々の敵艦を狙って」

大井「先制雷撃をお見舞いすれば、相手艦隊はほとんど沈むじゃない?」

北上「実戦経験ないし、アタシまだ軽巡だからわかんないけど……そーゆーもん?」

大井「うふふ、そうよ?」

北上(航空戦とか……そもそも同じ艦で組んでの出撃は……)

大井「どうしたの?」ニコニコ

北上(いや、黙っておこう、うん……)

北上「はぁ……しかしこれは参ったね、同じ顔がこうもいっぱいあると……」

大井「皆一緒だけれど、違うわよ? ね、北上さん?」

北上P「え、アタシ?」

大井「そう、うちにきて64番目の北上さん、。貴方のことよ?」

北上P「うへー、よく覚えてるね。アタシでもそこまでは覚えてないよ。さすが大井っち」

大井「だって私は提督代理ですもの。それくらい覚えられないと、ね?」

北上「すげー……」




北上がゲシュタルト崩壊
うちの大井さんは提督LOVEだと信じたい。

続く




大井「間宮さん、こんにちは」

間宮「こんにちは、大井さん」

大井「ここで私たちに美味しいご飯を提供してくれる間宮さんよ」

北上「うん、間宮は有名だよね。初めて見たけど」

北上「間宮さんはアタシたちのこと、どう思う?」

間宮「んー……どうも思いませんが?」

北上「あれ、なんか意外」

間宮「同じ北上さんでも、ご飯の好みが違ったりするのよね」

間宮「ラーメンが好きな子とか、丼物が好きな子とか……」

大井「さすが間宮さん、よく分かってます♪」

間宮「顔は同じでも結構違いがあったりするからねぇ……」

間宮「見てても別におかしいと思うことはないわ?」

北上(いやおかしいっしょ)

大井「北上さん、次は工廠に行きましょう?」

北上「あぁ、うん……」



─工廠─



明石「あら、大井さんじゃない?」

大井「こんにちは、明石さん」

明石「そちら……新しい北上さん?」

大井「あら、やっぱりわかっちゃいます?」

明石「雰囲気というか、北上さんがなんかよそよそしいし、ね」

明石「今日もまたおつかい?」

大井「ウフフ、それはまた今度です」

明石「そうなの?」

大井「今日は北上さんと鎮守府見学で回っているんです」

明石「そうだったの……」


大井「北上さんが明石さんにお世話になることは、特にないと思うのだけれど一応ね」

北上「なになに? おつかいって」

明石「……」

大井「うふ、提督に頼まれて指輪を買いにくるの」

大井「いつも私が買いにくるから、ね?」

北上「ふーん……? じゃあその薬指のは提督との指輪?」

大井「これ……?」

大井「これね、私と最初にここにきた北上さんとのよ」

北上「……あれ?」

大井「提督がここにはいないから、代理の私がしてるのよ」

北上「艦娘同士でも出来るんだ……ケッコンカッコカリだっけ?」

大井「みたいなの。他にも何人か北上さんともしてるけど」

大井「何個もつけられないから引き出しに大事にしまってあるわ」

北上「へぇ~」

大井「じゃあ次行きましょうか」

明石「またねー」



─執務室─



北上「あれ、執務室戻ってきちゃったけどいいの?」

大井「いいのって、なにが?」

北上「任務娘さんだっけ、あの……そう、大淀さん」

大井「ああ、あのオンナ……」

北上「え?」

大井「あらいやだ、私ったら。なんでもないの」

大井「大淀さんなら、うちにはいないわ」

北上「え、そうなの?」

大井「そうなの……だから任務を受けたいときは、自分で書類とか本営に通さないといけないの」

北上「大淀さん抜きで可能なの、それ」

大井「できるわよ、現にそれで回ってるもの」

北上「自分で通すのかー、なんかめんどくさそう」

大井「ゆっくり覚えていけばいいのよ」

大井「今日はこれくらいにして、北上さんは用意した個室に戻って大丈夫よ?」

北上「ん、そう? 眠いしもう戻るわー」


大井「はい、おやすみなさい」

北上「じゃ、また明日ね」ガチャ


バッタン


大井「……今度の北上さんもなかなかね」

大井「あと、そろそろ母港も増やさないとね……」キョロキョロ

大井「……」カチッ


ズゴゴゴ……(本棚が横にずれる


大井「さて……」カチャカチャ…

大井「……」ギィィィ…


大井「提督、ご飯を持ってきましたよ」

提督「……」

大井「もう、そんな顔して睨まないでください」

提督「……ここから出してくれ」ガシャガシャ

大井「言うこと聞いてくれたら出してあげますよ」

提督「そう言って、前も出してくれなかったじゃないか」

大井「あら、そうでしたっけ?」

提督「その前も、前も前も前も前も前も前も前も前も」

大井「そんなことはどうでもいいの」

提督「よくない。ここから出してお前を真っ先に殺してやる」

大井「あのねぇ、そんなこと言うから出さないのよ」

大井「で、母港の拡張をしたいのだけれど……」

提督「断る」

大井「そんなこと言っていいのかしら?」

大井「そこに転がってる大淀みたいになりたいの?」

提督「気に入らなければ殺す。まるで独裁者だな」

大井「酷い物言いね」

大井「これに関しては北上さんの解体なんて馬鹿げたことを口にした者に対する然るべき罰を与えただけよ」


提督「少しでも希望があると思ったが、もう話にならんな」

提督「何もしないお前の言いなりになるくらいなら死んだほうがいい」

大井「別に提督が死んだところで、新しい提督を連れてきて同じことをするだけ」

大井「その手間が面倒だから、こうやって提督に交渉に来ているのだけれど」

提督「何が交渉だよ、くそったれ」

大井「生きてるだけでも有難いのよ?」

大井「提督が嫌々言いながらも応じてくれるから、こうしてご飯を持ってきてあげてるのに」

提督「もういい。俺を出す気はあるのかないのか」

大井「ないです☆」

提督「ッ」ッペ

大井「」ビチャ

大井「…………」

提督「ははっ、ざまぁねーぜ。このクレイジーサイコクソレズが」

大井「そうね……あなたはまだ生かしておくわ」

大井「極限まで苦しんで殺す方法を調べてから、それで殺すから」

大井「余命はせいぜい三日かしらね?」

大井「……またくるから」ニタァ…


妖精「これ助けたほうがいいのかな、いやいっそ見なかったことに」

妖精「すぐは殺さないみたいだし様子見でまだ……」

風邪で四日ほど動けないくらいしんどかったです
季節の節目で体調崩しやすいみたいなのでお体気をつけて下さい

続く。





……



妖精「ただいまー」

長門「おう、おかえり」モフモフ

弥生「……おかえり」

妖精「うわ、ウサギじゃん。本当に飼ってる」

長門「ふふん、可愛いだろう? このモフモフ具合……最高だ」モッフ

弥生「かわいい、です……」

妖精「しかし放し飼いとは、提督がキレるぞ」

長門「ケージもあるのさ、寝るときにはさすがにな」

長門「寝るまではこうして懐くように躾をしつつ放してだな……」

妖精「絨毯が毛まみれでところどころウンコが……」



ガチャリ



提督「長旅から帰ったぞー」タダイマー

榛名「はい、おかえりです♪」タダイマー

長門「!?」

妖精「!?」

弥生「……おかえり?」


榛名「提督……うさぎさんです!」

提督「うむ、紛れもなくこれはうさぎだな」

榛名「うさちゃーん……」モフモフ

榛名「……♪」ニヘラ

提督「あ、気づいたら見慣れない子もいる」

弥生「……」ムスッ

提督「あ、あれ?」

弥生「弥生、怒ってなんかないですよ……」ムスゥー

提督「おお、ごめんな。弥生っていうんだ? よろしく頼むな」ナデナデ

弥生「ん……頑張ります……」ンー

提督「さて、旅行とか時差ぼけで疲れたからもう寝ようかな」

提督「榛名はどうする?」

榛名「榛名も少しお疲れみたいです」

榛名「榛名も提督と一緒に寝たいです……」ギュー

提督「ん、じゃあ寝よっか」ナデナデ


妖精「あれ、この惨状に何も言わないとは」

提督「長門に無理言って留守番任せちゃったし、それくらいなら構わないよ」

提督「詳しいことは起きてからゆっくり話を聞くから大丈夫」

榛名「提督はお優しいのですね」ウットリ

提督「榛名のおかげだよ……眠い……」ギュウ

長門「ここで寝るのか?」

提督「隣の寝室で寝るから大丈夫……」ガチャ

榛名「帰って早々にすみません。起きるまでそっとして置いて下さい」ペコリ



パタン



長門「あれは明日までゆっくりさせておいた方がいいな……ん?」



<テートク…アッタカイデス…

<ハルナ…

<チュッ……チュ…ン…フ……




妖精「……」

長門「……」

長門「……なんか居辛いな」

妖精「部屋綺麗にしたらここ出ようか……」

長門「ほらモフ子、おうち入り」ガシッ

妖精「それ、名前……?」

長門「モフモフしてるからとりあえず。名前が未だに決まらない」

弥生「……うーちゃん」

長門「うーちゃん?」

弥生「いえ、なんでも……」

長門「うーちゃんか、いいな……♡」フフッ

弥生(卯月、元気かなぁ……)

続く。





カチャカチャ  キィィ…




提督「ただいま……」





シーン……






提督「はぁー……」ポイッ

鞄「おう商売道具投げんなや」ドサッ

提督「ふー」ポイ

スーツ「せめてハンガー掛けようぜ、相棒?」モシャッ

提督「一服してから、飯食って」

提督「体流して……」シュボ…












提督「さて、そろそろ寝るか……」カチャッ

提督「」ピッ











……



鳳翔「今日も遅かったですね……お疲れ様です」

提督「……」フラフラ

提督「鳳翔……」ギュッ

鳳翔「あ……」

鳳翔「……」ポンポン

提督「落ち着く」ギュー

鳳翔「私は……すごく、どきどきしてます……」

提督「……」

鳳翔「……」

提督「……お風呂、一緒にいいかな?」

鳳翔「はい、お背中流しますね」


鳳翔「今日は一段とお疲れのようで」チャポン…

提督「いろいろ、あったんだ……」

鳳翔「そうですか……」

鳳翔「私に出来ることでしたら、何でも言って下さいね?」

提督「……うん」

提督「鳳翔が居てくれるだけで、幸せだよ」

提督「ずっと、こっちに居たい」

鳳翔「私も気持ちは同じですが……」

鳳翔「ずっと居たら、いなくなってしまいますから」

提督「……難儀なもんだね」

鳳翔「ですから、私は提督との限られた時間を悔いの無いように過ごせたら、って」

提督「……そうだね」

提督「それしかない……」

鳳翔「寛ぐべきお風呂でこんなこと、すみません……」

提督「いいんだ。ありがとう」


鳳翔「今日はどうされますか?」

提督「今日は……もう寝ようかな」

鳳翔「ご飯はちゃんと食べましたか……?」

提督「コンビニ弁当だけど、食べたよ」

鳳翔「栄養、ちゃんと摂って下さいね?」

鳳翔「……私が本当に料理が出来れば、そんな心配も」

提督「鳳翔の作るご飯はとてもうまいよ、だから大丈夫」

提督「お腹が空いてるときしか食べられないのは残念だけどね」

鳳翔「……なんだか、複雑な気持ちです」

提督「明日の朝も、いつもと同じだから」

鳳翔「……お仕事、あまり根を詰めすぎないようにして下さいね」

鳳翔「提督が元気ないのは、とても悲しいですから……」

提督「大丈夫、鳳翔が支えてくれてるおかげで頑張れるから」

提督「だから、明日は早めに帰ってくるな」

鳳翔「……はい」

鳳翔「あまり、無理をされないでくださいね」

提督「うん……おやすみ」





……



ピピピピッ! ピピピピッ! ピピ





提督「……」カチッ

提督「……もう朝か」

提督「雨すげー……台風直撃だな……」

提督「」ハァー…

提督「……」

提督「行かなきゃ」


















提督「行ってきます」カチャリ





バタン


提督はもちろん艦娘も妖精も、誰一人として知らない鎮守府が沢山あるらしい。
しおいちゃんが開発資材1で来てくれた。かわいい。

続く。







……



妖精「困った」

妖精「四六時中、提督と榛名の周りにハートが飛んでる気がする」

妖精「いちゃつくならせめて寝室くらいにしろよ」ッタク

妖精「いい加減うざいし、違う鎮守府に移ろうかなぁ……」

妖精「……」

妖精「移転先を探すがてら、旅を続けましょ」

妖精「なんか忘れてる気がするけどいいや、思い出せないし」フヨフヨ…










……



叢雲「艦隊に新しいメンバーが加わったようね」

提督「へぇ、今度はどんな娘だろう?」

叢雲「もう呼んであるわよ……ほら」



カチャリ



霞「霞よ。ガンガン行くわよ。ついてらっしゃい」

提督「ついてくるのは君のほうなんだけどなぁ……」

霞「はぁ!?」

提督「だって、僕が提督なんだから」

霞「はっ……会って早々、指揮官面? 偉い物ね」

霞「見た所まだ着任したてのひよっこって感じじゃないのよ、このクズ」

提督「困ったなァ、やれやれ……」スッ

霞「栞……?」

提督「口は悪くても、こんな稚けない子を斬らないといけないなんてさ」ガシャッ…

霞「え、軍刀……!?」

提督「心が痛むよ」ドッ

霞「かはっ……!」

叢雲「……」


叢雲「相変わらず趣味が悪いのね」

提督「こうするしかないと思ったからさ」

叢雲「で? 今度はどんな設定なの?」

提督「そうだね……昔近所にいた、優しいお兄さんってところかな?」

提督「相当気が強いみたいだし、色々と設定を練りこんだよ」

霞「あれ……お兄ちゃん?」

提督「なんだい? 霞」

霞「……うそ、本当にお兄ちゃん、提督になったの?」

提督「そうだよ、霞も約束したとおり艦娘になったんだね」

霞「あ、当たり前よ! 約束したじゃない……」ブツブツ

提督「よく僕の下に来てくれたね。歓迎するよ」

霞「えっと、うん……まさかお兄ちゃんの鎮守府にこれるなんて、夢みたい」

提督「まずは鎮守府の案内からしようか。先輩の艦娘を呼ぶから待っててね」





……



天龍「それじゃ案内いってくるな」

提督「任せたよ」

天龍「おう! 霞、こっちだ」ガチャ

霞「はい!」



バタン



叢雲「……あんた、何なのそれ?」

提督「ん? ただ特別な力を持っているっていうだけのことさ」

叢雲「随分と都合のいい能力なのね」

提督「まぁね……」

提督「着任してまだ間もないが、この力を使えば僕は何でもできる」

提督「先日、着任案内をしてくれた元帥も斬った。明日には命の恩人への謝礼ということで」

提督「各資材を貯蔵限界まで送って貰って、軍資金も貰えるだけ貰う予定だよ」

叢雲「ほんと、ゲスいのね……」

叢雲「そこまでするのに、なんで私にはそれを使わないの?」

提督「使わないといけないかい?」

叢雲「そんなの御免よ」

提督「だろう?」

叢雲「……何がしたいのか、よくわかんないのね。あんたって」


次の日。





提督「これで工廠で建造可能な艦娘は全て揃った」

叢雲「着任から三日四日でここまで充実してる鎮守府とか聞いたことないわ」

提督「……今度出撃した際、深海棲艦を鹵獲して欲しい」

叢雲「まさかあいつらにもそれを試すの?」

提督「もしかしたら、できるかもしれないだろう?」

提督「それに、建造では手に入らない艦娘もこの完現術を使えば……」

叢雲「プリングルス?」

叢雲「……それ、あんたのその力の名前?」

提督「そうだよ、これで斬られたら」

叢雲「ダサい名前ね」

提督「」

叢雲「ちょっとおかしな軍刀かと思えば、そんなダサい名前だったなんてなんか興醒め」

叢雲「もっとまともな名前をつけるとかしなかったの?」

提督(そもそもそれは総称であって僕の能力は……!)プルプル

提督(……やめておこう、もっと引かれる。間違いなく)

叢雲「そんなダサい名前つけるあんたでも、この叢雲はついてってあげるから安心なさいな」

叢雲「ま、せいぜい頑張りなさい?」













妖精「あんなの見たことないけど、なんだろう」

妖精「異世界からやってきた提督、なんてあるわけないか」

妖精「……あんな提督のとこには行きたくないし、様子見を続けますか」

妖精「いい鎮守府ないかなぁ」

妖精「帰ろ……」

ネタがわからない方には申し訳ない、スルーしてくれたら。
しおいは定番の35/35/40/20の資材1で一発でした。
資材20で4回やってもこないのにね。よくわからないけど資材1できたのは月島さんのおかげ
艦娘全員が提督Love勢な鎮守府も月島さんのおかげ。

続く。

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