俺は、彼女と知り合って生まれて久しぶりに“愛”を感じた。

梅毒に感染して死んだ両親以来だ。

　
彼女の復讐を手伝う日々はなかなかの心が満たされて幸せだった。

だが、そんな日々もユサが死んでから終わりを迎える。

ユサを殺した連中を皆殺しするために俺は、彼女について行こうとした。

だが、睡眠薬を盛られて眠らされた。

気付いた時には………彼女は居ない。　　

そして捜し出したらあのザマ。

「静ねぇぇええ！眼を閉じたらダメだ！！応急処置するから……」

静「……」

彼女は三秒ぐらい眼を瞑ると俺の顔を見てこう言った。　

静「なぁ……最期に願いごとをきいてくれないか？」

「願いごと？」

彼女の願いは……至ってシンプルだった。

「刀の鞘を抜くなよ」

「なるべく真っ当に生きろ」

「復讐はしないでくれ」

この計三つの約束のうちの一つは守れなかったが二つ今でも守っている。

……個人的に気になるのは何故、彼女は俺が父親の遺品である日本刀を所持していた事を知っていたのかは未だに理由が解らない。

ちなみに今、俺が何をしているかというと……


ジャイアン「おい！チャイ！デザートイーグルの弾をよこせ！！」

チャイ「500発で500円。１0000発で……」

ジャイアン「ほらよぉ！！」つ一万円札

チャイ「センキュー・グッドラック」　


武器商人をやっている。

俺は現在、東京都練馬区にいる。

住宅地で家が大量に密集して建てられている場所‥…昔はそうだった。


今は‥…


「ヒャッハー！！！！」ﾊﾟﾗﾘﾗﾊﾟﾗﾘﾗｯ!!

「へっへへへ～」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾄﾞﾋﾟｭｯ
　
「アッアンアン！アンアン！！イックーッ！！」ｷﾞｼｷﾞｼﾋﾞｭﾙﾙﾙｯ

　
『世界で行ってならない国・場所ランキング』にてメキシコを差し置いて第一位に輝いた、今や史上最悪の荒涼の地（ノーマンズ・ランド）に成り下がってしまった。

因みに、『東京都練馬区』は独立国であったりする。

国会議事堂前で練馬区出身者が自爆した事が独立するきっかけだと言われている。


だが、多分、本当の理由は別だと俺は考えている。

練馬区在住の6割の人間が服用しているドラッグがある。


玉子「はぁ……はぁ……エンジェル・ヴァルキアをちょうだい」

売人「すまないが、アンタは金払いが悪いから渡せないな。他を当たりな」

玉子「フェラをするわ」

売人「眼鏡を外せ……」

玉子「」ｽｯ
　

“エンジェル・ヴァルキア”……
これが全ての元凶だ。

かつて裏の世界でその名をとどろかせていた犯罪組織、“ユニオンテオーペ”が日本進出するときに撒いた麻薬『エンジェル・ダスト』

アメリカ政府のバカ役人が考案した『ヴァルハラ計画』の要を担っていたヤク『ヴァルキア』


この二つの共通点は投与すると“死を恐れぬキチガイ”に変貌することと、副作用の幻覚と依存性が高いという点だ。


で、どっかのアホが二つを組み合わせて生まれたのが“エンジェル・ヴァルキア”だ。

エンジェル・ヴァルキアはカプセル錠と液体の二種類があり、色は共通して真っ白だ。


だが、見た目は天使でも中身は服用し続ければ人を生き地獄に叩き落とす悪魔だ。


しすが「ウッケケケケケケ～」

　
死を恐れぬキチガイになったヤツは9mm弾を頭部に受けても平然とニヤニヤしながら襲いかかってくる。

だから始末するには、7.62mm弾や.338ラプアマグナム、45ACP以上の弾を頭か心臓にくらわせる事が必要だ。

廃人になるヤツもいる。


出来杉「ネイチャー・フレッシュ・ミルク……ネイチャー・フレッシュ・ミルク……ネイチャー……」ｶﾞﾝｶﾞﾝｶﾞﾝｶﾞﾝ


ひたすら『ネイチャー・フレッシュ・ミルク』と呟きながら壁に頭を叩きつけたり同じ行動１日中繰り返した挙げ句、最期は……


出来杉「」ﾌﾟ~ﾝ


白眼を向いて涙線、鼻、耳、口から白液体を垂れ流して死ぬ。

身体からヤクの陽性反応が出ないから大体は変死という事で済まされる。


そのドラッグが練馬区を変え、人々を地獄に導いた。

そんなクソの掃き溜めの荒地で、俺は武器売買に手を染めている。

お金に困ってワケではないが　ただ目的もなくダラダラ過ごすのは嫌だった。　　

まぁ……そんなクソの掃き溜めである二人と知り合い不思議な関係を築くことになるとは思っても見なかったが。


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