万丈「・・・・・・」(30)

 万丈  「・・・・・・ふう。どうしたものか・・・」

ギャリソン「どうかされましたか万丈様?」

 万丈  「僕にも・・・・・・・悩みぐらいはあるさ」

ギャリソン「悩み・・・ですか?」

 万丈  「ああ、そうだよ。僕は今の現状を憂いているのさ」

ギャリソン「・・・お言葉ですが」

 万丈  「なんだい?」

ギャリソン「一時は世の中の子供たちの熱い眼差しを一身に受けられた方が何を憂いてらっしゃるのですか?」

 万丈  「熱い眼差しか・・・しかし、今の子供たちは僕たちの事をどれだけ知っているのか・・・」

ギャリソン「それを言われますと返す言葉もございませんが・・・・・・致し方ないかと・・・?」

 万丈  「いいかい?・・・今の僕たちは俗に言うオワコンなのさ」

ギャリソン「オワコン?ですか、はて意味が分らないのですが?」

 万丈  「オワったコンてんつ・・・オワコンだよ。・・・分ったかい?」

ギャリソン「なななな、なんと・・・いいい、いつの間に!!」

 万丈  「もう、どうしようも無い所まで来ているのさ。いや、終わってるんだよ・・・僕たちは・・・」

ギャリソン「オワコン・・・・・・だから」

 万丈  「ああ。・・・分ってくれたか」

ギャリソン「はい・・・それも、世の定めでしょうか・・・」

 万丈  「たとえ、日輪の力をもってしても現状はどうにもならないよ・・・」

ギャリソン「ぐっ・・・」

 万丈  「今まで良く僕に尽くしてくれた・・・礼を言わせてくれないか?」

ギャリソン「な、なにを・・・」

 万丈  「ありがとう、ギャリソン時田・・・」

ギャリソン「・・・勿体ない、お言葉でございます・・・」

ドォォーーーン

 万丈  「なっ!!何事だっ!!」


ギャリソン「こ、この機体はっ!!」

 ??? 「兄ちゃん・・・あきらめるのは早すぎやしないか?」

 万丈  「き、キミは・・・・・・懐かしいな、またキミに会えるとは思ってもみなかったよ・・・」

ギャリソン「・・・・・・ふむ、これは」

 万丈  「どうかしたのかい?」

ギャリソン「いえ・・・修理費は2000万程でしょうか?」チラ

 万丈  「!・・・いや、5000万はくだらないだろうな・・・」ニヤリ

 ??? 「おい、おい!!そんな事、言わないくれよ!!同じ3の字の機体を持つ仲間じゃねえかっ!?」

 万丈  「いや、冗談だよ冗談」

 勝平  「って、言ってもよ・・・あそこのジイちゃんソロバンはじいてるけど?」

ギャリソン「・・・」パチパチパチ

 万丈  「い、いや本当に気にしなくていいから・・・どうせココも引き払う予定だったからさ」 

 勝平  「でもなあ・・・」

 万丈  「おーい!ギャリソン。その辺にしといてくれないかい?」

ギャリソン「よろしいのですか?」

 勝平  「ほら、本気だったんだよ」

 万丈  「いや・・・なんとも、まあ・・・」

ギャリソン「・・・?」

 万丈  「いやまあ、本当に会えてうれしいよ?勝平くん」

 勝平  「おれも!・・・本当はもっと早く会いたかったんだけどさ・・・その、すぐに会えると思ってたし」

 万丈  「そうだね・・・」

 勝平  「ま、まあ、湿っぽい話はやめようよ」

 万丈  「そうだね・・・せっかくの太陽と月の逢瀬だからね?」

 勝平  「・・・・・・おれ、男だよ?」

 万丈  「知っているよ・・・?」

 万丈  「ま、冗談はさておき。今日はまた突然の訪問だね?」

 勝平  「・・・まあ」

 万丈  「?・・・なにかあったのかい?」

 勝平  「ん・・・兄ちゃんと一緒だよ」

ギャリソン「・・・一緒と申されますと?」パチパチパチ

 勝平  「・・・まあ、兄ちゃんとはちがってさ,憂いてるって訳でもないんだけど・・・」

 万丈  「?・・・!!・・・あ、あの、ちょっといいかな?」

 勝平  「なんだよ兄ちゃん?」

 勝平  「なんだよ兄ちゃん?」

 万丈  「ど、どうして・・・僕が憂いてるって知っているのかな?教えて欲しいんだけど・・・」

 勝平  「ああ、そんなことか・・・言っても良いんだけど・・・引かない?」

 万丈  「ん・・・ど、努力するよ・・・」

 勝平  「ん。じゃあまあ」

      スタスタスタ

 万丈  「なぜ、テーブルの下に潜り込んでるんだい?(・・・マジか?)」

 勝平  「ん・・・コレ・・・」

      コトッ


 万丈  (どこからどう見ても盗聴器だよな・・・しかもデカイ!!)

 勝平  「コレ、ものすっっっごい高性能なんだぜ!?地球上ならほぼ100%らしいんだ!」

 万丈  「・・・ハ・・・ハ・・・ハハ」

ギャリソン(マジヒクワー)パチパチパチ

ギャリソン(かくなるうえは。不肖、この私、ギャリソン時田めが日輪の力を拝借して
      このストーカーめを亡き者にし、万丈様をお護りしなければ・・・)ワナワナ

 万丈  「どうして、こんな事をしたんだい?」

 勝平  「・・・」

 万丈  「・・・」

 万丈  「キミも分ってるだろ?こんな事はしちゃイケないって事ぐらいは?」

 勝平  「ごめん、兄ちゃん」

 万丈  「分ってくれたらそれでいいさ」

 勝平  「正直に言うと寂しいんだよ。おれもみんなに忘れ去られるのが」

 万丈  「・・・」

 勝平  「それどころかロンドベルの人達や竜馬さん、鉄也さん達にもそのうち忘れられるんじゃないかって・・・」

ギャリソン「・・・」

 万丈  「いいかい?よく聞くんだ。勝平くん、僕達の絆はそんなモノなのか?」

ギャリソン「そうですぞ、勝平様。他の方々も勿論ではございますが万丈様と勝平様はそれ以上の深い絆がお有りでは?」

 勝平  「深い絆?」

万丈  「そう。僕達はこの地球上の太陽と月なんだ」

 勝平  「・・・太陽と月」

 万丈  「ああ。僕が居ないときはキミがいるし、キミが居ないときは僕がいる・・・」

 万丈  「そうやって平和を守れる友だと僕はキミのことをそう思ってるんだ」

おやすみんみんやきぎょーざ

 勝平  「・・・」

 勝平  「わかったよ・・・そうだよな、おれ達は地球の平和を守る正義の味方だ」

ギャリソン「そのとうりでございます」

 万丈  「そうだな、それでこそだよ・・・勝平くん」

 勝平  「んーー。よしっ!なんかふっきれたぜ」

 万丈  「・・・」
  
  
  
  
ギャリソン「今日はいい天気でございますな」

 万丈  「そうかな?外はドシャ降りだけどな・・・・・・」

ギャリソン「むう・・・万丈様、それはおっしゃらなくても・・・」

 勝平  「あはははっ」

 万丈  「さて。これからどうする?遊びにでもいくか?」

 勝平  「いや、帰るよ。まだ寄るところがあるからさ」

ギャリソン「又、どちらかへ?」

 勝平  「銀河のところにでも行ってみようかなと思ってさ?」

 万丈  「ああ、出雲くんか」

ギャリソン「・・・・・・」

 勝平  「ん?どうかした?」

 万丈  「いや、なんでもない・・・気をつけてな」

 勝平  「ああ!また会いにくるぜ、万丈の兄ちゃん!!」

 ―――
 ――
 ―

ギャリソン「・・・よろしいのですか」

 万丈  「かまわないさ」

ギャリソン「ですが!!」

 万丈  「その様子だと気づいているみたいだね」

ギャリソン「・・・ネルフでございましょう?」

 万丈  「・・・・・・・」

ギャリソン「万丈様、無謀なことはお考えなさらぬように」

 万丈  「正直に言うと・・・迷ってたのさ僕もね」

ギャリソン「それならば!・・・・・・なにも万丈様でなくても」

ギャリソン「そ、それは・・・・・・しかし」

 万丈  「心配してくれているのは分ってはいるさ」

 万丈  「だけどこれは僕がやりたいことなんだよ」

ギャリソン「でしたら先程、勝平様にもご助力を・・・

 万丈  「できないよ」

 万丈  「ギャリソン、僕はネルフを潰すよ・・・」

ギャリソン「お心がわりはございませんか・・・」

 万丈  「ないさ」

  万丈 「ファイナルだけは止めないとね?」

ギャリソン「決心に揺らぎは無いようですな」

  万丈 「ああ・・・勝平くんに会えて良かったよ。彼に出会えて本当に良かった」

ギャリソン「では参りましょうか万丈様」

  万丈 「そう言うとは思っていたけれどね・・・キミには残ってもらうよ」

ギャリソン「なっ何故でございますか!!」
  
  万丈 「僕の最後の頼みだよ」

ギャリソン「や、やはり・・・(死を覚悟されておられるのですね・・・)」

  万丈 「後のことは頼んだ」

  万丈 「・・・それに勝平くんにスマナイと伝えておいてくれないか」

ギャリソン「・・・・・・・・・わかりました」

>>26
最初の行   万丈  「では他の人間だったらならいいのかい?」 追加

 万丈  「ただ、ちょっとやっかいなんだけどね?」

ギャリソン「境界線でございますな」

 万丈  「ああ。このオワコン世界と現役世界のね」

ギャリソン「では、どうされるのですか?」

 万丈  「いや面白い人物の話がきけてね」

ギャリソン「面白い人物でございますか」

 万丈  「そう・・・だから僕は今から兵庫県に行ってくるよ」

ギャリソン「兵庫県?・・・もしや・・・いやしかし会ってくれるでしょうか?」

 万丈  「まあ・・・難しいだろうね」

ギャリソン「まさか。あの方さえもこちら側にとは・・・」

 万丈  「そうだね・・・世界は決して優しくには、出来てはいないということかな」

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