女「献血をしよう」(42)

男「どういう話の流れだ」

女「いつもいつも君の話を聞くだけのわたしではないのだ」

男「まるで俺の話を聞くのが嫌みたいな言い方」

女「い、嫌ではないよ! 疲れるけど」

男「・・・・」

女「ま、まあとりあえず献血の良さについて語ろうと思うよ!」

男「良さも何もただ血を抜かれるだけじゃないか」

女「ふふふ、これだからトーシロは困る」フフン

男「抜かれるだけの身分に素人も玄人もあるものか」

女「むむ、聞き捨てならない」

男「で、具体的には何が献血の良いところなんだよ」

女「まず、お菓子やジュースをいくらでも食べて飲んでできるよ」

男「有名だな」

女「献血所によっては自販機やお菓子コーナーに立ち寄りづらい雰囲気があるけどね」

男「良いところの説明をしたかったのではないのか」

女「・・つい恨みが」

女「定期的に献血ちゃんグッズが貰えるよ」

男「なんだよそれ」

女「献血のイメージキャラクター」

男「邪魔じゃないか?」

女「あはははは」

男「否定しないのかよ」

女「献血台にテレビとDVDプレイヤーやオンデマンドがついてて、好きな番組が見られるよ」

男「どうせ大したものは見られないだろ」

女「見たことないから知らない」

男「さっきから本当に献血に誘う気があるのか?」

女「嘘はつけないからね」

男「素直なのは良いことだけどさあ」

女「そういえばコミケのときは周辺の献血所でアニメのポスターとかを配ってるらしいよ」

男「どうせマイナー作品だったりするんだろ」

女「意外に有名どころらしいけど」

男「そもそも俺はアニメをそんな真面目に見ていないぞ」

女「ですよねー」

女「単行本や週刊誌がおいてあるよ」

男「単行本はともかく週刊誌なんて定期購読できる頻度で献血はできないだろ」

女「ふふふ、無知だね君は」

男「なんだよ」

女「献血は一番スパンの短いもので2週間から再献血可能なんだよ!」

男「な、ナンダッテー」

男「ってどうでもいい」

女「2週間に1度なら十分週刊誌を追えるよ!」

男「ん、まあ確かに」

女「周辺の駐輪場や駐車場の駐輪、駐車券をもらえるよ」

男「それくらいは当然な」

女「1日100円みたいな長い時間一定額の駐輪場、駐車場なら献血に行くだけで駐輪/駐車の心配が要らなくなるよ」

男「あー、確かにな」

女「大きな駅に違法駐輪するとすぐに回収されたりすることもありえるからね」

男「それはちょっと便利だな」

女「地域毎の特色があって、詳しく知っているわけではないけれどポイント制で色々な生活必需品がもらえる」

男「献血ちゃんグッズよりは実用的だな」

女「わたしが貰ったことあるものだと、食器用洗剤、洗濯用洗剤くらいだけどね」

男「なんだかしょうもない」

女「地域によってはお米とかもあるらしいよ」

男「それは凄いな」

吸血鬼「よっしゃ献血行ってみるか」

女「そういえばキティちゃんグッズもよく貰えるよ」

男「それも邪魔になるだろ…」

女「あははは」

男「笑って誤摩化さない」

女「ここまでの説明は一般的な献血所の特性だけど」

女「よりローカライズして話をするとそれぞれでけっこうサービスが違うんだ」

男「どんだけ献血行ってるんだよ」

女「わたしが知ってるのは大須、栄、名古屋駅、あと地元の1つくらいで合計30回くらいかな!」

男「地元割れが怖いか」

女「怖いよ」

女「例えば名古屋駅の献血所はタワーズ20にあるんだ」

男「20階か」

女「そう。だから非常に景色が良いです」

男「へー」

女「あとKENKETSUってSSIDの無銭LANが飛んでる」

男「無線な」

女「無銭だし」

男「いやそうだろうけどさあ」

女「あと、名古屋駅の献血所は献血後に100円アイスか100円おかしを貰える」

女「まあ厳密には100円ではないかなあ」

男「どんなのだ?」

女「いつもアイスだからおかしはちゃんと把握してないけど、アイスは17アイス」

男「自販機で売ってるヤツか」

女「そうそれ」

男「130円じゃないか?」

女「そうだったかな」

女「栄は1回しか行ったことないからあまり覚えてない」

男「あまり行きたいと思う場所じゃなかったか」

女「ドウダッタカナー」

男「そういう分かりやすい反応はしていい場所といけない場所があると思うぞ」

女「でも広くて、回りは速い感じだったと思うよ」

女「大須の献血所は前の二つに比べると凄い小さいんだよね」

男「へー」

女「小さいから献血中にナースさんとお喋りとかはしやすいよ」

男「そもそも喋りかけるって発想がなかったわ」

女「わたしがいるもんね」

男「・・そうだな」

女「名古屋の献血所は総じて献血するときの椅子がものすごい座り心地が良いです」

男「ほう」

女「もうあの椅子に座って血を抜かれたら絶対に寝ちゃうよ」

女「もう心地良くてずっと包まれていたい感じ」

男「うっとりしてるな」

女「それがわたしが献血をする最大の理由だと言っても良いからね」

男「世のためじゃないのか」

女「わたしはわたしのために生きてますから」

男「清々しいな」

男「その言い回しだと地元の献血所の椅子は納得いくものではないと」

女「そうなんだよねー、残念」

男「地方格差か」

女「かなあ」

女「そんなこともあって地元の献血所も1回しか行ったことがない」

男「地元なのにか」

女「地元なのにね」

女「そんなわけでわたしのイチオシは名駅の献血所なのです」

男「そう言われても」

女「最近、若い人が献血に来ないから献血人口が減って困ってるみたいだし行こうよ」

男「そんな宣伝見たことないけど」

女「わたしもその手のポスターは献血所とか市の施設でしか見たことない」

男「それ広報する気ないだろ・・」

女「結局お金を払って広告する余裕がないのでは?」

男「推測の域を出ないな」

男「献血した血が病院に1万8千円で売られてるらしいな」

女「そういう話だけは知ってるんだね」

男「最近有名だろ」

女「あれはいわゆる全血、400ml献血の売価だけれど」

女「ほとんど利益なんか出る価格ではないみたいだよ」

男「その根拠は?」

女「むう具体的にはないけど、単純に抜いた血をそのまま売るわけでは無く、検査したりするからお金もかかっちゃうんだよ」

女「例えば成分献血は7万〜15万円で売られるそうだよ」

男「え」

女「7万から15万」

男「ふえぇ……」

女「もしも本当に利益を最優先しているなら、最も供給の多い400ml献血をより高値に設定するべきだと思うんだよね」

男「400mlは供給が多いのか?」

女「このページの右側の円グラフによれば献血の45%が400ml、残りの半々で成分献血と200mlみたいだね」

ttp://www.akita.bc.jrc.or.jp/blo/blo_i2.html

男「なんというか献血で儲けていない確定的な証拠はないのか」

女「わたしは中の人じゃないから状況なんて確かめられないしね」

女「ただ、わたし個人の意見としては、別に赤十字が利益を上げることは悪いことではないと思うよ」

男「ドナーからは無料で貰っているのにか」

女「例えばわたしが旅先で大けがをして、君が駆けつけられないようなところで死にかけたとしよう」

男「嫌な例えを」

女「もし、君がいて、輸血をしてくれれば、助かる怪我かもしれない」

男「む」

女「でも、その世界には献血と言うシステムはありません」

男「むむ」

女「なので、病院に運ばれたわたしを見て医者はまず血液の提供者を捜します」

女「旅行先なので、当然わたしの親族などもすぐには来られません」

女「そこで医者はきっと病院の周辺で同じ血液型の人を探しますが、院内の人は病気だから病院に来ていたり、人助けをするために血を抜く場合ではなかったりします」

女「それは一般の人も同じだよね」

男「そうだな。いきなり血を抜く時間をくれと言って時間があるとは限らない」

女「それでも何かしらの形で輸血をしてくれる人は見つかるかもしれないけど、」

女「その人の血液の品質はどうやって保証するんだろう?」

女「入れてみれば分かる?」

男「それは困るな・・」

女「そもそもわたしは、ボランティアが儲けるのはおかしい、と言う意見が嫌い」

女「ボランティアだって人間で、人のために働いているのに、その人の生活を無視した奉仕活動をしろというのならそれはただのブラック企業だよ」

男「まあ確かに」

女「わたしは献血所の誰がボランティアで、誰が仕事としてやってるのかは知らないけれど、少なくとも仕事にしている人たちは利益が上がらなければ路頭に迷うんだ」

女「それに対して、わたしたち提供者は好きな時間に適当に来て、適当に帰るだけで、行こうとも行くまいとも生活になんの影響もない」

女「そんな人がどうして、"わたしがタダであげたものをそんな値を付けて売るのだ"と言えるのだろうね」

男「……そうだな。変な話な気はする」

女「常に輸血できる体制を保っている、これだけで十分に対価を得るだけの事をしてると思うよ」

女「とは言え、別に赤十字に肩入れする気は全くないんだけどね」

男「え」

女「独占状態なのは常々気に食わないと思ってる」

男「台無しだな」

女「だって競合する会社があったって良いじゃない、競争社会なんだから」

男「競争にならないくらい赤十字が身を切っている可能性もあるな」

女「ネームバリューかもしれない」

男「さっきまでの良い話感がホントに台無しだ」

女「怪しんで、監視する事も暴走させないためには重要だと言うことなのだよ」

男「なんだかなー」

女「そんなわけで献血に行こう」

男「・・そうだな、いつか女が大怪我してもすぐに輸血できるようにな」

女「ちなみに血液の保存期間は短いもので3日、長いもので1年だけど、そんな早々に怪我をする気はないよ」

男「台無しにしないと気が済まないのか」

終わり

>>10
献血に行きたくなるSSならはやく書きなさい
献血信者を増やすのだ(使命感)

赤十字は嫌いだよ
献血のときの椅子は気持ちいいよ
坊主が憎くとも袈裟は嫌いじゃないんだ

別スレからの流れなので唐突っぽいですが、自分のssを紹介しておきます
該当スレから来た人にはご迷惑をおかけしました・・
覚えてる範囲ですが

死神「あなたは3ヶ月後に死にます」男(長過ぎる)
学生「死にたい」
女「暇は君と私を殺す」
女「お話をしましょう」|男「話すことなんか何もないがなあ」
男「面白い話が書きたい」
男「コンピュータの話をしよう」
→男「OSの話をしよう」(自分のではないですが嬉しかったので紹介)
女「献血をしよう」
男「ふつうってなんだろうな」
女「わたしの話をしてあげます」
助手「先生が鈍すぎて行き遅れそう」

当初はこんなことする気がなかったから酉がないんですよねー・・
ただ、話の流れとは言え自分のを読みたいってのが単純に嬉しくて書き上げただけなので、
信じてもらえないならそれはそれで仕方がないです

なんだよそんなに俺のss読みたいって言ってくれるのかよ
もっと早く言ってくれよ、マジでレスつかなくて凹んでたんだからな

はええ
ってか昔のssをあらためて引っ張りだしてくると恥ずかしいな・・

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