なぎさ「夏休みの自由研究は杏子の観察日記なのです」 (124)

【7月●日】

夏休みの自由研究は杏子の観察日記を書くことにしたのです。

杏子っていうのはさやかの家に住んでるごく普通の中学生さんなのです。

でもなぎさは知ってるのです。本当は杏子が凄い秘密を隠してるってことを!

今日は早速>>2をしているところを目撃したのです。

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人助け

◇駅前

なぎさ「……じーっ」

マミ「なぎさちゃん、こんなところで何をしてるの?」

なぎさ「あ! ダメなのですマミ、見つかっちゃうのです!」

マミ「え?」

なぎさ「ほらマミも隠れるのですよ! 早く早く!」

マミ「え、ええ。分かったわ」

なぎさ「急ぐのです! 迅速かつ冷静に隠れるのです!」

マミ「……で、なんで隠れたの?」

なぎさ「シッ! 静かにしてください……」

なぎさ「……ふぅ、大丈夫みたいなのです。バレなかったのです」

マミ「バレるって、誰に? ……あら、あそこに居るのは佐倉さんね」

なぎさ「そうなのです。なぎさは杏子に見つからないように隠れていたのです」

マミ「ふぅん、いったいどうして?」

なぎさ「夏休みの自由研究で、杏子の観察をしてるからなのです」

なぎさ「実はなぎさは杏子の凄い秘密を発見したのですよ!」

なぎさ「そのデータを収集しているのです!」

マミ「す、凄い秘密?」

なぎさ「はい、それは……あ! 何かあったみたいなのです、話は後なのです!」

マミ「あら、本当ね。何かしら」

さやか「おねがい! 一回だけで良いから、ね?!」

杏子「ふざけんな! 誰がそんなことするか!」

さやか「良いじゃん減るもんじゃないし、ね、お願い! 人助けだと思ってさー」

杏子「いーやーだ! あれはもうやんないって決めたんだよ!」

さやか「頼むってばー、おひとり様一箱限定なんだよ!」

さやか「だから、ね? ロッソ・ファンタズマして! お願い!」

杏子「言うな! その技名を言うな!」

杏子「ったく。大事な用があるから、っていうから着いてきてやったのに……」

さやか「…………」

杏子「何がお一人様一箱限定だよ、ばっかじゃねーの」

杏子「だいたい、人前で魔法を使うなんて発想が出てくるあたり自覚が足んない……」

さやか「…………」

杏子「……な、なんだよさやか、急に黙り込んで」

さやか「……ぐすん」

杏子「!?」

さやか「ぐすん、ぐすん……酷いよ杏子、あたしだって、あたしだって……」

杏子「ば、何泣いてんだよ! やめろって!」

さやか「だって杏子が……ぐすん」

杏子「ああもう、周りが見てるじゃんか! 泣きやめよ!」

さやか「うう、ダメ……この悲しみは杏子がロッソ・ファンタズマしてくれないと収まらないよ……」

杏子「……そ、その手には乗らねーぞ、騙されないからな」

さやか「ああ、杏子がロッソしてくれればなぁ……」チラッ

杏子「…………」

杏子「べ、別にやるってわけじゃないけど。その限定品って何が買いたいわけ?」

さやか「有名パティシエの限定チョコレートだよ」

杏子「!?」

さやか「嗚呼、杏子が手伝ってくれるなら杏子の分はあたしが奢ってあげようと思ってたのになぁ……」

さやか「でも杏子がロッソしてくれないんじゃ仕方ないよね……ぐすん」

杏子「ちょ、チョコレート……美味しいチョコ……」

杏子「…………」

杏子「しょ、しょーがねーな、今回だけだからな」

さやか「杏子! わーいありがとう!」

杏子「か、勘違いすんなよな! チョコに釣られたわけじゃねーからな!」

杏子「人助けだから仕方なーくやるんだからな!」

さやか「あはは、はいはい」

マミ「ふふ、どうやら佐倉さんはロッソ・ファンタズマしてあげることにしたみたいね」

なぎさ「やっぱりなのです……なぎさの仮説は間違ってなかったのです!」

マミ「あら、どういうこと?」

なぎさ「あれが杏子の最大の秘密なのですよ! すなわち杏子は……」

なぎさ「────お菓子に釣られるとついつい頼みを聞いちゃうチョロい子だったのです!」

なぎさ「これは新発見なのです! ノーベル賞ものの新発見なのですよ!」

マミ「な、なんですってー!!」

マミ「そんな凄い秘密に気がつくなんて誰にでも出来ることじゃないわ……」

マミ「やっぱりなぎさちゃんは天才ね!」

なぎさ「えへへ」

なぎさ「でもまだまだ観察が足りないのです、夏休みの自由研究としてはまだデータが足りないのです」

なぎさ「明日以降もどんどん杏子を観察して記録を取るのですよ!」

マミ「偉いわなぎさちゃん! 頑張ってね!」

なぎさ「はいなのです!」

こういう方向性で行く



面白そうだけど、システムでちょいと質問
安価は最初のだけで今後はなしなのか作中内1日1つとか区切りで再安価のどちらなのかと、続くなら連レス制限と同一人物制限は?

>>20
こういう方向性で行くことにしました
・安価のタイミングは毎回適当に
・お菓子に釣られた杏子ちゃんが安価でお願いを聞く
・あまりに酷いものは杏子ちゃんも断る
・連投とか無効安価とかは安価下
>>1が飽きた用のオチ↓

杏子「こら!かってにひとを観察するなよ!」
なぎさ「とほほ、もう観察日記はこりごりなのです!」
おしまい!

【7月×日】

杏子の観察日記二日目。

今日も快晴、夏日なのです。

あまりの暑さに杏子もダルそうにしてたのです。

午後になったら耐えきれなくてコンビニに逃げ込んだのですが……

そこでたまたまお友達に会ってしまって、>>23ってお願いされてたのです。

一緒に宿題やって

杏子「はあ? 宿題の手伝い?」

ほむら「ええ」

杏子「なんでさ、まだ7月だぜ? 焦ることなんてないじゃんか」

杏子「ていうかアタシが勉強の手伝いなんて出来ると思うか?」

ほむら「大丈夫よ、美術の宿題だから」

杏子「美術の……あー、あったなそんなの」

杏子「お友達の絵を描きましょう、って奴だよな。忘れかけてたわ」

杏子「……って、ますます訳わかんねーぞ。アタシの美術の成績知ってるか?」

ほむら「貴女は居てくれるだけでいいのよ。一緒に絵を描いてくれれば良いの」

杏子「……もうちょい具体的に話してくんない?」

ほむら「…………」

ほむら「……実は、その……まどかと一緒に宿題をしようって約束したのだけれど」

ほむら「まどかと二人っきりになるのが気まずくて……」

杏子「はあ?」

杏子「ばっかじゃねーの、何でただのクラスメートといるのが気まずいんだよ」

杏子「案外人見知りなんだな、ほむら」

ほむら「…………」

杏子「ま、悪いけどアタシは遠慮させてもらうよ」

杏子「まだ宿題なんてやりたくねーし」

ほむら「……そう」

杏子「人見知りを直す訓練だと思って二人で仲良くやりなよ」

杏子「んじゃ、アタシは帰……」

ほむら「……駅前のクレープ屋さん、とっても美味しいそうね?」

杏子「……?」

ほむら「メニューの端から端まで、って注文をしてみたいと思ったことはない?」

杏子「……?!?!」

杏子「な、なんの話だよ?」

ほむら「別に……ただの雑談よ」

杏子「雑談か、雑談だよな、うん」

ほむら「……なんだか宿題を終えたら、甘いものを食べたくなりそうな気がするわね……」

杏子「う……」

ほむら「ちょうどお小遣いもあるし、親切な友人には奢ってあげても良い気分だわ……」

杏子「…………」

杏子「あー、そういえば。今年は早めに宿題を終わらせようと思ってたんだよなー」

杏子「せっかくだしアンタと一緒に片付けるのも良いかな」

ほむら「あらそう? ……ふふ、なら一緒にやりましょうか」

杏子「おう! ただ、まあ、その、根を詰めすぎるのは良くないと思うんだよ」

杏子「適度に休憩と甘いもんを挟もうぜ、く、クレープとか……」

ほむら「ええ、分かったわ」

杏子「へへっ、よっしゃ決まりだな!」

なぎさ「…………」

なぎさ「……やっぱりなのです! 杏子はチョロいのです!」

なぎさ「お菓子で釣ればあっさりなのです!」

なぎさ「そのくせ素直になれないで天の邪鬼な発言しか出来ないのです!」

なぎさ「これはもしかしたらチョロいだけじゃなくてツンデレの可能性もあるかもしれないです……」

なぎさ「よりいっそうの研究が必要なのですよ!」

【7月△日】

そんなこんなで杏子はほむらと一緒にまどかの家に来たのです。

まどか達と一緒に夏休みの宿題をやっつけるためなのです。

……でも何故かまどかは杏子を見て複雑そうな表情をしていたのです。

あれはきっと、ほむらと二人っきりになれると思ったらお邪魔虫が現れてガッカリしてたのだと思うのです!

その証拠にまどかは、杏子に>>32ってお願いをしてたのです。

杏子ちゃんってほむらちゃんと仲良いの? ねえ、教えてよ。ねえ。

ほむら「お邪魔するわ」

まどか「い、いらっしゃいほむらちゃん! どうぞ上がっ……て」

杏子「おーすまどか、邪魔するよ」

まどか「え……きょ、杏子、ちゃん?」

まどか「……ほむらちゃん、どうして杏子ちゃんも一緒なの?」

ほむら「宿題の話をしたら杏子も一緒にやりたい、って言うから」

まどか「そーなんだ。ふぅん……」

杏子「あー……もしかして、アタシ着ちゃ不味かったか?」

まどか「ううん! そんなことないよ、ちょっとビックリしちゃっただけで」

まどか「さ、どうぞどうぞ、私の部屋で待っててくれる?」

まどか「今お茶持ってくるから!」

ほむら「ありがとう、それじゃあお邪魔するわね」

杏子「ん、悪いね」

◇まどかの部屋

杏子「……なあ、ホントにアタシ来て良かったのか?」

ほむら「どうしたのよ今更」

杏子「だってさ、なんかまどかが……ちょっとイヤそうにしてなかったか?」

ほむら「そんなわけないじゃない。あの子は優しいもの」

ほむら「お友達が1人多く来たからって不機嫌になるような子じゃないわ」

杏子「んー……そーいう話じゃないよーな気もすんだけど」

まどか「お待たせ! アイスティーしかなかったけど良いかな」

杏子「……っと」

ほむら「あら、ありがとうまどか」

杏子「サンキュー、いただくよ」

まどか「はいどうぞ」

まどか「ね、二人で何の話をしてたの?」

ほむら「まどかはとっても良い子だって話をしてたのよ」

まどか「も、もぉほむらちゃんたら! からかわないでよー」

杏子「からかってなんかないよな? 本当のことを言っただけだし」

ほむら「そうね、ふふっ」

まどか「…………」

まどか「……杏子ちゃんって、ほむらちゃんと仲が良いんだね?」

杏子「ん? そんなことねーよ、普通さ」

ほむら「まあ、私としては比較的に話しやすい子だとは思っているけれど」

まどか「話しやすい? それって……私よりも?」

ほむら「そうね、杏子なら何を言っても許されそうっていうか」

ほむら「……お菓子で誤魔化せそうっていうか」

杏子「ちょっとアンタ、喧嘩売ってるわけ?」

ほむら「ふふっ、そんなわけないじゃない」

まどか「……さ、ほむらちゃん。遠慮しないでアイスティー飲んで?」

ほむら「えっ? ああ、そうね。頂くわ」

ほむら「それで、宿題の話だけど、お互いに誰を描きましょうか?」

まどか「あ! うん、私はほむらちゃんを描きたいな!」

ほむら「ふふ、ありがとう。それじゃあ私はまどかを描くわ」

まどか「わぁい! 可愛く描いてね?」

ほむら「任せて」

杏子「おいおい仲良いなアンタら……」

杏子「んじゃアタシはほむらを描くかな」

まどか「…………」

まどか「……ふうん」

ほむら「ん……」

杏子「あん? おいどーしたほむら?」

ほむら「ごめんなさい、なんだか……眠くて……」

まどか「大丈夫? 横になる?」

ほむら「いえ……へ、平気よ……」

まどか「全然平気そうじゃないよ。ほら、私のお膝を貸してあげるから」

ほむら「うん……ごめんなさい、まどか……少しだけ、甘えさせてもらうわ……」

ほむら「…………すぅ」

杏子「あらら、ホントに寝てやんの」

杏子「疲れでも貯まってたのか? やれやれこれじゃ宿題なんて……」

まどか「ねえ杏子ちゃん」

杏子「ん?」

まどか「杏子ちゃんはどうして来ちゃったの?」

杏子「……え?」

まどか「杏子ちゃんってほむらちゃんと仲良いの? ねえ、教えてよ。ねえ」

杏子「お、おいまどか? どーしたのさ」

まどか「教えてよ」

杏子「あ……い、いや、普通だよ」

まどか「普通なんだ。それってどう普通なの、教えてよ」

杏子「ど、どうって言われても」

まどか「ほむらちゃんが寝ちゃったら先に家に帰るくらい普通なのかな?」

まどか「宿題なんて忘れて帰っちゃうくらい普通なのかな?」

まどか「どうなのかな、ねえ教えてよ」

杏子「あー、うん。それくらいだな、うん」

まどか「うふふ、そっかあ」

まどか「それじゃあ……分かるよね?」

杏子「あ、ああ。普通の仲のアタシはもう帰るよ、うん」

杏子「邪魔したな。それじゃ、ほむらによろしく……」

まどか「ん?」

杏子「い、いや、よろしく言わなくていいや、さよなら!」

まどか「ふふ、良かった。バイバイ杏子ちゃん!」

杏子(やべえ、なんかよく分かんないけど円環に導かれるかと思った……)

杏子(さっさと帰ろう、うん!)

なぎさ「むむむ、おかしいのです。お菓子を条件に出されてないのに杏子がお願いを聞いちゃったのです」

なぎさ「なぎさの学説と違うのです……変なのです!」

なぎさ「あ、ほむらがまどかに服を……」

なぎさ「……///」

なぎさ「な、なぎさは何も見てないのです!」

なぎさ「そんなことより杏子なのです、もしかしたら杏子は……」

なぎさ「お菓子なしでもお願いを聞いちゃうスーパーチョロ子なのかもしれないのです!」

なぎさ「明日はなぎさが直々に確かめてみるのです!」

【7月□日】

なぎさは直接杏子に接触してみることにしたのです。

お菓子を条件を出さずに、杏子がお願いを聞いてくれるかどうかを確かめるためなのです。

そんなわけでなぎさはさやかが用事で家を出ているときにお邪魔して……

杏子が1人でいるところに、『なぎさに>>47して欲しいのです!』ってお願いしてみたのです!

チーズを奢って

◇さやかの家

杏子「ダメだ」

なぎさ「ええっ!? 即答なのですか!!」

杏子「当たり前だろ、何で買って貰えると思ったわけ?」

なぎさ「だって杏子ならチョロいと思って……」

杏子「は?」

なぎさ「あ! いえ違うのです、杏子なら優しいから買ってくれると思ったのです!」

杏子「あのなぁ……」

杏子「ガキに何でも買ってやるようなヤツは『優しい』んじゃなくて『甘い』んだよ」

杏子「アタシはアンタのワガママに付き合ってやるほど甘くないよ」

なぎさ「そんなぁ、杏子ってば意地悪なのです! けちんぼ!」

杏子「…………」

杏子「……ワガママを言うのは、ガキの特権だ」

なぎさ「えっ?」

杏子「あれを食べたい、あれをしたい。ガキのうちは幾らでもワガママを言えば良いさ」

杏子「でもな? そのワガママが何でも聞いて貰えると思っちゃダメだ」

なぎさ「え、えぅ……」

杏子「何でもワガママを聞いて貰えると勘違いしたガキなんてロクなヤツになんねー」

杏子「誰かが助けてくれる、恵んでくれる。それが常識だと思いこんで自分で何もしなくなる」

なぎさ「…………」

杏子「アタシはそーいうガキは大嫌いだ。だからアンタを甘やかさないよ」

なぎさ「……ごめんなさい」

杏子「……悪いね、ついマジになっちゃって」

なぎさ「ううん、杏子が私のために言ってくれてるって分かったから……良いのです」

なぎさ「ごめんなさいなのです、杏子……意地悪とか毛チンポとか言って」

杏子「いいさ、そーやって謝れるならね」

杏子「悪いことしたら謝れるガキは嫌いじゃあないよ」

なぎさ「杏子……」

杏子(……はあ、アタシらしくないね説教なんて)

杏子(でも……言わずにはいられなかったんだよな、なんか)

杏子(……モモが生きてたらこんな感じだったのかな……)

杏子(…………)

杏子(ああくそ、やめだやめだ。それこそアタシらしくねーよ)

杏子(ま、ちょっと……いや、かなりクサかったかもだけど……)

杏子(年上の威厳ってモンをなぎさに教えてやったと思えばこれで良かっ)

なぎさ「杏子の話はよく分かったのです。だからチーズを買ってくれたら対価としてなぎさがお菓子を作ってあげるのです」

杏子「よっしゃ! スーパー行くぞ!」

【7月◎日】

真面目なお説教をされたけどやっぱり杏子はチョロかったのです。

今日のなぎさはチーズを買って貰った御礼に、お菓子を持って杏子のとこへ遊びに行くことにしました。

そうしたらたまたま途中で知り合いの女の子と会ったのです。

その子は杏子に>>59ってお願いをしに行くところだったのです。

観察日記に書くのにちょうど良いので、なぎさはそのお願いがどうなるか見届けることにしたのです。

※誰になるかは>>59のコンマで決めるとか言ってみるテスト

まど00-09
ほむ10-19
さや20-29
マミ30-39
ひと40-49
おり50-59
キリ60-69
ゆま70-79
ささ80-89
かず90-99

どうなるか

◇さやかの家

キリカ「織莉子ってば酷いんだよ、私のことをいつもいつも子供扱いして!」

キリカ「今朝なんて『キリカって一人じゃ夜も眠れなさそうよね、ふふっ』なんて気品あふれる笑顔で言ってきたんだ!」

キリカ「嗚呼! もう本当に愛おしくて堪らないよ織莉子!」

キリカ「まあとにかくそんな理由で私は一人でもやっていけるってことを証明したいんだ!」

キリカ「だからお願いだよ佐倉、野宿の仕方を教えて欲しいんだ!」

杏子「おー、これ美味いなー」

なぎさ「えへへ、なぎさの手作りなのですよ」

キリカ「聞いておくれよ!」

杏子「アンタの惚気話とかどうでも良いしなぁ、ぜんぜん興味ないし」

キリカ「何てことを言うんだい、私にとってはこれ以上ないくらい重要な命題なんだよ!」

杏子「それにアンタさ、野宿の方法ってアタシをなんだと思ってるのさ」

杏子「アタシが野宿に詳しいこと前提で話すなよ」

キリカ「あれ、キミって最近まで家無き子だったんじゃなかったのかい?」

杏子「ケンカ売ってんのかテメー、アタシはずっとさやかンチ住まいで……」

杏子「……ずっと……?」

なぎさ「うん? どーしたのですか杏子」

杏子「あれ……なんか、アタシにも野宿時代があったよーな気がしてきた……」

杏子「お金がないときは段ボールハウスで凌いでいたよーな」

キリカ「やっぱりそうかい? うんうん、そんな記憶があったんだよ私にも!」

なぎさ「そーだったのですか、杏子にそんな経験があったなんて!」

なぎさ「ちょっとなぎさも興味出てきたのです! 野宿テクを聞かせて欲しいのです!」

杏子「ばーか、そう簡単に話してやるかよ」

杏子「雨風しのげる寝床とか教えちまって、競争率が高くなったら困るんだよ」

杏子「あとはそーだなー、野草や野鳥の調理方法とか」

キリカ「ほほう……やはりキミは野宿の達人みたいだね! これはぜひ教えて貰わないと!」

杏子「だからそう簡単には……」

キリカ「教えてくれた曉には織莉子手製のシフォンケーキと紅茶をご馳走するよ!」

杏子「よーし、まずは段ボールの確保からだ!」

◇公園

杏子「よっしゃ、段ボールハウスの完成だ!」

キリカ「凄いや、あっという間だったね!」

杏子「林の奥深くに建てたからすぐには見つからないぜ」

杏子「数日はここで過ごせる筈さ」

なぎさ「数日?」

杏子「ああ、役所の人間に見つかると色々面倒だからね。ちょくちょく引っ越すのさ」

キリカ「へー、そうなのかい」

杏子「まあ今はそんなことは良いだろ、とりあえず入ってみなよ」

なぎさ「わーい、秘密基地みたいです」

キリカ「ふむふむ、寝るには充分なスペースが確保されているね」

なぎさ「でも三人も寝るとさすがに狭いのです」

キリカ「そーだね、それに暑いし……もう汗だくだよ」

杏子「確かに住みやすくはねーな……あちぃー、脱いじゃおうかな」

キリカ「こ、こら! やめないか、はしたないぞ!」

なぎさ「ぱ、パンツ見えてるのですよ杏子……」

杏子「良いじゃんか誰も見てないんだし、ぜんぶ脱ぐ訳じゃないし」

キリカ「……やれやれ全く、キミってやつは」

なぎさ「暑いけど……でもこうやって仲良く寝転がってるのも楽しいのです」

なぎさ「まるでピクニックみたいなのです!」

杏子「ははっ、そーだな」

なぎさ「今度は他の皆も招待するのです」

杏子「いやー、マミなんかは耐えられないだろこの環境。お上品だし」

キリカ「うーん、織莉子もダメだろうね……」

キリカ「……あ」

なぎさ「どうしたのです?」

キリカ「あ、い、いや。急にふと気が付いたんだけどこの状況見られたら不味いなあって」

杏子「なんでさ?」

キリカ「だ、だってさ、こんな狭苦しいとこで汗だくで密着してしかも着衣が乱れてる子がいるって、その……なんか、さ」

杏子「だらしなくて怒られそうってことか?」

なぎさ「それはありそうなのです!」

キリカ「い、いや、そーいうんじゃなくて……」

なぎさ「あ、織莉子なのです」

キリカ「ふえっ!? ちちち、違うんだ織莉子! これは浮気とかそういうんじゃなくて」

キリカ「……ってあれ?」

なぎさ「えへへ、嘘なのですよ!」

キリカ「……百江っ!! このっ、よくも!!」

なぎさ「あははっ! きゃーっ♪」

杏子「こらこら暴れんなよ!! おうちが裂けちゃうだろ!」

【7月@日】

昨日の段ボールハウスが楽しかったのでまた遊びに行くことにしたのです。

杏子を誘ったら意外にも乗り気で付いて来てくれたのです。

「なんか久しぶりに作ったら愛着が沸いた」とか言ってたのです。

でも、公園についたら段ボールハウスの近くで>>76がウロウロしてたのです。

どうやら昨日のなぎさ達を見ていたらしくて、>>75って杏子にお願いしてきたのでした。

>>76はコンマで決める方向性

小学生に変なこと教えないで

誰かな?

そういえばこれどの時間軸なんだ?
叛逆後にしてはほむらが甘い気がするが

>>79
ヒント:杏子ちゃんとキリカが仲良し

◇公園

織莉子「その、ね? 小学生にあんまり変なコトを教えないで欲しいのよ」

織莉子「あんな……は、破廉恥なこと……ええ、教育に良くないわ」

織莉子「しかもキリカまで一緒になって! わ、私だってあそこまで進んでないのに……!」

織莉子「……っ、こほん。話が逸れましたね」

織莉子「と、とにかく、もう変な遊びはしないで欲しいのよ、分かる?」

杏子「シフォンケーキうめー」

なぎさ「美味しいのです、ありがとうなのです織莉子!」

織莉子「うふふ、どういたしまして」

織莉子「……ってそうじゃなくて!」

織莉子「ちゃんと聞いて頂戴、真面目な話なのよ!」

杏子「んなこと言ったってねぇ、アンタのお説教を聞いてやる義理もないし」

なぎさ「お小言はマミのだけで充分なのです」

杏子「だよなー? なんで織莉子にダメとか言われなきゃなんねーんだよ」

杏子「アタシらは一緒に遊びで寝ただけじゃんか」

織莉子「あ、遊びで寝た……?! キリカと!?」

なぎさ「?」

織莉子「あ、い、いえ、なんでもありません……」

織莉子「……とにかく、だ、ダメなものはダメなんです、破廉恥よ、イケないわ」

杏子「…………」

杏子「なあ、さっきから気になってたんだけど」

織莉子「え、ええ」

杏子「はれんち、ってなんだ?」

織莉子「…………えっ」

なぎさ「あ、実はなぎさも気になってたのです」

なぎさ「恥ずかしながらむつかしい言葉は分からないのです……」

杏子「まあ良くない言葉だってのは何となく想像つくけどさ」

杏子「はれんちで何が悪いんだ?」

織莉子「あ、貴女、中学生よね……? ちゃんとした教育を受けてるのよね?」

杏子「なんだよバカにすんなよな! こーみえても一応サボりはしないんだぞ!」

織莉子「だったらなおさら問題があるんじゃ……」

杏子「……アタシ、学校サボったりしてないよな?」

なぎさ「そんなことなぎさに聞かれても」

杏子「いや、なんかろくに学校に通ってない時代があったよーな気がしてきたんだけど……」

杏子「ま、いいや。それはさておきはれんちって何だ?」

織莉子「ええと、その……あまり大きな声では言えないから、お耳を拝借して良いかしら」

杏子「ん」

なぎさ「はいなのです」

織莉子「……ごめんなさい、なぎささんには、ちょっと……」

なぎさ「ええー、教えてくれないのですか?」

織莉子「え、ええ。ごめんなさい」

織莉子「それで、破廉恥っていうのはね……」

杏子「ふんふん」

織莉子「ごにょごにょ……」

杏子「…………っ!!」

杏子「ば、バッカじゃねーの!! アタシがなぎさとそんなことするわけないじゃんか!」

杏子「そ、それにキリカとだってしねーよ!」

織莉子「で、でも、だって……」

杏子「そんな変態なこと想像するなんて織莉子は変態だな! 変態変態!」

織莉子「ち、違うわ! 私は変態なんかじゃないわ!」

なぎさ「ねえねえ、はれんちってなんなのですか?」

杏子「う……」

杏子「……こほん。わりぃ、ついカッとなっちまった」

織莉子「い、いえ、私のほうこそ……」

杏子「うん、まあ、そーいう誤解を招く行動は控えたほうが良いってことだよな」

杏子「しょーがない、段ボールハウスは片付けるとしよう」

なぎさ「ええー! なんでなのですか!」

杏子「大人の事情ってやつだよ」

なぎさ「そんなぁ……」

織莉子「ごめんなさいね。代わりに私の家に遊びにきていいですから」

なぎさ「むー」

【7月★日】

昨日の一件が納得いかなかったなぎさは杏子を問い詰めることにしたのです。

だっておかしいのです。杏子ってばお菓子に釣られたわけでもないのに織莉子の言うことを聞いちゃうなんて!

状況から推察するに、きっと『はれんち』って言葉に何か秘密があるのです。

だからなぎさは『はれんち』が何なのかを杏子から聞き出すことにしました。

「お菓子をあげるから『はれんち』のこと教えてください」って言えばきっと教えてくれるのです。

でも一人だと心細いので、>>91にも協力して貰って、一緒に杏子にお願いすることにしたのでした。

例によってコンマできめる方向性
おりきりの場合は適当に解釈する

ゆま

◇ほむらの家

ほむら「貴女が私にお願いだなんて珍しいわね」

ほむら「それで、用件は何?」

なぎさ「えと、その……ちょ、ちょっと言いにくいことなのですけど……恥ずかしくて」

ほむら「……率直に述べてくれると助かるわ」

なぎさ「は、はいっ、ごめんなさいです」

なぎさ「実は、その、なぎさは……」

なぎさ「なぎさは、杏子に……は、はれんちなことを教えて欲しいのです!」

ほむら「……破廉恥?」

ほむら「え? 杏子に?」

なぎさ「は、はい……」

なぎさ(うう、恥ずかしいのです。むつかしい言葉を知らないお馬鹿さんだと思われてしまったに違いないのです)

ほむら「……意外ね、貴女が杏子をそんな風に想っていたなんて」

ほむら「貴女はてっきり巴さんと……」

なぎさ「?」

ほむら「いえ、なんでもないわ」

ほむら「でもどうして私にそれを打ち明けたの?」

なぎさ「話すと長くなるのですが……」

なぎさ「なぎさはこの前、杏子と寝たのです」

なぎさ「あ、寝たって言ってもお遊びでなのですけれど」

ほむら「……え」

なぎさ「汗だくになっちゃったけどとっても楽しかったのです」

ほむら「……そうなの」

なぎさ「でもそこへ織莉子が現れて『こんな破廉恥なことはいけません!』って言ってきて……」

なぎさ「杏子は一緒に寝てくれなくなってしまったのです」

ほむら「三角なのかしら……いえ四角?」

なぎさ「でもそんなの納得がいかないのです!」

なぎさ「だからなぎさはもっとちゃんと『はれんち』のことを杏子に教えて貰いたいのです!」

ほむら「……それで、それと私とどう関係が?」

なぎさ「きっと杏子はなぎさが一人で頼んでもダメなのです、断られちゃうのです」

なぎさ「そこでほむらに協力してもらって、一緒に頼んでもらいたいのです!」

ほむら「あまり関わりたくないのだけれど……」

なぎさ「お願いなのです! なぎさはどうしても『はれんち』を知りたいのです!」

なぎさ「ほむらが居ればなぎさははれんちが分かる思うのです! だから……!」

ほむら「あまり破廉恥を連呼しないで……」

なぎさ「お願いなのですほむら、はれんちを……」

まどか「……何をお話してるのかな、なぎさちゃん?」

なぎさ「!?」

ほむら「あら、いらっしゃいまどか」

まどか「えへへ、来ちゃった♪」

なぎさ「こ、こんにちは、まどか」

まどか「うん、こんにちはなぎさちゃん」

まどか「……それで、何を話してたのかな、なぎさちゃん?」

なぎさ「え、えう……」

なぎさ(なんだか言葉で表現出来ないほどの威圧感を感じるのです……!)

まどか「ほむらちゃんに破廉恥なことしたいとか、そんなことを言っていたような気がしたけれど」

まどか「どういうことなのかな? ね、どういうことなのかな?」

なぎさ「い、いえ、違うのです」

まどか「違う? 違うんだ、じゃあ何で破廉恥とか何とか言ってたのかな?」

まどか「私良くないと思うなぁそういうの、ほら、ほむらちゃんが困ってるよ?」

なぎさ「あ、あの……その」

ほむら「ダメでしょうまどか、百江なぎさが怯えているわ」

まどか「で、でも、だって」

ほむら「それに勘違いしているわ。彼女は私に破廉恥なことをして欲しいのではなくて、杏子にして欲しいのだそうよ」

まどか「……えっ、杏子ちゃんに?」

まどか「な、なぁんだ、そうだったんだー」

まどか「ご、ごめんねなぎさちゃん、私うっかりしちゃった!」

なぎさ「い、いえ、大丈夫なのです。気にしてないのです」

まどか「なぎさちゃんは杏子ちゃんと仲良くなりたいんだね、そういうことなら応援するよ!」

なぎさ「ほ、本当なのですか?」

ほむら「ちょっとまどか、良いの? あまり教育に良くないと思うのだけれど……」

まどか「えっ!? あ、えっと……」

まどか「えっとね、私は愛の形は人それぞれだと思うの!」

まどか「だからなぎさちゃんのことも応援してあげたいなぁ、って思って!」

ほむら「……優しいのね貴女は」

まどか「そ、そんなことないよ」

まどか「……それに、私だってほむらちゃんのことが……」

ほむら「えっ? 今何か言った?」

まどか「う、ううんっ、何でもない!」

なぎさ「……? 何をコソコソ話してるのですか?」

【8月○日】

そんなこんなでほむらとまどかの協力を得ることが出来たのです。

話し合いの結果、ほむら達はなぎさに良いアイデアをくれました。

「こうすれば間違いなく杏子ちゃんが教えてくれるはずだよ!」とまどかも言ってました。

今日は早速それを実践することにしたのでした。

杏子から『はれんち』のことを教えて貰うその方法とは……

お菓子をちらつかせつつ>>109なのです!

胸元をはだけさせて上目遣い

「お兄ちゃんのSSはすぐエッチなネタに逃げるから嫌い」
「レス欲しさにやってるんだろうけど薄っぺらいよ」
って小四の妹に罵られたのでこのSSは終了します。
ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月24日 (日) 23:07:34   ID: 63CbKFKn

ちゃんと続けるんなら評価できるけど、こんなところで終わらせたんじゃ、評価できん

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