京子「私の誕生日まであと9日記念日!」 (38)

2014/03/19

京子「さて諸君。今日が何の日かわかるかな?」

あかり「今日?」

ちなつ「3月19日……ですか?」

結衣「何かあったかな……?」

京子「フフフ……特別スペシャルヒントとして『私に関わる日』という情報を言っておこう」

結衣「京子に関わる3月19日……?」


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あかり「えーと……3月19日……天武天皇が飛鳥浄御原令の制定を命ずる……太平天国の乱……」

京子「いや歴史の教科書に私の情報はまだ載ってないと思うぞあかりー?」

結衣「『まだ』って何だよ。いつかは載る気かよ」

ちなつ「うーん、わかりません、ギブアップです」

京子「ふっふっふ、では正解を発表しよう」

京子「正解は――」

あかり「……」

ちなつ「……」

結衣「……」





京子「私の誕生日まであと9日記念日だ!」

結衣「当日祝えよ」

京子「ちなみに千歳の誕生日9日後記念日でもある」

結衣「ああ、うん。あんときも騒いでたなお前」

京子「まあそんなわけで、私の誕生日9日前祝いをやろう!」

結衣「だから当日祝えよ。つーか9日って何でそんな半端な日数なんだよ」

京子「仕方ないだろ……他にネタが思い浮かばなかったんだ」

あかり「ネタ?」

ちなつ(何の話……?)

京子「細かいことはいいからさー、何かプレゼントとか頼む!」

結衣「そんな急に言われても……」

あかり「部室にあるのはお菓子とか漫画くらいだし……」

ちなつ「大体のモノは京子先輩が持ってきた奴ですし……」

京子「確かに……誕生日プレゼントがお菓子とか読みまくった漫画ってのもな……」

京子「よし! 今からコンビニ行ってケーキ買ってくる!」

結衣「いやお前自身が行ったら結局本末転倒じゃねぇか」

あかり「ケーキ買ってきたよぉ」

ちなつ「お待たせしましたー」

京子「結構かかったねー。二人がコンビニ行ってる間に私の誕生日まで残り8日記念日になってしまった」

あかり「えっ!? あれ!?」

ちなつ「いつの間に20日に!?」

結衣「あ、いや、あんまり気にしない方がいいと思うよ、多分」

京子「何ケーキ買ってきたの?」

あかり「えっと……ショートケーキとチョコレートケーキとチーズケーキと……あとモンブラン!」

京子「うはー、四つもケーキ食えるとかやべぇ」

結衣「おいコラ全員分喰う気か」

2014/03/20

京子「冗談冗談……でもどれにしようか迷うなぁ……」

ちなつ「一応京子先輩のお祝いってことですから、京子先輩から選んでいいですよ」

京子「うーむ、そう言ってくれるのはありがたいんだが……どうしよう……」

結衣「そんな悩むことか? コンビニケーキだぞ?」

京子「うーん……」



京子「……バウム食いたくなってきた」

結衣「この中から選べよ」

京子「チーズケーキにしました」

結衣「じゃあ私モンブラン」

あかり「あかりショートケーキがいいなぁ」

ちなつ「私チョコレートケーキが欲しかったので、丁度良い感じに分けられますね」

京子「もくもく……」

京子「うん! これはうまい」

京子「これはいいチーズだ。実に美味しい……昔食べたものよりもずっとうまい……そんな気がする」

結衣「何で孤独のグルメ風なんだよ」

京子「しかしなー、一回それぞれに配られた後だと」

京子「やっぱり他のケーキも食いたかったような……」

結衣「隣の芝生は青く見えるって奴だな」

京子「ちなみに欲しかった第2位はチョコレートケーキだったりするんですよちなつちゃん?」キラーン

ちなつ「あげませんよ」

京子「うう……私の記念日だというのにいつも通りちなつちゃんが冷たい」

結衣「いや本来何でもない日だったはずだよな今日」

ちなつ「……はー、仕方がありませんね」

京子「んぉ?」

ちなつ「一口だけですよ……よいしょ」



ちなつ「はい、京子先輩、あーん」

京子「うほぅ!?」

結衣「何だその奇声」

京子「だって! ちなつちゃんがデレてくれ……イヤッホォォォゥ!」

結衣「落ち着け」

ちなつ「あ、あんな風に言われたから仕方なくですよ! 変な反応しないでください!」

京子「ツンデレいただきましたー! もうこの時点でお腹いっぱいですありがとうございます!」

ちなつ「お腹いっぱいなら一口あげなくていいですよね」

京子「すいません一口いただきます大丈夫です落ち着きます」

京子「んー……ちなつちゃんにあーんされるとか今まで食べたチョコレートケーキのどれよりも美味しく感じる……」

ちなつ「だから変な反応しないでくださいって……もう」

あかり「京子ちゃん京子ちゃん」

京子「ほい?」

あかり「あかりのショートケーキも一口食べる?」

京子「おほぅ! マジで!? やべぇ私モテ期到来!?」

結衣(あかりは普通に優しいなぁ)

京子「もぐもぐ……うん、ショートケーキは定番の美味しさだよねー」

あかり「美味しいよねぇショートケーキ」

京子「……」チラ

結衣「……で、私もやれと?」

京子「お願いしまーす!」

結衣「……はいはい、ほら、あーん」

京子「にひひ、いただきまーす」

ちなつ(……羨ましい……)

京子「やべぇ楽しい」

結衣(単純だなこいつ……)

あかり「ケーキ食べ終わったら次は何するの?」

京子「特に考えてない!」

ちなつ「えっ」

結衣(そしてバカだなこいつ……)

京子「そもそも誕生日とかのお祝いってプレゼント貰ってケーキ食べる以外何するっけ……?」

ちなつ「誕生日を8日後に控えてる人間の発言とは思えませんねぇそのホントに何も考えてない状態」

京子「よーし! トランプやろうぜ! ババ抜き!」

結衣(……何かもう結局いつもの娯楽部の活動と変わらない気がするけど)

結衣(本人がそれで満足そうだから何も言わないでおこう)



京子「そしてこのあかりの惨敗である」

あかり「うう……」

ちなつ「あかりちゃんはどうあがいても顔に出るからねー……」

結衣(素直だからなぁ……)

京子「さぁ取り出しますはこの罰ゲームBOX!」

結衣「いつもの箱な」

京子「これに書かれた罰ゲームをあかりは実行しなければならない!」

あかり「へ、変な罰ゲーム書かれてないよね……?」

京子「……」

京子「うん!」

あかり「今の間は何!?」

あかり「うう……変なの出ませんように……」ゴソゴソ

京子「さぁー、一体何が出るのかなぁー……?」

あかり「……こ、これっ!」


紙「だきまくら」


あかり「……?」

京子「うーむ、それが出たかー」

あかり「えっと……これ、どういう……?」

京子「ん?」

京子「文字通りあかりをだきまくらにするってことだけど?」

あかり「うぇえっ!?」

京子「本当はちなつちゃんにやらせたかったが出ちゃったモノは仕方がない!」

ちなつ「待った」

京子「というわけでほれほれ、もっと近寄れ」

結衣「悪代官かお前は」

あかり「で、でもだきまくらってどうしたら……」

京子「特に何もせず抱かれてりゃいいんだよぅ」ぎゅ

あかり「ふぁあっ!?」

京子「あー……何だコレあかり抱いてるとすごい癒される」

あかり「は、恥ずかしいよ京子ちゃんっ!」

京子「あー、堪能した」

あかり「堪能された……」

結衣「お疲れ」

京子「よーし、せっかくだから二人も引いてくれ」

ちなつ「私たちババ抜き負けてないのに!?」

京子「何を! この全戦勝敗表を見ろ! すべてのババ抜きを総合的に見ると私が一位じゃないか!」

京子「故に私以外のプレイヤーすべてを敗者と見て罰ゲームを与えるのも十分アリと言えばアリだ!」

ちなつ「むむ……」

結衣(……正直あかりが最下位ばっかりなのしか覚えてないから……)

結衣(あの勝敗表本当に正しいのかどうか怪しい気がする……)

京子「……」ニヤリ

結衣(あっ、嘘っぽい)

ちなつ「じゃあ一枚……んしょ……」

結衣(……まあ嘘か本当かはっきりしないし……面倒だから私も引いてやるか)

結衣「ほらよ」

京子「さあ、運命のカードオープン! 紙に書かれている罰ゲームの内容は!?」


ちなつ「……ひざまくら」

結衣「うでまくら」


京子「うーん、だきまくらとひざまくらとうでまくらでまくらがダブってしまった……」

結衣「だから何で孤独のグルメ風なんだよ」

ちなつ「とりあえず……京子先輩に膝枕をしてあげればいいんですか?」

京子「いや待て、ちなつちゃんに膝枕をせがむなら今後もできそうだし多分割と既出なネタなんじゃないかと思う」

ちなつ「今後もできそうって何ですか。やりませんよ?」

結衣「あと既出なネタって何のことだコラ」

京子「そこでだ! あくまで紙にはひざまくらとしか書いてなかったということで!」


京子「私の膝にちなつちゃんを寝かせたい!」

結衣「そう来たかー」

ちなつ「そう来ましたかー」

京子「というわけでさあちなつちゃんカモーン!」

ちなつ「し、失礼します」

結衣(……職員室に入るんじゃないんだから)

京子「おおー、ちなつちゃんの頭の重みが私の脚にー……」

ちなつ「えっ、あの、お、重いですか?」

京子「いや、んなこたぁないよー。良い感じだよー」

ちなつ「はあ……なら、いいですけど……」

京子「……ねえちなつちゃん」

ちなつ「何ですか?」

京子「頭撫でてもいい?」

ちなつ「……は、はい」

京子「うーん、何と言うか」

京子「すごくかわいい妹を持った気分」

ちなつ「妹……ですか」

京子「おや、妹じゃ不本意かな? 恋人の方が良いかな?」

ちなつ「他人で結構です」

京子「ちくしょう」

京子「しかしいいねぇ、こういうの」

京子「甘えられるっていう新たな境地を見出したよ」

ちなつ「いや別に甘えてるわけじゃ……」

京子「でも何ていうかさー、やっぱりちなつちゃんも後輩なわけだし、ね?」

京子「たまにはこういう感じに甘えてくれてもいいんだけどなぁ」

ちなつ「……」

ちなつ「……じゃあ、今後もたまには」

京子「おおう!? マジで!?」

ちなつ「ホ、ホントにたまにですからね! 1年に数回ってレベルですからね!」

ちなつ「っていうかもうそろそろ罰ゲーム終了でいいでしょう!? 終わりにしますよ!」がばっ

京子「あーん、待ってよちなつちゃーん!」

ちなつ「もう……京子先輩は調子に乗るとすぐアレなんだから……」

あかり「でも見ててなんだか微笑ましかったよぉ」

ちなつ「あれ、あかりちゃんいたんだ」

あかり「ずっといたよ!?」

京子「では最後に結衣さーん!」

結衣「これは私が腕枕するの? されるの?」

ちなつ(どっちにしろすごい羨ましい)

京子「結衣になら……されてもいいかな……」

結衣「変な言い方やめろ」

京子「いやっほーぅ! 結衣の腕枕ー!」

京子「うはー! 何だろうこのいい具合の筋肉!」

結衣「変に頭動かすなよくすぐったいから」

ちなつ(ちくしょう羨ましいちくしょう)

京子「あ、でも何だコレ。すごいな」

結衣「何がだ」

京子「あかりが癒しでちなつちゃんが天使で」

京子「……結衣のは実用性という意味で一番かもしれん」

結衣「寝る気かやめろ起きろ」

京子「今度うちの枕がダメになったら来てくれ」

結衣「マジな顔で頼んでんじゃねえ」

ちなつ「……仮に聞きますけど枕がどのくらいダメになったら来ていただけますか」

結衣「いや行かないよ!?」

あかり「ちなつちゃんそのハサミ何に使うの!? ダメだよモノは大切にしよう!?」

ちなつ「大丈夫だよあかりちゃん! 丁度枕買い替えようと思ってたし!」

あかり「買い替えるから刻んでいいってわけじゃないよ!?」

結衣「ちょ……京子も何か言ってやってくれ……ん?」


京子「……」


結衣「……」

結衣「寝やがったああああああああああああああ!」

ちなつ「ええええええええええええええええ!?」

ちなつ「ちょっ、京子先輩ズルいですよ! とっとと起きてください!」

京子「……」スヤスヤ

結衣「ダメだ見事に熟睡してやがる」

あかり「結衣ちゃんの腕枕本当に効くんだねぇ」

結衣「あー……ダメだなこりゃ……自分から起きるまで待つしかないな……」

ちなつ「なんて羨ましい……うう、京子先輩め……」

結衣(腕もう片方空いてるけど……こっちも枕にしたら私の体の自由まったくなくなるから言いたくないな……)

あかり「ふぅ……ちょっとあかりお手洗い行ってくるね」

ちなつ「あ……じゃあ私も……結衣先輩は大丈夫ですか?」

結衣「うん、大丈夫」

ちなつ「ついでにハンカチ冷たい水で濡らしてきます? 首筋に当てたら起きると思いますよ」

結衣「い、いや、そっちも大丈夫だから」



結衣「しかし……8日前祝いでこんなに盛り上がるとはな……」

京子「……」スヤスヤ

結衣「……誕生日当日はもっと盛り上げてやんないとな……」


 おわり

細かいことは気にしない

文区切れば50レスくらいにはなりそうだったが

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