男「今から女嫌いを治します」女「今から女嫌いを治させます」(10)

男「つまりそういうわけ」

女「つまらなくてもそういうわけ」

男「わかりました」

女「わからせました」

男「まずは何をするんですか」

女「まずは何をさせましょうか」

男「僕は女嫌いを治されるようです」

女「私は女嫌いを治させるようです」

男「つまりそういうわけ」

女「つまらなくてもそういうわけ」

男「まずはデートを体験してみたいです」

女「彼はデートを体験してみたいです様です」

男「まずは疑似デートをするようです」

女「まずは疑似デートをさせるんです」

男「デートのお約束といえば手を繋ぐことですが」

女「デートのお約束といえば手を繋ぐことですね」

男「僕は多汗症なので手は繋げません」

女「私もそんな汚らしい手とは繋げません」

男「どうしましょうか」

女「どうしましょうね」

男「とりあえずどこか行きましょうか」

女「それならばどこへ行きましょうか」

男「分かりません」

女「分かりなさい」

男「デートが成り立ちませんね」
女「デートを成り立たせて下さい」

男「あなたがデートに誘ったのですが」

女「わたしはデートに誘われたのです」

男「つまるところ男としてプランぐらい立ててこいと」

女「つまらなくてもプランぐらい考えてからこいよと」

男「無茶を言います」

女「無茶を言いました」

男「帰りましょうか」

女「帰りましょうか」

男「これはこれで」

女「帰宅デートです」

男「そうですね」

女「そうなんです」

男「会話の練習をするようです」

女「会話の練習ならできそうです」

男「趣味はなんですか」

女「趣味はありません」

男「特技はなんですか」

女「特技はありません」

男「会話が成り立ちません」

女「会話を成り立たせて下さい」

男「無茶を言いますね」

女「無茶を言いました」

男「どうしましょうか」

女「強いて言うならば」

男「はい何でしょう」

女「料理が得意です」

男「そうですか」

女「そうなんです」

男「僕はインスタントの調理が得意です」

女「私は圧力鍋を用いた調理が得意です」

男「是非あなたの手料理を頂きたいです」

女「絶対あなたには振る舞いたくないです」

男「そうですか」

女「そうなんです」

男「圧力鍋を用いた料理で得意なのは何ですか」

女「圧力鍋を用いた時間短縮カレーライスです」

男「そうですか」

女「そうなんです」

男「今日は告白の練習をするようです」

女「今日は告白の練習をさせるのです」

男「それで誰に言えば良いのですか」

女「それは私に言えば良いのですよ」

男「分かりました」

女「分からせました」

男「女、好きだよ」

女「………」

男「黙られました」

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