アルミン「ジャン!君がライナーだ!」(53)

ミカサ「ライナーに怪我をさせてしまった…」

アルミン「仕方ないよ…でも困ったな訓練兵団もライナーがいないと活気が落ちるよ」

ミカサ「ライナーは私たち皆の兄貴分であり精神的支柱だった…どうしよう」

アルミン「そこで…身代わり作戦を考えたんだ!」

ミカサ「さすがアルミン!」

アルミン「僕の中では最適な人物は決まってる…それは」

アルミン「ジャン!君だよ!」

ジャン「お前は本当に座学でトップなのか…?」

ジャン「無理だって!ライナーと俺じゃ体格が違いすぎる!」

ジャン「身長10cmぐらい違うじゃねーか!」

アルミン「大丈夫!シークレットブーツを履けばいい!」

ジャン「なんでそんなもん用意してあるんだよ!?」

ジャン「ていうか俺がライナーになるってことは俺がいなくなるじゃねーか!」

ジャン「俺が突然いなくなるのは不自然じゃねーのか!?そこんとこどーよ天才君!」

ミカサ「ジャンはエレンと昨日も喧嘩してた」

ミカサ「その時に怪我をしたことにすればいい」

ジャン「それどっちにしろ懲罰もんじゃんかよぉ…」

ジャン「だいたいがそこまでしてライナーの影武者になる必要あるか!?」

ジャン「別にライナーが何日か休むってだけの話だろーが!何の問題があんだよ!?」

アルミン「そんなこと言っても仕方がない!」

ジャン「重要なとこをスルーすんじゃねーよ!」

アルミン「ジャン。これは君にとっても旨味のある話なんだ!」

ジャン「は?なんで?」

アルミン「(ライナーを怪我させたのはミカサだ。つまりこの作戦の完遂により君はミカサに貸しを作れる)」ヒソヒソ

アルミン「(この事実を利用してデートとか…或はその先とか…あると思わない?)」ヒソヒソ

ジャン「あるかもしれない!!」ジャーン

ジャン「任せろ!明日から俺がライナーだ!」

アルミン「(ほんとミカサで釣ると乗せやすいなぁ)」

ミカサ「頑張ってねジャン」

ジャン「よっしゃやるぞー!」

~~翌日~~

ジャン「髪の色とか眉毛とかは似せたけど…本当に大丈夫か?」

ミカサ「おそらく大丈夫。どこからどうみてもたぶんライナー」

アルミン「初期は似てるとか言われてたもんね…(問題は性格が全然違うことだけど…)」

ジャン「よし!行くぞ二人とも!」

エレン「おう、おはようミカサ、アルミン、ライ…ナー?」

ジャン「ようエレン!今日もいい天気だな」

エレン「あ、ああ、そうだな…(なんか雰囲気が違う気が…)」

アルミン「(っし!第一関門突破!)」グッ

エレン「ジャンはどうしたんだろう?」

ミカサ「エレンとの昨日の喧嘩で怪我をした 今日は休み」

エレン「そっか…悪いことしたな…」

ジャン「本当にな」

エレン「?なんか言ったか?」

アルミン「(ジャン!)」ヒソヒソ

ジャン「(わかってるよ!)いや、なんでもない。」

エレン「でもミカサにあれだけブン投げられても大丈夫とはライナーは頑丈だな~」

サシャ「ライナー!おはようございます!」

ジャン「おうサシャ!おはよう!」

サシャ「えへへ…ではさっそく…」

ジャン「へ?」

サシャ「えいっ」

バチィン!

ジャン「痛い!?(何故突然平手打ちを…!?)」ズキズキ

サシャ「おりゃー」

ズガッ!!

ジャン「!?!?(そして肘!?これは予想外!?)」ドサッ

ジャン「痛いだろうが!いきなり何すんだコラ!」ズキズキ

サシャ「ええっ!?いまさら何を!私たちの朝の挨拶じゃあないですか!」

ジャン「ええっ!?今のが!?」ドンビキ

サシャ「それを怒鳴るなんてライナーヒドい…」ウルウル

ジャン「す、すまないサシャ…俺もちょっと疲れてるようだ…」アセアセ

ジャン「(なんなんだ今の!?ライナーのやつドmなんじゃないのか!?)」

ジャン「(な、なんか嫌な予感がしてきた…もしかしたら俺はとんでもない間違いを!?)」

ジャン「(降りるなら今だ!)あ、アルミン!俺…」

アニ「ライナー!ちょっと話が…」

ジャン「!?」

ジャン「な、なんだよアニ、いきなり…」

アニ「しっ!声がデカいよバカ!誰かに聞かれたらどうすんだ?」ヒソヒソ

ジャン「はぁ?」

アニ「要件はわかってるだろ?訓練生の中にそれっぽいのはいた?」

ジャン「(それっぽい!?それっぽいってなんだ!?)」

アニ「女子の中では…なんかユミルが怪しいんだけど…男子はどう?」

ジャン「(ユミル?ってことは同性愛!?ってことは…)」

ジャン「う~ん…しいて言うなら…俺…かなぁ?」

アニ「はぁ!?」

アニ「馬鹿!あんたがそうなのは当たり前でしょ!?」

ジャン「(アニ公認なのか…ライナーお前ってやつは…)ま、まあそうだな…」

アニ「他にはいないの?男子の中で」

ジャン「ああ…他にはたぶんいない」

アニ「チッ!」ガスッ

ジャン「あ痛!?」ズキッ

アニ「いたら色々と不味いってわかってるでしょ?しっかり探してよね!」スタスタ

ジャン「いって~…なんでアニがホモの存在をそんなに気にするんだ…!?」ズキズキ

ジャン「どうやら俺はとんでもない変態の替え玉になってしまったらしい…」

アルミン「まあ大変だろうけどなんとか頑張って!後には引けないよ!」

ジャン「う~ん…まあミカサとのニャンニャンもかかっていることだし…」

アルミン「いや保証はできないよ?」

キース「では今日の訓練はこの崖を駆け下りてもらう!」

キース「では代表してライナー・ブラウン!貴様が行け!」

ジャン「(教官迷いなさすぎだろ!?生中頼むような感覚で指名してんじゃねぇよ!)」

キース「早く行かないとこの岩に括り付けて落とすぞ?」ドーン

ジャン「ええいままよ(泣)」ダッ

コニー「さすがライナー!迷いなく駆け下りていったぞ!」

エレン「……あれ?ここに落ちてる綱ってなんだ?」

キース「それはこの訓練用に持ってきた命綱だ」

キース「あ」

ジャン「しまったぁ!?命綱忘れたぁ~!?」ヒュウー

ジャン「表面に捕まらないと死ぬ死ぬ死ぬ~!!」ガッ

ガリガリガリガリ!

ジャン「ギャアアアア!?摩擦で指がぁ!?」

アルミン「やばい!本当に死ぬよ!?」

ミカサ「チッ!」ダッ

ジャン「誰かダズゲデー!!」

ミカサ「ジャ…ライナー!もう少し辛抱して!」ドドドド

エレン「すげぇ!崖の表面を走ってる!?」

ミカサ「キャッチ!」ガシッ

ジャン「神様ですか!?あなたが!?」グスン

ジャン「(死んだかと思った…でもミカサと抱き合ったよな俺?そうだよね?)」

ミカサ「エレンも命綱なしで降りるといい」

エレン「え?やだよ」

キース「命綱を忘れるとは何事だ馬鹿者!」ゴツン

ジャン「(痛い!?いったい何回殴られるんだよ今日は…)」ズキズキ

キース「それでは対人格闘訓練はじめ!」

ドカッ!
ジャン「ぐはっ!?」

エレン「悪い、力の加減が下手でよ」

ガスッ!
ジャン「げふっ!?」

アニ「戦士には引けない時があるんでしょ?」

ゲシッ!
ジャン「がはっ!?」

ミカサ「スッキリ。」

兵a「ライナー次は俺にやらせてくれ!」

兵b「ダメだ次は俺がライナーを使うんだ!」

一同「イヤオレダ ワタシダッテ ハヤクシロジカンガネーゾ!」

ジャン「(なんだ…なんなんだこれは!?)」ゾクゾク

ジャン「……」ボロボロ

アルミン「ジ、ジャン…大丈夫かい?」オロオロ

ジャン「…舐めていた…ライナーの体質を…」

ミカサ「今日が終わるまでの辛抱。頑張って」

キース「では本日最後の訓練として下町の警備をしてもらう」

キース「駐屯兵団は今日は休みとなっている!貴様らが民を守れ!」

ジャン「おいおいマジかよ…そんな実践的な訓練…」

エレン「何言ってんだライナー。俺たちは兵士だろ?このくらい当然!」

ジャン「(ったく死に急ぎ野郎が…)ああ、そうだなエレン!」

エレン「(な~んか馬面なんだよなぁ…今日のライナー…)」

ライナー班 ライナー(ジャン)・ベルトルト・マルコ・クリスタ・アルミン

ジャン「はぁ…ミカサは別の班かぁ…」

ベルトルト「どうしたんだライナー、ミカサのことを気にするなんて」

ジャン「…あっ!?いや、何でもない!(素が出てしまった!危ない危ない…)」

クリスタ「(えっ…ライナーってミカサのこと…?)」

寝てしまったぜ

アルミン「(ダメじゃないかジャン!ライナーのキャラを壊しちゃ!)」ヒソヒソ

ジャン「(うるせーなわかってるよ!注文多いなお前!)」ヒソヒソ

ベルトルト「……?」

民「キャァアアア!!」

マルコ「ライナー!悲鳴がする!急ごう!」

ジャン「ええ!?もう面倒事かよ!?」

ベルトルト「そんなことを言うなんてらしくないぞライナー!」

クリスタ「早く!被害が出るかもしれない!」

強盗「てめーら手を挙げやがれ!抵抗したらこいつをぶっ殺すぞ!」

人質「ひぃいい!!」

マルコ「古風な強盗みたいだよ。一番大きい商会を狙ったみたいだ」

ジャン「よし立体機動装置…は無いんだよな、巨人と戦いに来たわけじゃないから置いてきたんだっけか…」

アルミン「相手は3人。ライナーとベルトルトがいるから倒せないことはないけど…」

クリスタ「人質をどうやって助けるか…ね」

ベルトルト「ライナー…分かってるね?」ボソボソ

ジャン「あん?」

ベルトルト「こんなくだらないことで腕でも失ったら大変だ。今の状況では再生するのも不自然だし」

ジャン「(再生?この状況で頭おかしくなったのかコイツ)」

ベルトルト「ここは無理をしちゃダメだ。いいね?」

ジャン「当たり前だろ」

ジャン「(別にここで俺が動かなかったとしてもそれはライナーの責任問題)」

ジャン「(よって俺はここから動く必要はなし。増援を待とう)」

ジャン「アルミン、マルコ。救援を呼んできてくれ。」

マルコ「ら、ライナー!あれを見てくれ!」

ジャン「ん?」

子供「誰か!誰かお医者さんを読んでください!」

母親「うぅ…」

アルミン「出血してる…!急がないと失血死してしまう!」

クリスタ「ライナー!増援を呼んでたらあのお母さん死んじゃう!」

ベルトルト「ダメだライナー!今は無理せず増援を…」

ジャン「……」

ベルトルト「ライナー?」

~~回想~~
(ジャン母)「ジャン!あんた自分の部屋ちゃんと掃除したの!?」

(ジャン)「ババア!!ノックしろよ!」

ジャン「…母ちゃん…」

ベルトルト「…は?」

マルコ「くそっ…こんなときにジャンが入れば指揮を…」

ジャン「プラン変更だ。今すぐ鎮圧する!」

マルコ「!!」

クリスタ「そうこなくちゃ!」

ベルトルト「ライナー!?危険だ!」

アルミン「(でもどうするのさ!?この状況から人質を無傷で取り返して…)」ゴニョゴニョ

アルミン「(かつあの母親も助けるプランなんて僕でも思いつかないよ!)」

ジャン「(プランはある。今の俺の体質はどうやらライナーのものになってるようだ…)」ボソボソ

ジャン「(これを利用する!)」

アルミン「(…はい?)」

クリスタ「ライナー!作戦は!?」

ジャン「まず俺が一人で説得に行く。そうすれば人質は解放される。」

ジャン「そこをお前らが取り押さえろ。ベルトルトとマルコが第2陣、クリスタとアルミンが第3陣だ。」

マルコ「はぁ!?そんなの無理に決まってる!なんで人質が解放されると言い切れるんだ!?」

ジャン「俺がライナー・ブラウンだからだ。」

マルコ・クリスタ・ベルトルト「??」

アルミン「みんな!今はジャ…ライナーを信じるんだ!」

ジャン「(ナイスだアルミン!)それじゃ俺は行くぞ!後は頼んだ!」

ベルトルト「大丈夫か…!?」

マルコ「とにかく言われた通りにするしかないね…」

クリスタ「ライナー…」

ジャン「訓練兵団だ!おとなしく投降してもらおう!」

強盗a「なんだぁ!?一人で来やがった」

強盗b「なぁに何もできやしねぇさ」

強盗c「人質が見えないのか間抜けが!」

人質「うぅ…」

ジャン「(ここだ!)…俺を好きなだけ殴っていい。その代わり気がすんだら人質を解放しろ」

強盗a「ぶわっははは!馬鹿かコイツ!?好きなだけ殴っていいとよ!?」

強盗b「言われなくても殴ってやるよ!人質は解放しねぇけどなぁ!!」ボカッ

ジャン「っつ!?(ここで抵抗しちゃダメだ…ここからはただ殴られる…)」ズキッ

強盗a「おい!俺たちはこの兄ちゃんいたぶってるから人質ちゃんとみとけよ!」

強盗c「おうよ!」

ジャン「ぐはっ!?ごはっ!!」ボカスカ

マルコ「ああ!?無慈悲な暴力がライナーを襲う!」

アルミン「しかしなんて楽しそうに殴るんだ…」

強盗a「オラオラオラ!抵抗してみろや兵隊さんよぉ!?」ボカボカボカ

強盗b「こいつ本当に無抵抗でやんの!殴るのが病みつきになるぜぇ!」ドカドカドカ

強盗c「マジだ!こいつ殴るの超楽しい!」ゲシゲシゲシ

強盗a「…は?」

強盗b「…お前、人質は?」

強盗c「…あれ?」

ジャン「(…やっぱりな)」ニヤリ

強盗c「しまった!つい俺も殴らなきゃいけない気がして…」

ジャン「クリスタ!アルミン!人質確保!」

クリスタ・アルミン「了解!」

人質「た、助かった…!」

ジャン「さてベルトルト!マルコ!俺たちはこいつらを丁重に可愛がるぞぉ…?」ニヤリ

ベルトルト・マルコ「うぃーっす」バキボキ

ジャン「散々人を殴りまくりやがって…覚悟できてんだろうな?あ?」ビキビキ

強盗abc「ヒィィー!?」

医者「母親の命に別状はないようです。輸血も成功しました。」

アルミン「良かったぁ!」

子供「ありがとう兵隊さん!」

ジャン「坊主。今日の俺のように母ちゃんのことしっかり守れるようにならなきゃダメだぞ?」ナデナデ

子供「でもお兄さん顔ボコボコだよ…?」

ジャン「……」

クリスタ「…クスッ」

~~帰路~~

クリスタ「ねぇ、ライナー…?」

ジャン「ん?なんだ?クリスタ」

クリスタ「ん…あのね、今日のライナーって…ちょっとだけ…」

ジャン「(やべっ!?バレたか!?)」ギクリ

クリスタ「ちょっとだけ…カッコ良かったかも///」

ジャン「…ああ、そうか!そりゃ良かった(セ~フ!)」

マルコ「(なんだと…)」ピクピク

ベルトルト「(ライナー…それが狙いだったか…)」イラッ

アルミン「(ジャン…余計な事を…)」ビキビキ

キース「それでは今日の訓練はこれまで!解散!」

エレン「お手柄だったみたいだな!ライナー!」

ジャン「まあ俺の手にかかりゃこんなもんよ…あっアニ!」

アニ「…何?」

ジャン「(アニには誤解されたままだ。ライナーの名誉にかけてあれは訂正しとかなきゃ…)一つ撤回しとくけど…」

アニ「撤回?」

ジャン「ああ。さっきはああ言ったが…やっぱり俺はホモじゃない。ノンケだ。」

アニ「……」

ドガッ!!!!

アニ「早く死ね」

ジャン「」

エレン「ラ、ライナー!生きてるか~!?」

ジャン「(明日から俺はジャンに戻る…)」

ジャン「(ライナー、凄いやつだよお前は。これほどの暴力に正面から立ち向かえるなんて…)」

ジャン「(だが感謝して欲しい。今日の俺の手柄はお前のものだし、クリスタからの好感度もあげておいてやった。)」

ジャン「(全て俺のおかげだ。次に会ったときは飯でも奢ってもらう…などということを思いつつ)」

ジャン「(俺は眠りに就くことにする…)」ガクッ

エレン「ライナー!!戻ってこーい!!お~い!」

アルミン「(ジャン…無茶しやがって…)」

ミカサ「(ジャン…あなたの勇姿は今日一日忘れない。)」

この日療養していたはずのジャン・キルシュタインが何故か全治1ヵ月の重傷を負ったことは―――
長きにわたり訓練兵団七不思議として語り継がれることとなる…

end

終わりです。ジャンasライナーは意外と難しい組み合わせだった
ジャンの替え玉シリーズ化誰かお願いします

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