女「夏のお姫様」 (23)

 今日から高校に入ってから二度目の夏休み

友達と遊びに行く約束もした。最近出来た初めての彼氏とも勿論約束をした

あぁ。楽しみで仕方がない。ていうか興奮しすぎて余計に暑い


~夜・縁側~


女「あーすずしー」

~♪

女「ん」


『今何してる?』


彼氏からだ。ちょくちょく送ってきてくれるのが嬉しい


女「へへ…」

女「んーと」メルメル

母「ちょっと、あんた課題は?」

女「…はいはい、やりますよ~」

母「まったく……」

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 勉強なんかしてる暇無い。この夏で思い出でを作るんだから


母「あ、そうそう」


母「明日、叔父さん達来るから」


女「え?」

母「最近来てなかったものね」

母「あんたが小学五年生の時以来かしら」

女「…そうだっけ。覚えてないや」


 嘘。あやふやだけど覚えてる

――彼女の事を

私の「お姫様」の事を

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 私が幼かったころの話


 私の家はちっちゃな会社を営んでいて、父は社長として私達家族の為に頑張ってた

借金があったけれど、幸せな毎日。笑顔の絶えない家庭だったと思う


 だけどある日、不幸は訪れた。


 父が突然亡くなった。末期のがんだったらしい

家族に心配をかけたくないという思いで相談しなかったんだろう、とお医者様は言っていた


 実感が無かった。今まで傍にいた父がいきなり消えてしまうなんて


 葬式の日、私は居場所が無くてうろうろしていた

リビングに行けば母は泣き崩れていて、親戚の人達は借金だけを残された私達を憐れんでいる

台所に行けば女性達がせっせと料理をしている

 しょうがなく外に行った私は一人で遊ぶことにした

ボールをついて遊んでいると、車が一台道路に止まったのが見えた


 その車から、綺麗な女の子が降りてきたのを今でもはっきりと覚えている


 これが私と彼女の初めての出会いだった

従姉妹「! あなた、お名前は?」

女「ふぇ、お、女、だよ」

従姉妹「よろしくね」

女「う、うん!」

従姉妹「それじゃあきょうから私のいうこときいてね!」

女「ふぇ?」


 どうやら父の兄で従姉妹の父親である叔父さんが借金を肩代わりしてくれたらしい

借金の額はかなりの物だったが、叔父さんはすぐに返済してしまった

というのも叔父さんはとある大手企業の偉いさんだったからだ

 そんな叔父さん家に我が家は頭が上がらないのは当然で、

従姉妹ちゃんの言うことは何でも聞いてあげてねと母から言われた

 最初は嫌だったのだけれど次第に慣れてきて、彼女といるのが心地良くなった

彼女は毎年夏休みにだけ来てあっという間に帰ってしまう

 だから夏は私にとってあの子の季節でもあった

 小学五年生の夏、毎年のように彼女はやってきた

二人でゲームをしたあと、森に行ったり川に行ったりして遊んだ

遊び疲れた私達は家に帰ってきて、縁側でアイスを食べながら話をしていた


従姉妹「ねえ、それちょっとちょうだいよ」

女「うん!」

従姉妹「……あむ」チラッ

女「?」

従姉妹「……間接キス」

女「えぇっ? 女の子同士だしノーカンだよー」

従姉妹「ふぅーん」

従姉妹「あたし、面白い遊び知ってるんだ」

女「え?」

従姉妹「しかも気持ちよくなれるの」

女「へー」

従姉妹「やるわよ」

女「う、うん」

 なんとなくだけどイケナイ事をするんだと分かった。本当に、何となく

従姉妹「布団がある部屋に行くわよ」

女「うん」

 母は仕事で、叔父さんと叔父さんの奥さんは買い物に行っているので家には誰も居ない

その状況がより私をドキドキさせた。変な汗がじわりと出てきて、服が肌に引っ付く

従姉妹「パンツ脱ぎなさい」

女「う、うん」ヌギヌギ

従姉妹「ふーん。だっさいパンツ」

女「え、えへへ」

従姉妹「私も脱ぐから」

 スカートに手を入れて下着を脱ぎ始める従姉妹

ヒラヒラしたものが付いていて、どう見ても小学生の履くようなものではない

それに糸が引いてるのを発見した。よくわかんないけど、変な気分になってきた

握った手に汗がにじむ。この暑さとこの行為が私をおかしくしているのかもしれない

 ぷっくりと少し膨らんだ彼女のあそこが目に入る

電気は消しているけれど、障子と少しあいている襖から入ってくる光ではっきりと見えた


従姉妹「おまんこ。わかるわよね」

女「えっ、う、うん……」

従姉妹「舐めなさい」

女「え、き、汚いよ」

従姉妹「私が汚いって?」

女「ち、違うけど」

従姉妹「ふぅーん。しもべのくせに楯突くんだ」

女「あ……」

従姉妹「どうなの?」

女「……わかった。舐める……」

 家の事情を知っていた私は彼女の言うことを断れるわけがなかった

汗ばんだ彼女のあそこを見つめる。おしっこが出る汚い所。それを、今から……


 私は彼女の前で膝をつくと、ちょうど目の前に彼女のあそこをなるべく見ないように顔を近づけた

あそこに息が当たる位に近づくと私は口を開け、

舌を少し出して彼女のあそこにかぶりつくように口を押し付けた

何となく、雰囲気と勘で彼女のあそこを舌で舐めたり、じゅるじゅると吸ってみたりした

「んっ」

 ぴちゃ、ぴちゃ、と水の音と彼女の何かを耐えるような変な声が響く

 しょっぱくもなければ苦くもない。それに臭くない


「気持ちい……すき……んっ」


 その瞬間、罪悪感と背徳感が私を襲った

苦しいような切ないような感情に、幼すぎる私には酷だった

苦しいような切ないような感情は、幼すぎる私には酷だった

に→は

女「もう、いいよね…」

従姉妹「んっ……だめ」

女「で、も」

従姉妹「じゃあ、最後に」

従姉妹「んっ」

女「!?」

従姉妹「んむ……」

女「ん、んふぅ」

従姉妹「ぷは…」

女「な、なんで……」


 有り得ない。気持ち悪い。変な所を舐めたり、女の子同士でキスだなんて

駄目。こんなことをしたら怒られちゃう。普通じゃ、ない


従姉妹「何でか知りたい?」

従姉妹「それは――」


 それから先の事は覚えていない

どうやらあまりの暑さに倒れてしまったらしい


目が覚めると従姉妹はもう帰っていて、それを境に絶縁状態になってしまった

~~~~~~~~~~~~~~~~

 憂鬱、だな。思い出でもあってトラウマでもある彼女と明日再会する

何を言われるんだろう。そもそもなんで来ようと思ったのか。どんな顔をすればいいんだろう

接し方、忘れちゃったな。あの事忘れたふりしといたほうがいいかな


女「……眠れない」

女「……」メルメル

女「……はぁ」

 夢を見た。従姉妹と二人で遊ぶ夢

命令される夢。従姉妹に罵られる夢


 ――従姉妹の性器を舐める夢


「早く起きなさい!」


女「っ! はぁっはぁっ」


母「ちょ、ちょっとどうしたのよ。悪い夢でも見た?」


女「……ううん。何でもない」

母「そう…?」

女「……従姉妹は?」

母「もう来てるわよ」


女「え」


母「さっさと着替えて挨拶してきなさいね」バタン

 早すぎる。今何時? まだ九時じゃん

え、待って、ちょっと待ってよ。心の準備できてない。ああ、もう

遅かれ早かれ会うことになるんだ。さっさと挨拶して外に出てしまおう。丁度友達と遊ぶ約束もしてるし

ええと、服、洗顔、ピアス、髪の毛……

 襖の向こうから話し声が聞こえる

母と叔父さんと叔父さんの奥さんと、従姉妹の声


 死にたくなるくらいひどい気分で襖をそっと開ける

女「こ、こんにちは…」

叔父さん「おお、こんにちは。大きくなったねえ。美人になっちゃって」ハハハ

奥さん「ほんと、なんだかかっこよくなったわぁ」

母「ふふ。ほら、従姉妹ちゃんも居るわよ」


 出来るだけ視界に入れないようにしていたが母に促されそちらを向いた

居た。それもとびっきり綺麗な美人が

 それと同時にあの頃の思い出がフラッシュバックした。あの頃と同じ汗が流れる

ああ、ダメダメ。落ち着け私。人は変わるもの。もうあの頃の従姉妹じゃない

私もあの頃の私とは違う。オシャレもするしピアスだってつける。彼氏もできた

大丈夫。落ち着いて、挨拶


女「……ひ、久しぶり」

従姉妹「ええ、久しぶり」

叔父さん「おお? 感動の再会か!?」

従姉妹「ちょっと、やめてよ」

アハハハ

 驚いた。こんなに普通だなんて。何を心配していたんだろう私は


母「これから出かけるんだけど、一緒に行く?」

女「え、ううん。友達と遊ぶからいいや」

母「従姉妹ちゃんは?」

従姉妹「私は家に居ます」

母「そう。それじゃあ出かけるから、鍵、しめといてね」

叔父さん「夕方位に帰ってくるからな」

従姉妹「うん」

 二人きりになってしまった。この沈黙が嫌で自分の部屋に戻ろうとした

従姉妹「ねえ、どこに行く気?」

女「えっと」

従姉妹「駄目よ。ここに居なさい」

女「う、うん」

 ダメだ。身体に、脳に染みついている。彼女の言うことを聞いてしまう

従姉妹「ふぅ、暑いわね」

 つーっと彼女の首筋に汗が流れる。それがなんだか厭らしくて目を背けてしまった

女「う、うちわとかあるけど」

従姉妹「扇風機は?」

女「えと、壊れてる」

従姉妹「ふぅん。じゃ、煽いで」

女「あ、ああ。うん」パタパタ

従姉妹「~♪」

従姉妹「ほんと、何にも無いわね」

女「あ、あはは」

従姉妹「……ねえ」

女「!」

 ドキッとした。あのことについて触れるんじゃないかと

従姉妹「髪型、変えたのね」

女「…あ、うん」ホッ

従姉妹「ふぅーん。まあいいんじゃない?」

女「えっ? あ、うん。ありがとう」

従姉妹「そのピアスは?」

女「え、あ、ピアス、好きでさ……」

従姉妹「許可なく耳に穴開けないでよ」

女「ご、ごめん」

従姉妹「まあ、そんなことどうでもいいのよ」

 
 本当に、綺麗になった。昔から綺麗だったけど、今はもっと綺麗だ

大人びていて、女でもわかるくらい色気がある。彼氏の一人や二人は出来てもおかしくないだろう

女「その、さ、彼氏とかいる?」

従姉妹「……」

従姉妹「ええ、当たり前じゃない」

女「あぁ、そうなんだ」

 やっぱり、もう変わったんだ。これが普通。今まで通りにやっていけそうだ

従姉妹「……あんたは?」

女「え?」

従姉妹「彼氏よ。いるの?」

女「…へへ、実は最近出来たんだ」

女「まだ恥ずかしくて手すら繋いでないんだけどさ」


従姉妹「……は?」


女「…?」

従姉妹「キスは?」

女「え、してないしてない」


従姉妹「そう。今すぐ別れなさい」


女「……え?」

従姉妹「何? 聞こえてるでしょ。今すぐ別れなさい」

女「な、なんで…!」

従姉妹「命令よ。あたしと彼氏、どっちが大事なのよ」

女「そ、それは……」

 どうしようもなかった。私と母は従姉妹の家のおかげで今幸せに生活することができている

もし私のせいでお金を返せと言われたら……。だから、母の為にも私は彼女のしもべになるしかない


 だけど、理由はそれだけじゃなかった


従姉妹と彼氏、どちらが大事かと聞かれれば従姉妹の方が大事だと答えるからだ

よくわからないけど、何となくそう思った。血がつながってるからだろうか


女「……従姉妹のほうが、大事だよ」

従姉妹「…! ふふ、ふふ……当たり前じゃない」

従姉妹「ほら、さっさと別れちゃいなさい」

 その後適当な理由を付けて彼氏と別れた。彼氏は悲しんだが受け入れてくれた

何かを失った感じがしたが、少しすっきりしたのも本音だ

今日はここまでにします。明日には頑張って終わらせるつもり
糞SSだけど見てくれると嬉しい。それでは

ひえっごめんなさい

女「……」メルメル

女「…はい」

女「…別れた、よ」

従姉妹「貸しなさい」ヒョイ

女「え」

従姉妹「ふふっ」メルメル

女「……」

従姉妹「これ、どうかしら?」ニヤ

『私は従姉妹の事を愛してる。だから貴方の事は最初から好きじゃなかった

 付き合っていたことは全部無かった事にして。もう一生関わらないで。さようなら』


女「……!」

女「ひ、ひど「黙りなさい」

女「う……」

従姉妹「ねえ。自分の立場わかってんの?」

女「……うん」

従姉妹「……」ゾクゾク

従姉妹「…ふふ、流石私の下部ね」

従姉妹「あ、私の事を愛してるのなら王子様かしら。いえ、ナイトもありね」

女「っ……!」ギリッ

―――――――

従姉妹「ていうかLINEのID教えなさい」

女「うん…」

従姉妹「何? まだ落ち込んでるの?」

女「え、いや、そんなことないよ」アハハ

従姉妹「どーでもいいでしょそんな奴」

従姉妹「簡単に別れるのを認めるような奴なんだから。しかもLINEで」プッ

従姉妹「それに男は全員猿よ。そいつもきっとあんたの顔と体しか見てなかったのよ」

女「……」

従姉妹「ていうか本当に好きだったの? どこが好きだったのよ?」

従姉妹「恋人ごっこだったんでしょ。ほら、思春期特有のあれよ」

従姉妹「ほんとばっかみたい。高校生で恋人作る奴なんか総じてゴミよ」
 

 半分図星だった。正直に言うと勢いで付き合ったようなものだし、

高校を卒業してからとか何にも考えてなかった。だからすっきりしたのかもしれない


 従姉妹の言うことがほんとんど当たってて少し頭に来たので言い返す


女「……でも、従姉妹も彼氏いるんだろ?」

従姉妹「! い、いや、それはそうじゃなくて……」

女「?」

従姉妹「その……相手は大学生、だから、し、しかも将来のこと考えて付き合ってるし?」

女「……へー。やっぱ都会は違うんだな」

従姉妹「そ、そうなのよ」


 どこかおかしいなとは思ったが、まあ、言わないでおこう

また怒り出すと困るし

今日こそ終わらせるつもりです
それでは

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