傀 -kai- 10 (1000)

「咲-saki-」×「むこうぶち」のSSです。
大して更新は早くないですが麻雀描写をメインに書いてます。
リクエストは常に募集してるのでよろしくお願いします。


親切な方がまとめて下さってます↓
http://www52.atwiki.jp/kai_saki/

九作目→ 傀 -kai- 9 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396787244/)
八作目→ 傀 -kai- 8 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388891842/)
七作目→ 傀 -kai- 7 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1380964029/#header)
六作目→ 傀 -kai- 6 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371396834/#footer)
五作目→ 傀 -kai- 5 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364281194/#header)
四作目→ 傀 -kai- 4 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1356608083/#header)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405848401

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         ソ:.:.:::/::ヾー-;;;;;;;;;  ,     """ /ノ.;:‐'::/    |::::::::無::::::::|
       i.;イ:::;ハ、::゛、 """    ___      /:::::/     \::::礼::::/
       ソ レ  ` ヾヽ    ヽ´  ノ   ィ´::/リ        ̄ ̄
              ` 、__    ̄  , ' |!;/
                 _"_〕ー--‐'    |__
                /:.::/:|       |:/\


例によって本編はもう少しお待ちを……

8月まるまる休載とかそんなん考慮しとらんよ……
これじゃネリー書けないじゃないですか(憤慨)

後で(以下略)

眠気+暑さ=破壊力

遅れてすみません。はじめます




【 道草 ・ 1 】






長野、とある雀荘



久保 「――いいかお前ら!来年こそ全国だぞコラァ!!」



池田 「相変わらず怖いし……」

吉留 「それだけコーチも気合い入ってるんだね」

文堂 「そうですよね……キャプテンも卒業しちゃう訳ですし」

深堀 「……」



久保 「違う景色で打つのに慣れるのも大事だからな。今日は貸し切りだから存分に打て!」



< ハイッ!!






久保 「――で、福路よ」

美穂子 「はい」

久保 「なんで三年のお前までいるんだ?」

美穂子 「えっと、その……」

久保 「まぁ来るなとは言わねぇが」

美穂子(華菜たちが心配で……とは言えないわよね)

久保 「……お前は心配性過ぎんだよ」

美穂子 「え……?」

久保 「アイツらがそんなヤワに見えんのか?」

美穂子 「…………それも、そうですね」 ニコッ






   ―――ガチャッ……



久保 「ん?」

美穂子(あら……?)



祐太 「打てます?」



店主 「……あ、申し訳ないお兄さん。今日は貸し切りでして」

祐太 「え? 2階は?」

店主 「全部です。2階も」

祐太 「マジかよ……どんな団体さんスかそれ」

店主 「風越女子さんですよ」

祐太 「かぜ……こ…し…?」

店主 「当然知ってますよね?」

祐太 「アッハイ。勿論!」



てるてると打った後の話か




久保(……なんだあのチャラついた奴は)


祐太 「全部その風越女子さんが貸し切ってるんスか」

店主 「えぇ」



祐太(……ふーん。つー事はかなりの強豪なのか。照ちゃんの白糸台(だっけ?)と同じ感じで)

祐太(こりゃ良いタイミングで来れたかな? もう長野なんて寄ることないと思ってたんだけど)



店主 「……お兄さん?」


祐太 「あのー、見学とかって出来ないっスか?」


店主 「へ?」



>>36
そーです




久保 「あぁ? 見学だぁ?」

祐太(うわっ! この人怖ッ!)

祐太 「あ、あの……ほら、俺も一応は麻雀打ちだから風越サンの牌譜を少しでも参考にしたいなぁーって思って」

久保 「……」

祐太 「……」 ビクビク

久保 「お前…名前は?」

祐太 「み、水原祐太っス」

久保 「……」




久保 「……邪魔はするんじゃねぇぞ」 ギロッ


祐太 「は、はい!」 ビクッ






―――――――――――――――――――――――――――



祐太(……よっしゃ。そんなこんなで許可降りたぜ)


祐太(こんだけ部員がいりゃ面白ぇ打ち手も居るだろ。そいつらの打法を盗んでやる)


祐太(傀さんとタメ張るには攻め手が多いに越した事はないだろーしな)



  < ロン!

            < ポン!

    < ツモッ!



祐太 「……」



久保(……さっきまでヘラヘラしてやがったのにな。麻雀打ちだってのは嘘じゃねぇみたいだ)


美穂子(……)







【 A卓 】


ドラ:4p



部員1「リーチです!」


  9p東西 1 4八
  西北 6 8(リーチ)



部員2(親リーかぁ……)

    チャッ…

22389三四五六七3p5p7p   2


部員2(今のところ3着だし降りたくない。取りあえずタンヤオ狙いで……)


――打、8索




祐太 「……あーあ、そこ切っちまうのか」 ボソッ


久保(……ん? 何言ってんだ?)







次巡


部員2(思ったようには伸びないね)

22239三四五六七3p5p7p   九


部員2(まぁしょうがないか……)タンッ


        9
        索



部員1「――ロン! 12000です!」

4p5p6p4赤5699一一四五六



部員2(す、筋引っ掛け!? やられた……!)



祐太(……)







【 C卓 】


ドラ:六萬



部員3(……よし、張った)

六六七八八2p2p6p6p7p發發中   7p



部員3(オーラスだし打点もクリアしてるし、取りあえずダマで……)


――打、七萬




久保(アガれそうな単騎をとっかえひっかえ……か。まぁ妥当だな)


祐太 「……」







    チャッ…


部員3(……)

六六八八2p2p6p6p7p7p發發中   1p


部員3(1pは……うん。河の状況からして誰でも掴んだら切りそうだ)


部員3(よーし! 貰った!)タンッ


      中





祐太 「……無欲だねぇ」 ボソッ


久保(あァ?)







部員3 「――ツモ! 満貫でラストです!」

六六八八1p2p2p6p6p7p7p發發   1p



部員4「くわー捲られたぁー」

部員3(リーチなら一発だったけど、どっちにしろ1位だし関係ないよね)




祐太 「……」 フッ…



美穂子(笑った……?)

久保(なんだコイツ……自分なら曲げて即ツモ裏裏だったとでも言いてぇのか?)







【 D卓 】


ドラ:白



部員8(高目引き……)

34567三五七九3p3p3p4p   赤5p


部員(狙いは三色。三面張が残ってくれればベスト……)スッ


        九
        萬




祐太 「……見えてねぇなぁ」 ボソッ



久保(んだと? タンヤオ狙いで嵌張払うのがセオリーだろうが)

久保(……つーか全部聞こえてんだよさっきから)ギロッ







次巡


部員8(……!)

34567三五七3p3p3p4p赤5p   八


部員8(……裏目ったけどこれは仕方ない)


――打、八萬




美穂子(……)


久保(……このしくじりはデケェが状況的に誰だってタンヤオ三色に向かうだろう)


祐太「……」


久保(オイオイ、今度は自分なら索子の三面張に固執しねぇ……とでも言うか?)







次巡


部員8(……一手遅れたけど聴牌!)

34567三五七3p3p3p4p赤5p   四


部員8(三面張が残ったしこれならツモれる!)タンッ


        七
        萬


部員8「リーチ―――


部員9「――ロンです!」

六六六八123789   (546)




美穂子(一手遅れたせいで放銃……)

久保(……まぁ、こんな事なんてよくあらぁな)



祐太 「……」 フゥ…



美穂子(こ、今度はため息……?)

久保(……チッ)







――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



久保 「――水原祐太、だったな?」

祐太 「はい?」

久保 「どうだった? ウチの奴らを見て」

祐太 「うーん……そうだなぁ……」

久保 「思った事をそのまま遠慮しねぇで言ってみな」

祐太 「へぇ……いいんスか?」

久保 「あぁ」

祐太 「……そんじゃ遠慮なく」







祐太 「―――ぶっちゃけ大した事ないって思ったかな」


美穂子(……!)


   ざわ…    ざわ…


祐太 「店主さんから聞いたんだけど、過去の実績はどうあれインターハイに行けなかったのも納得できる」


吉留(っ……)


祐太 「校内ランキングとか付けてるらしいけど、それも所詮は井の中の蛙だなって」


文堂(!)


祐太 「……精々そこの池田って娘くらいか。まだマシなのは」


池田(むっ)


祐太 「このレベルで地区優勝してたとしたら……先輩達が相当強かったとしか思えないね」


久保 「……」







祐太 「……とまぁ、こんな感じっスかね? 言われた通り感じた事を正直に言いましたけど」



     シーン…



池田(こ、こいつ何様だし!)

吉留(こんな状況で……)

文堂(ストレート過ぎる!)

深堀(……)



久保 「……言うじゃねぇか、水原ァ……」 ゴゴゴ…



祐太(!?)ビクッ

池田(にゃっ!?)






久保 「確かに今年は不覚を取った。……だがそれでもコイツらは最後まで腑抜けた打牌は見せなかった」


美穂子(……!)

池田(コーチ……)


久保 「敗けはしたがそれだけは否定させねぇ。全部引っくるめて風越女子なんだ」


祐太 「……まぁそこまで言うつもりはないっスよ。結果をどう捉えてどう進むかは本人達次第だしね」


久保 「……」 チッ




池田(……くそ! 部外者にここまで言わせて下がってられないし!)






池田 「……水原祐太!」

祐太 「ん?」

池田 「さっきから偉そうだけどあんたはあたしらに勝てるのか!?」

祐太 「……」

池田 「座れし! 校内ランキング2位の華菜ちゃんが相手してやる!」

祐太 「……へぇ」



美穂子 「ちょ、ちょっと華菜……」 オロオロ



池田(……大丈夫ですよ、キャプテン)

池田(あたし達はいつもキャプテンに助けてもらってたんですから、たまには恩返しさせて下さい)

池田(キャプテン達が三年間支えてきた風越を……こんな部外者に弱いなんて言われたまま下がれません!)






吉留 「……華菜ちゃん、私も打つよ」

文堂 「わ、私も打ちます!」

久保 「お前らまで……」


池田 「これで四人揃ったな。早速始めるし!」


久保(ったく、特打ちの筈がコイツのせいで真剣勝負だ。……まぁいい)



久保 「吠えるんならまず自分の強さを証明してみろ……だとよ」




祐太 「……」 ニヤリ



今日はここまでで
また近い内に来ますねー

揺杏さんは裁縫どころか有り合わせの物でも簡単に料理できるくらいのレベルと見た(唐突)
節約術とか隠し味とかちゃっかり知ってそう。マジやべー

立絵の竜華かわいい
暑いけどもう少ししたら始めますー

あーつーいー

再開します




【 道草 ・ 2 】






 起親、水原祐太
 南家、吉留未春
 西家、池田華菜
 北家、文堂星夏



東一局、ドラは3索


    ガラガラガラ…


祐太 「……」

■ ■■■■ ■■■■ ■■■■



池田(あんなに侮辱されて引き下がれないし! フルボッコにしてやる!)



祐太 「……」

12558三七八4p5p東南北   南


――打、北



久保(あんだけ啖呵切ったんだ。生半可な強さじゃ納得しねぇぞ?)

美穂子(みんな……)







六巡目


   コツッ…


祐太 「……」

24556二三七八4p5p南南   南


――打、2索



吉留 「……」 タンッ

池田 「……」 タンッ

文堂 「……」 タンッ



祐太 「……」

4556二三七八4p5p南南南   一


――打、5索



美穂子(水原さんは一向聴……)







吉留 「……リーチです」 タンッ


  北3p四發 6 8
  九(リーチ)



池田(よっしゃーいけいけみはるん!)タンッ

文堂(ここは大人しくしとこう……)タンッ


美穂子(吉留さんのあの河と視点移動から考えると……恐らく対子手ね)



      チャッ…



祐太 「……」

456一二三七八4p5p南南南   七



美穂子(……水原さんも追い付いたけど)

久保(少し変な河とは言え八萬は間四間だ。どっちにしろ押しにくいが)







祐太 「……」

456一二三七八4p5p南南南   七


    タンッ…


     南



美穂子(暗刻落とし……?)

久保(オリか。親番の癖に臆病だな――)



吉留 「――ロン!」


1177南5p5p8p8p9p9p八八


吉留 「一発で6400です!」



祐太 「……おぉ」



池田(ナイスだしみはるん!)

文堂(水原さんも驚いてますね)







祐太 ・・・ 18600 (-6400)
吉留 ・・・ 31400 (+6400)
池田 ・・・ 25000
文堂 ・・・ 25000



久保(南を暗刻落としっつー事はオリ打ちで間違いねぇ)

久保(ハッ。オリたつもりが放銃たぁ随分と冴えねぇじゃねぇか)



祐太(……)



  ガラガラガラ…



……東二局、ドラは西






八巡目



文堂 「リーチです!」 タンッ


  北2p 7 8東6p
  3 一(リーチ)



池田(よーし!文堂もどんどこアガっちゃえ!)


      …チャッ


祐太(……)

二二六七1p1p3p赤5p5p4赤5白白   6p



久保(……まだ三向聴の状態でリーチが掛かった。しかも面子オーバーだ)

美穂子(どう捌くのかしら……?)







祐太 「……」 ツッ…


   白



久保(生牌の対子落としか)

美穂子(……でも、その牌は……)



文堂 「ロンっ!」

一二三三四五4p赤5p6p白白中中


文堂 「裏は乗りませんが満貫です!」

祐太 「へぇー……当たるモンだなぁ」 チャラ…




祐太 ・・・ 10600 (-8000)
吉留 ・・・ 31400
池田 ・・・ 25000
文堂 ・・・ 33000 (+8000)






東三局、ドラは9p

六巡目



池田(ダマ満聴牌だし!)


456788赤五六七6p7p8p9p   赤5p


池田(高目ならインパチ。いつものあたしなら即曲げだけど……)



祐太 「……」



池田(コイツに一発ドカンとかまして飛ばす! 華菜ちゃんがお灸据えてやるし!)


――打、4索



美穂子(華菜が聴牌したみたいね。恐らく待ちは筒子……)






    …チャッ


祐太 「……」 ファーア…

1p2p3p5p6p7p1223678   4p



久保(この点差でなんでコイツは悠長に欠伸なんかしてんだ)

美穂子(……セオリーならここは1-4-7p待ちでリーチだけど)



祐太 「……ほいっと」 パシッ


    7p



美穂子(えっ)

久保(……あァ?)







池田 「ロン!」


    パタッ!


56788赤五六七赤5p6p7p8p9p


池田 「高目で18000! トビ終了だし!」



祐太 「おぉ、高いね」



吉留(東三局でトビ終了……)

文堂(……この人、その、あんまり強くないというかなんというか……)

池田(この程度の腕で大口叩くとは片腹痛しだな!)フン




祐太 ・・・ -7400 (-18000)
吉留 ・・・ 31400
池田 ・・・ 43000 (+18000)
文堂 ・・・ 33000

終了




   ガラガラガラ…


祐太 「フンフフーン……」



美穂子(……)

久保(なんだコイツ……あんだけ振って挙げ句トビ終了したってのに鼻唄混じりかよ)



祐太 「……」 チラッ



久保(あァ? 何をチラチラ見てやがる)



祐太 「んー……まだみたいだから2回戦始めよっか」

池田 「へ? あぁ、上等だし!」



  2回戦開始

 起親、吉留未春
 南家、水原祐太
 西家、文堂星夏
 北家、池田華菜






   ガラガラガラ…


東一局、ドラは四萬



祐太(……)

三四四1p2p3p4p5p7p8p679



美穂子(配牌でドラドラ……一通も見えるし勝負手ね)

久保(今までずっと受け身だったからな。攻めも見せてみろよ)



祐太(……)チャッ

三四四1p2p3p4p5p7p8p679   六


祐太(今欲しいのはこういう誰も迷わないような配牌じゃねーんだよなぁ)


――打、9索







九巡目



池田(よーし)

12346789七八6p6p南   九


池田 「リーチだし!」 ガッ


     南



文堂(来た!)

吉留(流石華菜ちゃん……! 私は大人しくしとくよ!)



池田(……華菜ちゃん流『染め手と見せかけて対子手と見せかけて筋引っ掛けリーチ』だし!)


  八七 2 8 4五
  三 9南(リーチ)



池田(――ま、ここまでしなくてもさっきと同じようにすぐ振るだろうけどな!)



祐太 「……」 ニッ






   …チャッ


祐太(……)

三四四五六3p4p5p7p8p567   二



美穂子(水原さんも聴牌だけど単騎待ち……)


  八七 2 8 4五
  三 9南(リーチ)


久保(池田のあの河に筒子を押せるか?)



祐太 「そらっ」


   ――タンッ!


    六
    萬



美穂子(え?)

久保(んだと……?)ピクッ







吉留(水原さんは押して来てる……かな? よく分からないなぁ)

文堂(ど、どうせまたすぐ放銃しますよ!)

池田(入り目打たれたし……)グヌヌ



祐太(……ありゃ? 違ったか)



久保(回すにしたって筋の二萬・現物の三萬を切ってきゃ良いだろうよ)

美穂子(この人、もしかして……)



祐太(……)チャッ

二三四四五3p4p5p7p8p567   3


   ―――バシッ!


     5
     索







池田 「そいつだし!」

12346789七八九6p6p


池田 「6pが乗って満貫だし! やっぱり引っ掛かったみたいだな!」



祐太 「……」 ニッ



美穂子(……いえ、違うわ華菜)

久保(そいつは引っ掛かったんじゃない)



  ・ 池田の捨て牌

  八七 2 8 4五
  三 9南(リーチ)1


久保(池田のリーチの一発目、水原の手はこの形だった)


三四四五六3p4p5p7p8p567   二


久保(押すにしろ回すにしろオリるにしろ、この手から六萬を切るなんざ有り得ねぇ)







久保 「……池田」

池田 「はっ、はい!」 ビクッ

久保「入り目は九萬か?」

池田 「そ、そうですけど……」

久保(……)



美穂子(やっぱり……水原さんは差し込みに来てたのね)


  八七 2 8 4五
  三 9南(リーチ)1


久保(……だが差すにしてもこの河なら筒子か生牌の字牌をバラ打ちしそうなモンだ)

美穂子(なのに彼は六-九萬の筋、中筋引っ掛けの5索を切っていった。そして実際にその読みは当たってる)






吉留 ・・・ 25000
祐太 ・・・ 17000 (-8000)
文堂 ・・・ 25000
池田 ・・・ 33000 (+8000)



久保 「……てめェ、いい度胸してやがんな」 ギロッ

祐太 「普通に3コロトップ取ろうかとも思ったんだけどそれじゃ面白味なさそうだし……」 ピッ



    ガラガラガラ…



祐太 「だからこういう魅せ方もアリかなって。どうっスか? 俺強いでしょ?」



池田(は? 何言ってんだしコイツ?)






久保(……チッ)


久保(コイツらがいる手前、強がってはみたが水原がやってる事は相当難しい)


久保(リーチに対して一発差し込みさせるのも実はかなり確率は低いんだ)


久保(それをこの野郎はリーチだけじゃなくダマ聴に対しても読み切って聴牌後即差し込んでやがった。それもきっちり高目に)


久保(……そんなモン簡単に出来る芸当じゃねぇ。福路でも出来るかどうか……)







祐太 「……じゃあ東二だね。俺の親番だ」



池田 「上等だし!」

吉留(ここは絶対アガらせない!)

文堂(抑えてみせる!)



久保(……気を付けろよ。お前ら)

美穂子(水原さんは―――強い!)




今日はここまでで

多分次で終わりますー

ネリー出すにしても能力分からないからテキトーに書くしかないんですよね
それで良ければ……

人気な秀さんについては善処してみます(書くとは言ってない)

(以下略)

遅れて申し訳ない
そろそろ再開しますねー




【 道草 ・ 3 】






吉留 ・・・ 25000
祐太 ・・・ 17000
文堂 ・・・ 25000
池田 ・・・ 33000


   ガラガラガラ…


東二局、ドラは2p。



祐太(……)

1p3p7p8p9p1489南西北北   八


――打、南



久保(大して良かねぇな。チャンタ系か)

美穂子(染めるのも流石に難しそうね……)







次巡


祐太(……)チャッ

1p3p7p8p9p八1489西北北   7



久保(西か……決め打って4索か?)



祐太 「ほいっと」


   ――タンッ!


    8
    索



久保(!)

美穂子(出来面子崩し……!? 親番なのに何を――)



祐太(……)チャッ

1p3p7p8p9p八1479西北北   六


   ――タンッ!


    1p



久保(ドラ受けも拒否だと……?)







五巡目



祐太 「……」

3p7p8p9p六八13479北北   四


――打、9p



美穂子(ま、また出来面子崩し……!)


久保 「てめェ……手ェ抜いてやがんのか」 ギリッ


祐太 「まさか。要らねーのを切ってるだけっすよ」


    …タンッ


文堂 「リ、リーチです!」


池田(よし行け行け文堂!)







    北中發 2三(リーチ)



祐太 「ふーん。リーチねぇ」 チャッ…

3p7p8p四六八13479北北   5p


     タンッ…


     北



久保 「……一発差し込みは止めたのかよ?」

祐太 「あぁ、飽きたんで」

久保 「ホントいい性格してるな。お前」



文堂(さ、差し込み……!?)

吉留(もしかして今までの全部が!?)

池田(……どこまで馬鹿にするつもりだし……!)キッ







八巡目


   チャッ…


祐太 「さてと……」

3p5p7p8p四六八134679   6p


    ――タンッ!


     1
     索



美穂子(水原さんの雰囲気が変わった!)

久保(ここから追い上げようってのか?)



祐太 「……」


  ――ガッ!


   7
   索


  ――バシッ!


   9
   索



文堂(も、物凄い押されてる!)

吉留(でもその割りに張ってるようには見えないけど……?)







十五巡目



祐太 「……」 ト…ンッ


  南8 1p西9p北
  北 1 7 9九八
  七7p8p



文堂(な、なんだあの河……!)

吉留(訳が分からないよ……)


池田 「……ったく、なんだしその河は。三色出来てる上にチャンタも付いたんじゃないのか?」



祐太 「みたいだね」 タンッ…


    3
    索



池田 「……!」


祐太 「どしたの? さっきも言ったけど要らねーから切ってるだけだぜ」





   …チャッ


祐太 「……うし。張った張った」

■   ■■■■■■■■■■■■■


祐太 「つー訳で、追いリーするわ」 タンッ


      2p



文堂(ドラ……!)

吉留(そんな所を通すの……!?)



  南8 1p西9p北
  北 1 7 9九八
  七7p8p3 2p(リーチ)



文堂(この巡目で追い掛けられるなんて……)チャッ


11三四五五六七2p3p發發發   5


文堂(よりによって通ってないド真ん中……!!)タンッ







祐太 「……」 ファーア…



文堂(と、通った……)

池田(危機一髪だったな文堂!)タンッ

吉留(もうすぐ流局。それまで耐えれば―――)


   チャッ…


祐太 「……ツモ。 8000オール」


   バタリ!


3p3p4p赤5p6p四五六44566   赤5



池田(え……!?)

吉留(!!)

文堂(み、見逃し一発ツモ!?)







1p3p7p8p9p1489南西北北   八



久保(この野郎、このチャンタ三色の配牌を……)



3p3p4p赤5p6p四五六44566



久保(……まるまる入れ替えてタンヤオ三色にしやがった)



  南8 1p西9p北
  北 1 7 9九八
  七7p8p3 2p(リーチ)



美穂子(まるで道中をのんびり楽しむみたいに……)

池田(な、なんて嘗めくさった捨て牌だし!!)キッ




吉留 ・・・ 17000 (-8000)
祐太 ・・・ 41000 (+24000)
文堂 ・・・ 17000 (-8000)
池田 ・・・ 25000 (-8000)







東二局一本場、ドラは發

四巡目



祐太 「……」 タンッ

   發



池田 「ポンだし!」 パタッ!

   發發


池田(これで満貫確定聴牌だ!)


一二二二三四五2p3p4p   (發↑發發)



祐太 「……」


池田(みはるんと文堂からはアガらないし!山越ししてでも直撃してやる!)







祐太 「……」 トンッ…

    二
    萬


   タンッ…

    8p


   ツッ…

    四
    萬



池田(くっ……あたしのドラ3が怖くないのか!?)



祐太 「……リーチ」 タ…ンッ


   6
   索



文堂(よ、四連続で危険牌……!)

吉留(華菜ちゃん……)







   チャッ…



池田(……っ)

一二二二三四五2p3p4p   3p   (發↑發發)


池田(――ひよってられないし!)タンッ!


    3p



祐太 「 ロン 一発 」

池田 「にゃっ!?」


    パタリ……


  六六六1p2p6p7p8p456南南


祐太 「裏なし…3900は4200」



久保(こんな手でドラ3に全ツッパするたぁな……)

美穂子(……)







池田 「そ、そんな辺張であたしの満貫手に押して来てたのか! なんでそんなハイリスクなこと……」


祐太 「いや、だって勝てそうだったんだもん」


池田 「は……!?」


祐太 「別に良いじゃん。実際に一発でアガれたんだからさ」


池田 「……結果論だし、そんなの」


祐太 「もともと麻雀は結果論だろ。どうあれアガった奴が強いんだから」




吉留 ・・・ 17000
祐太 ・・・ 45200 (+4200)
文堂 ・・・ 17000
池田 ・・・ 20800 (-4200)






東二局二本場、ドラは6p

八巡目



祐太 「……」 チャッ…

5p6p6p6p7p34445二二三   四



美穂子(ドラ3含みのW中膨れで聴牌……)

久保(手変わり待ちだろうがダマでも親満だ。……チッ、こりゃ決まっちまうか?)



祐太 「リーチっ!」 タンッ!


    二
    萬



美穂子(え……っ)

久保(この野郎……!)



祐太 「……」 ニヤリ







文堂(ま、またリーチ……!)

吉留(断トツなのに……)

池田(くそ……さっきから良いところ無しだし!)



祐太 「 ツモ 」


    ――ガッ!


5p6p6p6p7p34445二三四   6p



吉留(うっ……!)

文堂(自分で6枚使いの中膨れ……!?)


     …コロッ

       4
       索


祐太 「裏ドラ5索……8200オール」



美穂子(裏ドラ表示牌に4索。つまりあの6pがラス牌……!?)ザワ…







池田 「ま、またそんな手で即リー……!? なんでだし……!?」

祐太 「……なんとなく引けそうだったから」

池田 「!」

祐太 「勝てそうなら押す。負けそうならオリる。それだけだろ?」

池田 「……な、なんとなく……だって……!?」




吉留 ・・・ 8800 (-8200)
祐太 ・・・ 69800 (+24600)
文堂 ・・・ 8800 (-8200)
池田 ・・・ 12600 (-8200)




池田(ふざけんなよ……! そんな訳の分からない理由であたしが……風越が……っ!)


祐太 「 御無礼……だね 」






美穂子(『御無礼』……まるであの人みたいね)



祐太 「――ツモ!」 ガッ!

二三三四四五六七3p4p赤5p5p5p   赤五



池田(ぬぐぐ……)

文堂(は、速いし高い……!)



祐太 「――ツモ!」 ガッ!

112233一三九九7p8p9p   二



吉留(嵌張一発ツモ……!?)

久保(……チッ。噴いてやがる)



祐太 「 御無礼だい! 」 ガッ!

444四四四五六4p4p4p8p8p   七







――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



祐太 「……さてと。そろそろお暇しようかな」 ガタッ


久保 「そうしろそうしろ。好き放題しやがって……」チッ


祐太 「つれないなぁ」 ハハッ



   コツッ… コツッ… コツッ…



池田 「――ま、待てし水原祐太!」


祐太 「ん?」 ピタッ


池田 「次は……絶対負けないし!覚悟しとけ!」


祐太(……!)






祐太 「……」


祐太 「……キミら、俺が思ってたよりずっと強いのかも知れないな」



池田 「当たり前だし!」



祐太 「でも残念だけど……多分これっきりだ」



久保(あ?)

美穂子(……)



祐太 「もう会うことはないだろーよ。それじゃあな」 ニヤリ



    カランカラーン……






文堂 「……はぁ……」 ギシッ


吉留 「強かったね、あの人……」


池田 「な、なんだしアイツ。出来る出来ないはともかく普通は形だけでも再戦の約束するもんだろ……」 ブツブツ…




久保(……あの野郎、最後の最後まで無邪気な人でなしだったな)




以上で終了です。

祐太についてはもう吹っ切れてどんどん人でなしにしていきますね(投げやり)

雑誌読みながら「宮永や荒川もかわいいし佐々野や多治比も強いんだけど」って言ってる揺杏さんに
ギリギリ聞こえるくらいの声で「お前も充分かわいいけどな」って呟いて反応を見てみたい(もう少ししたら再開します)

さーせん
今日こそ投下します。マジで




【 赤牌 ・ 1 】






とある旅館



秀(……あーァ良い湯だったぜ)スタスタ


秀(たまには一人旅ってのも悪かねぇモンだな)スタスタ



   タンッ…   タンッ…


    チャッ…

         …タンッ



秀(……ん? この音は……)






モブA「――ツモ! 2000,4000!」


モブB「ウボァー」

モブC「チクショー」

おっさん「ヤラレター」



秀(……ほぉ、自動卓と来たか)



モブB「じゃあ俺は抜けるわ。ひとっ風呂浴びてくらぁ」

モブC「俺も止めとくよ。お疲れ」

モブA「おう。またなー」

おっさん「またな」






おっさん「―――なぁ、そこのあんた」

秀 「俺の事かい」

おっさん「あぁ。打てるか? 見ての通り2欠けしちまって」


秀(……旅先でも麻雀か。どこまでも縁あるこった)フッ



おっさん「どうだい?」

モブA「折角だし打とうや」

秀 「……あぁ、構わんよ」


     ギシッ…


秀 「つってもこれでも3人だろ? 残り一人はどうするンだ」


おっさん「もう呼んであるぜ」 ニッ

モブA「ここの旅館の名物でもある娘をな!」






    ガララッ……


モブA「ほら、噂をすれば」

おっさん「おいでなさったぞ」

秀 「……」



宥 「お、お待たせしました……」 ペッコリン



おっさん「おう、今日は宥ちゃんか」

モブA「早速始めようぜ!」



 起親・モブA
 南家・秀
 西家・おっさん
 北家・宥



秀 「あぁ、聞き忘れてたが赤牌は入ってるのか?」

おっさん「おう。勿論だ」

秀 「……そりゃ結構」






東一局、ドラは7索。



秀(さて……)

1p2p3p4p一四四赤五八248西

秀(初っ端の配牌は可もなし不可もなし……だ)



モブA「……」 テンッ

   南



おっさん「……」 トンッ

   西



秀(こいつらは恐らくヘボだろう。ギャンブラーの空気を微塵も感じねぇ)



宥 「……」



秀(対面の厚着の嬢ちゃんはどうだかな? ……つーか見てるだけで暑苦しいぜ)






……十巡目



おっさん 「リーチ!」


  西北西5p發 8
  1p 2三五(リーチ)



秀(タンピンの切り出し……ではあるが四巡目の5pがやけに目立ってるぜ、旦那)


   4p赤5p5p■■■■■■■■■■■


秀(この形からの5p先切りだろう。赤を使い切りたいが為の典型的な切り出しだ)


秀(待ちは3-6p……9pまで伸びてるかも知れねぇ。次点で萬子の上だな)チャッ…


  2p3p4p三四四四赤五七2468   4p


     ――タンッ!


         4p







モブA「おいおい、ツモ切りかよ」

おっさん「押してやがるな?」


秀 「通る牌を切ってるだけだぜ?」


   ――タンッ!

    一
    萬


   ――パシッ!

    9
    索



おっさん(随分とイケイケじゃねーか)

モブA(その内刺さりそうだけどな)

宥(……)






次巡


おっさん「――よしツモった!」

4p赤5p6p7p8p234六七八九九   9p


おっさん「裏一丁で満貫だ!」


モブA「良い待ちだなー……5p切りが早ぇから3p出そうだったぜ」



秀(……思った通り大した事ねぇな、コイツら)



モブA ・・・ 21000 (-4000)
秀 ・・・ 23000 (-2000)
おっさん ・・・ 33000 (+8000)
宥 ・・・ 23000 (-2000)







東二局、ドラは中



秀(人鬼ばりに見して引いた親番だが……)


122348五六4p6p9p南白   9p


秀(ドラ無し赤無しと来た。どうしたもんかね)


――打、南



おっさん 「ポンッ!」 パタッ

    南南



秀(今回はチップ無しだ。当然門前に拘る理由も薄れらぁな)

秀 「こころ迷わす春の花ァ……と」







九巡目



宥 「……リ、リーチです」 タンッ…


  西9p發 2 4東
  九1p 赤5p(リーチ)



おっさん「赤切りでリーチか! 」

モブA「宥ちゃんにも負けてられないな」


秀(赤切り……か。捨て牌的には手なりに見えるが?)


     チャッ…


秀(手なりだとすりゃあの赤5pは孤立牌だろう。くっつき聴牌の一向聴だったのが別の所が埋まって聴牌った訳だ)


223468五六4p6p8p9p9p   7p







秀(こっちも一向聴。間に合うか?)タンッ


     4p



宥 「あ……ロンです」

秀(なに?)


    パタリ…


  一二三三四五77赤5p6p北北北


宥 「5200点です……」


  ・ 宥の捨て牌

  西9p發 2 4東
  九1p 赤5p(リーチ)


秀 「……ん? 赤5pが2枚あるじゃねぇか」

おっさん「は? 赤は4枚が普通だろ?」

モブA「何言ってんだい旦那」





モブA ・・・ 21000
秀 ・・・ 17800 (-5200)
おっさん ・・・ 33000
宥 ・・・ 28200 (+5200)



秀(赤が4枚……か! とんだ所で躓いたモンだ)ケッ


   ガラガラガラ…


秀(まぁいい……5200くらいくれてやる。玄人の赤牌の使い方ってヤツを見せてやるぜ)



東三局、ドラは2p



おっさん 「……」 タンッ

宥 「……」 タンッ

モブA「……」 タンッ

秀 「……」 タンッ






七巡目



秀 「……リーチと行こう」 タンッ


  9p北 1中發一
  赤五(リーチ)



モブA(赤切りリーチか)

宥(あったかいのに……)



おっさん(……あの河。極端に変な所はねぇ)チャッ


四四五七八1p2p2p3p3p4p赤55   九


おっさん(となると手なりだろう。単純に使えなかった赤五萬でリーチ……六-九萬か別の色か?)

おっさん(五萬が現物なのは百も承知だが、ここは……)


     ――パシッ


      四
      萬







秀 「ロン……一発ウラ無しで満貫だ」


     パタン……


 4p4p4p5p5p6p6p7p五六234



おっさん「は……? 五萬あるのか!?」

モブA「おいおい、なんで赤の方を切ってんだい?」


秀(……あんたらみたいなヌルい旦那方が相手だからだよ)フッ



宥(……)プルプル…



モブA ・・・ 21000
秀 ・・・ 25800 (+8000)
おっさん ・・・ 25000 (-8000)
宥 ・・・ 28200






   ガラガラガラ…


東四局、ドラは8p



宥(お、親番……)

24679六八1p2p6p西中中   赤五


――打、西



宥(もっとあったかいの来て……)チャッ


24679赤五六八1p2p6p中中   8


――打、八萬



宥(もっと……)







八巡目



秀 「リーチだ」 トンッ


  1 3p1p北三東
  9 赤5(リーチ)


モブA「……また赤牌切りかよ」

おっさん「贅沢なこった」


   チャッ…


宥(……)

246789赤五六5p6p7p中中   8


宥(あの捨て牌……上の三色で筋引っかけもあるよね?)プルプル…

宥(あったかい牌だけど……)タンッ


     中







……次巡



宥(……)

2467889赤五六5p6p7p中   七


    タンッ…


      中



おっさん(宥ちゃんは対子落としか)

モブA(親が回ってるならチャンスなんだけどな……)


秀 「……」 ニヤリ



宥(……)チャッ

2467889赤五六七5p6p7p   7


宥(役無し単騎待ちだけど聴牌……)







  ・ 秀の捨て牌

  1 3p1p北三東
  9赤5(リーチ)西九



宥(……)

2467889赤五六七5p6p7p   7


宥(あったかくないし……取りあえずこれかな……)スッ


     2
     索



秀 「――そいつだ嬢ちゃん」

宥 「え……?」



     パタッ!


 5p6p7p2277四五六七八九



秀 「裏1で2600。シケた手だな」 ククク…

宥(……!)







おっさん(手変わり三色も赤牌も棄ててノミ手かよ……!)

モブA(ひょっとしてさっきからワザとやってやがるのか……!?)



宥(あ、あったかくない……)プルプル…



モブA ・・・ 21000
秀 ・・・ 28400 (+2600)
おっさん ・・・ 25000
宥 ・・・ 25600 (-2600)




秀 「止まるも行くも風まかせ……と」



     ガラガラガラ…



秀 「――さて、南入だな?」



今日はここまでで

秀さん難しい(真顔)

(略)

ごめんなさい
すみません
申し訳ない
投下します




【 赤牌 ・ 2 】





モブA ・・・ 21000
秀 ・・・ 28400
おっさん ・・・ 25000
宥 ・・・ 25600



南一局、ドラは6索

十巡目



モブA「リーチだ!」 タンッ

1p2p3p4p5p6p8p9p12333


  西東南八 9一
  三四6p赤5(リーチ)



秀 「おいおい赤牌切りかい」

モブA「あんたが言うなよ」

秀 「ククク……違ぇねぇ」 ス…


     パタッ…


    67



秀 「んじゃ遠慮なく貰うぜ、その赤」






モブA(ちっ……さっきまであんだけ切ってた癖に飛び付きやがって)

おっさん(まぁ、これで一発は消えたが)



秀 「……」 トンッ…

   6p



おっさん「……」 タンッ

宥(……)タンッ

モブA「……」 パシッ



秀 「……」 トンッ…

   6p



宥(現物の対子落とし……)プルプル…

おっさん(オリたのか?)






モブA(……これで俺から6pが4枚見えた)


1p2p3p4p5p6p8p9p12333


モブA(他家からもワンチャンス。7pが出やすくなったぜ――)



秀 「――ツモ! 1000,2000だ」 ガッ

7p7p8p8p二三四234   7p   (赤567)



モブA(何っ? 7pだと!?)

おっさん(6pを対子落としして……?)




モブA ・・・ 18000 (-3000)
秀 ・・・ 33400 (+5000)
おっさん ・・・ 24000 (-1000)
宥 ・・・ 24600 (-1000)







南二局、ドラは四萬


   ガラガラガラ…


秀 「……」

■   ■■■■■■■■■■■■■



宥(この人さっきからずっとあったかくない……)プルプル…

宥(でも……強い……!)




六巡目



秀 「リーチだ!」 ガッ


  1p白9p赤517(リーチ)



おっさん(……くっ、ツイてやがるな)

モブA(また赤切り……引っ掛けか?)







二巡後



宥(……)

4567三五五七七赤5p5p6p7p   六


宥(4索を切れば567三色の一向聴。4索が切れれば……)チラッ



  1p白9p赤517(リーチ)
  八7p



宥(……)プルプル…


宥(見たところ通りそう。でもこの人は今までずーっと赤牌を引っ掛けに使ってた……)


宥(……あったかい牌だけど、ここは現物の方を……)タンッ


     7
     索







モブA「……」 タンッ

秀 「……」 タンッ


    チャッ…


おっさん(……む、こっちも張ったか)

445三四五七八九九3p4p赤5p   九


おっさん(5索は現物だが三色が崩れる……か。迷うまでもねーな!)



  ・ 秀の捨て牌

  1p白9p赤517(リーチ)
  八7p



おっさん(デカイの食らわせてやるぜ!)



   ――バシッ!


     4
     索



おっさん「追っかけリーチだ!」







秀 「――おっとそいつだ。リー棒は引っ込めな」

おっさん「なに!?」



     パタッ!


 2p2p8p8p33466六六八八



モブA「す…4索単騎!? その捨て牌で!?」


秀 「チッ、裏無しか。助かってるぜ旦那」


おっさん「よっぽど赤牌が嫌いなんだなお宅は!」 ガシャッ



宥(……さ、さむいぃ……)プルプル…



モブA ・・・ 18000
秀 ・・・ 43000 (+9600)
おっさん ・・・ 14400 (-9600)
宥 ・・・ 24600






南二局一本場、ドラは2p


   ガラガラガラ…


秀 「あたしゃ寂しい雪女ァ……と」



おっさん(畜生!なんだこいつは!)

モブA(厄介な奴を入れちまったな……連荘させる訳にはいかねーぞ)


   ガラガラガラ…



宥(……あったかい手、来て……)チャッ…


3p赤5p7p239三四六七南北中






六巡目



宥(……)

3p赤5p7p23468三四六七八   二


――打、8索



七巡目



宥(……)

3p赤5p7p2346二三四六七八   5


――打、6索



八巡目



宥(……)

3p赤5p7p2345二三四六七八   5


――打、3p



秀(ドラ傍切り……対面の嬢ちゃんは聴牌か?)







秀(……)チャッ

1p2p3p4p6p7p四赤五112東東   東


――打、2索



秀(こっちはようやく一向聴……のらりくらり行こうか)



十巡目



宥 「……ツモ」

赤5p7p23455二三四六七八   6p


宥 「1100,2100です……」



  ・ 宥の捨て牌

  北南 9發中 8
  6 3p一六



秀(……ん? 最終手出しは3pだったろ?)







秀(ダマ聴に受けるなら普通は234三色を見据えて7p切り……この形だろうよ)


  3p赤5p23455二三四六七八


秀(しかも2pがドラなんだから尚更だ)

秀(嵌4pより嵌6pの方がアガれると踏んだのか? 場を見た限りじゃどっちも変わらないが)



宥(あったかーい……)ポワーン



秀(いや、嬢ちゃんなりの判断材料があった……っつう事か)



モブA ・・・ 16900 (-1100)
秀 ・・・ 40900 (-2100)
おっさん ・・・ 13300 (-1100)
宥 ・・・ 28900 (+4300)



さーせん
少し中断します

蜀埼幕縺励∪縺吶?




南三局、ドラは一萬



宥 「……ツモ。1300,2600です」

二三四赤五六七6p7p8p8p123   赤5p




南四局オーラス、ドラは白



宥 「ロン。3900点です」

七八九4赤567中中中   (1p1p1p→)




モブA ・・・ 11700
秀 ・・・ 39600
おっさん ・・・ 10700
宥 ・・・ 38000







秀(……さっきから対面に赤が寄ってやがるな)



……南四局オーラス一本場、ドラは4索


   ガラガラガラ…



秀(……)チャッ…

4p赤5p5p8p二五七167889


秀(……こりゃお誂えな配牌だ)



宥(……)



秀(確かめてやるよ……嬢ちゃん)ニッ






十巡目



秀 「リーチだな」 カツン…


  1 二北五8p 2
  南中 9赤5p(リーチ)



おっさん(またまた赤切りかよ!!)


モブA(―――と言いてえ所だが、赤5pに限っては違うんだよな)


おっさん(なにせ二枚入ってるんだ。さっきの宥ちゃんみたいに両面だとしたらこんな形からの赤切りリーチの可能性もある)


  赤5p赤5p6p    4p赤5p赤5p


モブA(だから筒子の傍聴もまだ有り得る。もう一枚の赤5pが見えりゃ話は変わるが……)






おっさん(……最初は現物だ)タンッ

宥(……)トンッ

モブA(安牌……)タンッ



秀(……)ニッ



二巡後



宥(……2枚目の赤5p……)

1p2p3p5p6p四五六六八中中中   赤5p


宥(……)チラッ



  1 二北五8p 2
  南中9赤5p(リーチ)九9p



宥(今度こそ……)タンッ


     6p







秀 「……ロン。裏1で3900は4200」


    パタリ…


4p5p三四五七七567789



秀 「残念だったなァ嬢ちゃん。終了だ」


宥(え……!? まだ5pがあるの……!?)

モブA(とことん赤切りかい)

おっさん(これで何回目だよ!)



モブA ・・・ 11700
秀 ・・・ 43800 (+4200)
おっさん ・・・ 10700
宥 ・・・ 33800 (-4200)

終了





秀(……赤5pが2枚あるって事は、赤5p切ってリーチした所で傍聴の可能性は拭えねぇ)


秀(それを切ってくるとしたら勝負手なのか、壁や筋を頼ったか……)


秀(あるいは自分の目から赤5pが2枚とも見えてるか……だ)



宥(……) プルプル…

1p2p3p赤5p5p四五六六八中中中



秀(赤5pが2枚ってのは最初は面喰らったが本質は変わらねぇ)


秀(いや、むしろ自分以外に赤を持ってる奴―――つまりツイてる奴の炙り出しに使える)






秀 「ククク……そうかいそうかい。やっぱり嬢ちゃんだったかい」


おっさん(は?)

モブA(何言ってんだ?)




   ガラガラガラ…



秀(さっきから赤牌が嬢ちゃんに偏ってるフシもある)


宥(……)プルプル…




秀(……どうやら当面の相手は嬢ちゃんみたいだな)

秀(明日の朝にはここを出るが……それまではよろしく頼むぜ、嬢ちゃん)ニヤリ



以上で終了ですー

本当はもう一話続けたかったんですがアレなので止めました…

玄ちゃん入れると秀さんのテクが無駄になっちゃうからなぁ……

それと次回の投下まで少し間が空くかもなので、例によってリクエストがあればオナシャス

リクありがとうございます(書けるとは言ってない)

あと、参考程度に鷲巣麻雀やるとしたらどの面子が良いですかね
できればあんまり傀さんと打った事ないキャラで……

面子に困った時の久&キャップ&ゆみちんですかね……(投げやり)

あと、自分で書くって言っといて申し訳ないけどもう少し時間かかりそうです
鷲巣麻雀マジやべー

透明牌の方が割合高いんでどっちかって言うと通常牌の方を [ ] で囲む感じですかね?
後で来れたら来ますー

投下ー




【 硝子 ・ 1 】






とある雀荘



安永 「……またですか」

店長 「えぇ」

安永 「新しい物好きには困ったモンだ……」 ハァ

店長 「まぁそう言わずに」

安永 「……で、今度はどんなルールを取り入れようってんですか?」

店長 「えーっとですね……」



―――――――――――――――――――――――――――






―――――――――――――――――――――――――――



安永 「……4枚の内3枚が透明なガラス牌で」

安永 「山は積まずに卓の中央の穴からツモって、捨て牌の合計が70枚になったら流局」

安永 「配牌は同じく中央の穴から2枚ずつ引いてくる……と」



店長 「えぇ。大まかなルールはそんな感じです」

安永 「3枚が透明牌……なんつーか、やってみん事には色々と分からんですな」

店長 「ですね。十七歩と同じく奥が深いですよ」

安永 「で、例によって俺らに布教の手伝いをして欲しいと」

店長 「まぁ……そうなりますね。はい」






安永 「声は掛けてみますが期待はせんで下さいよ?」

店長 「またまたご謙遜を。この前なんて何十人と集まったじゃないですか」

安永(あれは殆ど久の奴が集めたんだが……)

店長 「流石は安永6段です」

安永 「……まぁとにかく、多河たちから順に当たってみますよ」

店長 「ありがとうございます」



安永(……まーた面倒な事になったな……)






――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



……数日後



    カランカラーン…



美穂子 「……失礼します」

加治木 「こんにちは」

安永 「ヨォお二人さん。悪いな来てもらって」

美穂子 「いえいえ。全然構いませんよ」 ニコッ

安永 「今回は君達しか集まらなかったからなぁ」

店長 「いやぁ……来ていただいて本当に助かりましたよ」






加治木 「……ところで久はまだ来ていないんですか?」

安永 「ん? 俺はてっきり君達と一緒に来ると思ったンだが」

加治木 「何も聞いていませんが……」

安永 「俺もだ」

店長 「……まぁ、それでしたら先にお二人にルール説明をさせていただきますね」

加治木 「はい」

美穂子 「よろしくお願いいたします」



―――――――――――――――――――――――――――






―――――――――――――――――――――――――――



店長 「――という感じです」

美穂子 「なるほど……」

加治木(3枚がガラス牌か。心理戦の要素が強くなっているな)


    ピロリーン


店長 「?」

美穂子 「この音は……?」

安永 「あぁ俺だ。久からメールみたいだ」

加治木(本当に仲良いんだな……)

安永(どれどれ)



  『嫌な予感がするから今日は行けません。ごめんね(テヘペロ)』



安永(……)






美穂子 「……安永プロ?」

加治木 「久はなんと?」

安永 「あー……そうだな……風邪引いて来られないだとよ」

店長 「そうですか……」

安永(ったく。なんだよ嫌な予感ってのは――)



    ――コンコン



安永(……ん?)

店長 「あ、お客さんですかね。皆さんちょっと待っていて下さい」


安永(オイオイ、まさか……)






   ガチャッ……



傀 「打てますか?」



美穂子(!)

加治木(あ、あの男……!?)

安永(傀……!)



傀 「……」 コツッ…コツッ…


安永 「よぉ傀。ここのところ妙に縁があるじゃねぇか」



店長(……どうします?)

安永(そりゃ打つしかないでしょう。幸い他の二人も奴の事を知ってますし、それほど危険ではないと思いますが?)






店長 「えーっと、少し長くなりますが今回のルールは―――」


傀 「……結構です  始めましょう」



    ガラガラガラ…



美穂子(卓を囲むのはこの前の十七歩以来ね……)

加治木(そして今回も特殊ルールときたか)



  起親、安永萬
  南家、傀
  西家、福路美穂子
  北家、加治木ゆみ



安永(……果たして人鬼はどんな打ち筋を見せるんだろうな)




>>332の通りガラス牌は普通に、 [ ] で囲まれてるのが黒牌って事でオナシャス




東一局、ドラは六萬(ドラ表示:[五])



安永(……成る程な。配牌取った時点で異常さが分かるぜ)フッ


245[8]一[三]七八九[3p]4p西發   五


安永(配牌から十枚がガラス牌で他家に丸分かりか。奴さんらはどうかな?)チラッ



美穂子 「……」

三四■九11■66■北■中



加治木 「……」

356■二■六八■1p2p3p4p



傀 「……」

一四四七■2p4p■■7■東■







六巡目



安永(……さて、面子選択だ)

457[8]一[三]五七八九[3p]4p5p   5p



美穂子 「……」

二三四■11■66■■中中



加治木 「……」

■56■二六■八■1p2p3p4p



傀 「……」

四四■七■2p4p6p7p8p■■7



安永(見たところ二萬も四萬も薄そうだ。萬子の両嵌は死んだも同然……か?)タンッ


        一
        萬



店長(……透明牌だとこういう面子選択があると最善手を選びやすいな。裏目る事が少なくなりそうだ)






次巡

加治木 「……」 チャッ…

[4]56[一]二六[七]八[九]1p2p3p4p   中


加治木(生牌の中か……)チラッ



美穂子 「……」

二三四■11■66■■中中



加治木(あの中対子。まだ聴牌ではないだろうが……)


加治木(……いや待て、対子の隣にある黒牌が中の可能性だってある)


加治木(既に暗刻ならこの中は安牌だが……仮に対子で鳴かれたら恐らく聴牌される)


加治木(私の手は愚形の一向聴だし、無理に押す必要もないか)







加治木(それなら……)タンッ

    1p



安永(ガラス牌の中を止めたか)


美穂子(やっぱり見えてる牌―――特に字牌は絞られやすくなるわね)


店長(さっきみたいに自分の有効牌がどれだけ使われてるかは一目瞭然だけど、逆に透けてるからこそ切れなくなる事もあるんだな)


安永(やはり奥が深いってのは本当みたいだな)



傀 「……」






――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



加治木(実際に打ってみるとよく分かるな)タンッ

美穂子(なまじ見えてしまうから切れなくなる……)タンッ

安永(今のところ全員が全員、臭い牌を全部押さえに回っちまってる)タンッ


店長(そのせいでまだ誰もアガれてないな……)




……南二局、ドラは4索(表示牌:3)






美穂子 「……」 タンッ



安永 「ポンだ」 パタッ…

   [發]發



加治木(黒牌の方の發も持っていたか……)チラッ



安永(……)

二三■八■4566■   (←發[發]發)



加治木(これ以上副露させるのは得策じゃない。この辺りなら鳴けないだろう)スッ


     二
     萬



安永 「そいつはチーだな」 パタッ

    三[四]



加治木(6索の隣の黒牌……四萬だったのか!)

美穂子(……やっぱりそういう使い方もできるのね)







三巡後



安永 「―――ツモ。500,1000!」

 二[三]八[八]456   一  (二三[四])(←發[發]發)



安永(こういう小技はあまり性に合わないンだがな……)

店長(初アガリは安永6段か)

加治木(やはり流石だ。こちらも負けてられないな)


美穂子(……私の親番ね)スッ…


安永(ん)

加治木(眼を開いた? 今回は早いな)







南三局……



美穂子(……)チャッ

2p3p[4p]6p[7p]3557[白]白[南]南   七



安永 「……」

3p4p5p6p■8p三三五■■八■



美穂子(安永プロの視線移動から考えて今回の理牌は正常。肝心の黒牌が何かだけど……)



  ・ 安永の捨て牌

  中[西][一] 9 9 8
  二[1p]八



美穂子(まず筒子……私の手に黒牌の7pがあるから、安永プロのあの黒牌は恐らく6pか8pのどちらか)


美穂子(そして萬子。見た目的には五六七八九に見えるけど……)


美穂子(少なくとも萬子近辺の黒牌に八萬は無い。安永プロの捨て牌には八萬があるし、暗刻から一枚切ったとは考えづらいもの)


美穂子(やっぱり萬子近辺は順子が出来てると考えるべきかしら。安永プロは最速で一向聴ね)







―――――――――――――――――――――――――――


    パタッ…


加治木 「……流局で終了ですね」

美穂子 「……」 フゥ…

店長 「どうでしたか?」

安永 「確かに奥が深いですが、いつも以上に考える事が増えちまってますな」

加治木 「……しかしやりがいはありますよ」

美穂子 「そうですね」 クスッ

店長 「それはそれは。何よりです」



安永(……)






傀 「……」 チボッ…



加治木(傀…さんは例によってノー和了ノー放銃の無反応か)

美穂子(もうルールも把握した頃かしら……)


安永(特殊ルールでの勝負だったとはいえ過去に打った事ある面子相手に見をしていたっつー事は……)


安永(無反応ながらも肚ン中ではどうやって俺達を出し抜くか考えてる……いや、あるいはもう決まってるのかもしれん)


安永(……そうなんだろ? 傀!)



今日はここまでで
描写分かりづらかったらごめんなさい
次はなるべく早く来られるように頑張りますー

リーチかけた後に傀さんの手牌から黒牌が全て切られて
振り込むとわかってるのに振り込まされるとかありそう

>>380
(エスパーかな?)


ぼちぼち再開しますー




【 硝子 ・ 2 】






安永(……例によって大人しいお前さんだが、肚ン中で俺達を倒す算段を立ててるんだろう傀?)


傀 「……」 フッ…



  起親、安永
  南家、傀
  西家、福路美穂子
  北家、加治木ゆみ



東一局、ドラは西(表示牌:南)



安永(……)

[1]44二三三四五[七]七2p2p9p   8p



店長(まずまずか……1索切りですよね?)







安永(普段なら迷わず1索切りだが……いかんせん黒牌なんだよな)


[1]44二三三四五[七]七2p2p9p   8p


安永(第一打目でわざわざ黒牌を切ってやる事もないか。さっきみたいにわざと別の位置に入れて迷彩も施せるし……)


――打、9p



加治木(第一打に少考していたが……)

美穂子(安永プロの手が一番速そうかしら?)



安永(……)

■44二三三四五■七2p2p8p







六巡目



美穂子(……)

三[四][六]六七八九九九5p6p35   3


――打、六萬



   チャッ…


加治木(……)

[一]一二[三]2p4p5p5p116南南   [2p]



店長(取りあえず5p切り……かな?)



加治木(……)チラッ…



安永(……)

■44二三三四四五■七2p2p


傀 「……」

1p1p2p3p7p■678■9東東







加治木(……)

[一]一二[三]2p4p5p5p116南南   [2p]


    ――タンッ

     [三]
      萬


店長(え? 三萬? 黒牌なのに……)



加治木(……)チラッ… タンッ

   二
   萬



加治木(……)チラッ… タンッ

   6
   索



安永(……さっきから加治木は手出しの連打だな)

美穂子(あの視線移動……もしかして……)







二巡後



加治木 「―――ツモ」

[一]一[2p]2p4p5p5p11南南北北   [4p]


加治木「800,1600」



美穂子(三萬、二萬、6索……やっぱり)

三■■七八九九九5p6p335



安永(俺達の手に使われてて薄い牌から切っていったか)

■44二三三四四五■七2p2p



傀 「……」

1p1p2p3p7p■678■9東東



加治木(他家の手を判断材料に使えるんだ。山に残ってると分かればバレバレな待ちにも喜んで受けるさ)






安永萬 ・・・ 23400 (-1600)
傀 ・・・ 24200 (-800)
福路美穂子 ・・・ 24200 (-800)
加治木ゆみ ・・・ 28200 (+3200)


   ガラガラガラ…


東二局、ドラは7p(表示牌:6p)


    チャッ…

       チャッ…


傀 「……」

   發8  1p■ ■■  2p■



加治木(傀さんの親番……)

美穂子(そろそろこのあたりで動いてもおかしくない)

安永(どうやってガラス牌を使ってくるのか……その傀にこの二人がどうやって立ち向かうのか……)







傀 「……」

1p2p2p4p6p■■278■■東發


    タ…ンッ


     1p



加治木(見たところ対して良い手ではないな)

美穂子(傀さんの親は長引かせても良い事はないし、すぐ流さないと……)



安永(……ふむ)チャッ…

1p[6p]9p9p[二]五八[九]3[7]東白[中]   1


安永(俺ほどじゃないが奴の手もさほど良くない。悪いが俺は早々と高見の見物といかせてもらうぜ、お二人さん)

安永(黒牌が5枚あろうが明らかに愚形……だしな)タンッ


     五
     萬



店長(……安永さんは配牌でオリ打ちか)







七巡目



美穂子(聴牌……)

3p4p5p6p8p一二三四234[4]   一



加治木(……あの形。張ったか)

安永(一枚しか黒牌がないから流石にバレバレだぁな)

店長(役無しドラ嵌張か……234もあるしダマですよね?)



美穂子(……)チラ…



傀 「……」

2p2p3p4p6p■■78五■東東


加治木 「……」

二三四■六■3■8p9p中中中


安永 「……」

3p■9p9p■■13■東西白■



美穂子(仮に筒子近辺の黒牌が7pだとしてもガラス牌の方の7pは誰の手にも見当たらない)

美穂子(どちらかと言えば2pや4pの方が薄そうね。それなら……)







     4
     索



美穂子 「……リーチ」


店長(へぇ……即リーですか)


加治木(……)タンッ

安永(……)タンッ

傀 「……」 ツッ…



美穂子 「――ツモ。2000,4000です」


     パタッ!


3p4p5p6p8p一一二三四23[4]   7p



店長(一発……!? 強いな!)

安永(良い読みしてるぜ……)







安永萬 ・・・ 21400 (-2000)
傀 ・・・ 20200 (-4000)
福路美穂子 ・・・ 32200 (+8000)
加治木ゆみ ・・・ 26200 (-2000)


    ガラガラガラ…


傀 「……」



加治木(二回戦目の親番でも動かずか)

美穂子(でも傀さんは常に警戒しておいて損はないわ)

安永(……間違いなくこの半荘の内には動くだろうな)



東三局、ドラは九萬(表示牌:八)






九巡目



加治木(……)

[五]六六[七]八2p3p5p[5][6]南南[發]



美穂子(……)タンッ

    南



加治木 「……ポン」 タンッ

    2p


加治木(こちらが2枚持っているのが見えてる風牌を切ってくるとは……そろそろ煮詰まってきてるな?)



安永 「……」 タ…ンッ


傀 「……」 ツッ…







三巡後



加治木(……よし)

[五]六[七]八九3p3p5p[5][6]  四  (←南南南)


――打、5p



加治木(待ちの部分が丸々黒牌だ。これなら筒子待ちか索子待ちか迷うだろう)



  ・ 加治木の捨て牌

  北一[北] 6西 9
  [9p]1 2p[發]5 5p



安永(加治木も聴牌か……?)チャッ…

二二二[四]六六七4p5p[4]567   [7p]


安永(……チッ。余計な筋を持って来ちまった)






加治木(……)

四■六■八九3p3p■■  (←南南南)



安永(……最終手出しは5pだった)

二二二[四]六六七4p5p[4]567   [7p]


安永(筒子を押すよりは―――むしろこっちか?)スッ


    7
    索



加治木 「ロン。2000点です」

四[五]六[七]八九3p3p[5][6]  (←南南南)


安永(ぬっ……!)







安永萬 ・・・ 19400 (-2000)
傀 ・・・ 20200
福路美穂子 ・・・ 32200
加治木ゆみ ・・・ 28200 (+2000)



美穂子(……両面塔子の部分がどっちも黒牌となると読み違いが増えてくる)

安永(今のは完全に一本取られたぜ)


   ガラガラガラ…



東四局、ドラは5索(表示牌:[4])



安永(……人鬼がまだ動いてねぇってのに現在暫定ラスかい)


3678一[二]五[1p]5p7p東西中


安永(……この配牌か。しかも今回の黒牌はあまり使えなさそうと来た)






―――――――――――――――――――――――――――



加治木 「――ツモ! 1300オール!」

345[9]9二[三]四[九]九  九   ([中]↑中中)



美穂子(捲られた……!)

安永(ちっ。さっきから払ってばっかだぜ……)


店長(だんだん福路さんと加治木さんの勝負になってきてる……)


傀 「……」


店長(この人はまだ動かないのかな?)



安永萬 ・・・ 18100 (-1300)
傀 ・・・ 18900 (-1300)
福路美穂子 ・・・ 30900 (-1300)
加治木ゆみ ・・・ 32100 (+3900)







東四局一本場、ドラは3p(表示牌:2p)


   チャッ…   チャッ…


加治木(……)

345[1p]3p6p8p二[三]五[七]七八   四


――打、[1p]



店長(ナイス第一ツモ……! この局も加治木さんのアガリか!?)


美穂子(加治木さんの配牌が良さそう……)

安永(まじぃな)



傀 「……」 ニヤリ



加治木(――!)

美穂子(傀さんが笑った……!)

安永(遂に仕掛けてくるのか!?)







八巡目


加治木(……)チャッ…

345[2p]3p5p二[三]四五[七]八九   4p


加治木(二-五萬か2-5pか……)チラッ



安永(……)

7■8二三四■■九7p7p南南


傀 「……」

2p4p6p■■■四五六六七■九


美穂子(……)

■1p3p3p6p9p一一一二■西西



加治木(2-5pなら殆ど山にいるようだ)







加治木(しかも私の手は他家から見るとこの形だ)


  345■3p■5p■四五■八九


加治木(これで待ちを絞るのは中々難しいだろう)スッ…


     二
     萬


加治木 「……リーチです」



  [1p]8p南6p七東
  7 二(リーチ)



安永(チ……傀じゃなくこっちが曲げて来たか!)

店長(速いな……)






安永(ツキ始めてる親を蹴るのは南家の務めなンだが……)


        チャッ…


安永(……ここを引くんじゃオリだな)


7[8]8二三四[五][六]九7p7p南南   三


安永(安牌は……と)チラッ



  [1p]8p南6p七東
  7 二(リーチ)



安永(……こいつか)タンッ…


    7
    索








傀 「 ……チー 」 ニヤリ




安永(!)

加治木(傀さんが動いた!)

美穂子(ようやくね……)




店長(あれ? なんだこの鳴きは……!?)



今日はここまでで。
次回もなるべく早く来ますね
次かその次で終わると思いますー

ぼちぼち再開しますー




【 硝子 ・ 3 】



387で2pが5つありましたよ?

>>418
うわっマジだ。すみません
>>387に関しては安さんの手の2pを3pあたりに脳内変換オナシャス

中断して申し訳ないっす
再開しますね




東四局一本場、ドラは3p(表示牌:2p)


八巡目



安永(親リーか……)

7[8]8二三四[五][六]九7p7p南南   三


安永(……)チラッ



加治木(……)

345■3p■5p■四五■八九


  [1p]8p南6p七東
  7 二(リーチ)



安永(合わせ打つしかねぇな)タンッ


     7
     索







傀 「7索……チー」



店長(――えっ!? それ鳴くの!?)



加治木(傀さんが動いた!)

美穂子(一発消しかしら……?)

安永(いや、後ろで店長が釘付けだ! 何をするつもりだ傀!?)



傀 「……」 ニヤリ


   ぱた…


   [5] [6]






加治木(……!)

美穂子(普通の両面チーに見えるけど……多分違う)



傀 「……」 ツッ…

    6p



安永(ヤロウ……一体何を企んでる?)



傀 「……」

2p4p[4]四五六六七[九]九   (7[5][6])



店長(……456三色を捨てて出来面子チー? 何やってるんだ?)







傀 「……」 タンッ!


   [4]
    索



安永(……黒牌切り!? しかも出来面子チーだったのか!!)


傀 「……」 ギラッ


美穂子(傀さんのあの視線……加治木さんに向いてるような……)チラッ



加治木(……)

345■3p■5p■四五■八九



美穂子(―――!)ハッ


美穂子(ま、まさか……!)


安永(分かったぜ……! 傀の狙いが……!!)







加治木(…くっ…)

345■3p■5p■四五■八九



美穂子(傀さんは通常牌の4索5索6索のありかをわざと皆に明らかにする事で、加治木さんの待ちを限定させたのね)


安永(通常牌は4枚のうち1枚だけだ。しかも俺の手牌や加治木の河を鑑みると……)


  [8]8二三三四[五][六]九7p7p南南


  ・ 加治木の捨て牌

  [1p]8p南6p七東
  7 二(リーチ)六



安永(345索の隣の黒牌は索子じゃねぇな。7索も切ってるし、8索の黒牌は俺の手だ)

安永(萬子の方も黒牌の五萬六萬は俺の手の内だし、六萬に至っては傀の手にも対子で純カラだ)

安永(となると待ちは筒子……しかも上の方は切られてるってぇ事は2-5pか4-7pだな?)






傀 「……」


   ――ツッ


    4p



加治木(!)

美穂子(4-7pも通るとなると……)

安永(待ちは2-5pの一点か。ハハッ……傀の奴め、なんて簡単な消去法にしやがる!)



加治木(やられた……!)

345[2p]3p4p5p[三]四五[七]八九



美穂子(しかも自分の手を捨てて……)



傀 「……」 フ…






―――――――――――――――――――――――――――



美穂子 「ノーテン」 パタッ

安永 「俺もノーテンだ」 パタリ

傀 「ノーテン……」 パタン…



加治木 「…………聴牌です」

345[2p]3p4p5p[三]四五[七]八九



美穂子(やっぱり2-5p待ちだったのね)

安永(……そろそろ傀が動く頃合いか。剣呑だな)



安永萬 ・・・ 17100 (-1000)
傀 ・・・ 17900 (-1000)
福路美穂子 ・・・ 29900 (-1000)
加治木ゆみ ・・・ 34100 (+2000)

供託:1





    ガラガラガラ…


東四局二本場、ドラは6索(表示牌:5)



美穂子(初めて傀さんが動いた……つまり見は終了したという事ね)


安永(前の局の鳴きはどっちかってーと受けの鳴きだったからな。今度は攻めに転じるだろう)


加治木(連荘二本場の親番だがここは流れても――いや、親被りしても構わない)



傀 「……」

[1]356二五[1p][5p]7p[南]北北白



店長(黒牌は4枚でそこそこだけど形が悪いな……どれだけ他家への威嚇に使えるかが問題だけど)






四巡目



傀 「……」 チャッ…

[1]3456五[5p]7p8p[南]北北白   白



安永(……ん)

美穂子(傀さんに白が対子……)

加治木(白は生牌か。黒牌の方は既に誰かが持っているかも知れないが)



傀 「……」 トンッ…

   [南]



店長(配牌はイマイチだったけどツモは悪くない。役牌がなんとか捌ければ初アガリできるかも)


安永(上家は俺だ。出来る限りは絞ってやらぁ)







六巡目


傀 「……」

[1]3456五[5p]7p8p北北白白   [4]


    タ…ンッ


     五
     萬



七巡目


傀 「……」 スッ

[1]3[4]456[5p]7p8p北北白白   9p


      ツッ…


    [5p]



店長(手は進んじゃいるけど、この調子だと待ちが文字通り透けちゃうな)







美穂子(傀さんは最低でも一向聴)

加治木(端の黒牌が何かによっては聴牌している可能性もあるが)

安永(……)


    …チャッ


傀 「……」

[1]3[4]4567p8p9p北北白白   5



店長(13枚中12枚がガラス牌だけど聴牌だ)




傀 「……リーチ」 タンッ…


  二一[1p][南]發五
  [5p][1](リーチ)







安永(リーチだと?)

加治木(あの手で……?)



傀 「……」

3■45567p8p9p北北白白



美穂子(普通に考えれば北と白のシャンポンだけど)チャッ…


美穂子(……!)


7[7][8]89二三五五六七2p[3p]   [白]


美穂子(北の黒牌は安永プロの捨て牌にある。これで北と白のシャンポン待ちが確定したわ)


――打、二萬







加治木(北と白のシャボでリーチか)


二四[六]1p1p6p56[發]發發東東   4


加治木(傀さんのあの黒牌は4索なのか)


――打、6p




安永(待ちがバレてるならいっそ曲げてやれ……ってか?)


一一[三]三四五2p4p4p6p7p[中]中   3p


安永(そんな手じゃあ掴まない限り誰もオリねぇぞ? 即リーで自分から逃げ場を無くすなんてらしくねぇじゃねぇか傀よ)


――打、4p



傀 「……」







二巡後


   チャッ…


加治木(……っ!)

二四[六]1p1p56[發]發發東東   北



店長(あ!?)

美穂子(掴んだ……!)

安永(御愁傷様だな)



加治木(くっ、余計な物を!)

加治木(だがこれが当たり牌だと分かってる以上……切る訳にはいかない)スッ…


        二
        萬



美穂子(流石に回ったみたいね……)

安永(ま、当然だろう。傀の手はありゃ言わばプンリーしてるようなモンだ……自分から飛び込む訳にはいかんわな)

店長(普通の差し込みとは訳が違いますからね……)







十二巡目



安永(――ヌッ!?)

一一[三]三四五2p3p4p6p7p[中]中   白



加治木(安永プロまで……!)

美穂子(これで私の黒牌の白を含めて全員が傀さんの当たり牌を掴んだ)



安永(ちっ、一向聴までこぎ着けたンだがな……)タンッ


    中



傀 「……」 フッ…



安永(あの野郎……笑ってやがる!)







安永(『掴まない限り誰もオリない』じゃねぇ。むしろ『掴んじまったらオリざるをえない』……だ!)


    タンッ…
           タンッ…


安永(仮に回し打って同聴になったとしても、互いに純カラで聴牌までしか辿り着けない事が殆どだろう)


    タンッ…
           タンッ…


安永(わざと安目に振って場を進めるのも1つの手だが……相手は人鬼だ。差し込みそのものが致命傷になりかねん)




傀 「……聴牌」


    ぱたり……


3[4]45567p8p9p北北白白



美穂子(やっぱり只のシャンポン待ち……)

加治木(こっちの手も悪くはなかったが)

安永(掴んじまったばっかりにオリる羽目になっちまったぜ……!)






    ガラガラガラ…


傀 「 流れ三本場で南入ですね 」



安永萬 ・・・ 16100 (-1000)
傀 ・・・ 19900 (+2000)
福路美穂子 ・・・ 28900 (-1000)
加治木ゆみ ・・・ 33100 (-1000)

供託:2



南一局三本場、ドラは9p(表示牌:[8p])



安永(俺の親番だが…マズイな。仮にここで傀にアガられたら次の奴の親番で爆発されるかもしれん……!)



傀 「……」 チボッ…



安永(どうする……!?)






四巡目



美穂子(……)タンッ

   中



傀 「 中……ポン 」 ツッ…

   [中]中



加治木(一鳴き……!)

安永(くそっ! 追い付けねぇか!?)



傀 「……」

三四五五六6p■8p東東   ([中]中中→)



店長(今回も一目瞭然……四-七萬待ちだ)






    チャッ…


美穂子(……!)

2p3p5p6p7p七[八][九]九24[8]9   四


――打、九萬



    チャッ…


加治木(!)

67[7]9[二]二[三]三4p5p[東]西西   七


――打、9索



    チャッ…


安永(ちっ……また掴んだか)

六七[2p]4p5p7p[9p]123[5][6]南   四


――打、南



店長(ま、また全員が傀さんの当たり牌を即座に掴んだ……!?)







美穂子(傀さんの手が安いのは分かってるけれど……)

加治木(ここで振ると、恐らく――)




傀 「 御無礼 」


  三四五五六6p[7p]8p東東   [七]   ([中]中中→)


傀 「 ……ツモりました  300,500の三本付けです 」




安永(ぐっ……!)



安永萬 ・・・ 15300 (-800)
傀 ・・・ 23900 (+4000)
福路美穂子 ・・・ 28300 (-600)
加治木ゆみ ・・・ 32500 (-600)

(供託2本)







安永(……な、なんなんださっきから!)


安永(どうしてバレバレな待ちしか聴牌できない奴がここまで好き勝手できる……!?)


安永(俺達が知らない間にいつのまにか人鬼の流れになっちまったのか!?)




傀 「 ……では南二局です 」 ニヤリ




今日はここまでで
たぶん次で終わります

急に申し訳無いんだけどここの>>1って歳いくつ?

>>466
かいのーさん以上すこやん以下ですよ(濁し)


もう少ししたら再開します頑張ります

もうホントにごめんなさい

今度こそマジで再開します。マジで




【 硝子 ・ 4 】






安永萬 ・・・ 15300
傀 ・・・ 23900
福路美穂子 ・・・ 28300
加治木ゆみ ・・・ 32500



南二局、ドラは發(表示牌:[白])

十巡目



傀 「……リーチ」


    コンッ…


  [中]白[東][1]九2p
  [8]9p[發][一](リーチ)



美穂子(うっ……!)

加治木(『御無礼』後の親リーか……!)






傀 「……」

■二四四五五六2p3p4p5p■7p



店長(今回も殆どがガラス牌……)

安永(見ての通りなんの捻りもない萬子待ちだろうが―――)



美穂子(……)

三三四[五]七七11[3]3[5]發發   六


――打、[5]索



加治木(……)

[四]六八1p2p[3p]4p5p7p8p3[4]5   三


――打、1p



店長(二人ともまた掴んで回った……!)

安永(攻撃は最大の防御たぁ良く言ったモンだな!)







傀 「 ツモりました 」


 [二]二四四五五六2p3p4p5p[6p]7p   [六]


傀 「裏が乗って6000オールです」



安永萬 ・・・ 9300 (-6000)
傀 ・・・ 41900 (+18000)
福路美穂子 ・・・ 22300 (-6000)
加治木ゆみ ・・・ 26500 (-6000)



美穂子(っ……)

加治木(一撃で逆転されたか!)

安永(奴の連荘……これはマジぃな)







南二局一本場、ドラは八萬(表示牌:[七])



傀 「……」

六七■八八八6p■9p■3東東



店長(うわっ…!?)

美穂子(傀さんの配牌にドラ暗刻……!!)

加治木(いや――ドラ表示に黒牌の七萬が使われてる以上、萬子付近の黒牌は八萬の可能性だってある!)

安永(つまり槓子の可能性まである……やっぱり仕上がってやがるか!)



傀 「……」 ニヤリ…


   …トンッ


   9p






六巡目


   チャッ…


傀 「……」

六七■八八八6p■■78東東   6


    ――ツッ


    6p



  ・ 傀の捨て牌

  9p西[1] 3二6p



美穂子(あの形で6p切り……)

加治木(張ったか)

安永(いつもの傀なら即リーでも良さそうな手だが?)



傀「……」 フッ…



安永(まぁ張ってない可能性も無くはないがな……)







    チャッ…


美穂子(筒子の上の黒牌は殆ど見えてない。5-8p待ちの高目三色か嵌7p待ちの確定三色か……)


 5p6p7p8p[9p]3[4]567五[六]七   [2]


美穂子(張った。これで傀さんと同聴……)


――打、[9p]



加治木(……二人とも聴牌か?)タンッ

安永(さっきから蚊帳の外だぜ……)タンッ



傀 「……」

六七■八八八■■678東東   ■



店長(黒牌……何を引いたんだろう?)







傀 「……」 ツッ…


   東



加治木(東の対子落とし……タンヤオに向かったか)

安永(親満は確定してるってのにまだ伸ばすのか! 随分余裕だな!)



    チャッ…



美穂子(……)


5p6p7p8p[2]3[4]567五[六]七   東


美穂子(これなら傀さんの対子落としを狙い打てる!)


美穂子(仮に見抜かれたとしても東を抱えさせて回し打ちはさせられるわ……!)



    ――タンッ!


     8p







傀 「 ……ロンです 」


    ぱたり…


 六七[八]八八八[6p][7p]678東[東]



美穂子(っ!?)


安永(あ、あの福路が―――)

加治木(放銃した……!?)



美穂子(引いた黒牌は東……暗刻になったのにガラス牌を切って対子落としに見せかけた!?)

美穂子(す、少し考えれば充分有り得る待ちなのに……!)



傀 「 御無礼 」



安永萬 ・・・ 9300
傀 ・・・ 60200 (+18300)
福路美穂子 ・・・ 4000 (-18300)
加治木ゆみ ・・・ 26500



ちょっとだけ中断
すぐ戻ります

再開します



   ガラガラガラ…



南二局二本場、ドラは1索(表示牌:9)


七巡目



傀 「……」 タ…ンッ


   2p



美穂子(ま、また傀さんに聴牌気配……)

加治木(ではあるが……一体なんなんだあれは)



傀 「……」 ニヤリ

■■■■■■■■■■6p6p6p



安永(今度は10枚が黒牌かよ! そんなもん分かるか!)





   チャッ…


加治木(1種類の牌に二枚以上黒牌がある事は有り得ない。つまり順子手だ)


23456789[一]二[三]2p[4p]   8


加治木(いや、そもそも張っていない可能性もあるが……)



傀 「……」 チボッ…

■■■■■■■■■■6p6p6p



加治木(くっ……! どうする? 現物の2pを切るか?)

加治木(だが6pを暗刻で持たれている以上、2pを切ってしまうと4pがほぼ確実に浮いてしまう。その上4p自体が切りにくい)

加治木(…………)







    スッ…


加治木(……こういう時は素直に打つしかない)

加治木(取れる聴牌は取って……)


    …タンッ


       9
       索



傀 「 御無礼 」


    バタリ!


[1][2][3][4][5][6][7][8][4p][5p]6p6p6p



加治木 「な……っ」 ガタッ

美穂子(!!)

店長(ぜ、全部黒牌で一通!?)

安永(エグいぜ……)




あっ
>>492のゆみちんの4pはガラス牌のミスです



安永萬 ・・・ 9300
傀 ・・・ 72800 (+12600)
福路美穂子 ・・・ 4000
加治木ゆみ ・・・ 13900 (-12600)



店長(特性上かなり珍しい平和手の直撃だったな)

安永(御無礼の嵐……傀がこうなっちまった以上、止めるのは至難だぞ)



傀 「……では三本場です」



    ガラガラガラ…



南二局三本場、ドラは5p(表示牌:[4p])



加治木(ここまで後手を踏んでいたのは、当たり牌を掴んで回し打ちさせられたのが主な原因だ)

加治木(あからさまな当たり牌を掴めば誰でも躊躇う。そこを面白いように突かれた)

加治木(だが、逆にこちらが先制聴牌できていれば……)






八巡目



加治木(……よし!)


一[二]三三四5p5p6p[7p]7p[8p][9p]9p   8p


加治木(間違いなく彼より速く聴牌できた。断トツとは言えドラ2が見えている手に真っ向から攻めてくるとは限らない)


――打、6p


加治木 「リーチ!」


  九北[北] 8 9七
  1p6p(リーチ)



店長(おおっ)

安永(ほう……傀に先んじたか)

美穂子(これで傀さんの手が止まってくれれば良いけど……)







加治木(どうだ……! 対子手にも平和手にも見えるだろう)

一■三三四5p5p■7p■8p■9p



    ――チャッ


傀 「……」

■三四五六■3p4p5p■234   5


    ツッ…

     [6p]



次巡


傀 「……」

■三四五六■3p4p5p2345   2


    ツッ…

    [一]
     萬



安永(傀も手が伸びてるな)

加治木(まずい――追い付かれたか!?)







そして次巡


    チャッ…


傀 「……」

三四五六■3p4p5p22345   七



美穂子(ツモ発声がない。でも聴牌は確実ね)

安永(今度は12枚がガラス牌かよ……なんて偏りだ!)




傀 「……リーチ」 タンッ…


    [2p]



加治木(―――!!)

美穂子(こ、これは…)

安永(ったく。いい性格してるぜ……)



傀 「……」

三四五六七3p4p5p22345



店長(ぜ、全部ガラス牌……!? まるでわざと見せつけてるみたいだぞ……!)







加治木(くっ……いとも簡単に追い付かれた挙げ句に全てガラス牌でリーチだと!?)


        チャッ…



傀 「……」 ニヤリ



加治木(……)


一[二]三三四5p5p[7p]7p[8p]8p[9p]9p   八




美穂子(つ、掴んだ!)

安永(しかも一発で…か)

店長(でも切る他ない……!)







加治木(こうも悉く裏を掛かれると………もはや呆れさえするよ)



     ト…ンッ


     八
     萬




傀 「 御無礼 」







――――――――――――

―――――――――

――――――

―――




安永 「……ふぅ……」 ギシッ…

店長 「お疲れ様です」

安永 「いやはや疲れましたよ。本当に」

店長 「あれから傀さんの爆発が凄かったですね。その中で2着を取り続ける安永6段も流石でしたが」

安永 「ま、他の二人よりずっと傀との付き合いは長いですからね。引き際は熟知してるつもりです……でも」

店長 「でも?」






安永 「麻雀での2着なんて4着と変わりはしない。1着以外はどれも同じなんです」

安永 「どれだけ浮きの2着を取ろうが、それは勝った事にはならない」

安永 「強い奴ってのは本当に一位に飢えてるンでさぁ」

安永 「少なくとも浮いたからヨシ……なんてまず考えないでしょうね。そもそも――」


店長 「や、安永6段……?」


安永 「……!」


安永 「あ、いや……すみません。忘れて下さいや」






安永(あーイカンイカン。奴と打つといつもこうなっちまう)ガシガシ


安永(メンタルまで硝子並みに脆くなっちまいそうに…な)


安永(……ったく。つくづく質の悪い呪いだぜ)



以上です。
遅くなってゴメンナサイデシタ……

多分、衣を再登場させるとしたらvs祐太になりそうかな?
もう人鬼と遭遇しそうになると渋川さん並みの護身を発動して卓まで辿り着けないんじゃないですかね(テキトー)

水曜あたりに投下予定ですー

毎度申し訳ない……
投下します




【 王者 ・ 1 】






   ガラガラガラ…



初瀬(……南三局11200点持ちのラス目……トップとは22000点差……)


   チャッ…  チャッ…


初瀬(最後の親なのにこの手って……!)


1489四七2p8p9p東南西北   5p


初瀬(……なんなんだ一体……!)イライラ



おっさん「どうした嬢ちゃん?」

爺「親が切らなきゃ始まらんぞ」



初瀬 「……っ! わ、分かってます!」







初瀬(……ここのところずっと嫌な事ばっかりだ!)イライラ


初瀬(団体戦は予選で敗退……そのくせ阿知賀に行った憧はインターハイだし……)イライラ


初瀬(私が間違ってたとでも言うのか……!?)イライラ


初瀬(それなら私だって阿知賀に行けば……もしかしたら……!)イライラ




爺(……この嬢ちゃん、晩成高校だよな?)

おっさん(見るからに不調っつーか……ピリピリしてんなぁ)

店主(この前の予選敗退が相当ショックなんだろうな。まぁそれも当然か)






五巡目



おっさん「よーし! リーチだ!」


   9 6發一中(リーチ)



爺「速ぇなぁ。ラス前なんだしのんびり行こうぜ?」

おっさん「へっ……1着になれるかどうかの瀬戸際だからな!」



初瀬(こんな時に限って五巡目リーチ……! )


468二四七1p2p5p8p9p東南   九


初瀬(安牌は6索だけ……でも6索を切ったら完全に手が死んじゃう)







店主(……この流れだとマズイだろうな)コポポポ…


    コトッ…


店主「……お茶入れましたんで、どうぞ」


初瀬(……)


店主(僕の声が聞こえないくらい集中してる…。勿論悪い意味で)



初瀬(ラス目の親だしオリなんてもっての他……!)


468二四七1p2p5p8p9p東南   九


初瀬(押さなきゃ勝てない!麻雀はアガらなきゃ勝てないんだ!)タンッ!



     南







おっさん「……ロンだ」

三四赤五五六七12344南南



初瀬(!!)

爺(これはキツいな……)

おっさん(悪いな嬢ちゃん。これも勝負なんでな)



初瀬(っ……!)ギリッ



店主(不調に重なるように不幸か。これは同情するよ)

店主(僕の経験上、こういう時は大人しくしてた方が良さそうなんだけど……)






傀 「ではオーラス……振ります」 ピッ



     カラカラカラ…



店主(……大人しいと言えば下家の3着の彼もそうだな)チラッ


店主(さっきから放銃・和了どころか鳴きもなし。2着と3着を行ったり来たりしてる)


店主(久々に……いや、もしかしたら初めて喋ったんじゃないか?)



――南四局オーラス、ドラは四萬。






    ガラガラガラ…



初瀬(……またこんな配牌か)ハァ…


7p三六八133669西北北   白


初瀬(ダメ元で染めてこう……)


――打、7p



店主(やっぱりバラバラ……。染めるにしても聴牌は遥か遠くだ)

店主(でも無理せずオリるタイミングを見誤らなければまだまだ次戦で挽回はできますよ?)



傀 「……」 フッ…







六巡目



初瀬(……)

六八133669西北北白發   7


店主(思った通りには伸びないな)


     ……タンッ


     八
     萬



傀 「……ポン」 パタ…

■■■■■■■■■■■   (←八八八)


      ツッ…


  2p4p 8 3 9 1p
  中



おっさん(若い兄ちゃんは萬子の混一か)

爺(親満ツモで捲られちまう。なんとかせんとな)






    チャッ…


初瀬(……)

六1336679西北北白發   西



店主(ようやく四対子だ……)



初瀬(……)タンッ

   六
   萬



傀 「……チー」

■■■■■■■■   (六四五)(←八八八)


   ツッ…


  2p4p 8 3 9 1p
  中一



おっさん(張ったか……?)

爺(ちぃとヌルくねぇかい嬢ちゃん?)







八巡目


初瀬(……)

1336679西西北北白發   6p


――打、6p



九巡目


初瀬(……)

1336679西西北北白發   1p


――打、1p



十巡目


初瀬(……東は二枚切れだし……)

1336679西西北北白發   東


――打、東







十一巡目


   チャッ…


初瀬(!)

1336679西西北北白發   東


初瀬(な、なんでこんな薄い東を持って来るんだっ……!)タンッ!


       東



十二巡目


初瀬(……また不要牌……)イライラ

1336679西西北北白發   三


    ――パシッ!


     三
     萬



おっさん(ん……!?)

爺(おいおい、そりゃぁ―――)







傀 「 ……ロンです 」


    ぱたり…


二三四四五九九   (六四五)(←八八八)



初瀬(あ……!!)


傀 「24000でトビ終了……逆転しました」


おっさん(ちっ!)

爺(マジかよ……)

店主(……)



傀 「……どうやらここまでのようですね」 ニヤリ…



    ガチャッ…… バタン







初瀬(……)



  ・ 傀の捨て牌

  2p4p 8 3 9 1p
  中一5赤5p6p發



初瀬(あんな明らかな染め手の河に対して二向聴から萬子切り……か)


初瀬(……)


初瀬(はは……)


初瀬(……何やってんだろ、私……)






――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



……翌日、晩成高校



初瀬 「……」 ズーン…



やえ 「……初瀬の奴どうしたんだ?」

巽 「昨日ボロ負けしたらしいです」

やえ(なんだ、その程度の事か……)



初瀬 「……」 ズーン…



やえ(……全く。仕方のない後輩だ)






やえ 「初瀬」

初瀬 「うぅ……小走先輩……」 グスッ

やえ 「風の噂で聞いたけど、負けたんだって?」

初瀬 「はい……」

やえ 「たった一度の敗けで折れてたらこの先持たないぞ。お前も来年はレギュラー入りを果たすんだろ?」

初瀬 「……一度じゃないです」

やえ「へ?」

初瀬(県予選で敗けて……中学時代の友達に敗けて……知らない人達に敗けて……)

初瀬 「……不安になるんです。40年間…ここ9年間ずっと全国出場してたのに……」

やえ 「……」

初瀬 「私らの代からずっと予選敗退しちゃったら……」






初瀬 「私は晩成が最強だと思って入ったのに……」

やえ 「……」

初瀬 「私……私は間違ってたんじゃないかって……」

やえ 「だったら来年はぶっちぎりで優勝すればいい。今年も全員で全国へ行きたかったが……阿知賀の方が強かった。それだけさ」

初瀬 「小走先輩……」

やえ 「……それに、信じろ」

初瀬 「え?」

やえ 「それでも晩成は強い」

初瀬 「……でも……」

やえ 「……」



やえ 「全く。仕方のない後輩だ」 フッ



―――――――――――――――――――――――――――






―――――――――――――――――――――――――――



とある雀荘



やえ 「……ここか。昨日お前が打ってた雀荘は」

初瀬 「そうです……」

やえ 「先月できたばかりの店じゃないか」

やえ(……こういう店にはニワカ麻雀打ちがが集まりやすいものだが……)

初瀬 「……あの、先輩。本当に行くんですか?」

やえ 「あぁ。言っても信じないなら実際に見せるしかないだろう?」 スッ



    ガチャッ……



店主 「――いらっしゃい」






店主 「あぁ、晩成高校の生徒さんじゃないですか。お二人ですか?」

やえ 「いや、打つのは私だけです」

店主 「今オーラスでラス半が一件入ってるんで、もう少しお待ちを」

やえ 「分かりました」



やえ(……立ってるのは1卓だけか。どれ……)



おっさん 「ポン!」

爺 「おっと……お急ぎだな?」

モブ「負けてられっか! こっちもチーだ!」



やえ(あの三人……なかなか良い指をしてる。見た感じキャリアは10年から長くて30年ってところだな)






やえ(そして残るはあの黒服だが……)




傀 「……」 タンッ…




初瀬(あ……あの人……!)


やえ(……豆どころか皺もほくろも無い指だ。私と同じく相当打ち込んでるのか、あるいは牌を握って間もないニワカなのか……)





     ガラガラガラ…


店主 「……終局ですね」

モブ 「かぁー! 負けた負けた!俺は抜けるわ!」

店主 「では1名様ご案内します。どうぞ、小走さん」


初瀬 「先輩……」

やえ 「安心しろ、初瀬」 フッ






    ギシッ…


やえ 「――よろしく」

おっさん 「おう。よろしく頼むぜ」

爺 「よろしくな嬢ちゃん」

やえ 「…………そちらさんは?」



傀 「 傀…と呼ばれています 」 チボッ…





やえ(……なんだか無愛想な男だな)


やえ(まぁいい。王者の打ち筋を見せてやる! 刮目しろ!)



今日はここまでで

次はなるべく早く来ますー

今週号の揺杏さんクッッッソ美人
反吐が出るほど可愛い
マジやべー

ちょっと休載多すぎませんかねぇ……

こっちは多分明日になりそうです。さーせん

揺杏さんマジやべー

それじゃぼちぼち投下しますね




【 王者 ・ 2 】






 起親 ・・・ 傀
 南家 ・・・ おっさん
 西家 ・・・ 小走やえ
 北家 ・・・ 爺



東一局、ドラは二萬



やえ(……)

二三六六七1p2p3p赤5p7p8p49



初瀬(……一面子に両面が三つ。悪くない)



やえ(……)チャッ

二三六六七1p2p3p赤5p7p8p49   7p


――打、9索







九巡目


やえ(……)

二三六六七1p2p3p赤5p6p7p7p8p   6p



初瀬(張った。ドラ跨ぎだし出る待ちじゃないしツモ狙いで即リー…ですよね?)



やえ(……)タンッ…

   七
   萬



初瀬(あれっ?)

店主(3900を黙聴? 手変わり待ちかな…)



爺 「七萬、チーだ」 タンッ

■■■■■■■■■■   (七八九)







次巡


おっさん(赤引き……か)

四五六七八2p3p4p11355   赤五


――打、五萬



爺 「ロン! 2000だ!」

一二三四六9p9p789   (七八九)



おっさん「ちぇっ、五萬なんてどうやっても出ちまうぜ」


やえ(……)



傀 ・・・ 25000
おっさん ・・・ 23000 (-2000)
やえ ・・・ 25000
爺 ・・・ 27000 (+2000)







東二局、ドラは北

八巡目



爺 「……リーチっと」 タンッ

  七九1p1p 9西
  四北(リーチ)



おっさん「んじゃ俺も追いかけるぜ。親リーだ」タンッ

  中西 8發2p1p
  東二二(リーチ)



店主(一巡の間に二軒リーチ。横移動を願うしかないですね)



やえ 「……」 タンッ

初瀬(小走先輩は即オリ……)


傀 「……」 トンッ…

初瀬(あの傀って人も……)






おっさん 「……こ、こりゃマズイな」 パシッ


      2
      索



爺 「そいつだ! 裏無しで3900!」

23344三四五6p7p8p南南



傀 ・・・ 25000
おっさん ・・・ 18100 (-4900)
やえ ・・・ 25000
爺 ・・・ 31900 (+4900)



やえ(……)パタッ

■■■■■■■■■■■■■


傀 「……」 パタッ

■■■■■■■■■■■■■






    ガラガラガラ…


東三局、ドラは1p



やえ(……親番か)

一三六七九九2p6p7p9中白白   八


――打、9索



爺 「……」 タンッ

   白

やえ(……)



店主(一鳴きはせずですか)

初瀬(染められそうだったのに……?)







おっさん「……」 ポイッ

   白


爺 「……」 タンッ

   九
   萬


やえ(……)



初瀬(九萬も2枚目の白もスルーですか!?)

店主(まるでアガる気がないような……)


    …チャッ


やえ(……)

一三六七八九九2p6p7p中白白   一


――打、中



傀 「……」 ニヤリ







十二巡目



爺 「よーしリーチだ!」 タンッ



おっさん 「――ワリィな、ツモった!」

四四赤五五七八九1p2p3p3p4p5p   四


おっさん 「ドラドラで1000,2000だな!」

爺「ちっ。一回くれぇ引かせてくれや」

おっさん「手変わり前にツモっちまったがリー棒分得したぜ」




傀 ・・・ 24000 (-1000)
おっさん ・・・ 23100 (+5000)
やえ ・・・ 23000 (-2000)
爺 ・・・ 29900 (-2000)







やえ(……)パタッ

■■■■■■■■■■■■■



傀 「……」 パタッ

■■■■■■■■■■■■■



初瀬(結局、小走先輩は配牌からオリ打ち気味だった……)

店主(この若い兄さんもだ。ていうか二人ともさっきからずっとこんな感じだな)



傀 「……」 チボッ…



やえ(この対面―――傀と言ったか。未だ動きがない。そのせいでニワカなのか判断がつかないな)

やえ(王者である以上、こちらはいつでも挑戦を受ける準備は出来ているぞ?)






―――――――――――――――――――――――――――



東四局、ドラは7索



爺 「――ツモ!2600オール!」

二三四六七七七789  六  (東↑東東)




東四局一本場、ドラは六萬



おっさん「ロン! 6400は6700だ!」

六六2p2p3p3p6p6p1166中



おっさん 「南場で捲ってやるよ」

爺「やってみろや」 ハハッ



傀 ・・・ 21400
おっさん ・・・ 27200
やえ ・・・ 20400
爺 ・・・ 31000







やえ(……)パタッ

■■■■■■■■■■■■■



傀 「……」 パタ…

■■■■■■■■■■■■■



やえ(なかなか尻尾を掴ませないな……単純にツイてないのか?)

やえ(まぁ王者たるものどんな打ち手が相手だろうが関係はないが!)フッ




傀 「……南入です 親番を引きました」






南一局、ドラは4p。


   ガラガラガラ…



傀 「……」

2p4p5p7p8p七七八189北中   九


      ツッ…


     北



次巡

傀 「……」

2p4p5p7p8p七七八九189中   1p


    タ…ンッ


    1
    索



店主(特に特殊な所はない打牌。この人、毎回セオリー通り手作りしてるのに何故かアガれてないんですよね)







三巡後



傀 「……」 チャッ…

1p2p4p5p7p8p9p七七八九89   2p



店主(これは一通よりかは789三色か。ドラ筋の1pから捌く……ですね?)



傀 「……」


   ――タンッ!


    8
    索



店主(……アレ? この手で三色より一通を狙うんですか?)



  ・ 傀の捨て牌

  北 1二中 8



店主(なんでだろう……? 辺7索より3-6pの二度受けの方が良いと読んだのかな?)






    …チャッ


傀 「……」

1p2p2p4p5p7p8p9p七七八九9   六


      ト…ンッ


    9
    索



初瀬(傀って人は辺張を整理してる……そろそろ整ってきてるかも)



次巡

傀 「……」 スッ

1p2p2p4p5p7p8p9p六七七八九   7



店主(う、裏目……! これは痛い!)



傀 「……」 ツッ…

   7
   索







おっさん(へへっ。親は裏目引いてやがるぜ)

爺(ラッキーだな)



  ・ 傀の捨て牌

  北 1二中 8 9
  7



初瀬(これで親は一手遅れだ!)

やえ(どんな手を作っているのか分からないけど、点差からしても面子選択をミスしている余裕は無いはずだが?)



おっさん「――よっしゃ!リーチだ!」 タンッ


  東 4八南南9p
  一(リーチ)



やえ(……おっと。こちらが来たか)






傀 「……」


店主(さぁどうします……? 後手を踏みましたよ?)



爺(安牌っと)タンッ

   9p



傀 「チー」


   パタッ…


 1p2p2p4p5p9p六七七八九   (9p7p8p)



店主(―――えっ?)



傀 「……」 ツッ…

    八
    萬



初瀬(鳴いた!)

やえ(ふっ……やはり親番は大事か?)







傀 「……」 ニヤリ

1p2p2p4p5p9p六七七九   (9p7p8p)



店主(な、なんだこの出来面子チーは!? 何が目的なんだ? 一発消しか!?)



おっさん「――ナイスチーだ! ツモ!」


4赤5789二二四四四3p4p5p   3


おっさん「2000,4000!」



爺「余計な鳴きで親被りだなぁ兄ちゃん」 ハハッ



傀 ・・・ 17400 (-4000)
おっさん ・・・ 35200 (+8000)
やえ ・・・ 18400 (-2000)
爺 ・・・ 29000 (-2000)







傀 「……」



店主(訳が分からないぞ……?)



    ガラガラガラ…



やえ(……親番での面子選択ミスに加えて今の鳴き。相手に和了牌を渡してしまうなんて最も避けるべき事態だ)


やえ(今までずっと身動きせずにいたせいで分からなかったが、蓋を開けてみるとなんて事はない……)


やえ(……どうやら、ただのニワカだったようだな)






初瀬(な、なんだあの黒服。 全然冴えないじゃないか!)



やえ(これで全員の力量は把握した。そろそろ私も動くか……!)ゴッ



初瀬(やっちゃって下さい! 小走先輩っ!)




傀 「……」 フッ…



やえさんが傀さんの罠に嵌まった所で終了です

多分次かその次で終わりますー

ネタ切れですオナシャス!

勝手に傀-kai-での対戦回数をまとめてみた
※今回はwikiにまとめられている作品のみ
※[]内はスレ番号。()内は傀以外の対戦相手。複数の場合は傀優先です
※抜かりがあれば申し訳ないです。報告をして貰えればこのスレの終わり頃に可能なら投稿したいと思います

○清澄高校
・宮永咲 [1]白昼夢、[2]天才、[3]集会(安永)、[4]名前(祐太)、[6]華、[8]別れ道(祐太)、[9]代走
・原村和 [2]真逆の二人(巫)、[2]天才、[4]名前(祐太)
・片岡優希 [1]強運
・竹井久 [2]天才、[3]悪待ち、[7]十七歩、[9]偏り
・染谷まこ [7]捨て牌
・須賀京太郎 [4]匿名、[7]伏兵

○龍門渕高校
・天江衣 [1]腕試し(後堂)、[4]月、[9]代走
・龍門渕透華 [1]氷と水(日陰)、[7]十七歩
・井上純 [3]哭き麻
・国広一 [3]哭き麻、[6]約束
・沢村智紀 [3]哭き麻

○風越女子高校
・福路美穂子 [2]巧者、[7]十七歩、[10]硝子
・池田華菜 [1]強運、[10]道草
・吉留未春 [10]道草
・文堂星夏 [10]道草
・深堀純代

○鶴賀学園高等部
・加治木ゆみ [2]巧者、[7]十七歩、[10]硝子
・蒲原智美
・東横桃子
・津山睦月
・妹尾佳織 [1]強運

○阿知賀女子学院
・高鴨穏乃 [1]遭遇、[5]山
・新子憧 [1]遭遇、[2]巧者
・松実玄 [1]遭遇、[6]岐路(傀・後堂)
・松実宥 [1]姉妹、[10]赤牌(秀)
・鷺森灼 [5]師と弟子(祐太・安永)、[8]轍

○白糸台高校
・宮永照 [1]極地、[9]鏡(祐太)
・弘世菫 [3]四海、[5]反撃、[9]鏡(祐太)
・大星淡 [3]四海、[4]意地、[9]鏡(祐太)
・渋谷尭深 [3]四海
・亦野誠子 [4]匿名

○姫松高校
・愛宕洋榎 [1]西の麻雀、[8]浪速の麻雀
・末原恭子 [5]三つ巴
・上重漫 [1]西の麻雀、[5]種火
・愛宕絹恵 [1]西の麻雀
・真瀬由子 [5]三つ巴

○千里山女子高校
・園城寺怜 [1]神眼、[2]行き止まり、[3]初心、[5]反撃
・清水谷竜華 [2]人鬼の一打、[3]初心、[6]仇
・江口セーラ [3]初心、[8]浪速の麻雀
・二条泉 [6]深読み
・船久保浩子 [4]観戦、[6]深読み

○永水女子高校
・神代小蒔 [2]祓
・石戸霞 [2]祓
・薄墨初美 [2]祓
・狩宿巴 [8]禊
・滝見春 [8]禊

○宮守女子高校
・小瀬川白望 [5]迷い、[5]反撃
・エイスリン ウィッシュアート [4]居場所
・鹿倉胡桃 [1]厄日
・臼沢塞 [1]厄日
・姉帯豊音 [1]厄日

○新道寺女子高校
・花田煌 [4]縛り
・安河内美子
・江崎仁美
・白水哩 [4]縛り
・鶴田姫子 [4]縛り

○臨海女子高校
・辻垣内智葉 [5]筋、[8]石川さんの奮闘
・ハオ慧宇 [7]故郷
・雀明華 [9]暴風
・Megan Davin
・Nelly Virsaladze

○有珠山高校
・本内成香 [7]吹雪
・桧森誓子 [7]吹雪
・岩館揺杏 [9]枷
・真屋由暉子
・獅子原爽

○晩成高校
・小走やえ [10]王者
・岡橋初瀬 [10]王者

○その他
・原村父 [6]親心
・夢乃マホ [3]模範
・室橋裕子
・南浦聡 [5]老獪(須賀)
・南浦数絵 [6]群れ
・荒川憩 [8]浪速の麻雀
・佐々野いちご [6]贄
・石飛閑無 [7]慕情
・白築慕 [7]慕情

○プロ or 監督
・赤土晴絵 [2]噂、[5]師と弟子(祐太・安永)、[8]同窓会
・愛宕雅枝
・熊倉トシ
・藤田靖子 [1]極地、[2]奔放(江崎)、[4]名前(祐太)、[5]引き抜き(モブ)、[6]華
・小鍛治健夜 [2]無敗、[4]ひとかど(モブ)
・三尋木咏 [2]門前、[3]嫌味、[5]引き抜き(モブ)、[9]曲者(江崎・後堂)
・戒能良子 [5]スタイル、[5]引き抜き(モブ)、[8]同窓会
・瑞原はやり [3]先達、[5]引き抜き(モブ)、[8]同窓会
・大沼秋一郎 [3]若気

>>623-624
すごい(粉身)

リクエストありがとうございます。
参考にさせていただきますね

今日夜か明日に再開予定

No more bet(半ギレ)

再開しますー




【 王者 ・ 3 】






    ガラガラガラ…



傀 「……」


初瀬(あの人、やっと動いた……)

やえ(ふっ。ニワカは相手にならんよ!)



南二局、ドラは8p。



おっさん(このまま逃げ切ってやる!若ぇ二人はさっきからずっと音沙汰無しだからな!)


爺(すぐ捲り返してやる!)






―――――――――――――――――――――――――――



九巡目



おっさん(こっちはもう聴牌してるんだ)

6788五六七七八九  (←中中中)



爺(早く出せ……!)

6p6p6p8p六七八234赤567



    …チャッ



やえ 「―――ツモ。2000,4000」


二三四7p7p7p8p8p55567   8



初瀬(やった!)

爺(俺のアガリ牌が……)

おっさん(ちっ、同聴にされて使い切られたか!)







傀 ・・・ 15400 (-2000)
おっさん ・・・ 31200 (-4000)
やえ ・・・ 26400 (+8000)
爺 ・・・ 27000 (-2000)



南三局、ドラは一萬



爺「ポンッ!」

おっさん「チーだ!」



初瀬(くっ……!小走先輩の親番なのに! このままじゃ流される!)

店主(今回は流石に攻めないとマズイですよ……?)



やえ(――全く。ニワカばかりじゃないか)フッ…





    チャッ…


やえ 「―――ツモ。2600オール」

一一三四五3p3p345西西西   3p



おっさん(ちっ! 逆転されたぜ)

爺(そろそろ本気ってか? 流石は晩成か……)



初瀬(よし! 連荘だ!)



傀「……」 フ…



傀 ・・・ 12800 (-2600)
おっさん ・・・ 28600 (-2600)
やえ ・・・ 34200 (+7800)
爺 ・・・ 24400 (-2600)







―――――――――――――――――――――――――――



南三局一本場、ドラは三萬

十巡目



やえ 「――ツモだ。4100オール」

三三四四五五七八1p2p3p6p6p   九



おっさん爺(!!)


店主(……本気を出したらこれほどなのか)

初瀬(や、やっぱり強い……私もいつか小走先輩みたいに……!!)




傀 ・・・ 8700 (-4100)
おっさん ・・・ 24500 (-4100)
やえ ・・・ 46500 (+12300)
爺 ・・・ 20300 (-4100)







南三局二本場、ドラは6p


   ガラガラガラ…



やえ(ふっ、これこそ王者の配牌だな)

6p6p7p7p8p三1224赤5東發   四



初瀬(す、凄い!)

店主(もう殆どトップは磐石だけど……ここもアガったらダメ押しになる)



やえ(……)タンッ

   東



初瀬(この手なら当然役牌なんて要らないですよね!)







次巡


やえ(……)

6p6p7p7p8p三四1224赤5發   5p



店主(もう一向聴だ)

初瀬(ここも連荘ですね!)



やえ 「……」 タンッ

   發



傀 「……ポン」



やえ(ん……?)

初瀬(一鳴きか。そんなの無駄だよ)フンッ







傀 「……」 ニヤリ


    ツッ…


    6p



店主(え?)

初瀬(!)

やえ(ドラ切り……? まだ二巡目だぞ?)



傀 「……ツモ」


   パタリ…


六七4p4p455667  五  (發↑發發)



傀 「300,500の二本付けです」



おっさん(ゴミ手ぇ?)

爺(この若いの、今の点差分かってんのか?)






傀 ・・・ 10400 (+1700)
おっさん ・・・ 24000 (-500)
やえ ・・・ 45800 (-700)
爺 ・・・ 19800 (-500)



初瀬(小走先輩の五萬が流された……ていうか断ラスで親番も無いのにノミ手ってどうなの?)

店主(……いや、それより發を一鳴きしてドラ切りって事は……)


   六七4p4p6p455667發發


店主(この手から發を一鳴きしたのか? いくらでも高くなりそうな手なのに!?)



やえ(点棒状況を全く考えず目の前の和了に夢中になって自分の首を締める……)

やえ(……ニワカにありがちな悪手だな。話にならん)



傀 「ではオーラスです」





   ガラガラガラ…


南四局オーラス、ドラは4索



やえ(……親番は流されたがまだ配牌は落ちていない)


二四七八2356789赤5p6p   白


――打、白


やえ(オーラスで親に連荘されるのは少し厄介だ。最後も攻める!)


店主(面子こそ1つだけだけど他の形が良い)


初瀬(よしっ……勝った……!)







八巡目


傀 「……」 ツッ…


  一四五6p9p8p
  東 5



やえ(傀とかいう男は妙な捨て牌をしてるな。だがまだニワカ特有の聴牌気配はないが……)

やえ(4-7p待ちならいずれ奴から出るだろう)チャッ


 八八123567789赤5p6p   4


店主(高目引きで確定一通……7索と入れ替えかな)

初瀬(これで満貫! ツモってハネ満だ!)



      タンッ!


      7
      索




傀 「 ――御無礼 」


やえ 「ん? なんだと?」







傀 「 ……高目です 」 スッ…


   ――バタリ!


  22444赤56南南南中中中



やえ(……!)

初瀬(えっ……!?)

店主(役2・混一・三暗刻・ドラ3・赤1!?)



やえ 「さ、三倍満だと……?」



  ・ 傀の捨て牌

  一四五6p9p8p
  東 5



やえ(しかも5索切りで四暗刻聴牌に受けず……!?)


やえ(……)


やえ(はっ、はははっ……! ニワカめ……!)


やえ(窮鼠猫を噛む……王者とはいえ流石にそんなラッキーな和了は躱せないな!)






傀 ・・・ 34400 (+24000)
おっさん ・・・ 24000
やえ ・・・ 21800 (-24000)
爺 ・・・ 19800



傀 「 ……またトップ陥落しましたね?」 ニヤリ



初瀬(!)

店主(え? 今この人――)



やえ(『また』だと!? まさかこいつ、県予選の事を―――晩成を侮辱しているのか!?)


やえ(このニワカめ! たった一回良い手が入ったからって図に乗っているようだな……!!)


やえ(そんなもの一時的なラッキーに過ぎん! 見てろ!)






―――――――――――――――――――――――――――



二回戦



やえ 「――ツモ! 2000,4000!」

二三四五六七八九2p3p4p55   一



やえ 「――ツモ! 3000,6000!」

3444555699發發發   6



おっさん「」

爺「」

店主(す、凄い……)



やえ(どうだ! これが王者の―――頂点に立つ者の麻雀だ!)







南四局、オーラス―――



やえ 「リーチだ!」 ガッ

  西北2p二一 2
  八九 7(リーチ)



おっさん(またか!)

爺(ったく、追い打ちだぜ……!)


   すっ…


傀 「 ……リーチ 」 ツッ


やえ(……むっ)

店主(ツモ切りで追っ掛け?)

初瀬(先輩……!)





    ―――チャッ


やえ(……くっ、通せ!)パシッ!


    4p



傀 「 ロン 」


   ぱたり…


1p2p3p赤5p6p7p8p9p四赤五五五六



傀 「裏が乗って16000 ……リー棒の差でトップ逆転です」 ニヤリ


やえ(くっ! またしても運が良いなニワカめ……!!)ギリッ



初瀬(せ、先輩、勝てますよね? ちょっと調子が悪いだけですよね? まだ全力じゃないんですよね……?)






―――――――――――――――――――――――――――


やえ:36400
傀:22000



五回戦オーラス、ドラは七萬

七巡目



やえ(……)

2p2p3p4p345678二四六   五


――打、二萬



初瀬(張った! これをアガリ切れれば―――)



傀 「……」 チャッ

三四五六七七3p4p5p1234   七


――打、1索



店主(傀さんも五面張聴牌……満貫確定だ)






    チャッ…


やえ(……)

2p2p3p4p345678四五六   六


――打、2p



初瀬(ドラ表にも一枚使われてる三-六萬待ちに受けるんですか……?)



    チャッ…


傀 「……」

三四五六七七七3p4p5p234   5


――打、七萬



やえ(……!)

店主(ドラ切り……? 聴牌崩し……!?)







次巡


傀 「……」

三四五六七七3p4p5p2345   八


    ツッ…

    七
    萬



やえ(ドラの対子落としだと? 何をしてるんだ?)

2p3p4p345678四五六六   2


やえ(……これも切れない、か)タンッ


     六
     萬



傀 「……」 …ニヤリ

三四五六七八3p4p5p2345   8


    タンッ…


      八
      萬



店主(二人して連続手出しだ……)






   チャッ…


やえ(……)

 2p3p4p2345678四五六   四


――打、8索



傀 「……」 ツッ…

   8
   索



初瀬(あ、待ち変えしなければ出てた……)

店主(……いや、アレは合わせ打ちだな)



やえ(1-4-7索なら奴から拾えるか……?)

 2p3p4p234567四四五六   7


――打、四萬



傀 「……」 タ…ンッ

   5
   索







やえ(……早く……)


爺「……」 タンッ

   一
   萬


やえ(早くしろ……!)


傀 「……」 ツッ…

   9p


やえ(早く出せ……ニワカ共め!)


爺「……」 タンッ

   9p



     チャッ…



やえ(くっ! この土壇場でフリテンにはできない……!)


2p3p4p2345677四五六   2p


    ――パシッ!


     2p







傀 「 御無礼 」


    パタリ…


  二三四五六七3p4p5p5p234



やえ 「……!」

初瀬(タンピン三色ドラ1……!!)



傀 「満貫で逆転…… “ また ” トップ陥落ですね?」 ニヤリ



やえ(ぐっ……!)


やえ(くそっ……! なんなんだこの男は……!!)


やえ(……くっ……)


やえ 「……こ、この……ニワカめ!」 ガタッ



    ガチャッ… バタン!



初瀬 「あ! ちょっと待って下さい小走先輩っ!」








店主(……二人とも帰っちゃったか)


おっさん「なんだなんだ。騒がしいな」

爺「ワン欠けしちまったな……まだ打ち足りねーぞ」

おっさん 「そうだな。……おい、兄ちゃんはどうすんだい?」

傀 「……」 ニヤリ


      チボッ…



傀 「 待ちます。再び戻られるまで…… 」




翌年、レギュラー入りして頑張って奈良県の王座に戻った初瀬が再び傀さんに挑んでフルボッコにされるのはまた別のお話

以上です。
次の投下は少し空くかと思います……

もう少ししたら投下しますー

ぼちぼち投下




【 家族 ・ 1 】






長野
雀荘『もんぶち』



純 「……透華たち遅ぇな」

一 「そうだね」

智紀 「……」 カタカタカタ…




祐太 「―――リーチ」 タンッ




一(あ、またあの人のリーチだ)

純(これで何連続だ?)

智紀(七連続……)カタカタカタ…

純(マジかよ)

一(周りの人達は可哀想だね)アハハ…






モブ1(うぐぐ……)

モブ2(ま、また棒攻め……!)

モブ3(もう勘弁してくれよ……)


    チャッ…


祐太 「……ツモ。一発」

五六六七七6p7p8p33678   八



モブ1「メンタンピン即ツモ三色!?」

モブ2「裏1で倍満かよ!」

モブ3「大トップがそんなん曲げるか普通!?」


祐太「いやぁ、一発でツモれるんなら曲げなきゃ損でしょ」 ニッ






モブ1(ちっ……)

モブ2(若造め)

モブ3(嘗められたままで終われるか!)


祐太「さ、次行きましょーか」



    ガラガラガラ…



純 「めっちゃ噴いてるな、アイツ」

一 「さっきから強いよね。モブさん達も相当打てる筈なのに……」

智紀 「……」






ドラ:三萬



   チャッ…


祐太 「……」

7p8p9p一一二四六八八九23   三



純(配牌まで乗って来てるぜ)

一(うわぁ……一向聴だよ)

智紀(六萬か九萬切り……?)



祐太 「……」 ヒョイッ


   9p



智紀(……!)

一(えっ)

純(は?)







一(ねぇ純くん。何あれ?)

純(俺に聞くなよ……無茶振りすぎんぞ)

智紀(イミフ……)カタカタカタ…




祐太 「……」 スッ

7p8p一一二三四六八八九23   九


――打、8p



純(おいおいまさか……)



祐太 「……」 チャッ

7p一一二三四六八八九九23   二


――打、7p



一(萬子に染めてく気なの……?)







―――――――――――――――――――――――――――



十六巡目


    チャッ…


祐太 「……」

一一二二三四五六七八八九九   二



純(結局ラスト一巡で聴牌か)

一(取りあえず一番安全な一萬切りかな。七萬は二枚切れみたいだし和了は難しいけど)

智紀(手なりに進めてれば普通にアガってたのに……)



祐太 「……リーチっ!」 タンッ


    一
    萬



純(おいおい曲げたぞアイツ)

一(ま、まぁ即リーかダマにするかはその人の自由だし……)

智紀(…欲張り屋さん)







モブ1「残り一巡でリーチかよ?」

モブ2「今回もツモられちゃ堪んねぇぞ」

モブ3「どうぞご勝手にだな」


祐太 「ハハハッ。手厳しいなぁ」


    チャッ…


祐太 「んじゃ、海底ツモ―――」



    ―――バターン!



祐太 「!?」 ビクッ

モブ「な、なんだ!?」 ビクッ




透華 「――お待たせ致しましてよ!!」

衣 「来たぞーみんな!」





    シーン…


純 「……」

一 「……」

智紀 「……」



透華 「むっ、なんですのこの空気は?」

衣 「どうかしたのか?」



純 「いや、来るの遅ぇよ。そんでもってうるせーよ。びっくりさせんな」

智紀 「……フリーのお客さんも固まってる」

一 「す、すみません……」 ペコッ



祐太 「アッハイ。大丈夫っス」






透華 「……他の方に迷惑を掛けてしまったのは頂けませんが、目立てはしたので結果オーライですわね」

純 「お前ホント揺るぎねーな」




祐太 「……」

モブ1「……おい兄ちゃん」

祐太 「え?」

モブ2「海底牌どうなんだ? 和了なのか捨てるのかさっさとしてくれや」


祐太 「あぁ……すんません。ツモ切りっす」 タンッ


    東


モブ3「ハッ。やっぱり引けねぇか」

モブ1「海底を狙って引ける訳もねーだろ」






祐太 「ですよねぇ」 ヘラヘラ


   パタッ…


 一二二二三四五六七八八九九



モブ1(……!!)

モブ2(ま、またそんな手を即リーだと!?)

モブ3(ダマでもツモれば三倍満じゃねーか!)


祐太 「……さ、次行きましょーか」




衣 「……」



一 「衣、どうかした?」






衣 「いや……」


祐太 「……フンフフーン」 ガラガラガラ…


衣 「……」


祐太 「……」 チャッ…チャッ…


衣 「……」


祐太 「……ん?」


衣 「……」 ジッ


祐太(なんだ? あの子ども……)






―――――――――――――――――――――――――――



祐太 「ロン!」 ガッ

1234445678發發發



祐太 「ツモ!」 ガッ

二三四赤五六44赤5566赤5p5p   七



祐太 「ツモ!」 ガッ

2p2p3p3p4p7p7p8p8p9p9p中中   4p



モブ 「」


透華(……ちょっと少しばかり目立ち過ぎじゃありませんこと?)ピクッ

衣(……)







祐太 「……もうトビ終了かぁ。まぁいいや、次行きましょ」


モブ1「く、くそ! やってられるか!」

モブ2「止めだ止め!!」 バンッ


    ガシャ―ン!


祐太 「!」

店主(あっ!)



祐太 「……勝てねーからって物に八つ当たりかよ」 ボソッ

モブ2「んだと?」

店主「まぁまぁ落ち着いて!」

モブ2「ちっ……」






モブ1「ちょっとばかりツイてたからって調子乗んじゃねーぞ、若いの」

モブ3「そんな態度じゃ居場所をどんどん無くすぜ」 ガタッ

祐太 「……」



   ガチャッ…バタン



祐太 「……」 ハァ…

店主 「どうぞ。これで拭いて下さい」 スッ

祐太 「あ、どーも」



一(あーびっくりした……)

智紀(修羅場になりかけた)

純(ったく。穏やかじゃねぇなぁ)






透華 「―――そこのあなた!」 ビシッ

祐太 「ん?」

透華 「今のはあなたにも非がありましてよ!」

祐太(えっ? なんだこの娘)

透華 「もう少し言い方というものがムグッ!?」

一 「ご、ごめんなさい! なんでもないんです!」

純 「気にしないでくれ!」

透華(は、放しなさいですわ!)ジタバタ



祐太 「は、はぁ……」






衣 「……」


祐太(……まただ。またさっきの子どもがこっちを見てる)

祐太(あの子も俺に何か言いたい事があるのかね?)



衣 「……名は?」

祐太 「―――へっ?」

衣 「名だ。名前を聞いている」

祐太 「水原祐太だけど……なんで急に? ていうか君は?」

衣 「……天江衣だ」

祐太 「ふーん。そこの金髪の娘の妹さん?」

透華(?)

衣 「違う! 衣は高校生だ!」

祐太 「えっマジで?」

衣 「この中で一番お姉さんなんだぞ!」






祐太 「……で、どうしたの?」

衣 「水原祐太。衣と打たないか?」

純(ん?)

一(え?)

智紀(……)

祐太 「……別に良いけど。キミちゃんと打てんの?」

衣 「無論だ」

祐太 「そっか。じゃあ構わないぜ」



透華(衣? どういうつもりですの?)

衣(……似ているんだ)

透華(へ?)

衣(昔の衣と、どこか被っている)

透華(そ、そう……かしら? ぶっちゃけ分かりませんが)



衣 「……よし。決まりだな」






――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



龍門渕家



祐太(――デカっ!)

透華 「? どうしましたの?」

祐太 「いや、別に……」


    シュバッ!


ハギヨシ 「お帰りなさいませ」

祐太(――速っ!)

透華 「ハギヨシ、見ての通り客人ですわ」

ハギヨシ 「かしこまりました」








透華 「―――ようこそ龍門渕へ。歓迎しますわ」


祐太 「お、おう……」





今日のところはここまでで。
原作の方だと最近は御無沙汰なので、こっちで祐太の出番を増やそう(提案)

次はなるべく早く来ますー


はじめたんいぇい~が無いとはこれ如何に

>>718
(忘れてた……)

あと原作のvs桐谷の時のサブタイと被っちゃってる事に今さら気付きました
2秒で切り返して下さいオナシャス

今日夜か明日に再開予定!

本当にごめんなさい(ペッコリン
もうじき投下します




【 家族 ・ 2 】






衣 「ルールは東南戦、25000点持ちの聴牌連荘。赤は4枚入り」

祐太 「ん。了解」

衣 「……始めよう」


   ガラガラガラ…


 起親・井上純
 南家・天江衣
 西家・国広一
 北家・水原祐太



透華(……ていうかいつの間にかわたくしハブられてますわ!!)ガーン

智紀(どんまい)






東一局、ドラは東


   ガラガラガラ…


祐太(……さて)

344566一一六八九2p3p   4p


祐太(さっきまでのがまだ『残ってる』な。手なりで充分か)タンッ


    九
    萬



純 「ポン」

   九九



祐太(ん……親は一巡鳴きか)







衣 「……」 トンッ

一(……)タンッ



      チャッ…


祐太(……ちっ。ソッコーで持ってくるかよ)

344566一一六八2p3p4p   東


    ――タンッ

     八
     萬


    ――タンッ

     六
     萬



智紀(純の仕掛けに対して即座に愚形を払っていった)

一(随分と見切りが速いんだな)

透華(仮に純が萬子の染め手だったらどうしますの?)フン







六巡目


純(……)

二四七七2p3p35北白   赤5  (←九九九)


――打、北



衣 「……」 タンッ

   北


一 「……」 トンッ

   3p



祐太(んー……ピンとこねーなぁ)

344566一一2p3p4p6p東   二



純(……)



祐太(食いとられたか?)タンッ

      6p







八巡目



祐太(……よーやく1枚だ)

344566一一二2p3p4p東   三


――打、一萬



純(……手が進んだか。やっぱ向こうでの勢いがまだ残ってやがる)

純(せめて場の流れを平たくしたかったが、今のところ八巡が限界みたいだな)


      チャッ…


祐太(――うし)

344566一二三2p3p4p東   3


祐太 「リーチだい!」 ガッ!


    東



智紀(通った……)

透華(わたくしでしたらドラ単騎になるまで待ちますわ)ドヤッ







純(そいつは鳴けねぇ……まずいな。一発でツモられる流れだ)タンッ

衣 「……」 タンッ

一 「……」 タンッ



祐太 「――ツモ」

3344566一二三2p3p4p   2


祐太 「安目&裏無しで1300,2600」


祐太(中途半端に流れイジられたせいかな。嬉しくねぇ一発だ)



 純 ・・・ 22400 (-2600)
 衣 ・・・ 23700 (-1300)
 一 ・・・ 23700 (-1300)
 祐太 ・・・ 30200 (+5200)







東二局、ドラは6p

八巡目



祐太(……)

三四四五1p2p3p4p24688   3


    タンッ…

    1p



純(……また手が進んだみたいだな)タンッ


衣 「……」 タンッ


一 「……」 トンッ



純 「ポンだ」

■■■■■■■■■■   (1↑11)



祐太(……)ピクッ

透華(相っ変わらず純の鳴きは背中がムズムズしますわ!)

智紀(いつものこと……)






   チャッ…


祐太(こども……もとい衣ちゃんのツモが俺に来たわけだ)


三四四五2p3p4p234688   4


祐太(ちっ。萬子が横に伸びる筈だったんだけどな)

祐太(まぁいいか、こんな聴牌いらねーや)スッ…


    ……ピタッ


祐太(……いや、待てよ)チラッ



  ・衣の捨て牌

  發8p發一一東
  2p東



祐太(衣ちゃんの河を見る限り捨て牌被りが多い。対子に偏ったツモが俺に回ってきたなら―――)


    タンッ!

    6
    索



透華(あら? 聴牌に取らず?)

智紀(……?)







純(……また嫌な流れになりそうだ。イジっておくか)パタッ


      7 8


純 「チー!」

一(今日はいつにも増して荒らすねー)


    すっ…


祐太(あの鳴きでまた順子手のツモ筋に戻ったか)

三四四五2p3p4p234488   5


祐太(ったく。お陰でド裏目だよ)

――打、5索



純 「そいつもチーだ」

■■■■■   (546)(678)(1↑11)


――打、八萬






   チャッ…


祐太(………っ)

三四四五2p3p4p234488   赤5


祐太(また対子手の流れに戻されたか……鬱陶しいな)

祐太(良い手だし押したいんだけどそうすっと多分放銃するっぽいし……)スッ


    トンッ…


    2p


祐太(大人しくオリときますか)


純(オリたのか? てっきりムキになって押してくると思ったんだけどな)


智紀(……それが無難)


透華(わたくしなら押しますが)フン







―――――――――――――――――――――――――――



純 「聴牌だ」 パタッ

北北六八   (546)(678)(1↑11)


一 「ボクも聴牌です」 パタッ

34四五六六七八4p4p6p6p6p



祐太 「……ハハッ」


純 「ん?」

一 「どうかしましたか?」


祐太 「いやいや、なんでもないよ」



 純 ・・・ 23900 (+1500)
 衣 ・・・ 22200 (-1500)
 一 ・・・ 25200 (+1500)
 祐太 ・・・ 28700 (-1500)







衣 「……」



祐太(……にしても、言い出しっぺは全く動かずかよ)

祐太(宮永姉妹といい最近の女子高生ってのは皆そーなのか?)



      ガラガラガラ…



東三局一本場、ドラは白。

六巡目



一 「リーチです」 タンッ


  ・ 一の捨て牌

  9p西 8中1p3p
  

純(六巡目親リーかい……流れをイジる暇がねーよ)






    チャッ…


祐太(……)

3p4p5p6p8p8p123一一二三   一



智紀(追い付いた……)

透華(取りあえず現物の3pを切って……)



祐太 「……よし!」 タンッ!

      8p



智紀(わ、わざわざ嵌7p待ち……?)

透華(押すならリーチでしょうに!)



祐太(……おっしゃ)

3p4p5p6p8p123一一一二三   1p







祐太 「リーチ!」 タンッ

   8p


  ・ 祐太の捨て牌

  北東七 9南8p
  8p(リーチ)



一(む……追い付かれちゃった)


純 「二人でやり合っててくれ。横移動で頼むぜ?」 ハハッ

祐太 「何言ってんだよ。ぜってー負けねーぞ」 ニッ

一 「……ボクだって負けませんよ」 フフッ




透華(…………)ウズウズ

智紀(透華のアンテナが仲間に入りたそうに動いてる……)






三巡後



祐太 「―――よし! ツモった!」

1p3p4p5p6p123一一一二三   2p


祐太 「2000,4000の一本付けだね」


一(あーあ。同聴を引き負けたかぁ)

純(……ん?)チラッ



  ・ 祐太の捨て牌

  北東七 9南8p
  8p(リーチ)白八中



純(そういや国広くんのリーチを受けて8pを対子落とししてたよな?)

一(交換で手に入ったのは一萬→1pだよね? だとしたら―――)



  3p4p5p6p8p8p123一一一二三



一(この形から現物の3p切らないで8pを対子落とししたの……?)







   ガラガラガラ…



祐太 「……どうかした?」 ニッ


純 「あ、いや」

一 「なんでもない……です」



一(……でも、仮に3p切ってもしもリーチしてたら今の2pでボクに放銃する事になってた)

純(こいつ、ヘラヘラしてる癖に随分と鋭い麻雀打つじゃねーか)

一(さっき見てた時はただただ勢いがある麻雀だったけど、こういう打ち筋も出来るんだ……)



衣(……)



―――――――――――――――――――――――――――






―――――――――――――――――――――――――――



一 「リーチです」 タンッ

祐太 「んじゃ俺もリーチだ」 ツッ…

純 「チー」 タンッ



祐太 「キミに鳴かれっとどーも締まらねぇツモが来るんだよなぁ」

一 「……言われてるよ純くん」 ププッ

純 「ほっとけ」 タンッ



一 「あ、それロン。5200」

三三三四赤五六3p4p5p北北發發


純 「」

祐太 「……おっラッキー。棚ボタで2着だ」






純 「ち、ちくしょー! もう一回だ!」

一 「いいよ?」 フフン

祐太 「俺もいーよ」



   ワイワイガヤガヤ



透華(ぬぬぬ……)ウズウズ

智紀(……打ちたいなら素直に交代を頼めば良いのに)




衣(……)




智紀(……それにしても、さっきから衣が不自然なほど静か)

智紀(海底も無いし場の支配もしてない。らしくない……)






   ガラガラガラ…



衣(……)






ハギヨシ(じきに……日が沈みますね)



今日はここまでで。
表面上だと笑ってるけど腹の中では相手をどうやってムッコロスか考えてる祐太くんでした

(もしかしたら今日も投下できるかも知れない)

できない事は言うもんじゃないですね(ごめんなさい)

22時過ぎに再開します

今回は若干闘牌描写少なめです

投下




【 家族 ・ 3 】






ハギヨシ(……夜の帳が降りて来ましたね)




三回戦―――



祐太 「――ツモ!」


純 「ロン!」


一 「ツモっ!」


祐太 「ロンだ!」




透華(……別にわたくしも打ちたいなんて思ってませんわ)イジイジ

智紀(透華のアンテナがイジけてる……)






祐太 「――ツモ。トップ逆転だね」

46789二二三三四四八八   5



純(ちぇ……捲られたぜ)

一(それにしても衣が連続で4着かぁ)



衣(……)



一(確かに水原さんは強いしまだ完全に月は出てないけど、あの衣が手も足も出ない訳ないよね?)

純(水原ってのに対して何か思うところでもあるんじゃねーか?)




祐太 「……さてと。わりーけどちょっとトイレ休憩もらうわ」



―――――――――――――――――――――――――――







――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



5分後……



祐太(……)スタスタ…


祐太(……)スタスタ…


祐太(……)キョロキョロ


祐太(……)


祐太(……やべぇ、迷った)


祐太(広すぎんだろ。トイレからの帰り道が分からなくなるとか漫画かよ……)





    スタスタ…


祐太(どこだっけ……)


祐太(んーと……この部屋だったかな?)ガチャッ


祐太(……やべ、間違った。これ誰かの部屋っぽい)


祐太(誤解されたらアレだしさっさと出ねーと……)


    ……カタン



祐太(ん? なんか落ちてるな)ヒョイッ


祐太(これ……写真立てか)






祐太(……)ジーッ


祐太(んー)


祐太(……この二人、夫婦か? なんとなく誰かに似てるような……)





衣 「―――それは衣の父君と母君だ」





祐太 「!?」 ビクッ!

衣 「……ん? どうかしたか?」

祐太 「きゅ、急に出てくんなよ! 心臓に悪ぃな!」 ドキドキ

衣 「む……」






祐太 「……つーか高2って事はキミ16,17歳っしょ? それにしちゃ若い両親だね」

衣 「あぁ。生前のものだからな」

祐太 「…っ、ごめん」

衣 「構わぬ。とうに衣は前を向いている」

祐太 「……そっか」

衣 「……」

祐太 「気持ちは分かるよ。俺のお袋も逝ったから」

衣 「…………やはり……か」 ボソッ

祐太 「ん?」

衣 「いや、何でもない」






衣 「それに、今は透華やハギヨシ、皆が居るからな。衣は微塵も侘しくない」

祐太 「……」

衣 「家族や仲間は心の依り処だ」

祐太 「かもね。……じゃあ戻ろうぜ」

衣 「―――待て」

祐太 「?」

衣 「1つ…聞かせてくれ。お前は衣たちと打って愉しいか?」

祐太 「……楽しいよ」

衣 「……」




衣 「……嘘、だな」






祐太 「……へぇ、なんでまた」

衣 「打牌を見れば截然だ」

祐太 「……!」

衣 「相手を突き放す様な―――只管自身の感覚のみを研ぎ澄ましていく様な打ち筋」

衣 「表面上では笑っていたがお前の牌は勝利に飢えていた。其れを隠蔽する気もあらばや……だろう」

祐太 「……二回目だな。そういう感じのこと言われんの」

衣 「その打ち筋で今まで万斛の縁由を失って来た筈だ」

祐太 「……」






衣 「……衣は知っている」

衣 「家族を失い、知人も離散れ、麻雀でしか己の存在意義を見出だせない」

衣 「そしていつしか独り法師になってしまう……うら侘しさを」



祐太 「……」



衣 「……だが、お前は自ら其れを冀求している」

衣 「居場所すら棄てて、自ら修羅に―――蕀の道を歩もうとしている」

衣 「……それをむざむざ見過ごす訳にはいかぬ」



祐太 「……」



衣 「僭上な振舞いなのは理解している。だが、それでも……見過ごせないんだ」






衣 「だから―――」



    ゴゴゴ…



祐太(……!)ザワッ




衣 「…衣がお前を討毀す」


衣 「越えられぬ墻壁としてお前の進む道を壅ぎ……」


衣 「……そして防遏してみせる」 ゴッ




祐太(……)








祐太 「……」 ニヤリ








――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



   ガチャッ…


一 「……あ、戻ってきた」

純 「おいおいおせーぞ」


祐太 「ごめんごめん。じゃあ始めよっか」


   ガラガラガラ…


衣 「……」


透華(……あら?)

智紀(どうかした?)

透華(いえ、少し衣の様子が………気のせいかしら?)



  4回戦開始

 起親 ・ 国広一
 南家 ・ 水原祐太
 西家 ・ 井上純
 北家 ・ 天江衣






東一局、ドラは二萬



衣 「……」 ゴゴゴ…



一(場の支配……)

純(戻ってきて早速かよ!)



祐太 「……」

三三九九12248東東西中



智紀(彼の配牌が目に見えて悪くなった)

透華(……衣と一体何を話していたのかしら)

ハギヨシ(……)






九巡目



祐太(……またムダヅモか)

三三九九122889東東西   6p


祐太(……)チラッ



  ・ 一の捨て牌

  1p中9p發東六
  一 9 8


  ・ 純の捨て牌

  8 中八9p 2七
  北 3


  ・衣の捨て牌

  九南4南9p中
  七西



祐太(序盤の9p切りが三人もいるし、つーか筒子やたら高ぇし……6pは使われてるっぽい)タンッ


    6p


祐太(まだ他家にも聴牌はねぇ。1索・9索・西のどれ待ちになっても即リーだな)







……十四巡目



祐太(……)チャッ

三三九九122889東東西   五


祐太(……確かに七対子は一向聴からが長いとはよく言われるけどよ……)

祐太(今日の感じならこんなもんソッコー聴牌しても良いだろーに)タンッ


        五
        萬



衣 「……ポン」


祐太(ち……張らせちまったか!?)


一(あちゃあ……)

純(コースインだな)







祐太(……)チャッ

三三九九122889東東西   一


――打、一萬



純 「……」 タンッ

   西


衣 「……」 タンッ

   西


一 「……」 タンッ

   1
   索



祐太(……しかも食い取られた上に一巡で1索と西が純カラと来たか)ハァ…

祐太(もうツモもねぇし、この局は無理だな)






    ――チャッ


衣 「……ツモ」


    ぱたり…


一二二二4p赤5p赤5p6p6p7p   一   (五↑五五)


衣 「海底撈月・ドラ5……3000,6000」


祐太(ちっ、海底以外役無しかよ! ラッキーな和了だぜ……)



  ・衣の捨て牌

  九南4南9p中
  七西 1白北2p
  2p東西 6 9四



祐太(…………いや、違うな)ピクッ

祐太(最終手出しが四萬って事はタンヤオにも受けられた筈だ)

祐太(それを敢えて一-三待ちにしたのか?)



衣 「……」



 一 ・・・ 19000 (-6000)
 祐太 ・・・ 22000 (-3000)
 純 ・・・ 22000 (-3000)
 衣 ・・・ 37000 (+12000)







東二局、ドラは5索

十二巡目


    チャッ…


祐太(……)

 三四五六2p3p4p赤5p6p6p567   9


祐太(……くそ、まただ)タンッ


    9
    索


祐太(六巡目から手が全く進まねぇ。こんだけ広い一向聴だってのに……)

祐太(……なんかおかしーぞこのツモ)



純 「……」 タンッ

   1
   索







衣 「チー」

4赤567六六七七八8p8p   (123)


――打、7索



智紀(タンピンドラ2…高目一盃口だったのが鳴いて役無しに……)

透華(分かってはいますが相変わらず有り得ない鳴きですわ!)



祐太(……てっきりもう張ってると思ってたけどなぁ。それにしても妙な鳴きだ)



衣 「……」



祐太(形聴か? それとも……)






    ―――ガッ!



衣 「ツモ。海底撈月!」


4赤56六六七七八8p8p   赤五   (123)



祐太(ッ……!! ま、また海底以外役無しかよ!?)


純(知らねー奴が入れば少しは流れ変わると思ったが……)

一(流石に厳しいね)




 一 ・・・ 17000 (-2000)
 祐太 ・・・ 18000 (-4000)
 純 ・・・ 20000 (-2000)
 衣 ・・・ 45000 (+8000)







祐太(……)


祐太(OK、分かった。分かったよ)


祐太(全部偶然じゃねーんだな? 狙ってやったんだな?)


祐太(嶺上やら海底やらを狙ってアガれる……一体どうなってんだ今の女子高生は)


祐太(……ったく)


祐太(……)




衣(黯然銷魂……水原祐太よ、心苦しいがここで頓挫させてやる)




祐太 「…………クククッ」




衣(……ん?)ピクッ






祐太 「……ハハハッ!」


一(わ、笑ってる……)

純(ネジが飛んだか?)




祐太 「―――俺の道を阻む…だったっけ? 衣ちゃん」


衣 「それがどうかしたか」


祐太 「あぁ。答えは『やれるもんならやってみろ』だ」


衣 「……!」




智紀(?)

透華(なんの話ですの??)

ハギヨシ(衣様……)








衣 「……聴許している。元より手心を加えるつもりなど微塵も無い」


祐太 「じゃあ東三局だね」 ニッ





ころたん√のフラグを自らバッキバキにへし折った祐太くんでした(テキトー)

次かその次で終わりますー

原作でW役満出たの初めてじゃなかろうか
明日投下します

大三元はYシャツ傀さんの話と祐太VS日蔭さんの後の条二との対局で出ましたね

ぼちぼち投下しますー

透華




【 家族 ・ 4 】





 一 ・・・ 17000
 祐太 ・・・ 18000
 純 ・・・ 20000
 衣 ・・・ 45000



智紀(衣が二連続で海底撈月……)

透華(月も出ましたしいつも通りですわね)



東三局、ドラは南



衣(……衣が堰くのが先か、お前が嚮立つのか……)ゴッ


祐太(……)ニッ



……八巡目。





   チャッ…


祐太(……一向聴だけど……)

六六七1p2p3p3p4p9p9p788   赤5p


――打、六萬



純 「……」 タンッ

衣(……)トンッ

一 「……」 タンッ



祐太(……そう。こっからが長ぇんだ)スッ

六六七1p2p3p3p4p赤5p9p9p788  2


――打、2索


祐太(しかも見たところ衣ちゃんはともかく、他の二人もツモ切りが続いてる)

祐太(この一向聴地獄も意図的なものだとしたら……厄介極まりねーな)







―――――――――――――――――――――――――――



祐太(……ちっ)チャッ

六七1p2p3p3p4p赤5p9p9p788   一


    タンッ!


    一
    萬


祐太(国士に行ってりゃ普通に張ってたぜ)ハァ…

祐太(しかも鳴けねぇし鳴かせられねぇ。このままだと多分また……)



衣 「――リーチ」 スッ…



祐太(ラスト一巡でツモ切りリーチ!? 海底でアガる気満々だってかよ!)


一(今回も止められないかぁ)

純(まぁぶっちゃけ止める気もあんまり無いけどな)







衣 「―――ツモ!」 ゴッ!


 2345678赤五六七5p6p7p   8


衣 「4000,8000」


祐太(……やっぱりツモるか)


    ガラガラガラ…


祐太(さてと……どーすっかな)



 一 ・・・ 13000 (-4000)
 祐太 ・・・ 14000 (-4000)
 純 ・・・ 12000 (-8000)
 衣 ・・・ 63000 (+16000)



衣(この点差でも意に介さず邪見か。厭な男を思い起こさせる)







東四局、ドラは發


    ガラガラガラ…



祐太(……さっきからそこそこ配牌は良いのが唯一の救いだな)


  55677二四七八2p3p8p9p


祐太(さて……今回も一向聴が続くとしたらぶっちゃけうざったいぞ)

祐太(いっそのこと第一打目から仕掛けてみるか?)チャッ…


  55677二四七八2p3p8p9p   東


祐太(不要牌……)タンッ


    東



衣 「――ポン」


祐太(……ん? 鳴くのか?)







三巡目


純 「……」 タンッ


衣 「チー」

■■■■■■■■   (3p2p4p)(東↑東東)


――打、六萬



祐太(おいおいマジかよ。もう聴牌気配がすんぞ)

祐太(さっきまで海底海底だったっつーのに……!)



    チャッ…



衣 「ツモ! 6000オール!」 ゴッ


五六9p9p發發發  四  (3p2p4p)(東↑東東)



祐太(……っ!!)







 一 ・・・ 7000 (-6000)
 祐太 ・・・ 8000 (-6000)
 純 ・・・ 6000 (-6000)
 衣 ・・・ 81000 (+18000)



一(ちぇっ)

純(こりゃ流石に決まっちまったか)



祐太(……三、四巡でインパチ作られちゃ堪んねーよ)

祐太(緩急の差が大きすぎる。それに打点もエグい)

祐太(こんな娘がまだ居たなんてな……。世界は広いな)フッ




衣(まだ……まだ歩みを止めないのか。水原祐太……)



    ガラガラガラ…






東四局一本場、ドラは2p

二巡目



衣 「――ポン」

■■■■■■■■■■■   (中↑中中)


――打、8p



祐太(今回も速攻か? ……甘ぇよ)ニッ

祐太(ヨーイドンで手作りできるんなら隙はいくらでもある)

祐太(俺としちゃ一向聴地獄とやらより『こっち』の方がやり易いんだよ)



純 「……」 タンッ

   7
   索



衣 「チ―――


祐太 「――ポンッ!」







衣(!)

純(鳴いた! ……つーか今、衣も……)

一(……も、もしかして邪魔ポンしたの!?)



祐太 「……」

889四五六1p3p7p9p   (777→)



智紀(決して悪くない配牌だったのに……)

透華(衣の速攻を止めるつもりですの?)



衣(猪口才な……)

2p2p2p3p赤5568四赤五  3p  (中↑中中)


   ――タンッ!

    8
    索



祐太 「……」



ハギヨシ(8索は鳴かず……ですか)






   チャッ…


祐太 「……」

■■■■■■■■■■   (777→)


    トンッ…


    六
    萬



衣(……水原祐太の六萬には間に合わなかったか)

2p2p2p3p3p赤556四赤五  4  (中↑中中)


――打、5索



純(衣は張ったか……?)


一(ここはオリかな)タンッ

    8p



祐太 「チー」 パタ…

    7p9p



衣(……勇猛さと無謀さは非なるものだぞ? 水原祐太)







祐太 「……」 タンッ

   四
   萬


祐太 「……」 タンッ

   五
   萬



智紀(1面子落とし……??)

透華(な・に・を・やってるんですの!?)ムキー



祐太 「……」

■■■■■■■   (8p7p9p)(777→)



衣(……奴の手、2000点程度か。矢張り無謀だな)タンッ

一(……)タンッ


    チャッ…


祐太 「――ツモ」

衣(……!)







     ぱたり…


881p3p4p5p6p  2p  (8p7p9p)(777→)


祐太 「一本付けで600,1100だね」



衣(……そこをツモるか)

2p2p2p3p3p4赤56四赤五 (中↑中中)



 一 ・・・ 6400 (-600)
 祐太 ・・・ 10300 (+2300)
 純 ・・・ 5400 (-600)
 衣 ・・・ 79900 (-1100)




祐太 「……なぁ」

衣 「……なんだ?」

祐太 「アレやってよ。ついさっきまでやってた一向聴から進まなくなるヤツ」

衣(……!)






透華(驚きましたわ。衣の仕業だと分かっていたとは)


衣 「……何故分かった」

祐太 「なんとなくだよ。今日は勘が冴えてるみたいだから」

衣 「勘……だと?」

祐太 「うん。それじゃあ南入だね」 ピッ



    ガラガラガラ…



祐太 「……今度こそぶち破ってやるよ」 ニヤリ

衣 「謗り言を……!」 ゴッ




―――南一局、ドラは5p。






―――――――――――――――――――――――――――


七巡目


祐太(さてと……取りあえずは一向聴だ)

1p1p1p2p3p七八八34688   九


祐太(普通なら八萬切りだけど……試してみますか!)タンッ


     3p



透華(!)

智紀(え……?)

ハギヨシ(一体何を……)


    チャッ…


祐太(……)

1p1p1p2p七八八九34688   九


――打、2p







一(水原さんは両面落とししてる……)

純(血迷ったか?)



祐太(……やっぱりな)

1p1p1p七八八九九34688   八



透華(索子を切っていれば聴牌でしたわね)

智紀(また一向聴。6索切り……?)



祐太 「……」 ニヤリ


    ――タンッ!


    4
    索



ハギヨシ(向聴戻し? 何故……!?)


衣(――妙だ。奴の手の気配が一巡毎に変化している)







祐太(……一向聴地獄ってのは逆に言えば一向聴までなら手は進むって事だろ)


祐太(だったら確実に勝負できる形になるまで一向聴に受けなきゃいいんじゃねーか?)


祐太(二向聴からなら普通に有効牌も引けるみたいだしな)チャッ…



  1p1p1p七八八八九九3688   九



祐太(――よし、整った!)タンッ!


       七
       萬



純(この感じ……)

一(張ったかな?)



衣(……否、張ってはいない。だが……)







純(……)タンッ

    九
    萬



祐太 「……カン」

衣(!)


   ……新ドラは9p。


祐太(思った通りだ。向聴数の変わらない鳴きなら簡単にできる)

祐太(そんでもって―――)チャッ…


 1p1p1p八八八3688  8   (九九九九→)


祐太(これも思った通り……嶺上牌からなら聴牌できる)タンッ


      3
      索



智紀(聴牌……!)

透華(こ、衣の支配を抜けた……!)







衣 「……」

祐太 「ん? どうしたの? キミの番だぜ?」

衣 「あ、あぁ……」


    チャッ…


衣(……何故だ)


衣(何故そこまで高みを渇仰する……!?)


 4p赤5p6p7p7p7p8p9p四赤五五六七  1p


衣(!)



ハギヨシ(ここに来て生牌の1p……ですか)

透華(嫌なものを思い出しますわね)






衣(……同じだ。あの時と)


 4p赤5p6p7p7p7p8p9p四赤五五六七  1p


衣(あの時、衣は1pを切って咲に数え役満の責任払いを受けた)


衣(この1pで放銃するならば然しも無し。だが―――)


衣(だが、もし今回も何かが起こるならば……)



祐太「……」



衣(……それが抗えぬ宿世だったという事なのか)スッ…



    ……タンッ


        1p



純(!)

一(生牌の1p……!)







衣 「……和了るか? 水原祐太」


祐太 「まさか。……でも……」 パタッ…


        1p1p1p



祐太 「 カンだ 」


智紀(だ、大明槓……!)

透華(ますますあの時とそっくりですわ!)

純(おいおい、こいつ……)

一(まさか……)




祐太 「そんじゃ、嶺上ツモだね」 スッ…




衣(―――!)ゾクッ






    チャッ…


祐太 「嶺上……カン!」

 八八八6   (■88■)(1p1p↑1p1p)(九九九九→)



透華(三槓子確定……!)

ハギヨシ(こ、これほどの……)ザワッ



祐太 「なぁ…衣ちゃん」

衣 「な、なんだ」

祐太 「ここまで来たら最後まで引けそうな気しねぇ?」

衣 「……」

祐太 「……今まで和了った事ねーけどさ、なんかイケる気がすんだよね」



      チャッ…



祐太 「――いや、つーか引く。勘だけど分かる」







衣(……あぁ、そうか)




祐太 「 八萬――カン 」 パタ…


     ■八八■


純 「!?」

一 「――す、四槓子っ!?」




衣(そうだったのか。水原祐太……)




祐太 「 …… 」 スッ…




衣(お前が冀求する……その境地は―――)









     “ ――御無礼 ”








――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



純 「……行っちまったな」

一 「そうだね」

純 「半端なかったな」

一 「……そうだね」



衣 「……」



透華(衣……)

智紀(……元気、ない)






ハギヨシ 「衣様。恐れ入りますが、そろそろ御休みになられてはいかがでしょうか」

衣 「……あぁ、そうさせてもらう。衣は聊か気息奄々だ……」

ハギヨシ 「かしこまりました」




衣(……)チラッ



衣(水原祐太よ、もう衣は止めはしない)



衣(寧ろ興味すら湧いた。果たしてヒトの身であの境地を脅かせるのか―――)






 6  6   (■八八■)(■88■)(1p1p↑1p1p)(九九九九→)





以上で終了です。

次の投下は来週の水木金あたりになりそうですね

ところで、裕太は衣から役満直撃しても着順は変わらないと思うんだけど

>>870
傀さんの時みたいに衣の方から止めたんじゃないですかね(テキトー)
でも多分続けてたらもう満足しちゃってる祐太がフルボッコになってたと思います


次回、ついに人鬼がメディアに露呈される……?

再開しますー




【 怪談 】






……あれは六月、梅雨真っ只中のとある日の事でした。


その日はちょうど休日で雨も降っていなかったので、私は近くの雀荘に行く事にしたんです。

もうほとんど常連の私はいつものように店主さんに挨拶をしていつものように卓につきました。


その日の麻雀は好調。

三回連続でトップを取って、四回戦もトップ目でオーラスを迎えた時でした。



……なんとなく、本当に理由もなく私は窓の外に目をやったんです。


そしたら交差点の所に真っ赤なレインコートを着た人―――小柄だったので子どもでしょうか―――が立っていました。

雨は降っていないのにレインコートを着ているのは不思議といえば不思議でしたが、
他には取り立てて変な所は無い一般的な風景でした。

なので私はすぐに麻雀に集中する事にしました。






……暫くして四回戦・五回戦と続いてトップを取り、あと2、3回で切り上げようかなと思った時に、
これまた特に意味は無く窓の外を見たんです。


そうしたら、まだいるんです。

赤いレインコートを着た子どもが、まだ交差点の所に立っていました。



最初見た時から一時間近く経っているというのにさっきと同じ場所にいます。

流石に少し変に思いましたが、また私は麻雀に集中していました。




……結局、その日は夜まで打ち込んでしまいました。

いつの間にか私は赤いレインコートの子どもの事をすっかり忘れていて、いつものように家路についたのです。






……そして家に着き、夕食の事で謝ろうと母に話し掛けると、何故か母は少し驚いているのです。

本を読んでいた兄も不思議そうに目を見開いて私を見ていました。

私が「どうかしたの?」と聞くと、母がゆっくりと答えました。



「……あんた、その









穏乃 「プレーオフの結果どーなったかなー?」 ポチッ


憧 「あ―――!! 何すんのよ馬鹿シズぅぅぅ!!」






穏乃 「へ?」

憧 「へ? じゃないわよ! せっかく良いところだったのに!」

穏乃 「えっ何が?」

憧 「テレビよテレビ! いーからチャンネル戻す!」

穏乃 「あ、うん。はい」 ポチッ



TV 『――では次の話に参りましょう……』



憧 「お、終わっちゃってる……」

穏乃 「はれ? 憧ってこーいうの好きだったっけ?」

憧 「……別に好きって訳でもないけど気になるでしょーが!」 ガクガク

穏乃 「うわわわわごめん! ごめんって!」 ガックンガックン






憧 「……どーせ今年もチキンズかロードスターズあたりが本命でしょ」 フンッ

穏乃 「ごめんってばー! ほら一緒に見ようよ憧! な!」

憧 「全くもう……」 ポチッ



TV 『……続いては、先週も取り挙げたこちらのお話です』




    「呪われた自動麻雀卓」




穏乃 「そ、そんなのあるの!?」

憧 「あんた素直過ぎ……」

穏乃 「面白そう!」






TV 『……前回、その呪われた卓があるという雀荘にスタッフが向かった』

TV 『その曰く付きの自動卓は……ある1席が呪われていると言う』



穏乃 「ほえー」

憧 「和が聞いたら全否定しそうね」



TV 『そしてその席に座ると「絶対に勝てない」呪いだけでなく……不吉な事が起きると言う』

TV 『前回は命知らずのスタッフが座り……翌日に左手首を骨折した』



穏乃 「すっごいなぁ」

憧 「実話ならね」






TV 『……だが、そこ以外の席になら座りたがる客もまだいるようだ。怖いもの見たさと言うべきか』



憧 「これ事情知らない人が座ったらどーするのよ」

穏乃 「興味あるけど怪我は怖いよなぁー」



TV 『……こうして本日再び番組スタッフが店に向かった』

TV 『そして、店員からある驚くべき話を聞いたのだった』



店員 《あー、あの卓っすか? 実はこの前ね、すげー事があったんすよ》



TV 『それは一体どういう事なのか……』




穏乃 「……」 ドキドキ

憧 「あ、CM入っちゃった」






――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



TV 『……それでは、店員さんの話を基に作成したVTRをご覧あれ……』




《再現VTR》



……いやぁ、凄かったです。


その日もね、その席以外は埋まってて、ワン欠け状態が続いてたんですよ。

まぁその曰く付きの席以外なら負ける事もないし、不吉な事も起きないしで一石二鳥。

だからそういう客がわりと座りたがるんです。


フリー卓をワン欠けのまま止めちゃ店としたら余り良くないので、こう、不謹慎ながら誰か来てくれないかなとか思ってしまって。

そうすると、それに合わせるようにドアが開いたんです。






   「……打てますか?」



20代半ばくらいかな?

黒服の若いお兄さんが入って来たんです。
多分新規の客ですね、見ない顔だったんで。

さっきも言ったようにその日は件の卓以外は埋まってまして。
ましてや何も知らない新規の客ですし、一応説明はしたんですが……



   「…………」 フッ…



その客は何も言わずひと笑いして例の席に座ったんです。


メンバーも常連さんも、事情を知ってる人はみな一様にその卓に釘付けになりました。






……で、東一局、ドラは確か4索だったかな?

起親の彼の配牌はこうでした。



  2p3p4p5p6p7p3578五六七



……え?

「呪われていて絶対に勝てない」わりには最高の配牌じゃないかって?

確かに見た目はそうですね。でも他家の配牌も見てみたら……




 45667九九九南南南發發



 3p4p5p6p7p一一二三四六七八



 234三五五五7p7p8p8p9p9p



……順に下家、対面、上家の配牌でした。


…………


……いや、本当です。


僕も目を疑いましたよ。四度見くらいしましたもん。






―――で、彼の第一ツモが三萬でした。



   「…………」

  2p3p4p5p6p7p3578五六七  三



あ、こりゃまずいなと思いましたよ。もちろん。

上家さんが三-四萬待ちですし、5-8索は下家さんの当たり牌。

ドラ表の3索あたりを切らないと即放銃ですから。


……でも彼は違いました。



   「…………」 ツッ…


        3p



なんと3pを切ったんです。

……3pですよ? ていうか筒子に手を掛けるなんて絶対に有り得ないでしょ?






そんなこんなで驚いていると、下家さんが最初のツモを引きました。


   「……さてと」 チャッ…

 45667九九九南南南發發   發


      タンッ…

       7
       索


三暗刻がついて3-6待ちで満貫確定。

(多分)四暗刻を見たんでしょう、Wリーチは掛けませんでした。

……続いて、対面さんの第一ツモ。



   「……ちっ。地和ならずか」

 3p4p5p6p7p一一二三四六七八   北


   「まぁいい……Wリーだ!」 タンッ



……で、おまけに上家さんも……



   「……じゃあ俺もリーチだな!」

 234三五五五7p7p8p8p9p9p   六



三萬切りリーチで追っ掛けました。

東発でWリーチ2軒ってどうなってるんだって感じですよね?
しかも下家さんも手変わり待ちしてるだけで満貫を張ってるし。







   「…………」

  2p4p5p6p7p3578三五六七  2p



……で、絶体絶命なのが黒服の彼。

完全安牌は三萬だけだし、ここは上家さんに合わせ打つしか―――



          ツッ…

       8
       索



―――の筈が、なんと8索切り。



   「……」

 4566九九九南南南發發發



5-8索待ちのままならアガれてた下家さんも僅かに苦々しい表情をしていました。







そして次巡……



   「…………」

  2p2p4p5p6p7p357三五六七  6


          タンッ…

       三
       萬



ここで安牌の三萬切り。



   「……!」

 234五五五六7p7p8p8p9p9p



三-四萬待ちのままならアガっていた上家さんも同じように少しだけ眉をひそめました。

そして下家さんの手が変化します。



   「……」 チャッ…

 4566九九九南南南發發發   4


ドラ引きでツモスー聴牌。
予想通り、下家さんは5索を切り出してリーチを掛けました。







   「……」

 4466九九九南南南發發發


   「……」

 3p4p5p6p7p一一二三四六七八


   「……」

 234五五五六7p7p8p8p9p9p



これで三人とも聴牌。

どんなに配牌が良くても他家は更に良いんですからやっぱりこの席は勝てないんだ…と、呪われてる…と再認識したんです。



   「…………」 ニヤリ

  2p2p4p5p6p7p3567五六七



……でも、黒服の彼はまた笑いました。





彼の次のツモはなんと……



   「…………」 チャッ

  2p2p4p5p6p7p3567五六七   3p



第一打の3pを引き戻して聴牌したんです。

そして嘲笑うかのように―――



   「……四人リーチは続行でしたね?」



ドラ表の3索を切ってリーチしました。

またしても3-6索待ちのままならアガれてた下家は良い気分ではないでしょう。







   「……!」

 4466九九九南南南發發發   九


   「カ、カンだ!」



そして切りづらい九萬を引いてきた下家さんは暗槓……新ドラは五萬でした。



対面さんはムダヅモ……


   「……」 チャッ…

 3p4p5p6p7p一一二三四六七八   9



上家さんも……


   「……」 チャッ…

 234五五五六7p7p8p8p9p9p   白




そして、そんな中……






   「……ツモりました」


  2p2p3p4p5p6p7p567五六七   2p



メンタンピンツモ三色ドラ1の大物手……

周りの卓からも歓声すら上がったように感じます。
無理もないでしょう、この呪われた席に座ってアガった人は今までいないのですから。



   「……え? え?」

   「6000オール……? いや、つーかなんでその席でアガれるんだ!?」

   「こ、こんなこと初めてだぜ……」



しかし黒服の彼は他家さんを一瞥もせず、裏ドラ・槓裏を捲ります。



           1p
               1p


   「裏……6枚。16000オールです」







   「え……!?」

   「かかか数え役満っ!?」



僕も、他のメンバーもお客さんも、全員が唖然としました。



       「 御無礼 」



黒服の彼はそう嘯き、何事も無かったかのように次局に進んだんです。



…………



…………



……え? その後はどうなったかって?







      「 御無礼 」


  222二二二三四2p2p2p8p8p   五




      「 御無礼 」


  1p1p1p2p123七七八八九九   3p


    「……トビ終了ですね」



……あっという間でした。

他家さん達も何が起こったのか理解できていないような表情です。



     「…………」 フッ


黒服の彼は、卓につく時と同じようにひと笑いだけしてその場を後にしました。



それから1ヶ月ほど経ちますが、一度も彼は店に来ません。

一体何者だったんでしょう……







―――――――――――――――――――――――――――



TV 『……呪われているはずの席につき圧勝していった男……』

TV 『一体、何者だったのか……!』



憧 「」

穏乃 「凄い! なんかカッコイイ!」

憧 「」

穏乃 「……あれ? どしたの憧」

憧 「え? だって……いやいや……そんな訳……」

穏乃 「?」

憧(か、傀さんの訳ないわよね。どーせこんなのフィクションなんだから)




TV 『信じるかどうかはあなた次第……』



次も一話完結にすればもう一話いけそうですね

今日のところは以上です。

今日か明日に再開します

次回、人鬼が獲物を殺し損ねる……?

すばら!!




【 ワレモノ 】






福岡、とある雀荘。



傀 「……リーチ」 ツッ…


  一三八五2p西
  8 (リーチ)



モブA(は、速か……)

モブB(安牌なかよそんなん!)


      チャッ…



傀 「 一発―――ツモりました 」


    バタリ!


三四五七七4p5p6p6p7p234   赤5p







傀 「3000,6000です。お二人ともトビましたね」


モブA「くそ……」 ジャラッ

モブB「ツイとるなぁ兄ちゃん」


傀 「……次戦開始です」


   ガラガラガラ…


傀 「対面さんはいかがですか?」



煌 「えぇ、すばらです!」 キラーン






……東一局、ドラは九萬

四巡目



煌(ふーむ……1人の時に彼と再会するとは)



傀 「……」



煌(それにしてもお久し振りですね。私の事は覚えてらっしゃいますか?)タンッ



傀 「……ポン」

■■■■■■■■■■   (六↑六六)



煌(おや……)







次巡


傀 「チー」

■■■■■■■■   (768)(六↑六六)


     トンッ…


       5
       索



煌(あの仕掛け。タンヤオでしょう)


煌(…………と、思わせて役牌暗刻だったりするんですかね)


煌(彼が相手だと攻め手が読めません。すばらです)タンッ


     9
     索



傀 「 ……ロン 」







     ぱたり…


6p6p6p6669   (768)(六↑六六)



傀 「 2600ですね 」

煌(さ、三色同刻……!?)

モブA(エグいな……)

モブB(直前に5索切り? 何やっとんじゃ?)



煌(流石ですね……)



モブA ・・・ 25000
煌 ・・・ 22400 (-2600)
モブB ・・・ 25000
傀 ・・・ 27600 (+2600)






   ガラガラガラ…


東二局、ドラは4p。



煌(……ふむふむ)

3p5p6p9p5679二三七白發   南


――打、南


煌(567三色を狙いつつ平和系に持っていければ……)



傀 「……」

■■■■■■■■■■■■■



煌(……それはそうと、傀さんの表情は相変わらず読めないです)

煌(あのお二人のリザベーションを破った程の人ですからね。油断できません)







九巡目



煌(三色はならずですか。まぁ親番で贅沢は言えませんね!)


5p6p7p567二三七八白白發   九


煌 「リーチです!」 タンッ

   發



モブB「親リーか……」 タンッ

傀 「……」 ト…

モブA「……」 タンッ



煌(……皆さん回りましたか)







二巡後



傀 「リーチ」 タンッ…



モブA「二軒かい」 タンッ

煌(追っ掛けられましたか……オリてなかったんですね)タンッ

モブB「オリやな」 タンッ

傀 「……」 ツッ…



煌(悪くない待ちなんですが……)

5p6p7p567二三七八九白白   二


    タンッ…

    二
    萬



傀 「…ロンです」

煌(……うっ)







  二二五六七2p3p4p赤5p6p7p白白


傀 「裏無しは5200……」


煌 「はい」 チラッ


  5p6p7p567二三七八九白白


煌(随分と薄い待ちに放銃してしまいましたね)

煌(両面が片枯れのシャンポンに負ける……これも麻雀の面白いところです)スバラ!



傀 「……」 チボッ…



モブA ・・・ 25000
煌 ・・・ 16200 (-6200)
モブB ・・・ 25000
傀 ・・・ 33800 (+6200)






東三局、ドラは一萬



煌(……)チャッ…


 發發白3


煌(……おや?)チャッ…


 發發白3 一中二白


煌(こ、これは……)チャッ…


 發發白3 一中二白  中6p四3p


煌(す、すばら……)


一二四3p6p35白白發發中中






モブB「……」 タンッ

傀 「……」 ツッ…

モブA「……」 タンッ



煌(おぅふ……益々すばらです)


一二四3p6p35白白發發中中   中


煌(一萬はドラですし、大三元が成らなかった時の打点上昇の為には捨てられないですね)

煌(となればこの辺でしょうか……)タンッ


      6p



傀 「……」 フッ…


煌(わ、笑った……? 申し訳ないですが彼の笑いには良い思い出がありません)スバラ…







傀 「……」 タンッ…

   一
   萬


煌(ドラ……!? まさか彼も速い手なんですか?)


モブA「チー!」 パタッ

   二三



傀 「……」 ツッ…

   2p


モブA「そいつもチーや」 バタッ

   1p3p



傀 「……」 ト…

   8p


モブA「っ……チー!」 パタッ

   7p9p






……二巡後



モブA「よっし…ツモった!」


12東東  3 (8p7p9p)(2p1p3p)(一二三)


モブA「1000,2000やな」



煌(流されましたか……)

一二三四35白白發發中中中



モブB 「……ったく。下家に三副露もさせんときぃな、兄ちゃん」



傀 「……」 フッ…




モブA ・・・ 29000 (+4000)
煌 ・・・ 15200 (-1000)
モブB ・・・ 23000 (-2000)
傀 ・・・ 32800 (-1000)







東四局、ドラは五萬。

七巡目


   チャッ…


煌(……役無しですがドラ3聴牌です)

四赤五六3p4p赤5p7p7p8p67北北   7p


煌(ラス目ですしここは当然―――)タンッ


  9 一二發南 4
  8p(リーチ)


煌 「リーチっ!」



モブA(ちぇっ)

モブB(安牌な……キツかよ)







モブA(まぁ、押す手でもなかね)タンッ

        9
        索



傀 「 9索ロンです 1500点 」


    ぱたり…


  6678一二二三三四2p3p4p


モブA「かぁー現物待ちかい! まぁノミ手やけん良か良か」 チャラ…


煌(……ま、また勝負手を潰されましたか)



傀 「 御無礼…… 」



    ガラガラガラ…



モブA ・・・ 27500 (-1500)
煌 ・・・ 14200 (-1000)
モブB ・・・ 23000
傀 ・・・ 35300 (+2500)







東四局一本場、ドラは8索

五巡目



傀 「……リーチ」 ツッ…


  一西九中9p(リーチ)



煌(!?)

モブA「ご、五巡……?」

モブB「速か……」


      チャッ…



傀 「 御無礼 」


 2p3p4p5p6p7p8p9p三四五南南   1p


傀 「……一発ツモ 6100オール」







―――――――――――――――――――――――――――



煌(こ、これはすばらくないですね……)タンッ

      九
      萬



傀 「 御無礼 」


    バタリ!


 11789九九1p2p3p東東東




煌(むむむ……)タンッ

      6p



傀 「 御無礼 」


      バタリ!


 2p3p4p7p8p8p8p南南南中中中







―――――――――――――――――――――――――――



煌(……)チャッ…

三三四五3p4p6p7p8p8p南南南   2p



  ・ 傀の捨て牌

  東北1p西4p二
  七 8(リーチ)



煌(三萬か8p切りで聴牌です。どちらかが通れば……)


煌(……)


煌(……ふふっ。分かっていますよ! そう思わせて実はどちらを切っても放銃なんでしょう?)キラーン


煌(ここは固く行きます!)タンッ


     南



傀 「 御無礼 」


 三三六六2p2p赤5p5p8p8p22南



煌 「すば……っ!?」

傀 「裏が乗って12000になりました」









煌(ほほほ本格的にまずいです……)



     ――チャッ


傀 「 ツモ 」


    ぱたり…


 6p7p7p7p7p8p8p二三四赤五六七   6p


傀 「6000オールです」


モブA「」

モブB「」



傀 「……トビが2名出ましたので終了ですね」



―――――――――――――――――――――――――――







――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



傀 「……続行しますか?」

モブA「お、俺はもうよか……」

モブB「俺も……」



傀 「では対面さんはいかがですか?」


煌 「――もちろんすばらです。続けますよ!」


傀 「……」


煌(敵わなくとも一矢くらいは報いてみせます!)キラーン




煌 「では早速賽を振らせて頂きますよ!」 ピッ





    シーン…


煌 「……」


煌(おや……?)ピッ


煌(賽が動きませんね。どうしたんでしょう)


煌 「……あの、すみません」


店員「はい?」


煌 「サイコロが回らないのですが……」


店員 「え? ほんなごと……」 ピッ


    シーン…


店員「んー……」


店員「あちゃあ……点棒ん表示も消えとーし、基板ばイカれたんかも……」






煌 「そ、それはすばらくないですね」

店員「すまんばってんがこん卓ば使えんって事で……」

煌 「いえいえ、致し方ない事ですよ。分かりました」

煌(……さて、他は満卓ですしどうしましょうか)



傀 「……」 スッ…


   コツッ… コツッ… コツッ…



煌 「あ、もう帰られるんですか?」



傀 「続行不能のようなので……これにて卓を割らせて頂きます」



煌 「そうですか……」



     ……カランカラーン







煌(……行ってしまいましたか)



煌(……)



煌(やはり彼はすばらですね……いつかご指導賜りたいものです)ウンウン




丈夫さ

すばら>>>>>自動卓


以上で終了です。

勝手にここまでの対戦回数をまとめてみた
※wikiにまとめられている作品のみ
※[]内はスレ番号。()内は傀以外の対戦相手。人鬼と同卓したタイトルを記載。
※抜かりがあれば申し訳ありません。

○清澄高校
・宮永咲 [1]白昼夢、[2]天才、[3]集会(安永)、[4]名前(祐太)、[6]華、[8]別れ道(祐太)、[9]代走
・原村和 [2]真逆の二人(巫)、[2]天才、[4]名前(祐太)
・片岡優希 [1]強運
・竹井久 [2]天才、[3]悪待ち、[7]十七歩、[9]偏り
・染谷まこ [7]捨て牌
・須賀京太郎 [4]匿名、[7]伏兵

○龍門渕高校
・天江衣 [1]腕試し(後堂)、[4]月、[9]代走、[10]家族(祐太)
・龍門渕透華 [1]氷と水(日陰)、[7]十七歩
・井上純 [3]哭き麻、[10]家族(祐太)
・国広一 [3]哭き麻、[6]約束、[10]家族(祐太)
・沢村智紀 [3]哭き麻

○風越女子高校
・福路美穂子 [2]巧者、[7]十七歩、[10]硝子
・池田華菜 [1]強運、[10]道草(祐太)
・吉留未春 [10]道草(祐太)
・文堂星夏 [10]道草(祐太)
・深堀純代

○鶴賀学園高等部
・加治木ゆみ [2]巧者、[7]十七歩、[10]硝子

・蒲原智美 
・東横桃子 
・津山睦月 
・妹尾佳織 [1]強運


○阿知賀女子学院
・高鴨穏乃 [1]遭遇、[5]山
・新子憧 [1]遭遇、[2]巧者
・松実玄 [1]遭遇、[6]岐路(傀・後堂)
・松実宥 [1]姉妹、[10]赤牌(秀)
・鷺森灼 [5]師と弟子(祐太・安永)、[8]轍

○白糸台高校
・宮永照 [1]極地、[9]鏡(祐太)
・弘世菫 [3]四海、[5]反撃、[9]鏡(祐太)
・大星淡 [3]四海、[4]意地、[9]鏡(祐太)
・渋谷尭深 [3]四海
・亦野誠子 [4]匿名

○姫松高校
・愛宕洋榎 [1]西の麻雀、[8]浪速の麻雀
・末原恭子 [1]大将戦、[5]三つ巴
・上重漫 [1]西の麻雀、[5]種火
・愛宕絹恵 [1]西の麻雀
・真瀬由子 [5]三つ巴

○千里山女子高校
・園城寺怜 [1]神眼、[2]行き止まり、[3]初心、[5]反撃
・清水谷竜華 [2]人鬼の一打、[3]初心、[6]仇
・江口セーラ [3]初心、[8]浪速の麻雀
・二条泉 [6]深読み
・船久保浩子 [4]観戦、[6]深読み

○永水女子高校
・神代小蒔 [2]祓
・石戸霞 [1]大将戦、[2]祓
・薄墨初美 [2]祓
・狩宿巴 [8]禊
・滝見春 [8]禊

○宮守女子高校
・小瀬川白望 [5]迷い、[5]反撃
・エイスリン ウィッシュアート [4]居場所
・鹿倉胡桃 [1]厄日
・臼沢塞 [1]厄日
・姉帯豊音 [1]大将戦、[1]厄日

○新道寺女子高校
・花田煌 [4]縛り、[10]ワレモノ
・安河内美子
・江崎仁美
・白水哩 [4]縛り
・鶴田姫子 [4]縛り

○臨海女子高校
・辻垣内智葉 [5]筋、[8]石川さんの奮闘(石川さん)
・ハオ慧宇 [7]故郷
・雀明華 [9]暴風
・Megan Davin
・Nelly Virsaladze

○有珠山高校
・本内成香 [7]吹雪
・桧森誓子 [7]吹雪
・岩館揺杏 [9]枷
・真屋由暉子
・獅子原爽

○晩成高校
・小走やえ [10]王者
・岡橋初瀬 [10]王者

○その他
・原村父 [6]親心
・夢乃マホ [3]模範
・室橋裕子
・南浦聡 [5]老獪(須賀)
・南浦数絵 [6]群れ
・荒川憩 [8]浪速の麻雀
・佐々野いちご [6]贄
・石飛閑無 [7]慕情
・白築慕 [7]慕情

○プロ or 監督
・赤土晴絵 [2]噂、[5]師と弟子(祐太・安永)、[8]同窓会
・愛宕雅枝
・熊倉トシ
・藤田靖子 [1]極地、[2]奔放(江崎)、[4]名前(祐太)、[5]引き抜き(モブ)、[6]華
・小鍛治健夜 [2]無敗、[4]ひとかど(モブ)
・三尋木咏 [2]門前、[3]嫌味、[5]引き抜き(モブ)、[9]曲者(江崎・後堂)
・戒能良子 [5]スタイル、[5]引き抜き(モブ)、[8]同窓会
・瑞原はやり [3]先達、[5]引き抜き(モブ)、[8]同窓会
・大沼秋一郎 [3]若気

○Extra(特定の相手なし)
[4]最善手、[10]怪談

>>964-965
乙です!

次スレについてはまた少し間を空けるかも知れないんで埋めちゃって結構ですよー

それまでリクエストがあればオナシャス

                 -──-
             イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:>x
           /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\__.,,イ
         ≧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i;i:i:i:i:i:i乂__
        {乂:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i<
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       ≧_:i:i:i:イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:卞:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i(

        ∠:i:i:i乂彡イ:i:i:i:ii从乂乂`寸:ハi乂八:i:i:i:i卞≧
        //:i:i八_小)八{    艾tテァ乂ハ}乂:i:i:i:i:i彡⌒
         { (ハ:iハ八{          /tテァ八}:i:i匕
         /ニ寸            | /:i:i:i:i:i:iく
        /ニニニニ寸     \     |./:i:i:i≦⌒
     -<二二二二ニ       ミ=ー¨´寸乂
 -=ニ二二二二二二二ニ\\   `¨¨/
二二二二二二二二二二二>\ __ /    _Tニ1          _
二二二二二二二二二二二二>匕{    ) | Y/`ヽ       ___
二二二二二二二二二二二二二二二≧ .//   ム匕7     ー┼ァ
二二二二二二二二二二二二二二二二//       <ヽ.      │
二二二二二二二二二二二二二ニニニニイ {      .八|     | |
二二二二二二二二二二二二二二ニニ∧      /          ノ
二二二二二二二二二二二二二二二二}       /ニ
二二二二二二二二二二二二二ニニニニ/     /二二ニ-

二二二二二二二二二二二二二二二ニニ=-  /く二二二二ニ-
二二二二二二二二二二二二二二二二二二ニ/二二二二二二ニ
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ニ-

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