あずさ「いつまでも私の隣に…」 (19)

1:あずささん誕生日おめでとう! 遅れてごめんなさい。

2:あずささんの口調に違和感が……。

3:毎回の如く短いです。

4:よくある話です。

それでは。

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P「すみません。ここまで撮影が長引くなんて……」

あずさ「プロデューサーさんのせいじゃありませんよ? 私がドジちゃったから……」

P「それは、俺のフォローが足りなかったからーー」

あずさ「いいえ……私が……」

P「いいや、俺が……」

あずさ「うふふ……キリがありませんね」

P「じゃあ、お互い様って事で」

あずさ「はい♪」

P「あ、あの店無くなってる……」

あずさ「この辺も大分、変わりましたね」

P「便利って言ったら、便利なんですけどね」

あずさ「……少し、寂しい。ですね」

P「……ま、変わらないものなんてありませんよ」

あずさ「……それは」

P「はい?」

あずさ「それは……私たちも、ですか?」

P「……」

あずさ「私たちなら、大丈夫ーーですよね?」

P「……例外はありません」

あずさ「そう、ですか……そうですよね」

P「……言っている事がおかしいかも知れませんが……変わらないものもありますよ」

あずさ「え?」

P「そうだ。食事に行きませんか?」

あずさ「え、え?っと……」

P「あ、都合が合いませんか?」

あずさ「い、いいえ! そんな事は……」

P「じゃあ、問題ありませんね」

あずさ「は、はい……」

店員「注文には鮮度というものがあります。迷えば迷う程、食事を楽しむ時間が死んでいくものなのです」

P「俺は……このイチゴパスタとPランチで」

あずさ「私は……トマトパスタで」

店員「かしこまりました」

あずさ「オシャレなお店ですねぇ?……結構、来るんですか?」

P「はい。誰かと来たのはあずささんが初めてですけど」

あずさ「そ、そうなんですか……うふふ♪」

P「……」

あずさ「あ、あの……」

P「はい?」

あずさ「プロデューサーさんは……どうして、この仕事に?」

P「つまらない話ですよ?」

あずさ「それでも……聞きたいんです。プロデューサー事なら、何でも……」

P「は、はい……」

あずさ(恥ずかしいこと、言っちゃった……)

P「社長に声をかけて貰った時点で、俺はある会社のサラリーマンだったんです」

あずさ「プロデューサーさんにピッタリですねぇ?」

P「割といい会社だったんですよ?」

あずさ「あら、そうなんですか? でも、どうして?」

P「……プロデュースしてみたい人が居たからです」

あずさ「あら、あら、あら?」

P「あ、あずささん?」

あずさ「す、すみません……でも……良いですね。そういうの」

P「……ま、それだけです。ご期待に応えられなかったら、すみません」

あずさ「いいえ、嬉しかったです……ちょっと、羨ましいですけど」

P「え?」

店員「食事の祈りは済ませましたかな? さあ目で楽しみ、舌で味わいなさい!」

あずさ「あ、来ましたねぇ?」

P「そうですね……食べましょうか」

あずさ「はい♪」

P(……意外と美味しい)

あずさ「パスタ、お好きなんですか?」

P「いや……洒落た店は他に知らない物で……」

あずさ「あらあら……プロデューサーさんたら……うふふ」

あずさ「美味しかったですねぇ?」

P「はい……あずささんは明日、オフでしたよね」

あずさ「え?っと……はい。久しぶりのお休みですねぇ?」

P「しっかり休んで下さいよ? 仕事が鬼のようにありますから」

あずさ「……お、お手柔らかにお願いします」

P「あずささんの事は心配してませんけど」

あずさ「そんなこと……」

P「あずささんは、ご自分で思っている以上にしっかりとした女性なんですよ?」

あずさ「……そうでしょうか? 自分ではあんまり……」

あずさ「美味しかったですねぇ?」

あずさ「美味しかったですねぇ~」

?は基本~だと思って下さい……何故だ。

P「……あずささん?」

あずさ「私がしっかりして見えて……実際、そうだとしたら……それは……」

P「……」

あずさ「プロデューサーさんが、居るからなんです」

P「あずささん」

あずさ「好きな人の前では……少しでも一人前になろうって、私なりに……努力してるんですよ?」

P「……」

あずさ「プロデューサーさんからは……私はどう見えましたか?」

あずさ「一人でも、プロデューサーさんが居なくても……頑張っていけるように……ならなくちゃ、いけないのに……」

あずさ「怖いんです……なるのがじゃなくて……その時が来るのが」

P「そうですね。確かに、あずささんは……アイドルとしてもう、一人前です」

あずさ「!」

P「正直……もう少し、時間が掛かると思ってましたが、こんなに早いとは」

あずさ「そんな、私は……」

P「……これなら、もう」

あずさ「嫌です! 私は……!」

P「……やめませんよ」

あずさ「……え?」

P「確かに、俺がずっと付いて居る必要はありませんけど……まだまだやることはあります」

P「それに……」

あずさ「それに……?」

P「道に迷うような人を一人にする訳には……」

あずさ「も、もう! プロデューサーさんは、意地悪なんですから……!」

P「あはは……すみません」

あずさ「もう……」

P「それに……」

あずさ「はい?」

P「例外はない……だけど、それでも変わらないものがあると言いましたよね?」

あずさ「はい……」

P「確かに、765プロのみんながずっとこのまま……ということはありません」

あずさ「……」

P「みんなが、それぞれ違う方向に売れ、違う道を進んで行くでしょう……でも」

あずさ「……?」

P「俺は変わらずにあずささんの隣に……居ますよ」

あずさ「ぷ、プロデューサーさん!?」

P「あなたが、トップアイドルになって、その先に進んで、アイドルをやめる時まで……ずっと」

あずさ「あ、あの……恥ずかしいです……」

P「俺もですけど、前から言いたかったことですから……」

あずさ「プロデューサーさんの……意地悪……」

P「ははは……すみません」

あずさ「あの……プロデューサーさんが、プロデュースしてみたかった子って……」

P「あずささんの事ですよ?」

あずさ「!」

P「あ、あずささん!? か、顔が赤ーー」

あずさ「や、やっぱり……プロデューサーさんは意地悪なんですね」

P「え、ええ?」

「あれからずっと……私は迷いながらも、転びながらも、立ち止まりながらも……」

あずさ「歩いてくる事が出来ました」

あずさ「それはきっと……」

あずさ「あなたが、いつまでも隣に…居てくれたから」

あずさ「これからも……ずっと、隣に…居て貰えますか?」

P「……はい。喜んで」

end

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