P「うちのアイドルたちの人気の理由がわかった」小鳥「またですか」 (110)



P「やっぱりバカだからだ」


小鳥「またですか」





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405764642



続きかけって言われたから書いてみた



前作有

P「うちのアイドルたちの人気の理由がわかった」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1374502311/)



小鳥「もう聞きましたよ」

P「まあそうなんですけど」

P「ほら、前は5人しか検証しなかったでしょう」

P「事務所の半分以下の人数しか検証してないのにそう決め付けるのは早計かなと思いまして」

小鳥「はあ。ということは残りの子も検証したんですか?」

P「そうです」

小鳥「前回は、えっと」

P「春香、千早、真、雪歩、貴音ですね」

小鳥「今回はそれ以外の子ですか」

P「はい」




P「で、誰からいきます?」

小鳥「あ、私も見るのは決定事項なんですね」

P「誰からいきます?」

小鳥「……じゃあ伊織ちゃんで」

P「伊織ですか」

小鳥「はい。想像できなそうなところから選んでみたんですけど」

P「ではいきましょう」ピッ




P『――ってことだ。まあ今日は下見だからイメージだけ掴んでくれればいいんだけどな』

伊織『ふーん、わかったわ』





小鳥「今回も隠し撮りなんですね」

P「基本的には」

小鳥「……」

P「説明するとですね、最近の大型卸売店、スーパーマーケットを取材する仕事が入ったんですけど」

P「その下見をするところです」





伊織『どういうところに注目すればいいのかしら?』





小鳥「きょろきょろしてますね。ふふっ、かわいい」





P『そうだなぁ、ひと昔前とは変わったところとか……というか伊織』

伊織『なによ』

P『まさかとは思うが、スーパーに来たことないとかじゃないよな?』

伊織『』




P「ポイントはですね、『まさか、やったことあるよな?』といういかにも常識みたいな言い方をするところですね」

小鳥「は、はあ……」

P「すると……」





伊織『なっ!? そ、そんなことあるわけないでしょ!』




P「こう来るわけですね」

小鳥「なるほど」

P「見栄を張っちゃういおりんマジ天使。じゃなかった、マジバカ」




伊織『こ、この前やよいと来たもの!』

P『そっか。じゃあスーパーでのマナーも大丈夫だよな』

伊織『……ま、マナー?』



小鳥「……マナー?」




P『……一応知ってるとは思うけど、言っとくか?』

伊織『そ、そうね! もちろん知ってるけど確認のために言ってもいいわよ!』

P『今回は下見だから何も買わないよな』

伊織『そうね』

P『何も買わないでスーパーを出てく時は、ほら、あそこにフードコーナーあるだろ?』

伊織『ええ』

P『あそこのものを何かひとつ食べてから出て行くんだ』




小鳥「えっ?」

P「まあ、ないですよね」






P『焼き鳥なりコロッケなり……あ、ここ味噌汁もあるな。あれでもいいけど』

P『まあ常識だよな』

伊織『そ、そうね! やっぱり伊織ちゃんが考えたのであってたわ!』





小鳥「……まじすか」

P「伊織は自分が物事を知らないことを隠したがるんですよね。まあこれは嘘ですけど」




伊織『じゃあちょっと行ってくるわね』スタスタ

P『ああ』





小鳥「だ、ダメよ伊織ちゃん! 犯罪者になっちゃうわよ!?」





伊織『……』キョロキョロ




小鳥「気づいて! 伊織ちゃん気づいて! 周りの人食べてないでしょ!?」

P「変装してぬいぐるみ持ったまま周りの反応伺ういおりんマジ不審者」




伊織『……』スッ



小鳥「焼き鳥持った! 焼き鳥持ちましたよプロデューサーさん!?」

P「そしてそのまま……!」




伊織『ぱくっ』

店員『お、お客様ーーーーーーーー!?』





小鳥「食べたー! 犯罪者乙!」

P「はい、ということで」ピッ

小鳥「……」

P「なにかフォローの言葉は?」

小鳥「……これはさすがに」

P「常識っていう言葉は怖いですね」

小鳥「これ、このあと大丈夫だったんですか?」

P「まあ正体を明かしたらなんとかなりましたよ。むしろお店側がちょっと喜んでたくらいで」

小鳥「伊織ちゃんは?」

P「その場はなんとかごまかしてましたね。後でめっちゃキレられましたが」

P「『信じらんない!』

『馬鹿!』

『ヘンタイ!』のフルコースでしたね。ごちそうさまでした」

小鳥「……」

P「ちなみにこのあと事務所でですね」ピッ





小鳥「えっと、これは?」

P「仲間を探してるんですよ」

小鳥「な、仲間……?」




伊織『――ってマナーがあるのよ。知ってた?』

真『……それはないんじゃないかな』

伊織『……』

真『それ誰から聞いたの? 伊織、騙されてるんじゃない?』

伊織『そ、そうよね。そんなことあるわけないわよね……』シュン




P「自分以外にも騙される人いるんじゃないかなー――っているわけねーだろ!
 ありえねーよ! シュンとしてんじゃねーよ! シュンとしたいおりんマジぺろぺろ!」

小鳥「……」




春香『そ、それは……多分嘘じゃないかな……』

律子『あなた何言ってるの?』

やよい『ありえないかなーって』



伊織『……』デコーン





P「まあ伊織はこんな感じですね」

小鳥「なんというか……」

P「基本的に見聞は広いんですけどね。ただお嬢様育ちですから、一般常識が欠けてる部分があるのは致し方ないかな、と」

小鳥「灯台下暗し、ってことですか」

P「そうですね。そのこと自体はしょうがないので素直に聞けばいいのに」

小鳥「素直になれないんですね」

P「素直になれないいおりんマジバかわいい!」

小鳥「今回は完全に騙しにかかってますけどね」




P「さて、次は誰行きましょうか」

小鳥「うーん、じゃあ伊織ちゃんとの対比でやよいちゃんとかは?」

P「おっと、天使二人を先に片付けてしまいますか。音無さん、好きなものは先に食べるタイプですか?」

小鳥「いえ、後にとっておきますけど」

P「そうですか。ではいきましょう」ピッ

小鳥「……」




P『なに食べてもいいからな。遠慮しないで頼め』

やよい『ありがとうございまーす!』






小鳥「んー……お食事ですか?」

P「ええ、とある中華料理屋です」




やよい『うーんと……』

P『決まったか?』

やよい『え、えっと……』

P『あ、ゆっくり考えてくれていいからな』





小鳥「やよいちゃんには優しいですね、プロデューサーさん」

P「そうですか? まあやよいを相手にすると誰でも無意識に優しくなりますからね」

P「だってほら!」





やよい『プロデューサーは、もう決めたんですか?』

P『ん? ああ』

やよい『じゃ、じゃあプロデューサーと同じのにしようかなーって……えへへ』





小鳥「やめて! そんなに可愛いリアクションしないで!」

P「ね。もうライスだけ頼んでやよいをおかずに食べようかと思いましたよ」




P『あ、じゃあすいません。唐揚げ定食2つお願いします。俺はご飯大盛りで』

P『やよいも大盛りいくか?』

やよい『わ、私は普通で大丈夫です!』



小鳥「あぁ~……かわいいですねぇ……」

P「もう動作の一つ一つがかわいいですよね」

P「さて、少し早送りしますよ」ピッ

小鳥「っていうかただの食事風景じゃないですか、これ」

P「まあこの後ですよ。お、きたきた」ピッ




店員『唐揚げセットです』

P『どーも。あ、大盛りがこっちで』

やよい『わー……』





から揚げ定食『』ヤア




小鳥「量多っ!?」

P「そう。ここはお腹いっぱいになるお店なんですよ」

P「から揚げ大盛りにご飯、サラダ、餃子、キムチ、中華スープ、シメに杏仁豆腐」

P「ガテン系のお兄さんから貴音まで、定食一つで満足させてくれる。そんなお店です」





やよい『す、すごい量ですねー……』

P『遠慮しないでいいからな。いっぱい食べろ』

やよい『は、はい! がんばります!』




P「これ、俺でもかなりきますからね。満腹感を感じる前にガーッと食わないと」

小鳥「これ食べ切れます……?」

P「まあ無理ですよね」




やよい『わ、おいしいですー!』

P『それはよかった』ガツガツ




小鳥「想定済みなんですか?」

P「はい。すべて計画通りですよ」





P『ふう、ごちそーさま』

やよい『は、早いですねー』

P『そうか?』

やよい『ちゃんと噛みましたか?』

P『噛んだ噛んだ。 ま、まだ時間あるしやよいはゆっくり食べてていいからな』




小鳥「計画通り?」

P「ええ。量が多いことは当然把握してましたし、初めての店で食べるとやよいが

 『おすすめは?』『プロデューサーは何を頼んだんですか?』

 と聞いてくることが多いというのも想定済みです」

小鳥「……なるほど」




やよい『……』ムグムグ

唐揚げ定食『まだ半分以上残ってるよ!』

やよい『……』パクッ

P『新聞でも読むか』

やよい『……』ゴクゴク




小鳥「ああ、ついに水を飲むように……」

小鳥「ダメよ……量を食べるときは水を飲み始めたら負けなのよ……!」

P「ここからですね」




やよい『あ、あのー……』

P『ん?』

やよい『ぷ、プロデューサーは……お腹いっぱいになりましたか?』

P『ああ。満腹で大満足だよ』

やよい『そ、そうですよね……』




小鳥「」

小鳥「助けろ!」

P「俺だって自分を抑えるのに苦労しましたよ」

P「いつもだったら事前に『食べきれなそうだったら俺が少し食べようか?』って言ってますし」

小鳥「じゃあなんで……!」





やよい『……』パクッ

やよい『……』ムグムグ





小鳥「ああ……なに!? この給食後の昼休み、嫌いなものを残してしまって最後まで食べさせられているこの感じ!?」

P「……バカですよね」




やよい『う……』

唐揚げ『』ヤア

やよい『……』

やよい『……!』ブンブン

やよい『』パクッ





小鳥「バカですって!? そろそろ私だって怒りますよ!?」

P「……頼ればいいんですよ」

小鳥「それができないのがやよいちゃんじゃないですか!!」

P「それがバカだって言ってるんです」

小鳥「……! あ、あなたは……!」

P「頼ればいいんです。目の前の奴が満腹だっていいじゃないですか」

P「ごめんなさい、食べきれないから食べて下さいって言えばいいんですよ。大人に頼ればいいんです」

P「……やよいは、まだ子供なんだから」

小鳥「プロデューサーさん……」





やよい『……』ムグムグ





小鳥「で、本音は?」

P「やよいの食べ残しなら腹が破裂しようが食べますね。むしろ早く言ってくれないかなーって思ってました」






P『あ、やっぱり量多かったよな。俺が食べようか?』

やよい『うー……』





小鳥「まあ残すっていう選択肢はないですよねぇ、やよいちゃんは」

P「食べ物に関してそれはないでしょう、やよいは」





やよい『で、でも私、箸つけちゃったし……』






小鳥「ご褒美じゃない! むしろ味も価値も上がってるわよ!?」

P「落ち着いてください」




P『はは、気にしないって』

P『それに、やよいとしても食べ物残す方がいやだろ?』

やよい『は、はい! それは……!』




小鳥「ぬけぬけと……」

P「ま、まあ検証するために仕方なくですから」







やよい『うー……』

やよい『……ごめんなさい、プロデューサー』

やよい『じゃあ、食べてもらっても……いいですかー……?』





P「ごちそうさまでした!Haaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaan!!」

小鳥「この上目遣い! ちょっと赤らんだ顔!」

P「間違いない!間違いないよこれ!」

小鳥「自分の箸をつけたものをプロデューサーに食べてもらうというこのシチュエーション!
 照れちゃう!? やよいちゃん照れちゃう!?」

P「ぴ、ぴよーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

小鳥「ぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!」






P「ふぅ……取り乱しましたね」ピッ

小鳥「いえ、こちらこそすいません」

P「ということで、言うなればやよいは『真面目バカ』とでも言いましょうか」

P「前々から不安要素ではあったんですけどね」

小鳥「不安要素?」

P「ええ。やよいは頼ることが下手なんですよ。基本的に自分ひとりでなんとかしようとする」

小鳥「あー……そうかもしれませんね」




P「ま、育った環境が大きいと思いますが」

P「当初の予定ではちゃんと自分で食べられないって言うか、泣くまで手を貸さないつもりだったんです」

小鳥「あれでも手を貸しちゃったんですね」

P「基本的にいいことなんですが、みんな困ってる子がいると大抵すぐに手を貸すじゃないですか?」

小鳥「ええ」

P「けど気づかれない時だって当然ある。困っている理由は本人が話さないとわからない」

P「だから、そういう時は素直に周りに相談するべきなんです。
まだ子供なんだから大変な時は大人に頼っていいんだとこの機会に伝えようと思ったんです。
……思ったんですが」

小鳥「わかります。実際目の前でやよいちゃんが困ってたらそりゃもう……」

P「実物が目の前にいると当初の予定など何処へやら。だいぶ早い段階で折れちゃいましたよ」





P「ちなみにちゃんと伝えましたよ、相談するようにって。『わかりましたー、えへへ』って言ってました」

小鳥「かわいい」

P「かわいいですよね」

P「その後、落ち着いてからアイスご馳走したんですけど」

小鳥「うわ、想像しただけでかわいい」

P「実際見たらプラチナかわいかったですよ」




P「残るは響、美希、あずささん、亜美真美と律子ですね」

小鳥「うーん、じゃああずささんとか」

P「あずささんですか。申し訳ないですけど鉄板ですよ」

小鳥「あー、まあ、でしょうね」

P「バカというか、ボケ? ですかね、どちらかというと」ピッ



『……』



小鳥「楽屋ですね」

P「ええ、楽屋です」





P『あ、そうそうちょっとやっておいてもらいたい事があるんですが』ガチャ

あずさ『はい?』

P『今度のステージ衣装の合わせを今の時間やっといてもらってもいいですか?』

あずさ『あ、はい~』

P『じゃあこれ、お願いします』

P『問題なければそのままでいいんですけど、何かあったら言って下さいね。第二でちょっと挨拶してますんで』

あずさ『ふふ、了解です~』




小鳥「衣装合わせですか」

P「ええ」

小鳥「……試着スペースにまでカメラ仕掛けてたら通報しますからね」

P「さすがにそこまではやりませんって」




あずさ『あら、かわいい衣装』




P「結構ひとり言言うタイプなんですね。あずささん」

小鳥「ぽいですねー」




あずさ『~♪』シャッ

あずさ『――ら・ぶ・り こいごーころ はあとまあく ちゅっちゅっちゅ……』

あずさ『いやん』////




小鳥「音声だけでもエロいですね」

P「あ、音声は拾うために無線マイクつけてますんで」

小鳥「」




あずさ『……あ、あら?』

あずさ『……ん~……』





小鳥「ん……?」




あずさ『あ、あらあら~……』

あずさ『……も、もしかしてちょっとふっくらしちゃったのかしら?』

あずさ『んっ……んっ……』




小鳥「え、エロい……」

P「これだけでも犯罪になりそうな気がしますよね」

小鳥「盗聴は犯罪ですけどね」




あずさ『ん~……!』

あずさ『は、入ったわ……なんとか……』シャッ

あずさ『……』ドタプーン




小鳥「ぴっちぴち!! そしてやっぱりいろいろ溢れてる!!」

P「フェロモンですね、わかります」




あずさ『こ、これ大丈夫なのかしら……?』




小鳥「大丈夫じゃないですって!! それでステージでたら放送事故レベルですよ!?」

P「上もですけど、下も半ワカメちゃん状態ですからね」

小鳥「ぶっ!?」




あずさ『サイズが違ってるような気がするわ~……』




小鳥「き、気づいた! 気づきましたよプロデューサーさん!?」

P「気づきましたね」

小鳥「……あれ?想定内ですか?」

P「ええ、そりゃ気づくでしょう。春香のサイズのやつとすり替えたんですから」

P「でも問題はこのあとなんですよ」




あずさ『ちょっと……これはプロデューサーさんに言わないと……』

あずさ『えっと、第二スタジオにいるって言ってたかしら~?』




小鳥「……!? ま、まさか……!?」




あずさ『さすがに第二スタジオまでは迷わないわよ……ね?』ガチャ




小鳥「出ちゃったーーーーー!?」





『ふぁ、ふぁああああああああああああああああああああああああああ!?』

あずさ『す、すいませ~ん、衣装合わせ中で~……』

『んあぁああああぁぁぁぁあぁぁあっぁあぁぁぁぁぁぁあ!?!?』

あずさ『し、失礼しま~す……』

『落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け俺は賢者落ち着け落ち着け落ち着け……』

あずさ『ごめんくださ~い……』





小鳥「……」

P「……」

小鳥「……」

P「あ、急に思い出したんですけどグラビアの仕事が増えましたよ」

小鳥「よかったですね」




P「はい、ということでね」ピッ

小鳥「……」

P「さすがに衣装がおかしいってことには気づきますよね」

小鳥「……」

P「その後ですよね。着替えてから出るか、明らかにおかしいんだから待ってても良さそうなのに」

P「真面目というかなんというか……」

小鳥「……」

P「っていうかさっきからその汚物を見るような目、やめてくれませんか」

小鳥「まあ目の前に犯罪者予備軍がいますからね……」

P「……」


P「ちなみに、このあと無事に俺のところまで来たんですけど、その様のかわいいことと言ったら……」

小鳥「……ど、どのような?」ゴクリ

P「あ、すいません犯罪者の話なんて聞きたくないですよね」

小鳥「教えてくださいお願いします」ドゲザッ

P「もちろんですよ、仲間じゃないですか」

小鳥「プロデューサーさん……!」

P「こう……スカートの裾を前後で必死に抑えてですね」

小鳥「ぴょ……」ゴクリ




あずさ『あ、あの……この衣装、すこーし小さいかな~って……』モジモジ




小鳥「ぴよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!」

P「少しじゃないでしょ!? 下抑えてても上溢れまくってるって!!
 気づけ! いや気づかなくてもいいかな!? どっちかな!?」

小鳥「エロバカわいいですね」

P「3つも合わせ持つことができるものなんですね……神はブーブーエス赤坂スタジオにいました」





P「どうですか? ここまで」

小鳥「うーん、まあ……バカ……ですかね?」

P「納得しませんか」

小鳥「そうですねー」

小鳥「あ、響ちゃんなんかどうです?」

P「響……やる必要あります?」

小鳥「う、うーん……」

P「まあ今更という感じですが、見ながら検証していきましょうか」ピッ





P『じゃああとはオッケーだな?』

響『オッケー!』





小鳥「あ、事務所ですね。珍しく」

P「打ち合わせが終わったとこです。響は日常で十分検証可能ですからね」





P『そうそう、冷蔵庫にケーキがあるから一つ食べていいぞ』

響『ほんと!? ありがとプロデューサー!』タタタ

P『……』カタカタ

響『ちょっとプロデューサー!』

P『ん? どうした?』

響『ケーキなんてなかったぞ!』

P『そんな馬鹿な。打ち合わせの少し前に入れたはずなんだが……』

響『でもなかったよ?』

P『一番上だぞ? もう一回見て来い』

響『わかった』タタタ






小鳥「えーっと」

P「もちろんないですよ?」





響『プロデューサー! やっぱりないよ!?』

P『そんなはずないって』

響『でもなかったもん!』

P『うーむ……まさか誰かに食べられたのか?』

響『でもこの事務所今は誰もいないよね?』

P『そうだよなぁ……』

P『……』

P『ちょっともう一回ちゃんと見てきてみ? あるかもしれん』





小鳥「あるわけないじゃないですか……」





響『う、うん……』タタタ




小鳥「行くの!?」

P「ね? バカでしょ?」





響『うがー! やっぱりなかったぞ!!』

P『いやあるわけないだろ。なんでもう一回見に行けばあると思ったんだよ』

響『!?』

P『悪い、さっき思い出したんだ。買ってきたの昨日だったわ、勘違いしてた』

響『ひ、ひどい! ひどいぞプロデューサー!!』




P「っていうか三度目は行かないだろ、ふつう」

小鳥「少なくとも『プロデューサーも一緒に』くらいは言いますよね」






P『悪い悪い。響がかわいくてついからかいたくなっちゃったんだ』

響『うが』

響『そ、そんなこと言っても騙されないんだからね!』





小鳥「……」ハァハァ

P「落ち着いてください。確かに赤くなってる響はかわいいですが」







P『そっか、許してくれないか』

響『ゆ、ゆるさないぞ! ふんだ!』

P『そうか……お詫びにケーキ食べに行こうと思ったんだけどな……一緒に』

響『……!?』

P『じゃあしょうがないから一人で行ってくるか』

響『あぅ……』

響『……』

響『しょ、しょうがないなー! 勘違いなんだし、許してあげてもいいよ!』





小鳥「響ちゃんチョロすぎるわ!?」

P「チョロかわもそろそろ定着してきてますからね」




P『そっか、ありがとな』

響『まったく、プロデューサーはうっかりしすぎだぞ!』

P『ははは、そうだな。面目ない』

P『よしっと、仕事仕事……』カタカタ

響『……あれ?』

響『プロデューサー……』

P『ん?』

響『ケーキ……』(´・ω・)




P「はいここ!!」ピッ

小鳥「なにこのかおかわいすぎるんですけど」





P「って感じです」

小鳥「安定の響ちゃんですね」

P「まあイジりがいでは765プロ屈指の実力の持ち主ですからね」

P「っていうか今の検証なんですけど、もう一つバカなとこがあったの気づきました?」

小鳥「え? そうでした?」

P「ええ、最初は『からかわれてたこと』に対して怒ってたはずなんですが」

P「響が許すって言ってくれたのは『勘違いしてたこと』に対してなんです」


小鳥「ああ、言われてみれば……なんでそうなったんですかね?」

P「うーん、まあ自分なりの解釈ですが」

P「最初は『からかわれてたこと』に対して怒っていた。
しかし目の前にエサをぶら下げられたことによって『勘違いしてたならしょうがない』と自分の中で許しやすい理由に無意識のうちにシフトした」

小鳥「なるほど……」

P「または」

小鳥「または?」

P「かわいいと言われて思考がショートした」

小鳥「二つ目の理由の方がかわいいですね」

P「ですね。そっちにしときましょう」





P「響に関しては簡単ですがこれでいいですよね?響がバかわいいってもう周知の事実ですし」

小鳥「私も珍しく異論はないです。響ちゃんはバかわいい」

P「からかってよし、褒めて照れさせるもよし」

小鳥「ええ」

P「元気なところもよし、髪型が変わるのもよし、妹属性もよし」

小鳥「……? プロデューサーさん?」

P「一緒に運動するもよし、動物に対して愛が溢れているのもよし、編み物が趣味なのもよし」

小鳥「ぷ、プロデューサーさん!?」

P「おっと失礼。自然と響のステマをしてしまいました」

小鳥「いえダイマでしたけど」

P「なぜなら響がかわいすぎるから」

小鳥「聞いてください」





響『ケーキ……』(´・ω・)




P「さて、もう終盤戦ですね」

小鳥「じゃあ美希ちゃんとかいきますか」

P「美希。美希の人気の理由ってなんでしょうか?」

小鳥「え? えーっと……」

小鳥「キラキラしてるところとか、一途なところ?」

P「あとは意外に純情なところとかですかね」

小鳥「ああ、貴音ちゃんのところで語ってたギャップってやつですね」

P「そうですね」


小鳥「あ、あとはおにぎりが好きなところとか、よく寝るところとか」

P「そこです」

小鳥「どこですか?」

P「あいつは良くも悪くも特殊ですよね。ところかまわず寝てみたりおにぎりばっかり食ってみたり」

小鳥「うーん、たしかに」

P「ということで今回はその特殊な能力について検証」ピッ




美希『ハニー! 戻ったのー!』バァン

P『おう、お疲れさん』

美希『疲れたのー。ね、おにぎりないの?』

P『あるぞ。給湯室に置いてあるから2個までなら食べていい』

美希『ほんと!? さすがハニーなの!』タタタ




P「次です」ピッ

小鳥「えっ?」





美希『ただいまなのー!』バン

P『お疲れさん。どうだった?』

美希『今日も頑張ったよ! いい子いい子は?』

P『よしよし、がんばったな』ナデナデ

美希『えへへー、これで疲れも吹っ飛んだの!』

美希『じゃあ美希ソファで寝てくるね』

P『疲れ吹っ飛んだんじゃないのかよ』



P「次」ピッ

小鳥「ん?」




美希『あふ……おはよーなのー……』

P『なんだ、眠そうだな』

美希『はぁにぃー、おにぎり』

P『……今日はないぞ』

美希『ちぇー』

P『なんだ、朝ごはん食べてないのか?』

美希『食べたの』

P『なんなんだよお前』



P「さて、なんか気づきました?」ピッ

小鳥「美希ちゃんはかわいい……?」

P「今さらじゃないですか」

小鳥「これだけじゃわかりませんって。ただいちゃいちゃしてるようにしか見えませんでしたけど」

P「じゃあ少しわかりやすいのを」ピッ




美希『ただいまー』ガチャ

小鳥『あら、お帰りなさい美希ちゃん』




小鳥「私じゃないですか!? えっ、これいつ!?」

P「まあいつともない、いつもの風景ですけど」




美希『小鳥、おにぎりないの?』

小鳥『え? 私は持ってないけど……』

美希『ハニーもいないんだ』

小鳥『ええ。プロデューサーさんは残念ながら直帰よ』

美希『なぁーんだ』




小鳥「……?」





美希『じゃあちょっとしたら帰るの』パタパタ

小鳥『あ、お茶なら私が……』

美希『あ、おにぎりあるの!』

小鳥『あら本当? 気付かなかったわ』

美希『ハニーの書き置きなの! さすがハニー、愛してるの!!』

小鳥『……』




P「この表情!」

小鳥「……私のことはほっといてください」

P「さて、どうですか?」ピッ

小鳥「どう、と言われても……」

P「この時のこと覚えてます?」

小鳥「うーん、こんなことしょっちゅうありますからね」

小鳥「あ、でも」

P「はい?」

小鳥「今見たやつですけど、なんか違和感じましたね……何がかはちょっとわからないんですけど」

P「ほう」


小鳥「んー、なんですかね……」

P「もう一回見てみますか」ピッ

……

小鳥「あ」

P「はい?」

小鳥「なんで違和感感じたのかわかったかも……」

P「おお!」

小鳥「美希ちゃんが帰ってきて『おにぎりないの?』っていきなり言ったのが変だなって思ったんだ、私」

小鳥「いつもなら大体『ハニーは?』って言いますよね?」

P「そう! そうなんですよ」

小鳥「はい?」


P「ここで挨拶したあとの美希の第一声を書き出してみるとですね」キュッキュッ

小鳥「はあ……」




V1.『疲れたのー。ね、おにぎりないの?』

V2. 『今日も頑張ったよ! いい子いい子は?』

V3. 『はぁにぃー、おにぎり』

V4. 『小鳥、おにぎりないの?』



P「と、なります」

小鳥「おにぎりについて聞いてるか聞いてないかですか?」

P「そうです」


小鳥「んーでもたまたまじゃ……?」

P「それがですね、VTR2の時は実際事務所におにぎりはありませんでした」

小鳥「はあ」

P「VTR3の時、俺がなんて答えたか覚えてます?」

小鳥「えっと、おにぎりはないって言ってませんでした?」

P「そうです」

小鳥「だから、たまたまじゃないんですか?」

P「……ところが実はVTR3の時、俺のデスクの引き出しにはおにぎりがありました」

小鳥「えっ?」

P「嘘をついたんです。つまりVTR1,3,4の時は実際におにぎりが事務所内にあったってことですよ」


小鳥「……つまり?」

小鳥「……おにぎりが事務所内にあるときは」

P「……そうです、美希は無意識に『おにぎりないの?』って聞いてくるんです」

小鳥「ナ、ナンダッテー!?」

P「しかもVTR3では俺がないって言ったらちぇーってあっさり諦めてますし、VTR4でも小鳥さんがないと言ったら一旦諦めてますよね?」

小鳥「……つまり、あるかないかは美希ちゃん自身は判断できないのに、本能的におにぎりないの? って聞いている……?」

P「ええ。事務所内におにぎりが存在するときにかぎり」

小鳥「そ、そんな……」

P「……残念ですが」





小鳥「……」

P「……」

小鳥「……で?」

P「えっ!?」

小鳥「いやだから、それでなんなんですか?」

P「すごくないですか!?」

小鳥「え、ええ、まあ」

P「ええ、まあ!?」

P「事務所内におにぎりがあることを本能的に察知してるんですよ!? 何その能力!?」

P「ってなりません!?」

小鳥「……プロデューサーさんほどはテンション上がりませんけど」

P「なんたる……何たることだ……!!」


小鳥「……偶然なんじゃないですか? やっぱり」

P「50以上の実験を繰り返したんですよ!? ありえません! 学会で公表できるレベルです!」

小鳥「50以上……」

P「ち、ちなみにおにぎりの種類も変えてみたんですよ!? コンビニ、手握りどちらでももちろん反応しますが」

P「焼きおにぎり『可』、塩おにぎり『可』!」

P「そしてなんと! 具材なし海苔のみは『不可』、具材なし味付け海苔は『可』だったんですよ!?」

P「このことからちゃんと単体で美味しく食べられるかどうかまで判断していることがわかるんですよ!?」

小鳥「はあ」

P「はあ!?」


P「夢が広がりませんか!?」

P「半径何メートルなら感知できるのかとか、寝てる隙に用意したらどうなるかとかまだまだ可能性は広がります!」

P「さらに! 貴音にも応用できるんではないかと思い始めてる今日この頃なんですよ!?」

小鳥「……私、そろそろ帰っていいですかね?」

P「」




P「……有明産最高級海苔でも試そうと思ってたのに……」




小鳥「美希ちゃんは変な方向に行ってしまいましたね」

P「すいません……仮説が浮かんだら試さずにはいられなかったんです」

小鳥「ま、いいですけどね。どうせなら最後まで付き合いますよ」

P「音無さん……!」

小鳥「じゃあ次は……亜美ちゃん真美ちゃんは別ですか?」

P「いえ、同じテーマなんで抱き合わせで」

小鳥「……抱き合わせ……」ハァハァ

P「なんか時々本性出てきましたね」ピッ




P『……』カタカタ




小鳥「おっと、事務所でのこれまたスタンダードな風景ですね」

P「そうですね」



『に・い・ちゅわぁ~ん?』




小鳥「おっと、ここでいつも通り亜美ちゃん真美……」

小鳥「!?」





『んっふっふ~』

『さあて、どっちが亜美でどっちが真美かわかるかなー!?』





小鳥「わからない……?」

P「ああ、この時気合入ってましたね」

P「朝からいたずらのためにご苦労なことで。アイロンかけて前髪真っ直ぐにしたらしいですよ」

小鳥「服もお揃い……ウィッグまで付けるとほんとにわからないですね……」

P「あれ? 小鳥さんわかりません?」

小鳥「ぷ、プロデューサーさんはわかったんですか?」

P「まあ見ててください」





P『うーむ……』

亜美?『くっくっく……さすがの兄ちゃんでも!』

真美?『どうやらお手上げのようですな!!』

P『こっちが真美。こっちが亜美』




小鳥「おお!さすが!!」





亜美『ぶっぶー!』

真美『ちがいまーす!!』





小鳥「……」





P『あっちゃー、間違っちゃったかー』

P『じゃ』

亜美『うぉぉい!?』

真美『それはないんではないかい!? あっさり過ぎるっしょー!』

P『なんだよ、終わりだろ?』

亜美『しょうがないなあー。じゃあもう一回チャンス上げるよ!』

P『いやいいんだけど……他の人に』

真美『じゃ、ちょっと待っててねー』タタタ

P『……』




小鳥「つ、次はさすがにわかりますよね?」

P「さあ」





?美『おまたー!』

?美『さっき少し話したし、今度はわかるよねー!? 二回間違ったらクビだよクビ!!』

P『こっちが真美、こっちが亜美』




小鳥「えっ……?」




亜美『うあ……マジかよ』

真美『また間違うなんて……』

P『またか。まあしょうがないな』

P『じゃ』

亜美『ちょっと!』

真美『ちゃ、ちゃんと当ててよ! もう一回だけやったげるから!』タタタ





小鳥「……って、もしかしてプロデューサーさん?」

P「あ、わかりますよね。やっぱり」




?美『おまたー!』

?美『さっき少し話したし、今度はわかるよねー!? 二回間違ったらクビだよクビ!!』

P『こっちが真美、こっちが亜美』




小鳥「えっ……?」




亜美『うあ……マジかよ』

真美『また間違うなんて……』

P『またか。まあしょうがないな』

P『じゃ』

亜美『ちょっと!』

真美『ちゃ、ちゃんと当ててよ! もう一回だけやったげるから!』タタタ





小鳥「……って、もしかしてプロデューサーさん?」

P「あ、わかりますよね。やっぱり」




P『こっちが真美かな?』

亜美『うあうあ~! 違うってばよ!!』




P『今度はこっちが亜美か!』

真美『真美だよ! 兄ちゃん最悪!!』




P『こんどこそこっちが真実だな!?』

亜美『漢字まで間違い始めた!?』




小鳥「……」

P「……」





真美『……』

亜美『……』

P『悪い悪い』

真美『うがー! もう最悪だよ兄ちゃん!!』

亜美『そうだよ! 10回もやったのに全部外すってどういうこと!?』

P『悪かったって』

亜美『いいや! これは許されないね!!』

真美『もうこれは狙ってやってるとしか……!!』

亜美『がるるる……!』

真美『……あれ?』


真美『ね、ねえ亜美』

亜美『あぁ!? なに!?』

真美『真美たちの片方を当てるのって、勘で選んでも2分の1で正解だよね?』

亜美『そうだよ! だから10回も連続で外すなんて……!』

亜美『……あれ?』





P「こいつらが歌ってる歌、思い出せます?」

小鳥「え? えーっと……」

P「おとなのはじまり」

小鳥「……」


P「こんなのに引っかかっといて『おとなのはじまり』」

小鳥「えっと……」

P「『子どもあつかいしないで~ すぐ上から見てる~♪』」

小鳥「『ちゃんと話を聞いてよ~ 真面目なんだぞ♪』」

P「『そうだぞ!』」

小鳥「……ぶふぅ!!」

P「ま、これはジェミーですけど」





亜美真美『うがー!!』





P「こんなもんですね」ピッ

小鳥「今回は見事に残念でしたね……」

P「これで大人扱いしろって、ギャグですよね」

小鳥「だがそれがいい!!」

P「そうですね。魅力の一つです」

P「この背伸びしてる感……たまりませんね」

小鳥「一応言っときますけど、手を出したら違法ですよ?」

P「わかってますよ。YESロリータ、NOタッチ! の紳士協定は犯しません」

小鳥「……」

小鳥「と、ところでこのあと大丈夫でした?」

P「ああ、コンビニにケーキ買いに行かせたらなおりました」

小鳥「……」





P「さてようやく最後まで来ましたか」

小鳥「最後は律子さんですね」

P「ええ」

小鳥「律子さんって、いけたんですか?」

P「……? 質問の意味がわかりませんが」

小鳥「律子さんって事務所いち真面目じゃないですか。ガードも硬そうだし」

P「……」

小鳥「だからその、馬鹿ってイメージが……」

P「そうですか?」

小鳥「え」

P「ま、説明しましょう」





P「律子はしっかりもの。確かにそうですね」

小鳥「ええ」

P「でもそれってそう作ってるだけなんですよね。しっかりしなきゃっていう」

小鳥「……」

P「極端に言うと亜美真美と同じですよ」

小鳥「えぇ!? お、大きく出ましたね……」

P「年齢以上に大人になりたがっている。そういった意味では同じです」ピッ



律子『……』ペラ




小鳥「ん? これは?」

P「休憩時間の律子です」



律子『……』



小鳥「時々本読んでますよね、律子さん」

P「タイトル、わかります?」

小鳥「んー……見づらいけど……」





律子『……』




小鳥「あ、蝉しぐれですねこれ」

P「そうですね」





律子『……ん』





小鳥「今にやっとしましたね」

P「にやっとしましたね」




律子『……』キョロキョロ




P「はい、終わり」ピッ

小鳥「えっ!?」

小鳥「ただ律子さんが本読んでただけじゃないですか?」

P「ええ。そうなんですけど」





P「……実はこれ、中身はベタベタの恋愛小説なんですよね」

小鳥「!?」




P「表紙変えてるんですよ、律子」

小鳥「……ぷっ」

P「はい笑った!!」

小鳥「い、いや今のはその……!」

P「いや笑っていいんですよ」

P「ブックカバー付ければいいじゃないですか。なのに表紙変えるって中学生か!」

小鳥「律子さんってそういえば……」

P「ええ、真並みのお姫様願望を持ってますね」

P「ボーイミーツガールとか大好物ですよ、実は」

小鳥「かわいいわぁ……」

P「隠し方がまた……ねえ」

P「しかも家で読めばいいのに! 続きが気になって持ってきちゃう!!」

小鳥「リッチャンハ、カワイイデスヨ!」




P「律子に関してはもう一件サンプルがありましてですね」ピッ



『は~や~く そんなひがきますように~♪』

P『……』

律子『……』



小鳥「……これは?」

P「事務所で曲を研究している様子です。今後のプロデュースに必要だという体で」

小鳥「体ですか」

P「ええ。本当はまったく関係ないんですけど」





『そっと ひとみ~をとじるから~』

P『Say!!』

ガタッ

律子『魔法をかけて♪』




小鳥「!?」

P「……ふぅ」





律子『だぁー!! その「Say!!」って言うのやめてくださいって言ってるでしょ!?』

P『うむ、いい魔法をかけてだったな』




小鳥「え? なんなんです? これ」

P「……信じられないかもしれませんが」

小鳥「は、はい……?」

P「律子はですね、どんな曲でも乗せられると歌ってしまうんです」

小鳥「!?」





律子『もう! 次言ったら怒りますからね!?』

P『いや歌わなきゃいいだろ』

律子『……!』





小鳥「そ、それはないでしょうさすがに」

P「じゃあ見ててください。次の曲は……」




『いいものあげるぅ~ くらやみで~ おもわせぶりにウインク~♪』

律子『……』



小鳥「……きゅんっ☆ヴァンパイアガール……!」

小鳥「こ、これはいくらなんでも……ねえ?」





『は~にか~みながら めをふせて~』

P『Say!!』

ガタッ

律子『パッと舞って! ガッとやって チュッと吸って』

律子『Haaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaan!!』





小鳥「Haaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaan!!」

P「……ふぅ」




P『素晴らしい! ブラボー!』

律子『……』プルプル




小鳥「振り付けまで……完璧に……!」

P「律子はレッスンも見てますからね。しかも指導する立場だから人一倍詳しく見てるはず」

P「……その結果ですかね。自然に体が動いてしまう」





『けーたいとりだしぽぱぴぷぺ♪』

P『Say!!』

律子『でえと してくれ ま・す・か?』




小鳥「あばばばばばばっばあbっばばっばば……」

P「いいにきまってるだろ! いいかげんにしろ!」





『私は恋を夢見るアメリカンガール♪ 大好きな食べ物は ハンバーガー!』

P『Say!!』

律子『あ~ 愛しのダーリン どこにいるの~?』




小鳥「……ぐふっ」バターン

P「そろそろやめとくか」ピッ




P「と、まあこのようにですね。乗せれば『キラメキラリ フルVer』ですら律子に歌わせることができます」

小鳥「し、刺激が強すぎたわ……」

P「散々やらされてるのにどこかに行かないところもかわいいですよね」

小鳥「……そういえばそうですね。なんででしょう?」

P「まあ想像ですけど、結局あいつもアイドルだってことです」

P「ホントは歌って踊りたいんですよ。でもプロデュースに専念するってことで押さえつけてますからね」

小鳥「だから嫌がりつつも歌ってしまう?」


P「だってカラオケで頼むと振り付けで歌ってくれますもん」

小鳥「……嫌がりつつも」

P「ええ、最初は嫌がりつつも頼み込めば」

小鳥「『もう……じゃあ一曲だけですからね!』」

P「しかも乗ってくると『さあ、次の曲はなんですか!?』なんて言っちゃったりして」

小鳥「そこでわざわざそのことを指摘すると『なっ……! べ、別に乗ってなんていませんよ! じゃあもう歌いません!////』」

P「……」ハァハァ

小鳥「……」ハァハァ





小鳥「律子さん終わりましたね」

P「はい」

小鳥「律子さんは結局?」

P「どう見られるか、秋月律子はどうあるべきか、体裁にこだわりすぎなんですよ」

P「これは自信のなさの裏返しとも言えますね。
普段は強気ですが、自分のことは卑下するでしょ? あいつ」

小鳥「あー、どうせ私は寸胴ですよ?」

P「それです」

P「だからガードを固めちゃうんだと思いますが……あんなに隙だらけなのに見栄張っちゃうリッチャンハ、バカデスヨ」

小鳥「ソシテカワイイデスヨ」

P「ま、そのガードの下に隠された乙女なところを知ってしまうと律子ファンになってしまうんでしょうね」

小鳥「リッチャンハ、オトメカワイイデスヨ」





小鳥「全員終わりましたねー」

P「ええ。俺の言いたいこと分かりましたか?」

小鳥「そーですねー」

小鳥「バカだからかわいいっていうの、なんとなくですけどわかりました」

P「おお!」

小鳥「まあなんとなくですけどね」


小鳥「ところでプロデューサーさん?」

P「はい?」

小鳥「ぷ、プロデューサーさん的には誰が一番かわいいと思ってるんですか?」

P「え? そりゃみんn」

小鳥「あ、あえて! あえて一人選ぶとしたら!」

P「えー……」

P「……まあいいか」

小鳥「……!」ドキドキ


P「……実は俺が一番かわいいと思っている人は今回の検証には出ていません」

小鳥「え!? そ、それって……!!」

P「……わかりますか?」

小鳥「も、もしかしてもしかすると……」

P「ええ」








P「かすみちゃんですかね」


小鳥「」







はい終わりです。ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月25日 (水) 13:49:51   ID: 9jQy-TK0

かすみちゃんじゃちかたない

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom