ハンケンロンパ~版権キャラたちとコロシアイオープンキャンパス3(改) (419)

【お知らせ】
公平な進行ができそうにないため、安価で展開が変化しなくなりました。
版権キャラでやる時点で、安価で生き残りを決めるのは無理がありました。

【はじめに】
○16作品の版権キャラたちがダンガンロンパ式ルールでコロシアイ生活を送ります。
○版権キャラが死亡、流血、殺人、絶望する展開があります。苦手な方はご注意ください。
○コロシアイの性質上、キャラ同士が原作にないギスギスした一面を見せることがあります。
○それぞれの作品のネタバレが含まれることがあります。
○一部キャラの設定に独自解釈が含まれます。
○カップリング要素が含まれる場合があります。ただしエロはありません。
○また、キャラの口調・呼称が安定しないことがあります。
○本作のモノクマは極チートです。普段無双してるキャラの力も通用しません。
○舞台はオリジナルとなります。

以上、大丈夫な方はお付き合いください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405602351

安価だったころの過去スレ

(PROLOGUE ~ 1章非日常編 捜査パート)
【安価】ハンケンロンパ~版権キャラたちでコロシアイオープンキャンパス
【安価】ハンケンロンパ~版権キャラたちでコロシアイオープンキャンパス - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399559346/)

(1章非日常編 裁判パート ~ 2章開始)
【安価】ハンケンロンパ~版権キャラたちのコロシアイオープンキャンパス2
【安価】ハンケンロンパ~版権キャラたちのコロシアイオープンキャンパス2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401892980/)

(2章序盤ボツパート&IF小ネタ集)
【安価】ハンケンロンパ~版権キャラたちとコロシアイオープンキャンパス3(旧)
【安価】ハンケンロンパ~版権キャラたちとコロシアイオープンキャンパス3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1403364700/)

【原作および参加キャラクター】

ダンガンロンパ……【学園長】モノクマ

這いよれ!ニャル子さん……【主人公・邪神ハンター】八坂真尋

バカとテストと召喚獣……【性識者】土屋康太

犬とハサミは使いよう……【読書家】春海和人

とある魔術の禁書目録……【幸運枠】上条当麻

とらドラ!……【美化委員】高須竜児

うたのプリンスさま……【男性アイドル】四ノ宮那月

ソードアートオンライン……【ソードマン】キリト

メカクシティアクターズ……【???】如月シンタロー

ひぐらしのなく頃に……【???】竜宮レナ

琴浦さん……【令嬢】琴浦春香

日常……【保育士】東雲なの

生徒会の一存……【戦士】椎名深夏

僕は友達が少ない……【科学者】志熊理科

俺の妹がこんなに可愛いわけがない……【ランナー】高坂桐乃

緋弾のアリア……【怪盗】峰理子

魔法少女まどかマギカ……【魔法少女】巴マミ & キュゥべえ

【進行について】

各章のクロ、被害者、黒幕は確定しました。

日常パートも基本的に自動進行です。

大筋の展開に安価・コンマは使用しません。


ただし、大筋に影響しない範囲で安価を使うことがあります。

(非)日常パートではモノモノマシーンやカオスクッキングで安価を取り、いつもの日々にカオスの彩りを添えます。

また、結果が分からない&大筋に絡まない勝負の際などにコンマ判定を用います。

非日常編では捜査パートは自動進行、学級裁判では安価で解答を書き込んでもらう読者参加形式です。

裁判でのルールも少し変化しますが、詳細は次の事件発生後に提示します。

思いついたら他にも安価が追加されることがあります。


安価スレを名乗るにしてはずいぶんと限定的になったので、タイトルから【安価】を外させていただきました。

【電子身分証明書について】

原作における電子生徒手帳。

通称、バベル(オープンキャンパス参加者による非公式名称)。

基本的な『参加者規則』『参加者名簿』に加え、

捜査・裁判で役立つ『メモ』『カメラ』『マップ』、

参加者との交流に便利な『スケジュール』『メッセージ』『チャット』、

他にも『万歩計』『ミニゲーム』の機能を持ち、

マミさんのティロ・フィナーレでも壊れない高性能な端末です。


【オープンキャンパス参加者規則】
1.電子身分証明書を紛失してはいけません。
  証明書を持っていない人は、不法侵入者と見なされ排除されます。

2.オープンキャンパス参加者は施設内で共同生活を行いましょう。
  共同生活の期限はありません。

3.夜10時から朝7時までを”夜時間”とします。
  夜時間は一部エリアが立ち入り禁止になるので、注意しましょう。

4.就寝は施設ごとに決められた宿泊エリアの個室でのみ可能です。
  他の場所での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。

5.解放された施設を調べるのは自由です。
  ただし立ち入り禁止区域が定められています。

6.学園長および実行委員長であるモノクマへの暴力を禁じます。
  監視カメラの破壊・妨害工作を禁じます。

7.仲間の誰かを殺したクロは”卒業”となりますが、自分がクロだと他の参加者に知られてはいけません。

8.参加者内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます。

9.学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、クロだけが処刑されます。

10.学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、クロだけが卒業となり、残りの参加者は全員処刑です。

11.学級裁判終了後、2時間以内に次の見学先へのバスが出発します。
  基本的に戻ってくることはないので忘れ物に気を付けましょう。
  部屋に置かれた物は次の見学先の個室に送られます。

12.電子身分証明書の他人への貸与を禁止します。

13.コロシアイオープンキャンパスで同一のクロが殺せるのは2人までとします。

14.3人が死体を発見すると死体発見アナウンスを流します。

15.クロが死体発見者のフリをして現場に戻った場合、死体発見者にカウントされます。

※ なお、規則は順次増えていく場合があります。

【参加者名簿】

登録番号01
『這いよれ!ニャル子さん』より
【超高校級の“邪神ハンター”候補】 八坂 真尋
精神力 極高 (無限のSAN値)
戦闘力 中 (一般人よりは強い)
交友力 低 (社交性は低め)
思考力 ? (安価次第)
好きなもの:ゲーム
嫌いなもの:人外

登録番号02
『とある魔術の禁書目録』より
【超高校級の“幸運”候補】 上条 当麻【 死亡 】
精神力 高 (事件慣れしている)
戦闘力 高 (戦闘慣れしている)
交友力 中 (普通の高校生並)
思考力 中 (状況判断能力には長ける)
好きなもの:平穏
嫌いなもの:魔術

登録番号03
『メカクシティアクターズ』より
【超高校級の“???”候補】 如月 シンタロー
精神力 中 (一般人)
戦闘力 極低 (ヒキニート)
交友力 極低 (コミュ障)
思考力 極高 (天才)
好きなもの:コーラ、インターネット
嫌いなもの:日光

登録番号04
『ソードアートオンライン』より
【超高校級の“ソードマン”候補】 キリト
精神力 高 (デスゲームを生き延びた)
戦闘力 低 (体が神経と技術についてこない)
交友力 低 (親しい相手は少ない)
思考力 高 (トリックを見抜く目)
好きなもの:パソコン、黒色
嫌いなもの:遠隔攻撃

登録番号05
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』より
【超高校級の“ランナー”候補】 高坂 桐乃【 死亡 】
精神力 中 (割としっかり者)
戦闘力 低 (運動神経はいい方)
交友力 高 (人付き合いがいい)
思考力 低 (勉強はできるけど……)
好きなもの:トレンド
嫌いなもの:ダサいもの

登録番号06
『琴浦さん』より
【超高校級の“令嬢”候補】 琴浦 春香
精神力 低 (打たれ弱い)
戦闘力 極低 (運動音痴)
交友力 低 (人を避けている)
思考力 極高 (チート)
好きなもの:猫
嫌いなもの:エロス

登録番号07
『生徒会の一存』より
【超高校級の“戦士”候補】 椎名 深夏
精神力 高 (正義の心を持つ)
戦闘力 高 (半ばギャグ補正)
交友力 極高 (明るく元気)
思考力 中 (裁判中は冷静)
好きなもの:熱血
嫌いなもの:男性

登録番号08
『僕は友達が少ない』より
【超高校級の“科学者”候補】 志熊 理科
精神力 中 (逆境には強い)
戦闘力 中 (オーバーテクノロジー)
交友力 低 (友達が少ない)
思考力 高 (論理的思考は得意)
好きなもの:ボーイズラブ
嫌いなもの:人ごみ

登録番号09
『日常』より
【超高校級の“保育士”候補】 東雲 なの
精神力 中 (受難体質)
戦闘力 低 (人並み)
交友力 高 (朗らか)
思考力 極低 (感情的)
好きなもの:普通っぽいもの
嫌いなもの:便利

登録番号10
『うたのプリンスさま』より
【超高校級の“男性アイドル”候補】 四ノ宮 那月
精神力 低 (繊細)
戦闘力 低 (大柄だが草食系)
交友力 高 (穏やかで天然)
思考力 中 (勘はいい)
好きなもの:料理
嫌いなもの:ジャンクフード

登録番号11
『とらドラ』より
【超高校級の“美化委員”候補】 高須 竜児
精神力 中 (一般人)
戦闘力 低 (一般人)
交友力 中 (生真面目だが顔のせいで避けられる)
思考力 中 (真面目)
好きなもの:掃除
嫌いなもの:自分の顔

登録番号12
『バカとテストと召喚獣』より
【超高校級の“性識者”候補】 土屋 康太
精神力 中 (些細なことに動じない)
戦闘力 低 (意外に体育会系)
交友力 低 (寡黙)
思考力 低 (あまり本気に見えない)
好きなもの:カメラ
嫌いなもの:目立つもの

登録番号13
『魔法少女まどかマギカ』より
【超高校級の“魔法少女”候補】 巴 マミ
精神力 極低 (寂しいが無理してる)
戦闘力 極高 (絶好調ならば)
交友力 中 (優しいが付き合いが悪い方)
思考力 低 (好き嫌いで判断しがち)
好きなもの:ティータイム
嫌いなもの:魔女

登録番号14
『犬とハサミは使いよう』より
【超高校級の“読書家”候補】 春海 和人
精神力 低 (本だけが人生の支え)
戦闘力 極低 (インドア)
交友力 低 (本好きなら話は別)
思考力 低 (落ち着きがない)
好きなもの:本
嫌いなもの:カレー

登録番号15
『緋弾のアリア』より
【超高校級の“怪盗”候補】 峰 理子【 死亡 】
精神力 中 (いろいろ割り切っている)
戦闘力 高 (優秀な武偵)
交友力 高 (ぶりっ子だが女友達も多い)
思考力 高 (本職の探偵)
好きなもの:ロリータファッション、ギャルゲー
嫌いなもの:数字

登録番号16
『ひぐらしのなく頃に』より
【超高校級の“???”候補】 竜宮 レナ
精神力 高 (強い意志を持つ)
戦闘力 中 (割と人間離れ)
交友力 高 (仲間を大事にしている)
思考力 極高 (推理も勘も冴えわたる)
好きなもの:かわいいもの
嫌いなもの:裏切り

【脱落者ルーム】

上条「俺もう本編で出番ないんだよな……不幸だー!」

峰「IFパートで活躍できるしいいじゃん」

上条「俺だけゲスにされたんだが」

峰「だってりこりん本編で悪者だったしぃー」

桐乃「ハァ……。和人が見てらんないんだケド……」

桐乃「てゆーかスポーツ施設なんてまさにあたしの出番じゃん! ホントなんで死んでんのあたし!?」

テンプレはここまで。
これ以降張られたものは違います。

旧3スレ目の展開は無かったことにして進めなおします。
新しく見る人はこっちだけ読めばOK。

※モノクマ劇場と朝食会、施設探索、ジャージ選びだけ書き直しました。



夢を見た。


巴が死ぬ夢を見た――――首を吊って死んでいた。


高須が死ぬ夢を見た――――掃除機に吸い込まれて消えた。


ムッツリーニが死ぬ夢を見た――――女性に囲まれ全身を引き裂かれていた。


四ノ宮が死ぬ夢を見た――――全身を包丁で滅多刺しにされていた。


春海が死ぬ夢を見た――――プレスされ折りたたまれた姿はまるで真っ赤な本だった。


椎名が死ぬ夢を見た――――毒を食べテーブルに突っ伏していた。


竜宮が死ぬ夢を見た――――酸で体を焼かれていた。


志熊が死ぬ夢を見た――――生きたまま解剖されていた。


琴浦が死ぬ夢を見た――――断頭台で首を飛ばされた。


如月が死ぬ夢を見た――――布団の上からたくさんの槍で貫かれていた。


キリトが死ぬ夢を見た――――竹刀も腕もモノクマの爪で八つ裂きにされていた。


東雲が死ぬ夢を見た――――足元からゆっくりとレーザーで消滅させられた。


峰が殺される夢を見た――――磔にされ杭を打ち込まれていた。


上条が処刑される夢を見た――――カジノで巨大な鉄球に潰されていた。


高坂が処刑される夢を見た――――両側が高温の油で満たされたランウェイから滑り落ちた。


ニャル子が死ぬ夢を見た――――何もない真っ白な空間でいつまでも過ごしその心が死んでいった。



僕が死ぬ夢を見た――――



真尋「うわあああああああああああああああああ!!!!」

真尋「……はぁ、はぁ」

真尋「……」

……どうやら僕も、無意識に3人の死がずいぶん堪えていたようだ。

SAN値には少し自信はあったけど、結局、僕はちょっと邪神への抵抗性が強いだけだったのかもしれない。

真尋「……寝付けないな」

真尋「…………」

真尋「ちょっと、外に出るか」



【噴水広場】

嫌な夢を見て、全身汗びっしょりだ……。

時刻は夜2時……。

夜風に当たろうと外に出ると、僕と同じように風に当たりに来たのか……

噴水の淵に琴浦が腰かけていた。

真尋「……琴浦?」

琴浦「……八坂くん」

真尋「琴浦も夜風に当たりに来たのか?」

琴浦「眠れないの」

真尋「僕も一緒だ」

噴水に腰かけている琴浦の隣に座る。

真尋「……やっぱり、辛いよな」

琴浦「……うん」

琴浦「みんな、そんなに好きじゃなかったけど……」

琴浦「……死ぬときって……とっても悲しいんだよ」

真尋「そうだな」

真尋「……死なれるとさ、もっとたくさん話しておけばよかったって思うんだ」

琴浦「ううん、そういう意味じゃない」

真尋「じゃあどういう意味だったんだ?」

琴浦「……八坂くんには、わかんないよ」

琴浦「……わかる必要もないけど」

真尋「そうか」

真尋「琴浦……僕に隠し事してるんだな」

琴浦「うん」

真尋「即答か」

真尋「まあいいよ、いつか話してくれる時が来てくれるのを楽しみにしてる」

琴浦「そんな時は来ないよ」

真尋「……代わりに教えてくれとは言わないけどさ」

真尋「僕からは一つ秘密を打ち明けておこうかな」

真尋「……実は僕、宇宙人と同居してる」

琴浦「ぷっ」

琴浦「何それ」

真尋「冗談じゃないんだ。邪神って実は宇宙人なんだよ」

真尋「それがなんと邪神ハンターと同居してるんだぞ? おかしいだろ?」

琴浦「ふふっ、そうだね」

真尋「しかも事もあろうに僕に求婚してきているんだ……」

真尋「同居してるのも、あいつが転がり込んできたからなんだよ」

琴浦「それで、どうなの? 返事はしたの?」

真尋「相手は邪神だ! 当然断ったよ!」

琴浦「でも追い出してないんだ」

真尋「……まあ、なんだかんだで楽しくやってるからな」

真尋「つまりさ」

真尋「琴浦にどんな隠し事があろうと、僕は嫌いになったりなんかしないってことだ」

琴浦「……宇宙人の方がマシかもよ?」

真尋「そこまですごかったら逆に面白いじゃないか」

琴浦「……」

琴浦「そろそろ帰ろうかな」

真尋「あ、ごめん。怒らせちゃったか?」

琴浦「ううん……眠くなっただけ……」

琴浦「八坂くんと話して少し気分が晴れたんだと思う……」

琴浦「……また明日ね」

真尋「ああ。また明日」

みんなとは打ち解けてないけど……琴浦は本当はとてもいい子だ。

それは話しててよく分かる。

だから……琴浦は絶対に死なせたくない。

僕はそう思った……。

【モノクマ劇場】

モノクマ「いやっほぉ~う!!」

モノクマ「みんな大好き、モノクマ劇場だよ!」

モノクマ「あいつらがいなくなったから安心して劇場が使えるんだ!」

モノクマ「ほらほら、見て見て」ピョンピョン

モノクマ「僕が今立っている、ちょうどこの場所で上条クンが死んでたんだよ!」

モノクマ「なんだか観光名所に来たみたいで、ワックワクのドッキドキだよね!」

モノクマ「……ん? 不謹慎じゃないかって?」

モノクマ「何言ってんのさ。オマエラだって戦国時代に合戦があった場所とか行ったらテンション上がるでしょ?」

モノクマ「心霊写真撮ろうとするんでしょ?」

モノクマ「これは追悼なんです、キリッ!」

モノクマ「さてさて……」

モノクマ「安価なしになっちゃったね」

モノクマ「学園長としては安価があった方が都合がいいんだけど」

モノクマ「クロも被害者も、自分たちの手で死に追いやっちゃうんだから安価って絶望的!」

モノクマ「その点、安価なしだと……」

モノクマ「選ばれる人の偏りがないから、全員を万遍なく描写できるし……」

モノクマ「不慮の事故も起こらないし……」

モノクマ「死ぬタイミングを調節しつつ、」

モノクマ「予定通りの事件が起きてしまう」

モノクマ「絶望感が、ぜんっぜん足りなーい!」

モノクマ「でも……」

モノクマ「そんな壁を乗り越えて、絶望を与えてこそ……」

モノクマ「超高校級の絶望だよ!!」

モノクマ「……実は今回の動機、大盤振る舞いにする予定なんだ」

モノクマ「そうそう。安価だった場合の、今回のクロ候補と被害者候補の人数を発表しておこうかな」

モノクマ「CHAPTER2のクロ候補は12名、被害者候補は8名です!」

モノクマ「12名、つまり全員なのです!」

モノクマ「動機がクリティカルヒットしてしまう人も、1章では3人だったけど……」

モノクマ「2章ではなんと7人です! 死んでる人も合わせると9人です!」

モノクマ「だからこそ、安価ありだと確定生き残り枠があったんだ」

モノクマ「1人目を選んだ後も、男女1名ずつ、確定シロ枠と確定被害者じゃない枠を選ぶ機会があったんだけど……」

モノクマ「結局選べなくなったからね、誰がクロになるか分からなくなっちゃった」

モノクマ「ともあれ、誰一人平気ではいられない動機で……きっと今回は最上級の絶望をお届けできると思うよ!」

モノクマ「うぷぷぷぷ……動機発表をお楽しみに!」

【真尋の個室】

スケジュール「朝食当番! 朝食当番!」ビーッビーッ

僕が自分で吹き込んだ大声が起床時刻を知らせる。

真尋「ん、うん……」

寝起きが悪かった。

結局、琴浦と別れた後も全然眠くならず、4時過ぎまでは起きていた。

つまり2時間程度しか眠れていない。

疲労がたまっていただけじゃなく、すごく暑かったのも原因だと思う。

個室には窓は付いていないが、ホールは密閉されていた上に地下だから涼しかった。

でもここではそうもいかなかった。


『オマエラ! おはようございます! 朝です、7時になりました!』

『起床時間です! 今日も張り切っていきましょう!』


……体が動かない。

ピンポーン

ピンポーン

ピンピンポピンピンポーピンポーン

ドンドンッ!

真尋「……うぅ」

巴だな……。

しかたない、気合いを入れて起き上がる……!

真尋「ごめん! 全然起きれなくて……うわぁっ!?」

部屋を出た瞬間、僕の目の前に現れたのは大砲の砲口だった。

マミ「ティロ」

真尋「待ったあああああ!!」

マミ「フィ……八坂くん!」

マミ「生きてたのね……!」

真尋「いま死ぬところだったけどな!?」

マミ「部屋から出てこないし……中で死んでるんじゃないかと思って……」

真尋「心配かけちゃったな……」

マミ「これで昨日の朝の分はチャラね」

マミ「でも八坂くん、本当に死にそうなくらい汗かいてるけれど……」

真尋「逆になんで巴は平気そうなんだよ……」

マミ「強めに冷房をかけたからね」

真尋「えっ」

マミ「……まさか八坂くん、気づいてなかったの?」

真尋「……どこにあったんだよ」

マミ「えっと……ほら、天井を見て」

学校にたまにあるタイプの一目見ても分からないエアコンかよ……!

ここ汚いのに、こういうところだけちゃんと希望ヶ峰学園らしいな……!

マミ「うふふ、朝から楽しいものが見れたわ」

真尋「笑うなよ!」

マミ「もうちゃんと目は覚めたようね。時間が無いわ、食堂へ行きましょう」

【食堂】

マミ「……」

真尋「……」

マミ「……八坂くん? 先に行ってもいいわよ」

真尋「わかったよ……。でもまずは換気しないといけないだろ」

マミ「そうね! じゃあ私は食堂の窓を開けてくるわね!」ダーッ

真尋「…………どう考えても虫より魔女の方が怖かったけどなあ」

調理室の扉を開けると、ほんのりと煙の臭いが鼻をついた。

中に入り、テキパキと換気扇のスイッチを入れ、窓を開ける。

足元に虫の死骸がごろごろと転がっていた。住みすぎだろ……。

巴がまた腰を抜かさないように、食堂の掃除用具入れから箒とちりとりを持ってきて、ゴミ箱にまとめて死骸を捨てた。

真尋「準備できたぞー」

マミ「もういないわよね?」

巴はテーブルに突っ伏して待っていた。

真尋「見えるところにはもういないよ」

マミ「見えないところにいるかもしれないじゃない……」

QB「おはよう、マミ、真尋」

QB「調理室の中に生きている虫はいなかったよ」

マミ「おはよう、見てきてくれたの?」

QB「棚の中にいくつか死骸が残っているだけだね」

真尋「棚は僕が開けてやるから、早く調理を始めよう」

料理に必要な道具を僕が取り出し、まずはそれらをしっかり洗った。

QB「健康を害する雑菌は最初からいなかったけれどね」

マミ「さて、作っていきましょうか」

巴の得意料理はやっぱり洋食らしい。

マミ「でも朝はごはん派なのよ」

真尋「前は洋食作ったし、今度は普通のにしようか」

マミ「ごはんの方がお腹も空きにくいし、お肉で栄養もつけたいところね」

真尋「スポーツで疲れると思うから、夕食も多めに作らないとだな」

巴がごはんを炊き、ミートボールや魚フライを用意。そしてスムージー作りに挑戦している。

僕はフライパンで目玉焼きを作り、ハムやウインナー、レタスを添える担当だ。

マミ「ふう……なんとか間に合いそうね」

真尋「ちゃらっちゃちゃららー、ちゃらっちゃちゃらちゃー♪」

真尋「ちゃーちゃーちゃー↓」

マミ「……どうしたの?」

真尋「ちゃらっちゃちゃららー、ちゃらっちゃちゃらちゃー♪」

真尋「ちゃーちゃーちゃー↑」

真尋「たんたかたかたか、たんたかたかたか」

マミ「テンポが上がってきたわね……」

真尋「てれってれってとぅーるるー♪」

真尋「いつもの朝に、混沌のスパイスを!」

真尋「じゃーん↓じゃーん↑じゃーん↓」

真尋「何ができるかはお楽しみ!」

真尋「ぴろぴろぴろぴろぴーん☆」


真尋「カオス・クッキングぅ~↓、はーじーまーるーよー!」


マミ「八坂くん……ついに壊れちゃったの……?」

真尋「食材倉庫から3つの食材を、目をつぶって持ってきます」

マミ「タンクにぶつかって牛乳こぼさないでよ……」

真尋「その3つを使って料理を作ります」

QB「それは果たして料理と言えるのかい?」

真尋「上手くいくかはお楽しみ」

マミ「ダメよ! 食材がもったいないわ」

真尋「さあ、それでは始めたいと思います」

マミ「私はスルーなの!?」


※コロシアイオープンキャンパスに参加した時以外は決して真似しないでください


QB「わけがわからないよ」

マミ「私もよ」


カオスクッキング(改)

安価下3まで 食材や調味料など指定(交友度ボーナス無いのでふざけません?)

マミ「それで? 何を持ってきたのかしら?」

つ みりん・味噌・チーズ

真尋「これでよし、と……」

マミ「良くない! 全然良くない!」

QB「これは……料理じゃないね」

真尋「ふむ……」

マミ(考え込む素振りを見せてる……!)

QB(迷う余地なんて無さそうなのにね)

真尋「閃いた……!」

QB(材料をミキサーに入れ始めたね)

マミ(せっかくスムージー作った後洗ったのに……)

ウィイイイン

真尋「できた」

真尋「名付けて、『くすんだ肌色のピューレ』」

マミ「名前すらまずそうじゃない……」

真尋「さあ、巴! 試飲してみてくれ!」

マミ「やだぁ!」

真尋「カオングの神のご命令だ!」

マミ「カオスクッキングの略称なんか怖い!」

QB「無駄だよ、マミ……」

QB「真尋はどうやら大いなる意思に支配されているようだからね」

マミ「え、実在するの? カオング神……」

真尋「さあさあさあ」グイグイ

マミ「いやだぁ……くさい……!」

QB「僕が飲もう!」

マミ「キュゥ……べえ……?」

QB「カオング……君はいたいけな少女を泣かせて楽しいのかい?」

真尋「飲めばわかるさ」ニタニタ

マミ「キュゥべえ……! どうして!?」

QB「マミにはいつも魔女退治で助けられているからね。これくらいお安い御用さ」

ゴクゴク

QB「きゅっ……ぶええ!?」

マミ「ああ! きゅっぷいと言えずに自分の名前に!」

QB「チーズが……! 主にチーズが……!」ガクッ

マミ「キュゥべえええええ!!」

※くすんだ肌色のピューレはスタッフ(モノクマ)がおいしくいただきました


今日の献立は炊き立てごはん、洋食おかず類、フルーツスムージーです!

【食堂】

食堂にはほとんど全員が集まっていた。

ムッツリーニと春海もちゃんと来ていたし、キリトもしれっと参加していた。

ただ……

レナ「もー! しっかりしてよー!」

如月「……」

たった今、竜宮が如月をお姫さま抱っこして食堂に連れてきた。

どういうことだろう……。

竜宮が如月を椅子に下ろす。

半分眠ってはいたが、崩れ落ちずに座っていた。

理科「えっと……マミさん、この人参謀で本当にいいんです?」

マミ「……考えておくわ」

昨日改善されたみんなの如月を見る目が、再びゴミを見る目に変わってしまった……。

今回は僕も人の事は言えないけど……。

マミ「さて、これで全員集まったわね……」

2日ぶりの朝食会。

頭数が3人減ったのを嫌でも感じさせる。

マミ「みんな知っての通り、今日からは運動をしなければ死んでしまいます」

マミ「不満はあるけれど……バンドのノルマを毎日達成することがこれからの第一目標になるわ」

マミ「運動をサボって、勝手に死なないでちょうだいね」

理科「打開策を考えることも大事ですが、まずは毎日を生き延びることです」

理科「スケジュールの指示の前に、まずは朝食を食べましょう」

理科「お腹が減っていては、頭も体も正常に働きませんからね」

マミ「エネルギーが要ると思ったから、今日のごはんはちょっとカロリー高めよ」

真尋「いただきます」

僕は巴、如月、志熊の首脳陣と相席になった。

マミ「うん、他の料理はよくできているわね……」

真尋「だってあれカオスクッキングだし。僕の実力じゃない」

如月「zzz」

理科「はあ……どうやっても起きませんね。スタンガン使っちゃいます?」

マミ「……いえ、それならもっといいものがあるわ」

マミ「きっと嫌でも目を覚ますはずよ!」

つ くすんだ肌色のピューレ

理科「これは……何の溶液でしょうか」

真尋「無害だよ」

理科「それなら……はい、シンタローさん、あーん」

ダバダバ

如月「……」

マミ(わくわく)

如月「……」

如月「……うめえ」

マミ「!?」

如月「これ、八坂が作ったのか? すごいじゃないか」

如月「目が覚める美味しさだったぜ」

理科「うわぁ……」

マミ(味覚音痴……!)

真尋(正直作った僕も引いた)

主に、僕と巴は普通にごはんを食べ、志熊はスムージーを、如月はピューレを飲む朝食風景。

理科「大変美味しかったです。ごちそうさまでした」

マミ「あれ、まだたくさん残ってるわよ」

理科「すいません……。朝食は食べない派なので……」

理科「少しでも食べれるのは、それだけ美味しいってことです」

マミ「これからは少なめに配膳するわ」

真尋「そんな志熊でも完食できる料理だっていつかきっとできるはず……」

真尋「そう。カオスクッキングならね」

みんなが大体食べ終えた後、巴と志熊がみんなの前に立った。

……如月はあの後また寝ていた。

マミ「みんな、注目!」

マミ「これから今日のスケジュールを指示します」

なの「はい!」

高須「おう」

マミ「まずは今から、探索の続きを行います」

マミ「今回調べるのは、スポーツ施設!」

マミ「探索が終わったら、10時までに集会所に集合して報告会を開くわ。できるだけ遅れないでね」

土屋「…………了解した」

レナ「どこに行こうかな、かな!」

キリト「……脱出方法は探さないのか」

理科「落ち着いてください」

理科「我々首脳陣は、まずは安心して脱出方法を模索する準備を整えるのが先決と判断しました」

理科「なので今回はどんな運動ができるのかを調べるんです」

理科「まあ、大体はできるでしょうが……」

理科「ここは希望ヶ峰学園の施設、しかもそれにモノクマが手を加えていますから」

理科「一般人には耐えられない、危険な施設もあるやも知れません」

理科「そういった施設は避けて、怪我のリスクを減らさなければなりません」

理科「お分かりいただけましたか?」

キリト「……分かったよ」

マミ「ええと、昼になったら運動を行ってください」

マミ「これは絶対よ」

マミ「一人で走りこんだりしてもいいけど……何人かで集まって球技とかしても退屈しないわね」

理科「最初はできるだけ色々なスポーツを試してほしいですね」

理科「実はこのノルマが何を測定しているのか、まだ分からないんですよ」

理科「肺活量か、筋肉の運動量か、流れた汗の量か……」

理科「やったスポーツと増えた数値を比べれば……最も効率良くノルマを達成できるスポーツが分かるかも知れませんから」

マミ「ノルマを達成したら、自由行動とします」

マミ「できればまだノルマを達成できていない人を助けてあげてほしいわね」

理科「探索や趣味の時間は運動の後でよろしくお願いします」

マミ「それと……もう一つ」

マミ「これからは夕方6時にも軽いミーティングを開きます」

マミ「ノルマを達成できているか、そして体調がすぐれない人がいないかの確認をします」

理科「我慢はしてはいけません。細かいことでも伝えておいてください」

理科「万が一の事態を防がなければいけませんからね」

マミ「では、流れをおさらいするわね」

マミ「今からスポーツ施設を探索、10時には集会所で報告会」

マミ「12時ごろから運動してノルマをクリアします」

マミ「18時にはもう一度集会所に集まって、ミーティングをします」

マミ「役割分担の事、お風呂の事はその夕方のミーティングで話すわ」

マミ「では、解散!」

レナ「レッツゴー!!」

理科「ほら、シンタローさん起きてください」

なの「春海さん!」

四ノ宮「マミちゃん、一緒に行きませんか?」

マミ「まず私は朝食の後片付けをしなきゃ」

真尋「僕がやっておくよ」

真尋「片づけが終わり次第僕も探索に合流する」

マミ「いいの?」

真尋「まだ虫の死骸が残ってるだろ」

マミ「ひっ」

真尋「ついでに片づけとくから、巴は気にしないで行ってくるといいよ」

四ノ宮「マミちゃん、虫が苦手なんですねぇ」

マミ「いいえ! あれは虫が苦手じゃなくても苦手になるわよ!」

2人も話しながら去って行った。

さて、片づけ頑張るか。

【調理室】

全員分の食器と使った調理器具を洗い、棚の中の虫の死骸を集めて捨てた。

ついでに、朝は使わなかった棚の中の主な調理器具も、一通り洗っておいた。

一人だと結構時間かかるし疲れるな……。

一息ついて時計を見ると、もう9時過ぎだった。

みんな大体調べ終わってるだろうし、気になるところだけ軽く見て回るかな。



噴水広場から西に延びる、アスファルトの道を歩く。

道路脇に並ぶ樹々が影を作っていて涼しい。

宿舎エリアとスポーツ施設エリアの間に特に仕切りなどはなかった。

所々に、足つぼを押すための小石が敷き詰められた道も用意されていた。

左側には複数の大会を同時に開けそうなほどに広大なグラウンドがある。

グラウンド北側にあるのが多目的体育館だ。

そこからさらに西に水練場、アイスリンクと順番に並んでいる。

【多目的体育館】

まずはオーソドックスな体育館から見てみることにした。

昨日入った時にはそれどころじゃなかったからな。

ガラス扉を開き中に入ると、正面に大扉、左に階段、右にエレベーター、そして左右に延びる廊下がある。

この体育館は学校にあるものとは違い、集会などに使われることのない体育専門の施設なので、舞台が存在しない。

モノクマが昨日立っていた演台も片づけられていた。

入口から見て左右の高い位置に観客席があり、そこに春海と東雲が座っていた。

真尋「東雲ー、もう探索は終わったのか?」

なの「あ、八坂さん! 一応見終わりましたよ! 離れと2階は別の人に見てもらってますけれど」

春海「うがあああああ!!」

真尋「お、おい! どうしたんだ!?」

春海は文庫本を床に取り落とすと両手で頭をかきむしった。

春海「……集中できない」ボソボソ

なの「大好きな読書でも気が紛れないみたいで、さっきからずっとこの調子なんです……」

重症そうだ……。

なの「一応わたしが話し相手になろうと……」

真尋「とりあえず春海の事は任せておくよ」

真尋「その段ボールは何?」

なの「モノクマから支給されたジャージです、半袖と長袖のセットですよ」

なの「好きな色が選べるので後で取りに来てください」

真尋「適当に無難な色を選んでおいてくれないか?」

なの「えっ、わたしが選んだものでいいんですか?」

真尋「頼む」

まずは体育倉庫を見てみる。

普通の体育倉庫の3倍ほど――ホールの大道具倉庫くらいの広さがあり、あらゆる屋内競技用の道具がそろっていた。

備品ノートに目を通す。

防弾跳び箱、防弾得点板、防刃マット……一体何の競技に使うつもりだろう。授業でコロシアイ演習でもしてるのか?

耐火耐衝撃バスケットボールver1.5、発電能力を応用した魔球“操脳雷球(パペットプレイヤー)”にも対応済み……

超高校級のバスケ選手は超能力者らしい。それはもはやバスケの才能じゃないだろ……。

見れば見るほどおかしな物が次々と出てくる。

天井激突防止ネット、空中ライン引き、ねばねばネット、デスマッチ用金網、滞空シャトル(自動追尾機能付き)。

物騒な用語は並んでいたが、どちらかと言えば観客を守る、超高校級の才能に耐えうる事がコンセプトの道具が多く、

殺人に直結しそうな特殊な道具は存在しなかった。

廊下には、監督室、保健室、会議室、更衣室、男女トイレがあった。

監督室には、机やソファ、ノート、電話機が置かれている。

電話機は内線電話になっていて、宿舎の集会所、グラウンドの放送室など各施設のスタッフルームに繋がるようだ。

会議室にはたくさんの長机とパイプ椅子があるだけ。今後使うこともないだろう。

更衣室には鍵がかけられていた。後で情報をまとめたところ、更衣室が使えるのはプールと温泉だけらしい。

保健室を見つけたことで少し僕は安心していた。

医療センターが閉まっていたが、ここで怪我の治療は一応できると思ったんだ。

しかしその希望は打ち砕かれた。

薬品や包帯、メスなど、治療用の道具は撤去されていた……。

あるのは身長計、体重計、何も入っていない机、そしてベッドのみ。

真尋「モノクマ!」

モノクマ「うぷぷ、絶望した?」ぴょいーん

真尋「(無視) ここのベッドで寝てももちろん規則違反になるんだよな?」

モノクマ「もちろんさ! うぷぷ、絶望した?」

真尋「(無視) 横になった途端に爆発する?」

モノクマ「どこのネザーだよ! あ、でもそうすればよかったんだ、僕としたことがっ!」

真尋「今さら変えるなよ」

モノクマ「変えないよ。予想通りの絶望なんて絶望じゃないし」

しばらく安静にする、くらいの使い方はできそうだ。

【多目的体育館:2階】

2階に上がるとまず着くのが卓球場だ。

球の落下を防ぐためのネット越しに体育館が見下ろせた。

ドアが3つ、左右の観客席に出るドアと、格闘室の札がかかったドアがある。

格闘室は、プロレス用とボクシング用だろうか、微妙にサイズの違う2つのリングのある部屋だった。

壁際で何かの冊子とにらめっこしていた椎名が顔を上げた。

椎名「よぉ、真尋」

椎名「ここは見ての通りの格闘技のリングだ」

椎名「壁も床も硬いようで柔らかい、安全仕様の部屋だったぜ」

椎名「んでこれはそこにあるロボットの説明書だ」

目線の先を追うと、金属がむき出しの無骨なロボットが鎮座していた。

筋肉の代わりになる黒く太いゴムの束が、金属の体を覆っている。

胸部に書かれているロゴは『総合格闘ロボットOGRE』。

真尋「オーガ、って読むんだっけ」

椎名「みたいだな」

椎名の横から説明書を覗きこむ。

真尋「超高校級のロボット技師&超高校級のプログラマーの開発した、世界最強の格闘技マシン……」

真尋「世界中のありとあらゆる武術の達人の知識・格闘センスがインプットされている」

真尋「強さ調節機能は無し。目に入った者を容赦なくひねりつぶす最凶のデストロイヤー……!」

真尋「……これ、隔離しとかないと怖すぎるんだけど!?」

椎名「戦闘系の才能を持った希望ヶ峰の生徒たちなら、十数分程度は持ちこたえたらしいぞ!」

真尋「勝ってないのかよ!」

椎名「逆に考えるんだ。こいつを理科に改造してもらえば最強の助っ人になるに違いない」

真尋「本物の超高校級の生徒の技術にどこまで及ぶかだな……」

真尋「ふと思ったけど、このロボットセーラー服着てないか?」

真尋「もしかして……名前的にも、前言ってた大神さくらがモデルだったり?」

椎名「それはねーな。このロボはごつすぎる」

椎名「大神さくらの写真ってあんまり出回ってないんだが……」

椎名「あたしが前見た写真だととても格闘家とは思えない細身の美少女だったぜ」

真尋「椎名も戦士とは思えないくらいにかわいいし細いけど」

椎名「ばっ、馬鹿言えっ!///」

【多目的体育館:観客席】

観客席に並んで座る2人の間に、静かな時間が流れていた。

時たま春海がページに指を挟んで本を閉じ、うなだれ、ため息をついている。

なの「……春海さん、ため息ばかりついてたら、幸せも逃げて行っちゃいますよ」

春海「……俺にはもう、幸せも希望も無いんだ……」

春海「どうせ世界は滅んでる」

春海「本はすべて燃やされて……作家もみんな殺されてるんだよ……!」

なの「……あなたの大好きな作家さんたちは、そんな簡単に死んじゃうような、やわな人たちなんですか?」

春海「作家に強さなんてない……」

なの「ペンは剣より強いって、具体例を交えつつ、この前わたしに力説してたじゃないですか!」

春海「でも、銃には負けるんだ」

なの「……どうして、モノクマのいう事を真に受けるんですか」

なの「コロシアイは本当でしたけど……あれは嘘の映像です!」

なの「絶望なんかしたら、モノクマの思う壺じゃないですかっ!」

なの「高坂さんが死んで、ショックを受けているのは春海さんだけじゃありませんよ」

なの「わたしだって……最後まで、仲直りできなくって……」

なの「高坂さん、どうしてあんなにわたしを嫌ってたのかな……」

春海「……」

春海「……昨日、高坂から聞いた」

なの「な、なんて言ってました?」

春海「あいつは……努力家だった」

春海「東雲は努力もせず才能だけインプットされた偽物だって言ってた」

なの(……今は否定する場面じゃないし、春海さんに怒っても意味ないからガマンガマン……!)

春海「泣きわめくだけの使えない道具。道具なら道具らしく人間様の役に立てって」

なの(ガマン、ガマン……)

春海「上条が死んだのも東雲のせい」

なの「ガマンガマンガマン」

春海「保育ロボットが保育されててどうすんのよ」

なの「ガマーン!!」ネジクルクル

春海「アイツがみんなのケアをしていれば殺人なんて起きなかった! だってさ」

なの「あ……」

春海「まあ……だから気にすんな。高坂と東雲は絶対に分かり合えなかった」

なの「わたしは……」

なの(努力して……みんなの役に立てば……許してくれますか……?)

なの「春海さん!!」

なの「今からわたしが言う本、持ってたら貸してください!」

春海「へ……? いいけど……」

今晩はここまでです。
明日はプールとアイスリンクの探索して、7日目終了まで行ければいいな……


今更だけどテンプレに生徒名簿画像張ってほしかった。
アレ分かりやすかったから

>>39
そうですね、次回からテンプレに追加しておきます。
前スレ41さんに感謝。

一応ここに置いておきますね。

生徒名簿 http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5143860.jpg

生存報告。
現状大忙しで…8月1日から再開します。

申し訳ないです、切りのいいところまで仕上がらず……
今日のどこかで更新……!

お待たせしました……

アイスリンクには行ったことが無く、スケート経験も無いので、
所々描写に違和感があると思いますが、目をつむって頂ければ幸いです

【プール】

ガラス戸を通りプール施設に入ると、常夏を思わせる内装のロビーが出迎えた。

ヤシの木、カモメ、ビーチボール、砂のお城、シュノーケル、浮き輪……ってよく見たらこれドーナツだ!

『浮き輪ドーナツ』を手に入れた。

これ、食べることもできるらしいけど、虫も食わないし腐らない食べ物って危なくないか……?


ここにあるのは屋内プールと屋外プールの2つ。

屋内プールは冬場でも練習できる温水プールで、屋外プールは水深5mに観客席付きの競技用プールだ。

2階には屋内プール観覧用の、広いガラス窓とベンチのあるスペースと、トレーニングルーム。

良くある重量挙げや腹筋のマシンや、アメリカ人が深夜の通販で紹介していそうなダイエット器具がずらりと並んでいる。

一度に何人も走れそうなルームランナーは、先端に金具のついたゴムバンドで体を固定できるようになっていた。

トレーニングルームの奥には器具の無いスペースと壁一面の鏡。ヨガなどで自分の体勢を見るための物だ。

琴浦「うぅぅうぅ!」プルプル

高須「がんばれ、もう少しだ!」

両手に持ったダンベルを上げようとするもまったく腕が曲がらない琴浦の姿を見つけた。

まず持ってるだけで精一杯みたいで、落とさないか心配……。

ドン ドン

高須「おおっと」

琴浦「はあ……はあ……やった、ノルマが4増えてる!」

高須「やったじゃないか! あと7回ふんばればノルマ達成だ!」

琴浦「も、もう無理!」


真尋「お疲れさま。琴浦って高須とは仲良かったのか」

琴浦「人間中身が大事ですから」

高須「こう言ってくれるからすごくありがたいんだ」

琴浦「今度水泳教えてくれるって約束してくれたの!」

真尋「水泳か……ムッツリーニが喜びそうだ」

琴浦「上条くんがいたらみんなで水泳大会とか開こうとしてたよね……一部の水着目当てで」

高須「それに峰や高坂が悪乗りしてただろうな……」

琴浦「不謹慎だけど……いなくてよかったかも」

真尋「そんなに水泳苦手なんだ?」

真尋「でもどっちみち、竜宮あたりがムッツリーニと共謀して企画しそうだけど……」

高須「まあその時は付き合ってやろうな」

琴浦「……巴さんには絶対に隣に並んでほしくない」

高須「巴そんなに運動神経いいのか?」

真尋「ノルマも平均的な100だったし、魔法でカバーしてるだけだと思うけど……?」

琴浦「……ねえ、2人とも……ちゃんと女子に興味ある?」

真尋「もちろんだよ!(でも恋愛とか別にどうでもいい)」

高須「お、俺はノーマルだ!(そうであってほしい……!)」

琴浦「(廿△廿)……」

【アイスリンク】

自動ドアを抜けると、雪国であった。

オーロラを思わせる照明が神秘的なロビーは、雪だるまや雪の結晶、スキー板、針葉樹など、冬を思わせるアイテムで飾られていた。


マミ「あら、八坂くん」

真尋「洗い終わったから施設を見に来たよ」

涼しい屋内施設だけ。

マミ「ありがとう。でも、そろそろ時間なのよ」

真尋「あ、本当だ……。探索できなかったな」

四ノ宮「でしたら、お昼から僕たちとスケートしませんか?」

四ノ宮「見学もできて一石二鳥ですよ!」

マミ「こんなところでもないとスケートなんてできないからね」

マミ「何人か誘って来ようと思ったのよ」

真尋「僕スケートの経験ないんだけど……」

真尋「まあ何事も体験かな、特にやりたい競技も無かったし」

四ノ宮「動きやすい服に着替えたいですね」

マミ「スカート履いたままスピンジャンプはちょっと……」

スピンジャンプできるんだ……。

真尋「それならジャージが支給されてるらしいぞ」

真尋「今は東雲が持ってるはずだけど、報告会で配るんじゃないかな?」

【集会所】

なの「んしょっと!」

東雲と春海が体育館からジャージの入った段ボールを運んできて、13人全員がそろった。

マミ「これで全員そろったわね?」

理科「では始めましょうか」


如月「オレたち2人はサーキットを見てきた」

如月「割と本格的だと思う、まあバンドの数値は増えないと思うが……」

理科「乗り物に乗ってる時踏ん張ったりしません? あれで数値稼げるかも」

如月「それで上がったら苦労しないだろ」

理科「車とバイクは整備しておくので、明日にでも誰か試してみて下さい」

理科「ドライブするだけでノルマクリアできたらラッキーでしょう?」

如月「それと、近くでガソリンや有機溶剤の詰まったタンクがいっぱい見つかった」

理科「コースとは離れてるので近づかないのが賢明です」


巴がホワイトボードに2人の発言の要所を記している。

・サーキットで誰かドライブしてみる

・ガソリンがある近くにはいかない

プール、アイスリンク、体育館についても同様に箇条書きでまとめていった。


キリト「俺たちは武道場を発見した」

キリト「いろんな武器があったな、俺の竹刀と同じで見かけ倒しだったが」

発言の真偽が分からず、怪訝な視線がキリトに集まる。

土屋「…………俺が保証する」

土屋「…………でも、忍者の使う装備は尖っていて危険だった」

椎名「キリトは、あたしと康太と理科で極力見張っておくことになった」

椎名「まあ、本人も思うところがあるみたいだし、何かする気はないようだが」

椎名「なんだかんだで脱出には協力的だからな……そこまで警戒する必要はないんじゃねーかって、あたしは思う」


レナ「みなちゃんと一緒にグラウンドを調べたよ。言っておかないといけないのは……」

レナ「特別な砂で砂埃が舞い上がりにくいってことと、放送室のマイクで話すとモノクマ声になるってことくらいかな」

椎名「道具はマイナーなものまで一通り揃ってたぜ」

椎名「どうやら超高校級のセパタクロー選手なんてのもいたらしい」

マミ「それでは解散。6時にはミーティングするから戻って来てね」

なの「すいません、待ってください!」

マミ「あっ、忘れてたわ……」

なの「モノクマからジャージが支給されたんです」

春海「俺たちはせいぜい服を2種類しか用意されてなかったから、スポーツ用にってことらしい」

キリト「何か仕掛けられてるんじゃないか?」

理科「ちょっと見せてください」

志熊がポケットから虫眼鏡を取り出してジャージを観察したりさすったりしている。

理科「ただの虫眼鏡だと思いました? 顕微鏡並の性能なんですよねこれが」

理科「今ならたったの8千円」

土屋「…………望遠レンズの方が欲しい」

理科「お作りしましょう」

高須「自分が覗かれるための道具を発明するのか……」

理科「どうせ理科はそこまで魅力無いでしょう」

土屋「…………俺は気づいているぞ、お前は一級品の素材だという事に」

レナ「(☆ω☆)」ニタァ

真尋「ご愁傷様」

理科「……ええと、ジャージは何も仕掛けられてないようですよ」

なの「じゃあ一着ずつ取りましょうか」

マミ「この中に、ジャージの色がこれじゃなきゃやだ! これだけはやだ! って気にする人はいる?」

……。

マミ「ちなみに私がそうよ」

春海「おいおい」

如月「実はオレもだ」

キリト「譲れないな……!」

マミ「というわけで、じゃんけんで勝った人から選びましょう!」

マミ「東雲さんはもう着てしまってるようだけれど」

東雲はすでに水色のジャージに着替えていた。

なの「あの、わたしのはモノクマが、東雲さん用のジャージって言って別に渡してくれたんです……」

マミ「本当に?」

高須「あー、たぶん嘘じゃないと思うぞ」

レナ「なのちゃんは、その……普通のは着れないんじゃないかな、かな……?」

マミ「ご、ごめんなさい」

巴、察しが悪いな……。

東雲のジャージだけは背中に穴が開いているはず。

春海「でもさ、俺どれでもいいんだけど」

なの「いいんですか!? ピンク色でもいいんですか!?」

春海「それは先に女子が取るだろ?」

理科「いえ、割と避ける色ですよ……」

自分で自分の事をかわいいと思ってるナルシストに映るんだろうな。

女子って大変だ。


高須「ん、まあ。女子的には大事だろうし、やろうじゃないか」

ここにも空気の読める男がいた。

琴浦「私は余ったのでいいよ」

マミ「え?」

理科「……」

琴浦は、空気が読めていなかったらしい……。

お金持ちの物欲無いアピールに映ったんだろうけどさ。

でも、ノリノリで参加されても文句あるだろ……?

琴浦「……ごめんなさい、さ、参加します」

土屋「…………適当なところで負ければいい」

四ノ宮「自分で決められないなら、ハルちゃんに似合う色、僕が選びましょうかぁ?」

そして男性陣の過剰なフォローが更なる反感を生む、と……。

ままならないな……。

なの「??」

なんとなく空気が悪いのは分かるけどどうして? って顔をしている東雲。

あのさ、と口を出そうとしたところで、

レナ「よーっし! なのちゃん前に立って!」

レナ「負けとあいこは座って、少なくなったら残った人でじゃんけんして、選ぶ順番を決めよう!」

竜宮が代わりに仕切って場をとりなしてくれた。

東雲が前に立ち、腕を真っ直ぐ上に掲げる。

なの「では、いきますよー」

なの「じゃーんけーん」


なの「ぽん」


ゴォォーーーーーーーーーーバゴンッ!!


腕から分離し、ジェット噴射で天井を叩きつけるグー。


……。

なの「……い、今のは手品です!」カポ

真尋「チョキじゃなくてよかったな……!」

とりあえず悪い空気は吹き飛んだよ。グッジョブ。

結果。

椎名「情熱の赤! センターの赤! スポーツの主役はこのあたしだ!」←赤

四ノ宮「僕はぴよちゃんカラーにしました。2人とも似合ってますよ」←黄色

レナ「レナ、白色好きなんだよ、だよ!」←白

マミ・如月・理科「アイデンティティ奪われたぁ!」

首脳陣が悲惨なことになっていた。

特に提案した巴……。


真尋「まあ巴のオレンジ色も似合ってるぞ。むしろ髪との色の組み合わせ的にいいと思う」

マミ「そ、そう?」

真尋「志熊も、パステルカラーの黄緑もいつもよりかわいい感じでいいと思うぞ」

理科「うう、褒めても何も出ませんよ」

真尋「如月は……うん………………」

如月「何とか言えよ!?」

キリト「緑の色は二番手の色だな、シンタロー」

如月「うるせぇ!!」


如月「……ふん、着なければいいだけの話だ。いつもの服でも十分動きやすい」

高須「それは普段着だろう? 汗かいて汚くなるぞ?」

如月「聞いて驚け……オレは部屋着を基本的に1週間は洗わない!」

春海「きったな!?」

真尋「確かに驚いたよ!」

レナ「だめだよー! 洗うから着替えて!」

バババッ

如月「うあーっ!!」

竜宮が一瞬で着ていた服と緑のジャージをすり替えた。

キリト「強制コスプレスキルがこんな形で役立つとはな……!」

ちなみにキリトは流石の勝負強さを見せ、狙い通り黒を手に入れている。

土屋「…………目立たない色で良かった」←紫


高須は灰色で、囚人服に見える。

高須「灰色は汗が染みて黒くならないか心配だ……」

レナ(囚人に見えるね)

高須「材質的にそんなことはないか?」

春海(囚人に見えるな)

高須「まあ、あまり派手すぎないし、」

椎名(囚人に見えるぜ)

高須「それに、清掃員に見えるしいいかも知れない」

真尋(いいや、囚人だ)


ちなみに僕は負けに負けて余り物を手に取っていた。

女子たち、本当にピンク残しやがったな……!

真尋「……あのさ、琴浦」

琴浦「何?」

真尋「琴浦さんの青いジャージと交換してくださいお願いします!」

これは賭けだった。

琴浦「……いいけど」

真尋「よっしゃあ!!」

意外にも周囲からの反対の声や不服な視線は飛んでこなかった。

その理由の半分はすぐに分かった。

理科「そういうのもありなんですねっ、ではレナさん」

レナ「やだよ」

交換にケチをつけないで、自分でも試したわけだ。

でも琴浦に対する女子の嫌味な視線が無いのはどういう事だろう。


なの(あっ、わたしが最初八坂さんに選んだ色だ! わたしと同系色にしてみました)

高須(なんとなく八坂は青って感じがする)←CV的な意味で

マミ(なんか知らないけどしっくり来るわ)←CV的な意味で


特に巴が黙ってない気がしたんだけど……?

あと、春海は茶色だった。……別にどうでもいいから忘れてたわけじゃないからな?

マミ「では改めて、解散!」

如月「適当に走るか……」

なの「キャッチボールでもしましょうか」

キリト「レベル上げの時間だ」


四ノ宮「八坂くん、少しいいですか? こちらへ」

食堂前のロビーに連れ出された。

真尋「どうした?」

四ノ宮「相談なんですが……」

四ノ宮「ハルちゃんもアイススケートにお誘いしようと思うんです」

真尋「僕はいいけど……」

四ノ宮「マミちゃんとの関係ですよねぇ」

真尋「かなり馬が合わないみたいだよな。それどころか女子で仲がいいのは東雲くらいだ」

真尋「正直……このままじゃまずいとは僕も思ってた」

みんなと仲が良ければ安全だとは言わない。

けれど、今のところ……バンドを付けたままの生活に耐えきれなくなった誰かが一番狙いやすいのは琴浦に違いない。

一応、竜宮や椎名は、表面上はそれなりに付き合ってるし、皆との間に壁を作っているのは琴浦の方だけど……

できれば、きちんと打ち解けてほしいというのが本音だ。

四ノ宮「だから、一緒に遊んでみようと思ったんです」

四ノ宮「ハルちゃんもマミちゃんもいい子なので、きっかけさえあれば分かり合えるはずですよ」

真尋「そう上手くいくかなぁ……」

真尋「念のため椎名も誘ってみようか」

交友力極高だし仲介には最適な人材だ。


そして。

椎名「途中まででもいいか? キリトの見張りもかねて武道場にいなきゃなんないんだ」

真尋「最初の橋渡しだけ上手くいけば大丈夫だと思う、ありがとう」

椎名「あたしにできることがあるなら、何でもするさ」

琴浦は四ノ宮が飼育当番の後連れてくるそうだ。

【アイスリンク】

マミ「遅ーい!」スィー

巴が滑りながら不平を漏らした。

真尋「ごめん! せっかくだから人数多い方がいいと思ってさ」

マミ「あら、椎名さん」スィィー

椎名「あたしも久しぶりに滑りに来たぜ」

真尋「経験者なんだ。よかったらコツとか教えてよ」

マミ「椎名さんだけー?」スィー

真尋「いや、今から琴浦も来るんだ」

マミ「ふーん……」スィー

マミ「別にいいけど?」クルクル

真尋「巴、リーダーとして協調性の無い琴浦が苦手なのはわかるけど、」

真尋「あいつはちょっと人と関わるのが苦手なだけなんだよ」

マミ「そうなの? あの人、私を嫌っているようだけど」スィー

マミ「別に仲間外れにしているつもりはないわよ」ジーッ

真面目な顔でこちらの目を見たまま右から左に流れていくのはやめてくれ! なんか笑う!

椎名「おい、リーダーさんよ」

椎名が、話の間は止まるようにと、巴を諌める

……と思った。


椎名「それでも」タタッ

椎名「春香に限らず、昨日から皆への当たりが強すぎると思うぜ」スィー


真尋「!?」

話し辛いから、自分からついて行った、だと!?


マミ「そうかしら?」スィー

椎名「きつく当たっても、人の心は解けないぜ!」シャーシャーシャー

外周を滑る椎名はスピードスケートの動きで巴の滑りに食らいつく。

椎名「そう、この氷のようにな!」ガガガガ

マミ「う、うまい……っ!」スゥー

真尋「上手くないだろ!?」

椎名「リーダーとしては」ザーー

椎名「協調性の無い仲間にいらだつのは仕方ないかもしれねぇ」スイスイ

椎名「けれど!」ザザッ

椎名「きつく指摘するんじゃなく、優しくフォローするのもリーダーの仕事だ!」win!

マミ「!!」スルッ

マミ「……そうね」ステン

マミ「……私が間違っていたわ……!」

マミ「椎名さん、ありがとう……私、目が覚めたわ!」


真尋「2人ともネタでやってるんだよな? そうだよな?」

追い抜いたら説得成功ってどういうことだよ!

【飼育小屋】

こっここっこ

琴浦「いたた」

四ノ宮「餌はこのお皿に乗せましょうか」



四ノ宮「ふう……終わりましたねぇ」

琴浦「四ノ宮くん、ごめんね。私、あんまり何もできなかったから……」

四ノ宮「いえ、2人でやればやっぱり早いですよ」

琴浦「そうかな……」

四ノ宮「あ、ところで。この後暇ですか?」

琴浦「……えっと」

四ノ宮「マミちゃんたちとスケートで遊ぶんですけど、ハルちゃんもどうですか?」

四ノ宮「やったことないなら、僕が教えてあげますから。八坂くんも始めてですから気後れすることありません」

琴浦「うーん……」

四ノ宮「……やっぱりマミちゃんは苦手ですか?」

琴浦「うん。巴さんは……怖い」

琴浦「だって……巴さん、みんなが死んだことに、口ほどショック受けてないし……」

琴浦「……私や、春海くん、あとキリトくんを、邪魔だと思ってるみたいだから」

四ノ宮「ハルちゃんはすごいですねぇ」

琴浦「え……?」

四ノ宮「ショックを受けていないというのは、僕も気づきました」

四ノ宮「けれど、ちょっとだけ遅かったみたいです……僕は鈍感ではないと思っていたんですけどね」

四ノ宮「マミちゃんは、確かに僕たちの事を友達だと思っていないようです」

四ノ宮「たとえ好きでも嫌いでも、ここにいる人の命を1人でも多く守らないといけない……それが自分の使命だから」

四ノ宮「そう考えているんじゃないかって、僕は思いました」

琴浦「そうかな……?」

四ノ宮「出会ってすぐにそれに気づけたハルちゃんはすごいと思いますよ」

四ノ宮「でも、そんな察しのいいハルちゃんなら、きっと」

四ノ宮「誰にも見せない辛さ、苦悩、陰の努力、ちょっとした喜び……そういう事にも気づいてあげられるんじゃないでしょうか?」

琴浦「……」

四ノ宮「ふふ、すいません。ちょっと説教っぽくなってしまいましたねぇ」

四ノ宮「どうしますか? 無理そうなら構いませんけれど」

琴浦「行くよ」

四ノ宮「……よかった」

琴浦「ちょっとだけ、巴さんを理解する、努力をしてみる」

琴浦「あっ、でも」

四ノ宮「なんですか?」

琴浦「……転んでも笑わないでね?」

【アイスリンク】

真尋「2人とも、動物の世話終わったんだな、お疲れさま」

四ノ宮「あれ? 八坂くんは滑ってないんですか? 待ってなくてよかったのに」

真尋「未経験者だって言ったろ……」

四ノ宮「僕が手取り足取り教えてあげますよぉ!」

真尋「恥ずかしいからそれはやめろよ!?」

四ノ宮「おや……さてはマミちゃんや椎名さんに、背中に張り付いてもらいたいんですねぇ」

四ノ宮「八坂くんも意外と……ふふふふふ!」

真尋「僕をエロキャラにするのはやめてくれ」

四ノ宮「でも、たしか土屋くんの写真を買ってるのは」

真尋「僕が悪かった!」


マミ「いらっしゃい、琴浦さん」ニコニコ

マミ「待ってたわ!」ニコニコ

椎名「逆にこえーぞ、マミ……」

琴浦「や、やあ!」

琴浦「あ、遊びに来たよ!」

椎名「春香も落ち着こう、な!」

スケート講習会が始まった。

真尋「やっぱりまずは、氷の上で立つ練習から?」

四ノ宮「いえ、まずは服装チェックからです」

真尋「そ、そこから? 料理の基本としてまずお皿を作ろうみたいなノリを感じる……」

椎名「どのスポーツでも基本だぜ? プールに体操服で浸かる馬鹿はいないだろ? それと同じだ」

琴浦「分かりやすいね」

椎名「まあ、このジャージ動きやすいからこれだけで問題ないんじゃねーの?」

マミ「上着が必要よ」

四ノ宮「椎名さんは着なくても平気かもしれませんけど……」

椎名「それもそうか」

ただ、アイスリンクは思っていたほど寒くは無かった。

氷が解けないように冷蔵庫並みの低温で冷やされ続けていると思っていた。

それでも、直接氷の上に行けば、それなりに寒いと思う。

真尋「寒暖差で風邪を引かないように気を付けないとな……」

マミ「ついてきて、案内するわ」

【アイスリンク:道具庫】

リンクの入口近くにある道具庫には、カーリングの石や、ホッケースティック、

そして基本となるスケート靴が揃っていた。

四ノ宮「自分の足のサイズのところで探してください」

琴浦「これでいいのかな?」

椎名「それはアイスホッケー用だな。まあ悪くはないが初心者向きじゃない」

マミ「普通初心者が使うのってフィギュア用のだったわよね?」


真尋「靴は取ったけど、上着は?」

マミ「上着は隣の衣類庫ね」



【アイスリンク:衣類庫】

衣類庫では、様々な色の防寒着が貸しだされていた。

椎名「分かりやすくジャージの色に合わせようぜ」

真尋「……なんか僕だけ寒そうな色してるな」


マミ「ねえねえ、これ見てちょうだい」

楽しげに巴が指し示したのは、テレビで見るようなフィギュアスケートの派手な衣装だった。

マミ「あとでこれ着てみない?」ニコニコ

琴浦「い、いやだっ……!」

マミ「せっかくの機会なのに」

椎名「あたしも途中で抜けるしやめとくわ」

四ノ宮「僕は後で着替えましょうか」

真尋「あー、うん。お前なら絶対カッコいいな」

琴浦「……土屋くんと竜宮さんには黙っておいた方がいいと思う、大変なことになるよ……!」

椎名「あたしの代わりに後で康太来るけどな」

琴浦「ひええ……」

【アイスリンク】

真尋「よし。やっと始まるな」

四ノ宮「まだなんです」

四ノ宮「靴ひもを結ぶのにちょっとコツがいるんですよ」

椎名「新しい靴って痛くなったり靴擦れしたりするだろ? スポーツだし、それを軽減しないといけないんだ」

なるほど。シューズだったら普段から履いて慣らしておけるけど、スケート靴なんて普段履かないからそうはいかないんだ。

マミ「任せて。結ぶのには魔法でも慣れているから」

琴浦「魔法に器用とか不器用ってあるの?」

マミ「……ええ。最初のころは何度リボンが絡まったか……」

琴浦「ちょっと親近感沸いたかも……」


真尋「これでようやく……」

四ノ宮「はい! 試しに氷の上に乗ってみましょう」

椎名「いきなりコツが掴める人もたまにいるからなー」

真尋「ぅわっ、わ、わわぁ!?」ドタン

琴浦「ひゃっ!」ステン

椎名「ま、ごく稀になんだけどな」

帽子と手袋着けといてよかった……。

曰く厚着には防寒だけじゃなく、転んだ時のけが防止の役割もあるらしい。

真尋「よっ、よっ」

椎名「そうそう、ハの字で歩くんだ」

四ノ宮「上達早いですねぇ、やっぱり邪神ハンターは伊達じゃないということでしょうか」

真尋「いや、昔、ローラースケートで遊んだことならあったから……」


真尋「す、滑れた!」スー

椎名「曲がる時は蹴るんじゃなく、体を傾けるようにするんだ。自転車と一緒だな」


椎名「大分上手くなったじゃねーか、もうあたしから教えられることはないな……」

真尋「いや、まだ色々あると思うけど……」

真尋「琴浦は……苦戦してるな」

四ノ宮「でも、上手くいってるとも言えますよ」

真尋「ああ……巴と琴浦、ちゃんと仲良くやれてるみたいだ」

椎名「目的は達成できたみたいだな」

真尋「本当によかった」

椎名「ほら、あたしいらなかったろ?」

真尋「でも、巴を説得(?)してくれたのは椎名だしさ」

真尋「やっぱり椎名の方がリーダー向きだよ」

椎名「……だから、あたしにはそれはできねぇって言ってるだろ」

真尋「ところで、2人が運動神経いいのは分かるけど、スケート歴はどれくらいあるんだ?」

椎名「そんなに長くないぞ。でもあたしはちょくちょくアイスホッケーの助っ人で呼ばれてるからな」

四ノ宮「小さいころからたまーに行ってるだけですね、北海道出身なので近くにスケート場があるんですよ」

椎名「おっ、那月も北海道なのか。奇遇だな、遠かったろ?」

四ノ宮「今は早乙女学園の宿舎に泊まってたのでそこまで遠く無かったです……その分故郷が恋しいんですけれど」

真尋「へえ、2人とも北海道だったんだ。案外どこかで会ってたりするのかもな」

椎名「いや、それは絶対にねーぜ」

四ノ宮「関東一帯よりも広いですからねぇ」

椎名「道民にとっての『近く』は数kmはあるしな」

真尋「他県の常識が通用しないんだ……」

真尋「あれ?」

ふと向こうに目をやると、琴浦がスイスイと滑っていた。

真尋「いつの間に……?」

椎名「ありゃ真尋より上手いぞ」

3人でそちらに近づいてみる。

琴浦「あははっ」ザーザー

四ノ宮「ハルちゃん、すごいですよぉ!」

マミ「彼女には、スケーターの才能もあったのね」

真尋「おい巴。何かズルしただろ」

マミ「……別に? 私は姿勢制御の魔法をかけてあげただけだけど?」

真尋「それがズルだよ!」

マミ「あんまり転ぶからね、それくらいしても怒られないでしょう」

真尋「まあ琴浦が楽しそうだしいいか」

椎名「この感じならもう大丈夫そうだな。あたしはそろそろ行くわ」

マミ「ええ、キリトくんの事、頼んだわよ」

マミ「それと……ありがとうね」

椎名「お礼は真尋と那月に言ってやれ、じゃあな」



椎名は去ったが、僕たちの間には和気藹々とした空気ができていた。

これでひとまずは大丈夫かな?

巴は椎名のおかげで、たぶん春海たちにも態度が軟化すると思うし、

琴浦もこれからみんなと打ち解けてくれるきっかけになったはず。



モノクマ「そんならーぶらーぶな雰囲気の中に僕登場!!」ビョヨヨーン


真尋「出やがったな……!」

マミ「せっかくこれがコロシアイだってこと忘れかけてたのに……」

モノクマ「ぷんぷん! 忘れてもらっちゃ困るよ!!」

モノクマ「これはダンガンロンパ!」

モノクマ「お互い悪意をぶつけ合い、殺しあうのが本分なのだ!」

マミ「そんな事、認めないわ! このまま楽しい日常系ストーリーが続くのよ!」

モノクマ「無駄無駄無駄ァ!! 特に巴さんが言ってるところが無駄!」

モノクマ「オマエは序盤で死んでその後ずっとずーっと鬱々とした展開が続く運命なんだよ!」

マミ「私は死なない! 死んだみんなのために、死ぬわけにはいかないの!」

四ノ宮「マミちゃん、こらえて。……用が無いなら帰ってくれませんか? モノクマくん」

モノクマ「用ならあるよ? オマエラの敵意を煽る企画を持ってきたんだ」

モノクマ「もちろん強制参加だよ!」

琴浦「何をさせるの……?」

真尋「まさか……誰か殺すまでこのアイスリンクから出られないとか……!?」

モノクマ「あ、その案いただき!」

マミ「ちょっと八坂くん!?」

モノクマ「うそうそ! ちょっとしたモノクマンジョークだよ!」

琴浦「全然語呂良くないよ……」

モノクマ「オマエラにやってもらうのは、モノクマメダルを賭けたスポーツ勝負です!」

モノクマ「うぷぷぷぷ……物欲に負けてオマエラが敵意を持ち、不正を働き、傷つけ合うのが楽しみだよ……!」

マミ「なんか普通に楽しそうよね」

真尋「まあビリでも問題なさそうだしな」

四ノ宮「僕が勝ったらみんなに配りますよ」

琴浦「私は別にメダルいらないけど」

モノクマ「あれれ? 今回の企画、スベった? スケートだけに?」

一同「……」

モノクマ「寒かったね……アイスリンクだけに」

一同「……」

真尋「もう適当に勝負するからさ、帰れよ」

琴浦「あなたも早く帰りたいでしょ?」

モノクマ「……うん」



<スピードスケーティング対決>

1位はモノクマメダル10枚&スキルゲット
2位はモノクマメダル5枚ゲット

真尋の成績はこのレスのコンマ、下1で琴浦、下2でマミ、下3で四ノ宮の成績(10時まで来なかったら1個ずつ上にずらす)

10時まで来なかったので上にずれます
――――――――――――――――

モノクマ「リンクの向こう側にある壁にタッチし」

モノクマ「僕のいるこのラインまで戻ってくる速さを競います!」

モノクマ「攻撃・妨害はOKだけど、距離をごまかしたりするのはNGだよ! カメラで見てるからね!」

四ノ宮「いつでもいいですよ」

モノクマ「あっちょっと待って」

モノクマ「魔法禁止!」

マミ「えぇ!?」

モノクマ「正々堂々戦いなよ! ちなみに僕は魔力を観測できるからね?」

マミ「しょうがないわね……もう」

真尋「魔力消しても問題ないのか?」

マミ「完全にゼロにするのは無理だけど、身体能力向上魔法はオフにしたから……」

琴浦「……ど、どうしよう、転ぶ、絶対に転ぶ……」

琴浦「1人だけ遅れて、みんなに白い目で見られたり『頑張れー』って言われたりする……!」

モノクマ「うぷぷ、絶望的だねぇ琴浦さん。ちゃんとゴールするまで終わらないからそのつもりでね?」

琴浦「うう……」


モノクマ「よーい、ドン!」

………………

………

四ノ宮「1番乗りです!」

モノクマ「ここは予想通りだね、でも」

琴浦「やった!」スィー

マミ「あわわわわ」ワタワタ

真尋「」


<成績>
★1位 四ノ宮 73
2位 琴浦 50
3位 マミ 33
✖4位 真尋 20


琴浦「八坂くん、おつかれさま」

真尋「……モノクマ! 僕にスキルスワップ的な何か使っただろ!?」

モノクマ「え、いや、責任転嫁されちゃ困るよ。僕は不正なしって言ったじゃない」

真尋「うぐ……まあ確かに、僕も滑れるようになったばかりだし、おかしくはないか……」

モノクマ「八坂クンがおかしいんじゃないよ、おかしいのは、うぷぷぷ」

琴浦「きっとさっきの練習でコツがつかめたんだと思う」

琴浦「巴さん、ありがとう」ニッコリ

マミ「え、ええ。成果が出たみたいで、私も嬉しいわ」

琴浦「あ、それと」

琴浦「巴さんって魔法が無いと意外と……」

琴浦「どんくさいんだね」ニコッ

マミ「ううぅぅぅ~っ!!」

上下関係がひっくり返った瞬間だった。

四ノ宮「普段から無意識に魔法に頼っていたんですねぇ」

真尋「魔法無しの巴よりダメな僕っていったい……」

四ノ宮「ま、まあハルちゃんはちょっとだけ魔法を使って、滑れる感覚を知ったのが大きかったんですよ」

モノクマ「……これはこれで、絶望的な展開になって満足だよ」

モノクマ「あっ、1位の四ノ宮クンには10枚、2位の琴浦さんには5枚のメダルを贈らなきゃね!」

四ノ宮「マミちゃん、八坂くん。せめて僕から3枚ずつどうぞ」


【Info】
所持モノクマメダル6枚→9枚

四ノ宮「一段落しましたし、そろそろ、衣装に着替えてきましょうか」

マミ「そうね、気分を切り替えましょう……あっ、琴浦さんじゃなくてモノクマが現れた事よ」

琴浦「うん……私も着てみようかな」

マミ「あれ? いいの?」

琴浦「せっかくだから……やっぱり、いいかな?」

巴に対して精神的優位に立ったからだろうか……琴浦から謎の余裕を感じる。

マミ「大丈夫よ。あっ、でも」

マミ「ここ、更衣室閉まってるのよ」

四ノ宮「ではお先にどうぞ」

マミ「じゃあ……衣類庫の中で着替えましょう」

四ノ宮「見張りは任せてください」

琴浦「…………よし」

四ノ宮「はい?」

琴浦「見張りよろしくね」

真尋「行ってらっしゃい。僕はちょっと練習しとくよ」

土屋「…………真尋。みんなは?」

ムッツリーニが交代で来るんだったな。

真尋「着替え中だよ」

バッ

土屋「…………離せっ!!」

真尋「離さない!」

土屋「…………お前は、同士だと思っていたが……!」

真尋「落ち着け……ここで真正面から撮りに行ったら……」

真尋「2人が着替えるのをやめてしまう!」

土屋「…………そうか」

土屋「…………俺を止めてくれて、感謝する」

真尋「当たり前だろ」

真尋「僕たちは、同士だからな……!」

土屋「…………」ニッ

グッ!

拳と拳をぶつけ、友情を再確認した。

とりあえず今晩はここまで

あんまり山場の無い更新でしたね……
ここからしばらくはこんな感じで交友関係が変化したり、たまにモノクマが茶々を入れたりする、ふざけた日常のシーンが続くと思われます

琴浦さんは旧版の確定生存枠(今は効果なし)とアンケートの効果で、2章ではそれなりに優遇されてます。

更新再開。

しばらくムッツリーニと、女子の最も魅力的な身体のパーツについて討論を交わしていると、巴と琴浦の声が聞こえてきた。

マミ「ホントニダイジョウブカシラ オカシクナイ?」

琴浦「……ホンキデイッテルノ? ワタシナンテ……」

土屋「…………」サッ

なぜかムッツリーニが柱の陰に隠れた。


そして、2人が僕たちの前に姿を現す。

真尋「……!!」

マミ「ど、どうかしら? ……八坂くん?」

真尋「……ハッ! 目を奪われてたよ」

主に胸部に。

琴浦「……」

巴の衣装はなんか大人っぽい衣装だった。

詳細? 知らない! だって胸にしか目が行かないし!

ぴっちりと肌に張り付いた衣装のため、セクシーさが際立っていた。

ところで巴って中学生だよな? なんでこんなにセクシーなんだ? 魔法で盛ってるのか?

マミ「えっと……そんなに見つめられると恥ずかしいというか……」

ふと視界の端に、柱の下からじわじわと広がる血の池が映った。ここだけ見たら完全にホラー。


隣に目を移すと……琴浦がこの上なく不機嫌な表情で突っ立っていた。

でも、こちらはこちらですごく似合っていた。

明るい柔らかな水色の衣装で、スカートはティアード(生地が数枚重なってる)、袖はラッフル(より広がったフリル)になっており、

胸元にはリボンがあしらわれている、まるで妖精を思わせる可愛らしさがそこにあった。

真尋「ほんと……うちの女子ってみんなレベル高いな……」

琴浦「私も?」

真尋「もちろん」

琴浦のきつい表情が少し和らいだ気がした。

スッ

パシャパシャパシャパシャ

マミ・琴浦「キャアアァァァァァァァ!?」

土屋「…………もらったっ!」

ムッツリーニが奇襲をかけて2人をおどかしていた。

真尋「これが目的だったのか、ムッツリーニはお茶目だなあ」

マミ「お茶目で済まさないでちょうだい!?」

琴浦「……でた」

土屋「…………汚物を見るような目はやめるんだ」

言いながら2人の足元にしゃがみ込み撮影を続行している。

真尋「ってもうローアングルはいいよ! この衣装の中は別に下着じゃないだろ!」

土屋「…………き、気づかなかった」

言うや否やムッツリーニが壁際に駆けていく。

軽く踏み切ると、壁を蹴りさらに高く飛び上がり……アクロバットな姿勢のまま斜め上から2人にシャッターを切った。

スタッ

真尋「……上から撮れとは言ってないからな!?」

土屋「…………谷間を撮るには最適な角度」

真尋「この衣装谷間隠れてるけど」

土屋「…………クッ、煽情的に見えてガードが硬いだと……!」

『谷間』でふと思ったけど……

こうして2人で並んでいると、琴浦、小っちゃいな……巴より年上なのに

琴浦「馬鹿っ!!」

真尋「ぐへっ」バチン

四ノ宮「お待たせしましたー……って八坂くん、頬が赤いですけど、しもやけでもしましたかぁ?」

真尋「気にしないでくれ……」

琴浦「四ノ宮くん、かっこいいよ」

マミ「当然といえば当然だけど、イケメンよね……」

真尋「予想通りだから驚きは無いよな」

土屋「…………外で高く売れる」カシャカシャ

マミ「土屋くん……あなたの頭の中は金と女だけなの……?」

土屋「…………語弊しかないっ!」

四ノ宮「違いますよぉ! 土屋くんの中には、夢と……」

真尋「情熱だけが詰まっているんだ!」

マミ「呆れた……」

琴浦「結局……四ノ宮くんも八坂くんも男の子なんだね」

四ノ宮と巴によるアイスダンス……

姿勢制御魔法込みでジャンプできるまでに急成長した琴浦……

そのスケーティングを写真に収めるムッツリーニを横目に見ながら、僕は黙々と滑り、きちんとノルマを達成できた。

忘れてしまっていたけど、このスポーツは脅迫されてやらされている、命がけのスポーツなんだ。

でも、それを忘れられる程に楽しめたことは良かったと思う。

琴浦は成長しすぎだが、僕もある程度は上達した。

もう落ち着けば決して転ぶことはなくなった。


四ノ宮「はぁー、さすがに疲れましたね」

マミ「そろそろお開きにする? ノルマはみんな達成できてるわよね?」

真尋「大丈夫だよ、ムッツリーニは?」

ムッツリーニは一切滑らず、撮影しかしていなかった。

土屋「…………安心しろ。俺は武道場で達成済みだ」

琴浦「滑れるようになってすぐに終わったよ」

琴浦はノルマ30だったけど、たぶん100以上でも大丈夫なほどには運動していた。

四ノ宮「結構汗もかきましたし、3人で温泉に入りませんか?」

土屋「…………気が乗らないが、寒いから俺も入るか」

ムッツリーニは軽く貧血起こしてるのもあるんじゃないかな。

真尋「女子たちはいいか? お風呂使っちゃうけど」

マミ「大丈夫よ、ここ、サウナがあるの」

琴浦「私も入ろうかな……」

マミ「あら、それならそのままお茶でもどうかしら?」

琴浦「巴さんの紅茶は美味しいって評判だったよね。初めてだから楽しみ」

真尋「あっ、それならこれどうぞ。口に合うか分からないけど」

つ ローズヒップティー

マミ「ありがとう! 気が利くわね。琴浦さんはこれ平気?」

琴浦「うん、大丈夫」

マミ「お茶に合わせたお茶菓子も用意しなきゃ……」

琴浦「あっ」

琴浦「四ノ宮くん、八坂くん、今日は2人とも本当にありがとう!」

四ノ宮「いえいえ、2人の笑顔が見られて僕も幸せです!」

真尋「本当に僕は何もしてないんだよな……」


【Info】
関係変化 マミ―琴浦『険悪』→『好感』

※プレゼントについて

今後は日常生活の中で自動的にプレゼントが渡されます。

そのキャラらしい反応を引き出すため、あえて嫌がるものを渡すこともあります。

稀に渡さずに自分で使うこともあるかもしれません。

今後モノモノマシーンで、安価でアイテム作成する際は、喜ばれる必要もないのでより一層カオスにできます。

……今までも大概でしたけどね!

【温泉】

真尋「っくはぁーーーっ! あったかーーーい!」

四ノ宮「うひゃあああぁぁぁーーー!」

……はっ!? 気持ち良すぎてつい奇声が!!

土屋「…………」

ムッツリーニは落ち着きがあった。流石は寡黙なる性識者。

真尋「いやぁ……意外と体冷えてたんだな」

四ノ宮「かいた汗がすぐに冷やされますからねぇ」

この温泉は露店風呂ではなく、窓も高い位置に一つあるだけだが、あまり圧迫感を感じさせないくらいの広さがあった。

昨日男子が揃って入っていたときは若干手狭な気はしたけど、3人しかいないとガランとした印象だった。

真尋「ふう……それにしても……大成功だったな」

四ノ宮「ハルちゃんと約束したんですよ。キミの心を開いてあげる、パートナーとしてみんなとの絆を結ぶ手助けをしてあげるってね」

四ノ宮「……あれ? 約束はしてなかったかもしれません」

真尋「そこが一番大事だろ……」

四ノ宮「まあ、ただの決意でもいいじゃないですか」

真尋「そうだな」

真尋「でも、いきなり仲良くなりすぎてて……正直若干気持ち悪かった」

土屋「…………それには同意」

四ノ宮「だから言ったでしょう? 話してみればきっと仲良くなれますと」


真尋「そういえば四ノ宮、昨日の報告会の後、巴を温泉に連れ出してたよな」

土屋「…………どこまで進んだ?」

そうと決めつけるのは早いだろ……。

四ノ宮「天井を見てください、何か気づきませんか?」

土屋「…………カメラが無い」

四ノ宮「更衣室にもありません」

真尋「ああ、混浴だから全員集まればモノクマに聞かれずにミーティングできるってことか」

四ノ宮「さすがに堂々と全員集まるとモノクマに感づかれるので、マミちゃんだけお呼びしました」

四ノ宮「女子にはマミちゃんから伝えておくように頼んでおいたんです」

四ノ宮「ところで話は変わりますけど……」

四ノ宮「土屋くんって、よく見るとかわいいですよねぇ」

土屋「…………いきなり何を言う!?」

真尋「まあ、小柄だし、意外と初なところが萌えポイントなのは分からなくもないかな」

土屋「…………3PBL凌辱展開は御免だ……!」ワナワナ

真尋「ご、誤解だ!」

四ノ宮「そうですよぉ!」

四ノ宮「……お風呂場で暴れたら頭をぶつけたりして危ないですからねぇ」ニヤァ

真尋「そこじゃないだろ!?」

土屋「…………冗談きついぞ」ガタガタ


もちろん冗談でした。

土屋「…………無駄に戦慄させるな」フゥ

四ノ宮「まさか本気で怯えるとは思わなかったので」

土屋「…………温泉で体が温まったことでムラムラが止まらなくなったのかと思った」

真尋「温泉に入るとムラムラするか? 覗くならともかく」

土屋「男性の性器は常に32度程度に保たれている。これは精子産生機能を持つ細胞が熱に弱いためである」
土屋「性器の冷却、加熱を繰り返すことで陰嚢の温度調節機能を向上させ精力増強を図ることができる。これを金冷法と呼ぶ」
土屋「今回の場合、スケートリンクで長時間過ごしたことが冷却、温泉に浸かったことが加熱となっている」

四ノ宮「ほうほう」

真尋「やっと性識者らしい面が見れた……のか? 今まではいわば超高校級のエロカメラマンだったし……」

四ノ宮「でも、土屋くん……お化粧してますよねぇ?」

土屋「…………!」

真尋「そうなのか?」

土屋「…………否定はしない」

真尋「でも、なんで?」

四ノ宮「見た目の印象を隠すため、ですかぁ?」

土屋「…………いかにも」

たしかに、お風呂場で見るムッツリーニは、割と特徴的な顔をしていた。

有り体に言うとかわいい。いつもはもっと、何と言うか記憶に残りにくい顔をしている。

土屋「…………モブに徹することが隠密行動の基本だからな」

身長が低いこと以外は総じて一般的と言える、地味な外見のムッツリーニだが、地味さを保つのにも苦労しているということか……。

四ノ宮「でも、僕に見抜かれるようでは、女子には見え見えだと思いますけど……?」

土屋「…………実は」

土屋「…………希望ヶ峰に呼ばれたから、見栄を張ってみた」ボソッ

四ノ宮「そういうところがかわいいんですよぉ!」

土屋「…………俺はどうすればいいんだ!?」

【温泉:待合室】

昨日は見なかった自動販売機を覗いてみた。

>しぼりたてミルク 1モノクマメダル
>しぼりたてミルクコーヒー 1モノクマメダル
>しぼりたていちごミルク 1モノクマメダル

真尋「この牛乳って食堂にあるのと同じ、飼育小屋の牛からとれた牛乳だよな?」

四ノ宮「そうですね、でも瓶入りなので持ち運びに便利です」

四ノ宮「お風呂上がりですし、みんなで飲みませんか?」

土屋「…………賛成」

真尋「じゃあミルクコーヒー買おうかな、普通のは食堂で飲めるし」

3人で右から身長順に並び、腰に手を当て牛乳を一気に飲み干した。


真尋「プレゼントに使えるかもしれないし味付きのを2本ずつ買っておこう」

四ノ宮「誰かにあげるのには良さそうですよね」

真尋「あげると言えば、四ノ宮これいらない? 僕が持っててもしょうがないし」

つ 絶対音叉

四ノ宮「音叉、ですか。音楽家らしい部屋になりそうですね、ありがたく貰っておきます」


【Info】
モノクマメダル9枚→4枚

【集会所】

四ノ宮と一緒に、ムッツリーニの写真の現像・整理を手伝った。

眼福。


6時になるので、夕方のミーティングに出席。

適当に椅子を選んで腰かける。

真尋「如月。今日は何してた?」

如月「ああ、オレは高須とキャッチボールだった」

真尋「高須のノルマは100で、如月が30だっけ」

如月「先に終わったから帰らせてもらった」

真尋「ひどい、待ってあげろよ……高須その後どうしたんだよ」

如月「たぶんランニングでもしてたんじゃないか?」

……ちょっとは社交的になってくれたと思ったのにな。

マミ「みんな、無事集まってくれたようね」

マミ「怪我をした人はいる? どんなに小さなことでも報告してちょうだい」

レナ「……えっと、レナ、一回転んでちょっと擦りむいちゃった」

マミ「大丈夫なの?」

レナ「うん、これくらいへーき。痕も残らないと思うよ」

マミ「よかった、でも知らせてくれてありがとう。他にはいないわよね?」

……。

マミ「では次。ノルマが達成できていない人はいる?」

椎名「あたしがあと100ばかし残ってるな」

マミ「椎名さんは500あるものね」

ちょっと邪魔しちゃったかな……。

椎名「まあすぐに終わらせるから問題ないぜ。3、4発くらい気功波撃ってれば終わりそうだな」

マミ「そ、そう。他にはいないのね?」

……。

マミ「では最後に、お風呂の時間について。……如月くんと志熊さんと話し合った結果、」

マミ「男子は6時から8時前まで、女子は8時以降にしようということでまとまったけれど、何か意見はあるかしら?」

四ノ宮「あの、6時よりも前に入る場合どうすればいいのでしょう?」

真尋「女子が入ってると知らずに入ったりしそうで怖かったよ」

レナ「レナが看板を作ったからそれを置いておくよ」

竜宮が椅子の後ろから取り出した四脚の看板には、それぞれの面に『男子入浴中』『女子入浴中』と書かれていた。

レナ「ゴミ山の廃材から作ったんだよ、良くできてるでしょ!」

土屋「…………こ、混浴の時は?」

レナ「あははっ、それはないから安心していいよ」

竜宮の目が笑ってない……!

マミ「では、解散ね。みんな、よく食べて、よく寝るように!」

なの「汗かいたと思うので、お風呂サボらないでくださいね! あと洗濯も欠かさないでください!」

おかんのような2人の言葉でみんなはそれぞれの生活に戻って行った。

さて、僕は暇だ。好きなタイミングでご飯を食べて寝るだけだ。

琴浦「それなら、私の部屋に来ない?」

琴浦「ちょっとお話したいな……って」

真尋「いいよ、まだ夕食には早いし」




【不自由行動 7日目:夜】

真尋「不自由行動!?」


地下駐車場と同様の方法で女子階に上がる。

結構密着するから気恥ずかしいんだよなこれ……。

琴浦「ねえ、これって」

琴浦「……手をつないで横並びでも行けるんじゃない?」

真尋「あっ……」

一回降りて試してみた。

行けた。

今後からはこっちだな、うん……。

真尋「……あれ?」

琴浦「どうしたの?」

真尋「何か臭わないか?」

琴浦「たしかに、焦げ臭いにおいがする……」

なぜか、琴浦の部屋に近づくにつれて臭いが強くなっていた。

琴浦「か、火事……!?」

真尋「あ!」

隣の扉がちょっとだけ開いていてそこから煙が出ていた。

ここは……志熊の部屋!?

真尋「志熊!!」

バタン

そこで僕たちが見たのは……

入口でうつぶせになり、右手を力なく前に伸ばしている志熊の姿だった……!

真尋「み、みんなを呼んでこないと……!」

琴浦「待って! ……生きてる!」

真尋「本当か!?」

志熊の体に触れる……まだ温かい!

真尋「しょうがないか……!」

志熊を廊下に引っ張り出し、僕が背負う。

琴浦が扉を閉めて、廊下への煙の蔓延を止める。

琴浦「巴さん呼んでくるね!」

真尋「わかった! 集会所にいるからな!」



【集会所】

理科「――」

がちゃり

琴浦「巴さん呼んできたよ!」

マミ「これはっ……酸欠ってことでいいのよね?」

真尋「頼む、脈はあるけど意識が戻らないんだ!」

巴がソウルジェムを取り出し、自分の右手の平に乗せる。

そして左手を志熊の口元にかざすと、その手が淡く発光した。

理科「………………カッ……ゲホッ、コホッ!」

理科「…………ぜー、ぜー」

マミ「これで呼吸はできるようになったみたいね」

琴浦「良かった……」

真尋「びっくりした……いきなり死体発見かと思った」


――――

――

理科「本当に申し訳ないです……お騒がせしました……」

琴浦「生きててくれてよかった……」

理科「でも、まさか春香先輩が理科を心配してくれるとは……どういう風の吹き回しで?」

琴浦「何言ってるの!? 目の前で倒れてる人がいるのに、助けないわけないよ……!」

理科「ご、ごめんなさいっ」

理科「お2人は命の恩人です……何か御恩を返させていただきたく存じます」

琴浦「そ、そんなに改まられても、特に何も思いつかないよ」

真尋「それよりさ、何があったんだよ、あの煙」

理科「あれですか……」

マミ「発明品の事故かしら……?」

理科「実は、マミさんに頼まれた新型の燻煙剤を作っている最中で」

マミ「……あれ、私のせいだったの!?」

理科「休憩中、本を読みながら脚をバタバタさせていたらうっかり蹴飛ばしてしまってスイッチが入り」

理科「煙に気が付いた時には酸欠を起こし、ドアを開けたところで力尽きてしまったのです……」

琴浦「八坂くん! ドジ仲間がどんどん増えるよ!」キラキラ

琴浦に悪印象を持つとドジがうつるのだろうか。

上条もまさかそれで……そんなわけないよな?


理科「おや、もう8時ですね」

窓の外も暗くなってきていた。

ホールでは時間の感覚が無くなりそうだったから、太陽の光がある有難さが身に染みる。

理科「せっかくですから、4人で一緒に食事でもいかがです?」

マミ「志熊さんはもう大丈夫なの? 食欲はある?」

理科「おかげさまで。やっぱり回復魔法はすごいですね。科学の限界すら感じます」

マミ「自分の尻拭いなんだけどね……」

【食堂】

理科「4人での食事、ちょうどいいです」

真尋「ちょうどいいって?」

理科「実は理科、人付き合いが苦手な方で……」

理科「ここだけの話、16人全員集まってた時はめまいと吐き気がしてたんですよ」

琴浦「私も苦手だけどそこまでは無いかも……」

マミ「授業のときとか大丈夫なの?」

理科「あんまり教室にいない中学生でしたね」

理科「それでも成績は良かったので放置されてました。放置プレイです」

真尋「そこ言い直す必要無かったよな」

琴浦「放置といえば、あの煙ほっといていいのかな……?」

理科「ただの濃い煙なので、換気すれば大丈夫。でもまずは廊下の窓を全部開けて回らないと……」

真尋「んで、何食べようか」

琴浦「何か食べたいものある?」

理科「あっ、食べもので思い出しました。真尋先輩に渡さないといけないものが……」

真尋「僕に?」

理科「これです」

ユムシ缶詰を手に入れた。

マミ「何これ……」

琴浦「キモチワルイ……」

真尋「あれだろ? 検索してはいけないワード上位に入っている何か」

理科「まあ、そういう反応ですよね……」

理科「日本全国珍味詰め合わせセットのおすそ分け、真尋先輩が最後だったので、それしか缶詰が無くて……すいません」

琴浦「私がもらったのはパック詰めの鮒寿司だったよ」

マミ「すごい差ね……」

真尋「これ、本当に食べれる……?」

理科「北海道や韓国の一部地域ではお刺身にしたりするらしいです。あとは釣り餌にもなる便利な無脊椎動物ですね」

真尋「じゃ、じゃあ一応、貰っておくかな……」

マミ「志熊さん、そのセットの中に凶器になりそうなものは無かった? 一応凶器セットとして配られているはずよね?」

真尋「これ毒物じゃないよな……?」

理科「ありましたよ、一つ。鹿児島特産鰹節です」

琴浦「削る前の鰹節なら……鈍器にはなりそうだね」

マミ「それじゃ、犯行に使えないよう、鰹節を処分しましょう」

琴浦「たこ焼きっ?」

マミ「残念だけれど、ここ、海鮮系の食材があまり置かれてないのよ」

真尋「お好み焼きにする?」

理科「それに賛成です」

琴浦「たこ焼き……」

ジューーー

お好み焼きの、食欲をそそる音と煙が食堂に広がる。

春海「八坂! 俺にも一口くれよ!」

レナ「はうー……」←物欲しそうな目&口からよだれ

マミ「多めに作っておいてよかったわね」

真尋「試しにユムシ入れてみよっか?」

春海「うげえ何それ気持ち悪っ!!」

レナ「真尋くんのご乱心じゃー」

琴浦「早まらないでぇー!」

マミ「カオスお好み焼きはいやあああ!」


真尋「流石にユムシは入れなかった。僕だって食べたくない」

琴浦「モノローグ……」

マミ「お好み焼きって、名前の割に食材を選ぶわよね……」

真尋「そうだ。ユムシのお返ししなきゃな」

理科「え。何。理科は一体何を渡されるんです」

真尋(ペルソナ召喚料理は……ひどいか)

つ オスシリンダー

理科「ほっ……。でも逆に申し訳なくなりますね」

理科「何々? メスフラスコと組み合わせることで有機合成ができる……」

理科「まあ、メスフラスコなど無くとも理科自身が」

真尋「や め ろ」


【Info】
関係変化 理科―琴浦『険悪』→『恩』

【真尋の個室】

今日は……琴浦をフォローした一日だったな。

命がけのスポーツ生活……聞いた時には恐怖と絶望しか感じなかったけど、何とかやっていけそうだ。

そして、体を動かすことで心も明るくなるのは、いいことかもしれない。

今朝まで沈み切っていたムッツリーニと春海もある程度調子を取り戻しているようだった。

明日は誰を誘おうか。何をしようか。

少し楽しみに思っても罰は当たらないよな?


『From:巴 To:全員』
『明日の朝食当番は東雲さんと竜宮さんです。』
『疲れて眠いかもしれないけど、ちゃんと集まってください。』


『From:東雲 To:八坂』
『明日の朝ごはん、一緒に食べませんか?』
『ちょっと相談もあるんです。』


僕個人宛てで相談か……。

断るのも忍びないし、明日の朝食会は一人で座って待っておこう。


『From:椎名 To:八坂』
『なんかいつの間にか春香と理科が仲良くなってたぜ。まさか真尋の仕業か?』
『それはそうと明日の昼、キリトの見張りを途中から代わってほしい。』
『やっぱり、ちっと本気出さねーとノルマ500は厳しいわ。頼めるか?』


僕のノルマは100だけ……それでも結構時間がかかった。

椎名にも自由に動く時間は必要だろうし、断るわけにはいかないな。


『From:八坂 To:椎名』
『了解。椎名にはお世話になってるし断れないよ。』
『琴浦と志熊はただの偶然。僕もそこにいたけどあまり関係ないと思う。』


送信、と。

これで良し、おやすみ……。

【夜時間~温泉】

理科「へえ、こんな抜け穴があったんですね」

マミ「私も四ノ宮くんに言われるまでは気づかなかったわ」

如月「モノクマを操る黒幕は女ってことか?」

理科「健全な男性だったら嬉々として監視カメラを仕掛けますよね」

マミ「それは不健全じゃないの……?」


如月「そうだ、上手かったぞ、お好み焼き」

マミ「あら? 如月くんはいなかった気がしたけど」

如月「竜宮が部屋まで持ってきたんだ」

理科「相変わらずの新妻っぷりです」

如月「んなわけねぇだろ!」

マミ「なるほどね、まだ結婚はしていないってこと」

如月「付き合ってもいねぇよ!」

理科「マミさん、そこは『そんな……!もう熟年カップルだと言うの……!?』でしょう」

マミ「そっちのがよかったわね……」

如月「何が!?」

マミ「本題に入るわよ。脱出作戦はどうなった?」

如月「自分でも少しは考えたか?」

マミ「考えたけど……どうしても自分一人で戦う作戦しか浮かばなくて、結局失敗する可能性が高くなるのよね」

理科「それではきついですね。モノクマは恐らくマミさんを基準にして対策しているでしょうから」

理科「理科の考えた作戦を発表しておきますか。あくまでこれは一案ですからね?」

~脱出プラン~


前回の学級裁判の前、希望ヶ峰ホールの地下3階で、モノクマが自分のプライベートルームがあるって話をしてましたよね?

きっとそれはモノクマのコントロールルームのことです。

そして、モノクマは体育センターのどこかにも、学級裁判場へのエレベーターを用意しているはず……。

しかしそれらしき扉は見当たりません。

理科は、それらは医療センターに隠されていると考えています。

まず、作戦の第一段階は、コントロールルームに乗り込み、モノクマを操る黒幕を直接叩くことです。


  マミ「医療センターに入ると、たぶんバンドが作動しちゃうけど、どうするの?」


何も、直接乗り込むとは言ってませんよ?

遠隔操作できるロボットを作るのです!

ゴミ山・サーキットの整備小屋にあるパーツ、体育館の格闘技ロボなどが材料として使えます。

そのロボットをキリトさんに操作してもらい、キリトさんをマミさんと深夏先輩に守ってもらえば


  マミ「それは無理じゃないかしら……?」   如月「却下だ。それならオレがやる」


……そう言うと思いましたよ。とりあえず最後まで聞いてください。

黒幕を倒したら第二段階。バンドを外さなければ帰ることはできません。

きっと大手術になりますね。

医療機器は、医療センターから先述のロボットで持ち出します。

機械側の問題は理科が解決するとして、医者の知識と腕を持つ人物が欲しいところです。

それも2人。本人のバンドを外す手術も必要ですからね。

もう一つの問題は、黒幕がいなくなることで、食料の供給が止まることです。

きっとスピード勝負になるはず。

まずは1人バンドを外して、その人に助けを呼んでもらうのが現実的でしょうか。

理科「問題は多々ありますが、これが理科の案です」

如月「まずさ……医者はどうすんだよ」

マミ「ロボットで医者を呼びに行くのはどうかしら?」

理科「遠隔操作ロボットと表現しましたけど、あくまでラジコン程度のものなので、そこまで遠くには行けませんよ」

如月「外から車が入って来ないところを鑑みるに、ある程度遠くまで封鎖されているはずだ。ラジコンじゃきつい」

マミ「それと、そのロボットが黒幕までたどり着いたとして確実に倒せる保証はあるの?」

マミ「きっといざという時の隠し玉もあると踏んでいるのだけど」

理科「今のままだと厳しいですが、一つ」

理科「2台用意し、キリトさんとシンタローさんにそれぞれ操作してもらい、さらに人工知能入りのサポートマシンを随行させれば……」

如月「だから、キリトはどうすんだよ」

如月「仮に協力するとして、チームワークなんてあったもんじゃねーぞ」

マミ「そもそも……私のティロ・フィナーレでも壊せない門をどうやって破壊するかよね」

マミ「中にロボットが入れなきゃ始まらないでしょう?」

理科「うーん……」

理科「上手いこと医者が降ってきたり、キリトさんが覚醒したり、モノクマが門を開けてくれたりしませんかねー」

【モノクマ生放送】

モノクマ「劇場に移動するのもめんどい」

モノクマ「温泉にカメラを設置するのもめんどい」

モノクマ「希望を持つのもめんどい」

モノクマ「めんどい、めんどい、めんどい」

モノクマ「毎日、めんどいを繰り返していくうち」

モノクマ「こうして僕は、ただのクマからモノクマへと進化を遂げたのです」

モノクマ「そんな僕を反面教師にして」

モノクマ「オマエラはアグレッシブにスポーツで汗を流してください」

モノクマ「動くことをやめたらモノクマになっちゃうよ?」

モノクマ「はい、めんどいから短いけどこれで終わり!!」

今夜はここまで。

原作の雰囲気そのままのモノクマ劇場が書ける人尊敬する。
うちのは生放送なので……と言い訳しておきます。

上で夜時間のアナウンス忘れてた……。

22時過ぎから更新再開です。今回はちょっと安価とコンマあるよ




コロシアイオープンキャンパス、8日目。



【真尋の個室】


『オマエラ! おはようございます! 朝です、7時になりました!』

『起床時間です! 今日も張り切っていきましょう!』


もう朝か……。

ずいぶん熟睡してたな……。

真尋「……ぁいたたっ!」

うぐっ! これは……筋肉痛……!?

真尋「慣れない動きしたからか……?」

昨晩は楽勝!と思っていたけどなめてた。スポーツ生活恐ろしい。

【食堂】

春海「おはよ」

真尋「おはよう、春海」

春海「隣いいか?」

東雲と約束があるけど……まあ春海ならいいか。

春海は本さえ絡まなければ(そもそもそんな状況が極少ないが)、比較的普通で、良識のある友人だ。

内緒の相談だと言えば特に追求せず離れてくれるだろう。

巴が手伝って、調理室からお皿を運んでくる。

真尋「今朝のメニューは、おにぎりと味噌汁、サラダか」

おにぎりの形はまるで市販の物のように画一的に整っている。

サラダに使われている野菜は飾り切りされていてかわいらしい。

春海「昨日、東雲に調理セットを預けたんだ」

春海「あのおにぎりや野菜の形を見るに、便利グッズ使いまくったみたいだな」

真尋「手抜き?」

レナ「手抜きじゃないよ! 綺麗に可愛くしたかったの」

真尋「うわっ! いきなり後ろに立つのはやめてくれって……」

なの「おはようございます。八坂さん、春海さん」

今回はこの4人で朝食だ。


マミ「みんな、おはよう」

マミ「今日も一日、生きるために頑張りましょう」

理科「脱出作戦は3人で検討中です。近日中にはできあがると思うので、それまで辛抱してください」

真尋「みんな今日の予定はどんな感じ?」

春海「特に決めてないがたぶん東雲となんかすると思う」

レナ「今日はスポーツは休んで高須くんのお片付けを手伝うんだ、むふふ~♪」

あのゴミ山の掃除か。竜宮は宝物探しに目を輝かせていた。

真尋「ってノルマどうすんだよ?」

レナ「遊んでいればいつの間にか終わるよ! 昨日もそうだったんだ」

真尋「たしかにあそこ歩いてるだけで体力使ったな。怪我には気をつけろよ」

レナ「はーい。慣れてるから心配いらないよ」

真尋「そんな事言って昨日も擦りむいてたじゃないか」

春海「絆創膏とか椎名が少し持ってるんだっけ?」

真尋「でも椎名も忙しそうだしな……。とにかく迷惑かけないようにしないと」

なの「あ、あの!」

なの「わたし、保健係になります!」

なの「忙しい椎名さんに代わって、いつでも傷の手当てができる人が必要だと思うんです」

真尋「東雲が? 任せていいのか?」

レナ「なのちゃんなら器用だから安心だね!」

春海「だから昨日医学書を借りて行ったんだな。まさかもう読み終わって……なわけないよな!」

なの「えへへ……本を見ながらの付け焼刃になりますけどね」

なの「それで、皆さんにも保健室開業のお手伝いをしてほしいんです」

春海「宿舎で良くね?」

レナ「ベッドもあるし、体育館は全体の真ん中にあるから保健室がいいと思うな」

真尋「で、手伝いって僕たちは何をすればいいんだ?」

なの「保健室、がらんどうだったじゃないですか。まずはスポーツショップで道具を買い揃えないといけないんです」

レナ「みなちゃん、必要最低限のものすら用意できなかったって言ってたよ」

レナ「手当てのための道具やお薬はすっごく高かったって……」

春海「バンドで俺たちを殺すための価格設定か……えげつないな」

真尋「モノクマメダルを探して東雲に渡せばいいんだな?」

なの「はい。お願いできますか?」

レナ「任せて! メダル見つけるのは大得意だよ!」

真尋「竜宮はこの間のゲームの時も賞金として大量に用意してたし、期待できそうだ」

なの「もし集めすぎたら使わなかった分はお返しします」

春海「3人だけじゃなくて暇な人みんなに頼んだ方がいいと思うぞ。おーい」



高須「もちろん協力する。手当て担当がいると助かる、ありがとな」

土屋「…………俺のポケットマネーから出すか?」

キリト「協力しよう。1歩歩くごとに目の前を調べればいいんだろ?」

椎名「監視がてら手伝うっきゃねーな。あたしの持ってる絆創膏とかは先に体育館に置いとくぜ」

マミ「ごめんなさい。私たちは話し合いがあるから手伝えないのよ」

首脳陣の巴・志熊・如月、飼育係の四ノ宮・琴浦を除く全員が手伝ってくれることになった。


よし、気合い入れて探そうか!

拾いすぎた分は自分のものにしていいみたいだし、頑張ろう!


[希望ヶ峰体育センター]
宿舎 食堂 温泉 飼育小屋
噴水広場 グラウンド 体育館 武道場 リング プール アイスリンク サーキット


安価下・下2 上から探す場所指定 コンマ2つの合計の4分の1枚を真尋が獲得

無効安価は下にずれます

【アイスリンク】

昨日はしっかり調べてなかったからな。

スタッフルームの机の引き出し……。

サウナの木材の隙間……。

客席の下……。

うん、大量だ。

あっ、忘れるところだった。

昨日スケート靴の中にメダルが入ってたから出して棚に置いといたんだった。

回収ついでにスケート靴の中を調べると1足1足全て、中にメダルが入っていた……。



【噴水広場】

高須「……見付からねぇ」

真尋「土の中は探した?」

高須「おい八坂……そんな事したら花が根腐れするだろうが!」

割と本気で怒られた。怖い。

真尋「ふ、噴水の中は……?」

高須「おう、すでに拾った後だな」

結局地道に足元を見て拾い集める。

アイスリンクの半分程度しか拾えなかった……。

コンマ合計:67 4分の1:16


【体育館前】

真尋「東雲ー、集めてきたぞ」ジャラジャラ

なの「本当にありがとうございます! 一体どれだけ集まりました?」

真尋「67枚あるよ。足りる?」

なの「皆さん手伝ってくれたので余裕で足りそうです。えっと、悪いので16枚はお返ししますね」

真尋「まだ手伝える事ってある?」

なの「うーんと……それじゃあこのメダルをスポーツショップに届けてくれませんか?」

なの「椎名さんたちが購入したものを運んでくるようになっているので」

100枚以上あるメダルが入った風呂敷を受け取る。なんとなくリッチな気分。


【Info】
所持モノクマメダル;4枚→20枚

【スポーツショップ】

真尋「椎名、東雲に頼まれて持ってきたぞ」

椎名「おお! サンキュー!」

モノクマ「げーっ! 本当に100枚集めちゃったよ!?」

椎名「これだけありゃ足りるだろ? 点滴器具や止血剤買わせてもらうぜ」

モノクマ「うー、売りたくないなぁ、売りたくないなぁ……」

土屋「…………商売人ならば売りたくないものを並べるな」

モノクマ「ちきしょー! 持ってけドロボー!」

椎名「対価払ってんだけどな……」


このスポーツショップに実際に来るのは初めてだ。

1階は、スポーツ選手よりも一般客向けの商品が並ぶフロアになっている。

医薬品コーナー以外には、食料品コーナー、雑貨コーナー、機材コーナーがあり、同様にモノクマメダルで買いものができるようだ。

食料品コーナーには、一般的な食料のほかに、プールで見つけた浮き輪ドーナツなどのちょっと頭を捻るような商品もあった。

雑貨は、保冷剤、サンバイザー、クーラーボックス、台車などがある。

この台車に薬などを乗せて、椎名が体育館に向かった。


そして、レジのある場所にはスキルショップがオープンしていた。

カウンターの脇にモノモノマシーンが設置されている。

メダルも貯まったしちょっと回してみようか。


何枚入れる?

下、5~15枚

このレス含めて上15レス分で判定します

コンマなんて狙って出すものじゃないからいいですよね?

58、76、78、79、81のアイテムを決めます

1人2回までアイテム名を書き込んでください 可能な限りAにBが混ざったアイテムになります

安価下 58のA
下2 58のB
下3 76のA
~~~
下10 81のB

人少ないしそのまま採用で行きましょうか。
混ぜなくてもそれなりにカオスなもの来ますしね……。

安価下 78
下2 79
下3 81

赤い鉈は殺傷能力高いのでちょっといじり、ドラムセットは場所を取り、、
黒鋼のストライバーはすでにあるので流しました、すいません


78 模擬鉈 なまくら。赤く塗られており持っているだけで狂気を演出できる。
79 エレキギター 電気信号を入力して演奏するギター。バンド3種の神器の1つ。
15 エリート塩 超高校級の御曹司 十神白夜がサウナで流した汗から精製したありがたい塩。
10 油芋 ポテトチップス。
67 漫画:それいけミニ弐大!

76 オーガの写真 大神さくら(現在)のブロマイド。希望ヶ峰学園では魔除けとして人気が出た。
39 スモールライト 便利な小さい懐中電灯。ものを小さくするライトより便利に違いない。
47 火竜の紅玉 物欲センサーを持たない者のみが手にできる秘宝。7つ集めたところで願いは叶わない。
46 すきバサミ 髪をすいて頭を軽くするハサミ。
21 赤いマフラー 赤い色は熱血の色。主人公の色。そして血の色。この面子だと誰にあげても独特な反応が返ってくる。

78 模擬鉈
81 折りたたみドラムセット どこでも組み立てられるドラムセット。バンド3種の神器の1つ。
38 携帯ゲーム機 いつでもどこでもゲームが楽しめる。
58 ホバーサンダル 反重力で常に数mm浮いているサンダル。装備すると地形ダメージを受けなくなる。
27 ユビキタス手帳


惜しい! あと少しでバンドが組めたのに!

そして……なんだ、この写真は……!

何やら世紀末な人物が写っている……!

土屋「…………真尋」

真尋「ん? どうしたムッツリーニ、」

土屋「…………機材コーナーを見てみないか」

真尋「いいけど」

ストップウォッチ、スピードガン、スターターピストルなど、スポーツに関わる機械がどれも相応の高値で販売されている。

そんな中一番目立つのはカメラ類だ。

デジカメ、ビデオカメラ、三脚から、よく分からないパーツまでずらりと並んでいる。

土屋「…………これを見に来た」

真尋「デジカメってどれも同じじゃないのか? パーツって何に使うんだろう」

土屋「…………よくぞ聞いてくれた」

あ、やばい。

これはオタク的なスイッチが入ったパターンだ。

土屋「…………そもそもデジカメとは――」

……その後10分ほどたっぷりとデジカメの機種別の違いと、付属パーツの有用性について講義を受けた。

土屋「――――を使うことで動いている被写体でも鮮明に映し出すことができ、これはパンチラを撮るのに非常に役立つ技術だ、覚えておけ」

真尋「な、なあ、僕たちは道具運ぶの手伝ったりしなくていいのか……?」

土屋「…………話しすぎたか」

真尋「ホント、詳しいんだな……」

土屋「…………でも、このパーツは見たことが無い」

土屋「…………!!」

真尋「どうした?」

土屋「…………湯気透視レンズ、だと!?」

真尋「へえ。希望ヶ峰の研究者が開発したのかな」

ムッツリーニは他にもいくつかのパーツと新しいデジカメを持つとレジに向かった。



かちゃかちゃ

土屋「…………できた!」

真尋「あれ、2台あるな。予備?」

土屋「…………1台は真尋のだ」

真尋「え、なんで?」

土屋「…………これには湯気透視レンズとサイレンサーが装着されている。ここまで言えば分かるな?」

真尋「ごめん、分からない」

土屋「…………女子の! 風呂を! 撮るんだッ!」

真尋「なッ……!?」

土屋「…………俺仕様の特別製デジカメ。名付けて『男のロマン』。受け取れ、相棒!」

真尋「相棒って……。っていうかネーミングまんまだな!」

乗り気ではなかった。

そのはずなのに……。

ムッツリーニから手渡されたデジカメに触れた瞬間……!

僕の中に流れ込んだ、この感情は何だ!?

これが……男のロマンなのか……!?

土屋「…………力作を、期待しているぞ」b

【保健室】

男のロマンを託された僕は一旦保健室に顔を出すことにした。

東雲に名指しでメッセージをもらった以上、中途半端なところで去る訳にはいかないからな。

なの「あっ、八坂さん! おかげでこんなに集まりました!」

昨日見た引っ越した後のような部屋は、片付いていない保健室に進化を遂げていた。

なの「あとは片づけるだけです」ニコニコ

真尋「片づけ手伝おうか?」

なの「いいえ、大丈夫です。すぐに終わります」

とてもすぐ終わる量には見えないけど……。

真尋「あとさ、そのストール暑くない?」

東雲は紫色の長いストールを首に巻いていた。

保健室は今は冷房入ってないのに……。

なの「あー、これはですね……。出ておいでー!」

東雲が声をかけると、どこに入るスペースがあったのか知らないが、ストールの内側から4匹のハムスターが這い出てきた。

真尋「この子たちって個室で飼ってたやつ?」

なの「はい。このストールもハムスター飼育セットに入っていて、移動式のハウスになると書かれてたんです」

なの「そして……」

なの「ミントさん、塗り薬と飲み薬を奥の右側の棚に持って行って」

1匹のハムスターが床に置かれた薬の箱まで駆けていき、箱に体重をかけて押しはじめた。

真尋「こ、こんなに頭いいのか!? すごいな……」


なの「大変そうなのでベリーさんも手伝ってあげて」

ベリーと呼ばれたハムスターが、ミントの元に駆けより一緒に箱を押す。

真尋「可愛い名前つけたなあ」


なの「ガーゼと絆創膏の箱は大きいから、ダルマさんお願い」

真尋「なんで!? たしかに大柄なハムスターだけど差別的!」


なの「キイロさんは器用だから残ったピンセットと注射器を運んでね」

残った1匹が前足で道具を掴み後足で二足歩行し運ぶ。

真尋「全員黄色いんだけど!? って本当に器用だなこいつ!」


なの「と、まあ。こうしてハムスターさんたちに手伝ってもらうので、一人でできるんですよ」

真尋「なるほど……そのストールをつけていると操れるのか」

なの「いいえ? いつも聞き分けのいい子たちですよ?」

足元で労働するハムスターを見ながら、尋ねる。

真尋「昨日のメールで言ってた相談って、このことでいいんだよな?」

なの「はい、でも、八坂さんだけに見せたいものもあるんです」

真尋「僕だけに?」

なの「わたしのバンドを見てください」

東雲のバンドには『2/100』と表示されていた。課せられたノルマが僕や巴と同じ100であることを示している。

なの「実は……わたしのバンドは特別製みたいなんです」

なの「いきますよ? うんっ!」

東雲が力を込めると……表示されている数字が……

25/100

57/100

81/100

100/100

真尋「……」

なの「ふぅ……」アセ

なの「ノルマ達成です!」

真尋「ずるい!!」

なの「わたしがみんなのために働こうと思ったのは……これが理由なんです」

真尋「は、はあ……」

なの「本当は普通にみんなと運動したいんですけど……」

なの「できることはしないといけませんから」

なの「こうすれば……」

なの「高坂さんも許してくれるんじゃないかなって……」

なの「あ、でも!」

なの「ノルマの問題がなくても、時間を見つけて運動はします!」

なの「不審に思われたくはないので……」

ああ、確かに。

たぶん電力でノルマクリアしてるもんな、それ。

なの「だから八坂さんだけにお話ししたかったんです」

真尋「そっか、それなら何かするときは誘うようにするよ」

なの「ありがとうございます」

東雲はロボットっぽくない、普通の行動を心がけていた。

そんな彼女が、普通じゃないズルをしてまで皆の為に自分の出来る事をしようとしている。

内容的に直接口に出して褒められないのがもどかしい。

真尋「東雲、お礼を言うのは僕と皆の方だよ」

高坂についてちょっと気になったけど、聞く場面じゃないよな。

真尋「お礼になるか分かんないけど、これあげるよ」

つ 漫画:それいけミニ弐大!

なの「えっと……」

悲しそうな顔をする東雲。

なの「漫画はたまに読むんですけど……」

なの「お気持ちは嬉しいです」

……あまり喜んでもらえなかったようだ。

この作品、熱い心を持つロボットの主人公が人々を救って感謝されるストーリーだから、僕の言いたいことが伝わるかと思ったんだけど……

結局地雷は地雷だったみたいだ。失敗。

【自由行動:8日目】

真尋「結構いろいろした気がするけど、まだ午前中なんだ……」

真尋「何かして時間を潰そう」


※自由行動について

たまに1日に1回のみ自由行動を行います。2章では4回のみ。

安価形式ならぬアンケ形式のため、選択肢をある程度絞らせていただいております。

選ばれたキャラからは確定でスキルを手に入れます。

自由行動と言うよりはスキルゲットフェイズとお考えください。

スキル強そうな人に行くか、今章で死にそうな人に行くかは自由。


真尋(いま暇そうにしてるのは、ムッツリーニ、四ノ宮、椎名、志熊だな)

今夜はここまで。

人いなくなったなぁ……。
タイトルから安価が消えたからまとめ読みしてるだけだと思いたい。

感想とか意見とか、このキャラいまどうしてるの?とか、
日常シーンでこんなの見たいとかコメントがあると嬉しいです。励みになります。


次回はこの安価から更新します。

↓ 土屋・四ノ宮・椎名・理科から選択、最初に2票入ったキャラが選ばれます

椎名に最速2票入ったのでここまで進めます
――――――――――――――――

【食堂】

真尋「ふう」

椎名「真尋か、お疲れ。メダル集め終わったから茶飲んでたんだ」

何をして過ごそうか?

1.2人でお茶でも飲みつつ語らう
2.鍛えてもらう

安価下(得られるスキルが違います)

本日の夜6~7時から更新します。
今回はちょっと多めにしたい(フラグ)

更新再開

俗にいうハズレスキルもあります、安価が減ったことでハズレ化したスキルも……。

真尋「椎名、お願いがあるんだけど」

椎名「ん?」

真尋「ちょっと僕を鍛えてくれないか?」

真尋「超高校級の戦士候補と呼ばれるその実力の一部を物にできれば、このスポーツ生活でへこたれることも無くなると思うんだ」

椎名「へえ。いい心がけだな」

椎名「そんじゃ早速グラウンドに行こうぜ」

【グラウンド】

真尋「……」←ギプス着用

椎名「さあ、真尋よ」

真尋「……」←さらにロープでタイヤ30個が結び付けられている

椎名「グラウンドの反対側まで、走るのだ!」

真尋「無理だろこれ!!」

椎名「人様に稽古を依頼しておいて、やる前から諦めるだと……? いい度胸じゃねーか?」

真尋「軽い気持ちで頼んだ僕が悪かった!」

椎名「つべこべ言わずに……走れえええ!!!!」ゴゴゴゴゴゴ

真尋「うわあああああああ!!!」ガクガクガクガクガク

真尋「………………お……終わった……」ドサ

椎名「やればできるじゃねーか。ほい、水だ」

真尋「ゴクッゴクッ…………プハァ……」

椎名「まっ、あたしは真尋ならできるって信じてたぜ!」

真尋「あ、ありがとう……」

椎名「今、とても体が熱いだろ? 体内を駆け巡る血の流れすら感じられるだろ?」

真尋「ああ……!」

椎名「それがおめーの魂だッ!」

真尋「そうか……これが、熱血というものなんだ!」

椎名「言葉としては知っていても、実際に味わわなければ一生その意味を知ることは無い……」

椎名「やったな真尋! お前は今、真の漢への階段を一歩登ったんだ!」

真尋「僕はっ、僕は生きている! 生きているんだよ!」

なんだか会話が成立してないけど、こういうのは理屈じゃないんだ!

とにかく僕は今、活力に満ちている! 生きているという実感に溢れている!

今は……それでいいんだ!!


【Info】
スキル『熱血魂』を入手しました

『熱血魂』…強さに関係するコンマが20増える(自動)

【食堂】

改めてお茶を飲んで休憩。

真尋「お礼代わりにこれあげるよ。さっきモノモノマシーンで出たんだ」

つ 火竜の紅玉

椎名「おっ、これはリオ○ウスのレアドロップ品だな」

真尋「これどういうものなんだ?」

椎名「ああ、これは火竜リオレ○スの体内で精製される宝石だ」

椎名「科学的な研究がされてないから、どんな役割があるのかは明らかになってないが、」

椎名「とにかく強い力を秘めているから武器や防具の材料に使われるんだ」

真尋「やっぱりそれを使った装備品とか欲しいのか?」

椎名「いや、どっちかっつーと……」

椎名「アクセサリーにして欲しいかな」

椎名「だってほら、これ、綺麗だろ?」

真尋「そうだな。武器に使うにはもったいないかも」

椎名にもこういう女子らしい面があったんだな……。

椎名「おい何か失礼な事考えてないか?」パキ、ポキ

真尋「全然そんなことないようん全然」

【HENTAIたち】

理科「先輩先輩、ちょっとご相談いいですか?」

土屋「…………どうした?」

理科「実は脱出の為のもろもろの理由でキリトさんをどうにかパーティに加えないといけないんですよ」

土屋「…………関係ないが『もろもろ』って言葉の響き、エロいと思わないか」

理科「思いますとも」

土屋「…………で、俺に良案が無いか尋ねた訳か」

理科「話が早くて助かります」

土屋「…………簡単だ、これを見せて脅せばいい」スッ

理科「こ、これは……噂の、なのです★キリトちゃん!!」

土屋「…………協力しなかったら身内にばらまく、と耳元で言う」

土屋「…………きっと奴は『何でもするからそれだけはやめてくれ』と懇願するはず」

土屋「…………そこで、新たな恥ずかしい写真を撮らせてもらう!」

理科「ゲスいですねっ、康太先輩」

理科「そのハングリー精神、理科、嫌いじゃないです!」

土屋「…………次は洋風にメイドか魔女っ娘で行こうと思う、剣士である奴が最も避けたい衣装に違いない」

理科「そしてそれをダシに更なる脅迫を行うんですね。ゾクゾクしてきました」

土屋「…………いや、それは普通に売り捌かせてもらう」

理科「結局ばらまいちゃうなんて、ああん鬼畜!」

土屋「…………男の娘は昨今需要が高いんだ」


土屋「…………それに、身内を洗脳――ムッツリ商会の顧客にすることで奴は逃げ場を失うことになる」

理科「先輩が鬼畜すぎて……濡れちゃいましたぁ」

土屋「…………貴様、マゾヒストか」アセ

理科「いいえ、先輩攻めキリトさん受けの妄想が捗って」

土屋「…………腐女子だった」ヒキ

理科「あ、勘違いしないでいただきたい。あくまで先輩とキリトさんを脳内で無機物に見立ててますからね?」

土屋「…………その情報は何の慰めにもならない……!」ドンビキ


理科「話を戻しますけど、脅迫はナシです。チームプレイが大事なんです」

土屋「…………チームで『プレイ』」

理科「はーいストップ。収拾がつかなくなりますから」

理科「何か穏便な解決策が思いついたらお知らせくださいな」

土屋「…………俺は強硬手段で生きてきた男だから、期待はするな」

理科「ところでそれ、先輩はオカズにできるんですか? 中身キリトさんですけど」

土屋「…………中の人などいない。その両者は別人だッ!」

理科「わお。素晴らしい発想の転換と言うべきか」ヒキ

土屋「…………かわいいは正義」

理科「今後その言葉を使う気がしなくなりました」

土屋「…………ちなみにこんなオカズもある」つ 理科含む女子たちの頭部と水着ギャルのコラ写真

理科「えぇー……」ドンビキ

理科「通報しますよ?」

土屋「…………やれるものならやってみ

理科「モノクマに」

土屋「やめろおおおおおおおおお!!!」


変態同士が全力で絡んだ結果……両者ドン引き。

一口に変態と言っても方向性が違うとこうなるのである。




キリト「正体不明の身の危険を感じる……これは一体……!?」

【ゴミ捨て場】

レナ「……なっ、なんだか真尋くんから男のオーラを感じる!」

なの「男の風格を感じますね……」

レナ「そう? やましいオーラが漂ってるよ……」

真尋「僕は二重の意味で『男』になったんだよ」

高須「おう、よく分からんな」

椎名による特訓のおかげでノルマは一気にあと半分を切った。

適当に体を動かすだけで大丈夫そうだったから、ゴミの片付けを手伝いにやってきた。

真尋「順調そう?」

高須「とりあえず通り道を確保した。次は害虫・害獣の駆除だな」

レナ「理科ちゃんに頼まれて使えそうなパーツを集めてるんだよ。でも、何に使うんだろ?」

なの「わたしはゴミの選別作業中です」

高須「東雲の作業が追いついてないから手を貸してやってくれ」

真尋「わかった」

高須「竜宮は右側の山の、主にネズミの駆除を頼む」

レナ「了解だよ!」

真尋「あ、それならこれ作業に使えばいいよ」

2本の模擬鉈を高須たちに、手を保護できるようにヤンデレグローブを東雲に渡した。

真尋「正直ここ以外で平和に使える場面が想像できなかった」

高須「……さて、ゴミ溜めの糞虫ども覚悟はいいな?」

高須「俺はお前らのような薄汚く人様の害になる輩に制裁を下す死神だ」

高須「女子供だろうと容赦はしねぇ。次世代の種は摘んでおかないとなァ?」

高須「おう、皆殺しの時間だ! せいぜい逃げ惑え!」

シューーーーーー

嗤いながらスプレー缶を振り回す高須。


レナ「あっはははは! あっはははは!」ブン、ブン、ブン、ブン

ブシャ  バキッ  グシャ  ビシャ

レナ「どこへ逃げるつもりなのかな、かなぁ!」

レナ「子ネズミちゃん、みーつけた♪」

ブンッ ベシャ

目を妖しく光らせながらネズミに鉈を振り下ろす竜宮。

真尋「2人が楽しそうで何よりだ」

これで衛生状態が良くなって巴も大喜びだろう。

なの「ほら、八坂さん。この鉄棒はいろいろ使い道ありそうですよね」

真尋「……」

なの「八坂さん? 返事してくださいよ」

真尋「あ、ごめん。ちょっと気を取られてて」

なの「八坂さん、今はわたしと作業中ですよね? どうして他の事考えてるんですか? 誰の事を考えてたんですか?」

なの「そうですよね……わたしと話すのは辛いですよね。ごめんなさい、面白くない女で」

なの「八坂さん、何か返事してくださいよ。八坂さん八坂さん八坂さん八坂さん」

鉄棒を持ったまま真っ直ぐ僕を見つめてくる東雲の双眸は暗く濁っていた。

あれ? まさか3人とも……アイテムの呪いが発動してる……!?

椎名「おっ、いたいた」

東雲と黙々とゴミの選別作業に勤しんでいると椎名が僕を探しに来た。

椎名「確か昨日頼んだよな? キリトの監視担当」

真尋「そうだった。東雲、ゴメン」

なの「大分助かりました。あとは1人でも大丈夫ですよ」

よかった、呪い解けてた……!

真尋「今キリトはどこに?」

椎名「今日も武道場で竹刀を振ってるぜ」

真尋「じゃ行ってくるよ」

【武道場】

……。

あれ?

離れがずいぶん静かだと思ったら……誰もいない。

……まさか。

キリトが逃げ出した……!?


【体育館】

体育館の中を見てもいなかった。

あの黒ずくめはいればすぐに分かる。

【プール:トレーニングルーム】

冷房の効いた室内で、如月がルームランナーで走っている。

キリトの件を伝えたら不安にさせそうだし、それに怒られそうだ……。

如月「八坂? 何か用か?」

真尋「何でもない!」

慌ててプールを飛び出してしまった。

ど、どうしよう……。

無駄にきょろきょろしてしまう。

ん?

体育館とプールの間に道がある……?

【遊歩道】

屋外プールのコンクリート脇、体育館の側面に挟まれた細い道を進む。

開いていないが体育館へ入る扉と、プールへ上がる階段があった。

道はまっすぐ延び、奥に見える林の中へ続いている。

体育館の横を通り過ぎると空き地が広がっていた。

真尋「こんな場所があったのか……」

普通は気づかない場所だけど……隅々まで調べると言っていたキリトなら見つけていてもおかしくない。

林の中に入ると、潮の香りが鼻を突いた。

【浜辺】

目の前に海が広がっていた。

真尋「……なるほど」

これで海外産のゴミや、スポーツショップにあった釣竿に説明がついた。

流木や小石の転がる砂地に足を踏み出し周囲を眺める。

果たして、少し離れた岩場に佇む黒い人影……キリトが見つかった。

真尋「探したぞ」

キリト「見付かったか……」

真尋「どうして逃げ出した」

キリト「目を離していたから、解放されたと思った」

真尋「嘘つけ! 誰も知らない場所に来やがって」

真尋「何をしているんだ」

キリト「見ての通り、釣りだよ」

キリト「……何も企んでないぞ? 単純に釣りが好きなんだ」

キリト「一度、SAOで暇が出来たことがあってな。非戦闘スキルで唯一取ったんだがいつしかはまってしまった」

キリト「ここでは釣りスキルは無いけど、竿の扱いは何となく体が覚えている」

キリト「……竿(sao)だけにな」キリッ

真尋「……」

キリト「…………今のは忘れてくれ、頼む!」

真尋「決して忘れない」


キリト「……釣りの監視なんて退屈じゃないか?」

真尋「仕事だからしょうがない」

真尋「キリトこそ退屈じゃないのか。全然釣れてないけど」

キリト「正直飽きてきた」

キリト「暇つぶしに何か面白い話をしてくれないか? 邪神ハンターとしての活躍とかでいい」

真尋「……それじゃ僕が今まで関わってきた宇宙的恐怖たちについて語ってやろう」

ニャル子たちの事はからかわれそうなので伏せた。

したがって、キリトに話したのは精神が蝕まれそうな外見のものばかりだ。

キリト「気分が悪くなってきた……」

真尋「邪神って海産物に似てるんだよ。基本的に軟体動物。ヒレやエラがあるのも多いんだ」

真尋「どうだ。釣りのモチベが下がって来ただろ」

キリト「聞かなきゃよかった……!」

真尋「ほら、話したぞ。次はキリトの番だ。ソードマンとしての活躍、話すの好きだろ?」

真尋「苦しかったボス戦とかさ」

キリト「いや……あまり話したい思い出じゃないんだ」

真尋「僕にだけ話させておいてそりゃないだろ」

真尋「『こんなボスを倒したぜどうだすごいだろなかなかできることじゃないよ女子プレイヤーたちも俺にメロメロだぜキリッ』とか言えよ」

キリト「SAOをクリアしたこと、それは俺の誇りだ」

キリト「だがその過程の話には……常に人の死が付き纏っているんだ」

キリト「人の死を冗談で話すなんて、俺は絶対にしたくない」

真尋「じゃあ真面目に話してくれ」

あの忌まわしき事件の中で散った命を想起させることで、再び殺人を犯そうとした際に踏みとどまってくれるかもしれない。

そういう狙いがあった。


キリト「……まずは、第一層フロアボス攻略の話をしよう」

――――

真尋「ビーターねぇ……」

キリト「俺はベータテスターへの負の感情を一身に集めた。これで他の攻略組が戦いやすくなったはずだ」

真尋「チーター+ベータテスターでビーターか、あまり上手くないと思う」

キリト「俺が考えたわけじゃないから……」

真尋「それでソロで戦うようになったんだ」

キリト「いや……うん、そうだな」

真尋「言いたくないなら無理しなくてもいいけど」

キリト「ああ。この件だけはほとんど誰にも話していないからな……」


真尋「でもソロってことは……モテてたって話も嘘?」

キリト「知り合いに女子プレイヤーが多いのは認めるけど、あんまり会わないな……」

キリト「あ、でも毎晩一緒に食事してたのは本当だ、嘘じゃない」

真尋「へえ、毎晩デートしてたのか」

キリト「いや、二人一緒に住んでた」

真尋「リア充爆発しろっ!」

キリト「現状その言葉はシャレにならないぞ……!」


この浜辺は体育センターの端の方にあるため、バンドには『80m』と表示されている。

泳いで脱出を試みたところで爆発オチが待っている訳だ。


キリト「いろいろあったんだ……そして結婚した」

真尋「だいぶ端折ったな」

真尋「やっぱり彼女の危機をキリトが救ったのか?」

キリト「どっちかというと……俺が彼女に救われた、方が近いかな」アハハ

真尋「キリト……お前ってそんな顔できたんだな」

キリト「何の話だ」キリッ

真尋「……」


キリト「……真尋、あんたは俺を怖がらないんだな」

真尋「そりゃ、キリトは恐るべき存在じゃなくただの勘違い野郎だと思ってるし」

キリト「俺はあんたらの方が勘違いしてると思ってるがな」

真尋「それに……キリトは高坂が殺された時に気を失ってただろ?」

真尋「本当はゲームだと思い込みでもしないと人を殺す度胸なんて無いんじゃないか?」

キリト「どんなゲームでもあんな死に方はしなかっただけだ」

キリト「ここのGM(ゲームマスター)は茅場晶彦がちっぽけに思えるほどの狂人だな」

茅場……ってSAOの開発者だっけ。

キリト「それに……元々桐乃の事は気にかかっていたんだ。見ていて危なっかしかったから」

真尋「そうは見えなかったけど」

キリト「いや……俺を嫌ってる相手に話し掛ける勇気はないと言うかなんというか」


モノクマ「ちょっとちょっとキリトクン!」ビヨヨーン

キリト「!?」

真尋「ここもカメラあったんだ」

モノクマ「不純異性交遊は許さないよ!」

キリト「陰ながら気にかけてただけだろ!?」

真尋「琴浦たちとか竜宮たちもアウトだよな……」

モノクマ「キリトクンは特別! ……コホン。キミは上条クンと並ぶ天然タラシだから特に警戒を強化しないといけないんだ」

モノクマ「これからも何かあるたびに現れるからヨロシクぅ!」ヒョコン

キリト「なんで俺だけ……!」

真尋「まあまあいいだろ別に。今のキリトに好き好んで寄ってくる女子なんていないし」

キリト「それはそれできついな……」

真尋「ところでさ……」

真尋「魚、釣れないな……」

キリト「ずいぶん長く話したんだがな」

真尋「……餌とかちゃんとつけた?」

キリト「つけてない」

真尋「それが原因だろ!」


その時僕に電流走る!

昨日のアレは……このためにあったのか……!


真尋「キリト、これを餌にしよう」

キリト「な……! これはナイトゴーントか!? それともダゴンか!?」

真尋「化け物の缶詰なんて持ってねえよ! ワムシっていう北海道名産だ」

キリト「それでダゴンを釣るんだな……!?」

真尋「ダゴンから離れろよ」

どうやら僕の話がトラウマになってしまったようだ。ごめんキリト。


ワムシには触りたくないらしいキリトの代わりにセッティングして準備完了。

真尋「ちょっと貸して。まずは僕がやる」

キリト「後で返してくれよ」


コンマ下(+20 スキル効果) 真尋の釣果  ※30分までにレスが無かったら上にずらします
下2 キリトの釣果


真尋の釣果:120 キリトの釣果:98 超高校級の釣り人たち


真尋「かかった!」

キリト「早いな!」

真尋「これがワムシ効果……って重っ!」 ※正しくはユムシです

海中にずりずりと引きずりこまれる……!

まさかモノクマの罠!?

キリト「助太刀する!」

キリト「うおおおおおお!!」

真尋「熱血だましいいいいい!!」


びちっびちっ

真尋「なにこれ……」

キリト「真鯛……?」

規格外の大きさの鯛を釣り上げた。

キリト「主じゃないか?」

真尋「海釣りに主なんている?」

キリト「ともかく、今晩はご馳走だな……」

真尋「ワムシはまだあるし、もう少し……」 ※ユムシです


――――

真尋「マダイフィーバー」

十分後……主以外にも数匹の真鯛が足元に転がっていた。

キリト「海老で鯛を釣るとはこのことか……!」

真尋「海老よりも投資が少ないというね」

キリト「ちょっと俺にも釣らせてくれ……!」ワクワク


キリト「おおお! 鯛が釣れたぁ!」

満面の笑みで鯛を見せびらかすキリト。

真尋「それはクロダイだな。黒の剣士が釣るのはクロダイか」

再び十分後、キリトの周囲にもクロダイばかりがゴロゴロと転がっていた。

キリト「クロダイの主は釣れなかったか……」

真尋「いや、十分すごいぞ」

キリト「また勝負しような!」

真尋「受けて立とうじゃないか!」


【Info】
勝利したため、スキル『釣り名人』を入手しました

『釣り名人』…反論ショーダウンでウィークポイントが一つになる(スキル反論は除く)(自動)


【集会所】

スポーツショップからカゴと台車を持ってきて、釣れた魚を満載する。

すごく重くなった台車を宿舎前まで運び、時間ギリギリに夕方のミーティングに到着……!

マミ「2人とも遅かったのね……。何をしていたの?」

キリト「真尋と2人で釣り勝負してたんだ」

真尋「これを見てくれ。今晩はご馳走だ!」

2人そろって両手に鯛を持ち見せびらかす。

琴浦「ひやあ!?」

高須「おおう!?」

椎名「真尋の右手に持ってるのどういうことだよ……尾びれが床についてるじゃねーか!?」

マミ「そもそもどこで釣ってきたの……?」

真尋「実は――」


レナ「海があったの!?」キラキラ

土屋「…………釣竿の使い道はそれか」

キリト「隠れ家が使えなくなった……」

真尋「やっぱり隠れてたんじゃないか」

マミ「ともかく、今晩は魚料理ね!」

如月「キリトが毒でも仕掛けてるんじゃねえか?」

理科「とりあえず寄生虫には気を付けた方がいいですね。あとで調べてみます」

高須「三枚おろしは任せてくれ。不安なら火を通してムニエルにすればいい」


マミ「さて、気を取り直して」

マミ「みんな怪我は無いわね?」

なの「竜宮さんがまたかすり傷を負ったので治療しておきました」

マミ「生傷が絶えないわね……。女の子なんだから身体は大事にしなさい」

レナ「はーい」

マミ「ノルマはみんなクリアした?」

椎名「問題ないぜ」

高須「大丈夫だ」

マミ「では今日の本題に入るわね」

マミ「昨日のミーティングで伝え忘れていた役割分担の事よ」

マミ「みんなそれぞれに係についてもらって負担を軽くするのよ」

理科「今決まっている仕事についてはボードをご覧ください」

・リーダー 巴マミ
・参謀(助言役) 如月シンタロー
・参謀(便利屋) 志熊理科

・朝食当番 巴、竜宮、東雲、高須、八坂
・ゴミ出し 高須竜児

・飼育係 琴浦春香、四ノ宮那月
・保健係 東雲なの
・キリト係 椎名、志熊、土屋、八坂

真尋(キリト係……)

椎名(もうネタにするのはよしてやれよ)


理科「まだ仕事をしてほしい人は下記の通り」

春海、竜宮、椎名、土屋

土屋「…………俺と椎名はキリト係だが」

理科「もう少し何か仕事をしてほしいですね。無ければ無いで構いませんが」

土屋「…………道具の点検でいいか?」

理科「康太先輩なら最適ですね。お願いします」

マミ「椎名さんはノルマが大きいから免除でもいいと思うわ。それに普段から係じゃなくても雑用を引き受けてくれるから」

レナ「レナはレクリエーション係じゃダメなのかな、かなぁ?」

如月「駄目だろうな」

レナ「ちぇー」

春海「俺、何すればいいんだろう……」

春海「本読むのと探すのと並べるのくらいしか特技もないし……」

レナ「春海くん! だったらレナと2人で宿舎のお掃除しようよ」

レナ「本棚を拭いたりするのは任せるよ」

春海「よし、引き受けた。何もしないのは心苦しいからな……」

如月「春海だけ仕事少なくないか……?」

なの「でも、わたし、昨日から春海さんにはいくつか本を探してもらったりしてます」

琴浦「図書委員って事でいいと思うよ、私もお世話になってるもん」

マミ「これで全員決まったわね? 手が空いていたら他の人の手助けもしてあげてね。解散!」


【温泉】

春海「釣り楽しかったか?」

真尋「うん、夕食のおかずも釣れたし有意義な時間になった」

春海「でもキリトとなんだろ……? 暢気なんだか危険なんだか」

真尋「いや、普通に暢気だったぞ。キリトの昔話と波音を聞きながらのんびりできた」

春海「精神強いな八坂は。でもスポーツしろよ」

真尋「まあスポーツフィッシングってのもあるし。今日のはただの釣りだけど」

真尋「そう言う春海は何してたんだ? ずっとバドミントン?」

春海「いや、バドミントン終わったあと四ノ宮の乗馬体験会に参加してた」

真尋「お前こそスポーツしろよ」

春海「乗馬は立派なスポーツだ!」


【春海の個室】

春海の書庫に興味があったので、お風呂上りにそのままついてきた。

シックな洋室に大きな本棚が4つ並んでいる。

生活スペースが極端に狭く、住みにくそうだ。

春海「本棚以外にはベッドとイスがあれば十分だ。キッチンもいらない」

真尋「移動するときはここに衣装類も投げ込まれてたんだよな……。よく寝れたもんだ」


真尋「春海って超高校級の読書家候補と言っても、古今東西の文献に関する知識に明るい博識な人物じゃなく、」

真尋「ただの本が好きすぎて頭おかしい人ってことは百も承知だけど」

春海「ひどいなオイ」

真尋「それでも何か才能と呼べるような特技とかある?」

春海「そうだな……。隠れた本をにおいで察知したり、駅に降りると書店のある大まかな方角が分かったり、」

春海「書店にある未読の本の位置が分かったり、一定範囲にある本の冊数が一瞬で正確に分かったりするな」

ゲームだったら『観察眼』が貰える重要人物になるんだろうけど……。

真尋「なんだろう……。ここまでしょぼい凄さは初めてだ……!」

春海「そんな事俺だってわかってるさ!」

真尋「自覚はあるんだ……」

でもこの技能が分野を選ばず発揮出来たならそれは人類史上稀に見る天才だろう。半ば超能力染みている。

……これくらいでちょうどいいのかも知れない。


真尋「春海の一番好きなジャンルってどんなの? 本狂いのイチオシってちょっと興味が沸く」

春海「好きなジャンルか……愚問だな。どんなジャンルでも面白い物は面白いんだよ」

真尋「まあそうだよな、嫌いなジャンルがあったら超高校級は名乗れないよな」

真尋「それなら好きな作家は?」

春海「どんなジャンルでも読む俺のように、同じくどんなジャンルでも書く作家、秋山忍……」

春海「マイフェイバリット作家だ!」

真尋「秋山忍……一応知ってるけど」

真尋「確か名のある評論家から『若者向けの陳腐な駄作ばかり生む作家もどき』とか酷評されてたような……」

春海「あーあの書評番組な。知ってる。その評論家は自費出版した小説が全然売れなくてそれ以来辛口路線に転向した人だ。信用に足らない」

春海「でも俺はあの人の本好きだったんだけどな……文才はともかく伏線とオチは素晴らしかったし続きが楽しみだったんだが」

真尋「そんな裏話が……」


春海「ともかく! 秋山忍はすごいんだ!」

春海「重厚な歴史活劇からラブコメラノベ、児童文学、本格ミステリ、SFアクション、純愛ロマンス、コズミックホラー、果ては料理本まで」

春海「毎度毎度違うジャンルで出版し……そのどれもが超一流!」

春海「次回作は初のボーイズラブらしいが……まあ新たな扉を開いてくれるだろう!」

春海「一つのジャンルで活動してる作家には嫉妬を受ける事も多いが……」

春海「若者の活字離れを防ぐ救世主と呼ばれ、俺の読書人生を決定付けた、」

春海「まさに超高校級の作家だ!」

真尋「高校生なのか?」

春海「……あっ違うわ。今のは勢いな。覆面作家だから年齢も性別も不明、作風から推測すらできない謎に満ちた作家なんだ」

真尋「案外それぞれの本を違う人が書いてたりして?」

春海「これだけの才能を持つ作家が数人いるんなら逆に俺は嬉しい」


ぴんぽーん

レナ「春海くーん、入るよー」ガチャ

春海「おっ、何か御所望か?」

レナ「教科書は無いかな、かな?」

春海「よっと、教科書はこの辺に」

春海「教科は何だ?」

レナ「中学生レベルの数学と歴史をお願い」

春海「おし、これだな。○○社の教科書は思想に左右されず歴史を淡々と解説しているのが特徴だ」

春海「注釈を読めば諸説にも詳しくなれる、まさに理想的な参考書だな」

春海「こっちの△△社の数学はカラフルな図解が」

レナ「あ、もういいよ」

春海「……」ショボーン

レナ「真尋くんも来てたんだ。春海図書館にご用事?」

真尋「単純に見に来ただけだよ。竜宮はこんな時でも勉強か、偉いな」

レナ「うん。今からシンタローくんのお部屋で分からないところ教えてもらうんだ」

レナ「2人とも、まったねー」バタン

春海「……けっ」

真尋「春海さ……竜宮好きなのか?」

春海「如月が嫌いなんだ」

真尋「なるほど」


ぴんぽーん

なの「失礼しまーす」ガチャ

真尋「来客多いな」

なの「春海さん、昨日の医学書を返しに来ました」

春海「ん? もういいのか?」

なの「はい。読み終わりました」

春海「嘘だろ!?」

真尋「そのページ数を2日で……?」

なの「本当は昨日読み終わったんですけど、返しに来るの忘れてて」

なの「……実は、その……速読ができるんです」

なの「えっと、何か適当な本は、と……」

東雲は本棚から『知っておきたい薬用ハーブ』を取り出し、正面に構える。

なの「行きますよー、はい!」

ぱら、ぱら、ぱら、ぱら、ぱら、ぱら…………

なの「終わりました」

春海「それ、本当に読んだ、のか……?」

真尋「ちょっと貸して。……24ページの右上」

なの「フェンネル。フェンネルはセリ科の多年草で――」


なの「――としては老廃物を体外に出す作用があり漢方薬の」

春海「も、もういい!」

真尋「一字一句間違えてなかった……」

なの「そういうわけで……付け焼刃ですけど外科手術や検死もできるようになったんです」

真尋「東雲がどんどん超人になっていく……」

なの「本当はみんなの体調管理や運動のメニューが作れたらいいなと思ったんですけど、医学書には載ってなかったので……」

なの「今日はマネジメントの本を借りたいんですけど、頼めますか?」

春海「は、ははは……速読できるなら多めに紹介するか?」

なの「ありがとうございますっ!」

東雲は、ドラッカーのマネジメントや、スポーツ指南書、秘書向けのスケジューリングの本など十数冊を持って帰った。

春海「東雲がずいぶん遠い存在に見えてきた」

真尋「ちょっと恐怖すら感じるよな……」


ぴんぽーん

四ノ宮「こんばんはー!」ガチャ

琴浦「こんばんは……」

春海「らっしゃーい」

挨拶もそこそこに本棚を物色し始める2人を気にもせず春海は読書を続けている。

真尋「ここは個室じゃなく図書館だと思われてるんじゃないか?」

春海「俺も図書館だと思ってるから問題ない」

真尋「そうか……」

真尋「ちょっとだけ動物の臭いがするな」

四ノ宮「飼育小屋帰りなんですよ。2人でお茶の前に、寝る前に読む本を探しに来たんです」

琴浦「春海くん、おすすめの本は無い?」

春海「そう言われても、全部としか答えられないな」

琴浦「それなら、最近気になった本とか」

春海「最近か……。最近ならこれとか」


春海が取り出した本のタイトルは『マイディアマーダラー』。

真尋「『マーダラー』って……『殺人者』だっけ」

春海「逃亡した殺人犯が人生をやり直そうとする物語だ」

春海「こんな状況だから思い出してしまったんだ……」

峰と上条の事件か……。

春海「まあ賛否両論な内容だけど、作者は殺人を容認しているわけじゃない」

春海「それどころか、この主人公は実は殺人をしていないのに、罪の意識を背負ったまま生きていくんだ」

春海「本人はずっと勘違いしていたが被害者は怪我をしただけ。死因は病死だったんだよ」

春海「真実を知った後も主人公は罪に苛まれ命を捨てようとする」

春海「被害者の肉親がそれを止めて……主人公は死んだ彼の為にも生きて償う道を選ぶんだ」

琴浦「全部話しちゃったね」

春海「あっ……わ、悪かった!」

四ノ宮「それ、借りていきます。人から聞くのと実際に読むのとでは感じるものも違ってくるでしょうから……」

春海「そうだな。俺の貧弱な語彙と表現じゃ誤解を生んでそうだ。読み終わったら感想聞かせてくれ」


四ノ宮たちが退出した後もだらだらと春海図書館で読書して時間を潰した。

真尋「あっ、春海に渡そうと思ってたものがあったんだ」

春海「『サバイバル大百科』? 確か蔵書の中には無かったな、サンキュ」

真尋「それを読んで体を強くしてもらえればいいと思ってな」

春海「俺東雲じゃないから無理だ」

真尋「うん……。普通すぐに身に付かないよなぁ」


『えー、オープンキャンパスにご参加のみなさま。午後十時です。夜時間になりました』

『間もなく、食堂は入口をロックされ、立ち入り禁止となります』

『それではいい夢を。おやすみなさい……』


真尋「夜時間だしそろそろ帰ろう」

春海「またいつでも来いよー」


【如月の個室】

如月「ここは……外角を……」

レナ「……できたよ」

如月「いや……ここから引くんだ」

レナ「そうだったんだ……」

2人きりでぼそぼそ喋りながらの勉強会。

もっとも、私が一方的に教わっているだけなんだけど。

最近のシンタローくんは、マミちゃんや理科ちゃんとも良く話していて成長したと思う。

……少し寂しいのは親離れされた母親に似た感情だろうか。

学級裁判でも助けてくれたし、頼れる存在になってくれたのは素直に嬉しい。

こうして勉強を教わっていると、性格は全然違うけど、同じように親切に教えてくれた少年の顔を思い出す。

彼も初めて会ったときは、シンタローくんみたいな寂しい表情をしてたっけ……。

私は……2回も、目の前で壊れていく少年を助けられなかった。

だから……



如月「歴史もやるのか?」

レナ「うーん……」

如月「どうした?」

レナ「別にいいかも、読んでるだけで覚えられそうだよ」

竜宮は実に物覚えがいい。

オレの知り合いの面々とはえらい違いだ。

過疎地の小中一貫校だからまともな授業を受けてないだけで本当はかなり頭いい方だろ。

学級裁判の終盤では心を折られたオレに代わって、真っ直ぐに正しい答えに誘導していた。

オレが教えることなんて無いんじゃないか……?

でも、赤の他人とこうして過ごす事になるなんて数日前までのオレは全く想像していなかった。

雰囲気も頭の出来もまるで違うが、こうして勉強を教えていた親友を思い出す。

初めてオレの心を開いた彼女も、天真爛漫で……最初はとてもうっとうしかったな。

この恐ろしいコロシアイ生活で、オレの孤立を全力で防いでくれた。

そんな恩があるから……


レナ・如月(今度こそ、死なせるわけにいかないんだ)



【真尋の個室】

今日は朝に頑張った分ゆっくりとした午後を過ごせたな。

……どっちにしろ明日の朝も筋肉痛がひどいと考えると憂鬱になるけど。


『From:巴 To:全員』
『明日の朝食当番は八坂くんと高須くんです。』
『体に気を付けて、夜更かしはしないように。』


また高須と2人か。

女子とだと少し気を使うから別にいいんだけど……。

包丁を持った高須がいまだに怖いんだよ……!


『From:土屋 To:八坂』
『喜べ。』
『ムッツリ商会……開店だ!』
『このメッセージはプライバシー保護のため個別に送信している。』
『合言葉は『性欲をもてあます』。ゆめゆめ部外者に伝えることの無きよう。』


開店キター!!

寝る前だと言うのに、僕の中に植え付けられた男のロマンが熱く燃え上がってしまった。

今夜は中々寝付けないかもしれない……。


【モノクマ生放送】

モノクマ「『愛ってなあに?』と聞かれて、」

モノクマ「『ベッドでエクスタシーすることだよ、それがオンリーワンなパーフェクトラヴ』」

モノクマ「なんて答える大人に僕はなりたくない」

モノクマ「愛の反対は無関心と言うように、愛と言うのは誰かの事を考えることなんだ」

モノクマ「だからあの人を絶望させたいというのも愛の一つの形」

モノクマ「学園長の僕はオマエラ人類を心から愛しているんだ」

モノクマ「それではお聴き下さい。ラジオネーム:オートマチックさんからのリクエストで、『愛故に……』」




コロシアイオープンキャンパス、9日目。



【真尋の個室】

スケジュール「朝食当番! 朝食当番!」ビーッビーッ

真尋「いぎゃああああ!!」

昨日よりッ! 筋肉痛が、ひどい!!

立って歩くのも辛く、しばらく自分で脚を揉む羽目になった。

マッサージ……得意な人はいないか……?


【食堂前】

高須「おはよう」

真尋「お、おはよう……」

高須「筋肉痛か……あまり無理な運動はするなよ」

真尋「ありがとう……」


『オマエラ! おはようございます! 朝です、7時になりました!』

『起床時間です! 今日も張り切っていきましょう!』



【調理室】

高須「よし。炊飯器のスイッチは入れた。おかずの準備をしよう」

真尋「今日もお米か。まあ運動することを考えるとしょうがないよな」

高須「で、今日もやるんだろう?」

真尋「ああ」

真尋・高須「レッツ! カオス★クッキング!」


安価下3まで 食材や調味料など指定(これは調理ではない、調合だ)

真尋「みりん」

高須「うむ」

真尋「ザ・ソース」

高須「何だそれは?」

真尋「世界一辛いソース」

高須「どうしてそんなものが置かれているんだ……!?」

真尋「直接触れると火傷するらしいぞ」

高須「おう、それを食べ物と呼んではいけない」

高須「さて、激辛肉じゃがか、激辛鯛の煮つけか。とりあえず固形物出てきてくれ」

真尋「シュールストレミング」

高須「チクショウッッッ!!!」

真尋「ご存じ、世界一臭い食べ物だ」

高須「……知ってる」

真尋「刺激を与えると爆発するらしいぞ」

高須「……知ってる」

真尋「良かったな高須。固形物だぞ」

高須「なぁにが良かっただァ、この野郎ォォォ!!」

真尋「いつも温厚な高須が豹変したところで調合を始めよう」

高須「誰のせいだ誰の! つーか調合ってオイ!?」

【噴水広場】

真尋「危険を伴うので屋外にやってきました」

高須「断じて料理じゃねぇ。良い子は真似するな」

春海(なんで外に出て行ったんだあいつら?)

マミ(嫌な予感が止まらないわ)

琴浦(高須くん……ご愁傷様)

真尋「まずはシュールストレミングを開けます」ブシャア

高須「……く……ぐぐぐ……」←ちょっと飛沫が掛かった

真尋「ここにみりんを少々」

高須「大豆農家の皆さんごめんなさい。八坂に代わって謝罪します」

真尋「そしてお待ちかね。ザ・ソースをたっぷりと注ぎます」

高須「な、なんか目がすげえ痒くなってきたんだが」

真尋「催涙ガス発生缶みりん風味の出来上がり!」

高須「どうして八坂は平気そうなんだ……!」

真尋「カオス★クッキング! また見てね!」

高須「ちょっとトイレ行ってくるわ」


【食堂】

結局僕たちは外から漂ってくるほのかな刺激臭を感じながら、普通に美味しいおかずと白米を食べた。

マミ「えーっと……あの変なにおいのする缶は……」

マミ「八坂くんよね? ちゃんと片づけておいてね……」

真尋「そんな事言われても……僕は片づけ方を知らないぞ」

真尋「こんな時こそ超高校級の美化委員の腕の見せ所じゃないかな」

高須「しれっと責任押し付けるなよこの野郎」

理科「はは……竜児先輩がシャレにならない顔してるので、真尋先輩がやって下さい」

理科「この完全密閉容器をあげますから缶ごと詰めて海にでも流してくださいよ……」

真尋「分かった」

真尋(せっかくだし保存して持ち歩いておけば何かに使えるかもしれない)


【自由行動:9日目】

真尋「朝食の片づけも終わったしひまだなー」

真尋「催涙ガス発生缶みりん風味入り志熊作タッパーはちゃんと持ったし」

真尋「また誰かと一緒に過ごそうかな」

真尋(いま暇そうにしてるのは、春海、高須、東雲、琴浦だな)


↓ 春海・高須・なの・琴浦から選択、最初に2票入ったキャラが選ばれます


高須……は怒らせたばかりだから東雲のところに行こう。



【保健室】

なの「どうかしましたか?」

真尋「少し暇つぶしにね」

なの「うふふ。いいですよ。ちょっとお話しましょう」

東雲と和やかに世間話をした……。

東雲と少し仲良くなれたみたいだ……。

真尋「東雲、これ使わないか?」

つ ユビキタス手帳

なの「ありがとうございます! ちょうど手帳が欲しかったところだったんです」

なの「そんな親切な八坂さんがわたし、大好きですっ!」

ここまで喜んでもらえるとあげたこっちまで嬉しくなるよな……!


真尋「ところで何で手帳欲しかったんだ?」

なの「あっ、それはですね」

なの「わたし、マネージャーになろうと思うんです」

真尋「また唐突だな」

なの「それでスケジュール管理の手帳が必要だなと思ってて」

なの「部屋にあるメモ帳で妥協しようかなと悩んでいたら、八坂さんがまるで見透かしたようにプレゼントしてくれたんです」

真尋「役に立てたようでうれしいよ」

真尋「そのスケジュール管理って僕たちの運動のスケジュール?」

なの「はい。でもとりあえずは希望者だけにしようと思ってますよ」


なの「そうそう、昨日の夜、わたしがマネジメントの勉強してるのをどこかで聞きつけたキリトさんが部屋を訪ねてきました」

真尋「キリトが!? 何かされなかったか!?」

なの「クロダイのムニエルのお代に自分の特訓メニューを組んでくれって頼まれました」

真尋「組んでやったのか?」

なの「せっかくなので、実験台に……」

真尋「実験台!?」

なの「『超高校級のアスリートマネジメント』という本を参考にしたら、普通の人には過激すぎるメニューができてしまったんですよ」

真尋「今ごろ武道場で苦しんでそうだな……」

なの「わたしはきっとついて行けてると思いますよ? だって、」

キリト『すごい……これは素晴らしいぞ! ハッハッハー!!』

なの「って去り際に言ってましたから」

真尋「そいつ本当にキリトか……? いや、あいつならあり得ないこともないか……?」

真尋「東雲は本当にすごいなぁ……」

なの「ただみんなのお役に立ちたいだけです」

なの「八坂さんも悩みとか不安なことがあったらわたしに話してくれてもいいんですよ?」

真尋「悩みか……」

東雲の優しい口調で促されると何となく素直になってしまう。

これが保育士の才能なのか……?

真尋「うーん。なんか最近……気分が悪くなることが多いんだ」

なの「催涙ガスのせいじゃないですか?」

真尋「さっきの話じゃなくて」

なの「八坂さんは邪神ハンターなんですよね」

真尋「ああ。精神的に打たれ強いくらい位しか発揮できてないけどな」

なの「それでもきっと……この生活でストレスは溜まってると思うんです」

なの「ちょっとそこのベッドに横になってみてください。子守歌を歌ってあげます」

真尋「子守歌? この歳にもなって恥ずかしい」


なの「いいからいいから」

言われた通りベッドに横になった。

清潔なシーツのにおいがする。

なの「ふーんふふーん、ふーんふふーん♪」


真尋「……」


あれ……?


なの「~~♪」



意外と眠くなってきた……。




なんとなく、気が楽になったような……。





モノクマ「居眠りは許しまへんで!!」ピョーン

真尋「うわぁっ!!」

なの「きゃっ!?」

モノクマ「居眠りは規則違反だよ!」

なの「むー。邪魔しないでくださいよ」

モノクマ「規則違反は規則違反だからね! 注意しに来てあげただけでも感謝しろよ!」ヒョコン

なの「はぁ……」

真尋「びっくりした……」

なの「少し気分は良くなりましたか?」

真尋「不思議とね」

なの「今度は八坂さんのお部屋で歌ってあげます」

真尋「いや、いいよ! 僕ももう大人だしさ!」

なの「八坂さんがよかったらいつでも甘えてもらって構いませんからね♪」ニッコリ


【Info】
スキル『メンタルケア』を入手しました

『メンタルケア』…学級裁判で正解するたびに集中力が0.5回復する(自動)


【食堂】

きょろきょろ。

真尋「よし、いない」

琴浦「誰が?」

真尋「わっ! ……琴浦か」

琴浦「高須くんにはちゃんと謝った方がいいと思うよ」

真尋「そうする……」

琴浦「それより、あの、八坂くん」

琴浦「一緒にお茶でもどう?」

琴浦「その……おとといは志熊さんの一大事で流れちゃったから……」

真尋「ああ、構わないぞ。僕もちょっと小腹が空いてたんだ」



琴浦とお茶菓子を食べる。

琴浦「……」モグモグ

真尋「……」パクパク

琴浦「……」ゴクゴク

真尋「琴浦はお金持ちだったよな? このお菓子とか、ここの食べ物って正直どう思う?」

琴浦「八坂くんの作るごはんは美味しいよ」

うっ……質問の意図を見抜かれた。

琴浦「カオスクッキングが失敗した時は私たちには出さないし」

真尋「ああ……。次は成功して見せる」

琴浦「やめるっていう選択肢はないんだ……」

真尋「無い。これはきっと義務なんだ」


琴浦「さっきの質問の別の答えだけど、私は普段自炊だからそんなに舌は肥えてないの」

真尋「自炊してるんだ……。じゃあ朝食当番しても良かったんじゃないか?」

琴浦「手料理は今度作ってあげる」

またバレた……。

真尋「なんか琴浦と話してるとたまに怖いんだけど」

琴浦「えっと……気分悪くしちゃった?」

真尋「そんな事無いよ。ところでこれいらないか?」

つ エリート塩

琴浦「絶対気分悪くしてる!」

真尋「受け取ってくれないか」

琴浦「うん……代わりに捨てておくね」

真尋「ふっ、今回は読めなかったみたいだな。僕はこの塩を使って手料理を作ってほしがっているという事に」

琴浦「分かってても信じたくなかったの!」

真尋「でもそれ普通の塩だろ?」

琴浦「普通じゃないよ!? これ、人の汗から作ってるし……。それに十神なんて……」

真尋「まさか十神家の御曹司と面識があるのか?」

琴浦「うん。何回か会ったよ……。どんな相手でも本気で見下してるような人だから私は大キライ」


真尋「今のは冗談だ。僕は別に気を悪くしてないよ。だって『メンタルケア』あるし」

琴浦「ごめん。八坂くんの言ってることがよく分からない」

真尋「こう顔に出したことをビシバシ言い当てられる経験が今まで無かったからな」

真尋「そのクセやめた方がいいぞ。僕が見抜かれやすいのもいけないんだけどさ」

琴浦「私は一回あるよ。昔、あるエスパーの人に何でも見抜かれて……。あの時は怖かったな……」

真尋「怖い経験したんなら自分は尚更やめた方がいいんじゃないか……?」

琴浦「それができればいいんだけど……」

琴浦「それでね……その人も、十神君も、今希望ヶ峰の生徒なんだ」

真尋「へえ、不思議な事もあるもんだ」

琴浦「だから本当は……おじいさまには悪いけれど、希望ヶ峰の人でも私とは仲良くなれないと思ってるの」

真尋「そうか……」

真尋「でも、希望ヶ峰の人間じゃないけど、僕はもう琴浦とは仲良くなれたと思ってるけどな」

琴浦「……うん、そう言われると嬉しいよ」

表情が分かりやすい側の僕でも、今の琴浦の表情は沈んでいると分かった。

僕はまだ友達と思われて無いのかな……。だとしたら残念だ……。


バタバタ

レナ「真尋くん! 春香ちゃん!」

食堂に竜宮がひどく慌てた様子で駆け込んできた。

真尋「ど、どうした?」

レナ「マミちゃんどこにいるか知らない!?」

琴浦「巴さんならさっき椎名さんとグラウンドにいるのを見たけど、何かあったの……?」

レナ「出た……」

真尋「……?」

レナ「魔女が出たんだよ!!」


【医療センター前】

竜宮の言った通り、医療センターの壁面には魔女の卵――グリーフシードが刺さっていた。

今は竜宮が巴を呼んでくるまで見張りをしている。

グリーフシードから噴き出す瘴気がたまに勢いを増すのを見るたびに、思わず身震いしてしまう。

僕では全く歯が立たなかった大道具倉庫の魔女……。

あの時感じた死の危険は、僕の中に強く刻まれていた。


マミ「お待たせ!」

QB「これは間違いなく魔女だね」

マミ「竜宮さん、良く教えてくれたわね……! 八坂くんも見張りありがとう」

レナ「どうかな……倒せそう?」

マミ「ええ。でも結界の深部にいるわ。時間がかかりそうね……」

QB「マミ。1人で大丈夫かい?」

マミ「ええ。いつもそうだったじゃない。負けるもんですか」

レナ「大変そうだったら手伝うよ?」

マミ「危険に巻き込むのは……いえ」

マミ「そうね……。竜宮さんにも魔法少女の素質があるんだものね。他人事じゃないわ」

マミ「魔法少女見学ツアーって事でついてきてみる?」

レナ「うん、頑張っちゃうよ!」

竜宮はバールのようなものセットから持ち出してきていた鉈を威勢よく一振りしてみせた。

マミ「八坂くんはどうする? あなたは一度魔女に襲われているから、無理に来てとは言えないけれど……」

真尋「邪魔にならないなら僕も行くよ。女子2人が頑張ってるのにほっとけない」

マミ「八坂くんならそう言ってくれると信じてた……助かるわ」

マミ「じゃあ、2人とも、準備はいい?」

真尋「フォークは……OK、揃ってる」

レナ「いつでもいいよ!」

巴の持つソウルジェムが輝きを放つ。

医療センターの壁がじわじわと闇に溶け、僕たちの周囲を覆い尽くしていった……。


【???】

一般的な人間ならあっという間に正気を失うだろう。

どこを見ても異形しかない。

方向感覚すら狂いそうな異空間に僕らは立っていた。

マミ「キュゥべえ、魔女は?」

QB「まだ孵化はしていないね。でも急いだ方がいい」

マミ「2人とも、しっかりついてきてね。はぐれたら命の保証はできないわよ」

奇妙な空間を3人で歩く。

レナ「なんだかわくわくしてきた!」

真尋「あんまり前に出るなよ竜宮。ここの敵は下手したらモノクマより危険だからな」

レナ「はうっ! かぁいいのがいるー!」

見ると、ひょこひょこと歩いているネズミ型の使い魔がいた。

マミ「ちょ、ちょっと竜宮さん! それは!」

レナ「お持ち帰りー☆」ギュウウ

使い魔「……!」ジタバタ

使い魔を捕獲していた……。

レナ「あっ!」スポッ

使い魔「(汗)」スタタタ

そんな竜宮に恐れをなして使い魔が逃げ出した……。


真尋「こんなこともあるんだ……」

QB「使い魔も魔女も性格は千差万別だからね」

マミ「同じ使い魔でも個体差があるわ。つまり、今回は運が良かっただけよ……」

マミ「もしも好戦的な使い魔だったら危なかったわね」

真尋「巴、前!」

目の前に現れたのは好戦的な使い魔。

ぴょんぴょんと跳ねて僕たちを威嚇(?)している。

マミ「早速ね……。こんなに早い段階で変身しないといけないだなんて」

レナ「待て待て~!」

使い魔「(汗)」ツゲグチ

使い魔たち「(驚)」

使い魔たち「(怖)」ピューッ

マミ「あれ……?」

最初の使い魔に竜宮の事を聞いた瞬間、使い魔たちは散り散りになって逃げ出してしまった。

QB「彼女の素質は素晴らしいね」

真尋「それは関係なくないか……?」


真尋「ところでさ、魔女に名前ってあるのか?」

マミ「結界の中に書かれていることはあるけど……私たちには読めないから、便宜的に特徴で呼ぶことが多いわね」

マミ「例えばこの間の魔女は、美術品の多い部屋に現れたから『芸術家の魔女』と言った具合にね」

レナ「ここのは何だろ? ドロドロの魔女?」

マミ「いえ……。注射器や薬のモチーフは医療センター、ネズミはゴミ山と考えると、ここの魔女は……」

レナ「あ! クッキーやケーキが転がってる! 食べてもいいかな、かな!」

真尋「絶対に駄目だろ。薬混じってたらどうするんだ」



QB「お菓子の魔女、と言ったところだろうね」



今晩はここまでです。
なのと琴浦さんだけヒロイン力がやけに高い……他の女子にもスポットを当てていきたい。

次回。果たして真尋のフォークはお菓子の魔女に刺さるのか。レナは奇跡を起こせるのか。
更新は3日後だと思われます。

感想ほかありましたらどうぞー。

鏡子が“パンツを脱ぎ捨てた”のである。


校則通りの膝丈のスカートの中に手を入れてそこから出てきたのは、彼女の地味な外見からは想像もできないほど扇情的な下着であった。
なんでもないことのように普通に脱いでみせると彼女はそれを地面に落とす。びちゃと、まるでよく水を吸った雑巾が落ちたような音がランサーの耳に届いた。
これが何を意味するのか、例えればそれは『武士が鞘から刀を抜く』、あるいは『ボクサーがグローブ』を外す等ということに相当する。

「ンヒィ……や、…………やめ、は……ひゃあぁぁあああああ!!!」

圧倒的性的暴力の予感に険しさを見せたランサーの顔は、気づけば泣き笑いのようなものへと変じていた。


  Ж Ж Ж


「おぎょおおおおんほおおおんおんおんんんんんんんうぅんひぃいいいいいぃぃぃっっ!!!!」

最早この世のどんな生き物の鳴き声にも聞こえない悦叫が夜の中に木霊する。
自らが吐き出した精液の水溜りの中で仰向けにチンチンのポーズを取らされていたランサーは只今絶賛逆レイプの真っ最中。
パンツを脱ぎ捨てた鏡子に『騎乗』され、ただただ彼の存在そのものを溶かして精液を吐き出し続けていた。

彼の『槍』が“それ”に飲み込まれた時、その瞬間、彼は自らの心象風景の中に“涅槃”を見た。どこまでも透き通った世界。真の常楽我浄。
だが、次の瞬間快楽地獄に落とされる。正常な意識を保てたのは1秒を半分に割ること数十回分ほどで、刹那の間に彼の思考は快楽に溶けた。

「私はね……君にいっぱい気持ちよくなってもらいたいだけなんだよ♪」

ひたすらに精を吐き出す彼の上で鏡子は自らも快感を得ながら『バラタナティヤム(インド舞踊)』の様に彼の上で踊る。
人が快感を得るのは性器からだけだろうか?
いやそうではない。それ以外の場所でも性技が達者なら快感は生まれる。まして、鏡子がとなれば全身に性感を覚えない場所はない。
鏡子の指先が様々に形を変え、擦り、摩って、摘まみ、なぞり、擽り、押して、掻いて、扱けばランサーは応じて精を吐く。
鏡子が舌先に唾液を湛え、舐めて、吸って、噛んで、挟んで、浸して、吹きかければランサーは益々もって精を吐く。

生存報告です。

色々考えましたが、ようやく連投埋めだけ禁止になったようなので、ここで続けようと思います。

書き溜めがないので遅くなりますが完結はさせたいと考えています。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月13日 (土) 10:33:47   ID: 3oDqwM0d

何があった……

2 :  SS好きの774さん   2014年10月09日 (木) 10:17:22   ID: a6gR2Z8X

生存報告キター!
ありがとう作者、ありがとう本スレで支援してた方々。

3 :  SS好きの774さん   2016年08月10日 (水) 15:54:12   ID: qGXBEvMP

今でも待ってるのでまたいつか続きを書いてくれると嬉しいです。

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