【安価&コンマ】新たな魔法使いが生まれた【仮面ライダーウィザード】 (449)

今宵、新たなる魔法使いが生まれる。
貴方は、どの様な物語を歩むのか?

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405593294

期待

え~皆様初めまして、初スレ立ての身で色々と至らない事もある奴ですが学びながら進行していきたいと思います。
其れでは、よろしくお願いします。



まず、ちょっとした安価


この世界にウィザード、ビーストは居る? または誕生する?

1:二人とも既に誕生している
2:二人とも誕生していない
3:ウィザードが既におり、ビーストは誕生していない
4:ビーストが既におり、ウィザードは誕生していない
5:二人とも誕生しない世界
その他(主人公以外のファントムと戦う魔法使いの有無について)

下1で

あ、それとsage外した方が良いと思うよ
人が気付かないだろうし

なるほど……既に古の魔法使いが誕生しているのですね。
それでは、貴方へいくつか質問をしてみましょう。


貴方は男性ですか? 女性ですか?

1:男性
2:女性

下1



sage外し忘れてるよ

おう、早速やってしまいましたと出来ればひっそりやっていきたいジレンマ――
とにかくありがとうございます。

なるほど、貴方は男性ですか。
それでは……お名前を教えてください



下1(振り仮名もお願いします)

市川 譲司(いちかわ じょうじ)

すいません、sageの外し方が解らず、少々お待ちください。

いえ、もう外れてますよsage

私は何をやっているんだ――



市川譲司、素敵なお名前ですね。
それでは貴方のご年齢を教えてください

下1(20歳から45歳まででお願いします)

33

ほう、33歳ですか。


それでは貴方のご家族は?

1:居る(家族構成も出来れば)
2:居ない


下1

祖父母と
両親と妻と子供二人

なんとっ!? 大家族ですね……幸せな家庭を気づいていそうです。
色々と聞きたい事もございますが……まずは貴方自身についてを深めていきましょう。


では、貴方はどのような人物ですか?

下1から5まで

家族思いの優しい父親

家族が第一

人望が厚い

ハンサムでダンディーなサングラスかけたおじさま

ギャグが寒いのがタマにキズ

ふむふむ、家族思いの優しいお父さんで人望も厚くハンサムかつダンディーなサングラスをかけたおじ様、
ギャグが寒いのがタマにキズ。 中々面白い人物の様ですね。


それでは……魔法使いとしての貴方も聞いていきましょうか。


コンマが入ります。(シングルチェックの左側です。)
少々お待ちください。

おk

まずは身体能力(後半は変身状態の文ですが、あくまで目安です)

1:極端なもやしか、太めの肉体か、とにかく運動が苦手の様です 変身してグール1体と戦える程度か?
2:運動事が苦手、喧嘩もした事がないか? ファントムを相手に何処まで太刀打ちできるか?
3:常人に比べ、若干体力がないようだ。 戦う際には如何に魔法を扱うかが鍵だろう。
4:普通、どんな運動テストを受けても並みの結果が出るでしょう、変身すれば並みのファントムとは互角に戦えるはずだ。
5:若干運動が得意か、荒事にも多少慣れている事だろう。 グールを出してきたファントムとも戦えるだろう。
6:運動が得意、どんな運動も人並み以上にこなしてきた、並みのファントムなら問題なく倒せる事だろう。
7:アマチュアの中でも一際輝く身体能力、荒事にも慣れているだろう。 上級ファントムにも迫れるはずだ。
8:貴方はプロ級の身体能力を持っている、どのスポーツ界でも活躍できるだろう。 上級にも互角以上に戦える筈だ。
9:イレギュラー、貴方は変身せずともファントムとも互角以上に戦える異質な存在。
ファントムも人間も貴方を放っては置けないだろう。 変身した貴方を倒すのは至難の業だ。
0:イィィィィンフィニティィィィッ!!



魔翌力(数値によりファントムの強さも変わる、所持指輪にも関連します)

1:しょぼい、しぼすぎるっ!! なぜ魔法使いになれたのだろう? 変身を維持するだけで精一杯だ。
2:かなり、低い、変身の維持を除けば1度か2度、魔法を使えれば良いほうだ。
3:低い、が使える魔法が多いかもしれない
4:普通だが、エレメントチェンジ出来るリングを有している。有効に活用しよう
5:普通より少し高いが……エレメントチェンジ出来るリングが一つのみ、どうするべきか?
6:高い、使える魔法もそれなりだ。
7:少し高い、エレメントリングも二つ有しており、エレメントに合わせた指輪も持つ。
8:かなり高く、かの指輪の魔法使いのように四つのエレメントにチェンジできるが、多大なる危険もはらんでいる。
9:イレギュラー、貴方の魔翌力は強大だ、それに秀でている特殊能力がいくつかある。
貴方から生まれたものは何時でも貴方を狙っている。
0:イィィィィンフィニティィィィッ!!



身体能力 
下1


ハンサムダンディーにより、+1


魔翌力
下2

強い(確信)

これ身体のみ+1?それとも両方?

……9と0、かなり強力な魔法使いが生まれました、しまいましたの間違いでしょうか。
それでは0を含めた処理を


個人的なドライバー安価

1:ウィザードや白魔、メイジの様な手の平型(レバー切換え型)
2:魔法陣を模したドライバー、レバー切換えの必要なしなベルト

下1


魔翌力インフイニィティー特典

貴方の中のファントムが友好的
初期リング2個に加え1の1d10と1d6による追加リング
決めていない強化フォーム解放。

ダイスは少々お待ちください。

+1されてイレギュラーにそこそこ強い魔翌力か・・・絡め手使わずに正面から戦っても勝てるな

あ、すいませんハンサムダンディーを忘れていた……疑似クリも合わせてお待ちください。

あ、↓1と2って↓の1ケタ目と2ケタ目か
安価なら2

ああ、10の位のか・・・アカン化け物や!!

きっとCV若本やな…

Wイィィィィンフィニティィィィッ!!かww

>>36なるほど、バルバトスに変身するのか・・・アカン

こいつラスボスじゃなくて主人公なんだぜ

ハンサムでダンディーで家族思いでサングラスで若本…どっかでそんなキャラいたような…

魔翌力インフィニティはおそらく、自分の中のファントムを力で螺子伏せたんだよ・・・

ドライバー安価は2ですね、かしこまりました。


ダイスの結果、1d10が0(10として扱う) 1d6が5で合わせて15個。
……強化フォームのリングも含めてよろしいでしょうか?
疑似クリは……ちょっ考えただけだともう一つの強化フォームかな? っと。

それでは色々含めた安価を

強化フォームのリングも含める?

1:含める
2:含めない


下1



疑似クリ

もう一つの強化フォーム?

1:そうしよう
2:そうしない
その他:まあ待て、私にいい考えがある!!


下2

1

2
むしろ、劇場限定フォームwwwwww(って、結局ないよう1じゃねぇか!!

魔翌翌翌力だのインフイニィティだの私はいったい何をやっているんだ(呆然)

あ・・・2じゃなくて、その他だすまん間違えた

強化フォームのリングを含めて、疑似クリは劇場版限定フォーム……後者まで行けるか? だが頑張ろう。


とりあえず間違いはお気になさらず、私も色々間違えたりなんやりしてますし、お互い助け合って、
むしろ私を導いて(あれ)


――次はファントムと魔法リングの安価を
ファントムは私の学がないせいで、パッと出されても解らないかもしれませんが、
きちんと調べつつ書いていきます。


さて、市川さんに生まれたファントムは?

名前およびモチーフを
下1~10まで






初期リングはドライバーオンと、ノーマル属性のスタイルに変身するリングのみです。
ファントム安価の次にやるので多少考えておいてください。
原作に登場したリングでもOK。
(ただしウィザードのスタイルチェンジに関するリングやビーストのマントに関わるリングは除外します)


原作登場のリングは名称のみで大丈夫です。
オリジナルの場合は名称と、効果をお願いします。

ヌーリカーべ 妖怪ぬりかべ

麒麟

リヴァイアサン

ヘルフェンリル モチーフは北欧神話のフェンリル

テュポーン (テュポエウス) 

ウロボロス

う~ん、さすがに10までは遠かったでしょうか?

ケルベロス 名前はワイルド

ガルーダ

多いかもね、だが入れる
八岐大蛇(やまたのおろち)

ケツアルカトル

ルシファー

はい、其処まで、安価準備しますので少々お待ちを。

黄龍

ところで何体か原作ウィザードに出たファントムがいるけどやっぱ除外される?

市川さんに生まれたファントムは?

1:ヌーリカーベ(妖怪ぬりかべ)
2:麒麟
3:リヴァイアサン
4:ヘルフェンリル(フェンリル)
5:テュポーン(テュポエウス)
6:ウロボロス
7:ケルベロス(ワイルド)
8:ガルーダ
9:八岐大蛇
10:ケツアルカトル
おまけ:ルシファー



其れでは
下1から3票入ったものに。

5

2

1

おまけ

62さん


確か神話と違う形で生まれたファントムも居た筈ですので基本的にOKです。
まぁ本編とは違う世界ですし、私の腕もあまりないですから、被っても違う形で出しましょう。

2

5

ストップ、5に3票入りましたね、実は一番気になってましたテュポーン(テュポエウス)。

5だな

あげといて何だが意外だぜ…

仮面ライダーの安価スレは見てる奴がゴネたら安価とか無視していいらしいから、今から全部やり直そうぜ
強すぎてつまんない

でもテュポーンって実際見るとすっげー強い怪物だし、この貴方ならしっくりくるんじゃね?

確かにつまんねぇな、やり直しに一票

初めからのほうがよくね?最初から強いと萎えるぞ

主人公が強い(敵が弱いとは一言も言っては居ない

これはやり直しですわ、こいつラスボスにすればいいし

まあどっちもパパンってことなら共通しているところあるからな。

わかりやすい単発自演だなー…

>>81
それならコンマの意味ないだろ

やり直しで

77さん

まだ初めてすらいませんので……其れに、こっちが強いなら、向こうも強くすれば、なんて行ったら
良いんですけど、とりあえずテュポーンのwikiを見てもキマイラのお父さんと言うとても面白い記述もありますし、
何より、僕がやってみたいです。 出来る限り面白くする努力をいたしますので、やらせてください。

おら早くやり直せよ、555スレでやり直すのは良いってテンプレが生まれてるんだぞ
読者の意見を尊重しろよ

>>84
だな

まぁ待て、てつをみたいな蹂躙劇で楽しむスレでも良いんじゃないか?

>>86
お前の意見聞いてないだろ、さっさとやり直せ

やり直すのか、まぁ能力値的に仕方ないわな

普通にこのままいっていいんだぜ。
そのさらに上の敵を作ってしまえばいいのだよ。

自演乙、単発の意見は無視していいですよ

強いからやり直すし、弱くてもやり直しだし、普通でもやり直しだからな

同じ仮面ライダー安価スレの先人がやった事たかし従ったら?

続けますね。

市川さんに生まれたファントムはテュポーン。


其れでは魔法リング、初期リングの二つの加えて14個(強化フォームリングは後で行います。)

それでは
下1から14まで

ほら早くやり直せよ夏厨wwwwww

はよ次やろう

>>96
やり直せっていってるだろ

エアロリング

空気の塊を作り出し相手にぶつけたり、足場にしたり壁にしたりできる。
連射性が高く、攻撃自体が空気の塊なので見切りにくいのが特徴。

サイクロンリング

ミラージュ

1さん
面倒ですしやり直してやってはどうですか?

ケラウノスリング

おら糞みたいなキャラ消してやり直せよ、俺は読者様だぞ

ロックリング

バインドよりも太めな鎖で相手の自由を奪う

プレッシャーリング
超圧縮で相手を潰す

ブリンクリング 短距離瞬間移動

またウィザードか
初心者とかいいながら前と同じ事すんだろ?もういいから[ピーーー]

ディフェンド

機内モードパチパチするこっちの身にもなれよー

ミスト 霧化

パニックリング
自身より圧倒的に格下の相手を恐慌させる

やり直しませんか?

サウンドリング 音を操る

アタックリング
単純に筋力強化

>>114

で、前スレさっさとhtml化依頼しろよ
ゴミスレさっさと消せ

リングは後4つで特典はそのままに、後でやり直するか否かの安価を取ります。

いい加減にしろよ、さっさと消してこい

それよりこっち見ようぜ、面白い

【安価&コンマ】もう一つの魔法使いの物語【仮面ライダーウィザード】
【安価&コンマ】もう一つの魔法使いの物語【仮面ライダーウィザード】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405257568/)


やり直したらその連中がつけ上がるだけ、やるだめ無意味

インパクトリング
超強力な打撃を与えるリング
攻撃の他にも硬い物の破壊等に適している

連中って言うか自演だから無視すりゃいいのに

>>122
もうやり直した事あるからね?安価やコンマは気に入らないなら作者叩いて改変すればいいって前例が出来てるんだから仕方ないんだよ

参照スレここな
【仮面ライダー555】貴方「疾走する本能」【安価・コンマ】
【仮面ライダー555】貴方「疾走する本能」【安価・コンマ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404084987/)

やり直し!やり直し!

とりあえずリングは後二つです。

>>119
まあ無駄だわなやり直しても

ハイドロ 液体化

面倒くさいな、やり直したら黙るならさっさとやり直して欲しいわ

>>128
やり直したら黙ってやるよ、シドに誓うわ

(やり直しはしなくてもいいと思うの)

ボンバーリング 爆発操作

サンダーリング

やり直し!やり直し!

ビームリング
魔翌力をビームにして放つ遠距離攻撃翌用

お前ら強キャラの時は必死で援護するのなwww
雑魚の時は口そろえてやり直しさせる癖にwwwwww

リングはあと一つです。


とりあえずやり直すかはリング安価終わったらで。

もう末尾O規制しろよ面倒くさいな

考えてみろ、ここで>>1が更なる前例を作れば安価は絶対とかいう馬鹿が居なくなるんだぞ?

リング安価、終わり、情報まとめますのでお待ちください。

S速を救うと思えば安いだろ、やり直せばいいさ

ところで、やり直す事になったらリング安価無駄になるけどやる意味会ったの?

勢い他のスレに比べて二倍くらいあるのな、ワロタわ

記念age

で、やり直すなら次スレいるよな
建ててきてやるよ

建ててきたぞ

【安価&コンマ】新たな魔法使いが生まれた【仮面ライダーウィザード】
【安価&コンマ】新たな魔法使いが生まれた【仮面ライダーウィザード】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405602514/)

>>146
流石にそれは擁護出来んわ

新スレにテレポート<ナウ

ここまで哀れな>>1は久しぶりに見たわ

>>146
何やってんだこの人…

いいこと考えたわ、スレ建て代行制度
どれだけ書こうが2ヶ月で強制的に落ちるから逃亡にも優しいし、作者も早く書かなきゃいけないから緊張感がでるだろ

ひくわー

無視、無視、こういうのは放っておくにに限る

早く安価はよ

とりあえず、まぁ、なんだ…
>>1頑張ってくれ。

安価やり直すとかs速で常識だろ
>>1夏厨不可避

俺は>>1を応援する

>>1の正しい判断に期待してるわ

>>1はよ

俺のおかげでこんなにスレが伸びてる
>>1も喜ぶだろうな

ぶっちゃけ、1ヶ月くらい時間あけてから建て直すのが一番いいと思うぞ

>>1さん今日は帰ってこなくていいですよ。
キチガイに、構うだけ時間の無駄です

まとめるのに時間掛かりすぎだろ、才能ないよ

基地外にかまわず頑張れ

>>1は早く安価やれよ、トロすぎるわ

やべ、自演ミスった

基地外は[ピーーー]!
このやりとり見る度に気分が悪くなるから、>>1は別スレでやり直したら?設定だけ持って行けばいいでしょ

ぶっちゃけウィザードってクソだよな、フォーゼ以下

なんで今回の映画はウィザードでやらないのか
晴人はサッカーが上手いのに

仮面ライダー勢って誰も禁書勢に勝てないよなwww正義の味方()

10レス以上俺しかレスしてない
ここは俺のステージだ(迫真)

ところでなんで仮面ライダーって終わらないの?
此処最近クソみたいなのしかつくってないじゃん

あー、飽きてきたわ
そろそろ辞めるわ、お目汚し失礼

リングまとめ

初期リング

1:ドライバーオン
2:変身リング(ライダーの名前を付けます)

追加リング

1:エアロリング

空気の塊を作り出し相手にぶつけたり、足場にしたり壁にしたり出来る。
連射性が高く、攻撃自体が空気の塊なので見切りにくいのが特徴

2:サイクロンリング

効果考え中、効果あれば説明をお願いします。

3:ミラージュリング

効果考え(以下同文

4:ケラノウスリング

効果(以下--

5:ロックリング

バインドよりも太い鎖で相手の自由を奪う

6:プレッシャーリング

超圧縮で相手を潰す

7:ブリンクリング

短距離瞬間移動

8:ディフェンドリング

スタイルのエレメントに応じた防壁を生成する。

9:ミストリング

霧化

10:パニックリング

自身より圧倒的格下の相手を恐慌させる。

11:サウンドリング

音を操る

12:アタックリング

単純に筋力強化

13:インパクトリング

超強力な打撃を与えるリング
攻撃のほかにも硬い物の破壊などに適している。

14:ハイドロ

液化


こんな所ですね、オーバーしたリングはストックとして保存します。
次は強化フォーム、の前に大事なライダーの名前をとります。



市川さんが変身する魔法使いの名前を募集。

下1から3まで

ウォーロック

シャーマーン

ウォルター

ち、全部俺が取れると思ったのに

ストップ。


ウォーロック、シャーマーン、ウォルターですね。

それでは安価を取ります。

1:ウォーロック
2:シャーマーン)
3:ウォルター

下1から5まで
先に3票入ったもので。

ウォルター

ウォルター

1

1で!

2

今からでも遅くないからクウガスレにしようぜ

ところで今期何見てるの?
俺はとりあえずプリヤ見てるけど

ストップ。

市川さんが変身する魔法使いの名は「ウォーロック」となりました。
変身リングも「ウォーロックリング」になります。


後は強化フォームの安価だけですよね?
まずは残った安価だけ決めましょうか?

まぁ1も俺だしいいや

あとは職業とか決めた方がええんでないかな?
このままだと無職の最強なおじさんになっちゃうし

さーて、安価とるぞー

191さん

アニメでの話でしたら、今期やっているペルソナ4だけです。

とりあえず安価すらまともにできない奴は[ピーーー]

>>174

>>102か 幻影作成(光学的な)で

突然ですが宣伝です!

文句があればこのスレまで!

加蓮「サイレントヒルで待っているから。」
加蓮「サイレントヒルで待っているから。」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401372101/)

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>>494>>495>>496>>497>>498>>499>>500

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文句があればこのスレまで!

加蓮「サイレントヒルで待っているから。」
加蓮「サイレントヒルで待っているから。」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401372101/)

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194さん

おっと、コンマ決めたらやるつもりだった職業も忘れてました。ありかどうございます。
職業安価は1~5までの強化フォーム安価の後で取ります。


其れでは強化フォーム安価。

強化フォームのエレメントは?

1:火
2:風
3:水
4:土
5:その他(ノーマルの発展なども含みます)

下1



強化フォームの特徴を教えてください。
(エレメント安価が決まった後でお願いします)

下2~6




フォームと、書いてましたが、名称は何でもアリですビーストもハイパーですしね。
名称は職業と一緒にとります。

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>>72>>73>>74>>75>>76>>77>>78>>79>>80>>81>>82>>83>>84>>85>>86>>87>>88>>89>>90>>91>>92>>93>>94
>>95>>96>>97>>98>>99>>100>>101>>102>>103>>104>>105>>106>>107>>108>>109>>110>>111>>112>>113
>>114>>115>>116>>117>>118>>119>>120>>121>>122>>123>>124>>125>>126>>127>>128>>129>>130>>131
>>132>>133>>134>>135>>136>>137>>138>>139>>140>>141>>142>>143>>144>>145>>146>>147>>148>>149>>150
>>151>>152>>153>>154>>155>>156>>157>>158>>159>>160>>161>>162>>163>>164>>165>>166>>167>>168
>>169>>170>>171>>172>>173>>174>>175>>176>>177>>178>>179>>180>>181>>182>>183>>184>>185>>186
>>187>>188>>189>>190>>191>>192>>193>>194>>195>>196>>197>>198>>199>>200>>201>>202>>203>>204
>>205>>206>>207>>208>>209>>210>>211>>212>>213>>214>>215>>216>>217>>218>>219>>220>>221>>222
>>223>>224>>225>>226>>227>>228>>229>>230>>231>>232>>233>>234>>235>>236>>237>>238>>239>>240
>>241>>242>>243>>244>>245>>246>>247>>248>>249>>250>>251>>252>>253>>254>>255>>256>>257>>258
>>259>>260>>261>>262>>263>>264>>265>>266>>267>>268>>269>>270>>271>>272>>273>>274>>275>>276
>>277>>278>>279>>280>>281>>282>>283>>284>>285>>286>>287>>288>>289>>290>>291>>292>>293>>294
>>295>>296>>297>>298>>299>>300>>301>>302>>303>>304>>305>>306>>307>>308>>309>>310>>311>>312
>>313>>314>>315>>316>>317>>318>>319>>320>>321>>322>>323>>324>>325>>326>>327>>328>>329>>330
>>331>>332>>333>>334>>335>>336>>337>>338>>339>>340>>341>>342>>343>>344>>345>>346>>347>>348
>>349>>350>>351>>352>>353>>354>>355>>356>>357>>358>>359>>360>>361>>362>>363>>364>>365>>366
>>367>>368>>369>>370>>371>>372>>373>>374>>375>>376>>378>>379>>380>>381>>382>>383>>384>>385
>>386>>387>>388>>389>>390>>391>>392>>393>>394>>395>>396>>397>>398>>399>>400>>401>>402>>403
>>404>>405>>406>>407>>408>>409>>410>>411>>412>>413>>414>>415>>416>>417>>418>>419>>420>>421
>>422>>423>>424>>425>>426>>427>>428>>429>>430>>431>>432>>433>>434>>435>>436>>437>>438>>439
>>440>>441>>442>>443>>444>>445>>446>>447>>448>>449>>450>>451>>452>>453>>454>>455>>456>>457
>>458>>459>>460>>461>>462>>463>>464>>465>>466>>467>>468>>469>>470>>471>>472>>473>>474>>475
>>476>>477>>478>>479>>480>>481>>482>>483>>484>>485>>486>>487>>488>>489>>490>>491>>492>>493
>>494>>495>>496>>497>>498>>499>>500

飽きた

俺には安価爆撃の何がおもしろいか判らないわ

スピード特化
飛行も可能で、3次元的な攻撃が得意

嵐を身に纏う

あぼーん多すぎワロタ

そして結局劣化Wにしかならない主人公

オリジナリティとはなんだったのか(笑)

飽きたわ、300まで頑張るつもりだったけど無理

とりあえず250まで頑張るけど、後は誰かに任せた

うめー

とりあえず、やり直す話はどうなったのよ

え~ストップで。

強化フォームのエレメントは風。

特徴は

風(衝撃)を受ける事で魔翌力を回復・増幅する事が出来る
勢いをつけて動くだけで暴風が起きる
超々音速飛行
スピード特化、飛行も可能で3次元的な攻撃が得意。
嵐を身に纏う

以上で決まりました。
長々と安価申し訳ありません、あつ二つですのでもう少しだけお付き合いください。


まずは強化フォームの名前募集。

下1~3


お次に職業募集

下4~6

ここの奴らは無視できるんだな、関心関心
アイマススレやまどかスレだと絶対構ってくれるから、暇なら一回喧嘩売ってみたらいいぞ

特にさっき宣伝したスレお勧め、メ欄に全角空白とsageとsaga入れるだけで入れ食いだから

二人で一人の探偵

旅人

ティターンフォーム

ヤンキー風高校生

大学教授

無職

アルバイター

おでん屋

224さん

もう少しで終わりですので、終わったらやり直すかどうかの安価を取ろうと思います。

s速はホント天国だわ
携帯ってだけで規制されないんだもん

これだけやっても、荒巻の無能じゃ規制出来ないからな、お咎め無しすわwwwwww

すいません、職業はストップで。
強化フォーム名が229さんのティターンのみですので後二つお願いします。

サンタナ

アイオロス

テュポーンスタイル

ところで、ウォーロックだとただのオンラインゲームかロックマンなのにはツッコミいれたほうがいいの?
魔法つかいとしての正式名称はワーロックなんだけど

やっべ、俺が見てるスレの更新来てる
安価はよ

ストップ、職業とフォーム名がそろいました。


まずフォーム名

1:ティターン
2:サンタナ
3:アイオロス


それでは
下1~5で先に3票入ったもの。



お次に職業。

1:二人で一人の探偵
2:旅人
3:ヤンキー風高校生

下6~10まで
同じく先に3票はいったもの
フォーム名が決まってからお願いします。



ヤンキー風高校生と言うのは、何か理由があってそうしているんでしょうか?

お前らもっと雑談しようぜ、>>1が寂しがるだろ

>>243
それぞれW、OOO、フォーゼの主人公の立ち位置だから意味なんて無いよ
それどころかそれ全部俺だぞ?

33歳の高校生か

1

1

ゴキブリが部屋に出やがった・・・
萎えた、またな

フォーム名はティターンで。


241さん

すいません、本気で気づいていませんでした、とりあえずウォーロックのまま行こうと思います。


245さん

ご回答ありがとうございます、そうなんですか!? 何か解る方法があるのでしょうか?
よろしければ教えてください。

職業は、2の旅人で。 申し訳ありませんがそのままの旅人ですと、家族思いと矛盾するかもしれないので、
1の二人で一人の探偵とミックス及びアレンジして宜しいでしょうか?


253さん

はい、またお会いしましょう。

アホの子だった

いいと思うぜよ

良いんじゃないか

其れでは職業は2と1のミックスで行きます。
ようやく安価が終わった……みなさん、私の見通しの甘さで退屈な思いをさせてすいませんでした。


それと、皆様に相談があります。
私としてはこのまま続けていきたいのですが、161さんの言う通り一端時間を空け、
スレを立て直したほうが宜しいでしょうか? 前述の通り、初スレ立ての身で少々どうしたら良いか悩んでおります。

このままでいいぞ。

このまま

続行

別に今のままで良かろう

このまま続けるで

このコンマで勝てないような敵だした瞬間に手のひら返して批判しまくるぞ
それでもいいならどうぞ

260~264さま暖かいお言葉ありがとうございます。
それではこのまま続行、と行きたいのですが、申し訳ありません。
少し休憩を取らせてください、実は夜食もまだで――。

後は安価、コンマ無しのプロローグを休憩後に再開したいと思います。
書きあがるのはだいぶ遅い時間になると思いますので御辛いようでしたら退室し、
翌日以降のお暇な時に見ていただければ幸いです。

休憩前に改めて、皆様、退屈な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。

いやいや、>>1は悪くない。
>>1はただ運悪く変なのに絡まれただけなんや…

なにはともあれ黙々淡々と進めてくれたらえーねん。十分それでドラマになるから

ええ、自分が色々と至らぬばかりに嵐を起こしてしまった1です。
今あげるつもりだったプロローグの半分の執筆が終わりましたが、
そろそろ眠いのであげるつもりだった半分は今日の午後19時以降にあげたいと思います。


265さん


その部分も活かして巧く書いていきたいですね、市川さんは強力な魔法使いですが、
市川さんだけでは物語がシンプルになってしまいますし。


269さん

ありがとうございます。
ただ、私も見通しが甘かった事は事実で安価だけでスレの5分の1を使い、
それに見合った皆様の時間を"楽しい"に出来なかったのは私のせいです。

でも、今後とも書いていきます、間違いもするでしょうし、至らぬ事もあるでしょう
その時は遠慮なくご指摘ください。  改めまして、ありがとうございます。


270さん

ありがたいお言葉ありがとうございます。
黙々淡々と書いておりましたが、とうとつに色々アイデアが浮かび、
其れを書きましたが、明日がちょっと怖いですね。
ここに書いてしまいますが、投下の前に説明をしていきたいと思います。

ドラマにするべく、頑張っていきます。



其れでは、皆様、おやすみなさい。

(どこかではキャラクタークリエイトに1スレ使うところもあるから大丈夫大丈夫)

1です。


本日の投下についてお知らせがあります。  投下内容の下書きデータの半分が閲覧出来なくなりまして、
書き直ししかなさそうでした。  申し訳ありませんが、書き直しの為、投下時間が大幅に遅れます。

それでは、失礼致します。

律儀よのぅ
あいリョーカイ

おkです
無理はせずに

ここも不具合か 夏は壊れやすい季節なのよね

自動バックアップするソフト使えば良いのになあ

1です。

ようやく書き進めたい所まで終わったかと思いきや、日を越してしまった1です。
私は筆が遅すぎる……明日は友人との約束があるので投下は18時以降に行います。



それと、ついでに注意と言うか説明を。


一応書き進めたい所まで終わったプロローグですが、皆様から貰った安価を見つつ、
色々と案が浮かび、書いたら1的には長く付き合えそうな展開になりました。
ええ、何が言いたいかと言うと、色々と僕自身の独自解釈及び手がはいり皆様の想像と違う展開に
なると思います。 


とりあえず皆様の安価を捨てている訳では、ない、と言う事をご留意頂きたいと思います。
ご指摘も無論受け取りますとも、はい。



276さん

あ、いえ。 自分のパソコンのメールソフトに下書きを書いておりまして、
下書きが見れない時間帯があったのですが、自己完結しました。




それでは、明日18時以降、よろしくお願いします、
おやすみなさい。

乙乙
取得された安価コンマが捨てられてないなら別にどうでも
そもそもまだ始まってもいないんだし

まあとりあえず嵐の言うこと聞かないなら待てるわ

捜査依頼書



――殿。 ここ最近の行方不明者の増加の件は知っているね?
いや、今まで幾多の事件に挑んだ――の事だ。 既に調査を開始している事と思う。
私は、恐らく集団による犯行だと睨んでいる、多くの行方不明者の関連性は解っていない。
だが過去にも似た事例が起きている事は確かだ、行方不明者達は突然居なくなる、
何の痕跡も残さずに、あまりにも鮮やかに。 それも、ある一定の時期に限ってだ。

確証は、ない。 が、私は過去にも起きたこの行方不明者の増加にある共通点を見つけた。
「日食」だ、特に予期された訳でもない「日食」。行方不明者が増えるのはこれが起きる前。
それも、日食の一月前と限定はされている(今後も繰り返すかは解らない)。


本題に入ろう、この雲をも掴むような出来事を調べてほしい。
此れが私の気のせいならば、其れでいい、私なりの誠意を持って謝罪をする。
だが、まったく無い事とも、私は言い切れないのだ。
ある日、電話で私にこう告げた者がいる(ボイスチェンジャーでも使っていたのか、性別は判らなかった)

「ある人が大勢の人間を集めようとしている、ある事を起こそうとしている。
出来る事なら、止めてほしい、悲劇が起きる前に、何としても」っと。


その後、その悲劇を行うには大勢の人々を同じ場所に集める必要があると、言ってきた。
此れだけだ。 しかし私は此れを無い事に出来ない利用がある。
……私の娘達がもう何日も帰ってこない。 自慢の父、とは言えづらい人生を送ってきたとは思う、
辛い思いもさせたと思う。 妻とともに愛情を掛けて育ててきたつもりです!
接してきたつもりです……少なくとも連絡も残さずに居なくなる様な娘達では無いのです。


無理な事をご相談している事は承知の上です。 
ですが、どうか、このご依頼をお受けいただけないでしょうか?
警察も相手にはしてくれません、名の知れた貴方のご同業も、です。


お願いします! 私達にとって、不幸な形でも構いません。
娘達の行方を調べてくださいっ! あの子達の幸せな姿を見ずに年を取りたくはない、
あの子達の安否も解らずに、どうか、どうか――お願いいたします。



p.sお手数ですが、お受けいただける場合も、お断りされる場合も、
同封した紙にご一筆して頂き、ご返送してくださる様 お願いいたします。

捜査受諾書


――様。 貴方様からのご依頼、確かにお受けいたします。
――も、この身に変えても守りたい人が居ます、貴方様の様に愛情を掛けて育てている子供達が居ます。
そんな大切な存在がある日突然居なくなってしまう。 そして、事情も分からない、とても御辛い事でしょう、
苦しい事でしょう。 ――の仕事が少しでも貴方様やご家族のお心の助けになればと思います。


――に出来る全力を尽くします。



p.s長期的な捜査になるかもしれません、定期的な報告は行いますが、
何か緊急用のご連絡先が必要になりましたらお送りいただければ幸いです。
報酬の件は捜査終了後と言う事に致します。 それでは。





――探偵事務所。

仮面ライダーウォーロック



序章「目覚め」




はじまり、はじまり

闇、何も見えない、闇の中……一人の男が目を覚ました。
男は手を動かす、何もない、何もない、今度は一歩ずつ歩いてみる、目覚めたての意識の中で歩き始める。

「……あれ?」

男は不思議に思う。 何故歩いた時に感じられる、理解できる情報が無いのだろうと?
そして、少しずつ気づいていく。 地を歩く感覚が無い、一歩、また一歩と歩いている感覚はあるのに、
宙に浮いている訳でもない坂道を上っているのでもない平らな道を歩いている訳でもない、
ただ自分の意思で歩けている事は解った。 自分の意思で、歩き、止まり、歩く、
両手を振りながら歩く、止まり、目を閉じる、舌を出す、首をゆっくりと回し、止まる。

「ふむ、怪我らしい怪我はない、五体満足っ。 体も軽い、健康的だなぁ、うん」

ゆっくりと、自分の事を知っていく……何とも面白い事だと男は思った。
自分の手は大きく肩幅もある、恐らく身長もかなり高いのだろう子供と言う事はなくなった。
体も鍛えているのだろう、贅肉らしき物は体中のどこにもない。

「私の体についてはこんな所かな、しかし、暗いなぁっ」

歩けど、歩けど真っ暗闇な光景だ、その事に男は少し詰まらなさを感じてしまう。
男はまた歩き始める、詰まらないのなら面白い、楽しい事を探せば良いと、
前向きに考えて――ちなみに服はきちんと来ている。
下着は勿論着用し、長ズボン、Yシャツ、ネクタイ、ジャケット、音が聞こえぬので判別は難しいが、
恐らく革靴を履いている。 良く思い出せないが、革靴を履いた感触は好みの様だ、不快感はない。
それと……一つ気になる物を所持していた、Yシャツの胸ポケットに入っていた――

情報量多いなww

284さん


おうっ、人が居らっしゃった!?    失礼。 
下書きした文では少し物足りさを感じたもので、色々と確認しつつ即興で書いていたのですが、
中々手早くいかないですね。  

こうして文にしてみると情報と言うのは中々困り者で、一つ一つ確認していくとこうも進みづらいとは思いませんでした。


とりあえずそろそろ寝ようと思うので今日は此処までですが、私の実力の無さ及び筆の遅さもありまして、
ゆっくりとお付き合い頂ければ幸いです。



それでは、失礼いたします。



良かったよ

"サングラス"だ。


高い物、では無い筈だと男は思う。 特に凝ったこだわりも無く見えるし、
こうして掛けても愛着らしい感情も湧いてこない。
このサングラスだからだろうか? 他のサングラスなら違うのだろうか?
とりあえず、今解決できる問題ではないだろう。この何も無い空間から抜け出した後の楽しみが出来た、と男は笑う。
途端、不思議な事が起きた。 暗闇だけだった世界から"光ある世界に"変わったのだ。
あまりにも突然に、を付け加えるべきだが。 しかし、男は思った、この疑問も後に回しても良いか、と――

「――おぉっ」

こうして、感嘆の声が出るのだから――街灯などの人工的な光が夜の街を照らしている。
当たり前の事だと言えばそれまでだ、けれど、こうして感動が味わえる。
綺麗だと感じられる、素晴らしい物だと思う、闇だけの世界よりも断然良い物だと、はっきり言える。
たとえ"自分の事"を思い出せなくとも、言える。 美しく、楽しいと。

「少し、歩いてみましょうか」

男は、現状見知らぬ街を歩いてみる事にした。
この美しく、楽しいと感じた場所をもっと回りたい色々な事を知りたいと、
その先に、思い出せる事があればありがたい、そう思い、歩きだせなかった。
非常にありえない形で、後ろから男が抜いてきた。 そう"抜いてきた"のだ。
突然背広を着た男の後ろ姿が目の前に現れた、始めから居ない者として男の体を"すり抜けた"。

「あ……うん?」

さしもの男も面食らったようで、顔を触り、肩を触り、その後に電柱やらポストやら
街の物に触りながら、自分が居る事を確かめた。 結果は勿論、居る。
足だってある、宙に浮いていない、男は生きている――なら、あの男性は何だったのだろう?

「ふむ……むっ?」

男性の正体について考察する男だったが……また後回しにする必要が出来てしまった。
世界が変わる……ほんの一瞬で、周囲の世界が変わる。

1です。

非常に短いですが、本日は此処まで。 
しばらくsage進行行きますが、ゆっくりと進めていきます。


286さん、287さん。

ありがとうございます。
たとえどんなに短い言葉でも、心に沁みわたります。






明日も投下できれば投下します。
それでは、失礼いたします。

乙乙

スレの様式はなんとなく把握した
期待してまったり待つわ

乙ー

男の世界が変わった、今度は何処かの家の中のようで。それも、玄関口の近くで。
電気はついていない、かろうじて月明かりが差し込む程度だ。
しかし、この現象はどう言う事なのだろう? 男は考える。
――映像が切り替わるように、が一番打倒な所だろうか? あまりにも一瞬にして世界が変わる。
其れに、人の気配が感じ取れないのも気になった、先程の街もそう、そしてこの家も。


「私を飽きさせない為、かな?」


言ってはみたが、流石にありえない事かと、男は微笑する。
何にせよ、留まってばかりでは先には進めない、考えているだけでは時間が潰せるだけだ。
――行動をしなくては、今は少しでも情報が欲しい。


「探索しかありませんねぇっ」


留守かと思う家人に多少の罪悪感が湧くが、それはそれ、これはこれ、
今は、罪悪感以上に湧き上がってくる"ワクワク"に従いたい。
男は玄関口で革靴を脱ぎ、家にあがる。


「……ふむっ」


まずは玄関口周辺を男は見渡す。  "普通"だ。
特におかしい所も、ない。 奇天烈な物もなく、靴の収納棚や鏡、
見ていて落ち着く白い壁紙、その奥には左右に分かれた二つの部屋への扉、
そのもう一つ奥に、二階へ通ずる階段と化粧室と可愛らしい文字で書かれたトイレプレートが見える。
ぐらいか……普通の一軒家と言う印象に間違いはないだろう。

手始めに、男は左の扉に手を掛け、開き、左の部屋へ足を踏み入れた。

「……書斎、ですか」

部屋の周囲を見渡す、男の目に映るはキチリと本棚に収められた沢山の本達。
其れも、部屋中だ、五百冊以上は有にあるだろう、だが机がない――
片づけられた部屋の中央、床に座り、本を読むのだろうか?
其れも、楽しそうだと、男は笑う。

「……」

男はゆっくりと部屋の中を歩き始める、目的はどの様な本があるかの確認だ。
この書斎は四角形の様に本棚を置いている。こうして歩き見る事も楽しいものだ。
家人も几帳面な方なのだろう、街の本屋の様にどの様なジャンルの本があるか等のガイドもあり、
判り易い――"本来なら判り易い事"だろうと男は思う。 何故なら――

「やはり、真っ黒ですねぇ」

この部屋にある本、全てが黒く染まっている。
肝心な内容もお目に掛かる事は出来そうにない、おまけに、
触る事も、出来ないのだ――この結果に、男はため息をつく。

「むぅ……残念です」

今現在の自分の立場を考えれば、文句は言えないのだが、
男は落胆を隠せなかった――本を読む事は、嫌いではない、
その事が解っても、実行出来ない事は……多少、悔しいものと男は知った。

「ふむ、これも……後回しですね。 失礼しました」

何時までも落ち込んでいても仕方がない、男は前向きに考える、
まだまだ、自分は知らない事が多いのだから、ゆっくりと知って行こう。
気持ちを改めつつ書斎から出て、扉を閉めた。

ふむふむ

書斎を後にした男は直ぐ間近の扉を開き、部屋に入る。 
玄関から見て、右側だった部屋は――どうやらリビングの様だ。
台所、四つのイスを備えた食卓、ソファーにテレビ、家人は几帳面と言う印象も、ほぼ間違いない様だ、
この月の光しか明かりが無い状況でも、清潔感が感じ取れる程に手が行き届いている。

「……」

先程の書斎と同じく、男はリビングをゆっくりと見て回る。
テレビは、多少は大きい物のようだ、リモコンや電源ボタンを押してみたが反応がない。
番組を見る事は叶わないが……家族と一緒なら楽しく見る事が出来るだろうと、男は思う。
次は台所――やはり手が行き届いている、汚いと思う所は一つもない、
この分ではホコリひとつ見つかる事もない。 男は、次に食器棚が気になった。

「色の違う茶碗が、四つ」

それぞれ違う茶碗が四つ、二つは、子供用だろうサイズも小さく、可愛らしいイラストがある。
もう二つは、大人用だ、薄い青と紅色の茶碗、ご夫婦の茶碗だろう、しかも手作りだ。
それを証明する同じ印らしき物がある、男は微笑ましくなった。

「楽しいものなんでしょうね、家族で過ごすと言うのは」

ふいに男は考える、暖かな食事を愛する者と食べる、楽しかった今日を話し、聞き、
好きな番組を見て、美味しかった食事に対しごちそうさまと良い、愛する者の手伝いをする。
――とても、楽しそうだ、無論良い事だけではないだろうが……"憧れる"。
男は、外が見たくなった。 隣の家や、他の建物の明かり等、人工的な光が消えている事が気になるが、
其れはそれで、雰囲気がある、出来る事なら、しばらく見ていたい。
――いや、やはり思わずにはいられない、隠そうとしても隠せない。

「私にも居るのでしょうか? 愛する者が、子が、父や、母が――」

しばらくして、男は苦笑し、リビングを後にする。
「失礼しました」と残して……扉を閉める。

1です。

たいして進んでいる実感が湧きませんが本日は此処まで。
もう少しで--を抜けだせるか、と。 ゆっくりお付き合いくださいね。
――やはり手早くは書けそうにないです。


290さん、291さん

乙、ありがとうございます。
こんなまったり進行でも乙が頂ける事、とても嬉しく思います。

方針は、この進行速度含め、次スレまでに決めて、次スレ冒頭に書こうかと、
――しばらくは進行に集中が、現状の方針です。 ご期待に応えられるよう、頑張ります。


294さん

合いの手、ありがとうございます。
展開が遅い為、返すのも遅いですが、私なりに精一杯努めていきますね。



明日も恐らく(遅い時間に)投下できるかと。 
それでは、失礼いたします。

「……」

扉を閉め、振り返った男の目に映る物、其れはすべてが"闇"に包まれた光景。
最初に目覚めた時と全く同じ――全く同じ、と言っていいかは解らないのだが。
しかし、こうして自分の世界が切り替わると言うのは、何故だろうか?
自分が関与しているとは……考えられない、何者かの手によるものだろうか?

「どちらにしても、歩きましょうか」

結局は、其れしかないと男は考える。
前に進み、色々な情報を知り、一息ついて考えを纏める。
それしかないが……一つくらい文句を言っておくべきだろうか?

「ため込むよりは、良いですよね? もっと色々なモノを見せてくださーい。
闇ばかりでは、眠くなりますよーっ」

誰かに向けてか? 自身に向けてか?
どちらにしても、偽りなき本心だと、男は断言できる。
――歩き、歩き、歩く。 その中で、男は考える。
自分はどうして、この状態にあるのだろうと?

「生まれた場所、育った場所、住んでいる場所、心に残る場所、
私の知り合い、私の友人、私の親類、私の家族、私自身。
――何故思い出せないのでしょう? 頭部を強く打ったから?
精神的ショックを受けたから……? 何者かの処置によるモノだから?
そして、目まぐるしく変わるこの世界は? ふふっ……楽しいですねぇ」

思案の途中……男は思わず笑ってしまう。
そして思う、不安が無い、恐怖も無い、心が負の方向に揺らがないのは、
自分の性格の為か? 今の自分は、失う前とどう違うのだろうか?
こうも、色々と考えて――男はまた一つ知った事がある。

「考える事……大好きなんですねぇ、私。 む?」

闇の中、歩き続ける男の目に一筋の光が見えた。

男は何時の間にか駆け出していた。
理由は一つ"知りたいのだ"あの光の先に何があるのかを。
また何処かの街だろうか? 何処かの家だろうか? はたまた別の場所か?
たとえ闇であってもいい、再び歩き出せば良いのだから、諦めると言う選択肢などナンセンス、
絶対に無い。 光を目指して駆け出した男の周囲が、僅かずつ、本当に僅かずつだが"光"が広がっている。

「――ッ」

間違いない、あの光の先に何かがある。
男は走る、光の先にあるモノを求めて、男は走る。
僅かずつ広がっていた光が広がり――闇をかき消していく。

「う――っ!?」

闇がかき消され、光の中を走る男は唐突な眩しさに思わず片手で日差し除けを作る。
が、眩しさを感じた強烈な光は、簡易的な日差し除け等容易く突破してきた。
男は歩みを止めない、視界が今度は"光"で埋め尽くされても、歩みを止めない。
次第に、意識が薄れていく――次は、どの様な場所だろうか? 出来れば生きていたい。

「――?」

薄れゆく意識の中で、男は、何かを感じ取った。
とても大きく、暖かい存在の気配を――これを最後に、男は眠りに落ちた。

1です。

本日は此処まで。
そろそろ戦闘に入れそうです。



ちょっと安価が欲しいのでsage外します。
最初の展開が少し変わる程度ですのでお気軽にどうぞ。






主人公が目覚めてはじめて出会う人間、
その人は――。


1:男性
2:女性


下1




それでは、失礼いたします。

1

1です。


安価は1で、了解しました。


それと申し訳ありません、昨夜は投下お知らせを書き忘れていました。
本編(ウィザード)に登場する該当ファントムの戦闘シーン見て、決めるとこ決めてから
書きます。  早くて今日の深夜、遅くて明日の19時に投下します。

穏やかな風が吹く、木々が揺れ、小鳥達が鳴く。
蒼蒼とした平原に、一人の男が、仰向けに眠っていた。
男の服装は、大自然とは真逆と言っていい、一纏めにすれば黒色の背広姿に加え、
Yシャツの左ポケットに入ったサングラス、中指の根本までつけられた"奇妙な指輪"が左右の手に一つずつ。
――とても、自然溢れるこの光景には不釣り合いなものだろう。

「う――むっ」

男が目覚めようとしている、その瞼が、少しずつ開いていく。
男の嗅覚が風を捉え、男の聴覚が揺れ動く葉の音を、小鳥達の鳴き声を捉え、
男の触角は濡れた土を感じ、男の視覚は"日の光"を認識する。

「――っ!?」

男は驚愕のままに飛び起きた。 そして辺りを見渡す、暗闇の世界では無い、
光が溢れている、生が溢れている、命が溢れている。
素晴らしかった、他に言葉が出てこなかった。あの世界にはあの世界の良さもあるが、
どちらかを選ぶとしたら、男は前者を選ぶだろう。
――感動に打ち震える男だったが、何時までもそうしては居られなかった。
まずは確かめなければならない、あの世界で無く、今の世界で所持している物について。

「"指輪"……っ?」

自らの中指につけられた指輪、勿論男に覚えはない。
しかし、綺麗な物だとは思った。丸いフレーム?に埋め込まれた白銀の宝石。
その筋に詳しくない為に正確な事は解らない、ただ綺麗なのだ、
何者をも映すかのような、白銀の輝きに、こうして視線を奪われる程に――其れが、左中指の指輪。
少し奇天烈なのが、右の指輪だ、上下左右にサイズが小さい丸い宝石が埋め込まれ、
その中央に白銀の宝石が埋め込まれた"魔法陣"を意識して彫られたかの様な指輪。
(上の宝石のみが緑色なのも気になる)

「……」

両者に共通している点は二つ、一つ目はサイズ、男が覚えている普通の指輪が1とするなら、
この二つは4か5くらいだ、大金持ちが所持しているイメージがある大きなダイヤが乗った指輪、
そのイメージが恐らく近い。
二つ目は……この両者とも何故自身が所持しているのか覚えが無い事、これが男を混乱させる。
――更にもう一つ困惑を覚える物を男は身に着けていた。 "ベルト"のバックルだ。

「ぬぅっ」

バックルについて一言で表すのならば……右の指輪、魔法陣を模した意識して作られたかの様な、
この指輪とほぼ同じ物だ、違う点は上部の宝石が緑で無く周りと同じ白の事と、サイズのみ。
――指輪とバックル……この二点が、男の服装と結びつかない。
夢かとも思う世界では無かったのに対し、現実と思えるこの世界では所持している。

「う、むぅ……」

男は考える、何故だろうと。
自分は何故、この指輪とバックルを所持しているのか? 
何故、此れ等を所持してこの場所で眠ってしまっていたのか?
何故、自分はこの場所に居るのか? 何故、忘れてしまったのか?
――考えど考えど、答えは見えてこない。男は微笑する。

「また一つ、後回しですねぇ」

解らない事は後回し、此れは此れで楽しみが増えるとも考えられる。
男は歩き出した、まずは……目の前の楽しみを満喫する為に。

「すぅぅぅぅぅ、はぁぁぁぁぁぁ、すぅぅぅぅ、はぁぁぁぁっ」

しっかりと息を吸い、吐く、息を吸い、吐く、空気が美味しかった。
日の光が心地よかった、この自然達の中で歩いていると、生きていると感じられた。
この世界は光が溢れている、生が溢れている、命が溢れている。
――感動がこみ上げてくる、この気持ちを一刻も早く、男は外に出したかった。

「私は生きている……生きているんだぁぁぁぁぁっ!!」

こみ上げてくる感動を、男は叫ぶ事で外に出した。
途端、小鳥達は驚き飛び、小動物は逃げ去る。

「あっ」

やってしまったとばかりに、男は右手の人差し指で頬を掻く。

「(今のは、マナーが悪かった事だろう、この場所は私だけが生きているのではないのだから、
しばらく、ゆっくりと楽しむとしよう)」

キチンと反省をし、気持ちを改め男は歩き出した。
が、突然豪快な笑い声が男の周囲に響く。
"若くはない"10や20では無い男性の声――"殺気"だ。

「ウオオオラァァァァァァッ!!」

1です。

本日此処まで。
明日(もう今日だけれど)は19時くらいに投下します。

555スレの者ですが、少々お邪魔しても宜しいでしょうか?

いいですよー。

307さん

失礼、短い及び遅れました。
投下予告と遅れてますが、これから投下します。
ですが、ちまちまと書いていくので何かあればどうぞ。

本来ならば直ぐに返事を返すべきだったのですが、諸事情により長引いてしまいました。すみません

今更ですが、貴方は悪くありません
謝るべきなのは私の方です。

私のせいでご迷惑をお掛けしましたことを、再び深くお詫び申し上げます。


影ながらではございますが、応援させていただきますね。

お邪魔しました。

「ウオオオラァァァァァァァッ!!」
「――」

突然の殺気を伴った出来事に、男は動じていなかった。
――相手は空中から来る。 自分の背後、恐らく全長の高い木に潜んでいた、
そこから跳び下り、一寸の狂いなくこちらに向かってくる。
常人の身体能力ではない……そして武器らしい武器は所持していない、
自分の肉体に自信を持つ屈強なタイプ、此処まで解れば……下手に動く必要もない。
5……4……3……2……1、此処だ。

「あぁっ!?」

ほんの数瞬まで男が居た場所に強烈な風切り音、男が何をしたかと言えば簡単だ。
拳が当たる瞬間に身をかがめ、襲撃者の背後へ移動しただけ。
意識をせずに喰らえばペースを握られていただろうが、当てられなければ、
こうして"相手にチャンスを与える事になる"。
――膝に二発蹴り込み、足を払う。 襲撃者の体制が崩れ、地に倒れる。
襲撃者は受け身を取り、此方と距離を離す様にして立ち上がった。 "ご対面だ"

「ふむ、失礼ですが貴方はどちら様でしょう? 私、初対面の方に襲われる程の事をしましたか?」
「は、ははっ……"いいねぇっ"」
「(あ、いけない)」

男の問いに、襲撃者はニンマリと笑う。
スキンヘッドかつ強面な顔がニンマリと、
男は、襲撃者が取る次の行動が、半ば読めてしまう事にため息をつく。

「これが"魔法使い"かぁっ!!」
「――はて?」

問いの言葉を吐く前に、襲撃者の拳が迫る。
避ける、迫る、避ける、男がほぼ最小限で避ける為、拳が眼前を通り過ぎる。
――どうするべきか? 自分と同じくこの場所に相応しくない、タンクトップとGパンと言うこの男は、
気になる事を叫んだ"魔法使い"それも自分に対して。 この男に対して、恐れはない。
今は……会話を試みるべきだ。  通じる気がしないのが、悲しい所だが。

310さん


いえいえ、色々な面でお気になさらないでください。
私も含めて様々な要因が重なり、嵐が起きてしまったのでしょう。
ですが、既に過ぎた事です、お互いに頑張っていきましょう。


どっちの作者さんも頑張ってくれ

「やるな魔法使いぃぃっ!!」
「いえ、ですから――」

こちらが話し出そうとすると、襲撃者がタイミング良く攻撃をしてくる。
其れを避け、払い、落とす……これの繰り返しだ。
とても話を聞いてもらえそうにない。 男は――"機をうかがう"

「うおっしゃあああっ!!」
「――(仕方、ないですね)」

機が早くもやってきた。
拳を大きく振り、伸びきった腕――たとえ誘いであろうと、全力で叩く。
少々強引にでも、こちらのペースに持ち込む。
男は、迫る拳を一歩動くのみで避け、がら空きの腹部に全力で蹴り込んだ。

「うぐっ! ぐっ、ぐっ――」

――しかし、手ごたえがおかしかった。
まるで大岩に対し蹴り込んだかの様な手ごたえ、これでは、持ち込めない。

「むっ」
「効いたぜぇぇっ! ははっ!!」

男の全力の蹴りに耐えた襲撃者は上がった足を掴む事をせず、
またも大ぶりの拳を繰り返してきた。 
男は避けない、両の腕を十字に掛け、受ける。

「っ!!」

拳が、来た。 男の体が大きく浮き上がる、2mに近い屈強な肉体を持つ襲撃者の拳に対し、
頭一つ小さい男の体を容易く――否、 完全ではない、
男のガードは拳の威力を削ぎ、着弾に合わせ跳ぶ事で、"削ぎ切った"

「――」
「へへっ、やっぱりやるなぁ、楽しいぜぇっ、魔法使い?」
「私は、楽しくありませんよ」

男と襲撃者の距離は五歩もあれば、お互いの拳が届く程度。
襲撃者は笑う、其れは闘いへの楽しみから、男は苦笑する、
どうすれば話し合いが出来るのだろうと?
――そして、終わりが見えない、お互いに疲れは見えない。
たがいに、自信のペースへ引き込む為の決め手が無い。

1です。


気分転換に0時まで休憩します。
(と言っても後1レス書き込んで終わりでしょうが)

「連れないなぁ……魔法使い、"この姿"じゃあ満足できないか?」
「ですから、まず私の話を――」
「行くぜぇぇぇぇぇっ!!」

男は驚愕に目を見開く、が行動出来ない程ではない。
"灰色"に変質した拳、"桜色"の鱗を備えた胸部、これ等二点を掴みつつ倒れ込む事で、
男は"それ"を投げ飛ばした。 即座に立ち上がり、男は見る。

「ふふっ、ははっ」
「あ、貴方は……一体?」

赤を基調とした肉体は一回り大きくなり、両肩、両腕、両足には鋭利な突起物。
頭部の二本の角からはエビの触角の様な物がぶら下がり横一線に伸びた黄色い眼、
"人間"だったと思えるのは口と、"人間"と同じ様に五体を持つ事。
――"怪物"一言で表すのならば"怪物"だ。 襲撃者が"怪物"へと変わった。

「"バハムート"だぁ……よろしくなぁっ!!」
「――っ!?」

1です。

再開後がちょい短いですが本日は此処まで。
次回から戦闘に入っていきます。 
ようやく終わりが見えてきた――(序章の)


313さん

お言葉ありがとうございますっ!
とりあえず、目標としている所はあるので其処までは確実に行く為に頑張りますっ!



明日は20時以降に投下します。
それでは、失礼いたします。


書き込んでくれるのは嬉しいがどうしてもテンポ悪くなって安価スレ向きじゃないなぁ
ッて感じ

1です。

投下前に失礼いたします。
(いつも通り1レス書ききるまで、普通に一時間以上掛かる可能性が高いので
明日以降の気が向いた時に読んでいただく事をご推奨いたします)


318さん

貴重なお言葉ありがとうございます。
現状、時間だけはあるので投下は出来るのですが、
そもそも私の書き方が時間をかけて書き、纏めたものを投下すると言う物なんですよね。

だから如何したと言われれば――はい、全く持ってその通りです他の作者様の作品のテンポが10とするなら、
私のテンポは0.5か1程度くらいでしょう、こう言った意味では私安価スレを軽く見ておりました。

次スレ冒頭に書くつもりの考えでは、
いっその事開き直って私が必要な時に安価&コンマチェックを取る、次スレでは
【安価&コンマ】のタイトルを削り、そう言った意味を次スレ冒頭に書く。
が、現状の私の考えです。 もちろんまだまだ考えの余地があると思うので考えていきます。

「"バハムート"だぁ……よろしくなぁっ!!」
「――っ!?」

バハムートが、力強く一歩を踏み出す。 
溜め込んでいたものを一気に吐き出す様に、拳を突き出してくるっ!
男は反応できた、自らの顔目がけ放たれた"大岩の様な拳"を正面から受けず、横から受け止め、落とす。

「しぇあっ!!」

即座に次が来た、同じ様に受け止め、落とし、弾く。 
止まらない――男が考えを纏める暇をも与えず、バハムートの勢いが止まらない。
男に取って、まだ反応でき、対応出来る事が幸いだった。

「くぅっ! (身体能力が上昇しているっ!? どう言う原理なんだっ!)」
「行くぞぉっ!!」
「――っ!!」

これまで小さく、早く、細かく、拳を突き出してきたバハムートが急に大ぶりのフックを繰り出してきた。
狙いは、頭部。 男はバハムートの大まかの狙いは察する事が出来る……"フェイント"だ。
――男はわざと、引っかかる。 美味そうに揺らている"餌"に、自ら齧り付くのだ"抵抗の意思を持って"。

「うおぉぉらぁぁっ!!」

男は引き寄せられる振りをした、"抵抗の意思"を悟られぬ様に全力で演技をする。
引き寄せられた魚を捕える為に"バハムート"は空いた腹部に突きを繰り出す。
――此処だ。

「いっ!?」

"バハムート"が驚愕の様子を見せる、男の隙を突いて繰り出した拳が"弾かれた"
途端、左の頬に鈍い痛みが走る、右の肩部にも痛み、額にも来た。
微かに意識が揺れた所に右の頬に衝撃――意識だけで無く、体が後ずさる。
"やばい"と思った時には、腹部から強烈な衝撃が体を突き抜けた。

「――っ」
「は、ははっ! いいねえっ……いいぜぇっ!」

蹴り飛ばされたバハムートは瞬時に先程の男の攻撃を思い返す。
多少なりとも力を込めた拳を弾き押され、体が崩れた所、左頬にエルボー、
右肩に肘打ち、縦の裏拳で額にダメ押し、回転を加えた横の裏拳で距離を作り、
威力のある横蹴りで蹴り飛ばす。
――電光石火とも言っていい程に、迷いのない技のつなぎ方……バハムートは歓喜に震える。
多少なりともダメージを与えたにも関わらず、一切の油断なくこちらを観察している男の技量にっ!、
強さにっ!! "震えるのだ"

1です


すいません、短いですが今日は此処までで。
時間は決めませんが、土日とも投下します。

乙ー
熱いな

生身でここまで戦えるおっさんは一体どこでこんな身体能力を身につけたんや…

「――っ」

男は深く息を吐く……荒事に慣れていそうなのが何とも予想外だったが、結果オーライ。
自らが蹴り飛ばし仰向けに倒れる"バハムート"から視線は外さない。
唯でさえ、常識では考えられぬ出来事が起こっているのだ、僅かな油断でさえ命取りとなる。
そして思う、今ならば会話が出来るんじゃあないか?……対面してから感じていた疑惑が確信に変わりつつある今、
また流されるんだろうなぁ、と思ってしまうのは間違いだろうか?――いや。

「は、ははっ! いいねぇっ」

ほらやっぱり――"バハムート"が歓喜の声を上げる。
体を起こさずに声を上げた、男は警戒する、息を吐き全身の硬さを和らげる。
"彼は何かをする"その予感を信じて、"臨戦態勢"に入る。

「――いいぜぇっ!」
「なっ!」

恐らく自意識的に体を起こさずにいたバハムートが急速に行動に入る。
右腕を力強く振るい、腕から生えた突起物から"光の刃"をこちらに飛ばしてきたのだっ。
男は面食らうも体を反らす事で回避し、反動を付け体を捻りながら飛ぶ事で二撃目もかわし、
勢いを[ピーーー]事なく、飛び込むつつ受け身を取る事でどうにか――"躱し切った"。

「――っ」

男の頬を、冷たい汗が一滴、滴り落ちる。
一瞬だけだが、"何らかの力による飛刃"による結果を男は確認できた。
飛刃を受けた木は、中核を切られた為に倒れるしかなく、地面は抉られている。
――受ける事は出来ない、万が一の掠り当たりも出来ない"行動を止められてしまう"

「っ! しまった!?」

だと言うのに、状況確認の間を突かれ、男はバハムートを見失ってしまった。
しかし、男は焦らない……この場の焦りは最悪の結果を自身に招く。
慌てず、しかし急いで、男は感覚によって得た情報を整理する――。


「(蹴り飛ばした結果の距離約7m、彼の攻撃の回避を加えても約十数m、
敵攻撃の確認に所要した時間約2秒、回り込む為に走ってはいない、地に潜るか、気配を殺して隠れるか、
空を飛ぶか? 私が目を離した約2秒の間に彼は何れかを行った。 
二つ目は彼の性格上"ほぼ"ありえない、一つ目の跡はない、音もしなかった。
――ならば三つ目? もし、可能性があるのならば……二つ目と三つ目の"同時"っ!!)」

男の脳裏に"バハムート"の最初の襲撃内容が浮かぶ、バハムートの全長の高い木から跳び下りてきた、
それも怪物となる前の"人間の姿"で、ならば現在、身体能力が上昇したと思われる"怪物の姿"ならば?
男の隙を突く形で――"あの飛刃を放ってくる可能性が極めて高い"。 
そして、大方の場所は推測できる……男が"バハムート"を見失って10秒を超える、
その間に、ずっと忙しなく辺りを見渡していれば――"痺れを切らす筈だ"。

「(くるっ!!)」

予感と己が組み立てた考えにしたがい、男は弾ける様に右へ跳んだ。
刹那、男が居た場所から小さな爆発音――わざわざ振り向いて確認するまでもなく、
受け身を取り、即座に立ち上がった男は駆け出した。 "今は全力で走るしかない"

「――っ!!」

大自然が溢れる森林の中を男が走る、人の手が入っていない道を走る。
人の手が入っていない、つまり、天候や年月など様々な要因を経て自然が作り上げた道は"走りやすくはない"
だと言うのに、常人とは考えづらいスピードで男は走る。 後ろに爆発音を連れながら、走る。
――男は待つ"守勢から攻勢に転じられる"その時を。 考える、"彼が何をしてくるかを"。

男は走る。 迷いは抱けない、一瞬の迷いが危機を招く。
チラリと真横に視線を向ける、バハムートが木々から木々へ跳び移りつつ光刃を飛ばしてくる。
厄介だ。 男は現状、互角までにしか持っていけないがバハムートは勝負を決める武器を持つ。
――疲れは無い、体も問題なく動く。 
この差を埋めるには"発想"だ、"発想"で上回り行動するしかない。
それも相手の先手を取る形かつ迅速でなければならない。

「うおおっ!!」
「――くっ!!」

二つの状況を、男は瞬時に認識する。 
一つはバハムートが木を蹴り、方向を変えて此方に光刃を振るおうとしている事。
もう一つは、あと一歩踏み込み、跳び、蹴る事で"方向転換"が出来る木がある事。
"先手"を取られている現在の状況で、男に迷う暇はなかった。

「はっ!!」

男は跳び、前方の木を蹴る事で強引に方向を変える事で"光刃"を躱した。
"ある出来事に"一瞬心がフリーズしたが、体が覚えているのか男の意思に関係なく、
受け身を取り、立ち、振り返れば――蹴りがくる。

「うおらぁぁっ!!」
「――っ!!」

バハムートが落下する勢いに乗って、繰り出した飛び蹴りを、
"フリーズ"から立ち直った男は難なく躱す、バハムートの攻勢は止まらない、
回し蹴り、逆回し蹴り、手と足の攻撃を巧みに織り交ぜ、男を後ずさらせる。
後ろに下がりつつハバムートの攻撃に対処する男は"別の事"を考えていた。

「(死んだ……小鳥が、死んだ。 体を、焼かれて、骨も残っていないだろう、
たまたま、あの時の射線上に出たばかりに、死んで、しまった――
仕方のない事だ……だが、私は、ただ仕方のない事で片づけたくはないっ!
私に、私に出来る事は――っ、まず、この一方的な私闘を終わらせる事だっ!!)」

男は背後に物体を感じ取る。 木に追い詰められたと思うと同時に"イメージ"が浮かぶ。
――自らが所持する右の指輪を使い、"ベルト"を起動させ、左の指輪で"変身する"仮面の戦士の姿。
脳裏に浮かぶ"変身"と言う言葉に、男は何処か懐かしさを感じた。
何度も、何度も、沢山聞いた"魔法の言葉"の様な気がして、そして"何者かの声が響く"。

【ワー……ロッ……ク】
「ぜあぁぁっ!!」
「ぐっ!!」

遂に男を追い詰めたバハムートは回し蹴りから踵落としを繋げる事で、
男を強引に跪かせる――"同時に"。

【ドライバァァッ! オンッ!】
「あん?」

渋く、低い、男性の声が流れたと思えば、男のバックルが変化し"ドライバー"となった。
そして、男が叫ぶ、心の底から、力の限りっ! "魔法の言葉をっ!!"

「変身っ!!」

1です。


少し強引に進めた気がしないでもないですが、本日は此処まで。

日曜日の投下前(時間は決めません)にかなり情けないお知らせ"変身後"の細かいイメージが浮かんでいません。
申し訳ありませんが、細かい部分の模写を避けます、ウィザードフレイムスタイルの色違いとお考えください。

唐突に出てきた【ワーロック】は序章終了後に説明します。



322さん


ご感想ありがとうございます。
レスから考えるに、戦闘の展開でしょうか?
感じていただけた"熱さ"が途切れぬ様、努めていきます。


323さん

この男(--さん バレバレですが)は魔戒騎士だったんですよっ!!


はい、冗談です、すいません――
とりあえず1の方でも幾つか主人公の過去を考えており、色々とチェックしピタリと嵌れば、
伏線として出していくかも知れません。(皆様に安価を募る可能性もあります。)



えー、色々と怖くて聞けませんが、そろそろ失礼いたします。
おやすみなさい。

「変身っ!!」

男が左中指の指輪を魔法陣を模した"ドライバー"に翳す。

【ワーロックッ!!】
「ぐぁっ!?」

"ドライバー"から音声が流れると同時に、白銀色の"何も描かれていない"陣が男の左手を弾き、
その勢いのまま"バハムート"をも弾き飛ばす。最初は手の平に収まる程のサイズが男の眼前に展開するにつれて、
今では長身の体を丁度良く覆える程度の大きさへと"展開した"。
――目の前に展開した"魔法陣"がゆっくりと男に迫る。 

「……」

何の迷いも抱かず、魔法陣に対して男は左手を伸ばした。
指が触れ"陣"を通り抜け、肌色の指から"黒色"の皮膚に覆われる
それが手の平全体に覆われ、手首にはキラキラと光る白銀の腕輪が現れる、
重さは、ほとんど感じられない――腕全体が覆われ、肩も、
黒を基調とし"何も描かれていない"銀色も施された肩当てが現れる。
男が刺客で変化を確認出来たのは其れが最後、魔法陣を潜り抜けた結果は。


「はぁ――っ」

深く息を吐き、片膝をついてこちらを見ている"バハムート"に向かい歩き出す。
"変身"した事による重さは無く、身体が軽い、"感覚"及び身体能力も強化されているようだ。
そして何より"普段"よりも研ぎ澄まされた感覚で"行動できる"。

「…………」

開いた左手の平、拳を握り返す事で骨が、鳴る。
男の――"魔法使い"なりの、戦いへの意思表示だ。

主人公強すぎぃ!
おもろいわ

「…………」
「――へへっ」

こちらを注意深く"観察"しながら歩いてくる"魔法使い"に対し、バハムートは笑みをもらす。
肉体を変身させる自分とは違い、黒を基調とし、両ひざ下まで伸びたスーツ、両手首、両足首に白銀色の装飾品。
左側面に幾つかの指輪を備えた円形のホルダーを付け、上上部のみが緑色に輝く"魔法陣"のドライバー、
上体には同じく左と右に、合わせて六つに分けた白銀色の宝石の胸当て、人間の頭部をすっかり覆った、
メットは、頭前部と思われる部分に、Vの字に分かれた二本の角が伸びたくらいしか特徴のない、
同じく白銀色の宝石の仮面を付けている。 同じ変身でも、向こうの方が"英雄"と言う印象が強い。

「"ワーロック"……それが、お前さんのもう一つの姿かい?」
「…………」

逆手に構えた左拳をこちらに向けて歩く"魔法使い"は口を開かない、
その様子に……バハムートは息をのみ、震える。 無論"武者震い"だ。
そして悩む……一見、意味もなく逆手の拳一つを突き出している様に見え、
単純な意図をも感じぬ構えで歩く魔法使い、絶好の的にも見えるあの姿。
――"危険"だった、"危機"すら感じる。 

「たくぅっ……燃えてきやがるなぁっ!」

"変身"する前ですら互角、いや、攻勢の意思を出していれば解らぬ程の相手。
――挑むには絶好の相手だ、弱い相手は詰まらない、実力が拮抗した相手は面白い、
格上の相手は……"燃えてくる"、そう、この湧き上がる衝動をぶつけるには、相応しい相手。

「はぁぁぁっ、すぅぅぅぅっ、はぁぁぁ――っ」

息を吸い、吐く、息を吸い、吐く、体の硬さを取る、全力で前に行く為の力を貯める、
相手は格上の相手、思う存分に戦えるっ!! 何度目かの息を吸い――。

「はあぁぁぁっ!!」

"駆け出すっ!!"

「はあぁぁぁっ!!」
「…………」

左拳を逆手に突き出したまま歩く魔法使いに対して、バハムートは真っ向から攻める事にした。
牽制の"飛刃"を繰り出した所で対処される事は目に見えているかつ、"殴る方が"バハムートは好きだった。
歩く魔法使いと、駆けるバハムート、その行為の違いから、必然的に"バハムート"から攻撃に入った。
――典型的な右ストレート、小手先な技術は使用しない、使用した所で、効果は薄い。

「ぶっ!!」

魔法使いが右の拳を最低限の動きで躱し、突き出していた拳を折り曲げ、
バハムートの顔面に肘打ちを喰らわす、顔を抑え、後ずさるバハムートを魔法使いは追撃せず、
力を抜いた両腕をだらりと下げ、次に備えている。

「らぁっ!!」
「――っ!」

体勢がくの字に曲がっていたバハムートだったが、即座に攻撃に打って出た。
力の乗った前蹴り、まともに喰らわせられれば今度は、この構図が逆になる。
が、その狙いは早くも崩れた。 バハムートの視界から魔法使いが消える。
理由は簡単だ、前蹴りを繰り出したと同時に、背後へと回った。
その証拠に……"左肩に手刀を叩き込まれた"。バハムートはどうにか体勢を持たせ、振り返る。

「…………」
「(ははんっ、攻撃だぁ……それしかねぇっ!)」

平手をだらりと下げ、此方への警戒を微塵も緩める様子のない魔法使い、
拳を力強く握り、ファイティングポーズを取るバハムート、
両者ともにらみ合い、互いの出方を伺う――"最初に動いたのは"。

「ウォー……ロック」

"魔法使い"だ。

1です

明日早いので今日は此処まで。とりあえず、序章の終わりには近づいている筈。
あと、昨夜お知らせした変身後の外見ですが唐突に思いついたので書きました。
(説明出来ているかはともかく) 



329さん

えっと、ご感想ありがとうございます?

申し訳ありません、「おもろいわ」がどちらの意味か、はかりかねておりまして
「?」を付けさせていただきました。 どちらにしても改めましてありがとうございます。

変身前のヒーローが怪人と、生身で互角に戦う、もしくは圧倒って言うケースが
僕の引き出しに幾つか存在したので、その幾つかを思い出しつつ、書いてみました。




明日を含め、月、火、水曜日は午後18時以降に投下いたします。
それでは、失礼いたします。

ああいや普通に賛美よ
おつかれさん

乙ー

「ウォー……ロック」

最初に動いたのは"魔法使い"、一間遅れ"バハムート"が動く、
互いに数歩駆ければ、鉢合う。 それはつまり、お互いに"足を止めると言う事"、
足を止め、打ち合うと言う事――その時が来た。

「ちっ!!」

魔法使いが繰り出した飛び後ろ回し蹴りを、両腕で受けるバハムート、
"想像"と遥かに違う威力に、両足の踏ん張りが利かず"後退させられる"
息を吐き、握り拳を一端開き、また握る。 問題はなかった、これで……"迎い撃てる"。

「おらぁっ!!」

繰り出されたハイキックを全力の拳で迎え撃つ、バハムート、互いに押し切れない。
魔法使いが繰り出した足を引き戻し、バハムートが空いている腹部に突きを繰り出す。
"当たらない"引き上げた膝で防がれ、流されて行く――次が来た。
崩された体勢に目掛け放たれたローキックを反動を付け、捻り跳ぶ事により、
躱し、当たれば有難かった蹴りは、読まれていたのだろう一歩下がられる事で躱された。

「うおおぉぉぉっ!!」
「っ!!」

バハムートが魔法使いに掴みかかる、魔法使いは、受けて立った。
互いの両手を掴み合う――単純だが、解りやすい。"力比べ"だ。

「はっ! 力じゃあ、負けんぜぇっ!!」
「…………」

掴み合いは、バハムートが有利の様だ、魔法使いの腕を自らの腕力で捻じ伏せていく。
だと言うのに、魔法使いが動じた様子が無い――"それどころか"。

「すぅ――っ」
「(へへっ、何をしようがこのままっ!!)」

息を吸い始めた、まるで"力を貯め込むかの様に"。
自らの優位性を感じ取ったバハムートはこのまま押し切ろうとする。
――"この状況を変える、直ぐに、訪れた"。

――"この状況を変える転機は、直ぐに訪れた"。

「――ぬっ!!」
「っ!?」

バハムートは驚愕に息を飲む、"盛り返そう"としているのだ。目の前の存在は、力に対して、力で対抗してくる。
普通の存在ならば、盛り返される事も無く、このまま捻じ伏せられる自信がバハムートにはあった。
だが、だがっ! 目の前の存在は違う、目の前の"魔法使い"は違うっ!!

「む、ぅぅぅぅっ!!」
「ぐっ、くっ、うおぉぉぉっ!」

盛り返してくる、バハムートよりも一回り小さい肉体からは考えられぬ、"凄まじい力"で。
驚異的な力で盛り返す魔法使いにバハムートもまた力で対抗するが――徐々に、徐々に"盛り返されて行く"。

「はぁ――っ」
「ぐぅっ、うらぁっ!!」

完全に盛り返されたバハムートが繰り出したローキックを魔法使いは足で受け、地に落とす事で無力化する。
バハムートがもう一度力で捻じ伏せようとしても、魔法使いは微動だにしない"捻じ伏せられない"。
――こんな状況であってもバハムートが思うのは"喜び"だ。

「(やべえなぁ……嬉しいぜぇっ、嬉しくてたまらねぇっ!!)」

魔法使いが動く、掴み合う状況を、振り放す事で攻撃に移る。
当初とは一転しバハムートは守勢に回る、魔法使いが巧みに繰り出す格闘術を防ぎ、
防ぎきれぬ物は耐える。 現状はそれしかない、防ぎつつ力を集中させるしか、今はない。

1です。
今日は此処まで、また明日もちびちびと書いていきます。


333さん

おう、此れは失礼をしました。察しの悪い者で、すいません。
こう察しの悪い私ですが、これからもお読み頂ける様でしたら幸いです。




それでは、失礼いたします。

乙ー
バハムートさんが楽しそうでなにより

「ちぃっ!!」

高翌揚した気分とは裏腹に、バハムートは追い詰められつつあった。
魔法使いが次々に繰り出す格闘術、当初は防げていた、防げていない物も耐えられた。
だが、次第に防ぐのが難しくなりつつあったのだ。 何故なら――。

「ぶっ!!」

魔法使いは事あるごとに"フェイント"を織り交ぜてくる。こちらのガードを巧みに抉じ開けてくる。 
しかも、それら全てが"攻撃"につながっている、手早く、力強く、止められない。
時折目で追えなくなる程の魔法使いの攻撃の全て、バハムートはその三分の一を削ぎ落すのに精一杯だった。
――ゆえに、こうして容易く追い詰められる。

「っ!?」

バハムートが気づいた時、既に大木が自身の"後退"を止めていた。
そして、それが不味い事だと言うのも、バハムートは瞬時に理解した。
ガードが、逆回し蹴りで抉じ開けられる、回された蹴りが瞬時に帰り、肩を蹴り抜く。
これだけで、バハムートの体勢は大きく崩された。 そして――"来る"。

「はあぁっ!!」
「――っ!!」

バハムートは歯を力強く食いしばる、体勢を満足に立て直す時間は無い、ガードを作る時間は無い、
やぶれかぶれの攻撃を繰り出す時間は無い、食いしばり、耐えるしかないのだ。
――崩れた体勢を中途半端に立て直した為に、バハムートの首元に魔法使いの強烈な横蹴りが突き込まれた。
バハムートの体が大きく蹴り飛ばされる、ほんの数秒だが、空気も吸えなかった、
意識も揺らぐ……そのどちらもが行える様になったのは、地に落下してからだ。
落下の衝撃が半端に残っていた酸素を吐き出させ、揺らいでいた意識が痛みで正常になる。

「うおぉっ!?」

しかし、落ちた場所が悪かった、急斜面の地面に落ち、なす術なく転げ落ちる。
其処等の大木の一つを一端掴み、離す事で減速、及び安定性を取り戻したバハムートは立ち上がり、跳躍する。 
平地に着地したバハムートは必ず来る魔法使いへの警戒を怠らず、周囲の確認を行い、息を吸い、吐いた。

「すぅぅぅぅっ、はぁぁ――っ」

ほんの僅かな時間だが、状況の確認は出来た。
まず崖がある、崖下は流れの速い川だ、音からして相当高低差がある。
今立っている地面は整理されているとは言えないが、充分に魔法使いを迎え撃つだけのスペースはあった。
バハムートは周囲を警戒しつつ、体内である力の集中を始めた。"牽制"と"本命"の手段を行えるだけの力を。
――"来た"。  奴の着地に合わせ"飛刃"を放つ。

「…………」
「へへっ!!」

迫りくる飛刃を魔法使いは腕で弾く事で防いだ。 あまりにも予想通りの結果にバハムートは笑う。
だが、この結果はバハムートに取って想定内、魔法使いがこちらを観察しながらにじり寄ってくるのも、
想定内……バハムートなりの"罠"を張る、上手く行けば、逃げる事の叶わぬ"網"の中に追い込める罠を。

「俺は嬉しいぜ、魔法使い。 お前さんは俺の想像よりも遥かに強い、そして俺よりも、な」
「…………」

バハムートが言葉を絞り出す、本心の言葉を。 
魔法使いに自らが仕掛けた罠を悟られぬ様に、偽りなき本心の言葉を繋ぐ。 
バハムートに反応を返す事なく、魔法使いは開いた両の手をだらりと下げ、にじり寄ってくる。


「だがな、お前が諦めなかった様に俺もこの勝負を諦めないぜぇっ。 負けるのは嫌いなんでな」
「…………」

言葉を繋ぎつつ、バハムートは適度に魔法使いとの距離を離す。
出来る限り意図を悟られぬ様、慎重に――何故なら"一撃"で逆転出来る罠でなければならないからだ。
そうでなければ、このまま魔法使いに押し切られ、バハムートは負けてしまう。 
そうならぬ様、慎重かつ迅速に、罠の製作を行わねばならない。 "微かな勝機を手繰り寄せる為に"。

「…………」
「――ふふんっ、だんまりかよ魔法使い? 連れない奴だなぁ、お前さん」

こうして呟ける軽口の裏、バハムートの心は"緊張"で満たされていた。
魔法使いは"油断"ならない、たとえ自分がどんなに有利であろうと相手を観察している。
恐らく自らにとって予測ならぬ事態が起きた時即座に対処できるように――
そんな"面白く、燃えてくる"相手、だからこそ、悟られては行けない。 絶対に。

1です。

本日は此処まで、明日ぐらいで魔――バハムート戦が終わりそう。


そろそろ普通に進行したいですけど、まだちょっと怖いので9月までこのままsageて進行していきます。
(安価が欲しい時は上げていきます。)



338さん

乙、ありがとうございます。実はこのバハムートさん、何かあるかも知れません。
とりあえず魔法使いと一緒で書いていて楽しいキャラですね、彼の苦心もお楽しみ頂ければ幸いです。




明日も18時以降に投下します。
それでは、失礼いたします。

「…………」
「――ほんとっ、連れない奴だなぁ、魔法使い。 ちったぁ会話を楽しもうぜぇっ?」

気づいているのか?――魔法使いは気づいているのかもしれない。
バハムートが何かをしようとしているのを、だが、其れが何なのかまでは気づいていない筈だった。 
こちらの出方を伺う様ににじり寄ってくるのがただ一つの証拠、逆を言えば、其れしか判断の材料が無い。
――まだ悟られる訳には行かない、まだ三文ノ二だ、もう少し、引き延ばす必要がある。

「なぁ、魔法使い……逆転は好きか?」
「…………」

変わらず、魔法使いは反応を返さずにじり寄ってくる、しかしそれで良い、
もう少し、もう少し、決断の一歩を遅らせるだけで良い、もう少しで"完成"する。

「俺はよぉ……大好きだぜ、こんな風に追い詰められた状況を、自分の手でひっくり返すのは」
「…………」

"出来た"バハムートなりの罠は出来た。 後は、如何にして誘導し、罠を使うか。
思い描いた手順、どれか一つでもしくじれば、押し切られる……しかし、腕の見せ所でもある。
――"挑戦"だ、湧き上がる喜びを押し隠し、絶好の機会を待つ。

「っ!?」
「――はぁっ!!」

訪れた、後ずさるバハムートの背後に地面は無い、遥か下は流れの激しい川が待っている。
一歩でも下がれば、落ちる。 こうして訪れた"危機"に、バハムートは一瞬背後へ振り返る。
魔法使いから目を離して――此れを隙と見たのだろう、魔法使いが駆けてきた。
視線を戻せば、もう攻撃範囲に入り、左の手刀を振り下そうとしている。

「――っ! (かかったぁぁっ!!)」
「っ!? せぁっ!」

首元目掛け振り下された手刀を、バハムートは無抵抗に受けた、無論ダメージはある。
だが、耐えた、耐えて……引き戻される前に手刀を掴みとる。追撃の裏拳も、掴みとる。 
――自ら引き寄せた絶好のチャンス、掴み取らねばただの"阿呆"だ。

終わりかな?

「うおおおおおおおっ!!」
「ぐ……むぅっ!!」

魔法使いが辛酸の声を上げる。 
バハムートの体全体から放たれる"赤黒い光"が痛みとして魔法使いを襲う。
黒を基調としたスーツ全体から火花が上がる、ダメージが蓄積し続けていく。
両腕を封じられた魔法使いはどうにか逃れようともがくが"赤黒い光"を受けている中で満足に動けず。
抵抗の攻撃や動作はバハムートに耐えられ、押さえつけられ、戻される。
――バハムートが手繰り寄せた"逆転の機会"、逃せば終わりの一発勝負の始まりだ。

「行くぜぇぇっ!!」
「――くっ」

光の放出を止め、バハムートは魔法使いの両腕を離し"攻撃"を始める。
キラキラと光って眩しい宝石の様な顔を、上体前面を覆う装甲を殴る、殴る。
距離を離されぬ様、時折掴み殴る。 展開は変わりつつある、後は、完全に変える"二撃"を繰り出すのみ。

「おらぁっ!!」
「ぐぁっ!」

首元を掴み引き寄せ、左拳を上から下へ全力で振り下す。 魔法使いの体が下へ落ちる。 
衝撃に逆らえず体が撥ねる。すかさず、バハムートはその体を蹴り抜いた。 
即座に駆ける、溜めに溜めていた力を"右腕"に集中させる。


「うっ……くっ」

魔法使いはふらつきながら立ち上がっていた、足に来ているのか? 其れほどまでのダメージか?
何の理由があれど関係は無い、"力"を集中させたこの拳を振り抜くのみ。
――"勝利"を掴むのみだ、面白く燃える、あの魔法使いからっ!!

343さん

oh……すいません、明日は結構時間があるので続けて行きます。
自慢する事じゃありませんが、私1レス書ききるのが非常に遅いんですよ。
思い描いた展開にどう繋げようとか、時折ウィザード見返して素手の戦闘方法見たりとか。
とにかく――遅くてすいません。

それならせっかく長いんだし、1レス1レスやってくのもいいけど1日で書き終えられるくらいの長さだったらまとめて投下しちゃったほうがいい気がする
結局は>>1次第なんだけれどもね

「――っ!!」

右腕に赤黒い光が集中する、右の突起物から僅かずつ光が"もれている"。
ギリギリまで力を集中させた拳、此れを当てるのは"最後"だ。
――魔法使いが攻撃を防ごうと腕を上げようとしている、だが遅い。もう既にバハムートは"攻撃体勢に入っている"。 
右腕の突起物を発端とし、展開した"光の刃"をバハムートは振るった。

「うわぁっ!!」

バハムートが振るいし光の刃は、魔法使いの腹部から胸部に掛けて振り抜かれた。
斬り裂く事は出来なかったが、攻撃跡から火花が上がり、魔法使いを後ずらせる。
即座にバハムートは次の攻撃の為の準備に入る、少しでも威力を上げる為、回り込みつつ踏み込む。
地に踏み止まり体勢を立て直そうとする魔法使いに、"全力の拳をぶち当てる為に" 

「ぬ――むんっ!!」
「遅いぜぇぇっ!!」

結果としたバハムートは全力の拳を振り抜いた。 体制を沈めつつ回り込み、回転、突き上げ、
たとえどんなに僅かな要素でも、威力が乗れば有難い拳を振り抜いた。 
地面から突き上げられる魔法使い、拳の着弾地点からは大きな火花が上がる。
――バハムートは勝利を確信した、自分を生み出した存在の記憶を合わせても、
これ程、完璧に決められた記憶はない。 如何にあの魔法使いであろうとも無理な筈だ。

「はぁ――っ」

拳を振り抜いた直後、バハムートは安堵の息を吐いた。
極限の緊張からの解放、訪れる勝利への喜び、複数の要因が彼を"安堵"させた。
直後……"あの音声を聴くまでは"。

【ワーロックッ!! スラッシュストライクッ!!】
「っ、何っ!?」

見れば、空中で魔法使いが左の指輪をベルトに翳し、開いた左手を前とし、
中指を通す様に手刀を、天高く滑りあがらせる、終点である肘に左手を添えた時、
小指の先から肘に掛けて、白き光を放つ、弓形の光刃が形成された。

「ち、ちくしょう……っ」
「はぁっ!!」

必殺の刃を作り出した魔法使いが、着地と同時に駆けてくる。
バハムートには、もう魔法使いと満足に戦えるだけの力は残っていない。

「ちくしょう……っ!」

最後の最後で、安堵してしまった、逆転しうる罠を成功させ、心の紐を緩めてしまった。
当て嵌めてしまった、あの男を、勝利をもぎ取れる罠に耐え切れぬ男と。
――魔法使いが迫る、今バハムートに出来る事は。

「だあぁぁぁぁぁっ!!」
「ぐっ、ぎぃっ!!」

歯を食いしばって、残された全ての力を使い、上段から振るわれし刃に耐える事だけ。


1です。

本日は此処まで。




346さん

えっと、バイトや改行を使えるだけ使うと言う事で、よろしいでしょうか?
確かに手段の一つとして良いですよね。 レス数の節約になりますし。

時折前のレスと繋げる様に書いてますが、この方法に助けられている面もありますので、
346さんが仰ってくれた方法と合わせて進行して行くのもいいかもしれません。
とりあえず進行しつつ色々と考えて行こうと思います。




木曜日も投下していきます、が、深夜辺りに見た方が数レス溜まってるのを一気に見れるかもしれません。
(私の書き型的に時間明記はしない方がいいかもしれない)


それでは、失礼いたします。

いや、まだしばらく安価ないんだし、その間はレスとレスの間隔なるべくあけないで一気に投下したら見やすいかなって思って
まあどっちにしろ>>1に任せます

「ぐああああああああああっ!!」

結論から言えば、バハムートは魔法使いの刃に耐え切る事は出来なかった。
左肩から右下腹部に掛けて、斜めに振り抜かれ、即座に刃を返し、振り上げられた。
そのダメージから生じた衝撃は、バハムートの体を地に留めておかなかった、なす術なく、"崖"から投げ出されていく。 
バハムートは歯を食いしばる、たとえ僅かでも、受けるダメージを減らし、生き残る為の努力をする事が大事に思える。
――"死んでしまっては面白くない、詰まらない……死んだら終わりだ"。

「ぐぅっ!!」

崖から投げ出され、落ちた場所は流れの激しい川ではない、その付近の、岩場だ。
幸運と言うべきか不運と言うべきか、何れにせよ、地に叩きつけられたダメージは微妙に大きかった。

「はぁ――ちっ!」

息を大きく吸い、吐くバハムート、途端"魔法使いに"やられた傷が痛みだした。
視線を僅かに下に動かせば、物の見事にスッパリと斬れている、自身の肉体の中身が見えそうだ、
血が吹き出ないのは"種族"の違い故だろうか? なんにせよ"痛い"。

「ふぅ、はぁ、ふぅ、はぁ――っ」

吸い、吐くを繰り返し、少しでも痛みを和らげようとするバハムート、
もう、戦えるだけの力は無い"変身"を維持するのが精一杯だ。
命を繋ぐ為に、この肉体の高い治癒力が欲しい、見れば細く、長く、深めに斬られた傷を塞ごうとしている。
――"完全な治癒が、今日中に終わらない事は目に見えていたが"。

「っ!?」
「…………」

魔法使いが、上から下りてきた。 自身を観察しながら歩いてくる。
思い切ってバハムートは待つ事にした。 理由は一つ、死を乗り越える為、残っているほんの僅かな力をかき集める。
足掻くのだ、足掻いて足掻いて足掻きぬいて、生きる。 たとえこの魔法使いであろうと、生き残る。

「――――っ」
「…………」

歩いてくる、一歩、二歩、三歩、あと僅かで魔法使いは自分を殺せる位置にやってくる。
バハムートは演技する死なない為に、生き残るチャンスを作る為に魔法使いを待つ。
――"来た"。 

「…………」
「――へへっ、何だよ?」

魔法使いは後二歩と言う所で足を止めた、警戒及び観察しているんだろう、
相手にどれだけの力が残っているのか、残っていたとしてどの様な方法で抵抗するのか?
こんな所か――バハムートは改めて思う、悔しいが"尊敬出来る男"だと、
本気で勝ちたい男だと、なればこそ生きたい、生きて新たな強さを求めたい、
こんな所で死んでは……"悔いが残る"。 直後、バハムートは驚愕した。

「…………」
「な、何のマネだよ? そりゃあ」

魔法使いが一歩を踏み出し、片膝をついて、右手を差し伸べてきた。
拍子抜けする思いをバハムートは感じた、何が何でも生き抜いてやるっ!
抵抗してやるっ! と言う気持ちすら一瞬揺らいでしまった。

「――立てますか?」
「……わ、悪いが立てねえな。 おかげさんで、この様だからよ」

皮肉げに、バハムートは魔法使いにやられた傷を指し示す。
一瞬傷に視線をやる魔法使い、視線を戻し、バハムートの目を見て、言った。

「それでは、手を、何処かで治療を行いましょう」
「あぁっ? 助けるってのか……俺を?」
「えぇ……私はこの私闘を一刻も早く終わらせたかっただけですから、
貴方にはもう、命を奪う力は殆ど残ってないでしょう? だから、助けます」

バハムートは呆気にとられた、そして、魔法使いが本心でそう言っているのだとも思った。
本当に連れない奴だと思った、恐らく自分を含めてとある種族についても知らないのだと思った、
恐らく自分と同じ、いや違うバカなんだろうと思った。 だからこそ、手は借りたくなかった。

「――いーや、やめとくよ」
「しかし、その傷では――」

差し出された右手をバハムートは払った、そして、力を振り絞り立ち上がる。
立ち上がり、魔法使いと視線を合わせる、奴も、自分に合わせて立ち上がった。

「俺を助けるってなら……このまま見逃せ、死にはしない」
「――何故です?」

「"意地"だ。 俺は何としても、この場から逃げ出したい、何故だ? 今の俺じゃあお前さんに敵わないからだ。
そして新たな力を求める、鍛えに鍛えて鍛え抜いてっ! そして勝つっ!!」
「――――なるほど」

バハムートの心情を聞いた魔法使いは、そう短く相槌を打った。
沈黙が流れる……大きく聞こえ、耳に一番に耳に入ってくるのは流れの速い大量の水の音。
この沈黙に二重の意味でバハムートは耐えられなかった、一つは性格上、一つは傷の痛み。
――こうした沈黙を破ろうと何か言葉を絞り出そうとするバハムート、だが、先に破ったのは魔法使いだ。

「今の私は、貴方の考えを否定できるものを持っていません。
この場を見逃しましょう、後に来る再戦にも"条件付き"で応じましょう」
「へへっ……いいぜ、言ってばかりで聞かないってのはフェアじゃあないしな」
「一つ、我々の戦いに関係の無い命は巻き込まない事。 二つ、再戦までの間に誰一人として命を奪わない事。
三つ、再戦の時は私の都合が合う時にする事。 以上三つが条件です」

魔法使いの条件を聞き終えたバハムートはおどけた様に両手を上げ、口笛を吹――
けなかった、傷が痛みだしたのだろう、傷元を擦りつつ、笑い出した。

「はははははは――いっ! ふ、ふぅ……随分と条件が多いなぁ、俺がどれか一つでも破ったらどうするんだぁっ?」
「一つ目の場合、多少強引にでも手早く終わらせるか、戦いの中でその条件に相応しい場所に誘導します。
二つ目の場合、失われた命に対する責任の全てを果たす為、"貴方を全力で倒します"。
三つ目の場合、これは臨機応変ですね、貴方との再戦よりも優先すべきものがあった場合、貴方を無力化してから、
優先すべきものに向かいます。以上です、私としては全てを踏まえ、全ての条件の元で再戦の時を考えていただきたい。」

バハムートは魔法使いの提案を鼻で笑った、全て、自分の考えを優先している。
普通ならば、この提案を蹴る。"ふざけるな"と怒り、暴れるだろう、だが、自分は"普通ではなかった"。
息を整え、答えを待つ魔法使いに、己の答えを告げる。

「いいぜ、その条件全て飲んだ。 どれか一つでも破ったりはしねぇっ、これでどうだ?」
「――解りました、何れ来るその時を……待っています」
「……へへっ」

魔法使いの返事を受け取ったバハムートは笑みをこぼし、魔法使いに背を向け、
今だ流れの激しい川へと歩き出した。 バハムートが無謀とも考えられる行為を行うのではないか?
魔法使いは思わず手を伸ばし、一歩を踏み出し……止まる。 バハムートが微かにこちら振り返ったからだ。

「なぁ、魔法使い? ワーロックだの、ウォーロックだの、お前の名前は何だ? どっちもかぁ?」
「――意味は、男性の魔女か悪魔。 もしくは物語上に出てくる男性の魔法使い、魔術師、
そのどちらもスペルは同じなのです。そして、私が気に入ったのは……"ウォーロック"なのですよ、"バハムート"さん」
「ふん……そうかい、なら"ウォーロック"、首洗って待ってろよっ!!」

そう言って、バハムートは流れの激しい川に自ら飛び込んだ。そして、流れに乗って流されていく。
――魔法使い、いやウォーロックはバハムートの身を微かに案じた。が、直ぐに首を振った……
何だかんだ、自分の前に姿を現し、また戦いを挑んでくる。そんな予感がウォーロックにはあった。  
流れ行くバハムートを見送り、その姿が見えなくなった後、ウォーロックは上を見上げ、跳ぶ。

「ふぅっ」

約30mはあった崖を軽く跳び越えるウォーロック、着地と同時に軽く息を吐き、
ある所へ向かう為に歩き出した。 探索に戻る前に、一つやっておくべき事があるから。

1です。
本日は此処まで。


とりあえず出来る限りまとめて投下する書き方にしてみましたが如何でしょうか?
ついでにちょっと長かった、バハムート戦も終わりです。 
正直感想とか聞いてみたいですけど、序章も後少しなので我慢します。

それと、男(--さん)に語らせたワーロックとウォーロックのスペル同じ、
1が軽く調べて、あ、同じだと思って書きましたので、間違っている場合、
もう、お気軽にご指摘お願いします。



明日は20時以降に投下します。
それでは、失礼いたします。

乙!
この紳士はいい紳士やで…。

乙やで

「…………」

ある所へ到着したウォーロック、その肩にはバハムートの飛刃により斬られ、倒れてしまった大木が担がれていた。
大木の先端を地に置き、ゆっくりと大きな音を立てぬ様に全体を置く。
この大木をウォーロックは何の為に担いできたのか? 理由は一つ"墓作り"だ。

「ふぅぅぅ――っ、はぁっ!」

目測で図った適度な長さにする為、ウォーロックは大木に対し、力を込めた手刀を振り下す。
すると、まるで豆腐を切るかの様にすんなりと断ち切れた。
墓を作るのに大木の五分の一を断ち切ったが、まだ終わりでは無い、ウォーロックは左の指輪をベルトに翳す。

【ワーロックッ!! スラッシュストライクッ!!】

右の手刀を作り、小指の先から通し始めると、ベルトから【スラッシュストライク】と声が発せられた。
小指の先から肘に掛けて弓型の光刃が形成される。 バハムートが仕掛けてきた勝負に、一応の決着を付けた、
"必殺技"と言っていい程の殺傷能力を秘めたこの刃、しかし、今、ウォーロックはこの刃を誰かを傷つける為には使わない。

「…………」

作り出した光刃で、ウォーロックは断ち切った大木の木皮を"削り始めた"。ものの数分で、大木の木皮を削りきったウォーロック、
後は、大木から一つ細長く木を斬り出し、先端を地に刺しやすい様に先端を削り……"完成した"。

「…………」

技を解き、簡易的だが作り出した"墓"を、ウォーロックは目的の場所へ突き刺した。
そして片膝をつき、墓に対して、両手を合わせる。 "巻き込まれた小鳥に対して"。

「(今の私に、彼の戦いを否定できるものはない。 だが、その為に無関係の命を巻き込む事は、許されない。
――私自身が自分自身を慰める為に作ったのかもしれない、けれど、すいません、巻き込んでしまって、
すいません、貴方の未来を守れなくて……すいませんでした)」

これから先、目の前で失われていく命全てに対して……ウォーロックは同じ事はしない、
だが……"誓う"、まだ知らない事の方が多すぎるけれども、"守りたい"。
彼の様な戦いばかりではないのかも知れない、違うケースの戦いも起きるかも知れない。
けれど、誓う――彼の様な戦いならば"巻き込まない"、他のケースならば"守る為に戦う"。
決して……"争いを求める人間にはならない"。

「――む?」

ウォーロックの強化された聴力が"人間の足音"を捕えた、"ただの人間"である可能性は低いが、
動かなければ……先には進めない、最初から対話を諦めていては、何も築けない。
意を決して――ウォーロックは背後へ振り返りつつ立ち上がる。
変身する前よりもより遠くを見る事が出来る視覚に映り込んだのは――

1です。
短いですが本日は此処まで。


353さん、354さん。


乙、ありがとうございます。
書き込んだ後にこうして皆様のお言葉を頂けるともう嬉しい限りです。



魔法使いの事ですかね?
お褒め頂き本当ありがとうございますっ!

目標の一つとして"皆様に愛される紳士(--)"を目指しているのでそのお言葉は本当嬉しいです。



それと、1の都合で範囲を決めている及び幾つかの設定を加えますが、
キャラの安価が欲しいので上げます。



ウォーロックの眼に映り込んだのは――女性だ。


年齢:8歳から30歳まで

下1


彼女の名前

下2


彼女はどの様な人物ですか?

下3~8まで



以上、安価お待ちしています。
次回投下は皆様の安価を頂いてからですが、土日とも投下して行こうと思います。
それでは、失礼いたします。

25

カオル

サングラスを常にかけている

彼女は実際豊満であった

研究者っぽい

儚い印象を持つ

今にも倒れそうなほど顔色が悪い

ちょっと引きそうなぐらいバイタリティのある人物

安価ストップ。



ウォーロックの眼に映り込んだ女性は。


カオルと言う名前(苗字は1が決めちゃいますね)で、豊満な肉体を持つ25歳。
何処か儚い印象を持ち、今にも倒れそうなほど顔色が悪く、
しかし引きそうなほどバイタリティのある、サングラスを常にかけた研究者っぽい女性。




皆様安価ありがとうございます。 面白そうなキャラが来ましたねぇ(震)
今日はカオルさんを含めて構成を考え、明日投下する事にします。


それでは、失礼いたします。

命燃やすほどに全力投球する研究者キャラか

"女性だ"。 

距離にして……約1km、肉付きの良さを良く表している白い無地のワンピースに麦わら帽子、
腰辺りまで伸びた艶やかな髪、恐らく美人だが……何故かサングラスをかけている。
多少アンバランスにも見え、似合っているようでもある――しかしへたばった足取りだ。
脂汗も出ている……其処らに落ちていたのだろう、110cmはある木の枝を支えにしている。
よほど、著しく体力を消耗している様子だ。 何かを喋っている、ウォーロックは念の為、聞き取る事に集中する。
――この姿ならば、正確に聞き取る事も可能な筈だ。  "聞こえた"。

≪はぁ、はぁ、くぅ……負けない、負けない、ぞぉ……負け、ない、負け――≫
「っ!! (四回以内にたどり着くっ!!)」

女性の頭部がふらふらとしだした、瞼も閉じつつある。
ウォーロックは考えるより先に、跳んだ。 強化された身体能力を存分に使い、
木々を蹴り、迅速に距離を縮めていく。 たどり着いた時には、既に女性は意識を失い、倒れていた。
ウォーロックは即座に女性の体勢を仰向けに直し、女性の状態を確かめる。

「う、うん――」
「(脈及び息はある。 怪我らしい怪我は、木の枝を握っていた手の平と素肌を晒している面の多い両足首付近に擦り傷がある程度、
肉体的疲労が大きい……か? しかし汗が凄い、このままでは体温も低下してしまう――水、と暖を取れる場所が必要だ。
多少の時間は掛かってしまうけれど、急ぐしかありません。)」

幸いにも水を取れる場所は知っている、飲み水であるかは確かめるしかない、入れ物は、今の体ならば直ぐに作れる。
焚火に必要な材料、熾し方の知識はあった。 何れにせよ、全ての作業手順手早く行わなければならない。
ウォーロックはまず変身を解いた、汗をかかせたままでこの場を離れるのは女性の体温を低下させる恐れがあるからだ。
流石にバハムートとの戦いで汚れ、傷が出来たスーツで拭く訳には行かない、男は何か無いかとついているポケットを全て探し、
"見つけた"。 スーツジャケットの右ポケットに白のハンカチが入れられている、これ幸いと男はハンカチを取り出し――

「うっ!?」

突如、頭が痛みだした……視界が、変わる。  
自然が溢れた今の場所とは違う――都会だ、とある人物の視界で、見覚えのない家の扉を開ける。
誰かに呼び止められる、視界を共有している人物は振り返った、割烹着を着た見目麗しい女性が、白のハンカチを手にしている。

「(これは、私なのか――? この麗しい女性は、誰だ?)」

顔にモヤの様な物が掛かっているというのに……その女性を見ていると心が落ち着くのを男は感じた。
女性が、その人物に近寄り、ジャケットの右ポケットに"白のハンカチ"を入れた。

【いってらっしゃい……"ジョージ"】
「っ!?」

視界が、戻る……周りは木々が沢山だ。 今の現実に、男は戻ってきた。
手にしたハンカチを男は手短に調べる、そして、見つけた、ハンカチの右端に彫られた"George"と言う名前。
あの女性にも言われた"ジョージ"と言う名前、男は……"其れが自分の名前であると、実感が湧かなかった"。

「うぅ……うん、ううん――っ」
「――失礼」

自分を探し求めると言うのは、男にとって確かに大事な事だ。しかし、目の前で苦しむ人を放っておいてまでする事ではない、
男はハンカチでなるべく女性が気にする部分には触れず、汗が酷い所をふき取る。
ある程度まで、汗をふき取った男は振り返りつつ立ち上がり、駆ける。

【ドライバァァッ! オンッ!】
「変身っ!!」
【ワーロックッ!!】

再度ウォーロックへ変身した男は、駆ける。
今は一つの命を助ける為に、走る。

1です。
短いですが本日は此処まで。


今回は、少し荒いか、な?
とにかく続けて行きますが。



明日も投下していきます。
それでは、失礼いたします。

乙ー

「―――っ?」

一人の女性が、目を覚ました。 サングラスで目元はうかがえないが、整った顔立ちから解る雪の様に白い肌、
白く無地で長袖のワンピースからは彼女の肉付きの良さを実によく表しており、出る所は出て、引っ込む所は引っ込んでいる。
その筋の人間が彼女を見れば半数は彼女を欲しがるのではないだろうか?
――被っている筈の麦わら帽子が"男物のYシャツ"の上から乗せられている事に気づいた彼女は訝しみつつ、今の自分の状態を確認する。

「(だるい……疲労がとれてない、足が一番酷いや、体もそんなに冷たくなってない、
喉……乾いたなぁ、はぁ、マスターが作ったアイスミルクが飲みたい)」

如何に欲しようとも、今現在この場所にそんな贅沢品が無い事を、彼女は嫌でも痛感している。
極度の疲労を強靭な精神力で抑え込み、この"島"の周りを彼女は二日掛けて、周り切ったのだから。
けれども――彼女は疑問に思う、満足に水が得られず疲労困憊の状態で歩き続けた所、遂に限界を迎え、
うつ伏せに倒れ込んだ所まで、彼女は覚えている。 しかし今は、大量に掻いていた汗は見る影もなく、
男物のYシャツが布団代わりに掛けられ、同じく男物のスーツジャケットが丸められ、枕替わりに置かれている。
額には半渇きの白いハンカチが置かれている。 少し離れた所には、焚火の跡。 以上の事を考えるに、誰かに助けられた可能性が高かった。

「(Yシャツの長さを考えるに、其れなりに長身の男、ブランド物って訳じゃないっぽいし――高所得者とは言えないかな?
好んで着ているとも考えられるけど……今はどうでもいいか。 額のハンカチは、ほぼ無地の白、か、
右端に彫られた"George"……"ジョージ"か、どんな男かしら?)」

その場で調べられる"ジョージ"の物と思われる所持品を調べ、最低限の情報を彼女は集めるが、
目覚めたばかりだと言うのに強い倦怠感が起き上がるのを拒む、如何にか再び眠りに落ちる事だけは避けたい。
彼女は寝心地の良いスーツジャケットを調べるのは後回しにし、周りに視線を向ける、まずは焚火。

「(火は消えているけれど……まだ煙は出ている、傍には大量に集められ、纏められた枯れ枝、くべる為ね、
けれど何らかの要因で消えてしまった。 う、ん――駄目ね、焚火からは大した情報は得られない、
短時間ではないにしろ、私を助けた"ジョージ"なる人間は何処かに行っている事も解るけど)」

彼女は焚火の他にも何か無いか探すが、特に気になる物は無かった。
深くため息を吐き、寝心地の良い所まで首を戻す、仰向けになって、見える景色は、広く、眩しく、綺麗だ。
だが、何時までも見ていたくはない、早く……心落ち着くあの場所に帰りたい。 

「――ジョージには、悪いけれど、寝ていてばかりじゃいられないんだった」

不意に、彼女は思い出した、現状、多大な苦労を労せず"日本"へ帰れる可能性が一つだけある。
無論簡単には行かないだろうけれど、試さずに逃してしまうには惜しい可能性、
彼女"冴羽 薫"(さえば かおる)は島を周る道中でその可能性を見つけ、その可能性の所有者に出会う為、
疲労困憊に体に鞭打って、こうして歩いてきたのだ。 どれだけの時間が経ったのかは解らないが急ぐ必要がある。

「ん――くっ」

そうして彼女が始めたのは……ツボ押しだ、疲労に悲鳴を上げる両の眼に効くツボを押しもみ、
倦怠感に効くツボも押しもむ、疲労が一番酷い足、此れに関しては効果のあるツボを知らなかったが、
何もしないよりは良かった――生じる多少の痛みにこらえ、自己流のケアを終えた薫はYシャツをはぎ、
愛用の麦わら帽子を被り立ち上がろうとする。 その時だ、高所から落下してきたと思われる着地音が傍で聞こえてきたのは。
薫は、固まる、着地音を立てた存在があまりにも人間とは程遠い"外見"をしているからだ。

「(あ、あ、あ、あ、ぁ――)」

奇抜、奇抜と言う言葉が相応しい筈だ――その存在が振り返り、薫に気づく、
あまりにもミスマッチな生きている"魚"数匹を抱えて。 

「よかった、気が付かれたんですね」
「(が、顔面宝石男が……喋ったっ!?)」

1です。
本日は此処まで。


どれくらい投下できるかは未定ですが火、水、木曜日と投下していきます。
あ、それとこの三日間、レス数節約の為、投下を終えてもお知らせはしません、ご留意ください。
そろそろ序章終わらせたいなぁ――


それでは、失礼いたします。

「え、え、え、え、えぇと……貴方、は?」

目の前の衝撃に対して、薫が絞り出せたのはこの程度だ、決して恐怖からじゃない、驚きと戸惑いと"期待"だ。
彼女は生涯を通して没頭したい"研究"がある、その研究に繋がる繋がらないに関わらず、未知への好奇心は人一倍強い。
幸いにも、目の前の"顔面宝石男"に敵意らしい感情は見受けられない、優先すべき事はあれど、この"未知なる存在"に色々と聞いてみたい。
――薫の問いに対して"顔面宝石男"は自らの姿を軽く一見すると納得が言った様に相槌を打つ。

「あぁ、此れは失礼しました――む? 申し訳ありませんが少々お待ちいただけますか?」
「え、えぇ、解ったわ(やけに……丁寧な男ね)」
「ありがとうございます、では、少しの間その闇の奥の瞳を少々お閉じくださいね?」
「へ? あ……はい」

顔面宝石男からの言葉に少なからず動揺した薫は気の抜けた返事を返してしまった。
――何故だか顔面宝石男がクスリと笑った気がして多少の羞恥と苛立ちから薫は頬が熱くなるのを感じた、
少しは顔を顰めても問題は無い筈。 とは思いつつも……言われたとおりに目を瞑る薫だった。

「フー、フー、フー、フー、フー……よし」
「(火を……つけているのよね? 何で眼も閉じないといけないのかしら?)」
「ふんふんふ~ん、ふんふんふ~ん――」

今度は鼻歌ぁ――? 何だか、別の意味で薫は"顔面宝石男"が解らなくなった。
ごく一部の10代の女の子からは叔母さんと言われる年であっても、一応はうら若き25歳の乙女――
と言う柄ではないけれど、何のとは言わないが、もしかしたら襲われるのではないかと危機感もあった。
が、今の鼻歌でその危機感もほんちょっぴりの欠片を残して何処かへ吹っ飛んでしまった。
――彼の足音が聞こえる、どうやら用事が終わったようだ……"何かが、解ける音?"。

「申し訳ありません、レディ、お待たせ致しました」
「は……はぁ?」

閉じていた眼を開けて、またしても気の抜けた返事を返してしまった薫、一つは、言われなれてない"レディ"と、
前方に居たのが"顔面宝石男"でなく、やけに鍛えられている上半身に服を着ていない、一人の男、
年は……20代の半ばから30の前半くらいだろうか? 認めたくはないが、ハンサムと言える顔だった、
服を着ていないと言うのに首元まで伸びた髪型は綺麗に整えられており、誠実さすら感じる。
――其処まで思い、薫は軽く首を振る、この男には色々と驚かされペースを握られっぱなしだ、
多少強引にでもペースをこちらに戻したい、薫は口を開く。 "まずは自己紹介から"。

「こほん……私は薫、冴羽 薫、25歳の日本人、貴方は?」
「ふふっ、薫さんですか――素敵なお名前ですねぇ」

瞬間、可能な限り薫は目の前の男を睨みつける、決して褒められた事のない名前を褒められて照れているからじゃない、
唯でさえ、急ぐ必要があるから、なるべく円滑に事を進めたい、そうっ! 進めたいからだ。
目の前の男はクスリと笑い……口を開いた。

「えぇ、私は……"恐らく"ジョージと言う者です。 年は"恐らく"20代の後半から30代半ばのどれかでしょう。
日本人であるかは解りませんが、"恐らく"日本を含めたアジア大陸の人間である事には間違いない筈です」

「恐らくが多いのが気になるけれど……名前ですら恐らくが付くのは何故? 自分の名前でしょう?」
「いやあ、それが……どうにも自分の事を思い出せなくて――」

ジョージが語りつつ此方の傍まで歩み寄り、正座の形で座ろうとする。 
薫は特に気にする事はしなかった、ジョージに対して敵意らしい感情も感じられず、
マスターから聞いた"狼"的な要素も見ては取れない、起こした上体を背後の木に預け、ジョージと向かい合う。

「そちらの、貴方の額に乗せたハンカチで、漸くジョージと言う名を知ったんです……本当かどうかは解りませんが」
「ふぅむ、けれども可能性は高いわね、所持していた品の一つなんでしょう?」
「えぇ、衣服などを除けば、ハンカチ、サングラス、指輪、そしてバックル……後者二つは、私にも良く解りませんがね」

薫は即座に思い出す、今のジョージと顔面宝石男に類似している点は二つある。
両手の中指にはめられた二種類の指輪1セットと"趣味の悪い"ベルトのバックル、後者はサイズ等が違うが、
ほとんど同じ物だ、関連性が無いとは言い切れない、何より、直接見ては居なかったが"顔面宝石男"が居た筈の位置に、
"ジョージ"が居た、其れに強いエフェクトが掛かって聞こえていた声も、今では普通に聞こえる。
元は同じ声だ、完璧とは言えないが、10割に近い確率で同一人物と言える。 "此処は様子見でジャブだ"。

「じゃああの姿は? 五体があるのは一緒だけれど、とても人の姿とは思えないわ」
「其れも、良くわからないんです、"大きな熊さん"に襲われて、危ないっ、て思った時に突然指輪とバックルの使い方が、
イメージとして浮かびまして、まだまだ解らない事も多いですが、身体能力の向上、視覚や聴覚と言った五感の上昇などの
効果があるようです。 結構便利ですよ、足も速くなりますし、魚も取りやすいんです」
「そ、そう」

何というか……薫は拍子抜けする思いだった、出方を伺う思いで放ったジャブを相手は開いた両手で掴み取り、
こちらが望む以上の情報をペラペラ喋ってくれる、腹の探り合いを考えていた此方が恥ずかしがるべきか、
相手が…………"馬鹿"と思うべきか、何にせよ、最低限の危機感は持ちつつ、ジョージに対する印象を若干+に修正し、
薫は別の方向から情報を集める事にする。

「その、大きな熊って言うのは? 私、この"島"の周りだけを歩いたけど人を襲う様な危険な生物が居たの?」
「――島? 此処は島なんですか?」

把握していない情報だったのだろうか? 今までのほほんとした感じだった様子だったのに、多少目を見開き、
此方に聞き返してくる。 少なくとも"この場所"が――

「そうよ、まだ確認し尽してはいないけど、恐らく此処は"無人島"四方八方を海に囲まれたね――ジョージ、さん?」
「――っ、お好きな様に呼んでいただいて構いませんよ、ジョージでも、ジョーでも、
ジーでも良いかも知れませんねぇ、もしくはジョジっ! あ、ジョジはジョジでも、女児じゃありませんよ?
私は幼い女の子ではありませんからねぇっ、はっはっはっはっ!」
「…………じょ、ジョージで良いわ、ジョージで呼ぶから」
「そうですか? なら私は今からジョージですねっ! よろしくお願いします薫さんっ!」
「え、えぇ……宜しくね、ジョージ?」

満面の笑みを向けてくるジョージの印象、いや評価を、-方面に修正する薫は何だか頭が痛くなる思いだった。
――このわかりづらい"男"を頼りにしても、大丈夫なんだろうか?

「んんっ! それで、ジョージ? 他にも色々と聞きたい事があるんだけど、その前に、本題に入っても良いかしら?」
「はい、構いませんよ薫さん、何なりと仰ってください」
「そう――じゃあ、遠慮なく」

ジョージには色々と聞きたい事がある薫だが、其れは後にする事にした。
恐らくは多大な苦労を労せず日本へ帰れる可能性、逃してしまえば何時帰れるかは解らない、
非常に遺憾なれど、元の完璧な状態である薫では、下山をするには時間が掛かる。 
体力を消耗した今ではそれ以上か?  だからこそ、不本意なれど、頼らざる得ないのだ。

「此処が海に囲まれた島だと言う事は、さっき話したわよね」
「ええ、私が目を覚ましたのはこの辺りですので、その事は知りませんでしたよ、どれ位の広さか、把握はしているのでしょうか?」
「正確な広さは解らないけど、東京ドーム一個は軽く越しているでしょうね。 話を戻すけれど、ジョージ、貴方、体力に自信はある?」
「はい、恐らくは、ですけれど」

即座に返ってきた返事に薫は一考する、自分がこの地帯に足を踏み入れ、最後に倒れてから約5時間以上は掛かった、
何処にあった川で取ってきたのかは知らないが、生きた魚を持ってきたのだ、恐らくと言う面を考慮しても、
充分な体力が予想できる、僅かに視線をやってもとても疲れている様には見えない。 "行ける筈"。

「それでもいいわ、貴方に頼みたい事があるのよ」
「此処から、薫さんを抱えて海岸へ向かうと言う事でしょうか?」
「えっ、えぇそうよ……良く、解ったわね?」
「薫さんの疲労状態と、四方八方が海、私の体力と言う面で導き出した答えです。 半ば勘でしたがね」

――薫は本当にジョージが解らなくなった、何も考えていないかの様に情報をペラペラ喋ったかと思えば、
くだらない、寒いギャグを言った、かと思えば、今の様に僅かな情報から"勘"とやらで此方が用意した答えにたどり着く、
おまけに"変身"が出来るらしいこの男、自分の事を思い出せないと言っていたが、本当だろうか?
しかし、今はどうでも良い、たとえ"ジョージ"がどの様な男であろうと、薫は頼らざるを負えないのだ。

「其れでもいいわ、じゃあ早速私を抱えて――」
「っ? 薫さん?」

二つの要因が薫の発言を止める、深くは考えていなかったが、抱える? ジョージが、私を?
どうやって? おんぶ?……お姫様抱っこ?――其処まで考えて、薫はぶんぶんと首を振った。
しょうがない事なのだ、少しでも早く行動する為なのだ、しょうがない、しょうがない――
もう一つは"魚"の焼ける良い匂い……お腹の虫が、薫の意思と関係なく"可愛らしい"音を上げた。

「え、あ、いや、これは――」
「ははっ、少し待っていてください」

薫が静止の声を上げる前に、ジョージは魚を取りに行ってしまった。羞恥からか、薫は麦わら帽子を深くかぶり直す。 
額に乗せたハンカチが落下して、膝元に落ちた。 多少の冷たさなど、気にならなかった。

「――ぅぅ~っ」
「薫さん、お待たせしました、小骨等に気を付けて食べてくださいね」
「……ありがとう」

口から尾の先まで木の枝が突き刺さった魚を受け取る薫、出来れば冷たい飲料水の方が良かったが、
腹が減っているのもまた事実、一口頂こうとして――

「あぁ、薫さん……そろそろ服を着てもよろしいでしょうか?」
「え、あぁ、そうだったわね御免なさい気づかなくて、くしゃくしゃにしちゃったけど」
「構いませんよ、そうなる事も考慮してそうしたんですから、お気になさらないでください」
「――ありがとう」

くしゃくしゃになったYシャツとスーツジャケットをジョージに返し、薫は魚を一口噛み千切る。
小骨等に気を付けて、少しだけ、丁度良く焼きあがった身は、じっくりと噛み締める度に、何とも言えない旨味が口の中に広がる、
身を飲みこんだと思ったら、直ぐにもう一口に取り掛かっていた。 "美味しい"。

「ふふっ、私も頂きますね」

微笑ましい様子で服を着終えたジョージが残りの魚2匹を取りに言ったが、薫は焼き魚に夢中だった。
二日間、碌な物を食べれずに消耗した体が魚の旨味を歓迎している、出来れば冷たい飲料水が欲しいが、
この何とも言えない美味しさを、薫はじっくりと味わいたかった――

1です。
本日此処まで。


レス数の節約とか言ってましたが、後になってまだまだ余裕があるじゃんと思った1です。
次からは普通にやっていきます。


3日で3レス1日1レスしか書けなかった……もう少し筆が進むよう頑張ります。
明日は20時以降に投下します。

それでは、失礼いたします。

「はぁ~」

薫が夢中になって食した焼き魚は、もうお頭と骨と尻尾だけ、想像外の美味しさに薫は満足だった。
一々と細かい理由も思いつくが――そんな理由は今はいらないだろう、
身体が、心が感じたままの美味しさを、刻み込む……其れで良かった。

「ごちそうさまでした」
「あ、ごちそうさまでした……て、貴方もう食べ終わったの? 骨は?」
「少々急ぐようでしたので、お粗末でしたが」
「ああ……そう」

駄目だ、軽い重い関係なく、この男に、一々突っ込もうとしたら話の進みが遅くなる。
此処は一気に畳み掛けよう……そう思い薫は口を開く決心をし。

「ジョ――」
「そう言えば、海岸と言う事でしたよね? 船か何かがあったのでしょうか?」
「…………」

どうしてこの男はこうも良いタイミングで話しかけてくるのだろう? 察しが悪すぎる男は嫌いだが、
察しが良すぎる男も、薫は嫌いになりそうだった。

「薫さん?」
「その通り……正確な種類は解らなかったけど、小型船だったわ、私が確認した時、乗務員は居なかった。
何処かに投げ出されたか、この島の調査に降り立ったか、どちらにしても此処でゆっくりしてる場合じゃ――」
「…………」
「? ジョージ、どうかしたの?」

多少の苛立ちからか、薫は言葉を荒げそうになったが、
ジョージが顎に手を当て、深刻そうに考えている様子から、踏み止まる。

「薫さん、私は薫さんの体温低下を防ぐ為及び焼き魚を作る為に焚火を作りました」
「それが――」

どうしたのよ――この言葉を口から出す前に、何となく薫はジョージが言いたい事が解った。
ならば、こちらから情報を出し、より円滑に話を進める方が良いだろう。

「私がこの地帯に踏み入れたのは、砂浜に停まっていた小型船から一人か二人分の足跡が続いていたからよ、
風で随分と消えてたから、確証はなかったけどね――」
「私が倒れていた薫さんを見つけてから今現在まで約2時間……その時、日は落ちていましたか?」
「えぇ、満月が上っていたし、夜と言っていいでしょうね。となると、私が覚えている時間を足して、約7時間か――」
「夜に此方へ探索に訪れたのなら、まだ可能性はあります。近くに島がなければ尚更です、幾日か滞在する為の道具を持っている筈」
「けど、7時間近く経っているのよ? もう船の所に帰っているんじゃ――っ!?」

情報を出し、話を円滑に進める筈が、いつの間にかジョージとの議論に発展しそうだった薫。
が、その空気が突如として一変する。 正確な事は解らないが、何らかの大きな音が森中に響いたのだ。
条件反射的に体がビクッとした薫に、ジョージはスーツジャケットを掛けるのだった。

「ジョージ?」
「薫さん、申し訳ありませんが、少々こちらでお待ちください」

その言葉を聞いて、薫はジョージの両肩を思わず掴んでいた。
――恐怖からか心配からか、何なのかは解らなかったが。

「お待ちくださいって……まさか、音がする方へ行くのっ!?」
「はい、状況を確認し直ぐへ此方へ戻ってきます。 ご安心ください」
「あ、ちょ、ちょっと――」

ジョージが左の手で優しげに薫の右頬を触れる。
薫は何故だか、不安にざわめき立つ心が、落ち着く気がした。
自然と、両肩を掴んでいた両手も、するりと落ちる。

「貴方を一人にはしません、必ず、約束します」
「……破ったら、騒いで騒いで騒ぎ抜いてやるからね」
「ははっ、解りました」

触れていた左の手を戻し、ジョージは薫との約束を了承する。
ゆっくり、ゆっくりとジョージが離れていく、ある程度の距離まで離れて。

「――それでは」
「あ……」

背後へ振り返り、一気に駆け出して行ってしまった。思わず出してしまった呟きすらかき消す様に、信じられない速度で駆けていく、
もう、姿が見えなくなってしまった。 周囲が急速に静まり返る、焚火の音が、そっと吹く風の音が、薫を不安にさせる。
先程まで、あれ程安心していたのに――。



「一人に……しないでよ」

仮面ライダーウォーロック


序章「目覚め」


おしまい――次回へ続く。

1です。
本日此処まで。


1に取って長かった序章が終わりました……どうだったでしょう?
色々と聞きたい事はありますけれど、一番に聞きたい事はただ一つ、
キャラ立ってるでしょうか?(特に薫さん) 

頂いた安価通りに出来ていないのが辛い所ですが、
徐々に安価を再現していきたいと思っています。


さて、次回ですが、幾つかの安価&コンマチェックを取って、
軽く構成を纏めてから投下して行こうと思いますが、少し長くなりそうなので、
今では無く、今日の午後18時00分近くに安価を取ろうと思います。


皆様お気軽にご参加ください。
それでは、失礼いたします。

ちょっと遅めの乙!
>>1の文章読みやすいし状況が掴みやすいから好きだわ。
薫もジョジもキャラが立ってていいと思うの。

こんばんは、1です。

時間となりましたので、そろそろ安価を取りたいのですが、
参加してくれる方はいらっしゃいますでしょうか?
(昨夜伝え忘れておりましたが、一部範囲限定安価です。)

(2~3人で充分、4人以上でやってみたい安価も交えて。
1人なら……ゆっくりやっていきましょう)

点呼とか必要ないのか、もしくは――
ひとまず、安価を始めていきます。



次回、登場予定人物二人の男女比率


1:男性二人
2:女性二人
3:男性一人 女性一人


下1

3

お、男性一人、女性一人ですね。
ではお次に、一人ずつの職業の実力安価、何の職業かは伏せます。

(コンマのシングルチェックです。 右側1の位ですがゾロなどは適用します。)


1であるほど最低で、9に近いほど最高。
(0の場合は9+特典一つ ゾロの場合はその数値の値で特典一つです。 00は、9+二つで)



それでは
下1と下2で。

soiya

umu

そこまで、其れでは伏せていた職業を発表します。


下1が警備員(5)
下2が指輪職人(6)です。


お二人とも自分のご職業では並以上の実力を持っているようですね。
(下2だけ職業と言えるかは微妙ですが……その辺りちょっと考えます)


お次は、男性と女性の名前行きましょう。
(苗字と振り仮名も一緒にお願いします。 ついでに年齢も(19歳以上50歳未満で))


下1が男性(どちらの職業かをお選びください)
下2が女性


それでは、お願いします。

守屋(もりや)

先峰 ゆかり(さきみね - )26
指輪職人

388さん

すいません、例を出さなかった私の責任ですね。


守屋君は苗字でよろしいでしょうか? よろしければ、お名前と年齢をお願いいたします。

う~む、守屋君については一端保留で。
まずは先峰さんがどの様な人物か聞いていきましょう


それでは、先峰ゆかりさん、貴方はどの様な人物ですか?

下1~5

自分の仕事以外は割とずぼら

年齢以上に若く見られがち

基本はだんまり

珍しい指輪になると急に活き活きする

大和撫子

すいません、守屋打ち込んだ者です 
やり直し、今打ちます

守屋 修二(もりや しゅうじ) 30歳

安価其処まで。


先峰ゆかりさんは――

「26歳と言う年齢以上に若々しく見られがち、普段はだんまりで、
自分で請け負った仕事以外は割とずぼら、しかし珍しい指輪になると急に活き活きし、
大和撫子な方ですね」

面白そうなキャラですが、私の腕しだいですね、頑張ります。



そして守屋 修二さん、30歳警備員の方ですね了解しました。
それでは、守屋修二さん、貴方はどの様な人物ですか?


下1~5

護国の鬼

厳つい見た目に繊細なハート

要領がいい

シングルファザーで娘に甘い

料理上手

安価其処まで。


守屋修二さんは――

「厳つい見た目なれど繊細なハートを持つ、料理上手で、要領の良い、
娘さんに甘いシングルファーザー、しかし警備員としての仕事に、護国の鬼の如き、覚悟を持っている」


でしょうか? 護国の鬼と言う言葉に聞き覚えがなかったので軽く調べてみましたが、
「国を守る為に、命を捨てた人。特に戦死した人を言う。」とありまして。
流石に戦死していたら、どう登場させた物か悩みますので、この様にさせて頂きました。
――いや、こう意味だよと言う事がありましたら、ご遠慮なく仰ってください。


さて、次は次回に登場するファントム二体分の安価を取りたいと思います。


本編に登場していないファントムでしたら。


名称
外見
性格

これら3つをご記入ください 
(本編に登場しているファントムでしたら、性格のみで)



それでは


下1と下2

ゴブリン

緑色で肥満体の鬼みたいな姿、各部に鎧を着込み、棍棒を装備している

単純バカ 言語が非常にゆっくりしている

カラステング
男性型で黒装束に背中に鴉の翼を持つ
人を食ったような性格

安価其処まで。
ファントムの安価もそろいまして、以上で安価を終了します。
皆様長い時間お付き合い頂きありがとうございました。

以上の安価を踏まえまして第1章の構成及び下書きに取り掛かります。
ある程度進みましたら、投下予告をしますので、気長にお待ちください。



380さん

こちらこそ遅くなりまして申し訳ありません。
とにかくご感想ありがとうございます。

キャラ立ちは一番気になっていた所でしたので、とても嬉しく思います。
後から自分で見返すと、ああ、こうすれば良かったなとか、ここ間違ってるとか色々発覚して恥ずかしい限りですが。

感じていただいた利点をもっと広げられる様に頑張ります。





それでは、失礼いたします。

乙でした
これからも頑張ってください

2012年9月25日(火) 午前9時13分

天気は快晴、暑くもなく、寒くもなく。 一人の男が目を覚ました、"依頼主"に用意してもらった寝袋の中で、目を覚ました。
まず一番気になるのは顔の硬さ、一晩中風に当たったせいか、頬の筋肉が凝り固まっている、
寝袋のチャックを下におろし、上体を抜き出した男は両の手で顔を温めつつ揉み解し、首をゆっくりと回す。
そうして寝袋から足も抜き出し、寝袋を丁寧に畳んでから、立ち上がり、両腕を上げ、伸びをする。

「うっ、くっ、くっ――」

そうして、身体を解す為の柔軟体操に入っていく、此れは彼の日課の一つでもある。
何時如何なる時も"警備対象"を守る為、迅速に行動する為だ。 彼の名は"守屋 修二"(もりや しゅうじ)30歳、独身子持ち。
東京都にある警備派遣会社SSLに勤めるシングルファーザーだ。 しかし、彼が現在居る場所は都心では無い。
街じゃない、村でもない、"島"だ。 恐らくが付いてしまうが、"無人島"に彼は、"彼等"は来てしまったのだ。

「――ふぅっ」

柔軟を続ける守屋の脳裏に、約二十日前の事が思い起こされる。 
警備派遣会社SSLに勤める守屋は、愛する一人娘を学校に送り届けた後、何時も通り出勤した。
SSLは守屋を含めて所属している人員は四人しか居ない。 が、依頼達成率及び危機的状況が起きた時の襲撃者の確保率は何と百%。
及び、警備対象者の負傷率は1.0%未満。 守屋は良くは知らないが同じ業界内でも異常な程の良い数字らしい。
おかげで身近のスーパーの小規模のイベントから大物人物の警備協力まで、様々な依頼が舞い込む程、信頼は篤い。

「いち、に、さん、し――」

SSLの中で守屋の経歴は現在6年目、多少の中堅所に足を踏み入れた。 が、一番後に所属している為、会社内での立場は下っ端だ、
"とある一件"を加えても常に誰かのサポートを受けて仕事を熟してきた。 しかし、今年の9月1日、娘を送り届け、
出勤した守屋は経理兼装備開発担当兼警備員の先輩の女性から一つの茶封筒(A4)を渡された。
中には十数枚、全てにビッシリと文字が書き込まれた"警備依頼の書類"が入っていた。
先輩は「貴方をご指名だから、しっかり準備して望んで」と言われた、普通なら、喜ぶ所だった。
――"普通の依頼ならば"。

「いち、に、さ、んっ――」

依頼主は"結城財閥"と呼ばれる複数の企業を束ねている、いわば"大金持ち"。
そんな大物からの依頼と言う事は警備対象も"大物だった"、"先峰 灯26歳"(さきみね あかり)"旧姓は結城"。
18歳までは有名所のお嬢様学校に通っていたが、卒業後2年間はフリーアルバイターをした後、なんと家を飛び出している。
――この様に書類に記載されている彼女の経歴の一文だけ抜き出しても守屋は訳が解らなかった。
どうも彼女の父親が先峰さんの振る舞いに激怒し、彼女を勘当したそうだが、周りはそうでもなかったらしい。
"夢を追いたい"と言って出て行った彼女を、父親以外の家族が後押ししているのか、
一億は軽く超えていると言う彼女の口座も凍結しておらず、"先峰"と言う性も、元は結城財閥に嫁いだと言う母親の姓の様である。

「いち、に、ぃっ――」

この様に、既に結城財閥から勘当されている人物でありながら、超A級の警備対象である"先峰 灯"、
もし万が一、その身を傷つけられる様であっては最悪SSLは"潰される" 其処まで行かなかったとしても、
SSLが今まで築いた信用はがた落ちだ、とても一人で受けられる依頼では無い、守屋は断ろうとした。
せっかく馴染みつつあったSSLの信用を怖し居づらくなるのも、辞める事も嫌であったし、
そして何より、約一ヶ月は拘束されると言う長期の警備でまだ6歳の娘を家に一人にしておくのは一番の心配であった。

「いっ、ちぃっ――」

しかし、守屋はこうして依頼を受け、約一ヶ月の依頼期間も三分の二は終えている。
何故か? 三人の人物に後押しされたからだ、女性の先輩は「失敗を恐れてちゃ、成長はしない、其れにじゃじゃ馬娘のお守見たいな物だしさ、
最悪の事態には備えつつ、休みの気分で行って来たら?」とか、所長には「確かに信用を壊される事は痛いけど、
君を辞めさせる様な事はないよ、彼女の言う通り最悪の事態には備えつつ、行って来たらどうかね?」とか、
――三人の中で守屋に一番効いたのは、最愛の娘の一言だ「わかったよ、パパァっ! 頑張れーっ!」て、シンプルかつ、
一番響いた一言で、守屋は依頼を受けた。 (依頼期間中の間、娘は所長が預かってくれている)

 
 

お、生きてた

「――ふぅっ」

こうして、受けた先峰 灯の長期の警備依頼、その準備期間は二日掛かった。
如何にも出来る執事さんと言う感じの結城財閥の関係者から、手始めに先峰さんの旅の予定図をしっかりと覚え込まされ、
その次に先峰さんの食事の好き嫌いを把握し、その上で栄養バランスの取れた食事メニューを徹底的に教え込まれ、
(今では適度にアレンジを加えている) 緊急の連絡手段、予定ルートで通る街、村の情報も覚え、
最後には結城財閥所属のSPの方達と、基本的な警備手段のお浚い、あらゆる状況を想定しての模擬練習等。
――本人に出会う前から、凄いプレッシャーを与えられた。

「(でも、当然だよな……いくら業界では有名と言っても、万が一が起きらないとは限らない。
勘当されたとは言え、大切な娘さんである事に変わりは無いんだし、少しでも可能性を減らしたいのは当然の事だ)」

其処まで、思い返して、守屋は不意に笑ってしまう。 肝心の本人に出会った時が、あまりにも写真や話に聞いていた印象とは
違っていたのだ。 少なくとも――彼女が守屋と二人きりの時に見せる姿は"おしとやか"でも、"お人形"の様でもなかった。
服は平気で床に脱ぎ捨てるし、朝に弱く、ボサボサになった髪の手入れを普通に任せてくるし、放っておいたら、
徹夜してまで"魔宝石"と呼ばれる宝石を探したり、その宝石に手を入れて"不思議な指輪"を作っている。
関係者の方々に教えられていなくとも、放ってはおけなかっただろう。 "魔宝石"と"不思議な指輪"、彼女のこの二つの事に対しての
熱意は凄まじいが、いかんせん、他の事がおざなりだった。 自分がしっかりと支えていかねば行けない。

「――9時、50分か」

右手に着けた、腕時計を確認し、守屋は改めて思い返した。 "魔宝石"を探すこの旅もある程度の目途が付き、
先峰 灯の友人が見つけたと言う珍しいと言う魔宝石を回収し、財閥が用意したクルーザーで指定された場所へ向かっていた時、
突如として天候が荒れたのだ、晴天だった空は瞬く間に黒く変色し、叩きつける様な雨が降り、雷が荒れ落ちる。
当然、穏やかだった海も、激しく荒れる。 どうにか抜け出そうと操縦に四苦八苦した瞬間、眩い光が視界を覆った事までを最後に、
海岸の砂浜にクルーザーが打ち上げられた所で、守屋は気がついた。 
――あれ程荒れていた状況だと言うのに寝室でぐっすりと眠っていた同行者には、呆れるよりも、感心を抱いたが。

「はぁ、まさか限定的に機械が使えない場所があるなんてなぁっ」

そう、ある程度、現在の状況を調べる為、クルーザーの通信機器を使用しようとしたが、なぜか使えず、
用意された高性能携帯電話も何故か使えず、カメラなども使えない。 思いつく限りの手段を行ったが、
どうしても"伝える" "写す"などの機器が使えなかった。 加えて、現状では打ち上げられたクルーザーを反転させ、
海に戻すのは、難しい、多少は腕力に自信はあるが1000kgは有に超えるクルーザーを一人で動かすのはとても無理だ。
無理ではないにしても時間が掛かりすぎる――流石に、先峰 灯は頼りに出来ない。

「9時、53分」

其処で、起きてきた先峰 灯と話し合い、この不可思議な島を調べる事にした。 もしかしたら、無人では無く、
誰かが暮らしているかも知れない、たとえ無人であってもクルーザーを反転させられる道具も確保出来る筈。
食糧と飲料水にも余裕があった為、必要になりそうな道具を大型のリュックサックに収め、括り付け、
二人でこの島の探索を開始したが……日も完全に落ちており、月も雲に隠れてしまった為、
これ以上の行動は危険と判断し、ある程度安全を確認できた場所でテントを張り、夜を越したのだ。

「9時、56分」

無論、テントには先峰 灯に入ってもらい、守屋はテントに"お手製のカバー"を掛け、
自分は少し離れた場所で寝袋に入り、数時間ほど、様子を見てから、眠りに入り、今に至る。
――もう一度腕時計に視線を落とせば、9時58分33秒……守屋はフッと息をつき、テントへと歩き出す。
テントを覆い隠す様に被せられた"お手製のカバー"、大量の葉や、枝を退かし、守屋はテントのチャックへと手を掛け、開く。
そして……"彼女"を起こすのだ。

「午前10時ジャストッ、先峰さぁんっ! もういい時間ですから、起きてくださぁぁぁぃっ!」

仮面ライダーウォーロック


1章「魔法使い」


はじまり、はじまり

1です。
本日は此処まで。


≫410さん

なん、だとっ……ひっそりと書き溜めて行こうと思ったのにっ!?
――はい、失礼しました。 レスありがとうございます。

とりあえず今話の構成を考えていたのですが、ある程度進んだ所で行き詰まってしまって、
だんだんと時間が過ぎていくので、いっそ開き直って書きながら考えて行こうと思い、
書き始めました。



しばらく勢いで書いて行きそうですが、続ける意思はまだまだありますので、
気の向いた時に読んでいただければ幸いです、あいもかわらず、執筆速度は遅いので。
――1章の投下ですが、書ける時に書いて行こうかと思っています。
恐らく1日に1レス程度ですので、ある程度日が経ってからの方が、
纏めてお読みいただけるかと思います。



それでは、失礼いたします。

「――――」
「あ……はぁっ」

テントのファスナーを開き、起こしても、先峰の反応は無い。 恐らくは徹夜したのだろう。
持参した仕事道具を手に、此方からは背を向けて、魔宝石を指輪へとする作業を行っている。
守屋は、ため息をついた。 傍目から見て、同種の橙色の魔宝石2個、手を加えた指輪は既に出来上がっている。
そして、今作業をしている魔宝石は緑色だ。 珍しい物らしいが、これを手にした時の先峰のはしゃぎっぷりは記憶に新しい。

――とにかく、こうなっている彼女はテコでも動かない、よほど集中しているのか、まじかで喋っても、耳元にふーって息を吹きかけても、
作業に没頭しているのだ。最も、された事は覚えているようで、イタズラをされたり、正座をさせられて怒られたり等、手痛い目に合う、
仕方なしに守屋はゆっくりとテントから離れて行く。 旅の中で実感した最も良い方法は、作業が終わるまで此方で時間を潰す事だ。

「はぁぁぁぁ、すぅぅぅぅ、はぁぁぁぁぁ――っ」

作業の邪魔をせぬ様、少し離れた場所で守屋は深く深呼吸する。 柔軟は充分にした、となれば、次は基礎的な動作の復習、
そして不測の事態が起きた場合の対処法の考慮だ。この場所は大量の木々が生い茂っており、草花も生えている。
ただ、人の手が加えられた地面に比べると、高低差があり、小石なども散らばっている。
上手く利用できれば銃などの武器を所持した襲撃者への対処も幾分か楽になるが、利用できなければ一気に相手のペースだ。
守屋は複数の状況を仮定して、練習を行う、絶対に失敗は許されないのだからと、自らを奮い立たせて。

「出来たあぁぁぁ――っ!」
「っ!?―――はぁ」

殆どの人には聞かせないであろう達成感に満ちた、可愛らしい叫び声に、練習途中の守屋は軽く驚き、ため息をつく。
出会った当初の印象は26歳とは思えぬほど……本人に聞かれれば怒られてしまうが、150cm代の身長にまるっとした両目に、
幼げに整った顔立ち、腰まで伸びた長い黒髪にピンクのリボン、とお世辞にも成人を超えた女性には見えなかった。
其れに一見冷たい感じがして、守屋との自己紹介などでもてんで興味がなさそうで、殆ど口を噤んでいた。
――てっきり警備者とその対象として良い関係は気づけないかも知れないと思っていたが、"色々とあり"、
何だかんだで気軽に話しかけてくれる関係にはなれたと守屋は思う。 その"色々"の幾つかは、三十路の大人としてあまり思い出しくないが。

「――ふぅ」

とりあえず、この後の先峰の言動を守屋はほぼ予測できる。
おやすみなさいと言って、直ぐに作業を開始したと考えれば約8時間、そして此れまでの経験まで考慮して、
次に大きく叫ぶ言葉は――"あれしかない"。

「守屋さあぁぁぁぁぁんっ! お腹が空きましたぁぁぁぁぁっ!!」

テントからひょこっと顔を出し、あるがままの欲望を叫ぶ先峰に守屋は微笑する。
当初は戸惑ったものだが、今では多少手のかかる娘の様に思えてきて、幾分か余裕を持って対応できている。
――さて、最愛の娘を"多少"甘やかしている自覚はある守屋だが、食事の前のマナーはキッチリと行わなければならない。
其れが普段からの健康に繋がるし、何より守屋自身が、見逃せない。
テントからは少し距離が離れている為、軽く息を吸う――ちゃんと伝えるために、守屋は声を張る。

「分かりましたぁぁ~っ! でも、ちゃぁぁんと顔を洗ってぇぇっ、歯を磨いてぇぇっ、手を洗ってからですよぉぉ~っ!」
「ええぇぇぇぇぇっ!?」
「ええぇぇぇぇぇっ!? じゃ、ないですよぉぉっ、先峰さあぁんっ! お疲れなのは分かりますがぁぁっ!」

先峰の態度についつい、語気を強めてしまう守屋。 そのついでに体もテントに向かい早歩き。
何故語気を強めてしまうかと言えば、ただ一つ、先峰の普段の生活態度からだ。
服は平気で床に脱ぎ捨てる、髪が多少荒れていても「へーき、へーき」の一言、コンビニで買ってきた
自分用と言うお菓子やらお弁当やらのゴミは片づけない、財閥との約束の場所まで後5分だと言うのに走ろうともしない、

――等々、先峰の"普段"の生活態度を簡単に言えば"ずぼら"だ。 良くは知らない元お嬢様と言う事を考えても、
先峰が"他の人"の目に映らない時の生活態度は、守屋から見て"酷い"の一言。 
"魔宝石"と"指輪"、彼女がこの二つに見せる情熱と活力は凄まじく、素晴らしいものとさえ守屋は思う。 ただ――。

「良いですかっ! たとえ辛くとも、規則正しい生活を送っていれば大好きな指輪作りにだって集中できるし、
魔宝石探しにだって専念できるんですよっ! 場所が無いからと言ってご自分が散らかした菓子袋などを床に落として、作業台を置いても、
お菓子の食べかすが脱ぎ散らかしたご自分の服に掛かって、洗濯の為に予定時刻を大幅に過ぎるだけな――」
「もぅ、守屋さん、ただでさえVシネマに出てきそうな怖い顔で、そんな怖そうに言わないでっ、私の寿命が凄~く……"ちぢんじゃう?"」
「えぇっ!? じゅ、寿命がぁっ! 縮むぅぅっ!? そそそそそそ、そんなぁっ! 幼稚園児の頃から顔が怖い顔面凶器ネオ顔面凶器ヤクザゴリラ
木偶の坊肉ダルマ等々言われてきた僕の為に寿命が縮んだぁぁっ!? どどどどどどどどうすればぁぁ――!!」
「ぷ、く――っ」

"へ、え?"ほとんど、余計な意思が介する事なく、守屋の口から力なき呟きが漏れた。
ギギギと油の切れたロボットの如く、ぎこちなく目線を下にやれば"先峰"が口に両手を抑えて、必死に笑いをこらえていた。
――十数秒ほど、守屋は思考と言うエンジンが止まった……しかし、徐々に、徐々に、"理解"と言う形で"思考"が動き出す。
"からかわれた"と言う答えを導き出して……片方はフリーズが溶け出して、もう片方は、我慢の限界の様だ。

「くっ、くふふふふっ、あはははははははっ!」
「先峰さんっ! 冗談にしては酷すぎやしませんか!?」
「あははっ、ご、ごめんなさい。でも、普通信じないわよあんな冗談、よっぽど人が良い証拠かしらね? にしても色々と言われて来たの――」
「――――っ」
「身支度整えて来ま~す」

守屋の様子の変化を察して、先峰は笑顔でテントの中へ戻った。 "そうしてください"と、力なく出た呟きは、半ば諦めから来ている、
彼女は、関係の浅い人間には刃の様な冷たささえ感じる美しさを見せるが、一度関係が深くなれば、先の印象など何処かへ行く。
しかも、自分の様に存分に頼っても最終的に許してしまったら、もう最後だ。 結果的に彼女の熱意的な行動に振り回され、
すぼら――だらけた生活態度に四苦八苦させられる。 しかし、悪い女性では無い、良い事は良い、悪い事は悪いと言える女性であり、
好感を持てる人だ……出来れば、魔宝石と指輪に全振りしている活力を普段の生活に回してほしいと、守屋は切に願った。

「はぁ――(もう少し、厳しく接するべきなんだろうか? しかし……う、むぅっ)」
「お待たせしま~した、ん? どうしたの守屋さん、何か考え事?」

身支度を終えた先峰がテントから出てきた。 髪はキチンと整えた上でリボンを結んでおり、寝間着から半袖のYシャツ、
青のダウンジャケットに黒のジーンズに茶色のレザーブーツとラフな服装。 かく言う守屋も人の服装についてとやかく言えなかった。
本来ならSSL支給の制服か、スーツでこの旅に同行する筈だったのだが、「そんな堅苦しい服装は嫌」の一言で、
黒の革ジャン、白のタンクトップ、青のGパンにスニーカーと、これまたラフな服装に変えられてしまった。
今ではお気に入りの服装になっているが、とても娘や知り合いに見せるのは憚れる。

「いえ、何でもないですよ。 それじゃあ、ちょっと待っていてください」
「はいはい、パッとやっちゃって、ご飯にしましょう」

守屋はテントに入り、クルーザーから持ってきた二つのクーラーボックスの内一つと、タオル二つ、ケースに入っっている歯ブラシと歯磨き粉を
手に、テントから出て。片方のボックスにタオルを置き、目的のボックスの蓋を開いて、2Lの飲料水が入るペットボトルを取り出す。 
保冷剤のお蔭で、其れほど温くはない。先峰が両手を合わせて御椀を作る、守屋がペットボトルの蓋を開き、その御椀に水を流し込んだ。
流れ込む水で先峰は顔を洗い、ボックスに置いたタオルを一つ手に取り、顔を拭いた。

「ふぃ~い、じゃ、守屋さんの番ね。 やってあげる。」
「ええ、ありがとうございます」

守屋も同じ様に顔を洗い、もう片方のタオルで顔を拭く、お次は手を洗い、最後に歯を磨き、口を濯ぐ。
食事前のマナーも終わり、守屋は空のペットボトル等、道具を片づけてからペットボトルが入っていたボックスじゃない方の
ボックスの蓋を開き、守屋お手製のサンドウィッチを入れた細長いサンドウィッチボックスを二つ、
500mlのペットボトル(中身はスポーツドリンク)を取りだし、先峰に一つずつ手渡す。 クーラーボックス二つの蓋を閉め、
二人はボックスを椅子代わりにし、少し遅めの朝食を始めた。

ほむほむ

「ん~、美味しかった。 今日も合格点よ、守屋さん」
「ははっ、ありがとうございます。 其れでは色々と片づけますので、先峰さんはご自分の荷物を纏めてください」
「は~い」

食事をはじめてから十数分、サンドウィッチを食べ終えた二人は其々の荷物の支度を始めた。
先峰はテント内に戻り、指輪作りに必要な道具一式と完成した指輪3個を、其れなりに大きく道具を入れるのに丁度よかった裁縫箱に入れ、
持参したボストンバッグに裁縫箱を入れて、チャックを閉め、バッグを担いで……先峰の支度はお終い。
――ブーツを履いて外に出れば、守屋がクーラーボックスに入れていた二本の水筒に水を入れ終えて、片付け終え蓋を閉めたボックスに
置いている。 後はテントの中の荷物を出して、テントを片せば終わりだろう。

「(本当、要領が良いんだよね、守屋さん)」

元々、家出をする前から親しく、旅が趣味だと言う友人から"魔宝石"を見つけたと言う報せを受けたのが、この旅の始まり。
目的地が列島から少し離れている無人島だった、何故かと言ったら、探究心溢れる友人がその島を気に入り、出来れば取りに来てほしいと言う
理由からだ。 特に嫌と言う訳も無く、そろそろ魔宝石を探しに行こうとしていた事から、普通に承諾し、さあ行くぞっ!
と言う時に、"元実家"から待ったが掛かった、曰く一人旅は危険だから優秀な護衛を付けたい、二日待ってほしい、と。
最初は"あの人"かと思ったが、結果は姉さん、多少イラついて連絡してしまったが、懐の大きい姉さんは受け流しつつ事情を話してくれた。
――けれど。

「(いくら、大きい商談があるからって、警戒しすぎなんじゃないかなぁ……私はもう結城の家とは関係ないんだし、
其れに、もし誘拐されたとしても、「誰だそいつは? その様な小娘っ! この家とは何ら関係がない、煮るなり焼くなり好きにしろっ!」とか
なるんだろうし……ま、今の私には詳しい情報なんて入ってこないんだけどさ)」

其れでも、"優秀な護衛"とやらに守屋を付けてくれた事を先峰は姉に感謝していた。 (他にも感謝すべき事はあるが、語ると長くなる。)
最初こそ、180cmの後半の身長に何処のボディビルダーかと言いたくなる程、鍛えられている肉体。 何処の893かと聞きたくなる、
怖い顔、纏めて語れば、外見の恐怖にしばらく言葉が出なかった。 こんな怖い人としばらく旅をしなければならないのかと、
姉を恨んだものだったが、その恨みも直ぐに晴れた、旅をする中で自然と会話する機会もあり、怖い見た目に反して、
物腰も丁寧で、時に繊細な姿も見せて、料理も美味しく、要領も良く、所持している免許も多数、元実家の支援もあるとは言え、
この一ヶ月近い旅の中で困った事は殆ど無いのだ。 其れに――

「(結構、面白い人だし……ね?)」
「ん? どうかしましたか先峰さん?」
「ううん、何でもないわ。 あとテントの片づけだけでしょう? 手伝う?」
「いえ、五分六分程度で終わりますので、ボックスにでも座っていてください」
「OK、わかりました~」

二人とも思ったより仲良しでほんわかする

「――ふぅっ」

テントの片づけを終え、リュックからホルダー付の警棒を取りだし、ベルトの左脇に差し込む。
SSLに入社して初めての任務で先輩から渡された丈夫かつ軽い、特別製だ。 
――"当たり所及びタイミングが悪ければ、死んじゃうかも!" なんて言われて渡された品物だけれども、
守屋はこの警棒をずっと使っていた、理由と言えば扱いやすいぐらいだが、何だかんだで愛着が湧いたのである。
警棒の他にはコンパスを取りだし、直ぐに取り出させるようGパンの右ポケットに入れる。
後は、纏めたテント用具と寝袋をリュックに入れて……終了。 

「先峰さん、お待たせしました」
「お疲れ様~、この後どうするんでしたっけ?」
「ええ、一先ずは休憩を含めて、3時間ほどの探索を行います。 目的は、住民が居た場合にクルーザーを反転させる為の協力を要望、
断られたり、住民が居なかった場合は、目印を付けつつ下山します。 よろしいですか?」
「ん、大丈夫。 こんな所でゴネる我が儘女じゃなくてよ?」
「ははっ、其れでは出発しましょう」

先峰はボストンバッグと、その逆側に水筒二つを担ぎ。 守屋はキャンプ用具が入ったリュックを背負い、其処からクーラーボックス二つを
×状に担ぐ、此れだけでかなりの重量だが、弱音は吐かない、SSLの経歴を含み、昔から体を鍛えてきた自負と、女性には辛い、
重い物を持っての長時間の徒歩をさせたくないと言う気遣いから。 二人は、ある程度道が平らかつ、勾配が緩やかな坂を下りていく。
――そんな二人の背中を、何者かが遠目から見ていた。

「あれが侵入者共か……つまらんな、"ゲート"でもなければ、強者でもないとは」

その者は木の上で、太めの枝に寝転がる。 ただし"人間"ではなかった。
人間と同じ様に五体を持ってはいるが、素肌が垣間見える部分は黒ずんでおり、四本の指しかない手足には鋭く伸びた爪、
しかし"服"を着ている、現代の物ではない、鈴懸と呼ばれる手首から足首まである黒い法衣に身を包み、
首からは結袈裟と呼ばれる物を掛け下げ、腰に巻いた螺能と呼ばれる黄色い紐、その右腰には網目状の紐に入れた法螺貝が繋がれている。
"山伏"こう呼ばれる者達にこの"怪物"が来ている服装は似ている。 黒い羽毛に覆われた顔は、鋭い嘴を持ち、切れ長く蒼い両目、
もっとも特徴的なのは、この二点以外が赤い"面"に覆われている様に見える事だ。 此れは、この"怪物"の名前が関係している。
――この怪物の名は"カラステング"。 伝説上の生物としてとして今も伝わる其の名を、"カラステング"は生まれた時から持っているのだ。

「"木偶"にでもやらせるか、奴でもあの程度ならば直ぐに終わらせるだろうて」

そう言うと、カラステングは法螺貝を手に取り、口に当て、吹く。 覚え込ませるのには苦労したが、
木偶には三つのリズムを刻ませた、今吹くのは、侵入者発見の合図、自分と木偶と、あともう一人、この"地帯"にて、
自分たちに与えられた"警邏"と言う役割を円滑に運ぶ為の合図だ。 其れともう一つ。

「――行って来い」

カラステングは懐から幾つかの"種"を放り投げ、もう一度法螺貝に口を当て、吹く。
今度は……"援軍"を送ったと言う合図を送って、カラステングは起こした上体を下し、空を見る。
眠る気にはなれない、幾ら木偶とて、遅れをとる様な事はないと思いつつ、カラステングはとある期待をしていた。

「(強者よ、現れろ……此処は退屈だ)」

そう思い、今度は取り出した二つの紙切れを風に流した。 
風に流されゆく紙切れは、カラステングが遠目の状況を知る為の手段の一つ。
自身は……横になりつつ、状況を見守る。

「――――っ」
「――――ふぅっ」

出発してから十数分、守屋達はペースを緩めつつ、歩いていた。 歩けど歩けど、人の姿どころか、小鳥一羽の姿すら見つからないが。
守屋は一度止まる合図を後ろを歩く先峰に出し、一端歩みを止め、急に辺りを見回し始めた。

「喉が渇いたの守屋さん?」
「あ、いえ……先峰さん。 何か、感じませんか? 視線の、様な」
「視線っ? う~ん――」

守屋の指摘を受けて、先峰も辺りを見回してみるが、人が居る様な感じは無い。
しかし、自身とは違い、荒事を幾度となく体験している守屋の疑問だ。 まるっきり、無視して良い物ではない筈。
先峰は表面上は笑顔を作り、守屋の水筒を肩から外し、水筒の蓋を取り、蓋に水を入れて、近づいた。
――守屋に聞こえる程度に、声量を下げて。

「気のせいなんじゃないですか? 水でも飲んで落ち着こう?」
「――そうですね、ありがとうございます」

守屋は水筒の蓋を受け取り、入れられた水を一気に飲みほし、片膝をついた。
これで、視線もだいたい同じになった。 礼を言いつつ、守屋は蓋を返した。
そして……"警備者"と"その対象"としての会話を始めなければならない。

「≪私、どうすれば良い?≫」
「≪今は、このまま歩き続けましょう。 仮に私達に危害を加える者だった場合は――≫」
「≪状況を見つつ、付かず離れず、よね。 最悪の場合は、一目散に逃げる≫」
「≪はい、その通りです。 場合によっては荷物も破棄します、命が大事ですから≫」
「≪わかった……じゃ、行きましょうか≫」

こうして、二人はまた歩き出す。 本当に居るか解らないは解らないが、万が一と言う事もある。
二人は決して、万が一を起こしてはならない立場なのだ。 起きてしまえば、自分達だけの被害ではスマナイ、
だからこそ、抜ける時は抜きつつも、細心の注意を払って旅をして来たのだ。

「にしても、本当誰も居ませんねー、どうしてでしょう?」
「分かりません、まだ見つけられていない未開の地なのかも知れませんが、其れも可能性の域を出ませんし」
「う~ん、まだまだ我慢して歩くっ! しかないですねぇ――あ、水飲んでも良いですか?」
「ああ、わかりま――」

あと二文字、言葉が出なかった。 先峰が自分の分の水筒の蓋を開けようとした瞬間、
守屋が歩みを止めて、先峰に振り向いた瞬間。 守屋の後頭部の間近を"何か"が通り過ぎた。
――結果、近くにあった大木から、破裂音に近い大きな音がし、守屋達とは真逆の方向へ倒れていく。

「な――なにっ、これ?」
「武器、じゃあない……なんだっ!?」

突発的に起きた現象に驚く二人、呆然とする先峰に対し、守屋は発射されたと思われる方向へ迅速に振り向く。
そして、もう一弾、こちらへ迫っていた。 驚愕に息を飲みつつ、強い意志で、守屋は先峰を抱えて動き出す。
つい先ほど聞いた破裂音が、今度は自分達が居た位置で聞こえる。 体勢を入れ替えつつ避けた事で、
二人は突然起きた現象の正体を知ると同時に、とても――信じがたい存在を目にする。

「で――でか、い、お、大きいね守屋さんっ!」
「え、ぇぇ――に、人形、ですかね、あははっ」

乾いた笑いが出る二人、無理はなかった。 二人が見た存在、少し距離が離れているとは言え、
その奇形さが見て取れたからだ。 まず目を取られるのは金属質の"7m"はあるかと思われる巨大な棍棒、
そして、人間と同じ五体を持ちながら、4mはあるかと思われる巨大で、緑色の"肥満体"、各部に着込んでいる防具が
悲鳴を上げている様にギシギシと嫌な音を立てている。 そして、人間とは違い、鼻が長く、頭部には短い角が何本も生えている。
――どう、考えても人形ではなかった。 人間と同じ様に息をし、その大きな口からは、大粒の涎を垂らしている。

「あ~~れ~~? あ~た~ら~ね~え~ぞぉ~?」

空いている左手で頭部をボリボリと掻く巨大な怪物、何処か幼さを感じさせる怪物だが、守屋は決して気を抜けない。
逃げやすい様に×状に担いだ二つのクーラーボックスを下し、あの破壊力のある"光玉"を警戒しつつ、先峰と共に後ずさる。
何時でも先峰を庇える様に。 チラリと先峰に視線をやれば……眼が合い、頷かれた。 背中からくすぐったさを感じる。
指で文字を書かれている……ひらがなだ【し・ん・じ・て・る】と、間違いが無ければ、こう書かれた。

「ははっ」
「えへへっ」

思わず、笑い合う――そして、守屋は改めて決意する。 "何としてでも無事に守りきり、お互いに生きて帰る事を"。
守屋は怪物に視線を向ける、鈍重そうな外見から考えれば動きは鈍い、バカ長い棍棒も怪物の射程距離に入らなければ、
ある程度は問題ない、問題は……棍棒を投擲される事、そして、また投げれられた"光玉"ッ!!
――先峰の手を取り、横へ走る事で避けられた。 が、やはり威力が凄まじい、着弾点と思われる地面が浅くはあるが、
抉れている。 人間二人の生命活動を容易く止める威力がある。 守屋は即決断した。

「走りますっ! 行けますかっ!?」
「頑張りまぁぁぁすっ!!」
「に~~げ~~る~~な~~」

"逃げなきゃ死ぬだろっ!?" と、突っ込む間も無く、二人は怪物から一目散に逃げ出した。
狙いをつけづらくする為、ルートは一直線でなく、適度に障害物を利用する。
どういう原理かは守屋には解らないが、左の手で作り出し放り投げて来る"光玉"作り出す速度は速いが、
投げ手のコントロールが"非常に良い"為、どうにか避けきれている。 加えて、足が遅い。
このままのペースで行けば、逃げ切る事が出来る、だが"生物は永遠に走り続ける事は出来ない"。

「はぁ、はぁ、はぁ――っ」
「ひぁ、はぁ、ぃ、はぁ――っ」

体力に自信のある守屋ですら、少し走るのがキツくなっているのだ、手を引きながら逃げているとは言え、
先峰の疲労の色が濃い、守屋は考える、急いで早く、考えを導き出さなければならないっ。
――守屋が打開策を導く前に、状況が動く。 光玉が守屋達が通過した後を爆発するとほぼ同時、
高低差がある坂に気づけず、二人は、光玉の爆風に後押しされる形で、"投げ出された"。

「うわああっ!?」
「きゃあっ!?」

ほんの一瞬とは言え、空を飛ぶ――なんて、楽観的考えではいられない、守屋は即座に先峰を抱き寄せ直に訪れる衝撃に備える。

「ぐっ!!」

肩から落下し、そのまま、坂を転げ落ちる二人。 勢いが止まった時、二人は急いで呼吸を整える。
先に起き上がったのは比較的負担の少なかった先峰だ。

「も、守屋さん……大丈夫っ?」
「ふぅ……だ、大丈夫ですっ、それより、急ぎましょうっ!!」
「分かったわ、逃げ切った訳じゃないですもんねっ! もう一息頑張ろうっ!」

意思の同意も早く、二人はまた駆け出した。 幸いにも怪物との距離の差はあまり縮まらなかった様で、
二人がそれぞれ別のタイミングで、後ろへ振り返り、坂の上を見上げてもあの巨大な姿は見えず、
驚異的な破壊力を持つ光玉も投げてこない。 脅威が去りつつある事に"先峰は内心、安堵した"。

「(お、おかしい……何故投げるのを止めた? 僕達の事を諦めたのか? そうは見えなかったけど――
なら、なんだ? 動きは鈍そうだった、投げる物があるにしても距離が離れている、道中に幾つもの障害物がある。
諦めていないとして、もし、何らかの方法で仲間を呼ぶ方法があるとしたら――考えすぎ、か?)」

明確に安全が確保出来たとは言えぬ為、疑念が晴れぬ守屋。自然と、走る速度も落ちていく――そんな中、ふと、先峰は上を見上げた。
見れば……灰色の"石"の様な物が三つ、直線状に飛び越え、先峰達の進路上の先に"落ちた"。
先峰は、その石の様な物が気になり、つい、懸命に動かしてきた足にブレーキを掛けてしまう。 先峰の様子を察して、
守屋も走る速度を緩め、その場で足を止める。 二人は、荒れる呼吸を整える。

「はぁ、はぁ、はぁ――」
「はぁ、はぁ、先峰さん。 どうかなさいましたか?」
「あ……あ、れっ」

自分に比べ疲労の色が濃い先峰を気遣い、守屋が問いかける。 
呼吸を整えつつも、満足に話せる状態でないと、自分で判断し、先峰は先程の石の様な物を指さす。
――先峰は、疲労の為に下を向いている。 だから、守屋が先に気づいた。 数m離れた先に落ちている"石"が、
禍々しい光を放ちながら、五体を持ち、所々にひびが入っている岩の様な肌をした"怪物"に姿を変えた、其れも三体。
先程の巨大かつ衝撃の大きかった怪物と比べ、大人しく感じてしまうが、油断は出来ない。 
三体とも槍上の武器を持っており、此方に危害を加える気満々の様子だ。 守屋はベルトの左脇に差し込んだ警棒を取りだし、構える。

「守屋さん……ちょっとキツイけど、頑張りますよっ!
「――はい、任せてください」

下を向いていた先峰も事態の変化を察し、下していた上体を起こし、"守られる者"としての決意を言葉に表す。
守屋も"警備者"としての決意を言葉に出し、近くの木に移動しようとする先峰の壁になり――

「グゥッ!!」
「っ、おぉっ!!」

移動しようとした先峰に向かい、怪物の一体が投げた槍を、守屋は冷静に警棒で、柄から叩き落とす。
其れが開戦の始まりとなった。 得物を失った個体が、身体の底から湧き上がる本能を出す様に唸り声を上げると、
残りの二体も後を追う様に、声を上げる。 すると――無手の個体が駆け、残りの二体も続く。

「――――」

チラリと守屋は先峰が移動した方向に目を向ける。 こちらから、少し距離が離れた大木に隠れられた様で、
守屋に笑顔でサムズアップを送っている。 心配は……僅かだけ残しておく事にした。
無手の個体が来る……構えは解かない、守屋はギリギリまで待つ、待つ、待つ、来たっ!!

「グゥルォォッ!」
「――っ」

射程距離に入り、無手の個体は左足を踏み込む、駆けて来た勢いを乗せて、右の拳を繰り出した。
守屋は咄嗟に警棒を左手に持ち替え、回避しつつ無手の個体の空いた脇腹に警棒を振り抜く。
手ごたえはあった。 が、これで終わりでは無い――次は、普通ならばお目に掛かる事の無い槍、
その鋭い切っ先が、守屋の肉体目掛け突き出される。 

「――っ!!」

守屋は咄嗟に警棒の先を持ち、逆手に持ち替えつつ切っ先の真横にぶつけ、矛先を反らしながら一歩踏み込み、
裏拳を怪物の肩から振り抜く。 普段とは真逆に持った警棒を振り下し、足刀蹴りで距離を離す。
即座に最後の一体に視線を移せば、大きく振りかぶった槍を振り下そうとしている――警棒での対処は間に合いそうにない。

「くっ!!」

右斜めに振り下された槍を、極力大きく動かず、左斜めに後ろに躱す守屋。 振り下した槍を怪物が薙いで来る。
守屋は、更に斜め背後に踏み込みつつ回転する事で躱し、警棒を構え直す。 だが、警棒を構え直したと、ほぼ同時、再び槍が突き出された。

「うっ、く――」

慌てて一度目の突きを躱し、二度目の突きを警棒で払うも、体勢が崩れ、情けなくも守屋は尻餅をついた。
しまった! と思い、急いで視線を上げれば、またも槍が振り下されようとしている。 意識とは違う本能が、守屋に警鐘を鳴らす。
"このままでは殺されるっ!" と、だがら今の守屋に出来る事は、見っともなくとも"次に繋げる事だ"。

「――ふっ!!」

振り下された槍を、飛び跳ねる様に躱し、守屋は一気に体勢を立て直す。 此処から反撃開始っ!!と行けば幸いだったが。
そんな幸運を窯様は与えてはくれなかった。 先に往なした槍を持つもう一体の個体が、こちらへと向かい、駆けている。
もちろん、話し合いをしようと言う雰囲気では無い、言葉こそ発しないが、一つの明確な意思がハッキリと表れている。
――"殺意"だ、一歩、また一歩と来る度に、怪物達から発せられる"殺意"が守屋を圧倒し、一歩、後ずらせる。
心の中で芽生え、広がりつつある感情を守屋は歯を食いしばり、息を吐くだけで押さえつけた。

「グゥオッ」
「っ! (勝てなくとも良いっ!!」

突き出される槍を躱す、振り下される槍を躱す、槍を持つ二体の怪物が繰り出す攻撃を、守屋は障害物を利用しつつ躱す。
その中で、わかった事があった。 一つ、怪物達に高度な"連携"が見られない事、二つ、此方の攻撃の効き目が薄い、もしくは"無い"事。
三つ、恐らくが前についてしまうが……この怪物達の"知能が低い事"。 この三つを踏まえ――

「グゥゥルオォッ」
「うおぉぉっ!! (此処は、逃げるっ!!)」

ヒット&アウェイを前提にし、反撃に出つつ、守屋はこの場から逃げる事を決めた。 
SSL派遣警備員としての、今の守屋の役目は、相手を倒す事では無く"先峰 灯"を無事に東京へ送り届ける事だ。 
その為には逃げるしかない。 逃げる為に――"戦うのだ"。 たとえこちらの攻撃が一切効いていなくとも……"戦うっ!!"


「っ、ふっ、くっ――」

怪物達の対処をしつつ、守屋は隠れつつ移動している先峰に向けて"ハンドサイン"を飛ばす。
旅に出る前に教えた――"手話"とも言うけれど……サインに込める言葉は一つずつ、其れを二度送る。
怪物達相手に立ち回りつつサインを送った守屋だが、其れが伝わっているかは、解らない。
二体の隙を見て、一瞬、先峰に視線を送れば――。

「――っ!!」 

サムズアップと満面の笑みがセットで、答えとして帰ってきた。 ならば、答えるしかない。
――怪物達が左右に分かれる……警棒を構え、一歩ずつすり足で移動する守屋に合わせ、
まるで魚を捕まえる網の様に、"円"を徐々に狭めてくる……守屋を一息吐き、また吸う。
緊張による硬さを少しでも解す為、一瞬の勝負を制する為に、集中する。

「グゥッ!!」

来た、痺れを切らしたのか……守屋から見て左、怪物が上体目掛け槍を突き出して来る。 もう一体の事を気に掛ける前に、
守屋は賭けに出た、上体目掛け突き出された槍を"怪物の足を払う"事で躱し、



「――っ!!」

守屋は咄嗟に警棒の先を持ち、逆手に持ち替えつつ切っ先の真横にぶつけ、矛先を反らしながら一歩踏み込み、
裏拳を怪物の肩から振り抜く。 普段とは真逆に持った警棒を振り下し、足刀蹴りで距離を離す。
即座に最後の一体に視線を移せば、大きく振りかぶった槍を振り下そうとしている――警棒での対処は間に合いそうにない。

「くっ!!」

右斜めに振り下された槍を、極力大きく動かず、左斜めに後ろに躱す守屋。 振り下した槍を怪物が薙いで来る。
守屋は、更に斜め背後に踏み込みつつ回転する事で躱し、警棒を構え直す。 だが、警棒を構え直したと、ほぼ同時、再び槍が突き出された。

「うっ、く――」

慌てて一度目の突きを躱し、二度目の突きを警棒で払うも、体勢が崩れ、情けなくも守屋は尻餅をついた。
しまった! と思い、急いで視線を上げれば、またも槍が振り下されようとしている。 意識とは違う本能が、守屋に警鐘を鳴らす。
"このままでは殺されるっ!" と、だがら今の守屋に出来る事は、見っともなくとも"次に繋げる事だ"。

「――ふっ!!」

振り下された槍を、飛び跳ねる様に躱し、守屋は一気に体勢を立て直す。 此処から反撃開始っ!!と行けば幸いだったが。
そんな幸運を窯様は与えてはくれなかった。 先に往なした槍を持つもう一体の個体が、こちらへと向かい、駆けている。
もちろん、話し合いをしようと言う雰囲気では無い、言葉こそ発しないが、一つの明確な意思がハッキリと表れている。
――"殺意"だ、一歩、また一歩と来る度に、怪物達から発せられる"殺意"が守屋を圧倒し、一歩、後ずらせる。
心の中で芽生え、広がりつつある感情を守屋は歯を食いしばり、息を吐くだけで押さえつけた。

「グゥオッ」
「っ! (勝てなくとも良いっ!!」

突き出される槍を躱す、振り下される槍を躱す、槍を持つ二体の怪物が繰り出す攻撃を、守屋は障害物を利用しつつ躱す。
その中で、わかった事があった。 一つ、怪物達に高度な"連携"が見られない事、二つ、此方の攻撃の効き目が薄い、もしくは"無い"事。
三つ、恐らくが前についてしまうが……この怪物達の"知能が低い事"。 この三つを踏まえ――

「グゥゥルオォッ」
「うおぉぉっ!! (此処は、逃げるっ!!)」


ヒット&アウェイを前提にし、反撃に出つつ、守屋はこの場から逃げる事を決めた。 
SSL派遣警備員としての、今の守屋の役目は、相手を倒す事では無く"先峰 灯"を無事に東京へ送り届ける事だ。 
その為には逃げるしかない。 逃げる為に――"戦うのだ"。 たとえこちらの攻撃が一切効いていなくとも……"戦うっ!!"


「っ、ふっ、くっ――」

怪物達の対処をしつつ、守屋は隠れつつ移動している先峰に向けて"ハンドサイン"を飛ばす。
旅に出る前に教えた――"手話"とも言うけれど……サインに込める言葉は一つずつ、其れを二度送る。
怪物達相手に立ち回りつつサインを送った守屋だが、其れが伝わっているかは、解らない。
二体の隙を見て、一瞬、先峰に視線を送れば――。

「――っ!!」 

サムズアップと満面の笑みがセットで、答えとして帰ってきた。 ならば、答えるしかない。
――怪物達が左右に分かれる……警棒を構え、一歩ずつすり足で移動する守屋に合わせ、
まるで魚を捕まえる網の様に、"円"を徐々に狭めてくる……守屋を一息吐き、また吸う。
緊張による硬さを少しでも解す為、一瞬の勝負を制する為に、集中する。

「グゥッ!!」

来た、痺れを切らしたのか……守屋から見て左、怪物が上体目掛け槍を突き出して来る。 もう一体の事を気に掛ける前に、
守屋は動いた、上体目掛け突き出された槍を体勢を落とし"怪物の足を払う"事で躱し、倒れ込ませ、
近づけぬもう一体が突き出した槍を掴み、勢いを殺す事無く引き寄せ警棒を腹部へ突き立てる。

「グルッ」
「っ! 先峰さぁぁんっ!!」

腹部に警棒を突き立てられ、大きく後ずさった怪物、その様子を確認する事なく守屋は怪物達に背を向け、
瞬く間に駆け出した。 充分なアドバンテージを稼げたと全力で走る守屋は内心安堵する。
サインもちゃんと伝わっており、"見つからぬ様に"、先に移動していた先峰が、守屋に合流した。
まだ危険がある可能性を考え、守屋はジェスチャーでペースを落とさず走る事を伝えれば、先峰は首を軽く縦に振り、了承の意を伝える。

「はっ、はっ、はっ、はっ――」
「はっ、ふぅっ、はっ、ふぅっ――」

二人は出来る限り走った、後ろを振り返る事無く走り切り――止まる。 先峰は盛大に息を切らしている、
其れも当然だろう、体力に自信のある守屋ですら息が切れているのだから。
ある程度息を整えた所で、立ち直った先峰が口を開いた。

「ふぅっ、ま、撒いたの、かなぁ、はぁっ――」
「お、恐らく……止まるのも、危険です、歩きながら、息を整えて行きましょう。 ふぅっ」
「う、うん――はぁ、ふぅっ」

すいません、424は途中の物を書き込んでしまいました。
423から425に繋がります。

守屋の先導の元、二人はペースを維持し、息を整えつつ歩いていく。 ふと、背後へ視線をやる事もあるが、怪物達の姿は見えず、気配も無い。
だが、守屋はどうしても不安が拭い切れなかった。 どうにも、"何かに見られている"と言う感覚があり、こうして歩いていても視線が揺れる。
この感覚が全くの間違いであれば良いのに――守屋はそう願わずにいられなかった。

「守屋さん、どうかしたの?」
「――っ!?」

突然の先峰の問いかけにドキリとする守屋。 しかし先峰には言えない、不安で、怖い等と口が裂けても言える筈が無い。
始まりはSSLの先輩方から教わり、果ては警備派遣の仕事の経験上から学んできた事だが、警備対象者の安全を守る者が
対象者に不安を見せる事は好ましくない。 その不安は対象者に伝わり、思わぬ出来事に繋がる事もある。
今の守屋には即座に出せる適切な答えは思いつかないが、こう言う場合は……先峰を不安にさせぬ様に"本当を半分、嘘を半分交えた答え方だ"。
嘘を交えるのは心苦しいが、全ては先峰の安全を守る為と守屋は割り切って、あくまで自然な返し方をしようとし振り返った所。
――"三本の指に上唇を摘ままれた"。 驚き、即座に先峰を見れば……悪戯が成功した子供の様に、否、"笑いを堪えている"。

「な、何をするんですか先峰さん?」
「ふふっ、何かお顔が難しそうに固まってたから解そうとブフフゥッ!」

守屋が戸惑いながら問いかければ、先峰は耐えきれず吹き出す始末、流石に少しムッと来て守屋は顔を振る事で振り離した。

「解そうじゃないですよ、全くもうっ」
「ごめんなさい、でもさ、一人で背負いこむ事ないですよ。」
「えっ!?」

その瞬間、守屋は先峰に先程までの自分の思考を見透かされていたと感じた。
そして思う、一見してふざけていた様な行動は、自分を励ましていたのか?
――まだまだ、精進が足りないと、守屋は心底痛感した。

「私が言う事じゃあ……うん、上手く言葉に出来ないけど頑張ろう! 生きて帰りましょうよ守屋さん!」
「さ、先峰さ――ん」
「ええっ、もう守屋さん涙ぐまないでよぉっ! 此処は一緒におおーっ! ってやる所でしょう!?」
「す、すいま――っ?」

涙が溜まり視界が良好ではない守屋、だが、彼の経験がそうさせたのか? ほんの少し、視線を上に上げたのだ。
其れが、幸運だったのだ――完璧ではないにしろ、"刀らしき物を構え、此方へ飛びながら迫る翼を持った影"を捉えられたのだから。

「伏せてぇぇっ!!」
「っ!?」

そんな状況から、出来る限り伝える様に叫ぶまでの時間は1秒あるかないか。 突然の守屋の叫びに先峰は問いかけるよりも、
頭を抱えて伏せる事を優先した、しかし、此れで安全とは言えない。 守屋は急いで先峰を抱き、横へ跳んだ。
地に落下する二人だが、二人とも急いで体勢を立て直し、突然の襲撃者が刀を振り切った先を見た。
――其処にいたのは巨大な緑の巨人でも無い、似たような外見をした灰色の怪人でもない、"別の怪物"だ。

「ど、どうしようか守屋さん……こ、今度は天狗さんだよ?」
「参りましたね、どう――うっ!?」
「守屋さんっ!?」

守屋が突然左腕を抑えた、先峰が確認すれば、左腕を浅くはあるが斬られている。 其れを確認した先峰の行動は速かった。
少し離れた木の上の枝に止まりつつ此方を見据える怪物から、"目を離し"ボストンバッグの裁縫箱からとても切れ味の良い鋏を取りだし、
Yシャツの左胸部から左腹部までの生地を即座に切り出し守屋の浅く斬られた腕に回し、血が出ぬ様にきつく縛った。

「うぅっ!?」
「あ、ごめんなさい大丈夫!?」
「だ、大丈夫ですっ! ありがとうございますっ!」
「くくくくくくくくくくくくっ、あははははははははははははははははっ!!」

突然、二人を見据えたまま微動だにしなかった怪物が、大口開けて笑い出した。
右手に構えた長刀、左手に構えた小太刀が、大笑いによって僅かに震える体から振動が伝わり、切っ先が震えている。
――守屋は見た、左の小太刀から赤い水滴が飛び散ったのを、あれで……斬られたのだと、嫌でも理解できた。
普通ならば何がおかしいと問いかける所だが、守屋は積りに積もった疑問を、ぶつけて見る事にした。

「貴方たちは一体なんなんだ! 人間じゃないのかぁぁっ!!」
「ふふふふふふふふふふっ、くくくくくくくくくくくくくくはははははははははっ!!」
「――大口開けて笑ってないで、答えなさい天狗さん!! 焼き鳥に……出来たら、いいな?」
「先峰さん。 そ、其処は言い切る所じゃないでしょうか?」
「――い、良いの!! 美味しそうじゃないし、出来そうにないもん!!」

天狗――カラステングはこれ以上にないくらい口を開けて笑う。 
其れは10秒、20秒、1分と続き……なおも、止まらない。この不可思議な状況に、二人は顔を見合わせ、首をかしげた。 
その直後そんな二人があまり聞きたく無かった声が、辺りに響き渡る。


「あ~~~テン~~~ちゃ~~~ん。 ひ、さ~~しぶりぃっ」
「いっ!?」
「しまった――止まり過ぎたかっ!?」

二人に取って嫌な嫌な嫌~な、存在――巨体かつ、緑色の肥満体な怪人が追い付いてきた。
見れば、灰色の怪人も何時の間にかその数を増やし、緑色の怪人の前方で其々の得物を構えている。
まさしく――絶体絶命だった。 しかし、これまで大笑いをやめなかった、カラステングが突然、深いため息を吐いた。

「木偶……少しは面白い奴らだが、あまり手間を掛けさせるな。」

「ご~~め~~ん~~で~~も~~あり~~がぁ~~とぉ~~」

まるきっり悪意のない様な笑みで、両手を合わせ、カラステングに謝り、礼を言う緑色の怪人。
緊張感もへったくれも無い、ある意味での純真さすら感じさせる緑色の怪人に、カラステングは既に諦めたかの様に、一息つく、が。
前門に天狗、後門に緑色の巨人と得物を持つ怪人達に挟まれる形となった、二人は気が気でない。
天狗も巨人も怪人達も、人間を大きく上回る能力を持つ、加えて、浅いとは言え守屋は左腕に怪我を負った。
――とても、先峰を守り切り二人が揃って脱出を、と言える状況ではない。

「まさしく……絶体絶命、万事休す、だよね?」
「そう言う事をお答えするのは、なるべく控えているんですが……その通りです」

ダウンジャケットのチャックを上げ、現在の状況を呟く先峰に、守屋は仕方なしに答えた。
それは、もはや嘘を交える必要が無いほどに二人が追い詰めている事を嫌でも、"彼等"に示されている事を意味していた。
――警棒を構える右手が悔しさに震える、打つ手がなかった、思いつきもしない、けれど、最後の最後まで、諦めたくはない。

「そっか――そう、だよね」
「でも、まだ終わってません……諦めませんよ最後の最後まで、僕は諦めない」
「――――っ」
「一緒に……足掻きませんか、?」

この時、守屋の瞳を見たのは、この場で二人――否、一人と一体。 "先峰 灯"と"カラステング"。
震えを隠せない守屋の姿に先峰は、一つため息をつき、カラステングは"ニヤリ"と口元を釣り上げる。
――ほんの少しの距離、二三歩歩けば触れられる距離、一つ触れれば、一つ、優しい言葉を掛ければ、お互いに安心するんだろうか?
けれど、けれど……それよりもまず、心の内から湧き上がる感情を、吐き出したい。

「守屋さん、何度も言ってるでしょう? 頑張るって、私のこの気持ちは一ミリたりとも動かないよ」
「先峰――」
「でもこれから勝手な事をします、ごめんなさい」
「えっ?」

すると、先峰は一歩前に出て、二体の怪人達に一人ずつ目線をやり、大きく息を吸い始め――

「私達は逃げますっ! 逃げて生きて帰る! 貴方達なんかに私達は殺せない! ぜぇぇぇぇぇぇたいにっ!!」

思いの内をぶちまけた。  その後に、簡単に言ってスッキリとしたのか「ふぅ」と息をつく。
突然の先峰の行動に、周囲の反応は様々だ。 守屋は呆気にとられ、緑色の怪人は首を傾げ、灰色の怪人達は気にも留めず、
唸り声を上げる。 ただ、カラステングだけは笑いを零しながら、両の手の刀を離すと、二刀の刀が風に包まれて、消えた。
そして、懐から一枚の葉っぱを取りだし、口に当て鳴らす。 すると、緑色の怪人の前方で得物を構えていた灰色の怪人達が一転、
無気力に頭をガクンと下げ、得物を握る手も緩めた。 この事に緑色の巨人が戸惑いの一言を上げ、カラステングを見やると。
案ずるなとばかりに空いていた手で制される――先峰は、これをチャンスと見た。

「守屋さん、逃げよう!!」
「は、はいっ!!」
「あ~~~~!?」

これを好機と見て、二人は一目散に駆け出した。 逃げていく二人を指さし、緑色の怪人が慌ててもう一度カラステングを見やる。
すると――カラステングが草笛の音色を変えた。 違う音色を受け、灰色の怪人達は無気力状態から一転、
みるみると気力を取り戻し、その場から跳躍、着地したと思えば素早く駆け出した。 先峰と守屋を追跡させたのだ。
先程までの、ゆったりとした慌てようは何処へやら満面の笑みを浮かべ、カラステングを見る緑色の怪人。
手に持ったバカ長い棍棒も怪人の喜びに合わせ、上へ下へと忙しく動く。 その様子にカラステングはまた、一息ついた。

「"ゴブリン!!""グール"共は俺が動かすっ、お前は"全力"で"男"の方を殺せ!!」
「あれ~~使って~~いいのぉ~~? お~ん~な~は~?」
「女はなるべく生かせ、後で用がある。 "アレ"については構わんっ、思う存分使えっ!!」
「おぉ~~っ!!」

あまりの喜びの為か、ゴブリンが跳んだ。 身長4mはあるかと思われる巨体が、100kgでは収まりきらぬ超重量の肉体が、跳んだ。
そんな超重量の巨体が跳んだ、跳べば、落ちるしかない。 だがゴブリンは口内に光を集め、着地する寸前に集めた光を解き放った。
ゴブリンの着地地点で起きるは、爆発、次に振動、次に土煙……その煙を突き破って。
――まるで鋼鉄と見間違うかの様な"引き締められた肉体"を持った存在が現れた。 その存在"ゴブリン"は、
棍棒を担ぎ、手当たりしだいに光玉を投げ散らし、ドシンドシンと音を上げて、駆けて行く。

「(ふぅ――悪い癖だな)」

草笛を吹きつつ、カラステングは一人、内心ごちた。 始まりは役に立たぬ者が居る、面倒を見てやってくれとの言葉からだ。
その言葉通り"ゴブリン"は与えられた役割を全く熟せていなかった。 それどころか、のんびりと暮らせる今が楽しいと抜かす始末。
出会って十数分で葬りたい気持ちで満たされたカラステングだったが、始めの言葉を思い出して踏み止まる。
嫌がる"ゴブリン"を無理やり引っ張り出し"木偶"と侮りつつ、カラステングはゴブリンに肉体を操作する技術を叩き込んだ。
当初こそ技術の習得は遅かったが、ある時に"忠誠心"の高さを見せ、その事を餌にすれば真剣に鍛錬に臨み、
カラステングが一時驚く程の成果を見せた。 ――だが。

「("名前"を呼ぶ程度で、張り切るな……叱りを受けるのは俺だと言うのに)」

鍛錬期間の間、侮りの感情を込めて"木偶"と呼び続けた為か、何時からかゴブリンと名前を呼ぶと、
妙なやる気を見せ始める様になった、はっきりとした原因は解らないが、どうにもやり過ぎる為、必要に迫られる時まで、
"木偶"と呼ぶ様にした。 どうにも"懐かれた"様な気がするが、気のせいだろう。

「ん?」

ん?

侵入者、ゴブリン、グール達、この三者の"風"を感じながら、如何にしてグール達を有効的に動かすか智謀をめぐらしていた時。
"何者"かの風がカラステングの察知領域に入ってきた。 見知った"風"ではない、"同類"でもなく、"人間"でもない。
この妙な気配はカラステングからも、ゴブリン達からも距離が離れているが……"それなり"の速さで、侵入者共を追うゴブリン達の方向へと
駆けている――察知領域に入ってきた何者かについて、カラステングは思案する。 感じられる範囲で考えれば、十分と掛からずにゴブリン達に接触する。 何者かの足音からは恐怖を感じられない、手練れである可能性が十分に考えられる。

「(しかし……何だ? 同類でもなく、人間でもない? そんな事がありえるのか?)」

カラステングは思う、自分やゴブリンは"人間"から生まれた種族だ。 ゆえに人としての姿を持ち、その記憶を引き継ぐ。
"卵"を思い浮かべると、簡単だろうか? ゲートと呼ばれる人間が殻、カラステング達が中身。 だからこそ解らない。
人間でもなく、同類でもなく、かと言って小動物の類でもない……そんな奇特な存在にカラステングは。

「ッ! まさか――"魔法使い"か?」

思い当った、たかが数度しかあった事のない存在、両の手の指輪と奇妙なベルトを用いて変わる魔法使いにこの気配は非常に似ていた。 
人間、同類、どちらでもない存在"魔法使い"。 其れが、ゴブリン達の元に向かっている。 カラステングは"魔法使い"との交戦経験は無い、
殆どの同類も似た様な物だろう、カラステングは悩んだ。 このまま此処に留まり、グール達を指示するべきか、
ゴブリン達の元へ向かう魔法使いを、襲うべきか?――答えは直ぐに出た。 カラステングは見に入る。
先に放った"眼"と高い察知能力を駆使して、グール達を指示しゴブリンをサポートさせるのだ。 その上で。

「――くく、魔法使い……お前はどう言う奴かな?」

魔法使いの"実力"を図る。 自身のサポートがあるとは言え、ゴブリン程度にやられるのであれば"屑"だ、記憶に残す価値も無い。
――だが、もしも"期待以上"の動きを見せたのなら? その時は……もう決まっている。

「♪~~♪~~♪――」

カラステングが草笛を鳴らす、更なる鼓舞を音色に乗せて。 湧き上がる一つの感情を押し留めて、音色を奏でる。

何で酉の前後に〈b〉が付いてしまうんだろう?
(すいません、書き込みテストです)

掲示板の不具合だから気にしないでええよ

432さん

ご回答ありがとうございます。 おかげさまで小さな不安が解消されました。

守屋修二と先峰灯は全力で走る。 またも始まったやりたくも無い"鬼ごっこ"の為に二人は走る。
二人を追うは複数の鬼、一つは十には届かず八以上の数で、槍などの得物を構え同じ姿をした灰色の怪人、彼等は二人を囲む様に駆けている。
個々の意思が感じられない纏まった動きは、余裕すら感じさせられる。 二人の身心の限界を待つかの様なそんな余裕を。

「はっ、はっ、はっ――」
「はぁっ、はぁ――」

其々の思い方には違いがあるが二人は理解していた。
灰色の怪人達が"わざと"仕掛けてこないのだと、自分達が弱り切るのを待っているのだと、現に、左右後と壁を作っておきながら、
"前"を開けている、二人を走らせる為に。 この命を賭けざる負えない鬼ごっこにおいて悔しい事に、"現状"二人は"獲物"なのだ。
――守屋はふと、考える。 先峰を逃がす為に自分が殿となるべきなのでは? と、しかしその考えも直ぐに吹っ飛んだ。
轟音と共に周囲に光玉をまき散らすねう一つの"鬼" 先程と違い、人間で言えば肥え切った肉体の面影など何処にもない。
締まり切った鋼鉄の肉体、大岩の如き太さを持った両手両足、守屋自身を比較として約1m半程の違い、3m超の巨人。

「(や、やばい――っ)」
「ッ!?、守――」

先峰が何かを言う前に、守屋は先峰の手を取った。 少しでも、少しでも速く走る為に。 
パニックに陥りそうな思考、冷静でなければならないと自制し、懸命に走る。 
――だが、この行為は意味をなさない……二人の体力は既に限界に近い、故に、どれ程懸命に走ろうとも、

ゴブリンとグール達を振り切る程では無い、そして"ゴブリン"に取って、二人はもう"射程範囲"に入っているのだ。

「ソォォレ~~っ!!」

肥え切った肉体の時に比べ、凄まじい速さで二人に迫るゴブリンが光玉を投げた。 
投げられた光玉は勢い良く直線状に回転し、守屋修二と先峰灯からは少し離れた前方の地面へと着弾する。 
その結果、勢いのついていた二人の体は突然の急ブレーキに止まれ切れず、見っともなく転げまわる。


「う、あ……はぁ、ぐ、ぅぅっ!!」
「はぁ、はぁ、守屋――さん」

カラステングに斬られた左腕が痛む守屋を案じ、先峰は這い蹲りながらも急いで守屋に寄る。
直後――二人の間近から大きな音が響き渡る。 守屋も先峰も、音のした方向へ視線をやれば、
"ニンマリ"としたゴブリンが二人に棍棒を突き付けている、一間遅れて、グール達が二人を囲んだ。

「オマエタチ~~オワリ~~」
「――くそおぉぉっ!!」

ゴブリンが口を噤み、棍棒を振り上げる。 どうにもできない、悔しさが守屋の口から飛び出た。

「シンニュウシャ~~オレ~~コロス~~」
「――諦めない、私達はッ」
「オ~~ワ~~リ~~」

振り上げられた棍棒が振り下――突如、ゴブリンの眼前に男が現れた。 男は右足を振り上げている。
蹴りだと、ゴブリンは理解した。 だが、自身はもう棍棒を振り下す直前、回避行動など"とれない"。

「はぁっ!!」

「グァウッ!?」

突如現れた男の回し蹴りにより、ゴブリンは棍棒を振り下せず、左頬に痺れる様な痛みを抱えて、後ずさり、尻餅をついた。
ゴブリンの顔に回し蹴りを喰らわせた男は、回し蹴りの勢いに体を揺らさず、スンナリと着地し、"右手の中指に嵌めた指輪"を外し、
同じ形状の指輪を付けながら、尻餅をついたゴブリンを見やる。 この一部始終を見ていた守屋は奇妙な気持ちになっていた。
あの、超常的能力を持つ怪物を回し蹴り一発で後ずらせた驚異的な力、加えて突然現れたのだ。 何処からか飛んでくるのでも無く、
駆けてくるのでもない、そんな謎だらけの男に警戒心を抱かないと言うのが無理な話だ。 しかし、もしも……逆ならば?

「――生きてる?」
「え、えぇ、伸びただけかも知れませんが……何とか?」
「――?」

反射的に目を瞑っていた先峰が開き、二人ともまだ生きている事を実感する。 そして、困惑する守屋が指差す方向へ振り向く、

背中を向けているが、背は高く、ガタイの良い、少し……ボロボロの背広姿の男性が、其処には居た。 
左の脇からは"見覚え"のある指輪が幾つも嵌められた、鎖の様なホルダーが見える。 

「――あれ?」
「お二人とも、大丈夫ですか?」
「(わぁ、渋くて優しそう。 てっ、違う違う、あれってやっぱり私達が作ってるのと同じ物……だよね?)」
「はい、くっ――おかげさまで、えっと。」

守屋が男に尋ねようとした瞬間、尻餅を付いていたゴブリンが近くの木を棍棒で薙ぎ倒した。
守屋も先峰も、その様子に思わず息を飲む――先程までの何処か幼稚さすら感じられた表情は、怒りに歪んでいる。
そして、憤怒の如き視線で男を睨みつけているが、男は動じていない。 開いた左手を何かを見せつける様に構えている。

「オマエェェェ、ダレダァァァッ!」
「私はジョージ、と言います。 またの名を"魔法使いウォーロック"……貴方は?」
「ゴブリン――オマエ、ジャマッスルナッ!」

ゴブリンが立ち上がり様、苛立ちをぶつける様に棍棒を地面へ叩きつけた。
その一撃は人間一人が軽く――"潰れる"程に、地面を陥没させている、だが、ジョージは涼しい顔で佇んでいる。
ゴブリンの表情が苛立ちに染まる、この出来事に守屋と先峰は入る事が出来なかった。 入れば――まるでマグマの様な怒りが、此方に向く。

「何故です? 彼等が、貴方に、嫌な事をしたのでしょうか?」
「ソイツラ、シンニュウシャ、オマエモシンニュウシャッ、シンニュウシャ、ケスッ! オレノ、シメイッ!」
「ふむ……なるほど、そうでしたか。 ですが、彼等も我々も、意図してこの島に入り込んだ訳ではないのです。
こちらの事情も汲み取っては頂けないでしょうか、ゴブリンさん?」
「――――ウルサイッ!」

ジョージと言う名の男の背後で、事の成り行きを見守っていた二人はハッとする。 ゴブリンがジョージに向かい光玉を投げた。 
其れに対し、ジョージは動じる事無く、構えた左手を"ベルト"に翳す。 "魔法の言葉を呟いて"。

「変身」
【ワーロックッ!!】


瞬間、ジョージが居た場所で爆発が起こり、目も開けられぬ勢いのある煙が背後に居た二人を覆う。
一体何が起こったのか? 二人には解らない、しかし、"三つ"解る事がある、一つは互いが生きている事。
――そして二つ目は。

「はっ!!」

黒煙を払う"魔法使い"がその猛々しい後ろ姿を見せている事。 
最後の三つ目……"希望"と言う一筋の光が、暗雲に覆われかけた二人の心に、差し込んだのかも知れない、と言う事だ。

「――――ッ」

黒煙を払いし左手を力強く握りしめるは魔法使い"ウォーロック"。一間置いて、周囲のグール達が一斉に槍を構え直し、
ウォーロックに矛先を向ける。 先峰に支えられ、立ち上がった守屋は思わず身構えた、今現在守屋達が置かれている状況は空想では無い。
超人的な技術など持ち合わせていない、超人的な力など無い、30年生きてきた経験が通用しない。 唯一導き出せた"逃げる"と言う選択肢も、
ほぼ潰されたに等しい――今は、自身を魔法使いと称する目の前の男に運命を委ねる事しか、出来なかった。

「グールッ! イケッ、イケェェッ!」
「グルッ!」

ゴブリンの声に従い、ウォーロック達の周囲を囲むグール九体の内、二体が動き出した。 
時計で表すなら1と7、其々が槍を中段に構え、ウォーロック目掛け駆ける――だが当のウォーロックは、ゴブリンから背を向け、
守屋と先峰に向かい駆け出す。 突然の事に身構える二人の様子等、まるで気にせず、右の指輪を"魔法陣"を模したベルトに翳した。

【ロックッ!!】
「え、ちょ、ちょっと!?」
「ままままま魔法使いさんっ!?」

慌てる二人の直前でウォーロックが跳躍する、その前方には何も描かれていない白銀色の大きな"陣"、
その陣から"巨大な鎖"が飛び出て、戸惑う二人を容赦なく捕まえた。 ウォーロックが、人間で言えば高所から落下するのに合わせ、
二人の体が宙に浮き、その勢いに"引っ張られる"。 当然悲鳴が上がる。 ウォーロックが着地すると、陣から飛び出た鎖を引き戻した。
そうして白銀色の陣は消えていく、守屋と先峰は知らぬ事だが此れは発動した魔法を"解除"したのだ。 
しかしそうなると、捕まえられていた二人は当然落下するが、ウォーロックに受け止められ、緩やかに地へ下された。

「はぁ、ももももう少し安全な方法は無かったんですかぁっ!?」
「魔法使いさんっ、左のその指輪何!? どんな作り方なのっ!? あの人の所でもそんな指輪見たことないよっ!!」

凄い熱意を持ってウォーロックの左手を掴み、中指に嵌められた指輪を指さし、捲くし立てる先峰を優しく制し、ウォーロックは二人を見やる。最早宝石としか言い様が無い白銀色の仮面からは表情は窺えないが、違いはあれど問い詰められる雰囲気では無い、
"変身"する前の紳士然とした様子とは違い、寡黙な雰囲気を醸し出すウォーロックに二人は言葉を失った。

「――直ぐに終わらせる」
「え、いや、危険、では?」
「……少し待っていろ」
「解りました、信じますね――貴方の事、私達を助けてくれるんだって」
「先峰さんっ!?」

少々の静寂の後、ウォーロックは包囲網を突破されたグール達を前に、咆哮を上げるゴブリンへ振り向き、跳躍する。
今、戦いが始まるのだと二人は実感した、逃げる為の抵抗しか出来なかった自分達と違い、魔法使いは勝ちに行くのだと。
――守屋は一息つき、先峰に問いかける。 何故、そうも簡単に信じられるのかと。

「ん~正確に言えないけどさ、信じてみたいっ的な感じ?」
「感じって、そんな――」
「守屋さん思わなかった? あの人、多分優しい人だよ、其れに、強いと思う」
「それは――」
「ついでに……私達に生きていて欲しい理由があったりして?」

其の言葉に疑問符を浮かべる守屋、しかし直ぐにその理由に思い当るが……確証が持てなかった。
其処に至るには名前が二つある彼に話を聞かなければならない。 だが、今守屋に出来る事は、待つ事だけだ。
――テンちゃん言う山伏然とした天狗の怪人、ウォーロックと今まさに戦おうとしてるゴブリン、目立った特徴はまだ解らないが、
槍などの武器を持ち、打たれ強さを持つグール、これ等三種の怪物を前にして守屋はほぼ手も足も出なかった。
愛用している特別性の警棒が通用する相手でもなかったのだ。 守屋は悔しさに拳を握る。 "両の拳"を。

「?――あっ、警棒っ!?」
「ん~?」

「はぁっ!!」

ウォーロックがゴブリン達との戦場に戻った事で、戦いの火蓋は切られた。 
落下の勢いを利用した右回し蹴りはグールの首元を正確に捉えた、蹴り飛ばされる一体を気に掛ける様子も無く、
残りのグールがウォーロックに迫る。 その中でほぼ同じタイミングでウォーロックに仕掛けたグール達が居た。
一体が首元を狙う、一瞬遅らせたもう一体が足元を薙ごうとする。 其れを――

「グルッ!?」

首元を狙う槍をほんの僅かな動作で弾き、ウォーロックが踏み込む、距離の近い個体を背後へ押し流しつつ、
薙ごうとした個体を後ろ回し蹴りで蹴り飛ばした。 続けざまに押し流した個体が体勢を立て直し、ウォーロックの背後から槍を振り下す。
其れに合わせた数体が前方から槍が突き出した。 ウォーロックは左中指の指輪をベルトに翳し、回避行動に入った。
――結果、一時的に数本の槍が絡まる事となる。 ほんの2秒程あれば直ぐに解けるだろう、しかし、その2秒が隙となるのだ。

【ワーロックッ!! スラッシュストライクッ!!】
「グルアァァァッ!!」

回避行動の間、右腕に形成した弓型の光刃をグール達に振るうウォーロック。 
斬られたグール達はなす術無く爆発する。すかさずグールが上空からウォーロックに槍を振り下そうとする。
微かに見上げるウォーロックは槍を振り下したグールを"飲みこんだ光球"事、斬り払うウォーロック。
ゴブリンが雄叫びを上げ棍棒を突いてきた。 ウォーロックは最小限の動きで躱すがゴブリンの勢いは止まる事を知らない。
お構いなしに棍棒を振るってくる。 地が抉れ、木が倒れて行く……するとウォーロックが立ち止まった。

「オオオオオオオオオッ!!」
「ッ!!」

立ち止まったウォーロックにゴブリンは棍棒を力強く振り下す、しかしすんでの所でウォーロックに肩を足場にされ、大きく跳躍される。
合間を開けず、ゴブリンは即座に振り向きざま、作り出した光玉を投げた、自身に迫る光玉を容易に斬り裂くウォーロック。
斬り裂かれた光玉が直撃し一体のグールが爆発する。 ウォーロックが着地ざま、弓型の光刃を解き、再び【ロック】の魔法を発動する。
対象は自身に迫りつつあった残りのグール達、ウォーロックの周囲の地面に展開された複数の魔法陣から現れた鎖に拘束された。
身じろぐグール達だが、鎖の拘束する力が強く抜け出す事が出来ない、その間に鎖の拘束力が強まり、耐えきれなくなったグール達が爆発する。

「――――っ」
「ウオオオオオッ!!」

グールと呼ばれた怪人達が全滅した直後、跳躍したゴブリンが上空から大きな光球を投げ落とす。
ウォーロックは大きくバック転を取り回避した。ゴブリンは着地したと同時に駆けだし、体勢を立て直したウォーロック目掛け棍棒を振り下す。

「ッ!!」

自身に対し振り下された棍棒を、ウォーロックはクロスさせた両腕を上げ、受け止めた。 
が、生じた衝撃に地面が耐え切れずにウォーロックの足先から足首までが地面にめり込む、すかさずゴブリンが巨大な足を振り上げた。
ウォーロックは躱せない、強い衝撃が轟音となりて響き、ウォーロックの体を引き上げる。
両足を踏ん張り、片手をブレーキとし、攻撃の勢いを止めたウォーロック、その様子を見てゴブリンはニヤリと笑う。
己が力を誇る様に両腕を上げ、雄叫びを上げた。 ブレーキを掛けた体勢をゆっくりと立て直すウォーロックは――

「…………」
「ッ!! オ、マ、エェェェッ!」

蹴り込まれた腹部を手で払った……"まるで堪えていない"この一言を表す様なウォーロックの態度にゴブリンは苛立ちを隠せない。
怒りのままに駆け出そうとしたゴブリン、だが、ウォーロックに先を越された。 
先に駆け出された事にゴブリンは戸惑うも、首を振り、己もまた駆け出す。 しかし、"遅い"。

「エッ?」
「はぁっ!!」

既にウォーロックは攻撃体勢に入っていた。 勢いを付けた"飛び蹴り"がゴブリンの右胸部に突き刺さる。
着地する間にも二発の蹴りを繰り出され、ゴブリンは大きく後ずさった。 結果大きな隙が生まれた。
此れを見逃すウォーロックでは無い、即座に追撃に入る、回し、逆回し、前蹴り、エルボー、チョップ、ラリアット、肘打ち、
掌底による突き上げの二連打を迅速に叩き込んだ。 鋼鉄の如し肉体を誇るゴブリンだが、ダメージを受けないと言う訳ではない、
痛みに耐え切れず二、三歩後ずさった。 その様子をウォーロックは観察する様に見つめる。

「ウッ、ウッ、ウゥッ!!」

ゴブリンに諦めの意思は無い、強い意志を持った瞳でウォーロックを見やり……咆哮を上げ、空いている拳を突き落した。

「アッ……!」

しかし悪手だった、"焦り"から突き落した拳を容易に避けられる、相手を……隙が出来る場所へ踏み込ませる悪手。
ゴブリンは防御の体勢に入ろうとする、そして歯を食いしばる、少しでも"耐える"為に。

「はぁぁっ!!」
「グオォワァッ!?」

ウォーロックが繰り出した強烈な横蹴りはゴブリンの巨体を容易に蹴り飛ばした。
轟音を立て地に落下するゴブリン、痛みの為か小さな呻き声を上げている。
――ウォーロックはもう一度左中指の指輪をベルトに翳そうとしたが、出来なかった。

「ひゃああっ!?」
「うおぉぉっ!!」

先峰の悲鳴が、守屋の決死の声が、ウォーロックの強化された感覚に届いた。声がした方向へ振り向けば二人が五体のグールに襲われている。
右中指の指輪を外し、ベルトの左脇に垂れ下がるリングホルダーから一つの指輪を取り外し、今嵌めていた指輪と交換するウォーロックは。

「――ォ、オォッ!!」
【ブリンクッ!!】

満身創痍のゴブリンが投げた光玉を、ウォーロックは【ブリンク】の魔法を発動する。 
すると、ウォーロックの姿が消え、目標を失った光玉は何もない所で爆発した。 力を使ったゴブリンはうつ伏せに倒れる。
ダメージの自然回復を待ち、肉体操作を維持する為に、今は――休む。

突如、地中から現れた五体のグールは守屋修二の油断を突くには十分すぎる相手だった。


危険所かむしろ怪物達を圧倒し、瞬く間にグールと呼ばれた怪人達を全滅させ、ゴブリンをも圧倒するウォーロックの戦いを、
先峰と共に遠目から見守る守屋。 この時、先峰も、そして守屋も安心しきっていた。 自分達の危険は去りつつある、
そう思わせる程に、ウォーロックの戦いは圧倒的だったのだ。 故に安心する、その安心が"油断"となった。

「グルァァァッ」
「ひゃああっ!?」
「っ!? うおぉぉっ!!」

突如、地中からグールの一体が先峰の間近に現れた。 悲鳴を上げる先峰、突然の危機の訪れに守屋は戸惑うも考えるより先に体が動いた。
守屋がグールの腹部目掛けタックルを繰り出すも一二歩後ずらせた程度……"効き目が無い"。 
両手を組んだ拳を背中に落とされ、耐え切れず地面に殴り落とされる、するとタイミングを計ったかの様にうつ伏せに倒された守屋の左右から、
グールがまたも地中から現れる。 三体のグールが立ち上がろうとした守屋に容赦のない攻撃を加える、
頭部を踏みつけ、腹を蹴る、守屋は体を抱え込み少しでも身を守る事しか出来なかった。

「ぐぁっ!」
「守屋さんっ! きゃっ!?」

守屋の元へ駆け寄ろうとした先峰だが、またも地中から現れた二体のグールに行く手を阻まれる。
戸惑いながらもグール達の様子を伺う先峰に一体のグールが殴りかかるが……"突然現れた存在に蹴り返された"。
魔法使いウォーロックだ。 右手に見覚えのある"警棒"を握りしめている。

「あっ」

ウォーロックが先峰の手を取ると同時にもう一体のグールが跳びかかるが、容易に右の裏拳で殴り払われる。
守屋に攻撃を加えていた三体のグールもウォーロックの迎撃に出るも、手早くあしらわれ、
何時の間にか、五体のグールは前面にやられ、守屋と先峰の前にウォーロックが立ち、壁となる。

「――大丈夫か?」

グール達から視線をそらさず、警棒を持ち替え柄の方から差し出しながら、守屋を気遣うウォーロック。
守屋はウォーロックから"自分の"警棒を右手で受け取り、途中先峰の支えを借りて、立ち上がった。

「――はいッ」
「……手を借りるぞ?」
「え?」

そう言うとウォーロックはリングホルダーから一つの指輪を取り外し、空いている左手を開かせ、中指に指輪をはめ込み、
自身のベルトに翳させる。 【サイクロンッ!!】と勇ましくも低い音声を上げ――

「あの、魔法――」
「守屋さんっ!?」「来るぞ」 
「ッ!?」

声音の違いがあるが、二人の言葉に、守屋はウォーロックに向けていた視線を前方に移すと既に二体のグールが攻撃体勢に入っていた。
その内、守屋に殴りかかろうとする個体が居た、既に片足を踏み込み、拳を繰り出す体勢に入っている。

「グルァッ!!」
「う、うわっ!!」

繰り出されたフックを守屋は慌てて体を大きく振る事で躱し、反撃として警棒をグールの首元に叩き込もうとする。
――対して効く筈が無い、先程のグールとの交戦経験から守屋はそう考え、首元に警棒を叩き込んだ後のプランを
迅速に立て上げた、ウォーロックと言う強力な存在が力を貸してくれているとは言え、油断をすれば先峰に危険が及ぶ。
そう考え、警棒を首元に叩き込んだ瞬間"グール"の体勢が大きく崩れた。

「(――――えっ?)」
「グァッ!?」

一瞬の放心状態に陥った守屋、振るった警棒を振り戻した。 "風を纏いし警棒"をだ。
振り戻した一撃は、グールに大きなダメージを与えた様で、グールは大きく転がり落ち、力尽きた様に倒れ爆発した。

「――――っ」

口をポカンと開けて呆然とする守屋、余りにも"呆気ない"、どれだけ叩いても効き目が無かったのに、
逃げるしか無かったのに……こうも、こうも簡単に――"倒せてしまう?"。
嵌められた指輪と、魔法使いウォーロックが関わるだけで、こんな簡単に倒せる。

「グァッ!!」
「こらぁっ! しっかりしろーっ!」
「っ!! うおおっ!!」

少し離れた大木に隠れていた先峰の叱咤を受け、自分に突き出された槍を掴みつつ躱し、警棒を胸部に突き立る守屋、
怯み後ずさるグールを槍を離さず、ロー、ハイ、ミドルと蹴り込み、警棒を左手に持ち替え、繰り出した"風を纏う"右の拳は、
グールの顎に着弾する。 殴られ後ずさるグールはうつ伏せに倒れ、爆発した。 
切れた息を整える守屋は自分と同じく、グールの迎撃に出た、ウォーロックの姿を探し……別の意味で唖然とする。

【ロックッ!!】

ウォーロックの前面、三角形を描く様に展開される三つの魔法陣から一つずつ飛び出した鎖は、
前面に展開していた十のグールに向かいこの魔法の目的である拘束はせず、其々の鎖がグール達に攻撃を仕掛けながらも
一か所に集める働きをする。 グール達はロックの鎖に対応できず、なす術無く一か所に纏められ、主の操作に忠実に動く鎖達に縛られ――

「はっ!!」

主の命令により、鎖達は一気にグール達を締め付ける、僅かに抵抗を見せていたグール達だったが、耐えきれずに爆散した。
翳した手をゆっくりと下し、ウォーロックは呆然とする守屋の元へ駆け寄る。
一応の危険を脱したと判断した先峰も守屋の後ろから駆け寄り、守屋の肩をポンッと叩いた。

「……無事か?」
「仕方ない仕方ない、切り替えて頑張ろう、ね?」
「――はい」
「…………」

情けない様な仕方ない様な、不思議な気持ちに襲われる守屋。 
しかし現状に悩みを持ち込んでは警備に支障をきたすと己を律っし、守屋は気を引き締める。
そんな守屋の肩にウォーロックは手を掛ける。 何事かと内心警戒する守屋に、ウォーロックは語りかける。

「その指輪の力、君なら使いこなせると俺は判断した。 落ち込む事は無い、手段の一つとして、使えば良いさ」
「――ウォーロックさん」

思わず感極まり、涙ぐみそうになる守屋にウォーロックは軽く肩を叩き、背後へ振り向きざま右手の指輪を外し、新たな指輪を嵌める。
ちょうど守屋と先峰の"壁"となる位置にウォーロックが立つ、そして――

「そういえば――」
「伏せろ」 
「えっ?」

ベルトに新たな指輪を翳すウォーロックの呟きにいち早く反応した守屋が、先峰を伏せさせる。
【ディフェンドッ!!】と叫ぶ呪文は翳した手に合わせ、その前面に"魔法陣"を展開させる。 そして、"山なりに落ちてきた光球"が着弾した。

「うっ!?」
「きゃっ!?」

魔法陣に着弾した光球は、その目的を果たせず、地に四散し爆発、上がる土煙、魔法陣を展開したまま土煙を払おうとする
ウォーロックだったが、魔法陣にもう一度"光球が着弾した"。 この事態に動じる事無く、ウォーロックは感覚を研ぎすます。
更に光球が降り注ぐが、此れはウォーロックや守屋、先峰を狙った物ではない、爆発を起こし土煙を上げる事で、
相手の集中力を削ぎ"姿"を隠す事が狙い……この状況で背後の二人を狙われる事は避けたい、が、その必要は無かった。
轟音に隠れて"大きな足音"が速いリズムでウォーロックに向かってくる。 ディフェンドの魔法を解き、ウォーロックは――

「はっ!!」

土煙を斬り裂き、振り下される"棍棒"に対し、ウォーロックは真っ向から飛び回し蹴りで迎え撃つ。
振り下された棍棒が、弾かれ、着地したウォーロックが"ゴブリン"に向かい駆け出し、力強いタックルを喰らわした。
しかし、体格の違い故か"ゴブリン"は一歩後ずさるのみ、すると、ゴブリンが素早く棍棒を放り捨てウォーロックに掴みかかる。
――"受けて立った"。

「ヌッ、ムオオオウゥゥゥッ!!」
「――っ!!」

自身の三杯はあるかと言う、ゴブリンの両手を掴み返すウォーロック、そのまま力比べの押し合いの形となる。
超重量の巨体、そして持ち前の怪力を生かし、ウォーロックを押し込もうとするゴブリン、ウォーロックを一歩、二歩と下がらせる。
さしもの魔法使いも力では部が悪いのかっ!? 思わず助けに向かおうとする守屋を先峰が必死に掴み留める。

「さ、先峰さんっ」
「駄目ッ、駄目だよっ! 守屋さんっ! 考えなしに行ったら――死んじゃう」
「ぐっ、くぅっ!」

歯を食いしばり悔しさに震える守屋。 そう、力では勝てない、太刀打ち出来ない。 
自分達と怪物達の間では絶対的な差がある……魔法使い、ウォーロックの様に真っ向から立ち向かえる相手ではないのだ。

「(む、無力だ……何らかの理由があるにせよ、ウォーロックさんは私達を助けてくれているのにっ!!
何か無いのかっ! 何か……僕たちが――僕が出来る事はないのかっ!!)」

悔しさに震えるだけでは駄目だと、守屋は考える。 考えながら、今自分に出来る事を果たす、
先峰を連れ、状況が見守れるかつ、安全な場所へ隠れる事、守屋には"今"思いつき、出来る事は、其れしかなかった。

二人の人間が見守る中、魔法使いと怪物の力と力の比べあいは、依然"ゴブリン"が優勢だ。
僅かずつ、ほんの僅かずつだが"ウォーロック"を力で押しつつある。 
その証拠に踏ん張るウォーロックの踵から、土が耐えきれずに抉れていくのだ。
――僅かずつ押し込んでいくゴブリンがウォーロックを見下ろし、口を開く。

「オレ――ミトメル、オマエ、ツヨイッ、オレヨリズットッ」
「…………」

ウォーロックは自身を見下ろすゴブリンの瞳を見つめ返す。 そして"ゴブリン"からの押し付ける力が"強くなった"。
――まだ隠している力がある、其れが発揮される時が直ぐ傍まで来ている。
自身の意思を吐露するゴブリンの言葉に、ウォーロックは耳を傾けた。

「ケド、オレ、マケナイ、オマエタオシテ、シンニュウシャモタオス、ソシタラ、オレ、ワイズマン"タチ"ニホメテモラエル、
ソノタメニ、アキラメナイ、ガンバル、オマエ、タオスッ!!」
「――ならば」
「ッ!?」

途端、ゴブリンはウォーロックを押せなくなった。 突然ピクリとも押せなくなる。
其れ所かウォーロックからの力が強くなり、ゴブリンを押し返そうとしてくる、自身よりも遥かに小さい体からは考えられぬ力で、
息を飲みこみ、歯を食いしばり、ゴブリンは全力を持って抵抗する――

「俺は君を倒さねばならない、彼等の未来を……"繋ぐ"為にっ」
「ヤアァァッテ、ミロオォォ、オレェ、アキラメナイッ!!」
「――おおっ!!」

ウォーロックが動いた。 掴んでいたゴブリンの両手を強引に払いあげ、自身はスライディングと共に迫る巨足に目掛け
振り抜いた左右のラリアットはゴブリンの体勢を崩し前のめりに倒させると同時に、ゴブリンの背後へと潜り抜ける事に成功する。
そして、即座にゴブリンの右足を掴み上げるウォーロックは力の限り、"振り回す"。

「ム、ウゥッ!」

ウォーロックがゴブリンの巨体を振り回す、片足を掴んでの変則的なジャイアントスイング。
――超重量の体を振り回す負担は無い様に見える、このまま振り回す速度を上げ、投げ飛ばすだろう。
遠目で戦いを見守る守屋は、そう考えた。 だが。

「――オォォォッ!!」
「ッ!!」

ウォーロックが振り回す速度を上げた事で、ゴブリンの巨体が90度以上回り上がった、その時だ。 ゴブリンが光球を"地面"に向けて投げた。 地面に当たり、爆発が起こる。 ゴブリンは大きく吹っ飛び、ウォーロックの姿は土煙に覆われ確認できない。

「グ、ムゥゥッ!!」

ゴブリンが吹っ飛んだ先、其の場所には、先程自身が放り捨てた"棍棒"がある。 落下に合わせ受け身を取り、
体勢を立て直す途中で棍棒を回収し、空いた手で作り出した光球をウォーロックが"居る"場所へ放り、駆け出す。
2球目の光球が爆発する、尚も増す土煙に目もくれずゴブリンは駆け……棍棒を振り下す。
――明確な確信は無い、だがゴブリンには解った。 ウォーロックは自信を"待ち構えている"と、なればこそ、武器を振るう。
"奴"の技術を上回る力で、"奴"の速さを上回る力で、"奴"の……底知れぬ力を上回る力でっ!!

「カツゥゥゥゥッ!!」

煙を割いて、振り下された棍棒は"地面"にめり込む……"僅か"に避けられた証拠だ。 
ゴブリンは歯を食いしばり、両足に力を入れる、考えてからの行動では無い、避けられたと理解する前に、身体がそうしていた。
そして来る……全身に響く強烈な一撃、すかさず繰り出される蹴りが二発、耐えるしかなかった。 耐えて――
 
「グ、ァァ――ギィッ!!」

3歩、後ずさるゴブリン、耐えきった……ウォーロックは最後の蹴りの反動を利用し、距離を離す。 "反撃"の時だ。
溜めに溜め込んだ力を解き放ち、ゴブリンが駆ける、駆ける、殴るっ!!

「ウオォォォォッ!!」
「――ッ!!」

強引に振り上げた棍棒は僅かな動作で流された――ゴブリンに取って想定の範囲内だ。 
流された棍棒を逆の手に持ち替え、空いた手で作り出した光球を、体勢を戻したばかりのウォーロックへ向け"突き出した"。

「アァァァッ!!」
「むっ」

「――ぐっ」

ウォーロックは蹴り払い、下がる事で光球を躱すが、続けざまの棍棒による一撃は避けられない、
ガードが間に合うも、地面から殴り剥がされ――迷わず"防御"を選択した。

「グルアァァァッ!!」
【ディフェンドッ!!】

突き上げられた巨大な拳は白銀の防壁に防がれ、ウォーロックに届かない、ダメージは殺し切ったが衝撃は無くせない、
ウォーロックは大きく吹っ飛ぶも、【ディフェンド】を解きながら空中で後転し、揃えた両足で大木を蹴り"反転"。
飛んできた棍棒を払い落とし、雄叫びを上げ駆けて来たゴブリンを"飛び蹴り"で迎え撃った。

「はあぁぁっ!!」
「グ、オ……ッ!!」

ウォーロックの反撃に反応が遅れたゴブリン、右腕によるガードが間に合ったものの、その威力を前にガードが弾かれ、体勢が崩れる。
――立て直す間に、着地したウォーロックは即座に跳び、歯を食いしばるゴブリンの頬に裏拳を、落下様に回し蹴りを食らわす。
痛みに目を瞑る、ゴブリンだったが、後ろを向いてのウォーロックの着地に合わせ、作り出した光球を投げつけ、息を吸い、驚愕する。

「ナ――ニッ」
「――はっ!!」

"後ろを向きながら"跳躍し光球を躱したウォーロックが迫る。 体勢を立て直す為に投げた光球がまるで意味をなさない。
なす術がなく、強烈な後ろ回し蹴りを喰らうゴブリン、大きく後ずさる中、飛び掛けた意識を思いつく限りの方法で繋ぎ止める。
――闘志は今だ燃えさかっている、身体も動く、ならば取る方法は一つだけ。

「ウオオオオッ!!」
「…………」

倒す為に動く、倒す為に力を振るう、倒す為に勝つっ!! 

「ウオォワアァァッ!!」
「――だぁっ!!」

ゴブリンの闘志溢れる攻撃を往なしつつ迎え撃つウォーロック、一度の攻撃を避け、三度の打撃を繰り出し、上回っていく。
圧倒していく、ゴブリンの燃えさかる闘志から生まれる力をも上回る"戦い方"で、勝っていく。

「ウ……アアァァァッ!!」
「……ッ」

折れそうになる意思を引き上げ、繰り出した棍棒による振り下しを、指輪を交換しながら避けるウォーロック、
其れを追い、逆袈裟に棍棒を振るうゴブリン、だが、新たな"魔法"が発動する。

【インパクトッ!!】
「ッ!! アァァァァッ!!」

新たな魔法【インパクト】の発動に動揺するゴブリンだが、力を入れた攻撃を止めるよりも、このまま振り切り、
魔法が効力を発揮する前に殴り飛ばす、この考えの元、迷いを抱かず、踏み込んでいくゴブリン。
――ウォーロックはその場を動かず、迫る棍棒に合わせ、左手を添えた肘打ちを繰り出す。
その動きに合わせる様に、白銀色の魔法陣が肘先に展開し……激突の瞬間、"魔法陣が棍棒の中に入り込んだ"。



                        "そして"

「エッ――!?」
「えっ!?」
「……っ」

遠目で見守る守屋と先峰、そしてゴブリンが驚愕する。 
逆袈裟に振るった棍棒は、魔法を発動し肘打ちで迎撃に入ったウォーロックに確かに命中した。
しかし……ウォーロックの体はそのままだ、逆に……棍棒の一部が"砕かれた"。
――ゴブリンはあまりの驚愕の為に頭が回らない、元より考える事は苦手であり、力押しを好む性格だ。
棍棒と言う獲物は自身の性格及び戦い方に適しており、"誕生"した時からずっと傍にいた"相棒"なのだ。
まるで、自身の半身を失ったような感覚に、ゴブリンは戸惑い、悩み……忘れる。

「はぁっ!!」
「グ、アァァッ!?」

強者と認めた相手が直ぐ傍に居る事に、相手の隙を見逃すような戦士では無い事を、ゴブリンは忘れていた。
――呆然とするゴブリンの胸部目掛け、ウォーロックは後ろ回し蹴りを繰り出す。 今度は、蹴りを繰り出す足裏に展開する魔法陣。
蹴りが着弾する一瞬前、ゴブリンの左の胸部の鎧に魔法陣が入り込み"鎧の左上胸部を粉砕"、ゴブリンの巨体を大きく吹っ飛ばした。

「ウゥゥゥ~~イーーテエェェ~~」

地に落下し、大きく転がるゴブリン……勢いが止まった時、彼の肉体に変化が起こる。
"鋼鉄"の様な引き締められた肉体、今は……醜く肥え切った肉体へと"戻っていた"。
其れに伴い、口調も間延びした物に戻る……カラステングに教え込まれた"肉体操作の術"が解けたのだ。
痛みに喘ぎながら、どうにか立ち上がろうとするゴブリンを見、ウォーロックは指輪を交換する。
そして、戦況を見守っていた"守屋"に一瞬間視線を向け、左の指輪をベルトに翳し――

「?――っ!!」
【ワーロックッ!! スラッシュストライクッ!!】
「はぁっ!!」

右腕に弓型の光刃を形成し、ウォーロックはゴブリンに向かい駆け出す。
一瞬のウォーロックの視線の意味を、考える守屋、恐らくが頭に付いてしまうが……ある程度の考えを察し、行動に移す。
"一緒に戦いを見守っていた先峰の両目を手で覆い隠すと言う行動に"。

「も、守屋さんっ!? いきなり何するのよ! ていうか、離してください~」
「ちょっとだけっ!! ちょっとだけですからっ!!」
「理由は何~っ!!」
「あーっ、解りませんっ!!」
「何よそれぇっ!?」

この後の、目に浮かぶ苦労を後に回し――せめて、この行動が正しい事を祈る守屋だった。

「――――」
「ウ、ウ、アァッ」

引かぬ痛みに耐えながらも、どうにか上体を起こしたゴブリン。 
その瞳に映り込むは"必殺"の威力を備えた手刀を構え、こちらに駆けてくるウォーロック。
青ざめるゴブリン"恐怖"の為に、立ち上がる事も忘れる始末、そうしている間にも刻々とウォーロックがやってくる。
――ただ一つ思いついた手はあるが、直ぐに思い知る。

「はっ!!」
「アア~~っ!!」

放り投げた光球は光刃に切り払われ、ウォーロックの跳躍を許す。 ゴブリンに残された手は、迫る"死"を恐れ、両腕をクロスし頭を守る事。
だが、此処でウォーロックとゴブリンの間に急速に風が集まり、一つの姿となりウォーロックに槍を突き出す、"カラステング"の姿に。

「いやあぁぁぁッ!!」
「――っ!!」

突如現れた乱入者にゴブリンは喜び、ウォーロックは――左手で矛先を払い流しつつ、カラステングの体を左肩で押し、
生じた反動を利用して、全力で右腕を振るう、光刃から飛び出すエネルギーの刃が……"ゴブリンの首を斬り離した"。
空に飛び、回転しながら落ちる首、思考を伝える頭脳が無くなり、倒れる体、この二つが"同時"に地面に落ちたその瞬間、
"ゴブリン"が爆発する。 着地したウォーロック、右手を払い光刃を解く、そして"背後"から突き出された槍を回し蹴りで蹴り払う。

「はぁっ!!」

即座に横蹴りを繰り出すウォーロックだが、カラステングが後方へ跳び上がる事で避けられる。
繰り出した足を下し、カラステングを目で追うウォーロック。 着地したカラステングが笑みをこぼし、また跳び上がる。
今度は、背中から黒い翼を大きく広げ、槍を構え、カラステングは素早く飛びかかった。

「うおおぉあぁぁっ!!」
「――とぁっ!!」

槍を振るう、カラステングをウォーロックは飛び回し蹴りで迎え撃つ。 結果は、相打ち。
ウォーロックの右の下腹部、矛先が振り抜かれ火花が上がる。 カラステングの左肩を右足が蹴り抜く。
互いに地面に落とされるも、即座に体勢を立て直し、向かい合う。

「……何者だ?」
「――くくっ」

羽を畳み、槍を構え直すカラステングが、ウォーロックの問いかけに小さく笑みをこぼす。
両腕を下げながら、カラステングの様子を見るウォーロック、すると

「カラステングだぁぁっ!!」
「っ!!」

槍を一瞬にして鉄扇に変え、ウォーロックに向け強風を吹かすカラステング、
左手で風を遮きり、構えを戻すウォーロックだが、カラステングの姿を見失ってしまう。
ウォーロックはその場に佇み、カラステングの気配を探る――

「…………っ!!」 「後ろの上でぇぇぇすっ!!」
「くかあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

気配を捉え、背後へ振り向くとほぼ同時、戦況を見守る守屋が大きく叫ぶ。
またも翼を広げたカラステングが素早くウォーロックに蹴りかかるが、側転を取られる事で避けられる。

「カアァァァッ!!」
「――っ」

大木を蹴り、反転してきたカラステングが振り下した大太刀を回り避け、即座に回し蹴りを繰り出すウォーロック。
攻撃直後の隙を狙い繰り出した蹴りは――"風"から取り出された鉄扇に叩き落され、刀による反撃を狙われるも、
一歩下がる事でギリギリ躱し、直ぐに踏み込み、振り下されようとした刀を持つ手を左手、甲で抑え右の肘打ちを繰り出す。
――またも鉄扇に阻まれるも、ノータイムで刀を持つ手を叩き払い、カラステングの額に頭突きを喰らわせる。

「ぬっ!?」
「はっ!!」

後ずさるカラステングを追い、頭部を狙って繰り出したローリングソバット、だが左方向への受け身を取られ躱されてしまう。
着地したウォーロックは体勢を立て直しつつあるカラステングに迫り、蹴りを繰り出すが……カラステングが新たな"武器"を向けて来た。
――ウォーロックは戸惑う事無く、蹴り足を振り抜いた、直後。 銃声と共に腹部の装甲から大きな火花が上がりウォーロックを吹っ飛ばす。

「――くくっ、行くぞウォーロック!!」
「っ!! はっ!!」

相撃ちとなる形でお互いの攻撃を喰らった両者は吹っ飛び、互いに地を転がり、体勢を立て直す。
刹那、カラステングの気合の入った叫びと共に、またも銃声が響く。
――年期を感じる"長銃"から放たれた"弾丸"を弾き、弾き、ウォーロックが駆け出す。
またも武器を"取り替えた"カラステングに真っ向から挑む為……跳ぶっ!!

「ぬっ――クアァァァッ!!」
「っ!!」

空に跳んだウォーロックを叩き落とす為、カラステングは駆けながら右の大太刀を逆手に持ち替え、
ウォーロックに向かい投擲。   そして"風"からもう一刀の小太刀を取り出す。 
投げ付けられた大太刀を弾き落とすウォーロックだが、二刀の小太刀を握るカラステングの接近を許してしまう。
――薙がれて来た一刀目を、平手で叩き上げ、突いてくる二刀目を脇と銅の間に挟み込む。 だが。

「っ――はぁっ!!」
「ぐぉっ!?」

重力により二人の体が落下し始めた瞬間、カラステングの膝蹴りがウォーロックの腹部に突き刺さるも、
負けじとカラステングを掴みよせ、再び頭突きで返し、膝蹴りを繰り出すウォーロック。 しかしカラステングも膝蹴りで返し、
この事で両者の間に距離が生まれ、地に落下……受け身を取り、転がる事で体勢を立て直し、ウォーロックが駆ける。
同じく立て直したカラステングは、瞬刻の沈黙の後――両手に握る小太刀を消し、一歩を踏み出し、無手にて迎え撃つ。

「はっ!!」
「――カアッ!!」

大振りながらも鋭く速い手刀を叩き払い、カラステングが拳を二発返す。 
ウォーロックが一歩下がる事により一発を避け、二発目は肘で防ぎ。
――迷わず二発目の拳を両手で掴み捻り、体勢を入れ替え全力で投げた。 地に叩きつけられ様とするカラステングだが、
両足を先に下し支えとする事で、"嘴"がウォーロックの顔面を"攻撃範囲"に捉えた。 
カラステングは即座に嘴を開き、作り出した光球を発射する。

「!!――ふっ!!」

カラステングの光球をウォーロックは頭部を反らし、腕を離しながら躱す事で距離を取り、
ハイ、ローとキックを打ち分けるも、手堅く対処され防がれるもウォーロックは攻める。
防がれた足を地に落とす事で踏み込み、体ごとカラステングに自身をぶつけた。

「ぬっ!?」
「ふっ、たぁっ!!」
「ぐっ!?」
「ああぁぁぁっ!!」

後ずさるカラステングに迫り、ガードの上から連続で手刀で叩き、掌底でガードを抉じ開け、
ウォーロックはカラステングの首元と右手首を掴み、駆けた。 強い力でカラステングを掴み上げ、駆けるウォーロックに、
カラステングは自由の利く左手で小太刀を取り出し、嘴からの光球と合わせ抵抗を試みた、が。
――幾ら突こうと、幾ら直撃させようと、ウォーロックは怯まない、その力を緩ませる事無く、耐え抜き駆けた、その先に。

「ぬぅっ!?」
「――っ!!」

凄まじい勢いでカラステングを大木に叩きつけたウォーロック、この行動で大木を支える幹が深くめり込む。
即座に反対の方向へカラステングを投げるウォーロック、地にうつ伏せに倒れたカラステングに対し素早く近づき、
片腕を捻り、もう片方には、膝を重石にする――これで、カラステングの主な攻撃方法を封じた事になり、
抵抗するカラステングを押さえつけたまま、ウォーロックが呟いた。

「……君達は何者だ?」

ウォーロックの問い掛けにカラステングの抵抗が収まる。
動く範囲で、首を動かし、人を下に見る様な視線をウォーロックに向け――

「既に名乗った筈だが? カラステングとな」
「言い方を変えよう……君達は人間では無い、ならば在る筈だ、君達だけの"種族名"がな」
「そちらか、良いだろう教えよう。 我らの"種族名"は――」

「――!!」
「"ファントム"だっ!!」

カラステングの様子が変わった事を察したウォーロックが拘束を解き、離れようとしたとほぼ同じ時、
再びカラステングの背中から黒の翼が開き、距離を取ろうと行動したウォーロックを吹き飛ばす。
先に回避行動に入っていた為、空中側転が取れ体勢を立て直せたウォーロックは上に飛んだカラステングの姿を追い、
視線を上にやり――放たれた弾丸を弾き、避け、掴み、落とした。 翼を動かし、約5m上の空にて長銃を構えるカラステング。
両腕を力無く下げ、自身を見上げるウォーロックを見下ろす彼の嘴が、開く。

「すまないな、銃は苦手なのだ」
「――"最後"に、二つ聞こう」
「ほう――何かな?」

ウォーロックの気配の変化を察し、長銃を放り消し、鉄の旋棍を新たに取り出し構えるカラステング。
【インパクト】の指輪を外し、新たな指輪へと付け替えながら、ウォーロックが問い掛ける。

「このまま戦いを止め……我々を見逃すつもりは起きないのか?」
「起きないなぁ、俺は貴様との戦いを求めているのだから」
「もう一つ……この島には、後何人ファントムが居る?」
「ふん――力づくで聞き出すんだなっ!!」

先手を取って、カラステングが動き出す。
動じぬウォーロックに一気に迫り旋棍を突き出すも腕一本で防がれ、逆に掌底で体が高く上がる程に突き上げられた。
即座にウォーロックが【ワーロック】の魔法を発動、右腕に弓型の光刃を形成し、跳躍。
カラステング目掛け、その刃を振り下すも――

「っ、何!?」

必殺の刃がカラステングを斬る事は無かった。 手刀が触れる前に、カラステングが二つに"分かれた"為だ。
つまり、カラステングが一体増えたと言う事――着地し、光刃を解くウォーロックに一間遅れて、翼を畳んだ二体のカラステングが着地する。

「「ふっふっふっ――この程度で驚かれては困るぞ、ウォーロック!!」」
「…………」

二体のカラステングから、一体ずつカラステングが分かれ、分かれたカラステングからもう一体ずつカラステングが分かれた。
ウォーロックを囲む様に"六体"のカラステングが其々、別の得物を取り出し構え、ウォーロックの隙を伺っている。
――大太刀が一、小太刀二刀が一、長槍が一、旋棍が一、鉄扇が二。

「…………」

徐々ににじり寄ってくるカラステング達に対し、ウォーロックは構えない。 不動の姿勢のまま、動かない。
そうしてる間に、其々のカラステングが己の得物の得意距離まで詰めたきたが――ウォーロックは身じろぎせず、動かない。
――風が吹き、数枚の木の葉を落とす。 その内の一枚が、ウォーロックの眼前に落ちて来た瞬間。

「「クアァァァッ!!」」
「っ!!」

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