穂乃果「うどんが食べたい」 (33)

穂乃果「と、言う訳で部室でうどんを作ろう!」


海未「うどんなら食堂で食べられるじゃないですか。それより練習を…」


穂乃果「海未ちゃん?」ズイッ


穂乃果「食堂のうどんはうどんだけどうどんじゃないんだよ?うどんって言うのはコシがあって小麦の味がしっかりしてて誰が食べても美味しいと思えるんだよ!」ズイッ


海未「わ、わかりましたから落ち着いてください…」


ことり「穂乃果ちゃーん!準備出来たよぉ!」


穂乃果「今行くよー!ほら、海未ちゃんも一緒に作ろう?」


海未「は、はい…れんしゅぅ」

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穂乃果「先ず生地を作るよ!粉と水とお塩を混ぜて!」


ことり「はいっ!先生!」


海未「(先生…?)」


穂乃果「ほら、海未ちゃんも!」


海未「は、はい…」


ことり「こねこね♪」コネコネ


海未「…」コネコネ


穂乃果「愛情込めて!美味しくなぁれと囁きながら!」


ことり「美味しくなぁれ♪美味しくなぁれ♪」コネコネ


海未「お…美味しくなぁれ、美味しくなぁれ…」コネコネ


穂乃果「海未ちゃん!愛がこもってないよ!」


海未「無理です!」


穂乃果「無理もへったくれもないよ!さぁこねて!!」


海未「…はい」コネコネ

ことり「出来たよぉ!」


海未「こっちも出来上がりました」


穂乃果「よし!じゃあビニール袋の中に入れて少し時間を置こう」


ことり「すぐに踏まないの?」


穂乃果「生地を少し慣らせておくんだよ。この間に休憩しようか」


海未「でしたら練習を…」


穂乃果「海未ちゃん?」ズイッ


穂乃果「うどん作りはここからが本番だよ?無駄な体力使うのは厳禁だからね?」ズイッ


海未「れ、練習は無駄ではありません!」


穂乃果「今の私には練習よりもうどんなんだよっ!!」


ことり「海未ちゃん、今はうどん作りに集中しよ?」


海未「…わかりました」

-1時間後-


穂乃果「さて、休憩もしたことだし踏みますか!」


ことり「いえーい!」パチパチパチ


穂乃果「右左と交互に踏むこと。生地が平になったらくるくる巻いてもう一回平になるまで踏んでね。大体6?7回繰り返せばいいよ」


海未「かなりハードですね…」


ことり「美味しいうどんを作る為だもん。頑張ろう?」


穂乃果「二人共、ファイトだよ!」

-数分後-

海未「ハァ…ハァ…」フミフミ


ことり「疲れたよぉ…」フミフミ


穂乃果「はいお水」


ことり「ありがとう穂乃果ちゃん」ゴクゴク


海未「ありがとうございます」ゴクゴク


穂乃果「ラストスパート頑張って!テンション上がる曲かけてあげるから!!」カチッ


ことり「何の曲だろう…?」


BGM・ロッキーのテーマ


海未「あぁ…これですか」フミフミ


ことり「これ、筋トレの曲じゃ…」フミフミ


穂乃果「さぁ踏んで踏んで踏みまくって!」

ことり「ゼェ…ハァ…」グッタリ


海未「き、きつかった…です」グッタリ


穂乃果「二人共お疲れ様!後は私に任せてね!」


穂乃果「形を整えて…また少し寝かせて」


ことうみ「zzz…」


穂乃果「あはは、2人まで寝ちゃったよ」


穂乃果「出来上がるまで、ゆっくりおやすみなさい」


穂乃果「さて!この間にだし作りを」


穂乃果「ことりちゃんが用意してくれた昆布だしと今から作る鰹だしを合わせて…」


穂乃果「あぁ、早く食べたいなぁ!」


穂乃果「えぇと、まずはお湯を沸騰させて…」カチッ

うどん県民がみてる

>>7 ありがとう


ガチャ


真姫「うぇえ!?何よこれ!」


凛「楽しそーなことやってるにゃ!」


花陽「穂乃果ちゃん、何してるの?」


穂乃果「うどん!うどん作ってるの!」


真姫「うどんって…」


穂乃果「そうだ!三人にも手伝ってもらおう!」


真姫「はぁ?イミワカンナイ!」


凛「おうどん作るにゃあ!」


花陽「何を手伝えばいいのかな?」


穂乃果「凛ちゃんと花陽ちゃんは向こうに寝かせてあるうどんの生地があるからザブトンの形になるように踏んで!真姫ちゃんはこのお鍋を見張ってて!沸騰してきたら差し水を入れて鰹節を投入!鰹節が全部沈んだら別の容器に布を敷いてその上からお鍋を流し込んで!」


真姫「まだ手伝うって言ってないんだけど…」

凛「了解したにゃあ!」


花陽「はぁい!」


真姫「…」


穂乃果「手伝ってくれるよね?」ズイッ


真姫「…」


穂乃果「」ニコニコニコ


真姫「…わかったわよ!やればいいんでしょう!?」


穂乃果「さっすが真姫ちゃん!」

凛「出来たにゃあ」


花陽「こっちも四角になりましたぁ」


真姫「ズズ…うん、完璧ね!」


穂乃果「よ?し!それじゃ最後に生地を伸ばしていこう!」


りんぱな「おー!」


穂乃果「はい、伸ばし棒と打ち粉ね」


凛「打ち粉?」


花陽「片栗粉のことだよ、凛ちゃん」


穂乃果「伸ばす時に両面振り掛けてね。それと、生地を回しながら伸ばしていくと綺麗にできるから」


花陽「了解しましたっ!」


凛「本格的にうどん作ってるって感じがしていいにゃあ」


穂乃果「(もう少しで完成だよっ!待っててね愛しのうどんちゃん!)」

-数分後-


穂乃果「3年生組も加わったよ!」


絵里「ここ家庭科部だっけ…?」


にこ「まぁまぁ、タダでうどんが食べられるならいいじゃない。しかも後輩達の手作りよ?中々ない機会だわ」


希「おうどんさん楽しみやなぁ」


花陽「出来た…!」


凛「こんなに薄くて大丈夫なのかなぁ…?」


花陽「3ミリくらいでいいみたいだよ?」


凛「穂乃果ちゃーん!この後どうすればいいのぉ?」


穂乃果「後は畳んで切るだけだよ!私に任せて」


真姫「ちょっと、ここにある昆布の入ったお鍋はどうすんの?」


穂乃果「あ、それ?昆布だしだよ。鰹だしとの合わせにするんだぁ…」


真姫「…ふーん」

にこ「ちょ、ちょっと穂乃果…」


穂乃果「どうしたのにこちゃん?」


にこ「アンタ、合わせだしの作り方知ってるの?」


穂乃果「え?鰹だしと昆布だしを混ぜればいいんじゃないの?」


にこ「はぁ…そんなのでよく作ろうとしたわね」ヤレヤレ


にこ「合わせだしって言うのわね、昆布だしの上に鰹節を入れて作るものなのよ」


穂乃果「えぇーっ!?」


真姫「はぁ!?」


穂乃果「それじゃあこの鰹だしは…」


にこ「捨てるのは勿体無いから家に持って帰って煮物にでも使いなさい。作り直しよ。鰹節まだあるかしら?」


穂乃果「それが…全部使っちゃって」


にこ「そう…なら買いに行くわよ。穂乃果、着いてきなさい」

穂乃果「う、うん!」


希「穂乃果ちゃん、ウチらで生地切っとこか?」


穂乃果「お願い希ちゃん!絵里ちゃん!間隔は3ミリで頼みます!!」


絵里「私も手伝うの?」


希「可愛い後輩の頼みやん。大人しく受け取っとこな?」


絵里「…わかったわ。包丁はどこかしら?」


希「そういや、うどん切る時って専用の包丁があったような…」


真姫「これじゃない?なんか普段のより大きい気がするし…」


希「これやこれ」


絵里「すごい…おっきい////」


希「それは違う」


凛「絵里ちゃん何を言ったのにゃ?」


花陽「凛ちゃんはまだ知らなくていいんだよ////」


真姫「////」


凛「?」

-とあるスーパー-


にこ「これでいいわね」スッ


穂乃果「鰹節にも色々なのがあるんだねぇ」


にこ「値段を見ればわかるけど、ピンからキリまでよ」


穂乃果「へぇー」


てってってーてってっててー♪


穂乃果「あれ?電話だ」ピッ


穂乃果「もしもーし」


???『フッフッフッ…お姉ちゃん今どんなパンツ履いてんの?』


穂乃果「パンツ?履いてないよ?」


???『ブーッ!!』


穂乃果「希ちゃん…期待どおりにボケたんだからしっかり突っ込んでよ」


希『ごめんごめん。穂乃果ちゃんの返答があまりにもぶっ飛びすぎてて…』


穂乃果「えへへ」


希『ホントの用はおうどんさんが切れたから準備万端やでーってことだけや。んじゃ』ピッ


にこ「希、何て言ってたの?」


穂乃果「生地が切れたみたい。要は早く帰ってこいだって」


にこ「そう。ならさっさと会計済ませましょう」


穂乃果「そうだね!」

-部室-


穂乃果「たっだいまー!」


凛「おかえり穂乃果ちゃん!にこちゃん!」


希「待ちくたびれたで。はよはよ」


絵里「待ったと言っても10分くらいしか経ってないじゃない」


にこ「鰹節これで合ってたわよね?」


真姫「えーと…うん、同じ種類よ」


穂乃果「よーし!だし作り頑張るぞー!」


にこ「待って!」


穂乃果「うぇえ!?」


真姫「なっ…!」


凛「真姫ちゃんの真似上手にゃあ」パチパチパチ

真姫「ちょっと!私あんな目見開いてないでしょ!?」


にこ「これ以上の失敗は許されないわ。穂乃果は大人しくお皿の用意しておいて。だしはにこが作るから」


穂乃果「は、はぁい…」


にこ「希、昆布の入ったお鍋取って」


希「はいよ」


にこ「取り敢えず温め直して…」カチッ


にこ「さっきも言ったけど、沸騰したこの鍋に鰹節を入れるのよ?いい?」


にこ「穂乃果、聞いてるの…」


穂乃果「Pileドライバー!」ガシャーン


真姫「きゃーっ!!な、何するのよ!!」


にこ「アンタが食べたいって言ったんでしょう…?遊んでないで言われたことをやりなさい!!」


穂乃果「ひぇっ」


にこ「全く…こんなダメな姉を持つ妹が可哀想だわ…」

希「で、自分は出来る姉ってことかいな?」


にこ「なっ…!あ、当たり前よっ!炊事洗濯何でもござれの宇宙一のアイドルにこにーなんだから!!」


希「そうかそうか。偉い偉い」ナデナデ


にこ「?////!!!!」


絵里「そうこうしてるうちにお湯が沸騰してきてるんだけど…」


にこ「それなら、ここに鰹節を投入よ」バサッ


絵里「全部入れるんだ…」


にこ「その方がしっかりだしが取れるからね。それに使うこともないし…食べたかったの?」


絵里「いや、別に…」


にこ「…まさか部室でだしを取るなんて思いもしなかったわ」


絵里「そもそもうどんを作る工程から始めるっていうのが驚きよ」


にこ「穂乃果はホント、ぶっ飛んでると言うかアイデア力に長けてるというか…」


希「まぁええやん。9人で作ったおうどんさん食べれるんやから」


絵里「それもそうね」

にこ「っと、そろそろ全部沈んだわね…絵里、ざる取ってくれる?」


絵里「これね?」


にこ「ありがと」


にこ「ここに鰹節を移して…」パッパッ


希「にこっち、手際ええね」


にこ「料理作るのは慣れてるから」


にこ「ズズ…よし!出来た!」


穂乃果「ホント!?」ズイッ


にこ「後はうどんを茹でるだけよ」


穂乃果「わーい!わーい!やっと食べられるよぉ!!」

にこ「で、お皿は用意したの?」


穂乃果「あ」


にこ「はぁ…」


凛「かよちんと二人で用意しておいたにゃ」


穂乃果「ごめんねぇ。すっかり忘れてたよ」


にこ「アンタ…本当にうどん食べたいの?」

海未「…んん、少し眠ってしまいました」


真姫「少しじゃないと思うけど…」


海未「!?」


ことり「…あれ?うどんは?」


真姫「もうできてるわよ」


穂乃果「海未ちゃん!ことりちゃん!一緒に食べよう!」


ことり「うん!」


海未「結局、皆に手伝ってもらったんですね」クス


真姫「あれ?そう言えば穂乃果って何したっけ?」


海未「私が眠る前はだしを作って生地を伸ばすって言ってましたが…」


真姫「だしは結局にこちゃんが作って、生地を伸ばすのは凛と花陽がやったわ。それに、生地を切るのも希と絵里に任せてたし…」


海未「じゃあ穂乃果は何もしてない…!?」


真姫「そう言うことになるわね」


海未「…」

海未「穂乃果ー?ちょっと来てください?」


真姫「お説教は後でも出来るし、今は出来たうどんを食べよ?」


海未「…まぁ、それもそうですか」

穂乃果「あー!!これだよこれ!!」


海未「しっかり踏んだ甲斐がありましたね。美味しいです」


ことり「ことりたち頑張ったもんねー」


希「でも、どうせならお揚げさんも買ってきて欲しかったなぁ…」


にこ「早く帰って来いって催促したのはあんたでしょうが」


絵里「シンプルなかけうどんってのもいいじゃない」


凛「かよちん、熱くない?凛がふーふーするにゃ」


花陽「大丈夫だよ凛ちゃん」


真姫「どっちかと言うとふーふーしてもらうのは凛の方じゃない?猫なんだし」


凛「凛は猫舌じゃないにゃ!!」


花陽「ふふっ」

-そして-


穂乃果「ふぅ、食べた食べた」


ことり「美味しかったねぇ」


希「丁度小腹が空いてたから良かったわぁ」


絵里「さて、後片付けを…」


海未「絵里、待ってください」


絵里「?」


海未「穂乃果?貴女うどん作りで何をしましたか?」


穂乃果「え?鰹だし作ったよ?」


真姫「失敗したじゃない」


穂乃果「!?」ギクッ


海未「自分が食べたいと言いながら何もしなかったようですね…!」ゴゴゴ


穂乃果「え?いや…あははー」


海未「後片付けは一人でやってくれるんでしょうねぇ…?言いだしっぺさん?」ニッコリ


穂乃果「ひぃ!」


海未「」ニコニコニコニコ


にこ「にっこにっこにー?」


凛「違うにゃ」


穂乃果「ごめんなさーい!!」

-家庭科室-


穂乃果「うぅ…9人分の洗い物は辛いよぉ」ゴシゴシ


穂乃果「しかも部室から全部ここまで運ばなきゃいけなかったし」ゴシゴシ


穂乃果「こんなことならうどんなんか食べたいって言わなきゃよかったぁ!!」ビエー


おしまい

終わりです。朝っぱらから腹の減るような話を読んでいただきありがとうございました

ちなみに自分はぶっかけうどんが好きです

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