弟「また、姉さんが変なのを買ってきた……」(496)

~とある駐車場~

姉「ねぇ、見て見て弟君。これ良いでしょ?」

姉「私、とうとう手に入れちゃった!」

姉「ようやく、私もキャンピングカーを持っちゃった!」ニコニコ

弟「……」

姉「これ、実は結構人気があるんだよ」

姉「ちょっと、普通なら500万以上はするんだけど」

姉「これって、確実に良い買い物だよね?」

姉「今後、私と一緒にキャンプとか行かない?」ニコニコ

弟「……」

父「娘よ。ちょっと良いか?」

父「よく、そんな金があったな」

父「と言うか、もっと別の物を買うべきではなかったのか?」

母「ええ、そうね」

姉「いや、そんな事はないよ」

姉「これ、プレゼントキャンペーンに応募して、つい最近手に入れたんだけど」ニコニコ

弟「!?」

姉「だから、実質無料に近いかな」

姉「本当は、一戸建て住宅が狙いだったんだけど、第三希望のこれが当たっちゃった」ニコニコ

父「……ふむ。そうか」

弟「姉さん。それ何てキャンペーンだ?」

弟「ついさっきから、かなりおかしな話をしてるんだが」

母「……」

姉「え? そうかな?」

姉「元々、私の今の勤め先が陸軍だから」

姉「私、陸軍に所属する看護師でしょ」

姉「だから、皆で応募したらこれが当たったの」

弟「……」

父「母さん。この辺に精神科はあったか?」

父「ウチの娘は、かなり頭がおかしいんだな」

母「いや、無いわよ」

母「あるのは、歯科と内科と眼科と総合病院くらいよ」

母「昔から、この子は変な子だったけど……」

母「まさか、ここまでとはね……」ガクッ

父「ああ、そうだな」

弟「姉さん……」

姉「とりあえず、弟君は今後の休みの日にキャンプいこうね!」

姉「弟君、どうせ暇でしょ?」

姉「未だに、ずっと家でゲームばっかしてるんだし!」

姉「だから、たまには外に出ようね!」ニッコリ

父「なら、俺もついていってやる」

父「今度の休みは、家族皆でキャンプに行くとしようか?」

父「母さん。それで良いよな?」

父「たまには、家族皆でキャンプするのも良い」

父「ついこの間、俺は定年を迎えたし」

父「今後は、これに乗って各地を旅するのも良いかもな」

母「ええ。そうね」ムクッ

弟「……」

姉「なら、これはもう決定だね」

姉「弟君も、それで良いんだよね?」ニコニコ

弟「ああ、分かった」

弟「それで、行くとする」

弟「どうせ、断ったとしても無理矢理連れてくんだろ?」

弟「姉さん。昔から変だったし」

弟「本当に、もう勘弁してくれよ」ガクッ

姉「やった!」

弟「……」

姉(後に、弟君には数多くの受難が襲い掛かっていき……)

姉(気がついた時には、たった一人で無人島の中で生活をしてるのでした)ニヤリ

弟「!?」ビクッ

昔からちょっと変な姉が、腹違いの弟を振り回し始めた所です。

~キャンピングカー内~

数分後――

母「へぇ、これ結構綺麗じゃない」

母「最近のキャンピングカーって、液晶テレビも付いてるのね」

弟「……」

姉「うん。そうだよ」

姉「液晶テレビだけでなく、dvdも付いてきたけど」

母「あらあら」

姉「後は、温水シャワーに水洗トイレ」

姉「ベットは二つあるし、キッチンも勿論付いてるんだよ」

父「娘、これ本当にどこで手に入れた?」

父「こいつは、500万どころか1000万近いはずなんだが」

弟「!?」

姉「だから、さっき言った通りにキャンペーンで」

姉「今回は、それでこれを手に入れたの」

姉「もう、何度も同じ事言わせないでよ」

父「……」

母「ねぇ、貴方。この車見覚えあるの?」

母「それとも、自分がほしくなっちゃったとか?」

父「……」ギクッ

姉「あはは、お父さん。これ欲しいんだ」

姉「この車、お父さんの睨んだ通りに結構なお値段するんだ」ニッコリ

父「……」

姉「でも、これあげなあよ」

姉「弟君を、家から追い出す時用に丁度良いかなって、貰ってきたんだけど」ニコニコ

弟「!?」

姉「だから、お父さんはこれを諦めて」

姉「その代わり、お父さんにはルーツを買ってあげる」

姉「ちなみに、ルーツと言えばあのフィールドライフ」

姉「さすがにシリウスは無理だけど、ルーツくらいならすぐに買ってあげれるから」ニコニコ

父「分かった。諦めよう」

父「その代わり、ちゃんとこの俺にルーツを買ってくれ」キリッ

姉「うん。分かった」

弟「……」

母「ねぇ、娘……」

母「そんなお金あるなら、ウチを立て替えてよ……」

母「ルーツって、これと同じキャンピングカーでしょ?」

母「そんなの私はいらないから、マンションを一つか戸建ての住宅を一つ買ってほしいわ」

父「うむ。それも良いな」

弟「……」

姉「うん。良いけど」

姉「丁度、宝くじ当たったから、マンションの一室くらい楽に買えるけど」ニコニコ

姉以外「!?」

姉「だから、私結構余裕あるかな」

姉「彼氏も、一緒に高額当選しちゃってね」

姉「昔、お父さんが捨てた巨大猫さんにも会いに行ってきたし」

姉「だから、今の私は運が良いみたいだね」ニコニコ

姉以外「……」ポカーーン

姉「……」ニコニコ

姉以外「……」ポカーーン

姉「まぁ、とりあえずそう言う事だから!」

姉「弟君、覚悟だけはしてよね!」

姉「今度の休みの日に、弟君には旅に出て貰います!」

姉「これ、使っても構わないから、ちょっと旅行してきて!」

姉「弟君の滞在先、ちゃんと確保してあるから!」

姉「巨大猫さん。弟君に会いたがっていたし!」

姉「別に、そのままそこで死んできても構わないからね!」ニコニコ

弟「……」ポカーーン

姉「……」ニコニコ

弟「……」ポカーーン

~キャンピングカー前~

同時刻――

スタスタスタッ、ガラガラガラッ……

スタスタスタッ、ガラガラガラッ……

ピタッ、ストン……

トントン、ガチャ……

妹「姉さん。言われてた物を、持ってきたよ」

妹「これ、本当に使うの?」

妹「かなり、量があって重かったけど」

姉「うん。ご苦労様」

母「娘。それは何?」

母「何か、かなりの量があるけど」

兄「……」

姉「ああ、これ?」

姉「弟君がキャンプ行く時に使う水と食料」

姉「mreレーション2セットに、2lの水24本」

姉「後は、カップヌードル20個に、カロリーメイト10個」

姉「これで、確か全部だったかな」

姉「あっ、一斗缶二つに入れてあったクラッカー忘れてた」

弟「……」ポカーーン

母「へぇ、そうなの」

母「これ、水と食料なの」

母「だったら、これウチで使いたい」

母「いざと言う時の防災用品として、いくつか備蓄しときたいわね」

父「ああ、そうだな」

スッ、ストン……

姉「お母さん。ちょっと退いて」

姉「お父さんは、これ運ぶの手伝って」

父「おう」

スッ、スタスタスタッ……

兄「おい、不義の子」

兄「まだ、他にあったが」

兄「そいつも、運んどいた方が良いのか?」

姉「うん。お願い」

母「×太郎、あまり外でそう言う事を言うのは止めてあげなさい!」

母「今のこの子、貴方の上官なのよ!」

母「万年兵長の貴方とは違って、この子はもう少尉なのよ!」

兄「煩い!」ギリッ

姉「お母さん。別に良いよ」

姉「兄さんの言う事は、本当の事なんだから」

母「でも、貴女はとんとん拍子で昇任したんでしょ?」

母「x太郎と違って、試験に通ったから試験したんでしょ?」

兄「……」イラッ

姉「うん。そうだよ」

姉「兵科によって、昇任速度が違うんだよ」

弟「……」ハッ

妹「それ言ったら、兄さんだって種違いじゃない」

妹「実際に、両方とも血が繋がってるのは私とお兄ちゃんだけ」

妹「今更、そう言う事言うの止めてあげたら?」

妹「自分で自分の立場悪くしてるの、兄さんは分かってる?」

兄「へいへい、分かったよ」

兄「どうせ、俺も不義の子だよ」

兄「それで、少尉殿。まだ運ぶのか?」

兄「あんたが用意した物資は、ここにまだ運ぶのか?」イライラ

妹「……」

姉「うん。お願い」

姉「まだ、確かビスケットや乾パンが入った一斗缶も残ってたはず」

姉「他に、布団とか食器とかも運んどいて」

姉「それ積んだら、もう終わりだから」

兄「へいへい」イライラ

妹「姉さん。本当にお金あるね……」

妹「一体、そんなお金はどっから出てきてるのよ……」

兄「さあな」イライラ

姉「ただ単に、自分で稼いで貯めたお金だよ」

姉「昔から、ずっと不義の子不義の子って言われてたから、いつ追い出されても良い様に準備してたんだよ」

妹「え?」

姉「まぁ、それはもう過去の話だけど」

姉「今は、もう兄さんなんかすぐに追い越しちゃって、少尉になっちゃったけど」ニッコリ

兄「……」ギリッ

妹「……」ビクッ

姉「それに、兄さんはもう除隊するんだよね?」

姉「結局、伍長になれずに除隊しちゃうんだよね?」ニコニコ

兄「……何が言いたい?」ギリギリ

姉「今からなら、まだ警察官になれるよ」

姉「警察官って、確か30歳くらいまでならなれるみたいだから」ニコニコ

兄「……」ギリギリ

姉「とりあえず、兄さん」

姉「早く、ここにまで荷物を運んで」

姉「後で、今回のお小遣い恵んであげる」

姉「だから、早く運んどいて」ニコニコ

姉「……」ニコニコ

兄「……」ギリギリ

姉「……」ニコニコ

兄「……」ギリギリ

姉「xx兵長、早く行きなさい!」

姉「これは、上官である私からの命令!」

姉「だから、さっさとここにまで物資を運びなさい!」ニコニコ

兄「くっ……」ギリギリ

母「x太郎、早く運んであげなさい!」

母「じゃなきゃ、来月x次郎と一緒に旅に出て貰うわよ!」

兄「へいへい、分かりましたよ……」

兄「少尉殿の命令に従えば良いんでしょ……」

兄「でも、俺はまだ少尉殿の事を家族だとは認めていない!」

兄「それだけは、絶対に覚えておけ!」イライラ

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

姉「……」

妹「……」

父「……」

母「……」

母「全く、いつもあの子はああなんだから」

母「本当に、そんなんだから万年兵長なのよ」

姉「……」

母「xx美、貴女は何も心配はいらない!」

母「貴女は、ここにいて良いのよ!」

母「貴女は、ウチで引き取られた時からもう既に家族なのよ!」

姉「……」

妹「うん。そうだね!」

妹「バカな兄さん達二人と違って、姉さんは立派だからね!」

姉「xx子……」

父「母さん。そこを退いてくれ」

父「xx美が用意した物資を運ぶ」

父「xx美、俺が用意した防災食もここに入れて良いか?」

父「馬鹿息子二人で過ごすんなら、これはもう十分過ぎる量だ」

弟「……」

姉「うん。良いけど」

姉「まだ、そこに入る?」

姉「これ積んだ後、まだ中に入るかな?」

父「ああ、十分な」

スッ、ストン……

姉「なら、そこに全部入れちゃって」

姉「これ使うの、まだ当分先の事だから」

姉「弟君、後で同意書を書いてくれる?」

姉「今度、キャンプに行く所は同意書がいるから」

姉「だから、後でお母さん達も一緒に書いてほしいなぁ~~っ!」ニッコリ

弟「……」

妹「え? そんなのあるの?」

妹「姉さん。一体、どこでキャンプするつもりなの?」

弟「……」ビクッ

姉「うふふっ」ニヤニヤ

妹「姉さん。何か怖いよ……」

妹「そこ、確実に生きて帰れるの?……」

弟「……」ビクビクッ

姉「うん。大丈夫だよ……」

姉「ちょっと、半魚人さん達がうようよいるけど、新鮮なお魚さえ持っていけば大丈夫だよ……」ニヤニヤ

妹「!?」ビクッ

姉「だから、弟君は多分大丈夫かな……」

姉「兄さんも一緒についてくみたいだし、多分大丈夫かな……」チラッ

弟「……」ビクビクッ

妹「……」ビクビクッ

母「xx美、貴女何企んでいるの?」

母「今の貴女、極悪な魔女みたいな顔をしてしまってるわよ」

父「ああ、そうだな」

姉「いや、そんな事ないよ」

姉「私、そんな風になってなんかないよ」ニヤニヤ

母「……」

父「……」

姉「とりあえず、物資運んで」

姉「それ済ませて、早くお昼にしようか?」

母「ええ、そうね」

スタスタスタッ、ガラガラガラッ……

スタスタスタッ、ガラガラガラッ……

ピタッ、ストン……

兄「少尉殿、持ってきたぞ」

兄「これ、全部運べば良いのか?」

妹「!?」ビクッ

兄「ん? どうした?」

兄「何脅えてんだ? xx子」

妹「……」

兄「!?」ハッ

姉「ああ、ご苦労様」

姉「それ、早速積んでいってくれる?」

姉「私、まだ用意する物があるから」

姉「お父さん。あれ、持ち運ぼ」

姉「まだ、保存食とか沢山あるんでしょ?」

兄「……」

父「ああ、そうだな」

父「馬鹿息子二人は、今あるのを先に積んどいてくれ」

父「娘二人、ついてこい!」

父「まだまだ、物資は沢山あるぞ!」

母「なら、私はここで見とくわ」

母「お父さん達、早く持ってきなさい」

娘達「は~~い」

母「それ終わったら、後で外食ね」

母「xx美、結構お金あるみたいだし」

母「だから、これ終わったら皆で外食ね」

娘達「は~~い」

弟「……」

スッ、ストン……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

~キャンピングカー内~

しばらくして――

兄「これで、全部みたいだな」

兄「よくこんなに、親父達は買い込んだもんだ」

弟「ああ、そうだな」

兄「それに、この車やけに高そうだな」

兄「これ確か、軍のキャンペーンで出てた奴じゃないか」

弟「……」

父「x太郎、これ知ってるのか?」

父「あいつ、本当にキャンペーンとかで手に入れたのか?」

兄「ああ、そうだけど」

兄「ついこの間、陸軍が主催したキャンペーンの景品の一つに、これが何台かあった」

兄「おまけに、あいつ防災食まで多数当てやがってな」

兄「軍内部でも、あいつは一躍有名人になっちまった」

弟「……」

父「なら、あいつの言っていた事は本当の事の様だな」

父「ちなみに、お前は何を当てた?」

父「お前も、陸軍に所属してるんだろ?」

父「お前は、一体何を当てたんだ?」

弟「……」

兄「ああ、俺か?」

兄「俺は、ビール箱ごと貰ったんが、同じ営内の奴等と飲んじまった」

兄「他の奴等は、俺と同じで箱ごとビール貰ってたり、家族旅行を当てた奴もいる」

兄「他には、お歳暮で出される様なハムとか洗剤とかが当たってたな」

兄「あいつが当てたこのキャンピングカー、狙ってた奴が少なくてすんなりと当てやがったんだ」

弟「……」

スッ、スタッ……

妹「お父さん達。もう積み終わった?」

妹「積み終わったんなら、外食に行くよ」

父「おう」

兄「ん? 外食?」

兄「今から、外食に行くのか?」

兄「それは、勿論あいつ持ちなのか?」

妹「うん。そうだけど」

兄「なら、遠慮なく食ってやろう」

兄「それくらいしても、罰は当たらんだろ」

妹「……」

弟「兄さん。兄さんはキャンプ行くのか?」

弟「俺の場合は、無理矢理連れてかれるんだが」

兄「は?」

兄「いや、俺も行くぞ」

兄「何言ってんだお前?」

弟「!?」

兄「俺、あいつに言われたんだわ」

兄「100万やるから、親父と一緒にお前を鍛えてやってくれって」

弟「!?」ガーーン

兄「だから、お前も覚悟しろよ!」

兄「お前のその腹の贅肉、とことん落としてやる!」

弟「……」ガクッ

妹「……」

兄「とりあえず、もう終わった事だし、さっさと行くぞ!」

兄「と言っても、キャンプ行くまでまだ時間はある!」

兄「だから、お前も覚悟するんだな!」

弟「……」

妹「……」

父「……」

妹(こうして、お兄ちゃんはキャンプに無理矢理連れて行かれる事になり……)

妹(様々な試練が、お兄ちゃんの前に次々と襲い掛かっていきます……)

妹(おまけに、私達はすぐにお兄ちゃんの事を置いてその場から離脱……)

妹(お兄ちゃんただ一人だけが、ずっと一人でキャンプし続けるのでした……)ニヤリ

本日は、ここまで。

次の更新はまだ未定です。

~登場人物~

銀次郎(弟):無職。24歳。黒髪の短髪。高校卒業後、ずっとニート。今作の主人公。

葉菜美(姉):看護師。26歳。黒のショートで巨乳。弟達とは腹違いであり、幼少時代から兄を一番嫌っている。

金太郎(兄):陸軍兵士。28歳。坊主頭で、弟達とは種違い。姉の事を一番嫌っているが、利害が一致した時はよく協力をする。

葉菜子(妹):大学生。22歳。黒髪ロングで巨乳。以前から、馬鹿な兄二人が邪魔になってきてる。姉とは、昔から仲が良い。

銅三郎(父):無職。65歳。白髪混じりの短髪。今年定年を迎え、老後をどう生きようか模索中。

葉菜代(母):介護福祉士。55歳。ここ最近、やけに白髪が目立ってきた黒の短髪。息子達の不甲斐なさに嘆いている。

~キャンピングカーのデータ~

・所有者:姉。
・車種:ハイエースワゴンロング。
・種類:キャブコン。
・定員:四名。
・設備:シャワー、トイレ、キッチン、ベット、エアコン、発電・備蓄設備、通信設備等。
・装備:冷蔵庫、電子レンジ、カセットコンロ、給水タンク、排水タンク、サブバッテリー、液晶テレビ、dvdレコーダー、カーナビ等。

~備蓄食料~

・mreレーション(米軍個人携行食)×24
・mre補助増加食(パン)×24
・カップヌードル×20
・カロリーメイト×20
・レトルトカレー×30
・白米(200g)×30
・乾パン×10
・天然水2l×24

※防災食は、後になって母がゴネたので自宅にて保管。

~キャンプ先~

・場所:無人島
・所有者:?
・管理者:?
・居住者:?
・面積:0.63ha
・島の形:豚ロース。東西に160m、南北に480m。
・海岸線:1200m
・気温:15~16℃
・自然:中央に山あり。

次から、キャンプ当日に移ります。

あれ、姉は軍人じゃないの?

>>45
すみません。書き忘れです。
姉の階級は陸軍少尉。
陸軍が管理する病院に勤務しています。

~弟の自室~

キャンプ当日――

「ねぇ、弟君。起きて」

「早く、起きて」

ユサユサユサッ、ユサユサユサッ……

弟「zzz……」

「起きないと、このまま拉致しちゃうよ」

「出来れば、早く起きてほしいなぁ~~っ」

ユサユサユサッ、ユサユサユサッ……

弟「zzz……」

「もう仕方ないなぁ」

「私が、今から抜いてあげようか?」

「私達、半分血が繋がってないんだし」

「それくらいしても、構わないからね」

スッ、ムクッ……

姉「……」

弟「……」

妹「……」

姉「……」

弟「……」

妹「……」

姉「お早う、弟君」

姉「昨夜は、よく眠れたかな?」

弟「……」

姉「このまま、弟君が起きなかったら本当に私はしちゃってたかも」

姉「だって、今の弟君は全裸だったら」

弟「!?」ハッ

妹「とりあえず、早く服着て!」

妹「そんな汚ならしい物、私達の目の前で見せないで!」

弟「……」

姉「うん、そうだね。本当にだね」

姉「まぁ、私の場合は、仕事柄でよく見慣れてるけど」

姉「君みたいな包茎すら、何度も生で見てきてるよ」

弟「……」

姉「君が望むなら、すぐに予約入れて処置して貰おうか?」

姉「ここ最近、虫歯にも悩んでたでしょ?」

姉「今の私、まだお金に余裕あるし」

姉「そう言った事でも、援助してあげようか?」

弟「……」

妹「姉さん。もう行こう!」

妹「こんな人、放っておいて早く行こうよ!」

姉「え?」

妹「大体、こんな人なんかに援助する必要なんかないよ!」

妹「今の姉さん、本当にお金を無駄にしてしまってるよ!」

弟「……」

妹「それに、この人はもう時期家を追い出されるんだし!」

妹「姉さんが、そこまでしてあげる必要は全くない!」

妹「それでも、家族に援助したいと言うのなら、私にして!」

妹「今の私、ちょっと欲しいものがあるの!」

妹「今日のキャンプが終わったら、色々と姉さんに買って欲しいなぁ~~っ!」ニッコリ

弟「……」

「なら、私達にも何か買って」

「私達も、キャンプ行きたい」

弟「……?」

ガチャ、ガラガラガラッ……

姉「あっ」

妹「……」

双子「……」

弟「……」

姉「誰? この子達?」

双子「こんにちは。お姉ちゃん」

双子「今日も、良い天気だね」ニッコリ

姉「……」

妹「はぁ……」

妹「また、勝手に入ってきたの?……」

妹「君達のお母さんは、一体どうしたの?……」

弟「……」

双子「うん。分かんない」

双子「今日の朝から、彼氏のウチに行くって出掛けちゃった」

姉「!?」

妹「ああ、そうなの……」

妹「あの人、また放置したまんまなの……」

妹「まさか、ウチにまた預かってくれとか言わないわよね?……」

妹「もしかして、またそう言われて来たとか?……」

双子「うん。そうだよ」

姉「ねぇ、妹ちゃん。この子達は?」

姉「この子達は、よくこんな風に放置されてるの?」

妹「うん……」ガクッ

姉「そう。そうなんだ……」

姉「この町にも、こう言った子が沢山いるんだ……」

双子「……?」

姉「なら、この子のお父さんは?」

姉「お父さんは、もう仕事に行っちゃったの?」

双子「うん」

姉「……」

双子「それに、お父さんは今月から出張をしちゃった」

双子「もう何日も前から、ウチに帰ってこないんだ」

姉妹「!?」

双子「後、私達朝御飯まだなの」

双子「お母さん。お金も置かずに、また私達を置いて出掛けちゃったの」

双子「だから、お姉ちゃん。今日もまた何か食べさせて」

双子「私達、お腹空いちゃった」

双子「いつ、お母さんも帰ってくるか分からないし」

双子「お母さんが、この手紙をお姉ちゃんに渡してって」スッ

スッ、パサッ……

姉「……」

姉「……」

姉「!?」

姉「……」プルプル

姉「……」プルプル

姉「……」ポトッ

妹「……」スッ、パサッ

妹「!?」

妹「……」プルプル

妹「……」プルプル

双子「お姉ちゃん。どうしたの?」

双子「何で、さっきから震えてるの?」

姉「……」プルプル

双子「お母さん。何て書いてた?」

双子「私達、早く朝御飯が食べたい」

妹「……」プルプル

姉「ここ当分、お母さんは旅行に行くそうよ……」

姉「ちょっと、君達と同じぐらいの時に出来たお友達と一緒にね……」プルプル

妹「……」プルプル

姉「とりあえず、妹ちゃん……」

姉「この子に、何か朝御飯になる様なものを……」

姉「お母さん達、まだ車の中なんだよね?……」

姉「少し、今から私は走ってくるわ……」プルプル

妹「うん。分かった……」プルプル

双子「……?」

その数分後――

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ガラッ……

兄「おい、弟」

兄「何だ、あの子達は?」

兄「まさか、あれは親父の隠し子か?」

弟「……」

姉「ああ、違うけど」

姉「あれは、近所に住む双子ちゃん達」

姉「何か、よくその親がウチに託児してくるんだって」

姉「妹ちゃんは、何故か昔から懐かれてて、それで今から朝御飯を作ってあげてるの」

兄「……ふむ、そうか」

弟「姉さん、どうする?」

弟「キャンプ、止めにするか?」

弟「あの子達は、親が帰宅するまでどうするつもりなんだ?」

姉「う~~ん。どうしよっか~~っ?」

姉「あの子達、確実にネグレクトされてるからね~~っ」

兄「……」

弟「なら、今回はもう止めにしないか?」

弟「俺は、もう今回は止めにしても良いと思うけど」

姉「……」

兄「お前、そんなにキャンプ行きたくないのか?」

兄「その腹の贅肉、一体いつ落とすんだ?」

姉「……」

弟「ああ、そうだよ」

弟「俺は、キャンプなんて行きたくねぇよ」

弟「大体、何で今更家族皆でキャンプなんだ?」

弟「もう俺達、家族旅行とか言う歳でもないだろうが」

姉「うん。そうだね」

兄「……」

姉「でも、今日のキャンプは確実に行くよ」

姉「弟君が嫌でも、無理矢理連れて行くよ」

弟「why?」

姉「ん? 何か、文句あるの?」

姉「そんなに、私の事が嫌いなの?」

弟「ああ、そうだ」

姉「……」シュン

兄「とりあえず、さっさと用意して行くぞ!」

兄「こいつからは、もう既に俺は金を受け取った!」

兄「それについては、親父も全く同じだ!」

弟「!?」ガーーン

兄「おい、そこの少尉殿!」

兄「さっさと、こいつ連れてくぞ!」

兄「適当に、麻酔か何かぶち込んでやれ!」

兄「今のお前なら、それですらすぐに可能なんだろ?」

姉「うん。まあね」

姉「あくまで、弟君が抵抗した時の為のだけどね」

姉「だから、弟君。何も抵抗しないで」

姉「じゃなきゃ、本当に拉致して連れてくよ」

姉「弟君の事、キャンプ先に放置していくよ」

姉「弟君は、それでも良いの?」

兄「……」

弟「姉さん。俺に拒否権はないのか?」

弟「つうか、何でそこまでキャンプさせたいんだ?」

姉「……」

弟「俺は、絶対にキャンプなんて行かない!」

弟「俺は、姉さん達の玩具じゃない!」

弟「俺の事は、もうほっといてくれ!」

弟「頼むから、弟の好きな様に生きさせてくれ!」

兄「……」

これより再開。

姉「う~~ん。それちょっと、無理かな」

姉「弟君。もう十分な程、好き勝手に生きちゃってるけど」

弟「煩い!」

姉「伍長。彼を、今から拘束する!」

姉「続きなさい!」

兄「はっ!」

弟「!?」ガーーン

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、スッ、ガシッ……

弟「!?」ビクッ

兄「……」

弟「兄さん。嘘だろ?……」

弟「これは、何かの嘘なんだろ?……」

兄「……」

スッ、カチャ……

ササッ、ササッ、ピン……

姉「……」

兄「……」

弟「……」

ジリジリッ、ジリジリッ……

弟「くっ、来るな!」

弟「来るな、来るな!」ガクガクッ

兄「……」

姉「……」

スッ、ガシッ、プスッ……

弟「!?」

スーーッ、シュッ……

姉「はい。お終い」

兄「……」

弟「あ、あんたら……」

弟「鬼だ、鬼だ……」

弟「うっ……」

兄「……」

弟「……」

弟「……」

弟「……」ガクッ

姉「……」

弟「zzz……」

弟「zzz……」

弟「zzz……」

兄「……」

姉「兄さん。ご苦労様」

姉「後は、これを運ぶだけだね」

兄「ああ、そうだな」

兄「少尉。そっちの足持ってくれ」

兄「胴体は、俺が持つ」

兄「あんたは、そいつの足を持ってくれ」

弟「zzz……」

姉「ええ、分かったわ」

姉「ちょっと、待ってね」

姉「これ、今すぐ片付けるから」

弟「zzz……」

サッ、ササササッ……

ササササッ、ササササッ、カシャン……

スッ、ガシッ……

姉「よいしょっと……」

兄「はっ!」

姉「うっ」

弟「zzz……」

姉「この子、結構重いわね……」

姉「見掛けによらず、何でこんなに重いのよ……」

弟「zzz……」

兄「さぁ、何も知らんな……」

兄「俺が陸軍に入隊した時は、こんな風じゃなかったんだが」

弟「zzz……」

姉「う~~ん。そうだね……」

姉「私は、看護学校に行ってたから、何も知らないんだよね」

姉「今日だって、あの双子ちゃん達とは初めて会っちゃったし……」

姉「普段は、あまり実家にすら顔を出してなかったからね……」

兄「ああ、そうだな……」

弟「zzz……」

兄「とりあえず、動くぞ……」

兄「そのまま、後ろに下がって行け……」

姉「……」

ジリッ、ジリジリッ……

ジリジリッ、ジリジリッ……

弟「zzz……」

兄「よし、その調子だ……」

姉「……」

兄「あっ、それと、俺はもう今月から伍長だ……」

兄「だから、もう二度と間違えんじゃねぇ……」

姉「うん。分かった……」

弟「zzz……」

ジリジリッ、ジリジリッ……

ジリジリッ、ジリジリッ……

弟「zzz……」

ジリジリッ、ジリジリッ……

ジリジリッ、ジリジリッ……

弟「zzz……」

再開。

~とある駐車場~

ガラガラガラッ、スタスタスタッ……

ガラガラガラッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ストン……

兄「ふぅ……」

姉「ああ、疲れた……」

弟「zzz……」

母「貴方達、何してたの?」

母「何で、銀次郎はまだ眠ってるのよ」

弟「zzz……」

姉「ああ、ちょっとね……」

姉「また、行く前に弟君がゴネちゃった訳……」

弟「zzz……」

姉「とりあえず、これ乗せるね……」

姉「適当に、ベットの上に寝かしとくわ」

母「そう。そうなの」

母「また、この子ゴネちゃったの」

母「一体、誰に似たのかしらね?」

母「だから、台車に乗せてきたんだ」

弟「zzz……」

兄「さぁ、知らんな」

兄「本当に、誰に似たんだか」

弟「zzz……」

兄「少尉。また、足持て」

兄「母さんはドアを開けろ」

兄「葉菜子は、近所に住む双子ちゃんに餌付けしてる」

兄「さぁ、こいつが起きる前にさっさと運んじまおうぜ」

姉「うん。そうだね」

弟「zzz……」

スッ、ガチャ……

スッ、ガシッ……

ガシッ、ガシッ……

兄「よいしょっと」

姉「うっ……」

母「……」

弟「zzz……」

ジリッ、ジリジリッ……

ジリジリッ、ジリジリッ……

母「……」

弟「zzz……」

「親父、ちょっとそこ退いてくれ」

「親父が邪魔で、こいつ運べねぇよ」

「ああ、すまんな」

「zzz……」

母「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ストン……

老婆「おやっ、葉菜代さん。お出掛けかい?」

老婆「と言うか、どうしたんだい。この車は?」

母「ああ。こんにちは」ニッコリ

介護士「……」ペコッ

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ……

母「こんにちは、花子さん」

母「今日も良い天気ですね」ニコニコ

介護士「……」

老婆「ええ。そうですね」

老婆「今日は、本当に良い天気だわ」ニッコリ

母「……」ニコニコ

介護士「……」ニコニコ

老婆「それで、今日はどこに行くんだい?」

老婆「この立派な車に乗って、キャンプにでも行くのかい?」ニコニコ

母「はい。そのつもりです」ニコニコ

老婆「そうか。そうか」

老婆「これに乗って、お出掛けに行くんか」

老婆「ウチのひ孫も、これに乗せとうなぁ」

老婆「こんな車あるんのなら、どこへでも旅行に行けるがな」ニコニコ

母「ええ。そうですね」ニコニコ

老婆「大体、ウチの孫は馬鹿ばっかでなぁ」

老婆「可愛い可愛い娘二人置いて、不倫旅行に行ってもうたんや」

老婆「それで、ウチの娘がウチのひ孫を探しとる?」

老婆「葉菜代さんとこ、また来てへんか?」

老婆「前にも、葉菜代さんとこにはお世話になっとたからに」

老婆「それを聞きに、私はここまでやって来たんや」

介護士「……」

母「ええ、ついさっきから来てますよ」

母「今、ウチの娘が朝御飯の支度をしております」

老婆「!?」

母「それと、あの子達はこの手紙を持っていました」

母「どうやら、ご主人が出張中に不倫相手と今日からご旅行の様でしてね」

母「それで、ウチの方に朝から歩いて来たみたいです」

老婆「orz……」

介護士「花子さん。大丈夫ですか?」

介護士「私が、娘さんにご連絡の方を差し上げましょうか?」

母「……」

老婆「ああ、そうして下され……」

老婆「本当に、あの子は何を考えておるんか……」

老婆「あの子が帰ってきたら、とことん締め上げてくれる!」

老婆「そんで、ウチのひ孫はウチで引き取る!」

母「……」

介護士「サ責。ちょっと、花子さんを見てて貰ってて良いですか?」

介護士「私、今から娘さんに電話します!」

介護士「まだ、その辺を探してるはずです!」

介護士「少しばかり、花子さんの事をお願い致します!」

老婆「……」

母「ええ、分かったわ!」

母「花子さん。もう大丈夫ですからね!」

母「今、私の娘がひ孫さん達と一緒です!」

母「ですから、もう花子さんは安心をして下さいね!」

老婆「ええ、分かりました……」

老婆「本当に、申し訳ねぇだ……」

母「いえいえ」

スッ、ピピッ……

「トゥルルルッ、トゥルルルッ……」

「トゥルルルッ、トゥルルルッ……」

「トゥルルルッ、トゥルルルッ……」

「トゥルルルッ、トゥルルルッ……」

ピッ……

電話「はい。もしもし……」

介護士「お早うございます。〇〇さん」

介護士「〇×介護ヘルパーステーションの×××です」

介護士「例のお孫さんの件ですが、今発見しました!」

介護士「どうやら、××さん所にまたいらしてたみたいでですね!」

介護士「それで、今xxさんのご自宅にて保護しております!」

老婆「……」

電話「え? そうなんですか?」

電話「本当に、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません!」

電話「それで、ウチの孫達は大丈夫なのですか?」

電話「どこか、怪我とかはしていませんでしたか?」

介護士「はい。大丈夫です」

電話「そうですか!」

電話「本当に、あの子達が無事でいてくれて良かったです!」

電話「今から、そっちに向かいますので!」

電話「ウチの母にも、そうお伝え下さい!」

介護士「はい。かしこまりました!」

老婆「……」

電話「それじゃあ」

ピッ……

「ツーーッ、ツーーッ、ツーーッ……」

ピッ、カシャン……

介護士「……」

老婆「……」

母「それで、娘さんは何て?」

母「こっちに、今から来てくれるの?」

介護士「はい!」

母「なら、花子さんをウチの中に」

母「今、ウチの娘が朝食を作ってるから、早速会わせてあげて」

介護士「はい」

母「花子さん。今から、娘さんがウチに来てくださいます」

母「今から、ひお孫さんにも会えますので、どうか花子さんは安心をして下さいね」ニッコリ

老婆「はい。分かりました」ニッコリ

スッ、ストン……

姉「……」

母「娘。ちょっと、そこで待ってて」

母「私、あの子達の様子を見てくるから」

姉「うん。分かった」

母「花子さん。今から移動しますね」

母「もうすぐ、ひ孫さんに会えますからね」ニコニコ

老婆「はい」ニコニコ

介護士「……」

ガラガラガラッ、スタスタスタッ……

ガラガラガラッ、スタスタスタッ……

姉「……」

ガラガラガラッ、スタスタスタッ……

ガラガラガラッ、スタスタスタッ……

姉「……」

スッ、ストン……

父「今の〇〇とこの婆さんか?」

父「あの人も、本当に可哀想な人だ」

姉「うん。そうだね」

父「それで、どうすんだ?」

父「上は、何て言ってるんだ?」

兄「……」ヌッ

姉「このまま、島に連れて来いって」

姉「島に連れて行った後は、向こうが管理するみたいだから」

父「おおっ、そうか!」

父「そりゃあ、有り難いな!」

父「ようやく、あの穀潰しから解放されるのか!」ピカァ

兄「……」ピカァ

父「それで、いつまでだ?」

父「あのまま、ずっと向こうに送っとくのか?」

姉「うん。そうだけど」

父「よっしゃああああ――――っ!」

兄「……」

姉「伍長。向こうに着いたら、帰りは別の車になるわ!」

姉「伍長は、そのまま駐屯地に戻って!」

姉「貴女の希望通りに、上はもうやってくれたみたいだから!」

姉「だから、もう安心してよね!」ニッコリ

兄「はっ!」ビシッ

父「……」

兄「それで、少尉」

兄「母さん達はどうする?」

兄「母さん達も連れてくのか?」

兄「この車じゃ、人数的にも乗り込めねぇだろ」

父「……」

姉「ああ、大丈夫、大丈夫」

姉「これ、よく見たら寝るのは四人で、乗るのは最大五人までなのよ」

姉「だから、弟君寝かしてても問題ないわ」

姉「弟君を荷物にカウントしても、何も問題はないし」

姉「そこで、ホバークラフトに乗り込んで、弟君を車と一緒に輸送しちゃうから」

兄「……ああ、了解した」

父「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ……

妹「……ふぅ」

妹「姉さん。双子ちゃん達片付いたよ」

妹「〇〇さんとこのお婆ちゃんが、今さっき来てくれたから」

姉「うん。そう」

妹「後、お母さんはもう少し掛かるって」

妹「だから、まだ少し待ってて」

姉「うん。分かった」

父「……」

兄「なら、少し待つ事にしよう」

兄「俺、ちょっとタバコ買ってくる」

兄「それじゃあな」

スッ、スタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

父「娘。俺も行ってくる」

父「少し、待っててくれ」

妹「は~~い」

スッ、スタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

妹「ねぇ、姉さん」

妹「お兄ちゃんの事、そのまま放置しておくの?」

妹「向こうに引き渡したら、もうお兄ちゃんは死んだも同然なの?」

姉「ええ、そうよ」

妹「……」

姉「弟君は、向こうに引き渡した瞬間から死んだも同然なの」

姉「だから、戸籍も完全に消えるわ」

姉「今まで、ずっと好き放題して来たんだし」

姉「これが、最後の親孝行でもあるからね」

妹「……そう」

姉「とりあえず、妹ちゃんも早く乗って」

姉「もうそろそろ、出発をするんだし」

姉「早く乗って」

スッ、スタッ……

スタスタッ、スッ、ストン……

姉「……」

妹「……」

姉「妹ちゃん。大丈夫よ」

姉「妹ちゃんの事、あそこに放置したりしないから」

姉「だから、何も心配はしないで」

妹「……」

姉「……」

妹「……」

姉「そんなに、私の事が怖い?」

姉「それとも、今更、後悔してる訳?」

妹「……」

姉「……」

姉「大丈夫よ。私、本当に何もしないから」

姉「妹ちゃんの事、あそこに放置したりしないから」

妹「……」

姉「だから何度も言うけど、妹ちゃんは大丈夫よ」

姉「私、妹ちゃんの事は大好きだし」

姉「もし仮に、そんな事をするのなら、弟君だけでも十分だわ」

妹「……」

姉「……」

妹「……」

姉「……」

妹「……姉さん」

妹「これだけは、絶対に約束して……」

妹「一人暮らしをする為の資金、出してくれるって……」

妹「そのついでに、私の身の安全の保障をして……」

姉「うん。良いけど」

妹「後は、私にマンションを買ってね」

妹「姉さん。まだ、お金に余裕があるんでしょ?」

妹「その他には、次の休みの日に温泉とか行きたい」

妹「もしくは、海外に旅行とか良いかもね」ニッコリ

姉「うん。分かったわ」ニッコリ

妹「……」ニコニコ

姉「……」ニコニコ

野良猫「……」スタッ

野良猫「……」キョロキョロ

野良猫「……」キョロキョロ

野良猫「にゃああああ~~~~っ」

姉(その後、私達は弟君を連れて、他県にある海軍基地にまで出発)

姉(そこに着いた時には、もうお昼頃)

姉(私達は、弟君を軍に引き渡し……)

姉(弟君は、船でそのまま無人島にまで運ばれたのでした)

分かりました。
次から、名前の表記を統一致します。

弟→銀太郎
姉→葉菜美
兄→金太郎
妹→葉菜子
父→銅三郎
母→葉菜代

~キャンピングカー内部図~

┏━━━┯━┯━┓
┃   ┃ ┃ト┃
┃ベット┃ ┃イ┃
┃  ┃ ┃レ┃
┣━━━┫ ┣━┫
┃   ┃ ┃キ┃
┃ソ┏━┛ ┃ッ┃
┃フ┃┏━┓┃チ┃
┃ァ┃┃机┃┃ン┃
┃|┃┃ ┃┣━┫
┃ ┃┗━┛┃扉┃
┣━┻━━━┻━┫
┃ 運転席   ┃
┗━━━━━━━┛

再開。
何か、見取り図ずれとる……

~無人島・キャンピングカー内~

その日の夜――

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」ハッ

銀太郎「……」ムクッ

銀太郎「……」キョロキョロ

銀太郎「……」キョロキョロ

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

フラッ、バタッ……

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「マジか……」

銀太郎「姉さん、マジで俺を無理矢理連れて行った……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

スッ、ムクッ……

パサッ、スッ、スタッ……

銀太郎「とりあえず、トイレにでも行こう……」

銀太郎「確か、ここにも付いてたんだよな?……」

スッ、ポリポリッ……

スッ、ジャバ--------ッ!

銀太郎「……?」

ジャバババ--------ッ、ジャバババ--------ッ!

ガチャ、バタン……

銀太郎「……」

エルフ「あっ」ハッ

銀太郎「……」

エルフ「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、フリフリッ……

銀太郎「……」

エルフ「……」

銀太郎「……」

エルフ「……」

銀太郎「who is this?」

エルフ「……」

銀太郎「……」

エルフ「……」

銀太郎「……」

エルフ「もしかして、生きてた?」

エルフ「今、私の目の前にいるのは、アンデットとかじゃないのよね?」

銀太郎「……」コクン

エルフ「はぁ?」

エルフ「何で、あんた生きてんのよ?」

エルフ「つうか、私の言葉分かってんの?」イラッ

銀太郎「……」コクン

エルフ「……そう。そうなの」

エルフ「あんた、まだ死んでなかったんだ」

エルフ「それじゃあ、この家、まだ貰えないんだ」

銀太郎「!?」

エルフ「つうかさぁ、あんた何でここに来たの?」

エルフ「今あんたがいる所、捨て子が集まる場所なのよ?」

銀太郎「!?」

エルフ「特に、健康なのにも関わらず、一度も学校を出てから働かなかった者」

エルフ「家族や他人に対して、ずっと迷惑ばかりいる者」

エルフ「それらが、ここによく流されてきてね」

エルフ「今のあんたも、どうやらその類いみたいな訳」

銀太郎「!?」ガーーン

エルフ「……」

銀太郎「……」

エルフ「とりあえず、あんた名前は?」

エルフ「今のあんた、名前くらいあるんでしょ?」

銀太郎「……」

エルフ「まぁ、言いたくないのなら、それでも構わないわ」

エルフ「いずれ、あんたもここで死ぬんだから」

エルフ「とりあえず、あんた何か質問は?」

エルフ「もしないのなら、私はもう帰るわよ」

銀太郎「……」

エルフ「出来れば、早く死んでね」

エルフ「あんたが死ねば、この家自体は私がすぐにも貰っていく」

エルフ「後、ここにある食料の一部は、他の人達に分けてあげたわ」

エルフ「てっきり、あんた死んでると思ってたし」

エルフ「なんか、皆、久し振りの食事だったみたいでね」

エルフ「ここの食料を分けてあげたら、皆が涙ながらに喜んでいたわ」

銀太郎「!?」

エルフ「それじゃあ、私はもうこれで」

エルフ「出来れば、早く死んでよね」

エルフ「それじゃあ」

銀太郎「……」

スッ、シュン……

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「今の、一体何だったんだ?」

銀太郎「もしかして、あれも現実の事なのか?」

銀太郎「はぁ……」ガクッ

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「……」

銀太郎「とりあえず、トイレだけでも済ませよ……」

銀太郎「後は、食事して寝るだけだな……」

銀太郎「はぁ……」

すいません。銀次郎です……

その十数分後――

ジャバッ、ジャバババ--------ッ!

ジャバババ--------ッ、ジャバババ--------ッ!……

ガチャ、バタン……

銀次郎「……」

エルフ「あっ、また出た」

銀次郎「……」

エルフ「……」

銀次郎「あんた、帰ったんじゃなかったのか?」

銀次郎「つうか、何やってんだ?」

スッ、ストン……

エルフ「何って、夕食の準備をしてるのよ」

エルフ「それの何の問題がある訳?」

銀次郎「!?」

パカッ、スッ、ドサッ、ドサッ……

銀次郎「つうか、それ俺のなんだけど……」

銀次郎「俺が、キャンプする為に買い込んでいた食料なんだけど……」

エルフ「へぇ~~っ、それで?」

銀次郎「だから、勝手にこの俺の食料を食わないでくれるか?……」

銀次郎「それ食われたら、俺がこの先生きていけなくなるんだが……」

エルフ「そう」

スッ、ストン、ストン……

ストン、ストン、ストン……

ビリッ、ビリッ……

銀次郎「……」

エルフ「……」

銀次郎「……」

エルフ「……」

トントン、ガチャ……

スッ、スタッ……

少女「お姉ちゃん。ご飯まだ?」

少女「私、もうお腹空いちゃった」

銀次郎「!?」

エルフ「はいはい。ちょっと待ってね」

エルフ「今用意するから」

エルフ「皆にも、そう伝えといて」

少女「は~~い」

スッ、バタン……

エルフ「あんた、これでも文句ある?」

エルフ「あんな小さい子に対しても、今のあんたは食事抜きなんて言える?」

銀次郎「……」

エルフ「今さっき顔見せた子、親に捨てられたのよ」

エルフ「ろくに、子育てなんかせずに遊び呆けててね」

エルフ「借金の形に、あの子を売り飛ばした」

エルフ「それが原因で、あの子はこの島に送られてきた」

エルフ「今、この島にいる人間達は、戸籍なんてもう無くなってるわ」

エルフ「皆、親に捨てられてここに来た瞬間から、死んだも同然」

エルフ「確か、人間一人につき、日本円で1000万」

エルフ「特に、ここは日本人しかいなくてね」

エルフ「その日本とか言う国の法律が変わっちゃって、今のあんたもここにいると言う訳」

銀次郎「……」

エルフ「それで、何であんたはここに来たの?」

エルフ「あんたも、親に捨てられたの?」

銀次郎「……ああ、そうだ……」

エルフ「なら、あんたもここじゃあ死んだも同然」

エルフ「年長者として、自分より小さな子供達に水や食料を分け与えてあげなさい」

エルフ「じゃなきゃ、人として終わってる」

エルフ「今のあんたは、最低な人間になってしまうわよ」

エルフ「あんたは、それでも良いの?」

銀次郎「……」

トントン、ガチャ……

少年「姉さん。夕御飯はまだ?」

少年「僕、もうお腹空いちゃった」

銀次郎「!?」ハッ

エルフ「はいはい。ちょっと待ってね」

エルフ「今支度してるから」

エルフ「皆、そこで待ってて」

エルフ「今日は、カレー以外なのにしようね」

少年「は~~い」

スッ、バタン……

銀次郎「……」

エルフ「……」

テキパキ、テキパキッ……

ジャーーッ、ジャーーッ……

トントン、ガチャ……

幼馴染み「エルフさん。何か手伝える事は?」

幼馴染み「もう今日は俺がやりますんで、エルフさんは休んでて下さい」

銀次郎「!?」ガーーン

幼馴染み「……」ハッ

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

銀次郎「お前、何でここにいんだ?……」

銀次郎「まさか、お前もここに流されてきたのか?……」

幼馴染み「ああ、そうだ……」

エルフ「……」

銀次郎「もしや、お前も俺の食料を?……」

弟「お前も、この俺が死んだと思って盗んでたのか?……」

幼馴染み「ああ、そうだ……」

銀次郎「……」ガクッ

エルフ「……」

幼馴染み「お前、死んだんじゃかなったのか?……」

幼馴染み「てっきり、皆、死んだと思ってたんだが……」

エルフ「……」

銀次郎「いや、俺まだ死んでねぇよ……」

銀次郎「生きて帰って、必ず姉さんの事をしばき倒してやる……」

エルフ「……」

幼馴染み「そうか、そりゃあ無理だな……」

幼馴染み「今の俺達、マジで日本に帰れねぇんだが……」

銀次郎「え?」

幼馴染み「実は、ついさっき何人か殺されちまった……」

幼馴染み「お前みたいに、日本に帰りたいって言ってた奴等が軍に撃たれたんだわ……」

銀次郎「!?」ガーーン

幼馴染み「それで、ここにいる奴等がだいぶ減っちまった……」

幼馴染み「死体とかも、まだそのまま放置されてるんだ……」

銀次郎「うっ、嘘だろ?……」

エルフ「いや、嘘じゃないわ」

エルフ「私も、その様子を生で見ていたから」

銀次郎「!?」

エルフ「まぁ、私の場合は殺される心配なんてないんだけど」

エルフ「私、隣にある白人向けの担当だし」

エルフ「今日は、偶々、ここに来ただけ」

エルフ「なんか、ここの担当者まで撃たれちゃってね」

エルフ「それで、仕方なくここの相手もしている訳」

銀次郎「……」

幼馴染み「エルフさん。ここは俺がやります」

幼馴染み「エルフさんは、自分の担当の方に戻って下さい」

銀次郎「……」

幼馴染み「そう。なら、お願いするわ」

幼馴染み「ここにあるmreレーション、全部持ってって良い?」

幼馴染み「ええ、構いませんが」

エルフ「やった」

エルフ「じゃあ、これ全部持ってくね」

エルフ「ついでに、この車も貰ってって良い?」

エルフ「私、この車自体も気に入っちゃった?」

銀次郎「……」

幼馴染み「いえ、それはダメです」

幼馴染み「と言うか、エルフさん」

幼馴染み「貴女も、女性向けルーツをもう貰ってるじゃないですか」

銀次郎「!?」ガーーン

エルフ「ああ、バレちゃってた……」

エルフ「私、これ予備として欲しかったんだけどな……」

銀次郎「……」

幼馴染み「とりあえず、ここは俺に任せてエルフさんは自身の持ち場に戻って下さい」

幼馴染み「後は、俺の方で何とかしときます」

幼馴染み「それに、何故か今そこにいる死に損ないまで、目を覚ましてしまいましたから」

エルフ「ええ、分かったわ」

エルフ「それじゃあ、後お願いね」

エルフ「明日、ウチに来た子供達は向こうに送っちゃうし」

エルフ「今この島にいる子達も、早めに死なせてあげた方が良いからね」

幼馴染み「はい。かしこまりました」

エルフ「それじゃあね」

幼馴染み「お疲れさまです」ペコッ

スッ、シュン……

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

銀次郎「……」

幼馴染み「とりあえず、先に夕食にしよう」

幼馴染み「話は、全部それからだ」

銀次郎「ああ、了解した」

幼馴染み「……」

まだ序盤ですので、後に明らかになっていきます。

~キャンピングカー前~

数十分後――

少年「……」ズルズルッ

少女「……」ズルズルッ

幼馴染み「……」ズルズルッ

銀次郎「……」ズルズルッ

ngo「……」ズルズルッ

記者「……」ズルズルッ

半魚人「……」ムシャムシャ

巨大猫「……」ムシャムシャ

ザザーン、ザザーン……

ザザーン、ザザーン……

銀次郎「……」

銀次郎「……」

スッ、ストン……

銀次郎「なぁ、幼馴染み……」

銀次郎「何で、俺達ジャージ姿で円陣組んで外でカップヌードル食ってんだ?……」

銀次郎「と言うか、そろそろ例の件についてを話してくれよ……」

幼馴染み「……」

銀次郎「それで、一体何があった?……」

銀次郎「この島、そんなにヤバイのか?……」

幼馴染み「ああ、まあな……」

銀次郎「……」

記者「それについては、僕が説明してあげるよ」

記者「昨年から、刑法が改正された」

記者「その所為で、今の君達はここにいるんだ」

銀次郎「!?」

記者「まぁ、驚くのも無理はない」

記者「それは、また突然の出来事だった」

記者「国民の半数すら、その危険性を知らずに賛成したんだからね」

銀次郎「あんた、一体何者だ?……」

銀次郎「あんたも、ここに流されて来たのか?……」

幼馴染み「……」

記者「いや、違うね」

記者「僕はただ、この島の現状を世間に公表する為に、ここにまで来たんだ」

記者「だが、この島から出るのは、そう簡単な事じゃない」

記者「この島から出ようとすれば、君達は完全に射殺される」

記者「何故なら、この島自体が軍の演習場の一部なんだからね」

銀次郎「!?」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

ズルズルッ、ズルズルッ……

スッ、ストン……

記者「ふぅ……」

ザザーン、ザザーン……

ザザーン、ザザーン……

銀次郎「それで、話の続きは?……」

銀次郎「もう二度と、俺達はここから出れないんですか?……」

記者「ああ、そうだけど」

銀次郎「そんな……」

幼馴染み「……」

ngo「だが、まだ完全に無い訳じゃない」

ngo「今さっきまで、ここにエルフと名乗る女がいたろ?」

ngo「あの女は、完全にこの島を自由に行き来してる」

ngo「後は、とても人間とは思えない動作等をするくらいだな」

記者「……」

幼馴染み「じゃあ、そのエルフさんを探せば良いんじゃないですか?」

幼馴染み「エルフさん。隣の島の担当ですけど」

幼馴染み「次来た時、皆して捕まえたら良いんじゃないですか?」

銀次郎「ああ、そうだな」

記者「……」

ngo「だが、そう簡単には上手く行かねぇ」

ngo「奴は、日本とはまた別の政府と通じてる」

ngo「主に、奴は無戸籍の白人の子供を集めてた」

ngo「そいつらを、気がついた時にはどこかへと輸送」

ngo「そうして、奴は多大な利益を得てるみたいなんだ」

記者「……」

銀次郎「なら、あんたもそこの記者さんと同業か?」

銀次郎「それとも、民間の支援団体か何かなのか?」

ngo「ああ、そうだ」

銀次郎「だったら、今すぐ何とかしてくれよ!」

銀次郎「今のあんた、ngoなんだろ?」

ngo「……」

記者「いや、それは無理だね」

記者「軍の奴等、彼らにも発砲してた」

記者「そのおかげで、今日だけでも多数の犠牲者が出てしまったんだ」

幼馴染み「じゃあ、俺達はずっとこのままなのか!?」

幼馴染み「この島には、俺らより遥かに小さな子供達までいるんだぞ!?」

少年「……」ズルズルッ

幼馴染み「その中に、何で俺達が入ってるんだ!?」

幼馴染み「俺達が、一体何をしたと言うんだ!?」

少女「……」ズルズルッ

記者「ああ、それがしてるんだ?」

記者「君達二人は、ニートだからさ」

ニート達「!?」

記者「だから、政府はニート削減対策として、君達をこの島に送った」

記者「今この僕達のすぐ隣にいる半魚人は、ここに来た先人達の成れの果て」

記者「君達は、いずれ近い内に半魚人へと変化していき……」

記者「軍の実弾演習の一貫として、君達の事を射殺するつもりなのさ」

ニート達「――――――――っ!?」ガーーン

半魚人「……」ムシャムシャ

ngo「おい、そこの半魚人」

ngo「お前、まだ日本語話せるか?」

ngo「それとも、もう完全に半魚人となってしまったのか?」

記者「……」

半魚人「いや、まだ大丈夫だ」

半魚人「なんとか、まだ日本語を話せてる……」

半魚人「だが、いずれ俺も完全な半魚人になる……」

半魚人「それになれたら、俺は完全に射殺されるだろう……」

記者「……」

ngo「なら、まだ大丈夫か……」

ngo「そんな生魚を、目の前でムシャムシャ食ってたから、てっきりもうダメかと思ったぜ……」

半魚人「……」

巨大猫「じゃが、あまり油断せん方が良いぞ」

巨大猫「妾は、かなりの数の半魚人達を生で見てきた」

巨大猫「皆、生魚を一週間食い続けた後に、言葉すら忘れてたぞ」

ngo「おい、今の誰だ?」

ngo「誰か、他にいるとでも言うのか?」

記者「……」キョロキョロ

巨大猫「ここじゃ」

巨大猫「今お主らのすぐ近くにおる巨大猫が、妾なのじゃ」

巨大猫以外「!?」ハッ

巨大猫「ちなみに、妾はただの化け猫の一種」

巨大猫「遥か昔に、この島に捨てられた猫達の成れの果て」

巨大猫「そうして、今の妾が生まれたのじゃ」

巨大猫以外「……」

少女「じゃあ、何か知ってるの?」

少女「私達、どうやったら、ここから出る事が出来るの?」

少年「……」

少女「私達、何もしてない」

少女「早く、自分のお家に帰りたい」

記者「残念だが、君達も無理なんだ」

記者「今の段階では、君達もここから出る事が出来ない」

記者「何故なら、二人とも万引きの常習犯」

記者「本当なら、こんな所に流されるべきじゃないんだが、君達の親がここに送る様に懇願をしたらしい」

少女達「!?」

記者「だから、君達は今の段階ではまだ無理かな?」

記者「君達は、本当に可哀想な存在なんだ」

少女達「……」

幼馴染み「じゃあ、何でこの子達までここに流されてきた?」

幼馴染み「親の希望で、そんな事が出来てしまうのか?」

記者「ああ、そうだけど」

幼馴染み「そんな!?」ギリッ

少女「……」ガクッ

少年「……」ウルッ

銀次郎「……」

ngo「だが、この子達をこの島の中では死なせやしない!」

ngo「その為に、俺達はここにいるんだ!」

銀次郎「え?」

記者「ああ、そうだね!」

記者「僕達は、この現状がいかに間違っているかについてを、生きて必ず世間に伝えないといけないからね!」

記者「その為には、君達二人の協力がいる!」

記者「君達二人も、この子達二人を守る為に是非とも協力をしてほしい!」

少女「……」ウルウルッ

幼馴染み「ああ、了解した!」

幼馴染み「俺達に出来る事があれば、何でも言ってくれ!」

幼馴染み「なぁ、銀次郎。お前も手伝うんだよな?」

幼馴染み「生きて必ず、日本に戻るんだよな?」

銀次郎「おう!」

ザザーン、ザザーン……

ザザーン、ザザーン……

記者「なら、この子達二人を銀次郎君の車の中に入れてあげて」

記者「この子達、ずっとテントの中で生活をしてたんだ」

記者「そう、それも、もう一ヶ月もの間も」

記者「僕達が今日ここに来た時、本当なら連れて帰るはずだったんだけどね」

銀次郎「はい。分かりました!」

少女「やった!」ウルウルッ

少年「ありがとう。お兄ちゃん」ウルウルッ

銀次郎「……」ニッコリ

幼馴染み「……」ビクッ

ngo「ああ……」

記者「……」

半魚人「手、出すなよ」

銀次郎「誰が出すか!」

巨大猫「本当か?」

銀次郎「ああ!」

幼馴染み「お前、半魚人にすら信用されてないのか?」

幼馴染み「昔から、よく誤解されてたよな?」

銀次郎「あ?」ギリッ

幼馴染み「でもまぁ、今の段階ではお前の車の中が一番だろ」

幼馴染み「記者さん達、車大丈夫ですか?」

幼馴染み「記者さん達の車、まだ大丈夫ですか?」

記者「ああ、大丈夫だけど」

ngo「まだ、生きてたぜ」

幼馴染み「なら、俺はテントで寝とくわ」

幼馴染み「巨大猫、いつも通りに見張りとか頼む」

巨大猫「承知!」

幼馴染み「じゃあ、今日はこれにて解散」

幼馴染み「皆、明日も早いし奴等に殺されない様に十分注意してくれ!」

銀次郎「おう!」

少女達「は~~い」

スッ、ムクッ、クルッ……

ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ……

ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ……

銀次郎「……」

スッ、ムクッ……

ngo「ゴミ出たら、俺に渡せ」

ngo「ここは、俺が掃除しとく」

ngo「銀次郎、子供達の事を頼む」

ngo「お前も、早く入って寝ろ」

銀次郎「はい」

記者「……」

幼馴染み「なぁ、巨大猫」

幼馴染み「この辺、どこか隠れやすい場所はあるか?」

幼馴染み「もしくは、どこか良い穴場があれば教えて貰いたいんだが」

銀次郎「……?」

巨大猫「うむ。あるにはあるな」

巨大猫「だが、そこに行ってそなたはどうするのじゃ?」

巨大猫「妾も、あのエルフ同様に自由に行き来出来る」

巨大猫「今のそなた達には、まだ到底出来ぬとは思うのじゃが」

銀次郎「……」

幼馴染み「なら、どうやったら自由に行き来出来る?」

幼馴染み「まさか、俺達に死ねと?」

幼馴染み「今のお前は、そう言いたいのか?」

銀次郎「……」

巨大猫「ああ、まさにその通りじゃ」

巨大猫「魂だけになれば、そなた達は自由にこの島を行き来する事が出来る」

巨大猫「この島には、多数の霊がいるのじゃ」

巨大猫「今のそなた達と同様に、生前はただの穀潰し」

巨大猫「それが、この島で多数命を無駄に散らしていき……」

巨大猫「挙げ句の果てには、半魚人と化した者達も大勢おるのじゃからな」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

ngo「……」ズルズルッ

記者「……」ズルズルッ

巨大猫「……」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

ngo「……」ズルズルッ

記者「……」ズルズルッ

巨大猫「……」

ngo「銀太郎。そろそろ、子供達を中に入れてやれ」

ngo「もう完全に夜だ」

ngo「俺達大人は大丈夫でも、子供達はそうは行かない」

ngo「この島には、薬すらないんだからな」

記者「うん。そうだね」

銀次郎「分かった」

銀次郎「子供達、俺に着いてきて」

銀次郎「君達二人は、もうシャワーを浴びて寝なさい」

銀次郎「明日も早いし、いつまた君達が怖い目に遭うかが全く分からないから」

少年達「は~~い」

ngo「……」

スッ、ムクッ……

ムクッ、ムクッ、クルッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ガチャ、ガラララッ……

銀次郎「さぁ、入って」

少年「……」スッ、スタッ

スタスタッ、クルッ……

少女「……」スタッ、スタッ

銀次郎「……」スッ、スタッ

ガラララッ、ガチャ……

ngo「……」

記者「……」

幼馴染み「……」

巨大猫「……」

ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ……

ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ……

ピタッ、ストン……

半魚人「皆、ターゲットは?(英語)」

半魚人「もう中に入ったのか?(英語)」

ngo「ああ、まあな(英語)」

半魚人「なら、予定通りに明日仕掛ける(英語)」

半魚人「本部にも、そう伝えとくな(英語)」

幼馴染み「了解した(英語)」

巨大猫「ああ、半魚人(英語)」

巨大猫「明日は、少し派手にやってくれ(英語)」

巨大猫「今のそなた、まだ大丈夫なのじゃろ?(英語)」

巨大猫「明日の朝、早速色々と頼む(英語)」

半魚人「ああ(英語)」

ngo「では、俺達も解散(英語)」

ngo「明日は、朝も早い(英語)」

ngo「明日、あいつがどう出るかがかなり見ものだからな(英語)」ニヤッ

記者「ああ、そうだね(英語)」ニヤッ

半魚人「……」ニヤッ

幼馴染み「……」ニヤッ

巨大猫「……」ニヤッ

スッ、スタタタッ……

ザザーン、ザザーン……

ザザーン、ザザーン……

~登場人物2~

半魚人:本人曰く、政府による人体実験の成れの果て。外見はマンボウに手足が生えた様な姿をしている。元は銀次郎と同じニートで、親に捨てられて今の様な姿になったらしい。他にも、アジやイワシやタイ等の姿になった仲間がいた。

巨大猫:昔、無人島に捨てられた猫達の成れの果て。外見は三毛で、♀である。少し、古風な話し方をし、島の内外を自由に行き来している。

幼馴染み:銀次郎の幼馴染み。銀次郎とは小中と一緒だか、名前すら未だに覚えられてない。銀次郎と同じニートらしく、銀次郎より数日早く無人島に流れ着いていたらしい。

記者:無人島を取材に訪れた30代の男性。ngoとよく一緒に行動をする。子供達に懐かれているが何故か本名は名乗らず、ニート支援にだけはかなり消極的。子供達がこの島に流されるきっかけとなった法律の改正を、ずっと訴えているらしい。

ngo:無人島を訪れた民間団体らしき30代の男性職員。島に送られた子供達の支援をしているが、ニート達にはあまり支援していない。何故か記者と同様に本名は名乗らず、エルフの事を嫌っている。

~登場人物3~

エルフ:銀次郎の前に現れた謎の白人美女。金の長髪の爆乳。見た目に反して性格や言動等に問題があり、有能な人物なのだが内外によく多数の敵を作っている。主に、人種や国籍を問わず、無人島に流された子供達の為に様々な支援活動を行っていて、その事だけはngoや記者には高く評価されている。

少年:10歳くらいの子供。黒の短髪。島に流れ着く前はよく遊び半分で万引きに手を染め、自分より小さな子達だけをよく殴ったりする放置子だったらしい。島に流されてからはやけに大人しくなり、少女に引っ付いている。

少女:12歳くらいの子供。茶髪で今風のギャル。島に流れ着く前は万引きに手を染め、従姉妹の母親を流産させかけた事もあるらしい。後に、それらが原因で両親は離婚。借金を抱えた実の母親により厄介払いをされ、流された後はよく少年と一緒にいる。

双子:5歳くらいの双子の姉妹。黒の長髪。母親にはよくネグレクトされていて、それを見かねた祖母によく面倒を見られている。銀次郎の妹の葉菜子にもよく懐いていて、葉菜子が休みの日は葉菜子にも世話されている。

~備蓄食料~

・mreレーション(米軍個人携行食)×24→0
・mre補助増加食(パン)×24→0
・カップヌードル×20→12
・カロリーメイト×20→12
・レトルトカレー×30→22
・白米(200g)×30→22
・乾パン×10→6
・天然水2l×24→20

※mreレーション(米軍個人携行食)とmre補助増加食(パン)は、エルフにあげたので0。
※カレー等は、銀次郎が眠っている間に幼馴染み達が消費。

~初上陸までのあらすじ~

高校卒業をしてずっとニートを続けていた主人公・銀次郎は、ある日腹違いの姉・葉菜美から何故かキャンプに行こうと誘われる。

だが、その誘いは葉菜美による完全な罠。

葉菜美は、刑法が改正された事を理由に、家族達をすぐさま懐柔。

銀次郎を、軍が管理するとある無人島にまで厄介払いをする事に成功をする。

その結果、銀次郎の家族達は国から1000万の給付金を受け取る事となった。

葉菜美は、銀次郎達とは腹違いと言う事もあってか、自身の父に対して昔から強い恨みを抱き続けていた。

その後、葉菜美は無人島を自由に行き来するエルフに接触。

そのエルフに対して、色々と家族に内緒で何らかの取引を行っていき……

何も知らない銀次郎は、自身が送られた無人島でキャンプを続ける羽目となったのだった。



以後、上陸二日目に続く。

それでは再開。

~無人島・キャンピングカー内~

上陸二日目・朝――

幼馴染み「案の定、風邪引いたな」

幼馴染み「薬、どうすっか?」

ngo「ああ、そうだな」

銀次郎「げほっ、ごほっ……」

幼馴染み「全く、何でお前が風邪引いてんだ」

幼馴染み「普通、引くのなら子供達の方だろ」

銀次郎「悪かったな……」

ngo「でも、ベッドの予備があって良かったな」

ngo「もし無かったら、お前殺してた」

ngo「それだけ、お前はただの約立たずなんだし!」

ngo「ニートには、生きる価値すらないんだからな!」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

トントン、ガチャ……

記者「失礼するよ」

スッ、スタッ……

記者「ngo、エルフさんが来た」

記者「薬とか色々、持ってきてくれた」

ngo「おお、そうか」

銀次郎「……」

ngo「記者、それを早速中身確認してくれ」

ngo「幼馴染み、お前も手伝え」

幼馴染み「はい」

銀次郎「……」

ngo「じゃあ、俺達は作業に戻る」

ngo「もし死ぬなら、一人で勝手に死ね!」

ngo「そんじゃあな!」

銀次郎「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ガラララッ、バタン……

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

「相変わらず、皆、冷たいね」

「まぁ、それはそれで仕方ないと思うけどね」

銀次郎「……?」

銀次郎「誰だ?」ムクッ

ガチャ、ガラララッ……

スッ、スタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、クルッ……

葉菜美「お早う。弟君」

葉菜美「昨夜は、よく眠れたかしら?」ニッコリ

銀次郎「姉さん……」

葉菜美「今日は、弟君の様子を少し見に来ただけ」

葉菜美「私、また朝から出掛けなくちゃいけないから」ニコニコ

銀次郎「……」

葉菜美「……とりあえず、用件だけ言うね」

葉菜美「早く、本当に死んでくれる?」

葉菜美「そして、そのままもう二度と私達の元には戻ってはこないでね!」ニコニコ

銀次郎「……」ギリッ

葉菜美「まぁ、そう言う事だから、弟君も早く死んでね!」

葉菜美「お父さん達、喜んでたよ」

葉菜美「ようやく、あの穀潰しから解放された!」

葉菜美「これで、自分達の生活が楽になるって!」ニコニコ

銀次郎「!?」ガーーン

葉菜美「今まで、どれだけ迷惑を掛けてきたか分からないの?」

葉菜美「弟君の所為で、皆がずっとこれまで嫌な思いをし続けてたんだよ」ニコニコ

銀次郎「……」

葉菜美「だから、私はお父さん達に勧めたわ!」

葉菜美「偶々、刑法が改正され、ニートには今後重い刑が下される様になったから!」

葉菜美「それがきっかけで、今の弟君はここにいるの!」

葉菜美「たとえ、弟君が望まなくても、その親が望めば弟君をここに送る事が出来ちゃうんだよ!」ニコニコ

銀次郎「!?」ガーーン

葉菜美「特に、弟君の場合はかなり酷いからね!」

葉菜美「高校出てから、一度も働いた事がなかった!」

葉菜美「ここに送られる人達の基準が、ニート歴四年以上!」

葉菜美「後は、年齢性別を問わずに問題行動ばかり起こす子供達!」

葉菜美「今の弟君、完全に見捨てられたわ!」

葉菜美「親どころか、国にさえ見捨てられてしまったた!」

銀次郎「……」

葉菜美「だから、さよなら。弟君!」

葉菜美「国から弟君を引き渡した時に支払われた給付金、お父さんの老後の資金として活用されるから!」

葉菜美「今まで、散々お父さん達には迷惑を掛けてきたんだし!」

葉菜美「それまでの分の迷惑料だと思ったら、ちゃんと元は取れてるんだからね!」ニッコリ

銀次郎「……」

葉菜美「……」ニコニコ

銀次郎「……」

葉菜美「それじゃあね!……」ニコニコ

銀次郎「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スッ、ストン……

ガラララッ、バタン……

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「はぁ、最悪だな……」バタッ

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

トントン、ガチャ……

スッ、スタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ピタッ……

ガチャ、バタン……

銀次郎「……」

少年「……」

銀次郎「……」ムクッ

少年「あっ、お早う」

銀次郎「ああ、お早う……」

少年「お兄ちゃん。風邪、大丈夫?」

少年「熱とか、あるの?」

銀次郎「……」

少年「何か、いる物とかある?」

少年「もしあるなら、今から何か持ってくるけど」

銀次郎「ああ、水を……」

少年「は~~い」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ジャバッ、ジャバババ--------ッ!

ジャバババ--------ッ、ジャバババ--------ッ!

ガチャ、バタン……

少女「あっ、お早う」

銀次郎「ああ、お早う……」

ビリビリッ、ビリビリッ……

少女「お兄ちゃん。風邪大丈夫?」

少女「何か、今いる?」

銀次郎「……」

少女「私、今から何か持ってくるけど」

少女「薬とかの方が良い?」

銀次郎「ああ、まあな……」

スッ、ストン……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

少年「はい。お兄ちゃん」

少年「水、持ってきたよ」

銀次郎「ああ、すまん……」

少年「今、何か食べれる?」

少年「お兄ちゃん。吐き気とか大丈夫?」

銀次郎「ああ、まあな……」

トントン、ガチャ……

スッ、スタッ……

エルフ「失礼するわ」

エルフ「そこの子達、こっち来て」

エルフ「ちょっと、君達にも手伝ってほしい事があるの」

エルフ「だから、ちょっとこっちに来てくれる?」

少年達「は~~い」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ピタッ……

エルフ「二人とも、ちょっと外に出てて」

エルフ「良いわね?」

少年達「は~~い」

銀次郎「……」

スッ、スタッ、スタッ……

エルフ「ねぇ、そこのあんた……」

エルフ「もしかして、まだ生きてるの?」

エルフ「まだ、あんたは生き続けるつもりなの?」

銀次郎「……」

エルフ「私、あんたみたいな人間、昔から嫌いだわ!」

エルフ「あんたなんか、助ける価値すらないんだから!」

銀次郎「……」

エルフ「まぁ、あんたの持つ食料は、全て子供達に配布させて貰う!」

エルフ「この車も、いずれ子供達の為に使わせて貰う!」

銀次郎「……」

エルフ「だから、あんたも早く死んでよね!」

エルフ「元々、あんたみたいな穀潰しは生きる価値すらない!」

エルフ「あんたは、決して誰にも必要とされていない!」

エルフ「それだけは、よく覚えといてね!」

銀次郎「……」

エルフ「……」スッ

銀次郎「……」

スッ、スタッ、スタッ……

ngo「……」

記者「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、スッ、ササッ……

ムクッ、クルッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スッ、パスッ、ストン……

クルッ、スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、スッ、ササッ……

ムクッ、クルッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スッ、パスッ、ストン……

その十分後――

ngo「エルフ。食料は全て運んだ」

ngo「これで良かったのか?」

エルフ「ええ、ご苦労様」

ngo「大体、カップヌードル12個くらいか……」

ngo「思ったより、こいつの食料は少なかったな……」

エルフ「ええ、そうね」

銀次郎「……」

ngo「まぁ、あんな奴でも少しは役に立ったな」

ngo「子供達の為に、貴重な食料を全て分け与えた」

ngo「自身に残されたのは、飲みかけの水一本」

ngo「おまけに、昨夜から風邪気味」

ngo「本当に、あいつはこれからどうするんだろうな?」

エルフ「さぁね」

銀次郎「……」

ngo「とりあえず、食料が欲しければ、自分自身の手で手に入れろ!」

ngo「お前、一度も働いた事ないんだろ?」

ngo「今まで、ずっと誰かに恵んで貰ってばっかだったんだろ?」

銀次郎「……」

ngo「だから、今後は自分自身の手で手に入れろ!」

ngo「お前が死ぬまで、せめてこの車だけは残しておいてやる!」

ngo「今後は、一切お前の事を助けたりはしない!」

銀次郎「……」

ngo「だから、精々頑張るんだな!」

ngo「汗水流して必死に働いて、今後は自分自身の力のみで生活をするんだな!」

ngo「そうすれば、今のお前は少しはまともになるだろう!」

ngo「こんな無人島なんかでも、誰かから必要とされる日が来る事だろう!」

銀次郎「……」

ngo「それじゃあ、元気でな。穀潰し!」

ngo「働くのが嫌なら、せめて早々と死ね!」

ngo「死体は、後で海に流してやる!」

ngo「これまで、面倒を見ててくれた両親達に感謝しろ!」

ngo「今のお前も、せめてそれくらいはするんだな!」

エルフ「それじゃあね!」ニッコリ

銀次郎「……」

スッ、スタッ、スタッ……

ガラララッ、バタン……

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

ムクッ、スタッ……

スッ、ゴクゴクゴクッ……

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「とりあえず、どうすっか?……」

銀次郎「食料、全部持ってかれたし……」

銀次郎「これから、本当にどうすっか?……」

スッ、キュルキュル、ストン……

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

スッ、スタッ……

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ガチャ、ガチャ……

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「ふぅ……」

銀次郎(案外、金庫に入れてた金だけは無事だったな……)

銀次郎(まさか、これだけは無事だったとは……)

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎(もしかして、これって何かのドッキリ?……)

銀次郎(確か、テレビで昔似た様なのがあったはずだ……)

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎(とりあえず、一通り島を見回してみるか?……)

銀次郎(まだ、姉さんもこの島にいるかもしれないからな……)

スッ、ササッ、バタン……

それでは再開。

自分はここに立てたスレを投げ出さず、完結するまで投稿致します。

後、ngo達は子供しか支援しません。
ニートに対して差別意識が強く、支援はしないと言う意思が強いですから。

~無人島・キャンピングカー前~

十数分後――

ガチャ、ガラララッ……

スッ、スタッ……

クルッ、バタン……

巨大猫「むっ? 起きたのか?」

銀次郎「……」ハッ

巨大猫「……」

銀次郎「……」

巨大猫「エルフ達なら、どこかに出掛けたぞ」

巨大猫「何やら、皆して船に乗っておった」

銀次郎「!?」

巨大猫「まぁ、あ奴等の事じゃから、隣島にでも向かったのだろう」

巨大猫「お主の連れは、どこか釣りに向かったみたいじゃし」

巨大猫「半魚人も一緒じゃから、海に出ても大丈夫じゃろう」

巨大猫「……」

銀次郎「……」

巨大猫「……?」

銀次郎「……」

巨大猫「そなた、どうしたのじゃ?」

巨大猫「何故、ずっと黙っておる?」

銀次郎「……」

巨大猫「もしや、まだこの状況が理解出来てないのか?……」

巨大猫「今のそなたの目の前に映るのは、全て現実の事じゃ」

銀次郎「……」ガクッ

巨大猫「それで、そなたはどうする?」

巨大猫「これから、そなたはどうするのじゃ?」

巨大猫「まさか、このまま死ぬ気じゃなかろうな?」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ……

巨大猫「……」

銀次郎「……」

巨大猫「……」

銀次郎「……」

巨大猫「これ、さっさと答え」

巨大猫「今のそなた、本当に無口な男なんじゃな」

銀次郎「……」

巨大猫「……」

銀次郎「……」

巨大猫「……」

スッ、ナデナデ……

巨大猫「……?」

ナデナデ、ナデナデ……

巨大猫「……」

スッ、ストン……

銀次郎「お前、本当に化け猫の一種なんだな……」

銀次郎「こんな猫、今まで一度も見た事はなかった……」

巨大猫「……」

銀次郎「俺は、これからどうすれば良いんだ?……」

銀次郎「このまま、死ぬしかないのか?……」

巨大猫「……」

銀次郎「まぁ、今のお前に言っても何も分からんだろう」

銀次郎「俺もお前も別の種族」

銀次郎「猫は、昔から家にいるだけで良かったからな」

銀次郎「俺も、お前みたいに猫として生まれたかった」

巨大猫「……」

銀次郎「……」

巨大猫「……」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ……

巨大猫「じゃが、そなたは猫にはなれんぞ」

巨大猫「たとえ、そなたが猫になれたとしても、今のそなたの様に捨てられるのがオチぞ」

銀次郎「……」

巨大猫「妾は、そんな捨て猫達が死んだ後に生まれたのじゃ」

巨大猫「皆、死ぬ間際まで口々に自分達の事を捨てた人間達を、ずっと恨み続けてのぅ」

巨大猫「そなたの父も、当時妾が生まれる原因となった捨て猫を捨てた者の一人じゃった」

巨大猫「妾の姿を見た者は、皆、恐れをなして逃げていってしまうのじゃ」

銀次郎「……」

巨大猫「のぅ、銀次郎」

巨大猫「そなたは、これからどう生きる?」

巨大猫「今のそなたの生きる理由は、一体何じゃ?」

巨大猫「今のそなたに、生きる価値はあるのか?」

銀次郎「……」

巨大猫「残念な事に、今のそなたはただの穀潰しじゃ」

巨大猫「今のそなたは、生きる価値すらない存在なのじゃ」

巨大猫「じゃが、まだ取り返しが付く」

巨大猫「今のそなたが変わる事が出来れば、この島から出る事は出来る」

銀次郎「!?」

巨大猫「ただし、少しでもそなたの気持ちが揺らげば、それで終わりじゃ」

巨大猫「今のそなたは、誰かに必要とされていたいか?」

巨大猫「今の自分自身を、本当に生まれ変わらせる事が出来るのか?」

銀次郎「……」

巨大猫「それが出来ぬのなら、そなたは一生ここで過ごす事になるじゃろう」

巨大猫「今まで、妾は大勢の穀潰し達を見てきた」

巨大猫「皆、今のそなたの様に深く絶望しとってのぅ」

銀次郎「そのまま、自から命を絶つ者もおった」

銀次郎「今まで、本当に数えきれんくらいの穀潰し達が、次々と無駄に命を散らしていきおったからな」

銀次郎「……」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ……

巨大猫「それで、そなたの返事は……」

巨大猫「やはり、そなたも今から死を選ぶのか?……」

銀次郎「……」

巨大猫「まぁ、それについては、そなたの好きにするが良い」

巨大猫「この島には、よく兵達が乗った船が来る」

巨大猫「皆、その船に乗ろうとして撃たれたのじゃ」

巨大猫「特に、そなたの様な生きる価値すらない穀潰し達がな」

銀次郎「……」

巨大猫「……」

銀次郎「……」

スッ、ムクッ、クルッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ムンズ、ピタッ……

銀次郎「のわっ!?」ビクッ

巨大猫「ん? どうした?」

巨大猫「何か、踏んだのか?」クルッ

銀次郎「……」ビクビクッ

巨大猫「何じゃ、ただの穀潰しの死体か」

巨大猫「それ、まだちゃんと片付けてなかったのか?」

銀次郎「……」ビクビクッ

巨大猫「ほれ、掘ってみるか?」

巨大猫「その砂に埋もれた手足、妾が掘り出してやろうか?」

銀次郎「……」ブンブン

巨大猫「まぁ、それは実物ではない」

巨大猫「この島に慣れる為のただの紛い物」

巨大猫「大方、そなたの連れ辺りが仕掛けたのじゃろう」

巨大猫「ここに来た者は、皆がそれに引っ掛かりおった」

巨大猫「今のそなた同様に、皆が瞬時に腰を抜かしおった」

銀次郎「……」ビクビクッ

巨大猫「それで、そなたはどうする?」

巨大猫「まさか、食料を奪いにいくつもりか?」

巨大猫「今のそなたに、あ奴等の事を倒す力があると言うのか?」

銀次郎「……」ビクビクッ

巨大猫「まぁ、今のそなたじゃ絶対に無理じゃろう」

巨大猫「お主の連れも、つい数日前まで今のそなたと同じじゃった」

巨大猫「仕方なく、持参していた釣り道具片手に釣りをしててのぅ」

巨大猫「連れた魚は、そなたが来る前までよく分け与えていた」

巨大猫「あの半魚人と一緒に、この島の者達の中ではよく貢献しておった」

銀次郎「……」

巨大猫「さて、妾も少し出掛けるとするか」

巨大猫「お主は、あまり下手な動きをするでないぞ」

巨大猫「いずれ、そなた自身も大きく変わる日が来る」

巨大猫「それまで、よくそなたは考えて行動をしておけ」

巨大猫「じゃないと、今のそなたもその紛い物の様になるのじゃからな」

スッ、ムクッ……

ノビ--------ッ、シュン……

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

巨大猫「……」

銀次郎「……」

巨大猫「……」

銀次郎「……」

フラッ、バタッ……

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ、ピタッ……

幼馴染み「あれ? どうした?」

幼馴染み「お前、風邪引いて寝てたんじゃなかったのか?」

銀次郎「……」

幼馴染み「まさか、お前の車まで奪い取られたのか?」

幼馴染み「ngoの奴、そこまで鬼だったとはな……」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

銀次郎「……」

幼馴染み「それで、何があった?」

幼馴染み「今のお前、まだ動けるのか?」

銀次郎「ああ、まあな……」

幼馴染み「なら、さっさと話せ」

幼馴染み「俺、今から別のポイント行く途中だから」

幼馴染み「もし良かったら、お前も一緒に来るか?」

銀次郎「ああ、そうさせて貰う……」

スッ、ムクッ、シュタッ……

パンパン、パンパン……

キョロキョロ、キョロキョロ……

銀次郎「ふぅ……」

幼馴染み「それで、何があった?」

幼馴染み「つうか、あの巨大猫はどうした?」

銀次郎「……ああ、ちょっとな」

幼馴染み「そんで、何があったんだよ?」

幼馴染み「今の俺、さっきからそれしか聞いていないが」

銀次郎「ああ、そうだな」

幼馴染み「いい加減に、さっさと話せ」

幼馴染み「じゃないと、お前置いてくぞ」

幼馴染み「俺、早く別のポイントに行きたいんだが」

銀次郎「……ああ、すまんすまん」

パンパン、パンパン……

銀次郎「実は、あのngo達に全部食料を奪われちまった」

銀次郎「そう、それも、この俺に早く死ねと言い残して」

幼馴染み「なっ!?」

銀次郎「おまけに、記者もエルフのグルみたいでな」

銀次郎「俺の持ってた食料、全部俺の目の前で暴言吐きながらも奪い取りやがった」

幼馴染み「……」

銀次郎「そんで、今の俺は朝から何も食ってない……」

銀次郎「今さっき、巨大猫は所用が出来たって入れ違いに出掛けてった……」

幼馴染み「……」

銀次郎「今のお前、なんか余分に食料とか余ってないか?……」

銀次郎「ほらっ、昨日俺の持ってた食料を勝手に食い散らかしていたんだし……」

銀次郎「そんで、その分の食料を返してほしいんだが……」

銀次郎「無理か?」

幼馴染み「ああ、そのまさかだ」

銀次郎「……」ガクッ

銀次郎「なら、今持ってる釣りの餌でも良い……」

銀次郎「それを今すぐ、この俺によこせ……」

幼馴染み「!?」

銀次郎「今の俺、本当に腹減ってるんだわ……」

銀次郎「このままだと、マジで死にそうなんだわ……」

幼馴染み「……」

銀次郎「だから、早く俺に何か食料を……」

銀次郎「俺もお前も、同じ仲間じゃないか……」

幼馴染み「……」

銀次郎「だから、この俺にも出来る限り食料を恵んでくれ……」

銀次郎「じゃないと、俺はお前の事を訴える……」

銀次郎「俺の食料を奪った罪で、お前の事を奪ってやる……」

幼馴染み「……」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

銀次郎「だから、早くお前は俺に食料を渡せ……」

銀次郎「今の俺は、本気だぞ……」

銀次郎「今のお前は、ただの犯罪者なんだぞ……」

幼馴染み「……」

銀次郎「早く、早く俺に食料を渡せ……」

銀次郎「じゃないと、俺はお前の事を絶対に許さない……」

銀次郎「今まで、俺がずっとニートしてたのを咎めなかった癖に……」

銀次郎「あんな無茶苦茶な法律さえ改正されなかったら……」

銀次郎「今の俺は、ここには絶対にいなかったんだからな……」ウルウルッ

幼馴染み「……」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「なら、俺の名前を当ててみろ」

幼馴染み「話は、それからだ」

銀次郎「え?」ウルウルッ

幼馴染み「……」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「おい、どうした?」

幼馴染み「まさか、未だに俺の名前を覚えていないのか?」

銀次郎「……ああ、そうだ」ウルウルッ

幼馴染み「……」

銀次郎「でも、なんとなくお前の名前は聞き覚えがある……」

銀次郎「お前の名前は、確か田中だ……」

銀次郎「確か、田中だったよな?……」ウルウルッ

幼馴染み「違う」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

銀次郎「なら、鈴木か?……」

銀次郎「それとも、佐藤なのか?……」ウルウルッ

幼馴染み「……どれも違う」

銀次郎「じゃあ、山田か高橋か?……」

銀次郎「それとも、中田か中村?……」

銀次郎「もしくは、山口か川口?……」

銀次郎「一体、お前の名字は何なんだよ?……」ウルウルッ

幼馴染み「……」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「俺、もう行くわ……」

幼馴染み「人の名前すらろくに覚えてない奴なんかに、誰が食料を分けてやるもんか……」

銀次郎「!?」ウルウルッ

クルッ、スタスタスタッ……

銀次郎「ちょ、ちょっと、待ってくれ……」

銀次郎「俺を置いていくのか?……」

銀次郎「お前まで、俺を置いて行っちまうのか?……」

幼馴染み「ああ、そうだ……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

銀次郎「俺とお前は、幼馴染みだろ?……」

銀次郎「小中と一緒だったんだろ?」

幼馴染み「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

銀次郎「だから、頼む。待ってくれ……」

銀次郎「お前の名前は、山下だ……」

銀次郎「確か、そんな名前だたったよな……」

幼馴染み「全然、違うわ!」

銀次郎「そんな!……」ガクッ

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

今回は、「たとへ」はお休みです。

「今の」は、書いてる時に癖でよく使っています。

~無人島・砂浜~

その日の昼――

ザバッ……

ザバザバッ、ザバザバッ……

半魚人「……」ポタポタッ

半魚人「……」ポタポタッ

スッ、ボトボトッ……

ボトボトッ、ボトボトッ……

巨大猫「おお、大漁じゃな」

半魚人「……」

巨大猫「して、どれだけおる?」

巨大猫「どこまで、そなたは潜ってきたのじゃ?」

半魚人「……」

巨大猫「妾は、別にそなたの取ってきた魚には興味はない」

巨大猫「その魚が、どこで取れたかに興味があるのじゃ」

半魚人「ただ単に、俺は海に潜っていただけだ」

半魚人「海に潜り、銛で突いてきただけの事」

半魚人「それで、あいつは?」

半魚人「あいつの事、ほっといて良いのか?」

巨大猫「ああ、まあな」

半魚人「ん?」

巨大猫「おや?」

「だから、お前の名前は何なんだ?……」

「お前は、伊達なのか?……」

「違う」

「お前、俺と同じニートだろ?……」

「仲間が苦しんでいるのに、見て見ぬふりをするのか?……」

「ああ、そうだ」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

「頼む、食料を分けてくれ……」

「そんなに、魚を沢山釣れてんだから、少しは分けてくれよ……」

「しつこいぞ!」

「頼む、頼むから分けてくれ!」

「俺は、昨日散々皆に分けた!」

「昨日食った分くらい、この俺に返せよ!」

「それくらいしてくれても、別に良いだろうが!」

「ああ、鬱陶しい!」

半魚人「……」

巨大猫「……」

半魚人「あいつ、まだあんな感じなのか?」

半魚人「他人に恵んで貰うしか、全く能はないんだな」

巨大猫「ああ、そうじゃな」

半魚人「……」

巨大猫「……」ハァ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ストン……

幼馴染み「よう。お前ら」

幼馴染み「本日の収穫はどうだ?」

幼馴染み「そっちも、満杯みたいだな」

半魚人「ああ、まあな」

幼馴染み「それで、どうする?」

幼馴染み「もう戻るか?」

幼馴染み「もう昼時だし、そろそろ拠点に戻ろうか?」

銀次郎「ああ、そうだな……」

半魚人「お前、何か釣れたか?」

半魚人「見た所、手ぶらみたいだが」

銀次郎「え?」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

幼馴染み「銀次郎。お前も何か自分の力で取って今すぐ来い」

幼馴染み「お前の分、誰も分けてくれないぞ」

幼馴染み「ここにあるのは、常に自分達の分」

幼馴染み「たとえ、ただひたすらお前が待っていたとしても、誰も分け与えてはくれない」

銀次郎「!?」ガーーン

幼馴染み「だから、お前も何か自分で取って来い」

幼馴染み「ここでは、常に自力で取ってこなければならないんだ」

幼馴染み「俺も、ここに来た時はそんな感じだった」

幼馴染み「偶々、俺は釣り道具を持っていたから、なんとか自力で生きていけるんだ」

銀次郎「……」

巨大猫「銀次郎。そなたは、魚すらろくに取れんのか?」

巨大猫「相変わらず、誰かに集るしか能がないのか?」

銀次郎「うるさい!」

巨大猫「今のそなたは、本当に馬鹿なのじゃな……」

巨大猫「これだから、穀潰しは困るのじゃ……」

巨大猫「今まで、そなたはどれだけ恵まれておった?」

巨大猫「今のそなたは、誰かに集るしか能はないのか?」

銀次郎「何が言いたい?……」

巨大猫「今まで、どれだけそなたは恵まれていたのじゃ?」

巨大猫「何もしなくても、自然と親達が暖かい食事を用意してくれた」

巨大猫「それだけ、そなたは恵まれておった」

巨大猫「ここでも、誰かに恵んで貰おうと思うのは、愚か者がする考えなのじゃ」

銀次郎「……だが」

半魚人「だが、何だ?」

半魚人「今のお前は、本当に自力では何も出来ないのか?」

銀次郎「……」ウルウルッ

半魚人「たとえ、今ここで泣いても無駄なだけだ」

半魚人「ここでは、他人に食料を奪われる奴が馬鹿なんだよ」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

銀次郎「じゃあ、俺はただの馬鹿なのか!?」

銀次郎「皆に、食料を分け与えた俺は、ただの馬鹿なのか!?」ウルウルッ

半魚人「ああ、そうだ!」

銀次郎「そんな!?」ウルウルッ、ガーーン

巨大猫「……」

幼馴染み「……」

銀次郎「くっ……」ウルウルッ

半魚人「お前、本当に馬鹿な奴だ」

半魚人「鴨が葱背負って来たと言うのは、まさにこの事だな」

銀次郎「……」ポロポロッ

巨大猫「まぁ、人生何があるかは、本当に誰にも分からん」

巨大猫「妾も、人間達に捨てられた時は、そんな感じだった」

巨大猫「じゃが、今の妾は自力のみで生きておる」

巨大猫「今そなたの周りにおる者達は、皆、自力のみで生きておるのじゃ」

銀次郎「……」

巨大猫「じゃから、そなたも自力で何か食料を手に入れてみよ」

巨大猫「それさえ出来れば、後は自然と慣れてくる」

巨大猫「後、今日の内に食料を手に入れる事が出来なければ、そなたが待つのは死のみじゃ」

巨大猫「妾達は、先に拠点に戻っておる」

巨大猫「そなたの健闘を祈っておるぞ」

幼馴染み「それじゃあな」

半魚人「……」

銀次郎「……」ポロポロッ

スッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

数時間後――

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ストン……

巨大猫「そなた、まだ生きておるか?」

巨大猫「もう、そなたは死んだのか?」

銀次郎「……」

巨大猫「どうやら、まだ生きておる様じゃな」

巨大猫「そなたは、もう既に二食も抜いておるのか?」

銀次郎「……」

巨大猫「そこで、倒れていても誰も助けてはくれない」

巨大猫「自然と、食料はやっては来ない」

銀次郎「……」

巨大猫「まぁ、そなたが死を望むのなら、それでも構わん」

巨大猫「いずれ、そなたの家がエルフのものとなる」

巨大猫「今度こそ、今のそなたには何も残らず、ただただ泣いているばかり」

巨大猫「そんな事では、人どころか猫としても生きていけない」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

銀次郎「お前、何しに来た?……」

銀次郎「お前まで、俺の事を嘲笑いに来たのか?……」

巨大猫「……」

銀次郎「なぁ、何かお前は持ってないか?……」

銀次郎「食料は、お前はどうやって手に入れているんだ?……」

巨大猫「……?」

銀次郎「思えば、この島は色々とおかしい……」

銀次郎「普通に考えたら、結構おかしい……」

銀次郎「お前の存在そのもの自体が、おかしいんだが……」

巨大猫「どの様に?」

銀次郎「この島では、自力で食料を手に入れれば良いんだよな?……」

銀次郎「それは、奪うか買うか自然のものを手に入れるか……」

銀次郎「今の俺の場合、あるのは現金1000円のみ……」

銀次郎「ここでは、現金はあまり意味をなさない……」

巨大猫「それで?」

銀次郎「皆、俺に対してこう口を揃えていた……」

銀次郎「自力で、食料を手に入れろ……」

銀次郎「今のお前は、ただの穀潰しだ……」

銀次郎「お前なんて、生きる価値すらないってな……」

巨大猫「……」

銀次郎「だから、俺は色々と考えたんだ……」

銀次郎「これは、何かのドッキリじゃないのか?……」

銀次郎「そうやって、皆して俺の反応を見る……」

銀次郎「それ次第では、日本に戻れるってな……」

巨大猫「……」

銀次郎「お前、俺を監視しに来たんだろ?……」

銀次郎「皆して、俺の事を監視してんだるんだろ?……」

銀次郎「今のお前、本当に化け猫の一種なのか?……」

銀次郎「あの半魚人みたいに、この世に存在しているのか?……」

巨大猫「ああ、そうじゃが」

銀次郎「なら、どこで生まれた?……」

銀次郎「お前のその姿、着ぐるみとかじゃないのか?……」

巨大猫「いや、違う」

銀次郎「なら、本当にお前は何なんだ?……」

銀次郎「何か役目があるなら、少しはヒントくらい出せ……」

巨大猫「……」

銀次郎「ん? どうした?……」

銀次郎「今のお前、何も言われてきてないのか?……」

巨大猫「……」

銀次郎「……」

巨大猫「そんなに、ヒントが欲しいのか?」

巨大猫「ここ最近の若い者は、謎解きの一つもろくにせんのか……」

銀次郎「……」

巨大猫「なら仕方なく、今のそなたに一つだけヒントをくれてやる」

巨大猫「しかと、よく聞け」

巨大猫「ヒントは、この島にある山の上じゃ」

巨大猫「そこに、そなたを手助けしてくれる道具が隠されておる」

銀次郎「!?」

巨大猫「じゃが、それは本日の夜になれば回収されるぞ」

巨大猫「勿論、そなたの乗ってきた車と共に」

銀次郎「!?」ガーーン

巨大猫「この島では、上陸二日目の内に自力で食料を手に入れられない者は、皆、死んでいくのじゃ」

巨大猫「妾の目の前では、数多くの穀潰し達が死んでいった」

巨大猫「それだけでなく、この山の上にある道具すらろくに手に入れる事が出来ず、皆、山を登る前に挫折」

巨大猫「そうして、皆が無駄に命を散らしていってしもうたのじゃ」

銀次郎「……」

巨大猫「後、誰かから食料を奪うのも止めておけ」

巨大猫「特に、半魚人だけはな」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

巨大猫「さて、妾ももう戻るとするか」

巨大猫「妾の役目は、もう果たした事じゃし」

銀次郎「……」

巨大猫「銀次郎。早く行くなら、早く行け」

巨大猫「そなたは、まだ生きていたいのじゃろ?」

巨大猫「ほぼ毎日の様に、自分自身の人生を酷く悲観しておるが」

巨大猫「今のそなたは、まだまだ生きたいと自身の心のどこかでそう思っておる」

巨大猫「違うか?」

銀次郎「……」

巨大猫「今の妾は、そなたの気持ちを分からなくはない」

巨大猫「じゃが、皆が優しくそなたに接してくれるには、穀潰しでなくなれば良い事なのじゃ」

巨大猫「今のそなたに、それが出来るか?」

巨大猫「ニートからニードへと、せめて一文字くらいは変える事ができるじゃろう」

銀次郎「!?」

シュタッ、スタスタッ、クルッ……

巨大猫「では、健闘を祈る」

巨大猫「妾は、そなたに言われた通りにヒントを出した」

巨大猫「後は、自分自身の力で何とかしろ」

巨大猫「妾の役目は、もう終わりじゃからな」

銀次郎「……」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

ムクッ、シュタッ……

パンパン、パンパン……

銀次郎「……」

銀次郎「……」

銀次郎「とりあえず、山に行ってみるか……」

銀次郎「そこに、何かあるみたいだし……」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

~無人島・山道~

その頃――

ngo「これ、どうすっか?」

ngo「このまま放置しとくのも、ただ不気味なだけだよな」

幼馴染み「ええ、そうですね」

ngo「記者、ナイフ持ってるか?」

ngo「これ、仕方なく今から下ろしといてやるわ」

首吊り死体「……」

記者「でも、これを僕達の手でやらなくても」

記者「これは、もう警察か軍の仕事です」

記者「元々、彼らは生きる価値のない人間」

記者「まぁ、死んでからも誰かに迷惑を掛けっぱなしですけどね」

ngo「ああ、そうだな」

幼馴染み「そうですね」

首吊り死体「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ……

エルフ「!?」

エルフ「なっ、何これ!?」

首吊り死体「……」

ngo「ん? エルフか?」クルッ

ngo「お前でも、そんな声出るんだな」

エルフ「……どう言う意味よ?」

ngo「ただ単に、そう思っただけだ」

ngo「これ、今から下ろしてやった方が良いか?」クイクイッ

首吊り死体「……」

エルフ「いや、下ろさなくても良いでしょ」

エルフ「これ、明らかに私達の仕事の範囲を越えてるし」

エルフ「そのまま、ほっといても良いんじゃない?」

記者「いや、それだと後で困りますよ」

記者「この死体、死後一日は経過してますよ」

首吊り死体「……」

記者「だから、早い内に海に流しておきましょ」

記者「その方が、絶対良いと思いますし」

ngo「同感だ」

幼馴染み「なら、あいつに下ろさせましょう」

幼馴染み「なんか、あいつがこっちに向かって来てる様です」

幼馴染み「適当に、カップヌードル一つやると言えば、飛び付くかもしれません」

幼馴染み「まぁ、それをやらなくても、今のあいつじゃ何も出来ません」

幼馴染み「あいつは、本当にただの穀潰しですからね」

記者「ああ、そうだね」

エルフ「……」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

ngo「よし、なら適当に誰かあいつ誘導をしてこい!」

ngo「今のあいつ、かなり空腹だ!」

ngo「少なくとも、すんなりと俺達の言う事には従順なはずだ!」

首吊り死体「……」

エルフ「なら、私が言ってくるわ」

エルフ「すぐに、あいつは来るみたいだから」

幼馴染み「あ」

ngo「なら、エルフにあいつの事を任す」

ngo「記者、幼馴染み、行くぞ」

ngo「それじゃあ、後の事は任せたな」

エルフ「了解」

記者「後頼むね」

幼馴染み「……」ペコッ

エルフ「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、チラッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

銀次郎「……」ジーーッ

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

銀次郎「……」ジーーッ

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

エルフ「キモッ!」

銀次郎「……」ビクッ

エルフ「……」

銀次郎「……」

エルフ「あんた、今暇?」

エルフ「もし暇なら、ちょっと手伝ってほしい事があるんだけど」

銀次郎「え? はぁ……」

エルフ(……大丈夫かしら?)

銀次郎「それで、この俺に何を?……」

銀次郎「と言うか、空腹であまり無駄な体力は、使いたくないんですが……」

首吊り死体「……」

銀次郎「……」ハッ

エルフ「……」クイクイッ

銀次郎「ああ、ああああっ……」

銀次郎「ああああ、ああああっ………」

銀次郎「あんぎゃああああああああ――――――――っ!?」

エルフ「!?」

銀次郎「なっ、何なんですか!?」

銀次郎「あれ、一体何なんですか!?」

首吊り死体「……」

エルフ「何って、首吊り死体だけど」

エルフ「他に、一体何があると言うの?」

フラッ、ドサッ……

銀次郎「……」ビクビクッ

銀次郎「……」ビクビクッ

首吊り死体「……」

銀次郎「……」ビクビクッ

銀次郎「……」ビクビクッ

首吊り死体「……」

エルフ「とりあえず、あんたあの首吊り死体を下ろしてあげて」

エルフ「それやってくれたら、カップヌードルを一つあげるわ」

銀次郎「!?」ガーーン

首吊り死体「……」

エルフ「だから、さっさとしてくれる?」

エルフ「今のあんた、空腹なんでしょ?」

エルフ「あれ下ろした後、船まで運んで海に流しといて」

エルフ「それくらい、今のあんたはやってくれるんでしょ?」

首吊り死体「……」

エルフ「あれ? どうかしたの?」

エルフ「まさか、出来ないとでも言うの?」

銀次郎「……」コクコクッ

エルフ「あんた、それしないと食料が手に入らないわよ」

エルフ「そう簡単に、この島で食料が手に入るとでも思ってるの?」

首吊り死体「……」

エルフ「だから、あんたにこれ任せたわね」

エルフ「私、これから用があるの」

エルフ「偶々、ここへ今のあんたがやって来たんだし」

エルフ「これはこれで、何かの巡り合わせかもしれないわね」

首吊り死体「……」

銀次郎「……」ビクビクッ

銀次郎「……」ビクビクッ

首吊り死体「……」

エルフ「……」ジーーッ

更に数分後――

銀次郎「……」ビクビクッ

銀次郎「……」ビクビクッ

首吊り死体「……」

銀次郎「……」ビクビクッ

銀次郎「……」ビクビクッ

首吊り死体「……」

銀次郎「……」ビクビクッ

銀次郎「……」ビクビクッ

首吊り死体「……」

銀次郎「……」ビクビクッ

銀次郎「……」ビクビクッ

首吊り死体「……」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

「おや、銀次郎」

「そなた、そこで何しておる?」

「もう今のそなたは、挫折してもうたのか?」

「まだ、山にすら入ってまもないが」

銀次郎「……」ハッ、クルッ

巨大猫「……」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

ピタッ、ストン……

首吊り死体「……」

銀次郎「……」

巨大猫「……」ハッ

首吊り死体「……」

銀次郎「……」

巨大猫「……」ジーーッ

首吊り死体「……」

巨大猫「おおっ……」

巨大猫「これは、これは……」

巨大猫「今そこにいる女は、未来のそなたじゃ」

巨大猫「明日の朝、そなたもこの女の様に自ら命を絶つであろう」

首吊り死体「……」

巨大猫「それで、下ろしてやるのか?」

巨大猫「今のそなたは、そこにおるエルフに何か頼まれたのではないのか?」

銀次郎「!?」ビクビクッ

首吊り死体「……」

エルフ「……」コクン

巨大猫「ほれ、早くしてやれ」

巨大猫「あの女は、今のそなたを必要としておる」

巨大猫「そなたの事、ずっと待っておるのじゃ」

巨大猫「それくらい、してやっても良いではないか」

首吊り死体「……」

巨大猫「銀次郎、早くしてやれ」

巨大猫「じゃないと、誰も食料を恵んではくれん」

銀次郎「!?」ガーーン

巨大猫「これも、そなたに対する試練なのじゃ」

巨大猫「ただただ、山に登るだけが試練なのではない」

首吊り死体「……」

巨大猫「もし仮に、今のそなたがこれを処理してくれたら、妾がエルフと交渉してやろう」

巨大猫「せめて、本日の食事分くらいは譲ってやれ」

巨大猫「それくらい、嫌な仕事をしたのじゃから、その報酬としてはなっと」

巨大猫「どうじゃ?」チラッ

エルフ「……」コクン

銀次郎「……」ビクビクッ

銀次郎「……」ビクビクッ

首吊り死体「……」

エルフ「……」ゴクリ

銀次郎「おい、巨大猫……」

銀次郎「本当に、しなきゃいけないのか?……」

銀次郎「普通、あんな事なんかさせないだろ……」

銀次郎「今のお前ら、完全に狂ってる……」

銀次郎「お前ら、やっぱおかしいだろ?……」

銀次郎「皆、こんな嫌がらせをしていて楽しいのか?……」ビクビクッ

首吊り死体「……」

巨大猫「じゃが、それをしないと本日の夕食はなしになるぞ」

巨大猫「そなた、今日は一日食事抜きでいくのか?」

銀次郎「!?」ビクビクッ

巨大猫「せっかく、妾がエルフと話をつけてやったのに」

巨大猫「これも、試練の一つじゃと言うのに」

巨大猫「本当に、困った奴じゃな」

銀次郎「黙れ!」ビクビクッ

首吊り死体「……」

エルフ「あんた、早くしてよ」

エルフ「私、あんたが終わるまで、そのまま見てなきゃならないんだけど」

銀次郎「!?」

エルフ「じゃなきゃ、山の上にある道具回収するわよ」

エルフ「あんたが嫌なら、他の奴等に頼むだけなんだけど」

巨大猫「……」

銀次郎「なら、最初からそうしろよ……」

銀次郎「人の食料奪っといて、何が試練なんだよ……」ビクビクッ

エルフ「……」

銀次郎「お前、こんなのやってて楽しいのか?……」

銀次郎「他人から奪った食料を子供に与えて、本当にそれが正しい選択なのか?」ビクビクッ

巨大猫「……」

エルフ「ええ、正しいわ」

エルフ「どの道、あんたは死ぬ運命なの」

エルフ「それが分かってて、私達はあんたから食料を奪ったんだから、何か問題ある?」

エルフ「それに、力がない者は何もする事が出来ずに、ただただ死んでいくだけ」

エルフ「私も、以前はあんたと同じだった」

エルフ「だから、あんたの今の気持ちは痛い程分かる」

エルフ「と言っても、私はあんた以上の生き地獄を、嫌と言う程と子供の頃から何度も何度も味わってきたんけど」

銀次郎「……何?」ビクビクッ

エルフ「あんた、自分がどれだけ恵まれていたかが、まだ分からないの?」

エルフ「今のあんた、もう親も故郷も国籍すら失ってるのよ」

エルフ「それだけでなく、あんたはまだそんな感じなんだ」

エルフ「そんなんだから、あんたは親にも故郷に国にすら捨てられてしまうのよ」

銀次郎「……」ビクビクッ

エルフ「おまけに、今のあんたはただの穀潰し!」

エルフ「本当に、生きる価値すらない!」

エルフ「やっぱり、あんたみたいな人間は大嫌いだわ!」

エルフ「本当に、何でこんな奴なんかを支援しなきゃいけないんだか」

銀次郎「……」ビクビクッ

巨大猫「のぅ、エルフ」

巨大猫「そなたも、かっかするな」

巨大猫「ほれ、早く銀次郎もやってやれ」

巨大猫「せっかく、妾がエルフと話をつけてやったんじゃ」

巨大猫「早く、あの女の為にやってやるんじゃ」

首吊り死体「……」

巨大猫「銀次郎。早く、やってやれ」

巨大猫「じゃないと、そなたは今日も食事抜きじゃ」

巨大猫「それが嫌なら、早くやってやれ」

巨大猫「これは、そなたに課せられた試練なのじゃ」

銀次郎「……」ビクビクッ

首吊り死体「……」

ムクッ、シュタッ……

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

銀次郎「……」

エルフ「……」

巨大猫「……」

首吊り死体「……」

銀次郎「……」

エルフ「……」

巨大猫「……」

首吊り死体「……」

ダッ、タダダダッ……

巨大猫「おっ」

ダダダダッ、ダダダダッ……

エルフ「……」ゴクリ

ダダダダッ、ダダダダッ……

巨大猫「ん?」

エルフ「あらっ?」

巨大猫「……」

エルフ「……」

首吊り死体「……」

巨大猫「……」

エルフ「……」

首吊り死体「……」

巨大猫「あいつ、死体無視して行きおったな」

巨大猫「本当に、困った奴じゃ」

エルフ「……ええ、そうね」

首吊り死体「……」

エルフ「これ、仕方ないから私が片付けるわ」

エルフ「あんたは、先に山に登っといて」

エルフ「私、これ先に処理しとくから」

巨大猫「うむ。了解した」

首吊り死体「……」

支援ありがとうございます。
少し早いですが、再開します。

~無人島・山頂~

その日の夕方――

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

ピタッ、キョロキョロ……

キョロキョロ、キョロキョロ……

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「まだ、来てなんだか……」

スッ、クルッ……

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「あ奴、かなり遅いな……」

巨大猫「一体、何をしているのやら……」

シーーーーン……

巨大猫「エルフ、そこにおるか?」

巨大猫「まだ、死体の処理をしておるのか?」

シーーーーン……

巨大猫「どうやら、まだな様じゃな……」

巨大猫「本当に、あ奴は何をしておるんじゃか……」

スッ、ストン……

巨大猫「……」

巨大猫「……」

キラン、シューーーーッ……

巨大猫「む?」

シュタッ……

エルフ「……」

エルフ「あれ? あいつは?」

エルフ「あいつ、まだ来てないの?」

巨大猫「その様じゃ」

エルフ「……」キョロキョロ

エルフ「……」キョロキョロ

巨大猫「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、キョロキョロ……

エルフ「……」

巨大猫「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、キョロキョロ……

エルフ「……」

巨大猫「……」

エルフ「やっぱり、まだ来てない」

巨大猫「エルフ。そなた、ここに来る途中にあ奴の事を見なかったのか?」

巨大猫「ここに来るには、あの山道を通るしか道はない」

巨大猫「それ以外に、あ奴はどこへ行ってしもうたのじゃ」

巨大猫「妾は、あの後のあ奴の姿を全く見てはおらん」

エルフ「……」

巨大猫「それに、妾がここに来た時には誰もいなかった」

巨大猫「もし仮に、ここに来ていたのならば、すぐに会うはず」

巨大猫「じゃが、あ奴はここから姿を消した」

巨大猫「まさかとは思うが、あ奴はここから飛び降りたのではないか?」

エルフ「……」

巨大猫「そう考えれば、自然と納得が行く」

巨大猫「あ奴は、かなり空腹じゃった」

巨大猫「ここで暮らすくらいなら、死んだ方がマシじゃとそう感じたのかもしれんし」

巨大猫「今のあ奴なら、自然とそう考えるかもしれぬのだからな」

スッ、ピッ、ピッ……

エルフ「いや、そんな事ないわ」

エルフ「あいつ、まだ生体反応がある」

巨大猫「!?」

エルフ「なんか、ここに来たのは良いんだけど、例の道具が見つからなかったみたいでね」

エルフ「わざとこの近くに隠れて、私達の出方を窺っているみたい」

巨大猫「何じゃと!?」

銀次郎「……」

巨大猫「それで、あ奴は今どこに?」

巨大猫「一体、どこに隠れとるのじゃ?」

銀次郎「……」

エルフ「そこの、物凄く真新しい大きな石」

エルフ「それに、今のあいつはその中に隠れてるみたいでね」

エルフ「今のあいつは、完全に頭がよく回ってない」

エルフ「まぁ、発信器を仕掛けられていた事については、気づいていたかもしれないけどね」

銀次郎「……」ハッ

巨大猫「これ、銀次郎。早く出てこい」

巨大猫「そこに、そなたが隠れておるのは分かっておる」

巨大猫「でなければ、今のそなたに道具を渡せぬぞ」

巨大猫「それが欲しければ、早く妾達の前に姿を見せよ」

エルフ「……」

銀次郎「……」

スッ、ビリビリッ……

巨大猫「……?」

ビリビリッ、ビリビリッ……

スッ、スタスタッ……

シュタッ、クルッ……

銀次郎「……」

巨大猫「おおっ、よく出てきた」

巨大猫「そなたにしては、やけに素直じゃな」

エルフ「……」

巨大猫「では、そなたに道具を渡すとしよう」

巨大猫「その前に、そこに置いといた水を飲め」

巨大猫「今のそなた、喉が乾いていよう」

巨大猫「ささっ、遠慮なくそこのベンチの上にある水を飲め」

銀次郎「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、スッ、キュルキュル……

巨大猫「……」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

ゴクゴクゴクッ、ゴクゴクゴクッ……

銀次郎「ふぅ……」

巨大猫「……」

エルフ「……」

銀次郎「それで、道具は?」

銀次郎「一体、何を渡してくれるんだ?」

エルフ「その道具と言うのは、この島で生きる上で必要な物よ」

エルフ「ほらっ、あんたの連れや子供達が首に掛けてたでしょ?」

エルフ「今から渡すのが、そのidカード」

エルフ「それがなきゃ、あんたはこの島で定期的に行われる配給を受ける事は出来ない」

エルフ「その代わりに、この島での雑務に従事して貰う」

銀次郎「!?」

エルフ「今まで、皆があんたに冷たかったのは、それを持ってなかったからよ」

エルフ「そのidカードを貰うには、いくつかの条件があるの」

エルフ「その一つ目が、自力で食料を手に入れる事」

エルフ「二つ目が、この島の山頂にある道具を手に入れる事」

エルフ「最後に三つ目が、あんた自身がすぐに改心をし、皆の雑務を手伝う代わりにこれを手に入れる」

エルフ「それが、今からあんたに渡すidカードを手に入れる為の条件」

エルフ「この島では、二日目までにそれを手に入れれられなかったら、あんたはもう死ぬしかない」

エルフ「皆、それがなかなか出来ずに、早々と死んじゃってた訳」ニッコリ

銀次郎「……」

エルフ「それで、あんたはどうするの?」

エルフ「今後は、この島でちゃんと雑務に従事してくれるの?」

巨大猫「……」

エルフ「それをしなかったら、今から渡すidカードは没収されるわ」

エルフ「あんたの連れも、それをしていたからこの島で生きていられるの」

銀次郎「……」

エルフ「もし仮に、それを破った場合には、あんたは問答無用で殺されるわ」

エルフ「せっかく、この島で生きていける権利を手に入れれたのに」

エルフ「わざわざ、その権利を自ら手放す様な真似だけは、絶対にしない方が身の為よ」

巨大猫「……」

エルフ「だから、あんたはちゃんと雑務をこなしてね」

エルフ「それさえしてくれたら、まずはあんたから奪った食料を返してあげる」

エルフ「と言っても、明日の朝に全てを引き渡すんだけど」

エルフ「今ある分は、あんたから奪ったmreレーションくらいしか、もうないのよね」

エルフ「皆、ngoやあんたの連れが自分で食べちゃっていたから」

巨大猫「じゃあ、なにか?」

巨大猫「あ奴ら、本当に銀次郎の事を殺すつもりじゃったのか?」

エルフ「ええ、そうよ」

銀次郎「!?」ガーーン

巨大猫「……」

エルフ「まぁ、あのngoならすぐに食いついたでしょ」

エルフ「元々、あのngoは色々と問題を起こしてた」

エルフ「日本では、よくニートを支援する民間団体とよく揉めててね」

エルフ「ニートを社会復帰させる為の団体なのに、よく自分からいちゃもん付けて周囲とトラブルを引き起こしてた訳」

銀次郎「……」

エルフ「じゃなきゃ、今のあいつがここにいる訳ないわよ!」

エルフ「あいつ、何度も日本ではニートを殺そうとしていたから!」

銀次郎「え?」

巨大猫「何じゃと!?」

スッ、ポトッ……

エルフ「あんた達、何も気づかなかった?」

エルフ「あいつ、この島では結構な数のニートを、この手で殺してしまってるのよ」

銀次郎「!?」ガーーン

エルフ「その中でも、今のあんたがかなりカモだったわ」

エルフ「まさか、1000万近くするキャンピングカーに乗って、この島に来るとは全く思ってもみなかったし」

銀次郎「……」

エルフ「それだけならまだしも、あんたの持つ車の中から約数週間分の食料まで出てきちゃってね」

エルフ「それを見たあいつは自身の役目すら忘れて、あんたの殺害を記者達と共に計画をしてしまっていた訳」

銀次郎「……」

巨大猫「……」

スッ、ゴソゴソッ……

チラッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、スッ……

エルフ「はい」

エルフ「とりあえず、あんたにこれを渡しておくわ」

エルフ「これさえあれば、あんたはもうあいつらからの嫌がらせを受けずに済む」

エルフ「あんたから私が奪ったmreレーションは、ちゃんと保管してるわ」

エルフ「まずは、それを先に返してあげる」

エルフ「それなら、何もあんたは文句はないでしょ?」

巨大猫「……」

銀次郎「これ、受け取って良いのか?……」

銀次郎「あんた、俺の事が嫌いだったんじゃなかったのか?……」

巨大猫「……」

エルフ「ただ単に、私は自身の役目を果たしているだけよ」

エルフ「早く、これを受け取ってくれないかしら?」

銀次郎「……」

スッ、パサッ……

エルフ「……」

銀次郎「……」

巨大猫「うむ。これで、そなたの役目も終わったな」

巨大猫「後は、拠点に戻るだけか」

エルフ「ええ、そうね」

巨大猫「銀次郎。早速、拠点に戻るぞ」

巨大猫「皆にも、この事を知らせねばならん」

巨大猫「エルフ。無線で、全員に連絡」

巨大猫「銀次郎は、晴れて無事に道具を手に入れた」

巨大猫「本日から、正式なこの島の住民になれたとな」

銀次郎「!?」

スッ、カチッ……

ザザッ、ザザッ……

エルフ「こちら、エルフ(英語)」

エルフ「ターゲット。ミッション、クリア(英語)」

エルフ「本日より、ターゲットはこの島の住民となる(英語)」

エルフ「もうこれからは、彼に対する嫌がらせは絶対に止める様に(英語)」

ザザッ……

無線「……こちら、ngo。了解した」

無線「せっかく、良いカモが来たと思ってたのに……」

無線「おい、テメェら余計な事をしてんじゃねぇ!」

無線「そうだ、そうだ!」

銀次郎「!?」ガーーン

巨大猫「……」

エルフ「……」

ザザッ……

無線「それで、他に連絡は?」

無線「もう、無いのなら切っちまうぞ」

ザザッ……

エルフ「今から、私達も拠点に戻る!」

エルフ「あんた達、絶対にあいつには手を出しちゃダメよ!」

エルフ「特にngo。次サボったら、あんた確実にクビだからね!」

ザザッ……

無線「へいへい、分かりましたよ」

無線「今後は、あいつに手を出さなきゃ良いんでしょ?」

無線「それと、まさかあいつに食料返せとか言わないよな?」

無線「あいつから奪った食料、全部食っちまったが」

銀次郎「!?」ガーーン

エルフ「ええ、そのまさかよ」

エルフ「ちゃんと、規定通りにあいつから奪った食料とかは、全て返してあげて頂戴」

エルフ「じゃなきゃ、あんた達二人はすぐ捕まるわ」

エルフ「この島の所有者は、一体誰だったか覚えてる?」

エルフ「それが嫌なら、さっさと全てあいつに弁償をしなさい」

エルフ「明日の朝、その分の食料を全部送ってきて貰うし」

エルフ「あんた達の給料から、ちゃんと天引きしておくからね」

ザザッ……

無線「ふざけんな!」

スッ、カチッ……

銀次郎「……」

巨大猫「……」

エルフ「ふぅ……」

スッ、ササッ……

巨大猫「もう、終わったのか?」

巨大猫「そうであれば、もう行くぞ」

エルフ「ええ、構わないわ」

銀次郎「……」

巨大猫「なら、もう行くとしよう」

巨大猫「所詮、あの二人は身から出た錆じゃ」

巨大猫「今まで、散々ニート達を殺してきたのじゃし」

巨大猫「そろそろ、あ奴らには退場をして貰うかのぅ」

エルフ「ええ、そうね」

銀次郎「……」

エルフ「とりあえず、もう行くわよ」

エルフ「今のあんた、もうこの島の住民になれたんだから」

銀次郎「……」

エルフ「まさか、まだ実感がないとか?」

エルフ「やっぱり、私みたいな女に認められても嬉しくはないのよね?」

銀次郎「……」

巨大猫「エルフ達。もう行くぞ」

巨大猫「今日は、夕方から雨が降る」

巨大猫「その前に、早く下るぞ」

巨大猫「あ奴ら、今度は何をしてくるかが分からぬからな」

エルフ「ええ、そうね」

銀次郎「……」

エルフ「二人とも、私の周りに集まりなさい」

エルフ「これから、拠点までワープしていくから」

銀次郎「!?」

巨大猫「エルフ。それならそうと、早くしてくれ」

巨大猫「拠点に着いたら、まずは半魚人と合流をする」

巨大猫「あ奴ら、この島で雇うにしてはかなり問題ありじゃな」

巨大猫「そろそろ、新しいあ奴らに変わるバイトが何名か必要じゃし」

巨大猫「親に捨てられたあの子供達だけでは、とても手が回らんからな」

エルフ「ええ、そうね」

銀次郎「なんだと!?」ガーーン

巨大猫「……」

スッ、トコトコトコッ……

トコトコトコッ、トコトコトコッ、ピタッ……

エルフ「二人とも、今から拠点にまでワープするわ」

エルフ「すぐ済むから、そのままちゃんとじっとしててね」

巨大猫「了解した」

銀次郎「……ああ、分かった」

エルフ「……」スッ、ブツブツ

~無人島・キャンピングカー前~

ヒタヒタヒタッ、ヒタヒタヒタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

半魚人「ん? お前ら、どっか行くのか?」

半魚人「これから、雨が降るみたいだぞ」

ピタッ、ピタッ……

ngo「ああ、ちょっと夕飯の支度に」

ngo「なんか、急に貝が食いたくなったから、ちょっと取ってくるわ」

半魚人「ああ、そうか」

ガララッ、スタッ……

幼馴染み「なら、俺も行って良いっすか?」

幼馴染み「俺もちょうど、急に貝が食べたくなったんで」

半魚人「え?」

ngo「いや、お前はここに残っとけ」

ngo「もう時期、お前の連れが戻ってくる」

記者「だから、君達二人はそこで待っていてあげて」

記者「僕達も、すぐ戻ってくるから」

記者「なんか彼、ようやく例のidカードを手に入れたらしくってね」

記者「だから、君達は先に歓迎をしといてあげて」

半魚人「了解した」

幼馴染み「はい。かしこまりました」

ngo「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

半魚人「……」

幼馴染み「……」

半魚人「……」

幼馴染み「……」

シューーーーッ、シュタッ……

シュタッ、シュタッ……

エルフ「ふぅ、着いたわよ」

エルフ「どう? 生まれて初めてワープした気分は?」

巨大猫「……」

銀次郎「……」

エルフ「……」

巨大猫「……銀次郎」

銀次郎「……」ハッ、キョロキョロ

幼馴染み「あっ、お帰り」ハッ、クルッ

半魚人「結構、早かったな」ハッ、クルッ

銀次郎「ああ、まあな……」ピタッ

巨大猫「……」

幼馴染み「銀次郎。まずは、ミッションクリアおめでとう!」

幼馴染み「ようやく、俺達の役目も終わったみたいだな!」

幼馴染み「これで、俺達も気軽にお前と仲良く出来る!」

半魚人「ああ、そうだな!」

幼馴染み「それで、気分はどうだ?」

幼馴染み「やっぱり、まだ俺達の事を恨んでるのか?」

半魚人「……」

銀次郎「いや、もう良い……」

銀次郎「それより、ngo達は?……」

巨大猫「む? そう言えば」

半魚人「あいつらなら、今さっき出ていった」

半魚人「なんか、急に貝が食いたくなったそうでな」

半魚人「そんで、今さっき記者と共に出掛けてった」

半魚人「多分、あいつらお前と顔を合わすのが嫌だったんだろう」

半魚人「この中で、あいつら二人はやけにお前の事を最初から嫌っていたからな……」

幼馴染み「ああ、そうだな」

銀次郎「……」

幼馴染み「とりあえず、俺達の役目はもう終わりだ」

幼馴染み「これで、本当に安心して寝れる」

半魚人「元々、あいつら二人はニートを差別してるんだ」

半魚人「あいつら二人の所為で、この島では結構な数のニートが死んだ」

銀次郎「……」

半魚人「俺は、この島には以前から住んでるんだ」

半魚人「丁度、ここに来てからもう今年で13年目」

半魚人「例の改正刑法が施行される前の段階で、俺は政府による極秘作戦に参加」

半魚人「その後、俺は今の様な半魚人としての姿にまで変化してしまい……」

半魚人「もう一生この島からは、出る事が出来なくなってしまったんだ」

銀次郎「……」

半魚人「銀次郎。お前も、この島に住むからにはこれだけは覚悟しておけ!」

半魚人「この島では、生半端な気持ちだけでは絶対に生きてはいけない!」

半魚人「今の俺達の故郷は、この島のみだ!」

半魚人「もう二度と、自身の親元や祖国にはもう戻れないんだ!」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

半魚人「だから、特にあいつら二人にだけは注意しておけ!」

半魚人「今のあいつら、完全に今のお前の事を逆恨みしている!」

半魚人「後、子供達については、お前の乗ってきた車の中!」

半魚人「あの二人、中でまだ昼寝してるみたいでな!」

半魚人「だから、まだ少し寝かしといてやれ!」

銀次郎「ああ、了解した……」

幼馴染み「……」

巨大猫「さて、これから妾達も夕食の支度に取りかかるか」

巨大猫「妾も、少し漁に出てくる」

クルッ、トコトコトコッ……

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

半魚人「エルフ。俺も少し出掛けてくる」

半魚人「後の事は、任せたぞ」

エルフ「了解したわ」

銀次郎「いってらっしゃい……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

エルフ「……」

銀次郎「……」

エルフ「さて、私達も夕食の準備でもしますか」

エルフ「あんた、ちょっと中で子供達の様子でも見てきて」

銀次郎「へ~~い……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、カラララッ……

スッ、スタスタスタッ……

エルフ「……」スッ

エルフ「……」ブツブツ

エルフ「……」ブツブツ

シューーーーッ、ポン、ポ----ン!

カチャ、カチャ……

カチャ、カチャ……

スッ、ストンストン……

エルフ「ふぅ……」

スタスタッ、ストン……

ガラララッ、バタン……

銀次郎「エルフ。子供達はまだ寝てた」

銀次郎「これ、昨日もここにあったランプとかだよな?」

エルフ「ええ、そうよ」

テキパキ、テキパキ……

テキパキ、テキパキ……

銀次郎「これ、明らかに俺の車に積んであった物より良いやつ……」

銀次郎「つうか、雨に備えて天幕すら張ってあるし……」

スッ、ビリビリッ……

ビリビリッ、ビリビリッ……

銀次郎「それ、今晩の夕食か?」

銀次郎「mreレーションって、こんな風になってたんだ」

エルフ「……」

銀次郎「それで、俺の分は?」

銀次郎「それとも、これはあんたの分か?」

ビリビリッ、ビリビリッ……

エルフ「あんたの分なら、そこに出してあるわ」

エルフ「そこに積んでる二箱があんたの分」

エルフ「それと、12個入りのパンの入った袋二つも持っていって」

エルフ「それ、私があんたから奪った食料の全て」

エルフ「もし仮に、この島に食料を持ち込んだニートから食料を奪った場合」

エルフ「二日目の試練に合格したら、全て返還するのがこの島での規定だからね」

銀次郎「……」

スッ、キュルキュル……

ゴクゴクゴクッ、ゴクゴクゴクッ……

テキパキ、テキパキ……

銀次郎「……」

エルフ「……」

テキパキ、テキパキ……

銀次郎「……」

エルフ「……」

スッ、ストン……

エルフ「あんた、自分で作りなさいよ」

エルフ「もしかして、説明書が読めないのかしら?」

銀次郎「え? まあな……」

エルフ「……」

スッ、サッ……

銀次郎「ん? これは?」

エルフ「……」クイクイッ

銀次郎「……」ジーーッ

エルフ「あんた、視力悪いの?」

エルフ「この日本語訳、ちゃんと読める?」

銀次郎「え?」

エルフ「はぁ……車の中に度のあった眼鏡が置いてあったから、それ付けてきなさい」

エルフ「まさか、あんたがここまでバカだったとは」

エルフ「今の私、それがとても意外でもあったわ」

銀次郎「……」

エルフ「ん? どうしたのよ?」

エルフ「早く、これ受け取んなさいよ」

銀次郎「ああ、すまん……」スッ

パサッ、ペラッ……

銀次郎「……」ジーーッ

エルフ「……」

銀次郎「……」ジーーッ

エルフ「……」

銀次郎「これ、結構凄いな……」

銀次郎「付属のmreヒーターの熱と水だけで、火も使わずに調理出来るなんて……」

銀次郎「あんた、これいつ訳したんだ?……」

銀次郎「普通、日本語訳なんて付いてこないだろ?……」チラッ

スッ、ゴクゴクゴクッ……

エルフ「ああ、それね……」

エルフ「以前、ここにいた人が持っていたやつなのよ……」

エルフ「彼、mreレーションの説明書が読めなくてね……」

エルフ「仕方なく、パソコンで翻訳してプリントアウトしたんだって」

銀次郎「へぇ……」

エルフ「それ、あんたにあげるわ」

エルフ「私、ちゃんとコピーしてあるから」

エルフ「だから、あんたもそれ参考にして自分で作りなさい」

エルフ「この島では、ニート達は自給自足が原則なんだから」

銀次郎「へいへい……」

トゥルルルッ、トゥルルルッ……

トゥルルルッ、トゥルルルッ……

エルフ「……」

スッ、ストン……

トゥルルルッ、トゥルルルッ……

トゥルルルッ、トゥルルルッ……

スッ、カシャン……

エルフ「……」

「着信 葉菜美」

ピッ、ツーーッ……

エルフ「もしもし(英語)」

電話「あっ、お疲れさまです。エルフさん(英語)」

電話「昨日、お世話になりました葉菜美です(英語)」

電話「今、お時間の方は大丈夫でしょうか?(英語)」

エルフ「ええ、大丈夫ですけど(英語)」

電話「うちの元身内は、どうなりました?(英語)」

電話「当然、もう死んでますよね?(英語)」

銀次郎「……」

エルフ「いえ、まだ死んでませんよ(英語)」

エルフ「彼、今さっき帰還してきた所です(英語)」

電話「!?」

エルフ「それと、彼は我々が出した試練に合格をしました(英語)」

エルフ「今後は、我々が管理する島で雑務をして貰います(英語)」

エルフ「後、貴女から送られてきた例のキャンピングカーは、どう致しましょうか?(英語)」

エルフ「このまま、まだ島に置いておきますか?(英語)」

銀次郎「……」

電話「ええ、そのままでお願いします……(英語)」

電話「まさか、まだしぶとく生きていたなんて……(英語)」

電話「次こそは、確実に始末して下さい……(英語)」

電話「そうして頂けたら、物凄く嬉しいです……(英語)」

エルフ「ええ、分かっております(英語)」

エルフ「貴女のお気持ち、痛い程よく分かります(英語)」

銀次郎「……」

エルフ「それと、明日の朝に陸軍の一個小隊がヘリで上陸(英語)」

エルフ「島内に、ニート数名を新たに配備(英語)」

エルフ「多分、その時くらいに彼は行動を起こすと思われます(英語)」

エルフ「何故なら、彼はまだ日本に戻る事を諦めてはおりません(英語)」

エルフ「今の彼は、貴女に対する復讐の機会をじっと窺っているからです(英語)」

銀次郎「……」

電話「ええ、そうですか(英語)」

電話「明日の朝、新たな仲間が数人増えるのですか(英語)」

電話「なら、その時に適当な理由を付けて始末して下さい(英語)」

電話「それが終われば、他の家族の件もお願い致します(英語)」

電話「私の抱く復讐、まだ始まったばかりなんですから(英語)」

銀次郎「……」

エルフ「ええ、分かってます(英語)」

エルフ「その件につきましては、もう既に対処済みです(英語)」

エルフ「近々、貴女の腹違いの兄の元には、複数名の刺客達が嫌でも到着(英語)」

エルフ「彼女達は、皆、若くて美人な娼婦達ばかり(英語)」

エルフ「彼女達を使って、貴女の兄は破産をさせます(英語)」

エルフ「しかも、せっかく手に入れた伍長と言う地位ですら、完全に失う程に(英語)」ニヤッ

銀次郎「!?」ビクッ

電話「……」ニヤッ

銀次郎「……」ビクビクッ

エルフ「……」ニヤニヤ

電話「成程。それは名案ですね(英語)」

電話「下手したら病気すら移されて、更には望まない妊娠すらさせてしまうと言う訳ですか?(英語)」

電話「案外、貴女も残酷ですね(英語)」

電話「まさか、貴女がもう既に手を打っていたとは……(英語)」ニヤニヤ

エルフ「ええ、それ程でも(英語)」ニヤニヤ

電話「なら、兄の事も貴女にお任せ致します(英語)」

電話「ただし、妹ちゃんについては以前お話した通りに、何もしないであげて下さい(英語)」

銀次郎「……」ビクビクッ

エルフ「ええ、かしこまりました(英語)」

エルフ「後の事は、我々にお任せ下さい(英語)」

エルフ「いずれ、彼には死んで貰います(英語)」

エルフ「まぁ、それもそんな遠い話ではないのですけど(英語)」

エルフ「もう宜しいですか?(英語)」

電話「はい。もう宜しいです(英語)」

銀次郎「……」

エルフ「では、例の件はこちらから再びお電話を致します(英語)」

エルフ「貴女もまた、お気を付けて(英語)」

電話「はい。失礼致します(英語)」

ブチッ……

ツーーッ、ツーーッ、ツーーッ……

銀次郎「……」ビクビクッ

銀次郎「……」ビクビクッ

エルフ「……」

銀次郎「……」ビクビクッ

銀次郎「……」ビクビクッ

エルフ「……」

スッ、ピッ、カシャン……

スッ、ストン……

エルフ「ん?」

銀次郎「……」ビクビクッ

エルフ「あんた、早く自分で作りなさいよ」

エルフ「せっかく、日本語訳も渡してあげたんだから、早く作りなさいよね」

銀次郎「はっ、はい」ビクビクッ

エルフ「……」

スッ、テキパキ、テキパキ……

~備蓄食料~

・mreレーション(米軍個人携行食)×0→23
・mre補助増加食(パン)×0→23
・カップヌードル×0
・カロリーメイト×0
・レトルトカレー×0
・白米(200g)×0
・乾パン×0
・天然水2l×0

※mreレーション(米軍個人携行食)とmre補助増加食(パン)は、規定に基づき返還。
※カレー等は、ngo達が全て消費してしまってたので、三日目の朝には届く。

~無人島内でのルール~

①原則的に、ニートは自給自足であり、ニートに配給されるものは食料ではない。

②島内にニートが留まる場合は、滞在二日目に試練を受ける。その試練に合格出来なかったニートは、その翌朝に何らかの形にて殺害される。

③試練に合格をし、idカードを配布されたニートは、島内での雑務に従事しなくてはならない。雑務に従事しないニートは、idカードをすぐに没収。再発行は不可となり、何らかの形にて殺害される。

④島内から、ニートは出る事は出来ない。ニートが島内から脱走をした場合には、すぐに追跡をしその場で射殺される。

⑤ニートが持ち込んだ食料等は、管理者によって一旦は没収される。没収された後にニートは試練を受け、それに合格すれば没収された食料等はすぐに返還される。ただし、不合格の場合は返還する必要はない。

⑥ニートは、島内にいる指定された人物(エルフ、半魚人、巨大猫)及び未成年者に対して、犯罪行為等をしてはならない。指定された人物の中には、マスコミや政府関係者や支援団体の職員等も含まれおり、その指定された人物達に対して犯罪行為等を働いた場合は、すぐにその場で殺害される。

人によって、スタートラインが違います。

何も島に持ち込んでない場合は、自給自足の生活は出来ません。

幼馴染みと銀次郎は、島にキャンプ用品等を持ち込んでいた為、それらを使ってある程度は自給自足の生活が出来ます。

idカードを手に入れて配給を受けられる様になっても、実際に配給される物は替えの衣類や日用品等の食料品でない物ばかり。

食料や道具や寝る場所等も自分で確保する必要があり、それが出来ない場合は自然と死ぬか、奪うか、恵んで貰うか、物々交換をするくらいしか道はありません。

~無人島周辺・海~

上陸三日目・朝ーー

銀次郎「なぁ、幼馴染み」

銀次郎「お前、何匹連れた?」

銀次郎「俺、まだ一匹も連れてないんだけど」

銀次郎「何で、今日もお前だけはそんなに大漁なんだ?」

幼馴染み「さぁ、分からんな」

銀次郎「お前、一体何使ってる?」

銀次郎「mreレーション一つやるから、教えてくれよ」

幼馴染み「さぁ、俺は何も知らんな」

銀次郎「……」

少年「お兄ちゃん。まだ釣れないの?」

少年「僕達、もう五匹は釣ってるんだけど」

銀次郎「!?」ガーーン

幼馴染み「おおっ、本当だ」

少年「お兄ちゃん。もしかして釣り下手?」

少年「あまり、外で友達と遊ぶ機会とかなかったでしょ?」

銀次郎「……」ビクッ

少年「ダメだよ。ちゃんと外で遊ばないと」

少年「お兄ちゃんの場合、ずっと家でゲームしてた」

少年「自然と、皆で遊ぶ事すら減っていって、気がついた時には友達すら全くいなかったって感じだよね?」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」チラッ

銀次郎「……」ガクッ

少年「……やっぱり、そうなんだ」

銀次郎「……」ウルッ

幼馴染み「……」

少年「……」

ズン、クイクイッ……

少年「あっ、引いてるよ!」

幼馴染み「銀次郎。早く竿引け!」

幼馴染み「餌食われるぞ!」

銀次郎「!?」ハッ

グイッ、グイッ……

スッ、ガシッ……

銀次郎「!?」

銀次郎「なんて、重さだ!?」

少年「お兄ちゃん?」

幼馴染み「!?」

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

銀次郎「くっ……」

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

幼馴染み「銀次郎。手伝ってやる!」

幼馴染み「おい、少年。網用意しとけ!」

少年「うん!」

スッ、ストン……

ムクッ、クルッ、ガシッ……

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

グイッグイッ、グイッグイッ……

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

グイッグイッ、グイッグイッ……

幼馴染み「これ、大物だな……」

銀次郎「ああ、そうみたいだ……」

少年「……」

幼馴染み「ん? 影が見えてきた」

幼馴染み「なんか、この形見た事ある様な?」

少年「……?」

銀次郎「ああ、俺もだ……」

銀次郎「いや、絶対にそうと思いたくない……」

少年「……あ」

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

幼馴染み「……」

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

銀次郎「……」

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

少年「……」

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

幼馴染み「おい。早く巻けよ」

幼馴染み「あいつ、早く引き上げてやれ」

幼馴染み「つうか、あいつ何やってんだ?」

少年「うん。そうだね」

銀次郎「……」

幼馴染み「銀次郎。早く巻いてやれ」

幼馴染み「もしくは、糸切ってやれ」

銀次郎「え?」

少年「お兄ちゃん。なんか、マンボウ浮かんできたよ」

少年「自力で、ここまで浮き上がってきたんだけど」

銀次郎「!?」

幼馴染み「なんだと!?」

少年「あっ、もうすぐ出てくる」

少年「あのマンボウ、やけにもがいてしまっているね」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

ザバァッ、プカプカッ……

半魚人「はぁ、はぁ、はぁ……」

半魚人「はぁ、はぁ、はぁ……」

半魚人「……」スッ、ブチッ

半魚人「……」ブチッ、ブチッ

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

少年「ねぇ、マンボウのお兄ちゃん」

少年「何で、ここにいるの?」

少年「お兄ちゃんは確か、違う所で漁してなかった?」

銀次郎「……」

半魚人「ああ、ちょっと、大物を追っかけてな……」

半魚人「気がついたら、銀次郎の竿に掛かってしまってた……」プカプカッ

幼馴染み「……」

少年「それで、何か連れた?」

少年「僕、今日五匹も釣ったんだけど」

半魚人「ん? どれどれ」プカプカッ

スッ、バシャッ……

ポトポトッ、ポトポトッ……

半魚人「おおっ、大漁だな」プカプカッ

少年「うん。僕凄いでしょ」

半魚人「ああ、そうだな」プカプカッ

幼馴染み「なぁ、そこの少年」

幼馴染み「船の中に、水捨てるな」

幼馴染み「もし見せるんなら、バケツだけ渡せ」

幼馴染み「せっかく釣った魚が、すぐに衰弱死するぞ」

銀次郎「……」

少年「ああ。ごめんなさい」

少年「僕、何も考えずにやっちゃった?」

少年「今から、水に入れたら何とかなる?」

少年「それとも、もうダメになっちゃったのかな?」

銀次郎「……」

ピチピチッ、ピチピチッ……

半魚人「少年。そう悔やむな」

半魚人「こいつらは、後でしっかりと捌いてやる」

半魚人「お前は、こいつらをしっかり残さず食べろ」

半魚人「今日の昼飯、こいつらの刺身にしてやるからな」スッ、ジャバッ

少年「うん。分かった」

少年「お兄ちゃん達、ごめんね」

少年「せっかく、釣った魚を無理にしなせちゃって」ペコッ

銀次郎「……」

少年「思えば、僕達もこの魚と同じなんだよね?」

少年「この島と言うバケツから、外に全く出る事が出来ない」

少年「そこを出たら、この魚達みたいにすぐ死んじゃう」

少年「今の僕達も、この魚達とは全く同じなんだよね?」

幼馴染み「……」

銀次郎「……」

少年「……」

半魚人「……」ポタポタッ

ザザッ、ザザッ……

スッ、カチッ……

無線「銀次郎達。今どこにいる?」

無線「すぐに、島に戻ってきなさい!」

無線「それ以上進んだら、軍に撃たれるわよ!」

無線「軍の警備艇が、今そっちに向かったみたいだから!」

銀次郎「!?」

ザザッ……

半魚人「こちら、半魚人。了解した!」

半魚人「今の我々に、脱走の意思はない!」

半魚人「これより、島に帰還する!」ポタポタッ

幼馴染み「……」

ザザッ……

無線「こちら、エルフ。了解したわ!」

無線「早く、あんた達は帰ってきなさい!」

無線「軍は、gpsであんた達の位置を特定してる!」

無線「次からは、絶対に気を付けなさい!」

ザザッ……

半魚人「こちら、半魚人。了解した!」

半魚人「軍にも、そう伝えといてくれ!」

半魚人「繰り返すようだが、今の我々に脱走の意思はない!」

半魚人「我々の故郷は、あの島のみだ!」ポタポタッ

少年「……」

ザザッ……

無線「こちら、エルフ。了解した!」

無線「早く、島に戻ってきなさい!」

無線「それ以上行ったら、確実に軍に撃たれるわよ!」

無線「さっさと、早く引き返してきなさい!」

ザザッ……

半魚人「ああ、了解した!」ポタポタッ

スッ、カチッ……

半魚人「ふぅ……」ポタポタッ

半魚人「おい、お前ら。今すぐ撤退するぞ!」

半魚人「このままだと、確実に危ない!」スッ、フキフキ

銀次郎「……」ハッ

半魚人「銀次郎達、早く漕げ!」

半魚人「いつ軍が来るか、全く分からないんだぞ!」フキフキ、フキフキ

銀次郎「おっ、おう……」

スッ、ストストン……

スッ、ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

半魚人「……」キョロキョロ

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

半魚人「……」キョロキョロ

ババババッ、ババババッ……

半魚人「!?」

ババババッ、ババババッ……

半魚人「なっ、ヘリが……」ガーーン

銀次郎「おい、ヘリが来たぞ!」

銀次郎「あれ、陸軍のuh-1じゃねぇか!」

幼馴染み「!?」

少年「お兄ちゃん。早く急いで!」

少年「ヘリが来た、ヘリが来た!」

半魚人「くっ……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ババババッ、ババババッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ババババッ、ババババッ……

スッ、カチッ……

ザザッ、ザザッ……

半魚人「こちら、半魚人。エルフ応答せよ!」

半魚人「あのヘリは何だ!?」

半魚人「もう、軍が撃ち殺しに来たのか?」

ザザッ……

無線「ああ、もう見えた?」

無線「あのヘリ、銀次郎に返す物資+新たなニート達を乗せたヘリ」

無線「なんか、予定より早くニート達が着くみたいでね」

無線「銀次郎に返す食料と一緒に、そのまま連れて来て貰っちゃった」

ザザッ……

半魚人「こちら、半魚人。了解した」

半魚人「あれは、俺達を撃つヘリじゃないんだな?」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ザザッ……

無線「ええ、それについては問題ないわ」

無線「あのヘリには、あんた達を撃つ動機がない」

無線「警備艇も、確認の為に数隻出てる」

無線「クラスは、大体200tレベル」

無線「でも、76mmの速射砲を備えているから、十分気を付けてよね」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ババババッ、ババババッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ババババッ、ババババッ……

半魚人「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ババババッ、ババババッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ババババッ、ババババッ……

半魚人「……」

少年「あっ、通り過ぎた」

少年「あのヘリ、島の方に行っちゃったけど」

半魚人「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

半魚人「銀次郎。早く急げ!」

半魚人「エルフが言うには、こっちに軍の警備艇が数隻来る!」

半魚人「その警備艇には、76mmの速射砲が装備されている!」

半魚人「それに撃たれたら、確実に俺達の命がない!」

銀次郎「!?」ピタッ

幼馴染み「おい。今のどう言う事だ?」

幼馴染み「俺達は、そのまま撃ち殺されてしまうのか?」ピタッ

少年「……」

半魚人「いや、大丈夫だ!」

半魚人「だが、俺達の監視の為に数隻がこっちに来る!」

半魚人「今回は、偶々だったから良かったが、次は確実にない!」

半魚人「お前も、次からは十分気を付けてくれ!」

銀次郎「あっ、ああ……」

幼馴染み「……了解した」

少年「は~~い」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

銀次郎「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

幼馴染み「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

少年「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

半魚人「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

半魚人「ん? もう降りたのか……」

半魚人「ああ、銀次郎」

半魚人「さっき言い忘れてたが、お前の分の食料があのヘリに積まれてる」

半魚人「戻ったら、エルフがすぐに引き渡してくれる様だ」

半魚人「後、また数人程新入りが増えるみたいだぞ」

銀次郎「……」

半魚人「とりあえず、軍に追い付かれる前に撤退するぞ!」

半魚人「あいつら、見つかったらすぐに容赦なく撃ってくる!」

半魚人「それが原因で、俺の仲間が何人か撃たれてな!」

半魚人「それが嫌なら、早く漕いだ方が良い!」

銀次郎「あいよ!」

幼馴染み「……」

少年「……」

半魚人「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

~無人島・砂浜~

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ザザーーン、ザザーーン……

少女「あっ、お帰り」

少女「今日は、何匹連れた?」

半魚人「……」

スッ、ジャバッ……

ガシッ、ググググッ……

ジャバジャバジャバ、ググググッ……

ジャバジャバジャバ、ググググッ……

スッ、ザザッ……

半魚人「ほれ、降りろ」

銀次郎達「……」

スッ、シャタッ、シャタッ……

幼馴染み「銀次郎。釣り竿は、そこに置いといてくれ」

幼馴染み「また、昼飯食ったら釣りに行く」

幼馴染み「だから、少年もそこに置いておけ」

銀次郎「ん? 良いのか?」

幼馴染み「ああ、まあな」

少女「……」

少年「お姉ちゃん。見て」

少年「僕、今日は五匹連れた」

少年「これ、後でマンボウのお兄ちゃんに捌いて貰うんだ」ニッコリ

少女「へぇ、凄いじゃない」ニッコリ

半魚人「……」

少年「それと、さっきこの島にヘリが沢山来てたんだけど、何かあったの?」

少年「もしかして、僕達殺されちゃうの?」

銀次郎「……」スッ、シュルシュル

シュルシュル、カシャン……

少女「ううん。大丈夫だけど」

少女「あれ、銀次郎お兄ちゃん用の積み荷を運んでただけ」

少女「それと、今日から三人新しい人が増えるみたいでね」

少女「三人とも、なんかお兄ちゃん達より上の男の人だった」

少女「まだ、三人とも眠っちゃったままみたいでね」

少女「今、巨大猫さんが三人を監視してるみたい」

銀次郎「……」

幼馴染み「へぇ、新しい住民か」

幼馴染み「ちゃんと、この島で生きていけるんだろうか」

半魚人「ああ、そうだな」

幼馴染み「それで、そいつらの荷物は?」

幼馴染み「そいつら、何か持っていたか?」

少女「ううん。全然」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

銀次郎「幼馴染み。釣道具、船の中に置いとくぞ」

銀次郎「これで、良いんだよな?」

幼馴染み「ああ、そうだ」

半魚人「銀次郎達、釣道具回収しとけ」

半魚人「じゃないと、それ取られるぞ」

半魚人「新しい奴等、それ使って今後はここで生活する事になる」

銀次郎「え?」

幼馴染み「……ああ、そうか」

少年「……?」

少女「どう言う意味?」

銀次郎「半魚人。ご忠告、感謝する」

銀次郎「幼馴染み。この船は誰のだ?」

銀次郎「ひょっとして、お前のか?」

幼馴染み「ああ、そうだ」

半魚人「……」

銀次郎「なら、これも回収しとかないとな」

銀次郎「お前のテントまで、こいつ持ってってやる」

幼馴染み「ああ、すまん」

半魚人「なら、俺も手伝ってやるよ」

半魚人「子供達は、魚達の監視を頼む」

半魚人「銀次郎達、船動かすぞ」

半魚人「お前ら、力あるか?」

半魚人「もしないのなら、俺一人で行くが?」

幼馴染み「ああ、大丈夫だ?」

銀次郎「お気遣いなく」

半魚人「……」

スッ、ガシッ……

ググググッ、ググググッ……

銀次郎「!?」

幼馴染み「なんて力だ……」

半魚人「やっぱり、お前らは自分の釣道具だけ運んどけ」

半魚人「こいつは、ちゃんとお前らのテントの前に置いといてやる」

半魚人「見た所、お前ら力あんま無いだろ?」

半魚人「実際は、あまり外で遊んでた経験とか少ないんじゃないのか?」

銀次郎「……」ビクッ

幼馴染み「……何の事だ?」ビクッ

少年「……」

半魚人「とりあえず、お前らは俺に任せて釣道具だけ運んでろ」

半魚人「大丈夫。俺は、お前の船を奪ったりはしない」

半魚人「そんな事しなくても、自分でスイスイ泳げる」

半魚人「しかも、深海近くまでな」

銀次郎「ああ、了解した……」

幼馴染み「宜しく頼む……」

少年「……」

少女「……」

ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ググググッ……

ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ググググッ……

少年「わぁ、凄い」

少女「マンボウのお兄ちゃん。力持ち」

銀次郎「……」

ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ググググッ……

ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ググググッ……

幼馴染み「とりあえず、各自自分の釣道具は持って帰るか」

幼馴染み「銀次郎。後で、トイレ貸してくれ」

銀次郎「ああ、良いぞ」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ピタッ……

銀次郎「ん?」ハッ

幼馴染み「何だ? あんたら」

金太郎「失礼。日本陸軍の者だ」

金太郎「君達か? さっき島から、脱走しかけたと言うのは?」

銀次郎「……」クルッ

幼馴染み「ああ、そうですが……」

銀次郎「何か、問題でも?……」

少年「……」

金太郎「おおっ、銀次郎」

金太郎「お前、まだ生きてたのか?」

金太郎「ついこの間、関係各所にお前の訃報を知らせたばっかだったぞ」

金太郎「葉菜美からは、もう死んだと聞かされていた」

銀次郎「……」ビキッ

幼馴染み「知り合いか?」

少女「……」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

銀次郎「ああ、知り合いだとも……」

銀次郎「俺の元兄貴だ……」

銀次郎「その横にいるのが、俺の元姉貴……」

銀次郎「俺が、この島に送られる事となった全ての元凶だ……」

幼馴染み「!?」

少年「え?」

少女「この綺麗なお姉さんが?」

葉菜美「……」

銀次郎「姉さん達、今更何の様だ?」

銀次郎「まさか、この場で俺の事を始末しに来たのか?」

葉菜美「うん。そうだけど」ニッコリ

銀次郎「!?」

幼馴染み「なん……だと……!?」

少年「……」

少女「お兄ちゃん……」

葉菜美「まぁ、冗談は置いといて」

葉菜美「私が貸したキャンピングカー、使い心地どう?」

葉菜美「あれ、いつ返してくれる?」ニコニコ

銀次郎「……」

葉菜美「出来れば、早く死んでほしいんだよね」

葉菜美「今の弟君には生きる価値なんてない」

葉菜美「じゃなきゃ、この島なんかには絶対に送ってなんかいないかな」ニコニコ

幼馴染み「……」

金太郎「まぁ、そう言う事だ」

金太郎「俺達は、お前の顔を見に来ただけだ」

銀次郎「……」

金太郎「さて、どう致しますか? 少尉殿」

金太郎「事情聴取、もう始めときますか?」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

葉菜美「ええ、お願いするわ」

葉菜美「ついでに、子供達の健康のチェックもしとく」

葉菜美「だから、伍長はこの二人の事情聴取をお願い」

葉菜美「それが終わったら、小隊長の指示に従って」ニコニコ

金太郎「はっ!」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

葉菜美「さて、そこの子供達」

葉菜美「今から、私に着いてきてくれる?」

葉菜美「ちょっと、あの車の中で君達の体を見せて貰うから」ニコニコ

少年「……」コクン

少女「はい。分かりました」ギュッ

金太郎「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

金太郎「さて、俺達もさっさと済ませるぞ」

金太郎「今のお前ら、ただの囚人だ」

金太郎「いや、国に捨てられた亡霊と言った方が正しいかもな」

銀次郎「……」

金太郎「それで、何故この島から出ようとした?」

金太郎「今のお前らは、この島からは出る事が出来ないのは、知っているだろう?」

銀次郎「……」

幼馴染み「偶々、船に乗って釣りをしていたら、知らず知らずの内に出かけてしまいました!」

幼馴染み「今の俺達に、この島を出る意思はありません!」

幼馴染み「それに関しては、絶対に勘違いをしないで下さい!」

金太郎「……ほう?」

幼馴染み「……」

銀次郎「そんなに、意外だったのか?」

銀次郎「俺達が釣りしていたら、何か問題でもあるのか?」ギリッ

幼馴染み「……」

金太郎「じゃあ聞くが、何がそんなにお前は不満なんだ?」

金太郎「今まで、ずっとろくに働かずにぐうたらしてた!」

金太郎「そんなお前に、俺は不満を言われる覚えは全くない!」

銀次郎「……」ギリギリッ

金太郎「それと、お前がここに来てくれたおかげで母さん達が随分楽になったぞ!」

金太郎「母さん。少し体悪くしてたんだ!」

金太郎「それに掛かる治療費、お前のおかげですぐに出す事が出来た!」

銀次郎「!?」

幼馴染み「……」

金太郎「だから、お前がこの俺や葉菜美達を恨むのは筋違いだ!」

金太郎「元々、お前はそんな奴じゃなかった!」

金太郎「お前さえ、真面目に働きさえしていれば、母さん達にも迷惑を掛けずに済んでいたんだ!」

金太郎「そんなお前が、今の俺に不満を漏らすなんて百年早い!」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

金太郎「では、話に戻るぞ」

金太郎「今のお前らは、釣りをしていて島を出てしまったんだな?」

金太郎「本当に、今のお前らには脱走をする意思はないんだな?」

幼馴染み「はい!」

銀次郎「……」

金太郎「じゃあ、何も問題はないな」

金太郎「偶々、今回は釣りをしていて気づかずに指定範囲を越え掛けていただけみたいだから」

銀次郎「……」

金太郎「だが、次からはちゃんと気を付けろよ」

金太郎「今のお前ら、下手したら本当に死んでたぞ」

銀次郎「……」

幼馴染み「ええ、分かりました!」

幼馴染み「以後、気を付けさせて頂きます!」

幼馴染み「もう、お話は以上でしょうか?」

幼馴染み「そろそろ、昼食の準備に取り掛かりたいんですが」

金太郎「ああ、そうだな」

金太郎「お前ら、もう行って良いぞ」

金太郎「それと、銀次郎」

金太郎「お前が、表向きには死んでくれて清々した!」

金太郎「実は、もう時期結婚する予定でな!」

金太郎「お前みたいな奴が身内にいたら、かなり迷惑だった!」

銀次郎「……」ギリッ

幼馴染み「……」

金太郎「そんじゃ、お前らはもう行って良いぞ!」

金太郎「精々、ここで余生を楽しんでおけ!」

金太郎「後、お前が集めたゲームとかももう既に処分済みだ!」

金太郎「良い歳して、ろくに女も抱いた事ないみたいだし!」

金太郎「部屋の中に有った物が全部気持ち悪過ぎて、あの後全部燃えるゴミに出してやったからな!」

銀次郎「……」ギリギリッ

幼馴染み「……」

金太郎「そんじゃあ、俺は失礼する!」

金太郎「銀次郎。お前も達者に暮らせ!」

金太郎「ウチの親だけでなく、親戚全員喜んでた!」

金太郎「向こうも、お前みたいな奴がいたらいい迷惑だった!」

金太郎「おかげで、縁談も綺麗に纏まって皆喜んでたからな!」

銀次郎「……」ギリギリッ

幼馴染み「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

銀次郎「……」ギリギリッ

幼馴染み「……」

銀次郎「……」ギリギリッ

幼馴染み「……」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

幼馴染み「……銀次郎。大丈夫か?」

幼馴染み「お前、めっちゃ顔赤いぞ……」

銀次郎「……」ギリギリッ

幼馴染み「お前の身内、結構酷いな……」

幼馴染み「俺んとこも人の事を言えないが、あれはあれで結構酷いぞ……」

銀次郎「ああ、そうだな……」ギリギリッ

幼馴染み「……」

銀次郎「……」

幼馴染み「それで、どうする?」

幼馴染み「お前は、もう良いのか?」

幼馴染み「このまま、お前もずっとここにいとくのか?」

銀次郎「……ああ、まあな」ギリギリッ

幼馴染み「とりあえず、俺達も昼飯の用意をしよう」

幼馴染み「今日は、軍の兵士が多数来てるみたいだし」

幼馴染み「また、変な疑いを掛けられるのは、絶対に嫌だからな」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ピタッ……

エルフ「あんた達、早く戻ってきなさい!」

エルフ「銀次郎の荷物、今さっき届いたばかりなんだから!」

半魚人「……」

エルフ「銀次郎。早く運んどきなさい!」

エルフ「じゃないと、またあんた誰かに奪われるわよ!」

エルフ「昨日まで、あんただけがひもじい思いを沢山していたんだし!」

エルフ「さっさと、早く自分の車の中に運んどいてよね!」

銀次郎「ああ、了解した……」

幼馴染み「手伝ってやる」

銀次郎「すまん……」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

一応、前のよりは減らしてみました。

~無人島・キャンピングカー前~

その日の昼ーー

巨大猫「うむ。良い焼き具合じゃ」

巨大猫「銀次郎。そなたは、食わんのか?」

銀次郎「ああ。まあな」

半魚人「……」モグモグッ

巨大猫「そなた、今日はどうした?」

巨大猫「やけに、不機嫌の様じゃが?」

半魚人「……」モグモグッ

幼馴染み「巨大猫。今日は、その話題は止めてやれ」

幼馴染み「今のこいつ、めっちゃピリピリしてやがる」

幼馴染み「特に、あいつらの所為でな」クイクイッ

兵士達「……」

巨大猫「うむ。了解した」

巨大猫「今日は、やけに多いな」

銀次郎「巨大猫。ngo達は、どうした?」

銀次郎「あいつら、どっか出掛けてるのか?」

半魚人「……」モグモグッ

巨大猫「うむ。そうじゃよ」

巨大猫「あ奴等、今そこにいる兵士達と共に島を回っておる」

巨大猫「どうやら、エルフと共に新たなニート達に関する手続きをしておってな」

巨大猫「記者に関しては、その取材じゃそうじゃ」

半魚人「……」モグモグッ

銀次郎「ふぅん。そうなのか」

銀次郎「あの記者も、ちゃんと仕事してるんだな」

銀次郎「今回、来た奴等はどんな感じだ?」

銀次郎「俺達より、なんか年上だったみたいだが」

半魚人「……」モグモグッ

巨大猫「うむ。そうじゃな」

巨大猫「皆、全て男じゃった」

巨大猫「じゃが、皆、癖のある人物でのぅ」

巨大猫「今さっき目を覚ましたのじゃが、皆、早々と根をあげよった」

巨大猫「おまけに、速攻で一部の兵士達に捕らわれてな」

巨大猫「今も、兵士達に捕らわれおる」

半魚人「……」モグモグッ

銀次郎「じゃあ、子供達は?」

銀次郎「あいつらは、どうなったんだ?」

半魚人「……」モグモグッ

巨大猫「うむ。それについては、何も心配入らない」

巨大猫「あ奴等も、もう時期こっちに来る」

巨大猫「あ奴等は、エルフ達の方で見ておってな」

巨大猫「わざわざ、ここに来た看護師達による検診が終わったら、すぐこっちに来る様じゃ」

半魚人「……」モグモグッ

幼馴染み「おい、半魚人……」

幼馴染み「お前、さっきから魚食い過ぎだ……」

半魚人「……ん? そうだったか?」ピタッ

半魚人「すまんすまん。ついうっかり、今焼けてた分全て食っちまったよ」フキフキ

幼馴染み「……」

半魚人「その代わり、俺が取ってきた貝とかやる」

半魚人「だから、機嫌直せ」

幼馴染み「ああ、分かった」

銀次郎「……良いのかよ」

巨大猫「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ピタッ、ピタッ……

エルフ「ふぅ、お待たせ」

エルフ「子供達の検診、もう終わったわよ」

巨大猫「うむ。そうか」

半魚人「……」スッ、コトッ

エルフ「銀次郎達。ちょっと、暫くの間は軍がここに展開するわよ」

エルフ「なんか、まだまだここに新たなニート達を多数運んでくるみたい」

エルフ「だから、銀次郎達は暫くの間は船で海に出るのは止めて」

エルフ「また、銀次郎達が撃たれたらこっちが困るし」

エルフ「今回来た新たなニートは、軍による演習の的になるみたいだから」

銀次郎「……」

幼馴染み「ああ、了解した」

半魚人「努力する」

巨大猫「妾達までそれに巻き込まれたら、人溜まりもないからな」

エルフ「ええ、そうね」

少年「……」

少女「……」

スッ、コトコトッ……

コトコトコトッ、コトコトコトッ……

スッ、カチャ、ゴォーーーーッ……

ゴォーーーーッ、ゴォーーーーッ……

ジュワジュワジュワッ……

ゴォーーーーッ、ゴォーーーーッ……

ジュワジュワジュワッ……

半魚人「……」

エルフ「良い匂いね」

幼馴染み「ああ、そうだな」

銀次郎「……」

エルフ「さて、私は向こうに戻るわ」

エルフ「私は、まだ向こうでする事があるから」

銀次郎「ん? そうなのか?」

エルフ「子供達。ここで大人しくしといて」

エルフ「銀次郎達は、この子達の事をしっかりと頼むわよ」

エルフ「もう既に、自分の分は運んだ?」

エルフ「もう全部、運んだのよね?」

銀次郎「ああ、大丈夫だ」

銀次郎「全部、幼馴染みと運んどいた」

銀次郎「それで、軍はいつ戻る?」

銀次郎「まだ、ここにいとくのか?」

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

エルフ「ええ、まだ暫くの間はここにいるわ」

エルフ「最低でも、一週間はここで演習をするみたい」

銀次郎「……」

エルフ「でも、私達は撃たれる心配はないわ」

エルフ「ニート以外を撃ったら、確実に罪に問われるから」

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

エルフ「巨大猫。こいつら、動かない様にちゃんと見張っといて」

エルフ「半魚人も、こいつら二人の監視をちゃんと宜しく」

エルフ「それ終わったら、いつもみたいに皆は雑務をお願い」

エルフ「また、昨日みたいな事を皆にして貰うから」

半魚人「ああ、了解した」

半魚人「それに関しては、こっちに任せといてくれ」

半魚人「今度の奴等にも、幼馴染み達は全く同じ事を頼む」

半魚人「銀次郎は、昨日俺らがしてた通りにあいつらにもしろ」

半魚人「俺達の役目は、新たな奴等に対するヒント出しだ」

半魚人「後は、適当に新たに来た奴等に対してキツイ事を言え」

半魚人「それが、俺達の役目の一つなんだ」

銀次郎「……」

幼馴染み「ああ、了解した」

巨大猫「うむ、承知」

少年「……」チラッ

少女「……」コクン

少年「……」コクン

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

エルフ「それじゃあ、皆頼むわね」

エルフ「今後は、バカみたいに食料を分け与えちゃダメよ」

エルフ「今後の奴等、何人かヤバい奴が含まれているから」

エルフ「そいつら、何故か何も持ち込んでいなくてね」

エルフ「いつ、あんた達の車や食料等が奪われるかが、全く分からないからね」

銀次郎「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

半魚人「……」スッ、スッ

半魚人「……」スッ、スッ

幼馴染み「……」

半魚人「……」

半魚人「……」

幼馴染み「銀次郎。お前、車の鍵閉めといたか?」

幼馴染み「必要なら、一緒に見に行くぞ」

銀次郎「ああ、頼む」

幼馴染み「俺ら、少し車の中を見てくるわ」

幼馴染み「そんじゃ、ちょっと先に子供達の分を分けといてくれ」

半魚人「ああ、了解した」

巨大猫「気を付けてな」

銀次郎「ああ」

ムクッ、シュタッ……

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スッ、シュタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ガラララッ、ダン……

スッ、スタッ、スタスタッ……

その数分後ーー

ガラララッ、ダン……

ガチャ、スッ、ポツン……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スッ、ストンストン……

銀次郎「ふぅ……」

幼馴染み「何もなかったわ……」

巨大猫「……」

半魚人「ほれ、焼けたぞ」

半魚人「次、今日取れた魚を焼いていく」

半魚人「銀次郎。次、お前も焼いてけ」

半魚人「お前ら、まだ食ってないだろ?」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

幼馴染み「その割りには、何だそのカップヌードルは?」

幼馴染み「と言うか、何故人数分ある?」

巨大猫「……」

銀次郎「まぁ、気にするなや」

銀次郎「俺なりの皆に対する歓迎の印だ」

銀次郎「残念ながら、半魚人や巨大猫の食えそうな物がない」

銀次郎「だから、その辺についてはどうか勘弁をしてくれ」

幼馴染み「銀次郎」

半魚人「お気遣いなく」

巨大猫「妾もじゃ」

銀次郎「……」

半魚人「さて、次は何を焼く?」

半魚人「貝はもうないが、魚なら沢山ある」

半魚人「お前ら、早く自分の分の魚出せ」

半魚人「次、焼かないとガスが勿体ないぞ」

銀次郎「なら、俺も湯沸かしてくる」

銀次郎「昨日使ったやかん。どこにあったっけ?」

半魚人「幼馴染みのテントの中だ」

幼馴染み「……」スッ、ストストッ

銀次郎「幼馴染み。やかん借りるな」

銀次郎「お前らも、カップヌードル食うか?」

幼馴染み「ああ、頼む」

少年「なら、僕達の分もお願い」

少年「また、貴重な食料を分けてくれて、ありがとう。お兄ちゃん」

銀次郎「どう致しまして」

少女「お兄ちゃん。後で、シャワー借りて良い?」

少女「私、ちょっとアレが来ちゃったみたいだから」

銀次郎「ああ、良いよ」

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

幼馴染み「銀次郎。また、俺もついていってやる」

幼馴染み「なるべく、一緒に行動しといた方が良い」

銀次郎「ああ、頼む」

幼馴染み「後、昨日食ってたmreレーションは上手かったか?」

幼馴染み「あれ、何かパンも付いてただろ?」

少年「え? そうなの?」

銀次郎「ああ、別売りでだったけど」

少年「そうなんだ」

銀次郎「あれ、やっぱお前もいるのか?」

銀次郎「カップヌードルの代わりに、あれと交換するぞ」

少年「……」ゴクリ

幼馴染み「ああ、すまんすまん」

幼馴染み「なんか、久し振りに魚以外な物が食いたくなったからな」

幼馴染み「つい数日前、俺達カレー食ってただろ?」

幼馴染み「カレーすら食ったの、かなり久し振りだったからな」

銀次郎「なら、カレーも一緒に付けてやる」

銀次郎「いつ、俺達も殺されるかが全く分からないからな」

幼馴染み「……」

半魚人「銀次郎。あまり、他人に食料をばらまくま」

半魚人「自分の食料は、自分でしっかりと全部食え」

半魚人「そうじゃなきゃ、今のお前も死ぬ事になる」

半魚人「昨日以上の地獄が、確実にお前の前に襲い掛かってくる」

幼馴染み「……」

銀次郎「ああ、分かった分かった」

銀次郎「以後、気を付けさせて貰う」

銀次郎「じゃあ、これは後で回収しとくな」

銀次郎「悪いな。皆、色々と期待させてしまって」

幼馴染み「ああ、まあな」

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

幼馴染み「おい、半魚人」

幼馴染み「そろそろ、焼けたんじゃないのか?」

幼馴染み「皆、良い具合に焼けてきた様だ」

半魚人「ん? 本当だ」

スッ、ストッ……

スッ、ストストストッ……

幼馴染み「……」

半魚人「……」

銀次郎「うん。良い焼け具合だ」

銀次郎「皆、焼けてきたみたいだぞ」

半魚人「うむ。そうか」

幼馴染み「……」

少年「お兄ちゃん。ちょっと僕、トイレ行きたい」

少年「なんか、すぐ出そう」

銀次郎「ん?」

幼馴染み「銀次郎。今の聞いてたか?」

幼馴染み「子供達、トイレに行きたいんだと」

銀次郎「ああ、分かった」

少年「……」

幼馴染み「それと、自分の分以外は回収しとけ」

幼馴染み「その方が、お前の為にも良い」

銀次郎「ああ」

スッ、ゴゾゴソゴソッ……

ムクッ、シュタッ……

スッ、シュタッ、シュタッ……

銀次郎「……」

少年「……」

少女「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スッ、ガチャ……

ガラララッ、ダン……

銀次郎「はい。開いたよ」

銀次郎「君達も、早く入って」

少年「は~~い」

少女「……」

スッ、スタッ……

銀次郎「ん? 君は行かないの?」

銀次郎「それとも、外で待っているのかな?」

少女「うん」

銀次郎「幼馴染み。子供達の分、焼けたら取っていてやってくれ」

銀次郎「まだ、ガス残ってるか?」

銀次郎「まだ、ガスが残ってるなら頼む」

幼馴染み「ああ、大丈夫だ」

半魚人「お気遣いなく」

~無人島・陸軍キャンプ~

その頃ーー

中尉「少尉。国籍不明者達の具合は?」

中尉「もう、薬で眠らせているのか?」

葉菜美「ええ、その通りです」

中尉「全く、これだから国籍不明者は困るのだ」

中尉「元は日本人だったとは言え、あまりにも身勝手過ぎる」

葉菜美「……」

中尉「一曹。後何人来る?」

中尉「それについては、何か聞いているか?」

一曹「いえ、全く」

中尉「そうか。まだ、正確な数は分からないのか」

中尉「大体、何でウチの隊がこんな目に」

中尉「一体、ウチの隊が何をしたと言うのだ?」

葉菜美「……」

一曹「中尉。この三人はどう致しますか?」

一曹「このまま、海に沈めましょうか?」

ニート達「zzz……」

中尉「いや、まだ良い」

中尉「後の連中が来たらまとめて処分する」

中尉「それまでは、まだこいつらを生かしてはおけ」

中尉「次、何名来るかはまだ分からないのだからな」

一曹「はっ!」

ニート達「zzz……」

通信兵「中尉。中隊本部より通信です!」

通信兵「1400に、第二陣が到着!」

通信兵「ターゲットは、全部で20名!」

通信兵「ch-47による輸送が行われる様です!」

中尉「うむ。了解した」

ニート達「zzz……」

中尉「xx伍長。そこにおるか?」

中尉「もしくは、今昼飯の最中か?」

金太郎「はっ!」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ……

金太郎「お呼びですか? 中尉」

金太郎「一体、何のご用でしょうか?」

一曹「……」

中尉「xx伍長。君は、人を撃った事はあるか?」

中尉「もしないのなら、この場で申告をして貰いたい」

葉菜美「……」

金太郎「いえ、まだ一度もありません!」

金太郎「唯一、撃った事があるのは鹿くらい!」

金太郎「それ以外には、まだ一度も撃った事がありません!」

中尉「うむ。そうか」

中尉「xx伍長。1400に第二陣が来る!」

中尉「その際に、今ここにいるxx少尉はこの島を離脱!」

中尉「今回は、君にも国籍不明者達の処分を実行して貰う!」

中尉「君が嫌なら、代えの隊員を充てる事にするのだが」

中尉「撃てる自信はあるか?」

一曹「……」

金太郎「はっ! 了解致しました!」

金太郎「自分に全てお任せ下さい!」

葉菜美「……」

中尉「うむ。良い返事だ!」

中尉「さすがは、お父上同様に兵士だっただけの事はある!」

中尉「少尉。実に勇敢な兄を持ったな!」

中尉「君のお父上には、昔世話になった!」

中尉「元々、親同士がライバルであり、よく君達と昔から比べられていた程だ!」

葉菜美「……」

中尉「伍長。国籍不明者達の処分、しっかりと頼んだぞ!」

中尉「ここに今日来るのは、全部で23名!」

中尉「全員、君の指揮の元で処分!」

中尉「その辺についてを、しっかりと頼んだぞ!」

金太郎「はっ!」

葉菜美「……」

中尉「一曹。早速、準備に取りかかれ!」

中尉「まずは、手始めにこの三人を処分する!」

中尉「伍長。君の手でこの三人を殺せ!」

中尉「今のこの者達は、国籍不明者!」

中尉「だから、遠慮なく撃て!」

金太郎「はっ!」

葉菜美「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ……

エルフ「失礼。管理者のエルフです」

エルフ「少し、お時間の方を宜しいでしょうか?」

一曹「ん? 何か?」

中尉「……」

エルフ「実は、隣島にいるスタッフ達と連絡が取れないんです」

エルフ「向こうは、主に外人向け」

エルフ「少し、向こうの様子を見に行っても宜しいでしょうか?」

一曹「……中尉」

中尉「ああ、構いませんが」

中尉「念の為、部下を何名か同行させましょうか?」

一曹「……」

エルフ「ええ、お願い致します」

エルフ「出来れば、そちらの少尉さんを少しお借りしたいのですが」

葉菜美「え?」

一曹「……」

支援ありがとうございます。

中尉「少尉。彼女に着いてやってくれ!」

中尉「伍長。君も同行をしろ!」

中尉「多分、向こうも手が離せないんだろう!」

中尉「隣の島にも、多数の国籍不明者達がいる!」

中尉「一応、念の為に伍長は自身の組を率いて、少し様子を見てきてやってくれ!」

中尉「何かあったら、すぐに知らせるんだ!」

金太郎「はっ!」

葉菜美「了解致しました!」

エルフ「ありがとうございます」ペコッ

一曹「……」

金太郎「では、早速行って参ります!」

金太郎「行きましょう! 少尉!」

葉菜美「ええ、そうね!」

一曹「……」

スッ、クルッ……

一曹「待て。伍長!」

一曹「私も、君と一緒に同行をする!」

一曹「エルフ殿。一体、今度は何を企んでいる?」

一曹「また、以前みたいに私の部下を全て消し去るつもりなのか?」

一曹「残念ながら、エルフ殿の好きな様にさせるつもりはない!」

中尉「……?」

エルフ「……」

一曹「中尉。どうか同行の許可を!」

一曹「エルフ殿は、また何かを企んでおいでです!」

一曹「中尉もご存じでしょう?」

一曹「例の一個中隊失踪事件!」

一曹「あれは、偶々隣島に演習に来ていた別の中隊でした!」

一曹「つい最近には、隣島にいるはずの子供達が次々と失踪!」

一曹「全て、これらはエルフ殿の周りで起こっている事なのです!」

エルフ「……」

中尉「一曹。それは出来ぬ!」

中尉「君は、ここに残って国籍不明者達の処分の準備をしろ!」

一曹「しかし!」

中尉「一曹。私の命令が聞けないのか?」

中尉「あれは、もう以前から憲兵隊が捜査を開始しているのだ!」

中尉「伍長。何かあった時はすぐ知らせろ!」

中尉「一曹は、何かあった場合にはすぐ隣島に行け!」

中尉「良いな?」

一曹「はっ!」ビシッ

伍長「……」ビシッ

葉菜美「……」

エルフ「……」

中尉「エルフ殿。くれぐれも下手な真似はしない様に!」

中尉「私の部下に何かあった場合は、ただでは済まないぞ!」

中尉「例の消えた中尉に関しても、今の君の疑いは全く晴れてはいないのだからな!」

エルフ「ええ。分かっております!」

エルフ「大丈夫ですよ。そんな警戒をしなくても!」ニッコリ

一曹「……」

エルフ「あれについては、全くもって私は関与しておりません!」

エルフ「確か、彼らも同じ日本陸軍でしたよね?」

エルフ「あの時、私はこの島にいましたし!」

エルフ「衛星写真でも、それに関してはしっかりと証明済みのはずですが」ニコニコ

一曹「……」

中尉「だが、君の疑いはまだ晴れていない」

中尉「確か、君はここに来る前は、元米陸軍の兵士だったかね?」

中尉「以前、隣島で消えたのも我々と同じ日本陸軍!」

中尉「君の言う通り、その時の衛星写真によれば確かに君はこの島にいた!」

中尉「それに関しては、統幕も確認済み!」

中尉「だが、いくつもの大きな謎が残ったままなのだ!」

一曹「……」

金太郎「中尉。さっきから何の話をされておられるのですか?」

金太郎「こちらにいらっしゃるエルフ殿は、そんなに危険なのですか?」

エルフ「……」ニコニコ

中尉「ああ、かなり危険だ!」

中尉「君の妹並みに、結構危険な人物だったりもする!」

金太郎「!?」

葉菜美「あの、今のどう言う意味ですか?」

葉菜美「それに関する説明を、今すぐ求めたいのですが?」

中尉「……」

葉菜美「まさか、まだあの時の事を根に持っておいでで?」

葉菜美「私、普段はあんな感じじゃありませんよ!」

葉菜美「エルフさんと比べたら、まだ結構優しい方だとは思いますが!」イラッ

金太郎「……」

中尉「いや、そんな事ないだろ?」

中尉「あれ、かなり本気だったじゃないか!」

葉菜美「中尉。もう行っても宜しいですか?」

葉菜美「隣島には、私とエルフさんだけで行きます!」

葉菜美「それで、中尉は満足して頂けますか?」

葉菜美「無駄に部下を死なす事なく、私一人が犠牲になるので良いと思いますが?」ニッコリ

中尉「!?」

一曹「……」

エルフ「……葉菜美さん?」

葉菜美「……」

金太郎「葉菜美。お前、正気か?」

金太郎「下手したら、帰ってこれなくなるぞ」

中尉「……」

葉菜美「ええ、別に良いのよ!」

葉菜美「たとえ、私が死んだとしても、悲しんでくれる人は妹ちゃんくらいしかいないんだもの!」ニコニコ

金太郎「……」

エルフ「……」

一曹「中尉。どうするんですか?」

一曹「貴方の元カノ、完全に拗ねちゃってますけど」

中尉「え? ああ……」

一曹「少尉。そんな自暴自棄にならなくても」

一曹「中尉に、悪気があった訳ではありません」

中尉「……」

葉菜美「一曹。別に良いんです!」

葉菜美「私みたいながさつな暴力女は、無人島で一人勝手に死にさらせば良いんです!」

中尉「……」

一曹「でも、それは絶対に出来ない相談です!」

一曹「少尉に何かあったら、貴女のお父上に殺されるのは確実に私なんです!」

一曹「お父上、ずっと泣いてましたよ!」

一曹「ここ最近、少尉が自分に冷たいって!」

一曹「たかが、おやつのきな粉ねじりを一袋食べられたぐらいで、お父上に冷たく当たらないで下さい!」

葉菜美「……」

中尉「……」

一曹「……」

葉菜美「……」

金太郎「……」

通信兵「……」

エルフ「……」

ニート達「zzz……」

中尉「少尉。さっさと行け!」

中尉「なるべく、君が死なない様にはする!」

中尉「一曹。エルフ殿に同行しろ!」

中尉「伍長も、そのまま付いていけ!」

金太郎「はっ!」

一曹「了解致しました!」

葉菜美「……」

エルフ「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

中尉「……」

通信兵「……」

ニート達「zzz……」

中尉「……」

通信兵「……」

ニート達「zzz……」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

中尉「……?」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

中尉「なっ、何だ? あの猫は?……」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

ピタッ、ストン……

巨大猫「少し、良いかな?」

中尉「……」

通信兵「……」

ニート達「zzz……」

巨大猫「そなた、昔、猫を捨てなかったか?」

巨大猫「今の妾は、そなたの体に憑り付く無数の猫達の姿が見える」

中尉「……」

通信兵「……」

ニート達「zzz……」

巨大猫「やはり、そなたは猫を捨てておったか」

巨大猫「本当に、どうして何の罪のない猫達が捨てられたのか」

中尉「……」

通信兵「……」

ニート達「zzz……」

巨大猫「さて、早速本題に入ろう」

巨大猫「これは、かなり重要な事じゃ」

中尉「お前、一体何者だ?……」

中尉「どうして、お前の様な巨大な猫がここにいるんだ?……」

通信兵「……」

中尉「それに、何故お前は日本語を話せる?……」

中尉「お前は、本当に何者なんだ?……」

ニート達「zzz……」

巨大猫「妾は、この島に捨てられた猫達の成れの果てじゃ」

巨大猫「ここには、何年も前から住んでおる」

巨大猫「じゃから、自然と日本語も話せる」

巨大猫「妾の今からする話とは、例の消えた中隊の事じゃ」

中尉「!?」

巨大猫「そなた達は、それを聞く権利はある」

巨大猫「この島に来たのも、何かの巡り合わせ」

巨大猫「妾は、今まで大勢の兵達を見てきた」

巨大猫「皆、こことはまた違う場所まで行ってしもうたのじゃ!」

巨大猫「じゃから、これから妾が言う事をしかとよく聞け!」

巨大猫「あのエルフは、そなたらが思っている程悪い女ではない!」

巨大猫「あのエルフは、ずっとこれまで苦労し続けてきた!」

巨大猫「そなたらが思っている程、かなり酷い目に遭っていたのじゃからな!」

中尉「……」

通信兵「……」

ニート達「zzz……」

巨大猫「中尉。少し場所を移すぞ」

巨大猫「そなたは、妾に付いて参れ」

中尉「……」

スッ、ムクッ、シュタッ……

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

中尉「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ザザーーン、ザザーーン……

支援ありがとうございます。

~無人島・キャンピングカー内~

その日の夜ーー

幼馴染み「なぁ、知ってるか?」

幼馴染み「早速、死んだ奴がいるみたいだぞ」

幼馴染み「しかも、もう五人も来て早々軍に撃たれた」

幼馴染み「これ、下手したら俺達もやべえよな?」

少年「……」

銀次郎「だが、俺達はまだ大丈夫だろ?」

銀次郎「俺達はまだ、軍に殺される理由はない」

銀次郎「今回の事は、偶々だ」

銀次郎「俺達を殺すつもりなら、あの時エルフが見捨てていたさ」

少女「……」

幼馴染み「でも、お前の兄は軍にいるんだろ?」

幼馴染み「兄だけでなく、姉までいたみたいだが」

銀次郎「……」

幼馴染み「お前、何で黙ってた?」

幼馴染み「俺が聞いた話だと、お前に姉はいなかったはずなんだが」

少年「……」

幼馴染み「まさか、言いたくなかったのか?」

幼馴染み「あの姉さん。お前達となんかあったのか?」

少女「……」

銀次郎「ああ、そのまさかさ」

銀次郎「姉さんは、昔から俺や兄さんの事を嫌ってた」

幼馴染み「え?」

銀次郎「それに加え、姉さんは未だに俺達の事を恨んでる」

銀次郎「実際、あの姉さんと出会ったのは、俺の祖父が死ぬ数日前の時だった」

銀次郎「当時、姉さんは中3で俺は中1」

銀次郎「元々、俺の親父が姉さんの実の母を独身と偽って騙してて」

銀次郎「それがバレたのが、姉さんを産んですぐの後」

銀次郎「ろくに親父からは養育費すら貰えず、姉さんはずっと実の母と暮らしてたらしい」

幼馴染み「なら、何でお前の姉さんはここに来たんだ?」

幼馴染み「お前の兄とも、全く同じ職場みたいだが」

少年「……」

銀次郎「それについては、姉さんが軍に所属している看護師だからだ」

銀次郎「俺が姉さんの存在を知った時、姉さんはその亡くなる前の祖父と何度も面会」

銀次郎「今まで、親父はろくに養育費すら払っていなかった」

銀次郎「それを知った俺の祖父母や親戚達が大激怒」

銀次郎「すぐに、親父を殴り飛ばして親戚中を駆け回り、姉さん達に対して今まで未払いだった分の養育費+慰謝料等をすぐに支払わす」

銀次郎「偶々、姉さんが受かった高校が近所の進学校+実の母すら他界した後だったんでな」

銀次郎「名字も偶々同じだったし、俺の祖父母や親戚達が渋る親父の代わりに、今まで未払いだった養育費等出しあってを全て姉さん達に支払ったらしい」

少女「……」

幼馴染み「……それ、マジなんか?」

幼馴染み「お前の親父、最低過ぎるだろ……」

銀次郎「ああ、全くだよ……」ガクッ

幼馴染み「……」

少女「でも、よく実のお父さんと一緒に暮らす決断をしたよね?」

少女「普通なら、絶対嫌がられると思うのに」

幼馴染み「……」

少女「それで、何でお兄ちゃんまで恨まれてるの?」

少女「お兄ちゃんも、何かしてしまったの?」

銀次郎「……」

幼馴染み「その様子だと、何かしてたみたいだな」

幼馴染み「そりゃあ、あの姉さんに恨まれていても仕方ない事だろう」

少年「……」

銀次郎「でも、そんな俺や兄さん達とは大きく違って、母さんと妹は常に優しく接してたんだ」

銀次郎「しかも、俺の親戚全員が何故か姉さんの味方」

銀次郎「それと同時期に、兄さんが父親違いだった事が何故か判明」

銀次郎「俺の母さん、親父以外と昔不倫してたみたいでな」

銀次郎「結局、それを知って開き直った親父が母さん達に対して、すぐさま反撃を開始」

銀次郎「それが原因で、姉さんは高校生になってすぐ、相次いで母方の祖父母すら一気に亡くしてしまったんだ」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

少年「……」

少女「……」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

少年「……」

少女「……」

幼馴染み「なぁ、銀次郎……」

幼馴染み「お前んとこ、それどこの昼ドラだ?……」

幼馴染み「何なんだ? その昼ドラ成分満載なドロドロ具合は?……」

銀次郎「……」

幼馴染み「お前、本当に何やった?」

幼馴染み「あの姉さん。普通にただの被害者だろ」

銀次郎「……」

幼馴染み「お前、まさかあの姉さんにずっと恨まれてたから、ここに送られたのか?」

幼馴染み「お前の姉さん、そりゃ完全に恨むだろ!」

幼馴染み「ただでさえ、生まれた時からハードな人生を歩んでいたのに!」

幼馴染み「お前んとこ、本当に最低過ぎるだろ?」

銀次郎「……」

少女「じゃあ、今まであまり会う機会とかなかったの?」

少女「どうして、また最近になって会い始めたの?」

少年「……」

銀次郎「ただ単に、俺の親父が呼び寄せたんだ」

銀次郎「俺の親父、姉さんが軍所属の看護師になった途端に、何故か掌を返してな」

銀次郎「そんで、今更ながらも家族ごっこがしたいと、皆に対して図々しく宣言」

銀次郎「親戚中が完全に呆れ果て、それでも親父はそうするって言って聞かなかったんだ」

幼馴染み「……」

銀次郎「だから、俺は今こうしてここにいるんだろうな?」

銀次郎「あの時、親父が余計な事さえしなけりゃ、俺はここにいなかったんだ」

少女「でも、それはもう仕方のない事なんだよ!」

少女「今の私達、もう二度とここから出れないんだよ!」

少年「……」

少女「お兄ちゃん。あのお姉ちゃんに一度でも謝罪した?」

少女「まさかとは思うけど、一度も今までしてなかったとか?」

銀次郎「……」

少女「どうやら、あのお姉ちゃんに一度も謝罪した事がないみたいだね!」

少女「今のお兄ちゃん、本当に最低だよ!」

少女「どうして、そんな事をあのお姉ちゃんにしたの?」ギロッ

銀次郎「……」

少女「私、ちょっと幻滅しちゃったかな?」

少女「てっきり、とても親切で優しいなお兄ちゃんかと思ってたけど……」

少女「これは、私の単なる思い違いだったみたいだね!」ムカムカッ

幼馴染み「ああ、そうだな!」ムカムカッ

銀次郎「……」

少女「まさか、お兄ちゃんレ〇プした?」

少女「もう一人のお兄ちゃんと一緒に、あのお姉ちゃんの事をレ〇プしちゃったとか?」ムカムカッ

銀次郎「え?」ムクッ

少女「……」ジーーッ

銀次郎「……」キョトン

幼馴染み「どうやら、そこまではしてなかったみたいだな」

幼馴染み「一体、お前はあの姉さんに対して何をしでかしたんだ?」ムカムカッ

少女「……」ジーーッ

銀次郎「ただ単に、姉さんが傷つく様な悪口等を、ほぼ毎日の様に言ってた」

銀次郎「その度に、姉さんは肩を震わせずっと泣いててな」

銀次郎「それと同時に、姉さんの元に押し掛けて姉さんの所持金を何度も何度も没収」

銀次郎「昔は、兄さんと連るんでよく姉さんの事を泣かしてた」

銀次郎「たとえ、姉さんが独り暮らしを続けた後もずっとそんな感じ」

銀次郎「その度に、よく俺達二人はその奪った金額の倍+慰謝料を、母さんによって無理矢理支払わされていたんだけどな」

少女「……は!?」ギロッ

幼馴染み「お前、結構最低な事するな……」

幼馴染み「そりゃあ、そんな事してたら、ここに送られるのも無理ないわ……」ムカムカッ

銀次郎「……」

幼馴染み「それで、姉さんは姿を消したのか?」

幼馴染み「その後、軍所属の看護師になった後、姉さんはお前に対して復讐をしに来たんだな」ムカムカッ

銀次郎「……ああ、多分な」

幼馴染み「……」ムカムカッ

少女「お兄ちゃん。一度くらい、あのお姉ちゃんに謝ってきたら?」

少女「それくらいしないと、今のお兄ちゃんはとことん苦しめられちゃうよ!」ムカムカッ

銀次郎「……」

幼馴染み「銀次郎。お前、明日あの姉さんに謝罪して来い!」

幼馴染み「そんで、少しはあの姉さんから許して貰ってこい!」ムカムカッ

少女「……」ムカムカッ

銀次郎「でも、それは無理みたいだな」

銀次郎「兄さんが言うには、今日の昼間に姉さんはここを出てしまったんだ」

幼馴染み「だったら、無線か電話を使って姉さんと話をさせて貰え!」

幼馴染み「今のお前、本当によく生きてるよな?」

幼馴染み「普通なら、真っ先にお前が殺されてる!」

幼馴染み「あの姉さんの目、完全にお前達に対する復讐の炎を、ずっと燃やし続けていたぞ!」

幼馴染み「あの姉さんの目、絶対にお前の事を殺してやると言う目をしていたんだぞ!」ムカムカッ

銀次郎「……」

少女「お兄ちゃん。早く謝罪しといた方が良いよ!」

少女「じゃないと、お兄ちゃん無惨な死に方するよ!」ムカムカッ

銀次郎「!?」

少女「今ここに、誰が来てるの?」

少女「軍の兵士達がここに来てるんだから、いつ殺されてもおかしくはないんだよ!」ムカムカッ

銀次郎「……」

少女「だから、お兄ちゃんは早くあのお姉ちゃんに謝りに行って!」

少女「そして、あのお姉ちゃんの抱く恨みを消して貰ってきて!」ムカムカッ

銀次郎「で、でもな……」

少女「でも、何?」

少女「お兄ちゃん。少しは反省とかしたら?」

少女「ここに来たら、絶対に私達はもう二度と出る事が出来ない!」

少女「今まで、私は散々沢山の人達が死んでいく姿を見てきたんだよ!」ムカムカッ

銀次郎「……」

少年「ねぇ、お兄ちゃん」

少年「出来るだけ、早くにあのお姉ちゃんには謝っといた方が良いよ!」

少年「僕、あのお姉ちゃんが怖かった!」

少年「あの時のお姉ちゃんの目、いつか必ずお兄ちゃんの事を殺してあげると言う目をしちゃってたんだよ!」

銀次郎「……」

少年「だから、お兄ちゃんは早く謝りに行って!」

少年「じゃないと、いつか僕達まで完全に巻き込まれてしまう!」

少年「このまま行くと、お兄ちゃんに待つのは死あるのみ!……」

少年「もうこれ以上、誰かか目の前で死ぬのはもう見たくないかな!……」

銀次郎「……」

「なら、私が今度連絡を取ってあげるわ」

「それで、もうこの話は終わりにしても良いんじゃない?」

スッ、ガチャ……

銀次郎「!?」

少女「おっ、お姉ちゃん!?」

少年「いつからそこに!?」

幼馴染み「!?」

エルフ「……」

スッ、バタン……

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

少年「……」

少女「……」

エルフ「……」

エルフ「……」ニッコリ

銀次郎「エルフ。いつ来た?……」

銀次郎「今の俺達の話、聞いていたのか?……」

エルフ「ええ。そうよ」

幼馴染み「なら、早速連絡を取ってくれませんか?」

幼馴染み「下手したら、こいつらの兄弟喧嘩に巻き込まれそうな感じがしてしまってますから」

銀次郎「……」

エルフ「ごめん。もう既に巻き込まれてるわ」

エルフ「そうじゃなきゃ、私はあの時あんた達の事をすぐさま呼び戻そうとなんかしなかった」

銀次郎「!?」ガーーン

幼馴染み「なっ!?」ガーーン

少年「そんな!?」ガーーン

少女「酷い!?」ガーーン

エルフ「……皆、ごめん」

エルフ「これについては、完全に私の力不足だったわ……」ペコッ

少女「お……お姉ちゃん……」ウルウルッ

銀次郎「エルフ。今のどう言う事だ?……」

銀次郎「何で、俺の事を助けたんだ?……」

幼馴染み「……」

銀次郎「あんた、俺の事が嫌いなんだろ?……」

銀次郎「俺が今使ってる車、やけに欲しがっていたじゃないか……」

少年「……」ウルウルッ

エルフ「あの時は、偶々子供達がいたからよ」

エルフ「半魚人も近くにいたし、すぐに無線が通じる距離にいた」

エルフ「だから、私はあんたの事を助けた」

エルフ「ただそれだけの事よ」

少女「……」ウルウルッ

銀次郎「なら、あの船に乗っていたのが俺だけだったら?」

銀次郎「お前は、そのまま俺の事を死なせてたのか?」

エルフ「……」コクン

銀次郎「……」

エルフ「それと、あんたの姉さん、やけにあんたの事を恨んでたわね!」

エルフ「昨日の夜も、何故か私にあんたが死んだかどうかについてを、わざわざ問い合わせてきた程だから!」

銀次郎「!?」ガーーン

エルフ「だから、あんたはいずれ殺されるわ!」

エルフ「あんたの事、また罠に嵌めて始末しちゃうかも!」

エルフ「でも、これだけは言わせて!」

エルフ「ここにいる子供達だけは、絶対に巻き込まないで!」

銀次郎「……」

エルフ「今のあんた、かなり最低だわ!」

エルフ「私も、事前にあの人と何度も会っていたけど、その度にあんたに対する恨み節を言い続けていた!」

銀次郎「……」

エルフ「おまけに、わざわざこんなにお金掛けてまで、あんたの事を罠に嵌めてね!」

エルフ「本当なら、無一文の状態で放り出せば良かった!」

エルフ「わざわざ、こんな高価なキャンピングカーと一緒に、ここに送る必要なんかない!」

エルフ「私は、最初そうアドバイスだけはしといたんだけど!」

幼馴染み「じゃあ、何でこいつはこの車と一緒に?」

幼馴染み「本当に、無一文で放り出せば良かったと思いますが……」

銀次郎「……」

エルフ「ええ、そうなのよね」

エルフ「私が聞いた限りでは、他の家族にまで違和感を持たれるから、あえてわざわざこうしたんだって」

銀次郎「……」

少年「ねぇ、エルフのお姉ちゃん……」

少年「僕達は、大丈夫なんだよね?……」

少年「僕達まで、撃たれたりはしないんだよね?……」ウルウルッ

少女「……」ウルウルッ

少年「僕達、あのお姉ちゃんには何もしてないよ……」

少年「今の僕達、物凄く怖いんだけど……」ウルウルッ

少女「……」ウルウルッ

エルフ「ええ、それについては大丈夫よ」

エルフ「今のあんた達は、私がそうさせない様にしてもあるから」ニッコリ

幼馴染み「なら、俺達は問題ないんですね?」

幼馴染み「俺達、このまま生きてて良いんですよね?」

少年「……」ウルウルッ

エルフ「ええ、良いわよ」

エルフ「命の保障は、絶対にとは出来ないけど」ニコニコ

少女「……」ウルウルッ

幼馴染み「なら、俺はこいつと一緒にいる!」

幼馴染み「こんな奴でも、俺の幼馴染みだ!」

幼馴染み「そう簡単に、こいつを見放せるわけがねぇ!」

銀次郎「!?」チラッ

幼馴染み「……」

エルフ「後、あの人が次ここに来るのは、確か一週間後よ」

エルフ「ただ単に、今日も昨日も仕事でここに来ていただけ」

エルフ「大体、次ここに来るまで一週間は掛かるみたいなのよ」

エルフ「それまで、あんたちゃんと生き残れる?」

幼馴染み「なら、その時まで謝罪の言葉を考えとかないとな!」

幼馴染み「そうじゃなきゃ、絶対に後で後悔する事になるぞ!」

銀次郎「……」

幼馴染み「銀次郎。もう腹をくくれ!」

幼馴染み「もうここまで来たら、逃げてても全く意味がない!」

銀次郎「……」

エルフ「とりあえず、子供達は順番にシャワーを浴びて寝なさい!」

エルフ「私は、もう隣島に戻る!」

エルフ「向こうにも、沢山の子供達がいるからね!」

エルフ「こっちにいる子供達のお守り、あんた達はしっかりと頼むわね!」

幼馴染み「はっ!」ビシッ

少年「お休みなさい……」フキフキ

少女「また、明日ね……」フキフキ

エルフ「うん。それじゃあね」ニッコリ、スッ

シューーーーッ、シュン……

数時間後ーー

少年「zzz……」

少女「zzz……」

銀次郎「……」

少年「zzz……」

少女「zzz……」

銀次郎「……」

ムクッ、スッ、パチッ……

少年「zzz……」

少女「zzz……」

銀次郎「……」ジーーッ

スッ、ブチッ……

銀次郎「まだ、十一時なのか……」

銀次郎「案外、まだそんな時間が経っていないんだな……」

銀次郎「はぁ……」

ザザッ、ザザッ……

銀次郎「……?」

ザザッ、ザザッ……

スッ、カチッ……

銀次郎「はい……」

無線「銀次郎。まだ起きてたのか?」

無線「明日も早いんだから、早くお前も寝といた方が良いぞ」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「銀次郎。聞こえてるか?」

無線「俺だ。半魚人だ」

銀次郎「……何の用だ?」

ザザッ……

無線「ただ単に、お前んとこの明かりが見えたから、確認をしたんだ」

無線「幼馴染みが、お前の事をやけに心配していたぞ」

ザザッ……

無線「お前、あの看護師の女と昔なんかあったらしいな」

無線「あの女、かなりヤバイ感じがする!」

無線「見た目に反して、あのエルフ同様に結構ヤバイ!」

無線「あの女、何人かこの島に来たばかりの新入り達の始末に、何故か関わってやがった!」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「おい、銀次郎。聞いているか?」

無線「もしくは、もう寝ちまったのか?」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「おい、まさか、マジで寝ちまったか?」

無線「生憎、巨大猫は留守なんでな」

無線「そんで、話し相手がお前ぐらいしかいねぇんだわ」

銀次郎「……」

ザザッ……

銀次郎「いや、まだ起きてるよ」

銀次郎「ちょっと、別のベッドで寝てる子供達の様子を見ていただけだ」

少年「zzz……」

少女「zzz……」

ザザッ……

無線「そうか」

無線「子供達は、もう寝てるのか?」

無線「幼馴染みは、今そこにいるのか?」

少年「zzz……」

少女「zzz……」

ザザッ……

銀次郎「いや、いねえよ」

銀次郎「あいつ、今自分のテントにいるはずじゃないのか?」

銀次郎「まさか、あいつテントの中にいないのか?」

ザザッ……

無線「ああ、そのまさかだよ……」

無線「あいつ、一人でどっか行方眩ましやがった……」

銀次郎「!?」

ザザッ……

無線「今さっき、他の新入り達の方も見てきた……」

無線「巨大猫も、あいつの事を今探してる……」

無線「あいつ、何故か無線の呼び掛けにも出なくってな……」

無線「そんで今、エルフ達と共に探してんだわ……」

銀次郎「……」

ザザッ……

銀次郎「まさか、あいつが脱走?……」

銀次郎「もしくは、もう消されちまったとか?……」

ザザッ……

無線「さぁ、分からんな……」

ザザッ……

無線「こちら、エルフ。ターゲット発見!」

無線「あいつ、ただ単に夜釣りに行っていたわ!」

無線「今、私が現在地を確認!」

無線「本当に、人騒がせな奴だったわ!」

銀次郎「……は?」

ザザッ……

無線「こちら、半魚人。どう言う事だ?」

無線「夜間外出は、もう以前から禁じられていたはずだが?」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「さぁ、あのバカに文句言って!」

無線「あのバカ、無線の電池すら切らしてるみたいなのよ!」

無線「今、巨大猫をあのバカの所に向かわせた!」

無線「しかも、呑気に大物を釣り上げていたわ!」

ザザッ……

無線「こちら、半魚人。了解した!」

無線「早速、現地に向かう!」

無線「今現在のあいつの位置は?」

無線「早く、この俺にも伝えてくれ!」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「こちら、エルフ。それちょっと無理」

無線「この無線、軍の奴等にも聞かれてると思う」

無線「だから、正確な位置は教えられない」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「銀次郎。お前、まだ起きてんのか?」

無線「さっさと、寝やがれよ」

無線「せっかく、今日は夜釣りを楽しんでいたのに!」

ザザッ……

無線「お前、本当に知らなかったのか?」

無線「今日の件で、お前も俺も夜間外出禁止になってるんだが」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「いや、知らねえよ……」

無線「夜間外出禁止なんて、今さっき初めて聞いたんだが……」

無線「あれ、銀次郎だけじゃねぇの?」

無線「俺は、そんな風にエルフさんからは聞いてたんだが」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「あんた、ちゃんと話聞いてた?」

無線「食事前にそう言っといたでしょ!」

無線「あんた達、軍が出るまでの一週間の間は夜間外出禁止!」

無線「それくらい、ちゃんと覚えときなさい!」

ザザッ……

無線「はいはい、すいませんでした!」

無線「至急、そっちに戻りますよ!」

無線「後、釣った魚とかは没収しないで下さいね!」

無線「これ、俺がせっかく苦労して釣った魚なんですから!」

無線「誰かに奪われるなんて、真っ平ごめんですからね!」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「ああ、もう分かった分かった!」

無線「さっさと、あんたは早く戻ってきなさい!」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「ええ、分かってますよ!」

無線「今から片付けて、そっちに戻りますよ!」

無線「それで、文句ないですか?」

ザザッ……

無線「ええ、それで良いわ!」

無線「あんたは、早く戻ってきなさい!」

無線「半魚人、あんたは銀次郎とこの警備!」

無線「いつ、また軍が発砲してくるか分からないから、銀次郎のとこの回りを警備しといて!」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「了解した」

無線「銀次郎。良いな?」

ザザッ……

銀次郎「ああ、良いぜ」

銀次郎「なるべく、静かにな」

ザザッ……

無線「ああ、了解した」

無線「ついでに、あいつのテントも警備しといてやる」

ザザッ……

無線「銀次郎。後で魚冷やさせてくれ」

無線「魚、何故か大量に釣れちまった」

無線「だから、後で冷蔵庫貸してくれ」

ザザッ……

銀次郎「ああ、構わないぞ」

銀次郎「お前のさっさと早く戻ってこい」

ザザッ……

無線「おう。了解した」

無線「少し時間が掛かるから、まだ起きといてくれ」

ザザッ……

銀次郎「了解」

銀次郎「早く、戻ってこいよ」

ザザッ……

無線「ああ、分かってるさ」

ザザッ……

無線「銀次郎。明日から新入りの試練やるから、ちゃんとやってね」

無線「それやんなきゃ、あんた死ぬわよ」

無線「まだ、生きていたいんでしょ?」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「あんた、まだ日本に帰る事を諦めてないみたいだけど、それ絶対に無理」

無線「今来てる奴等が出払った後、今度は定期的に違う奴等が巡回をする」

無線「明日から、ngoと記者は日本に戻るから」

無線「なんか、あの二人は定期的に日本に戻らなくちゃいけないみたいでね」

無線「たとえ、ngo達がいなくなっても、あんた達の待遇には変わりない!」

無線「それだけは、絶対に覚えといてよね!」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「ああ、了解した」

数十分後ーー

幼馴染み「いやぁ、悪い悪い」

幼馴染み「何分、急に魚が食いたくなってな」

幼馴染み「そんで、巨大猫と一緒に帰ってる途中に、お前の兄さんとばったり会った」

幼馴染み「お前の兄さん、今日は不寝番らしくってな」

幼馴染み「それで、ついでにここまで送ってきて貰ったんだわ」

巨大猫「……」

銀次郎「そうか。そりゃあ良かったな」

銀次郎「釣った魚、どれだけある?」

銀次郎「この冷蔵庫に、ちゃんと入りきれるのか?」

半魚人「……」

幼馴染み「ああ、多分大丈夫だ」

幼馴染み「ちょっと、魚が20匹いるだけだ」

銀次郎「!?」

金太郎「……」

幼馴染み「そんで、お前何食ってんだ?」

幼馴染み「こんな時間に、カロリーメイト食ってんのか?」

銀次郎「ああ、まあな」

幼馴染み「……」

銀次郎「お前、魚入れた後、カロリーメイト持ってけ」

銀次郎「今のお前、半魚人化してきてる」

銀次郎「このまま行くと、魚づくしになるぞ」

銀次郎「もしくは、mreでも構わない」

銀次郎「ちゃんと、魚介類以外を食え」

幼馴染み「!?」

半魚人「ああ、そうだな」

半魚人「まさか、ここに来てすぐこうなっちまうとは」

半魚人「今まで、その症状が出るのは8日目から」

半魚人「今回の場合は、少し早かったな」チラッ

巨大猫「うむ」コクン

幼馴染み「じゃあ、何か?」

幼馴染み「この俺も、いずれ今そこにいる半魚人みたいになってしまうのか!?」

幼馴染み「そんなの俺、絶対に嫌だぞ!」

幼馴染み「軍の奴等に、生きた的として撃たれるのなんて、絶対に嫌なんだぞ!」

金太郎「……」

半魚人「だが、まだ救いはある」

半魚人「今のお前は、ちゃんと魚以外なものを食え」

半魚人「そうすれば、次第に半魚人化が緩やかになる」

半魚人「ちゃんと、魚介類以外のものを食っておけば、今の俺みたいには絶対になりはしない」

幼馴染み「……」

銀次郎「幼馴染み。明日の朝、mreをいくつかやる」

銀次郎「それ食って、元気出せ」

銀次郎「今のお前、半魚人なんかには絶対になりたくはないんだろ?」

幼馴染み「ああ、そうだ」

半魚人「……」

銀次郎「お前、mreレーションいくついる?」

銀次郎「ついでに、カレーも付けとくか?」

幼馴染み「ああ、すまん」

半魚人「……」

銀次郎「後、カロリーメイトに乾パン、お前好きか?」

銀次郎「今度の配給の日、いつか知らないがワクチンをついでに支給して貰え」

幼馴染み「……」

金太郎「銀次郎。俺は、もう行くな」

金太郎「他の奴等の監視も、何故かしなくちゃいけなくなっちまったからな」

銀次郎「ん? そうなのか?」

金太郎「ああ、そうなんだよ」

金太郎「どっかのバカが、この島をマジで出ようとしてたんだよ」

金太郎「おかげで、皆、起きちまった」

金太郎「増援が来るまで、完全に徹夜だよ」

銀次郎「……」

金太郎「とりあえず、俺は行くな」

金太郎「ここにいたら、お邪魔みたいだから」

金太郎「後、お前、葉菜美には十分気を付けな」

金太郎「あいつ、他にも何か仕掛けてる」

金太郎「だから、お前も夜道には気を付けろ」

金太郎「あのエルフとか言う管理者同様、ウチの上曹が言うにはかなり色々とヤバイらしいからな」

銀次郎「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

半魚人「じゃあ、俺も戻る」

半魚人「お前ら、気を付けてな」

銀次郎「ああ、すまん」

幼馴染み「世話になった」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

巨大猫「銀次郎。今宵は、ここの前で寝泊まりをする」

巨大猫「何かあったら、すぐに知らせよ」

銀次郎「ああ、了解した」

巨大猫「それと、あの葉菜美とか言う女は悪い奴ではない」

巨大猫「妾からしてみたら、よく妾に貢ぎ物を持参してくる者の一人」

巨大猫「じゃから、何も心配するでない」

銀次郎「ああ、了解した」

巨大猫「良い夢を」

銀次郎「ああ、お休む」

ガラガラガラッ、バタン……

ガチャ、シャーーーーッ……

銀次郎「とりあえず、今から寝直すか」

銀次郎「明日もはやいみたいだし」

少年「zzz……」

少女「zzz……」

~備蓄食料~

・mreレーション(米軍個人携行食)×23→22
・mre補助増加食(パン)×23→22
・カップヌードル×0→18
・カロリーメイト×0→18
・レトルトカレー×0→29
・白米(200g)×0→29
・乾パン×0→8
・天然水2l×0→24

※エルフ達に没収された食料は、全て銀次郎の元に返還される。

~無人島・崖~

上陸四日目・昼ーー

半魚人「……」

半魚人「……」

半魚人「……」

半魚人「……」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

半魚人「……」

半魚人「……」

半魚人「……」

半魚人「……」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

巨大猫「おおっ、ここだったか」

巨大猫「そなた、もう昼時じゃぞ」

半魚人「……」

巨大猫「そなた、妾の声が聞こえとるか?」

巨大猫「もしくは、もう言葉すら分からぬのか?」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

巨大猫「まぁ、良い」

巨大猫「もしそうなった場合は、妾がこの手で食ってやる」

巨大猫「じゃから、そなたもどうか安心致せ」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

半魚人「ん? 巨大猫か?」

半魚人「もう、昼の時間なのか?」

巨大猫「ああ、そうじゃ」

トコトコトコッ、ピタッ……

半魚人「悪い、少し考え事をしていた」

半魚人「まぁ、遥か昔の事でもあるんだがな」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

巨大猫「して、考え事とは?」

巨大猫「まさか、昨夜の事を気にしとるのか?」

半魚人「……」

巨大猫「あ奴等の言う事、あまり真に受けるな」

巨大猫「そなたは、もう立派な半魚人なのじゃぞ」

スッ、ストン……

半魚人「だが、俺は元は人間だった!」

半魚人「俺と一緒にいた仲間達は、元は俺と同じ人間だ!」

巨大猫「……」

半魚人「未だに、俺はどうしてあんな実験に参加したのかが、全く分からない!」

半魚人「あの時、俺と一緒にいた仲間達は、皆、俺を残して死んでいった!」

半魚人「更には、消えた中尉に消えた中隊?……」

半魚人「実際は、そいつらもただの人体実験の所為で、全て消失!」

半魚人「それがどうして、全部エルフの所為にされてるんだ!?」

巨大猫「……」

巨大猫「そなた、ずっと悩んでいたのか?」

巨大猫「そなたは、この島を出たかったのか?」

半魚人「ああ、そうだ!」

巨大猫「じゃが、それは無理な相談じゃぞ」

巨大猫「今のそなたは、絶対にこの島からは出れん」

半魚人「……」

巨大猫「じゃから、そなたもあ奴等に嫉妬するな」

巨大猫「嫉妬すればする程、そなたが虚しくなるだけじゃ」

巨大猫「それに、エルフが無実なのはそなたも知っておるはず」

巨大猫「あの女は、昔から周囲に敵を作るのに長けた女」

巨大猫「それについては、もうどうしようもない」

巨大猫「今のそなたがどんだけ足掻こうが、もうどうしようもないのじゃ」

半魚人「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

半魚人「だが、俺は本当にどうすれば良いのかが、全く分からない!」

半魚人「あいつらを見れば見る程、人間に戻りたくなる!」

巨大猫「……」

半魚人「俺は、軍人として祖国の為に戦う覚悟だった!」

半魚人「祖国の為に、最後の一兵となっても戦い続ける!」

半魚人「俺は、軍人となった時にそう誓った!」

半魚人「内外の敵から、祖国を守るとそう誓っていたのに!」

巨大猫「……」

半魚人「だが、この今の俺の有り様は一体何だ!?」

半魚人「何で、俺の体はここまで変化してしまったのか!?」

巨大猫「……」

半魚人「おまけに、真実を知らぬ同僚達が次々と半魚人化した仲間を、すぐに何故か射殺!」

半魚人「結局、最後まで生き残ったのは、この俺のみ!」

半魚人「俺達が祖国の為に尽くした意味が、全くないじゃないか!」

半魚人「何の為に、俺達は半魚人にまでされたんだ!?」

巨大猫「そなた、少し声が大きい」

巨大猫「そなたが叫べば叫ぶ程、そなたの正体がバレる」

巨大猫「今のそなたは、半魚人なのじゃぞ」

巨大猫「もう二度と、せなたは人間には戻れないのじゃ」

半魚人「……」ガクッ

巨大猫「……」

半魚人「……」

巨大猫「もし、そなたが……」

巨大猫「人間に戻れたら何をしたい?」

巨大猫「やはり、祖国に帰りたいのか?」

巨大猫「今のそなたも、祖国に帰りたいとそう願ってるのか?」

半魚人「ああ、まあな」

巨大猫「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

半魚人「なぁ、巨大猫」

半魚人「お前は、祖国に帰りたいと思った事はあったか?」

半魚人「お前も、一度くらいは生まれ故郷に戻りたいと、そう願ってたんじゃないのか?」

巨大猫「……」

半魚人「お前、生まれ故郷に身内は?」

半魚人「もしくは、もういないみたいだな」

巨大猫「ああ、そうじゃな」

半魚人「お前はお前で、かなり苦労してるんだな」

半魚人「なんか、昔実家で飼ってた猫に慰められている様な気分なんだわ」

巨大猫「……」

半魚人「でも、どうして祖国は俺達の現状を知らせてない?」

半魚人「まさか、何も知らせずにそうしてるのか?」

半魚人「俺達が、元は人間だったとは、完全に色々と伏せてるみたいだな」

巨大猫「……」

パキッ……

半魚人「それで、俺はどうすれば良い?」

半魚人「このまま、半魚人として一生を終えるか?」

半魚人「それとも、人間に戻るのか?」

巨大猫「……」クルッ

中尉「……」ヌッ

半魚人「けど、そう簡単には人に言えないだろ」

半魚人「お前も俺も、昔から色々と苦労してきた」

半魚人「まさか、あの時の生き残りがまだいるとは、祖国も知らない」

半魚人「今この場で知っているのは、俺達三人以外には全く知らないんだからな」クルッ

中尉「!?」

巨大猫「……」

半魚人「……」

中尉「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

半魚人「お前、いつから聞いてた?」

半魚人「まさか、最初から聞いてたんじゃねぇだろうな?」

中尉「……」

半魚人「お前、覚悟は出来てんのか?」

半魚人「俺達の秘密知られたからには、生きて返す事は出来ない」

中尉「……」

スッ、ムクッ……

中尉「……」

スッ、パツン、ギュッ……

巨大猫「止めんか! 二人共!」

巨大猫「今ここで、殺しあっても意味がない!」

半魚人「……」

中尉「……」

巨大猫「……」

カチャ、スッ……

中尉「おい、お前ら!」

中尉「それ以上、近づいたら撃つ!」

中尉「俺は、本気だぞ!」

半魚人「……」

中尉「お前、本当にあの時の生き残りなのか?」

中尉「それなら、何故そんな醜い姿になっている?」

巨大猫「……」

半魚人「お前、俺が撃てるか?」

半魚人「消えた中隊の行方、知りたくはないのか?」

中尉「……」

半魚人「今なら、撃つ前に全部話してやるぞ!」

半魚人「だから、それが終わった後にこの俺の事を殺せ!」

巨大猫「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

半魚人「ん? どうした?」

半魚人「俺の話、今のお前は聞きたくないのか?」

中尉「……」

半魚人「なら、仕方ないな」

半魚人「このまま、お前に殺されるとしよう」

半魚人「せっかく、消えた中隊の行方を教えてやろうと思ったのに」

半魚人「俺の仲間達は、向こうで元気しているのやら」

巨大猫「……」

スッ、カチャ……

シュッ、パツン……

半魚人「……」

巨大猫「……」

中尉「……」スッ

一曹「……」ガサッ

兵士達「……」ガサッ

半魚人「ほう?」

半魚人「武装した一個小隊がお出ましか?」

半魚人「今は、全て89式を使ってるんだな」

兵士達「……」カチャ

半魚人「それで、俺の事をどうする?」

半魚人「このまま、射殺するか?」

半魚人「それとも、ここで拘束してしまうのか?」

巨大猫「……」

半魚人「まぁ、今の俺はどっちでも構わん」

半魚人「もうここらで、この俺の人生に幕を閉じたい」

半魚人「それが出来るのなら、もうどうなっても良い!」

半魚人「最後は、お前達の生きた的として、望み通りにすぐさま死んでやるよ!」

兵士達「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

一曹「中尉。どう致しますか?」

一曹「この半魚人、この場で処分致しますか?」

半魚人「……」

中尉「いや、その必要はない!」

中尉「彼には、色々と聞きたい事がある!」

中尉「一曹、彼を拘束しろ!」

中尉「そこの化け猫は、そのまま放置しておけ!」

一曹「はっ!」

半魚人「……」

巨大猫「半魚人」

半魚人「……」コクン

巨大猫「……」コクン

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、スッ、カチャ……

兵士達「……」カチャ

一曹「xxx元中尉。貴方を拘束します!」

一曹「腕を後ろにして、反対を向けて下さい!」

半魚人「……」

クルッ、スッ……

スッ、カチャ、カチャ……

一曹「中尉。拘束完了致しました!」

一曹「次は、どう致しますか?」

半魚人「……」

中尉「xxx元中尉。暫くの間、貴方を拘束させて頂く!」

中尉「貴方には、まだ色々と聞きたい事がある!」

中尉「一曹、彼を本部に!」

中尉「それが済んだら、彼の事を解放してやれ!」

一曹「はっ!」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

一曹「巨大猫。少し、彼を借りる」

一曹「安心しろ。彼は殺さない」

一曹「今の彼は、殺してはならない決まりとなっているのだからな」

半魚人「……」

巨大猫「して、いつ程縄を解くのじゃ?」

巨大猫「出来れば、早めにあ奴の縄を解いて貰いたい」

半魚人「……」

中尉「安心しろ。話さえ聞ければ、すぐに解放する!」

中尉「一曹、彼を連れて行け!」

中尉「そう、エルフにもすぐに連絡をしろ!」

一曹「はっ!」

半魚人「……」

巨大猫「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

一曹「さぁ、歩け」

一曹「我々は、貴方を殺すつもりはない」

一曹「だから、早く歩くんだ」

半魚人「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

中尉「……」

巨大猫「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

中尉「では、失礼する」

巨大猫「ご苦労じゃった」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

一曹「……」ペコッ

巨大猫「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

ムクッ、スッ、ノビィーーーーッ……

シュタッ、シュタッ……

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

クルッ、トコトコトコッ……

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

ピタッ……

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「さて、妾も戻るとするか」

巨大猫「あ奴は、予定通りに行きおったし」

巨大猫「波はいつも通りで、海鳥は泣く」

巨大猫「これはこれで、結果オーライじゃな」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ……

~無人島・キャンピングカー前~

その頃ーー

エルフ「あんた達、それ食べてて飽きない?」

エルフ「もう既に、四箱目だと思うけど」

銀次郎「……」ポリポリ

幼馴染み「……」ポリポリ

エルフ「と言うか、何で今日は二人してカロリーメイトをかじってるの?」

エルフ「そんなに、それ美味しいの?」

銀次郎「……」ポリポリ

幼馴染み「……」ポリポリ

エルフ「まさか、あんた達何か言われたの?」

エルフ「まさかとは思うけど、半魚人化し掛けてきたから、無理に食べてるとか?」

銀次郎「……」ピタッ

幼馴染み「……」ピタッ

エルフ「……」

エルフ「まさか、本当に半魚人に?」

エルフ「それで、二人して朝からそう必死なんだ」

銀次郎「……」ポリポリ

幼馴染み「……」ポリポリ

エルフ「でも、それを無理に食べるくらいなら、ワクチンをすぐに打ったら?」

エルフ「ワクチンを打ったら、すぐに半魚人化が止まる」

エルフ「場合によっては、あんた達の半魚人化止めてあげても良いわよ」

エルフ「だから、一旦食べるのを止めて私の話を聞きなさい」

銀次郎「!?」ピタッ

幼馴染み「!?」ピタッ

エルフ「……」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

エルフ「……」ニッコリ

スッ、ストン……

銀次郎「それで、話って言うのは?」

銀次郎「どうしたら、俺達の半魚人化を止めれるんだ?」

幼馴染み「……」

銀次郎「あんた、何企んでる?」

銀次郎「今度は、一体俺達に何をさせるつもりなんだ?」

幼馴染み「……」

エルフ「ただ単に、あんた達の股間を見せて貰うだけよ」

エルフ「まずは、股間から半魚人化がすぐに進んでしまうの」

銀次郎「!?」ガーーン

幼馴染み「そんな!?」ガーーン

エルフ「……話、続けて良い?」

エルフ「別に嫌なら、あんたの姉が来る日に診て貰うけど」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

エルフ「……」

エルフ「やっぱり、私みたいな悪女は嫌みたいね」

エルフ「私みたいな年増、この場で汚す価値すらないんだ」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

エルフ「以前、ここにいた奴等も皆半魚人になったわ」

エルフ「この私にすぐに股間を見せずに、皆がそのまま放置」

エルフ「最短でも一ヶ月で、そいつらは半魚人と化した」

エルフ「ここであんた達を止めなきゃ、子供達まで被害に遭うんだけどなぁ」

銀次郎「……」チラッ

幼馴染み「……」チラッ

銀次郎「……」チラッ

幼馴染み「……」チラッ

エルフ「早く、言って頂戴」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

エルフ「それで、見せてくれるの?」

エルフ「今のあんた達、このまま半魚人になりたいの?」

銀次郎「……」ブンブン

エルフ「別に、このままあんた達が半魚人になりたいのなら、私は止めないわよ」

エルフ「今のあんた達、本当に生きる価値すらない」

エルフ「別に、子供達を守れるんだったら、あんた達の事をすぐ始末しても良い」

エルフ「嫌なら、私自らこの手で始末してあげれるけど」

幼馴染み「……」ブンブン

エルフ「なら、早くあんた達股間見せなさい」

エルフ「子供達は、隣島で検診を受けているわ」

エルフ「なんか、今日は朝から調子が悪いらしくってね」

エルフ「向こうで、診察をして貰ってるのよ」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

スッ、ムクッ……

ジーーッ、ポロン……

銀次郎「……」

ジーーッ、ポロン……

幼馴染み「……」

エルフ「あんた達、そのままじっとしてなさい」

エルフ「今から、私が診てあげるから」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

スッ、シュタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、クルッ……

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

エルフ「キモッ!」

エルフ「これ完全に、もう手遅れじゃない!」

エルフ「何で、もっと早くに言わなかったの?」

エルフ「これじゃあ、確実に手の施しようがないわ!」

銀次郎「!?」ガーーン

幼馴染み「!?」ガーーン

エルフ「……」

カァ、カァ、カァ……

エルフ「これ、いつからなっていたの?」

エルフ「あんた達、何で早くに言わなかったの?」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

エルフ「まさか、射殺されるのが怖かったとか?」

エルフ「それが原因で、あんた達は今まで隠してた?」

エルフ「それで、良いのよね?」ギロッ

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

エルフ「……」ジーーッ

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

エルフ「……」ジーーッ

ザザッ、ザザッ……

スッ、カチッ……

エルフ「こちら、エルフ」

エルフ「何かあったの?」

ザザッ……

無線「こちら、日本陸軍。管理者のエルフで間違いないな」

ザザッ……

エルフ「ええ、そうだけど」

エルフ「何か、問題でも?」

ザザッ……

無線「少し、そちらの半魚人の身柄を預からせて貰う」

無線「彼には、色々と聞きたい事がある」

無線「何故なら、彼はこの島の事にはやけに詳しい」

無線「いつどこで、また再び脱走者が出るかわからないので、彼にはそれについてで協力をして貰う」

銀次郎「……」ウルウルッ

ザザッ……

エルフ「こちら、エルフ。了解した」

エルフ「話は、それだけ?」

エルフ「至急、医療班を寄越して頂戴!」

エルフ「子供達二人に続いて、感染者二名が増えちゃったわ!」

幼馴染み「……」ウルウルッ

ザザッ……

無線「こちら、日本陸軍。どう言う事だ?」

無線「彼らも、半魚人化しだしているのか?」

ザザッ……

エルフ「ええ、そのまさかよ!」

エルフ「つい先程、あいつらの生殖器から感染を確認!」

エルフ「これ、やけにスピードが早いわ!」

エルフ「もう既に、生殖器全体が赤の鱗模様に変化してきてる!」

エルフ「あの子供達同様に、かなり事態が深刻化してきてるわよ!」

銀次郎「……」ウルウルッ

ザザッ……

無線「こちら、日本陸軍。了解した」

無線「至急、部下を向かわせる」

無線「エルフ殿自身に、感染の様子は?」

無線「エルフ殿は、感染してるのか?」

幼馴染み「……」ウルウルッ

ザザッ……

エルフ「いいえ」

ザザッ……

無線「なら、エルフ殿はこの島をすぐに離れて下さい!」

無線「ここは、私達が対処致します!」

ザザッ……

エルフ「了解!」

銀次郎「!?」ウルウルッ、ガーーン

幼馴染み「!?」ウルウルッ、ガーーン

エルフ「……」

スッ、カチッ……

クルッ、スタスタスタッ……

銀次郎「あんた、俺達の事を見捨てるのか?」

銀次郎「これ、どうやったら直るんだ?」ウルウルッ

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

銀次郎「頼む、俺達の事を見捨てないでくれ!」

銀次郎「今の俺達、マジで半魚人になんかなりたくない!」ウルウルッ

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

銀次郎「頼む、頼むよ!」

銀次郎「あんただけは、俺達の事を見捨てないでくれ!」ウルウルッ

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

銀次郎「頼む、助けてくれ!」

銀次郎「頼むから、俺達を今すぐ助けてくれ!」ウルウルッ

ピタッ、クルッ……

エルフ「……」ニッコリ

シューーーーッ、シュン……

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

ピタッ、キョロキョロ……

巨大猫「そなた達、エルフを知らぬか?」

巨大猫「何故、股間を露出したまま立っておる?」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

巨大猫「そなた達、その股間の色はどうしたのじゃ?」

巨大猫「その症状、一体いつからそうなったのじゃ?」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

巨大猫「ほれ、泣いてばかりじゃ何も分からん」

巨大猫「ささっ、早くもうしてみよ」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

ダダダダダダッ、ダダダダダダッ……

巨大猫「む?」ハッ

ダダダダダダッ、ダダダダダダッ……

巨大猫「……」

ダダダダダダッ、ダダダダダダッ……

巨大猫「……」

ダダダダダダッ、ダダダダダダッ……

ピタッ、ピタタタッ……

カチャカチャカチャ、カチャカチャカチャ……

一曹「全員動くな!」

一曹「両手を頭の上に! 早く置け!」

兵士達「……」

巨大猫「……」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

一曹「早くしろ!」

スッ、ササッ、ササッ……

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

巨大猫「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、ピタッ……

一曹「失礼。日本陸軍の者だ!」

一曹「感染者二人とは、この二人なのか?」

銀次郎「……」ウルウルッ

巨大猫「ああ、その様じゃな」

巨大猫「そなた達は、こ奴等をの事をどうするつもりなのじゃ?」

幼馴染み「……」ウルウルッ

一曹「これから、この者達を隔離する!」

一曹「もう二度と、彼らはこの島から出る事は出来ない!」

巨大猫「……」

一曹「おい、お前、エルフを見なかったか?」

一曹「エルフは、もう既に脱出した後か?」

銀次郎「……」ウルウルッ、コクン

一曹「そうか、それは良かった!」

一曹「これで、この二人は隔離されたも同然と言う事だ!」

幼馴染み「……」ウルウルッ

一曹「巨大猫。今から我々と共に島を脱出せよ!」

一曹「向かう先は、隣島だ!」

一曹「お前もすぐに、ここを立ち去るが良い!」

銀次郎「……」ウルウルッ

巨大猫「む? 妾もか?」

巨大猫「妾も、隣島に移れと言うのか?」

一曹「ああ、そうだ!」

幼馴染み「……」ウルウルッ

巨大猫「うむ。しかと承った」

巨大猫「妾も、ここを移動する事にしよう」

巨大猫「先に、妾は隣島に向かっておる」

巨大猫「では、隣島で待っておるぞ」

一曹「ああ、了解した」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

一曹「総員、撤退だ!」

一曹「感染者二人は、そのまま放置しろ!」

一曹「我々は、再びキャンプにまで撤退!」

一曹「速やかに、撤退をしろ!」

兵士達「はっ!」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

一曹「全隊、回れ右!」

クルッ、ビシッ、ビシッ……

一曹「前へ!」

ストトトトトッ、ストトトトトッ……

ストトトトトッ、ストトトトトッ……

巨大猫「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

~隣島・エルフのキャンピングカー前~

その日の夜ーー

スタッフ「エルフさん。食事の準備が出来ました(英語)」

スタッフ「子供達に、順番に配っていきますね(英語)」

エルフ「ええ、お願い(英語)」

スタッフ「所で、あの巨大な猫は何なんですか?(英語)」

スタッフ「何故か、エルフさんのキャンピングカーの前から離れていないのですが(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「ああ、あの子?(英語)」

エルフ「あの子は、別に良いのよ(英語)」

エルフ「私と同じで、流されてきた者(英語)」

エルフ「だから、今日からウチで引き取る事にしたわ(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「それで、今日のメニューは?(英語)」

エルフ「また、mreレーション?(英語)」

スタッフ「ええ、そうです(英語)」

スタッフ「あの子達には、mreレーションを与え続けています(英語)」

スタッフ「ですが、本当に宜しかったのですか?(英語)」

スタッフ「メニューが違うとは言え、mreレーションばかり食べさせていますが(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「ええ、構わないわ(英語)」

エルフ「彼らは、親に捨てられた挙げ句に国にまで捨てられた(英語)」

エルフ「今のあの子達には、戸籍なんてない(英語)」

エルフ「だから、ウチで訓練をして立派な傭兵になって貰うのよ(英語)」

巨大猫「……」

スタッフ「ですが、捜査当局が動き始めました(英語)」

スタッフ「いずれ、ここがバレるのも時間の問題です(英語)」

スタッフ「つい先程、この辺上空を無人機が通過(英語)」

スタッフ「いつ、捜査当局が踏み込んでくるかが全く分からない状態です(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「その時は、あの子達をあそこに送れば済む話だわ(英語)」

エルフ「今のあの子達、本当に可哀想(英語)」

エルフ「だから、私が住む場所をあげた(英語)」

エルフ「それが、一体何の問題があるのかしら?(英語)」

スタッフ「……」

巨大猫「エルフ。そなた、何を企んどる?(英語)」

巨大猫「まさか、あ奴等の事も後で消し去るのか?(英語)」

巨大猫「今のそなた、何を企んでおる?(英語)」

スタッフ「!?」

エルフ「別に、あの子達を今後どうするかについては、この私の勝手でしょ?(英語)」

エルフ「彼らは、この私には手出し出来ない(英語)」

エルフ「それは、彼らの方も分かっているはず(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「今更、捜査当局が何?(英語)」

エルフ「一体、彼らに何が出来ると言うの?(英語)」

巨大猫「エルフ。その時は、妾も共に送れ(英語)」

巨大猫「むしろ、島ごと消し去ってみるのはどうじゃ?(英語)」

スタッフ「……」

巨大猫「まぁ、それをするのは妾達が追い詰められた時に限る(英語)」

巨大猫「いずれ、ここにも追っ手が向かってこよう(英語)」

巨大猫「じゃから、それまでの間に体制を整えておくのじゃ(英語)」

エルフ「ええ、そうね(英語)」

スタッフ「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ビシッ……

スタッフ2「エルフさん。食事の用意が整いました(英語)」

スタッフ2「これより、子供達に配り始めます(英語)」

エルフ「ええ、お願い(英語)」

スタッフ2「あの、エルフさん。その猫は?(英語)」

スタッフ2「何なんですか? 一体?(英語)」

エルフ「ああ、これ?(英語)」

エルフ「今日から、私が飼う事になった猫よ(英語)」

エルフ「この子、半魚人達の巣窟に一人で住んでいてね(英語)」

エルフ「それで、私がここに連れてきた訳(英語)」

巨大猫「……」

スタッフ2「そ、そうなんですか……(英語)」

スタッフ2「その割りには、ライオンクラスの大きさでは?……(英語)」

スタッフ「……」

エルフ「別に、人を襲う事なんてないから、何も心配はなくない(英語)」

エルフ「この子、こう見えて結構な歳よ(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「おまけに、子供達には大分受けてた(英語)」

エルフ「ここの子供達にも、結構人気がある(英語)」

エルフ「それに、この子は基本魚しか食べないし(英語)」

エルフ「だから、何も問題はないわよ(英語)」

巨大猫「とりあえず、そなた達は早く子供達に食事を(英語)」

巨大猫「そのついでに、妾の分の食事を持ってきてくれ(英語)」

スタッフ2「!?」

エルフ「巨大猫。あんた、何食べれる?(英語)」

エルフ「マグロ一本、そのまま生で食べれる?(英語)」

スタッフ「……」

巨大猫「いや、さすがにそれは無理じゃ(英語)」

巨大猫「どっちかと言うと、カツオ一本ならいける(英語)」

スタッフ2「……」

エルフ「そう、ならカツオ一本出してあげるわ(英語)」

エルフ「貴方達二人は、早く子供達に食事を配ってきなさい(英語)」

エルフ「もう、そろそろ皆集まって来る頃だから(英語)」

スタッフ達「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

巨大猫「エルフ。世話を掛けるな(英語)」

巨大猫「妾も、とうとう飼い猫か(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「今まで、妾はずっと一人じゃった(英語)」

巨大猫「誰かに飼われると言うのは、初めての事じゃ(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「じゃが、そなたのする事には、今後も妾は干渉させて貰うぞ(英語)」

巨大猫「それで、そなたは何を企んでいる?(英語)」

巨大猫「どこで一体、今後は何をするつもりなのじゃ?(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「……」

エルフ「……」

巨大猫「……」

エルフ「……」

巨大猫「……」

巨大猫「そなた、何も申さぬのか?(英語)」

巨大猫「やはり、妾はそなたにとっては邪魔者と言う訳か?(英語)」

巨大猫「一体、何が今のそなたを突き動かしとる?(英語)」

巨大猫「今のそなたは、本当に何をするつもりなのじゃ?(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ビシッ……

スタッフ3「エルフさん。日本陸軍の方がお見えです(英語)」

スタッフ3「至急、エルフさんとお話がしたいと申しております(英語)」

エルフ「そう。通して(英語)」

スタッフ3「後、この巨大な猫は何ですか?(英語)」

スタッフ3「昼間から、ずっとそこで箱座りをしてるんですが(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「ああ、またその話?……(英語)」

エルフ「ただ単に、あの無人島にいたから連れてきただけよ(英語)」

エルフ「これ、今日からは私のペットなのよ(英語)」

巨大猫「……」

スタッフ3「はっ、失礼しました(英語)」

スタッフ3「それでは、お客様を連れて参ります(英語)」

エルフ「ええ、そうして(英語)」

スタッフ3「それと、ここ最近の子供達の食事が、ずっとmreレーションばかりなのは如何な事かと(英語)」

スタッフ3「その所為で、何人もの子供達が飽きてきています(英語)」

スタッフ3「ですから、他の食事を出してあげたいのですが(英語)」

スタッフ3「本当に、このまま行くと子供達の健康にも、かなり悪いと思います(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「……そう。そうなの(英語)」

エルフ「ここに来る前まで、三食ずっとファーストフードだった癖に(英語)」

エルフ「そっちの方が、かなり子供達の健康にも悪いとは思う(英語)」

エルフ「中には、毎日ハンバーガーを食べ続けている子達もいたでしょうが(英語)」

スタッフ3「ですが、子供達もここで出される毎日の食事に飽きているのも事実なのです!(英語)」

スタッフ3「彼らは、ずっと毎日の様に泣き続けております!(英語)」

巨大猫「……」

スタッフ3「ですから、せめて週に一度くらいは、あの子達の好きな食事を出してあげて下さい!(英語)」

スタッフ3「このまま行けば、確実に暴動が起きます!(英語)」

スタッフ3「ここにいる子供達も、もう我慢の限界なのです!(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「……」

スタッフ3「……」

エルフ「分かった。あんたの好きにしなさい(英語)」

エルフ「ただし、週に一度だけよ!(英語)」

エルフ「それで良い?(英語)」

スタッフ3「はっ!(英語)」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ……

スタッフ4「エルフさん。少し宜しいですか?(英語)」

スタッフ4「至急、エルフさんにお会いしたいと言う方が、お出でですが(英語)」

エルフ「今すぐ、ここに通して(英語)」

スタッフ4「はっ、了解致しました!(英語)」

スタッフ4「至急、お連れ致します!(英語)」

クルッ、スタスタスタッ……

エルフ「あんた、もう下がって良いわ(英語)」

エルフ「子供達の好きなお菓子とかを買う為の予算、後で申請しといて(英語)」

スタッフ3「はっ!(英語)」

クルッ、スタスタスタッ……

巨大猫「……」

エルフ「ふぅ……(英語)」

巨大猫「そなた、かなり苦労しとるな(英語)」

巨大猫「あの子供達、かなり我が儘なのじゃな(英語)」

エルフ「ええ、そうね……(英語)」

巨大猫「して、あの子供達はどうしてここに?(英語)」

巨大猫「まさか、あの子供達も全く同じ理由で捨てられたのか?(英語)」

エルフ「ええ、まあね……(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「元々、あの子達は、普段からファーストフードばっかり食べていたわ(英語)」

エルフ「家にいても、ろくに料理は出来ずに両親は共働き(英語)」

エルフ「自然と、子供達の食事はファーストフードやデリバリーばかりになる(英語)」

エルフ「それが原因で、あの子達はそれが当たり前になってしまっててね(英語)」

エルフ「この島に来て早々、すぐに皆が根を上げちゃってた訳(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「だから、これに関してはもう仕方ないわ(英語)」

エルフ「彼らは、今後私の手駒になってしまうんだから?(英語)」

巨大猫「?」

エルフ「とりあえず、私達ももう夕食にしましょ(英語)」

エルフ「あんたの本日の夕食、今から私が出してあげるからね(英語)」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ピタッ……

スタッフ4「エルフさん。日本陸軍の方をお連れ致しました(英語)」

スタッフ4「私達は、席を外してた方が宜しいですか?(英語)」

スタッフ3「……」

エルフ「ええ、皆は席を外して(英語)」

エルフ「ここは、私だけでやる(英語)」

エルフ「後、すぐそこにいる巨大猫はそのままで良い(英語)」

エルフ「この子、対して害はなかったりするから(英語)」

スタッフ達「はっ!(英語)」

大尉「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

エルフ「……」

巨大猫「……」

大尉「久し振りだな。エルフ(英語)」

大尉「君と会うのは、もう何年振りだったか(英語)」

エルフ「……」

大尉「君は、また影で色々と動いてくれている様だね(英語)」

大尉「また、例の消えた中隊の時の様な事をするつもりなのかね?(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「お久し振りです。〇×大尉(英語)」

エルフ「貴方と最後にお会いしたのは、例の事件の時でしたね(英語)」

エルフ「今回も、私は何も一切関与しておりません!(英語)」

エルフ「一体、どんな証拠があって貴方はこちらにいらしたのでしょうか?(英語)」

巨大猫「……」

大尉「実は、君の動きに不可解な点がいくつも見つかった!(英語)」

大尉「君自身は、何らかの特殊な方法を使って、一瞬にしてこの地球上を移動をしている!(英語)」

大尉「それについては、我々ももう既に掴んでいる!(英語)」

大尉「だから、そろそろ君自身の目的をお聞かせ願いたい!(英語)」

エルフ「〇×大尉。貴方、私の事をどうするつもりです?(英語)」

エルフ「このまま、ここで殺しますか?(英語)」

エルフ「それとも、拘束するのですか?(英語)」

大尉「……」

エルフ「貴方の事ですから、例の元中尉が見つかった事ももう既にご存じなのでしょう(英語)」

エルフ「彼は、私がかつて救出をした人物の中の一人(英語)」

エルフ「例の消えた中隊は、本当に偶々演習中にどこかへと消えてしまっただけ(英語)」

エルフ「この私に、一体何が出来るんです?(英語)」

エルフ「彼らを捕まえたとして、この私が彼らに何をさせようと思っていたのですか?(英語)」

大尉「……」

巨大猫「……」

エルフ「……」

大尉「エルフ。君は、本当に何も関与してないのかね?(英語)」

大尉「今の君は、ただの民間団体の職員と言う訳か?(英語)」

エルフ「ええ、そうです(英語)」

大尉「なら聞くが、ここの子供達には一体何をさせている?(英語)」

大尉「ここの子供達、かなり何故か疲れきっていたぞ(英語)」

大尉「mreレーションとか言うものを、ほぼ毎日の様にあの子達は食わされているのだぞ(英語)」

エルフ「……」

大尉「君は、あの子達を集めて何をする気だ?(英語)」

大尉「彼らは、まだ小学校を出たばかりの子供達だ(英語)」

大尉「それなのに、何故、君はあの子達をここに集めて匿っている?(英語)」

大尉「君は、自分が何をしているのかがまだ分からない様だな(英語)」

巨大猫「……」

大尉「今、君のしている事はただの偽善だ!(英語)」

大尉「あの子達からしてみたら、ただの虐待でしかないのだ!(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「なら、妾も聞くが今のそなたに何が出来る?(英語)」

巨大猫「今のそなたは、あの子達に対して何がしてあげれるのだ?(英語)」

大尉「……」

巨大猫「エルフ。こ奴の言う事等は何も聞く必要はない(英語)」

巨大猫「こ奴は、自分は何もしないが口だけは出すと言う、典型的なタイプじゃ(英語)」

巨大猫「ただ単に、そなたのする事全てにケチをつけたいだけ(英語)」

巨大猫「それ以上でも、それ以下でもない(英語)」

大尉「……」

巨大猫「じゃから、そなたはこ奴の言う事等は何も聞くな(英語)」

巨大猫「全ては、あの島に多数の猫達を捨てた愚かな人間達が受けた因果応報なのじゃ(英語)」

巨大猫「じゃから、今のそなたは何も気にする必要等はない(英語)」

巨大猫「全ては、あの島に猫を捨てた者達が原因で、あの様な事態にまでなってしもうたのじゃ(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「大尉。もう今日の所は、すぐに帰られよ(英語)」

巨大猫「後日、妾の方からそなたの元を訪れる(英語)」

巨大猫「そなた、昔何匹もの猫を捨てた様じゃな(英語)」

巨大猫「いくら飼い切れんからと言って、保健所で処理をするとは許し難い(英語)」

大尉「……」

大尉「エルフ。今後、またここへ来させて貰うぞ!(英語)」

大尉「君の疑い、まだ完全に晴れた訳ではない!(英語)」

エルフ「……」

大尉「だから、それまでの間に首を洗って待っとれ!(英語)」

大尉「いずれ、我々は君の正体とその目的についてを全て掴む!(英語)」

大尉「今後、君の前に立ち塞がるのは困難だけだ!(英語)」

大尉「絶対に、それだけは忘れるな!(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「……」

大尉「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

エルフ「……」

巨大猫「……」

ホーーッ、ホーーッ、ホーーッ……

~隣島・食堂~

少年a「ねぇ、おじさん(英語)……」

少年a「また、mreレーションとか言う奴なの?……(英語)」

少年a「俺、もっと他のが食いたい……(英語)」

少年b「……」

スタッフ「我慢しろ。これも試練の内だ(英語)」

スタッフ「君達は、二度と生まれ故郷には戻れない(英語)」

スタッフ「何故なら、君達は親に捨てられたからだ(英語)」

スタッフ「その所為で、今の君達はここにいる(英語)」

少年a「……」

少年b「けど、あのおばさんが何考えてんのかが全く分からないよ……(英語)」

少年b「僕達、一生ここで暮らす事になるの?……(英語)」

少年a「……」

スタッフ「ああ、そのまさかだ(英語)」

スタッフ「ここが、君達の新しい家なんだ(英語)」

スタッフ「だから、君達は一生ここで過ごす事になる(英語)」

スタッフ「君達は、親だけでなく国にまで捨てられた(英語)」

スタッフ「たとえ、君達がこの島から脱走をして生まれ故郷に戻ったとしても、誰も受け入れてはくれない(英語)」

スタッフ「君達は、もうこの世に存在しない子供達なんだ(英語)」

スタッフ「実際、もう既に君達のお墓も用意してある(英語)」

少年b「そんな……(英語)」

少年a「なら、あのおばさんは俺達に何をさせるつもりなんだ?(英語)」

少年a「俺達、ずっと体育の授業をしてばっかじゃないか?(英語)」

少年b「……」

少年a「あのおばさん、本当に何を考えてる?(英語)」

少年a「おじさんは、あのおばさんが何を考えてるかについてを、以前から知ってるんだろ?(英語)」

スタッフ「……」

少年a「俺達は、今すぐ親元に帰りたい!(英語)」

少年a「こんな場所、絶対に出たい!(英語)」

少年b「……」

少年a「おじさん。俺達の事を逃がしてよ!(英語)」

少年b「僕も、ママの所に帰りたい!(英語)」

スタッフ「……」

少女a「それ、止めといた方が良いんじゃないの?(英語)」

少女a「あのおばさん。本当に、何をするかが全く分からないわよ(英語)」

少女b「ええ、そうね(英語)」

少年a「じゃあ、俺達にずっとここにいろと言うのか?(英語)」

少年a「こんな何もない場所、俺は絶対にいたくはない!(英語)」

少年b「うん。そうだね……(英語)」

少女a「じゃあ聞くけど、ここがどこだか分かるの?(英語)」

少女a「ここ、明らかにアメリカじゃないのよ(英語)」

少女b「……」

少女a「それに、私達二人は別に良いわ(英語)」

少女a「あんな家、追い出してくれて清々するわ(英語)」

少女b「うん(英語)」

少年a「お前ら、あのおばさんに味方するのか?(英語)」

少年a「それでも、お前らアメリカ人か?(英語)」ギロッ

少女a「は?(英語)」

少女b「それ、今のどう言う意味?(英語)」

少女b「全く、理解し難いんだけど(英語)」

少年a「……」

少女a「貴方、実家は軍隊か何か?(英語)」

少女a「今の私達、もうアメリカ人なんかじゃない(英語)」

少女a「ここに来た時から、もう戸籍は消えてなくなってるの(英語)」

少女a「今の私達は、幽霊と全く同じ扱いなの(英語)」

少女b「……」

少年a「幽霊?(英語)」

少年a「そんなもん、信じられるか!(英語)」

少年a「俺は、何としても家に帰る!(英語)」

少年a「そんで、あの糞親父をぶん殴ってやる!(英語)」

「なら、せめて体育の授業くらい真面目にやりなさい!(英語)」

「あんた達、もう二度と生まれ故郷には帰れないのよ!(英語)」

「ここに連れてこられた時から、あんた達は死んだ!(英語)」

「だから、もう諦めなさい!(英語)」

少年a「!?」

エルフ「……」ヌッ

スタッフ「……」

少年a「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、スッ、ストン……

少年a「……」

少年b「……」

少女a「……」

少女b「……」

エルフ「あんた達、もう夕食の時間よ!(英語)」

エルフ「早く食べなさい!(英語)」

スタッフ「……」

エルフ「ん? どうしたの?(英語)」

エルフ「何故、皆、私が来たとたんに黙り込むの?(英語)」

少年a「……」ギロッ

エルフ「そんなに、私の事が怖い?(英語)」

エルフ「それとも、私みたいな女は嫌いなのかしら?(英語)」

少年a「ああ、そうだ(英語)」

少年b「……」コクン

エルフ「なら、本日はあんた達二人は食事抜き!(英語)」

エルフ「自分で、食料を調達してきなさい!(英語)」

少年a「!?」

エルフ「この食事が嫌なら、自分で海に行って取ってくる!(英語)」

エルフ「もしくは、山に入って山菜でも取ってきなさい!(英語)」

スタッフ「エルフさん。それはあんまりかと思います(英語)」

スタッフ「この子達、まだ11歳ですよ(英語)」

少女a「……」

エルフ「は? それがどうかしたの?(英語)」

エルフ「私が11歳の時なんて、自力で食料を確保しに行っていたわよ!(英語)」

少年a「!?」ガーーン

スタッフ「いや、それは貴女だから出来たんでしょ……(英語)」

スタッフ「彼らは、まだ本当に子供なんですが……(英語)」

少年b「……」

エルフ「別に、私の出した食事に文句あるんなら、自力で取りに行けば良い(英語)」

エルフ「なんか、偉そうにそこのガキ二人が国に帰りたいとかほざいてた(英語)」

エルフ「だから、私は彼らに自力で食料を取らせに行かせるのよ(英語)」

エルフ「海に行けば、船に乗ってこの島を出られる(英語)」

エルフ「その代わり、すぐに彼らは警備兵に見つかって、容赦なく海の藻屑(英語)」

エルフ「彼の実家は軍隊みたいだし、そのまま彼を戦死させてみるのも良いんじゃないかしら?(英語)」ニッコリ

エルフ「……」

スタッフ「……」

少年a「……」

少年b「……」

少女a「……」

少女b「……」

エルフ「……」

スタッフ「……」

少年a「……」

少年b「……」

少女a「……」

少女b「……」

エルフ「それで、返事は?(英語)」

エルフ「私の出した食事に文句あるなら、今すぐ海に飛び込んで来なさい!(英語)」ニッコリ

スッ、パクパクッ……

少年a「……」パクパクッ

少年b「……」パクパクッ

エルフ「……」ジーーッ

少女a「……」パクパクッ

少女b「……」パクパクッ

エルフ「……」ジーーッ

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、スッ、ストン……

スタッフ2「ん? どうした?」

スタッフ2「皆、やけに静まり返っているが」

スタッフ「……」

スタッフ3「エルフさん。怒鳴り声、向こうの部屋まで響いてましたよ」

スタッフ3「何も、子供達の前で怒鳴る必要はなかったんじゃないですか?(英語)」

スタッフ4「……」

エルフ「ううん。そうなの?(英語)」

エルフ「そんなに、私の声が響いてたんだ(英語)」ニコニコ

スタッフ3「……」

エルフ「なら、私の言いたい事も分かるでしょ?(英語)」

エルフ「今のあんた達、生まれ故郷を追い出された事ある?(英語)」

スタッフ3「いえ、ないです……(英語)」

エルフ「私、生まれ故郷をすぐに追い出されたわ(英語)」

エルフ「丁度、今のこの子達くらいな時に(英語)」

少年a「!?」ピタッ

エルフ「それから、運悪く商館に売られたわ(英語)」

エルフ「商館に売られた後、ずっと蛸部屋の様な場所に入れられていた(英語)」

少女a「……」ピタッ

エルフ「その後、私はどうなったと思う?(英語)」

エルフ「ろくに、水も食料もお金も休みすら満足に与えられない毎日(英語)」

エルフ「そこに入ってから、毎日の様に男の人の相手をさせられてたわ(英語)」

エルフ「それが原因なのか、今の私は子供すら全く産めない病魔に蝕まれた体(英語)」

エルフ「今まで、私は数多くの不幸な少女達の姿を生で見てきた(英語)」

エルフ「皆、私同様に親に捨てられてね(英語)」

エルフ「国から10万$の資金と引き換えに、私達の事を引き渡した訳(英語)」

少女達「!?」ガーーン

スタッフ達「……」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

エルフ「ふぅ……」

少女達「……」

スタッフ達「……」

スッ、ストン……

エルフ「じゃなきゃ、あんた達はここにいないわよ!(英語)」

エルフ「国も親も、あんた達の事をいらないから、ここに捨てちゃったのよ!(英語)」

少女達「……」

スタッフ達「……」

エルフ「だから、私はあんた達の事を引き取った!(英語)」

エルフ「私同様、親や国にまで捨てられた子達をここで引き取る事にした!(英語)」

少女達「……」

エルフ「この島の事で、あんた達は何も文句は言わないで!(英語)」

エルフ「今のあんた達に、文句を言う権利なんて微塵もない!(英語)」

スタッフ「……」

エルフ「もし仮に、この私に対して文句を言いたいのなら、私を倒してからにしなさい!(英語)」

エルフ「そうじゃなきゃ、私はあんた達の文句を聞く必要もない!(英語)」

エルフ「ついさっき、偉そうな口を叩いていた割りには、パクパクと食べていたわね!(英語)」

エルフ「この島では、私を含めた五人の大人達があんた達の面倒を見てる!(英語)」

エルフ「だから、今ここであんた達の事を養っていてあげている私達に、今のあんた達は感謝くらいはしなさいよね!(英語)」

少女達「……」

スタッフ達「……」

エルフ「……」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

エルフ「……」

少女達「……」

スタッフ達「……」

エルフ「……」

少女達「……」

スタッフ達「……」

エルフ「さて、頂きましょうか(英語)」

エルフ「皆、早く食べなさい(英語)」

少女達「……」

スタッフ達「……」

スッ、パクパクッ……

パクパクッ、パクパクッ……

エルフ「……」

スッ、パクパクッ……

パクパクッ、パクパクッ……

エルフ「あっ、そうそう。皆にお知らせがいくつかあるわ(英語)」

エルフ「一つ目は、ウチで新たに巨大猫を買う事になった事(英語)」

エルフ「二つ目は、週に一度は皆の好きな物を食べさせてあげる事(英語)」

エルフ「この二つが、皆にお知らせしとく事でもあるわ(英語)」

少女達「……」ピタッ

スタッフ達「……」ピタッ

エルフ「ん? 皆、結構分かりやすい反応をするわね(英語)」

エルフ「そんなに、私の言う事が意外だった?(英語)」

少女達「……」

スタッフ「エルフさん。それ本当の事なんですか?(英語)」

スタッフ「俺達、全く聞いてませんでしたけど(英語)」

スタッフ2「……」

エルフ「ええ、事実よ(英語)」

エルフ「スリーが子供達の為に、直訴してくれた(英語)」

エルフ「それで、私は週に一度くらいは前にいた時と、全く同じ物を食べさせてあげる事にした訳(英語)」

エルフ「だから、今回はスリーに感謝してよね(英語)」

エルフ「スリーの言う通りに、同じ食事ばっかじゃ皆飽きてしまう(英語)」

エルフ「でも、今回は特別にスリーからの要望を受け入れただけ(英語)」

エルフ「そうじゃなきゃ、今後もずっと皆がmreレーションのみの生活だったわ(英語)」

少女達「……」

エルフ「皆、一時食事を止めて、スリーにお礼を言って(英語)」

エルフ「食事を終えた後に、皆には以前食べていた物をリクエストして貰う(英語)」

エルフ「さぁ、皆立って」

エルフ「スリーの方を向いて、ちゃんとお礼を言ってあげてね」ニッコリ

少女達「……」クルッ

スタッフ3「……」

少女達「……」ジーーッ

スタッフ3「……」

少女達「……」

スッ、ガタッ……

少女達「おじさん。ありがとう!(英語)」

少女達「私(僕)達の為に、命がけで動いてくれて!(英語)」

少女達「私(僕)達、おじさんの事だけは絶対に忘れないよ!(英語)」

少女達「いつどこで、おじさんが殺されるかが分からないけど、私(僕)達は絶対におじさんの事を忘れない!(英語)」ウルウルッ

スタッフ3「……」

少女達「だから、おじさんは絶対に死なないでね!(英語)」

少女達「逃げたくなった時は、私(僕)達を頼りにして!(英語)」

少女達「私(僕)達、おじさんの事を助けてあげるから!(英語)」

少女達「おじさんに何かあった時は、必ず助けてあげるから!(英語)」

少女達「だから、安心してね!(英語)」ウルウルッ、ペコッ

スタッフ3「……」

スタッフ「……」チラッ

スタッフ3「……」ガクッ

スタッフ2「……」

スタッフ4「……」

エルフ「さて、お礼も言い終えた事だし、食事の方を再開して(英語)」

エルフ「別に、私はスリーの事を殺したりはしないから(英語)」

エルフ「そんなに、あんた達が泣く必要なんてないから(英語)」

少女達「……」ウルウルッ

エルフ「そんなに、私の事が怖い?(英語)」

エルフ「私、他の人達みたいに皆の事を売り払えば良かったのかしら?(英語)」

少女達「!?」ウルウルッ

エルフ「でも、安心して(英語)」

エルフ「私は、あんた達の事を売り払うつもりもない(英語)」

エルフ「さっきも言ったけど、私自身も昔は皆と同じ立場だったのよ(英語)」

エルフ「そうじゃなきゃ、私はngoなんかには所属してない(英語)」

エルフ「ngoと言うのは、国際的な非政府組織(英語)」

エルフ「主に、国際的な環境や人権問題等で活動をしている人達の集まりなのよ(英語)」

少女達「……」ウルウルッ

スタッフ達「……」

スッ、ストンストン……

少女a「……」ウルウルッ

少女b「……」ウルウルッ

スッ、ストンストン……

少年a「……」ウルウルッ

少年b「……」ウルウルッ

エルフ「さぁ、皆、食事を再開して(英語)」

エルフ「これ食べたら、皆には自分の好きな物を書いて貰う(英語)」

エルフ「後、皆はもう少しダイエットしようね(英語)」

エルフ「このまま行くと、確実に病気になる(英語)」

エルフ「だから、早く皆は食べ終えてね(英語)」ニッコリ

少女達「……」ウルウルッ

スタッフ達「……」

スッ、パクパクパクッ……

パクパクパクッ、パクパクパクッ……

~登場人物4~

中尉:葉菜美の元カレ。年齢は28。金太郎(主人公の兄)とは幼馴染みで、昔から葉菜美達とは顔見知り。現在は、歩兵小隊の小隊長をしている。

一曹:葉菜美達の父の元部下。年齢は40。現役時代の葉菜美達の父に、よく世話になる。現在は、歩兵小隊の小隊軍曹をしている。

元中尉:マンボウの元の姿。日本陸軍中尉。現在の年齢は40。政府による極秘作戦に参加し、それが原因で半魚人化する。

大尉:日本陸軍の情報将校。年齢は35。以前から、エルフの回りを調査している。

隣島のスタッフ達:隣島にいるエルフの部下。エルフが所属する民間団体の職員達。全員が20代半ばの白人男性達である。

隣島の少女達:エルフが保護した子供達。親に捨てられ、エルフに引き取られる。全員が親に10万$と引き換えに隣島に流されてきて、少年少女が2人ずついる。

~備蓄食料~

・mreレーション(米軍個人携行食)×22→20
・mre補助増加食(パン)×22→20
・カップヌードル×18
・カロリーメイト×18→10
・レトルトカレー×29
・白米(200g)×29
・乾パン×8
・天然水2l×24

~葉菜美(姉)の自室~

上陸五日目・朝ーー

「次のニュースです」

「ニート対策基本法が成立して早一年、ニートの数が大幅に激減をしました」

「対象となったのは、男女問わずニートと呼ばれる年齢15歳から35歳までの若者達」

「その内、四年以上ニートを続けていると罰則があり、特に悪質な場合には重く罰せられます」

「これがきっかけで、ニートをすぐに止めたと言う若者達が増えている様です」

葉菜美「……」

「なお、一部の野党から批判的な声が未だに強くあり、本日も衆議院予算委員会は紛糾」

「ニートにも人権があり、すぐにこの法律を撤廃すべきだ」

「我々の調べでは、彼らは意図的に政府によって殺害されている」

「これは、立派な政府による犯罪行為だと、政府を厳しく批判」

「ですが、結果的にニートと呼ばれる若者達の社会復帰に向けて、大きく前進している事も事実」

「人手が足りない業種等からの求人も多く、一部の業界からは歓迎の声が上がっています」

葉菜美「……」

「なお、野党が批判を強めている政府による犯罪行為とは、ニートと呼ばれる若者達の自立を促す為の体験キャンプ」

「その体験キャンプの際に、出席をした若者達が次々と自殺」

「中には、若者達同士が乱闘となり、犯罪行為等を働く若者達が続出」

「その鎮圧の為、最寄りの軍の歩兵小隊が出動をし、現地に派遣された歩兵小隊がその若者達を射殺する事態も発生」

「これが原因で、一部の野党からは強く批判されていて、政府はその一部の野党からの追及をのらりくらりと回避しております」

葉菜美「……」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

葉菜美「……」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

「着信 エルフ」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

葉菜美「……」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

スッ、パカッ、ピッ……

葉菜美「はい。もしもし(英語)」

電話「おはようございます。葉菜美さん(英語)」

電話「管理者のエルフです。少し、お時間の方を宜しいでしょうか?(英語)」

葉菜美「ええ、構いませんが(英語)」

電話「では、率直に申し上げます(英語)」

電話「つい先程、貴女の弟さんの死体が見つかりました(英語)」

電話「場所は、貴方の所有するキャンピングカーの中(英語)」

電話「そこのシャワー兼トイレの中で手首をナイフで切り、昨夜の内に亡くなった様です(英語)」

葉菜美「!?」

電話「それで、どう致しますか?(英語)」

電話「貴女の所有する車、ウチで処分致しましょうか?(英語)」

葉菜美「ええ、お願い致します(英語)」

電話「でしたら、こちらの方で手続きの方をさせて頂きます(英語)」

電話「葉菜美さん。今回の所は、お疲れさまでした(英語)」

電話「次は、貴女の実の兄とその父親でしたよね?(英語)」

電話「そちらの方も、今現在進めておりますので、どうかご安心下さいませ(英語)」

葉菜美「ええ、ありがとうございます。エルフさん(英語)」

葉菜美「おかげで、こちらも助かりました(英語)」

葉菜美「ウチの父も兄も、いずれ同じ運命を辿る事になるでしょう(英語)」

葉菜美「私は、今まで散々苦労させられて参りました(英語)」

葉菜美「これは、正しく因果応報だと思います(英語)」

電話「……」

葉菜美「ですから、弟君が死ぬのも仕方ない事だと思いますよ(英語)」

葉菜美「弟君は、今まで散々好き勝手な生活をしてきました(英語)」

葉菜美「そのおかげで、こっちはよく兄さんや弟君達の良いサンドバック(英語)」

葉菜美「私の母は、彼らによって殺されたも同然(英語)」

葉菜美「ですから、弟君は死んで当然とも言えるのです(英語)」

電話「……」

スッ、カチャ……

トポポポポポッ、トポポポポポッ……

スッ、ストン……

電話「あの、葉菜美さん(英語)」

電話「時間もないですので、話の続きをさせて頂きますね(英語)」

電話「彼の遺体は、海に流しました(英語)」

電話「一緒に死体で見つかった、彼の幼馴染みと共に(英語)」

葉菜美「……」

電話「彼、自分が死ぬ前に自身が所有していた食料を全て分け与えました(英語)」

電話「彼のおかげで救われた命も多く、その島にいた者達は彼に感謝しています(英語)」

葉菜美「……」

電話「ですが、その彼が救った命も残り僅か(英語)」

電話「彼らは、島の規定で次々と落第(英語)」

電話「その中で、生き残るのも僅か数名(英語)」

電話「瞬く間に、彼らは再び飢えに苦しむ様になっていくでしょう(英語)」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

葉菜美「……」

シューーーーッ、シュン……

エルフ「それと、葉菜美さんは消えた中隊の噂はご存じですよね?(英語)」

エルフ「今から13年前に、忽然と姿を消した消えた中隊に関して(英語)」

エルフ「いずれ、貴女の兄もその捜索に駆り出されます(英語)」

エルフ「それが、貴女の兄に対するある意味で究極の嫌がらせ(英語)」

エルフ「本当に、長い間お疲れさまでした(英語)」ニッコリ

葉菜美「!?」ハッ、クルッ

エルフ「……」ニコニコ

葉菜美「……」

エルフ「……」ニコニコ

葉菜美「……」

スッ、ピッ、カシャン……

スッ、スポッ……

エルフ「そんなに、驚かれなくても良いと思います(英語)」

エルフ「この私に、多分不可能はないのですからね(英語)」ニコニコ

葉菜美「……」

葉菜美「いつから、そこにいたんですか?(英語)」

葉菜美「今の私、いつここに来たかについてが全く分からないんですが(英語)」

スッ、ピッ、カシャン……

エルフ「今さっき、ここに着いた所です(英語)」

エルフ「私が、瞬間移動が使えるのはご存じでしょう?(英語)」

エルフ「それを使って、私はここに参りました(英語)」

エルフ「本日伺ったのは、貴女にある物をお渡しする為です(英語)」ニコニコ

葉菜美「……?」

スッ、シュッ……

シューーーーッ、シュン……

葉菜美「!?」

エルフ「……」ニコニコ

葉菜美「……」

エルフ「……」ニコニコ

スッ、ストッ……

エルフ「これ、彼が亡くなった時の写真です(英語)」

エルフ「彼の体は、約20%程ですが半魚人と化していました(英語)」

葉菜美「……」

エルフ「余程、彼は半魚人になるのが嫌だった様でしてね(英語)」

エルフ「彼、ずっとそれについてで泣いていましたよ(英語)」

葉菜美「……」

エルフ「けれど、彼自身も貴女に今までした事についてで、とうとう報いを受けた様なのです(英語)」

エルフ「彼は、今までろくに働きもせず、常に家でゴロゴロしていて家族に迷惑を掛けてばかり(英語)」

エルフ「政府から、1000万の給付金が支払われた様ですが、それはそれで安いと思います(英語)」

エルフ「今まで、散々彼は家族に迷惑を掛け続けてきたんですし……(英語)」

エルフ「せめて、最後くらいは手に職を付けて、真面目に精一杯働いて欲しかったんですけどね(英語)」

葉菜美「……」

エルフ「……」

葉菜美「……」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

葉菜美「エルフさん。この写真、誰かに見せましたか?(英語)」

葉菜美「これ、公にしたらかなりまずい写真(英語)」

葉菜美「下手したら、エルフさんまで危なくなる(英語)」

葉菜美「私の復讐、まだ完全には終わってないんですが(英語)」

エルフ「ええ、大丈夫です(英語)」ニッコリ

葉菜美「……」

エルフ「あの、話を続けても宜しいでしょうか?(英語)」

葉菜美「ええ、どうぞ(英語)」

スッ、シューーーーッ……

スッ、ストッ……

葉菜美「あの、これは?(英語)」

エルフ「どうぞ。お読みになって下さい(英語)」

葉菜美「……」

スッ、パラパラッ……

パラパラッ、パラパラッ……

数分後ーー

スッ、ストッ……

葉菜美「ふぅ……」

葉菜美「これ、弟君の観測記録ですか?(英語)」

葉菜美「本当に、四日に渡って弟君の行動が書かれてるみたいですね(英語)」

エルフ「はい。そうです(英語)」

葉菜美「あの、これをわざわざ届ける為にここに来たのですか?(英語)」

葉菜美「どっちかと言うと、メールかファックスとかでも良かった様な(英語)」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

エルフ「いえ、そんな事はありませんよ(英語)」

エルフ「こうして、生の写真を見るのも結構良いものですよ(英語)」ニッコリ

葉菜美「……」

エルフ「次は、貴女の兄を狙います(英語)」

エルフ「貴女の兄には、例の消えた中隊と全く同じ末路を歩んで貰います(英語)」

葉菜美「え?」

エルフ「先程も言った通りに、貴女の兄には例の消えた中隊と全く同じ末路を辿って貰います(英語)」

エルフ「その為に、軍上層部は貴女の実の兄が所属している小隊を、あの無人島にまで派遣(英語)」

エルフ「元々、最初から消えた中隊と言うのは、軍上層部による極秘の人体実験の結果(英語)」

エルフ「そう、全て日米の軍上層部による極秘の作戦の一つと言う訳なのです(英語)」

葉菜美「……」

エルフ「ですから、どうか葉菜美さんはご安心を(英語)」

エルフ「私、以前はこう見えても米陸軍に勤めておりました(英語)」

エルフ「葉菜美さんの身の安全や命の保障は、今後も私達が確約致します(英語)」

エルフ「いずれ、彼らには軍上層部から辞令が下ります(英語)」

エルフ「そう、例の消えた中隊と全く同じ末路を辿る事になる辞令をですけどね(英語)」ニッコリ

葉菜美「……」

エルフ「……」ニコニコ

葉菜美「……」

エルフ「……」ニコニコ

スッ、ムクッ……

エルフ「それじゃあ、私はこれで失礼致します(英語)」

エルフ「葉菜美さんも、どうかお元気で(英語)」ニコニコ

葉菜美「……」

エルフ「次、また私がここに現れる時は、貴女の兄はもう既に亡くなったと思って下さい(英語)」

エルフ「彼らは、私達の方で厳重に管理致します(英語)」

エルフ「今回同様、途中経過を貴女にもお渡しする事もあるかもしれません(英語)」ニコニコ

葉菜美「……」

エルフ「それまで、どうか葉菜美さんは期待して待っていて下さい(英語)」

エルフ「今回の件につきましては、プライバシーの保護の為に完全に秘密(英語)」

エルフ「元々、今回の私の訪問は独断で行っておりましたし(英語)」

エルフ「次、お会いする時もまた同じ様に現れますね(英語)」

エルフ「それじゃあ(英語)」ニコニコ

葉菜美「……」

エルフ「……」ペコッ

葉菜美「……」

エルフ「……」スッ

エルフ「……」ブツブツ

エルフ「……」ブツブツ

葉菜美「……」

エルフ「……」ブツブツ

エルフ「……」ブツブツ

エルフ「……」ニッコリ

葉菜美「……」

シューーーーッ、シュン……

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

スッ、コトッ……

葉菜美「あっ、ない……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

スッ、ムクッ……

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ガチャ、スッ、パタン……

葉菜美「……」

葉菜美「……」

スッ、ガチャ……

スッ、ゴクゴクゴクッ……

ゴクゴクゴクッ、ゴクゴクゴクッ……

葉菜美「ふぅ……」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

ゴクゴクゴクッ、ゴクゴクゴクッ……

葉菜美「……」

スッ、ポイッ……

ヒューーッ、スポッ……

葉菜美「!?」

葉菜美「ナイスショット!」ニッコリ

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

葉菜美「……?」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

葉菜美「……」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

「着信 葉菜子(妹)」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

スッ、パカッ、ピッ……

葉菜美「はい。もしもし」

電話「あっ、姉さん。私、葉菜子!」

電話「エルフさんからの電話、今さっき来た!?」

葉菜美「え? 来たけど」

電話「そう、来たんだ……」

電話「お母さん達、今日祝杯をあげるって……」

電話「だから、姉さんは今日休みみたいだから、今晩はウチに来て」

葉菜美「……」

電話「姉さん。私の話、聞いてる?」

電話「お父さんが、今日くらい贅沢三昧してもバチは当たらない」

電話「だから、姉さんもそれに今日くらいは付き合ってくれ」

電話「今まで、本当にすまなかった」

電話「本当に、お前は良くできた娘だって、今更ながらも姉さんに媚を売ろうとしてる」

電話「私個人としては、姉さんに参加してほしくない」

葉菜美「……」

電話「それで、姉さんはどうする?」

電話「今晩、ウチに来るの?」

電話「姉さんは、看護師とは言え軍に所属してるし」

電話「門限に間に合うまでには帰宅しても構わないから、なるべくお母さんも参加してほしいんだって」

葉菜美「……」

電話「……」

葉菜美「葉菜子。私、行くわ」

葉菜子「お父さん達にも、そう伝えといて」

電話「うん。分かった」

電話「お父さん達にも、そう伝えとく」

電話「後、兄さんが戻ってきた後にも、もう一度祝杯をするみたい」

電話「なんか、今日のお父さんかなりご機嫌でね」

電話「今度、お母さんと一緒に温泉旅行に行くんだって」

電話「それじゃあ」

葉菜美「うん。またね」

電話「は~~い」

ガチャ、ブチッ……

ツーーッ、ツーーッ、ツーーッ……

スッ、ピッ、カシャン……

葉菜美「ふぅ……」

葉菜美「さよなら。弟君……」

葉菜美「これで、一人は消し去る事が出来たわね……」

葉菜美「うふふっ……」ニッコリ

~無人島・砂浜~

半魚人「中尉。遺体、収容したぞ」

半魚人「もう、流して良いか?」

中尉「ああ、構わん」

一曹「……」

半魚人「では、遺体を流してくる」

半魚人「すぐ戻るから、少し待っていてくれ」

中尉「ああ、了解した」

一曹「……」

クルッ、ヒタヒタヒタッ……

ヒタヒタヒタッ、ヒタヒタヒタッ……

クルッ、ガシッ……

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

一曹「……凄い力だ」

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

中尉「……」

一曹「……」

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

中尉「……」

一曹「……」

バシャッ、スーーーーッ……

ピタッ、ジャバジャバジャバ……

半魚人「じゃあ、今から切りの良い所で沈めてくる」

半魚人「近くにいる警備艇にも、そう伝えてくれ」

中尉「ああ、了解した」

一曹「お気を付けて」

半魚人「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ビシッ……

金太郎「中尉。少し、宜しいでしょうか?」

金太郎「国籍不明者達が、使われなくなった例のキャンピングカーを、自分達に譲ってほしいと申しております」

中尉「……」

金太郎「ですが、この島の管理者でもあるエルフがそれに反対」

金太郎「xx少尉からも、あの車はすぐに廃車にしてほしいと言う連絡が来ております」

中尉「……」

一曹「中尉。如何致しますか?」

一曹「あの車、ヘリで運びましょうか?」

金太郎「……」

中尉「いや、ヘリで運ぶ必要なんかない」

中尉「もうじき、新たな国籍不明者達と共にホバークラフトが、ここにまでやってくる」

中尉「その帰りに、あの車は本土へと輸送」

中尉「少尉の望み通りに、すぐさま廃車になると言う寸法だ」

一曹「なら、あの車を警備致しますか?」

一曹「あの車には、多数の国籍不明者達が利用しようとしていますが」

金太郎「……」

中尉「伍長。組を率いて、君が警戒に当たれ」

中尉「それに逆らうものは、すぐに殺せ!」

中尉「この島に来た時から、彼らはもう完全にただの国籍不明者!」

中尉「これは、私からの命令だ!」

金太郎「はっ!」ビシッ

一曹「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

中尉「……」

一曹「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

ザザッ、ザザッ……

スッ、カチッ……

一曹「ん? どうした?」

無線「一曹。こちら、キャンプ」

無線「新たな多数の国籍不明者達が、1400から1500にかけて順次到着」

無線「彼らは、皆非武装の男性達」

無線「第一陣は、ヘリで到着」

無線「第二陣は、ホバークラフトで到着する様です」

一曹「了解した」

中尉「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

「おい、誰か俺に食料を……」

「頼む、誰か俺に水や食料を分けてくれ……」

中尉「……?」クルッ

「ダメだ、ダメだ!」

「これは、俺達の食料だ!」

「お前は、どこか別の場所を探せ!」

「ここには、もうお前に分けてやる食料はない!」

「そんな……」

中尉「……」

「頼む。そんな事を言わずに分けてくれ……」

「俺、腹減ってしにそうなんだ……」

「あの兄ちゃんが死んでから、まだ何も食ってないんだ……」

「煩い!」

「ううっ……」

中尉「……」

一曹「中尉。半魚人が、遺体を海に投げ入れました」

一曹「今、二体目を投げ入れた模様です」

中尉「うむ。そうか」クルッ

一曹「中尉。もうここを移動しましょう」

一曹「国籍不明者達が、多数集まってきています」

中尉「ああ、そうだな」

スッ、カチッ……

一曹「一曹よりキャンプ」

一曹「中尉が、キャンプに戻られる」

一曹「巡回中の兵士は、国籍不明者達を散らせ」

一曹「現在地は、あいつらが拠点と呼んでいた場所だ」

中尉「……」

ザザッ……

無線「こちら、第一分隊。了解しました」

無線「至急、中尉の警護に当たります」

無線「それと、つい先程から〇×大尉がお見えです」

無線「例の消えた中隊の件で、例の元中尉と話がしたい」

無線「そう、大尉がおっしゃられています」

ザザッ……

一曹「ああ、了解した」

一曹「今現在、元中尉は遺体を処理している最中だ」

一曹「それが終わり次第、元中尉は戻られる」

一曹「それまで、大尉はキャンプで待つ様にそう伝えてくれ」

中尉「……」

ザザッ……

無線「はっ、了解しました!」

中尉「……」

スッ、カチッ……

ザザッ、ザザッ……

中尉「半魚人。もう済んだか?」

中尉「状況を報告せよ」

ザザッ……

無線「……」

ザザッ……

中尉「半魚人。どうした?」

中尉「とうとう、日本語が話せなくなったのか?」

一曹「……」

ザザッ……

無線「こちら、半魚人。失礼致しました」

無線「遺体は、もう既に海に投げ入れました」

無線「これより、帰還致します」

ザザッ……

中尉「うむ、了解した」

一曹「……」

ザザッ……

一曹「元中尉。花は、投げ入れましたか?」

一曹「それについても、一応確認をしたい」

中尉「……」

ザザッ……

無線「ああ、ご心配なく」

無線「菊の花も、ちゃんと投げ入れた」

無線「それで、次はいつ新しいのが来る?」

無線「次新しい奴等が来たとしても、すぐに餓死しそうなんだが」

一曹「……」

ザザッ……

中尉「元中尉。君がそれを考える必要はない」

中尉「彼らに関しては、もう完全に自業自得だ!」

中尉「この島で、どれだけ餓死しようが今の我々には全く関係がない!」

一曹「……」

ザザッ……

無線「だが、いずれ彼らは成仏出来なくなる」

無線「この島には、餓えて死んだニート達の怨霊が多数存在」

無線「おまけに、多数の捨て猫達の怨霊まで一緒となってきた」

ザザッ……

中尉「元中尉、君は何も考えずにここに戻ってこい」

中尉「それが終われば、〇×大尉が君と面会をする」

中尉「どうせ、君もこの島からは出れないのだ!」

中尉「だから、さっさと撃ち殺されたくなかったら、今すぐここに戻ってこい!」

一曹「……」

ザザッ……

中尉「聞こえとるのか?」

一曹「……」

ザザッ……

無線「了解した」

ザザッ……

中尉「それで良い」

一曹「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ダ----ン……

ダダンダンダン……

一曹「……?」クルッ

ザザッ……

一曹「何だ? 今の銃声は?」

中尉「……」

ザザッ……

無線「こちら、第二分隊。国籍不明者を三名射殺」

無線「分隊内に、怪我人なし」

中尉「……」

ザザッ……

一曹「こちら、一曹。了解した」

一曹「第一分隊。まだ着かないのか?」

一曹「もう、ここに着く頃か?」

中尉「ん?」ハッ

ストトトトトッ、ストトトトトッ……

一曹「……」ハッ

ストトトトトッ、ストトトトトッ……

ピタッ、ピタッ……

中尉「おい、遅かったな」

中尉「一体、何を手間取っていた?」

一曹「……」

二曹「はっ、申し訳ありません」

二曹「少し、巨大猫に呼び止められておりました」

二曹「彼女が言うには、少しこの島で散歩をする」

二曹「そう、彼女が申しておりました」

一曹「……」

中尉「ああ、それでか……」

中尉「それで、君達は遅くなったのか……」

二曹「はい。そうです」

中尉「一曹。もう戻るぞ」

中尉「半魚人は、もう戻ってきたか?」

一曹「……いえ、まだです」

二曹「……」

中尉「全く、半魚人は何をしている」

中尉「何をちんたら、一人で船を漕いでいるのだ」

一曹「……」

二曹「……」

ザザッ……

無線「中尉。こちら、xx伍長」

無線「例のキャンピングカーの移動許可を」

無線「ここでは、警備に支障をきたします」

無線「ですので、キャンピングカーの移動の許可を願います」

中尉「……」

ザザッ……

一曹「こちら、一曹」

一曹「キャンピングカーの移動を許可する」

一曹「伍長達は、そのままキャンピングカーをキャンプ前にまで移動」

一曹「その後はキャンプ前に駐車し、車両及び付近の警戒を継続せよ」

ザザッ……

無線「はっ、了解致しました!」

二曹「……」

中尉「一曹、もう戻るぞ」

中尉「半魚人は、もうほっとけ」

一曹「はっ!」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

数分後ーー

スーーーーッ、バシャ……

ジャバジャバジャバッ、ジャバジャバジャバッ……

半魚人「……」

巨大猫「うむ。戻ったか」

半魚人「ああ、まあな」

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

ピタッ、ジリッ……

半魚人「……それで、何の様だ?」

半魚人「お前、向こうに引っ越したんじゃなかったのか?……」

巨大猫「ああ、そうじゃが」

半魚人「なら、ここに何の様だ?」

半魚人「まさか、また今日も新たなニート達がここに来るのか?」

巨大猫「うむ。そうじゃよ」

半魚人「はぁ……また、来るのか……」

半魚人「一体、何人来るのやら……」

半魚人「お前、何か聞いてるか?……」

半魚人「一体、いつまでこんな事をしなくちゃいけないんだよ……」ガクッ

巨大猫「ああ、そうじゃな」

半魚人「……」

ニート達「……?」

巨大猫「とりあえず、早くそなたはキャンプに戻られよ」

巨大猫「妾は、ここでこの船の見張りをしとく」

巨大猫「まだ妾達は、この島での役目を果たさなければならない」

巨大猫「ここも、妾達にとっては生まれ故郷じゃからな」

半魚人「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

巨大猫「銀次郎。そこにおるか?」

巨大猫「今のそなた、本当に死んだのか?」

銀次郎「……」ヌッ

巨大猫「おおっ、そこにおったか」クルッ

巨大猫「今のそなたは、本当に死んだ様じゃな」

銀次郎「……」コクン

巨大猫「それで、成仏出来るか?」

巨大猫「今の妾の力が、そなたには必要か?」

銀次郎「……」コクン

巨大猫「なら、今から妾があの世へと送ってやる」

巨大猫「そなたの他にも、多数妾の回りに集まってきとる」

巨大猫「一旦、妾の前に横に並べ」

巨大猫「まずは、送る前に話しておきたい事があるのじゃ」

銀次郎「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

巨大猫「うむ。並び終えたな」

巨大猫「では、妾も話を始めるとしよう」

巨大猫「まず最初に、そなた達がここに送られてきたのは、因果応報なのじゃ」

巨大猫「人によっては、自業自得なのかもしれぬ」

幽霊達「!?」

巨大猫「今まで、そなた達はどれだけ家族に迷惑を掛けてきたか」

巨大猫「それを、一度でもそなた達は考えた事はあったのか?」

幽霊達「……」

巨大猫「妾は、今までここで大勢の人間達を見てきた」

巨大猫「皆、ここに来た時から酷く絶望的な顔をしよる」

巨大猫「ほれ、あそこで泣いておる男が昨日までのそなた達じゃ」

巨大猫「その前では、まるで他の男達が見せつけるかの様に、自分達だけが食事を開始」

巨大猫「誰も、あの泣いておる男には食事を与えたりはしない」

巨大猫「今まで、自分達がどれだけ恵まれていたかについてを、そなた達は自覚しなければならん」

幽霊達「……」

巨大猫「じゃから、そなた達はもう暫くここにいよ」

巨大猫「ここに残りたい者はここに残り、ここに残りたくない者はここを立つ」

巨大猫「もう時期、ここに異世界から多数の死神達が来る」

巨大猫「そ奴等は、そなた達の事を迎えに来た存在じゃ」

巨大猫「ただし、もう二度と生まれ変わる事は出来ない」

巨大猫「その死神達に連れられた後は、向こうでも全く生前と同じ運命を繰り返す事になる」

幽霊達「……」

巨大猫「じゃから、ここに残りたい者は残り、ここに残りたくない者はここを立つ」

巨大猫「それを決めるのは、今ここにおるそなた達じゃ」

巨大猫「全ては、そなた達が決めなくてはならない事なのじゃ」

幽霊達「……」

ヒューーーー----ッ、ヒューーーー----ッ……

巨大猫「ん? もう来たか?」

巨大猫「今回は、ちと早過ぎるな」

幽霊達「!?」

巨大猫「さらばじゃ、銀次郎」

巨大猫「そなたがここで死んだ理由は、そなたの実の父にある」

巨大猫「そなたの父は、この島で昔多数の猫を捨てた」

巨大猫「そなた達がここで死んだのも、因果応報なのじゃ」

幽霊達「……」

巨大猫「妾の今の役目は、そなた達を成仏させる事」

巨大猫「もう安心して、あの世へと旅立つが良い」

巨大猫「そなた達は運が良ければ、また再び来世でも人間として生まれ落ちる」

巨大猫「そう、それも七代先まで呪われながらもな」ニヤリ

幽霊達「……」

フワフワッ、フワフワッ……

フワフワッ、フワフワッ……

スーーーーッ、シュタッ……

巨大猫「……」

死神達「……」

死神「巨大猫。ご苦労だった」

死神「後は、我々に任せてくれ」

幽霊達「……」

巨大猫「ああ、了解した」

巨大猫「また、明日。そなた達を呼ぶ必要がある」

巨大猫「じゃから、またそなた達もここに来ておくれ」

幽霊達「……」

死神「いや、その必要はないな」

死神「上から、ここに暫く滞在をしておけとの命令だ」

巨大猫「……」

死神「だから、暫くの間はここでお世話になる」

死神「良いな?」

巨大猫「ああ、了解した」

幽霊達「……」

スッ、チャキッ……

こうして、銀次郎は葉菜美によって殺された。

銀次郎を捨てた後の銀次郎の家族達は、皆、嬉しそうに何度も何度も祝杯をあげた。

それについては、巨大猫達がいる無人島に送られてきた数多くのニート達の家族達も同じ気分。

皆、ニートを抱える事で大分苦労してきた。

本当に、ニートは生きる価値すらない。

常に、ニートを抱える家族達には、大きな負担となってしまっている。

極めて自己中で我が儘で、誰からも必要とされていない存在だ。

その後、葉菜美は新たに実の兄をすぐに抹殺した。

それを終えた後、葉菜美は表向きには実の父と和解し、実の父を上手く罠に嵌めていった。

その結果、実の父は妻からdvを理由に離婚を切り出され、なす術もなく熟年離婚。

葉菜美は、それについては全く知らん顔。

実の父は、葉菜美が30になるまで寂しい老後を過ごす事になる。

後に、葉菜美が30になる頃には実の父は病死し、葉菜美の胸の支えがようやく取れる。

それを取り除いた後の葉菜美は、今後は復讐に燃える事なく、平穏無事な余生を家族と共に過ごす事になるのだった。

弟「また、姉さんが変なのを買ってきた……」/完

この話は、これで終わりです。

今まで読んで下さった皆様、ありがとうございます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年11月18日 (月) 08:55:55   ID: CatG_oI7

三男はパール三郎じゃないんだ

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