花陽「絵里ちゃんとお買い物って初めてだよね?」 (34)

絵里「そうね。花陽と2りきりで、休日一緒に過ごすのも初めてだわ」

花陽「だよね」

絵里「その上花陽のおうちにお泊りできるなんて」

花陽「いい先輩だって紹介したらお父さんもお母さんもぜひ会ってみたいって言ったから……ごめんね?」

絵里「いいのよ。私も花陽のご両親に会ってみたいし……」

絵里「それに、いい先輩らしくしないとだから」

花陽「ふふ、ありがとう」


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花陽「ご飯は私が作ることになってるから……」

絵里「ふふん、荷物持ちは先輩に任せなさーい」

花陽「そ、そんな! 絵里ちゃんに悪いよ!」

絵里「ここは先輩の顔を立ててほしいなぁ」

花陽「あ、そ、そっか。そうだね……」

花陽「じゃあ、お言葉に甘えて……これとこれと……それからこれも!」

絵里「わーお、想像した以上に買うのね……いや、何も問題はないから。うん」

花陽「絵里ちゃんは苦手なものってある?」

絵里「梅干しと海苔が……」

花陽「!」

絵里「あ、ごめん花陽、お米にはやっぱり梅干しとか海苔が合うんだろうけど、私はどうしてもダメで……」

花陽「これは白米のおいしさを理解してもらうチャンス……他の味付けをしなくてもいいということを……」

絵里「あれ?」

花陽「絵里ちゃん、お水買うよ!」

絵里「は、はい!」

花陽「まずはこれ、うちでもよく使うタイプのお水だよ」

絵里「天然水?」

花陽「うん」

絵里「ご飯を炊くにはお水も大事なのね……勉強になったわ」

花陽「えへへ、これで絵里ちゃんもおいしいご飯が炊けるようになるよ」

花陽「あとは……うん、残りはうちにあるから大丈夫かな」

絵里「そうなの。じゃあ帰りましょうか」

花陽「うん」

絵里「うふふ、花陽の部屋楽しみね」

花陽「えっ」

絵里「だって一度は入ってみたいじゃない?」

花陽「そ、そんな! 絵里ちゃんの気に入るようなものなんてないよ!?」

絵里「それは見てみないとわからないわねー」

花陽「絵里ちゃんのいじわるぅ……」

絵里「何か見られたくないものでもあるのかなー?」

花陽「な、ないってばぁ!」

絵里「なーんて言ってる間についちゃったわね」

花陽「あそこのスーパーから近いからね」

絵里「行きつけなの?」

花陽「うん、よく行くんだぁ」

絵里「じゃああそこに行けば花陽に会えるのかしら」

花陽「そんなにずっといるわけじゃないよ?」

絵里「それもそうよね」

花陽「ただいま」

絵里「お邪魔します」

花陽「……あれ?」

絵里「ご両親はいらっしゃらないの?」

花陽「ううん、今日は楽しみに待ってるって言ってたんだけど……とりあえずあがっててくれる?」

絵里「はーい」

花陽「お水はそこに置いてていいよぉ」

絵里「わかったわ」

絵里「……お米がたくさんある……ハラショー」

絵里「あ、勝手に見るのは失礼よね、見えない見えない」

花陽「絵里ちゃん、ごめんねぇ……ってどうしたの? 目に何か入ったの? 大丈夫?」

絵里「大丈夫大丈夫。それでどうだったの?」

花陽「えーっと、書き置きがあって」

絵里「なになに? 『おばあちゃんのところで美味しいご飯のお供ができたのでもらってきます。今日は帰れません』?」

絵里「小泉家はみんなお米好きなのね」

花陽「お恥ずかしながら……」

絵里「花陽はおばあさまと仲がいいの?」

花陽「うん、ちっちゃいころはよく遊んでもらって」

絵里「好き?」

花陽「もちろん。今でも電話したり遊びに行ったりするよぉ」

絵里「そう……ふふっ」

花陽「」

花陽「えええええ絵里ちゃん、い、今なにしたの……?」

絵里「キスよ。親愛の証だと思ってくれると嬉しいわ」

花陽「なんでおでこに……」

絵里「口がよかったかしら」

花陽「そ、そういうのは大事にしないとダメだよぉ!」

絵里「じゃあ大事な花陽に遠慮なく」

花陽「ええっ!? あの、その…………」

花陽「……優しくしてください」

絵里「ふふふ、やっぱりおばあちゃん好きに悪い子はいないわね」

花陽「あ、そういうことかぁ……じゃなくて、からかわないでよぉ」

絵里「うーん、そんな反応もかわいいわね」

花陽「もう、絵里ちゃんは座って待っててください」

絵里「料理なら私も何か手伝うわよ?」

花陽「ううん、大丈夫。今日は絵里ちゃんは大事なお客さんだから」

絵里「じゃあ座ってます」

花陽「そこの椅子ならどこでもいいよぉ」

絵里「うん」

絵里「……」

花陽「よーし、今日は張り切っちゃうぞー!」

絵里「花陽ってエプロン似合うわね」

花陽「え? そうかなぁ?」

絵里「似合ってるわよ。今度のステージはエプロンで出たらいいかも、って思うくらい」

花陽「ええっ、それはちょっと困るかなぁ……?」

絵里「そう? 残念ね」

花陽「……」

絵里「……」

花陽「…………」

絵里「…………」

花陽「あ、絵里ちゃんごめん。テレビとか見てていいよ?」

絵里「ううん、花陽見てる方が楽しい」

花陽「えへへ、それはなんだか照れちゃうなぁ」

絵里「じーっ」

花陽「……は、恥ずかしいかも」

絵里「手馴れてるわね」

花陽「そうでもないよぉ。お母さんに比べたらまだまだだし」

絵里「少なくとも私よりは上手そうよ?」

花陽「そうかなぁ?」

絵里「うん、花陽はきっといい奥さんになれるわ」

花陽「ありがとう、うれしいなぁ」

絵里「……やっぱりエプロン姿はいいわね」

花陽「?」

花陽「はい、できました!」

絵里「おお、お魚に野菜のお浸し……それにお味噌汁にご飯とお漬物」

絵里「ハラショー、和風ね!」

花陽「うちはいつもこんな感じだからね」

絵里「私の家では、こんな晩ご飯滅多に食べないわ」

花陽「普通はそんな感じじゃないかな?」

絵里「……うん、すごくおいしそう」

花陽「先に食べててもいいよ?」

絵里「ううん、せっかくだし一緒に食べましょう」

花陽「……うん、そうだね」

花陽「いただきます」

絵里「いただきます」

花陽「まずはご飯からどうぞ」

絵里「はい」

絵里「ふーふー……んむ」

絵里「……」

絵里「私、花陽のご飯が毎日食べたいわ」

花陽「ふふ、おいしかったでしょ?」

絵里「1口目からびっくりするくらいの絶妙な甘みだったわ」

花陽「これを作れるようになるまでには、小泉家での修業がいるんだよ……」

絵里「え、そうなの?」

花陽「まあ修行って言っても大人が作ってる過程を見て覚えるってだけなんだけどね」

絵里「それ、そのすごく修行っぽいわね」

花陽「ううん、そうでもないよ。おいしいものを食べたくなってると、ついつい作ってるやり方を見ちゃうから」

絵里「へぇ……でもご飯がこんなにおいしくなるなんてね」

花陽「ふふ、ただ炊飯器だけがご飯を炊く道具じゃないからね」

絵里「え?」

花陽「これはまた今度話すよ。今は炊き立てのうちに食べて」

絵里「はーい」

絵里「ごちそうさまでした!」

花陽「お粗末様でした」

絵里「ふー、おいしかったわ」

花陽「お米もおいしく食べてもらえて、きっと喜んでるよぉ」

絵里「お皿洗うの手伝う?」

花陽「あ、大丈夫だよ。えーと……私の部屋で待っててくれる?」

絵里「つ、ついに花陽の部屋に!」

花陽「何もないから! 何も期待するようなものはないよぉ!」

絵里「花陽の部屋……どんなのかしら。楽しみね」

絵里「失礼しまーす……」

絵里「……あ、μ'sのポスターだ」

絵里「机の上にあるのは……折り鶴?」

絵里「ってすごい! つながってる!」

絵里「わぁ……すごい。芸術的ね」

絵里「他にもポスターは……うーん、知らないアイドルが多いわね。やっぱりご当地のやつなのかしら」

絵里「うんうん、綺麗にしてるじゃない」

絵里「あ、これは……何でこんなところに置いてあるのかしら」

絵里「花陽」

花陽「どうしたの?」

絵里「メガネ、落ちてたけど」

花陽「あ、それは前かけてた……どこにあったの? 探してたんだぁ」

絵里「机の裏よ」

花陽「ど、どこまで見てるの!?」

絵里「今思うとまだまだ私は花陽のこと、全然知らないのね」

花陽「あ、それもそうだね。よく考えたらまだ知り合って1年経ってないんだよね?」

絵里「ふーむ、そう思うと短いようで、長いような……」

花陽「私も絵里ちゃんのこと、あんまり知らないかも」

絵里「よし、じゃあ今日はお互いのことを夜まで語り合うってのはどう?」

花陽「それじゃ明日早く起きれなくなっちゃうよぉ」

絵里「大丈夫よ。私が起こしてあげる」

絵里「こう見えてもエリチカは夜更かしの達人だったのです」

花陽「え? そうなの?」

絵里「生徒会の仕事で忙し時とかに限って眠れない日があるのよ。そんな時でもちゃんと起きれるわ」

花陽「もしかして不眠症気味なの? 大丈夫?」

絵里「大丈夫よ。最近はあんまり効果がないの。なんでかしらね?」

花陽「もしかしたらストレスがなくなったのかも」

絵里「ストレス……ああ、そうかも」

絵里「だったらおいしいご飯を食べればもっと寝起きがよくなったりするかしら」

絵里「私、朝は食べたり食べなかったりするのよね」

花陽「朝食をとれば改善されるかもしれないよ。エネルギー補給のために朝食は大事な役割を持ってるから」

絵里「花陽の作ってくれるご飯なら毎日食べられそう」

花陽「え?」

絵里「というわけで明日から、不束者ですがよろしくお願いします」

花陽「い、いいえこちらこそ……って何かおかしいよ?」

絵里「じゃあまたこうやって遊びに来ようかしら。ご飯食べに」

花陽「えへへ、それってちょっとうれしいかも」

絵里「はっ、今度は花陽にうちに来てもらおうかしら?」

花陽「ご飯作りに行くの?」

絵里「そこまでしてもらうのも……ってそれ通い妻みたいね……うん、悪くない」

花陽「?」

絵里「とりあえず花陽のエプロン姿を見に遊びに来るわ」

花陽「ええっ、目的が変わってる気がするよ?」

絵里「それでいいの。私は花陽と花陽の作るものに惚れちゃったからね」

花陽「う、もう絵里ちゃんってば……そんな恥ずかしいこと言わないでよぉ」

絵里「本音だから恥ずかしくありません」



       おわり

ロシアンライスも悪くない

続きはよ

>>31
しょーがないわねー

花陽「絵里ちゃんの笑う顔が見たい」
花陽「絵里ちゃんの笑う顔が見たい」 - SSまとめ速報
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このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月17日 (木) 01:43:13   ID: 76RvWZiL

早いな本当に……この調子で春夏秋冬シリーズも

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