ことり「見て見て絵里ちゃん手錠だよ」 (28)

絵里「あら、そんなものどこで手に入れてきたの?」

ことり「家の中を掃除してたら出てきたんだぁ。たぶん何かの景品だったのかも」

ことり「絵里ちゃんのおうちって初めて来たから何持ってくればいいかわからなくて」

絵里「気にしなくてよかったのに……それにしてもよくできてるわね。まるで本物みたい」

ことり「うんうん、だからね……ほら、こうやってつけてみたらパンクなファッションみたいに!」

絵里「あ、それっぽい!」

ことり「でしょ?」

絵里「……でもそれ、両手につけて外せるの?」

ことり「…………」

絵里「えぇっ!?」

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ことり「ど、どうしよう絵里ちゃん!」

絵里「そうねぇ……鍵はないの?」

ことり「たしかどこかに入れたはずなんだけど……」

絵里「ならとりあえず服のポケットをチェックするわよ」

ことり「……ボディチェックってやつ?」

絵里「いやらしい目をしない」

ことり「でもポケットって言ってもあんまりないよ? すぐ終わっちゃう」

絵里「何そのすぐ終わってほしくないみたいな言い方は」

ことり「すぐ終わってほしくないです!」

絵里「正直なのはいいけど、そんな風に駄々をこねてもダメよ」

ことり「では逃げます」

絵里「その格好で外に出られたら私の社会的地位が失墜するからやめて」

絵里「じゃあ胸ポケットから」

ことり「……」

絵里「……何も入ってなさそうね」

ことり「触ってないのに!」

絵里「何も入ってないでしょ」

ことり「うん」

絵里「次は……スカートの……」

ことり「次こそは……」

絵里「あ、やっぱり入ってなさそう」

ことり「ま、また触ってないのにっ!」

絵里「だってぺったんこだもの」

ことり「え、絵里ちゃんのと比べたらそうかもしれないけど……」

絵里「コラ、どこを見てる」

絵里「ほら、正直に話しなさい。どこに隠したの」

ことり「ふっふっふ、私はそんな簡単に口を割らないよっ」

絵里「よーし、ちゃんと教えてくれれば1つだけお願いを聞いてあげる」

ことり「ポーチの中です!」

絵里「よろしい」

絵里「……って見つからないわよ?」

ことり「2重底になってるからね」

絵里「……ことり、何かのスパイでもやってたの?」

絵里「まあこれで鍵を手に入れられたし、さっそく外すわよ?」

ことり「……」

絵里「ことり、後ろ向かれたらとれないんだけど」

ことり「だって……こんな機械滅多にないんだよ!」

絵里「なにが」

ことり「今ならきっと、絵里ちゃんがお菓子を食べさせてくれる気がします」

絵里「むむむ……仕方ないわね。でも食べさせられるようなお菓子家にないわよ?」

ことり「買いに行こっ」

絵里「そうしましょうか」

絵里「……で、その手錠は?」

ことり「もちろんそのまま!」

絵里「ことりはお留守番してなさい」

ことり「えぇっ、ひどいよ絵里ちゃん!」

絵里「ひどいも何も……そんなのしてあるいてたら変な人に思われるでしょ」

ことり「私はどう思われてもいいんだけどなぁ」

絵里「私がよくないの」

ことり「むぅ……絵里ちゃんはことりのこと嫌いなの?」

絵里「好きだからよ」

ことり「愛のかたちは人それぞれでしょ?」

絵里「そんなこと言って、この前も犬耳メイドさんとかのコスプレさせたのはどこの誰だったかしら」

ことり「似合ってたよ」

絵里「そんなフォローはいりません!」

ことり「じゃあ……前のバニーさんは?」

絵里「全体的に寒かった」

ことり「その前の巫女さん風ドレス!」

絵里「あれは座りにくかったわねぇ」

ことり「裸エプロン」

絵里「そんなの着た覚えないわよ!」

ことり「もー、わがままさんなんだから」

絵里「えっ」

ことり「もう絵里ちゃんに衣装作ってあげないもん」

絵里「えー、それは困るわ」

ことり「次から絵里ちゃんだけスカートの丈を短くするとか」

絵里「わー、やだそれ」

ことり「絵里ちゃんだけ水着」

絵里「私サイリウム振っておくから頑張ってね」

ことり「嘘だよぉ」

絵里「ことりは本当にやりそうな気がして怖いのよ」

ことり「そこまでいじわるじゃないもん」

絵里「ほんと?」

ことり「うん、じゃあ仲直りのしるしに……そうだ! ポーチにマカロンが入ってるよ」

絵里「え? こんなちっちゃいポーチに?」

ことり「うん」

絵里「うわー、本当に出てきた……四次元ポーチね」

ことり「スタンバイ」

絵里「なんの」

ことり「私は今両手が使えません」

絵里「案外何とかなりそうだけど。前でくっついてるし」

ことり「あーん」

絵里「話を聞きなさい」

ことり「違うよ絵里ちゃん、おしゃべりなのはこのお口ね! って言ってキス……」

絵里「おしゃべり!」

ことり「うう、違う……」

ことり「さあ、ことりはいつでも準備オッケーです」

絵里「私は万年準備中です」

ことり「はやくー」

絵里「……はいはい、わかったわかった。口開けて」

ことり「あー」

絵里「はい、どうぞ」

ことり「あむ」

絵里「わわ、全部くわえちゃっても食べられないでしょ?」

ことり「ふふふ、ぬかりはないのです」

絵里「ど、どうやってしゃべってるの!?」

ことり「絵里ちゃんちょっとしゃがんで」

絵里「あ、うん。……よいしょ、これでいい?」

ことり「うんうん。ことりスウィング!」

絵里「わっ、何!? ……って顔近い!」

ことり「手錠で繋がってるお陰で、絵里ちゃんの頭に両腕がすぽっとはまりました」

絵里「いや、それはわかってるんだけど……」

ことり「どうしたの? はやく食べてよぉ」

絵里「あのね、ことり。顔が近くてね」

ことり「こっちはマカロンで見えないよー」

絵里「そりゃあ私の方が身長高いからね」

ことり「うん、絵里ちゃんがちゃんと立っちゃったから、ぶら下がりそうになったよ」

絵里「え、じゃあしゃがむ」

ことり「ああ! せっかく密着できたのに!」

絵里「ええい放り投げてやろうかしら」

ことり「ふふふ、ことり知ってるよ。絵里ちゃんはそんないじわるなことできないもん」

絵里「物理的にね」

ことり「うん、物理的にね」

ことり「それより絵里ちゃん、早く食べてくれないとマカロン溶けちゃうよ」

絵里「マカロンって溶けるっけ?」

ことり「ことりも溶けちゃうよー」

絵里「何で?」

ことり「恋の炎で……きゃー!」

絵里「はいはい」

ことり「もう、絵里ちゃん冷たい。そんなことだったら離婚だよ離婚」

絵里「まだ結婚してない」

ことり「まだ?」

絵里「……」

ことり「まだまだ?」

絵里「とにかく、マカロンを食べてしまいなさい」

ことり「えー、これは絵里ちゃんの分だよ?」

絵里「いつの間に」

ことり「じゃあお願い、マカロン食べて?」

絵里「う」

ことり「おねがぁい!」

絵里「……わかりました。食べます」

ことり「じゃあいくよ」

絵里「……はい」

絵里「はむっ」

ことり「おいしい?」

絵里「……おいひぃ」

ことり「うん、じゃあ2つ目いってみよー」

絵里「ことりってものすごく積極的よね……」

ことり「絵里ちゃんは優しいから、何もしてきてくれないもん」

絵里「手錠も計算の内?」

ことり「マカロンも計算の内です」

絵里「なるほど」

ことり「絵里ちゃんとイチャイチャするためだったらどんなことだってします」

絵里「人生楽しそうね」

ことり「絵里ちゃんは楽しくないの?」

絵里「ことりのおかげで楽しいわ」

絵里「まあことりの手の上で踊らされてばかりだけどね」

ことり「ふふん」

絵里「計算高いことり」

ことり「あー、私のこと嫌いになった?」

絵里「ううん。惚れ直した」

ことり「ありがとっ」




         おわり

絵里ちゃんはヘタレがいいね

このSSまとめへのコメント

1 :  凛ちゃん好きのう33さん   2014年07月15日 (火) 00:39:37   ID: LkWoTrYJ

春夏秋冬♪凛ちゃん好きのう33さん

2 :  SS好きの774さん   2014年08月06日 (水) 09:36:53   ID: fr1rbvON

ほんとすき

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