荒木比奈「なんか飛んで来たっス」 (21)

*短いです。たぶん15レスとか。書き溜めをさくさく落とします
*のんびりするだけの話です

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ポコン

P「いて」

比奈「あ、プロデューサーにも飛んで来たっスか?」

P「なんだこれ?」

比奈「キノコでスね」

P「キノコだな」

比奈「……」

P「……」

比奈「…輝子ちゃん…でスかね」

P「しかいないな」

P「おーい輝子ー」

ポコ

輝子「よ、…呼んだ?」フヒ

P「…おま、何だその格好…」

輝子「キノコのきぐるみだよ……い、いいでしょ、フヒ」
輝子「ど、どうしてもって言うなら、ぴ、Pにも、着せてあげるよ……」

P「いや、大丈夫だ」

輝子「あ、そう」フヒ…

モフモフ

比奈「なんだか…取ったら大きくなれそうなあれでスね」

輝子「?」

P「…たしかに」
P「それは仁奈にもらったのか?」

輝子「う、うん。…この前一緒に、この衣裳で、テレビに出たんだ……」

P「どんな番組だ」

柚「料理番組じゃなかった?」ヒョコ

P「いたのか、柚」

柚「いたよぅ」

P「え…じゃあ、キノコ料理でもやったのか?」

輝子「う、うん」

P「食べられる側のきぐるみを着るのか……まあ、動物じゃないだけましか…」

輝子「仁奈ちゃんは、牛さんだったよ」

P「あかん」

柚「和久井さんのお料理番組、けっこう人気みたいだねー」

P「和久井さんそんな番組やってたっけ!? 俺聞いてないぞ!」

留美「当然よ。Pくんには黙っておいてとみんなに言っておいたんだもの」

P「うおう!」

留美「……そんなに驚くことないじゃない…」

P「あ、すいません…いや、後ろからいきなり声をかけられたもので、つい」

柚「そだった…ごめんね留美さん…」

留美「いいのよ。どうせ、そのうち言うつもりだったんだから」ナデナデ

留美「ねえPくん。どうして君には黙っておいてもらったか、分かる?」

P「…ど、どうしてですか?」

留美「いつかあなたに料理を振る舞って、喜んでもらうためよ。驚いて欲しかったの」ニッコリ

留美「それに、努力は黙ってした方が輝くでしょう?」

P「……ソウデスネ」

留美「…どうして目を逸らすのかしら」

比奈(ちょっと気軽に受け止められる重さじゃなかった模様でスね…)

P「そ、そんなことより、ですね」コホン

留美「そんなこととはなによ」

ポコン

留美「きゃ」

P「この問題を解決しよう」

比奈「でスね」

ポコポコ

柚「事務所の中をキノコが飛び交ってるね♪」

P「シュールすぎるわ」

P「おい輝子」

輝子「ひっ、ちょ、P近い……いや、トモダチなら、このくらいがちょうどいい距離……? フヒヒ、いや、私たちは親友だったか……な、ならよし」ウン

P「なにぶつぶつ言ってんだ」

輝子「あ、あれだよ。……そろそろ梅雨だから、キノコも、テンションあがってるんだよ、きっと」

P「アクティブすぎるだろ」ポコ

P「……」ポコポコ

P「ええい鬱陶しい! 食ってやろうか!」

輝子「!? だ、だめ、カニバリズムは、ちょっと」

P「キノコを食するのをカニバリズムとは言わん」

ポーン

柚「ほっ」

留美「ナイスキャッチ」パチパチ

P「…まあ…百歩譲って、キノコがアクティブになった結果だと言うのは、鵜呑みにしてやろう」

比奈「いいんスか」

P「話が進まないしな」
P「…で? だからと言って、そもそも事務所にこんなにキノコがあった覚えがまずないんだが…」

輝子「う、うん。ちょっとずつ、ちょっとずつ、増やしたんだ……フヒヒ、いいでしょ」

P「よくねえよ。仕事もままならんわ」

比奈「プロデューサーの机の上もキノコ塗れでスもんね」

P「…まさか一晩でこんなことになるとは…梅雨になったらいったいどうなるんだ…」

P「事務所ではあんまりキノコを栽培しないでくれって言ったろ?」

輝子「……う、うん。でも……」

P「でも?」

輝子「い、…いいんじゃないかって、言われて……つい」

P「? 誰に」


「呼びましたか!」


P「?」

幸子「ボクですよ!」

P「……」ビュ

幸子「あう」ポコ
幸子「い、痛い! 急にキノコをこっちに投げないでください!」

P「……」ヒュッヒュ

幸子「あっあっ、やめ、ちょ、無言でキノコを投げるのはやめて…」ポコポコ

輝子「あのぅ、できれば私のトモダチをあんまし投げたりはしないで欲しい…」

比奈(絵面がシュールすぎまスね)

幸子「い、いい加減にしてください!」バッ

P「俺の台詞だ」ポコ

幸子「あう」

P「いったいどういう了見でこんな事態を許容したんだ」

幸子「い、いいじゃないですか。ボク、輝子さんの趣味は、なかなか素敵だと思いますよ」ヒョイ

幸子「キノコ、カワイイじゃないですか。ボクほどではないですけど」

輝子「! ……さ、さっちん…」キラキラ

P「可愛ければいいってもんじゃないんだけど…」

ポン

P「……俺の頭にキノコを乗せるんじゃない」

幸子「ふふ。これから梅雨の、ジメジメした季節がやって来ますからね。ちょっとくらい事務所も、騒がしいくらいの方がいいでしょう?」

P「…それは否定しないが」

幸子「えい」グイ

P「…眉にキノコを押しつけるんじゃない」グイグイ
P「お前、変なキノコでも食べたんじゃないだろうな」

幸子「そんなことありません」

輝子「フヒ……ね、ねえ、さっちん。このキノコ、どうかな……今日新しく出て来た子だよ…」

幸子「なかなかカラフルですね。ふふ、悪くないと思いますよ」



P「……あいつら、いつの間にあんなに仲良くなったんだ」

比奈「コンビにしたのはプロデューサーでしたよね?」

P「まあな。…まあ、いつも通り、適当に決めたんだけど」

比奈「思っても言っちゃだめでしょそれ」

留美「食べられるキノコはあるのかしら?」

柚「専門家に聞いてみる?」

幸子「えっと、ここにあるのだとですね…」

輝子「…さ、さすがさっちん…もうすっかり、キノコのことは詳しい……さすが、私の、トモダチのトモダチ…フヒ」

幸子「いや、ボクはあなたとも直接友達のつもりですよ」

輝子「……お、おう」


ワイワイ


P「……まあ、なんか知らんがたしかにみんな楽しそうだな。キノコのおかげで」

比奈「でスね」

ポコン

P「……まあ、いいか。このくらい、可愛いもんだよな」

比奈「そうでスね」クス

P「ただきぐるみを置いとくのは怖いな。あれに胞子がついたら、絶対大変なことになる」

比奈「仁奈ちゃんには注意しとかなきゃでスね」

楓「仁奈ちゃんには、ちゃんときのこにきを(の)つけるように言っておかないと、ですね」フフ…

P「いたんですか」

楓「(´・ω・`)」イマシタヨ…

比奈(楓さん、頭の上にあるキノコに気づいてないっスね…)カワイイ

楓「仁奈ちゃんと一緒に、お昼寝してました」ニヘラ

P「あっ、てことは、仁奈も…」



仁奈「では、輝子おねーさん!」

輝子「う、うん」

仁奈「仁奈と一緒にキノコの気持ちになるでごぜーます!」

輝子「……ま、まかせて。…それは、ばっちり…フヒヒ」

幸子「どんば場所でも、めげずに生えて来る気概ですかね」

柚「さっちんは真面目っ子だねー」

留美「……キノコの気持ち……キノコにも婚期ってあるのかしら…」ブツブツ



P「楽しそうだな」

比奈「でスねぇ」

楓「そうですね」ニコ



輝子「フヒヒ」

幸子「ふふ♪」

こんな平和なお話。
ただ幸子と輝子を仲良くさせたかっただけでした。

おわりです。ありがとうございました。

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