丸藤翔「兄貴!まだ何もせずフラフラしてるんすか!?」 遊城十代「ああ!」 (31)

万丈目「ったく旅ばかりして俺たちを見習え」

十代「別にいいじゃねえか」

翔「兄貴もプロデュエリストとしての道へ進めばいいんじゃないかな?」

十代「プロ?」

万丈目「フン。プロの世界にはこの俺、万丈目サンダーが居る!そう簡単には」

剣山「猛勉強して教師になるとかどうだドン?」

明日香「簡単に言うけど教師って大変なのよ剣山くん」

翔「自分の道をしっかり見つめなきゃダメっすよ兄貴」

十代「そんなこと言われてもな・・・」

吹雪「でも仕事をしない方が十代くんらしいと言えば十代くんらしいよね」

十代「そうそう!それが俺らしいんだよ吹雪さん!」

明日香「はあ・・・」

剣山「まあアニキにはいつまでも元気で居て欲しいザウルス」

翔「そうっすよね。お爺さんになっても兄貴は兄貴のまま居て欲しいっす」

十代「そんじゃ乾杯と行こうぜ!なあ!」

「かんぱーい」

翔「たまにはみんなで集まるのも悪くないよね兄貴」

十代「ああ!」

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十代「ほら起きろよ翔、剣山」

剣山「ドン・・・」

万丈目「全くお前は酒も飲めんのか!」

十代「仕方ない、俺が二人を送ってくよ」

明日香「頼むわよ十代」

十代「また会おうぜ万丈目、明日香、吹雪さん」

吹雪「うん。また会おう十代くん!」

十代「ほらしっかりしろよ翔、剣山」

十代「さ、さすがに重いぜ二人は」

大徳寺「翔くんも随分と背が大きくなったにゃ」

十代「だな」

ユベル「それに比べて君は何も変わらないままだ十代」

十代「ははは、そう言うなよ」

十代「なあ大徳寺先生、ユベル」

ユベル「?」

十代「これから先、俺って普通の人間として生きて行くのかな?」

ユベル「・・・」

大徳寺「多少は・・・長生きするんじゃないかにゃ」

十代「まあ俺って普通じゃねえし、でも後悔はしてないぜ」

十代「半分精霊みたいな俺だけど長生きすりゃ凄いデュエリストに会えるかもしれねえしな」

剣山「俺は将来・・・博物館に飾られるような立派な恐竜さんになるザウルス・・・」

翔「サイバー流を広めるっす・・・」

十代「ははっ、寝ぼけてら二人とも」

それから数十年の月日が流れた
仲間は次々と天寿を全うする中、十代はただ一人生きていた

十代「うーん、老けたかな俺」

ユベル「何も変わってない」

十代「やっぱ名前が悪いのか?十代って」

大徳寺「それは関係ないと思うにゃ」

十代「そういや童実野町って名前変わったんだよな。シティってなんだよ」

ユベル「淋しいのかい十代?」

十代「別に寂しくねえよ・・・ふーん、この博物館に居るんだな」

ユベル「何が?」

十代「見ろよ」

ユベル「恐竜になったデュエリストの化石展示中・・・」

十代「剣山だと俺は思うぜ」

大徳寺「そういえば剣山くんの遺体は」

十代「あいつの遺言通り発掘されやすい場所に埋めといたぜ」

十代「よし!あいつの姿を見てやろうぜ!なあ!」

十代「・・・何か潰れかけだな、博物館」

彰子「あっ」

十代「ん?もしかしてここの従業員の人ですか?」

彰子「えーっとここは私の家でして・・・その」

十代「ここに恐竜になったデュエリストの化石があるって聞いて」

彰子「ひょっとしてティラノ剣山さんの化石ですか!?」

十代「うん、剣山のこと知ってるんですか?」

彰子「あ、はい。ティラノ剣山と言えば我が宇佐美家にとって伝説的なデュエリストでして」

十代「へえ」

十代「このバンダナやっぱ剣山のものだな。元気そうで何よりだぜ」

彰子「久しぶりです。お客様が来るなんて」

十代「博物館って言ったら子供に人気があるのに」

彰子「来ると言えば六日に三人ぐらい来る程度で・・・」

彰子「それに経営が苦しくて・・・借金までも」

十代「借金?」

彰子「はい・・・それで父も過労で」

大徳寺「どこの時代でも居るもんだにゃ」

ユベル「でも自業自得さ、借りたものを返さない奴が悪い」

十代「そう言うなよ。あれって期限までに返さねえと積もりに積もってくんだから」

彰子「(一体誰と話してるんだろ・・・)」

十代「それって悪徳金融ってやつ?」

彰子「利息が十3でして」

十代「10日で三割か。酷い話だぜ」

十代「俺に任せてくれよ。な?」

彰子「でもそんな見ず知らずの人に」

十代「見ず知らずじゃないぜ。あんたらの家宝は俺の仲間なんだ」

十代「剣山はこうして安らかに眠ってる。誰にも邪魔はさせるわけにはいかないぜ!」

十代「頼もう!」

金融屋「何じゃいおどれは」

十代「宇佐美さんの代理の者だよ。酷すぎねえか?10日で3割なんて」

十代「そういうの暴利って言うんだぜ」

金融屋「アホぬかせ!それを承知で借り取るんじゃろが!」

金融屋「金返せんへんやと?ボケが!なら汗水働いてわしらに収めんかい!」

十代「だからあんたらの暴利が」

金融屋「おう!こいつをデュエルで畳んだれや!」

十代「1、2・・・12人か」

大徳寺「幾ら何でも12人相手じゃ」

十代「安心しろよ先生!これぐらい慣れっこだぜ!」

十代「デュエル!!」

金融屋「カスが、何がヒーローじゃ」

ユベル「この」

十代「や、やめろユベル」

金融屋「哀れなやっちゃ、シンクロ知らんのか?この田舎者が」

十代「・・・負けちまった」

大徳寺「奴らの言う通りだにゃ。いっその事デッキを」

十代「連れないこと言うなよ先生。俺はHEROやネオスペーシアンが好きだ」

十代「例え進化しようとも俺は永遠不滅のヒーローデッキ使いさ」

ユベル「十代・・・」

十代「リベンジはきっちりする。一度、帰ろうぜ」

大徳寺「・・・」

十代「・・・」

彰子「十代さん!」

十代「すまねえ宇佐美さん。負けちまった」

彰子「申し訳ございません十代さん・・・」

十代「いや別に気にする事」

カイザー「相変わらず元気そうだな十代」

十代「ん・・・カイザー!?どうして」

カイザー「話は後だ。負けたのか?」

十代「12人はさすがにキツかったぜ。一斉に襲いかかってくるんだからな」

カイザー「諦めるのか?」

十代「諦めるわけねえよ!必ずリベンジしてやるぜ!」

カイザー「それでこそ遊城十代だ」

十代「まずはドローの練習だ!」

大徳寺「亮くん君は」

カイザー「その話は十代が奴らを退治してからにしましょう大徳寺先生」

十代「ドロー!ドロー!」

彰子「十代さんって普段からあのような方なのですか」

カイザー「俺も数十年ぶりに出会うが・・・奴は何も変わらない」

カイザー「遊城十代とはお節介な男だ。何より仲間は大事にする」

カイザー「そこに展示されている剣山をそして貴女を救いたい気持ちでいっぱいなんだろう」

彰子「・・・」

カイザー「まるで太陽のような男だよ。十代は」

十代「ドロー!ドロー!ドロー!」

十代「さあ行くか」

カイザー「勝つ見込みはあるのか?」

十代「たとえ負けても何度でもやってやるさ。あ、カイザー」

カイザー「どうした?」

十代「どうして生き返ったんだ?」

カイザー「正確には生き返ったわけではない。一時的に蘇っただけだ、サイバードラゴン達の手によってな」

十代「そっか」

カイザー「あの世からの翔や明日香からの伝言だ。頑張れだそうだ、いつまでも十代らしくな」

十代「おう!」

カイザー「それと万丈目は早く死んで俺とデュエルしろだとさ」

十代「あの世って楽しいか」

カイザー「ああ、武藤遊戯も海馬瀬人、城之内克也も居る。それに古のデュエリストも多数」

十代「楽しそうだな。俺も機会があったら行きたいぜ!」

カイザー「行って来い十代・・・そして勝て!」

十代「ガッチャ!絶対に負けないぜ俺」

カイザー「ふっ・・・」

彰子「あれ?十代さんは」

カイザー「あいつなら行った」

彰子「行った!?」

カイザー「安心しろ、あいつは」

彰子「やっぱり私も行かなきゃダメだと思います」

彰子「だって我が家の件なのに私自身が動かないなんて」

カイザー「・・・そこのお前」

ジャック「お前?誰だ貴様は!?」

カイザー「俺は丸藤亮。彼女をある場所まで連れてってほしいんだ」

彰子「場所なら私、知ってます。だ、だから送り届けてください!」

ジャック「ふざけるな!俺は見ての通り忙しい!それに」

カイザー「俺は時期に成仏する。頼めるのはお前だけだ、すまないな」

ジャック「成仏だと・・・」

カイザー「彰子さん。きっとこの男が乗せてくれるはずだ、困ってる者を見過ごせんそんな目をしている」

ジャック「・・・乗れ、案内しろ」

彰子「あ、ありがとうございます!」

カイザー「俺も時間か・・・頼むぞ・・・」

ジャック「俺はジャック・アトラス。死に行く貴様の最後の望みを叶えてやろう!」

十代「俺のターン!魔法カード発動!マスクチェンジ!」

金融屋「マスクチェンジ!?」

十代「いい事を教えてやるぜ!ヒーローは絶対に負けねえんだ」

十代「それが悪者なら尚更負けるわけには行かねえんだよ!」

金融屋「くっ・・・」

十代「だよな!みんな!」

フレイムウィングマン「ああ」

ネオス「それがHEROであり」

十代「マスクチェンジによりフィールドのノヴァマスターをM・HERO剛火に!」

十代「さあここからが反撃だぜ!行くぜフレイムウィングマンでダイレクトアタックだ!」

金融屋「そんなアホな・・・わしらが」

彰子「十代さん!」

十代「あ、宇佐美さん。それに誰だ」

ジャック「フン」

十代「おい宇佐美さんの借金・・・チャラにしろとは言わねえけど穏便に見てやれよ」

金融屋「ふざけとったら」

「社長あきまへんって!あの十代っちゅうガキ普通やおまへん」

「それに後から来たあいつジャック・アトラスでっせ。奴に睨まれたらお終いですわ」

金融屋「わ、解ったわ。いつでもええから返しにき」

十代「違法な事はするんじゃねえぞ」

金融屋「解っとるわ・・・」

十代「カイザー・・・そうか、逝っちまったんだな。これはサイバー流のデッキか」

彰子「何かなら何まで本当に」

十代「いいよ別に。それより剣山の化石、大事にしてやってくれよ!」

彰子「はい!」

十代「それと・・・」

ジャック「何だ」

十代「物のついでにこの博物館を宣伝してやってくれねえか?」

ジャック「何が物のついでだ!俺は」

十代「じゃあ俺、行くよバイバイ宇佐美さん」

彰子「ありがとうございました十代さん!お気をつけて!」

ジャック「そんなに俺が暇人に見えるか!」

彰子「あ、これからも宇佐美博物館を宜しくお願いします」

ジャック「全く・・・今度遊星達を連れて来てやるか」

大徳寺「次はどうするにゃ」

十代「これさ」

ユベル「それはカイザー亮の」

十代「今度はサイバー流の継承者探しの旅に出るよ。そんで次は」

ユベル「好きにしろ僕はどこまでも着いて行くよ」

大徳寺「僕たちだにゃ。ね?ファラオ」

ファラオ「ニャー」

十代「進もうぜみんな!どこまでもどこまでも!」

十代「ガッチャ!」


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