濱口「ありのー」有野「なんやねん濱口くん」 (133)

濱口「ままのー」

有野「うちのオカンになんか用あんの?」

濱口「違うわい。今話題のアナと雪の女王じゃい」

有野「アナ雪か」

濱口「せやせや。アナ雪じゃい」

有野「そういや濱口くん、ディズニーの番組持ってるもんなー」

濱口「おう。今やお子さんの高感度ナンバーワン芸人じゃい!」

有野「ええなー、そういうのええなー」

濱口「有野かてゲームのえらい人気あるやんけ」

有野「CXなー、ちょっとその事で今悩んでんねん」

濱口「悩みってなんやねん?ちょっと相談乗ったるから話してみろや」

有野「ホンマか。ありがとうな、濱口くん」

濱口「おう!ワシとお前の仲やんけ!任せろや」

有野「実はな、濱口くん…

有野「僕の目な、失明するんやて」

濱口「おいコラ真面目に話せーやーせっかく優さんが真剣モードやのに」

有野「濱口くん

濱口「まったく、わかりにくいボケはやめー

有野「濱口くん!!」

濱口「…ホンマ、なんか?」

有野「…ああ、ホンマや」

有野「お医者さんが言うには、じわじわと視野が狭くなって最後には…真っ暗や」

濱口「有野…もしかしてゲームのし過ぎで

有野「な、こんな話聞いたらそう思うやろ?」

有野「せやからよう言われへんねや…あいつらに、いらん心配かけさせたくないねん」

濱口「有野…ちょ、ちょっと待てーや!いきなり言われたワシの気持ちはどないやねん!」

有野「濱口くん」

有野「濱口くん、君は一人でも大丈夫や。濱口くんみたいに誰からも好かれる芸人はおれへんもん」

有野「ちっちゃいファンもたくさんいてるんやろ?」

濱口「有野…」

有野「ほな、CXの収録行ってくるわ」
有野「有野課長の最後の仕事や」

ゲームセンターCX収録終了

スタッフ「お疲れ様でしたー」

有野「おう!お疲れさん。なあ、偉い人いてる?」

スタッフ「プロデューサーの菅さんですか?いらっしゃいますよ」

有野「僕、会議室におるからちょっと呼んどいてな」

スタッフ「?わかりました」

有野「ありがとうな」

会議室

コンコン
菅「有野さん、お疲れ様です。こちらだと聞いたので」

有野「菅さん、忙しい所ホンマすいません」

有野「これ、渡そうと思ってましたんや」

菅「…これって

菅「これって、退職願じゃないですか」

有野「はい。有野課長、今日いっぱいで辞めさせて貰いたいんです」

菅「…どういう事ですか有野さん」
菅「説明して頂けますかね…」

有野「実は、ゲームやるの飽きたんです」
有野「DVDもよう売れてたんまり稼がせて貰いましたし、いろんな人とお会い出来ました」
有野「課長として人気も出て、忙しくさせていただきましたわ」

有野「もう充分稼いだんで、この辺で終わりにしたいんです」

菅「有野さん

有野「ほな、そういう事やから。お先に失礼します」


有野(これでええ、これでええんや)スタスタスタ…

須田「あ、有野さん」

須田「…行っちゃった」

コンコン
須田「失礼します。菅さん、そろそろ終電ですよ」

菅「……」

須田「菅さん、なんですかそれ
須田「退職願……またADが辞表出したんですか」

菅「課長だよ…

菅「課長が辞表を出したんだ」

須田「え…有野さんが!?」

有野(偉い人はさっきの話信じてくれたんやろか…)
有野(ホンマに、こういうの苦手やわ。稼がせてもろうたって2回繰り返してもーたし)

有野(…まさかこないな事になるなんてなあ)

……



(回想)

有野『なんか最近目が霞むねんなー』

加藤『ゲームばっかりやっとるから目が疲れてんだよー良い病院紹介してやるから時間ある時行ってこいよ』

有野『うん、そうする。ありがとなー』

有野『んーいじらしいなあ』

病院


有野『先生、どないですやろ』

医者『では検査しますね』
医者『…ん?』

医者『君たち、これを見なさい』

助手たち『これは、メラノーマ…でしょうか』

有野(メラノーマてなんやねん…)





医者『有野さん、検査の結果をお話ししたい所ですが』

有野『はい、ドライアイかなんかでした?ほら、僕コンタクトやから…』

先生『…有野さん。ご家族を呼んで頂けますか?』

有野『へ…?』

有野『それって…』

有野『………』

有野『先生、嫁にはキチンと僕の口から話します。
有野『だから、病名を教えて下さい』

医者『わかりました』
医者『有野さん、あなたは癌です』

医者『眼球の裏にメラノーマ、悪性黒色腫が出来てまして、それが目を圧迫しています』

医者『このまま放っていると転移することも充分に考えられます』

有野『………』

有野『僕は…僕の眼は治るんでしょうか?』

医者『残念ながら…ここまでの腫瘍となると処置する方法は一つしかありません』

有野『それは…それは何なんです!?』

医者『それは…眼球の摘出です』

有野『………』

有野『はっ…分かったで。これめちゃイケのドッキリなんやろ?』

有野『みんな見てるんやろー?カメラどこやねん!』

医者『有野さん』

有野『ホンマに冗談きついで!』

医者『有野さん!!』

有野『……先生、目玉取った後はどないになりますんや』

医者『そのまま空洞にしてますと穴を塞ぐように顔が垂れますから、義眼を入れます』

有野『義眼かーなんかかっこええな』

有野『先生、僕に時間を下さい。仕事、残してますんや』

医者『…有野さん、では2日だけ。2日したら入院して頂きますよ』

有野『先生、ありがとう…』

(回想終了)

有野「明日めちゃイケの収録やってそしたら入院かー」

有野「義眼付けてたらお客さん気軽に笑ってくれへんやろうしな」

有野「タモさんやピーコさんみたいにグラサンや眼鏡かけるのも僕には似合わへん」

有野「お笑い芸人よゐこ有野晋哉は明日で引退やな」

有野「濱口くん…ごめんな」

眠いから一旦この辺で
書き溜め無いから遅くてすまんね

翌日


有野「昨日はよう寝れんかったなあ」

有野「ほな、行ってくるわ」

祐子「あなた…」

有野「心配せんでええ。明日から入院やから準備しといてや」

有野「いままで、ありがとうな」


バタン



祐子「……お疲れ様。あなた」

有野「お台場までお願いします」

タクシー運転手「はい、わかりました」




有野(お台場行くんもこれで最後になるんかなあ…)

有野(みんなにどう説明しよ)

運転手「あれ、もしかして課長さん?ゲームのやつ見てますよ」

有野「ああ、ありがとうございます」

運転手「お台場って事は収録ですか?応援してます」

有野「せやねん、DVDも買ってやー」

有野(最近は有野さんやのうて課長言われる事増えたなー)





有野「お、運転手さん。この辺でええよ

運転手「はい。……円になります」

有野「……円な。はいよ」

運転手「では、応援してますんでこれからも頑張ってください!」

有野「おう!おっちゃんも頑張りやー」



有野(これからも…か。すまんなおっちゃん)

お台場
めちゃイケ楽屋

有野「おはようさーん」

有野「あらら、まだ誰も来てへんのか」


ガチャ


加藤「おはざーっす。…おう有野。お前だけか」

有野「加藤くん、おはようさん」

有野「病院教えて貰って助かったわ。ええ先生やね」

加藤「構わねーって。それでお前目は

有野「なーに、ただのドライアイやったわ。目薬さして安静にせいってさ」

加藤「……なあ、有野」

ガチャ

メンバー達「おはよー」「おはようさん」「おはよう」

有野「ごめん加藤くん、また後でな」

加藤「………」

収録中


矢部「岡村さんwwwそれはアカンってwww」

ハハハハ


加藤「…なあ、濱口」

濱口「どしたんや、今収録中やんけ」

加藤「お前…有野の病気の事知ってんのか?」

濱口「…なんでその事」

加藤「あいつに病院紹介したの俺なんだ。先生に、病気の事も聞いた」

濱口「そうなんか…俺は昨日な、あいつから聞いてん」

加藤「有野は何て言ってんだ?」

濱口「………」

濱口「もう目見えなくなるって…だから…だから、一人で頑張れって…」

加藤「………なあ濱口」


加藤「お前は納得してんのか?」

加藤「お前は…それでいいのか?」

濱口「せやかて…」

濱口「せやかてしょうがないやん」

濱口「心配せんかてええよ。有野の分まで俺が頑張るんや」

濱口「有野がおらんでもよゐこはよゐこや」

加藤「なあ濱口……」

加藤「ちょっとこっち来い」

濱口「ええっ!?ちょっと待ってや!」

岡村「おいお二人さん!どこ行くや!」

矢部「本番中ですよー!」

濱口「ちょ、どこ行くんやもー!離してーな!」

加藤「ちょっと部屋借りるぞ」

スタッフ「は、はい」

バタン


加藤「座れよ濱口」

濱口「いったいなん…

加藤「いいから座れ!!!」

濱口「……」


加藤「なあ、お前らがどんだけ話し合ったか知らねーけどさ」

加藤「お前らにとってコンビって何だよ。お前らにとってよゐこって何なんだよ」

濱口「……」

加藤「このくらいで諦めがつく程度のものなのかよ」

加藤「こんな簡単にやめられるものなのかよ…答えろよ濱口!!」

加藤「もう一生漫才出来ないコンビだっているんだぞ…」

濱口「…ワシにはどうする事も出来んのや」

濱口「医者やないから有野の目を治してやることも出来ん…」

濱口「俺は目が見えるから…あいつの気持ちを分かってやる事も出来んのじゃい!!ボケェ…」

加藤「片方の目は残るじゃねーか。目ん玉一つあれば前向いて歩けるじゃねーか」

加藤「見えなくなる方にお前が立って有野を支えてやればいいじゃねーか!!」

濱口「……」

濱口「それ、どういうことや?」

加藤「あいつはな、片方の目の奥に腫瘍が出来てんだ」

濱口「しゅ、しゅよう?」

加藤「癌の事だよ」

濱口「が…ガンってなんやねん!そんな話聞いてへんぞ!」

加藤「でもな、今なら目をとればあいつは助かるんだ…ってお前、有野からなんて聞かされたんだよ」

濱口「じわじわ見えんようになるって…なんや、そうか。ガンか…」

濱口「ガンってヤバイやつやんけ!!!有野は!?有野は大丈夫なんか!?」

加藤「落ち着けって、転移する前だから手術すれば元気になるんだって!」

濱口「なんや…そうだったんか…」

濱口「ワシ、有野は両目共失うんだとばかり思っとった…」


濱口「……よかった」

加藤「なあ、濱口。もう一回聞くぞ」

加藤「お前は納得してんのか?」

加藤「よゐこってコンビが無くなってもいいのか?」

濱口「……」

濱口「なんか、ごっつ腹たってきた」

濱口「ワシ、行ってくるわ」

加藤「おう。ぶつけて来いよ」

濱口「ありがとう!ほな」





加藤「コンビか…」

加藤「やっぱり俺も諦めきれてねーみたいだな」

加藤「……」


加藤「もしもし、山さん。俺だけど……」

濱口「ハァ…ハァ…」

矢部「あ、戻ってきよった」

紗理奈「ちょっとー!収録中に何してんのー」

濱口「ハァ…ハァ…おい有野。ようワシを騙してくれたな」

有野「濱口くん…」

濱口「ハァ…みんな、収録潰してホンマにすまんかった。この通りや」

濱口「みんな、聞いてくれ。話がある」

有野「……」

濱口「うちんとこの有野な、入院することになってん」

有野「濱口くん!」

濱口「せやからな、あいつが退院するまでワシ一人で頑張るから堪忍したってや」

有野「濱口くん!!」

紗理奈「ちょっと、それどーゆーこと」

岡村「有野、お前どっか悪いんか?」

矢部「有野さん、説明。してくれはりますよね?」

有野「……」

有野「ちょっとな、大したことやないんやけど目がな」

濱口「大した事やないことあるかい!お前はガンやないけ!!!」

有野「濱口くん…

濱口「どうしてお前はいつもそうなんや!?なんで周りに気を使うんや!?」

濱口「心配かけたってええやん…気を使わせたってええやん…」

濱口「頼ってくれたってええやんけ……そうやろ?そうやろ有野!!!」

濱口「コンビ解散なんかしてたまるかい…ガン細胞なんて糞食らえじゃ」

濱口「お前がおらんかったらワシには何も出来んのじゃい…」

有野「……」

濱口「お前がおらんで誰が無人島で家を作るんや」

濱口「誰がワシの為にちねって米を作ってくれるんや」

濱口「お前しかおらんやないけ…」

濱口「ワシには有野晋哉しかおらんやないかい!!!」

武田「ごめん…話が、見えないんだけど」

有野「……みんな、すまん。ちゃんと話するわ」

有野「眼球の裏にな、メラゾーマだかメラノーマだかいう悪性黒色腫が出来てるねん」

有野「それが目を圧迫してて、目がおかしなっとるんや」

矢部「ちょ…大丈夫なん?」

有野「うん。放ってると転移するかもしれんけど、今のうちならなんとかなるんや」

有野「………」

有野「手術して眼球をとれば助かるんや」

有野「そんでな、目取ったら義眼入れる事になるねん」

有野「そしたら…お笑いに来たお客さんにいらん心配かけるやろ?」

有野「そう思ってたんや」

有野「せやから…辞めよう思ってたん」

濱口「有野…」

有野「でもな、考え変わったわ」

有野「僕、もっと…もっと濱口くんとお笑いがやりたい!!みんなとめちゃイケ作っていきたい!」

有野「それに…無人島で濱口くんを支えられるのは僕だけやから」

濱口「あ…あ゛り゛の゛お゛お゛お゛お゛…」

矢部「きったない顔しとるなあ濱口」

有野「せやから、少しの間休養貰うわ」

有野「勝手なことばっかして、すまん」

雛形「謝ることないよ。しっかり元気になって帰ってきてよ」

岡村「せやせや。ゆっくりするとええよ」

矢部「うちのちっさいおっさんなんて休み満喫し過ぎて顔パンパンやけどな」

紗理奈「有野さん…うちら待ってるからな!」

有野「みんな…みんな、ありがとう」

ガリタ「話は分かりました。有野さん、大丈夫ですから今日は帰ってゆっくりして下さい」

有野「うん…僕、頑張るわ。せやから皆…濱口くんの事よろしく頼むな」

濱口「あ…あ゛り゛の゛お゛お゛お゛お゛…」







有野(癌なんかに負けてたまるかい…)

有野(癌なんかに負けてたまるかい!!!)

有野「よしっ!!!」

有野(あ、CXのみんなにもこのこと話しせんと)

有野「…もしもし、菅さん。有野です。昨日はすみません。これから時間あります?」

菅『有野さん、丁度良かった。電話しようと思ってたんです』

菅『これからCXの現場にこれます?』

有野「はい、……分かりました。今から行きますね。それじゃ」


有野「なんやろ…」

ゲームセンターCX収録現場前


菅「ああ、有野さん。こちらです」

有野「急にすんません。ちょっと話いいですか?」

菅「とりあえず中にお入り下さい」

有野「うん、わかった」

コンコン

有野「失礼しまー…

有野「な、なんやねんこれ!?」

『有野課長、11年間お疲れ様でした!/GCCXスタッフ一同』

東島「有野さん、お疲れ様です!」

笹野「お疲れ様です有野さん」
浦川「11年間お疲れ様でした」
井上「お疲れさまです!有野さん」
高橋「お疲れ様でした!」
鶴岡「お疲れ様です!」
中山「有野さん…お疲れ様でした」
江本「お疲れさまです」
伊藤「有野さーん!」
片山「あ、有野さんお疲れさまでした」
高橋「お疲れ様です」
松井「あ、ありのさ~ん」
矢内「お疲れさまでした!」
山田「お疲れさまです、有野さん」

有野「み、みんな…」

岐部「みんな、有野さんが退職されると聞いて集まったんです」

須田「有野さんがいたからこそのGCCXなんですよ」

藤本「これ、皆からの花束です」

有野「あ、ありがとう。…って君誰!?」

ハハハハハ

阿部「お疲れさん。今まで本当に楽しかった」

有野「阿部さん…」

有野「あの、皆本当にありがとう」

有野「その…非常に言い辛いんですけどね…」

有野「実は…実は課長。辞めることをやめました!」

ざわ…
ざわ…

菅「有野さん、いったい全体どういう事なんでしょう?」

有野「話せば長くなるんですが、かくかくしかじか……」

長橋「えーっとつまり、目に違和感があって病院に行ったら癌で眼球を摘出しないといけない」

長橋「でも眼の病気という事を僕達に話したら、ゲームをやらせ過ぎたせいだと余計な心配をさせてしまう」

長橋「そして眼の事があるのでお笑い界を引退しようと思い立ったけれども濱口さんの言葉を聞いて続けたくなった」

長橋「なので一旦休養をとって眼を手術してから復帰したい」

長橋「だから、適当な理由をつけて退職の話をしたけれど、撤回して課長に復帰したいと思う」

長橋「こういう事ですかね?」

有野「せや。相変わらずおしゃべりやな君は」

菅「そういう事でしたか…」

有野「すいません、勝手なことばかり言いまして」

菅「わかりました。でも、有野さん?覚悟して下さいね」


菅「もうしばらく昇進はお預けです。課長のまま、頑張って貰いますよ」

有野「菅さん…」

酒井「退職祝いということで飲み物用意したんだけどどうしようか」

渡邊「では、有野さんの復職祝いにしましょう!」

谷澤「東島さん、音頭とって」

東島「それじゃあ…有野さんの退職改め復職祝い、そして健康を祈願して…乾杯!」

カンパーイ!!!

有野「みんな…ありがとう。僕、ゲームセンターCXがやれて幸せやったよ…」

病院





医者「有野さん、具合はいかがですか?」

有野「あ、先生。体調は万全です!」

医者「手術の日程が決まりましたのでお知らせに」

有野「はい。よろしくお願いします」

医者「それでは、何かありましたらお呼び下さい」

有野「ども。」




有野(なんか今までの生活がウソだったみたいに穏やかやな…)

有野(こうしてると僕、芸能人だってこと忘れてしまいそうやわ)


コンコン

有野「どうぞー」


タモリ「よっ。元気してるか?」

有野「た、タモさん!どうもご無沙汰してます!」

タモリ「お前が眼をやったって聞いてな。ほれ、うまい果物買ってきたから食ってくれ」

有野「ああ、どうも!ありがとうござます」

タモリ「なあ有野…俺の目の事は知ってるだろ」

有野「……はい」

タモリ「まあ、俺の場合は子どもの頃にだけどな」

タモリ「確かに目を失うというのは大きな問題だ」

タモリ「2つ持って産まれてくるって事は、生きる為には目は2つ必要だって事なんだ」

タモリ「分かるか?有野」

有野「はい。わかります」

タモリ「でも、俺はこうして生きてる」

タモリ「片目でも、赤塚先生にお世話になってお笑いの世界を生き抜いてきた」

タモリ「笑っていいともも14年続けてこれた」

タモリ「笑いの世界は目が無くたって鼻が無くたって口が無くたっていいんだ」

タモリ「人を笑わせたい。元気にさせたい。その思いがあればそれで充分なんだ」

タモリ「有野、お笑いをやめるな。俺はお前が大好きなんだ」

有野「タモリさん…僕…ぼく…」

いいともは32年でしたね

失礼いたしやした

タモリ「もう一つプレゼントを持ってきたんだ」

有野「プレゼント…ですか」

タモリ「いくらなんでもお前にサングラスは似合わないだろ?」

有野「あ!これって…












有野「ほな、めちゃイケの収録行ってくるでー」

祐子「あなた、気をつけてね!」クスッ

有野「なんや…おかしいか?これ」

祐子「いえいえ、とっても良く似合ってますよ」クスッ

有野「お笑い芸人、有野晋也の復活や!」


有野「お台場までお願いします」

タクシー運転手「はい。あ!有野さん。復帰ですか?」

有野「せやねん。今日から再スタートなんや」

運転手「それはそれは…おめでとうございます」クスッ

有野「ああ、これ?ええやろー」


有野「お、運転手さん。この辺でええよ!」

運転手「はい。……円になります」

有野「……円な。はいよ」

運転手「では、応援してますんでこれからも頑張ってください!」

有野「おう!おっちゃんも頑張りやー」



有野「これからもか…よーし。やったるでー!!」

お台場
めちゃイケ楽屋

有野「おはようさーん」

有野「あらら、まだ誰も来てへんのか」


ガチャ


加藤「おはざーっす。…おう有野。元気にしてたか!」

有野「加藤くん、おはようさん!」

加藤「それにしてもお前…ブハッwww似合ってんじゃんw」

有野「おもろい?めっちゃ気に入ってるねん」

加藤「そうだ、お前に紹介しとくわ」

有野「紹介?めちゃイケしばらく見とらんかったんだけど新メンバーでも入ったんか」

加藤「まあ、新メンバーというか旧メンバーというか…おい、そんなとこにいないでこっちこいよ!」

有野「……あ!」

山本「おっす…久しぶりだな有野」

有野「山さんや!山さんやん!!!」

加藤「お前らを見てたら、なんかこう熱くなってな。コンビ復活したんだ」

加藤「スッキリは降板したけどな」

有野「へー…。へーw」

山本「まあ、大変なのはこれからなんだけどな」

加藤「誰のせいでこうなったと思ってんだよ!」

有野「なんか懐かしいなーこのやり取り」

山本「それにしてもお前…なんだよそれww」

有野「新生有野のトレードマークにケチつけるなやい!」

ガチャ

メンバー達「おはよー」「おはようさん」「おはよう」

「ありのさーん!元気やったか!」
「あれ、ちょっと太った?」
「つっこむところ違うやろー」

ハハハハ




濱口「おう、有野。よう戻ってきたな」

有野「濱口くん、お待たせ」

濱口「…それ、むっちゃかっこええやんけ」

有野「なんか濱口くん、少し男前になった?」

濱口「せやろ?最近よう言われるねん。顔に責任感が出てきたってな」

有野「いや、責任感が出てるかはよう分からんけどw」

濱口「一人でやってみんと見えない景色があるってことなんや…」

有野「濱口くん」

濱口「有野…」

有野「これからもよろしくな」

濱口「これからもよろしくな」

めちゃイケ収録

岡村「矢部さん、矢部さん。あの男が帰ってきたみたいですね」

矢部「そーなんですよ!僕らは楽屋でお会いしたんですけどね」

矢部「岡村さんみたく入院中に太ってなかったんで安心しましたわ」

岡村「なんか、付けてましたね…w

矢部「なんか…付けてましたねw」

矢部「それでは、みなさんお待たせいたしましたー」

矢部「ありのーしんやの登場です拍手ー」

パチパチパチパチ

有野「どうもーこの度復活を果たしました有野ですー!」

有野「ああ、これ?ええやろー」

有野「タモリさんから貰った眼帯やねん。海賊みたいでかっこええやろ?」

回想

タモリ『もう一つプレゼントを持ってきたんだ』

有野『プレゼント…ですか』

タモリ『いくらなんでもお前にサングラスは似合わないだろ?』

有野『あ…!これタモリさんが付けてた眼帯ですやん』

タモリ『うへへへ、かっこいいだろ?取り敢えずこれ付けてみろって』

タモリ『そんでお前がサングラスの似合う良い男になったら俺のをやるよ』

有野『タモリさん…』

数年後

……





11:59 57

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11:59 59

12:00 00


お昼休みは ウキウキ watching あっちこっち そっちどっち いいとも

お昼休みは ウキウキ watching あっちこっち そっちどっち いいとも

How do you do? ごきげんいかが ごきげんななめは まっすぐに

How do you do? 頭につまった 昨日までの ガラクタを 処分 処分
すっきり ウキウキwatching

楽しませすぎたら ごめんなさい
時間どおりに Come with me
笑っていいとも ウキウキ watching

今日がだめでも いいともロー きっと明日は いいともロー

いいとも いいとも

いいとも ロー

『有野晋哉アワー 新 笑っていいとも』

有野「どうも、笑っていいとも二代目司会の有野晋哉です!」




おわり





えらい長引かせて失礼しやした

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月30日 (水) 22:57:30   ID: S53d864b

いや、おもしろかったんだけど
架空のキャラ使った方がいいだろうな〜

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