エレン「みんなの本音聞いてみた?」(183)


この話は 


エレン「恋愛能力診断?」 

エレン「魅力度診断?」 

エレン「2人が恋人になれる確率メーカー?」


の続きです。


前回も今回も、単行本10巻までの情報で書いているので、ネタバレ苦手な方はご注意ください。


キース「アルレルト訓練兵、これは……?」

アルミン「はい。どうやら、周囲の人間からの評価を読み取り、それを印字する機能のようです。」

キース「ふむ……にわかには信じ難いが、事実であれば興味深い。」

アルミン「周囲からどう思われているかがわかれば、自らを客観視できるかと思われます。」

キース「うむ。客観的に考えて行動する事は、兵士にとっても重要だ。訓練兵たちにも心掛けさせるべきだ。」

キース「――が……それも、その機能の信頼性次第。まずは試しに私の評価を出してみるとしよう。」

アルミン「はい! 少しお待ちを……」 カタカタカタ  ポチッ


――――カタカタカタカタカタカタ


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みんなの本音【キース】

声がいい―――――――― 1

顔がいい―――――――― 5

身長がちょうどいい――― 5

性格がいい――――――― 1

スタイルがいい――――― 1

一緒にいて楽しい―――― 1

付き合ってもいい―――― 2

瞳がいい―――――――― 5



キース「ほう……」

アルミン(うわ……! これ結構辛辣だぞ……怒られるんじゃ……)タラリ

キース「……素晴らしいな。」

アルミン「え!?」

キース「なんだ?」

アルミン「し、失礼いたしました!」

キース「……項目も無難なもので、精度もなかなかだ。……む、何故驚いている?」

アルミン「あ、いえ! その……あまり良い結果でないのに、教官殿が喜ばれているのが意外だと感じまして。」

キース「顔、身長、スタイル、瞳……こんなものは単なる見かけだ。私にとっては何の価値もない。」

キース「しかし、それ以外の項目が低いという事は、私が教官としての務めを果たしている事を証明している。」

キース「なかなかに興味深い測定結果だ。……さっそく訓練兵達にも実施するといい。」

キース「無論……至らぬ部分があれば、改善に努めるよう促す事も忘れるな。」

アルミン「了解いたしました!」








アルミン「はぁ……やっぱりまた僕がやらされるのか……」

ミカサ「おはよう、アルミン。また浮かない顔をしている――――」ハッ

ミカサ「アルミンがその機械を食堂に持ちだしてきたという事は……まさか、また新しい機能が?」

アルミン「う、うん。実はそうなんだ……今回は教官にやるように言われてるから、ミカサも協力してもらえるかな。」

ミカサ「しかし、私はそれと関わるといつも辛い思いをしている……やらないという選択は……」

アルミン「そうだね……確かに、やらなくても減点されるような事は無いだろうけど。」

ミカサ(アルミンには悪いけど、私はもうこれに関わらない方が良い……内容だけ聞いて、断る事にしよう……)

ミカサ「それで、今回は何を測定するの?」

アルミン「うん。今回はその人が『他人からどう思われてるか』を測定するんだ。」

アルミン「自分の短所や長所を客観視できるようにするのが目的だよ。ちなみに項目はこんな感じ。」スッ


ミカサ「これは、数字は消してあるけど……教官の結果……?」

ミカサ(――ッ! この“付き合ってもいい”という項目は……!)

ミカサ(ここを見れば、エレンが私をどう思っているのかわかる……!)

ミカサ(ああ、駄目だ。いつもそう考えて辛い思いをしてきたんじゃないか……!)

ミカサ(だが……しかし……ここまで確実な項目を見逃す事は……!)グッ

アルミン(ミカサがすごい葛藤している……僕はやめた方が良いと思うけど……)

ミカサ(この世界は残酷だ。だから……戦わなければ、勝てない……ッ!)

ミカサ(私は勝つ……! 勝って、エレンと添い遂げる……!)キッ!

アルミン「その表情は、やるって事だね……やめといた方が良いと思うけど……」 カタカタカタ  ポチッ


――――カタカタカタカタカタカタ


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みんなの本音【ミカサ】

声がいい―――――――― 4

顔がいい―――――――― 1

身長がちょうどいい――― 5

性格がいい――――――― 3

スタイルがいい――――― 5

一緒にいて楽しい―――― 4

付き合ってもいい―――― 5

瞳がいい―――――――― 1



ミカサ「……ッ! エレンが私と“付き合ってもいい”と思っている!」パァァァァァ

アルミン(これは……ッ!)ハッ

アルミン「ッ! おめでとう、ミカサ! 君はついにやったんだね!」ジワッ

ミカサ「ありがとう、アルミン……ありがとう……」

アルミン「良かった……本当に良かった……」ポロポロ

アルミン「エレンも、ちゃんと“一緒にいて楽しい”って思ってたんだよ……僕だってそうだ……」ポロポロ

ミカサ「…………ッ」

アルミン「どうかしたの、ミカサ?」…グスッ …グスン

アルミン「あ……顔と瞳は1だね……」

ミカサ「…………」


アルミン「ま、まあ良いじゃないか。エレンは外見なんか気にしないって事だよ!」

ミカサ「それは……そうかもしれないのだけど……」

アルミン「なら良いじゃない! ね! ね!?」

アルミン(なんでこう、毎回ミカサの顔の評価は低いんだ!? せっかく上手く行きそうだったのに……!)

アルミン「ミカサは綺麗な顔立ちだよ。目は死んでるけど!」

ミカサ「ッ!?」

アルミン「あ、違う! 『エレンがいない時は』って意味だよ!?」アセアセ

ミカサ「……それは、否定できないかもしれない。」ショボン


アニ「アルミン、なんで朝から泣いて――――」ハッ

アニ「ッ!」ダッ!

ミカサ「待って。」ガシッ

アニ「離せ、ミカサ! 私はもうそれには関わらないと決めたんだ!」ジタバタ

アルミン「やめなよミカサ! 無理やりは駄目だ!」

ミカサ「でも、アルミン――」ググググググ

アニ「は な せ … … !」ググググググ

アルミン「今回の測定は周りの評価なんだよ!? アニがやったらどうなるか、君にもわかるだろう!?」

ミカサ「確かに、それは……」グググググ

アニ「…………」ピタッ

ミカサ(……抵抗をやめた?)


アニ「……まったく……傷つくよ。一体……いつから……」

アニ「アルミン……あんたは私を、そんな目でみるようになったの?」

アルミン「え、アニ……自覚ないの……?」

ミカサ「アルミン、もう少し言葉を選んだ方が……」

アニ「そこまで言われたら、引き下がれないね……やりな。」

アルミン「うん、わかった。」 カタカタカタ  ポチッ

アルミン(また前みたいに、顔以外は散々な結果になりそうだけど……)


――――カタカタカタカタカタカタ


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みんなの本音【アニ】

声がいい―――――――― 1

顔がいい―――――――― 1

身長がちょうどいい――― 3

性格がいい――――――― 4

スタイルがいい――――― 3

一緒にいて楽しい―――― 1

付き合ってもいい―――― 2

瞳がいい―――――――― 2



アニ「…………」

アルミン「…………」

ミカサ「…………」

アルミン「アニってさ……実はけっこう優しいよね。」

アニ「……ありがとう、アルミン。」

ミカサ「アニ、皆もそう思ってる。安心して。」

ミカサ「顔は……ちょっと怖い、と思う……声は、えと……冷たいかも……痛いのが好きな人は、一緒にいたがる筈……」シドロ

ミカサ「付き合ってもらえなくても……一緒にいられれば楽しい、よ……? ……瞳は……アニは、にらみがちだから……」モドロ

アルミン(ミカサ……)ホロリ

アニ「あんたなりに、頑張って言葉を選んでくれたんだね……感謝するよ……」

アニ「…………」ハァ…

アルミン(これ、結果次第でかなりくるな……もうやめといた方が良いのかも……)


サシャ「なんですか? 朝から沈んでますね。食欲ないんですか?」

アニ「ああ……やるよ、好きにしな……」

サシャ「え、本当ですか!? やった! アニ、大好きです!」モグモグ モグモグ

アニ「……ゆっくり食べな、喉を詰まらせるよ。……そうそう、良い子だ……」ナデナデ

アルミン(いけない……アニが軽く崩壊しかけている……!)

アルミン(やっぱりアニも女の子なんだ……顔が悪いと思われてるだけで、ここまでダメージを受けるなんて……!)

アルミン(なまじ、今までルックスの評価だけは高かった分、反動で凄いダメージを負っている……!)


サシャ「あ、またそれ持って来たんですね。今回は何なんですか?」モグモグ

アルミン「うん……今回は、周囲が自分をどう評価しているかの測定なんだ。」

アルミン「サシャもやってみる?……あんまりおすすめはしないけど。」

サシャ「へー、面白そうですね! じゃあ、やります!」

アルミン「わかったよ……どうか、良い結果が出ますように……」 カタカタカタ  ポチッ


――――カタカタカタカタカタカタ


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みんなの本音【サシャ】

声がいい―――――――― 5

顔がいい―――――――― 1

身長がちょうどいい――― 5

性格がいい――――――― 1

スタイルがいい――――― 1

一緒にいて楽しい―――― 5

付き合ってもいい―――― 1

瞳がいい―――――――― 5



サシャ「…………」

アニ「…………」

ミカサ「…………」

アルミン「…………」


サシャ「…………え?」

アニ「…………」

ミカサ「…………」

アルミン「…………」


サシャ「これ、どういう事なんですか……? 私、皆からこう思われてるんですか……?」ジワァ…

ミカサ「サ、サシャと話すのは楽しい……また、二人で一緒に山の話をしよう。」

ミカサ「私は野菜を作ってただけだから、狩りの事はよくわからないけど……」

アニ「私も……あ、あんたくらい身長があれば良かったんだけどね……う、うらやましいよ……」

ミカサ「そ、それに……サシャの声は元気で明るい……聞いているだけで、心が前向きになれる……と思う。」

アニ「あ、あんたみたいにいつも笑顔でいれば、私の目つきも、少しはマシになるのかな……見習わなきゃ、ね。」

サシャ「私って……かわいくなくて、性格が悪くて、スタイルも駄目で、誰も付き合いたくないって……皆、そう思ってたんですか……?」ポロポロ


アルミン「サ、サシャ……誰もそんな事……」

サシャ「なら、私ってかわいいですか!? 性格良いですか!? スタイル良いですか!? 付き合いたいですか!?」ポロポロ

アルミン「サシャ、落ち着いて!」

サシャ「アルミンはどう思うてるの!? 私の事好きなん!? 付き合うてくれるの!?」ポロポロ

アルミン「え、いや……そう言われると……」フイッ

サシャ「あー、目ぇ逸らしたー! やっぱりアルミンもそう思うてるんや!?」ウワァァン!

アルミン「いや、そんな事は無いけど! 質問が極端だったから、つい……それに、その言葉遣いは……?」


クリスタ「サシャ、いったいどうしたの!? どうして泣いてるの!?」

ユミル「ほっとけよ、クリスタ。朝っぱらから面倒くせぇ……」

サシャ「うぁぁぁん、クリスタァァァァ!! アルミンが、アルミンがぁぁぁぁ!!」ウワァァン! ワンワンワン!

アルミン「え!? 全部、僕のせいになってる!?」

ユミル「……へぇ、アルミンが女泣かせるとは、意外とやるじゃねぇか。この色男め。」

クリスタ「ユミル! アルミンがそんな事する訳ないでしょ! ち、違うよね、アルミン!?」

サシャ「アルミンが……私の事、かわいくなくて、性格悪ぅて、スタイルも悪い、付き合うなんか嫌やって……」 グスッ…グスッ…

ユミル「マジかよ……いくら断るにしても、そこまで言う事ねぇだろ。私でも引くわ……つか、お前、そのしゃべりって。」

クリスタ「アルミン、あなた、そんな事言ったの!? いくらなんでも酷過ぎるわ!」

アルミン「言ってないよ! 僕がそんな酷い事、言う訳ないだろ!?」


ユミル「――――まぁ、確かに……アルミンならもっと上手い断り方はいくらでも思いつくだろう。……エレンじゃあるまいし。」

クリスタ「そ、そうよね……考えてみれば、アルミンがそんな言葉を選ぶなんておかしいよね……エレンじゃあるまいし。」

アルミン「そうだよ、僕がそんな事を言う訳ないじゃないか! エレンじゃあるまいし!」

アニ(確かに、あいつなら……)

ミカサ(エレンなら、何も考えずに言うかもしれない……)


クリスタ「ご、ごめんなさい、アルミン……サシャがアルミンに告白したのかと思って、気が動転してた……」

ユミル「悪いな、朝だから頭の回転が鈍ってた。……で、実際は何があったんだ? サシャが告ったのか?」

アルミン「違うよ! そもそも、そこから間違ってるから!……原因は、これ。」スッ

クリスタ「あ……またそれの新しい機能が見つかったの?」

ユミル「もうそれ捨てちまえよ……毎回ろくな事になってないじゃねぇか……」

アルミン「僕もそう思い始めてるけど……教官から言われてるから、勝手に捨てれないんだよ……」

アルミン「今回は、周囲が自分をどう評価しているかの測定なんだけど、かなり辛口みたいで……」

アルミン「結果にショックを受けて、サシャが泣きだしちゃったんだ……」


クリスタ「ミカサとアニも、何だか暗い顔だけど……もしかして?」

アルミン「うん、ミカサはまだマシだったけど……アニもサシャ程じゃないにせよ、さっきはかなり壊れてた……」

ユミル「周囲の評価なんざ、どうでも良いだろうが。そんなもんに流されるから、情けねぇ事になるんだろ。」

アルミン「ははは……ユミルはそういう所、しっかりしてるよね。でも、皆がそうじゃないから……」

ユミル「ったく、じゃあ私の評価とやらを出してくれ……他人の評価なんざ、大した事じゃないってのをこいつらに見せてやる。」

アルミン「ユミルなら、どんな結果でも笑い飛ばせそうだよね。心強いよ……」 カタカタカタ  ポチッ


――――カタカタカタカタカタカタ


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みんなの本音【ユミル】

声がいい―――――――― 5

顔がいい―――――――― 1

身長がちょうどいい――― 5

性格がいい――――――― 4

スタイルがいい――――― 1

一緒にいて楽しい―――― 5

付き合ってもいい―――― 3

瞳がいい―――――――― 2



ユミル「…………」

ミカサ「…………」

アニ「…………」

サシャ「…………」

クリスタ「…………」

アルミン「…………」


ユミル「クリスタッ!」

クリスタ「は、はい!」ビクッ

ユミル「……手を握ってくれ。」

クリスタ「う、うん……」ギュッ

ユミル「…………」ゼェ… ゼェ… ゼェ…

ユミル「ほらな、どうって事ないだろ……?」ダラダラダラ

アルミン「ユミル、汗ふきなよ……」


ミカサ「ユミルの声は艶がある……良いと思う……」

サシャ「ほ、ほら……言いにくい事もハッキリ言ってくれますし……私はユミルの性格好きですよ!?」

アニ「私もあんたくらい身長があれば、戦い方に幅を持たせられるんだけどね……」

クリスタ「私はユミルと一緒にいると楽しいよ! 本当だからね!?」

クリスタ「そ、それに、ユミルはかわいいよ! この結果がおかしいだけだから!」

アルミン(クリスタが必死すぎて、胸が痛い……)

ユミル「悪い、お前ら……正直、甘く見てた。これ、結構くるな……」ハァ…ハァ…


クリスタ(こんなの、いくらなんでもおかしいよ……全員顔の評価が1だなんて……)

クリスタ(そうだ……四人とも顔が1だなんて、機械が故障してるとしか思えない……!)ハッ

クリスタ「アルミン、私の評価も出して……」

アルミン「やめた方が良いよ! 今回のは危険すぎる!」

ユミル「やめろ、クリスタ! お前には耐えられない!」

クリスタ「いいから、出して!」キリッ

アルミン「う、わかったよ……クリスタがそこまで言うなら……」 カタカタカタ  ポチッ

アルミン(何か勝算があるのか……?)

クリスタ(私も、顔が1なんて言われたら傷つくだろうけど……五人連続続けば、皆も機械の故障と気付く筈……!)

クリスタ(機械が故障しているのなら、こんな評価に価値は無くなる……皆も元気になれる!)


――――カタカタカタカタカタカタ


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みんなの本音【クリスタ】

声がいい―――――――― 5

顔がいい―――――――― 3

身長がちょうどいい――― 5

性格がいい――――――― 3

スタイルがいい――――― 5

一緒にいて楽しい―――― 3

付き合ってもいい―――― 5

瞳がいい―――――――― 3



クリスタ「――な、なんでッ!?」ガーーン!

ミカサ「…………」ハァ…

アニ「…………」ハァ…

サシャ「…………」ハァ…

ユミル「…………」ハァ…

アルミン「うん、正しい評価だと思うよ。むしろ、ちょっと辛口かな?」

アルミン(……“結婚したい”って項目があっても5だっただろうね。)


ミカサ「やはりこの世界は残酷だ……でも、受け入れるしかない……」ハァ…

アニ「評価は間違っちゃいないって事だね……」ハァ…

サシャ「クリスタでも3なんですし……私が1なのも仕方ないですよね……」ハァ…

ユミル「クリスタが傷つかなかったのは良いが、結果を突き付けられると……やっぱりキツイな……」ハァ…

クリスタ「ち、違うの……私は、そんなつもりじゃ……こんな筈じゃ……」オロオロ


アニ「クリスタについては……まあ、妥当だろう。こうなると、問題は男連中だね……」

サシャ「確かに……こうなった以上、男の子の診断は不可欠ですね……」

ミカサ「……同意する。」

ユミル「私も協力するよ……これじゃあ納得できないからな……」

クリスタ「み、みんな……? なんだか目が怖いよ……?」ビクッ


アニ「行こうか、ミカサ。」

ミカサ「任せて、アニ。」

ユミル「手加減すんなよ、芋女。」

サシャ「どこかに弓と矢は落ちてないですか?」


クリスタ「え、ちょっと……皆、どこに行くの……そっちは男子寮だよ……?」

アルミン「そう言えば、いつもの面子はまだ食堂に来てないね……」


                         <アニ ト ミカサ ジャナイカ ナニヲシテルンダ ?

                         <ライナー カ チョウドイイ…
 
                         ・オハヨウ ライナー

                       ⇒【・コロシテデモ ツレテイク 】

                         ・ツイテキテクレ タノム !!
                             
                         <ナ ナニヲスル キサマラー !


ライナー「何故だ……何故、顔を合わせた瞬間に平手打ちと肘をくらったんだ……」ボロボロ

アニ「……さて、ライナー。まずはお前の分の食事を取りに行こうか。」

ミカサ「……こっちに席は用意してあるから。」

ベルトルト「……うぅ、僕が何をしたって言うんだ。」ボロボロ

ユミル「素直についてこないからだ……」

ベルトルト「トイレくらい行かせてよッ!?」

サシャ「そんな事より、ベルトルトの分の食事を取りに行きましょう。」

サシャ「……大丈夫、席は用意してありますから。」

アルミン(ライナーとベルトルトが連行されてきた……!)

クリスタ(どうしよう、止めなきゃいけないけど……私が口出ししちゃいけない空気だし……)オロオロ


ライナー「アルミン、お前も無理やり連行されたのか!?」

ベルトルト「いったいどういう事なんだ? 僕達が何をしたって言うんだ!?」

ライナー(だが、この女達の険悪な空気……ただ事じゃない……)ゾクッ

ベルトルト(まさか、僕達の事が……!? いや、それなら、何故アニは向こう側なんだ!?)ドクン ドクン


アルミン「二人とも、落ち着いて。」スッ

ライナー「それは……!」

ベルトルト「もしかして、また新しい機能が?」

アルミン「うん……今回見つかった機能は『周囲が自分をどう評価しているか』を測定するものなんだ……」

アルミン「二人にはこれを受けてもらう事になる……多分、拒否権は無いんだと思う……」

ライナー「な、なんだ、そんな事か……」ホッ

ベルトルト「そ、そういう事なら、別にいくらでも協力するのに……」ホッ

ミカサ「アルミン。」

アニ「時間が惜しい、さっさとやりな。」

アルミン「わ、わかったよ……まずはライナーからね……」 カタカタカタ  ポチッ


――――カタカタカタカタカタカタ


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みんなの本音【ライナー】

声がいい―――――――― 3

顔がいい―――――――― 3

身長がちょうどいい――― 3

性格がいい――――――― 1

スタイルがいい――――― 3

一緒にいて楽しい―――― 4

付き合ってもいい―――― 5

瞳がいい―――――――― 1



ライナー「そ、そうか……瞳はともかく、俺の性格は皆からすると駄目なのか。」

ミカサ「…………」

アニ「…………」

サシャ「…………」

ユミル「…………」

クリスタ「そんな事ないよ! ライナーはいつも皆を助けてくれるし、頼もしいと思う!」

アルミン「クリスタの言う通り、ライナーはよく皆を助けようとしてくれるけど、もしかしたらそれがあまり良く思われてないのかもしれないね。」

アルミン「ほら……やっぱり、僕らは訓練兵だし、辛くてもそれを乗り越える事が成長につながるでしょ?」

ライナー「なるほどな。そう言われれば、確かにおせっかいが過ぎたのかも知れない……俺の考えが少し浅かったか……。」

ライナー「なかなか良い測定だった……考えさせられたよ。」フフッ

クリスタ「頑張ってね、ライナー。」


アニ「……サシャ、やれ。」

サシャ「いただきます。」モグモグ モグモグ

ライナー「って、おいー!? 何故俺の朝飯を勝手に食い始めたんだ!?」

ユミル「ライナー、ふざけるなよ……どうしてお前の顔が3なんだ……」

ライナー「な、なんだとッ!?」

アニ「お前のようなやつに食わせる食事は無い。」


サシャ「…………」モグモグッ! モグモグモグッ!

ライナー「馬鹿な、何を言っている!? 今朝の訓練は長距離走だぞ!?」

ミカサ「知っている。」

ライナー「飯も食わずに走れと言うのか!? 何故だ、何故なんだ!?」

サシャ「……ごちそうさまでした。」 …ゴクン

ライナー「おいーーーー!?」


ユミル「ほら、飯食ったらさっさとどけよ。次がつかえてるんだ。」

ライナー「食ってないぞ!?」

アルミン「……それじゃあ、次はベルトルトだね……」 カタカタカタ  ポチッ

ベルトルト「待ってくれ、アルミン。せめて状況の説明を……!」


――――カタカタカタカタカタカタ


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みんなの本音【ベルトルト】


声がいい―――――――― 3

顔がいい―――――――― 4

身長がちょうどいい――― 3

性格がいい――――――― 1

スタイルがいい――――― 1

一緒にいて楽しい―――― 3

付き合ってもいい―――― 1

瞳がいい―――――――― 5



ベルトルト「はは……やっぱり積極性がないような奴じゃ評価されないよね……」

ミカサ「…………」

アニ「…………」

サシャ「…………」

ユミル「…………」

クリスタ「性格は積極的じゃないかもしれないけど、ベルトルトには良い所がたくさんあるよ!」

アルミン「でも最近、ベルトルト、皆とよく接するようになったんじゃないかな。」

アルミン「“一緒にいて楽しい”が3なのは、それが反映されてるからだと思うよ。」

ベルトルト「そうかな……だったら嬉しいんだけど。僕も変われるって事だろうから……」

クリスタ「良かったね、ベルトルト。」

ユミル「はいはい、そういうのは別にどうでも良いから。」

ミカサ「ベルトルトの顔が4……冗談にしては笑えない。」

ベルトルト「ミ、ミカサ!?」


アニ「……サシャ、やれ。」

サシャ「いただきます。」モグモグ モグモグ

ベルトルト「うわーーッ!?」

ユミル「お、今入ってきたのはコニーか……次はあいつだな。」

ミカサ「わかった。連れてくる。」


サシャ「…………」モグモグッ! モグモグモグッ!

ベルトルト「えッ!? 何なのコレ!? 何で僕の朝ご飯が食べられてるの!?」

アニ「騒ぐな。すぐに食い終わるから。」

ベルトルト「終わったら駄目だろう!? どうしたんだ、アニ!? 何故僕とライナーにこんな仕打ちを!?」

サシャ「……ごちそうさまでした。」 …ゴクン

ベルトルト「うわーーーー!?」


ユミル「ほら、食ったらさっさと消えろ。次がつかえてんだよ。」

ベルトルト「食べてないよ!?」

アルミン(ごめん、二人とも……僕にはどうする事もできないんだ……)ホロリ

アルミン(でも……またライナーとベルトルト、そろって性格が1だったな……)

アルミン(そんな感じはしないんだけどなぁ……変な共通点でも何かあるのかな……?)


コニー「おいおい、なんだよアルミン。一人で女子はべらせちゃって。」

アルミン「おはよう、コニー……」

クリスタ「おはよう、コニー。」

コニー「死にそうな顔のライナーとベルトルトとすれ違ったけど、あいつらどうかしたのか?」

アルミン「う、うん……悲しい事があったんじゃないかな……」

コニー「マジかよ……朝からついてないな……」


コニー「って、またそれ持ちこんでるのか。新しい機能を何か見つけたのか?」

アルミン「うん、そうなんだ……“周囲から自分がどう評価されてるか”がわかるんだ。」

コニー「へー! 面白そうだな。やってみてくれよ。」

アルミン「良い結果が出ると良いね……」 カタカタカタ  ポチッ

コニー「どうしたアルミン……すげぇ美味しい状況なのに、全然嬉しそうに見えないぞ。」


――――カタカタカタカタカタカタ


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みんなの本音【コニー】

声がいい―――――――― 5

顔がいい―――――――― 1

身長がちょうどいい――― 5

性格がいい――――――― 3

スタイルがいい――――― 3

一緒にいて楽しい―――― 5

付き合ってもいい―――― 5

瞳がいい―――――――― 1



コニー「へぇ! 結構良い感じじゃないか、さすが天才の俺だな!」

ミカサ「……コニーは小柄だけど、それを武器にして立体機動を使いこなしている。立派だと思う。」

アニ「騒がしいと思うこともあるけど、あんたがいれば退屈しないしね。」

サシャ「コニーがいるだけで、場が明るくなりますよね。」

ユミル「馬鹿には違いないが、あんたは“できる馬鹿”だからな。悪くないんじゃないか。」


クリスタ「凄いね、コニー!」

アルミン「顔と瞳なんて生まれついてのものだし、それ以外が高得点なのは凄いと思うよ。」

コニー「ハッハッハ! 天才の俺は顔なんて小さい事には気にしないのさ。」フフン

コニー「やっぱ外見なんて気にしても仕方ないし? そんなのを気にするようなのは人間の器が小さい――――」


アニ「サシャ、やれ。」

サシャ「いただきます。」モグモグ モグモグ

コニー「うぉーーい!?」

ユミル「ハゲが調子乗ってんじゃねぇぞ。」ジョリジョリジョリ

コニー「ぐぁぁぁぁあ! 頭撫でくり回すんじゃねぇ!」ゾワワワワ

コニー「つーかサシャ何してんだよ!? それ俺の飯だぞ!?」

アニ「黙れハゲ。」ジョリジョリジョリ

コニー「ぬぉぉぉぉぉお!? なんなんだ!? 何の罰ゲームだ、これ!?」ゾワワワワ


ミカサ「外見を気にする事が、器の小さい人間だと思ってるのなら……」

サシャ「…………」モグモグッ! モグモグモグッ!

ミカサ「きっと理解してもらえるだろう。器の小さい人間は理不尽だという事実を……」

コニー「何の話だよ!? 何でそんなスケールのでかい話になってんだ!?」

サシャ「……ごちそうさまでした。」 …ゴクン

コニー「うぁぁぁあ!? マジで全部食いやがったーーーー!?」

ユミル「ほら、食ったらさっさと消えろ。次がつかえてんだよ。」

コニー「食ってねぇ! 俺何も食ってねぇよ!?」


マルコ「どうしたの、コニー? 何を騒いでるんだい?」

コニー「マ、マルコ、逃げろ! こいつら何かおかしい(ゴッ!)――――」

ミカサ「…………」

コニー「」

マルコ「ミ、ミカサ……今、コニーに何かしなかった……?」

アニ「私は何も見なかったよ。ところでマルコ……たまには一緒に食事をしないか?」

ユミル「なに、遠慮すんな……特別にクリスタの隣に座らせてやるから。」

クリスタ「お、おはよう、マルコ……」アハハ…

アルミン「おはよう……マルコ……」

マルコ「おはよう、二人とも……何だか空気が重いんだけど、僕の気のせい?」


アルミン「ごめん、マルコ……急で悪いんだけど、皆から自分がどう評価されてるか知りたくない?」

マルコ「え? いや、僕は別に――――」

ユミル「私はマルコがどう評価されてるか知りたいなぁ。」

アニ「私も知りたい。クリスタもそうだろ?」

クリスタ「わ、私? う、うん……そう、かな……」

ユミル「ほら、クリスタもこう言ってんだ。知りたいよなぁ、マルコ?」

マルコ「そ、そうだね……それじゃあ、教えてもらおうかな……」

マルコ(な、何なんだ!? これはどういう状況なんだ!?)

アルミン「それじゃあ、出すね……どうか良い結果が出ますように……」 カタカタカタ  ポチッ


――――カタカタカタカタカタカタ


みんなの本音【マルコ】

声がいい―――――――― 2

顔がいい―――――――― 3

身長がちょうどいい――― 2

性格がいい――――――― 4

スタイルがいい――――― 1

一緒にいて楽しい―――― 3

付き合ってもいい―――― 1

瞳がいい―――――――― 5


マルコ「はは、やっぱりパッとしない感じだね。でも分相応だと思う。」

ミカサ「…………」

アニ「…………」

サシャ「…………」

ユミル「…………」

クリスタ「マルコはちゃんと相手の事を見てるよね。そういうのって、凄く大事な事だと思う。」

アルミン「評価が低く見えるのは、目立たないから皆気付いてないだけだよ。マルコは広い視野を持ってるよね。」

マルコ「そうかな……結局人に手柄を譲っちゃてるから、訓練兵としては駄目なんだろうけどね。」アハハ…


ユミル「それじゃあ、今日は手柄じゃなくて食事を譲ってもらおうか。」

アニ「サシャ、やれ。」

サシャ「いただきます。」モグモグ モグモグ

マルコ「え!? サシャ、それ僕のご飯だよ!?」

ミカサ「分相応なんて傲慢な台詞には……報いが必要。」

マルコ「ミカサ!? いったい何の話!?」

マルコ「アルミン、クリスタ!? これはいったいどういう事!?」

アルミン「…………」フイッ

クリスタ「…………」フイッ

マルコ「どうして二人とも目を逸らすんだ!?」


サシャ「…………」モグモグッ! モグモグモグッ!

ユミル「黙れ。地味を装った自虐風自慢なんざ許されねぇんだよ……」

アニ「恥を知れ。」

マルコ「ッッ!?」

サシャ「……ごちそうさまでした。」 …ゴクン

マルコ「もう食べたの!? ぜ、全部ッ!?」

ユミル「ほら、食ったらさっさと消えろ。次がつかえてんだよ。」

マルコ「僕、何も食べてないよね!?」


エレン「くっそぉ、寝坊した……なんで今日に限ってアルミンがいないんだよ……」

ジャン「俺とした事が二度寝しちまうとは……飯に間に合っただけマシと思うか……」

アルミン(エレン、ジャン、食堂に来ちゃ駄目だ! 早く逃げてーー!)

エレン「……なんだ? いつもと席に座ってる位置が違うぞ。」

ジャン「なんで綺麗に男女で別れてるんだ……?」

エレン「あ、ミカサとアルミンだ。」

ジャン「てめぇ、アルミン! なんで周りに女子はべらせてんだよ!?」

アニ「なら、二人ともこっちで食べなよ。」

ユミル「そうだな……ミカサの両隣りに座ればいい。悪くないだろ、ジャン?」


エレン「起こしてくれよー、アルミーン。」ファァァ…

アルミン「ご、ごめんね……まさかエレンが寝坊するとは思ってなくて……」

ジャン(――なんだッ!?)ゾクッ

ジャン(背筋に悪寒が走りやがる……それに、食堂の空気も妙だぞ……!?)ゾクゾクッ

ジャン(隅っこに固まった男連中の悲壮なツラはなんだ!? 女達も、見た目は笑顔だが目の奥が笑ってねぇ……!)

ジャン(この誘いに乗ったらヤベェんじゃねぇか? どうする……どうする、俺……!?)

ミカサ「ジャンはこっちに来てくれないのか……残念だ、凄く。」

ジャン「お、おいおいおい! 行かないなんて言ってないぜ? 行くに決まってるだろ、ミカサ!?」

ジャン(あのテーブルに一歩近付くたびに、冷や汗が吹き出しやがる……だが、男なら行くしかねぇだろ!)


エレン「あ、アルミン! また新しい機能を見つけたのか!?」

アルミン「う、うん……見つけちゃったんだ。」

エレン「さっそくやってみようぜ! 今回のはどういう内容なんだ!?」

アルミン「今回のは、“周囲が自分をどう評価しているか”を測定できるんだ……」

エレン「すっげぇ!そういうのを待ってたんだよ!」

ジャン(ぐ……やはりおかしい……アルミンとクリスタ以外のやつら、異常に空気が張り詰めてやがる……!)

エレン「そうだ。ジャン、結果を勝負しないか? 賭けるのは朝のパン!」

ユミル「……面白い、そういうのもアリじゃないか?」

アニ「確かに、手間が省けるな。」

ジャン「い、いや……俺は遠慮する……」

ジャン(女達の視線……あの機械に向けられている……あれが何かヤバい気がしてならねぇ……)


ミカサ「エレンは……凄い……ジャンより、凄い……とても……凄い!」

ミカサ「……のでエレンは……この中で一番になることが、出来る……」

エレン「ミカサ、いきなり何言ってんだ、お前?」

ジャン「ぐ……ッ!」

ミカサ「ジャンは……腕が立たない、ばかりか……臆病で、腰抜けだ……とても、残念だ……」

ミカサ「そこで……パンをくわえたりしてればいい……くわえて見てろ。」

アニ(え、もしかして、これ挑発してるつもりなの?)

ユミル(言語力が残念すぎるだろ……)


エレン「ジャンのやつ、ビビってやがるな。アルミン、俺の分だけ出してくれ。」

ジャン「待ちやがれ! 上等だ、やってやろうじゃねぇか!」

サシャ(あの挑発に乗るんですか……)

ユミル(こいつも残念なやつだったか……)


エレン「よし! そうこなくっちゃな!」

ジャン「まずエレンの分を印刷し、伏せておく。その後、俺の分を出して同時に開示する。良いな?」

エレン「おう、勝負だ!」

アルミン「じゃあ、そうするね。」カタカタカタ  ポチッ    カタカタカタ  ポチッ

アルミン(せめて、エレンだけでも助かりますように……)


――――カタカタカタカタカタカタ

――――カタカタカタカタカタカタ


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みんなの本音【エレン】

声がいい―――――――― 1

顔がいい―――――――― 2

身長がちょうどいい――― 3

性格がいい――――――― 5

スタイルがいい――――― 5

一緒にいて楽しい―――― 5

付き合ってもいい―――― 5

瞳がいい―――――――― 1



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みんなの本音【ジャン】

声がいい―――――――― 3

顔がいい―――――――― 3

身長がちょうどいい――― 4

性格がいい――――――― 5

スタイルがいい――――― 5

一緒にいて楽しい―――― 5

付き合ってもいい―――― 5

瞳がいい―――――――― 3



エレン「どうだ、アルミン!?」

アルミン「両方高評価だけど、微妙にジャンが上だね……」

エレン「マジかよ!? ちっくしょうーーーー!!」

ジャン「見たかエレン! これが俺の実力ってやつだ!!」


アニ「サシャ、やれ。」

サシャ「いただきます。二人分なので少し時間かかりますけど。」モグモグ モグモグ

エレン「おい、サシャ!?」

ジャン「てめぇ、俺の戦利品だぞ!?」

ミカサ「二人とも、静かに。」ガシッ

アニ「黙って見てな。」ダンッ!

ユミル「食事中は静かにするのがマナーってもんだろ?」ダンッ!

エレン「アニ!?」グググッ

ジャン「ユミル、何しやがる!?」グググッ

アルミン(凄い……一瞬で背後から腕をひねり上げ、テーブルに押さえつけた。)

アルミン(唯一自由なもう片方の腕も、真ん中のミカサが掴んでいる……いくらこの二人でも、これじゃあ抜けられない!)

アルミン(テーブルに押さえつけられ、目の前で自分の食事が食われるのを、黙って見ている事しか出来ない……!)


サシャ「…………」モグモグッ! モグモグモグッ!

エレン「やめろ、サシャ! それは俺のパンだぞ!?」

ジャン「違う! 俺が勝ち取った、俺のパンだ!!」

アニ「美味いか、サシャ?」

サシャ「はい、とても。」モグモグッ! モグモグモグッ!

エレン「ミカサ! サシャを止めろ!」

ミカサ「エレン……あなたは私が守る。」

エレン「だよな!? だったらサシャを――――」

ミカサ「ただし、パンはその限りでない……」

エレン「何だよその理屈はッ!?」


ジャン(なんでだ……! 俺は勝っただろうが……!?)

ジャン(……………………)

ジャン(普通だ……これが現実ってもんだろうな……)

ジャン(俺は夢か幻でも見ようとしてたのか……?)

ジャン(俺は知ってたハズだ、現実ってヤツを……)

ジャン(普通に考えれば簡単にわかる……“特に理由の無い暴力”には勝てねぇって事ぐらい……)


サシャ「…………」モグモグッ! モグモグモグッ!

アルミン(なんで……僕は……仲間のパンが食われてる光景を……眺めてるんだ……)

アルミン(どうして……僕の体は……動かないんだ……)


エレン「……ッ!」ググッ

アニ「!」

アルミン「エレンッ!!」

エレン「こんなところで……死ねるか……」グググッ

アルミン(僕が手を伸ばせば、届く……エレンをこちらに引き寄せる事が出来れば……!)

エレン「なあ……アルミン……お前が……」ググッ

アニ(こいつ……この状態から体を起こすつもりか……!?)

エレン「お前が教えてくれたから……俺は……外の、世界に……」

アルミン「エレン、早く――――!」ガシッ


アニ「――――フッ!!」 グンッッ!!

エレン「ッッ……!」 ベキィッ!!

ジャン(アニのやつ、あの状態からさらに力を加えやがった……!)ゾクッ

ジャン(テーブルの天板ぶち抜く事でエレンが固定された……もう、動けねぇ……)


サシャ「……ごちそうさまでした。」 …ゴクン

ジャン(兵站行進……馬術……格闘術……兵法講義……技巧術……立体機動……)

ジャン(あんなに、頑張ったのに……あんなに……やったのに……)

ジャン(全部……無駄、だったのか……?)


ユミル「ほら、食ったらさっさと消えろ。次がつかえてんだよ。」

ジャン「俺達はなんも食ってねぇだろ、クソ女!!」

エレン「畜生……俺のパンがぁ……」グスッ

ジャン「だ か ら 、あれは俺が勝ち取った俺のパンだろうが!?」ガシィッ!!

エレン「やめろよ! そんなに強く引っ張ったら、服が破けちゃうだろうが!」ガシィッ!!

ミカサ「…………」フゥ…


クリスタ「ユミル、次がつかえてる……ってもう誰もいないよ?」

ユミル「いや、すっかり忘れてたが、もう一人いた。」

クリスタ「え?」

アニ「……アルミン。」

アルミン「な、なにかな、アニ……?」

アニ「あんたはさっき、エレンを助けようとしたね。」

アルミン「そ、それは――――ッ!」ドキッ

アニ「私は別に忘れてた訳じゃない。あんたが協力的だったから見逃してあげるつもりだった。」

アニ「……残念だよ。」

アルミン「ア、アニ……ッ!」


サシャ「そっか、そう言えば、アルミンの結果を知りませんでした。」

サシャ「いつも最初にやってたから、てっきり今日もそうだったかと……」

アルミン「サ、サシャ! 僕のご飯はもう食べちゃったから、残ってないよ!?」

ユミル「なら、別の罰を考えないといけないね……クリスタは何が良いと思う?」

クリスタ「そんな……アルミンまで巻き込まなくても……!」

ミカサ「大丈夫……必ずペナルティが生じる訳ではない。」

クリスタ「でも、アルミンが顔1な訳ないよ!」

ユミル「だったら、なおさら……やらないとなぁ。」

アニ「傍で見ていて、だいたい使い方はわかってる。こうやって……」 カタカタカタ  ポチッ

アルミン(どうか1でありますように……もうこうなったら全部1で良いから……!)


――――カタカタカタカタカタカタ


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みんなの本音【アルミン】

声がいい―――――――― 2

顔がいい―――――――― 5

身長がちょうどいい――― 4

性格がいい――――――― 1

スタイルがいい――――― 2

一緒にいて楽しい―――― 1

付き合ってもいい―――― 4

瞳がいい―――――――― 5



アルミン(ああ……終わった……)ガクッ

ミカサ「…………」

アニ「…………」

サシャ「…………」

ユミル「…………」

クリスタ「凄い……5って評価、存在したんだ……あれ、でもこれじゃあ……」


ミカサ「……残念だ、アルミン。」

アニ「覚悟は良いね。さて、どんな罰が良いか……」

サシャ「……アルミンって、女の子みたいでお肉も柔らかそうですよね。」

ユミル「おい、芋女……超えちゃいけないライン考えろよ。」


クリスタ「四人あわせてもアルミン以下って事じゃ……」ボソッ

ミカサ「――ッ!」ゴボッ!

アニ「――ッ!」ゴボッ!

サシャ「――ッ!」ゴボッ!

ユミル「――ッ!」ゴボッ!

アルミン「うわぁ、四人が血を吐いた!?」


クリスタ「ご、ごめん、みんな! 私、そんなつもりじゃ……」

ミカサ「」

アニ「」

サシャ「」

ユミル「」

クリスタ「……うそ、死んでる。」


――――――――

――――――

――――

――


ユミル「ちっくしょう……まだ納得いかねぇ。」

クリスタ「もう、まだ言ってるの?」

サシャ「でも、やっぱりおかしいですよ!」

アニ「なんで男連中より低いんだ……さすがに傷つくよ……」

ミカサ「……みんな、アルミンから全員分の数字を聞いてきた。」

ミカサ「一度整理して、しっかり分析してみるのはどうだろう。」

クリスタ「そ、そうだね……それで皆が納得できるのなら……」


顔5
キース、アルミン

顔4
ベルトルト

顔3
クリスタ、ライナー、マルコ、ジャン

顔2
エレン

顔1
ミカサ、アニ、サシャ、ユミル、コニー


ユミル「やっぱり納得いかねぇ……逆ならまだわかるが……」

クリスタ「逆ならわかるの? ……なら判断基準が逆なのかな。」

サシャ「判断基準が逆って……女の子がかわいいんじゃなくて、男の子がかわいいって事ですか?」

ユミル「やめろ、芋女。男の子がかわいいって、それじゃあまるで――――」

アニ「……いやいや、流石にそれは。」


ユミル「だが、言われてみれば……トップ3が教官、アルミン、ベルトルト……」

ミカサ「ライナーが好きそうだ。」

アニ「」ブフゥゥ!!

サシャ「アニが吹きだすとこなんて、初めて見ました……」


ユミル「くそったれ……判断基準設定した奴がホモ野郎だったのか……」

ユミル「歪んだフィルター通せば、そりゃ結果も歪むわな……」

サシャ「なら仕方ないですね……」

アニ「仕方ない。」

ミカサ「……仕方ない。」

クリスタ「ちょっと、みんな! 何を納得したのか知らないけど、男の子達はどうするの!?」

クリスタ「つまり、あれってただの理不尽だったって事でしょ!?」


ユミル「別に朝飯一食ぐらい……」

アニ「今更、“理由の無い暴力”に突っ込む奴なんていないし……」

サシャ「私も食べすぎでお腹こわしましたし……」

ミカサ「……明日の私の朝食はエレンにあげよう。」

クリスタ「エレンだけじゃ駄目でしょ!?」

クリスタ「とにかく、ひどい事をしたんだから、みんなで何かするの!」


ミカサ「――はい。」サッ

クリスタ「なに、ミカサ。」

ミカサ「この前クリスタが作ってくれた、クッキーが良いと思います。」

クリスタ「え、そんなので良いのかな……」

ユミル「男どもにはもったいないが、この際それでよしとするか……」

サシャ「でも、材料無いですよ。」

アニ「それは……買いに行くしかないね。」


クリスタ「なら、次のお休みに、みんなで街に買い出しだね。」

ミカサ「わかった。」

ユミル「クリスタが言うなら、仕方ないか……」

サシャ「クッキーなんて作った事ないですけど、やってみるしかないですねー。」

アニ「菓子作りなんてガラじゃないが、たまには良いか……」


――――――――

――――――

――――

――


その数日後、男達に手作りクッキーが振る舞われた。

それは“クリスタの手作り”という事でプレミアが付き、貴重な肉すら差し出し、交換を希望するものが後を絶たなかったという。



                  ――――おわり――――

肉は上官にしか配給されないはず、つまり…


これで、今のところ使えそうな占いエンジンは全て消費してしまいました。

相性診断で探してますが、なかなかネタに使えそうなのが見つからない状況です。

今後の予定は、面白い占いエンジンを見つけ次第書いてみる感じになります。

占いの結果ですらホモ扱いされるライナーは、完全に被害者。

>>166

サシャも持ってたから、大丈夫やで(適当)

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