西島櫂「木場さん、お願いがあるんですけど」 (23)

モバマスSSです。キャラ崩壊?がありますのでご注意を

真奈美「ん?どうしたんだい櫂くん。おや、小学生組も一緒かい?」

櫂「実はこの子達に水泳を教えてくれってせがまれちゃいまして」

薫「かおる、今年は25メートル泳げるようになりたいの!」

小春「小春も泳げるようになりたいんですぅ〜」

雪美「プール……入れるって、聞いたの………」

仁奈「仁奈の水陸リョーヨーキグルミが届きやがりましたので試してーんですよ!!」

真奈美「ふむ、つまり車を出してもらいたいんだね?日にちは何時だい?」

櫂「いえ、場所はここからそう離れていないので問題ないんですけど泳げるレベルに差があるみたいで木場さんにも一緒に指導にあたっていただけないかなと思いまして」


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真奈美「……ん?」

薫「まなみお姉さん、ダメ?」

雪美「真奈美、お願い……」キュッ

真奈美「い、いや。私も教えたいのはやまやまなんだがね……」

仁奈「やっぱりひろーは夏までおあずけでごぜーますか」

小春「残念ですぅ〜」

真奈美「櫂くん、他に当てはないのかい?」

櫂「いや、あたしまだこの事務所に入って日が浅いじゃないですか。まだ人の顔を覚えきれてなくて。で、この子たちに泳ぎが得意そうな人は誰?って聞いたら木場さんの名前が出たんですよ」

真奈美「そ、それにほら!みんな学校や仕事で忙しいだろう?時間をとるのも難しいんじゃないのかい?」

雪美「Pが……なんとかしてくれるって………」

真奈美「そ、そうなのか。で、いつ頃になりそうなんだい?」

薫「さ来週ならみんなお休みだってせんせぇ言ってたよ!」

真奈美「再来週か……。わかった。私も時間の都合をつけよう」

仁奈「プールに行けるんでやがりますか!?」

櫂「うん、よかったね仁奈ちゃん。ありがとうございます、木場さん」

真奈美「いや、構わないよ。子どもたちにお願いされては嫌とは言わないさ」

小春「ありがとうございますぅ〜」

雪美「真奈美…ありがとう…………」

櫂「じゃあみんな、プロデューサーにOKもらえたって言いに行こうか!あ、詳しい時間がわかったらすぐに教えますから」

真奈美「あぁ、よろしく」

真奈美「……ふぅ」

30分後

真奈美「プロデューサー、ちょっといいかい?」

P「あ、真奈美さん。プールの件ありがとうございます。子どもたちも喜んでましたよ」

真奈美「いや、大したことはしてないよ。それよりも、ここじゃなんだからきてくれるかい?」

P「?はい、これが片付いたらすぐに行きますね」

会議室

P「で、何かあったんですか?」

真奈美「ど、どうしようプロデューサー!!」ガシッ

P「へ?」

真奈美「プールのことだよ!私はどうすればいいんだ!?」ブンブン

P「お、落ち着いて下さい。いきなりじゃなにがなんだか」ガクガクガク

真奈美「わ、笑わないかい?」

P「笑えるほどの余裕がありません……」

真奈美「実は、私はカナヅチなんだよ」

P「は?カナヅチってあれですか?泳ぎが苦手な人のことを指す?」

真奈美「あぁそうだよ、そのカナヅチなんだよ!私は泳ぎが苦手、いや泳げないんだよ……」

P「い、意外ですね。ってあれ?ならなんでコーチをOKしたんですか?」

真奈美「あの子たちを前にしたら『カナヅチだから教えられないんだ、ゴメンね☆』なんて言えるわけないだろう!?」

P(☆はいらないんじゃあ)


真奈美「それに……」

P「まだ何か理由があるんですか?」

真奈美「君はさっき意外だと言ったね。あれは何故だい?」

P「え?いやぁ、真奈美さんってなんでもそつなくこなしそうなイメージがあったので」

真奈美「それだよ!その“なんでも出来そう”って言うイメージがあるから余計に断りにくかったんだよ!!なんで帰国子女ってだけで傭兵か何かだと思われなきゃいけないんだい!?私は包丁の扱いは慣れてるがサバイバルナイフなんて触ったこともないよ!!」

P「あ〜、確かにそんな感じのイメージは持たれてますよね」

真奈美「そのイメージのせいで私がどれだけ苦労しているか……」

??「その気持ち、わかるわ!!」

バンッ

P木場「「!!?」」ビクッ

早苗「話は聞かせてもらったわ!!」

P「さ、早苗さん!?どうしたんですかいきなり?」

早苗「いやー、私も真奈美ちゃんと同じで変なイメージが付いて回ってるからね。黙っていられなくて」アハハ

P「いや、早苗さんの場合は半分自業自得じゃないですか」

早苗「なんだとぅ!?」

P「そりゃ早苗さんが最初に言った『タイホしちゃうぞ♪ん、タイホっていうか、シメる♪』が原因じゃないですか」

早苗「こんな可愛いおねーさんが言ったのに!?」

P「それでもシメるはダメでしょう。まぁそういう意味では真奈美さんもある意味仕方ないかもしれませんが」

真奈美「わ、私はシメるなんて言ったことはないぞ!?」

P「普段の妙に男前な喋り方・高い身長と引き締まった肉体・凛々しい目元・趣味に筋トレを挙げる所、これだけあれば勝手なイメージも付きますよ」

早苗「まぁ真奈美ちゃん格好良いもんねー。宝塚だったら間違い無く男役でしょうね」

真奈美「そ、そうなのか」

P「まぁイメージの件に関してはこの際仕方ありません。コーチの件は俺がうまいこと言っておきますよ。代打もいつきに頼んでみますから」

真奈美「ま、待ってくれ!約束を反故には出来ない!!」

P「で、でも泳げないんですよね?」

真奈美「プロデューサー、私に泳ぎを教えてくれ」キリッ

早苗「なるほど、今泳げないなら泳げるように努力するってわけね!よし、そういう事ならおねーさん一肌脱いであげる!!」

P「は?」

早苗「あ、一肌脱ぐって言っても本当に脱ぐ訳じゃないわよ?泳ぎを教えるのを手伝うって意味よ?」

P「別にみたい訳じゃありませんが」

早苗「ほほぅ?」

真奈美「で、どうだろうか?あ、もし君も泳げないと言うなら無理は言わないが」

P「いえ、一応人並みには泳げますから教えるのは構いませんが……本当にそれでいいんですか?僕にも仕事があるので時間も限られますし」

真奈美「ありがとう、この恩は仕事で返してみせるよ!!」

早苗(それにしても真奈美ちゃんにこんな弱点があるとはねー。普段のクールさも全然ないし。これは退屈しなさそうね♪)

練習日当日

P「と言うわけでトレーナーさんのつてを使い温水プールに来ましたよ。準備運動も済んでます」

真奈美「今日はよろしく頼む」

トレ「わ、私もいていいんでしょうか?」

早苗「いいのいいの!むしろ愛でる花が増えてP君も喜ぶって」アッハッハ

P「早苗さんは黙ってて下さい。それにしても……」

真奈美「ん?どうかしたのかい?」

P「いえ、「けしからんボディをしているなぁ、と思いまして。ゲッヘッヘ」何をしているんですか、早苗さん」

早苗「P君の心の声を代弁してみたんだけど?」

トレ「ぷ、プロデューサーさんたら、もう!」

P「違います。競泳水着にキャップとゴーグルってのが結構さまになってるな、と思いまして」

真奈美「褒められるのは悪い気分ではないね」

早苗「P君知ってる?真奈美ちゃん腹筋割れてるのよ?」

P「前にレッスンの休憩中に見せてもらったので教えてくれなくても構いません」

トレ「お2人とも綺麗ですよね。羨ましいなぁ」

早苗「何言ってんの。トレちゃんだって十分綺麗よ?」

P「真奈美さん、カナヅチと言っていましたがどの程度なんですか?それによって教え方が変わってきますが」

早苗(あらら、無視されちゃった)

真奈美「程度、と言われてもわからないんだが」

トレ「えっとですね、木場さんは水は怖くないですか?」

真奈美「あぁ、問題無いよ」

P「ふむ、ではプールの中に入りましょうか」

チャプ

真奈美「ふむ、意外と冷たくはないんだな」

早苗「温水だからねー」

P「最初に水に顔をつけてみましょうか」

真奈美「こうか?」ジャバ

トレ「木場さん、水を顔にかけるんじゃなくて顔を水面に持っていくんですよ」

真奈美「そ、そうだったのか。では改めて」ジャボ

P「問題なさそうですね」

トレ「苦手な人はこれも出来ませんからね」

真奈美「……」

早苗「ねぇ、ちょっと長いんじゃない?」

P「え?ま、真奈美さん大丈夫ですか!?」ユサユサ

真奈美「っぷはぁ!どうだい?肺活量には自信があるんだ」フフン

トレ「じゃ、じゃあ次は水中でじゃんけんをしてみましょうか。早苗さん、お願いできますか?」

早苗「はいはーい」

真奈美「これは何のためにやるんだい?」

P「水中で目を開ける練習です。なのでゴーグルはかけないで下さいね」

真奈美「わかった。では早苗さん、よろしく頼む」ジャブ

早苗「負けないわよ〜」ジャプン

ジャーンケーン、ポン!

真奈美「ふぅ、負けてしまってな」

早苗「ドンマイドンマイ!」

P「勝ち負けは関係ありませんから。どうやら水に対しての抵抗はないようですね」

トレ「はい、これなら次のステップに移っても問題ありませんね」

真奈美「よし、任せてくれ!」

P「ではとりあえず仰向けで浮かんでみましょうか」

真奈美「え!?し、沈んだりしないかい?」

早苗「浮き袋が2つもあるんだからd「背中を私が支えますから安心して下さい」むぅ」

真奈美「よ、よしわかった。ほっ!」

P「そんなに力を入れないで、リラックスして下さい」

トレ「ベットの上にいるイメージでいいですからねー」

真奈美「こ、こうか。……おぉ、これは気持ちいいな!」

P「いやぁ、飲み込みが早いですね」

トレ「では手を離しますねー」スッ

真奈美「あぁ、なんだかこのままでいたい気分だよ」

早苗「んー」

P「今度はなんですか、早苗さん」

早苗「いやね、水を怖がってるわけでもない、浮かぶのも問題ない、一体何がダメなのかと思って」

トレ「ほら、子どもの頃は苦手だったのかもしれませんし」

P「ふむ。真奈美さん、いいですか?」

真奈美「なんだい?」

P「真奈美さんはカナヅチと言っていましたが、この分だと思ったよりも早く泳ぎをマスター出来そうです。クロールはわかりますよね?」

真奈美「あぁ、頭ではわかる」

P「試しにクロールで泳いでみませんか?それでダメな所を直していく、という方向で。万が一溺れたとしてもすぐに救出しますから」

真奈美「……よし、わかった。もしもの時は任せたぞプロデューサー」

トレ「そ、そんなに緊張しなくても大丈夫ですから」

早苗「そうそう、リラックスリラックス♪」

真奈美「では木場真奈美、参る!はぁっ!!」

ザパーン

P「こ、これは……」

早苗「犬かきよりひどいわね。あれ、溺れてないのよね?」

トレ「い、一応その筈ですけど」

真奈美「……ふぅ、どうだった?私の泳ぎは?」

P「えぇ、これからの指導方針が決まりました」

真奈美「少し見ただけでもうわかったのか、流石だなプロデューサー」

早苗(いやー、誰が見てもわかるでしょあれは)

P「真奈美さんは体の動かし方が全く出来ていないので先ずはビート板でバタ足の練習をしましょうか」

トレ「ず、随分きっぱりと言うんですね」

P「木場さんの場合は下手なフォローはかえって失礼になりますから」

早苗「まぁこれが智絵里ちゃんとかなら泣いちゃうでしょうね」

真奈美「そうか、ではすぐに続きといこうか」

P「時間がありませんからね、ビシバシいきますよ?」

真奈美「望むところだ!」

10日後

P「初日以外は仕事で練習に付き合えませんでしたが、あれからどうですか?」

真奈美「ふっ、昨日ビート板を使って20m泳げるようになったよ」

P「櫂に、謝りにいきましょうか?」

真奈美「一緒に行ってくれるのかい?」

P「乗りかかった船、ってやつですよ」

真奈美「すまないね」

P「……と言うわけなんだ。コーチはいつきとルキトレさんにお願いしておくから」

真奈美「騙すような真似をしてすまなかった!」

櫂「いえいえ、そういう事情なら仕方ないですよ。あ、そうだ!そうせなら一緒に練習しませんか?」

真奈美「え?」

P「それは名案だな。真奈美さん、ここは櫂の案に乗りましょう」

真奈美「し、しかしだな……」

P「これをきっかけに、真奈美さんにも苦手な事があるってことを知ってもらえれば完璧超人なイメージも消えていくかもしてませんよ?」

櫂「へぇ、木場さんってそんな風に思われてたんですね」

P「そっか、櫂はまだ入って日が浅いからみんなに変なイメージを持ってないんだな」

真奈美「ではよろしくお願いするよ」ペコリ

早苗「イイハナシダナー」ウンウン

櫂(あの人、物陰に隠れて何をしてるんだろう?)

数日後

P「ふぅ、やっとひと段落ついたな」

真奈美「ぷ、プロデューサ〜〜!」

P「どうしたんですか真奈美さん、ドラえ○もんに泣きつくの○び太みたいな声を出して」

真奈美「じ、実はこんど莉嘉君と虫取りに行くことになったんだが……」

P「まさかとは思いますが、真奈美さん?」

真奈美「虫が、苦手なんだよ」

P「……はぁ」ガック

P(テラフォーマ○ズでも読ませようかな)

どっとはらい

STOP・風評被害
最近のSSでの木場さんはちょいと完璧超人すぎる気がしたので書いてみました。
もちろん海外帰りのKさんも好きなんですよ?でもああいう格好良い人が実はカナヅチ、って萌えるじゃん?
それでは失礼します。

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