SPEC-安- (38)




 瀬文と当麻がスペックホルダーと戦っている中、西日本の端の方で君は目覚めた。




主人公のスペック

安価下1~5 よさげなのを採用、もしくは混ぜます。



※スペックシリーズは翔までしか見てません。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405074339

それでは、歌っている間は怪電波を出して相手を混乱(歌の種類によっては魅了したりスペックホルダーを探知したりする)スペックでいきます。


ちなみに主人公は男? 女?


安価下1


 この物語の主人公である、安価従治(あんかじゅうじ)には能力があった。

 それは関東ではスペックと呼ばれていたが、関西に住む彼はその事を知らない。


 安価従治の職業


 安価下1


従治「………」


 眠い。

 いや、眠すぎる。

 この眠気を例えるならそう、実は世界が超能力者であふれていて俺自身もその素養があり、今目の前にある果物を齧るだけで発動するとしてもスル-してしまうほど眠い。


教師「従治ー! お前、何間抜けな顔しとんねん! しはくぞ!」


 おいおい、教師がそんな暴言吐いていいのかよ。

 でも、駄目だ。目の前でヤクザみたいな教師が目が血走っている状態で近づいてきても、何の危機感も覚えないくらい眠い……。


教師「ほほぉ、あほんたらぁはお昼寝の時間みたいやなぁ」


 瞼が、閉じる。

 一度、二度、三度。


 瞬きをするたびに、ヤクザ教師のモーションが変化して、俺を殴ろうとしているのが分かるが、それでも俺は他人事のように防御しようとはしなかった。


従治「………」

教師「なんや今更口開いたって遅いんじゃほげぇええ!」


 話は180度ほど変わるが、今関東の方では大変なことが起きているらしい。

 ツイッターやブログなどの情報しかないので、温度差というか現実味がないので信じている奴は少ないが、それでもまるで日本が崩壊してしまうような反応をとる人々もいた。


葛西「お前、あんまあれするなって言ってるやろ」


 屋上のフェンスにもたれながら、クラスメイトの葛西が不機嫌そうに言った。


従治「すまん、あまりに眠くて」

葛西「思うとらんやろ。あのヤクザ、濁音抜けてたから相当怒ってたのは事実や。けどな――」


 葛西は人差し指をこちらに向け、銃を撃つようなポーズをとった。


葛西「お前の“力”は間違いなくバレたらあかん奴や」

従治「……わかっとる…」


 俺は葛西の真っすぐな視線を受け止めることができず、目をそらした。



 歌で人を操ることのできる力。

 まぁ、これが超能力の類なのかどうかはわからないが、少なくともこの世界に歌で“人を自殺させる”ことができる奴は一人しかいないだろう。


葛西「まぁ、歌がうまかったからよかったわな。その容姿でその歌声や、奇跡の一つでも信じたなる」


 けどな、葛西は続けた。


葛西「今の時代、勝手に録音されてよーつべとかに載せられる可能性だってあるんや。それで力がバレたら、もう二度と表は歩けへんで」


 葛西の言葉には重みがあった。

 なぜなら――、


1、彼自身も能力者だから
2、彼の親がそれで不幸にあったから
3、その他


安価下1



 葛西自身も能力者だからだ。

 しかも、幼少の頃には神童と呼ばれちょっとした有名人だった彼は、けっこう酷い目に遭ったらしい。

 最終的には能力を嘘だと言い続けてごまかしたが、その代償はあまりに大きすぎた。


従治「でも、俺もお前みたいな能力だったらよかったのに」


 葛西の能力

安価下1

葛西「おいおい、俺の能力“メルトダウン”なんて使っても何も良いことないやろ」

従治「でも、電気代タダなんやろ」

葛西「あほか。ご近所さんに迷惑かけられるか。放射線出るんやで」

従治「冗談だよ」

葛西「でも、実は最近放射線を出さずにエネルギーを取り出すことができるようになったんやけどな」

従治「すごすぎるだろ」

葛西「……俺は、今まで周りの人に迷惑をかけたくないからこの能力を封印していた。けど……」

従治「おい」

葛西「人間はクズや。自分らの好奇心を満たすためなら他人を殺すし、自分らの利権のためなら世界を破壊する。俺は、そんなあいつらが……」グググ

従事「葛西」

葛西「なぁ! 俺と一緒に世界を変えへんか!? 頼むわ!!」ガシッ



従事「安価下1」



従治「めんどくさそうだからパスで」

葛西「だよなー」

従治「………」

葛西「………」

従治「………な、なぁ」

葛西「大丈夫だよ」

従治「な、何が大丈夫なんだよ」

葛西「俺はお前を殺したりはしねーよ」

従治「……まじか」

葛西「……さ、授業出ようぜ」



 その日、葛西が授業に現れることはなかった。



―未詳―


当麻「なぁ瀬文ん」

瀬文「………」

当麻「何書いてんすか瀬文ん」

瀬文「うるせぇ、せぶみんって呼ぶな馬鹿」

当麻「あー! バカって言った! バカって言ったこの人!」

瀬文「バカでくせーんだよバカ!」

当麻「きーーー! 瀬文が苛めるーーーー!」

瀬文「だぁああ! お前がうっせぇから、字間違えたじゃねぇか!!」

当麻「何書いてたんすか?」

瀬文「別にいいだろ」

当麻「ねぇねぇ、何書いてたんすか?」

瀬文「目が笑ってねーぞ馬鹿」

当麻「えーい」グシャッ

瀬文「てっめぇ!?」

当麻「えーと……え?」

瀬文「………」

当麻「ラブレター……」ガクッ

瀬文「お、おい、なんだその反応は!」

当麻「瀬文さんが……瀬文さんが…」グスッ

瀬文「………」



当麻「瀬文さんの脳みそが腐ったーーーーっ」ヤダーッ



瀬文「瀬文んアタック!」バキッ

当麻「痛いっ!」ドサッ

瀬文「俺が、ラブレター書いてちゃ悪いのかっ」

当麻「えー悪いですね! アンタみたいなハゲで目つきの悪いおっさん、貰った方が迷惑ですよ!」

瀬文「お前宛でもか!!」

当麻「えっ」ビクッ

瀬文「………」

当麻「え、いや、そんな急に言われても心のじゅん

瀬文「うーそーだーよー!! ばぁーーーーか!!」

当麻「てんめぇええええ! 表出ろやぁあああ!!」


野々村「はいはいそこまでそこまで、ネコなでなでなんちゃって」


瀬文「………」ニヤリ

当麻「………」ギリリッ

野々村「これを見てちょんまげ」ハイ

当麻「これは……なんですか?」

瀬文「暗号?」


 そこには【-安-】と書かれた紙があった。


野々村「いや、ここ最近起きてる殺人事件なんだけどね、必ずと言って良いほどその暗号が書かれているんだ」

瀬文「これはまさか……スペックホルダーが?」

当麻「短絡過ぎ、脳みそ入ってんのか」プッ

瀬文「その脳みその小さい男にだまされたお前は何なんだよ」

当麻「騙されてねーよ、一回脳みそ撃ち抜いてやろうか、ん?」ギリリッ


野々村「とーにーかーくー! これは未詳で調べろとのお達しだから、二人ともよろしくちゃん」


二人「………ふんっ」

当麻「でもさー、これってあれに似てません?」

瀬文「似てる?」

当麻「冷泉さん」

瀬文「ぶっ」

当麻「ほらこうすれば」カキカキ

  ◆
(-安-)

瀬文「ぶっ、やめろ」ヒクヒク

当麻「あん、やす、どっち読みなんでしょうねー」

瀬文「ウオンナかもな」

当麻「ウオンナ……やだーえろーい、瀬文んえろーい」

瀬文「どっからその発想に持っていける……」

当麻「とにかく、ネットで調べてみますね」

瀬文「俺は聞きこみに行ってくる」

当麻(まじでラブレター書いたのかこの男……)キニナル…

名古屋 駅前


葛西「………」

葛西(この世界は腐っている)

通行人「邪魔だよババア」

老婆「す、すみません」

ヤンキー「おら、金出せや」

男「こ、これしかもってないですー」

ヤクザ「あ? どうしてくれんのこれ?」

妊婦「ご、ごめんなさい」


葛西「……腐りすぎだろ、これ」イライライラ


ヤクザ「あ? さっきから何見てんの兄ちゃん?」

葛西「………」イライラ

ヤクザ「あんまり調子に乗ってっとぶっ飛ばすぞおら?」

葛西「……ねぇ」

ヤクザ「あぁ?」

葛西「原子力発電所の近くに住んでくださいって言われたらどうする?」

ヤクザ「は? そんなの嫌にきまってるじゃねぇか」

葛西「なんで?」

ヤクザ「なんでって、そりゃ放射能の影響とか、こえーじゃねぇか」

葛西「はははっ!!」

ヤクザ「!?」

葛西「ヤクザが! 警察に喧嘩売るヤクザ様が放射能が怖いんだ?」

ヤクザ「だ、誰だってこえーにきまってるだろうが!!」


葛西「俺は怖くないよ」ギロッ


ヤクザ「!? め、目が太陽みたいに!?」

葛西「ねぇ、放射線を一度に浴びたらどうなるか知ってる!?」

ヤクザ「く、来るな!!」

葛西「どうなるんだろうね! きになるよね!!」

ヤクザ「来るなぁあああ!!」

葛西「気になっちゃったら……」





葛西「身を持って調べるしかないよね」




翌日 従治の家

従治「……あいつ、まじでやりやがった…」

-新聞 見出し-
【なぜこんなところで!? メルトダウン!!】


従治「………」

従治「俺は……」



1.あいつを止めたい。
2.あいつから逃げたい
3.その他


安価下1



 チャンスだ。心の底からそう思った。



従治「……姉ちゃん…」


 俺の唯一の家族、安価安値(あんかやすね)を殺した張本人。

 葛西だけは絶対に許さないと思っていた。

 そのチャンスがもう回ってくるなんて……。


従治「よし……」


 待っていろ葛西。

 お前はこの世界にいちゃいけない存在だということを分からせてやる。



当麻「なーんにも出ねーな―」パクパク

瀬文「おい」

当麻「あ、瀬文さんも食べます?」

瀬文「俺が汗水流して聞きこみしてる間に、お前は餃子を粉から作ってたのかこら!」

当麻「はい、あーん」アムッ

瀬文「くち移し……だと!?」ゴゴゴゴゴゴ


瀬文はどうする?

安価下1

瀬文「デカ舐めんな!!」ジュプッ

当麻「!?」ビクッ

瀬文「じゅぷっ、れろっ、はむっ」

当麻「………」ポーッ///

瀬文「ぷはっ、餃子くせーんだよ!」ブチュッ

当麻「………」ギューッ

瀬文「デカだましいなめんなっ!!」レロレロレロ

当麻「……んっ///」



野々村「出るに出れないオールナイト」ジーッ





 安価安値は困っていた。

 
 自身が『霊になる』スペックの持ち主だと気づいた時には、何人も人を殺していたからだ。

 どうやら、生きている人の憎悪が身体に触れると気を失って悪霊状態になるらしい。


 後から現場に私の名前を残そうとしたが、安の文字を書くと線が現れてそれ以上書けなくなる。


 誰か、私を殺してください。

 私が取り返しのつかない存在になる前に。




従治「なんだこの能力者の多さは」


 東京駅について、俺は歌った。他の能力者がいれば音程が外れる歌だ。

 その歌が、“全く音程が定まらない”。

 つまり、この目に見える範囲だけでも、無数の能力者がいると言うこと……。


従治「この中から葛西を……」


 ぞっとしない話だ。

 だが、唯一の救いは、葛西は関西から関東の方角へ向かっているということ。

 待っていればいずれ近くで事件は起きるはず。


従治「それまでどこかで時間をつぶすか……」


 それにしても、この能力者たちは他人が怖くないのだろうか。

 それとも自分の能力が最強とでも思っているのだろうか。

瀬文「未詳……なめんな」ペロペロ

当麻「いい加減に、しろ!」ドカッ

瀬文「ぐえっ!!」ドサッ



当麻「いつまで人を舐めまわす気だ! いい加減にしろ!!」ハァハァ///



瀬文「ちっ、こっからが本番だったのによぉ」

当麻「え、あれで前戯……?」ゾクッ///



野々村「さぁて、仕事仕事っと」


二人「っ!?」バッ///

野々村「おや? どうしたのかなりあ海峡ー」

当麻「先ほど、渋谷で殺人事件が起きました。どうやらそこにも」

瀬文「安の文字か!!」ダッ

当麻「本番してからにしろやこらぁあああ!」

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