穂乃果「海未ちゃん!」海未「……!」 (55)


海未(音ノ木坂に入学してから1ヶ月、友人が1人も出来ません)


海未(クラスではグループが完成しつつある)


海未(これは由々しき事態です! 早くなんとかせねば……)


ことり「ほのかちゃん帰ろう!」


穂乃果「うん! いいよー」


ヒデコ「穂乃果、ことりちゃんじゃあねー」


穂乃果「バイバイ! また明日ねー」


海未(ああ、なぜ私には友達が出来ないのでしょう……)


海未(私は同年代の方と比べると暗いとは思いますけど……)


海未(うぅ……)


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穂乃果「園田さん!」


海未「! は、はい!」


穂乃果「また明日ね!」


海未「え、ええ! また明日っ」


海未「ああ、女神さま……」


海未(じゃなくて。今の方は高坂さん。私に明日って言って……)


海未(彼女と、友達になりたい!)


次の日


穂乃果「おはようみんなー」

オハヨーホノカッ
キョウモゲンキダネ


穂乃果「穂乃果はいつも元気だよー!」


海未(き、来たっ!)ガタッ


海未(さりげなく! さりげなく挨拶をすればいいのです! 緊張する必要ありません!)


海未「お、おおおおはようございましゅっ、高坂しゃん!」


海未(やってしまいました……)


穂乃果「おはようっ、園田さん!」ニコッ


海未「!」///


穂乃果「あれ? 園田さん顔真っ赤だよー?」ピトッ


海未「!!??」


海未(こ、この方は平気でこんなことを……)///


穂乃果「それにしても、園田さんでも噛むことあるんだー」


海未「そ、それはどういう意味ですか?」
?

穂乃果「あっ、別に悪い意味じゃないよ」


穂乃果「授業中、先生に指名されて教科書朗読してたでしょ」


穂乃果「その時、噛まずに朗読出来てたから、変だなって」


海未「へ、変……」


穂乃果「それに、声もキレイだなーって思ったの」


海未「そ、そうですかっ」プイッ


穂乃果「あっ! 照れてるー!」


海未「べ、別に照れてなんかっ……!」

続きは明日にでも



穂乃果「可愛いー!」?ダキッ


海未「ヴェエ!?」


穂乃果「園田さんは可愛いなあ」ギュッ


海未「あ……」///


ことり「ホノカチャン!」


穂乃果「あっ、ご、ごめんね。急に抱きついたりして」バッ


海未「…………いえ、別に」


ことり「もうHR始まるよ、早く席座ろっ」


穂乃果「うん、ばいばーい園田さん」




海未「また、1人ぼっちですか……」





海未(もうお昼の時間ですか……。今日はどこで食べましょうか)


海未(天気もいいし、屋上にでも行きましょう)


穂乃果「園田さん!」


海未(ですが屋上に誰かいたら……)


穂乃果「園田さん! 一緒にご飯食べよ!」


海未(ああ、園田さんが羨ましい……って)


海未「私じゃないですか」


穂乃果「? そうだよ? 一緒にご飯食べよ!」


海未「い、いいのですか……?」



穂乃果「もちろん!」


海未「あ、ああ……」ポロポロ


穂乃果「ええっ!? な、なんで泣いてるの!?」


ヒデコ「あー、穂乃果が園田さん泣かせたー」


穂乃果「穂乃果なんにもしてないよー!」


海未「き、気にしないで下さい」ポロポロ


穂乃果「ほ、本当に大丈夫なの?」


海未「はい」ニコッ?


穂乃果(園田さんの笑顔、初めて見たかも……キレイ)



穂乃果「………あ! 園田さん!」


海未「は、はい?」


穂乃果「よかったらなんだけど………これから海未ちゃん、って呼んでいいかな?」


海未「えっ!?」


穂乃果「い、いやなら今まで通り園田さんで……」


海未「これからう、海未とお呼び下さい! いや呼んで下さい!」


穂乃果「海未ちゃん!」


海未「……!」


穂乃果「これからもよろしくね!」


海未「はい!」


おわり



ことり「穂乃果ちゃん遅いよー!」


穂乃果「ごめんごめん!」


ことり「ことり寂しかっ……園田さん?」


海未「!」ビクッ


穂乃果「一緒にご飯食べようと思って誘ってみたの! 駄目だったかな?」


ことり「ううん、そんなことないよ」


海未(南さん……今頃

ことり『2人だけの空間に入りこんでんじゃねーぞ根暗野郎』

とか思ってるに違いない……!)


ことり「??」


穂乃果「もーっ! 海未ちゃん!」ダキッ


海未「! は、はい!」



穂乃果「どうして怯えてるのさー。ことりちゃん、優しくていい子だよ?」


ことり「ことりってそんなに怖くみえるかなぁ……」


海未「そんなことありません! ただ、話したことない相手ですと、苦手意識を持ってしまって……」


穂乃果「まっ、少しずつ慣れていけばいいと思うよ。穂乃果と海未ちゃんは友達だもんね!」


海未「と、友達……!」


海未(友達……なんていい響きでしょう!)


穂乃果「もしかして穂乃果、馴れ馴れしかったかな……」


海未「高坂さんっ!」ギュッ


穂乃果「わっ」


ことり「園田さんだけずるい! 私も!」ギュッ



穂乃果「ほわわっ」


海未(今、この時間が楽しい……これからもずっと、ずっと)


ことり「ほのかちゃん!」


穂乃果「あはははっ!」


海未(続きますように)


穂乃果「? どうしたの海未ちゃん?」


海未「いえ、なんでもありません」


2ヶ月後


穂乃果「海未ちゃん! 宿題見せて!」


海未「はあっ、またですか。ダメに決まってるでしょう!」



穂乃果「えーっ、ケチ! ことりちゃんに見せてもらうからいいもん! ことりちゃん、宿題見せてー」


ことり「いいよ?」


穂乃果「やったー!」


海未「ことりは穂乃果に甘すぎます! それでは穂乃果のためになりません!」


穂乃果「……海未ちゃん、変わったね」


海未「えっ?」


穂乃果「最初の頃は

『お、おおおおはようございましゅっ、高坂しゃん!』

って何回も噛んじゃうほど緊張してたのに、今はこれだもんね」


海未「これとはなんですか! あと、あの頃のことは忘れて下さい!」


穂乃果「でも、私は今の海未ちゃんの方が好きだよっ!」ダキッ



海未「?! こ、今回だけ特別に! 宿題を見せてあげます!」


穂乃果「ありがとう~! 海未ちゃん大好き!」ギュッ


海未(私は、穂乃果にだけは弱いですね)


海未(でも、こんな何気ない日常が)


海未「────私は大好きです!」



おわり

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