とりつけとく
気が向いたときに書きます

翌日

一穂「じゃ、れんちょんのことよろしくね」

楓「うっす、わかりました」

れんげ「駄菓子屋！はやく！はやく行くん！｣ｸﾞｲｸﾞｲ

楓「こら引っ張んなって、街は逃げないぞ」

れんげ「逃げなくてもはやく行った方がいいのんな！」

ﾄﾞﾀﾊﾞﾀﾜｲﾜｲ…

一穂「いってらっしゃーい…いやー元気だねぇ、さ、ウチはもうひと寝入りと洒落込みますか｣ｲｿｲｿ

？？？「ごめんくださーい」

一穂「客か…なんという無粋なタイミング…はいはーい、今行きますよーっと」

れんげ「まーちまーちまーちのマーチはまーちばりー」

楓「なんだその歌」

れんげ「よくぞ聞いてくれました、街の歌ですのん｣ﾌﾝ

楓「あー…そうか、いい歌だな」

れんげ「この歌の良さが分かるとは、いい感性してるのん、駄菓子屋」

楓「というかその『駄菓子屋』って呼び方いい加減やめてくれよ、夏海の真似なんかしてると人生終わるぞ」

れんげ「なんと！それは大変なんな…じゃあなんて呼べばいいのん？」

楓「えっ！えっと、か、『かえでおねえちゃん』とか、かな？」

れんげ「ウチの姉は2人なんですが」

楓「こ、細かいこと言うなよ、ほら、試しに一回言ってみ、一回でいいからさ」

れんげ「…『かえでおねえちゃん』」

楓「おうふ」

れんげ「どんな感じですか」

楓「いい…いいな、これ」

れんげ「…かえでおねえちゃん」

楓「…れんげ｣

れんげ「かえでおねえちゃん」

楓「れーんげ」

楓「かえでおねえちゃーん」

楓「れぇんげぇぇえへへへ｣ﾆﾔﾆﾔ

れんげ「！｣ﾋﾞｸｯ

楓「はっ！なんでもない！なんでもないぞ、れんげ！｣ｱｾｱｾ

れんげ「だ、駄菓子屋」

楓(くうっ！加賀山楓、一生の不覚！)

>>10
間違い
楓「かえでおねえちゃーん」
↓
れんげ「かえでおねえちゃーん」

夕方

れんげ「気の利いたものが買えたのん、ほのかちんきっと喜んでくれるのんな」

楓「いいもんが見つかってよかったな」

れんげ「駄菓子屋、今日はありがとなん」

楓「いいって、用事のついでなんだからさ(『駄菓子屋』か…とほほ…)」

れんげ「ウチはついでですか…」

楓「い、いや、そんなことはないぞ！れんげの買い物も大事な用事だ！」

れんげ「駄菓子屋…駄菓子屋はやっぱり優しいのんな」

楓「お、おう｣ﾄﾞｷｯ

れんげ「て」

楓「て？」

れんげ「手、つなぐのん」

楓「な、なんだよいきなり、手なんて｣ｱｾｱｾ

れんげ「つなぎたくなったのん…だめ？」

楓「い、家に着くまでだからな！｣ｷﾞｭｯ

れんげ「やっぱり優しいのんな、駄菓子屋は」

楓「…んでくれ｣ﾎﾞｿｯ

れんげ「？」

楓「名前で、呼んでくれよ…昼間、みたいに」

れんげ「…かえでおねえちゃん？」

楓「うん、そう」

れんげ「かえでおねえちゃん」

楓「…ありがとな」

れんげ「なんでお礼言うん？だがし…かえでおねえちゃん気持ち悪いのん」

楓「きもっ…！｣ｶﾞｰﾝ

れんげ「それに長いのん、『かえでおねえちゃん』って」

楓「まぁ、確かに長いな…」

れんげ「『オネエ』はダメなん？」

楓「やめてくれ、言い方によっちゃ誤解を招く」

れんげ「かえでねえねえ？」

楓「一穂先輩とカブるなぁ…」

れんげ「わがままはやめてほしいん、だいたい『かえで』って名前使いにくいのん」

楓「そんなこと言われても」

れんげ「かえでねえ」

楓「…それでいいや」

れんげ「不本意そうなん｣ｼﾞﾄ

楓「れんげは難しい言葉を知ってるなぁ」

ﾋﾞｭｳｳｳ…

れんげ「うわっ、目になんか入ったのん！」

楓「あーちょっと待てこするなよ、今とってやるから」

れんげ「んんー！」

楓「じっとしてろ」

れんげ「んっ…」


？？？「えっ…」

？？？「……ッ！｣ﾀﾞｯ


楓「ほら取れたぞ、もう痛くないか？」

れんげ「うん…大丈夫なん、ありがと駄菓子屋」

楓「おい戻ってんぞ」

一穂「…うちの前でなーにやってんの」

れんげ「あ、ねえねえなん」

楓「うっす」

一穂「いや、『うーっす』じゃなくてさ」

楓「はい？」

れんげ「ねえねえ、駄菓子屋が目に入ったゴミ取ってくれたん！なんか気の利いたお礼ないん？」

楓「いらないって、というか『気の利いた』って流行ってんのか？」

一穂「……あ、そういうことねー」

れんげ「ねえねえ、はやく、はやく｣ｸﾞｲｸﾞｲ

一穂「れんちょん、ちょっと待ってねー、あとほのかちん来たよ」

れんげ「えっ！ほのかちん来たん！？明日のはずなん！」

一穂「ほんとだよー、昼と今さっきにね、予定より早く来れたんだって」

れんげ「ふおお！」

一穂「居間に書き置き残して帰ったから読んできな」

れんげ「言われなくても読むーん！｣ﾀﾀﾀｯ…

一穂「いやぁ、元気だねえ、さてウチもこのへんで」

楓「先輩、『そういうこと』ってなんすか？」

一穂「いやぁ、その、あのね、怒らないで聞いて欲しいなーって」

楓「怒りませんから、早く言ってくださいよ」

一穂「ほんとに？」

楓「怒りませんから｣ｲﾗｲﾗ

一穂「えっとねー、さっき楓がれんちょんの目のゴミ取ってたじゃん？角度的に、ちゅーしてるように見えてさ」

楓「はあ！？///｣ｶｧｧ

一穂｢ｶｰﾑﾀﾞｳﾝ､ｶｰﾑﾀﾞｳﾝ、落ち着いてー」

楓「いやっ、そんな、するわけないでしょうが！///｣ｱｾｱｾ

一穂「そうだよねー、めんごめんご」

楓「そんなっ、れんげに…キス、なんて、できるわけ///」

一穂「ウブだねぇ、夕飯食べてく？お礼とお詫びを兼ねてさ、れんちょんもいるよ」

楓「れんげがいるのは分かってます！…おじゃまします」

一穂「腕によりをかけて作るからねー」

楓「うっす…」

一穂(あちゃー、勘違いしてそうだなぁ…ま、いっか)



？？？「はぁ…はぁ…｣ﾌﾗﾌﾗ

？？？「だれぇ、あの女の人…？｣

ほのか「れんげちゃん…｣ｳﾙｳﾙ