P「最近貴音がよそよそしい…」 (71)

見知った後ろ姿。月だ、と思った。

プラベートで見かけるのは始めてである。彼女は俺の目的地でもある古書店へと入っていった。

悪戯心が沸き、表情が緩む。プロデューサーという立場からいつもアイドルには

振り回されてばかりだ。ターゲットは貴音。一体あいつはどんな反応をするだろう。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404827894

リアクションを想像しながら俺は彼女に近づいていった。
 
本棚を吟味する彼女の肩に、ポンッと手をおく。

軽く声をあげる、びくりとすることを期待していたのだが彼女は見事にそれを裏切った。

長い髪がひらりと舞い、こちらを振り向いただけだ。

彼女にドッキリの仕事が全く来ないのも頷ける。

ちょっとは765プロのリアクション王、春香を見習え。

「よっ。偶然だな」

「あ、あああなた様?」

いや驚くのが遅かっただけか。

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