希「死神代行…東條 希や!」 (148)

・BLEACH×ラブライブ
・でもBLEACHキャラは殆ど登場しないかもしれません(予定上では一護含む空座第一高等学校の生徒は登場しません)
・捏造設定あり
・基本的に主人公は東條希ちゃんです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404805463

??? 午前二時二十三分 木曜日

羽から身まで…全てが黒色に染められた蝶が月光に照らされながら夜を彷徨う
同じ光で照らされた一本の電信柱…その上には黒い着物を纏った一人の女性が佇んていた。

「この辺りか…」

「___成程…強い魄動を感じる…」

その女性は虫の音に掻き消される程の小さな声でそう呟き夜の闇に身を隠した


1.Death & Hope


斯くて刃は振り下ろされる。

部室 午後四時三十八分 木曜日

希「にこっちー!!」ワシッ

にこ「きゃあぁぁあああ!って何すんのよ!!」

希「ええやんええやん減るもん何て一つもないんやし!」ワシワシ

にこ「得るものもないじゃない!」ジタバタ

希「得るもんならちゃんとあるよ?楽しみとか」ワシワシ

にこ「あんただけでしょ!釣り合わないわよそんなの!」

希「……口答えする子にはもっと激しくワシワシしちゃうよー?」ワシワシワシ

にこ「理不尽!?」

絵里「のーぞーみー?にこをイジメるのもいそのくらいにしときなさいよ?」

希「しゃーないなぁエリちがそこまで言うんやったら」スッ

にこ「はぁはぁ…絵里……恩に着るわ…」

希「それにしてもまだ三年生しか来てないなんて珍しいね」

絵里「そうね…もうそろそろ来るんじゃないかしら」

ガチャ

穂乃果「やっほー!」
ことり「こんにちわー」

にこ「はぁはぁ…噂をすれば来たわね…」

穂乃果「あれ?にこちゃん何で息荒くなってるの?」

にこ「希の所為よ……ん?海未が見当たらないけどどうしたの?」

穂乃果「あー海未ちゃんはね、お昼くらいに体調が悪くなっちゃって早退しちゃったんだ…」

にこ「そう…あの海未が珍しいわね」

絵里「あああああ!!!」

ことり「び、吃驚したぁ…」
希「ど、どうしたんいきなり…?」

絵里「せ、生徒会の仕事が残ってる事を忘れてたのよ…今日までに済まさなきゃいけないのに……ど、どうしましょ…」

希「なんやそんな事?ウチが手伝うよ。そうすれば間に合うやろ?」

絵里「い、いいの…?」

希「もちろん!エリちの為ならなんだってするよ」

絵里「は、ハラショー……」グスグス

凛「絵里ちゃん泣いてるにゃー」
花陽「さすが希ちゃんだね!」
真姫「それより生徒会長が仕事忘れるって最低じゃない…」

にこ「!?あ、あんた達いつの間に来てたの…?」

凛「絵里ちゃんが大声を出した時には既にいたにゃ」

希「じゃあ生徒会室に行ってぱっぱと終わらせよか!」

絵里「うん…」ゴシゴシ

希「みんなー、ウチらは生徒会の仕事終わらせてくるからその間、今いるメンバーで練習しといてな!行くよエリち」

絵里「じゃあ皆、後は頼んだわね」キリッ

ガチャ バタン

凛「…希ちゃんの方が生徒会長に相応しいかもしれないにゃ…」

にこ「一理あるわね…」

穂乃果「こ、この話はここまでにして早く着替えて屋上行くよ!」

皆「「「はーい」」」

-------------------------------------------
生徒会室 午後五時二十分 木曜日

希「やっぱり二人でやると進むスピードが早いなぁ」

ウオオオオオオオオンン

希「ッ!」ビクッ

絵里「の、希?いきなりどうしたの大丈夫…?」


希「(何やろ…今の重い様な叫び声…苦しい……)あ、ううん…大丈夫……ちょっと耳鳴りがしただけやから」ニコッ

絵里「………そう……でも何かあるんだったら私を頼ってね?頼りないかもしれないけど希の事だったら私が一番解ってるから…」

希「ふふっ…もうエリちったら……ありが__」

ナミーガツレテキターナーツノコーイハ

絵里「わっ!ごめんなさい!私の携帯だわ…ちょっと席外していいかしら?」

希「…あ、うん、ええよええよ」

絵里「ごめんなさい、じゃあちょっと電話してくる」ガチャ

希(…ぅぅ……やっぱり苦しい…嫌な予感が…)

絵里「もしもし…はい、はい……ええっ!?そんな…は、はあ…わ、わかりました…では」

希(ん?エリち?)

希「…どうしたん?何か騒がしかったけど…」

絵里「あ、希…じ、実はありさが下校中に大怪我をして病院に運ばれてるらしいの…」

希「病院!?大丈夫なん…?」

絵里「う、うん…一命は取り止めたみたい……でも…」

希「行ってええよ病院。心配なんやろ?ウチが皆に伝えとくし仕事も終わらしとくから」

絵里「の、希…」ウルウル

希「もうまた泣くん?ほらほら泣いてる暇なんてないよ?」

絵里「そ、そうね!」ゴシゴシ
絵里「この恩は纏めて返すから!」ダッ

希「うん!いってらっしゃい!」

希「それにしてもありさちゃん大丈夫かな…?…もしかしてあの嫌な予感と関係あったり……」

希「あかんあかん!変なこと考えたら…あっ!穂乃果ちゃん達にも伝えとかな」ピッピッピッ

プルルルプルルルル

希「・・・・・」
希「・・・・・・・出ない…」



希「・・・多分…練習に集中しとんやろぉなぁ!感心感心!」

希「ウチも早く仕事終わらせんと皆に置いて___」

ウオオオオオオオッッ!!!

希「!?な、なに…さっきよりも…」

きぁああっ!!

希「こ、この声…にこっち!?」ダッ

聞き慣れた友の悲鳴…しかし今の悲鳴は何時ものそれとはかけ離れた声だった。
そしてそのにこの悲鳴に続けとばかりに校舎内に響き渡る別々の声。

希「みんなぁ!!」

恐怖が纏わりつく身体を必死に動かし毎日足を踏み入れる屋上に向かって全力で駆ける。

希「はあっはあっ…!みん…な…」

息を切らしながらも屋上までの最後の階段を登りきった。
「希ちゃん!ダメ!!」
声が聴こえる……これも恐怖が生み出したモノなのか?そんな疑問を脳髄の隅に隠すように仕舞い込む
このドアを開けるだけで皆に会える…そう願い震える手をドアノブに掛けた瞬間、何者かに身体を止められる。

希「………え…」

急に静止した身体を…急に纏わりついてきた手の様な感触を不思議に思い、身体を止めてきた細い腕の主達を探す。
そんな希の視界に入ったのは5人の見慣れた友達が涙を流しながら首を横に振っている姿だった。


穂乃果「行っちゃダメ…行っちゃダメだよ……希ちゃん…」ボロボロ

希「穂乃果…ちゃん…?何で泣いてるん?」
いつも眩しい笑顔で笑って皆の中心であり太陽の用な存在である穂乃果が大粒の涙を流しながら希の腕をガッシリと掴んでいる

希「…なぁ皆…離してくれへんかな?…ウチ、ちょっと屋上に用があんねん」

身体の身動きを止めている5人は同時に首を横に振り希を屋上のドアから遠ざける為にさらに力を込めて後ろに引っ張る
が、一人一人の力があまりにも弱すぎる。恐らく夥しい程の恐怖が纏わりついているからだろう。
希自信にも恐怖があるとはいえ他の5人に比べたら有って無いようなモノだ。

花陽「ぜ、絶対…グスッ……絶対行かせません……」ボロボロ

凛「そうだよ……ここに希ちゃんを行かせる訳にはいかないんだ……」ボロボロ

ことり「…だって無駄に……なっちゃうんだ…よ……?」ボロボロ

真姫「犠牲になってまで私達を護ってくれた…グスッ……にこちゃんの…命が……」ボロボロ
涙を流す四人の言葉を聴いた瞬間、希の体の奥底から何かが沸き上がってくる。

希「……離して………」


希「………離してよ!!!」
刹那__希の身体を止めていた5人がその場に倒れ込む

穂乃果「…え……身体が……動かない…」

これで東條希の邪魔をする者がいなくなった。
ドアを開けると同時に身体を屋上へと投げ入れるかの様な勢いで足を踏み入れる。
穂乃果「ダメぇ!!」
希の動きを止める為に後ろで必死に声を荒らげる5人を無視して屋上のドアを静かに閉め……

友の名を叫ぶ

希「にこっち!!!!」


屋上に足を踏み入れた希の瞳に映ったモノは血を流しながら倒れているにこ……
そして、胸に穴が空いており白い仮面を付けている4m程の化け物の2つだった

希「にこ……ち…?にこっち!!」ダッ

普通の人間なら目の前の巨大な怪物に恐怖を覚え逃げる事を選ぶだろう…しかし、東條希は違った
怪物に対して怯まず第一に友の心配をして寄り添った

希「にこっち!ウチやで!わかる!?」

血を流し地面に倒れ込んできるにこに声をかける

にこ「…あ……のぞ…み…?」

にこは僅かに瞼を開け希の顔を瞳で捉える

希「にこっち…!良かった…!」

にこの声を聴くのが久しぶりに感じる…そんな不思議な感覚に包まれながらも希は安堵の笑みを、目には涙を浮かべた

にこ「だ…だめ……のぞみ…にげ、て……」

安堵している希とは反対に、にこは慌てていた
にこ(多分…にこは助からない…ならせめて希だけでも……)
にこ「……て…逃げて!のぞみ!!」

小さな体に宿った全ての力を使い希に警告する、と同時に自分が死んだとしても後悔しない様に希の名前を叫んだ

希「……ううん」

にこ「………え……?」

希「ウチは逃げへんよ絶対ににこっちを助けるから…許してな部長命令に逆らったこと」

そう言うと立ち上がり怪物とにこの間に静かに立つ

にこ「のぞ…み………ば、かぁ……」

希「…にこっちは自分の命を捨てようとしてまで皆を護ろうとしてくれたんやろ?なら、ウチだって自分の命を捨ててでもにこっちを護ってあげるよ」スッ

希は身体を大の字に開き、護る、というアピールを全身で表した

にこ「…の……ぞ、み…ぃ………」
にこは涙を流しながら希の後ろ姿を目に焼き付けそのまま暗い深淵の中に意識を沈めた

希「にこっちったら人の心配ばっかり…自分の事もちょっとは考えなよ…ふふっ」

小さく笑うと、此方に一歩づつ近づいてきている巨大な怪物を睨み付ける

希「にこっちには指一本触らせないよ!」

「グオオオオオォォ!!!」

巨大な怪物は空間が揺らいだかと勘違いさせる程のけたたましい叫び声を放ちながら真っ黒な拳を振り上げ希に向かって殴りかかる

希「にこっちだけは絶対に護る!!」

一人の少女に怪物の拳が迫り来る
しかし少女はそれに怯えず、ただ友を護りたいという一心でその脅威全てを受け止めようと____


??「破道の三十三!『蒼火墜』!!」

何処からともなく聴こえてきた女性の声と共に放たれた青白い光弾
その煌めく光は怪物に直撃し大きく爆発する

辺りに轟音が響いた瞬間、希を狙っていた怪物は吹き飛ばされ屋上から地面へと叩きつけられた

希「わあっ!?」

突然の爆発に足がすくみその場で尻餅を着く

希「え?え?なにこれ…?た、助かったん?」

驚きの連鎖により混乱し辺りをキョロキョロと見渡す

??「ああ、恐らくな」

希「ひゃあっ!?だ、誰!?」

後ろから聴こえてきた声に驚き間抜けな声をあげながらその声の主に目を向ける

目を向けた先に立っていたのは黒い着物の様な衣類を纏い帯に刀を挿しておりどこか大人びた雰囲気を漂わせる小さな少女だった。

希「か、刀!?」

??「…落ち着け、私の名は朽木ルキア……死神だ」

慌ただしい希を見て少し呆れながら自分の正体を正直に明かす

希「し、しにがみ…?……スピリチュアル…やね」

希「ってそうじゃない!君が死神という事は信じる!さっきのあの怪物はなんなん!?何か関係あるん!?」

少女が死神だという事はあっさりと信じ、先程の巨大な怪物について問い掛ける。
すると、死神を名乗る女性は溜め息をつく

ルキア「全く…落ち着きのない奴だ……それにその口調……嫌いな奴を思い出させる……」

ルキア「仕方があるまい…一度しか言わぬぞ?…貴様が怪物と称していた先程の___」
希「うしろぉ!!」

希の問いに答えようとした瞬間、ルキアの身体に巨大な何かが勢い良くぶつかり弾き飛ばされた

ルキア「!?…ぐあっ!…」

希「死神さん!」

突然吹き飛ばされたルキアは屋上のフェンスに激突し地面に倒れ込む。

ルキア「ぐっ……(何故……私が…気付かなかった…)」

ルキアを吹き飛ばした者の正体は先程青白い光弾と共に弾け飛んだはずの怪物だった。

希「死神さん!大丈夫!?」ダッ
ルキア「バカ者!来るな!!」
フェンスに背を寄せているルキアに駆け寄ろうとしたがルキアの言葉によって動きを止められる

希「で、でも…!」

ルキア「お前だけは…お前だけは逃げろ!!」

希「!!・・・」

『行っちゃダメ…行っちゃダメだよ……希ちゃん…』
『…逃げて!のぞみ!!』
『お前だけは逃げろ!!』

希(なんで……なんで皆……)

希は死神に背を向け一気に駆ける

ルキア(…そう…それでいい……それでいいのだ……)

が、ルキアの安堵は一瞬にして打ち破られることになる。
東條希が走って向かったのは屋上の扉ではなく一本の折れたフェンスが転がっている屋上の隅。

ルキア「なっ!なにを!?」

かなり細く長い鉄の棒を震える両手で握り締め構える

希「ウチは護る……皆を…大切な友達を!!」

その棒はあまりにも細く簡単に折れてしまいそうで強大な力を持つ怪物には敵わない事が直ぐ様理解できるだろう。

「ガアアアアアア!!!」

しかし、巨大な怪物は容赦なく希に迫る

ルキア「ただの人間が敵う訳がない!早くここを去れ!!」

ルキアは希の心配をしてここを去るように警告するがその言葉に希は耳を傾けない

希「うああああ!!」

希は敵う筈のない怪物を返り討ちするために鉄の棒を振りかぶり勢いよく迫る怪物を見据える

ルキア「くっ…馬鹿者めが!『瞬歩』!」シュン

「ゴアアアアァァ!!!!」

怪物の攻撃が希に直撃しようとした瞬間、希の前にボロボロのルキアが現れ____

希「えっ…?」

ルキア「縛道の八!『斥』!」バシッ

「!?」バッ

右手の甲を相手に向け攻撃を弾く
その事に驚いた怪物は希とルキアから一定の距離をとるため一時的に後ろへと下がった

が、ルキアは殆どの霊力を使い果たしてしまったのかその場で両膝を着く

希「死神さん!?」

ルキア「はぁはぁ…馬鹿者め……人間の力では彼奴に敵わんという事は先刻承知済みだろう……!」

希「ご、ごめん…ウチは…ウチは…」

自分の所為でルキアが傷付いた…
その罪悪感に押し潰されそうになる

ルキア「気にするな…と言いたい所だがこのままではこの場にいる全員…彼奴の餌になるのを待つばかりだ……」

希「!!……このままじゃ死神さんやにこっちも…!」


ルキア「……あの娘を助けたいか…?」

希「え……?た、助けたい!」

ルキア「…そうか………お前には私や彼奴の姿がはっきりと見えるのだな…?」

希「え、う、うん」コクリ

この危機的状況で当たり前の質問をしてくるルキアを不思議に思いながらも静かに答える

ルキア「ならいい…今からするのは賭けだ……失敗するとお前の命が消滅するかもしれん……それでもやるか…?今ならお前だけは逃げれるぞ…」

希「消滅……」

ルキアの言葉に再び死の恐怖を覚えそうになった瞬間____

「の、ぞみ…」




聞き慣れた声に名を呼ばれその方向に視線を向ける

希「!?…に、にこっち…?」
その声の主は誰よりも護ってあげたい親友…だった

にこ「にげ…て……のぞみは…にこが護るから…っ…」

希「…にこっち……」
にこは怖い夢でも見ているのか沈んだ筈の意識の中から静かに言葉を放ち続けている

希はにこの方に向けていた視線をルキアに向け直す

希「死神さん……にこっちを護れる方法……教えてよ」

ルキア「……いいのだな…?」

希「うん、にこっちを…皆を護れるんやったら何だってするよ」

ルキア「そうか…」
ルキアは笑みを浮かべると鞘から光輝く刃を持った刀を抜く。

ルキア「この刃でお前の胸を貫きそこから心臓付近にある『魄睡(はくすい)』に私の死神の力を流し込みお前を半死神にする……これが唯一の望みだ」

希「この刃を……」


「グオオオ!!」
巨大な怪物はこの二人に好ましくない予感を感じたのか一刻も早く殺すために掌に青白い光弾を創り出す。

ルキア「!?あれは鬼道!?何故、『虚(ほろう)』が……急いで始めるぞ!」

希「…わかった…じゃあやるよ…死神さん…!」
希は光輝く刃を手で支え胸に当てる

ルキア「………死神という名ではない…朽木ルキアだと言っただろう…」
柄を握ったルキアは『死神さん』と呼んでくる希に少しばかり注意した

希「そやったねルキアちゃん、ウチは東條希…最後の挨拶にならんことを祈ろな」

ルキア「そうだな…ではいくぞ!」

怪物の掌から『蒼火墜』の様な青白い光弾が二人に向けて放たれた

希「うん!」

希の胸を刃が貫く

刹那___辺りが眩い光に照らされ怪物が放った青白い光弾が真っ二つに斬られると共に怪物の右手が切断される。

「グガアアアアア!?」

怪物は何が起きたのかわからなかったのか突如切断された腕を叫びながら見据えている。

??「こっちやで」

「!!?」
背後から声が聞こえる
その声の主を探ろうと振り返ったその時、視界に入ったのは一人の少女

黒い服を纏い、身丈程の巨大な両刃の剣を両手で握り締めている_____



死神『東條 希』の姿が其処にはあった


「グガッ!グゴアアアアァァ!!」グッ
怒りに身を委ねた怪物は拳を握りしめ希に向かって殴りかかる……が、その拳は巨大な大剣によってあっさりと止められる

「!!?」
そのあまりの力に驚いたのは怪物だけではない。

ルキア(…な、なんだあの力は……それに…私の死神の力が全て吸いとられた……東條希…奴は一体…)
死神の力を失い白い衣服に包まれた『元・死神』朽木ルキアも驚きを隠せてはいなかった。


希「私の大切な友達を泣かした罪を…思い知りぃ!!」

希の持つ巨大な剣が怪物の顔から両断する。
怪物は断末魔の叫び声を上げながら姿を消滅させていった______

ルキア(一体___何者なのだ……?)



東條希/17
髪の色/バイオレット
瞳の色/グリーン
職業/高校生:スクールアイドル


  兼死神


1.Death&Hope

end

//やっと1話が終わったチカー……
本当は昨日の内に終わらしたかったチカ…
でも達成感があって良かチカ!

乙ーチカ!

屋上前でのんたんを止めた5人は虚見えてたチカ?

>>31
5人+にこちゃんは完全には見えてないけどチャドと同じようにそこに何かいるって事が解る程度には見えてたチカ
ちなみに希ちゃんは勿論完璧に見えてたチカ

描写不足で申し訳ない…

今気づいたけど希の一人称が所々おかしい…
次から気を付けます……

二話は今日の夜頃から始める予定チカ

前回のLOVEACH!

希「ウチ、東條 希!」

希「あらすじ…あらすじ…」

希「えぇっと…突然屋上に現れたスピリチュアルな怪物から大切な友達を護るために死神になったよ!」

希「皆を護れたのはええことやけど何か忘れてる様な……」


?? ?時?分 ?曜日

にこ「ねぇ…のぞみ?あんた…にこを助けてくれるんじゃなかったの…?」

希「に、にこっち…?……どうしたん…その…血……」

にこ「あんた言ってたわよねぇ!私だけは絶対に護るって!!この嘘つき!!」

希「え……に、にこっち……もしかして……」

ヴゾヅイ゙ヂャ゙ダノ゙ォ゙!?
イミワカンナイ!
アナタハサイテイデス!
ヒドイニャー
チュンチュン
ファイトダヨ!

シゴトオワッテナイジャナイ…

-------------------------------
東條宅 午前四時十三分 金曜日

希「うわあああああ!?!」ガバッ

希「はぁはぁっ……ここは…家……もしかしてウチ…夢見てた…?」

希「…そ、そうやんなぁ!あんなでっかい怪物なんておるわけないやん!しにが___」

??「起きて早々騒がしいな」

希「うわあああああ!?!」

ルキア「騒ぐな喧しい……」

希「る、ルキア…ちゃん…?…ルキアちゃんがおるって事は…夢じゃ…」

ルキア「たわけ!夢な訳があるか!お前は既に死神であり友の命を護った勇敢な人間だ」

希「…友……そうや!にこっちは…皆は無事なん!?」

ルキア「大丈夫だ。あの小娘含め虚(ほろう)に接触した人物の傷は全て治療し記憶も改編しておいた。全員無事に生きている」

希「ほ、ほろう…?記憶を………あー…何が何だか理解できへん…でも皆無事なんやね…良かったぁ…」

希「…そうやルキアちゃん、昨日の怪物について説明してくれへんかなぁ…?聞きたい事も沢山あるし…」

ルキア「そうしたい気も山々何だが私は今すぐ向かわなければいけない場所がある。詳しい話はまた今度話す事にする……さらばだ」ダッ

希「あ、ルキアちゃん!……行っちゃった……」

希「……やっぱり夢じゃなかったんやな………はぁ…何かしんどいわぁ…まだ四時くらいやし二度寝しよ…♪」

クークー


2.START:DASH!!

東條宅 七時三十三分 金曜日

ピンポーン
絵里「のぞみー?」

希「うあああ!ごめんエリち!今起きた所やねん!先行っといてくれる!?」

絵里「の、希らしくないわね…わかったわ、先行ってるから遅れないようにね」タッタッ

希「あーもう!二度寝なんてせんかったらよかった!!」アタフタアタフタ

-----------------------------
学校 八時二十三分 金曜日

希「はあっはあっ!ま、間に合った!」ガラッ

絵里「…のぞみ……」ヌッ

希「わあっ!?…な、何やエリちか…驚かせんとってよ……って何その怖い顔…」

ルキア救出編までやりますか?

絵里「………これ……」スッ

希「ん?プリン…トあぁ!!!わ、忘れとった……」

絵里「……学校に着いた瞬間怒られたわ…アイドル活動でたるんでるんじゃないか…って……」

希「あ、あの……ごめん…エリち…その…ウチが……えと…」

絵里「……なーんて冗談よ♪ふふっ♪あの希の困ってる顔が見れたわ!」

希「えぇっ…じ、冗談……?」

絵里「そ♪かしこいかわいいエリーチカのかしこいかわいい冗談よ」

希「…な、なーんや…もう!エリちが怒ったかと思って身構えてしもたやん」

絵里「ごめんごめん♪それにしても珍しいわね、希が仕事すっぽかすなんて」

>>46
//うーん…ルキア救出編までやるとラブライブキャラが戦うことが少なくなっちゃうかもしれませんからね……

私自身に気力が残っていれば、予定上では何の力も持たなかったμ'sメンバーに織姫、チャドのような完現術を身に付けさせてμ's VS 十三隊 とかしてみようかなぁなんて思ってます

希「え?あ、あはは!ほんまやなぁ!ウチも最近たるんでるんかもしれんわぁ!(言わん方がええよな…信じてもらえそうにもないし)」

絵里「の、のぞみ?」

希「あっ!先生来たで!早く座らんと!じゃあ!」タタッ

絵里「……?…変な希…」ガタ

希(ふぅ……何とか誤魔化せたかな?)

担任「はーい皆さーん!今日はなんと転校生が来ています!!」

オオォー!ドンナコダトオモウ!?
カワイイコダトイイネ!エ、ナンデ?

希(転校生かぁ、仲良くできたらええなぁ)

担任「はーい!お静かにー!…じゃあ此方に来てくれるかな?」

??「はい♪」テクテク

担任「では紹介しまーす!転校生のー…」

ルキア「朽木ルキアです♪」

希「」

ワー!カワイイ!!
タベゴタエアリソウ!サッキカラナニイッテンダ

希「」

絵里(…希の顔が凄いことになってる…どうしたのかしら…心配だわ…)パチパチ

担任「朽木さんの席は東條さんの隣ですね!ほらあの口をポカーンと空けてる子!いつもは真面目で優しいから直ぐに友達になれると思いますよ!」

ルキア「わかりましたわ♪」テクテク

ルキア「よろしくお願い致します『東條さん』♪」ニッコリ

希「」


-------------------------
キーンコーンカーンコーン
【休み時間】

希「朽木さーん?ちょっとお話したいことがあるから少しだけ時間もらってええかな?」

ルキア「ええ♪勿論ですわ」ニッコリ

三年生用トイレ 九時三十一分 金曜日

希「何でおんねん!?」

ルキア「あらあらいきなり声を荒らげてみっともない」

希「質問に答えてよ!何でルキアちゃんが学校に…」

ルキア「…はぁ……貴様の監視…というところだ」

希「監視…?な、なんでウチを…?」

ルキア「…昨日、貴様に死神の力を渡したことによって私自身が死神の力を失ってしまったのだ。当然死神の力は未だに貴様の中にある」

希「そ…その死神の力がウチの中にあるんやったら力を早く抜けば…」

ルキア「たわけ!それが出来たらこんな事にはなっておらぬわ!…既に私の死神の力は貴様の魂と融合してしまい力のみを取り出す事は不可能なのだ」

希「…う、うーん…スピリチュアル過ぎて何が何だか……」

ルキア「確かに普通の人間が理解するのは難しいだろう」
ルキア「しかし理解してもらわなければ困る………仕方がない……今ここで死神化して無理にでも理解してもらうぞ!」スッ

希「死神化?…ん?何その手袋?」

ルキア「これは身体と魂を別ける事ができる手袋…だ!」ドンッ

希「うあっ!?…いったぁ…いきなり押さんとってよぉ…」
希「ってうわあああ!何これ!?目の前でもう一人のウチが倒れてる!?」

BLEACHの方の時間軸って連載終了後とかその辺?
もしくは関係無し?

ルキア「自分の衣服を見てみろ昨日、死神化した時と同じだろ?」

希「ほ、ほんまや……でもこれ大丈夫なん?「東條が二人おる!」って感じにはならへん?」

ルキア「ああ、死神と化している貴様の姿を見ることが出来るものは殆どいない」
ルキア「そして貴様の魂が死神である以上、私は死神の世界である『尸魂界(ソウル・ソサエティ)』に帰ることができないのだ」

希「そうるそさえてぃ…す、スピリチュアルやね…」

ルキア「そして、私から1つ…貴様に頼みたいことがある…それは虚退治だ」

希「ほろう…?あっ!もしかして昨日の怪物!?」

ルキア「察しがいいな、その通りだ。虚は人々の魂を喰らい成長していく。幽霊となった魂は勿論、生きている人間の魂を喰らうために人を殺す事もある…昨日の様にな」

希「!!」

ルキア「昨日は貴様が死神になったお陰で死者は出なかった…が、もし_____」

希「ルキアちゃん。ウチ…やるよ、虚退治。もう人が悲しんでいるところなんて見たくないんよ」

ルキア「……ふっ………そうか…なら頼むぞ、希!」

希「!!うん!ウチに任してな!ルキアちゃん!」

ルキア「……では戻りましょうか♪東條さん♪」タッタッ

希「あー!またその喋り方!さっきみたいに「希」って読んでぇやぁ…ってもうおらんくなっとるし!?」

希「はぁ…ウチも戻ろ………あれ……ああっ!?…ど、どうやって身体に戻ればいいかわからん……助けてぇルキアちゃーん…」

>>53
//ブリーチの時間軸は初期の方です
一護ではなく希ちゃんが死神代行になったら…という話ですので

------------------------
公園 九時三十一分 金曜日

少女の幽霊「はあっ…!はあっ!」

虚「までえええあああ!!!」

一人の涙を流した少女の幽霊が後ろから迫り来る四つん這いの虚から息を切らしながら逃げている……そんな残酷極まりない光景がとある公園に広がっていた。

少女の幽霊「はあっ!はあっ…あっ!」
体力が限界に達したのか少女の幽霊はその場でこけてしまう。

虚「いひひっ…つっかまぁえぇたぁ!」

少女の幽霊「い、いやああっ!助けてぇ!」
虚に身体を押さえつけられ身動きがとれなくなった少女の幽霊は見た目に相応しい可愛げな声で助けを乞う。

虚「いひっ!誰もこねぇよぉ!じゃあいっただ…ぎあっ!?!!」

虚は下劣な笑みを浮かべると少女の幽霊を手で握り締め自分の口の前に持ってくる。
その刹那、青白い矢が虚の仮面を貫いた。

虚「な、なんだぎざまは!?」
青白い矢と共に現れたのは一人の少女
虚は突如現れた少女を睨み付け問いかける。

??「貴方の様な下劣な者に名乗っていい程の安い名を授かった覚えはありませんよ」
虚の問いに冷たく返し虚の手に握られている少女の幽霊を一瞥する。
そして、先程の青白い矢を虚に向けて無数に放ち存在そのものを消滅させる

??「大丈夫ですか?」

虚の拘束から解放された少女に優しく問いかけ頭を撫でる。

少女の幽霊「だ、大丈夫です…!あ、あの…名前を教えてもらってもよろしいですか…?」

恐る恐る名を聞いてくる少女に笑みで返し…
??「勿論ですよ。私の名は______」


2.START:DASH

end

//二話終了ですチカ……
今度は寝落ちせずに終わらせることができて嬉しいですチカ!
この調子でどんどん進みたいです

後、オサレに期待してる人多すぎ!!
オサレな事は何一つ考えてませんよ!!

斬魄刀は一護のと変わらないのかな

>>63
一応浅打は一護のと同じ大剣にしときましたが解放状態をどうするかは未だ悩み中です。そもそもそこまで行けるかわかりませんし……

それでは今日もスローペースで投下していきます。
今日中に三話が終わればいいなぁ…

希の解放前の斬魄刀って「両刃」なんだな・・・
見た目的には西洋剣?

部室 午後四時二十九分 金曜日

にこ「にっこにっこにー♪、はい!」

花陽「に、にっこにっこにー…///」

凛「さっすがかよちん!可愛いにゃー♪」

真姫「そうね、何処かの先輩とは違い可愛らしいわ」

にこ「ぬゎあんですってぇ!?」

真姫「事実を言ったまでよ。…にこちゃん、今日はエリー達と一緒じゃないのね」

にこ「ふん!…別ににこ達、毎日一緒に部室に来てる訳じゃないわよ」

真姫「そうだったわね。……あ、丁度来たみたい」

ガチャ

絵里「こんにちは……あらにこ?希来てないの?」

にこ「えっ、希?来てないわよ?どうしたの?」

絵里「来てないのね…希ったらにこに用があるからって学校が終わった瞬間に慌てて教室を飛び出してたのよ……行き違ったのかしら」

にこ「にこに用?…なにかしら…何だか不安になってき…___」
希「にこっちぃ!!」バァン!

>>67
//一護の浅打の刀身を両刃にした感じです。
解放したらどうでも良くなることですけどね!


そして前回のあらすじを書くのを忘れてしまった…まぁいいや

えりにこまきりんぱな「!!?」ビクッ

にこ「び、びっくりしたぁ…何よ突然大声出して……あ、絵里から聞いたわよ、用って何?」

希「にこっ……ち…」ドサッ

にこ「?…か、鞄落ちたわよ…?」

希「にこっちいいいいぃぃ!!!」ダキッ

えりにこまきりんぱな「!?!!」ビクゥッ

にこ「やっ、やめっ…イタイイタイ!!」

希「にこっちぃ…にこっちぃぃ…!」ポロポロ

凛「き、今日はワシワシじゃなくて熱烈なハグだにゃ……」
花陽「…って希ちゃん泣いてるよ!?」

真「い、イミワカンナイ!!…ああっ!にこちゃんが泡吹いちゃってる!?」
絵里「ちょっ!ストップ希!!」

希「ハッ!あわわ…に、にこっちゴメン!!」

にこ「…あ…ゴホッ…ゴホッ!……な、なによ……にこを殺しにきたの…?……」

希「ちっ、違う違う!違うんよ!!…ってあれ?にこっち怪我は…?」

にこ「ゴホッ……怪我?にこがいつ怪我したってのよ?」

希「え?………あっ!」
((全て治療し記憶も改変しておいた))
希「あっ、えぇっとゴメン!夢とこんがらがってたわ!ウチもボケてきたんかなぁ!あははははは!」

にこ「ふぅーん……何でいきなり抱きついてきたの?それも泣きながら」

希「そ、それも夢と混ざっちゃて……」

にこ「泣くほどの夢って一体どんな夢なのよ……ハッ!もしかして超スーパー人気アイドルになったにk」
真姫「それはないわ」

にこ「ツッコミはやぁ!」

希「アハハハハ!…あっ、穂乃果ちゃん達はまだ来てないんやね」

絵里「ええ、もうそろそろ来るんじゃない?」

ガラッ

絵里「あっ、ほら来t…」

ルキア「ご機嫌麗しゅう皆様♪東條さんはいらっしゃいまして?」

希「ルキアちゃん!?」

花陽「希ちゃん知り合いなの?」

希「え、あ、う、うん!一応な。な、何の用かな…?」

ルキア「いえ大した用ではありません。ただ少しだけ時間を頂いても宜しいかしら?」ニコ

希「わ、わかった……じゃあそんな訳でウチは用ができたからちょっと行ってくるよ!ほなな!」タッタッ

凛「…あ、希ちゃん行っちゃったにゃ。誰だったんだろう?」

花陽「綺麗な人だったね!」

絵里「彼女は私達のクラスに来た転校生・朽木ルキアさんよ」

真姫「へぇ…転校生ね。どうりで見たことない顔だわ」

にこ「………何か色々と親近感が湧いたわ……」

真姫「にこちゃん………」

ガラッ

ことり「でね、何て言ってたと思う?」

穂乃果「えーと、ラブアローシュートー!かな?」

ことり「大正解!凄いよ穂乃果ちゃん!何でわかったの!?」

穂乃果「へっへっへ!幼馴染みの勘ってやつですよ!」

絵里「あら二人共、何やら楽しそうね。海未は今日も来てないのかしら?」

穂乃果「あ、絵里ちゃん!ううん、今日は海未ちゃん来てたよ!」
ことり「さっきまで一緒だったけどお花摘みに行ってきますってどっか行っちゃったんだぁ」

絵里「海未らしい上品な言い方ね」

穂乃果「あれ?希ちゃんは?」

凛「希ちゃんは先程転校生に連れ去られちゃったにゃ!」

穂乃果「ゆ、誘拐!?大変だよ警察に連絡しなきゃ!」

真姫「こら凛!紛らわしい言い方しない!穂乃果も騙されないでよ!」

絵里「ふふっ、じゃあ希と海未が帰ってくるまで着替えて待ってましょうか」

「「「はーい!」」」

路地 四時四十分 金曜日

希「死神化したのはええけど何でこんな所に来とるん!?」タッタッ

ルキア「この辺りに虚がいると私の伝令神機に連絡が入ったのだ!黙って走れ!」タッタッ

希「ん?伝令神機ってその携帯電話のこと?えらい格好いい名前しとんなぁ」タッタッタッ

ルキア「ええい!黙って走れと……」
ピーーーーーー!
希「うわぁ!?な、何の音!?」

ルキア「おっと伝令神機の音だ。何やら変化があったらしい…少し確認してみる」スッ

ルキア「!?なっ!そ、そんな馬鹿なっ…!」

希「ん?どうしたん、ルキアちゃん?」

ルキア「……私がマークを付けていた虚の霊圧がきれいさっぱり消滅しているのだ……」

希「おお!いいことやん!きっと別の死神さんが倒してくれたんやろ!」

ルキア「・・・違う…死神ではない……」

希「え・・・?」


希「な、何でそんな事がわかるん?」

ルキア「……………伝令神機が壊れた可能性がある……一応、反応が出ていた所に行くぞ…」タッタッ

希「無視!?ちょっ、ちょっとルキアちゃん!待ってぇよぉ!」タッタッタッ

-----------------------------
路地裏

ルキア「…本当に消えている……」

希「な、なぁルキアちゃん…?死神の他に虚を倒せる人っておるん?」

ルキア「…ああ………私も聞いた事しかないのだが『滅却師(くいんしー)』という一族も死神と同様…虚を消滅させる力を持っている……」

希「く、くいんしー…?…じ、じゃあ今回の件もそのクインシーが…」

ルキア「…恐らくそうだろうな…が、にわか信じ難い話なのだ……何故なら滅却師の一族はとうの昔に・・・滅んでいる…」

希「ほろっ!?な、ならどうやってクインシーが虚を倒すん!?」

ルキア「生き残りがいたとしか考えられぬ…どちらにせよ境界浸度の変化を見ると滅却師がやったことは変わりない事実だろう…」

希「き、きょうかいしんど?何かよくわからんけど死神って難しい言葉ばっかり造るね……」

ルキア「…虚がいないのなら仕方がない……さて、学校に戻るぞ…」

希「そうやね、皆心配し____危ない!ルキアちゃん!!」グイッ

シュンッ

ルキア「うおっ!?…な、何をするのだいきなり!…って何だ壁に何かが刺さって………青白い矢…?__まさか!?」

??「かわされてしまいましたか…残念……」テクテク

希「ッ!誰や!!其処にいるのはわかってるんよ!?」

??「『誰?』とは中々悲しい質問をしてくれますね……私の事…ほんの一日会わなかっただけで忘れてしまったのですか?………希」

希「なっ、なんでウチの事知って…る……え……その…声……」

??「…ふふ……漸く思い出せた様ですね…私の事」


希「……何で……何で…こんな処におるん……?_____



______海未ちゃん!!!」


3. Hope & Sea


end

//三話終了です!ってか短っ!

それに勿体ぶる様な感じを出しましたが見てくれてる人全員、気付いちゃってただろうなぁ……

タイトルミスってた
三話のサブタイを
3. Hope & Sea ”遭遇
に変更です
これによって次話のサブタイをあまり考えなくて済む様になる……という寸法です

こののんたんは死神と滅法師とホロウのハイブリッドだったりするんだろうか

//もうそろそろしたら四話を書き始めます。
今更ですが三話のサブタイを最初に書かなくて正解でしたね。
何かBLEACHっぽくて良いかも

>>82
この希ちゃんは死神だけのつもりです

…つもりです………


海未「『何故こんな処にいるか?』…全くの愚問ですね。私が此処にいる理由は貴女方と同じですよ…希」

希「…ウチらと?…って事はほろ___」
ルキア「おい貴様!!」

希「ル、ルキアちゃん…?」

海未「何でしょう?…あぁ、そういえばまだ名乗ってませんでしたね。…私の名は園田海未、貴女が察している通り滅却師の生き残りです」

ルキア「やはり…なら此処にいた虚を滅却(ころ)したのも……」

海未「ええ、私が始末しました。滅却師の誇りに懸けて…。」

海未「…先程迄の話を聞く限り滅却師という名は知っていたが姿そのものを見たことはないのでしたね。__なら____」

海未が前に手を突き出す。すると袖に隠れていた手首に着けられていた十字型の手飾りが露になる
そしてその銀色に輝く手飾りが青白い光を放ち弓の様な形に形成された。

海未「これも見たことありませんよね?霊子兵装『弧雀(こじゃく)』といい霊子で形成された弓です」

ルキア「…ッ………!(何て霊圧だ…滅却師とはこれ程の力を……)」

ルキア「…希……構えろ…」

希「ええっ!?な、なんで…別に海未ちゃんは敵やないよ…?」

ルキア「いいから早く!!」

希「る、ルキア……ちゃん…?」

海未「……待ってください」

海未「私は別に希を殺す為に虚を倒した後も此処に残っていた訳ではありませんよ」

ルキア「何…?」

海未「ただ希に勝負を挑みたかっただけです」

希「勝負……?どんな…?」

海未「…そうですね……明日の朝、十一時に神田神社前に来てください。そこで内容を話します」

ルキア「希!…やめておけ…どんな対決かは知らんがお前が得する事は1つもない…」

希「…ルキアちゃん……」

海未「内容を伝えてないのに結果を先読みするとは感心しませんね。まぁ明日、希が来なかった場合…何人か死人が出るかもしれませんが」

希、ルキア「!?」

ルキア「何をするつもりだ貴様!!」

希「…じ、冗談やんな…?…海未ちゃん…」

海未「…さぁ、真か否かは明日のお楽しみですよ。では、私は先に学校に戻ってます。希も早く戻ってくださいね?」タッタッタッ


希「…海未……ちゃん……」

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放課後校門前 六時三十分 金曜日

穂乃果「いやぁ、今日の練習もしんどかったねぇ」

ことり「そうだねー」

希(・・・海未ちゃん…普通に練習しとったなぁ…)キョロ


穂「あ、そうだ海未ちゃん!ことりちゃん!明日学校も練習もお休みだよね?何処かに遊びに行こうよ!」

ことり「うんいいよー!海未ちゃんは?」

海未「すいません。明日は少し用があるので私は遠慮しときます、ね」

穂乃果「えー…ざんねんー…」


希(………死人が出る…ってどういう意味やろう…?)キョロ


凛「かーよちん!明日一緒にラーメン食べに行こーよー!」

花陽「で、でも今私ダイエット中…」

凛「大丈夫だよー!別にかよちん太ってないし、それに過度なダイエットは止めた方がいいってテレビで言ってたにゃ!」

花陽「!!そ、そうだよね!じゃあ明日行こっか!」

凛「わーい!やったにゃー!あ、ねぇねぇ真姫ちゃんとにこちゃんも明日ラーメン食べに行こーよ!」

真姫「明日?私はパs___」
にこ「いいわねラーメン!仕方がないから付いて行ってあげるわ!」
真姫「あっ…あっ!私も行く!!」

希「あははっ!和むなぁ」ニコニコ

絵里「何ニヤニヤしてるの?」ヒョイ

希「わあっ!な、何やエリちか…驚かせんとってよお!それにニヤニヤじやなくてニコニコやで!」

絵里「ふふっ、そうだったかしら?」

希「そうよー。……じゃあ、帰ろっか!」

絵里「・・・ええ」

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路地 六時四十三分 金曜日

絵里「…ねぇ希、今日朽木さんと何してたの?」

希「え、な、なんよ藪から棒に…ちょっと学校を案内しとっただけよ」

絵里「……本当…?」

希「…本当やって!何、もしかしてエリち…嫉妬してんのぉ?」ニヤニヤ

絵里「ちっ、ちがっ!そんなのじゃないわよぉ!!」

希「あはっ、ごめんごめん!冗談!」

絵里「もうっ!あんまり私をイジくらないでよ!」プンスカーチカ

希「ごめんってば!あ、ここら辺でお別れやね。ほな!」タッタッタッ

絵里「あ、うん…バイバイ希・・・」

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東條宅 六時五十二分 金曜日
ガチャ
希「ただいまー……って誰も答えてくれへんのやけどね」

ルキア「遅かったな希」

希「えっ、うわあぁ!?な、なんでおるん!?」

ルキア「家がないのだから仕方ないだろう!貴様の所為で尸魂界には帰れないのだから。何だ、迷惑か?」

希「・・・いや、ううん。全然迷惑ちゃうよ。一人暮らしで寂しかったし……」

ルキア「そうか!なら当分の間この家に居候する事にしよう!」

希「うん!別にええよ!」


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東條宅 午後八時二十八分 金曜日

希「…なぁルキアちゃん……海未ちゃん…いや、クインシーについて知ってる事全部教えてくれへんかな?」

ルキア「滅却師についてだと?ああ、そういえば明日戦うのであったな。あれか?弱点とかか?」

希「…ううん、違う。……何でクインシーである海未ちゃんはウチと勝負したいのか、とか…何でルキアちゃんが海未ちゃんの武器を見て咄嗟にウチに構える様に命令したのか…とか」

希「死神とクインシーとの間に何かあったとしか考えられないんよ…」

ルキア「・・・そういうことか…承知した。……滅却師について私が知っている事……全て話そう」

希「あ、ありがとう!ルキアちゃん!」

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病院 午後八時二十八分 金曜日

亜里沙「ねぇお姉ちゃん?何かあった?」

絵里「え?何でそう思うの…?」

亜里沙「何となく、だよ?何となくだけど今日のお姉ちゃん…何処か寂しそう……」


絵里「……何でかしらね…私にもわからないわ…」

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東條宅 午後八時二十九分 金曜日

ルキア「死神と滅却師の大きな違いは1つだけ、それは虚を滅却(ころ)すか昇華(ころ)さないか」

希「・・・・・」

ルキア「死神は斬魄刀を使いそれで切った虚の罪を浄化させ尸魂界へと送るのに対し…滅却師は霊子の矢を使いそれで穿った虚の存在そのものを消滅させてしまう」

ルキア「その虚の存在消滅は尸魂界にとってもに現世にとっても危険極まりない物だった。何故なら虚の存在が消滅してしまうという事は尸魂界に魂が送られぬという事」

希「…送られなかったらどうなるん…?」

ルキア「そのまま長い間、尸魂界に魂が送られず現世の魂ばかりが増えてしまったら両世界の均衡が乱れてしまう。もしそうなった場合、待つ運命はただ1つ_______両世界の滅亡だ」

>>93
//すいません!間違えました!

ルキア「死神と滅却師の大きな違いは1つだけ、それは虚を滅却(ころ)すか昇華(ころ)さないか

ルキア「死神と滅却師の大きな違いは1つだけ、それは虚を滅却する(ころす)か昇華する(ころさない)か」

希「滅……亡…?…じ…自分の生きてる世界がなくなるのに…何でクインシーは虚を倒すん…?」

ルキア「…滅却師は至極人間的な考えを持っていたのだ………お前は、自分の大切な友を殺した奴が何不自由ない生活をしていたらどう思ってしまう?」

希「!!…そっ、それは………」

ルキア「…その感情を刃に込めたのが滅却師なのだ……しかし、その刃の所為で滅却師は滅びの運命を辿ってきまった____」


-----------------------------
神田神社 午前十時五十五分 土曜日

海未「……来たようですね。…おや?朽木さんは来てないのですか?」

希「…うん…ちょっと用事があるねんて…。それで対決内容は?」

海未「そう焦らないでください。……対決にはこれを使います。」スッ

海未「…これは対虚用の________」

希「撒き餌…やろ?」

海未「!…知っていたんですね。なら、これを砕くとどうなるのかも勿論存じてますよね?」

希「………うん…」

海未「説明を省く事ができて良かったです。ならもう始めましょうか…」

希「待って!」

海未「……なんですか?」

希「それを使うとこの地域に虚が集まるんやろ?そんな事になったら穂乃果ちゃん達が死ぬことになるかもしれんねんで!?」

海未「……っ…そんな物……覚悟の上です…!それに私は強い…穂乃果とことりの命だけは絶対に護ります」

希「海未ちゃんはそこまでして死神と決着をつけたいん?」

海未「……当たり前じゃないですか…死神と滅却師は憎み合わなければならない相手なのですから…っ」

希「…でも……こんなことしたって何にも___」
海未「うるさい!!!」

希「ッ!」ビクッ

海未「貴女方、死神に何が分かるのですか!?滅却師の…私の苦悩も知らない癖に偉そうに説教しないでください!!!」

希「ちがっ_____」

海未「滅却師は滅びました…死神の手によって……故に滅却師である私は死神を恨まなければなりません……死神に勝たねばなりません____



     
    __滅却師の誇りに懸けて___」パキィ

希「あっ…撒き餌が……」


海未「さぁ……始まりましたよ__我等の誇りを賭けた戦いが______」



4.Soldier game


        end

//四話終了です!
あまり進めませんでしたね……申し訳ない…
それに睡魔の所為で四話の終盤何をしているのかよくわからない…
とりあえず寝ます……
おやすみなさいチカァ

//希vs海未が始まりましたがここからのストーリーが全く思い付かないので今日と明日は恐らく更新できないかと思われます………

申し訳ございません…

//1です。
数日間更新できなかった事を深くお詫び申し上げます…

では、今からゆっくりと更新していきますのでよろしくお願いします。

海未「撒き餌を砕きました。これでこの地区に虚が集まってきます」

海未「早く斬魄刀を抜いた方がいいですよ?私達がいるこの神田明神も例外ではないのですから」

海未がそう言葉にした瞬間、突如希の背後の空間が裂けその虚空の中から一体の虚が姿を現した。

希「なっ…!」

それに気付いた希は背中に掛けてある鞘にしまった状態である斬魄刀の柄に手を掛ける。

海未「やれやれ、やはり希は霊圧探知に関する能力が疎い様ですね。そんな様では護るべき者も護れませんよ?」

海未は希を馬鹿にする様にそう言葉を発すると希が斬魄刀を抜くよりも早く滅却師の弓を構え虚に向かって一本の矢を放つ。

放たれたその矢は希のすぐ隣を駆け抜け、今にも希を襲おうとしている虚の仮面勢いよく貫いた。
あまりの激痛に耐えかねた虚は断末魔の叫び声を上げながら存在自体を消していく。そんな虚を某然と眺める希に向かって海未は誇らしげに口を開く

海未「どうですか私の力は?『下級虚(デミ・ホロウ)』程度ならこの距離からでも一撃で滅却する事ができます」

希「・・・あの虚…凄く苦しそうやった…」

海未「当然です。私達、滅却師は如何に虚を苦しませながら滅却する方法を長きに渡って追求してきたのですから。…まさかとは思いますが先程の虚に同情しているのですか?」

希「だ、だって……」

海未「はぁ…馬鹿馬鹿しい……丁度いい機会です。この戦いを機に希に知ってもらいたいですね…大切な人を失う辛さという物を」

希「大切な人を、失う…?もしかして海未ちゃん…」

海未「さぁ、既に戦いは始まっていますよ、東條希。撒き餌の効果の持続時間は僅か2時間!その時間内に、集まってきた虚を多く倒した方の勝ち…という事でいいですか?」

希「……わかった」

海未の言葉に少しばかりの疑問を抱いたが無駄な事だと悟り詮索はせずに静かに頷く

海未「…では、死んでいなければまた後ほどお会いしましょう」タッタッタッ


希に背を向けた海未は静かに駆けていく––––––何よりも誰よりも大切な幼馴染達の下へ–––––


5.私の護るべき人達


希「・・・海未ちゃん…」

希「…穂乃果ちゃんとことりちゃん達だけは何があっても護ってあげてな。他の皆はウチが護るから」


希「……ってウチだけじゃ皆が何処におるかわからへんやん!」

霊力探知能力の低い希は虚の霊力は分かっても身体という殻に入っている魂魄の霊力はどれ一つ察知することができないのだ。

希「しまったぁ!……ルキアちゃんを連れてこればよかったぁぁ……」

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東條宅 午前十一時 土曜日

ルキア「危ないから留守番しとけと言われたが本当に大丈夫なのだろうか…私も少しは霊力が回復してきたのだがな…」

ピーーーー!!

ルキア「む…伝令神機の音か……また虚が現れたのか?」スッ

ルキア「!!なっ、何だこの虚の数は!?まさかあの園田とかいう滅却師…撒き餌を……くっ、こうしてはおれぬ!!」ガチャ

伝令神機の情報を確認したルキアはその表情に焦燥を表しながら勢いよく家を飛び出し路地を走る。
少ししか回復していない霊力のみを頼りに虚を倒すために


絵里「ん…?あれって朽木…さん?…何で希の家から……」

そんなルキアの一部始終を遠くから眺めている一人の人間
絢瀬絵里の姿がそこにはあった
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神田明神 午前十一時 土曜日

希「ぁぁぁ……と、とにかく走り回るしか………ああっ!」

希「そうや!ウチには此れがあるやん!何で今まで忘れてたんやろ!」スッ

何かに気付いた希は突然大声を出して表情に安堵を浮かべる
…希が取り出した物……それは伝家の宝刀タロットカード

希「さぁ!ウチが何処に行けばいいか教えてカードさん!!」ピラ


希「・・・ここは……」



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ラーメン屋前 午前十一時 土曜日

凛「ここのラーメン屋さんがすっごく美味しいんだにゃ!」

真姫「……結構…ていうかかなりボロボロね……本当に美味しいの?」

凛「見かけで判断しちゃダメにゃ!隠れた名店とは正しくここの事だにゃ!じゃあ早速入ろー!」

にこ「でも今あまりお腹空いてないんだけど…」
真姫「正直、私も」

凛「ええっ!?か、かよちんは?」

花陽「は、花陽!?うーん…微妙かなぁ…あ、でもお米なら食べれるよ!」

真姫「誰もお米の話はしてないわ…。ねぇ凛、もう少し時間が経ってからでいいんじゃない?」

凛「うぅぅ………」グスッ

にこ「ちょっ、泣かないでよ!これじゃ私達が悪いみたいじゃない!」

花陽「り、凛ちゃんっ…ど、どうしよう…」アタフタ

真姫「はぁ…全く…泣き虫なんだから………あ、野良猫」

凛「…あっ、本当だ!待ってー!」タッタッ

花陽「ええっ!?凛ちゃん!?」タッタッ

にこ「ちょっと!あんた猫アレルギーでしょ!?っていうかもう泣き止んでるし!」タッタッ

真姫「百面相ね…」タッタッ


野良猫を追いかけた凛を追いかける花陽達……
この後何が起こるのか…この時誰か一人でも気付くことができたのならば私達の運命は狂わなかったのかもしれない–––––


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裏路地 午前十一時五分 土曜日

真姫「…あれ?もしかして、私一人だけ迷子になっちゃった…?……イミワカンナイ!!」

真姫「凛ー!花陽ー!にこちゃーん!」

シーン

真姫「何で誰も返事してくれないのよ!…とにかくこんな暗い所早く出なきゃ…」テクテク

ニャーニャー

真姫「…?さっきの野良猫の鳴き声?って事は其処に凛達がいるかも…」

猫の鳴き声を聴いた真姫はラーメン屋前に戻ろうとした足を止めてその声が聴こえた方向に向かって静かに歩を進める

真姫「ねぇ其処にいるの…?……返事しなさいよ…」

ニャーニャー
……ウ…ア…

真姫「!?な、何よ今の声…」

野良猫の鳴き声に混じって聴こえた何者かの呻き声
その声に不安と恐怖を覚えながらも歩を留まらせる事はない

真姫「わ、私を驚かせようとしたって無駄なんだから!其処にいるのはわかってるのよ!」

真姫「さぁ出てきなさい!!り–––––

そして不可解な声が聴こえた処までの、最後の角を息を呑みながら曲がる……

真姫「–––ん…?」

其処にいたのは–––––

凛「・・・」

真姫「…やっぱり凛だったのね」ホッ


凛「……誰ですか…あなた?」

真姫「暗くて見えてないの?私は真姫よ」

凛「・・・あぁ真姫ちゃん。無事だったんだね!良かった!怪我してたらどうしようかと思ったよ!」

真姫「…?無事に決まってるでしょ。花陽とにこちゃんは見てないの?」

凛「…うん…二人とも何処に行っちゃったんだろうね……心配だし二手に別れて探そっか」

真姫「……?…まぁ、その方が手っ取り早いわね。集合地点は此処という事にして何処探す?」

凛「じゃあ真姫ちゃんはあっちで私はそっち、これで––––」

真姫「……凛?」

凛「ん?なに?」


真姫「…貴女、いつから…


……一人称が『私』になったの…?」

凛「・・・おかしいかな?」

真姫「……え…?」

凛「…私が変わろうとしてたらおかしい…?」グスッ

イエローの瞳を自らの涙で潤わせながら真姫に問う

真姫「えっ、あっ、ち、違うの!別に変だとは思っていないわ!」

真姫は思い出した。今、目の前にいる少女に『女の子らしくない』というコンプレックスを抱いていたという事に
頬に涙を伝わせて悲しげに自分に問いかけてくる凛を見て必死に弁解する。

真姫「けど、無理に変わろうとしなくてもいいんじゃない?。最近の凛は凛自身が思っている以上に女の子らしいし……その…可愛いから…//」

凛「……ふふっ…ありがと!真姫ちゃん!」ニコッ

真姫「・・・」

この時、凛は確かに笑った
恐らくそれは安堵による笑みだろう。なら何故、彼女は安堵したのだろうか
当然、真姫に『女の子らしい』『可愛い』と褒められた事で自分に対しての自信が付いた事による安堵だと考えるのが最も無難だろう

しかし、真姫自身がそう考える事はなかった
もっと別の意味を表した笑みなのだろうと僅かな疑問を抱いていた

凛「じゃあ気を取り直して早く行こっか!」

そして真姫が抱いた疑問は望まぬ様に確信へと姿を変える

––––––––次に凛が発した言葉によって



凛「『花陽ちゃん』達を探しに!」

気付いた時には既に凛から少し離れた所で息を荒くしていた
言葉で表すならただの『直感』
その直感が自分の脳内にサイレンの如く緊急信号を発し続けていた

真姫「はぁはぁ……あ、貴女誰よ…」

凛の身体をした人物をキッと睨み付け警戒しながら問いかける

凛「何言ってるの真姫ちゃん?凛は凛だよ。真姫ちゃんが知っている凛だよ」

そう言うと真姫がいる方向にジリジリと歩を進め、距離を縮めていく

真姫「嘘言わないで!!」

距離を縮めてくる凛とは反対に後ろへと後退りする
が、凛に目を向け続けていた所為で後ろの壁との距離感を掴めずにいつの間にか自分の背を壁につけてしまっていた。
つまりこれ以上、後ろに逃げる事が出来ない。

凛「嘘なんて言ってないよ。凛は私で、私は凛。まだわからないの?ふふっ…もう逃げられないよ」

それを見計らってか凛は真姫との距離を一気に縮める。

真姫「いやっ!!来ないでぇ!!」

横から逃げようとする真姫だが凛に両手を掴まれ再び背中を壁へとつけてしまう。
凛はそんな真姫の身体に自身の身体を強く押し付け逃げられる事がないように密着状態になる。

凛「あはっ、良い顔だよ真姫ちゃん。とっても可愛い」

恐怖と絶望に染められた真姫の顔を眺めてニヤニヤと笑いながら鼻と鼻をくっ付ける。

真姫「…い、や……な、何する…気……?」

凛「何を?そうだね~…今、真姫ちゃんが想像している事よりも、もっともっと酷い事かな♪」ニコッ

身体を小刻みに震わしている真姫の問いに対して凛は輝かしい笑顔を浮かべながら答える


真姫「ひ、酷い…事…?」

凛「うん!でも、怖がらなくてもいいよ!…だって直ぐに何も…わからなくなるから」


真姫「…ゃ…め……て…」

その言葉を聴いた凛は意地悪に微笑みながら舌を出し、その舌先を弱々しく震える真姫の唇に沿わせようと–––––––

コツン

凛「いたっ」

凛の舌先が真姫の唇に触れそうになった瞬間、凛の頭に小さな石の様な物が当たり凛は動きを止める

凛「もぉーなに?良い所だったのにー」

凛は愚痴を漏らし、石が落ちてきた空を目を細めて見上げる。
そんな凛の瞳に満遍なく映ったのは青い空…それに浮かぶ白い雲……そしてその白い雲を隠し建物の屋上に居座る謎の生物–––それは–––––––


凛「…………あれは…」


白い仮面を被り胸に円形の孔が空いている巨大な怪物–––––––虚、だった

真姫「な…何よ……あ、れ………」

真姫は凛よりも早く虚の存在に気付き、その恐ろしさに身体中を細かく震わせていた。

凛「?…もしかして真姫ちゃん…あれ見えちゃってるの?」

真姫「見えちゃってる…?な、何意味わかんない事言ってるのよ……」


真姫「あんなに……あんなにハッキリと見えてるのに!!」

凛「!!!」

凛「…………ふふっ」

真姫が放った言葉に驚いたかと思うと次は小さく笑みをこぼした凛。

凛「見えてるんだ。見えちゃってるんだ!あはっ!わかったよ!何で私が真っ先に真姫ちゃんを狙いたくなっちゃったのかがね!」

真姫「な、何言ってるのよ!!早く逃げなさい!!よ…よく分からないけど嫌な予感しかしないの!!!」

凛「……そんなに慌てなくても大丈夫だよ。真姫ちゃんもアレに会うのは初めてじゃない筈だし」

真姫「はぁ!?初めてよ!あんなのに会ったことなんか今迄一度も–––」

凛「あるよ。真姫ちゃんはあの怪物に会ったことがある。勿論、真姫ちゃんの友達である『凛』…もね」


真姫「…な……何を…?」

凛「『凛』が接触した所為で私は起きちゃったの。『長い永い眠り』…からね。」

真姫「だっ、だからぁっ!何を言ってるのよ!意味わかんない!!」

当然の如く真姫は混乱していた。
そんな落ち着きを失くした真姫に凛は優しく言葉を放つ

凛「真姫ちゃん。離れてて」

真姫が逃げないように力強く拘束していた凛は真姫を解放し、少し離れて屋上に居る虚を見上げる。

真姫「え…ちょっ、何する気!?」

凛「大丈夫。そこから動かないで。…真姫ちゃんは–––––私が護ってあげるから」



凛は虚を睨みつつ、自分の顔の前に静かに掌を掲げ–––––









凛「–––––––虚化」




5.私の護るべき人達


end

//不更新期間が長引いてしまった事に深くお詫び申し上げます。

とにかく五話終了です!
六話は今日の夜か明日かには更新したいと思います。


P.S.
先程、スクフェスで単発特待生勧誘したら激レアチョコのにこにーが当たって超嬉しかった。可能性感じるニコォォォ!!!

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