【モバマスSS】モバP「頼子の…小さなルネサンスか?」 (42)

ドリフで頼子さんが再登場記念SSです
頼子さんの特訓前後のセリフの行間を補完して一つの話にしてみました
楽しんでいただければ幸いです


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404650530

シンデレラプロ

モバP「さぁ、今日はドリームライブフェスティバルの打ち合わせだ」

モバP「前の仕事が早く片付いたから会議室で資料の整理しながら飯でも食べるか」

モバP「765プロさんにも協力してもらってるからしっかり準備しないとな、うん」

モバP「それにしても頼子と大きな仕事は久しぶりだな…拗ねてないといいけど」ガチャ

??「私ですか?…拗ねてなんていませんよ」

モバP「よ、頼子…いたのか(ちひろさん、頼子がいるなら教えてくださいよ)」

頼子「Pさん…お早いですね」

モバP「あ、ああ、前の仕事が思ったより早く終わってな」

モバP「頼子こそ早いじゃないか…まだ集合の二時間前だぞ」

頼子「はい…Pさんとお仕事ずいぶん久しぶりな気がして……つい」

モバP「聖靴学園やガンスリンガーガールに出演したじゃないか、ははは」

頼子「そう…ですね、何故でしょう一年ぶりのように感じてしまって…」

モバP「な、何を言ってるんだ、頼子、ははは、はははは」

頼子「そうですね、私どうしたんでしょう」

モバP「まあ、メインの大きい仕事は久しぶりだからな」

モバP「その分、今回は活躍してもらうからな」

頼子「はい、しっかり務めます。あ…何でも」モジ

モバP「ん、どうした頼子?」

頼子「いえ、何でも…」

モバP「(うーん、相変わらずのポーカーフェイスだけど…)」

モバP「(何でも無い時の反応じゃないんだよなぁ)」チラ

頼子「………あ」カァ

モバP「(どこかいつもと雰囲気が違うような…)」

頼子「(昨夜ずっと悩んでいたのに…この服…着ていくかどうか…なのに)」ジッ

モバP「(これは…頼子…そんな目で見ないでくれ……あ、そう言えばちひろさんが)」

モバP「(先日頼子と百貨店で一緒になって服選び一緒にしたって言ってたな…よし)」

モバP「な、なあ、頼子」

頼子「は、はい!」

モバP「今日さ、なんだかいつもと雰囲気違うなって思ってるんだけど…その服か?」

頼子「………」

モバP「おーい、頼子?」

頼子「は、はい、すみません…その…わかりますか?」

モバP「ああ、もちろんだよ(ありがとう、ちひろさん)」

頼子「このような服は私にとって勇気が必要で…」

モバP「ん?そうなのか?」

頼子「はい…、元々地味な方で、こういう服はあまり…」

モバP「そっか…どういう心境の変化なんだ?」

頼子「でも、もうアイドルですからね。同じ画風ではいられませんもの」

モバP「うん」

頼子「私なりの…小さなルネサンスです」

モバP「………」

頼子「そ、その…何か言ってください」

モバP「いや、頼子も成長してるなって思ってさ」

頼子「そ、そうですか…嬉しい」

頼子「あ、あの…この服どうですか?」

モバP「ああ…そうだな」

頼子「ウソ、ついてもらえますか、Pさん。似合う、と…」

モバP「頼子…、ああ、とても似合ってるよ」

頼子「ウソですよね」

モバP「ウソじゃないよ、頼子」

頼子「ウソです」

モバP「(ウソつけって言ったくせに…面倒くさいけど、カワイイなぁ)」

モバP「頼子の清楚な雰囲気によく合ってる」

頼子「清楚なフリ…かもしれません」

モバP「付き合い長いから頼子の事はわかってるつもりだよ」

頼子「ッッッ」カァ

モバP「袖口とかスカートの裾とかさ、可愛らしいじゃないか」

頼子「え?」

モバP「それに、ほら、胸元のリボンが全体を引き締めてるし…それに」

頼子「青みがかった白が私の肌の白さを強調してますか?」

モバP「そ、そう、それ!」

頼子「服を選んだ時にちひろさんにも同じ事を言われました…」

モバP「し、しまった…」

頼子「………」プイ

モバP「(つい、ちひろさんから聞いた褒め文句をそのまま……)」

モバP「い、いや、頼子これは…確かにちひろさんから聞いてたけどさ」

モバP「その通りだと思ったからで…その、ごめん」

頼子「………」シュン

モバP「(ああ、頼子が目に見えてしょぼくれてる…まずいまずいぞ」

モバP「な、何かちひろさんから聞いた事以外で褒めてやらないと…」

頼子「(Pさん…途中から口に出てます…困った人)」

モバP「あ!そ、そうだ、こ、ここ、このベルトの所の」

頼子「きゃあ!Pさん、急にさわらないでください」

モバP「ご、ごめん…つい……」

頼子「はい…私もPさんがいつも一生懸命なのわかっていますから」

モバP「はは…うん、ありがとう」

モバP「でも、そのベルトのリボン…なんていうか頼子らしいよな」

頼子「そ、そうですか?」

モバP「ああ、こうワンポイントで可愛らしさをさり気なく主張してるというかさ」

頼子「はい…ふふ」

モバP「(よ、よし、機嫌直してくれたな…)」

モバP「なあ、頼子、ウソじゃなくて本当に似合ってるよ」

頼子「え…」

モバP「本当だよ、確かに今までの頼子と少し違うけどさ」

モバP「新しい画風って言ってたけどどうして、そういう色を?」

頼子「はい…白は目立ちますけど……」

頼子「白いキャンパスになりきろうって思ったんです…」

モバP「キャンパス…?」

頼子「ええ…、きっとPさんが、素敵な色を添えてくださると…信じていますから」

モバP「頼子…そうまで言われたら俺も応えないとな」

頼子「ふふ」

モバP「そうだな…まだ他の皆来てないけど、今回のイベントの話するか」

頼子「はい、楽しみにしてました」

モバP「ふふ、今回のイベントは七夕開催だけどな」

モバP「実はもう一つのテーマがあって…芸術なんだ」

頼子「芸術ですか…もしかして、それで私を?」

モバP「ああ、まあな…ほら、これが頼子の衣装だ」

頼子「………」

モバP「頼子、どうしたー?」

頼子「あまりにも素敵で…言葉を失ってしまいました」

モバP「そっか…頑張って準備したかいがあったよ」

頼子「ふふ」

モバP「そうだ…まだ集合まで時間あるからあわせてみるか?」

頼子「いいんですか?」

モバP「ああ、色々意見聞きたいからな…ちょっと外すな」

・・・

頼子「Pさん、お待たせしました…」

モバP「おお…これは予想以上だ」

頼子「あまり見ないでください…あ」

頼子「やはり…私の姿…いろんな角度から見てください、Pさん」

モバP「そうか?じゃあ、お言葉に甘えて…」ジー

頼子「え、えっと…照れますね…ふふ」

モバP「ん、キツイ所とか無いか」

頼子「はい…ちゃんとぴったりです」

モバP「うん、そうだな…ポーズとってもらえるか?」

頼子「こう…ですか?」

モバP「おお」

頼子「ポーズひとつ…うまく決めるのも大変ですね」

頼子「アイドルとしての立ち姿、なかなか様になりません」

モバP「そんなことないぞ、ポーズもこうぐっとくるよ」

頼子「え…、最近は美術館の女神像から学んでいるんです」

モバP「へぇ、どんな風に?」

頼子「はい、こう手とか…こんな風に、隅々まで意識を…」

モバP「なるほどなぁ…でも、こっちはこうした方が今の流行りかな」

頼子「あ、なるほど…、Pさんは、なんでも知っていて…アイドルの博士のよう」

モバP「ふふ、頼子にそんな風に言われる日がくるとはな」

頼子「ずっと頼りにしてますから…いつかは絵になるアイドルに…その一緒に」ボソ

モバP「ん?」

頼子「い、いえ…、彫刻家はすごいです。あんな美しい立ち姿を創れるなんて…」

頼子「私はまだ…不慣れな笑顔の像…です」

モバP「ふふ(頼子も美しいよって言いたい所だけど…)」

モバP「(このいじらしい感じがカワイイからしばらくほっておこう)」ニヤニヤ

頼子「あの…Pさん?」

モバP「いやぁ、何でもないぞ」

頼子「はぁ…?」

モバP「それにしても頼子はすごいな、自分で趣味を仕事に活かしてくれるしさ」

頼子「いえ…私なんか…」

モバP「頼子、また猫背になってるぞ」

頼子「え…あ、猫背…直します」

モバP「ふふ、頼子はもっと自信持っていいぞ」

頼子「はい、また気づいたら、言ってくだされば、と…」

モバP「ああ、そのためにもちゃんと頼子の事見てるからな」

頼子「はい」ポッ

頼子「Pさんに見られると、背筋も伸びる気が」

モバP「うん、一緒に頑張ろうな」

モバP「(頼子の機嫌も直ったし…なによりだな)」

モバP「(新しいヘアバンドをガリガリ君みたいって言わなくてよかったな、本当に)」

頼子「あの…ところでPさん」

モバP「な、なんだ、頼子?(まさか、今のがバレた?)」

頼子「今回のテーマは芸術なんですよね…その、あの太陽は舞台のオブジェですか?」

モバP「(おお、さすが頼子、食いついてくれた)」

頼子「舞台のオブジェにしては妙な穴があるような…」

モバP「ふふーーん、あれはなぁ、俺の自信作なんだぞ」

頼子「それは…(何だか幸子ちゃんみたい…)」

モバP「あれは今度のイベントでの鈴帆の衣装だ」

頼子「ッッッッ」

モバP「どうだ、頼子、感想を聞かせてくれ…まあ、絶賛の嵐だろうがな」

頼子「Pさん、正座」

モバP「へっ?」

頼子「正座です」

モバP「は、はい」

俺はこの後、頼子に正座させられて説教された…
でも鈴帆は感動してくれたからよしとしよう
それに今日はスカートのアンダースコートを用意してなかったので
頼子か俺が動くと正座のローアングルだと見えそうで…見え……

・・・

頼子「Pさん?」

モバP「な、何も見ていません」

頼子「え…きゃあ」

モバP「ははは…いや、本当に何も見てないからな」

頼子「…ところで私の話聞いてました?」

モバP「あ、ああ、美術の勉強に美術館な、今度の休みならいけるぞ」

頼子「そのですね、Pさん…ちょうど私も行きたい展示があって…」

頼子「美術館にいく相手…募集中です」

モバP「頼子のガイド付きなら確実だな」

モバP「なあ、頼子…これってデートじゃないのか?」

頼子「えっ、それは…は、はい、よろしくお願いします」

モバP「ま、たまにはこういうのもいいかな」

頼子「Pさんとデート…ふふ」

・・・

数日後

とある美術館

頼子「Pさん、お待たせしました…」

モバP「おお、頼子…お、変装もバッチリじゃないか」

頼子「は、はい…でも私は地味ですし…変装はいらなかったのでは?」

モバP「そんなことない」

頼子「でも…」

モバP「本当にそんなことないぞ」

モバP「それに頼子って気付かれなくても、スカウトされるかもしれないだろ」

頼子「は、はい…」

モバP「さ、入るか…それにしても、タイミングよくルネサンス展やってるもんだな」

頼子「そうですね、私達運もいいですね」

モバP「なあ、頼子、ルネサンスってさ、文芸復興って意味でいいんだよな」

頼子「ええ…それが」

モバP「いや、頼子が小さなルネサンスって言った時から気になっててさ」

モバP「昔もああいう格好してたのかなってさ…」

頼子「あ…両親の趣味ですよ、ふふ」

モバP「頼子…」

頼子「隠せないみたい…」

頼子「女性の過去を詮索するのはいけないです…」

モバP「あ、ああ、そうだけど…」

頼子「安心してください、言えないような過去はありませんから」

頼子「でも…ですね、ルネサンスって古いものをそのまま再現するわけじゃないんですよ」

モバP「ああ」

頼子「私がこんな風に変われたのはPさんのおかげです」

モバP「頼子…」

頼子「でも、Pさん…(私がうつむきそうになったら、手を差し伸べてくださいますか)」

モバP「ふふ…」ギュ

頼子「あ…」

モバP「たまに無神経なこと言うけどさ、頼子の事はわかってるつもりだよ」

頼子「はい…嬉しいです」

モバP「さ、行こうか」

・・・

頼子「いかかでしたか、Pさん」

モバP「いやぁ、美術も奥が深いな」

頼子「そうでしょう、ふふ」

モバP「印刷で観るのとは違うって意味もよくわかったよ」

モバP「ガイドが優秀なおかげだな」

頼子「いえ…私の勝手な意見ですから…わかりにくくなかったですか?」

モバP「このまま番組に使えそうなくらいだったぞ、頼子」

頼子「…うん」

頼子「あ、あの…今日たくさんの女神像観ましたけど」

モバP「ん?どうした?」

頼子「Pさんの…理想の美の女神、教えてもらえませんか?」

モバP「は?いきなりどうしたんだ?」

頼子「顔の造形は似せられませんが、せめて姿勢ぐらい近づけたら…」

モバP「あ、ああ、そうだな…それは……」

理想の美の女神は俺の目の前にいるよ
頼子と出会ったあの日から…

おしまい

以上になります、短い+セリフに引用が多く申し訳ありません
頼子さんの今回のセリフ集を貼っておきます
これからも頼子さんをよろしくお願いします

http://i.imgur.com/tXlozKf.jpg
http://i.imgur.com/1hViIhP.jpg

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