焼跡の灰の中から強く高く飛び立った(8)

「おのれ勇者…!ここまで我輩を追い詰めるとは…!」

勇者「魔王!お前の悪事もこれで終わりだ!戦士は足止めを!魔法使いは戦士のアシストを頼む!」

戦士「おう!いくぜ!」

魔法使い「…防護魔法」

魔王「ぬうっ!小癪な…!」

勇者「これで終わりだ!勇者スラッシュ!!」

魔王「ぬおわああああ!!!」


勇者「やっと…終わったんだな…」

戦士「っしゃあ!魔王を倒したぜ!僧侶、回復頼む」

僧侶「は~い、皆さん順番に並んでくださ~い」

戦士「それで、これからどうする?」

魔法使い「…ここ来るまでに全部見たから、城の散策は必要ないかも」

勇者「そうだな、じゃあ討伐の証拠品だけ取って帰るか」

僧侶「了解で~す」

魔王城前

勇者「皆、出たな?じゃあ最後に…極大破壊魔法!」

戦士「魔王城が瓦礫の山になっちまったな」

魔法使い「…魔物の集会場にされたら困るからね」

僧侶「家に着くまでが魔王討伐です!気を引き締めて帰りましょう~」

勇者・戦士・魔法使い「「おお!!」」

魔王城跡

「…行ったか…?」

「そのようで…もう互いに目視できない距離です」

「ではそろそろ良かろう…蘇生呪文を」


魔王「うおおお勇者ぁ!…お?側近に衛生兵ではないか、ということは…」

側近「はい、今回も陛下の負けです」

衛生兵「いやあ、惜しかったんですけどね、今回は」

魔王「そうか、またしても…ところで今、近くに他に誰かいるのか?」

衛生兵「我々だけみたいです」

魔王「そっか、っだあ畜生!今回の勇者め、城まで壊すことねえじゃんかよー!」

側近「見事に全壊してますからね、ははは、これは酷い」

衛生兵「お二人ともなんか、軽いですね、城での振る舞いと違って」

魔王「そりゃお前、素であんな、ぶふっ、時代錯誤で上から目線なわけねえだろよ」

側近「tpoを弁えてただけ、だってこんなんで魔王が務まると思う!?無理でしょ」

衛生兵「そうですけど~、ああ陛下の、魔王様のイメージが~…」

魔王「ひでえ!この部下、便乗してディスりやがった!」

衛生兵「これからどうします?」

魔王「魔王城を再建する!こことは別の場所でさ」

側近「まあ瓦礫撤去からだと面倒だしね」

魔王「そゆこと、何年かかんだよこの量!」

側近「倒されてすぐ復活したのばれないようにやんなきゃだから、余計にね」

衛生兵「人間には魔族にも蘇生呪文が使えるの知られてないんでしたっけ?」

側近「ばれないように細々活動してるからね、毎回」

衛生兵「魔王城を再建するとして、それまではどこでどう暮らします?」

側近「どっか別の場所に仮小屋作って住むしかないでしょ」

魔王「あの火山の麓辺りでどうだ?ここの瓦礫使って安く作ろうぜ」

側近「ああ、あそこなら誰もいないしいいかも、じゃ決定ね」

衛生兵「うわあ…本気ですか?魔王軍再起までどれくらいかかるんですかね…」

魔王「50年くらいあれば十分だろ、その間に今回の反省やって、作戦練り直せば次は余裕!」

衛生兵「遠大だなあ…」

側近「頑張ろう~!いえ~い!」

魔王「おっし!半世紀後こそ、人間界も手に入れて、世界征服して見せるぜ!!」

終わる

ばれているかも知れないがタイトルの元ネタ
http://www.youtube.com/watch?v=pdktsfrmrqe




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