拓海「!?」 (148)


拓海(今日は朝から収録の予定が入っている。アタシはいつもより早く起きて事務所に向かった)

拓海(どれだけ長引くんだろうなーとか、トーク詰まらねえようにしねえと、とかそんなことばかり考えてた)



<ガチャ

拓海「うーっす」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404570175




??「…ママ?」

拓海(そのせいで目の前の光景を処理することができなかった)




拓海(…落ち着けアタシ、目の前の状況を整理しろ。目の前に居る少年は顔つきはとても幼く、小学生かそれ以下の年齢っぽい)

拓海「というか誰だよコイツは…」

??「ねぇ…ここ、どこ?」

拓海「ここは事務所だ。オマエいったい誰なんだ」

p「…p」

拓海「pっていうのか。pはどうしてここに居たんだ?」

p「わかんない…気ついたらここにいたの」

拓海「そうか。ところでさっきアタシのこと…ま、ママって言ったけどよ」

p「ママはママなの…」

拓海「理由になってねぇよなァ?!」


拓海(つーかPの奴どこに行きやがった…もうすぐ収録だってのに)

拓海「なぁ、スーツ着た男を知らねえか?」

p「…」フリフリ

拓海「そうか…知らねえか」

拓海(最悪の場合アタシ一人で行けばいいけど、そうするとコイツを一人で放っておくことになっちまう。ここは…)prrrr





留美「それで私たちを呼んだわけね」

晶葉「ふむ…興味深い現象だな」

拓海「こういう時は大人と晶葉呼んどけば何とかなると思ったんで」

晶葉「私を呼んで正解だったな。この子はおそらく未来から連れてこられた可能性が高い」

拓海「未来から来ただァ?」

晶葉「ああ。さっきいくつか質問をしてみたが、向井拓海を母親と認識し、この時代に関する記憶は一切持ち得ていないことからその可能性が一番高いと思われる」

留美「さっきからずっと向井さんにべったりなところを見ると、本当の母子みたいね」

p「ママ…」スリスリ

拓海「つーかよ、アタシこの後仕事だぞ。Pの奴どこに行きやがった!」


<ガチャ

P「すいません! 遅くなりました!」

拓海「遅ぇよバカ! 何時だと思ってんだ!」

P「ホントにスマン! 目覚ましが止まってて慌てて来たんだ…」



p「…パパー!」ダキッ

P「………はい?」

拓海「…ッ、ハァァァァァァ??!」

拓海(Pが父親だってのか?! ってことはアタシはPと…!?)


P「おいおいこれは何のドッキリだよ。どうせちひろさんが笑顔で『残念!ドッキリでしたー!』って看板持ってくるんだろ」ハハハ

留美「ところがどっこい、これが現実よ」

P「えぇ…留美さん、いつの間に俺の子を産んだんですか」ドンビキ

留美「違うわよ?!」

P「じゃあ誰の子だって言うんですか」

晶葉「未来から来た、Pと向井拓海の子だ」

P「おいおい晶葉。冗談きついぞ? 未来から息子がやってくるってどんなトランクスだよ」

晶葉「まぁDNA検査をすれば一発で確定するぞ。時間はかかるけどな」

P「…マジで俺の子なの?」

晶葉「さまざまな要因からそう考えるのが一番自然だ」

P「…おっちゃん朝から頭痛いぜ」


留美「それとP君。仕事の時間は大丈夫なの?」

P「あ、もう行かなきゃ。拓海、行くぞ!」

拓海「おう! 姉御、ソイツのこと頼みます!」

留美「わかったわ」




P「………で、帰ってきたわけだけど」

留美「んーんー♪」スリスリ

p「留美おねえちゃんくすぐったいよー」

晶葉「お帰りP。留美はすっかりpにメロメロだぞ」

拓海「姉御ェ…なにやってんだ」

留美「向井さん。この子の面倒は私に任せなさい」キリッ

P「鼻血を拭いてから言ってくださいね。はい、ティッシュ」

留美「ふぅ…私ということが取り乱してしまったわ」フキフキ


晶葉「しかしpは拓海にベッタリかと思ったがそうでもないようだな」

P「そうなのか?」

晶葉「拓海が仕事に向かってから今まで泣き出したりしなかったぞ」

P「………ふーん、そうか。拓海、ちょっと来て」チョイチョイ

拓海「あん? どうかしたのか」

P「pにさ、………してあげてくれないか?」

拓海「? いいけどよ…」


拓海「p」

p「あっ、ママ!」

拓海「どうだ、寂しくなかったか?」

p「うん。留美おねえちゃんがいっぱい遊んでくれたの」

拓海「そうか、エラかったな。よしよし!」ナデナデ

p「!」パァァ

留美「ぐぎぎ…やはり血の繋がりには勝てないの…!?」

晶葉「血涙を流すのはやめたまえ…」


P「やっぱり褒めてもらうのって誰でも嬉しいからな。理由は何でもいい。とにかく褒めてやることが大事なんだ」

拓海「ガキの扱いにずいぶん慣れてんな」

P「昔は親戚の子とか相手にしてたからな。ある程度は慣れてる」

拓海「なるほど」

P「それよりpをどうするかだな。俺の家に連れて帰るしかないのか?」

拓海「寮は…ちっとマズイか」

晶葉「Pの家で養うのが一番いいだろう。両親が一緒に居てやらないと精神にムラが出る恐れがある」

拓海「ん? 両親一緒ってことは………ハァァァァァ?!」




P「俺と拓海が同棲するってことだな」

拓海(オイイイイイイ?! 冗談はよせェェェ!)




拓海「どっ、どどどどどどどどど!??」プルプル

P「落ち着け拓海。アイドリング状態みたいになってるぞ」

留美「エンジン不良ね、わかるわ」

拓海「いくらなんでも同棲はヤベェだろうが!」

晶葉「寮でも出来るだろうがPの生活が不自由になる。あそこは男が住みやすい空間ではない」

留美「寮長には私から説明しておくから心配しなくていいわよ」

拓海(Pと同棲だとォ…そんなことしたら)ポワンポワン…




…姉御妄想中…



「ふぅ…拓海、お風呂あいたぞ?」

「ああ、風呂上りでちょっと暑かったからな。パンツだけだな」

「んー? もしかして…意識してくれてるのか?」

「ははは、そんな怒るなって! 早くお風呂入って来いよ!」

「お風呂あがったらさっきの続き…な?」





拓海「うォォォォォォォォォ?!」ブンブン

P「おわっ! びっくりさせるなよ」

拓海(そういうムードじゃねえからこれ! あり得るワケねェだろうが!)


晶葉「私は急いでpが来てしまった原因の方を調べる」

留美「調べて分かるものなのかしら?」

晶葉「難しいだろう。だが向こうの時代に私がいるのならもう既に次の手を打っているだろう」

P「それもそうか」

晶葉「今回の件は研究者として純粋に興味深いから全力を尽くそう。それより二人とも、pの面倒をしっかり見てやってくれよ」

拓海「ま、任せろ! このアタシにやってやれねェことはねえよ!」

P「責任もって育てるさ」


P「とはいったが、家に物資がないので買い物に行きます」

拓海「食料と…pの着替えか」

P「そうだ。この服しかないとか流石に不便だろ?」

p「一緒にいきたい!」

P「心配しなくても連れて行くぞ」

p「わーい!」

拓海(無邪気だな。アタシにもこんな時期………あったか? た、多分あったんじゃねぇかな…)

―デパート

P「ほらp。これとかどうだ?」カチャ

拓海「いや、こっちだろ!」カチャ

P「えぇ…それは小さい子に着せるにはちょっと…」

拓海「こんくらいシブいほうがいいだろ。なぁp?」

p「うー…パパのがいい! ママの服はヤダ!」

P「どや」ドヤァ

拓海「ま、負けた…こんな屈辱、初めてだぞォォォ!」

p「紫より赤がいいの!」

P「ひょっとして未来の拓海もこんな感じなのか?」

p「ママはいつもこんなかんじだよ?」

P「まるで成長していない…」

拓海「うるせェ!」


拓海「もう服はいいだろォ?! さっさと食品売り場に行くぞ! p、何か食べたいモンはあるか?」

p「ハンバーグ!」

P「ハンバーグ好きなのか?」

p「ママが得意だっていってたの」

拓海「任せな。とびきりウマイ奴を作ってやる」





拓海「さーて。始めるか」

拓海(まずは玉ねぎをみじん切り。切り終わったら挽肉と混ぜ合わせる)

拓海(そして肝心のハンバーグの大きさはやや小ぶりに。デカくしすぎると火の通りが甘くなっちまう)

拓海(そしてソースはトマトをメイン。玉ねぎとニンニクをある程度炒めたらホールトマトを投入し、つぶしながら火を通す)

拓海(あとはコンソメを投入して赤ワインと水を入れて煮るだけだ)

拓海(後はまぁ…ハンバーグを焼いて煮るだけだしいいだろ)


拓海「メシの時間だオラァ!」

P「おお! 美味しそうだな…」

p「わーい!」

拓海「ハンバーグと付け合せはパスタ。あとはサラダだ」

P「なんか匂いだけで腹が減るなぁ…」グゥ…

p「いただきます!」


P「それじゃハンバーグから。あむっ…う、美味い!」

拓海「どぉだ」フンス

P「トマトソースが美味しいな。これはご飯が進む」モグモグ

p「おいしい!」

拓海「おいしいか? ならよかった」ニカッ

P「パスタもうまいな。このトマトソース何にでも使えるんじゃないか?」

拓海「ロールキャベツ程度なら平気で使いまわしが利くぜ」


P「さてそろそろ風呂に入りますか」

拓海「えっと…アタシがpと一緒に入ったほうがいいか?」

P「まぁその方が無難だな」

p「パパも一緒にはいろうよ!」

P「えぇ!?」

p「みんなではいったほうがたのしいって早苗おばさんもいってたよ!」

拓海「あんのヤロォ…余計なこと吹き込みやがって」

P「それじゃ…いっしょに入るか?」

拓海「…ハァ。わかったよ」


シャー…


拓海「ンだよ、ジロジロ見んな!」カァァ

P「…拓海のお団子ヘアーって初めて見たけどいいな」

拓海「あぁ、風呂に入る時はこんな感じだ」

p「ママー! 髪の毛あらって!」

拓海「ハイハイ。それじゃそこに座れ」


かしゅかしゅ…
きゅっきゅっ…

拓海「どうだ、痛くねえか?」

p「うん!」

P(それにしても不思議な光景だな。小さい子の髪の毛を洗う拓海…)

拓海「ほら、洗い流すから目ぇ瞑っとけ」シャー

p「ひゃー!」

P「なんかいいな…こういうの」


ちゃぷん…

拓海「ん…流石に三人は狭ぇな」

P「所詮独り暮らしの男の浴槽だからな」

p「みんなでオフロはいると楽しいよ?」

P「まぁそうだな。銭湯とか健康ランドってなんかワクワクしたしな」

拓海「あぁ…言われてみりゃそうだな」


p「あうぅ…」フラッ

P「おっと。ちょっとのぼせちゃったか」

拓海「もぉ上がるか?」

P「そうだな。結構長いこと入ってたし」

p「うー…」

拓海「p、大丈夫か? ほら、体重預けていいから歩け」

p「くらくらする…」




ブゥーン…

p「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~」

拓海「さっきから扇風機の前を離れようとしねぇな」

P「よくやるよくやる。ワレワレハ宇宙人ダー、とかやったわ」

p「ぎも゛ぢい゛い゛い゛い゛い゛い゛~」

拓海「それはダメだ」


P「お二人さんや。お風呂上りのアイスはいかがかね」

p「わーい! ボクモナカ!」

拓海「アタシは牧場絞りで」

P「じゃあ俺はあずきバー」ガサガサ

拓海「あずきバーとか凶器だろ」

P「まぁこの硬さは最初は驚いたな」

p「はぐっ、はぐっ…」

拓海「焦って食べんな。ほら、こぼれちまってるぞ?」フキフキ

p「んっ…」


P「さてもう寝る時間なわけだが」

拓海「寝床をどうするかってワケか」

P「そうだ。あいにく家にはベッドが一つしかない。しかも一人用だ」

p「みんなで一緒にねたいよ!」

P「と言っているがどうする?」

拓海「アタシは構わねえよ」

P「じゃあ敷布団出してくるからちょいと待ってて」





P「よしできた。これなら3人寝られるだろ」

p「わーい!」バフッ

拓海「pを挟んで川の字ってワケか」

P「そうだな。pもそれでいいか?」

p「うん!」

拓海「ふぁぁ…色々あってアタシも疲れちまった」

P「じゃあ少し早いけどもう電気消すか」カチッ

p「おやすみ!」

拓海「おやすみ…」




チュンチュン…

拓海「………ん。朝か」

拓海(…あれ? 起きあがれねぇ。どうなって…あ)



p「…ママ」ギュッ

拓海「…全く、仕方ねぇヤツだな」ナデナデ

拓海(まぁ…もうチョイ待ってやるか)

P「ママ…」ギュッ

拓海「………」ゴリッ

P「~~~ッッッ!??」ジタバタ

拓海「テメェは先に顔洗ってろ、いいな?」

P「アッハイ」



眠いのでここでいったん区切り
おやすみ


拓海「ほらp。口周りにケチャップ付いちまってるぞ」フキフキ

p「あう…」

P「拓海は今日は学校だよな」

拓海「ああ。弁当はもう作ってあるから、あとはpの世話を頼むぜ」

P「事務所に誰か必ずいるから一人で放置するということはない。心配無用だ」

拓海「それならいい。あ、もう出かける時間だ。行ってくるぜ!」

P「気を付けてな。ほらp、ママが出かけるぞ」

p「いってらっしゃーい!」

―事務所

P「おはようございます」

p「おはようございまーす!」

ちひろ「おはようございますプロデューサーさん♪ あ、その子が例の子ですか?」

P「そうです…まさか未来から息子がやってくるなんて…」

早苗「おっはよー♪………P君!? そ、その子は一体…!?」

P「実の息子…が未来からやってきました」

p「あ、早苗おばさん!」

早苗「おばっ…!?」ガーン


P「こらp! 早苗さんになんてことを!」

p「だってママが『コイツのことはオバサン呼びでいい』っていってたもん」

早苗「…ねぇP君。この子の母親は誰かしら?」

P「その…拓海です」

早苗「…拓海ちゃんにはちょっとわからせた方がいいかしら♪」ゴゴゴ

P(拓海逃げて! 超逃げて!)


早苗「それにしても…」ジーッ

p「?」キョトン

早苗「ホントかわいいわね…どことなく拓海ちゃんに似てるわね」ウットリ

P「親バカかもしれませんが可愛いです」

早苗「ねぇp君。おねえちゃん、って呼んでくれない?」

p「えっ? んー…いいよ!」




p「早苗おねえちゃん!」






早苗「向井の息子…私が敵う相手ではなかった…!」ブシュッ

P「早苗さん、鼻血が大変なことになってますよ!?」

早苗「うろたえなくていいわよ…何のこれしき!」ブシュー

p「おねえちゃん、大丈夫!?」ピトッ

早苗「ッ~~~!!?」ブシュッ!

P「衛生兵! 衛生兵をここに!」

ちひろ「遊んでないで早く血を止めなさい!」


早苗「ふぅ…一瞬視界が真っ白になったわ」

P「留美さんと言い、どうしてみんな鼻血を吹くのか…」

早苗「そりゃp君がかわいいからよ」ギュッ

p「うー」ギュー

P「そしてナチュラルにpを抱き枕にするのはやめてもらえますか」

早苗「可愛いから仕方ないの。この子は私が守るわ」キリッ

P「お持ち帰りしようとすんな」


―午後

<ガチャ

拓海「うーっす。p、いるか?」

p「ママー!」ダキッ

拓海「p、良い子にしてたか?」

p「うん!」ギューッ

ちひろ「p君にはちょっとお手伝いもしてもらったの。今日は大活躍よ」

拓海「そっか。エライぞp!」ナデナデ


早苗「たぁーくぅーみぃーちゃん?」ニコッ

拓海「ど、どうしたんだよアンタ…」

早苗「p君にあたしのこと『おばさん』って呼ぶように仕込んだみたいねぇ…」ワキワキ

拓海「それはアタシだけどアタシじゃねえよ?!」

早苗「問答無用!」ガシッ

拓海「うォッ?! なんだこれ、逃げれねぇ…!」ジタバタ

早苗「あたしの受けた屈辱…その身で味わいなさい!」モミモミ

拓海「ひゃぁっ! ちょ、どこ触って、んっ!」ビクッ


p「あれー? 前がみえないよー?」メカクシ

ちひろ「見ちゃいけません!」

P「けしからん…実にけしからん!」フンフン

ちひろ「お前はさっさと止めてこい!」ゲシッ

P「ありがとうございます!」


P「はいはい早苗さん。その辺でストップストップ」

早苗「ふぅ…あたしは何をしていたのかしら」ツヤツヤ

P「拓海、大丈夫か?」

拓海「ハァ、ハァ…テメェ、アタシが襲われてんのにずっと見てやがって…」キッ

P「揉まれてた拓海がエロくて」

拓海「ド正直に言うんじゃねぇバカァ!」


拓海「ったく、ヒデェ目にあったぜ…」

早苗「ゴメンゴメン、今度お詫びするから許して♪」

拓海「…メシ奢れ。それで許してやる」

早苗「いいわよ。今度みんなで一緒にいきましょ♪」

p「皆でご飯たべにいくの?」

拓海「おう。早苗おば…おねえさんがおごってくれるぞ」

p「早苗おば…おねえさんありがとー!」

早苗「こ、この親子は…」ワナワナ


―夜

P「拓海、俺明日早いから先に風呂入ってもいいか?」

拓海「いいぜ。後で着替え持ってくからな」

P「頼む。さて、風呂に湯を張ってきますか…」



<ガチャ

拓海「おいP。着替え持って………ッ?!」


P「あっ」マッパ

拓海「うォォォ?! す、スマン!」バタン

P「ノックぐらいしてくれよー」

拓海「わ、悪かったって言ってるだろ! はい、これ着替え!」

P「サンキュ」


<バタン

拓海「ハァ…ま、全く、こんなことになるとは…」

拓海(それにしてもPの奴…結構たくましかった。下の方は昨日はタオルで見えなかったけど、結構でか…ッ!)

拓海「うォォォォォ! アタシは何を考えてんだァァァ?!」ゴンゴン

p「ママ? なんでずつきしてるの?」

拓海「な、なんでもねぇよ? ほら、向こう行くぞ」

p「?」


―翌週

晶葉「P。話がある」

P「その顔持ちは…p関連の話題か?」

晶葉「そうだ。まず一つ目。特殊ルートで依頼していたDNA鑑定の結果が出た」

P「で、どうだったんだ?」

晶葉「適合率99.99%。pは間違いなくPと向井拓海の子だ」

P「これで確定か…で、もう一つは?」

晶葉「このままだとタイムパラドックスが生じる恐れがある」


P「これから生まれるpと、未来のpが出会う可能性があるからか?」

晶葉「それだけではない。pは既にこの時代のアイドル達と触れ合っている」

P「それが何かまずいのか?」

晶葉「人と人の触れ合いは良くも悪くも変化をもたらす。つまりアイドル達の人間形成に既に何かしらの影響が起こっている」

P「未来が変わるってことか」

晶葉「良いほうになのか、悪い方になのか、それはさっぱりわからんがな」

P「けど俺達にできることは何もないぞ」

晶葉「私も色々と実験してはいるが…一向に手がかりが掴めん。どうやったらタイムマシンなんて作り出せるんだ」


P「まぁ焦ったところでどうにかなるわけじゃないさ。この状況を楽しもうぜ?」

晶葉「…随分とお気楽だな」

P「ウダウダ悩んでも仕方ないだろ? だったら楽しんだもん勝ちだろ!」

晶葉「楽しむ、か。ふふ…Pらしいな」

晶葉(厳しさだけでなくこういうポジティブさも持ち合わせているからアイドル達もついてくるんだろうな…)




P「というわけで思い出づくりに海に遊びに行こう」

拓海「脈絡無さ過ぎだろ…」

P「pがいつ居なくなるかなんてわからないからな。pも海行きたいか?」

p「うん!」

P「よーし、決まり。来週末なら全員オフがとれる日があるからな」

拓海「水着新調すっかな…」

P「えー? あのくまさんビキニでいいじゃん」

拓海「あれはハズイんだよ!」





P「というわけでデパートに来ました」

拓海「pの水着は頼んだぜ」

P「了解。そっちは何か問題はあるか?」

留美「問題ないわ」

晶葉「水着か…買うのは初めてだな」

早苗「あら? そうだったの?」

晶葉「プライベートで海水浴に行ったことがなかったからな。スクール水着しか持ち合わせていないんだ」


ちひろ「じゃあ私が選んであげるわね」

P「ちひろさんなら大丈夫だと思うけど…あまり露出が多すぎるのは避けてくださいね?」

ちひろ「ご心配なく♪ 晶葉ちゃんに合ったものを選びますから」

P「それじゃ…30分後くらいにここに集合でいいか?」

拓海「いいぜ。そんなに時間もかからねぇだろうし」





早苗「拓海ちゃん。これとかどう?」

拓海「あぁ?! 誰がこんなの着るかぁ!」

早苗「赤ビキニで攻める夏!」

拓海「お断りだ! 持ってくんならもっと大人しい奴持ってこいや!」

早苗「えぇ~大人しい奴なんてつまらないじゃない」ブーブー

拓海「そんな奴着たらジロジロ見られるじゃねえか!」

早苗「『アタシを見てイイのはPだけだ!』ってコト?」ニヤニヤ

拓海「黙れェェェ!」


ギャーギャー

留美「…あの二人は大丈夫なのかしら」

ちひろ「ほら晶葉ちゃん。こっちのパレオとかどうかしら」

晶葉「うむ。これはいいな。ちひろはいいセンスをしてるな」

ちひろ「えへへ、それほどでも♪」

留美「私はこのレオタード型にしようかしら」

ちひろ「あら、ずいぶんカッコいい水着を選ぶんですね?」

留美「ビキニだとちひろさんと被っちゃうから。あとはこのサングラスでも買おうかしら」スチャ

晶葉「ビーチバレーの選手にしか見えんな」


P「ほらp、これはどうだ?」カチャ

p「うぅ…どれにしよう…」

P「さっきからずっと悩んでるな」

p「これもカッコいいけど、パパのえらんだこれもいい…」

P(pが悩んでる二択は、ウェットスーツタイプか俺が持ってきたサーフパンツだ)

p「うーん…こっち!」

P「俺の選んだ奴にしたのか」

p「うん! あと、上にきるものがほしい!」

P「それじゃパーカーでも買ってくか…」





P「よーし、全員買えたな」

早苗「もー聞いてよP君。拓海ちゃんったらあたしの選んだ水着を全部突っぱねるのよ?」

拓海「アンタが紐みてぇなヤツ持ってくるからだろぉが!」

P「早苗さん…俺的にあなたが一番心配です」

早苗「心配しなくても大丈夫よん♪ ちゃんと動いてもこぼれない水着にしたから♪」

P(ナニがこぼれるのかは聞きたくない)


P「で、留美さんたちは」

留美「私たちが一番早かったわね」

晶葉「問題ない」

ちひろ「問題なしですよ♪」

P「よーし。それじゃあとは海で必要そうなものを買って帰りますか…」

留美「それとP君、当日車は何台で行くのかしら?」

P「車は使わず電車で行こうと思ってます。疲れちゃっても大丈夫なように」

早苗「運転無し? それじゃお酒飲み放題ね!」

留美「ほどほどにしなさいね…」


―当日 海水浴場

P「さーて、到着」

p「うわーい!」ダッ

拓海「おいp、日焼け止め塗ってけ!」

p「はーい…」トボトボ

留美「ほらp君、私が塗ってあげるわよ」

早苗「ここはあたしに任せなさい、スミズミまで塗ってあげるわ♪」

拓海「…p、パパに塗ってもらいな」

留美「!?」ガーン

早苗「拓海ちゃん、それは横暴よ!」

拓海「アンタら目つきがガチすぎて怖ぇんだよ!」


晶葉「全く…もう少し落ち着きを持ったらどうなんだ」

P「ほう…晶葉はパレオタイプか」

晶葉「最初はずっとパーカーで過ごそうかと思ったが、せっかく海に来たので泳ごうと思ってな」

P「…泳げるのか?」

晶葉「問題ない。これを持ってきたからな!」ドーン

P「浮き輪か…なるほど」

晶葉「というわけでコイツを膨らますのを手伝ってくれ」

P「了解」プゥー


拓海「おいP、ビーチバレーしようぜ」

P「いいぞ、留美さんたちもどうですか?」

留美「ちょうど二対二ね」

早苗「ふふふ…お姉さんたち本気出しちゃおうかな~?」

拓海「ガチでやらなきゃ面白くねぇだろォ! かかってこい!」

P「ということは負けた方は罰ゲームか?」

留美「負けた方は砂風呂の刑ね」


留美「はぁっ!」バンッ!

P「よし上がった。拓海、頼む!」ボンッ

拓海「おるァァァァァ!!」バンッ!

早苗「うひゃ~凄いスパイクね」

留美「何やらせても凄いわね」

拓海「ま、まぁ…それほどでも?」テレテレ


P「さて、俺らが勝ったわけだが…p、ちょっとおいで」

p「なにー?」

晶葉「何やら面白そうだな」

P「このお姉ちゃん二人、埋めていいぞ」

p「ほんとに!?」

晶葉「ほう…ならば改良したウサちゃんロボの力を試す機会だな」

P「あのロボか…塩水は大丈夫なのか?」

晶葉「心配無用だ。改良して塩水に耐性をつけ、砂浜を掘る能力に特化した」

P(潮干狩り用かな?)


p「おねえちゃんたち、うごいちゃだめだよ?」ザクザク

早苗「あぁっ、どんどん埋められちゃう。でもまんざらじゃないわ…」

留美「p君の手によって体の自由が奪われる…なんかいいわね」ウットリ

晶葉(この二人はもう手遅れレベルで影響が出てるな…元からそういう資質を持っていたのかもしれんが)

ちひろ「あらあら、いい絵が撮れそうですね」カシャッ

晶葉「用意周到だな」

ちひろ「うふふ。みんなの思い出はちゃんと写真に収めて帰りますからね♪」

晶葉「ちひろも楽しんでいいんだぞ?」

ちひろ「みんなの笑顔を見てるだけで楽しいですから♪」


拓海「おいP、競泳しようぜ」

P「ほーう。速さで俺に勝てると思っているのか?」

拓海「やってみなきゃわからねェだろ?」

P「まぁいいぞ。ゴールは向こうのブイでいいか?」

拓海「いいぜ。よーい、ドン!」

P「っ!」バシャッ!


ザバッザバッ

P(拓海は思ったよりも速かった。こりゃ本気出さないと負けるかな?)

拓海(大したことねぇなオイ? このままぶっちぎってやる!)



ザバッザバッ!

P(さて、お先に失礼…っと)スイー

拓海(! 速い…もっとペースを上げねぇと…)



ザバッザバッザバッ!




ピキッ!

拓海「!」

拓海(ヤベェ…足が!)




P(…あれ? 拓海がどんどん後ろに行くぞ。まさか…!)



ザバッザバッ!

P「拓海! 大丈夫か!?」

拓海(足がつって…言うことを聞きゃしねぇ…ッ!)ザバザバ

P「俺に掴まれ!」

拓海「ハァ…ハァ…ゲホッ」


拓海「すまねぇ…とんだヘマしちまって」

P「助かったからお咎めなしで。今日は何も怒らんよ」

拓海「足がつったとき…正直怖かった。アタシこのまま沈んで、死んじまうんじゃねえかって思ったんだ」

P「…拓海」



ぎゅっ!


拓海「!」ビクッ

拓海(えっ?! だ、抱きしめられて…)

P「…もしお前に何かあったら、絶対俺が助ける。絶対だ」

拓海「…」

P「お前のプロデューサーだからとか、そんな理由じゃない。拓海が好きなんだ」

拓海「…ハァ?!」カァァ

P「俺は拓海が好きだ! 大好きだ!」

拓海「P…」




 そっとPの両手がアタシの肩に触れる。ごつごつとした、それでいて温かさのある、大きな手。
 目と目が合う。温厚な人柄を連想させる優しい瞳。それでありながらに意思の強さを感じさせる。

 ああ、アタシはこの男が好きなんだ。息子が未来からやって来たとか、そんなことは関係ない。ずっと、こうしたかったんだ。

 Pの唇に目が行く。果実のように瑞々しいその唇に吸い込まれ―






早苗「…んふふ。若いっていいわね♪」

拓海「ッ! うォォォォォ?!」バッ




P「ちょっ、早苗さん!? いつから居たんですか!」

早苗「P君が拓海ちゃんを抱きしめたあたりからかなー?」

拓海「ほぼ全部見てたのかよ!」

早苗「でもいいムードだったから壊さないように静かに観戦してたのよ?」

拓海「そもそも見てんじゃねぇ!」


拓海「ハァ…なんかドッと疲れちまった」ペタン

P「そろそろ日が傾いてきたな。もう着替える準備をしたほうがいいな」

早苗「それじゃあたしはp君と晶葉ちゃんを呼んでくるわね」

P「そういやちひろさんと留美さんはどこに行ったんだ?」

ちひろ「ここにいますよ?」

留美「私もいるわよ」

拓海「いつの間に…」

ちひろ「ちょっと写真を撮りながら回ってたんですよ」

P「後で焼き回ししてもらえますか?」

ちひろ「もちろん♪ そのために撮ってたんですから」

ちひろ(まぁプロデューサーさんと拓海ちゃんの抱き合ってたところも写真に収めてるんですけどね…)

留美(あなた…ホント抜け目がないわね)


早苗「二人とも、そろそろ帰る時間よ?」

晶葉「おお、もうそんな時間か」

p「ねぇみてみてー! すごいでしょ!」

早苗「えっ? これってエッフェル塔!?」

p「がんばってつくったんだよー!」

晶葉「pは本当に手先が器用だな。私もつい夢中になってしまった」

早苗「末恐ろしいわね…」





拓海「くかー…くかー…」

p「すぅ…すぅ…」

晶葉「zzz…zzz…」

P「皆遊び疲れたみたいですね」

留美「p君はともかく晶葉ちゃんまで遊び疲れちゃうなんてね」

早苗「なんだかんだで皆楽しんでたしね♪」

ちひろ「また来年もみんなで行きたいですね」

P「…そうですね」

眠いので今日はここまで
明日には終わるはず。たぶん

>>84
回してどうするんだ……
焼き増しだよ

>>92
焼き回しってあかんの?
皆に渡す的な意味で使わない?

やらかしちゃったので修正
>>84

拓海「ハァ…なんかドッと疲れちまった」ペタン

P「そろそろ日が傾いてきたな。もう着替える準備をしたほうがいいな」

早苗「それじゃあたしはp君と晶葉ちゃんを呼んでくるわね」

P「そういやちひろさんと留美さんはどこに行ったんだ?」

ちひろ「ここにいますよ?」

留美「私もいるわよ」

拓海「いつの間に…」

ちひろ「ちょっと写真を撮りながら回ってたんですよ」

P「後で焼き増ししてもらえますか?」

ちひろ「もちろん♪ そのために撮ってたんですから」

ちひろ(まぁプロデューサーさんと拓海ちゃんの抱き合ってたところも写真に収めてるんですけどね…)

留美(あなた…ホント抜け目がないわね)



デジカメ的にも焼き増しでOKな模様
指摘してくれた>>92 サンクス


―翌週

P「夏祭り、ですか?」

ちひろ「えぇ。もうすぐこの近辺でお祭りがあるんですよ」

P「へぇ。それじゃ、みんなで行きますか?」

ちひろ「私はあいにく出張の時期と重なってるんです。晶葉ちゃんは収録がありますし…だからプロデューサーさん、楽しんできてください」

P「でもちひろさんがいないと事務所が空になっちゃいますね…前は社長が居てくれましたけど」


留美「私が留守番をするわ」

P「留美さん、いいんですか?」

留美「遠慮しなくていいわ。お祭りを楽しんできなさい」

P「それじゃ…お言葉に甘えて」

早苗「あたしはどうしよっかなー?」

P「早苗さんも来ますか?」

留美「早苗さん…あまり向井さんをいじめちゃダメよ?」ボソッ

早苗「大丈夫よ。今回はきっちりアシストするから♪」ボソッ






P「というわけでお祭りに行かないか?」

p「はなびあるの?」

P「あるぞ。ドカーンって大きいのが何発も上がるそうだ」

p「いきたい!」

拓海「なぁ…アタシの浴衣姿って見てぇか?」

P「拓海って浴衣持ってたのか?」


拓海「持ってねえよ。もし見てぇなら…買ってくるけどよ」

P「見たい!」

拓海「即答だな」

P「見たくないわけないだろ? お金は俺が出してやるから」

拓海「いいのか?」

P「拓海のためなら惜しくない」

拓海「…そういうコトを平然と言うんじゃねーよ、ばーか…まぁ、サンキュ」


―当日

P「ここで待ち合わせと言っていたが…」

p「ママたちまだかなー?」

P「もうすぐ来ると思うぞ…あっ」



早苗「おまたせー♪」

拓海「悪ぃな。着付けに時間がかかっちまった」

P「二人とも、とても似合ってるな」

早苗「でしょ? もっとホメてもいいのよ♪」

拓海「そ、そうか?」


P(早苗さんは以前に着ていた黄色の浴衣。拓海は紫色を基調とした紫陽花柄の浴衣だ)

早苗「ほらP君? 拓海ちゃんに言うことは?」

P「拓海…かわいいぞ」

拓海「うるせぇバカ!」カァッ

p「ママかわいい!」

拓海「pまで…お前らいい加減にしろォ!」


拓海「さっさと屋台回るぞォ!」

P「とりあえずお腹空いたから何か食べたい」

早苗「あたしは焼きそばが食べたいわ」

p「ボクわたあめ!」

P「俺お好み焼き!」

拓海「バラバラじゃねーか!」

早苗「あ、でも今言った店固まってあるわね」

拓海「んじゃ行くか…アタシはたこ焼き食いてぇ」


p「あむあむ」フワフワ

早苗「ここの焼きそばはアタリね。うまうま」ズルズル

拓海「………うーん」モキュ…

P「どうした?」

拓海「このたこ焼きあんまウマくねぇな…」

P「よし。それじゃあ俺のフランクフルトを」カチャカチャ

拓海「…根元から食いちぎってやろうかァ?」ニッコリ

P「ぼくのお好み焼きをお食べ」スッ

拓海「はむっ…美味い」


p「あ…」ジーッ

早苗「お? 射撃がやりたいの?」

p「あれ、ほしい…」

早苗「プラモデルかぁ。よーし、お姉さんに任せなさい♪」

P「大丈夫ですか早苗さん?」

早苗「射的は得意分野よ。おじさん、大人一回で♪」

射的屋「あいよ! よく狙ってくんな!」

早苗「ふふ…この感触、懐かしいわね」スチャ

射的屋(お…? 随分構え方がいいな)



パンッ!





早苗「いや~大量大量♪」

拓海「上手いってレベルじゃねーぞ」

早苗「実は一時期屋台荒らしで出禁食らったことあるのよ…」

P「どうりで…こんなに取れるわけだ」

早苗「まぁあの店が良心設定だったってのもあるけどね。はい、p君」スッ

p「わー! 早苗おねえちゃんありがと!」ダキッ

早苗「…P君、ティッシュはあるかしら?」ポタポタ

P「またかよ!?」

早苗「どうもお祭りになるとイロイロ収まりが悪いわね」フキフキ


拓海「久々に祭りなんて来たけど結構楽しいな」

P「拓海はお祭りにはあまり来ないのか?」

拓海「前に対立グループの連中をブッ飛ばして出禁食らったんだよ」

P「それは…ご愁傷様」

早苗「拓海ちゃん? あんまり敵作っちゃダメよ?」

拓海「わかってる、もうやらねーよ。アタシ一人の問題じゃ収まらねえし」


ワーワー!
ヒューヒュー!

拓海「賑やかでいいな」

拓海(でもできればPと…いや、なんでもねぇや」ボソッ

早苗(ふーん…?)



早苗「ねぇp君。ちょっとお姉さんとお店まわろっか?」

p「え? どうしてー?」

早苗「ちょっと拓海ちゃんフラフラするみたいだから。P君は拓海ちゃんについていてくれるみたいだからお姉さんと一緒に行きましょ?」

p「ママ、だいじょうぶ?」

拓海「あ、あぁ…」


拓海「アンタ…いいのか?」ボソッ

早苗「海の時はジャマしちゃったからね。しっかりP君を仕留めなきゃダメよ?」ヒソヒソ

拓海「…すまねえ、恩に切るぜ」

早苗「頑張れ若人♪ さぁp君、行きましょ?」

p「うん!」

ミス
>>109
× 恩に切る
○ 恩に着る

日本語ガバガバすぎて申し訳ない


P「拓海、大丈夫なのか?」

拓海「心配すんな。ありゃ早苗サンが気ぃ使っただけだ」

P「えっ…?」

拓海「二人で回って来いってコトだろ」

P「…悪いことしちゃったな」

拓海「その分楽しまなきゃ失礼だろ。ほら、行こうぜ?」ニカッ

P「そうだな」


拓海「だァァ! 逃げんじゃねェよクソがぁ!」パシャパシャ

P「袖が濡れてるぞー。それっ」ヒョイッ

拓海「なんでそんなに掬えるんだよ…」

P「金魚は追いかけちゃダメだ。来るのを待つんだ」

拓海「待つ、か………キタッ!」ヒョイッ

拓海「!」パァァ

P「だろ?」


拓海「ちょっと人が多くなってきたな」

P「もうすぐ花火の上がる時間だからな」

拓海「…はぐれねェようにしねえとな」



ぎゅっ!

P「…ええっ!?」

拓海「こうすりゃはぐれねぇだろ?」

P「で、でも…」

拓海「ウダウダ言うんじゃねえ! 行くぞオラァ!」

P(手を握るどころか、腕を組んじゃってますけど!? というかたわわなアレが当たってるし!)アワアワ


P「そろそろ花火の時間だな」

拓海「どこで見るんだ?」

P「実は穴場をちひろさんから聞いてきた。なのでそこへ行こう」

拓海「了解」





P「着いた着いた」

拓海「ここは…神社か」

P「ここの神社って割と高い所にあって知られてないらしいんだ」

拓海「確かに誰もいなくて静かだな…」

P「ずっと歩きっぱなしだったからちょっと疲れちゃったな。そこに座ろうよ」

拓海「あぁ、わかった」


拓海「なぁP」

P「どうした?」

拓海「アタシはPに会えてホントに良かったと思ってる。女らしさも身に着いたし、血生臭ぇ毎日からも抜け出せた」

P「…それは拓海の努力があったからだろ」

拓海「それでも! アンタに会えなきゃ何も変わらなかった。アンタがアタシの支えなんだ」

P「拓海…」

拓海「だから、その…」




拓海「こ、これからも…アタシの傍に居てくれるか…?」




P「…添い遂げるよ。一生かけて」

拓海「!」

P「………」ギュッ

拓海(Pの顔が、近づいて―)




ひゅーっ…ぱんっ!

どーん! ぱんぱんっ!

早苗「たーまやー!」

p「うわー! すごいすごい!」

早苗「ここの花火はホント凄いでしょ?」

p「うん!」

早苗(大丈夫かな…拓海ちゃん)




拓海「………あぅ」カァァ

P「…………」カァァ

P(つ、ついに拓海と…してしまった)

P「そ、そろそろ戻るか?」

拓海「そ、そぉだな! もう花火も終わったみてぇだし!」


早苗「さぁ帰りましょうか♪」

拓海「……おう」プイッ

P「そ、そうですね…」プイッ

早苗「………んー?」

早苗(二人が顔を赤らめてる…これは成功したかな♪)


早苗「ねぇ拓海ちゃん、上手くいった?」

拓海「………」コクッ

早苗「んふふ~おめでと♪」ナデナデ

拓海「あ、ありがとな…」

p「? ママなにかあったの?」

早苗「んーちょっとイイコトがあったみたいよ♪」

p「ママよかったねー!」

拓海「お、おう…」カァァ

早苗「さぁ事務所に帰りましょうか。留美ちゃんにお土産も買ったし♪」





コポコポ…

留美「ふぅ…思った以上に暇だわ」ズズ…

留美(これなら私もお祭りに行きたかったわ…)



バチッ…バチバチッ…
バチチチッ…

留美「ん? 何か電気の音がしたような…」


バチチチッ!
バチッ…バチバチッ

留美「なにこれ…空間が歪んで…!?」



バリッ…バリバリ…
ピシャアアアアン!

留美「ひゃあああああっ! な、何が起こったの…?」




「ほう、ずいぶんと懐かしい場所に出たな」




留美「あ、貴女は一体誰なの?」

??「おっと失礼。この時代の私より背が伸びたからわからなかったか」

留美「えっ…?」

??「私は君の知ってる人間だぞ?」

留美「えっ? ………! そ、そんな、まさか…」

??「どうやら気づいたようだな」


留美「晶葉ちゃん…なの?」



池袋「そう、私は未来から来た池袋晶葉だ。池袋博士と呼んでくれたまえ」





<ガチャ

早苗「ただいまー!」

P「留美さん、留守番任せてすみま…」ピタッ

拓海「あん? どうしたP……あ?」



p「晶葉おねーちゃん!」

池袋「会いたかったぞp…」


p「あれ? でも晶葉おねーちゃんはもっと小さかったよ?」

池袋「それは過去の私だ」

p「???」キョトン

池袋「簡単に言うと、お前は過去に来てしまったのだ」

p「かこ?」

池袋「そう…お前は誤って私の失敗作を作動させ、昔の時代に飛ばされてしまったのだ」


P「晶葉…なのか?」

池袋「そうだ。P、このたびは私のせいで混乱を招いたことを謝る」

P「全部、説明してもらえるか?」

池袋「あぁ」


池袋「そもそものきっかけは私がPの妻になれなかったことだ」

P「えっ…」

池袋「未来のPは向井拓海と添い遂げ、pを授かった。私はそれが羨ましくあり、妬ましくもあった」

拓海「だからって…タイムマシンを作ったってのか!?」

池袋「過去に戻ればPが私を選んでくれるかもしれない。最低限チャンスは作れる。そう思って制作に取り掛かり、過去に遡る機械を作った」



池袋「だが私は途中で制作を放棄した」

拓海「えっ?」


池袋「過去に戻ればすべてをやり直すことになる」

P「そうだな。全てをリセットするようなもんだな」

池袋「すべてをリセット…それは今までの過去をすべて拒絶することと同義だ」

拓海「!」

池袋「私はこの事務所で過ごした時間は宝だと思っている。それを捨ててまでやるべきことなのか…私にはできなかった」


P「でもここに晶葉がいるってことは、タイムマシンを完成させたってことだよな?」

池袋「…pが過去に飛ばされたことは私の責任だ。何としてでも助けたかった」

拓海「晶葉…」

池袋「これは執念の結果だ。pのためなら何でもできるといっても過言ではない」

早苗「愛の成せる業ってところかしら?」

池袋「確かに愛だな。pへの…いや、この親子への愛だ」

P「………そうか」



留美「話を切って悪いけど、ここにあなたが来たってことはもうお別れの時間ってわけかしら?」




池袋「ああ。悪いがpを連れて帰らせてもらう」




P「わかっていたけどそういうことだよな…」

池袋「私たちがこの時代に留まり続けることによってどんな悪影響が出るかは想定出来ん。だからこそ早く離れるべきだと思ってる」

早苗「本来なら出会うことは絶対にないものね」

池袋「過去を改変すること自体、本来はタブーだ。それを犯そうとした私が言えることではないが」

留美「もう猶予はないのかしら?」

池袋「名残惜しさはあるだろうが少しでも早くここを離れるのが望ましいだろう」


池袋「さぁp、未来へ帰るぞ」

p「やだ! ママとわかれるのはやだ!」

池袋「それは過去のママだ。未来にもママはいる」

p「うぅぅ…うわぁぁぁん!」

留美(一時的とはいえ、親子のように過ごした。別れるともなれば泣きたくもなるわね…)


拓海「p」

p「ママ、やだよぉ。いきたくないよ!」



ぎゅっ…

p「ママ…?」

拓海「ちょっとの間離れるだけだ。またすぐに会える」

p「ほんと? うそつかない?」

拓海「アタシはウソはつかねぇ。約束だ」ニコッ

P(拓海…)

留美(本当の母親みたい…いや、本当の母親の顔になったわね)


p「わかった。ママ、やくそくだよ!」

拓海「あぁ…それと、晶葉」

池袋「どうした?」

拓海「…またな」

池袋「…ああ、またな。Pを放すなよ…絶対に」

拓海「放さねぇよ、絶対な」ニッ

池袋「良い顔だ…では、さらばだ!」




ジジジジッ…ブツン




拓海(こうして、アタシの奇妙な体験は幕を閉じた)

拓海(未来から息子がやってきた。理解しがたい事実と、確かに息子がいたという現実が残った)

拓海(約束…絶対守らねぇとな)









「くっ、うぐぁぁっ!」

「向井さん、頑張って!」

「頭が見えてきましたよ!」

「うっ、がァァァ!」



オギャァ…オギャァ…


「おめでとうございます! 元気な男の子ですよ!」

「頑張りましたね!」

「向井さん、大丈夫ですか?」

「ハァ、ハァ…アタシをナメんじゃねえよ」

「えらいぞ拓海! グスッ…よく頑張った!」


「疲れたけど…まだやることが残ってっからな。すまねぇ、ちょっとコッチによこしてくれるか?」

「はい、どうぞ!」



「おかえり、p」



おわり。

未来から息子がやってくる設定で書きたかったんや
ところどころ日本語おかしくて後免

見てくれた人はありがとう。

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