穂乃果「真夏の夜のエリーチカ」 (35)

絵里「.....」カリカリカリ

絵里「.....」カリカリカリ

絵里「...ふう」カリカリカリ

タッタッタッタッタ

穂乃果「うわあああああああ!!!!」ドアバーーーン

絵里「いやああああああっ!!?」

穂乃果「あれ!?生徒会室開いてる!!よかったー!!」

穂乃果「あっ絵里ちゃんだー!
なんでこんな時間なのに学校いるの!?」

絵里「ナンナノ....」シクシク

穂乃果「あ、これガチ泣きだ」


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穂乃果「ごめんごめんごめんよー。
穂乃果ここに忘れ物しちゃって、閉まっちゃうといけないから急いでたんだよ~」

絵里「もう...ドアは静かに開けてよぉ....」

穂乃果「ごーめーんってー。
ところで絵里ちゃんこそ何やってたの?お仕事?」

絵里「え?ああ、違うわ。これはね、数独よ。」

穂乃果「...絵里ちゃんこんな時間まで遊んでたの?」

絵里「ちょっと夢中になっちゃって」

穂乃果「数学のゲームにこんなにのめりこむなんて穂乃果には理解できないよ....」

絵里「帰らないというか、帰れないっていうのが本音なんだけどね」

穂乃果「帰れない?絵里ちゃんお母さんと喧嘩でもしちゃったの?」

絵里「うーんまあ、そんなとこね」

穂乃果「でも最終下校過ぎてるし、ダメだよー絵里ちゃーん。」

絵里「まあいいじゃないの」

穂乃果「なんか今日の絵里ちゃんは適当だね...」

絵里「そうかしら」キリチカ

穂乃果「顔だけキリッとしても騙されないよ!!」

穂乃果「まあいいや。穂乃果帰るね」

絵里「えっ」

穂乃果「ばいばーい」

絵里「ちょっ、ちょちょちょ!
ちょ!!」ガシッ

穂乃果「何!?どうしたの!?」

絵里「ちょっちょっちょっ!!」ウルウル

穂乃果「ちょっだけじゃわかんないよーーーー!!!」

絵里「か、帰らないでよぉ!!」


穂乃果「あ、そうか!絵里ちゃん喧嘩して家に帰れないんだったね!!」

穂乃果「じゃあうちに泊まっていけばいいんだよ!」

絵里「それも無理よ!」

穂乃果「遠慮しなくていいよ!」

絵里「遠慮してないわよ!」

穂乃果「今日の絵里ちゃんなんか変だよ!!」

絵里「とにかくあとちょっとだけ一緒にいてよ!!」

穂乃果「なにそれ、イミワカンナイ...」

絵里「ちょっと一緒にいてくれればあたしもすぐ帰るから、ね?」

穂乃果「変な絵里ちゃん。でも絵里ちゃんがずっと数独やってるの見てるだけなんて穂乃果ヒマだよ!」

絵里ちゃん「じゃああたしが穂乃果を退屈させないようにお話ししてあげるわ!」

穂乃果「いよいよ趣旨が分からなくなってきたよ....」

絵里「実はね、あたし!霊感があるのよっ!」フフン

穂乃果「嘘だー」

絵里「嘘じゃないわぁ!幽霊とか見えちゃうんだから!」

穂乃果「えー、こんなに怖がりの絵里ちゃんに霊感あるとは思えないけど...」

絵里「そんなに言うなら穂乃果」

絵里「霊感占いしてあげようか?」

穂乃果「占い....?」


絵里「そう!霊感を使って穂乃果のことが分かっちゃうのよ!すごいでしょ!」

穂乃果「う、胡散臭い。
そういうのは希ちゃんのポジションだよ!」

絵里「あたしの霊感占いはその希のよりもすごいわよ。スピリタスよ」

穂乃果「スピリチュアルだよ...。スピリタスはお酒だよ」

絵里「とにかくホーラ、あたしの前に座んなさいって」

穂乃果「もー」


絵里「ふむふむ、穂乃果は長女ね。妹が一人いるわ。」

穂乃果「当たってるけどそれもう周知の事実だよね」

絵里「バストサイズは....80前後...」

穂乃果「霊感じゃないよね視覚使ってるよね」

絵里「あと最近体重が気になっている!!」

穂乃果「だからそれも視覚でしょおおお!!!あってるけどさあああ!!!」

穂乃果「これセクハラだよ!!霊感セクハラ!!」

絵里「ご、ごめんなさい!次はじゃあ内面的なところいくわね!」

穂乃果「嫌だなあ...」


絵里「ん、穂乃果最近悩みがあるのね」

穂乃果「まあ、あるといえば」

絵里「これは...恋の悩みかしら?」

穂乃果「!!!」
穂乃果「ど、どうだろう....?」

絵里「なんか穂乃果、迷ってるみたいね。片方は、情熱的だけどどこか繊細で、力強く穂乃果を受け入れてくれる」

「もう片方はふわふわしているけどどこか強かで、優しく穂乃果を受け入れてくれる」

穂乃果「も、もうヤメテ....」

絵里「顔真っ赤ね!当たった?当たったでしょ!」

穂乃果「今日の絵里ちゃんデリカシーまったくないね....」


絵里「まああたしはそんな二人のことなんて知らないからなんとも言えないけどーぉ」

穂乃果「絵里ちゃんの意地悪...。」

穂乃果「結局霊感関係ないじゃん」

絵里「じゃああたしがこの強い霊感のために体験してしまった怖い話でもしましょうか....?」

穂乃果「やだよ....」

絵里「お~、恐れ慄いているわね。
もっと嫌がりなさい!!」

穂乃果「いや、絵里ちゃんの話絶対怖くないから嫌なんだよ....」

絵里「そんなバカな!!」


穂乃果「それにさ、穂乃果も希ちゃんに霊感つよいって言われたことあるんだよね。そういう人たちが集まって怖い話してると実際に集まって来ちゃうってよく聞かない?」

絵里「これは私の家で起こった話よ....」

穂乃果「今日の絵里ちゃん本当話聞かないね!!」

絵里「妹がお風呂に入ってた時。私はリビングでテレビを見てたわ。面白いやつ」

穂乃果「テレビの内容とかどうでもいいよ....!!!」

絵里「いきなりお風呂から悲鳴が聞こえたの!妹に違いないわ!と思って駆けつけたらね、妹が震えながら湯船を指差してるのよ」

穂乃果「へ、へえ....」

絵里「覗いてみたらなんとそこにはね
ゴキブリ!ゴキブリが5匹!蠢いていたのよ!」

穂乃果「う、ウワアアアーーー!!!」

絵里「イヤーーーー!!!」

穂乃果「それはちょっと怖ーい!!!」

絵里「でっしょおー?すっごい鳥肌たったもの、5匹よ5匹!」

穂乃果「うん、すごい怖いけど霊感関係ないじゃんっ!!!!!!!!!」


絵里「でも怖かったでしょ?」

穂乃果「怖かったし絵里ちゃんにしては上手く話せてたけど、霊感...」

穂乃果「よし、もういい!今度は穂乃果が怖がらせてあげるよ!!」

絵里「おっ、やる気ね!私はいつでも霊感ビンビンよ!」

穂乃果「テキトー言わないでよ!」

穂乃果「では絵里ちゃん!目を閉じて自宅の玄関を思い出してください」

絵里「ふむふむ」

穂乃果「そして、そこから家の中に入って行って、部屋をひとつづーつ見て周るの。」

絵里「穂乃果、妹の部屋には入ってもいいのかしら。怒られるかも
穂乃果「入っていいよ!!!」

絵里「終わったわ。全部の部屋を見て回ったわよ。」

穂乃果「ふふふ、絵里ちゃん、家の中を見て回ってる時、自分意外に誰かいた?」

絵里「え、いたけど?」

穂乃果「それはね、実際に絵里の家にいる幽霊なんだよおおおお!!!!」

絵里「全部やっつけながら歩いてしまってたわ....」

穂乃果「そういうんじゃないから!!!!!!」

絵里「妹の部屋に不審者がいたんだもの....」

穂乃果「なんで想像のなかでは頼りがいがあるの!!想像のなかだからか!!!」

絵里「ふう、よし、もう帰ってもいいわよ穂乃果」

穂乃果「えっ、ああ、絵里ちゃん満足したんだね!」

絵里「うん。もう家に帰れそうだし!」

穂乃果「基準が分からないよ....」

絵里「穂乃果と話すのが楽しかったから家に帰れるのよ。ありがとね。」

穂乃果「? まあいいや」

穂乃果「絵里ちゃん途中まで道一緒だよね!一緒に帰ろう!」

絵里「あー、私は生徒会室の鍵を返した後に校内見回ってから帰るから、穂乃果は先に帰ってて?もう遅いし」

穂乃果「なんか急にしっかりしたね」

絵里「生徒会室だもの」

穂乃果「わかった!じゃあね絵里ちゃん!」

絵里「あっ、穂乃果」

穂乃果「なあに?」

絵里「あなたって本当に霊感強いのね」

穂乃果「え?どゆこと?」

絵里「なんでもないわ、さよなら」

穂乃果「ばいばい!」

×生徒会室だもの

○生徒会長だもの

穂乃果「うわーもうこんな時間だー。
校内とか真っ暗なんだろうなー」

穂乃果「絵里ちゃんよく一人で見回りなんかできるなあ」

穂乃果「.....」

穂乃果「....」タラタラ

穂乃果「で」

穂乃果「できるわけないっ!!!!!」

穂乃果「あの絵里ちゃんが一人で見回りとかできるわけないじゃん!!!つよがってたんだきっと!!」

穂乃果「どうしよう急に心配になってきた!今頃校舎で泣いてるかも....!!!」

穂乃果「電話...!!!電話してあげなきゃ...!!!」


prrrrrr....

ガチャ

絵里「はい絢瀬です」

穂乃果「えええ絵里ちゃん!!!大丈夫!?怖くない!?」

絵里「あら穂乃果?どうしたのこんな時間に」

穂乃果「絵里ちゃんごめんね一人で置いて行っちゃって!!絵里ちゃんが暗いところ怖いの知ってたはずなのに!」

絵里「えっと穂乃果?話が見えないわ一旦落ち着きましょう」

穂乃果「分かった落ち着こう。今から穂乃果迎えに行くから、絵里ちゃん今どこにいいるの?」

絵里「自宅よ」

穂乃果「....え?」

穂乃果「...帰るのはやくない?」

絵里「え?いやまあ確かに今日は学校終わってからすぐ家に帰ったけど...」

穂乃果「.....(え、じゃあ今まで穂乃果が話してた絵里ちゃんは....)」


家に帰らないっていうか、帰れないのよ

あたし霊感あるのよ!

穂乃果は本当に霊感が強いのね


穂乃果「....絵里ちゃんじゃ...なかったの....?」ダラダラ

絵里「穂乃果?穂乃果大丈夫!?」

絵里「穂乃果ーーーー!!!」


希「あー、有名よね。生徒会室のオバケの話は。え?穂乃果ちゃん今日おやすみなん?あはは、相当メンタルやられてるんやな」

希「いや、大丈夫よ。
あのオバケはなんか害を与える類のやつやないし。ただ、穂乃果ちゃん霊感が強いから見えて、しかも話せてしまったんやろなあ」

希「えりちの格好した幽霊さんとかウチも会うてみたいわー!」

希「うん?いや、もう気配は感じないな。ここに縛り付けられて成仏できないかんじやったけど、穂乃果ちゃんと話してたら上手く成仏できたみたいやね」

希「さっすが穂乃果ちゃんやなあ。
幽霊さんにも好かれてしまうなんて敵わんわー本当」クスクス

希「え?いやいや、彼女はいないみたいやけど、エリチの後ろに3人くらいおるでまだ....振り向いちゃああかんよ....」

絵里「キャアアアアアア!!!!祓って!!祓って祓ってよー!希ぃぃぃいいいいいい!!!」

希「嘘やってーー!!
えりち本当ビビりやなあー!」

絵里「希ーーーー!!!」

希「きゃあーーー♪」



ーおしまいー

ちょっと怖い話書こうと思いました。
ポンコツと賢さの切り替えは難しいですね。
ありがとうございました。

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