貴音「桃李 春風 一杯の酒」 (17)

注意:登場人物は成人しています。



ゴトリ

貴音「月に照らされし桃李が仄かに光を放ち、幻想的な雰囲気を醸し出してます。」

響「ねぇ、貴音。この時期ってどっちかというと夜桜だと思うんだけど……。」

貴音「時に趣向を変えて花を堪能する。それもまた興ですよ。」

響「そういうものなんだね……。で。」



あずさ「あら、どうしたの響ちゃん。」

響「その両手に持っている袋は何?」

あずさ「何って……お酒よ。」

響「分かってるさ。自分が聞いてるのは一杯に膨らんだ袋に一体どれだけお酒が入ってるのかってことさ!」

あずさ「そうねぇ…、缶チューハイが20と…」

響「あー、やっぱり聞くのやめるさ。」

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貴音「響、夜桜を見つつ嗜むお酒は真に美味なるものです。」

響「それは…知ってるさ。貴音に教えてもらったから。」


貴音「さらに日本には桜梅桃李という言葉が存在するほど、4つは味わいが異なるものです。」

響「うん。」

貴音「夜桜で一杯が最高であれば、残り3つも最高でございましょう。」

響「そのりくつはおかしい。なら、昼でもいいじゃない!」


あずさ「だめよ、夜桜は最高と貴音ちゃんが言っているんだから。残り三つも夜にみる事が前提よ。」

響「むぅ……。」


あずさ「そういうわけで、飲みましょう。響ちゃん、貴音ちゃん。」プシュッ!

響「さっそく缶を開けた!」

貴音「そうです、桃李の匂いも十分に堪能しながら善き飲酒としましょう。」ポンッ!


響「あれ! 貴音何時の間に一升瓶を開けたの!ってか、何処から出したの。」

貴音「どこ…とは不可思議な事を言いますね響。」



>>1

ゴトリ

貴音「月に照らされし桃李が仄かに光を放ち、幻想的な雰囲気を醸し出してます。」

響「ねぇ、貴音。この時期ってどっちかというと夜桜だと思うんだけど……。」

貴音「時に趣向を変えて花を堪能する。それもまた興ですよ。」

>>1


貴音「冒頭の『ゴトリ』という音があるではないですか。」

響「」


あずさ「あー、外で飲むお酒は最高よぉ。」グビグビ

響「あー、あずささんお酒弱いのにそんな勢いよく飲んで……。」

響「大丈夫かな……。」



貴音「あずさは大人です。己の分を弁えられますよ。」

響「本当かなぁ……、昔プロデューサー宅で飲み過ぎて解放されたって聞いたけどなぁ。」

響「雪歩がボソッと恐ろしい事言ってた時だったさ。」

あずさ「ああ、あったわねぇ。そんな事が。」グビグビゴクゴク

あずさ「プッハー!」



響「…貴音、やっぱり無理じゃないかな?」

響「あずささんのファンがうっかり見聞したら卒倒しそうだよ。」

貴音「……。」



貴音「姦しきもまた日本の物見文化。」

響「あずささんが一人はしゃいでるだけにしか見えないんだけど……。」








貴音「気分がよくなってきましたね。」

響「この獺祭(だっさい)ってお酒美味しいね。」

貴音「香りも然ることながら、口に広がる味と飲み易さ。」


響「思わず、何倍も飲んでしまいそう。」

貴音「蟹酒の悲劇を……しかと思い出して下さいね。」

響「ううっ……あの悲劇は二度も起こさないさ。」


あずさ「蟹酒?」

貴音「はい、昔間人という所で蟹を堪能していた時に……」

響「うわわっ!ストップ!ストップ!」




あずさ「あははっ、そんな事が。」

響「もう……ひどいぞ貴音。」

貴音「ふふっ。可愛いですよ、あたふたした響も。」

響「なっ/// そんなこと言っても許さないさ///」ポカリ


あずさ「あらあら、だめよ暴力は。」

あずさ「それに、お酒は飲んでも呑まれない様にね。」

響「あずささんには言われたくない気がするさ。」



ヒュウウウウウ


響「風…結構強いね。」

貴音「花弁もよくよく空に舞ってます。」

あずさ「今日来てよかったって感じね。」



響「……貴音。」

貴音「はい。」

響「さっきのお酒、もう一杯いいかな?」

貴音「ええ、勿論。」


トクトク


響「」コク...コク



あずさ「わたしも!」

貴音「どうぞ。」トクトク




ヒュウウウウウウウウ


響「あっ!」

貴音「どうしましたか?響。」

響「みて! お酒が月を映してる!」

貴音「ふふっ、本当ですね。」

あずさ「一足早いお月見ね。じゃあ私は。」


ヒュウウウウウウ


あずさ「えいっ!」

響「?」


あずさ「ホラみて二人とも。」

響「あっ、花びらが!」

貴音「ほう、これも美しい。」


あずさ「ふふっ。いただきまぁす」コクコク



響「さすが、あずささん。」

響「持って生まれたものをフル活用して、この花見を恣(ホシイママ)にしてる。」


?「呼んだ?」


響・貴音「!?」

美希「ホシイって呼んだ?」

響「み…美希!」


美希「って、ミキを仲間外れにしてるの!」

響「携帯の電源切った美希が悪いじゃんか!」

美希「えっ。ミキそんなの……あっ!」



美希「ミキ、電池切れだって電源つけずに充電したの忘れてた。」

響「しらないよ!」


あずさ「まぁまぁ。お酒ならまだ少し残ってるから……ね。」

美希「わぁい!あずさ大好きなの!」


響「ハァ、また喧しくなるぞ。」

貴音「美希を誘っておいてですか?」

貴音「こうなるのは…」

響「うん、分かって言ってるさ。」



響「だって、なんやかんや。」

響「こんな雰囲気が大好きだから。」


貴音「………。」

貴音「フフッ、そうですね。」




貴音「……と、言うわけで次の一本もあけましょう。」

響「えっ!」


ストン


貴音「えー、こちらは偶然入った酒屋に売っていた赤兎馬の紫です。」

あずさ・美希「ワー!キャー!」

貴音「真珍しい焼酎です。まずは軽くストレートで楽しみましょう。」


響「……貴音?」

貴音「はい。」

響「貴音……自制する気ある?」

貴音「何と言ったって、あしたは『おふ』ですから。」

響「さっき、己の分を弁えてる云々言ったのはだれ!」

貴音「自分は弁えると言った覚えはございません。」キリッ



ヤッター、サイコーナノ!!


響「だめだコイツら、早くなんとかしないと……。」






─ 次の日 ─


響宅


あずさ「う、うーん。」

美希「の……飲み過ぎたのぉ。」

貴音「響ぃ……響ぃ……。」


響「……自業自得さ!」トントン


美希「そんなこと言いながら、朝ごはん作ってくれる響大好きなの!」

響「う…嬉しくなんかないんだからねッ///!」





美希「ミキ、おみそ汁はあさりが入ってると嬉しいのぉ……」

美希「あとおにぎり」


響「ない!」









おしまい。

ヤマもオチもないよ。
ただ、皆飲酒するだけ。

ただ、登場キャラが楽しく飲んでいる様に書けられてるならばこれ幸い。

伊織「君に勧む 更に尽くせ一杯の酒」
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一応前に書いた作品です

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