ナルト「謎の隠れ里の調査?」 (137)

綱手「ああ。戦争が終わって世界も落ち着きはじめたとはいえ、逆にそれを期に妙な動きを始めた連中も少なくなくてな――」


【!】CAUTION【!】
※ご都合主義
※戦争はナルスト3で終わりました
※よってサスケェはいないしトビはトビのまんま暗躍中だしネジは死んでない
※みんなナルスト3までのスペック
※勝手設定勝手キャラいっぱい
※地の文入りまくる

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404372382

【Ⅰ】

木々の大半が色付き、一部では葉の衣を落とす姿も見られる今日この頃。
ナルトとサクラの二人は、任務召集ということで、綱手の前にやって来ていたのであった。


綱手「今回掴んだ情報は、火の国と風の国の境あたりで、見たことのない額当てを着けた忍が何人かに目撃されているというものだ」

綱手「今のところ害をなしてはないが、これから先何をしだすかわからん。出来るだけ早めに摘発して警告をなすべきだと考えている。……場所も場所だからな」

サクラ「そんな動きがあったんですね……」

ナルト「……でー、その謎の里ってどこ?」

綱手「それを探してもらうのが今回の任務だ」

ナルト「ふーーん…………










……………え?」

ナルト「……今何て?探す?具体的にどこにあるのかわかってねーのか?」

綱手「見当はついているんだが……目撃されるのは忍ばかりで、里らしきものを見つけたという報告は未だに入っていない」

綱手「……それに、偶然奴らに遭遇した者が追尾をはかったが、ほんの一瞬の間に見逃してしまったというのだ。それこそ、始めから何も追いかけていなかったかのように……」


ナルトは『アレ』が大の苦手だということは、周知の事実である。

今に震えだすぞ。突拍子もないことを言いだすぞ。こいつ。
……と綱手が思っているのは、その少し吊り上がった口角を見れば誰の目にも明らかであった。

ナルト「」カタカタカタカタカタ

ナルト「え……っと……」

ナルト「……やめにしよ!な!バアちゃん!」アセアセ

サクラ「ちょっとアンタ、何突然言い出し――」

ナルト「ほらァ!それってつまりオバケの可能性大じゃねーか!?ぜってー!ただの!オバケ!……だとしたら調査する必要性なんて全然な――」

サクラ「るっさい!」ゴツン

ナルト「ってえ!」プスプス

綱手「安心しろナルト。ほとんどは相手の術によるものとわかっている。シズネ?」

シズネ「はい」コトリ

綱手「……」パラリ

シズネが置いた巻物にかかれた地図の、丸で囲われた部分を指でつつきながら綱手は続ける。


綱手「このあたりが多く目撃情報が寄せられた場所だ」トントン

綱手「そして、それらの情報を総合して割り出した敵の本拠地がここだ」クルクル

ナルト「ちょっと木が多く茂ってるだけじゃねーか。とてもこんな所に里なんてあるとは思えねーけど」プシュウ

綱手「……ここにあると考えられているのは時空間忍術の術式だ」

サクラ「そうか……!それなら合点がいきますね……!」

綱手「だが前述した通り、そこに行った者は皆、気付かぬうちに奴らに翻弄され、何も得られずに帰ってきている」

サクラ「幻術……ですか?」

綱手「おそらくそうだろうと思われている。だが奴らの術は思っている以上に強力だ。これまでに何人か幻術に強いタイプの忍を派遣したが、どれも失敗に終わっている」



サクラ「え……それじゃあ何で私が……」

綱手「医療忍術の陰に隠れがちだが、お前の幻術の才能は目を見張るものだ。先の大戦が終わった後、各里の取り組みとして各自にやらせたテストだが、お前の幻術適応レベルは他の追随を許さないといった具合のものだった……思わず感激したね!あの時は」

ナルト「あのさ……じゃあオレは何で?」


興味津々といった様子でナルトが身を乗り出してくるが、いささか、怪訝そうな表情をしているようにも見えた。


綱手「お前には九喇嘛がいる。故に幻術には強いはずだ。それに、万が一の戦力としての意味合い、さらには、サクラのフォローに最も向いた忍でもあるという点を踏まえてだ」

綱手「……もちろん逆もだがな」

ナルト「えっと……あー……そう……?そんな自覚全然無かったってばよ」ポリポリ

サクラ(こいつとのフォロー相性……ねぇ)

綱手「ともかくだ。二人で互いに協力しあいながら、時空間忍術の術式を見つけてこい。できればその謎の忍に警告の言伝てをしてもいい。それから、今回は二人一組だが便宜上、隊長はサクラ。いいな!」

サクラ「了解!」

ナルト「オッス!」

――こうして、二人は国境付近へと旅立った。

木ノ葉の森を駆けているときからずっと、人ではない何かにつけられていることなどに気づくこともなく――

ナルスト3はゲームのナルティメットストーム3っす

これのEDは

五影VSマダラ→マダラ逃亡

ナルトVS尾獣&トビ→トビ素顔さらさずに逃亡

なのでSS書くのに都合がいいんす

つまり都合っす

続き




【Ⅱ】

~火の国西部~


サクラ「もうすぐ森を抜けるわ。気を引き締めて!」シュッ

ナルト「ああ……!」シュッ


ザッ!!


視界いっぱいに光が溢れる。
目が光に慣れた次の瞬間、視界に飛び込んできたのは――

サクラ「………!?」

サクラ「……どうして!?ここはまだ目的地より大分遠いハズ……!」

謎の忍A「ククク……」

謎の忍B(こいつらは木ノ葉の忍。そして情報に間違いが無ければ……)

謎の忍C(……あのオレンジが九尾の人柱力)

ナルト「見たことない額当て……こいつらがバアちゃんの言ってた?」

サクラ「……そうらしいわね……しかも……」

ナルト「ああ……あの連れの化け物、ニオイも気配も全く感じないってばよ……」

現在の二人の状況はこうだ。

背中合わせに立つナルトとサクラ。

そしてその周りを囲む、三人の謎の忍と、ざっと二桁はいそうな異形の化け物たち。

狼なのか、蛙なのか、蛇なのか、馬なのか、はたまた鬼なのか分からないその化け物たちは、文字通りこの世のものではないといった雰囲気を纏っていた。
いや、その『雰囲気』すら存在しないというほうが正しいのかもしれない。

このような予想外を相手に、冷や汗をかきながら、しかし落ち着いた様子で二人は小声で話し合う。

どんな化け物かは想像にお任せするっす

サクラ「……どうする?」

ナルト「今すぐ襲ってきそうな感じはねーけど……数がな……」

サクラ「そうね……でも私たちも、現段階ではあくまで警告をしにきただけだから……」

ナルト「少し話してみるか?」

サクラ「……そうね。事はできるだけ穏便に済ませましょう」


少しだけ肩の力を抜いて、サクラが一本前に出る。


サクラ「あの――」

瞬間、二人が背を離すのを待っていたかのように、化け物の一匹がすかさず二人の間に割入り、結界の壁へと姿形を変えて二人を完全に引き離した。


ナルト「!!――サクラちゃん!!」

サクラ「っ……!!始めからこれが狙いだったの……!?」

謎の忍A「おとなしくするんだな木ノ葉の忍ィ!!」

ナルト「てめ……――」

サクラ「……なーんて!この程度でビビると思ったら大間違いよ!しゃーーーんなろぉぉおお!!」タッ


ドゴオオォン!!


拳を叩き込んだ点を中心とした、半径数メートルの地面に亀裂が走る。

ナルト「あー…やっぱそうですよねー……じゃなくて!こうなったらこっちも仕方ねーってばよ!九喇嘛!」チリッ

九喇嘛《気をつけろナルト!あの化け物、このモードでも感知できんぞ!》

ナルト「ああ!わかってる――」

ナルト「――ってばよぉお!!」ヒュツ


目の前の敵に、高速で体当たりを喰らわせる。ようにしたはずだったのだが、何故か、ナルトの体は相手をすり抜けてしまった。

ナルト「何で……!!」

九喇嘛《……まさか!!》

ナルト「え……!?」

謎の忍B「クク……いまさら気づいたか、この愚か者め!!」

謎の忍C「この虚魔狗が壁を作ったときから、お前らはすでに幻術の中にいんだよ!!」

それはサクラの方でも同様だった。


サクラ「え……無傷……!?」


サクラ渾身の一発から逃げるそぶりも見せなかったくせに、以前と変わらぬ様子で、数メートル離れたところにその忍は立っていた。

どうやら、異形の化け物は壁だけでなく、幻術を帯びた霧にも姿を変えていたようだ。

九喇嘛《ナルト!今解いてやる!》

謎の忍C「遅い!」

ナルト「!!」

九喇嘛のおかげで幻術は解けたものの、ナルトが反応するより速く、地面からコマイヌ(というらしい)が太いロープ上に変化したものが出現し、たちまち四肢を拘束してしまった。


ナルト「くそっ……!」


チャクラの腕でどうにかほどこうとするが、ほどなく別のコマイヌが全身に巻き付き、さらには足に噛み付いて何かを注入したらしく、とうとう身体に力が入らなくなってしまった。


ナルト「く…そ………が……」

謎の忍B「あとはこれで!」


謎の忍の右手の指に、火・水・土・雷・風の五字が浮かび上がる。
そして、ナルトの腹に、指を食い込ませるようにして突きを入れた。


ナルト「ぐっ………!」ドサッ

サクラ「ナルト!!……あっ!」ドッ


力無く地面に倒れ込むナルト。
ずっとナルトを気にしながら戦っていたサクラも、一瞬の隙を突かれて首筋に手刀を入れられ、その場に倒れ込んでしまった。



【Ⅲ】

ナルトが目を覚ましたのは、暗い地下牢の中だった。


ナルト「っつ……何だここ……地下牢?」

ナルト「……知らねー造りだな」キョロキョロ

ナルト「……ってことはまさか……ここは例の謎の里……?」

ナルト「…………」

ナルト「……捕まったのかァ……オレってば」ハァ

ナルト「………」







ナルト「……………」







ナルト「…………………」







ナルト「…………………………………よし」

ナルト「床掘ってみるか」

九喇嘛《おい》

ナルト「ナントカって映画でもやってたしな……うまくいきゃ直接外に逃げれるはずだ」クナイガリガリ

謎の忍D「こ、こいつ!何を!やめろ!ハッ!」


生憎、床を掘りはじめたその瞬間に、見回りの忍が来てしまった。
焦った見回りの忍が掌を突き出すと、ナルトの体は何かに突き飛ばされたかのように、奥の壁に激突した。


ナルト「うわっ!?」ドスン

ナルト「っつ……てめぇら……!何が目的だ!オレを捕まえて、何を――」

謎の忍D「いいからおとなしくしてろ!封!」


ナルトの言葉には反応しようともせず、見回りの忍が印を組んだ。
すると、壁が硬い石質に変化し、クナイで叩いても傷一つつかないようになってしまった。

ナルト「くっそ……」ドサッ


ポロッ


ナルト「……ん?」

見回りがいなくなった後、ナルトがもたれ掛かったのは、格子の端あたりだった。
やけに音の響きが軽いことに気がつき、肘で軽く小突いてみる。


ポロポロポロポロ

ナルト「ラッキー!周りを強固にしたってここの建て付けが悪いんじゃ意味ねーじゃん!」

ナルト「せーのぉ!」タタッ


ドオオオン


一思いに体当たりを喰らわせる。
思った通り、身体は牢の外へと転がり出た。


ナルト「よし……とにかく外だ!!」ダッ



~一方その頃、木ノ葉~


サクラ「綱手様!例のコマイヌが逃げ出しました!」

綱手「何だと!?くそ、ナルトもまだ見つかってないってのに……」

綱手「捜索の重要な手掛かりだ!何としても捕まえろ!」

サクラ「はい!」タタタ


ガチャン

綱手(よりによってこんなにも不運が重なるとはな……)

綱手(サクラが、敵が使っていたという化け物を持ち帰ったのは良かったとして)

綱手(………)

綱手(ナルト……)



~火影邸外~


サクラ(コマイヌの姿をはっきり知ってるのは今のところ私と少数の人だけ……)

サクラ「……そうだ!」タタタタ


サクラは踵を返し、今出たばかりの建物に再び戻っていった。

サクラ「綱手様!」バン

綱手「!?何だ、今行ったんじゃなかったのか!?」

サクラ「実は――」




~また一方、ナルト側~


ナルト「よっしゃ!外だ!」タッ

九喇嘛《……おいナルト!今何目指して走ってる!?》

ナルト「え!?そんなもんテキトーだってばよ!」タタタタ

ナルト「今はとにかく、この趣味わりー街から脱出するのが先だ!!」タタタタタ

ナルト「――!!」ザッ

ナルト「げっ、もう追っ手が!?できるだけ目立たないとこ通ってたつもりなのに……!」

九喇嘛《馬鹿か、どこ通ろうが相手に感知タイプがいちゃ意味ねーだろ》

ナルト「そういやそうだな」

ナルト「……ならできるだけ速く――!!」


そう思い、スピードを上げる。
だが、相手も忍。そう簡単に振り切れるものではなかった。

ナルト「ハァ……ハァ……」

ナルト「くっそ……こいつら……どこまでも追いかけてきやがって……!」

ナルト(………)

ナルト(こうなりゃ……)


息を切らしながら思考を巡らせている間にも、謎の忍たちはジリジリと近づいてくる。

ナルト「……九喇嘛」

九喇嘛《……いいのか?てめーのポリシーに関わる問題だぞ》

ナルト「……ちょっとビビらせるだけだってばよ」

九喇嘛《……ワシは知らんからな》フン

ナルト「……上等!」

次の瞬間、ナルトの身体を黄金色のチャクラが包む。
追っ手の謎の忍が少し怯んだようだった。だが。


謎の忍E「この程度で怖じけづくな!」

謎の忍F「捕らえるわよ!」

ナルト「!!」

ナルト(速い!背を向けたらかわせねぇ!)


どうにかして謎の忍の蹴りを受け止める。が、直後、別の方向からもう一人が攻撃を仕掛けてくる。

――といったことをしばらく繰り返していると……

やはりナルトは、自ら課した「(本当の本当にどうしてもやむを得ない場合を除き)知らないところでは物的人的被害を最小限に」というポリシーを守る方を選んだのだ。


九喇嘛《だから言っただろうが》

ナルト「なーに、この程度」


こちらはできるだけ相手を傷つけないようにいなすだけ、対して相手は自分を捕まえるため、本気でかかってきている。
先ほどのてんやわんやのうちに、ナルトは謎の忍たちに囲まれてしまったのである。

ナルト(けど……どうにか勝機を見つけねーと……おっと!?)


今度は、相手が攻撃のパターンを変えてきた。
幸い、今は九喇嘛のおかげで全て見切れているが、このままではいつ体力が切れてもおかしくないと思った。

この状況、いくらナルトとはいえども、(主にポリシーのせいで)そうそう有利に事を運ぶことができない。

ナルト(オレが先か、こいつらが先か――)


だが、ナルトに――いや、ここの状況に大きな転機が訪れる瞬間は、そう遠くなかった。



~そのときのサクラ~


ネジ「今だ!三手から回り込め!」ダッ


ダダダッ


サクラが綱手に頼んだこととは即ち、コマイヌ捕獲のためにサポートを寄越してほしい、ということであった。
そうして呼ばれたのが、ネジ・リー・テンテンの三人である。

サクラ「どうにか追い詰めたわ……!」

テンテン「やっとね……!」

リー「いきますよ!」

サクラ(………)

サクラ(でもやっぱりおかしい……)

サクラ(初めにこいつらと対峙した時は、気配とかそういった類のものはまるで感じられなかった。なのに……)

ネジ「こちらも少し本気を出した方がいいんじゃないのか?見ろ……」

リー「おおおお!!なんて迫力の威圧感!燃えてきましたぁあ!!」

サクラ(ネジさんに追ってもらってる時から、ずっと不思議だった)

サクラ(気配も何も無いのなら、追尾すらできないハズなのに――)

ネジ「………クラ――」

ネジ「おいサクラ、聞いているのか!?」

サクラ「ハッ!ご、ごめんなさい……」

ネジ「作戦を少し変えるぞ。このままじゃ埒があかない――」






サクラってガイ班メンに対しては敬語だったっけ?
まあいいや今日は終わるっす

ずっとゲームやってて完全に忘れてたっす
今日で終わらせる

【Ⅳ】

各々の戦いが佳境に差し掛かる中、綱手の元にある一報が届いた。


ガチャン


シズネ「綱手様!ナルトが!ナルトが見つかったようです!」ドタドタ

綱手「何!?どこだ!?」

シズネ「火と風の国境付近!任務で派遣した場所です!」

綱手「今すぐ応援を送れ!状況確認は後でも遅くない!!」

シズネ「いや、それが……かなり困憊していたようで」

綱手「あいつ……一人で戦ってたっていうのか!?」

綱手(……それも、おそらく向こうの里内で……)

シズネ「はい、おそらく……」

シズネ「……ですが今は、別の捜索部隊の一人が傍についているようです」

綱手「……よし。キバ・シノ・ヒナタを回収に回せ」

綱手「……それからだ。今、コマイヌとやらをサクラとネジたちが追い詰めているが、やむを得なければ抹殺も許可するとの伝令を飛ばせ」

シズネ「で、ですが……」

綱手「情報は帰ってきたナルトから聞き出せばいい!いいからさっさとしろ!」

シズネ「は、はいぃぃい!」ダッ



サクラ「――抹殺許可?」

サイ「そう。どうしても生かしたまま取り押さえるのが難しいならね」

サクラ「でも!大事な情報源だって……」

サイ「それが、ナルトが見つかったらしいんだ」

サクラ「!!」

サイ「今はキバたちが回収に向かっている」

サイ「一人でずっと戦っていたらしくてね、今はまだ無理だけど、じき回復すればいい情報源になると綱手様は判断したらしい」

サクラ「そう……!分かったわ」

サイ「それじゃあ、ここはよろしく」

サクラ「ええ!」



サクラ「ねぇ、――」



ナルトは困惑していた。
謎の忍のうちの一人が突然攻撃を止めたかと思うと、少し離れたところで、応援と思われる一人の忍と会話を始めたのだ。

常人なら聞こえないほどの小さな声だったが、ナルトには、その少し離れたところで行われていた会話が、ハッキリと聞こえていた。

ナルト「コマイヌの……抹殺!?」

ナルト「どういうことだよ……コマイヌってお前らの手先じゃねーのか!?」

ナルト「しかも……何だって……?オレが?見つかった?何言ってんだ一体!?」

九喇嘛《落ち着けナルト!……今――考えられることが一つある》

九喇嘛《……にわかには信じがたいと思うだろうが……ワシが思うに――》









九喇嘛《今ワシらが戦っているのは、木ノ葉の連中だ》

ナルト「……は?」

ナルト「……何言ってんだよ、どう見ても違うだろ……?」

ナルト「……仮に九喇嘛の言うことが正しいとして、こいつらは何でオレと戦ってんだってばよ!?」

九喇嘛《ワシも今考えが至ったところだ。順に話すから聞け》

九喇嘛《……まず、お前は……》








九喇嘛《いや、お前と……ワシは、幻術にかけられている》

ナルト「………」

ナルト「いやさぁ……オレはがかかってたのはわかるとして、なんで九喇嘛まで?つーか――」

九喇嘛《話を最後まで聞け!……ワシも奴らを甘く見ていた……》

九喇嘛《五代目は、敵の幻術は強力だといったが、それでも、お前が嵌まった時はワシが何とかしてやればいいと思っていた。だがあろうことか、奴らは、リンク中はワシ自身も無防備になるところをついて――お前の中、ワシがいるここまで干渉してきた》

九喇嘛《だからお前と一緒に幻術にかけられた》

九喇嘛《だから今の今まで気がつかなかった……》

九喇嘛《――見ろ》


九喇嘛はそう言うと、その大きな指でナルトの頭を軽く叩き、また、自分も一度チャクラの流れを乱し、自分とナルトにかけられている幻術を解いた。


ナルト「!!」

ナルト「サクラちゃん!!……と、ネジとゲジマユとテンテン……」

ナルト「……今まで戦ってたのは……それに、ここは……」

ナルト「………」

ナルト「……じゃあさ、九喇嘛、こいつらは何で?」

九喇嘛《奴ら、どうやら幻術と同時に、外界にも影響を及ぼす別の術……をかけたらしい》

ナルト「じゃあ……!?」

九喇嘛《どういう原理かは知らんが、とにかく今お前は、他人の目には虚魔狗の姿で映っているってことだ》

ナルト「………!!」

ナルト「マジ……かよ……!」


ちなみにこの会話、目の前にいる謎の忍――もとい、サクラ・ネジ・リー・テンテンに応戦しながらの事である。
抹殺許可が下りてから、四人の攻撃はますます激しさを増していた。

ナルト「あ……!あとその、『コマイヌ』って何なんだ一体!?」

九喇嘛《それに関しては後で話す!とにかくこいつらとケリつけるのが先だ!》

ナルト「ケリつけるって!?」

九喇嘛《こいつらに、お前がナルトだって気づいてもらうのに決まってるだろうが馬鹿!》

ナルト「でもどうやって気づいてもらうんだってばよ!?さっきから九喇嘛のチャクラ出しまくってんのに気づかねーってことは、あいつらにはこのチャクラすら別のモンとして見えてるってことだろ!?」

九喇嘛《少々手荒になるが、できるだけお前だとわかってもらえるように振る舞え!それからだ――》



サクラ「こいつ……なんてすばしこいの!?」

リー「僕たちが連続で攻撃してもほとんど当たらないなんて……!」

テンテン「まるで……全ての動きを予測されてるみたい……!」

ネジ「く……これじゃキリが……」


ザザッ


一同「!?」

いの「おまたせ!」

チョウジ「遅れちゃってゴメン!」

シカマル「ったく……思った以上にめんどくせーことになってんじゃねーか」

サクラ「いの!?」

いの「火影様の命で、増援に来たの」

サクラ「そう……!ねぇ、到着したばかりで悪いけど、アレに心転身を使ってくれる!?」

いの「アレね?オーケー!心転し――」

虚魔狗「オオオオオ!!」


いのが心転身を仕掛けようとしたその瞬間、突如、虚魔狗が咆吼した。
それによって虚魔狗の周りに高圧のチャクラが展開され、周りの一同は立っているだけで精一杯になる。





九喇嘛《!!》

九喇嘛《来たぞ!今だナルト!》





次の瞬間、虚魔狗から槍状のチャクラが伸びたかと思うと、その切っ先は虚魔狗の背後へ飛んでいき――











赤丸に背負われ、今まさに木ノ葉へ帰還しかけていた(ニセ)ナルトの胴体を深々と貫いていた。

一同「……!!」

サクラ「え……!?」

キバ「嘘……だ……ろ」

ヒナタ「そんな……ナルトくん……!」

悲嘆、絶望、慟哭、様々な声が上がりはじめる。

が。


ボフン


ヒナタ「え……!?」

地面に下ろされた(ニセ)ナルトが煙を立てたかと思うと、その姿は息を引きとった虚魔狗のものとなっていた。


サクラ「ニセモノ……!?」

シノ「……どういうことだ?」

キバ「共殺し……か?」

赤丸「クゥーン……」

皆が傍に駆けよる。
ニセナルトを刺した虚魔狗も、静かにそちらを見つめている。


いの(何だかよくわからないことになったけど……ここで止まっちゃダメ!)

いの「心転身の術!!」





九喇嘛《うまくいったな》

ナルト「ああ!後は、いのが気づいてくれるか――」





いの「キャアァァアア!!」

サクラ「いの!?」タタタッ

サクラ「どうしたの!?」

いの「い、今……アレに心転身をし、したんだけど……すぐに弾かれて……」









いの「そう……!いつしかソラに仕掛けて、九尾に弾かれた時と全く――」







いの「全く――おな……じ……?………え?……?……!?」

サクラ「え……」

サクラ「え……!?それって……!?」

虚魔狗の方を振り返る二人。変わらない場所に、虚魔狗は静かに佇んでいた。
その眼に浮かぶ碧は、ほんの少々の哀しみと、安堵の色に煌めいていた。



【Ⅴ】

~ちょっとした会議室~


カカシ「いやー、大変だったね、ナルト」

ナルト「大変とか言うレベルじゃねーってばよ!今回は九喇嘛がいたから……!!その……気づけたわけで……」

ヒナタ「でも……良かった……!」

シカマル「サクラがいきなりあの化け物を殺さずに連れて帰るなんて言い出すから、またどんなめんどくせーことをするつもりかと思ったが……」

ネジ「こういうことだったわけか……」

サクラといのの提案で(周囲の反対をことごとく拒否しながら、ただしリーだけは分かってくれた)、虚魔狗を火影邸まで連れて帰り、サクラが事情を説明すると、綱手も快く返事をして術を解く手配をしてくれた。
道中、ずっと虚魔狗がおとなしかったことも、プラスに働いたのかもしれない。

また、どうやらナルトにかけられていた術は、変化を少し複雑に応用させたものだったらしく、それに気づいてからは解除作業も順調に進んだ。


テンテン「に……しても、まさか尾獣ごと幻術にかけちゃうとはねー……」

ガイ「よく頑張ったぞォナルト!仲間たちからの理不尽な攻撃にも屈せず、最後まで勇敢に――」

ナルト(いやー……オレも途中までは敵だと思って戦ってたんだけどなー……)


ガイの熱い(暑い?)言葉を尻目に、サクラが口を開く。

サクラ「これからどうします?ナルトにかけられていた術は解けたといえ、明らかに敵対行為ですよね?これ」

綱手「うむ……」

ナルト「………」

ナルト「……オレが、もっかい会いに行って話をしてくる」

チョウジ「……でもさ?……今までその謎の忍たちは、誰かに会っても、一切害を与えてなかったんだよね?」

シカマル「……奴らの狙いはナルトかもしれねってことか」

綱手「……その通りだ。お前がもう一度あそこに行くのはリスクが大きすぎる。二度同じヘマをするようでは――」

ナルト「……わかってる。けど……感じたんだ」

ナルト「あいつらが一瞬、『憎い』って目でオレを見てたの……」

キバ「なら、なおさらよぉ――」

リー「あのー……話が変わるんですが、ひとついいでしょうか?」

綱手「何だ!?」

リー「どうして誰も、コマイヌの方に触れないんですか?」


しばしの沈黙。
再びリーが続ける。


リー「ナルトくんやサクラさんの話によれば、今までのどのタイプの動物とも違うって話ですよね?それに、ナルトくんにかけられていた術のこともあるし……なら、その『コマイヌ』も今回の件に大きく関わっていると考えられないでしょうか?」

綱手「だがな、今は奴らにどう制裁を加えるかを――」

九喇嘛『リーの主張する通りだ』


突如轟いた、低く、静かな声。
あまりに突然のことに、皆一斉に口をつぐんだ。
そして、虹彩の朱く変化したナルトの方へと視線が集まる。

九喇嘛『奴らが使ったあの化け物が何か、ワシなりにずっと考えていた』

一同「………」

九喇嘛『――ワシは一つだけ、アレと同じように感情もニオイも持たないものを知っている』


――九喇嘛の言わんとすることを理解したのか、数人の表情が険しくなった。

九喇嘛『――十尾、またはその抜け殻……外道魔像だ』

九喇嘛『……あの虚魔狗が、外道魔像の一部から作り出されたものだったら――』

九喇嘛『まだ仮説の段階に過ぎないが、ワシとしては大いに有りうると思っている』

九喇嘛『なら今回の黒幕として考えられる人物も浮かんでくるはずだ。……奴は先の戦争を失敗に終わらせたことより、これから先、どんなに卑劣な手段を構じてでもワシや八尾を捕らえに来るだろう』

綱手「なら……その里は、奴に……利用されていた……というのか?」

九喇嘛『あくまで可能性だがな』

綱手「………」

綱手「……そう……か」

綱手「……少し待ってくれ」



謎の忍G「虚魔狗弍拾捌号の反応が消えました!」

謎の忍H「木ノ葉め……!あと少しだったものを!」



~十数分後~


綱手「――こうだ。私とナルト、カカシの三人で話し合いの交渉をしに行く」

シズネ「いいんですか?本当に……」

綱手「ああ。私も頭に血が上っていた。冷静に考えてみれば、理由も無しにこんな大掛かりな事を仕掛けてくるはずがない」

綱手「……互いにどう決着をつけていくかは、話を聞いてからでも遅くないだろう」

シズネ「………」

トントン「ブー……」

綱手「私が帰るまで、里のことは頼むぞ」

シズネ「……はい」



~めんどくせーので道中は割愛~




【Ⅵ】

謎の里に着き、そこの忍にまともに取り合ってもらえた頃には、すでに辺りは暗くなっており、時折、夜行性の動物の声が聞こえてきたりもした。


綱手「――だからどうか教えてほしい。何故こんなことをした?」

謎の忍「何故もなにも、戦争をおっぱじめた奴に制裁を加えて何が悪い!?お前だ、うずまきナルト!!」

ナルト「……は!?いやいやいや!戦争始めたのはオレじゃねーってばよ!」

謎の忍「嘘をつくな!面の男から聞いたんだ!この里に当たった流れ弾も、最強の尾獣、九尾によるものだと!」

謎の忍「関係無いのに……勝手に……巻き込みやがって……」ボソッ

ナルト「え……と……それは……」

内心、かなりマズイと思った。
何かこれ、会話の中身的に、こっちが圧倒的不利じゃないか?


綱手「落ち着けナルト。お前の尾獣玉はこんなところまで届きやしない」


実際、この謎の里――闇隠れの里は、戦争が勃発した地域とはかなり離れていた。
むしろ、こんなところにまで忍の里があること自体、驚くべき事である。

綱手「もしその流れ弾が先の戦争によるものなら、我々も全く関係が無い訳ではない――その点に関しては謝罪する。できるなら、この里の復興にも尽力しようと思っている」

綱手「だが、その流れ弾をうみだしたのは、紛れも無い、その面の男だ。この里に情報をやった、その男だ」

闇忍「……そんな言葉を信じると思うか!?第一、俺はその面の男から、お前が戦争を始めた理由まで聞いているんだぞ!」

闇忍「うずまきナルトは九尾の力故に里の者から疎まれ、虐げられ、だからこの世界を憎み、そして、消し去ってやろうと、世界中を巻き込む戦争を始めたと!」

ナルト「………」

闇忍「だから、そんな理由でこの世界を、この里を壊したうずまきナルトはクズだ!」

綱手(トビの奴……)

闇忍「そして、そんな人間をうみだした木ノ葉もクズだ!」

闇忍「……流れ弾で里はメチャクチャ、人もたくさん死んだ!ただただやるせなくて、どうしようもなく悲嘆に暮れている時、あの男が現れたんだ!」

闇忍「確実に復讐を遂げる方法を教えてやると言って!」

闇忍「そして虚魔狗のタネをくれた。こいつは驚くべきスピードで増え、しかも俺たちに従順だった!」

闇忍「これなら絶対に成功すると思っていた。うずまきナルトと木ノ葉がぶつかるように仕向ければ、必ずどちらかが、あわよくば両方が潰れると!そう確信したのに――何故だ……?何故うまくいかなかったんだ……!?」

ナルト「………」

綱手「………」

カカシ「………」

綱手「……一つずつ、話をつけていこう」

綱手(まさか、私たちの方が答える側になるとはな)

綱手「……まず、ナルトが昔、里で虐げられていた事――これは事実だ」

綱手「だが戦争を起こしたのは彼じゃない。起こしたのは紛れも無く、その面の男……トビだ」

綱手「そして――」


綱手は一瞬、このまま言葉を続けることを躊躇った。
このまま言えば、この人を、里を、傷つけることにならないか?

だが、ナルトの強い表情、そして闇の忍の表情を見て、改めて意を決した。
そう――今は、真実を伝えるべきだ。


綱手「そして、その『作戦』がうまくいかなかったわけだが……」

綱手「何より、我々木ノ葉の忍の、互いの絆そのものだろうと思う」

闇忍「絆……だと……?」

綱手「先に言った通り、昔ナルトは里の者から嫌われていた。だが、一途な努力で、周りから少しずつ認められ、そして仲間を増やしていった。そして互いに、相手をよく知り、深めていった」

綱手「だから今回、互いに戦っている相手が何なのか気づくことができた」

綱手「……それにナルトは、いかなる理由があろうと、多くの人を傷つけるだけの戦争など、絶対に始めない。そういうやつだ」

綱手「この里には悪いが、要は、騙されていたんだ――その面の男に」

闇忍「………」

綱手「……これが今回の真実だよ。私は何一つ嘘をついていない。これは火影の名にかけて誓おう」

闇忍「は……」

闇忍「それを……」カクン

闇忍「それを、今すぐ信じろってのか?」ヘナヘナ

闇忍「そりゃ……難しい話だ……」ボソッ

綱手「……!?」

闇忍「まあ落ち着いてくれよ火影さん。……わかってんだ。もうわかったんだ」

闇忍「……じつ言うとなぁ、俺まだ、一番大事だった親友が死んだショックから立ち直れてなくてさぁ……」

ナルト「………」

闇忍「ここの奴ら、みーんなそうだぜ。大事な誰かのために報いを、って思ってずっとやってきた」

闇忍「そうでもしなきゃ、本気で気が狂っちまいそうだった……」

闇忍「俺だって、そこまで真剣な面持ちで話されちゃあ、火影さんの話は信じざるを得ないって思った。けど……」

闇忍「この話を信じたら、今までやってきたのは何なんだって――死んだ仲間を裏切るようで……!!」

ナルト「………」

ナルト「……そんなことはねーってばよ」

ナルト「方法は間違ってたかもしんねーけど、仲間のためを思ってやったことなら、全くの無意味なんかじゃないってばよ。……でもさ、本当に親友だって思ってるんなら、もっと他にやってやれることがあったんじゃねーか?」

闇忍「………」

ナルト「オレは、この里はいいとこだと思う。お前みたいな、仲間を本気で思う奴がいて。そう思われる、立派な仲間がいて。だから、お前の親友も、復讐を望むような奴じゃないって、そう思ってる」

闇忍「それでも……この里は――許されるのか?お前や木ノ葉に、こんなことをしたのに……」

ナルト「お互い様だってばよ。戦争も……な。起こした奴だけじゃない、そこで戦った人全員に責任があるんだろうと思う」

ナルト「この里だって、面の男に騙されてたわけだし――」

???「話はそのあたりにしておいたらどうだ?」

ナルト「!?……テメェっ!!」

トビ「えらく無駄な事を喋ってくれたじゃないか……うずまきナルト」

闇忍「お前……!」

闇忍「本当に……騙していたのか……!?」

トビ「………」

トビ「騙していたとしてどうする?お前には――」













トビ「――何もできやしない」

そう言うやいなや、トビは里の外壁に隣接した大岩に跳び移り、両手で印を結んだ。


トビ「闇隠れの里――その名のまま、闇に葬り去ってくれる!!」


まもなく、里中から悲鳴が聞こえてきた。
トビが虚魔狗を操り、里の人々を襲わせたのである。
一瞬そちらに気を取られた面々が、ハッと我に帰ってトビのいた方を振り返るも、トビの姿は既に無かった。


ナルト「あのヤロ……!!」

綱手「ナルト!あいつに構っている場合じゃない!とにかく里の人たちを助けに行くぞ!――カカシはどうした!?」

闇忍「虚魔狗とのうまい戦い方は、俺が教えてやれる……!だが虚魔狗の数も多い!……どうする!?」

ナルト「カカっ先生は仕方ねぇが……!協力してできるだけちゃちゃっと倒すってばよ!」



~離れの森~


ギュウウウン


トビ(………)ザッザッ

カカシ「待て」

トビ「!?」ピタ

トビ「……ほう」

カカシ「人の心に付け入り、利用し、己の踏み台にする――お前の非道な手段は許せない」

トビ「非道……か」

トビ「ならお前自身はどうなんだ、はたけカカシ?」

カカシ「……!?」

トビ「お前のその左目は、誰かの犠牲によるものだろう……?」

トビ「してまた、その目で何度も見てきただろう、『犠牲』が生まれる瞬間を!」

カカシ「………」ピクリ

トビ「……何かを成すのに犠牲はつきものだ……それが大きかろうが、小さかろうが――」









トビ「犠牲は犠牲だ」

カカシ「お前……」

トビ「人という哀れな生き物は、何かしらの犠牲が無いと幸せをつくれない……わかるか?それが人の性であり、運命なのだ」






カカシ「………」



カカシ「………」











カカシ「……いや」

カカシ「――わからないな」

カカシ「……残念ながらその意見には真っ向から反対だ」

トビ「フン……」

カカシ「確かに、今すぐすべての犠牲を無くせるかといえば、そうはできない。だが、そこで立ち止まるんじゃなく、互いの幸せを願い、確立させてゆく方法を模索することこそ、それこそ人として生きるということじゃないのか?」

トビ「………」

トビ「お前がそう思うならそれでもいい……」

トビ「だが覚えておけ、どんな邪魔が入ろうと、オレは必ず計画を実現させる」

トビ「何人もオレを止めることはできない」

トビ「これがオレの『正義』だ」

トビ「……そのことを努々忘れるな――」


そう言い残して、トビは虚空に吸い込まれるようにして消えた。


カカシ「………」

カカシ(本当に哀れなのは、お前の方だよ――)



~闇隠れの里~


ナルト「ふー!どうにかなったってばよ!」

綱手「レイヤといったな。お前のおかげだ……」


一緒に戦った闇の忍、改めレイヤは、少し照れ臭そうな顔をしながら、それでも誇らしげに笑っていた。
本当の黒幕を里の皆に必死で伝え、どうにかしてナルトにかけられていた疑惑を解いたのも彼である。

レイヤ「やっと……やっと、本当にわかった気がする」

レイヤ「『仲間』ってどういうことか……」

レイヤ「……気がするだけだけど」

ナルト「それでもいいんだってばよ」

レイヤ「ああ――ありがとうな、ナルト」




ザクザク


カカシ「アレ、イヌ退治もう終わってたのね」テクテク

ナルト「あーーっ!!カカシ先生ってばどこ行ってたんだよ!こっちはすんげー大変だったんだかんな!」

カカシ「うーん、それは見たらわかるねー」

ナルト「そういうことじゃなくて!」


日の光が少し、東の空から顔を出した。
地形で光があまり当たらないこの里に、それでも、人々の明るい笑い声は響いていた。

――かくして、この騒動は幕を閉じた。

この一件以来、木ノ葉と闇は互いに親睦を深め、今ではいい同盟になっている。
あ、もちろん、口約束じゃなくて、本物の同盟の方――ね。
僕もついこの間、闇隠れの復興に呼ばれたばかりでね。

ついでに、レイヤとナルトもなかなかの仲のようだよ。
二人は今でも、度々会って何かしてるみたいだし。
彼に闇隠れで会った時は随分大人びて見えてたけど、自分の一つ上でしかないと解った時はそれはもう驚いた、ってナルトが言ってたね。

……ちなみにナルト曰く、闇隠れに行った時の第一感想は「あ、意外と普通の建物だな」だったそうだ。

……どんな建物を想像してたんだよまったく。










……ところで――










誰だこいつって顔だね?そこの君。






……………






……………






……ハァ……やっぱりね……



【おしまい】

誤字ったぁああ

まとめるとき>>133と差し替えてくだしあ




ザクザク


カカシ「アレ、イヌ退治もう終わってたのね」テクテク

ナルト「あーーっ!!カカシ先生ってばどこ行ってたんだよ!こっちはすんげー大変だったんだかんな!」

カカシ「うーん、それは見たらわかるねー」

ナルト「そういうことじゃなくて!」


日の光が少し、東の空から顔を出した。
地形で光があまり当たらないこの里に、それでも、人々の明るい笑い声が響いていた。

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