ミカサ「相談×恋バナ×女子会?」(163)

――
―――


世界は突然、姿を変えた。


人類が誇るウォールシーナ、ローゼ、

そしてマリア・・・


三つの壁は一瞬にして消えた・・・
 
その巨大な構造物の跡には深い溝が残るのみであった。


そして忌むべき存在である巨人・・・

奴らも一週間たった今、

その姿を見せることはなかった。


―――
――


まあ私は今、別の問題で忙しい・・・ので

この話は数十年後にでもしようと思う。(しない)

クリスタ「おかえりミカサ!
     お風呂は気持ちよかった?」

ミカサ「ただいまクリスタ、とても良かった。」


ミカサ(この三人なら・・・)キョロキョロ

ミカサ「あの・・・唐突だが
    皆に相談に乗ってほしい。」

クリスタ「本当に唐突だね!
     前振りのなさがミカサらしいけどね。」

ミカサ「う・・・」

クリスタ「ふふふ、もちろん相談には乗るよ!」

ミカサ「あ、ありがとう、では・・・」ケフンケフン

ミカサ「えー壁が無くなり、巨人がいなくなった今、
    私たちは新たな道を探さなければならない。」

クリスタ「新たな道・・・そうだよね!」


クリスタ(ミカサ、なんか棒読み・・・)


クリスタ「と、兎も角、急に消えるだなんて
     不思議だよね、何かあったのかな?」

ミカサ「確かにそれも気になる、
    いったい何があったのか?」

ミカサ「しかし今、最も大事なこと・・・」

ミカサ「そう、それは私とエレンの関係!
    つまり、エレンと私の関係!!」キリッ

サシャ・ユミル(同じことを二回言った・・・)


クリスタ「う、うん、大事なことだよね・・・」

ミカサ「皆、すごい顔でこちらを見てるが
    これはとても大切なこと!」

ミカサ「駆逐すべき巨人がいなくなった今・・・」

ミカサ「そう!今こそエレンの目を・・・
    私に釘・・・」

ミカサ「い、いや・・・もう少しだけ
    私に向けて貰う千載一遇のチャンス!!」


サシャ(妥協しましたね・・・)

ユミル(妥協したな・・・)


クリスタ「そう、そうだね・・・んと

ユミル「・・・なあ実際のところさ、
    お前、あいつのことをどう思ってるんだ?」

サシャ(やや!まさかのユミル参戦!)


ユミル「おっと、一応言っておくが
    家族だーってのは聞いてないからな!」

ユミル「はっきりと言うんだぞ?わかるな?」

ミカサ「む・・・」

クリスタ「・・・」ジーー

ミカサ「むぅ・・・」

サシャ「・・・」モグ


ミカサ(あんなに膨らむなんてサシャの頬は不思議で
    いっぱい!あとリスのようで可愛い。)

ミカサ(駄目!恥ずかしくなってきたからといって
    現実逃避はまずい、頑張れミカサ!)

ミカサ「ふぅ、わかっている・・・わかってる。」

ミカサ「私も相談した以上、
    それを言葉にする覚悟はできている。」

ミカサ「深呼吸をしたら答えるから待って欲しい。」


サシャ(ふふ、顔真っ赤ですよ。
    一生懸命、深呼吸して可愛いですね。)


ミカサ「すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」


サシャ(あれ?部屋の空気が薄く?)

サシャ(・・・!?クリスタがふらふら!)


ミカサ「よ、よし!答える・・・」


クリスタ(ミカサ、頑張って・・・)クラクラ

サシャ(流石はミカサですね、
    吸い尽くされるかと思いました・・・)

ミカサ「わ、私は彼を一人の男性としてててて
    エ、エレンに好意を持っていると思う・・・」

ユミル「ほぅ、ちょっと
    変な言語だが少しは前向きじゃないか。」

ユミル「いいか?こういうことはな、
    まずは言葉にしないと駄目なんだよ!ふふ」

ユミル「じゃないと、いつまで経っても
    家族だからって理由に逃げれるからな。」


クリスタ(ユミル、すごい!まるで恋愛博士・・・)


ミカサ「ユミル、そんな深い考えが!
    ・・・ありがとう。」

ユミル「ん、続けて・・・」

ミカサ「わかった!そ、それで、
    私は今まで家族として接していた。」

ミカサ「今までは恋愛に
    感けている暇はなかったし・・・」

ミカサ「なのに、あまりにも突然、
    その機会がやってきてしまった。」

ミカサ「でも私はどうしたらいいのか
    ・・・さっぱり・・・」

クリスタ「そうだよね、急に
     さあ恋愛って言われても難しいよね。」

ユミル・ミーナ「「なるほどなるほど・・・」」

ユミル「よし!いったいどうすればいいのか!」

ユミル「皆の経験などを基に
    色々と考えてみようじゃないか!」

クリスタ・ミーナ「「そうだね!楽しそう!!」」

ミカサ「四人とも・・・ありがとう!ん??」


サシャ(ユミルとクリスタ、すっごいノリノリですね。
    何かあったんでし・・・ん?四人??)

ミカサ「(おしゃべりな)ミーナ・・・いつの間に?」

ミーナ「話は聞かせてもらった!
    実に興味深いね、私こういう話大好き!」

ミーナ「大丈夫!今はまだ話さないよ!」


ミカサ(気配に気づかなかった、不覚・・)


ユミル「よし、何だか盛り上がってきたな!」ゴソゴソ

ユミル「今日はミカサに本音で喋って
    もらいたいからな、特別に・・・ん!」

ユミル「これを提供してやろう!」キュポン

サシャ「やや、この匂い・・・
    これはワインじゃないですか?」フンフン

クリスタ「すごーい、これすごく良い匂いだよ?
     高かったんじゃないの?」

ユミル「本来ならそうだろうな、
    なんか周りに自慢してたからな!」

クリスタ「ユ~ミ~ル~!!」

ユミル「こいつは町で飲んでた駐屯兵団の
    奴からちょろっと借りたんだよ。」フフン

ミカサ(ただの相談がえらいことに
    なってしまった気がする・・・)


クリスタ「もう!飲んじゃうものは返せないでしょ!」


ミカサ(飲むのは決定なのね・・・
    意外に悪い子クリスタ・・・)

ミカサ(あと、これなんか
    知り合いのお酒なような気がする・・・)

ミカサ(うん・・・それはまあ、どうでもいいか。)

――
―――


ハンネス「うそ・・・うそだろ?」

ハンネス「楽しみにしてた、最高級ワインがない・・・」

ハンネス「給料半年分も使ったワインがない!!」

ハンネス「箱いっぱいにあったのにない!!!」

ハンネス「ないないない!ワインがない!!
     ないないない!つまみもない!!


エレン「うわ、ハンネスさん絶好調だな・・・
    なんか一人ですっごい踊ってるぞ!!」

アルミン「うわ、本当だ気持ち悪い!
     これは近寄らないほうがいいよ・・・」


―――
――

ユミル「ほら驚け!つまみもあるんだぞ!」ガハハ

サシャ「ややや!これは燻製肉!!」

ミカサ「すごい・・・
    こっちの袋には色々なナッツが!」

クリスタ「こっちもすごいよ!
     少ないけど、これドライフルーツだよ?」

ミーナ「パンにチーズまであるんだけど・・・
    これ盗られた人、大丈夫かな・・・」

ユミル「ワタシ、トテナイヨカリタヨ」


ミーナ(うわぁ、胡散臭いなあ・・・)

ユミル「おっとサシャ、
    乾杯するからいったん我慢だ!!」

サシャ「ふぁい!!」

ユミル「よーし、よく我慢したな、偉いぞ。
    ナッツを一粒やろう!」

サシャ「わふわふ!!」


クリスタ(ポニーテールが尻尾みたい、
     犬みたいで可愛い・・・)


ユミル「よし、これは・・・
    そうだな・・・女子会だな!」

ユミル「これから第104期訓練兵女子による
    女子会を開催する!」

クリスタ「他の子は呼ばないの?」

サシャ「そ、そのうち来ますよ!」


ミカサ(あ、食べる量を減らしたくないのね
    ・・・とても卑しい顔。)


クリスタ「サシャ?ちゃんと取っておいてね?」

ユミル「はいはい、そのうち嗅ぎつけてくるさ、
    だから先に始めるぞ!」

ユミル「んじゃあ、これからの私たちの自由、
    そしてミカサの成長に乾杯!!」


「「「「かんぱーい!!」」」」

ミカサ「・・・私の成長?」

ユミル「お前なんだかんだ、家族家族って
    ずっと誤魔化してきただろ?」

ユミル「それが恋人に立候補!
    これは正に成長だな。」プハー

クリスタ「そうだよミカサ!
     やっと前に進めたんだよ!」

ミカサ「!?ここ、恋人まではとは・・・」


サシャ(またまた真っ赤になりました)モクモク


ユミル「はいはい、聞こえない聞こえない!」

ミーナ「んで、どうするの?チーズ貰うね。」

ユミル「はいよ、ん~そうだな・・・」

ユミル「よし、まずはエレンの良いところ、
    悪いところを考えてみようじゃないか。」

ミカサ「む!?エレンは良いところば・・・

クリスタ「ミカサ、盲目になっては駄目。」

ユミル「その通り、客観的に見て
    理解することが大事なんだぞ。」

ユミル「とりあえず・・・
    よし、同じ班のサシャとミーナ!」

サシャ「ふぁい!!」モグモキュキリッ

ミーナ「はーい!」

ユミル「エレンの悪いところはどこだ!」

サシャ「ん~、そうですね・・・頑固ですね!」

サシャ「そのせいか色々と視野が狭いのではと
    感じるときがありますね。」モグリ

ミーナ「前しか見てないって感じだよね?」

ミカサ「っく・・・」

サシャ「臨機応変に・・・
    とはいかないタイプですよねー?」

ミカサ「・・・」ションボリ

ミカサ「確かにエレンは頑固・・・
    すごく頑固・・・」

クリスタ「あぁ・・・ミカサが
     どんどん小さくなっていく!」

ユミル「凹むのはやっ!」ブハハ

ユミル「じゃあ今度はエレンの良さで
    ミカサを喜ばしてあげな!」

サシャ「ん~~~??
    ん~~~~~~??」

ミカサ「・・・」ドキドキ

サシャ「はい!決断の速さと、
    した後の集中力ですね。」モグモグ

サシャ「まあ、決断するための作戦は
    アルミン頼りですけどね。」プークスクス

ミーナ「あっはは、兎に角さ、
    あの集中してるときの姿を見ると
    私たちまですごく引っ張られるよね?」

ミーナ「あれってリーダーシップが
    あるってことだよね?」

ミーナ「それに目つき悪いけど
    エレンは正直格好いいよ!!」

ユミル「ほー、意外にリーダー気質と
    ・・・なるほどなるほど。」

ミカサ「感動した・・・」パチパチパチ

ユミル「機嫌直ったようだな。」ハハハ

ユミル「んじゃあ、違う視点から・・・
    クリスタ、あいつのことをどう見る?」

クリスタ「私?私は・・・うん、
     正直少し憧れているかな?」

ミカサ・ユミル「!?」ビクッ

クリスタ「二人とも・・・最後まで聞いてね?」

ミカサ・ユミル「・・・」コクコク

クリスタ「前しか見てないって言われたけど、
     それってすごいことだと思うの!」

クリスタ「私なんて周りの顔色を
     伺ってばかりだったから・・・」

クリスタ「・・・尚更ね?」

ミカサ「クリスタ・・・」

クリスタ「エレンはね・・・」

クリスタ「どんなに困難なことがあっても
     歯を食いしばって進める人だよね。」

クリスタ「そのための努力は
     厭わないところも素敵だと思うの。」

ミカサ(クリスタ・・・
    そんなにもエレンのことを・・・?)


クリスタ「ただ・・・悪いところになるかな?」

クリスタ「目の前に夢中になって
     あまり振り返ってくれなそうところ。」

クリスタ「私は自分をいっぱい見てくれる、
     そんな人がいいかな・・・なんて///」

クリスタ「だから憧れの一人では
     あるけどってことかな?」

ミカサ「・・・なるほど。」

クリスタ「ちょっと恥ずかしいね///
     少しは参考になったかな?」

ユミル「うん、他人の評価からとはいえ、
    だいぶエレンが見えてきただろ?」

ミカサ「・・・うん。」

ユミル「んじゃあミカサに聞こう、
    エレンの好きなものって何だ?」

ミカサ「エレンの好きなもの・・・肉?」

ユミル「違う違う!!
    もっとこう、夢のようなやつだよ!!」

ミカサ「夢・・・駆逐・・・?」

ユミル「駆逐が夢?あいつは
    そんなに憎しみだけの奴か?」

ミカサ「違う!憎しみは確かにある・・・
    でも、それだけじゃない!」

ミカサ「エレンは壁の外に・・・ 
    目の前に広がる景色が好きだと思う。」

ミカサ「その景色を自由に・・・」

ミカサ「そう自由・・・
    自由が好きなんだと思う。」

ミーナ「え、そうなんだ?
    巨人を駆逐するのが夢だと思ってた。」

ミカサ「そう、そうだった・・・
    私が出会ったときから、
    ずっと・・・そうだったのに・・・」

ミカサ「エレンは巨人を駆逐する・・・
    いつから、彼にそれだけしかないと
    思っていたのだろう。」

クリスタ「巨人の駆逐は敵討ちのため、
     でも・・・何よりも自由、
     自分の夢のためだったんだね・・・」

ユミル「エレンが前を見続ける理由が
    わかってきたな・・・」

ミカサ「私は・・・いったいエレンの何を・・・」

ユミル「なあ、ミカサ・・・」ヒック

ミカサ「ユ、ユミル!!顔が近い・・・」


クリスタ(きゃーきゃー!!)


ユミル「これだけ近いと目は良く見えるな。」

ミカサ「う、うん・・・」

ユミル「だけどさ、私の手や足・・・見えるか?
    周りの景色は見えるか?」

ミカサ「・・・見えない。」

ユミル「これが前を・・・
    夢に向かっているエレンに対しての、
    いつものお前の立ち位置だな。」

ユミル「だいぶ大げさだがな!」

ミカサ「・・・」

ユミル「まあ、いつも近くに
    いたいってのは分かる・・・」

ユミル「でも、エレンの全ても・・・
    共有するはずの世界も見えないだろ?」

ミカサ「確かに・・・
    これでは何も見えない・・・」

ユミル「それにエレンのやつだって、
    やっぱり周りが見えないだろうな。」

ユミル「なあ?邪険にされるのもわかるだろ?」

ミカサ「うん・・・わかる・・・」シュン

ユミル「それともう一つ、
    ミカサ、アルミンは大切か?」

ミカサ「え?ええ、もちろん私達の大事な友人。」

ユミル「私たちがアルミンのことを
    否定したらお前たちはどう思う?」

ミカサ「それは・・・
    とても悲しむと思う・・・」

ユミル「そうだな・・・否定されるってことは
    想像以上に辛いことなんだよ。」


クリスタ(ユミル・・・)


ユミル「・・・続けるぞ?」

ミカサ「う、うん・・・」

ユミル「よし、じゃあ
    エレンのやる事なす事・・・」

ユミル「そのことに危ないだなんだと
    否定すること・・・」

ユミル「これがどんなことか、
    ・・・もう分かるよな?」

ミカサ「・・・うん・・・わかる。」

ユミル「否定をする役は
    ジャンの奴にでも任せておけ!」


ミーナ(ああ、不憫なジャン・・・)

ユミル「お前が家族になるか恋人なるかは
    まだわからない・・・」

ユミル「だが本当にずっと
    一緒にいたいと願うなら・・・」

ユミル「あいつの価値観を
    少しは認めてやるんだな。」

ユミル「それと少しくらいの危険なら
    一緒に飛び込んでやれ。」

ミカサ「一緒に・・・」

ユミル「そうだ!手伝って、それで力尽きたら
    ・・・そのときは一緒に死んでやれ。」

ミカサ「・・・!?」

ユミル「それが生涯、連れ添う奴の責任だ。
    ・・・と私は思う。」グビグビ

ミカサ「!!・・・確かに、
    その通りだと思う。」

ミカサ「ユミル・・・本当にありがとう!」

ユミル「これから、あいつは
    外の世界へ旅立つだろうな・・・」

ユミル「そして未知の世界には危険が付き纏う。」

ユミル「そのときどうすればいいのか?
    もう分かるだろ?」

ミカサ「・・・」コクリ


サシャ(はわー、ユミルってば
    すごく格好いいですね・・・)


ミーナ(うぅ、良い話だわ;;
    明日、みんなに話そう・・・)

ユミル「よし!とりあえずお前の話は
    一旦ここまでだ!」

ユミル「あとは他の奴らの
    体験談でも聞いて参考にしな。」

ミカサ「うん!わかった!」


サシャ(素直なミカサって
    意外にいいですねぇ。)ホッコリ


ユミル「さてさて、私はさらにたくさん
    の恋バナを聞きたいのだが?」

ユミル「・・・次は誰のがいいかな?」ニヤニヤ

サシャ(ああ、これは、ただ単に
    酒の肴にしてるだけかも・・・)


ユミル「あんだよ、サシャ!その顔は!
    恋の話はミカサの参考になるんだよ!」

ミカサ「なる、とてもなる!」ウンウン


クリスタ(なんだか、逸れてる気もするけど
     ・・・まあいいよね?)


ユミル「ん~~~決めた!
    次はサシャ、君に決めた!!」ビシッ


ミーナ(あーあ、さっきまでは
    格好良かったのになぁ・・・)

サシャ「えええ?・・・私そういうのは///」

アニ「でもコニーとは?
   すごく仲いいでしょ?」


ミーナ(なんだかんだ、
    みんなも恋バナ好きだねえ。)ゴクゴク


ミーナ「あれ、アニ!?いつの間に??」

アニ「話に夢中だったみたいで
   声かけられなかったんだよ。」


ミカサ(恋の話は人を盲目にするのだろうか、
    今日は不覚だらけ・・・)

アニ「まあ挨拶もなしは悪かったけどさ・・・」

アニ「お酒飲んでるんだし、
   今夜は無礼講なんだろ?」

アニ「ユミル、これ私も飲んでいいよね?」

ユミル「いいけど恋バナ置いてけよな。」

サシャ「そ、そうですよ!置いてけですよ!」

アニ「あとでいいだろ?
   なんせ次はサシャのようだしね。」ニヤリ

サシャ(あ、誤魔化せなかった・・・)


ミカサ「二人の関係・・・
    とても気になる・・・」ジリ

クリスタ「だって仲良いもんね?」ジリジリ


サシャ(ならば、このまま
    コニーの話で誤魔化しましょう。)


サシャ「んもー彼とはただの友人ですよ・・・」

サシャ「まあ、たぶん年取ってもずっと
    親友だとは思うんですけどね。」

ユミル「まあ確かに、この二人は恋人って
    感じではないか・・・」ヒック

クリスタ「ん~確かにそんな感じかもね。
     でも年取っても親友っていいね!」

サシャ「ええ、きっと素敵だと思いますよ。
    じゃあこれで・・・

アニ「じゃあ本命は別にいるのかい?」ニヤリ


ミーナ(アニちゃんがいった!)

サシャ「ア、アニ・・・?
    どど、どうでしょうかね?」スヒースヒー

ミカサ「とても下手な口笛・・・顔も真っ赤!
    間違いなくこれは隠し事をしてる顔!」

ミーナ「目もすっごい泳いでるね・・・」

クリスタ「じゃあ、他にいるんだね!誰?誰??」


サシャ(うぅ、みんなお酒が
    回ったのかグイグイきます;;)


ユミル「さあ、サシャ、これを飲みなさい・・・
    トテモゲンキデルヨ。」ニッコリ

サシャ(あぁ、どうやら
    覚悟を決めないと駄目そうです。)グビ


サシャ(お酒あんまり飲んでないのに
    顔が熱いですよ・・・)パタパタ


ユミル「さあ、どうぞ?」ニッコリ

サシャ「あの、好きとまでは・・・
    その、まだですヨ・・・」ゴニョゴニョ

ユミル「ん~?ちょっと聞こえ辛いかなあ??」

ミカサ「名前も聞こえなかった!」

サシャ(うぅ、ミカサまで
    酔ってしまったのでしょうか・・・
    いつになく意地悪です;;)


サシャ「あーあの、ちょっと憧れてるというか、
    みんなに対して気配りができて・・・」

サシャ「その、気にかけてもらっているのは
    私だけじゃないって・・・」

サシャ「それは分かってるんですけど・・・」

アニ「要領得ないね・・・いったい誰なんだい?」

サシャ(なんだか今日はアニも意地悪です・・・)


ユミル「ふむ、気配りができる人間か
    ・・・む?」キュピーン

ユミル「アルミン、マルコ、
    それとライナーか・・・!!」

ミカサ「む!?ラが聞こえた瞬間に
    目を逸らした、間違いなくライナー!」


サシャ(ひぃぃこの二人、
    無駄に高性能で嫌いや;;)

サシャ「・・・そ、その三人は私のことも
    女の子扱いしてくれるんですよ。」

ミーナ「ライナー・ブラウンさんがですかぁ?」

サシャ「ミーナまで意地悪です・・・」

ミーナ「えへへ、ごめんごめん、んで?」

サシャ「私、周りが芋女扱いするのは
    別にどうでもいいんですよ・・・」


アニ(原因は自分だしねぇ・・・)

サシャ「で、でも女の子扱いされるのは
    その、照れくさいというか
    何というか・・・えへへ」

ユミル「なるほど、乙女なサシャちゃんは
    嬉しくなっちゃうと・・・」フムフム

サシャ「そ、それに彼って人の嫌がる仕事とかを
    率先して引き受けるじゃないですか!」

ミーナ「へー、そうなんだ。」

クリスタ「そういえば、重い荷物を
     持ってもらったことあったよ。」

ユミル「そういや、私も
    そんなことあったな・・・」グビ

サシャ「さらにですね・・・
    アニ、ミカサ・・・!」

サシャ「二人が機嫌が悪いときって
    ライナーがよく側にいますよね。」

アニ・ミカサ「う・・・うん」


アニ・ミカサ(思い当たる節がありすぎて・・・
       少し後ろめたい・・・)


サシャ「もちろん、ただ
    巻き込まれてることのほうが
    断然多いんですけど・・・」

サシャ「でも不穏な様子に気づくと
    自ら近寄って行くんですよ!」

クリスタ「もしかして自らを犠牲に?
     ・・・止めにいった?」
ユミル「もしかしてマゾ?
    ・・・快感のために?」

クリスタ「ユミル、っめ!!」

ミカサ「まさか・・・私たちが八つ当たりした
    あの時やあの時やあの時・・・」


ミーナ(多いなあ・・・)

ミカサ「ストレスを大きく発散させるために
    彼はわざと飛ばされた・・・?」

アニ「確かにあいつの体重を考えれば
   その衝撃は余りにも軽かった気が・・・」

サシャ「実際は何を考えていたのか、
    ・・・そこまでは分かりませんよ。」

サシャ「でも、そんな男らしい姿を見ちゃったら、
    えへへ・・・惚れてまうやろ///」


ミーナ(まあ、可愛らしいこと・・・)ホッコリ

ミーナ「兎に角、成績優秀で高身長でしょ。」

ミーナ「そのうえ高いリーダーシップを備え
    気配りができ、しかも器もでかい・・・」

ミーナ「あれ何これ?
    超のつく優良物件じゃん!!」

サシャ「えへへ///」


ミーナ(今から立候補できるかしら・・・)


ユミル(でも、あいつって
   クリスタばっか見てたような・・・)ジー

クリスタ「ユミル?なーに??」

サシャ「私も分かってますよ・・・ユミル。」

サシャ「だから今は憧れなんです・・・」

ミカサ「・・・今は?」ドキドキ

サシャ「・・・んん?」

アニ「ほほう、まだまだ狙ってるってことかい?」

サシャ「あ、あわわ・・・」

ユミル「おーおー、
    女の子しちゃってるねえ!」ガハハ

サシャ「ああ、もう恥ずかしい!
    みんな、いややー;;」ガササ

クリスタ「あーもう、ユミルたちが苛めるから
     布団に潜っちゃったじゃない!」


ミーナ(その一瞬のうちに
    パン三個も持ってったけど・・・)


ユミル「いやー素晴らしいですね、
    はい、これは実に良い話でした。」ニッコリ

アニ「なかなか楽しいね。」ウンウン


ミカサ(恋愛話・・・他人事なのに
    なんだが私まで照れくさくなる///)


ミカサ(でも、ちょっと楽しい・・)ニコ

ユミル「よーし!じゃあ次の
    恋バナに行っちゃおうかな?」

サシャ「はいはい!!つ、次はアニです!
    絶対にアニです!!」


サシャ(けしかけられた仕返しです!)

ミーナ「なんか変な格好でサシャが出てきた!」


クリスタ(布団かぶって可愛い。)


ミカサ(進撃!巨人中学校の
    アルミンみたいになってる・・・)


アニ「私は別に構わないよ?」フフン


サシャ(ふぬぬ、余裕たっぷりですね!)


クリスタ「アニはこういう話すること
     照れくさくないの?」

アニ「女が男を好きになる、
   特別じゃない、普通のことだろ?」

クリスタ「まあ、そうなんだけどね・・・」ジー


アニ(ライナーかエレンに少し憧れてるって
   話せば平気だろう・・・ふふふ)


ユミル「そんじゃあ、熱い
    リクエストがあったので・・・」

ユミル「次はアニ・レオンハートちゃんの
    話を伺いましょ。」ペコリ


ミカサ(ユミルは意外と変・・・)

ミーナ「誰のこと好きなんだろうね?」ジー

サシャ「やっぱり、
    エレンじゃないですかね?」ジー

クリスタ「いつも一緒に
     格闘訓練してたしね?」ジー


ミカサ・ユミル(何はともあれ気になる)ジーーー


アニ「・・・・・・」


アニ(みんな、こっち見てる///)


アニ(・・・あれ?)

アニ(なんだか、
   すごく恥ずかしくなってきた・・・)


ミカサ(ふふふ、あの顔、
    アニは考えが甘かった・・・)


ミカサ(皆の視線が作り出すプレッシャー、
    これは伊達じゃない・・・!)ジー


サシャ「あれれー?
    まだ酔ってないですよね?」ププー


クリスタ(サシャったら
     元気になっちゃって・・・)フフフ

アニ「あ、あの・・・」


ミカサ(これは実に珍しい光景、
    今ならアニで湯が沸かせそう・・・)


アニ(どうしよう、何故か声が出ない・・・)


ユミル「おいおい、
    あまり追い詰めてやるなよ!!」ガタン


ミカサ(今のは・・・わざと音を立てた?
    アニの意識がユミルに・・・)


ミーナ(ユミルったら
    すっごいイケメン顔になってる・・・)

アニ「ユ、ユミル・・・!」

ユミル「大丈夫、
    私だけはあんたの味方だよ。」ニコリ


サシャ(うわぁ!一瞬だけ、計画通りって感じの
    すごい悪そうな顔になりましたよ・・・)


ユミル「よし!アニ、周りは見るな・・・
    意識すると緊張するだろ?」

ユミル「だから、落ち着くために
    まず私の目だけを見ろ・・・」

アニ「う、うん・・・」

ユミル「落ち着いてきたか?
    大丈夫・・・安心しな。」


ミカサ(これは・・・パニックで弱った
    アニの心の一瞬の隙間に入り込んだ?)


ミカサ(催眠?それにしては・・・
    簡単すぎる気が・・・)


ユミル「次は目をつぶって
    ゆっくりと深呼吸をしろ・・・」

ユミル「・・・そうだ、ゆっくりだ・・・」

アニ「う、うん・・・」←簡単な奴


ミカサ(やはり素直すぎる・・・
    これが元々のアニ?)


ユミル「目を瞑ったままでいい・・・
    いくつか質問に答えてくれ・・・」


アニ(なんか、とてもいい匂いがする・・・)


ミカサ(これは・・・ラベンダーの香り?
    あのロウソクから・・・
    ユミル、いつの間に・・・)

ユミル「よしアニ、私の声は
    ちゃんと聞こえてるな?」

ユミル「アニ、大丈夫か?
    落ち着いてきたか?」

アニ「・・・うん、すごく落ち着いてきた。」

ユミル「良かったな、こんな経験は
    中々ないからびっくりしただろ?」

アニ「・・・」コクコク

ユミル「まずは答えやすい質問から行こう・・・」

間違い


ユミル「よしアニ、私の声は
    ちゃんと聞こえてるな?」


>>70の先頭です

アニ「う、うん。」

ユミル「・・・」ニヤリ


ミーナ(いいように誘導されてるな・・・)


ユミル「じゃあエレンの良さ、
    まず、これを私に教えてくれないか?」

アニ「エ、エレン?
   ええと・・・エレンはいつも
   努力してる頑張り屋さんだと思う・・・」


サシャ(頑張り屋さん!?
    そんな乙女みたいな・・・いったい?)

ユミル「そうだな、あいつは努力を
    惜しまない立派な奴だ。」

ユミル「そんなエレンに・・・」

ユミル「いいか素直に答えるんだぞ、アニ。」

アニ「う、うん・・・わかったよ。」

ユミル「もしエレンに告白されたら・・・
    告白されたらだぞ?
    アニ・・・お前はそれをどう思う?」


ミーナ(告白したらじゃなく、されたら!
    ほんとに誘導うまいなあ・・・)

アニ「それは・・・あいつは
   いい男だと思うし、そりゃ嬉しいよ。」

アニ「ただ、私は・・・」


ミカサ(む、表情が変わった・・・?)


ユミル「ただ?アニ・・・もしかして
    気になる相手が他にいるんだな・・・?」

アニ「う、うん・・・
   ちょっと好み・・・かなって?」

ミカサ(素直なせいなのか
    何だか見た目が少女のように・・・
    正直、とても可愛い///)


クリスタ・サシャ・ミーナ(ドキドキドキ)


ユミル「名前・・・自分で言えるか?」

アニ「や、やだよ・・・恥ずかしい・・・」プイッ


ミーナ(恥ずかしいって、可愛いわー!!)


ユミル(やべ、私までドキドキしてきた・・・
    落ち着け、落ち着け・・・)

ユミル「そ、そうか・・・それじゃあ、
    どんな人なのか教えてくれないか?」

アニ「どんな人・・・か?」

ユミル「そうだ・・・優しい人、強い人、
    頭がいい・・・何でも構わない。」

ユミル「そいつのことを
    少しだけ聞かせてくれないか?」

アニ「う、うん、少しなら・・・」


ミカサ(答えやすそうな簡単な質問を繰り返し
    警戒心を解きながら誘導している・・・)

アニ「ええと・・・
   この104期の中で・・・一番頭がいい!」


ユミル・ミーナ・クリスタ・サシャ・ミカサ
(((((アルミンだ・・・!)))))


ミカサ「・・・!!」フルフル

ユミル「じゃ・・・あっ!」

ミカサ「アニ・・・アルミンを
    好きになってくれてありがとう・・・」ギュ

ミカサ「私は自分のことのように嬉しい!」ギュウ

ユミル「馬鹿!邪魔するな!!」

アニ「えぇ!?」パチクリ

アニ「な、なんでミカサが私に抱きついて?
   って何で知ってるの・・・///」


サシャ(ん?催眠状態だったのでしょうか
    ・・・怖いですねえ)モグモグ


ユミル「あーあ、解けちゃったよ・・・」


ミーナ(ユミル・・・恐るべし!)

クリスタ「もう、ユミルったら!
     催眠術なんてしちゃ駄目よ!」ドキドキ

ユミル「モウシナイ、モウシナイヨ」

ユミル「間違えた!コレオサケノセイヨ?」

アニ「いったい・・・これは・・・催眠?」

クリスタ「ええと・・・
     アニってアルミンのこと・・・好き?」

アニ「べ、別に私は・・・」

クリスタ「でも、訓練所で
     一番頭がいい人が好きって・・・」

アニ「さ、さあ?催眠状態のときなんだろ?」

ユミル「催眠状態のときってのはな、
    潜在意識に強く残ってることしか
    出てこないんだよ。」ニヤニヤ

ミーナ「ほへー、そうなんだ・・・」

ユミル「大好き・・・っとまでは
    言わないでおいてやるよ。」

ユミル「・・・でもまあ、相当
    意識してるんだろうな。」ニヤニヤ

アニ「あ・・・あぁ・・・///」

アニ「うわーん;;」ダダダッガササ

ミーナ「はーい!!
    本日、二人目のベッドインです!!」

ミカサ「アニ、布団の中でいいから聞いて
    恋人になるかどうか・・・」

ミカサ「まだ先のことだろうし、
    わからないけど・・・」

ミカサ「アルミンのこと・・・
    好きになってくれてありがとう!」

アニ「///」ヒョコ


ミーナ(またホッカムリが産まれた・・・)


アニ「べ、別に・・・
   ちょっと努力家だし頭いいし
   優しいし顔が可愛いからってだけだよ!」


クリスタ(それって結構多いよね・・・)フフフ


ミカサ「・・・ありがとう。」ニッコリ

アニ「・・・ふん///」


ミーナ(また、引っ込んだ)プププ


サシャ「もうっ、アニ!狭いから
    あっちのベッドに行ってくださいよ!」

アニ「うるさい、うるさい!」

ユミル「いやーまたまた
    いい話が聞けましたね。」ニッコリ


クリスタ(満足そう・・・悪ユミル・・・)


ユミル「しかし、アニがアルミンとはねえ。」

――
―――

布団の中・・・


サシャ「・・・あれ?
    そういえばベルトルトは?」

アニ「へ?あいつがどうかしたの?」

サシャ「いえ、別に・・・」


サシャ(彼、いつも見ていたんですが・・・
    脈なしですか、前途は多難ですね。)フー


サシャ(パンくれたら応援しますよ!
    ベルトルトに届けこの思い!!)クワッ


サシャ(・・・やっぱ明日、
    直接言って強奪しましょう。)


―――
――

ユミル「いやいや、本当に楽しいですな?
    ・・・ミカサさん、乾杯!」

ミカサ「うんうん、とても悪くない
    ・・・ユミルさん乾杯!」ニコニコ

クリスタ「みんな、だいぶ酔ってきたね、
     私もぐるぐるする・・・」

ミーナ「最後まで持つかね?」

クリスタ「そろそろ急がないとね!
     次はどっちかな?」

ミーナ「次は私でいいよ!」

ミーナ「でもね・・・皆と違って
    大恋愛ってのはないのよね?」チラッ

アニ「そ、そんなのしてないよ!!」

ユミル「はいはい、アニちゃんには
    聞いてませんよ!」ヒック

アニ「こっち見たも・・・フグ」

サシャ「アニ、うるさいですよ!」ズリズリ


ミカサ(アニが布団に吸い込まれた・・・)

クリスタ「でもミーナ、さっきエレンのこと
     格好いいって言ってたけど?」

クリスタ「あれは?」

ミーナ「あれは顔がいいよねって
    そのままの意味だよ。」

ミーナ「私はね・・・
    相手の顔が気になるらしいのよ。」

クリスタ「顔かぁ・・・確かに
     格好いいほうがいいもんね///」エヘヘ

ユミル「ふむふむ、
    先ほど言っていたエレンの顔、
    どんな所がお好みですかな?」ヒック

ミーナ「やっぱ一番は意志の強そうな、
    あの目だよね!」ウンウン

ミーナ「未来を見据えて、そこへ必ず
    向かうぞって感じがいいのよ。」

クリスタ「ふんふん・・・わかるわかる。」

ミカサ「うんうん、ミーナは
    意外に良く見ている///」ゴクゴク

ミーナ「さらにさらに
    歯を食いしばり、困難を乗り越え
    鍛えられた彼ならではの
    引き締まった顎のライン!!」ハァハァ

クリスタ・ミカサ「・・・」

クリスタ「・・・え?」


クリスタ(褒めてるんだし、
     良いこと?を言ってるはずなのに
     この変な気持ちは何だろう・・・)ンー


ミカサ(・・・私もそう思う。)コクリ

クリスタ(あ、今ミカサと通じ合った・・・)


ユミル「まあミーナの発想は気持ち悪いが
    ・・・あれだ、顔は大事だな。」

ミーナ「な?なんでよ!!」

ユミル「なんせ、そいつの性格なんかは
    もろに顔に出るからな。」

アニ(布団)「あんたは卑しさが出てるね。」ププ

サシャ(布団)「アニ、うるさいですよ!」プンプン

クリスタ「顔に性格かぁ・・・
     アルミンが頑張ってるときの
     顔とか良いよね、アニ?」

クリスタ「なにくそ~って感じがね?」

アニ「私に振るな///」ガササ


ミカサ(やっと少し出てきてたのに
    光の速さで布団の奥に消えた///)


ミーナ「流石はクリスタ!御目が高いね。」

ミーナ「身体能力がないことを自覚し、
    泣きそうになりながらも
    それでも必死に上位陣に
    喰らいつく瞬間のあの目・・・」ゾクゾク


クリスタ・ミカサ・アニ・サシャ
   (やっぱり・・・なんか違う気がする・・・)


ユミル「まあミーナは・・・
    うん、とても気持ち悪いが
    ・・・あれだ、顔は大事だな。」

ミーナ「ななな?なんでよ!!」

サシャ(布団)「ミーナって・・・
        ちょっと怖いですね。」ヒソヒソ

アニ(布団)「ねぇ・・・
       あんなだったなんて・・・」ヒソヒソ

ミーナ「ちょっと、そこの二人!
    めっちゃ聞こえてるよ!!」

クリスタ「ミ、ミーナ、落ち着いてよ。
     でもね・・・これは
     仕方ないと思うンダヨ・・・」ゴニョ

ミーナ「!?まさかクリスタまで・・・」

ミーナ「ミカ・・・」

ミカサ「・・・」ップイ


ミカサ(流石にその発想には
    付いて行けないはず・・・うん。)


ミーナ「そ、そんなミカサまで・・・」

ミーナ「うえーん;;」ガサ

サシャ・アニ(布団)「・・・」フトンギュ

ミーナ「あれ!?なんでよ!
    ちょっと、私も入れてよ!」グイッグイ

サシャ(布団)「ミーナは私たちと違います!」

アニ(布団)「そうだよ!!」

ミーナ「あ!ひどーい、酷いんだ!!
    絶対に潜ってやるんだから!」ゴソゴソ

アニ(布団)「うわっ、蛇みたい・・・
       ウネウネしてる!」ウヘ

サシャ(布団)「ミ、ミカサ!
        引っ張り出してください!」


ミカサ(ミーナ、おしりふりふり・・・)

ミカサ「っせい///」ズル

ミーナ「ぎゃあああ!!
    パンツまで全部脱げた!!」

ミカサ「あ、ごめんなさい・・・」テヘヘ

ミーナ「ミカサのエロ魔人!酔っ払い!!
    なんで腰の部分持ったのさ!」

ミーナ「引っ張り出すなら
    足のとこでいいでしょうが!!」

ミカサ「あの・・・パンツ脱がそうかと・・・」

ミーナ「なんでよぉ!!」

ミカサ「盛り上がるかと・・・///」

ミーナ「盛り上がんないよ!?
    うわーん、もうお嫁に行けないよ;;」

ミカサ「大丈夫、私が貰ってあげる
    ・・・二番目でよければ・・・」

ミーナ「一番のお嫁は?エレン??」

ミカサ「大きな声で言われると
    少し恥ずかしい///」

クリスタ「ミ、ミカサ?間違ってるからね?
     ミカサがお嫁さんだからね?」

ミカサ「えへへ///」


アニ(すっごい酔ってる
   ・・・ミカサじゃないみたい。)


アニ(一応、しっかり紐を結んどこ・・・)


サシャ(私も結んどこ・・・)


クリスタ「ミーナ、ミーナは
     まずは履こうよ・・・ね?」アセアセ


クリスタ(私も一応・・・)ギュ

ユミル「あーもう騒がしいな・・・
    遅くなってきたし
    そろそろ終わりにするか・・・」

サシャ(布団)「そうや・・・ですね・・・
        もうこれ以上飲めんし・・・
        眠いし・・・」


アニ(布団)(なんか所々訛ってる・・・)


ユミル「よし、じゃ

クリスタ「ん?最後にユミルの話
     ・・・忘れてるよ?」ニッコリ

ミカサ「っは!?・・・忘れていた。」

ミーナ「ミカサ!パンツも忘れてるから!
    速く返して!!」

サシャ・アニ「・・・」ワクワク


ミーナ(お?二匹とも出てきた・・・)


ユミル「あのですね・・・
クリスタ「私のことを・・・
     ってのは勿論、無しだよね?」ニコニコ

ユミル「ク、クリスタ・・・ぐぬぬ///」

サシャ「ユミルは年上ですからね、
    きっとドキドキするような話ですよ。」

アニ「・・・楽しみだね///」

ユミル「っち///まあいいや!
    真面目に話してやるよ///」


ミカサ(強気な言動に反する照れ顔・・・
    顔が真っ赤・・・可愛い)フフ


ユミル「あーもう恥ずかしいなぁ・・・
    んじゃあ、いくぞ!
    本当に真面目にだかんな?」

ミーナ「うんうん!」

ユミル「・・・ええと、私の好きな奴は
    ベ、ベルトルさんだな・・・」

クリスタ「はわわ///」

アニ「うわぁ、はっきり言ったね///」

サシャ「す、好きなんですか??」

ユミル「好きだ///」

ユミル「前は少し興味があるくらいだったけど
    あー・・・もう少し興味あったかな?」

ユミル「うん、でもまあ、
    この一週間ですごく好きになった。」

サシャ「ほへ、一週間ですか?」

ユミル「時間が空いて・・・
    考えることのほとんどがな・・・
    ベルトルさんのことばっかだった///」

クリスタ「だだ、大胆発言だね・・・」ハワワ

ユミル「なんせ、これまでは
    色恋沙汰に現を抜かすことなんて
    できなかったからな。」

ユミル「たぶん今は・・・一緒に、
    うん、そうだな・・・これからも
    一緒に居れたらなんて思ってる///」

ミーナ「うひゃぁぁ・・・」

ミカサ「か、彼はとても優秀・・・
    ユ、ユミルは
    彼のどこが好きになったの?」ドキドキ

ユミル「ちょっと待て、真面目な話だからな?
    あと、ここだけの秘密だからな?」ジー

ミーナ「・・・ん?」

ミーナ「はい、わかりました!」

ユミル「守らなかったら、
    みんなの前で何か脱がしてやる・・・」

ミーナ「な、何をって、言わないって!!」

ユミル「・・・よし、約束だぞ、
    じゃあ話すからな。」

クリスタ「う、うん・・・」ドキドキ

ユミル「・・・初めに意識したのは
    いつだったけかな?」

ユミル「確か涼みに出て
    月を見ていたとき・・・」

ユミル「そうだ、訓練兵団に
    入った最初の夏だったな・・・」

サシャ「月?月を見て何するんですか?
    何か食べるんですか?」


アニ(卑しい顔・・・
   可愛いのに勿体無いね。)ププ


ユミル「何もしない・・・
    ただ、ほんの少しだけ
    昔のことを思い出したりするだけさ。」

サシャ「ふーん、昔・・・ですか?」

ユミル「んで、ふと気づくと少し離れた
    木の下であいつも月を見ていたんだ。」

ユミル「背の高さで・・・
    ベルトルさんだってことは
    すぐに分かったよ・・・」

クリスタ「はぁ、月明かりの中で彼と・・・
     出会った・・・」ウットリ

サシャ「ユミルって意外に
    ロマンチストっぽいですね///」ウヘヘ

ユミル「ロマ・・・お願い、
    恥ずかしいから止めて。」

クリスタ「ユミル・・・続き、
     聞きたいなぁ・・・」

ユミル「ん、まあ普段なら他人のことを
    気にすることもないんだが・・・」

ユミル「その時はな、見ちまったんだ・・・
    一瞬だったが月明かりの下の
    ベルトルさんの顔をな・・・」

ミーナ「イケメンだもんね!」

ユミル「そういうことじゃない・・・
    けど、顔は意外に良いよな///」

サシャ「ぷぷー今のユミル、
    いつもとは別人みたいです///」

ユミル「あぁ、もう・・・続ける///」ケフンケフン

クリスタ「ふふふ」

ユミル「ただ、そのときは・・・
    最初は泣いてるのかと思ったよ・・・」

ユミル「そんな勘違いをしちまうような
    悲壮感あふれる顔だったな・・・」

サシャ「ベルトルトは
    泣き虫さんなんですかね?」

アニ「あ・・・」

サシャ「ん?アニ、どうしました?」

アニ「いや、なんでも・・・
   なんでもないよ・・・」


ミカサ(アニ・・・?)


ユミル「泣いてないんだから涙は見えない、
    ま、当たり前の話だよな・・・」

ユミル「でも今思えば、心の奥で泣いている
    そう・・・そんな感じだったんだ。」


アニ(ベルトルト・・・)


ミカサ「心の奥・・・」

ユミル「何があってそうなったのか・・・
    それはわからん・・・今もな。」

ユミル「ふぅ・・・続けるぞ?」

クリスタ「・・・うん」

ユミル「この訓練所に来る人間の大半は
    世間体を守るため、あわよくば
    憲兵狙いってところだろうな・・・」

ユミル「だが何人かは脛に傷があるか・・・
    心に小さな闇を抱えてしまったか・・・」

ユミル「その闇に囚われてしまったなんて
    奴も居るかな・・・」

ユミル「詳しく話すつもりはないが
    私も・・・そのうちの一人だな・・・」

ミカサ(闇・・・か・・・
    エレンもいつの間にか復讐という
    闇に囚われていたのかもしれない・・・)


クリスタ(ユミル・・・)


ユミル「ちと暗い話だったな・・・
    ま、長々と話したが、
    その時、私は自分と似た匂い・・・」

ユミル「それに傷かな・・・?
    それをベルトルさんから
    感じ取ったんだ・・・」

ミーナ「それが二人の恋の始まり・・・」

ユミル「ま、まだ私だけの片思いだよ///」

クリスタ「わぁ///」

ユミル「んで、その後はたまにその場所であっては
    少しだけ語り合ったんだ・・・
    本当に少しだけだぞ?///」

クリスタ「たまに一人で消えると思ったら
     そんな素敵なことを・・・」

サシャ「ふ、二人は・・・
    つ、付き合ってたんですか?///」

ユミル「いーや、さっき言った通り
    好きになったのは最近だ。」

ユミル「それに残念ながら
    他に想い人がいるようでな・・・
    ただの話し相手をしてたよ。」

サシャ「あ・・・!」ジー

アニ「・・・なんだよ?」

サシャ「なんにも!」

アニ「変なサシャ・・・」クス

クリスタ「で・・・どんな話をしてたの?」

ユミル「そうだな、訓練の愚痴・・・
    ライナーがドジ踏んだ話・・・」

ユミル「話したのは恋愛の話どころか、
    そんな些細な話だけだったよ。」

ユミル「でもな・・・」

ユミル「そんな話の節々に
    本当のあいつの姿が見え隠れしてたよ。」

アニ「本当の・・・?」

ユミル「なぜか・・・えらく
    距離をとってるようだったけど、
    本当は誰よりも
    皆と仲良くしたがってるとかな。」


アニ(胸がズキズキする・・・)

サシャ「ん、本当は・・・ですか?
    なんでそんなことを?
    恥ずかしがりやなんですかね?」

ユミル「恥ずかしがりやだとは思うが・・・
    まあ仲良く、とはいかない
    理由があったんだろ・・・」

ミーナ「聞いてないの?」

ユミル「言いたくなったら
    向こうから言うだろ・・・」

ユミル「だから、こっちから、
    とやかく言うつもりはないね。」

ミーナ「それもそうか・・・」

アニ「・・・」

クリスタ「私も距離をとられてるのかな?
     っていうのは感じたなぁ・・・」

クリスタ「でも・・・ユミルは
     何で仲良くしたいって感じたの?」

ユミル「色々な話をしたって言っただろ?」

クリスタ「うん。」

ユミル「同期の訓練兵の話題ばっかりだよ・・・
    そういや知らん奴の名前まで
    出たこともあったな・・・」

ユミル「なんにせよ好んで周りを見てないと
    そうそう出てこないだろ?」

ミカサ「なるほど・・・」

ユミル「アルミンが怪我した心配だな・・・
    コニーがサシャに騙されて
    倉庫へ盗みに・・・大丈夫かな・・・」

サシャ「ありゃ、恥ずかしいですね。」エヘヘ

ユミル「ふふ、ミカサがエレンを心配して
    また男子寮に侵入してきた、
    見つかったら大変だよとかな・・・」

ミーナ「ミカサったら、そんなことを?」

ミカサ「ばれていたとは・・・面目ない///」

ミカサ「あ、でも三回だけ・・・
    それに寝顔を見に行っただけ、
    誓ってそれだけ!」キリッ

ミカサ「あ、一回ライナーの
    顔を踏んでしまったかも・・・
    誓って一回!」キリリ

ミーナ「誓われても・・・」

サシャ「ミカサ!ひどいですよ!!」

ミカサ「ごめんなさい、
    サシャ・ブラウン・・・」

サシャ「あう///」

ミーナ「あははっ、
    意外にミカサも言うねぇ。」

ユミル「ミカサ、お前もこの一週間で
    本当に変わったな・・・」フフ

ユミル「まあ兎に角、普段は汗かいたか、
    かいてないかくらいの
    変化しかしないくせに・・・」

ユミル「あのとき、仲間の話をしているときは
    コロコロと表情が変わってた・・・」

ユミル「口には出さなかったが
    楽しそうにしてたよ・・・」

ユミル「まあ、そんな・・・人の
    心配ばかりする優しいところも
    好きになったところかな///」

サシャ「惚気、惚気ですね!!」

ユミル「いいだろ!それに最近は明るくな
アニ「あ、あのさ・・・
   距離おく理由が酷い場合は・・・」

ユミル「ん?」

アニ「も、ものすごく悪人だからとか
   ・・・かもしれないじゃないか・・・」

ユミル「悪人・・・?アニ、どうした?」

アニ「たくさんの人を怪我・・・
   こ、殺しちゃったりとか・・・」

サシャ「ちょ!?アニ、大丈夫ですか?
    ・・・真っ青ですよ?」

アニ「そ、そんな・・・酷いことを・・・」


ユミル(アニ?・・・沢山の人を?)

ミーナ「ちょっと大丈夫?」


ユミル(ま、まさか・・・
    シガンシナのことか・・・)


ユミル(・・・)


アニ「ご・・・めん・・・」


ユミル(こりゃ、お世辞にも・・・
    軽い話ではなさそうだな・・・)


アニ「ごめん・・・なさい・・・」

ユミル「アニ・・・それ以上は・・・
    今、それ以上は話さなくていい・・・」

アニ「あ・・・」

ユミル「お前にも何か
    思うところがあるんだろうな・・・」

アニ「ご、ごめん・・・
   場を壊しちゃって・・・」

ユミル「気にするな・・・」


ユミル(弱ったな・・・アニは
    向こう側の人間・・・
    巨人・・・だったのか・・・?)


アニ「・・・」


ユミル(この様子を見る限り悪意どころか・・・
    罪悪感で今にも・・・)

クリスタ「アニ、そこに寄りかかって・・・」


ユミル(私と一緒ならば
    内にあった巨人も・・・)


ユミル(だが・・・人類の敵・・・か・・・
    私が言うと少し滑稽だがな・・・)


ミカサ「・・・」


ユミル(ミカサが居る以上・・・
    嘘をついて誤魔化すのは・・・)


ユミル「ふぅ・・・・・・
    そうだな、仮に・・・仮にだぞ?」

ユミル「ベルトルさん・・・そしてアニ、
    お前たちが沢山の人を
    殺した人間だとしよう。」

アニ「・・・」

ユミル「なあ、アニ・・・」

アニ「・・・?」

ユミル「ここに来て、長いもんだな、
    もう三年近くになるのか・・・」

ユミル「お前と私、そこまで仲良く
    喋りはしなかったな。」

アニ「・・・うん。」

ユミル「でもな、ここへ来てから何度、
    一緒に風呂に入って、何度飯を食った?」

ユミル「・・・訓練で何度、
    一緒に死線を越えてきた?」

ユミル「何度か皆で
    馬鹿騒ぎをした事もあったな・・・」

アニ「・・・」

ユミル「言葉は少なくとも・・・」

ユミル「もう、仲間って言葉じゃ軽い・・・
    そうだな、家族と言っていいと思う・・・」

ミカサ「・・・」

ユミル「ミカサもサシャもミーナもクリスタも
    ・・・もちろんアニ、お前もだ。」

ユミル「男共も入れてやろうかね、あはは」

アニ「ユミル・・・」

ユミル「なあ?今はもう、
    互いの深いところまで・・・
    お前の人となりも感じれるよ。」

ユミル「だから、分かる・・・」

ユミル「私の気に入ってる連中はな・・・」

ユミル「そのへんのおかしい連中のような
    悪意を持った殺しなんかできないね。」

クリスタ(ユミル・・・)


ユミル「それでも、やったのであれば、
    それは何か理由があったと・・・
    私ならそう考えるね。」

ミーナ「理由・・・?」

ユミル「例えば、全人類が殺される・・・
    時間はもう僅かだ・・・」

ユミル「目の前の何万人を犠牲にしてでも
    進まねば間に合わないとかな・・・」

サシャ「そ、そんな・・・アニ・・・」

ユミル「サシャ、さっき言ったが
    これは仮の話だぞ・・・」

サシャ「あ・・・それは、
    その・・・はい・・・」

ユミル「何万の人間を殺して残りを救うか・・・
    見ぬ振りをして
    全員で死ぬまで待つか・・・」

ユミル「もし、こんな話があったのなら
    どっちを選んでも・・・
    苦渋の決断だな・・・」

ユミル「実際はもっと・・・
    さらに複雑な話なんだろうな・・・」

ユミル(だがまあ、今のアニの
    雰囲気を見る限り・・・当たらずとも
    遠からずってところかな・・・)


ユミル(ベルトルさん・・・そうだよな・・・
    泣きそうになるわけだよ・・・)


ユミル「兎に角、私は覚悟を決め、
    決断を下した人間を・・・
    極悪人だなんだとは言うつもりはないね。」

ユミル「そうだな・・・本来、
    こういう時にだけ使うんだろうな・・・
    『仕方がなかった』って言葉を・・・」


ユミル(皆に許されるかどうかは・・・
    わからんが・・・)

ユミル「アニ、とりあえず、
    お前は布団に潜れ・・・
    安い泣き顔じゃないからな・・・」

クリスタ「アニ、ハンカチ使って・・・」

サシャ「アニ、わだじのも・・・」

アニ「・・・」

ミーナ「アニ・・・」

ユミル「さてと、少しばかり
    突飛な話になっちまったな・・・」

ユミル「わかってると思うが、
    最初に話したとおり
    この話は六人の秘密にしたい・・・」

ユミル「クリスタ・・・」

クリスタ「アニは・・・ううん、ここにいる
     皆は私の大切な人たちだから、
     わかってる・・・」

ユミル「サシャ・・・あーもう、
    お前もハンカチ使え・・・」

サシャ「ばい・・・アニ聞ごえますよね?
    きっと・・・私も
    あなたと同じことじますがらね;;」

ユミル「ミーナ・・・」

ミーナ「私はこの三年間で
    一番、アニの側にいたよね・・・」

ミーナ「そして、心から信じられる
    親友になったと思ってるからね
    ・・・それだけだよ。」

ユミル「ミカサ・・・勘の言いお前だ・・・
    思うところがあるだろうが・・・」


ユミル(こいつは意外に情に厚い・・・はず)


ミカサ「・・・」

ミカサ(たぶん、詳しくはわからないが
    アニは巨人側の人間・・・
    ベルトルト、彼もか・・・)


ミカサ(壁もない、巨人もいない・・・
    ならば敵対する必要は無い・・・)


ミカサ(なにより私は・・・
    今、目の前にいるアニを
    どのように見ても
    敵とは認識できない・・・)


ミカサ(エレン・・・エレンには
    辛い話になるだろうな・・・)

ユミル「・・・」

ミカサ「ユミル・・・
    近辺には誰の気配もない・・・」

ユミル「そうか・・・」

ミカサ「それと・・・少しの間だけ、
    皆で外へ出て欲しい・・・」

ミカサ「私は・・・アニと二人で話したい。」

ユミル「・・・わかった。」

――
―――

ミカサ「アニ、小声で話すから
    私も布団に入らせてもらう、
    返事はしなくていい・・・」ゴソゴソ

アニ「・・・」

ミカサ「アニ、温かい・・・」

ミカサ「こんなに温かいあなたが
    皆に冷たかった理由・・・
    皆と少し距離をおいていた理由・・・」

ミカサ「そして最近のあなたの雰囲気・・・」

ミカサ「アニ・・・あなたが
    とても、とても重い咎を
    背負っていたのがよく分かった・・・」

ミカサ「だけど・・・理由はわからないが
    巨人は全ていなくなった・・・
    私達の壁もなくなったはず・・・」

アニ「ミカサ・・・」

ミカサ「覚えていて欲しいことが・・・」

ミカサ「私はいつでも
    エレンとアルミンの味方・・・!」

ミカサ「でも、もし・・・あなたが懺悔する
    機会が来たならば、私は全力で
    エレンを説得するつもり・・・」

ミカサ「贖罪は、これから人類への奉仕で
    返していけばいい・・・と思う・・・」

ミカサ「私は・・・そこまで頭は良くない、
    のでこれくらいしか考えられない・・・」

アニ「・・・」

ミカサ「アニ・・・あなたがいつか全てを
    話してくれる日が来ることを願う・・・」

ミカサ「それと、いつかまた今日のように
    恋愛の話をしたい・・・」

ミカサ「次の次くらいには
    是非ともアニとアルミンの
    話で盛り上がりたい・・・」

ミカサ「それだけ・・・」




ミカサ「ユミル・・・
    終わったので、どうぞ。」


―――
――

ユミル「さてと・・・」

ユミル「しかしまあ、他は兎も角、
    エレンの・・・
    あいつの説得は大変そうだな・・・」

ミカサ「・・・うん」

ユミル「確かあいつの・・・」

ミカサ「・・・」

ユミル「あいつは素直ないい奴・・・だが、
    兎に角、真っ直ぐすぎるからなぁ・・・」

ミカサ「一つ考えがある・・・」

ユミル「ほう・・・?」

ミカサ「皆で調査兵団に入る・・・」

ユミル「・・・唐突だな?」

ミカサ「これからの調査兵団はより遠くの世界を
    調べるための組織となるらしい・・・」

ミカサ「世界の・・・あらゆる所を旅する。
    組織の再構築後の話なので
    まだ、先のことらしいが・・・」

クリスタ「そういえば・・・
     エレンが騒いでたね。」

ミカサ「うん、そこへ入って皆と旅をすれば
    より仲間意識が強くなるはず・・・」

ミカサ「少しずつ・・・少しずつだが憎しみも
    和らいでいくのではないかと・・・」

ユミル「悪くないな・・・」

ミカサ「そこでアニたちが身を粉にして・・・
    それこそ命を懸けて頑張れば・・・」

ユミル「なるほどな・・・
    いつか伝えることができるかもな・・・」

サシャ「な、なにより外の世界なら
    美味じいものも食べれそうですじね!」

ミーナ「泣き顔をクシャクシャにして・・・
    サシャはぶれないね。」

サシャ「えへへ///」

ユミル「しばらく・・・
    私たちは調査兵団か・・・」

ユミル「アニ・・・聞こえるな・・・
    少し顔を出してくれ。
    そして約束してくれ・・・」

ユミル「私たちは秘密を守る・・・
    お前の心が決まるまでだ。」

ユミル「だから・・・この先、何かあったら
    必ず私たちに相談してくれ。」

ミカサ「アニ・・・
    私たちは・・・家族・・・」

アニ「・・・うん、約束するよ。
   ・・・か、家族だからね。」

ユミル「それとな・・・人ってのは他人を
    理解するのには時間がかかる。」

ユミル「今すぐは懺悔するな・・・
    私達の命令だ・・・わかったな?」

サシャ「えへへ、命令ですよ!」

ミーナ「聞かないと脱がしちゃうよ?」ウフフ

クリスタ「アニ・・・辛いだろうけど・・・
     頑張ってね・・・」

アニ「うん・・・」

アニ(みんな・・・ありがとう・・・)


サシャ「アニってば顔グシャグシャです!
    汚いですよ!」プププ

アニ「う、うるさいよ・・・」

クリスタ「もう、サシャったら意地悪、
     言わないの!」

ユミル「さて、一件落着とはいかないわけだから
    これからは忙しくなりそうだな!」

ミカサ「・・・うん、でも
    力を合わせて頑張っていこう。」

ミカサ「あ、そうだ・・・
    ユミル、最後に乾杯を・・・!」

ユミル「お、そうだな・・・んじゃあ何に・・・」

サシャ「私は・・・これから出会う・・・
    まだ見ぬ食材たちに乾杯しましょう。」

ユミル「なんだそりゃ・・・」

ミーナ「流石サシャだね、じゃあ私は
    これから始める皆の恋愛話に・・・」

ユミル「お前も大概だな・・・」

クリスタ「じゃあ、私は・・・
     これからの皆の幸運を祈るね!」

ミカサ「クリスタはとても良い子
    ・・・私たち家族の結束に!」

アニ「みんな・・・ありがとう・・・
   私は・・・皆との出会いに・・・」

ユミル「私たちも覚悟を決めないとな!
    この女子会の誓いと・・・
    私達の自由と未来に・・・!!」




「「「「「「かんぱーーーい!!」」」」」」

「ねえ、もしだよ?」

「もし私たちが自由になったら
 ・・・何がしたい?」



辺りはすでに夜の帳が下り、
 静かな・・・とても静かな闇に包まれていた。

ゆっくりと顔を上げると
 外套の中、驚いた表情の
  二人がこちらを見下ろしてきた。



「突然だな・・・いったいどうした?」

どこまでも続く闇・・・

この闇が作り出す不穏な雰囲気、
  その闇から守ってくれる力そのもの・・・
   そんな、精悍さを湛えた声が響いた・・・



「ん・・・別に深い意味はないよ・・・」



ふと気づくと雲間から
 月明かりが零れ落ちてきた。

その淡い光に呼応するように
 先程の少年が言葉を紡ぐ・・・

「そうか・・・
 自由・・・自由か・・・」



夜空を見上げた少年の声は
 先ほどとは打って変わり、柔和だが
  とても寂しそうな響きを含んだ。



「そうだな、叶うのであれば・・・
  皆で、旅を・・・してみたいな。」



しかし、月明かりを映したはずの
 その双眸には絶望を宿した
  深い闇だけが広がっているように見えた。

私は些細な想いで聞いた
 この質問がとても残酷なもので
  あることに気づき酷く後悔した。

ほんの寸刻だっただろうか・・・

月明かりはゆっくりと隠れ、
 辺りには再び闇と静寂が戻ってきていた。



「僕たちに・・・自由はないよ・・・」

まるで、この闇に溶け込むような
 静かで、やはり悲しみを湛えた声が聞こえた。

私はこの一際、背が高い少年の
 黒い瞳、その奥に見える小さな光を覗き込む。
  しかし、光は一瞬の間に消えてなくなった。



「もう・・・部屋に戻るよ・・・」

私は知っている。

 誰よりも心優しい、この巨人が

  優しさゆえに突き放したということを・・・


私は・・・知っている。

 夢・・・それは時に人を傷つけるということを・・・


そう・・・私は知っている。

 私たちに自由がないことを・・・

  そして、未来などないことを・・・

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