ミカサ「……停戦協定?」(127)

(深夜 女子寮)


アニ「……は?」

クリスタ「…先刻、廊下でアルミンが血を吐いて倒れてて、医務室に送ってきたんだけど」

ミカサ「…アルミン?」
アニ「……それが、何?」

クリスタ「来週、アルミンが機構学2級の試験を受けるの、二人とも聞いてるでしょ。知らないとは言わせないわ」


ミカサ「…うん、あの試験は難しい」コクリ

クリスタ「アルミンは私達以上に身体能力が低いから、普段の訓練でも大分無理をしているの。そこに、ここのところ徹夜が続いて……」

アニ「……で、それで私らに何の関係があるんだよ?」

クリスタ「…二人とも、本当に気付いてない? エレンのことで、毎回アルミンはフォローしてくれてるんだよ?」

ミカサ「」フッ
アニ「」ハッ

クリスタ「…………」

アニ「話はそれだけ? 無いなら寝たいんだけど…」
ミカサ「」コクリ

クリスタ「いいえ、どうしても二人には停戦と協力をお願いしたいの」

ミカサ「…協力?」

クリスタ「ええ、まずはこれを見て欲しい」

カランカラン…

アニ「? スプーンと、フォーク?」

ミカサ「…いいえ、違う。この匂いは……」クンクン

クリスタ「…ええ、これらはエレンの私物。それも今日の夕食で使われたばかり」


アニ「…おい、ちょっと。何故あの馬鹿のものが? たかが食器とは言っても、紛失すると罰則規定じゃないか」

クリスタ「…」チラッ

ミカサ「……読めた。どうして今、シャサとユミルが、グラウンドを走らされているか」

クリスタ「さすがミカサね。…そう、この話し合いの為に、夕食時にアルミンがあの二人の食器とエレンの分とをすり替えていたの」

ミカサ「…でも何故?」

アニ「そうだ。どうして私らに? 私ら三人に対して、肝心の食器は二つしかない。…道考えても新たな火種じゃないか」

ミカサ「……まさか、他の食器を独り占め?」ギロリ

クリスタ(凄い殺気、…ああ、アルミンの言っていた通りだ…)

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(医務室 少し前)


クリスタ「! 無理無理無理!、…こんなの見せたら、きっと二人に殺されちゃう!!」

アルミン「…いいや、やってもらわないとダメなんだ!」


クリスタ「……」

アルミン「…見ての通り、君達三人のエレン争奪戦は日を追うごとに激しさを増し、巻き込まれる僕は心身共に磨耗してる…」ゴフッ

クリスタ「…アル、ミン…」

アルミン「…正直、来週一週間だけで良い。僕に安寧を…。学科面で挽回しないと、身体的に劣る僕は最悪開拓団送りにされてもおかしくないんだ……」

クリスタ「…で、でも私には……」

アルミン「うん、分かってる。…クリスタの言葉だけじゃ、きっとミカサもアニも動いてくれない…」

クリスタ「う、うん…」


アルミン「……だからクリスタには、とっておきの案を…」ガフッ

クリスタ「! アルミン!?」

アルミン「…良い?よく聞くんだ…」ゴホゲフッ

クリスタ「」コクン

アルミン「……明日は何の日だか分かる?」ゲホゲホ

クリスタ「明日? …ええと、兵団建設記念日?」

アルミン「…そう、春と夏の変わり目。この日を境にして、僕達の衣服や寝具が冬用から夏用に切り替えられる…」ブフッ


クリスタ「?」

アルミン「……でも話には続きがあって、今年は業者の手違いで男子分しか夏用が届いていなくて、女子用の切り替えが来週にずれ込んでいるんだ…」ゴポォ

クリスタ「!!」

アルミン「……どうやら気付いてくれたようだね」ケホッ

クリスタ「……明日、男子寮ではリネン交換が行われ、エレンの色々なものが染み付いた寝具が破棄されてしまう」

アルミン「…幸い、今週の備品担当は僕だ。つまり僕なら、君達の寝具とエレンのものを取り替えることが可能となるんだ」

クリスタ「…………」

アルミン「……どうか、これをあの二人との交渉材料にしてくれないだろうか(´;ω;`)」

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(再び 女子寮)



アニ「…」ゴクリ

ミカサ「…なるほど、明日エレンの…」ガタッ

スッ

クリスタ「……言っておきますが、医務室は面会謝絶です。…私との会話後、アルミンは血だまりの中に倒れて、現在、医務官さんの緊急治療が行われている最中です」

アニ「…なら」

クリスタ「…ライナー達も、同じく医務室です」


アニ「は?」

クリスタ「アニ…、貴女は今日八つ当たりで、彼のおなかを蹴ったでしょ?」

アニ「…あ、ああ」

クリスタ「あの一撃でライナーは昏倒。…どうやら折れた肋骨が皮膚を突き破って、一部が肺に突き刺さったみたい…」

アニ(……あの野郎、ヘマしやがって)チッ

クリスタ「それでベルトルトも、付きっ切りでライナーの看病に当たってるわ」


ミカサ「…付きっ切り?」

クリスタ「ええ、どんな技術か分からないけれど、一晩でライナーを動けるように治療してみせるって言って聞かなくて……」

アニ「…………」

ミカサ(…あのベル何とか…、同性愛?)

クリスタ「じゃあ、今度は貴女達の答えを聞かせて…」

アニ「…なんでそんなに必死なんだよ。あんた馬鹿じゃない?」

クリスタ「…馬鹿でもいい。でも今回のミッションは私達三人の同意が無ければ意味がないし、私はどうしてもエレンのものが欲しいの…」


ミカサ「…………」

クリスタ「…ミカサ、貴女なら分かるでしょ?」

ミカサ「…ん」コクリ

クリスタ「良かった」ホッ

ミカサ「…でも不自然。エレンの食器を、クリスタが私達に見せる必要性が理解できない」

アニ「…………」

クリスタ「…それは、私は、明日手に入る寝具を選ぶ優先権が欲しいの…」

ミカサ「?」


クリスタ「明日アルミンから手に入れるのは、シーツと毛布カバー、それに枕カバーの三点セット。本物かどうかはミカサの嗅覚に頼ることになると思う…」

ミカサ「…続けて」

クリスタ「毛布カバーを手に入れられれば、それすなわち、エレンに抱きしめられながら眠りにつくことを意味している…」

ミカサ「……ええ、道理ね」フム

クリスタ「シーツを手にすれば、エレンと背中合わせ。もし横向きにエレンが寝ているならば、エレンと添い寝していることに等しい…」

アニ「…」ゴクリ

クリスタ「…でも、私が欲しいのはエレンの枕カバー」


ミカサ「………」
アニ「………」

クリスタ「……つまり、エレンの髪に顔を埋めながら眠ることが出来るの」

ミカサ「…」
アニ「…」

クリスタ「それだけじゃない、キ…キスだって…//////」


ミカサ「…なるほど、それで『食器』」

アニ「? どういうこと?」

ミカサ「つまりクリスタ、食器と枕カバー以外の寝具で私達の状況を平等にしたい。…アルミンの発案?」

クリスタ「…ええ、シーツなら肩越しにエレンとキス…、毛布カバーなら正面からエレンとキス…」

アニ「……枕カバーなら、前または後ろから、か」

クリスタ「…どう? それに今回のアルミンのお願いを聞いたら、今度はデートの段取り相談やエレンの休日の予定も教えてくれるらしいの」

ミカサ(…逆に断れば、今後アルミンの支援は期待出来なくなる…)ギリッ

アニ(…どうする、あたし…、決して悪い条件じゃないが…あたしのプライドが……)


ミカサ「…クリスタ」

クリスタ「?」

ミカサ「…その案、乗っても良い」

クリスタ「本当!?」

ミカサ「……でも幾つか条件がある」

クリスタ「? 条件?」

ミカサ「…条件一、交換した寝具の代わりに、エレンの寝具と私達の寝具を取り替えることに協力すること」

アニ「…可能、なの?」

ミカサ「出来る。明日の大掃除、エレン達はマットや枕等を洗濯するよう命じられる」

クリスタ「ええ、わかったわ。教官達の目を盗めばいいのね」コクン


ミカサ「…条件二、エレンとのデートに関して、私の随伴を許可すること」

アニ「随伴って、…それデートじゃないじゃん」

ミカサ「…」ギロリ

アニ「…なに? 食堂での勝負の続きをしたいの?」

クリスタ「…やめて二人とも」

アニ「でもさ……」

クリスタ「…私とエレンとの際には構わないけど、アニの時は、随伴じゃなくてアルミンを連れて尾行する…というのはどう?」

ミカサ「………」

クリスタ(…ほら、アニも何か言って!)チラッ

アニ「……あ、ああ、それが最低限の妥協。それ以上は許さない」

うおおおおおおお


ミカサ(…戦況は不利。しかし邪魔は可能、か)

クリスタ「……ダメ、かな?」

ミカサ「…それでいい、条件三は明日遺棄されるエレンの衣服に関して(特に下着)、貴女は争奪戦に参加しないこと。以上の点が私の追加条項」

クリスタ「ええ、わかったわ。アニは?」

アニ「…特に無いよ」

クリスタ「それじゃ解散です。二人とも、ありがとう…」グスッ

アニ「泣くなよ、私らが悪いみたいじゃないか…」

クリスタ「だって、だって…」グスッグスッ



ガチャッ


サシャ「…あうー、あうー」フラフラ

ユミル「くそっ、あの糞教官めッ!…って、やっぱり三人は寝てんのか。薄情だな!私の嫁!」

サシャ「あーうー…」

クリスタ「…ユミル?」

ユミル「? どうしたクリスタ、枕なんか股に挟んで? …まさか、欲求不満!?」

クリスタ「!っち、違うッ!こ…これは足を細くするためになんとかかんとか…///」


ユミル「はあ…? まあ何でも良い、私は疲れてんだ。ほら私の分のスペースを開けて」

クリスタ「…う、うん」

サシャ「…あーうー」バタン

ユミル「ん、ミカサは全身毛布に包まって、…アニは半裸でマットを抱きしてめてる??」

サシャ「…zzz」


ユミル「……一体全体、この部屋で何が起こったんだ???」


書きだめは以上です。
続きは、今日の夜か明日の朝になります。

have a nice day !

アルミンの安寧 虚偽の安寧
死せるアルミンに自由を!


(明け方模様)
―アニの場合―


アニ「…くっ、外の二人のせいで、なし崩し的に決まっちまった」

アニ「…………」

アニ(…クリスタは枕カバー、ミカサは毛布カバー、私はシーツ…。三者三様、きれいに欲しいものが分かれたな…)


アニ(…みんな寝たのか…?)

アニ「…あいつのフォーク…」

アニ(……ミカサやクリスタならどうやって使うんだ?)

アニ(……くっ、ミカサの奴、毛布に包まって見えないが、あの動きは恐らく……)ゴクリ

アニ「………………」

アニ(…クリスタのお嬢ちゃんも太ももで枕を挟んでたみたいだし…、私なら…)


アニ(……いや待て、戦士の私がこれで良いのか?)

アニ「…違う。戦士には度胸も必要。…そもそも現状ではあの馬鹿と向き合うと、私は私でいられなくなる…。これは、本物の戦士に向けた偉大な挑戦……」

アニ(…そうだ…、私は戦士…)

アニ「」ペロッ

アニ「!! ………っ!///」モニュモニュ


アニ(っ! …なにこれ凄い!…脳天直撃。舞い降りた夢にfeeling heart、はじけだした私の未来、繋いでゆくよ青い空の中へ!!…そんな感じ…///)ハァハァ

アニ「…あ、明日の夜には、これにエレンと肩を並べられる…」

アニ(…そう、戦士はお互いに肩を並べてなんぼ…。私の選択は最善)

アニ「…くふぅ…」


アニ(……もう一回、もう一回だけ……)モンモンモン


―ミカサの場合―


ミカサ(…アニが動き始めたということは、皆が寝静まった)

ミカサ「…ん、エレン、ここが私のお布団の中だよ…」

ミカサ「うん、エレン恥ずかしい?」

ミカサ「…うん、私も恥ずかしい」

ミカサ「でも、小さい頃はずっとこうしてたんだよ?」


ミカサ「うん、エレンは鈍感…。待たせる男は悪い男///」

ミカサ「ほら、これが私の《自主規制(ハニャーン)》…」

ミカサ「…やっ、エレンがっつかないで…、慌てない、私は逃げない…」

ミカサ「…ん、そう、エレン上手い…、てくにしゃん…」

ミカサ「……あっ、ダメ。そっちは違う…」

ミカサ「……もうエレン、そっちの方が好きなの? …エレンの変態…///」


ミカサ「…ん、ダメ許さない。もっと優しくしないと許さない…」

ミカサ「……」

ミカサ「…ふにゃあ…」

ミカサ「……エレンの馬鹿、大馬鹿…」

ミカサ「」


モゾモゾ


ミカサ「…後は、このスプーンを乾燥させ、エレンのと再び交換すれば、エレンも私の味を知ってくれる…」


―クリスタの場合―


クリスタ「…下の二人も、きっと何か企んでる…」

クリスタ(でも負けない…、私の匂いをしみ込ませればエレンだって…)

クリスタ(…私が狙うのは、エレンに膝枕してあげること…)

クリスタ(正直に言えば、現状では、幼馴染のミカサの距離でエレンに近づくことも、アニのように接近戦を利用して肌を触れ合わせることも出来ていない…)


クリスタ(…唯一の馬術訓練だって、エレンは私の手ほどき無しで走破するほど上手くなってる…)

クリスタ「…私だけ、出遅れてる…」

クリスタ(…下着まで脱いだら、もっと私の匂いがしみ付いてくれるかな?)

クリスタ(…否、明日のリネン交換では、私の枕カバーだけが捨てられて、私の枕をエレンが利用するようになる…)

クリスタ(…次の交換の機会は、おそらく半年後…)

クリスタ「…なら、もっと塗りつけるようにした方がいい?」

クチュッ…


クリスタ(……チーズ臭かったらごめんね、エレン……)ギシッギシッ


―ユミルの場合―


ユミル(…明け方近くになって、部屋仲間の三人がいきなりオナり始めた件について…)

ユミル(なんだよクリスタ、やっぱお前も相当貯まってたんじゃん…)

ユミル(おうおう、すっかり自分の世界に入りやがって…。私は起きてるっつーの)

ユミル(……………)

ユミル(でも、指摘したら絶交されるんだろうなぁ…)


ユミル(そりゃこんだけ禁欲的な生活を強いられてんだ。…確かに貯まって当然だろうがよ…)

ユミル(…でもよ、しっかり場所は選ぼうぜ)

ユミル(…)ハァ

ユミル(お、私のため息に反応してクリスタの音が止まった。慌ててきれいな顔を真っ赤にしてるんだろうなぁ…)

ユミル(…いっそ、襲っちまうか?)

北の将軍「停戦協定は白紙」

共通の敵はジャップス我が韓国主導で統一スルしかないな19号は無能とち狂うな

どこからか違ってきてね....




続き...お願いします。

エレンは女性を狂わせるなww


ユミル(……)

ユミル(…ダメだな。…んなことしたら嫌われちまうよなぁ…)

ユミル(あんまし、いい人生じゃなかったがよぉ…)

ユミル(信頼してる人間から忌まれるってのは、何度やられたって、絶対に気分の良いもんじゃねぇし、慣れるもんでもねぇ…)

ユミル(…まーた再開しやがって…、可愛い奴め…)


ユミル(……しゃーない。貸し①だからな、私の嫁…)


―サシャの場合―


サシャ「…zzz」

サシャ「…zzz」クウクウ

サシャ「…zzz」

サシャ「…zzz」


サシャ「…zzz」モゾモゾ

サシャ「…zzz」

サシャ「…zzz」

サシャ「…zzz」


サシャ「…zzz」ゴロリン

サシャ「…zzz」

サシャ「…zzz」

サシャ「…zzz」


サシャ「……………zzz」ムフー

これは夢の中で腹いっぱい食ってるな

サシャwww

(兵団建設記念日)

―朝 掲示板前―


エレン「お、アルミン、昨日の夜倒れたって聞いたぞ。平気なのか?」

アルミン「…ああ、エレンおはよう。うん、大したこと無いよ」

エレン「そっか。まぁ無理はすんなよ。大変な時期だろ?」

アルミン(…まあ、僕にとっては、今日という日を医務室で過ごす方が、『大変な』ことになるけどね…)


エレン「しっかし、祝日なのに訓練生は全員大掃除とは、せっかくの連休なのになぁ…」

アルミン「……ははは、そうだね」

ミカサ「エレン、アルミンおはよう」

エレン「ん、ミカサ? おはよ、珍しいな。アニとクリスタも一緒なのか?」

アニ「……」

クリスタ「おはようございます」ペコリ

ミカサ「時間が無い。…アルミン少し借りていい?」

エレン「?」



アルミン(…一体なんだよミカサ…、やっぱり協定は結ばれなかったの?)ボソボソ

ミカサ(…落ち着いて聞いて欲しい。条約は極めて平和裏に締結された。アルミンは、来週一週間は無事に勉学に専念できる)ヒソヒソ

アルミン(!!!)

クリスタ(…でもね、幾つか変更点が出来て…)コショコショ

アルミン(? 変更点?)ヒソヒソ

ミカサ(…全体的にエレン成分が足りない。もっと渡すべき)

アニ(…早い話、皮だけじゃなく中身も寄越せってこと)

アルミン(…なるほど、確かにそうだね。その程度なら多分協力できるよ)コクリ



エレン「? アルミンどうした? 内緒話なんて」

アルミン「ああいや、うん、ちょっと…、ほら、今日の大掃除で女の子達も洗物をしなきゃならないんだけど、全員が一斉に一箇所に集まっちゃうと混雑するでしょ?」

エレン「? ああ、そうだな」

アルミン「で、皆で役割分担すれば、早く終わらせないかって…」チラッ

ミカサ「…ん、祝日」コクン

クリスタ「そ、そうです。早く掃除を終えれば、その分休暇を有意義にすごせます!」

エレン「…なるほどな。そうと決まれば、飯食いながらでも細かいところを話し合おうぜ」


ジャン「…ちょぉぉっっと待ったぁぁぁぁ!!!!それって!!ミカサァァァァァァ………」

アニ「ちっ!」ベキッ!
ミカサ「んっ!」ドゴォッ!
クリスタ「…てい!」グシャッ!


コニー「……す、凄げぇ…、アニが蹴り上げ、ミカサが打ち下ろし、クリスタが止めを…」


ジャン「へもぐろびんえーわんしぃぃぃぃーーーーーー……!!!!」


!!!!ドンガラガッシャーン!!!!


ベルトルト「…どうする、ライナー…。僕らも、ああなることを承知で、クリスタ達に話し掛けてみるべきだろうか?」

ライナー「…no thank you…」フルフル

ベルトルト「……デスヨネー、アニならまだしも、クリスタからの理不尽な暴力は、きっと僕らじゃ受けきれない…」


ライナー「…ハードラックな一日になりそうだぜ…」

ここで終わる訳ってないよね


(訓練所 午前)

―設置班―


エレン「…洗濯台を設置して、洗ったものを干す役割は俺とミカサか」

ミカサ「ほらエレン、そっちのロープを固定して。ほら、早く」

エレン「ああ、わかったわかった」

ミカサ「…………」


エレン「なあミカサ」

ミカサ「…? なに?」

エレン「アルミンって、機構学の試験を受けるんだろ?」

ミカサ「ええ、だから凄く頑張ってる」

エレン「…あのさ、機構学って俺やお前も、前に受けてなかったか?」

ミカサ「…以前のは3級。今回アルミンは2級に挑戦する」


エレン「? それって難しいのか?」

ミカサ「…難しい、だけじゃない…。3級と2級では、単純に覚える量が増えるだけじゃなく、実技試験で受験者をふるい落とす」

エレン「実技試験? 3級とは違うのか?」

ミカサ「3級に求められるのは『正確さ』。…道具の組み立てや使用法に間違わなければ、それで良い」

エレン「? 2級は違うのか?」

ミカサ「…2級からは、正確さに加えて精密さが加わって『整備技術』も必須条件になる」


エレン「整備技術かぁ」

ミカサ「……許される誤差は、2級で1000分の10mm以下。センスや学力だけじゃなく、生まれつきの指先の器用さなんかも必要になるから、多くの受験生が脱落し始める」

エレン「…げ、それって、訓練生の間に取らなきゃいけないのか?」

ミカサ「いいえ、私達は基本3級までが必修。それ以上は、個人の努力査定」

エレン「…そっか、アルミン凄いな。ミカサは取らないのか?」

ミカサ「取れるか取れないかで言えば、恐らく取れなくは無い。…でも、同じ時間をかけるなら、別の興味あるほうに時間を掛けたい」

エレン「ふーん…、そりゃそうだな」

ミカサ(……それに私まで2級を取ってしまうと、アルミンが資格試験を受ける意味が失われてしまう。…だから、私は受けない…)


エレン「でも、1000分の10mmって言われてもピンとこないな」

ミカサ「…私達の立体起動装置で考えてみれば良い。あの装置で100m飛んだと仮定して、着地地点が予測より10cm程度ずれる計算になる」

エレン「たった10cmだろ?」

ミカサ「…でも、自分が狙った10cm横に、巨人が腕を伸ばしている可能性もある」

エレン「…………」

ミカサ「……だから、私達のような新兵より、熟練者や古強者にとっては、たった10cmの精度差でも生死を分ける大きな差になるんだって、アルミンも言ってた」


エレン「そっか、俺らの相手は巨人だからな…。当然のことだったな」

ミカサ「ええ、そう」


エレン「…っとミカサ、ロープの張りはこんなもんか? もう少し強めた方が?」

ミカサ「…ううん、良いと思う。じゃあエレン、今度はこっちに」

エレン「おう、待ってろ。今行く」

ミカサ「……ところでエレン、今朝の『スープ』は特別おいしくなかった?」キラーン

エレン「特別ってお前なぁ…、いつもの薄味コンソメだろ?」

ミカサ「………」

エレン「でも、風味っていうのか? なんか懐かしく感じたんだよなぁ」

ミカサ「…うん、そうだね///」


エレン「さて、あいつらが洗い終わるまでに、もう2、3台作っとこうぜ!」


ー洗い物班ー


アニ「…ちくしょう、あの時パーを出していれば…」ザブザブ

クリスタ「アニ、過ぎたことを悔やまないで。こちらにはこちらの役得が有ります」ザブザブ

アニ「? ……役得?」

クリスタ「ほら、アニの欲しがってたシーツをどうぞ」

アニ「…………」

クリスタ「…では、それを手にとって嗅いでみて下さい…」

アニ「…」ゴクリ

クリスタ「私もエレンの枕を拝借して…」



アニ「」クンカクンカ
クリスタ「」スンスン


アニ「!!!」
クリスタ「!!!」


アニ(…あ、ヤバイ。普通にヤバイ。ここまで濃密だとは思わなかった…。…ああもうなんていうか、ありふれた幸せでいいの…暖かな手で抱いて、…何も知らない私に愛を教えて……)スーハースーハー

クリスタ(あ、思ったより汗臭くない…。エレン、わりときれい好きなんだ)

アニ「…これは…、確かに役得だ…///」

クリスタ「でしょ? 私の枕も嗅いでみない?」

アニ「…良いのか?」

クリスタ「私達はエレンが好きな者同士、ライバルであり仲間でもある。…それにこれは私なりの停戦協定への儀式のようなもの…」

アニ「…なるほどな。お前の覚悟受け取った…」

クリスタ(…それに、こうしておけば、アニを通じてエレンにもっと接近できるかも知れないし…///)


アニ「…あ、こっちはこっちで///」

クリスタ「……」

アニ「…ありがとう。あんた良い奴だったんだ」

クリスタ「あの…アニ、私も、エレンのシーツの匂いを嗅いでいい?」

アニ「……そうだね、私ばかりじゃ不公平か。別に良いけど注意して」

クリスタ「注意?」

アニ「…シーツは、枕と違って、ミカサのいうエレン成分の密度がヤバイ…。あまり深く吸い込みすぎると、多分戻って来られなくなる……」


クリスタ「…」ゴクリ

アニ「…ほ、ほら。どうぞ!」

クリスタ「う、うんありがとう…」


アニ「」クンクン
クリスタ「」スースー


アルミン(…一応、洗い物班には僕もいるんだけどね…、こう二人の世界というか、…うん、なんでもないよ…)

アルミン(こんな現場、教官達に見られたら、僕まで罰則かな?)

アルミン(…でも、朝から教官達の姿がみえないような…?)

つづけろおおおおおおおお

はよはよおおお

はよ


(正午 食堂)


ミカサ「…案外時間が掛かったね」

アルミン「まあまあ、他の組の手伝いもあったわけだし。お陰で助かったよ」

エレン「…それにしても、あれだけの量の洗濯物が一同に翻ってるってのは壮観だな。まだ結構な数の仲間が残ってるんだ。俺らも負けてらんねぇな」

ミカサ「そうね…、そうかも」


クリスタ「皆、お疲れ様。今日の昼食は手軽にサンドイッチ。味付けはお好みでどうぞ」

エレン「お、クリスタ、アニ。ありがとさん」

クリスタ「ふふっ、あわてない慌てない」クスクス

アニ「……ん、ほらよ。遠慮せずに私のも食え」

ミカサ「で、エレン、午後からの予定は?」

アニ「…基本的には、それぞれの寮内の掃除か?」

エレン「ああ、夕方には終わるだろうけど、それから町に遊びに…ってのは難しいだろうな。アルミンはどうする?」

アルミン「……うん、僕は備品担当の仕事もある。先に、エレンの分かる範囲で良いから、僕の分も整理してくれたら嬉しいかな…」


エレン「ああ、それは構わないが、お前、試験があるんだろ?」

アルミン「? うん、そうだけど?」

エレン「なら、男子寮の掃除は俺らに任せて、担当分の仕事が終わったら、すぐに試験勉強に取り掛かったらいいぜ。この期間なら実習棟も開放されてんだろ?」

アルミン「…そうだね、じゃあお願いするよ」ケホケホ


ミカサ「…アルミン、私達も何か手伝える?」

アルミン「…………」

ミカサ「……ある、よね?」

アルミン「う、うん。…ミカサとアニには、手が空いたらで良いから、廃棄品の分別なんかを手伝って貰えたら嬉しい。リサイクル出来そうなものと、それ以外を分けて欲しいんだ」

ミカサ「ん、分かった」コクン


アニ「…で、いらないものはどうするんだ?」

アルミン「うん、そういったのは、グラウンド裏に焼却所があるんだけど、今日は大量にゴミが出るだろうから、裏山にも簡易の野焼き場が作られてるみたいだね」

エレン「なら、俺らも、直接野焼き場に持って行った方が良いのか?」

ミカサ「……ん、ダメ。エレンは捨てるものを私に見せて」

エレン「?」

ミカサ「…エレンは、私が見てないと横着をしようとする。それはダメ、許さない」

エレン「! …っこの、お前は俺の母さんかッ!」


クリスタ「ええと、エレン。…ミカサは、男性の視点では捨てるものでも、女性の視点からすれば再利用可能かも知れないと言ってるんです」

ミカサ「…」コクン

エレン「……そういうものなのか?」

アニ「…おい、私に聞くなよ」チッ

クリスタ「ほら、同じ布一枚でも、私達なら繕い物やインテリア、他には、ちょっとした小物にも使ったりしています。…今度、エレンも一緒にやりませんか?」

エレン「…ああ、そういうのはちょっとな…。分かった、ミカサ。俺達男子メンバーの古着なんかを見繕っとけば良いのか?」

ミカサ「…あまり大量でも困る。エレンのだけでいい」

エレン「わかったわかった…」


アルミン「じゃあ決まりだね」

ギャー…
グエェェェ…

エレン「………」

アルミン「? エレン?」

エレン「否、今グラウンドの方から悲鳴が聞こえたような…」


ミカサ「…………」
アニ「…………」
クリスタ「…………」


【番外編 男達の凱歌】



斥候a《……ダメですマルコ総司令ッ! 正面から突破を試みたa小隊全滅! 目標正面はパンジステークの密林によって、鉄壁の防御陣地が設置されています!》

マルコ「なら、右だ!右から回り込め!」

斥候a《了解(ラジャ)!》


ダダダダ…
……グァァァァァァァ……

マルコ《…どうした!?応答しろ、斥候a!》

偵察兵b《…マルコ総司令に緊急入電ッ! 対象右側より接近したb小隊は、設置されていたスパイクボールによって殲滅! 繰り返す! 対象右方には、スパイクボール!》


マルコ「司令部了解! 情報に感謝する。動ける者は撤退を始めよ!」

偵察兵b《…了解(ラバーメン)! b小隊撤退! b小隊撤退!》

コニー「…敵さん、なかなかの防衛陣地を構築してるみたいじゃないか…」

マルコ「ああ、皆、攻めあぐねいでる…」


ジャン「そろそろ俺達の出番か?」

コニー「…へへっ腕がなるぜ」

マルコ「…少し待ってくれ。今、工作班を目標左側、目標後方に配置させている。無闇に接近すれば、悪戯に負傷者を増やすだけだ」

工作兵a《……工作班c、d、共に目標左側、目標後方に配置完了!》

マルコ「総司令部了解。そこからトラップは確認できるか?」

工作兵b《……総司令部、こちら工作兵b。目標後方に複数のブービートラップを確認。総司令の指示を求む!》

マルコ「総司令部了解。…工作兵b、時間内に除去は可能か?」

工作兵b「……ひーふーみーよー……、総司令部、我、『不可能』と判断せり。繰り返す、我、『不可能』と判断せり」


工作兵a《……総司令部、こちら工作兵a、こちら工作兵a》

マルコ「どうした? 工作兵a」

工作兵a《……こちら目標左側、目標の半径50m以内にトラップの形跡無し。引き続き接近を試み……ぐぁぁぁぁぁッ!!!》

マルコ「? 工作兵a? 工作兵a?」

工作兵c《……こちら、工作兵c。工作兵a殉職、繰り返す、工作兵a殉職。ワイヤーロープにより宙吊りにされ、こちらに助けを求めているも、我々も罠の位置が把握出来ておらず、これ以上の接近は危険と判断します…》

マルコ「……総司令部、了解。退路を確認後、直ちに撤退せよ…」

工作兵c《了解(ウォンチュウ)…、ここまで来て…、無念です》



ジャン「…徒歩での接近は、やはり無理そうか?」

マルコ「そうだね…、四方に罠が張り巡らされ、しかも、こちらの意図を読んでいるかのような配置になってる。…さすがはミカサ、といった所だね…」

コニー「…しかし、俺達の目標、『聖遺物(crystan bedding)』は目の前にある…。ここで諦めるのは『漢』じゃねぇ…」

ジャン「そうだとも…。『聖遺物(misakan underwear)』を手にするか否かによって、俺達の今後(のmasturbation life)は大きく変わってくるッ!」


マルコ「……ジャン、コニー、すまないが、君達二人の立体起動に、僕ら全員の未来を任せても?」

ジャン「はっ何を今更…、…俺達は一心同体。どんな時も一致団結よぉ…」

コニー「へへっ…、そうだぜマルコ。…俺らは一蓮托生、生きるも死ぬも同じ時と定めた猛者、運命共同体の仲間だぜ…」

マルコ「…すまない。僕の指揮が不甲斐ないばかりに…」

ジャン「言いっこなしだぜ。ほら、マルコ総司令、俺達に出撃の指示を出して貰っていいか?」

コニー「…『人は、戦うことを止めた時に初めて敗北する。戦い続ける限りは、まだ負けてない』とか、何処かのおっさんも言ってたしよ…」テヘヘ…

マルコ「ああ、コニーの言うとおりだ…。僕は最後まで総司令でなくちゃね…」

まだー?


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------


ジャン《……目標視認》

コニー《……総司令。ジャン&コニー、予定位置に着いたぞ》

マルコ「総司令部了解。…これ以上の失敗は許されない状況ながら、現在、君達の着地点確保が充分為されていないため、一人ずつ跳んで欲しい」


ジャン《……ジャン、様子見跳躍了解。》
コニー《……コニー、様子見跳躍了解。》


ジャン《へへっ…マルコ、ナイスな判断だと思うぜ…》


マルコ「…気象班、現地の状況は?」

気象班《……こちら気象班。南東からの風、風速2m。上昇気流なし》

ジャン《ははっ…コニー、トラップの数を数えたか? 俺は途中で諦めたぞ?》

コニー《言うな…。…無事に降下させてくれよ…》

マルコ「…こちら、104期訓練兵団所属19班班長のマルコ・ボット。…精鋭兵による立体機動を決行する…。各員へ、目標奪取のタイミングは今しかない…。最後まで立派に遣り遂げよう…。…以上だ」

気象班《……気象班、了解》
誘導班《……誘導班、了解》
計測班《……計測班、了解》

制御班《…この仕事にミスは許されない。俺達も傍にいる。…きっとなんとかなる…、二人とも良い旅を…》


ジャン《…じゃあ、俺から行かせて貰うぜ…!》

マルコ「では、第一陣!10カウント開始!」

計測班《…了解(クリンナップクリンミセス)!》

《《……10マーク!…9!8!7!6!5!4…!》》


ジャン《……3!…2!…1!…!!!一撃離脱(リフト・オフ)ッ!!!!!》


…………!!! バヒュ !!!…………


マルコ「! …どうなった、観測班!」

観測班g《……こちら観測班!ただいま解析中!》

解析班f《………》カタカタカタ

マルコ「…………」

観測班g《……ダメです!…物干し台周辺にもワイヤートラップ多数!!ジャン氏は目測を誤り、手にしたのはブリーフ!…アルミン氏のブリーフです!!!》


マルコ「………くっ!…『有り』っちゃ『有り』だが!!!!」

それはねーよ


コニー《……ははっ、ジャンの奴ベアトラップに捕まってやがる。ミカサめ、容赦無いな…》

マルコ「…………」

コニー《……おい、総司令。まさか臆病風に吹かれたのか?》

マルコ「…いいや『僕』は…。…違うな。…『俺』は大丈夫だ」

コニー《……ふっ、らしくなってきたじゃないか…マルコ》


マルコ「……」

コニー《……んでマルコ総司令。あいつの跳躍から、俺が空中でどんな具合に動けばいいか分かるか?》

マルコ「…ああ、今、物理計算班から分析結果が送られてきた。…こちらの想像以上に、物干し台近辺は厳重に警備されているようだ…」

コニー《……ジャンの失敗は無駄じゃなかったか…》

マルコ「…失敗か否かは、君の跳躍次第。なに、コニーなら出来る」

コニー《……お、流石は指揮官希望。状況把握が早くて助かるぜ!答えは出たのか?》


マルコ「…ジャンから送られてきた手旗信号によれば、洗濯物周辺には、ワイヤートラップを始め、逆茂木、スパイクボール、足払い等が縦横無尽に仕掛けられているらしい…」

コニー《……》

マルコ「…しかし、今回ミカサ達は致命的なミスを犯している」

コニー《? ……致命的なミス?》

マルコ「…彼女らの防衛目標は、あくまで『洗濯物』。…コニー、洗濯をする際に、一番重要なことは何か分かるかい?」

コニー《……?》

マルコ「…正解は『日光』。陰干しにするか、日なたに干すのか…」

コニー《……それがどうした?》

マルコ「…聞け、同志…。今回、我々がむしゃぶりつきたい獲物の正体は、『スポーツブラ』。この衣服は、貴重なゴム不使用の日なた向け衣類に分類される…」

コニー《……》


マルコ「…つまり、日光の邪魔にならぬよう、上空の警戒は無防備。…滑走する様にして宙を駆け抜ければ、それだけで我々の勝利だ……」


コニー《……簡単に言ってくれやがって、それには、130mオーバーの超特大ジャンプは必要じゃねーか…》

マルコ「甘い。その位置からなら、男子寮と女子寮に飛び移れるだろ? 二つの寮を利用して、対角線上に跳べば、実質距離は100m程度…。コニー、ベストは幾つだった?」

コニー《……直線距離で110mジャスト。なるほど、無理な距離じゃないわけか。ok、やってみるぜ…》

マルコ「各班、第二陣、行くぞ!」

気象班《……気象班、了解》
誘導班《……誘導班、了解》
計測班《……計測班、了かっ…っ、うわあああぁぁぁ…!!!!!!!》


ルコ「…どうした!計測班!何が起こった!」

監視班「て、敵襲です!敵勢3…!ミカサ訓練兵を先頭に、アニ訓練兵とクリスタ訓練兵が続いています!!…我々では対処…、ぐはっ…!!!」

コニー《…お、おいマジか!?》

監視班《………………》プッ…ザー…ザー

コニー《…っ! どうする!総司令!!》


偵察班《……こ、こちら偵察班!もう持たない!司令部指示を頼む!》

マルコ「…作戦は予定通り行う。近接戦闘中隊、猟兵班、砲兵班、至急偵察班の応援に回ってくれ」

猟兵班《……猟兵班、了解。ははは、コニー、戦果期待してるぜ。…あばよ》
砲兵班《……砲兵班、了解。けけけ、コニー、武者振るいが止まらねぇぜ。…あばよ》
近接戦闘中隊《……近接戦闘中隊、了解。くくく、コニー、久々の大物だぜ。…あばよ》

マルコ「…………」


コニー《……気象班!ぼやっとすんな!風は!!》

気象班《……は、はい!南東からの風変わらず!風速1m!!…行けます!!!》

コニー《……見せてやるぜ!コニー・スプリンガー、一世一代の大ジャンプってヤツをよぉぉぉぉ!!!》

マルコ「10カウント開始!」

マルコ「…9!」
マルコ「…8!」
マルコ「…7!」
マルコ「…6!」
マルコ「…5!」
マルコ「…4!」
マルコ「…3!」
マルコ「…2!」
マルコ「…1!」

「「「「「「「「「 …!!!リフト・オフ!!!… 」」」」」」」」」」」


…………!!! シュバッ !!!…………
……………………


コニー「…うおおおおおおぉぉぉ!!!なんじゃあぁぁぁ!この速度ォォォォ!!!!!」


マルコ《……観測班!口頭で良い!状況説明を!!!》

観測班《……はっ!!…現在、コニー氏は予定軌道を跳躍中!侵入角度、誤差0.1°以内!!…素晴らしいバランス感覚と連続立体機動の腕前!!まさに脱帽ものです!!!》


コニー「…ひいいぃぃぃ、ああああァァァァ!!!!!!!」


観測班《……コニー氏ブービートラップ群上空を通過!!…突破です突破!!!》

マルコ《……屋上の我々の方からも観測出来た。ご苦労、観測班は可能な限り実況を続けろ!!それから回収班に伝達!》

側近《……ははっ!『トラ!・トラ!・トラ!』。ワレ奇襲成功セリ!!!》

マルコ《……勝負はここからだ!頼むぞ、コニー!!!》


コニー「…ふあぁぁぁぁ、ぐえええォォォォォォォォォ!!!」


観測班《……目標まで後40m、35、30…》

マルコ《……待て!後方から敵影!抜けたのは誰だ!!!》

演算班《……ミカサです!抜けたのはミカサ・アッカーマン!!信じられません!コニーの3倍の速度で追いかけています!!》

マルコ《……ミカサ?!ミカサだと!???》

演算班《……このままの経路なら、まもなく空中軌道上でコニー氏と衝突!!彼女の戦闘スキルを鑑みれば、間違いなく我々の敗北です……!!!》

マルコ《……なん、だと!、ここまで来て…!!》


ミカサ「…………」
コニー「…へへへへ、やっぱり…、そろそろ来るんじゃないかと、思ってたぜ……」

ミカサ「…貴方達は近づき過ぎた…。…だからもう落ちなさい……」
コニー「…ははは…負けられねぇ、…意地があんだよ…、男の子ってのはよォォォォォ!!!!」


観測班《!!!……接敵、今……!!!》
マルコ《!!!》


ザッ…!

コニー「……っぐふ!…ほげえェェェェェェェェ!!!!」
ミカサ「!!」



コニー「……はっ、残念だったなミカサ、これが覚悟の差だ……」グポォ


観測班《……!コニー氏、ミカサ氏の強襲を土壇場で回避!!》

マルコ《……何ッ?!!嘘だろ??!!!》

演算班《……接敵直前、一瞬だけアンカーを地面に突き刺し、即席の緊急ブレーキとしたようです…。凡そ常人には真似出来ません…》

マルコ《…………》

演算班《……ですが、回避の代償は大き過ぎる…。恐らくコニー氏の身体には、瞬間的に自重の何十倍ものgが掛かったものと推測されます》

観測班《……そして必然的に、コニー氏の失速は避けられません。我々は、勝負に勝って試合に負けた…》


コニー「…甘ぇよ…、…野郎共、俺の意地はまだ終わっちゃいねぇェェ…!!!!」

ジャン「……ぶべらっ!!」

コニー「…いくぜぇぇぇぇ!!!!!!!!」


観測班《……な!? ジャン氏の頭を踏み台にした?!!!》

演算班《……解析終了! …コニー氏の軌道、当初の予定と誤差0.721°!! 距離に直せば誤差10cm!!!!》


104期訓練生「「「「「「……い、行っけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」」」」」


グチャッ…ゴロゴロゴロ……


コニー「…ざまあみろ。取った…取ったぞ…。こんちくしょう…。ああもう【自主規制(オンドゥル)】の位置を直す元気もありゃしねェ……」

???「…」ガサゴソ

コニー「…おーい、回収班。こっちだこっち、悪いけど手を貸してくれぇ…」


???「…」ガサゴソ

コニー「…おーい、聞こえないのかぁ??俺はここだぞぉぉ!!!」


…ガサゴソ、ガサゴソ…


サシャ「……はーい、って、あれっ???」

ユミル「…おい、サシャ。私らのスプーンとフォークは見つかったのか?あれが見つからないと、今晩も飯抜き…、って、おいコニー、お前ここで何してんだ…?」

サシャ「? あ、はい。よく分かりませんが、コニーがここでクリスタの下着を握って倒れてました。何故でしょうか?」


ユミル「……おーしコニー、弁明してみろ。場合によっちゃ生かしてやる」

コニー「……ちかよ」

ユミル「? は?聞こえないな。もっと腹から声を出せ」

コニー「………こんな…、こんな落ちかよおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

ミタビ「…おい!回収班のミタビだ!コニー無事か?!無事なら返事をしろ!!」

ユミル「……よーし、あいつらも同罪なんだな? 全員まとめて一網打尽にしてやる…」

コニー「……(;ω;)」


この日、グラウンドの片隅で、血の雨が降ったとか降らなかったとか…。

後になって分かるのだが、この戦いの勝者は、ジャン・キルシュタインたった一人。
奇跡的に意識を取り戻した彼は、こっそりとミカサの靴下を盗み出し、全ての罪をコニー・スプリングスに擦り付けることに成功する。

この靴下は、代々この寄宿舎内で受け継がれることになるのだが、それはまた別のお話。

ジャンの得た報酬が、男達の犠牲に見合ったものかどうかは、後世の若者達の判断に委ねるしかない。

…ただ、この日、この場所で散った名も無き兵士達に向けられた鎮魂歌だけが、今は静かに紡がれるばかりである。

(番外編:  the unsung war‐男達の凱歌‐ 了)

番外編は終わりか
次は本編だな

凄く期待


(午後 女子寮近く)


ミカサ「…痛い、失敗した…」

ミカサ「随分飛ばされたけれど…、ここは…?」

エレン「……」

ミカサ「…エレン?」


エレン「……」グッタリ


ミカサ「…うん、落ち着いて私。…エレンは今、お昼中なだけ。…頭に大きなコブが出来ていたり、周りに古着みたいなのが散ばっているけれど、私は別に気にしない」

エレン「…………」

ミカサ「…とりあえず、そこのベンチに寝かせよう。…まったく、少し目を離すと、エレンはどこでも眠り始める…」

エレン「…………」

…ヒョイ

ミカサ「? ……エレン少し重くなった?」

エレン「…………」


ミカサ「…ほらエレン、ベンチだよ。今日はいい天気だから、ゆっくりしてもいこう?」

エレン「…………」

ミカサ「…また泣いてる? …どうして泣いてるの?」

エレン「…………」

ミカサ「…私、髪切ったんだよ。…エレンがあの日言ったみたいに、私、髪短くなったよ?」

エレン「…………」

ミカサ「…エレンは少し長くなった。機会があったら私が切ってあげようか?」

エレン「…………」

ミカサ「ん、エレンの髪質、ゴワゴワのままで懐かしい…」サワサワ


エレン「…………」

ミカサ「もしかして寝苦しい? 良かったら膝枕しようか?」

エレン「…………」

ミカサ「うん、返事が無いけど、私は出来る女…。…出来る女は、エレンの甘やかし方の一つや二つ、言われなくとも心得ている…」

エレン「…………」

ミカサ「ほら膝枕。これで怖くないよ?」ナデナデ

エレン「…………」

ミカサ「…心なしか、エレンの顔が嬉しそうに見える。エレンが嬉しいと、私も嬉しい」


エレン「…………」

ミカサ「…~♪~~♪」

エレン(…///)

ミカサ「~~~♪~~~~♪」

エレン「……」

ミカサ「? …~~♪? …~~~♪??」

エレン(~~~♪♪)


ミカサ「…」コホン

エレン「?」

ミカサ「……エレン、起きてる? 起きてない?」

エレン「…………」

ミカサ「うん、よかった。エレンは起きてない」

エレン「……」

ミカサ「…~♪~~♪」

エレン(あ、最初からやり直すのか)


ミカサ「~~~♪~~~~♪~~~~~♪」ナデナデ

エレン「…………」

ミカサ「…~~~♪」

エレン(…信じられねえ、強引にごまかしやがった)


ミカサ「~~~♪~~~~♪」

デレデレやないかい

はよ!!

はよ



…カーンカーンカーン…カーーン…


アルミン「…昼休みが終わる。あと半日の我慢、僕の胃壁、このまま静まっていてくれよ…」ブツブツ


ミカサ「~~~♪~~~~~♪♪」


アルミン「あれ? この歌、懐かしい。…ミカサかな?」

ミカサ「~~♪」


アルミン「やあミカサ、やっぱりミカサだったんだね。…その歌、よくエレンのお母さんが歌ってた唄だっけ?」

ミカサ「」コクン

アルミン「でも、もうお昼の鐘は鳴ってるよ。そろそろ午後の準備を、…ってミカサ…?」

ミカサ「? なに?」

アルミン「……あの、さ、…その、君の膝の上で寝ていて、君の上着を顔に掛けられて、やたらと見覚えがあるズボンを履いていて、なによりの周囲に散ばってる洗濯物って…」

ミカサ「? エレン? エレンは今お昼寝の最中…」ポンポン


アルミン「…」ゴフッ!


ミカサ「? なにアルミン、突然血を吐かないで。(私のエレンの)服にシミが付く」


アルミン「………(´ཀ`  )」ダラダラダラ


ミカサ「~~~♪~~~~~~♪♪」

アルミン(…ダメだ、ミカサは自分の世界に這入り込んでいる)

ミカサ「~~~♪」

アルミン(このままじゃ埒が明かない…、かといって、下手にエレンを引き離そうものなら、玩具を取り上げられる子供なんて比じゃない…)

ミカサ「♪♪」

アルミン(まず、間違いなく、僕は明日の朝日を絶対に目にすることが出来ない…)ダラダラダラ

ミカサ「~~~♪」


アルミン(…ああ、ご機嫌なんだね。普段見せない笑顔なんて浮かべて、さ…)


支援

まだかね

おーい?

舞ってる

進撃のぉ~
巨人のスレがぁ~
おぉすぎてぇぇ~…
どんな話か忘れそうだにぃ~…

シチューの話がしたいようなので貼っておきますね

「彼氏の実家に行ったらご飯にシチューをかけて食べてた。正直、将来うまくやっていけるかどうか不安になった。
一瞬、結婚できないとも思った」と語るのは、都内の商社勤務のol智子さん(26歳)。
彼女は当編集部の記者の知人女性で、同僚の男性と今年のクリスマスに挙式の予定。
 
・ご飯にシチューをかけて食べはじめた
そんな彼女が先日、彼氏の実家に3度目の訪問をしたという。今回は、はじめて彼氏の実家に宿泊。
夕食を彼氏の母親が作ったらしいのだが、そこでとんでもない出来事があったとのこと。
彼氏、その父親と母親、そして彼氏の弟全員が、ご飯にシチューをかけて食べはじめたというのだ。

↑おい、シチュースレはちゃんとした場所があるだろう?
そっちでやってこいよ

シ チュ ーの話がしたいようなので貼っておきますね

「彼氏の実家に行ったらご飯にシチ ューをかけて食べてた。正直、将来うまくやっていけるかどうか不安になった。
一瞬、結婚できないとも思った」と語るのは、都内の商社勤務のol智子さん(26歳)。
彼女は当編集部の記者の知人女性で、同僚の男性と今年のクリスマスに挙式の予定。
 
・ご飯にシ チューをかけて食べはじめた
そんな彼女が先日、彼氏の実家に3度目の訪問をしたという。今回は、はじめて彼氏の実家に宿泊。
夕食を彼氏の母親が作ったらしいのだが、そこでとんでもない出来事があったとのこと。
彼氏、その父親と母親、そして彼氏の弟全員が、ご飯にシ チ ューをかけて食べはじめたというのだ。



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