郁乃「かわええなぁ~宮永咲ちゃん」末原「!?」 (14)


郁乃「最近よく話しかけてくれるんや~まるで親鳥のあと着いてくる雛鳥みたいでかわええんやで~」

末原「は、はぁ…」

郁乃「ちょっと素っ気なくすると涙目になるって末原ちゃん知っとった~?うちに転校してきてくれて良かったわ~」

末原「そうですね…戦力的にも来年からの心配はなくなりましたし…」

郁乃「ちゃうちゃう~そういうことは咲ちゃんに求めてへんよ~」

末原「えっ!?そ、それは監督としてどうなんですか…?」

郁乃「あぁ~




郁乃「どの拷問からしたろかな~」

末原「!?」


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末原「な、なに言い出すんですか!?」

郁乃「う~ん、聞きたい~?聞きたい~?長くなるんやけど~」

末原「……」

郁乃「あの子イラつくやろ~?」

末原「…さっきかわええ言ってましたよね
?」

郁乃「ん~イラつかせるところがかわええんやで~」

末原「……」

郁乃「迷子になる癖に一人で出歩くし~モブな顔して麻雀の鬼やし~それだけやれんのにコミュ障やし~」

末原「……」

郁乃「ほら~うちこう見えて初心やろ~?せやからあないに懐かれたら思うんや~この子うちにぶっ壊されたいんかな~?ってな~」

末原「……」 カ、タ

郁乃「それだけじゃないんやで~?あんな誰にでもオドオドしとる子が麻雀では凛としとるやろ~?そんな子を苦しめた時どんな風に叫ぶんか、追いつめた時どんな風な顔するんか、それ想像すると…やっぱり濡れてきたわ~」

末原「……」 カタ

郁乃「あぁ~はよ監禁して痛めつけたいわ~」

末原「……」 カタカタ



東場終了

あ、して欲しい拷問があれば伺いますよ~

郁乃「その一、樽やで~」

郁乃「咲ちゃんを樽に入れて~顔だけ外に出させて行われる拷問やで~牛乳と蜂蜜を塗りつけられた顔には、アブやハエがたかっとって、皮膚はボロボロになるんや~咲ちゃんには食事を定期的に与えたるから、樽の中は徐々に排泄物でいっぱいや~数日したらウジ虫がわき始めるから、生きながらにして体が腐りやがては死に至るんやで~」

郁乃「その二、ファラリスの雄牛やで~」

郁乃「古代ギリシャで誕生したんやけど~雄牛型に鋳造された真鍮は内側が空洞になっているんや~脇に扉がついとって、ここから咲ちゃんを入れることができるんやで~牛の下から焚かれた火で装置全体が黄金色になるまで熱して、中の咲ちゃんは時間をかけてあぶり殺されていく~内側で上げられた苦痛の叫びは複雑な構造をした牛の口から通ることで、聞く側の耳にはあたかも牛が鳴いているような声となって届くらしいで~」

郁乃「その三、串刺しや~」

郁乃「十五世紀のルーマニアにその名を轟かせとったヴラド三世は「串刺し公」なんて呼ばれるほど串刺し好きやったらしいわ~先の尖った棒の上に座らされた咲ちゃんは自分の体の重みで棒にゆっくりと突き刺さってくんや~せやから死ぬまでに三日間はかかると言われているで~この串刺し公は、二万人の人間が一度に串刺しにされる様子を眺めて食事を楽しんだこともあるらしいわ~うちもそうしよかな~?」

郁乃「その四、異端者のフォークやで~」

郁乃「両端をフォーク状に尖らせた鉄の板を、ベルトやストラップにくくりつけた拷問具なんやで~ベルトを咲ちゃんの首につけて、鉄の両端があごの下と鎖骨の真ん中あたりにくるように調整して使用するんや~この器具をつけられた咲ちゃんは、横たわれないように天井などからつるさなあかんよ~?眠気なんかから頭を下げた瞬間、喉から胸にかけてこの異端者のフォークが突き刺さることになるんやから~」

郁乃「その五、鉄釘の首輪~」

郁乃「直径二~三十センチメートルの鉄の輪に長い取っ手がつけられた装置なんやて~何本もの鋭い釘が、輪の内側をグルリと取り囲んどって~釘が届かない内側のわずかなスペースに咲ちゃんの首が収まって、少しでも体を動かせば釘が首に食い込んでしまう構造になっとるから咲ちゃんの自由を奪うのが目的になってまうし~あんまり迫力はないかも知れへんな~」


郁乃「他にも色んな方法があるんやから皆ググってみてな~?」

末原「……」 カタカタ

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