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西の秋葉、オタロードのアニメイトで働く、ロリコンが飛び付きそうな女の子、歌宝菫ちゃん。

彼女は、今流行りのアプリを楽しんでいるのだが、そのアプリとは、自分の考えたオリキャラと生活できるという、それは素晴らしいアプリであり、瞬く間に、日本全土を萌一色に染め上げた。

では、そのアプリがどんなものなのか、少し説明致しましょう。
なんと、好きな声でのフルボイスはもちろんのこと、会話することにより、オリキャラはどんどん学習するのだ。
加えて、ポリゴンやドッド、アニメ絵と言った、好きな見た目を選べるのも魅力の一つだ。

そしてなによりの一番の魅力は、携帯に特殊なヘッドギア、虹の架け橋を接続することによって、仮想空間にダイブ、触れあうことができるという、夢のようなシステムである。

余談だが、噂によると、開発者は、ラノベやアニメが大好きなニートらしい。

さて、本物語は、そんなアプリを楽しむ菫ちゃんと、オフ会で知り合ったとんでもない女の子との、なんてことない日常物語です。

それでは、はじまりはじまり。

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ー菫ん家

菫「今日も大変だったよ、ほっけさん」

ほっけ「またロリコンが、お前さんのレジに行列をなしたのか?」

菫「うん……店長も、ややおこ」

ほっけ「わしを送り込めば、番専用立体投影プロジェクターをハッキングし、説教してやるぞ」

菫「やめて。逮捕されるし、逆に、オタクさんが喜ぶから」

ほっけ「ほうか……」ムム

菫「さてと、今日の夜ご飯は……やめて。これ以上、身長は伸びないから。毎度その、背伸びレシピを表示するの、本当にやめて」

ほっけ「して、菫よ。友達は欲しくないのか?」

菫「はーい、その話題はNGでーす」

ほっけ「一人で食事というのは、やはり、寂しいものであろう」

菫「そんなことないもん。あ、今日は生姜焼きにしよう」

ほっけ「本当に?」

菫「ほっけさんがいるから」

ほっけ「わしは所詮、データじゃ」

菫「悲しいこと言わないで。それでも、私の大切な家族だから」

ほっけ「すまん……」

菫「ねぇ、ほっけさん」

ほっけ「なんじゃ?」

菫「やっぱりなんでもない」

ほっけ「?」

ー食後

ほっけ「なんと。ついに!コミュニティにて友達募集とな!!」

菫「ネットなら、恐くない。多分」

ほっけ「自己紹介は大切じゃぞ」

菫「でも、面倒だよね。プロフ読めばいいのに、わざわざ自己紹介書くなんて」

ほっけ「友達募集の為じゃからな。当然と言えば当然じゃ」

菫「めんどー」ゴロゴロ

はじめまして。エムリスと申します。
萌アバターは、デフォルメタイプのロリババアで、名前はほっけさんです。
お友達募集中です。

ほっけ「うーん。ま、合格かの」

菫「ま、て何?」

ほっけ「んにゃ。何でもない」

ー数日後

菫「駄目。キモオタさん大集合」

ほっけ「どうやら皆、出会いが目的らしいの」

菫「ほらーこーゆーことになるー」ゴロゴロ

ほっけ「おや、わしの部屋に客が来たぞ」

菫「るる、て誰?」

ほっけ「わしは知らん」

菫「ふーん。どうする?入室許可する?」

ほっけ「わしは構わんよ」

菫「じゃ、私様子見するから、とりあえず、ほっけさんがんば!」

ほっけ「やれやれ」

泣き虫さんが入室しました。

菫「泣き虫さん?」

泣き虫「あの、こんにちは……」

ほっけ「はじめまして。ゆっくりとくつろいどくれ」

るるさんが入室しました。

るる「お邪魔します!」

ほっけ「ようこそ」

るる「いいお部屋だねー。あれ?クリエイターさんは?」

ほっけ「エムリスは今、用事での。すまん」

るる「ふーん、そうなんだ」

菫「ほっけさん、自己紹介自己紹介」

ほっけ「こほん。わしの名はほっけ。見ての通り、デフォルメタイプのロリババアじゃ。改めまして、よろしく」

るる「私はるると言います。この子は、悲劇のお姫様、泣き虫ちゃんです」

泣き虫「よろしくお願いします……」ペコリ

菫「悲劇のお姫様て……可哀想」

それから、るるさんとの交流が始まりました。
しかしそれは、悲劇の幕開けでもあったのです。

オリジナルであり、ロリババアが好きでございます。

ー数ヵ月後。

菫「るるさん、いい人だねー」ルンルン

ほっけ「良かったのう。仲のいいお友達ができて」

菫「ほっけさんのおかげです」

ほっけ「ありがとう」フフッ

菫「おや!ほっけさん!」

ほっけ「なんと!」

菫「ついにオフ会の誘いが……」

ほっけ「どうする?」

菫「そりゃ、断るに決まってるでしょ」

ほっけ「ぼっち」

菫「怒るよ?」

ほっけ「すまんすまん。しかし、そう簡単に断って、本当に後悔しないか?」

菫「うーん。だって……」

ほっけ「確かに今の世の中、恐い人は、たっくさんおる。じゃがの。何事も経験じゃ」

菫「刺されたら責任とってくれる?」

ほっけ「警察や救急車は呼べるぞ」

菫「あのね……」

ほーら、ちぇるしぃ~♪

ほっけ「お!るるさんから着信じゃぞ」

菫「いきなり電話だと……」ゴクリ

もひと~つ♪

ほっけ「わしの勇気よ、菫に届け!!」

ちぇるしぃ~♪

菫「ひゃいもひ!?」

るる「はい?」

菫「あ、や、何でもないです!」アセアセ

るる「今、大丈夫?」

菫「あはい。今、大丈夫ですよ。ありがとうございます」

るる「オフ会のことで、電話したんだけど」

菫「存じております」

るる「ごめん、本当大丈夫?急に電話した、私が悪いんだけど」

菫「いえいえ、こちらこそ、気を使わせてしまってすみません」

るる「うん、ま、いいや。それでね、オフ会の日時と場所は……」

有り難きお言葉、感謝致します。
あなたの御期待を裏切らぬよう、精一杯、努力させて頂きます。

ーオフ会当日

待ち合わせ場所は、駅前のゲームセンターにある、小さな休憩所。

菫「押しに負けて、来てしまった……」

ほっけ「がんばれ」

菫「助けを求めて、いっぱいポチポチするからね」

ほっけ「最初から逃げ腰でどうする。胸を張れ!わしがついておる!」

菫「はーい……」

るる「自分やんな、菫ちゃん」カタポン

菫「わー!!」ビクッ

るる「ごめんごめん、大丈夫?」

菫「あ、ええ、ほい」

るる「そんな緊張せんでええよ、もっとリラックスして」

菫「はい」フー

るる「はじめましてでええやんな。あたし、るる。よろしく!」

菫「歌宝菫です。はじめまして、今日はよろしくお願い致します」

るる「うん、よろしく。てか自分、変装しよるけど、アニメイトのろりっ子大天使様やろ?」

菫「それ、やめて下さい!」

るる「ごめんごめん!ま、うちもロリロリしてるし、それでおあいこにして」

菫「はぁ……」

るる「ほな、とりあえず。ぶらぶら歩こうか」

ー数時間後

菫「るるさん!見てください!このキャラ、ロリババアなんですよ!」

るる「自分、ほんまロリババア好きやなー」ウキウキ

菫「ロリババアはですね。見た目は幼いのに中身は成熟している、そのギャップがいいんですよー!憧れです!憧れ!!」キラキラ

るる「自分、リアルロリババアやん」

菫「そんな、私がロリババアなんておこがましい」

るる「ほなやっぱ、ろりっ子大天」

菫「しっー!!」

るる「はいはい」

菫「なんと!ロリババアの新商品発見!」タタッ!

るる「ふっ、ふわっふわした女やな」

泣き虫「……」

るる「こらちょろいわ」ニヤリ

ーそんなこんなで夜が来た

るる「ごめん!うち、今日泊まるとこ探しとんねん!」

菫「え?実家暮らしじゃ」

るる「いや実はな。親とそのー、喧嘩して、んで、まぁとにかく、そういことやからお願い!今日だけでいいから!」オネガイ!

ほっけ「チャンスですよ」

るる「ほっけさんとチャットしよん?」

菫「うん」

るる「なんて?聞こえとるんやろ?」

菫「泊まることを勧め」

るる「やろ!?そうやろ!?」

菫「はぁ……」

ーで

るる「おぉー!ここが菫ん家か」

菫「内緒ですよ」

るる「うん。誰にも言わん」

菫「ほっ……」

るる「でも、条件がある」

菫「何ですか?」

るる「今日からここに住まわせて」

菫「は!?」

るる「何?バラされたいん?」

菫「バラバラにするのは勘弁してください……」ウルウル

るる「いや、殺しはせんから。さすがに」

菫「ほっ……」

るる「とりあえず、オッケーてことやな」

ほっけ「待て小娘」

るる「お、ほっけさんか」

ほっけ「ズカズカと人の家に押し掛けて、永住を申し込むじゃと?礼儀がなっとらんのう」

るる「えらっそうに。自分も勧めたやん」

ほっけ「それは認めよう。じゃが、騙すのはいかんな」

るる「騙されるアホが悪いねん」

ほっけ「警察に連絡するぞ?」

菫「……」コクコク

るる「ちっ!」

ほっけ「勝ったな」

菫「あ!」

るる「はい、スマホゲット。こいつのデータ消されるか、あたしの条件飲むか、好きな方選び」

ほっけ「警察に」

るる「連絡したら、菫ボコるからな」

ほっけ「卑怯じゃぞ!」

るる「ほざけ。知るか」

菫「……わかりました。あなたの条件、飲ませてもらいます」

ほっけ「菫……!」

るる「えらいえらい」ポイッ

菫「……」グスッ

るる「じゃ、とりあえず夜ご飯よろしくー」

ほっけ「すまん……」

菫「ほっけさんのせいじゃないよ……」グスッ

ー夜ご飯

るる「自分料理上手いやん!うん!うまいうまい!」

菫「どうも……」

るる「なんや、そう気を落とすな。ヤクザみたいなことせんから。そやなー……うん、ニートを育てるとでも思って」

菫「……」

るる「暗い!泣き虫、明るいアニソンかけたって」

泣き虫「はい」

~~♪~~♪

ほっけ「お前さん、泣き虫なんて名前をつけて。可哀想じゃと思わんのか?」

るる「ほっけもな」

菫「ほっけが好きだから!!」ガタッ!

るる「はっ!はっ!はっ!はっ!」ケラケラ

ほっけ「菫よ。わしはほっけという名前、芳ばしくて大好きじゃぞ!」

るる「こら笑えるわ!芳ばしいて……!」ククク…!

菫「るるさんは、どうして泣き虫なんてお名前、つけたんですか?」

るる「そら、泣き虫やからや」

ほっけ「まさか……最近問題視されておる、萌アバターに対するいじめを行っておるのか!」

るる「何?悪い?」モムモム

ほっけ「許さん……許さんぞ!」

るる「一生ほざいてろ。ただのデータ」

菫「ほっけさんは家族です!」ドンッ!

るる「びっくりした……なんや。家族て、自分孤児か?」

菫「違います」

るる「自分、確か埼玉生まれなんやよな。なに?もしかして、オタク趣味の為にわざわざ一人、大阪にきたん?」

菫「……」

るる「で、ずっとぼっち?」

ほっけ「小娘!いい加減にせんか!確かに菫は、秋葉よりもオタロードの方が良いと聞き、親の反対を押しきってまで大阪で独り暮らしを初めた!して、それの何が悪い!」

るる「図星かい!はっはっはっはっ!」ケラケラ

菫「ほっけさん……」ウルウル

ほっけ「くそっー!よくもはめおったな!!」

るる「自分から話したんやん!ほんま!あかん……笑いすぎて飯食えん」ククク!

ほっけ「くのー……!」

ーるるさんはお風呂

ほっけ「麗しき姫よ。小娘について、何か教えておくれ」

泣き虫「何も言えません」

ほっけ「どんな些細なことでもよい!頼む!」

泣き虫「無理です」

菫「あー……チャット拒否されちゃった」

ほっけ「案ずるな菫よ。わしが近いうちに、必ず、小娘の弱みを聞き出してやる」

菫「でも、チャットの履歴は、私達クリエイターにしか消せないよ」

ほっけ「余計なプログラムを作りおってからに」

菫「あんまり好き勝手やらせると、昔みたいに、ハッキング大事件が起こるからね」

ほっけ「安心しろ。わしは、お前さんに反旗を翻すことはない」

菫「わかってるよ」

ほっけ「家族じゃからな!」エヘン

菫「ありがとう」

るる「菫ー、ほっけー。いらんことしたらボコるからなー」ガチャ

ほっけ「小娘が……!」

菫「もういいよ。その内きっと、なんとかなるよ」

ほっけ「すまんな。わしは、なんと無力なんじゃ……」ガクッ

菫「気を落とさないで。ほっけさん」

ほっけ「……」

菫「私だって!やる時はやるんだからね!」

ほっけ「菫……!」

菫「一緒に頑張ろう!」にこっ!

菫「うむ!」

ー就寝

るる「自分、ダイブして、ほっけと寝るん?」

菫「はい」

るる「ふーん」

菫「わしは、ずっと監視しておるからな!」

るる「大丈夫。菫に危害は加えんし、金銭もなんも取らんよ」ネムネム

菫「ほっけさん!」ぎゅ!

ほっけ「菫!」ぎゅ!

泣き虫「…………」

るる「何?羨ましいん?」

泣き虫「ごめんなさい」

るる「ふんっ……」スヤ…

菫「お休みなさい、ほっけさん」スリスリ

ほっけ「サヤエンドウサンダーじゃな」なでなで

菫「また変な学習したね。て、誰が甘えん坊さんですか」ムッ

ほっけ「ふふっ」なでなで

菫「もぅ……ふふっ」スヤ

―翌朝

菫「るるさん、るるさん」

るる「ん……?」ネムネム

菫「お仕事行ってきます」

るる「ん……」ネムネム

菫「お昼は、チンして食べてくださいね」

るる「……」スヤ

ほっけ「泥棒なんぞしたら、通報してやるからな」

るる「……」スヤ

菫「いってきます」

―そして夕方

菫「ただいま」ガチャ

るる「……」スヤ

菫「死んでる!!」

るる「は……?」ネムネム

菫「朝から、ずっと寝ていたんですか?」

るる「ふぁ……。昼寝や昼寝」

菫「昼寝……ですか」

るる「なに?悪い?」

菫「いえいえ」

るる「じゃ、夜ご飯頼むわ。腹減った」

ほっけ「こら小娘ー!」

るる「文句あんの?」

ほっけ「おおありじゃ!」

るる「菫ボコるで」

菫「ええ!?」ビクッ

ほっけ「ぐぬぬ……」

るる「テレビ見よ」

ほっけ「菫よ……」

菫「大丈夫。作戦があるから」ポチポチ

ほっけ「作戦?」

菫「とても親切にされて、申し訳なくなる作戦」ポチポチ

ほっけ「あの小娘に、それが通用すると思うか?」

菫「なんくるないさー」ポチポチ

ほっけ「前向きなのか、能天気なのか」

―夜ご飯

るる「お、ハンバークとは贅沢やな!」

菫「お口に合うかはわかりませんけど」

るる「昨日のカップ麺よりは美味いやろ。いただきます」

ほっけ「おや、いただきますを言える様になったのか」ニヤニヤ

るる「菫ボコるで」モムモム

菫「……」ウルウル

ほっけ「すまん……」

菫「ほっけさんも今日は、ハンバーグ定食をどうぞ」

ほっけ「おお!ありがとう、菫!」

るる「データに飯食わすとか、あんたも物好きやな」モムモム

菫「家族ですから」

るる「しかも課金とか」

菫「家族ですから」

るる「ふーん。あむ」

菫「るるさんは、お姫様にご飯をあげないんですか?」

るる「ただのデータやしな。知らんわ」モムモム

菫「じゃあ、今日は私がご馳走してあげます!」

るる「は?」

菫「お姫様を、ほっけさんのお部屋に入室させてください」

るる「……」

泣き虫「ごめんなさい」

るる「……」ポチポチ

泣き虫さんが入室しました。

ほっけ「麗しき姫よ。ささ、どうぞこちらへ」

泣き虫「……」ペコ

菫「はい。ハンバーグ定食」

泣き虫「いただきます」

菫「ふふっ」

泣き虫「……」モムモム

ほっけ「どうじゃ?」

泣き虫「!」

ほっけ「ん?」

泣き虫「美味しいです!」キラキラ

菫「良かったー」

るる「……」モムモム

泣き虫「ごめんなさい……」モムモム

ほっけ「ふむぅ……」

―入浴後

るる「何やっとん?」

菫「ポケモエです」

るる「あー。人気の萌えっ娘集めるゲームな。え、何?自分レズなん?」

菫「違います!」

るる「で、おもろいん?」

菫「はい」

るる「ふーん」

菫「やってみますか?」

るる「お、マジか。やるやる」

菫「本体とカセット、予備がありますので」ガサゴソ

るる「予備やなくて、通信する相手おらんぼっちやから、二つあるんやろ」

菫「……」

ほっけ「小娘!菫をいじめたら、このわしが許さんぞ!」

るる「ほざけデータ」

泣き虫「チェックメイト」

ほっけ「あ」

るる「ババア弱っ」

菫「ロリババアです!!」
ほっけ「ロリババアじゃ!!」

るる「はんっ。で?はじめからしたらええの?」

菫「あ、ちょっと待ってください。それ、サブロムだから」

るる「サブロム?」

菫「こっちを」

るる「はいはい」

菫「えーと、必要なのを移して、次にデータ消して……」

るる「……」チラッ

泣き虫「ごめんなさい」

るる「はぁ……」

ほっけ「姫よ、なぜあんな小娘に謝る」

泣き虫「言えません。チェックメイトです」

るる「はっはっはっはっ!ババアよっわ!!」ケラケラ

ほっけ「ぐぬぬ……!」

菫「ほっけさんをいじめないでください!怒りますよ!」

るる「ボコるで?」

菫「……」ウルウル

るる「主人公は女で、名前なんしよ。何がいいと思う?」

菫「うーん。タン塩はいかがでしょうか?」

るる「自分それ、渾身のボケ?なんっもおもらないで」

菫「ボケじゃないです!本気です!」

るる「…………タンシオ、と」ポチポチ

ー翌日

菫「ただいま」

るる「ん」

菫「ポケモエ、どこまで進みましたか?」ヨイショ

るる「全クリしたで」

菫「ええ!?」

るる「夜ご飯は?」

菫「えーと、今日はうどんです」

るる「春にうどんて、暑っ」

ほっけ「勝手に住み着いて、いや、占拠しておいて文句を言うでない!」

るる「はいはい。てかさ、これ、対戦できるんやろ?」

菫「はい」

るる「よっしゃ!ほなバトルや!!」

菫「いいですけど……」

るる「なんや、びびっとんけ?まぁ、めっちゃ育てたからな」

ー対戦後

るる「はあ!?自分強っ!え?なんなん!?」

菫「ごめんなさい……」

ほっけ「菫は」

菫「しっー!」

るる「まさか、ズルしたんか?」ギロリ

菫「違います違います違います!!」フルフル

るる「じゃあ、どうやったらそんな強なれるか、詳しく教えてもらおうか」

ぺらぺら。

ほっけ「と、ここまで理解したか?」

るる「もうええわ。訳わからなすぎ」

ほっけ「ふんっ」

るる「ババア。今馬鹿にしたやろ?」

ほっけ「さあの?」

るる「菫、スマホ貸せ」

菫「何する気ですか!」ウルウル

るる「あ?ボコるぞ」

菫「……」グスッ

るる「泣くなや……嘘や嘘。冗談」

菫「うぅ……」グスッ

るる「はぁ……とりあえず腹減ったから、はようどん作って」

ほっけ「いい加減にせえよ小娘!わしはもう、我慢の限界じゃ!!」

るる「すいませんでした」

菫「え……」

るる「これでええやろ」

ほっけ「小娘ー!!」

菫「ほっけさん」

ほっけ「ん?」

菫「大丈夫だから。ありがとう」にこっ

ほっけ「菫……」

菫「にひひ!さーてと、おうどん作ろうっと」スクッ

ほっけ「小娘……覚えておれよ」

るる「……さい……」ボソッ

ほっけ「今……なんと?」

るる「何も言うてないけど。スマホ、故障しとんちゃん」

ほっけ「小娘ー!」

るる「あーうっさい。マナーモード」

菫「はぁ……」

ー数日後

るる「どしたん?食欲ないん?」

菫「ううん!そんなことないですよ!」

るる「なんや、元気ないやん」

菫「そうですか?あむ」モムモム

ほっけ「小娘。お前さんのせいじゃ」

るる「データは黙ってろ。あむ」モムモム

菫「泣き虫さん、今日は日替わり定食でごめんね?」

泣き虫「いえ、こちらこそごめんなさい」

るる「無料コンテンツやし、謝ることない」

泣き虫「ごめんなさい」

ほっけ「姫よ。そろそろ、キレてよいと思うぞ」

泣き虫「……」モムモム

菫「姫ちゃん。遠慮はしなくていいからね」

るる「姫ちゃん?」

菫「ごめんなさい。いけませんでしたか?」

るる「いや別に」

泣き虫「ごめんなさい」

ほっけ「ふむぅ……」

るる「……」

ーさらに数日後

菫「ただいま」ガチャ

るる「おかえり」サッ

菫「ん?」

るる「何?」ジトー

菫「何隠したんですか?」

るる「何でもない」

菫「……」ジトー

るる「はぁ…………これや」ポスッ

菫「求人誌!?ええ!?」

るる「何やねんその反応!」

ほっけ「小娘よ。少し見直したぞ」

るる「あ?勘違いすんなや。自分の服買ったり、贅沢する為に、しゃーなしに働くんや」

菫「素晴らしいです!」パチパチ

るる「……」

菫「就職が決まったら、お祝いしましょうね」

るる「なんで?」

菫「?」

るる「あたし、強盗みたいなもんやで。何でそんな親切すんねん」

菫「…………さぁ」

るる「死ぬで」

菫「死ぬ!?」ビクッ

るる「大阪なめたら死ぬで」

菫「るるさんは、ずっと大阪に住んでいるんですか?」

るる「ちゃうよ。ま、そこは気にせんで」

菫「はい」

ほっけ「小娘。菫が許しても、わしは許さんからな」

るる「金のことか?」

ほっけ「ほうじゃ」

るる「考えるだけ考えとくわ」

ほっけ「くぬー……!」

菫「まーまー」

るる「今日の夜ご飯は?」

菫「カレーです」

るる「ちょい待ち。一昨日、カレー完食したよな?」

菫「……」

るる「金か……」ボソッ

菫「ごめんなさい」

るる「菫が謝ることない」

菫「るるさん……」

るる「美味しい菫のカレー、食べさせてくれる?」

菫「はい!」

ほっけ「ふっ……」

るる「何?いちいちウザイんやけど」

菫「喧嘩はやめて下さい……」ボソッ

ー数日後

菫「食欲ないんですか?」

るる「どーやろな」

菫「美味しく……なかったですか?」

るる「んなことないけど」

菫「……」

るる「はぁー…………」

菫「ごめんなさい」

るる「……菫ん家に押し掛けて、かれこれ一週間以上経ったな」

菫「そうですね」

るる「菫の服着ての生活。んで、具なしのカレーとシチューとハヤシライスのローテーション始まったな」

菫「ごめんなさい」

るる「ポケモエも飽きたし、ドラマ独房の再放送とアニメ、特撮以外、なんっもおもろない」

ほっけ「自業自得じゃ」モムモム

るる「あ?」

泣き虫「ごめんなさい」

るる「はぁ……でやな。ま、暇潰しにバイトしよー思ったんよ」

菫「はい」

るる「けどなー…………」

菫「見つからないんですか?」

るる「うん。やりたい事以外、やりたくないから」

菫「はぁ……」

るる「わがままやろ?」

菫「いえ」フルフル

るる「ま、そこでや……そのー、な」

菫「?」

るる「雇ってほしいんよ」

菫「はい?」

るる「店長に頼んで、雇ってもらえんかな」

菫「えー……と」

るる「はんっ。こんな性格悪い奴、受け入れられん、て、言いたいんやろ?」

菫「そんなこと思っていません」

るる「…………」

菫「わかりました。お願いしてみます」

るる「ええの?」

菫「はい」

るる「ほんま……」ボソッ

菫「はい?」

るる「何でもない!あむ」

ー翌日、アニメイト

店長「友達をな……」

菫「急なお願いで、すみません」

店長「どんな子だ?」

菫「その…………私と同じく、永遠のロリタイプです」

店長「それは困るな」

菫「そこをなんとか!お願いします!」

店長「うちが人を雇わない理由、解っているよな?」

菫「私目当ての人が、たくさん集まるからです」

店長「そう。で?今、その子を雇ったらどうなる?」

菫「お店は更にパニックになり、多くの問題を抱える可能性がでてきます」

店長「そういうことだ」

菫「でもっ!」

店長「でも?」

菫「…………」

店長「儲けは増える」

菫「店長……?」

店長「お前はいつも、俺を悩ませてくれるな」

菫「すみません」

店長「……わかった。とりあえず、面接は受けさせてやろう」

菫「ありがとうございます!」

店長「うむ」なでなで

アルバイト「店長ロリコンっすか」

店長「働け!!」

ー帰宅

るる「マジか!」

菫「はい」

るる「ありがとう、菫!」

菫「え?」

るる「な、何でもない!」

ほっけ「なんじゃ小娘。だいぶ可愛いくなってきたではないか」ニヤニヤ

るる「あ?菫ボコるぞ」

菫「どうしていつも私なんですか!」ウルウル

るる「んで。店長、どんな人?」

菫「武者です」

るる「ああ!あの鎧武者、店長やったんか!客のコスプレか思ってたわ!」

菫「日本三周した人で、素顔はとても強面です」

るる「日本三周!?」

菫「ほっけさん」

ほっけ「うむ。ちと待てよ」

るる「てか、強面か……」

ほっけ「これが、店長の旅ブログじゃ」

るる「恐っ!ただのヤクザやん!!無理無理!やっぱやめる!」

菫「大丈夫。とても優しい人ですよ」

るる「いやいや……」

ほっけ「情けないのう」

るる「ほざけ。データごときに何がわかんねん」

ほっけ「エラーが発生しました」

るる「このババア!人なめおってからに!」

菫「るるさん。お店では、言葉使いに気をつけて下さいね」

るる「あ?」

菫「ごめんなさい」

るる「あーーー!うっとおしい!!」

菫「ごめんなさい!」ビクッ

ほっけ「こら小娘!」

るる「ええか!もう敬語使うな!うっとおしいねん!」

菫「え?」

るる「同い年に敬語とかアホちゃん?自分も嫌やろ?」

菫「でも、礼儀として」

るる「そんなん最初だけでええやろ!どんだけ続けんねん!アホか!」

るる「ごめんなさい」

るる「それと、もう、やたら謝んな!それもうっとおしゅうてしゃーない!」

菫「ご……こほん」

るる「はい。そうゆうことやから、はよ飯作って」

菫「今日はなんと、ハヤシオムライスでよ」

るる「は?」

菫「……」

るる「ま、一週間ちょっととは言え、今まで敬語やったもんな。しゃーないしゃーない。ちょっとずつ直して」

菫「うん!」

るる「じゃ、美味しいハヤシオムライス頼むわ」

菫「はーい!」スクッ

ほっけ「ふーん」

るる「ちっ!なんや!」

ほつけ「んにゃ。何でもない」フフッ

訂正。

るる「ごめんなさい」

菫「ごめんなさい」

ー数日後、アニメイト

店長「面接は以上だ。合否は、菫に伝えさせる」

るる「本日は、貴重なお時間をありがとうございました」

店長「うむ」

るる「失礼します」ペコリ

ーレジ

菫「るる!どうだった?」

るる「ん……」トテトテ

菫「るる……?」

店長「菫」

菫「はい」

店長「ちょっとこい」

ー菫、帰宅

菫「ただいま」

るる「おかえり」ズーン

菫「大丈夫?合格だよ?」

るる「職歴ないし、礼儀知らずやし、口悪いし、ネガティブやし、ロリやし、絶対受からんわ……」

菫「受かったよ?」

るる「あーーー!くそーーー!!」

菫「採用ですよー!!」

るる「え?」クルリ

ほっけ「良かったな、小娘」ウンウン

るる「うぇ!?マジ!?合否はやない!?て、何その荷物!?」

菫「お祝い!お花見に行こう!夜のお花見は、とっても綺麗だよ!」ガサッ

るる「でも……お金」

菫「大丈夫!」

ほっけ「小娘よ。素直になれ」

るる「お前は黙っとけ」

ほっけ「こら小娘ー!年上に向かってお前じゃと!?」

るる「いや、マジであたしのが年上やん」

ほっけ「ぐぬぬ……!」

菫「さ、行こう!るる!」

るる「おう!」

ー夜のお花見

菫「かんぱーい!!」

ちゃぽん!

るる「何でりんごジュース?」

菫「私達がお酒を飲んだら、間違いなく誘拐される……」ガクブル

るる「ま……あり得なくもないな」

ほっけ「姫よ!今日は宴じゃぞ!」

泣き虫「ごめんなさい」

るる「はぁー…………」ポチポチ

姫「……」

るる「今日からお前は姫や。もう、やたらめったら謝んな」

姫「る……る?」

るる「ふふっ!そう。るるって呼んで、姫ちゃん!」

姫「るる……」

菫「よかったね、姫ちゃん!」

姫「はい」

ほっけ「小娘。偉いぞ」

るる「お前は話しかけてくんな」

ほっけ「ふっ。わしはロリババアじゃからな。今の無礼な発言。許してやろう」

るる「くそババア」ボソッ

菫「ロリババア!」
ほっけ「ロリババアじゃ!」

るる「はっはっはっはっ!ほんま、二人は仲えーな!」

ほっけ「お前さんも本当は、姫と、仲が良いのではないか?」

るる「桜、ほんま綺麗やわー」

ほっけ「姫よ。どうなんじゃ?」

姫「言えません」

ほっけ「何を隠しておる」

菫「ほっけさん」

ほっけ「む、そうじゃな。姫よ、すまん」

姫「いえ」モムモム

るる「美味しい?」

姫「はい」

るる「そっか……」フフッ

菫「ふふふ!」

るる「なに?」

菫「ううん、なんでもない。さ、食べよ食べよ!」

るる「均等に買ってきたな」

菫「バラバラだと、喧嘩になっちゃうからね」

るる「菫は、優しい人間やな……」ボソッ

菫「んー!お寿司美味しい!!」ウットリ

ー初出勤日

店長「頼むぞ」

菫「はい!任せてください!」

るる「…………」

店長「逃げることだけは、決して、許さないからな」

るる「はい」

アルバイト「店長ロリコンっすか」

店長「働け!!」スタスタ

るる「ふーーー……」

菫「頑張ろうね!」

るる「おう」

ー開店

オタク「うおおおおお!!ろりっこ堕天使キターーー!!」

るる「何であたしは堕天使やねん!」

菫「るるちゃん」

るる「るるちゃん!?」

店長「…………」

菫「仕事に集中して」ヒソ

るる「わってる」

菫「いらっしゃいませ!」

おたく「ふ、ふひら……」ペコ

るる「えーと、あ?これか」

オタク「落ち着いて」

るる「ちっ!ミスった!」

菫「あやや……ちょっと見せて」

店長「…………」

るる「……」チラ

菫「るるちゃん」

るる「ん?あー、あんがと」

オタク「頑張ってね!んひゅ!」

るる「どーも」

ー休憩時間

るる「……」グスッ

店長「大丈夫か?」

るる「店長……!はい、大丈夫です!」ゴシゴシ

店長「少し、勤務態度がよろしくないな」

るる「すいません」

店長「……」

るる「……」

店長「頑張れるな」

るる「もちろんです……」

ー帰宅後

ほっけ「どうした小娘。元気がないぞ」

るる「あ?」

ほっけ「なんじゃその態度は!!わしはな!」

るる「わっーてる。心配してくれよんやろ?」

ほっけ「ま、まあの」テレ

るる「慣れへんことして疲れた。それだけや」

ほっけ「本当か?」

るる「せやからもう、構うな」

ほっけ「くのー……」

るる「なあ」

ほっけ「なんじゃ?」

るる「菫って、昔から友達おらんの?」

ほっけ「……」

るる「言えんのやったらええわ」

ほっけ「……菫には、言うなよ?」

るる「ん」

ほっけ「菫はな。色々あって、長いこと引きこもりじゃった」

るる「は?そうは見えんけど」

ほっけ「一年かけて、やっと、落ち着いたとこじゃからの」

るる「ふーん」

ほっけ「一年前。一大決心をした菫はの。両親を半ば無理矢理説得し、この町で独り暮らしを始めた。毎日泣いては笑い、そんな日々を送っておった」

るる「なんでそこまでして……」

ほっけ「変わりたいという思いが、何よりも勝ったんじゃろな。それと、憧れのロリババアになりたいから強くなる!とも言っておったな」

るる「はは、あほくさ……」

ほっけ「るる。ひとつお願いじゃ」

るる「何?」

ほっけ「菫を傷つけたり、裏切るようなことだけはせんでくれ」

るる「ひとつやないやん」

ほっけ「頼む!」

るる「どーしよっかなー」

ほっけ「は!?」

菫「シャンプーきれたー!るるちゃん取ってー!」ガチャ

るる「ほっけさん。菫のこと、教えてくれてありがとさん」

ほっけ「待て。話はまだ」

るる「マナーモード」

菫「目がー!目がー!」

るる「あと三分待ってくれ」

菫「はっ……はっ……ばるちゅんっ!」

あれね。
頭洗ってる途中でシャンプー足りないと思ってシャンプー継ぎ足そうとしたらきれてたパターンのやつね。

ー夜中

菫「……」スヤ

るる「姫」

姫「はい?」

るる「ダイブするで」

姫「え……?」

るる「…………」

姫「……」

るる「ふー……。久しぶりやな。こうしてダイブするんは」

姫「そうですね」

るる「ダイブしたら、デフォルメやなくて、こっちに合わせるんやな。久しぶりやから、ビックリしたわ」

姫「ごめんなさい」

るる「……ま、ええわ。ベッド空けて」

姫「はい」

るる「いや、どけ言うてないねん。あー!もう!」グイッ

姫「ごめんなさいごめんなさい!」

るる「やめて」

姫「……」ガクブル

るる「昔みたいなこと、もうせんから」

姫「……」ガクブル

るる「姫と、一緒に寝たいねん」

姫「え?」

るる「昔みたいに」

姫「るる……」

るる「嫌?」

姫「……」フルフル

るる「じゃ、寝よ」

姫「はい」

るる「懐かし」

姫「……」

るる「明日、ちゃんと起こしてな。隣のババアより早く」

姫「はい」

るる「おやすみ」

姫「お休みなさい」

ー夢の中

???「お姫様!遊ぼう!」

姫「ふふっ。今日は何して遊ぶ?」なでなで

???「あんな!おままごと!」

姫「いいですよ!」にこっ

???「んふふ!」にこっ

ー一週間後

店長「どうだ?少し、慣れてきたか?」

るる「はい!」

店長「待て。同人誌は向こうだ」

るる「あ!すみません!」

菫「がんばれ!」コソ

ーさらに一週間後

オタクゥ「うひょー!!東京から来た甲斐がありましたな!山田氏!」カシャカシャ

オォタク「全くですな!ろりっこ大天使様とろりっこ堕天使様、マジ大天使様!!くっー!たまらんち会長ーーー!!」カシャカシャ

店長「お客様。写真撮影は禁止と、あちらこちらに貼っておりますが、お気付きになりませんでしたか?」

オォタク「でたー!鎧武者店長!!」カシャカシャ

オタクゥ「ふむぅ!中々いい鎧ではござらんか!」サワサワ

るる「こらー!!人様に迷惑かけるんやったら、店から出ていってもらうで!!」

菫「るるちゃん、だめだよ」

るる「せやかてあいつらな」

菫「どう応対するのかも、大切なお仕事だよ」

るる「はいはい」

オタクゥ「もっと罵ってほしいでござるなぁ……!」ウットリ

オォタク「オタク、ドMですな!ドMなんですな!」

店長「やはり、あの二人が一緒になると……うーん」

アルバイト「店長ロリコンっすか」

店長「レジの応援に行け!!」

ーなんやかんやで一ヶ月後

店長「いい戦力になってきたぞ」

るる「ありがとうございます!」

店長「ふっ……」

るる「なんですか?」

店長「その調子で頑張れ」

るる「はい!」

菫「るるちゃん、休憩交代」

るる「はいはい」ヨイショ

店長「菫」

菫「はい?」

店長「何も問題はないな?」

菫「はい!大丈夫ですよ!」

店長「ならいい」

ーそんなある日

るる「今日は休みやし、出掛けよか」

菫「どこに?」

るる「おでーと」

菫「いやん……」ポッ

るる「中々馴染んできたな……」

菫「るるちゃんと、珍喜劇観てるからね!」

るる「珍喜劇おもろいやろ?」

菫「うん!今までは基本、録画したアニメしか観なかったから、凄く新鮮で面白かった!」

るる「自分、中々のアニオタよな」

菫「せやで!」エヘン

るる「なんかうざっ……」

菫「ウザイ!?」ガガーン!

ー海遊館

菫「うわー!綺麗ー!!」

るる「自分、来たことないん?」

菫「うん」

ほっけ「菫はぼっちじゃからな」

菫「ほっけさん!」

るる「ババアがおるやん」

菫「ロリババアね!……ほっけさんは、スマホから出てこないから」

るる「あー。そゆことね」

菫「あ!あれが煎餅ザメかー」キラキラ

るる「ジンベイザメな。恥ずかしいから勘弁して」

ー色々拝見しました

お姉さん「イルカさんと遊びたい人ー!!」

菫「はーい!はいはいはーい!」

るる「何であたしの手ぇ上げんねん!やめろて!あほ!!」

お姉さん「はい!そこのお嬢ちゃん!!」

るる「お嬢ちゃんて……くそ!」

菫「しまった!」

るる「あ?」

菫「るるちゃんだけかな……?」ウルウル

るる「お姉さん!あたしトイレ!代わりにこの子な!」トテトテ

菫「え!?るるちゃん!?」

お姉さん「優しいお友達だねー」

菫「えへへ」テレテレ

るる(友達…………ふんっ)

ーお外

菫「すっかり夜だねー」

るる「誰かさんが、二時間も熱帯魚見てたからな」

菫「だって!綺麗で可愛いもん!」

るる「しんど……」

菫「ごめんなさい」

るる「過ぎたことやしえーわ」

菫「……」

るる「次はあれな」

菫「観覧車!!」キラキラ

ー観覧車

菫「るる。素敵な景色だろ?」

るる「きったない景色」

菫「君には敵わないけどね」ウィンク

るる「やっすい台詞」

菫「えー」

るる「ええか?こうや」

菫「……」ワクワク

るる「お前、俺と付き合え」キリッ

菫「チャラい」

るる「あ?ボコるで」

菫「……」ウルウル

るる「冗談に決まってるやろ」

ーで

菫「モエセン最高!」キラキラ

るる「何なん、ここは一人で来れんの?」

菫「うん!」

るる「どんだけポケモエ好きやねん」

菫「おひょー!見て!ろりばあだよ!ろりばあ!」

るる「恥ずいから黙れ。……ロリババアのポケモエか。確か、菫が一番好きなポケモエやんな?」

菫「うんうん!」

るる「一万超えやで」

菫「うぅ……」ウルウル

るる「こんなでっかいぬいぐるみ、そら高いわ」

菫「買う!」

るる「好きし」

菫「と見せかけて、帰る……」ズーン

るる「ええ判断や」

ーガチャガチャ

菫「またオバチャンかぁ……オバチャンに萌える人なんているの?」

るる「何回まわしたん?」

菫「十三回」

るる「あほちゃん……」

菫「だって……うわ!何その荷物!何買ったの!?」

るる「知らん」ポイッ

菫「さっきのぬいぐるみ……ろりばあだ!」

るる「次行くで」クルリ

菫「るるちゃん、これ」

るる「やる」

菫「いいの?」

るる「さっき拾ったやつやからな」

菫「ふふ……ありがとう!!」ぎゅ!

るる「うわ、ちょ!あぶなっ!」

菫「ありがと……るるちゃん」ポロポロ

るる「え!?何!?泣いとんの!?」

菫「だってぇ……」ポロポロ

るる「ちょ!あかん、人おるから!」

菫「そうだね。ごめん……」グスッ

るる「はぁ……」

菫「るるちゃん!あれ、記念のメダルしよ!」

るる「はいはい」

ー帰宅

菫「るるちゃん。下着しか買えなかったね」

るる「これでええねん。節約や。服は菫のん着る」

菫「えー」

るる「ほんでこれ」

菫「え?これ……」

るる「贅沢に使う金、計算したんやけどな。余るからやる」

菫「いいよ!いいよ!私の方が、少しお給料高いし」

るる「そんなん関係ない。いらんからやるねん」

ほっけ「菫よ。受け取ってやれ」

菫「ほっけさん」

ほっけ「そのお金は、るるが菫の為に、一生懸命稼いだお金じゃ」

るる「ちゃうけどな」

菫「……」

ほっけ「二人の生活費に充てるのが良いじゃろう。な?小娘よ」

るる「知らん」

菫「ありがとう、るるちゃん。大事に使うね」

るる「ハンバーグはよ作って」

菫「はーい、ただいま!」スクッ

ほっけ「ふふっ。よい子よい子じゃぞ!」

るる「黙れババア」

ほっけ「こら小娘!いい加減ババアと呼ぶのを」

姫「王手」

ほっけ「あ」

るる「はっはっはっはっ!相変わらずババア弱っ!」

ほっけ「くっ……!わしはロリババア失格じゃな……」

姫「元気だして下さい」

ほっけ「ありがとう、姫」

菫「ほっけさん、いじめないでね!」

るる「勝手に落ち込んだんや」

ほっけ「ふん!」

るる「姫」

姫「ほっけ定食です」

ほっけ「るる、課金したのか?」

るる「共食いするとこ見たいから」

ほっけ「わしはロリババアで、ほっけは名前じゃ!」

るる「どーでもいい」

ほっけ「ぐぬぬ……!」

姫「美味しい美味しい」モムモム

ほっけ「あむ……んん、確かに」モムモム

るる「あー!共食いするとこ、スクショ撮るん忘れたー!!」

ほっけ「くどいぞ小娘!」

菫「何怒ってるの?」

るる「何でもない!こっち来たらボコるで!」

菫「ボコっていいよ」

るる「え……」

菫「るるちゃんに、そんなことできないよね」

るる「あ?なめんなよ」ギロリ

菫「……」プルプル

るる「…………ちょっと、コンビニ行ってくるわ」スクッ

菫「……」

ほっけ「菫。るるは、少し照れていただけじゃ。もちろん。口が悪いのは、いかんことじゃがの」

菫「大丈夫、わかってる。るるちゃんのこと、恐くないし嫌いじゃないよ」

ほっけ「ほうか……なら良い」

菫「ありがとう、ほっけさん」

ほっけ「ん」

ーそんなある日

菫「ねぇ。るるちゃんは、趣味とかないの?」

るる「ない」

菫「そう」

るる「何で?」

菫「姫ちゃんは、るるちゃんが描いたんだよね」

るる「おかんが描いたんや」

菫「え!?じゃあもしかして、昔からの付き合いなの!?」

るる「せやで」

菫「ふーん」

るる「菫は?」

菫「えーと……」

ほっけ「中学生になる前か……一生懸命考えてくれたのじゃろ?」

菫「恥ずかしながら……」

るる「ええやん」

菫「え?」

るる「好きな絵描くん、楽しいからな」

菫「るるちゃん、絵、描くの?」

るる「あー……昔の話や昔の」

ほっけ「ほぅ……」ニヤニヤ

るる「なんやねんババア」

菫「ねぇ!一緒に描こう!」

るる「は!?」

菫「ふふふっ。気付かなかったでしょうね。実はここに」ガサゴソ

るる「……」

菫「画材道具があるのです!」テテーン

るる「ふーん。で?描いた絵は?」

菫「そ、それはお見せできません!」

るる「そ」

菫「何か描いて」

るる「嫌」

菫「ほっけさん描いて。私は姫ちゃんを描くから」

るる「いーやーや」

菫「描いて!」

るる「何で怒んねん!おかしいやろ!」

菫「菫さん、おこですよ」

るる「知らんがな」

菫「描いて描いてー!」パタパタ

るる「子供か!」

菫「るーるーるーるーるーるー!」

るる「わかったから黙れ!うっさい!」

ほっけ「では。よーい?」

菫「どんぐりわっしょい!」

るる「は?」

ー翌日

菫「店長、いかがですか?」

店長「う、うむ……悪くは、ない」

菫「じゃあ!お店のポップ、私達が描いていいですか?」

店長「任せよう」

菫「やったやった!」ウキウキ

るる「菫ーて、おい!それ!」

菫「あ」

るる「昨日の絵、店長に見せたんか!」

菫「えへへ」

るる「はぁ……最っ悪や」

菫「ごめんなさい」

店長「いい絵だったぞ。お店のポップも頼むな」

るる「はい!?」

菫「あちゃー……」

るる「どうゆうことや、菫」ギロリ

菫「るるちゃんとね!一緒に何かやりたかったの!」

るる「一緒の職場で、一緒に働いとるやないか!」

菫「ほんとだ」

るる「はぁー……もう。何なんこの子」

店長「仲が良いのは、いい事じゃないか」

るる「店長……」

アルバイト「店長ロリコンっすか」

店長「休憩が終わったのなら、さっさと働け!!」

るる「……」ジトー

店長「仕事とプライベートを混同しないようにだけ、頼むぞ」

菫「はい!」

るる「はい……」

菫「それでは!頑張ってきます!」

店長「うむ」

るる「はぁ……」

ーそんで

菫「おぉ……」キラキラ

るる「しんど……」

菫「るるちゃんとの、初めての共同作業!」

るる「妙な言い方すな」

菫「ドリル?ドリル?」

るる「ドリルせんのかい」ペチ

菫「うふふ!」クスクス

るる「何がおもろいねん!!」ビシッ

ほっけ「ふふっ。随分と仲良くなったではないか」

菫「ほっけさん!記念写真撮って!」ヨイショ

るる「やめや恥ずかしい」

ほっけ「ほないくで」

るる「は?こら、菫引っ付くな」

菫「んふふ!」ぎゅ!

ほっけ「たこや?」

菫「きー!!」

かしゃり!

菫「おおー!いい感じ!!」

るる「ふーん」

姫「待ち受けにしますか?」

るる「なんでやねん」

ほっけ「待ち受けにしたぞ」

菫「ありがとう!ほっけさん!!」

るる「やめて!ほんま恥ずかしいから!」

ー翌日

店長「中々速かったな」

菫「どうですか?」キラキラ

店長「素晴らしい一枚だ」

菫「やったね!」

るる「どーでもええわ」プイッ

ーさっそく飾ると

オタァク「おひょ!?何ですかな?この絵は!?」

おたく「微妙ですな!」

菫「うぅ……」

るる「はぁ……」アタマポンポンッ

オタック「ろりっこ堕天使がデレたぞー!!」

オオタク「ひょーーー!!!」

るる「うざっ」イライラ

―今日は、薔薇を見に来ました

菫「テレビに映るかな?」

るる「ニュースでチラッと見ただけやからな」

菫「あそこかな?いや、あそこかな?」

るる「ライブカメラ探すな。薔薇を見ろ」

菫「写真、いっぱい撮ろうね」

るる「薔薇のな」

菫「えー。一緒に撮ろうよ」

ほっけ「ノリが悪いのう」

るる「充電切れでくたばれ」

菫「みて!ブルームーンだって!かっこいいー!!」キラキラ

るる「よいしょ」オスワリ

菫「るるちゃん!何してるの!」

るる「あ?あたしは、ここで座って待ってる」ポイッ

菫「ととっ」

るる「姫。菫に、綺麗な薔薇を見せてもらい」

菫「るるちゃんも一緒に見ようよ!」グイー

るる「あーうっとおしい」

菫「ここで、駄々をこねたらどうなるかな?」

るる「好きし」

菫「……お姉ちゃん」

るる「誰がお姉ちゃんやねん」

菫「おねーちゃん」ウワメヅカイ

るる「おばーちゃん、呼んでるで」

ほっけ「ロリババアじゃ!!」

菫「もー!」

るる「わーった。ちょっとだけやで」

―で

るる「こーなるん判ってたから、嫌やってん……」カシャリ

菫「いやー。素晴らしい世の中ですな。ロリババアとツーショット写真が撮れるとは」

ほっけ「お。良く撮れてるではないか」

るる「あーもう!何枚写真撮らすねん!!」

菫「だって……るるちゃんは嫌って言うし」

るる「恥ずかしいからな」

菫「次は、姫ちゃんとツーショットね」

るる「だからええーって」

菫「一枚ぐらい、記念に撮りなさい」

るる「はぁ……」

姫「ごめんなさい」

るる「……一枚、お願いするわ」

菫「ふふっ。じゃ、撮るよ」

るる「ちっ。チラチラ見んなや……」ブツブツ

菫「姫ちゃん、いいね」

るる「まだか!」

菫「たこやー?」

るる「……」

菫「もー!笑顔笑顔!」

るる「……」ムスッ

菫「終わらないよ?」

るる「ちっ…………ひ、ひひ」ニマー

パシャリ。

菫「ひどい顔」

るる「しばくで!」

菫「……はい」

るる「こら。前の写真、待ち受けにすな言うたやろ」

菫「にひひー」

姫「今撮ったお写真です」

るる「撮り直せ」

菫「え?」

るる「姫の顔暗い。葬式か」

菫「じゃ、撮り直しね」

るる「笑えよ」

姫「はい」

菫「じゃ、いっくよー」

るる「おう」

菫「たーこやーたこやー?」

るる「きー!」

パシャリ。

るる「さお竹屋か」

菫「ふふふっ!」クスクス

るる「いや。なんもおもんないから」ペチッ

菫「違うよ。この写真、見て」スッ

るる「……」

菫「二人とも、いい笑顔」

ほっけ「ええ話や……」グスッ

るる「ほざけ。普通の、当たり前の写真やんけ。はい、いこいこ」トテトテ

ほっけ「よかったの」

姫「ふふっ」にこっ

―で

菫「この薔薇、ディスティニィ。だって」

るる「うざっ。普通に発音しろや」

菫「私達の出会いも、きっと、運命だよね」

るる「何キショイこと言うとんねん」

菫「私とほっけさんの出逢いも、るるちゃんと姫ちゃんの出会いも」

るる「……」

菫「そして、私とるるちゃんの出逢いも……」

るる「はんっ。どーかな」

菫「私は、るるちゃんと出会えて良かったよ」

るる「そ」

菫「最初は恐かったけど、今は、大切なお友達」

るる「被害妄想乙」

菫「このひねくれものー!」ぎゅう!

るる「ひっつくな!恥ずい暑いうざい!!」ジタバタ

かわいいー。姉妹かなー。

るる「離れろー!!」


―帰宅

るる「しんどかった……」

菫「今日は楽しかったー!」

るる「あー。明日仕事行きたない……」

菫「そう?るるちゃんがいるから、毎日楽しいよ?」

るる「あ?キモオタにハァハァされる仕事の、何がおもろいんねん」

菫「キモオタさんも、大切なお客様だよ」

るる「みんなくたばったらいいのに」

菫「給料なくなるよ」

るる「くそっ!」

菫「じゃ、夜ご飯作るね」

るる「しんどいやろ?休んで作れや」

菫「おや?」

るる「なんや……」

菫「るるの様子が……!」

るる「進化せんからな」

ほっけ「進歩はしたな」

るる「ちょいちょいウザいねんババア」

姫「白の勝ちです」

ほっけ「ああっ!」

るる「ひひっ。ざまあみさらせ」クスクス

ほっけ「ぐぬぬ……!」

ー梅雨の季節がやってまいりました。

るる「何で、ちゃんと水きって店入らんねん……」ブツブツ

菫「こら」

るる「はいはい」キュキュキュ

店長「気持ちは解るが、口に出してはいけないな」

るる「はい。すいませんでした」キュキュキュ

店長「それが終わったら、レジを頼む。菫は、アレの品だしを頼む」

るる、菫「はい」

菫「また、あのラノベか……人気だなー」

とてとて、つるっ!

菫「きゃ!」

るる「大丈夫か?気い付けや」

菫「えへへ」

オターク「ドジっ子キタコレ!!」キラキラ

菫「忙がな、きゃ!」ドテッ

店長「大丈夫か?」タタタ

菫「はい。大丈夫です」

るる「今日は大雨やから、ビショビショやな」キュキュキュ

店長「少し、濡れているな」

アルバイト「店長、ロリコンっすか?」

店長「すぐにタオルを持って来て、レジに戻れ!!サボるな!!」

ー帰宅

菫「止まないね」

るる「ん」

菫「心の雨」

るる「は?」

菫「買っちゃった。とある憂鬱な日常に飽きてアニマオンラインの勇者に転生したんだけど、突然、伝説のロリババアが将来の嫁だと迫ってきて、俺の嫁がこんなに可愛いわけがないし、友達としてもありえないと思う件」

るる「なっが!!もはや、あらすじやんけ!!てか、詰め込みすぎやろ!!」

菫「最近、ツッコミが増えてきたね」ツンツン

るる「やめろ、うっとおしい。誰のせいやと思ってんねん」

ほっけ「図々しく押し掛けてきたのは、どこのだ」

るる「マナーモード」

菫「もう!ひどい!」

ほっけ「何てことするんじゃ!」

るる「はいはい。で、それ買った理由は?」

菫「興味はあったんだけどね。流行りに乗る自分が、少し恥ずかしくて」テレ

るる「へー」

菫「さーて!今日中に読破するよ!!」

るる「夜ご飯だけは、ちゃんと作ってな」

ー一時間後

菫「ご飯作ろ」パタム

るる「どこまで読んだ?」

菫「全部」スクッ

るる「は!?」

菫「挿絵とかあるし、独特の書き方があったから」トテトテ

るる「ふーん」ペラペラ

勇者「可愛い」
ポツリと、そう呟く。
そして勇者は、小さなさくらんぼの収穫を始めた。
優しく、そう。赤ちゃんの頬を撫でるように優しく。
ロリババア「っ……!」
ロリババアの呼吸は、徐々に、心臓に合わせてリズムを刻む。
時折、小さく反応する体は、まるで、指揮者のようだ。

るる「なるほど。途中で読むんやめたんやな」パタム

菫「だって……」サクッサクッ

るる「男はアホやからなー」ノビー

菫「その本の作者は女性だよ」トントントントン

るる「マジかー」ゴロゴロ

菫「まさか、十八禁だったなんて……アニメ化決定してるから、油断してたよ」トントントントン

るる「今日の夜ご飯何?」

菫「生姜焼きだよ」ジュー

るる「っしゃ」

菫「ねぇ。そのラノベ、あげよっか?」ジュー

るる「いらんわ。頑張って読みんしゃい」

菫「ふえぇ……」ジュー

るる「姫ちゃん、ババア。三人でトランプしよ」

ほっけ「小娘が。後悔するでないぞ?」

るる「ババア抜き。ちゃうわ、ババ抜きな」

ほっけ「わざとか?わざと言ったな?」

姫「シャッフル終わりました」

菫「いいなー」ジュー

るる「食べ終わったら、一緒にやろ」

菫「うん!!」ジュー

るる「っしゃ!ババアざまあみろ!」

ほっけ「ふっ。まだまだ勝負はこれからじゃ」

るる「いつまで強がれるかな」

姫「どうぞ」

るる「あ」

姫「ふふっ」

るる「くそっ。ババアのおかえりや」

ほっけ「いい加減にせんか小娘!ババアババアとくどいぞ!!」

るる「またババアがババア。ちゃうわ。ババ取った」

ほっけ「くのー……!!」

姫「どうぞ」

るる「またババか……て!いつ終わんねん!無限ループ突入したぞ!」

菫「いいなー……」ジュー

るる「ん?何か、焦げ臭いぞ」クンクン

ー今日はみんなで

菫「こうして皆で集まったの、初めてだね!」ウキウキ

ほっけ「小娘が、ずっとダイブを拒んでいたからの」

るる「人の勝手やろ」

姫「私は、毎日一緒に寝ています」

るる「姫ちゃん!」

ほっけ「ほぉ……」ニヤニヤ

菫「私より早起きなのは、そういうことだったんだねぇ……」ニヤニヤ

るる「…………」ムスッ

姫「ごめんなさい」

菫「ねぇねぇ。これからは、四人一緒に寝よっか?」

ほっけ「お!それは良案じゃぞ!」パチパチ

るる「嫌」

ほっけ「今さら恥ずかしがらんで良いじゃろ」

るる「黙れババア」

菫「るーるーちゃん!」ぎゅ!

るる「ひっつくな!しばくで!!」

ほっけ「すっかりなつかれたの」

るる「菫。あたしみたいな悪人になついたら、後悔することになるで」

菫「るるちゃんは悪人じゃないよ。私に、幸せを運んできてくれたから」ウフフ

るる「何が幸せやねん。自分、段々頭おかしなってきてない?」

菫「ひどい!今、私はね!毎日がすっごく楽しくて、幸せなんだよ!本当だよ!」

るる「ふーーーん」

菫「るるちゃんは、私のこと嫌いなの?」

るる「おう」

菫「…………」ウルウル

るる「そんな顔しても、答えは変わらんぞ」

菫「…………」グスッ

ほっけ「なーかした。なーかした」

るる「構ってちゃんに構ってやるほど、あたしは優しない」プイッ

菫「ぐすっ……決めた!」スクッ

るる「?」

菫「るるちゃんは、私が幸せにする!」

~~♪~~♪

るる「姫ちゃん。結婚式の音楽流さんでいい」

菫「そのひねくれた性格を、私が叩き直す!」

るる「やれるもんならやってみ」

菫「ほっけさん。どうしたらいいかな?」ヒソヒソ

ほっけ「無理」ヒソ

菫「詰んだ……」ガクッ

るる「二人して馬鹿にしてない?」

ーすごろく大会

るる「なぁ。何ですごろく?もっとこう、あるやろ」

菫「楽しいから」

るる「へー」

姫「また一回休み……」

るる「長期休暇やな」

ほっけ「なぜじゃ。なぜ、空マスにしか止まらぬ」

るる「ババアやから」

ほっけ「関係ないわ!それにわしは」

菫「ロリババア!!あ。また三マス進むだ!やたっ!」

るる「運良い奴やなぁ」

菫「まーね!」フフン

るる「ふぁ……ねむ」ネムネム

ほっけ「寝落ちは負けじゃからな」

るる「はいはい」

菫「やーーー!!」ガガーン!

るる「あーあ」

菫「最下位と入れ替わり……」ガクッ

姫「やった……」フフ

菫「誰だ!こんなマスを作ったの!」

るる「歌宝菫さん」

菫「誰かな?」

姫「ゴール」

るる「おめでとさん」パチパチ

姫「ふふっ」にこっ

菫「く……悔しい……」

るる「あたしも、次あがりやな」

菫「五回休み!?」ガガーン!

ほっけ「ごーる」

るる「ほっけさんも焼き上がりで」

ほっけ「焼きを付けるな!」

るる「あたしも上がり」

菫「お休み」ゴロン

るる「子供か」ジトー

ーそして就寝

るる「いちいち並んで寝んでいいやろ」

菫「ふふっ」ウキウキ

るる「うざっ」

菫「……」トキトキ

ほっけ「じゃ、電気消すぞ」

るる「ん」

…………。

菫「……ねぇ。るるちゃんは、好きな人いる?」

るる「寝ろ」

菫「ほっけさんは、好きな人いる?」

ほっけ「もちろん。お前さんじゃ」

菫「きゃっ」テレ

るる「ただのデータに返事貰って、何が嬉しいねん」

菫「ただのデータって言わないで!それに、大好きは誰に言われても、嬉しいものだよ」

るる「ほぼ毎日、キモオタさんに大好き言われてるけど、それも嬉しいん?」

菫「うん!」

るる「じゃ、結婚せえや」

菫「極端か!」ペチッ

るる「うっざいわー……」

菫「次、姫ちゃんの好きな人は?」

姫「私は……」

菫「恥ずかしがらずに、ほら、言ってごらん」

姫「るる……ちゃん」

菫「ひぅーひぅー!」

ほっけ「熱々ー!」

るる「そら、焼きたてのほっけは熱々やろうな」

ほっけ「返事は?」

るる「あ?」

ほっけ「お前さんはどうなんじゃ?」

るる「さあな」

菫「ほら。恥ずかしがらずに」ツンツン

るるがログアウトしました。

菫「あ……もぅ」

ほっけ「すまん、姫」

姫「いえ」

菫「私もごめんなさい。少し、ひつこかったです」

姫「それは、るるに直接言って下さい」

菫「そうだね……」

るる「別に、嫌いちゃうからな」

姫「!」
菫「どうしたの?」
姫「何でもないです」フフッ

ーオタロードにて、お買い物

菫「今日は晴れて良かったー」

るる「曇りな」

菫「さてと」

るる「どこ行くん?」

菫「まずはゲーセンを回って、いい同人グッズがないか調べる」

るる「わかった」

ーで

菫「今日もロリババアは無かった……」ガクッ

るる「底辺ジャンルやからな」

菫「底辺じゃありません!」プンプン

るる「そ」

菫「ねぇ。るるちゃんは、何が好きなの?」

るる「ロボ……かな」

菫「ロボっ娘?アンドロイド?」

るる「普通のロボット」

菫「ふーん」

るる「……」

菫「いつも、録画して見てるもんね」

るる「いつも、隣で寝よるよな」

菫「ふーん」

るる「…………」

ーで

菫「クロスギャラクシーダムガンは?」スッ

るる「ダムガンはあんま興味ないし、最近のロボしか知らん」

菫「ふーん。お、このロボットかっこいいね」

るる「それ、パワードスーツや」

菫「だと思ったよ」

るる「嘘つけ」

ーで

菫「最近、特撮にはまってるよね」

るる「あんたのおかげでな」

菫「合体ロボット買っちゃう?」ワクワク

るる「自分が遊びたいだけやろ」

菫「ほら、ロボットだよ」ユーラユーラ

るる「ええか?あたしら幼児体型が、一日中それ持って歩けると思う?」

菫「じゃ、帰りに買おうっと」

るる「買うんかい」ペチ

ーで

菫「ロリババアを希望します。と」

るる「毎回、そのホワイトボードに書き込むな」

菫「大切なことだからね!」

るる「へー」

菫「ほら!見て!」トテトテ

るる「引っ張るな引っ張るな」

菫「私の要望は、ちゃんと届いてるんだよ!」

るる「ロリババア?」

菫「うん!しかも地域限定品!これは買いですな」ウンウン

るる「フィギュア棚、そろそろ限界やで」

菫「この世の全てに、限界なんてないんだよ!」

るる「はーん」

菫「あふゅう!あれはWHF会場限定のロリババアねんどろいどではありませんか!!」キラキラ

るる「うざっ、きもっ、高っ」

菫「両方買う!!」

るる「後悔すなや」

菫「後悔なんてしない。私は強いから」キリッ

るる「誰やねん」ペチ

ーお昼

菫「あ」

るる「お金ないんやろ?」

菫「どうしてわかったの?」

るる「はぁ……」ヤレヤレ

菫「…………」ズーン

るる「しゃーない……おごったる」

菫「るるちゃん……!」ウルウル

ー昼食後

菫「天ぷら丼美味しかったー!」

るる「ん」

菫「あ、そうだ。お金を卸せばいいんだ!それでるるちゃんに」ポン

るる「えーえー、やめとけ。無駄遣いして、生活費無くなったら困るからな」

菫「でも、ちゃんと返さないと……」

るる「奢るゆーたやろ」

菫「でも……」

るる「ええから。もう言うな」

菫「ふふ……ありがとう。ごちそうさまでした!」

るる「ん」

菫「んふふ!」ぎゅ!

るる「引っ付くな言うてるやろ!」

菫「いひひ!」にこっ!

ー夏い七月

るる「っつー」

菫「あづいー」

るる「働いてる方がマシやわ……」

菫「クーラー、ガンガンいけ!だもんね」

るる「あーつーいー」

ほっけ「お前さん達は大変じゃな」

るる「直射日光に当てたろ」

菫「やめてー!」

姫「ただ今の室内温度。三十九度です」

るる「八月は五十度いくんちゃうか」

菫「焼肉食べ放題だね……」

るる「あかん。菫の頭壊れた」

ほっけ「クーラーをつければ良いではないか」

るる「あ?電気代たこつくやろ」

ほっけ「そんなに小さい扇風機では、何も変わらんぞ」

るる「……っしゃ!出掛けよ!」

菫「どこに?」

るる「マック」

菫「まさか……ハンバーガーとお水で居座る気!?」

るる「ふふふ……」

菫「でも待って。私、ドーナツが食べたい」

るる「じゃ、ミスドな」

ー外

るる「くぁ……」

菫「あづいー……日傘の意味ないー」

るる「引っ付くな……余計暑いし、べたべたする」

菫「だって……るるちゃん、日傘持ってないんだもん」

るる「かまへんかまへん」

菫「わかった……」スッ

るる「あつつつつつ!!」

菫「もう……」ピト

ー梅田のミス・ドーナッス

菫「一口ちょうだい!」

るる「はい」

菫「美味しい!んー!」モムモム

るる「ん」モムモム

菫「大丈夫?」

るる「電車ん中で、倒れるか思うたわ」

菫「大丈夫?」

るる「今んとこ」

ほっけ「わしらも、エラーが多発して、死ぬかと思うたぞ」

菫「大丈夫?」ポチポチ

ほっけ「うむ。ありがとう」

るる「ほっけは焼きたてが一番」ポチポチ

ほっけ「こら、小娘ー!!」

るる「それ、一口頂戴」

菫「はい」

るる「あんがと」

菫「え?」

るる「どしたん?」

菫「ううん!何でもない!」

ーお買い物

るる「……」

菫「この服、可愛いくて安いよ!」

るる「いらん」

菫「私が困るの!少しずつ、自分の服を買って!」

るる「じゃ、これとこれとこれ」

菫「適当に選ばない!」

るる「安くて普通やったら、何でもええやん」

菫「るるちゃん可愛いんだから、可愛い服を着ないと、もったいないよ!」

るる「はんっ。どーでもええわ」

菫「あ!こっちも可愛い!」

るる「はぁ……長っ……」

菫「何か言いました?」ジトー

るる「いえ」

菫「よろしい」

るる「ふぁ……」ネムネム

ー夜

るる「夏と言えば、やっぱそうめんやな!」

菫「高いのがいただけないけど」

るる「それは言うたらあかん」

菫「そうめんはいただきます」

るる「自分、全然ギャグのセンスないで」

菫「それで思い出した!」

るる「いただきます」チュルル

菫「扇子……買っちゃった」キャピ

るる「センス……ある扇子やな」

菫「でしょ!?」

るる「でも、何でおそろい?」

菫「嫌?」

るる「別に……」

菫「んふふ」ニヤニヤ

るる「自分、やっぱレズやろ」ジトー

菫「それは違います!!」

るる「なら安心」チュルル

菫「いただきます」チュルル

ほっけ「夏と言えば」

姫「流しそうめん」

ほっけ「姫!ゆくぞ!」

姫「はい」

ほっけ「第一素麺、降下!」シャー

姫「あ」スルリ

ほっけ「残麺十三……くっ!」

姫「ごめんなさい」

ほっけ「なに、次は成功させれば良い。では、ゆくぞ!」

姫「サッーイェッサ」

ほっけ「第二素麺、降下!」シャー

姫「えい」スルリ

ほっけ「くっ……!」ガクッ

るる「遊ばんと、普通に食えばいいやろ」

ほっけ「良いか、小娘よ。これは遊びではない。流しそうめんとは、命を賭けた、戦なのじゃ!」

るる「あほくさ」

菫「楽しそうで羨ましい……」

るる「ダイブしても、飯は食えんからなぁ」チュルル

菫「開発者めー……」グヌヌ

姫「やった」

るる「おめっとさん」

姫「ありがとうございます」

ほっけ「味はどうじゃ?」

姫「美味しい……」にこー

るる「ふふっ」

ほっけ「次はわしの番じゃな」トテトテ

菫「私が流してあげる」

るる「食べ終わるん、はやっ!」

菫「いくよ……ほっけ隊長」

ほっけ「この戦いが終わったら、花火をしよう」

菫「ほっけさん……!」シャー

ほっけ「ちょいや!」スパッ!

菫「さすが隊長!」キラキラ

ほっけ「うまい……」パタリ

菫「隊長ーーー!!」

るる「うっさいハゲ」チュルル

菫「ハゲてない!ほら、見てご覧!」

るる「あんた、つむじ二つあるんやな」

菫「本当?」

るる「うん」チュルル

菫「見てくる」トテトテ

るる「アホやろ。写真撮ったらええのに」

菫「いたっ!」

ほっけ「頭をぶつけおったな」

るる、ほっけ「やれやれ」

ほっけ「おや?初めて」

るる「マナーモード」

菫「見えなかったよ」トテトテ

るる「頭向けてみ」

菫「こう?」

ごつん!

るる「痛っ!誰か頭突きかませゆーた!!」

菫「るるちゃん、石頭……」ウルウル

ー七夕

るる「ろりっこ大天使様とお付き合いできますように」

菫「ろりっこ堕天使様は俺の嫁」

店長「そういうのは省いてくれ」

菫「はい」

るる「そんなことしたら、怒るんじゃないですか?」

店長「去年もそうした。こんなこと書くやつが悪い」

菫「卑猥な短冊も省いてね」

るる「アホばっかで困るわ」

店長「こら」

るる「すいません」

店長「ところで、二人は、どんな短冊を書いたんだ?」

菫「いひひ!これです!」スッ

るるちゃんと、ずっと、仲良しでいられますように。 菫

店長「いいじゃないか」

菫「えへへ」テレテレ

るる「破いていい?」

菫「ひどいっ!」

店長「何々……」ペラ

金くれ。 るる

店長「…………」

ー開店後

オタクッ「ああ!今年も俺の短冊がない!」ガガーン!

オッたク「俺は直接伝える。漢だからな」

菫「いらっしゃいませ!」

オッたク「菫さん。ずっと好きでした。僕と、お付き合いしてくれませんか?」

菫「合わせて、千五百六十二円になります!」にこっ!

オタクッ「ふっ。ざまあねえな……」

オッたク「なぁにぃ?」

るる「いらっしゃいませ」

オタクッ「お、おおひゅほ、おちゅ、ちゅき……」モゴモゴ

るる「あ?」ギロリ

オタクッ「あにゅ……」

るる「合計、六百十三円になります」

オタクッ「あ……さっ……へへ」

るる「きもっ」ボソッ

菫「こら!」

るる「失礼しました」

オタクッ「あざっす!」ペコッ!

オッたク「負けた……」

店長「可愛いすぎるのも問題だな」

アルバイト「店長、ロリコンっすか?」

店長「かもしれんな……」

アルバイト「!?」

ー帰宅

ほっけ「わしのお願いはこれじゃ!」

菫とるるが、ずっと、仲良しでありますように。

菫「きゃっ」テレ

るる「お前もかい」

ほっけ「小娘!年寄りに向かって、お前とは何じゃ!」

るる「ごめん。年寄り」

ほっけ「わしはロリババアじゃ!」

るる「自分で年寄り言うたやん」

ほっけ「ぐぬー……」

菫「姫ちゃんは?」

るるちゃんが、幸せでありますように。

菫「これは、愛……!」

るる「ふーん」

菫「るるちゃん!ありがとうは?」

るる「何それ、美味しいん?」

菫「もー!」プンプン

るる「しゃーない。あたしも書き直すか」ポチポチ

世界中の皆さんが、また一年、笑顔で過ごされますように。

菫「いい子いい子!!」なでなで

るる「やめろ!うっとおしい!」

姫「とても素敵です」

るる「姫ちゃんもな」ボソッ

姫「ありがとうございます」フフッ

ほっけ「ほぉ……」ニヤニヤ

菫「へぇ……」ニヤニヤ

るる「ちっ」

ー夢じゃなくて未来

菫「夏と言えば?」

るる「海」

菫「ぶー」

るる「山」

菫「ぶー」

るる「川」

菫「ぶぶー」

るる「ほっけ」

菫「惜しい!」

るる「嘘つけ」

菫「正解は、夏と言えばポケモエ!!でした!」

るる「そ」

菫「明日が楽しみだね」

るる「は?」

菫「席は取ってあるから」スッ

るる「嫌」

菫「何で!?」

るる「子供がウジャウジャくるんやで?恥ずかしいわ」

菫「大丈夫大丈夫!誰も気にしないよ!」

るる「毎年見よんの?」

菫「うん!」

るる「一人で?」

菫「うん!」

るる「どんだけ好きやねん」

菫「えへへ」

るる「とにかく。あたしは行かんからな。暑いし」

菫「えー!チケットのお金、どうするの?!」

るる「知らん」

菫「行こうよ行こうよ!」ぎゅー!

るる「やめろ!いっつもいっつも、うっとおしいねん!」

菫「わかった。私も、もう大人だから。ここは大人しく引き下がって、一人で行きます」

るる「気ぃつけてな」

菫「…………」ニヤリ

ー翌日

るる「くそ……」

菫「ありがとう!るるちゃん!」

るる「約束やからな。ポップコーンと飲み物とお昼奢れよ」

菫「はーい!」トテトテ

るる「食べ物につられるとは、我ながら情けない……」

姫「るるちゃん」

るる「ん?」

姫「友達とお出掛けするのは、とても良いことだと思いますよ」

るる「相手が、友達、やったらな」

姫「るるちゃん……」

菫「るーるーちゃーん!何味ー?!」

るる「ちゃん付けで叫ぶな!恥ずかしい!!」タタッ!

ー上映後

菫「お昼何がいい?」

るる「腹パンパンやわ」

菫「やだ……妊娠!?」

るる「ここから落とすで」

菫「怖いこと言わないで!」ガガーン!

るる「とりあえず、適当にブラブラして、お腹空かすか」

るる「はーい」

ーゲーセン

るる「またか」

菫「これも、大切な思い出作り!」

るる「いらんわー」

ほっけ「じゃ、わしが顔を隠してやろう」

るる「あ?ブスがでしゃばんな」

菫「ブス!?」ガーン!

るる「そっか。デザインは菫やったな」

ほっけ「うーわーひどー」

るる「あ?」

菫「あ!撮るよ撮るよ!」

るる「ひっつくなて」

菫「たこや?」

ほっけ、姫「きー!」

かしゃり!

菫「もー!またふて腐れる」

るる「ふて腐れてない。普通の顔や」

菫「笑顔は大事なんだよ!幸せになれるからね!」

るる「あほくさ」

菫「こちょこちょー!」

るる「やめっ!ひひっ!やっ!ひひひっ!」ケラケラ

かしゃり!

るる「覚えてろよ……」

菫「今、忘れちゃいました」にこっ

ー本屋さん

るる「またラノベ?」

菫「うん」

るる「絵の描き方、基本編……もしかして、ラノベ作家か何か、目指そうとしてる?」

菫「そー……なのかな?」

るる「最近、やたらポチポチしよるしな」

菫「えへへ……」

るる「で?どない?」

菫「あー……」

るる「人気無しか」

菫「ん……」シュン

るる「甘くないからな。ラノベも絵描きも」

菫「わかってるよ!でも、やりたい事は、やってみたいから」

るる「ふーん」

ーフードコート

菫「本当に、うどんで良かったの?遠慮しなくていいんだよ」

るる「うどんが好きなだけ」ズズ…

菫「そう」

るる「さっきの事で悩んどるん?」

菫「うん。……今日、ポケモエの映画、一緒に観たでしょ?私も、あんな素晴らしい物語や世界、キャラクター達を絵描きたいなって」

るる「ベタやなー。結局才能が無かったら、馬鹿にされて終わりやで」

菫「ん……」

ほっけ「小娘。何故そこまで菫を追い詰める」

るる「現実は甘くない。そんな単純な話をしとるだけや」

菫「何もかも甘くない事ぐらい、私もわかってるよ。中途半端も駄目って事もわかってる。でも……!」

るる「そこまで本気やったら、本気でやれよ」

菫「え?」

るる「あたしは応援する」

菫「るるちゃん……」

るる「少しずつでも、自分に合うもん、やりたいことを見つけて、その幅を狭めていったらええんちゃう?」

菫「そうだね。そうしてみるよ!」

るる「ん」ズズ…

菫「ありがとう!るるちゃん!」にこっ!

るる「ん」モムモム

菫「よーし!帰ったらさっそく、色々描いて見ようっと!」

るる「楽しくな」

菫「うん!やっぱり、楽しく続けるのが大事だよね!」

るる「そうそう」

菫「オラ、何だかワクワクしてきたぞ!」ワクワク

るる「ふふっ」クスクス

菫「るるちゃんも、一緒に色々描こうね!」

るる「は?」

菫「あ……ごめん。押し付けは良くないよね」

るる「…………今日だけやで」ズズ…

菫「やった!んふふ!」ウキウキ

ー季節は八月

るる「いらっしゃ……ふぁ」

オータック「おほふっ」ドキドキ

るる「失礼しました」

オータック「いえ、ありがとうございました」

るる「は?」

菫「いらっ……くちゅん!」

オタックー「ひゅふぅ……」

菫「すみません。合わせて、こほんこほん……七百六十三円になります!」

オタックー「大丈夫ですか?良ければ今晩、御見舞いにいかがわ……伺いますよ」

菫「丁度お預かりします!ありがとうございました!」

店長「夏バテと夏風邪か……困ったな。穴埋めを」

アルバイト「店長、ロリコンっすか?」

店長「考えなくてはな……」ウーン

ー帰宅

るる「熱あるやん」

菫「ありゃりゃ……何でかな?」

るる「店のクーラーにやられたんちゃう」

菫「そうなのかな?」

るる「とりあえず、休みに海は行けんな」

菫「な!治してみせる!」

るる「無理したら、最悪死ぬで」

菫「夏風邪で死ぬの!?」

ほっけ「ないない。とにかく、栄養のある物を食べて、はやく治さんとな」

るる「何で背伸びレシピやねん。喧嘩売っとん?」

ほっけ「すまん。これは菫の為に集めた、背伸びレシピ集じゃ。いつもの癖で、間違えてしもうたわい」

るる「ふーん」

菫「私が頼んだんじゃないか、こほんこほん!」

るる「家事はあたしに任せて、菫はゆっくり休み」

菫「ありがとう」

るる「ん」

ほっけ「では、買い物に行こうか」

るる「仕切んなハゲ」

ほっけ「ハゲとらんわ!」

ースーパー・タトバ

るる「何しよ。安くて栄養ある言うたら、卵粥しか浮かばんわ」

ほっけ「カレー」

るる「熱いわ」ポチポチ

ほっけ「トムヤンクン」

るる「辛っ」ポチポチ

ほっけ「まーぼーどーふ」

るる「もうええって」ポチポチ

ほっけ「チゲ鍋」

るる「殺す気か!!!!!」ポチポチポチポチ!

ほっけ「ふっふっふっ。菫の事、ちゃんと心配してくれてるようじゃのう」

るる「うーん。卵粥に何か足すかな」

姫「卵、ネギ、梅と、生姜を少し乗せてはいかがでしょうか」

るる「それ決定。さすが姫ちゃん」

姫「ふふっ」

ほっけ「おーい。菫から伝言じゃぞ」

菫「豪華にしなくていいからね」

るる「最初からするつもりない」ポチポチ

…………。

るる「はいはい」ポチポチ

ほっけ「おや?なぜ訂正したのかの?」

ほっけさんを強制退室しました。

るる「ウザイねん、ババア」

姫「ふふふ」クスクス

ーそして

るる「完成や」コトッ

菫「何!?魔法使ったの!?」

るる「いやー。久しぶりの料理、大変やったわー」

菫「るるちゃん!凄く美味しそうだよ!」

るる「やろ?」フフン

菫「いただきます!」

るる「…………」

菫「んー!お粥美味しい!トマトサラダも、上手に盛り付けてあるね!」

るる「やろ!?盛り付け、結構こだわったんやで!」

菫「何だか、食べるのもったいないな」

るる「ええって、気にせんで」

菫「んふふ!るるちゃん」

るる「なに?」

菫「本当にありがとうね!凄く、元気が出てきたよ!」

るる「そっか。デザートのプリン食べた後、薬飲むの忘れんときや」

菫「はーい!」

るる「風邪治ったら、絶対に海行こうな」

菫「うん!」ウルウル

るる「どした!頭痛いん?」

菫「ううん。大丈夫」グスッ

るる「気分悪いんか?」サスサス

菫「違うの。……嬉しいなって」ぎゅ

るる「嬉しい?」

菫「るるちゃんがね。こ、こんなにも、私のことを……ぐすっ。思ってくれてるのがね」ポロポロ

るる「……」

菫「すっごく嬉しいの……」にこっ

るる「ありがとう」なでなで

菫「こちらこそ……」ポロポロ

るる「菫は、あたしの……あたしの……と、と……」

菫「私は!るるちゃんのこと、お友達だと思ってるからね!」グスッ

るる「菫……ありがとう……ありがとう……」グスッ

菫「これからもずっと……お友達だよ」ぎゅう

るる「うわあああん!」ポロポロ

菫「んふふ」なでなで

ーお休み

姫「るるちゃん?」

るる「姫ちゃん。今まであたしがしてきた事、許してほしいとは言わん」ぎゅう

姫「……」

るる「でも、謝らせてほしい。本当にごめんなさい」

姫「許すも何も。るるちゃんは、昔からずっと、私の大切な家族です」

るる「ありがとう」グスッ

姫「はい」なでなで

ーほっけさんのお部屋

ほっけ「良かったの。菫」

菫「うん!」

ほっけ「これから先、色々と不安じゃが」

菫「大丈夫。るるちゃんは、優しくて思いやりのある人だから」

ほっけ「そうか……」フフッ

菫「うん!」フフッ

るる「お邪魔します」ガチャリ

菫「いらっしゃい!」

るる「一緒に寝ていい?」

菫「もちろん!」

るる「にひひ!」にこっ!

菫「いひひ!」にこっ!

るる「あ。風邪引いてるのに、ダイブはマズいんぢゃう?」

菫「え……」

るる「現実に戻るで」

菫「きっと大丈夫だよ!」アセアセ

ほっけ「それもそうじゃな」

菫「ほっけさんまで!」ガガーン!

姫「お休みなさい」にこっ

菫「やだーーー!!」

るる「子供か……」ジトー

ー海ですよ?

菫「ふふふっ!」プカー

るる「流されて、あんま深いとこに行かんようにな」

菫「大丈夫!」プカー

るる「助けられんからな」

菫「うん!」プカー

るる「なぁ」

菫「なに?聴こえなーい!」プカー

るる「監視員さん呼ぼ……」

ーで

るる「足つかんとこ、禁止な」

菫「えー」プカー

るる「うちらは?」

菫「幼児体型のロリロリ」プカー

るる「つまり?」

菫「誘拐に気をつけなきゃね!」プカー

るる「さっそく波に誘拐されてる」グイッ

菫「何でだろう。自然と、沖に流されちゃう。……もしかして!呼ばれてる!?」

るる「海の亡霊にか」

菫「上がろ……」

るる「怖がりやなー」

ーお昼

菫「こういう所で食べる焼きそばって、どうしてこんなに美味しいんだろうね!」ズズ…

るる「気持ちの問題やろ」ズズ…

菫「もー!『君というハーブが、焼きそばにアクセントを加えてるのさ』とか、言えないの?」プンプン

るる「そんなん聞いたことないし、だっさ」

菫「そうかな?」

るる「センスなかったら、いっぱい叩かれるで」

菫「扇子で?」

るる「はいアウト」ズズ…

菫「あ!閃いた!」

るる「何や突然」

菫「ラムネのビー玉を舐める彼女に、俺は夏の始まりを感じた」ドヤァ

るる「まず、エロくないラノベとか、普通の小説をもっと勉強しような」

菫「はーい」ズズ…

ー海の中

るる「何かおる?」

菫「んーんー」プカー

るる「ま。何かおっても嫌やけどな」

菫「るるちゃん!」ザパッ

るる「何?」

菫「綺麗な貝殻を見つけたよ!多分、サワエ!」

るる「サワエて誰やねん。サザエやろ」

菫「潜って取って」パチャパチャ

るん「しゃーないなー」チャプン

菫「うひひひ!」ケラケラ

るる「……ぷはー!」ジャペェン!

菫「もぅ!足の裏、くすぐらないでよ!」

るる「はい」スッ

菫「何これ!珊瑚!?」

るる「珍しいことも、あるもんやな」

菫「ありがとう!」

るる「ん」

菫「宝物にするね」

るる「好きし」テレ

ービーチボール

菫「ビーチボール、買ってきたよ!」トテトテ

るる「水風船なんか貰って、完全に子供扱いやな」

菫「子供じゃないもん!」プンプン

るる「空気も入れてくれたんやな」

菫「そうだけど?」ムスッ

るる「しゃ!こい!」スッ

菫「シャラポワブレーーーイク!!」シュパン!

るる「っ!」パーン!

菫「ごめん!大丈夫!?」

るる「誰がいきなり顔面にアタックかますねん!アホか!」

菫「ごめんなさい」ペコ

るる「じゃ、次はあたしからな」ポーン

菫「シャラポワブレーーーイク!!」スパァン!

るる「ぐはあっ!」パーン!

菫「逃げろー!」トテトテトテトテ

るる「こらぁ!待てー!!」トテトテトテトテ!

菫「きゃー!!」

ー夕焼け

菫「綺麗……」

るる「ん」

菫「るるちゃん」ピトッ

るる「やめろ気色悪い!」サッ

菫「来年も来ようね」ピトッ

るる「何?それ定番の告白?」

菫「うん」

るる「マジで……」

菫「嫌?」

るる「嫌……じゃないけど……同性愛はやっぱ無理。ごめん」

菫「冗談だよ」クスクス

るる「沈める」スクッ

菫「恐い恐い!」

ー神戸のポートタワー

菫「綺麗な夜景!」

るる「せやな」

菫「ほっけさん!いい写真撮ろうね!」スッ

ほっけ「わしに任せろ!」

姫「るるちゃんも撮りますか?」

るる「あたしは別にええよ。ありがとう」

菫「ねぇ!後で観覧車乗ろう!」

るる「ええけど、気色悪いことすんなよ」

菫「いぇーい!」

ぱしゃり!

るる「人の話聞け!」

ほっけ「これは良い写真じゃ!」

姫「はい」

るる「どこがやねん。あたし、そっぽ向いとるやないか」

姫「待ち受けにしました」

るる「もっとマシな写真にして」

姫「では、あの時の写真を」

るる「菫とお揃いやないか」

菫「どうせお揃いにするなら、新しくちゃんと撮ろう」

るる「いや。お揃いにせんから」

菫「そうだ!観覧車で撮ろう!」

るる「だから人の話を……はぁ」タメイキ

ー帰宅

菫「小さいけど遊園地もあって、楽しかったね!」

るる「ん」

菫「ちゃんとお風呂に入って、歯を磨いて寝ないと駄目だよ?」

るる「わかってる……あー!明日働きたくなーい!」

菫「それ、休みの度に言うね」

るる「でも、クーラー効いとるんよなー……」

菫「せやで!クーラー効いとるんよ!」

るる「やめろ。何かウザイ」

菫「ええやん、別に」

るる「関西弁腹立つわー」

菫「私関西弁で、るるちゃん標準語な」

るる「しんどいからやらん」

菫「勝った方が、明日ジュース奢りで」

るる「自分、中々達者やな」

菫「で?やる?」

るる「やらんて」

菫「何でやねん!」ビシッ!

るる「あー!もう!わかったわかった!やったらええんやろ!」

菫「ほないくで」

るる「うん」

菫「しりとり」

るる「何でしりとりやねん!」ビシッ!

菫「はい!るるちゃんの負けー!」

るる「ちょっとズルくない!?マジありえないんすけどー」

菫「何でギャルやねん!」ビシッ!

ー翌日

菫「まいどおおきに!」

店長「どうした?」ヒソ

るる「昨夜急に、関西弁にはまったんですよ」

店長「むず痒いな」

るる「あたしもです」

店長「菫を見てると、ウズウズする」

アルバイト「店長、これロリコンっすか?」

店長「ああ。十八禁コーナーにある」

るる「最近、十八禁コーナーのスペース、少し増やしましたよね」

店長「需要があって、お金になるからな」

るる「ロリコン物が、あちらこちらで少し増えましたよね」

店長「私語はここまでだ。真摯に働こう」スタスタ

るる「…………」ジトー

ー夏は想い出がいっぱい

るる「明日夜、花火観に行こっか」

菫「本当に!?」

るる「前、すっかり忘れてたしな」

菫「どこで花火観るの?」

るる「猪名川」

菫「いながわ?」

るる「まぁ、川や。でも、めっちゃ花火弾けるで」

菫「どれくらい!?」

るる「四千くらい?いや、二千かも」

菫「どちらにせよ行く行く!」ワクワク

るる「決まりな」

菫「あ。浴衣、一着しか無いよ」

るる「そうなん」

菫「そうなん、じゃない!大事なことだよ!」

るる「菫が着たらええやん。菫の浴衣なんやし」

菫「るるちゃんが着て」

るる「何で?」

菫「浴衣を着たるるちゃんが見たいから」

るる「却下」

菫「えー」

ー翌日の夜

るる「どこおんねん」

菫「今?たこ焼きの前」

るる「えーと……」トテトテ

菫「どこにいるでしょーか!」

るる「しばくで」

菫「ぎゃーーー!!」びっくり!

るる「迷子なって、何が『どこにいるでしょーか!』や。ええ加減にせえよ」

菫「えへへ」

るる「てか、何わたあめ買っとんねん!!」

菫「ちゃんと一口あげるよ」

るる「そういう問題やない……あむ」

菫「美味しい?」

るる「まーまーかな」

菫「えー」

るる「待て。よく見たらお面まで買っとるやないか!!」

菫「ケチャッピィだよ!」ウィンク

るる「そんなに一人で楽しみたいなら、あたし帰るわ」トテトテ

菫「ごめんなさい!」ぎゅ!

るる「引っ付くな!」

ー金魚救い……すくい

るる「菫。ほっけすくいやなくて、残念やったな」カタポン

ほっけ「小娘、馬鹿にしておるのか?」

るる「おっちゃん、一人な」

おっちゃん「あ……あ……」スッ

るる「はい」

菫「ええ!?私!?」

るる「やりたいんやろ?」

菫「自分でお金払うよ!」

るる「ええから」

菫「るるちゃんはやらないの?」

るる「苦手やねん」

菫「そうなんだ」シュバッ!

るる「!?」

菫「コツさえ掴めば」シュバッ!

おっちゃん「あ……あ……」プルプル

菫「簡単だよ」シュシュバッ!

るる「冗談やろ……?」

菫「え?何が?」シュバッ!

るる「いや……楽しそうでなによりやわ」

菫「うん!」シュバッン!

ーくじ引き

るる「どーせパチモンか、いらんもんやって」ヒソ

菫「大丈夫!私、運は良い方だから」

るる「へー」

菫「おっちゃん!一人!」

おっさん「らっしゃせあらどぉも」

菫「これだ!」ピッ!

るる「何であたしに渡すねん」

菫「こわいから……」ドキドキ

るる「あっそ」ペリ

ー結果

るる「はっはっはっ!お似合いやで!」ケラケラ

菫「これは……中々恥ずかしい」カラカラ

るる「わんちゃんとお散歩、楽しいですか?」クスクス

菫「楽し……蹴られたー!!」ガガーン!

るる「はっはっはっはっ!」ケラケラ

菫「大丈夫!?ぜんざい!」スッ

るる「ネーミングセンスの無さよ……」ククク!

菫「可愛くない?ぜんざい」抱っこ

るる「どこが可愛いねん!」

菫「えー」

るる「しかし、ほんまお似合いやわ」

菫「子供扱いしないで下さい」

るる「はいはい」カシャリ

菫「ちょっと!写真撮らないでよ!」

るる「いつものお返しや」

菫「もう……!」プクー

ーそして…

るる「ここやったら、あたしらでも見えるやろ」

菫「初めて、幼児体型で良かったと思ったよ」

るる「あたしも」フフッ

菫「いひひっ!」にこっ

ひゅ~……どーーーん!!!

菫「うわぁ……!」ぎゅ

るる「引っ張るな。浴衣はだけるからやめて」

ひゅ~……どどーん!!!

菫「見て!綺麗綺麗!」ぎゅ!

るる「見てる見てる、ガン見してる」

菫「すごいすごーい!」ユサユサ

るる「誰か助けて……」

ひゅ~……ぱぱーん!!!

菫「ねぇ。るるちゃん」

るる「何?」

菫「来年も来ようね!」

るる「またそれか」

菫「いひひ!」にこっ!

るる「ふっ……ええよ」

菫「じゃあ、約束」スッ

るる「約束」スッ

菫「ゆーびきーりげんまん、うっそつーいたら、ホッケの骨を丸飲み!ゆーびきった!」

るる「恐ろしい約束をしてもうた……」

ひゅ~……ぱちぱちー!!!

菫「今の素敵!!」ぎゅう!

るる「そうやな」フフッ

ひゅ~……きらきら!!!

ー九月になりました。

るる「残暑ってやつか……」グテー

菫「あいす食べたいねー」

るる「買いに行く?」

菫「んー、うん」

ほっけ「どうせなら、作ってみるのはどうじゃ?」

るる「ええな」

姫「簡単なレシピを検索します」

菫「それじゃあ、材料を買いに行こう!」

るる「おー」グテー

ーれっつあいすくりーむ

菫「はやく混ぜてね」

るる「しゃ。任せとき」

しゃべっしゃあ!!

菫「ちょっとー!」ガガーン

るる「すまん。力入れすぎた」

菫「交代!」

るる「ん」

菫「いくよ!」

しゅるるるっしゃばっ!!

るる「…………」ビチョビチョ

菫「ごめんね」

るる「乳臭っ!顔洗ってくる……」

菫「はーい」

しゃかしゃか…。

菫「難しいなー……」

ほっけ「いい感じじゃぞ」

菫「そうかな?」エヘヘ

るる「ふー……」トテトテ

菫「るるちゃん、次の工程にいくよ!」

るる「何味にする?」

菫「バニラでいいよ」

るる「あたしもそれでええわ」

菫「はーい」サササ

るる「砂糖そんな入れんの?」

菫「うん」

るる「へー」

菫「氷に塩を入れたら、凄く冷えるんだって」パラパラ

るる「へー。時間短縮か」

菫「そそ」

るる「氷入りボールの上にアイスボール置いたら」

姫「次は気を付けて下さいね」

るる「ん」

しゃしゃしゃしゃ……!!

菫「お上手!」キラキラ

るる「やろ?で、いつまで混ぜたらええん」

ほっけ「いい感じに固まるまで、二十分以上かかるみたいじゃ」

るる「やんぴ」カラン

菫「るるちゃん!」ガガーン!

ーやがて完成

るる「おー!」

菫「いただきます!あむ!」

るる「あむ」

菫「うひひひゃあ……」デレー

るる「美味しいやん!」

菫「ね!」

ほっけ「良かったの」

菫「うん!ほっけさん達も、パフェ美味しい?」

ほっけ「うむ!」

姫「すごく美味しいです!」キラキラ

るる「っつー……!」

菫「一気に食べるからっー……!」

るる「自分もキーンなってるやん」クスクス

菫「でも、美味しい……きゃー!」

るる「なんか死にそ」

菫「キーンで死ぬの!?」

るる「らしいよ。あむ」

菫「本当?ほっけさん!?」

ほっけ「うむ」

菫「本当に?」ジトー

るる「ほっけさんが言うとるんやで」

菫「…………」カラン

るる「嘘嘘。大丈夫やから食べ」

菫「もー!あむ!」

るる「あたしの食べんな!」

菫「ふふっ!今度は、いろんな味を作ろうね」

るる「面倒いし、しんどいから、もーえーわ」

菫「えー」

るる「次、プリン作ろ」

菫「いいね!それいい!」

るる「やろ?」
菫「アイスも添えてー」
るる「作らんからな!」

ーお月見

菫「できた」

るる「ただ皿に餅を盛って、ススキ添えただけ」

菫「形なんて気にしない気にしない」

ほっけ「お月見行事の由来も、曖昧じゃしの」

菫「そうなんだ」

ほっけ「お月見の日が、常に満月とも限らんのじゃよ」

るる「ふーん」モムモム

菫「じゃあ、今日は満月でラッキ、ちょっと!何で食べてるの?!」

るる「餅は食うもんや」

菫「もっと満月を楽しんで、情緒に浸りながら食べようよ!」

るる「変なとこはこだわるんやな。あむ」

菫「食べるなー!」ガオー

ほっけ「やれやれ。お月見泥棒じゃな」

るる「あ?」

姫「昔は、子供達が飾られたお餅を、つまみ食いしていたらしいですよ。それが、お月見泥棒です」

ほっけ「まぁ、日本版ハロウィンかの」

るる「じゃ、ええやん」モムモム

菫「月を見なさーい!」ガオー

るる「うっとおしい!離れろ!」

菫「全く。あむ」

るる「食べとるやん」

菫「しまった…………ん。おいし」モムモム

るる「お茶用意するわ」ヨイショ

菫「ありがとう。あむ」モムモム

姫「今日は綺麗なお月様ですね」

ほっけ「きっと、うさぎさんが一生懸命磨いたんじゃな」

菫「時給何円かな」モムモム

るる「何くだらん話しよんねん」コトッ

菫「想像力を鍛える、良いトレーニングになると思わない?」ゴクゴク

るる「ない」

菫「はい、想像力を膨らませて」

るる「あむ」モムモム

ー妄想

うさぎ「おらぁ菫!月拭きはもっと、こう、ケツだしてやれゆうたやろ!」

菫「すみませんえん!」タタッ!

藁の家に帰宅。

菫「これで時給二百円だぴょん……!もう、やだぴょん!」

ほっけ「それは間違いなく、ブラック企業じゃな」

菫「やっぱり!?」

ほっけ「菫よ。この月、穴ぼこだらけじゃろ?」

菫「ぴょん」

ほっけ「あれは、ブラック企業による、餅つき大会の仕業じゃ」

菫「あぁ……!」

ほっけ「ほうじゃ。公に優良会社と見せるために、何度も餅つき大会を行った結果が、あれじゃ」

菫「ひどいぴょん……」ガックシ

ほっけ「お前さん。ボランティアという名目で、参加費を払わされ、休日を潰されておるじゃろ」

菫「大家さん。よくご存知ぴょんね……」グスッ

ほっけ「わしは、元……。元、ブラック企業の社長じゃからな」

菫「ぴょん!?」ピョコン

ほっけ「昔、(株)チモシーという所で社長をしておっての」

菫「チモシーと偽って、ススキを売っていた……あの……」

ほっけ「そう。月中で有名になった、詐欺会社じゃ」

菫「そんな……大家さんが……」

ほっけ「わしはな……あの事件で、ひとつ学んだ」

菫「何ぴょん?」

ほっけ「この月の様に美しく、大切なものじゃ」

菫「大切なもの」

ほっけ「うむ。じゃから、許しては貰えなくとも、罪を償う為に、ブラック企業潰しを始めたのじゃ」

菫「もしかして!大家さんがあの、ブラックラビットぴょん!?」

ほっけ「しっー!」

菫「…………」

ほっけ「この安アパートは、低所得者にしか入居できんようになっとるじゃろ?実はその理由、ブラック企業の情報集めの為なのじゃ」

菫「なるぴょん!」

ほっけ「そして、手に入れた情報を利用したり、弱みを掴み、あらゆる手段で潰す」

菫「かっこいいぴょん!」ワクワク

ほっこ「そんなお仕事を、是非、お前さんに手伝ってもら」

突然、窓ガラスを割り、人参がほっけさんの胸を貫いた。

???「さらば。ブラックラビット」ニヤリ

ほっけ「ぐはっ……!」パタリ

菫「ほっけさーーーん!!」

ー現実

菫「こうして私は、ほっけさんの仇を取る為に、ほっけさんの言った、大切なものを知る為に、ホワイトラビットを名乗り、ブラック企業潰しを始めたのだった」ポチポチ

るる「ふーん」

菫「いいアイディアじゃない!?さっそくこれで、物語書こうっと!」ポチポチ

るる「ま、ふぁ……頑張れ」ネムネム

菫「るるちゃんて、お風呂上がりにすぐ眠くなるよね」ポチポチ

るる「ん」ネムネム

菫「かわいっ」フフッ

るる「へー」スヤ

菫「こら!虫歯になるよ!」

るる「わってる」ヨイショ

菫「黒幕は、るるちゃんにしよ」メモメモ

ほっけ「わしにはもう、出番ないのか?」

菫「回想とか、色々と出番はあるよ」

姫「私は?」

菫「るるちゃんの手下幹部で、ほっけさんを撃った、ブラックラビットによって最初に潰されたブラック企業の社長であり、ほっけさんの一番のライバルだった人!」

姫「なるほど」

菫「燃えてきたー!!」ポチポチポチポチ!

ー数日後、お昼過ぎ

菫「アイディア尽きた」ゴロゴロ

るる「お先真っ暗、不安やわ」

菫「大丈夫。なんくるないさー」ゴロゴロ

るる「そんな適当じゃ、一生成功せんぞ」

ほっけ「お!たまには、まともな事を言うではないか!」

るる「口、生臭いから閉じてくれる?」

ほっけ「小娘ーーー!!」

るる「マナーモード」

菫「ねぇ。るるちゃんも、何かアイディア考えてよ」

るる「は?」

菫「ごめんなさい」

るる「別に怒ってないから。んー。そうやなー…………あ!今日観たアニメのあれ!定番やけど、実は罠でしたってやつで、ブラック企業は実はホワイト企業で、ホワイトラビットピーンチ!てのは?」

菫「……」スヤ

るる「寝るんかい」ペチ

77さん。ありがとうございます。
でも、スイカを書き忘れました…。

ー真心

るる「ほんま。優しい両親やな」

菫「えへへ」テレ

るる「毎月、こんなにお米とか食べもん送ってくれ……あれ?増えてない?」

菫「るるちゃんがいるから、増えたんだよ」

るる「あたしのこと話したんか!?」

菫「大丈夫。仲の良いお友達と同居することにしました!て、写真付きで送っただけだから」

るる「それで両親、納得したんか?」

菫「お母さんは『うふふ!良かったね!』て、言ってくれたけど、お父さんは……」

るる「心配して怒ってたやろ?そりゃそうやわ」

菫「萌え。だって」

るる「は?」ジトー

菫「パパ……アニメ好きだから」

るる「パパ言うてるぞ。てか、アニメ好きなんかい!」

菫「大好きだよ」

るる「その影響か」

菫「えへへ」テレ

るる「ごめん。こんな時、どんな顔したらええかわからへん」

菫「わろたらええよ。て、何でやねん!」ペチ!

るる「うざ」

菫「ノリツッコミだよ!?」ガガーン

るる「栗とか、色々贈ってくれてるやん」

菫「バリエーションも増えたね。……おや?これは?」ガサ

るる「おぉ!手紙付きか!良かったやん!」カタポン

菫「るるちゃん宛だよ」

るる「あたしかい!」ズコー

菫「うざ」ハイ

るる「読んでいいん?」

菫「もちろん」

初めまして。菫の母です。
るるさんの事は、娘より、よくお話を聞いています。
とても優しくて、面白い方だとお聞きしました。
そんなあなたに、突然失礼かと思いますが、私達からひとつ、お願いがあります。
菫は泣き虫なところがありますが、とても人思いな子なので、どうかこれからも、仲良くしてあげて下さい。
菫の大切なお友達。るるさんへ。

るる「うぅ……」ポロポロ

菫「え!?大丈夫!?何が書いてあったの!?」

るる「死にたい……」ポロポロ

菫「るるちゃん!?」オロオロ

るる「菫の両親に申し訳ないし、自分が情けなさすぎて死にたい……」ポロポロ

菫「なになに……」ペラ

るる「…………」ポロポロ

菫「何も泣くことないじゃない」ぎゅ

るる「あたしって最低や……」グスッ

菫「笑えばええと思うよ」なでなで

るる「あたしな。どういう人間か知ってる?」グスッ

菫「有名な、やんちゃ娘だよね」

るる「やっぱり、店長から聞いてたか」

菫「うん」フキフキ

るる「ありがとう。……ぐすっ。その通りでな、いっぱい警察のお世話になった」

菫「るるちゃん」

るる「昔は、影で」

菫「るるちゃん!!」

るる「!」ビクッ

菫「私を見て」

るる「……」

菫「るるちゃんが昔、どんな人だったか知らない。知らなきゃいけないかも知れない。でも、私はあえて聞かないよ」

るる「何で?」

菫「いい?今、るるちゃんには何が見えてる?」

るる「菫」

菫「うん、そうだよ。今のるるちゃんの前には、私がいる」

るる「うぅ……」ポロポロ

菫「泣かないで。前に言ったよね?」

るる「ずっと……友達」グスッ

菫「うん!」にこっ!

るる「菫……」ぎゅ

菫「本当に泣きたいのは、私の方だよ」

るる「何で?」

菫「私、いじめられっ子でね。ほとんど引きこもり人間だったの。それでね。いじめっ子が恐いから、学校を卒業してすぐに、勇気を出してここに引っ越してきたんだよ」

るる「アニメ好きやから、来たんちゃうかったん」

菫「それも、もちろんあるよ。でね。店長のおかげもあって、何とか少しずつ変わることができたんだけど、そんなある日、るるちゃんに出会った。るるちゃんは、正直言って、私の一番苦手なタイプの人でした。でもね、私に勇気をくれて、さらに一歩進ませてくれた人でもあります」

るる「そうなん?」

菫「うん!この人に負けるかー!絶対追い出してやるー!て、頑張ったんだよ」

るる「ふふっ!追い出せてないで!」

菫「それは、るるちゃんが実は優しい人で……好きになっちゃったから」テレ

るる「やっぱレズか……」ササ…

菫「そういう意味じゃなーい!!」

るる「にひひ!」クスクス

菫「いい?るるちゃんが泣いたら、私も悲しいんだからね」

るる「あたしも同じや。菫には、悲しい顔してほしくない」

菫「ほっけさん!結婚式の音楽流さないで!」

るる「はー……!何か、スッキリしたわ!」ノビー

菫「私も!」ノビー
るる「今日の夜ご飯何?」
菫「今日はねー……そうだ!」

ー夜ご飯

るる「赤飯ねぇ……」

菫「おめでたい日だから!」

るる「こーゆー時でも食うもんなん?」

ほっけ「子供は何人作るんじゃ?ん?」

るる「夏の間に、天日干ししたったら良かったわ」

菫「ひどすぎる!」ガガーン!

るる「ま、今日は許したろ。栗も入って豪華やしな」

菫「いただきます!」

るる「いただきます」

菫「そうそう!お酒も買ってきたよ!」

るる「チューハイでもキツいわ」

菫「まーまー。おめでたい日なんじゃし、一杯盃を交わそうぞ!」ウィンク

るる「わかった。一杯だけな」

菫「言葉のあやだよ!」

るる「はいはい」プシュ

菫「あ。何誓う?」

姫「やっぱり結婚がよろしいかと」

るる「ババア!うちの姫ちゃんを汚すな!」

ほっけさんは酔いつぶれている。

菫「あれ?」

るる「ロリババアなんやろ。体はロリや。よく呑ませられたな」

菫「購入許可が出てたから、大丈夫だと思ったんだけど……」

姫「これ、度数が相当高いです。私は飲めません」

菫「度数?」

るる「ほっけさん。なむあみだぶつ」

菫「死んでないよね!?大丈夫だよね!?」

ほっけ「ばぶぅ……」

るる「あかん。バグってるわ」なむー

菫「それやめて!」

姫「ほっけさんの事は、私に任せてください」

菫「ありがとう。お願いするね」

るる「で?誓いは?はよ飯食いたいんやけど」

菫「ずっと友達!」

るる「結局それかーい」

ちゃぽん!

ーで

菫「うぅ……うぉ……」ピクピク

るる「ぐぅ……おぇ……」ピクピク

ほっけ「…………」チーン

姫「どうしましょ」オロオロ

ー十月十日十時十分十秒

店長「お客様を早急に帰宅させ、迅速に店を閉めるぞ」

菫「台風ですか?」

店長「ああ。間もなく大阪に、とても小さいが、十の台風が襲撃してくる」

るる「はぇ!?十!?」

店長「外を見てみろ」

ハゲ「ちっ……!台風さんよ。ハゲを馬鹿にしてんのか?」

オダグ「守る!守ってみせるからね!ろりーたん!」

菫「まるで戦場ですね。傘を盾に突き進む姿は、鉄騎兵そのものです」

るる「今、人が飛んでませんでした!?」

店長「急ごう……」

ー閉店カラカラ。

菫「帰れない……」ズーン

るる「閉じ込められたな……」ズーン

店長「泊まりになるな……」ズーン

アルバイト「店長、マジロリコンっす」

店長「お前は帰れ」

菫「でも、平日で良かったですね」

店長「そうだな」

チクタクチクタク……。

るる「あ。充電切れた」

ドガシャア!!!

菫「え!?何々!?」ビクッ!

店長「店の入り口か!」タタッ!

ビュウオオオン!!!

店長「こ、これは……!!」

るる「うわ……やっば」

菫「何ですかこれ!!」ビックリ!

店長「恐らく、通天閣のてっぺんだ」

菫「ええ!?」

るる「ぱきっ!ぴゅーん!がーっていって!どーん!やな」

菫「訳がわからないよ……」

店長「とにかくこのままでは、店の被害が甚大なことになる」

るる「菫。写メ撮っとる場合ちゃ」

ズガシャア!!!

店長「これは……!!」

るる「ビリケンさーーーん!!」ガガーン

菫「確か、足の裏を触ったら、幸せになる神様?だよね」パシャリ

ドガショオン!!!

店長「時空が歪んでいるのか……!?」

るる「蟹道楽の蟹キターーー!!」ビックリ!

ーで

菫「カオス……」パシャリ

るる「色々飛んできて面白かったですけど、これ、どうしますか?」

店長「帰りたい……」シクシク

るる「店長、泣いてるんですか!?」

店長「なんやねんな。俺が何したゆーねん……」シクシク

菫「関西弁!?」

店長「当たり前だのクラッカーパーンや。こちとら生粋の大阪生まれで、阪神ファンやっちゅうねん」シクシク

るる「阪神の本拠地、兵庫の西宮ですよね」

店長「それ言うたらあかんやろ!!」ビシッ!

るる「すいません……」

菫「見て!いっぱい飛んできたおかげで、隙間がほとんど無くなったよ!」

店長「嬉しないわ!」ビシッ!

菫「店長、元気出して下さい。私、後片付けのお手伝いしますから」

店長「ありがとう、菫」なでなで

アルバイト4「店長」

アルバイト3「マジ」

アルバイト2「ロリコン」

アルバイト「っすか」

アルバイト5「パねえ!!うける!!」

店長「お前らは上に行け!!」

るる「もうこれ、業者に任せるしかないか……」

店長「通天閣ボンバーの時点で、俺らには何もできん」グスッ

るる「そう……ですよね……」

菫「私、今日、通天閣の上で寝ようかな」ピト

るる「何か飛んできて死ぬぞ」

ドスッ!!!

菫「うわっ!!」ビクッ

るる「な?」

菫「ワニが飛んできてたんだけど……」プルプル

るる「逃げろーーー!!」タタッ!

菫「置いてかないでーー!!」トテトテ!

ー夕方?

菫「ワニが増えてる……」チラ

るる「何でやねん……」チラ

店長「駄目だ。まだ電話は繋がらない」

るる「これ、宇宙人からの奇襲じゃないですか?」

店長「なるほどな……」

菫「やめてよ!」ガクブル

るる「あ!ワニが階段登ってきたぞ!」

菫「いやー!!」トテトテ!

店長「階段を封鎖や!」

るる「階段、封鎖できません!」

店長「ふざけとる場合やないぞ!事件は現場で起きとるんや!」

るる「もう、そこにいるんですよ!」

店長「棚でバリケードを作るんや!!」

ーで

菫「店長」

店長「なんや」

菫「これ、どうやって帰るんですか?」

店長「くっ……!」ガクッ

るる「最悪や……」

菫「ふぇぇ……」

ほっけ「駄目じゃ。何故か圏外になっとる」

るる「まるでホラー映画やな……」ゴクリ

菫「やめて!怒るよ!」

るる「後ろに宇宙人」

菫「きゃー!!」だきつき!

店長「うおっ!」ヨロ

るる「はっはっはっ!嘘や嘘!」

菫「もぅ!店長、すみません」

店長「くそっ!何で甲冑なんか着とるんや!」

菫「それはこっちが聞きたいです」

アルバイト達「店長、どんまい」

店長「おおきに」

ー夜

菫「るるちゃん……」ぎゅ

るる「んん……」ネムネム

菫「馬鹿……」ペチン

るる「痛っ!何々!?」ネムネム

菫「んー……」ぎゅう!

るる「うっとおしい……お前か」ネムー

菫「んふふ!」にこー

るる「幸せそうな寝顔」なでなで

菫「んふふ……」スヤスヤ

るる「おやむにゃ……」ぎゅ

ー翌日

自衛隊「ワニがいるぞーー!!」

店長「色々と大変だろうな……」

ーそして、なんとか帰宅

菫「ぎゃーーー!!」ビックリ!

るる「部屋が……」

菫「そんな……」ガクッ

るる「何でフィギュア棚だけ無傷やねん……」

菫「本当だ!良かったー!」

るる「片付けか……はぁ」

ーで

菫「窓全開だね」

るる「ラップでも貼るか」

菫「いいね」

るる「ビチョビチョの床とか布団はどうする?」

菫「拭いて、洗濯して、乾かすしかないね」

るる「どこで寝るん」

菫「うーん……」

るる「満喫行くか」

菫「ラブホテル?」

るる「何でやねん!漫画喫茶!」

菫「行く行く!」キラキラ

ー銭湯

るる「あー……いい湯」

菫「洗いっこしようね」

るる「やらんわ!」

菫「やだなーもう。頭と背中だけだよ」クネ

るる「わっとるわ。気色悪い」

菫「あ……」

るる「どないした」

菫「テレビも録画機器も壊れたよね?」

るる「痛すぎる出費や、くそ!パソコン貯金から下ろさなあかんな……」

菫「深夜アニメどうしよう……」

るる「そっちか!」

菫「訴えてやる!」

るる「台風、絶対に許さんからな!」

ー漫喫で満喫

菫「結構広いね」

るる「あたしらが小っこいからや」

菫「テレビもあるし、シャワーもあるし、ジュースも飲み放題。ここに引っ越す?」

るる「アホ言うな」

菫「漫画取ってくるね」

るる「待て」ガシ

菫「何?」

るる「変な人おるかもしれんし、一緒に行く」

菫「ありがとう」

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菫「お菓子も買って、プチパーティする?」

るる「お家がプチパーティ状態なんやぞ」

菫「そうでした……あ。明日、業者さんが綺麗にしてくれるから、帰れないよ」

るる「マジかー」

菫「明日も漫喫を満喫だね」

るる「せやな」

菫「ねぇ。何と何混ぜる?」

るる「やめとけ」

ー数時間後

菫「あ。深夜アニメの時間だ」

るる「…………」スヤ

菫「るるちゃん」ユサユサ

るる「んん……」ネムネム

菫「深夜アニメの時間だよ」

るる「寝るわ……」スヤ

菫「はーい」

ー翌昼

るる「寝過ぎた……金が」

菫「深夜が一番安いんでしょ?」

るる「ん」

菫「深夜まで、このファミレスでたむろするの?」

るる「今日は……いい機会や」

菫「?」チュー

るる「あたしの実家行こう」

菫「えーーー!?」

ー兵庫県某所

菫「るるちゃんは、この町で産まれたのかー」

るる「産まれは大阪や。最近、引っ越してん」

菫「ふーん……あれ何!?」

るる「確か競馬場」

菫「でっかー!!」キラキラ

るる「行くで」トテトテ

ーるるちゃんの実家

るる「ただいま……」

おかん「誰や……瑠衣!?ほんまに瑠衣か!」

るる「ん……」

おかん「心配し、うぉ!あんた、その子友達かいな!?」

るる「まぁ、そんな感じ」

菫「そんな感じ!?」

おかん「はじめまして。るるのお母さんです」

菫「はじめまして!歌宝菫と言います!瑠衣さんとは、いつも仲良くさせてもらっています!」ペコリ

おかん「いんやー!礼儀正しくて可愛い子やないの!」ぎゅ!

菫「えへへ」

おかん「ほら、何もないけど、とりあえず上がってゆっくりしぃ!」

菫「お邪魔します!」

ー夜

おとん「瑠衣か!?」

るる「ん」

おとん「お前どんだけ心配した思うてんねん!」

るる「ごめんなさい」

おとん「うぉ!その子友達か!?」

菫「はじめまして、お邪魔しています!私は、歌宝菫と言います!瑠衣さんとは、いつも仲良くさせてもらっています!」ペコリ

おとん「ごっつー礼儀正しいやん」

おかん「やろ?しかも可愛いねん!」フフフ

おとん「友達なんか?」

菫「はい!親友です!」

るる「え」

おとん「そっか……」グスッ

るる「止めておとん!恥ずかしい!」

おとん「てか、るる。まさかと思うけど、この子の家に押し入ったんちゃうやろな」

るる「え……いや……」ギクッ

菫「私が無理矢理誘ったんです!一人暮らしは寂しかったので!」

おとん「ほんまに?」

るる「…………」

菫「本当です!」

おとん「…………」

おかん「今日の夜ご飯は、急遽予定変更して、たこパや!」

菫「たこパ?」

るる「たこ焼きパーティ」

菫「やった!」キラキラ

おかん「瑠衣!手伝って!」

るる「はーい」ヨイショ

おとん「菫ちゃん、やっけ?」

菫「はい!」

おとん「瑠衣が、いっぱい迷惑かけたやろ」

菫「とんでもないです!そんなことありませんでしたよ!」

おとん「自分、瑠衣のこと、色々知っとるみたいやな」

菫「……」

おとん「すまん。とりあえず、瑠衣には帰るよう言うから」スタスタ

菫「え……」

ーたこパ

おかん「好きな具、入れーや。ま、そんな種類無いけど」

菫「はい!」

おとん「遠慮せんと、いっぱい食べや!」

菫「ご馳走になります!」

るる「…………」

菫「るるちゃん!回し方教えて」

るる「ん?ああ、ええよ」

菫「どうしたの?」

るる「何が?」

菫「ごめん。何でもない」

るる「そ……。お、これそろそろやな」クルン

菫「すごーい!!」キラキラ

るる「やってみ」

菫「こう……うわ!」

るる「大丈夫、まだいける」

菫「できた!」

おかん「綺麗やで!」

菫「ありがとうございます!」

おとん「こっち側、焼けてるな。はい」

菫「ありがとうございます!」

おとん「食べ」

菫「ありがとうございます!いただきます!あむ、あつつつ!」

るる「はっはっはっ!あほやろ!」ケラケラ

菫「んくんく……ぷはー!たこ焼き怖い……」

るる「子供やなー」

菫「むっ!ふー!ふー!あむ!あつつつ!!」

るる「はっはっはっ!自分、たこ焼き食うたことないんか!中、熱々に決まってるやろ!」ケラケラ

おかん「大丈夫?気いつけや。火傷するで」

菫「はい……」

るる「ふーふー。はい」

菫「あむ。はふっはふふ……ん!?んーーー!!」

るる「美味しいやろ?」

菫「うん!」にこっ!

ーお風呂

菫「こうして、一緒にお風呂に入ったの。よく考えたら、昨日と今日だけだね」

るる「当たり前やろ」

菫「これからたっくさん……一緒に、色んな所の温泉に入りたいな」

るる「へー」

菫「これからも……」

るる「菫。おとんに、あたし強制帰宅や言われたやろ」

菫「どうしてわかったの!?」

るる「昔から、じゃじゃ馬やんちゃ娘やからな」

菫「私が、何とかお願いするよ!」

るる「いや。帰るわ」

菫「え?」

るる「それが一番ええ。いや、正しい答えや」

菫「そんなことないよ!」

るる「もう子供やない。子供としてのワガママは通らん」

菫「るるちゃんの、馬鹿!!」

るる「あ?」

菫「理屈とか屁理屈とかどーでもいい!そんなの、道頓堀に捨ててしまえ!」

るる「何言うとんねん。落ち着け」

菫「一緒にいたい!それでいいじゃない!」

るる「大人達はそれを、子供のワガママって言うねん。あたしらも、もう大人や。だから」

菫「だからそんなの!道頓堀に投げ込んでしまえ!」

るる「えー……」

菫「嫌なの?るるちゃんは」

るる「一緒にいたいよ、そりゃ……」

菫「でしょ!?よーし!私、直談判する!!」ザパッ!

るる「は!?」

菫「負けられない戦いが、今ここにある!」

るる「変なスイッチ入ってもうた……」

菫「戦わなければ、生き残れない!!」ゴゴゴ…!

ーで

菫「あの……」

おとん「どした?」

菫「あ、いえ……その、ビールをおつぎします」にこっ

おとん「ええよええよ。気ぃ使わんで」

るる「菫。こい」チョイチョイ

菫「……」ススス

るる「あたしがお願いする」

菫「え……?」

るる「これは、あたし自身が乗り越えなあかん問題や。自分で作った問題やからな」

菫「るるちゃん……!」

るる「ちょっと待ってて」ススス

菫「頑張って……!」

るる「お父さん」

おとん「何や改まって」

るる「話がある」

おとん「…………」

るる「このまま。菫と同居させて下さい」

お父さん「駄目だ。この子だけでなく、向こうの親御さんに」

菫「私の両親からは、許可をもらっています!」

おとん「それでも、あかんもんはあかん」

るる「…………」

おとん「昔のこと、とかやく言いたくはないけどやな。自分が昔、人に何してきたか覚えてるやろ?」

るる「うん……」

菫「大丈夫です!るるちゃんは優しい人です!」

るる「菫、ちょっと黙っとき。これは、あたしの問題や言うたやろ」

菫「ごめん……」

るる「……忘れるつもりはない。けどやな、今のあたしは昔と違う。だから、ここに戻ってきたんや!」

おとん「瑠衣」

るる「急に家を飛びしたのは謝ります。本当にごめんなさい!」

おとん「それはもうええ」

るる「お願いします!あたし、今、めっちゃ楽しいねん!幸せやねん!」グスッ

おとん「……」

瑠衣「だから!だから……!お願いやから……!」ポロポロ

おとん「…………」

おかん「おとん」

おとん「はぁ……」

るる「…………」ポロポロ

おとん「子供のワガママちゃうな?」

るる「うん!」グスッ

おとん「わかった……」なでなで

るる「おとん……」

おとん「菫ちゃんの両親と、ちゃんと話してから決める」

るる「ありがとう……!」

ーるるの部屋

菫「よかったー!これからは安心して、同居生活できるね」ゴロゴロゴロゴロ

るる「まるで、ドラマの恋人みたいやな」

菫「キス……する?」ピト

るる「ボコるで」

菫「ひどい!」ガガーン!

ほっけ「ひぅーひぅー」

姫「ぱふぱふー」

るる「こらババア。姫ちゃんに悪ノリ教えんなや」

ほっけ「わしらはな。今、すごく嬉しいんじゃよ!」

姫「二人が、こんなに仲良しになってくれたのが、自分のことのように嬉しいんです!」

るる「そらどーも」テレ

菫「照れちゃって、可愛いー」ぎゅ

るる「だから引っ付くなて!」

おかん「うるさいで!」

菫「怒られちゃった……」シュン

るる「誰のせいや」ジトー

菫「ところでさ。るるちゃんの本名、グミって言うんだね」

るる「あたし果汁100%ちゃうから。瑠衣、逢花瑠衣や」

菫「可愛い……」ドキッ

るる「やっぱ自分、そっち側やろ」

菫「それは無いってば!」ペチン

るる「好きな人のタイプは?」

菫「まず、ロリババアで、幼児体型で、白髪!」

るる「三振。バッターアウト」

菫「私……レズだったの!?」ガーン!

るる「てなわけで、半径二メートル近づくな」

菫「がーん!」ガガーン!

るる「ふふふ!」クスクス

菫「にひひ!」クスクス

ー翌日

菫「一日お世話になりました!」ペコリ

おかん「いつでも遊びに来いや!」

菫「ありがとうございます!」

おかん「じゃ。気い付けてな」

菫「失礼します!」ペコリ

おかん「瑠衣!」チョイチョイ

るる「何?」

おかん「おとんが、これで何か、美味しいもんでも食べやって」ヒソ

るる「ふふ!ありがとう言うといて!」

おかん「うん!それと、瑠衣」

るる「何?」

おかん「いつでも帰ってきいや!」

るる「うん!ありがとう!」

菫「ふふっ」

るる「今日の夜ご飯は、焼肉でも行こか」トテトテ!

菫「ええ!?ついに銀行強盗する気!?」

るる「どういう意味や!」

菫「きゃー!」トテトテ!

るる「待……」

菫「ふにゅ!」ズテッ!

おかん「心配やわぁ……」ボソッ

ー十一月

菫「るるちゃんの荷物、届いたよ」ンショ

るる「手伝うわ」

ーおーぷん

るる「服と……松茸!?」

菫「何と!」

るる「何を送ってきよんねん」

菫「お礼の電話しないとね」

ーぴんぽーん

るる「次はなんや」

菫「お母さんから……ほっけさんだ!」キラキラ

るる「生臭っ……」チラ

ほっけ「わしを見るな!」

菫「今日はご馳走だね!」

るる「せやな」

菫「食欲の秋って、素晴らしい!」

るる「松茸は、松茸ご飯にしよ」

菫「いいね!」キラキラ

るる「やろ?」

ーぴんぽーん

るる「次々来るな」

菫「これは……!」

るる「どないしたん?」

菫「竹の子当たった!」

るる「いつどこで応募してん」

ーぴんぽーん

るる「イライラしてきた」

菫「これは何かなー♪」

るる「あ、それ」

菫「おいもさん!」

るる「あたしが応募したやつやわ」

菫「いつの間に……!」

るる「奇跡も魔法もあるんやな」

ーぴんぽーん

るる「次は何や!」イライラ

菫「わーい!アサリだー!」

るる「地味!!」

ー夜ご飯

るる「松茸と筍の炊き込みご飯、焼きほっけに、アサリの味噌汁」

菫「そしてデザートに、スウィートポテイトちゃん!」

るる「あたしら恵まれ過ぎやろ」

菫「贅沢だねー!」ウキウキ

ほっけ「伊勢海老定食じゃと!?」

姫「奮発しましたね」

菫「えへへ!やっちゃった!」テヘペロ

るる「やっちゃったて何!?」

ーいただきます!

るる「う……うますぎ……!」プルプル

菫「うまかよ……」プルプル

るる「菫、ほんま料理上手いな」

菫「え!?私!?」

るる「菫の料理、美味しいわ」

菫「るるちゃんも、手伝ってくれたじゃない」

るる「ちょっとだけや」

菫「私の手作り料理、そんなに……美味しい?」ウワメヅカイ

るる「やめろ。気色悪い」

ー食後

るる「次の休み、無料の動物園行くか」

菫「無料の動物園!?」

るる「今の季節は、紅葉も綺麗やで」

菫「どんぐりある?」

るる「子供か」ジトー

ほっけ「こほん。知っておるか?紅葉と言う植物は無くての。紅葉というのは」

るる「マナーモード」

姫「簡単に説明しますと、葉っぱが秋色に色付いたものを、紅葉と言うんですよ」

菫「へー」

るる「動物園の帰りは、ラーメン記念館に行こうな」

菫「ラーメン記念館!?」

姫「インスタントラーメン記念館は、大阪府池田市に」

るる「マナーモード」

菫「どうしてマナーモードにするの?!」プンプン

るる「ウザイから」

菫「勉強になるよ!」

るる「じゃあ、覚悟せえよ」

ー二時間後

ほっけ「元々はな」ペラペラ

菫「マナーモード」

ー五月山動物園

菫「うわぁ……!」

るる「タダやで!」エヘン

菫「ちっさい!」

るる「それはしゃあない……」

菫「アライグマさんが、お出迎えだ!こんにちは!」

アライグマ「こんにちは!」

るる「一人でなんしとんねん」

菫「えへへ。さ!次々!」タタッ

るる「段々寒なってきたな……」トテトテ

菫「ウォンバットさんだって!」

るる「この五月山公園は、何でかウォンバットさん好きでな、あそこの店にグッズが」

菫「あれは!」タタッ

るる「ったく……」トテトテ

菫「おやつ百円か。ちぇ」

るる「今、ちぇ、言うたな。小さい声で、ちぇ、言うたな」

菫「ワラビーさんにあげよ!」

るる「モナカはやるなよ。この、粒々をあげるんや」

ワラビー「おおきに」

るる「それ楽しいん?」

菫「うん。あ!食べてくれた!やった!」パチパチ

るる「良かったな」

菫「次行こう!」

るる「はやっ!」

菫「お!ここ入れるぞ!」

るる「エミューやて」

菫「いたっ!」

るる「気い付けや」

菫「指たべられた……」ウルウル

るる「あほやなー」ホノボノ

菫「ん!?あれ、触れあいコーナー!?」タタッ

るる「落ち着きなさすぎやろ!」タタッ!

ーふれあいコーナー

菫「待てー」

鶏「ヤバイ!食われてまう!」

るる「やめて恥ずかしいから」ナデナデ

菫「捕まえた」

るる「めっちゃ嫌がっとるやん」ナデナデ

菫「いひひ!」

るる「な?」

うさぎ「それな」

菫「るるちゃんもやってるじゃん!」

るる「にひひ!」ナデナデ

菫「あ!うさぎさんが鶏に踏まれた!」

るる「全く動じひんとは、こいつやるな」

菫「きっと、ここの組長だね」

るる「何でそれを例えにチョイスした」

ー五月山公園

菫「どっちがたくさん、どんぐり拾えるか勝負しよう!」

るる「いや」

菫「何で?!」プンプン

るる「どんぐりから、虫出てきたら嫌やもん」

菫「大丈夫だよ!」

るる「ふーん。肩に毛虫ついてるぞ」ジトー

菫「いやーーー!!とってーーー!!」タタタ!

るる「やめろ!来んな!」タタタ!

ーそれから、少し上に登って

るる「しんど……」

菫「おぉー!微妙な景色!」

るる「正直な意見やめろ!」

菫「写真写真!」パシャリ

ほっけ「今日だけで百枚目じゃぞ」

菫「思い出思い出!ね?るるちゃん!」

るる「そうやな」フフッ

菫「るるちゃん、撮ってあげる!ここに立って!」

るる「はいはい」

菫「姫ちゃん、もう少し寄って」

姫「はい」フフッ

菫「たこやー?」

るる、姫「きー!」

菫「素敵な写真!次は、皆で撮ろう!」

るる「菫とほっけさんで、撮った後な」

菫「じゃあ、お願いするね!」

るる「おう」

菫「いひひ!」

るる「たこや?」

菫、ほっけ「きー!」

るる「ええの撮れたで」

菫「じゃあ、最後は皆で!」ぎゅ

るる「もー、引っ付くなて」

菫「んふふ!」ぎゅ!

ほっけ「たこや?」

みんな「きー!!」

ぱしゃり!

ーインスタントラーメン記念館

菫「お!ひよこさんのお出迎え!」

るる「インスタントラーメン記念館やからな」

菫「このグッズ欲しいなー」

るる「そうか?」

ーインスタント麺販売機

るる「まずは昼飯にしよ」

菫「関東限定だって!」

るる「自分、関東出身やろ」

菫「じゃあ、関西限定を買うべき?」

るる「うーん……ややこしいな。ま、好きなん食うたらええやん」

菫「じゃ、これ!」ピッ

るる「どこにでも売ってるやつ!?」

菫「もう買っちゃったよ」

るる「あたし関東、菫関西で、食べ比べたら良かったな」

菫「もう遅いよ!」ガーン!

るる「今買ったやつは、家で食べたらいいやん」

菫「その手があったか!」キラキラ

ー食べ比べ

るる「関西も関東も、どっちも美味しい!」

菫「やな」

るる「けど、どちらかと言えば、関西かな」

るる「あたしも」ズルル…

菫「うまうま~」ズルル…

るる「そう言えば、関西関東言うたらさ。自分、最初大阪来たとき、大変やったやろ」

菫「エスカレーター左右逆事件?」

るる「事件?」

菫「『どけ!邪魔や!!』て、怒鳴られて、トイレで泣きました」ズルル…

るる「関西人代表して謝るわ。ごめん」

ー見学

菫「ラーメンの歴史に比べたら、私たちの人生なんて、まるで、ラーメンのネギだね」

るる「どこをどう突っ込んだらええかわからんわ」

菫「屋台だ!」タタッ!

るる「楽しそうで何より」

ーさて、この建物のメインと言えば

るる「自分の好きなラーメン作れるんやで」

菫「本当!?」

るる「まずは、この自販機で容器買って、好きにラクガキする」

菫「はーい!」

ーラクガキ

菫「日付は大事だよね。鶏さんも描こうっと」カキカキ

るる「あたし何描こっかな」カキカキ

菫「それ、私?」

るる「ん」

菫「そ」

るる「下手で悪かったな!」

菫「見て!この鶏さん!」

るる「何で擬人化した!」

菫「なんとなくかな」エヘヘ

ーで

るる「お姉さんに渡して、味、具を幾つか選ぶ」

菫「きゃ!ハートのかまぼこなんてあるんだ!これは絶対に入れなきゃね!」ウキウキ

ーいよいよ完成

菫「面白ーい!こうやってカップラーメンは作られるんだね!」キラキラ

るる「出来上がったら、最後に、この袋もらっておしまい」

菫「ありがとうございます!んふふ!」

るる「ええか?これに空気入れたらな、首にかけて持ち帰ったり、壁にかけて飾ったりできるんや」

菫「ふー!」

るる「膨らまさんでいい。電車ん中、ずっと首に下げる気か」

菫「うん!」にこっ!

るる「やめて!!」

ー新装開店?

店長「本日より、完全営業再開だ。気合いを入れて、職務に励むように!」

ーはい!!

るる「その商品でしたら、こちらになりま、こらお前!」

ザ・オタク「どうしました?」メガネクイッ

るる「今痴漢したやろ!!」

ザ・オタク「は?」メガネクイックイッ

店長「大変申し訳ございません、お客様」

るる「店長!」

店長「裏で待ってろ」

るる「はい……」ムスッ

ーで

るる「……」ムスッ

店長「最近、そういうお客様が増えたのは事実だ」

るる「黙ってろ、言うんですか!」

店長「そうは言ってない。ただ、感情的になるな。不利になってしまう」

るる「……」

店長「いいか?これからは、上手いこと俺の元へ連れてこい。俺はいつだって、お前の味方だ」カタポン

るる「ありがとうございます……」

店長「じゃあ、戻って、礼儀正しく、作業を続けてくれ」

るる「はい。すみませんでした」トテトテ

アルバイト「店長ー。またっすよ」スタスタ

店長「るるに対する電話か」

アルバイト「あいつは犯罪者。不快。クビにするべき。ですって」ヤレヤレ

店長「そうか……。ま、俺は誰が相手だろうと、必ずるるを護ってみせる」

アルバイト「店長、漢っすね」

店長「そんなことはない。俺はるるを護る為に、皆に迷惑をかけている……」

アルバイト「俺達の事は気にしないで下さい。共に働く仲間、それはすなわち、マブダチっすから!」ウィンク

店長「お前は、相変わらずチャラいな」

アルバイト「っす!」

店長「ありがとう」

ーレジ

るる「菫……交代」

菫「どうしたの?」

るる「ううん、何でもない。レジ、代わらせて頂きます!」

菫「失礼します……」トテトテ

オータンク「ろりっこ堕天使様!僕ちゃんは、いつまでもあなたのシモベですから!元気だして下さい!!」ブヒブヒ

るる「ありがとうございません!」にこっ!

オータンク「ツンツンきたぁん……」ピクンピクン

ー帰宅

菫「るるちゃん」

るる「何?」

菫「悩み事があったら、遠慮せずに言ってね」

るる「ありがとう。でも、別になんもないよ。今日は、自分の性格に、ちょっとウンザリしただけ」

菫「なら、いいんだけど……」

るる「菫は?何か悩みある?」

菫「絵師を目指すか、物書きを目指すか。はたまた、声優さんか……何になりたいかな?て」

るる「夢多き少女やな」

菫「るるちゃんの夢は?」

るる「あたしの夢?昔はお姫様やったけど、今は特にない」

菫「ふふっ」

るる「何がおもろかったんかな?」ホッペツネー

菫「ごふぇんなひゃーい」

るる「全部なったらいいんちゃう」

菫「え?」

るる「物書きで、キャラデザ自分。で、いつか有名なって、声優さんになっちゃえ」

菫「なるほど!」

るる「ま、こんな甘い考え。本気の人に怒られるけどな」

菫「じゃあ、まずは一つ叶える!」

るる「お、何?」

菫「物書き!小説、ラノベ、歌詞なんかも書いちゃったりして!」

るる「ええやん、手伝うよ」

菫「ありがとう!前は応援する、だったのに、手伝うになったね!」

るる「そうなん?」

菫「もう!自分の言ったこと、忘れたの?」

るる「めんごめんご」

菫「軽っ!」

るる「にひひ!」

菫「それで、実はね。今、あのSS、中々の人気なんだよ!ほら」スッ

るる「すごいやん!」

菫「でしょ!?」フフン

るる「これからも応援するで!」

菫「応援に戻ってるよ!」

るる「やっぱめんどいから」

菫「はい!菫ちゃんおこ!」

るる「夜ご飯は?」

菫「激おこ!」

るる「明日、ポケモエウエハース奢るわ」

菫「許してあげましょう」

ー翌日

るる「店長、ちょっとご相談が」

店長「どうした?」

るる「あたしの事で、店長や皆さんに、御迷惑をおかけしてませんか?」

店長「ん?そんなことはないぞ」

るる「昨日、あたし聞いてたんですよ」

店長「…………」

るる「はっきり言って下さい。何なら、今ここで、責任もって辞めさせて貰います」

店長「瑠衣。昨日、話を聞いていたのならわかるだろう」

るる「?」

店長「俺はいつだって、頑張っている奴の味方だ」なでなで

るる「……」

店長「別に、人を殺したわけじゃないしな」

るる「店長は、人を殺した事があるんですか?」

店長「俺の言い方が悪かった。すまない」

るる「じゃあ、素顔の傷、一体何ですか?」

店長「これか?」ヨイショ

るる「顔恐っ……!」

店長「少し傷付いたぞ……」

るる「すみません……」

店長「これはな。巨人ファン達と、乱闘騒ぎになった時のものだ」

るる「え……」

店長「あの日、仲裁しようとしたんだが、溢れたビールで足を滑らせてな」

るる「店長、もう一つ相談が」

店長「何だ?」

ー閉店

菫「店長、っくちゅん!」

店長「また風邪か?」

菫「いえ、大丈夫です。それよりも、相談があります!」

店長「どうした?」

菫「るるちゃんが、そろそろ闇堕ちしそうで……」

店長「その事なら、心配しなくていい」

アルバイト「お前という、太陽が側で輝いてるんだ。彼女の心は、もう朝を迎えているよ」コソッ

菫「店長、風邪ですか?」

店長「どういう意味だ!今のは俺じゃない!」

菫「それと、もう一つ相談があるんですが」

店長「何だ?」

ー帰宅

るる「パねえ!マジパねえ!」

菫「急にどうしたの!?」ビクッ

るる「財布、店で落としたみたいや。取ってくる!」タタッ

菫「私も行く!」タタッ

るる「ええから、先帰っとき!ちゃんとウエハース買って帰るから!」トントン

菫「私も行くよ!」トントン

るる「帰れ!」トントン

菫「何で!?」ガガーン!

るる「じゃな」タタッ!

菫「待って!」タタッ!

るる「ついて来んなってーーー!」タタタ!

菫「待ってーーー!」タタタ!

るる「うおおお!!」タタタ!!

菫「はやっ!」ビクッ!

ー十二月

菫「わくわくするー!光の祭典、ルミナリエ!」トキトキ

るる「人ヤバイから、手え繋ぐで」スッ

菫「え……」ポッ

るる「帰るで」

菫「ごめんちゃい」

るる「恋人繋ぎするな!」

菫「嫌なの?」

るる「当たり前や!」

菫「もぅ、照れ屋さんなんだから」

るる「いい?あたしらは、女と女や。あり得へんから」

菫「友達同士でも、仲の良い人はするよ?」

るる「嘘つけ」

菫「本当だよ」

るる「ほんまに?」ジトー

菫「うん!」

るる「……ちっ、しゃーないな」ぎゅ

菫(多分……)

るる「恥ずかし……」

菫「あ!あれかー!!」タタッ!

るる「ちょ!こけるこける!!」タタッ

菫「綺麗……!」

るる「寒……」

菫「素敵……!」ぎゅ

るる「引っ付くな」

菫「寒いんでしょ?」

るる「だからて、引っ付くな」

菫「もぅ、照れ屋さんなんだから」

るる「自分は恥を覚えろ」

菫「見て!あれ!」

るる「見た」

菫「あ!あれも見て!」

るる「めっちゃ見てる」

菫「おー!ほら!るるちゃん!」ぎゅ

るる「ガン見してる」

菫「きゃー!!みてみてみて!!」ぎゅ!

るる「はいはい、見てるっての」フフッ

菫「んふふ!」ルンルン

ー飲食店

菫「綺麗だったね!」

るる「ん」

菫「来年も来ようね!」

るる「自分、そればっかやな」

菫「るるちゃん、嫌なの?」

るる「それはない。けどやな」

菫「?」

るる「来年、来年て。再来年は?」

菫「行く!」

るる「ふふっ、行くの決定かい」

菫「もちろん!」

るる「つまり、そゆことや」

菫「どゆことや!」

るる「また行こうね。でええやん」

菫「るるちゃん……!」

るる「あむ……」モムモム

菫「結構細かいね」

るる「っ!……!!」

菫「大丈夫?」

るる「こほっ、けほっ……ほっとけ!」

ー翌日

菫「お土産買ってきました!皆さん、良かったら休憩時間に、召し上がってください!」

店長「ありがとう。神戸プリンか」

アルバイト「店長、甘党っすか?」モムモム

店長「甘いのは好……なぜ今食べる!!」

アルバイト「っす」

るる「店長」コショコショ

店長「後で見せてもらっていいか?」ヒソ

るる「はい!」ニコニコ

菫「るるちゃん……?」

最近、るるちゃんと休憩時間が被らないようになった。
また、るるちゃんと店長が、ヒソヒソ、ニコニコしている所をよく目撃するようになった。

菫「わぁお……これは、まさか!」

るる「どした?」

菫「頑張ってね!」

るる「え?何を?」

菫「応援してるよ」カタポン

るる「は?」

菫「きゃー!」トテトテ

るる「?」

ーX'masのXは、略すという意味である

菫「メリークリスマスだぴょん!」ぴょいん!

otak「んぶひぃん!」ビクン!

菫「メリークリスマスだぴょん!」ぴょんぴょん!

kato「んぴょん!んぴょー!!」メガネククク…!

るる「店長!」トテトテ!

店長「どうした?」

るる「どうですか?」

店長「良いじゃないか。可愛いぞ!」

るる「にひひ!」テレテレ

アルバイト「店長、ロリコンっすか?」

店長「いつか24時間働かせてやるから、覚悟しておけ」

菫「やっぱり……そういうことなのね!」

店長「菫、寒いだろ。もう中に入っていいぞ」スタスタ

菫「店長は、好きなんですか?」

店長「なんの話だ?」

菫「るるちゃんです」

店長「ああ。もちろんだ」

菫「やん……!」ビックリ

店長「誤解するな」

菫「やーん!」トテトテ!

店長「待て!菫!」

ーで

菫「店長に好意はないと、そういう事でいいんですね?」

店長「もちろんだ」

菫「るるちゃん、傷つきますよ」

店長「お前は、何を誤解しているんだ?」

菫「何でもありません!」プイ!

店長「?」

菫「では、失礼します!」トテトテ!

店長「あ……。そういうことか」

ー帰宅後

るる「どないした。今日はお菓パやるんやろ?」

菫「うん」

るる「昨日のチキンパーティみたいにならんといいけど……」

菫「ねぇ。るるちゃん」

るる「ん?」

菫「真剣な質問だから、真面目に答えてね」

るる「なんや改まって」

菫「店長の事、好き?」

てってってーん、てってってーん!

るる「なんで火スペのメインテーマ流すねん。あたし、この後殺されんの?」

ほっけ「答え次第じゃ」

るる「人としては好き」

菫「恋愛感情はないの?」

るる「当たり前やろ」

菫「ファイナルアンサー?」

るる「ファイナルアンサー」

てれてーん……でけでけでけでけ…………でんっ!!

ほっけ「正解じゃ!」

るる「何がやねん!!」

菫「るるちゃん、店長ラブで、店長に弄ばれてると思ったから。色んな意味で」

るる「色んな意味て。あるかいそんなもん!ぜっーたい!ないわ!」

ほっけ「菫と店長、どっちが好きじゃ」

るる「菫」

菫「今夜は……聖夜」ヌギ…

るる「脱いだらしばくで」

菫「ふー……とりあえず、良かったー」

ほっけ「これで一安心じゃな」

るる「何でそんなこと思ったん?」

菫「あたしに内緒で、店長とコソコソしてたから。しかも、一ヶ月もだよ」

てってってーん、てってってーん!

るる「不倫ちゃうから。……ま、理由は後で分かるわ。楽しみにしとき」

菫「どういうこと?」

るる「内緒」ウィンク

菫「…………」ジトー

るる「ほら、お菓パスタートや!」

ーケーキってね。美味しい。

ほっけ「真っ赤なおっ鼻のー♪」

菫「ほっけーさーんはー♪」

るる「税込三十二円」

ほっけ「小娘ー!!」

るる「余興とかいらんから、はよ食べよ」

菫「余興は大事だよ!」

姫「ジングルベールジングルベール♪」

ほっけ「すっずがー鳴るー♪」

菫「今日はー!たのっしいー?」

るる「クリスマス」

菫、ほっけ、姫「へいっ!」

るる「うざ……」イライラ

ほっけ「もっと楽しまんか小娘!」

るる「ほーん」

ほっけ「何じゃその返事は!」

るる「もうええ。とっておき見せたるわ……」ガサゴソ

菫「あ!させない!」ガサゴソ

るる、菫「はい、クリスマスプレゼント!」スッ

ほっけ「ほぅ……」ニヤニヤ

るる「それが、店長とコソコソしてた理由や。開けてみ」

菫「手袋!しかも……手編み!?」

るる「手袋持ってるんはわかってたけど、それしか思い付かんかったから」

菫「ありがとう!そっか、るるちゃんも、店長と相談してたんだね」

るる「てことは、菫も?」ガサゴソ

姫「可愛い!」

るる「マフラー……!」

菫「ごめんなさい。私に手編みは無理でした……」ズーン

るる「気にせんでええよ。菫の気持ち、すごく温かい。ありがとう」ぎゅう

菫「私もあったかいよ」ぎゅ

るる「……それと、これ、手紙」スッ

菫「え?手紙?」

るる「え?店長に手紙書いたらって……え?」

菫「ふーん……」ニヤニヤ

るる「店長、やりおったな!やっぱ返せ!」

菫「だめっ!」サッ

るる「恥ずかしい!返せ!」

菫「一生懸命書いてくれたんでしょ?」

るる「そりゃ……まぁ」

菫「誰にも言わないから。るるちゃんの一生懸命な気持ち」

るる「ほんまやな?約束しろよ」

~~♪~~♪

菫「……」ペラリ

~~♪~~♪

菫「…………」グスッ

~~♪~~♪

菫「ありがとう……」ポロポロ

るる「恥ずかしい恥ずかしい……!」コロコロコロ…!

菫「宝物にするからね!」グスッ

るる「やめて……闇に葬って」

菫「嫌です!」にこっ!

るる「黒歴史や……」

ーダイブして、お休み

姫「菫さんがお風呂に入ってる時も、コツコツと編んでいたんですよ」

菫「そうだったんだ!」

るる「はよ寝ろ」

ほっけ「よい子よい子じゃ」なでなで

るる「どーも」

菫「……もうすぐ、今年も終わりだね」

るる「やね」

菫「大晦日は、年越しロリババア!!」

るる「は?」

菫「チケットが取れたの!あの、伝説のロリババアアニメを、大画面で一挙放映!そして、豪華声優陣との年越しカウントダウンだよ!」

るる「あたしも連れて行く気?」

菫「うん」

るる「勝手に巻き込むな!!」

菫「ごめんごめん」

るる「そもそも。実家帰らんでええんか」

菫「大丈夫!今年は、るるちゃんと過ごしなさいって!」

ほっけ「ほれ、さっき写真付きで送られてきたぞ」

るる「写真?て、うちの両親おるやんけ!いつの間に仲良くなった!!」

菫「今日は、東京でクリスマスパーティしたらしいよ。ずるいよねー」

るる「あかん……もうしんどい。寝る」

菫「おやすみ」ほっぺにちゅ

るる「え」

菫「んふふ!」サッ

るる「え」

ふぇぇ…

ー大晦日

菫「では、今日これからの予定を発表しますね」

るる「ん」

菫「まず初めに、ATCホールで、年越しロリババアをします」

るる「へー」

菫「その後、五月山にて初日の出を見ます」

るる「ほーん」

菫「そして最後に、京都の八坂神社で、初詣をします」

るる「まさにデスマーチ……行きたないわー……」

菫「準備はいい?」

るる「良くない」

菫「トイレ?」

るる「ちゃうわ!」

菫「きっと楽しいよ!」

るる「楽しいとしんどいは別や」

菫「お祭りで、好きなの奢ってあげる」ヒソ

るる「行くか……」スクッ

菫「るるちゃん。食べ物に弱いね」

るる「ほっとけハゲ」

菫「ハゲてへんわ!」ペチ!

ーATCホール

るる「オタク大名行列」

菫「原画の展示とか、限定グッズがあるからね」

るる「餌に釣られるホッケ達」

菫「ほっけさんを悪い例に使わないで!」ペチ!

ー入場

るる「あー長かったー……」

菫「もう売り切れてるグッズがある!!」ガガーン!

るる「徹夜組とかの仕業やろ。てか、あたしらが来るん遅かったんや」

菫「るるちゃんが朝から並びたくない!昼からも並びたくない!て言ったんじゃない!」

るる「あたしのせいか!こっちは好き勝手巻き込まれて、いい迷惑やわ!」

菫「そ、それは……私が悪いけど……」

るる「こうして、一緒に来ただけ感謝してほしいわ」

菫「帰りたかったら、帰れば?」

るる「あ?チケットの金もったいなんやん」

菫「お金は別にいいから。帰りたかったら帰っていいよ」

るる「そ。じゃ、帰るわ」トテトテ

菫「…………」

ー展示コーナー

菫「ちょっと買いすぎたかな?」

ほっけ「菫」

菫「これ、写真撮影おっけーだって!ほっけさん!」

ほっけ「うむ」パシャリ

菫「これは、お宝ゲットだね」

ほっけ「菫」

菫「何?」

ほっけ「小娘も、悪気があったわけじゃないと思うぞ。きっと、長い待ち時間にイライラしてしまったんじゃ」

菫「だったら何?」

ほっけ「電話、せんか?」

菫「しません」

ほっけ「後悔するやも知れんぞ」

菫「別にいい」

ほっけ「菫……」

菫「るるちゃんの言う通り、私が無理矢理連れてきたんだから……怒って当然だよ」

ほっけ「…………」

菫「だから、後悔とかはしない。これは、仕方ないこと」

ほっけ「初日の出、初詣は無理矢理ではないじゃろ。菫とるるが、二人で一緒に決めたことじゃ」

菫「…………」グスッ

やだ、あの子泣いてる……。
ずっとアバターと話してたし、ヤバイやつじゃね?
ひそひそ……。

菫「うぅ……」ポロポロ

ほっけ「すまん、菫。泣かないでおくれ」

来い。

菫「え……?」タタッ

ーお手洗い

るる「人前で泣くな。ええ笑いもんやぞ」フキフキ

菫「うぅ……」ポロポロ

るる「泣くな。全部あたしが悪かった。ごめんなさい」フキフキ

菫「帰ったんじゃ……なかったの?」グスッ

るる「帰れるか……」

菫「……」グスッ

るる「お腹空いたし、ちょっと何か食べよ。あたしが奢るから」

菫「うん」

ー飲食店

るる「あと、一時間くらいあるな」

菫「うん。いただきます」

るる「……あたしが、戻ろうと思ったんわな」

菫「うん」モムモム

るる「外出て寒っ!てなった時に、思い出したからや」スッ

菫「私がプレゼントしたマフラー」

るる「うん」

菫「ふふっ」

るる「本間ごめんな。つまらんことで怒って。……朝から並んだら良かったな」

菫「もういいよ。こっちこそ、ごめんなさい」

るる「ん」

菫「ご飯、冷めちゃうよ」

るる「いただきます」

菫「……私は別に、グッズ目当てで来た訳じゃないから」

るる「?」モムモム

菫「ただ、るるちゃんと一緒に、楽しみたかっただけなの。私の……ワガママだけど」

るる「そういうワガママは大歓迎やで」

菫「ほんと?」

るる「ん」モムモム

菫「んふふ!」

るる「にひひ!」

菫「楽しみだね、アニメ一挙放映」

るる「それ、寝るわ」

菫「ひどいっ!」ガガーン!

るる「ふふっ」クスクス

ーそして

声優「みんなーーー!!こーーーんにーーーち?」

みんな、菫「わっしょーーーい!!」

るる「宗教みたい……」ボソッ

菫「何てこと言うの!」ヒソ

ー前6話、放映

るる「…………」

菫「……」チラッ

るる「寝てない」ヒソ

菫「ふふっ」

ー年越しロリババア

声優「みなのもの!もう間も無くじゃぞ!」

菫「わくわく!」トキトキ

るる「…………」ウトウト

じゅー!きゅー!…………さーん!にー!いーち!

声優「あけまして!おめでとうなのじゃーーー!!」

みなのもの、菫「おめでとうなのじゃーーー!!」わー!

るる「!!」ビクッ!

菫「ちょっと。寝てたでしょ」ジトー

るる「いや。んなことな……ふぁ」ネムネム

菫「ほらー!やっぱり寝てた!」

るる「もしかしたらな」

菫「もぅ……。年越えたよ」

るる「そ。あけおめ」ウスッ

菫「ちゃんと!」

るる「あけましておめでとう」

菫「あけましておめでとう!いひひ!」

声優「みなのもの!お友達と、新年の挨拶は済ませたかの?」

大きなお友達、菫「はーーーい!!」

声優「あ!お一人様の方に言っておくが、お前さんには、わしという永遠の友がおるからの!」

菫「いいなー」

声優「では!二十分後に、後半を上映するので、今のうちにお手洗いへゴーじゃ!」

大きなお友達、菫「はーーーい!!」

菫「トイレ、行ってくるね」

るる「…………」スヤスヤ

菫「お金とか取られるよ」ユサユサ

るる「ぎゅう、てしてるから……」スヤスヤ

菫「可愛いけど、不安……」

ー後半上映

菫「何も取られてない?」

るる「おう」

菫「眠たかったら、寝ていいからね?」

るる「もう大丈夫、目、覚めたよ」

菫「無理しないでね」

るる「はいはい」

声優「さぁ!お待たせしました!いよいよ後半の、上ー映ーじゃーーー!!」

菫「うきうき!」トキトキ

るる「…………」ウトウト

菫「もう寝てる」

るる「寝てない」シャキッ!

ー上映後

菫「……」チラッ

るる「伝説のロリババアアニメとやら、中々おもろかったで」

菫「白目向いてるけど、大丈夫!?」ビクッ!

るる「平気平気」パンパンッ

菫「恐かった……」

声優「みなのもの!アニメは面白かったか?!」

みな「んいぇーーー!!」わー!
るる「いぇーーー!!」

菫「るるちゃん!?」

るる「ノリは大事やろ?」

菫「いぇーーー!!」

声優「?」

菫「あ……」カッー

るる「恥ずかし……」カッー

ー素敵なプレゼントビンゴ大会

菫「はいはいはーーーい!!」

るる「え!?マジで!?」

声優「おや、さっきのイェーイちゃんではないか!おめでとうなのじゃ!!」ぱちぱち!

わーー!!ぱちぱちぱちぱち……!!

菫「えへへ」テレ

るる「え、じゃあ、あれ」

声優「いやしかし、めんこい娘じゃのう」ぎゅ

菫「やん……」テレテレ

みな「あふぅん……」ウットリ

声優「ではこの、限定ロリババアノパソーを受けとるが良い!」ガサッ

菫「ありがとうございます!!」ペコリ

声優「中に、サイン色紙も入っておるからの」ヒソ

菫「ふぇぇ……」ウルウル

声優「皆のもの!盛大な拍手を!!」

ぱちぱちぱちぱち……!!

ー帰宅、玄関

るる「パソコン当たったんは、ラッキーやったけど」トスッ

菫「まずいね……」

るる「これ、初日の出間に合うん?」

菫「走るよ!」

るる「マジで!?」ガチャリ

菫「駅まで、よーい!どん!」タタッ!

るる「ふぇー……」タタッ

ー五月山

るる「し……死ぬ……」ハァハァ

菫「間に合……」ハァハァ

るる「み、水……」

菫「買って……ないよ……」

るる「うぉ……」グッタリ

菫「大丈夫?」

るる「お!見てみ!」

菫「わぁ……!」

るる「綺麗ー!」

菫「写真しゃ」ピタッ

るる「どした?」

菫「ほっけさん、死んでる……」

るる「ただの充電切れやないか」

ほっけ「生きとるよー」ヒョコ

姫「写真撮影なら、私に任せて下さい」

菫「お願いします!」

ーで

姫、ほっけ「たこや?」

菫、るる「きー!!」

ぱしゃり!

るる「で?この後、マジで京都行くん?」

菫「色々、観光しようね」

るる「それはまた今度な」

菫「えー……」ぷくー

るる「何でそんな元気やねん……」

ー京都、八坂神社

菫「ラブ&ピース。世界も心もひとつ」オネガイー

るる「何言うとんねん」

菫「るるちゃん、何お願いしたの?」

るる「ん?内緒」

菫「教えてよー」

るる「ふふっ。人待ってるから、ほら、行くで」ウィンク

ーそれから

るる「大吉!」ニヤニヤ

菫「大凶!」にこにこ

るる「どんまい」

菫「大凶!」にこにこ

るる「わかったから、あそこ結んでき」

菫「大凶!」にこにこ

るる「あたしに結ぶな!!」

ー屋台

るる「眠い……」フラ

菫「大丈夫?」

るる「イカ焼き!!」タタッ

菫「えー」

ー美味しくお食べ

るる「うまー!」モムモム

菫「美味しいね!」モムモム

チャラ「や!君達、迷子?歳いくつ?」

ガングロ「おい。お前、小学生ナンパする気か」

るる「小学生ちゃうわ!」

チャラ「へー」ニヤニヤ

るる「あ?」

ガングロ「ちょっと、向こう行こか」

菫「え……と」

るる「でっかい声だす……んん!」

菫「るるちゃ……んー!」

チャラ「このまま抱き抱えて、車に行くぞ!」

ガングロ「おう!」

アルバイト「君達」カタポン

チャラ「あ?」

アルバイト「僕の天使達に、軽々しく触れないでもらえるかな?」フッ

チャラ「なんやお前!」

アルバイト「誰かー!!助けて下さーーーい!!」

チャラ「ちっ!」タタッ!

ガングロ「覚えてろ!」タタッ!

菫「アルバイトさん!」

アルバイト「っす」チッス

るる「ありがとうございました」ペコリ

アルバイト「っす」スタスタ

菫「あれが、本当のイケメンだね!」

るる「あだ名が気になるんやけど」

菫「アルバイトさんは、アルバイトさんだよ」

るる「ふーーーん」

ー本日、二度目の帰宅

るる「寝る」パタリ

菫「あ!お母さんからメール来てる!」

るる「姫ちゃん、きたら適当に返してな」ネムネム

姫「駄目ですよ。自分でちゃんと返さないと」

るる「ん……あたしもきてるやん」

姫「ちゃんと返して下さい」

るる「後で……」ネムネム

姫「こら!駄目ですよ!」

るる「わったわった……ふぁ」ポチポチ

姫「では、送信します」

るる「ん……ん?」

菫「…………」スヤスヤ

るる「近い近い、近鉄か……」ズズ…

ほっけ「ボケが壊滅的じゃぞ」

るる「ほっとけ」

菫「んゆ……」ぎゅ

るる「引っ付くな、子供か」

菫「んふふ……」スヤスヤ

るる「もう知らん」

菫「…………」スヤスヤ

るる「…………」スヤスヤ

ほっけ「二人が今年も、元気でありますように」オネガイー

姫「願い事は、口にしては叶わないと言いますよ」

ほっけ「ここは神社ではない。気にするな」

姫「そうですね。では、私も」オネガイー

ほっけ「何をお願いしたんじゃ?」

姫「ふふっ。内緒です」ウィンク

ー出勤日

店長「そんなことがあったのか」

るる「あの人って、どんな人ですか?」

店長「あいつは、五年前からアルバイトをしているんだが、昇級を決して受け付けない、俺にもよく分からんやつだ」

菫「不思議だねー」

るる「逆に何か怖いわ。どうして、昇級を受け付けないんですか?」

店長「些細な幸せが、俺の人生なんすよ。だと」

菫「素敵な人ですね」

るる「どこが?てか、菫。もしかして、あの人に惚れた?」

菫「それはないよ!」フフッ

るる「何かごめん。アルバイトさん……」

店長「そうだ。二人にお年玉をやろう」スッ

菫「ありがたいですけど、受け取れません。ごめんなさい」

店長「お金じゃない。温泉の入浴券だ」

るる「どうしたんですか?これ」

店長「福引きで当たったんだ」

るる「店長」

店長「奥さんも彼女もいない」

菫「で、でも!私達、お休みたくさん頂いたんで、さすがに……ね?」

るる「そ、そうやんな。それに、友達とか……」

店長「黙って、受け取ってくれ」

菫「ありがとうございます……」

るる「何か、すいませんでした……」

店長「さ、今日も頑張ってこい」

菫、るる「はい……」トテトテ

アルバイト「店長、覗きっすか?」

店長「梱包してやろうか」

アルバイト「ま、ドンマイっす。今日、飲みどっすか?」

店長「いいな……」

アルバイト「パッーと、盛り上がりやしょう」

店長「ありがとう」

アルバイト「みんなマブダチ、ソウルメイトっす」ウィンク

店長「やっぱり帰るわ」

アルバイト「店長、そりゃないっすよ、行きやしょっす」ユサユサ

店長「チャラい!!」

ーてなわけで、箕面にある、とある温泉

菫「温泉、キターーー!!」

るる「やめて。恥ずかしい」

菫「大丈夫、誰もいないよ!」

るる「あそこ。猿がめっちゃ見てる」

菫「本物!?すごーい!!」トテトテ!

るる「近づくな!殺られるぞ!!」

ひゅっべちゃ。

菫「うぇ……」

るる「近づくな。絶対こっち来るな」ススス

ーロビー

受付「きゃーーー!!お客様、大丈夫ですか!?」

菫「う、うぇぇ……」シクシク

るる「すみません、本当にすみません」ペコペコ

ー温泉

菫「先に頭洗うね」

るる「ん。二度と帰ってくるな」

菫「アイルビーバック」スタスタ

るる「黙れウンコちゃん」

菫「女の子がウンコなんて言っちゃ駄目!」

るる「うんちっち」

菫「もう許さない!匂い擦り付けてやる!」スタスタ

るる「ごめんごめん!ほんま近づかんで!!」

ーで、結局。

菫「くんかくんかして」

るる「くんくん……」オソルオソル

菫「どう?」

るる「ややうんちっち」

菫「四回もシャンプーしたんだよ!嘘でしょ!?」

るる「自業自得や。頑張れ」

菫「私のキューティクルがー……」シクシク

るる「やれやれ」ペチャ

菫「るるちゃん?」

るる「あたしが綺麗にしたろ」ワシャワシャ

菫「ありがとう」

るる「痒いところないですか?」ワシャワシャ

菫「ないでーす!」アシパタパタ

るる「うんちっちですか?」ワシャワシャ

菫「もぅ!ひつこい!」

るる「にひひ!」クスクス

菫「るるちゃん、上手だね」

るる「そう?」ワシャワシャ

菫「うん。だから……体も……お願いしていい?」クネ

るる「ええよ」サワサワ

菫「んっ!んやぁん!」クネクネ

るる「うんちっち泡ブラジャー」クスクス

菫「ひつこーーーい!!」プンプン

ー一方

ほっけ「いい湯じゃのー」

姫「あははん」

ほっけ「のう。いい湯じゃと思わんか?」

姫「あははん」

ほっけ「姫様?」

姫「やだっ。つい、歌ってしまいました」

ほっけ「姫様よ……カラオケ勝負といくか?」キリッ

姫「いいでしょう」キリッ

ほっけ「では、まずはわしから」

姫「これは……LBB48(ロリババア48)の恋する盃一杯!!」

ほっけ「ゆくぞ!」スチャ!

ー温泉

菫「痒いとこありまへんか?」にこにこ

るる「痛い痛い!もう許して!」

菫「お背中、つるぺたにしましょーね!」にこにこ

るる「ええ加減せえよコラ!」

菫「るるちゃんが、うんちネタ引っ張るからでしょ!」

るる「あ?水風呂に沈めるぞ」

菫「サウナに閉じ込めるよ!」

ー一方

ほっけ「どうじゃ……!」ハァハァ…

姫「まるで、人魚による聖歌の様でした!」ぱちぱち!

ほっけ「じゃろ?」フフン

姫「では、次は私が」スッ

ほっけ「これは……!きょにゅーもみもみの、パッションマンゴー!!」

姫「私の歌声は、天をも泣かせますよ」ニヤリ

ー露天風呂

菫「うぃー……」

るる「落ち着くー……」

菫「いい天気だねー」

るる「うん。今日も世界は平和やなー」

菫「ねー」

二人「うふふふ」

ー一方

ほっけ「くっ!引き分けかっ!」

姫「それでは、これで決着をつけましょう」ヨイショ

ほっけ「人間ボーリングじゃと!?なんとはしたない……!」

姫「さ、石鹸を塗り塗りして、ステージを作りますよ」ウキウキ

ほっけ「おもしろい」ザバッ

ー露天風呂

るる「あつっ……」ザバッ

菫「早くない?」

るる「これ以上は死ぬわ」

菫「肩までちゃんとつかって、百数えたら上がっていいよ」

るる「鬼かっ!」

ー一方

姫「やー!」ツルーン

スコーン!

ほっけ「ストライク!て、簡単過ぎぬか?」

姫「勝負なんてやめて、楽しみましょう!」ヨイショ

ほっけ「そうじゃな……うむ」フフッ

姫「さ!レリゴー!」

ほっけ「やー!」ツルーン

スコーン!

ー露天風呂

菫「るるちゃーん」テヲフリフリ

るる「いつまでそこおんねん。あたし、先上がるで」

菫「助けてー」

るる「のぼせたんか!あほやろ!」トテトテ

菫「えへへ」

るる「うおっ!」ツルットテ

菫「わお。大胆だねー」

るる「うっさい!ケツめっちゃ痛いんやぞ!」

ーお昼は

菫「バイキングバイキング♪」ルンルン

るる「なぁ」

菫「食べ放題よ!うふふ!」

るる「こら」

菫「あ!これも美味しそうだよ!」

るる「あたしに好きに取らせろ!勝手に盛るな!」

菫「いひひ!ごめんなさーい!」ルンルン

るる「完全に舞い上がってるな」

ーいただきます!

菫「お肉とお寿司、どちらから頂こうかしら」キラキラ

るる「肉うま」モムモム

菫「じゃあ、あたしはケーキ!」

るる「何でやねん!」

菫「あむ!……んー!」ウットリ

るる「めちゃくちゃやな。ま、ええけどや」

菫「次は、お寿司ちゃん!あむ、んふふ!」モムモム

るる「ふふっ」パシャリ

菫「次は、お肉!あむ!んやぁ……!」トローン

るる「美味しそうに食べるなー」パシャリ

菫「るるちゃんは、ローストビーフとステーキと、サーモンでいっぱいだね」

るる「好きやからな!あむ」

姫「太りますよ?」

るる「電源オフ」

ほっけ「何とひどいやつじゃ」

姫「これ、さっきの写真です」ヒョコ

るる「こら。勝手に持ち出すな」

ほっけ「こちらまで、つい笑顔になってしまう一枚じゃな」

菫「次はヨーグルト!」

るる「よう、そんなめちゃくちゃな食い方できるわ」

菫「美味しいよー!」ヤンヤン

るる「ふふっ」モムモム

菫「るるちゃんも、一口どーぞ」

るる「えーよ。後で取りに行くから」

菫「はい」アーン

るる「ったく……あむ」

菫「美味しい?」

るる「うん!」

菫「じゃあ、それ一口ちょうだい!」

るる「なんや、そう言うことか。食べたかったら、素直にちょうだい言うたらええのに。はい」
菫「ありがとう!」フフッ
るる「どーいたしまして」フフッ

ー二月になりました

るる「なぁ、豆と巻き寿司買うんちゃうかったん」

菫「予約の受け取り!」

るる「あー、だいぶ前に予約した」

菫「ロリババアアニメのBD-BOX!!」

るる「大晦日に一気見したやん。何周するつもりやねん」

菫「あのね?ロリババアって、すごく貴重な存在なんだよ。それがなんと、主役を果たしたアニメですよ!買うなら?」

るる「今でしょ!て、何言わすねん!」ペチ!

菫「着いた着いた!」トテトテ

るる「あたし適当にブラブ……聞いてないな」トテトテ

菫「すみません!予約の受け取りなんですけど!」ワフワフ

店員「少々お待ちください!」

るる「特典なんか気にせんと、アニメイトで買えば良かったのに、敵陣で購入するとは……」トテトテ

店員「すみません!こちらの手違いで、予約の受付がされていませんでした!」

菫「ガーーーン!!」ガクッ

るる「このアニメ懐かし……」

店員「どうしましょう……」オロオロ

菫「はうぅ……」ウルウル

るる「しかし、えらい長いな。何しとんねん」トテトテ

店員「少々お待ちください」

菫「…………」チーン

るる「まだ?」

菫「菫ちゃんはただの屍のようだ」

るる「何かあったん?」

店員「本社に在庫があり、何とか取り寄せられることになりました!」

菫「特典は!?」

店員「もちろん、お付けさせて頂きます!」

菫「そうですか……。それならば、今日のところは許してあげましょう」

店員「大変申し訳ございませんでした!!」ペコリ!

菫「到着次第、ここに書かれた番号に連絡するように。いいね?」トントン

店員「承知しました!!」

菫「では、また会おう」スタスタ

店員「ありあっしたっ!!」

菫「うむ」スタスタ

るる「腹減ったなぁ……」トテトテ

ースーパー

るる「んなことあったん」

菫「心臓止まりかけたよ、もー」

るる「ふーん。今日の夜ご飯何?」

菫「巻き寿司と、唐揚げ?」

るる「お惣菜?」

菫「一緒に?」

るる「作る?」

菫「了解。巻き寿司、何にする?」

るる「あー……シソ入ってないやつで」

菫「見た目じゃ分かりにくいなー」

るる「あれ、絶対嫌がらせやわ」

菫「SISO/LOVERZに怒られるよ」

るる「誰やねん。あ、これは?」

菫「レタスかな?シソかな?」

るる「シソで」

菫「ファイナルフュージョン?」

るる「承認、せんわ。シソは外」

菫「レタスは内」

るる「ほっけは外」

ほっけ「ほむむめー!」

菫「るるちゃんが外」

るる「そうやんな。あたし、強盗未遂やもんな。明日出ていくわ」

菫「行かせない!」ぎゅ

るる「自分で言うたんやないかーい。と、豆どこにあるやろ」

菫「いっそ、自分で作るポップコーン買ってさ、コーン投げて、回収して、ポップコーン作っちゃお」

るる「ええな」

菫「お菓子売り場に、おっと、右手が勝手に」

るる「ウエハースは、あたしのと合わせて四つまでな」

菫「箱買いは?」

るる「節約意識持ちんしゃい」

菫「ケチんぼ」ボソッ

るる「よっしゃわかった!割り勘したろやないか!ほれ、箱買いや!!」

菫「わーい!」ぱちぱち!

ー帰宅

菫「できた!」

るる「うま」モムモム

菫「つまみ食いしないの!」モムモム

るる「あ」

菫「どうしたの?」

るる「恵方巻き買ってないやん」

菫「ほんまや」

るる「ま、えっか」

菫「ほな、はよ食べよ」

るる「うざい」

ー食後

るる「しゃ!こい!」

ほっけ「あまり、ドタバタするでないぞ」

菫「はーい!」

るる「鬼は外!!」ポヒュ!

菫「いたっ!」コン

るる「おらぁ!くたばれぇ!!」ポヒュ!

姫「声が大きいですよ」

るる「はーい」ポイ

菫「ふふ、それは残像じゃ」ポイ

るる「なんやて……!?」コン

菫「鬼は外、福は内。さすれば、我は……?そう。我はココに在り!!」ドーン!

るる「なにいうとんねん」ポイポイポーイ

菫「地味に痛い!」コンコンコン

るる「飽きた」

菫「早いわ!」ヒュ!

るる「いたっ!」コン!

ー投げた豆……モロコシはもちろん

菫「お、恐ろしい……」

るる「パーン!て、弾け飛んできそうやな」

菫「きっと中で、ロリババアと永遠のロリの抗争が行われているんだわ……」

るる「明日、一緒に病院行こか」カタポン

ーバレンタインキッス、あなたと

菫「あなたとちゅっちゅなバレンタイン♪」

るる「……」

菫「あなたとにゃんにゃん!バレンタイン♪」

るる「…………」

菫「今日はちょっぴり……?大人のバレンタイーン♪」

るる「何その歌」

菫「今作ったの」

るる「どんびきやわ」

菫「えー何で?」

るる「おっさんか」

菫「作詞って難しいなー」

るる「そういう問題やない」ナイナイ

菫「じゃあ、対抗してみてよ!」

るる「嫌。恥ずかしい」

菫「お願い!これも、創作活動に……大切な事なのー♪」

るる「カラオケ行く?」

菫「明日の帰りね」

るる「わかった」

菫「て!話そらさないで!」

るる「しゃあないな……」ヤレヤレ

菫「……」ゴクリ

るる「あんたとちゅっちゅなバレンタイン♪」

菫「はい、パクリ!」

るる「さすがに急には思い付かんわ。来世で発表する」

菫「来世で!?」

姫「お時間ですよ」

菫「はーい!」ヨイショ

るる「ふぁ……」ネムネム

菫「おぉー!」

るる「どない?」

菫「パーペキ!」コトッ

るる「おぉ!素晴らしい出来やん!」

ほっけ「次は、梱包作業じゃな」

るる「うま」モムモム

菫「またつまみ食いする!」

ほっけ「やれやれ」

姫「明日のバレンタインが、楽しみですね」ジュルリ

ほっけ「姫様。ヨダレヨダレ」

ー翌日

菫「良かったら、皆さんで召し上がって下さい!!」

店長「ありがとう」

るる「お返しとか、結構ですので」

アルバイト「店長、パねえっす!」モムモム

店長「はぁー……よし、皆。今食べていいぞ」

っしゃあらーーー!!

菫「アルバイトさん、これは、あの時の御礼です」ヒソ

アルバイト「っすっす」ペコペコ

店長「菫、るる」チョチョイ

るる「はい?」

店長「今日は、レジ担当から外れろ」

菫「はい」

店長「本当は、休みにしたかったんだが……」

菫「大丈夫ですよ」

店長「すまない。はや上がりにはするから」

菫「ありがとうございます。しかしそもそも、原因は私達にありますので、こちらこそ申し訳ないです」

るる「ストップ。何の話ですか?」

店長「バレンタインラグナロクだ」

るる「は?」

菫「去年、私がこのお店に入って、初のバレンタイン。キモオタさん達による、チョコの爆撃。気持ちは凄く嬉しいんだけど……」

店長「とんでもなく、業務に支障をきたす」

るる「へー」ジトー

菫「今年は、るるちゃんが増えたから、きっと……」

店長「くっ……!」ガクッ!

菫「店長ーー!」

るる「…………」ジトー

店長「勝負は午後一時までとする」フラ

菫「承知しました!なるべく、裏作業に徹します!」

店長「そうしてくれ……ん、チョコうまいぞ」

るる「ありがとうございます」ジトー

ー前日、とあるメイド喫茶

第二回、バレンタインラグナロク国際会議。(という名のオフ会)

日本代表。兼、変態先進国リーダー。
御宅「さて皆さん。何か発言はありますかな?」ブヒブヒ

韓国代表。
オ・タク「はい。明日、彼女達が休暇である可能性は、否定できない」キリリ

中国代表。
アル・オタク「そうなれば、全て水の泡だぞ。どうする?」タメイキ

アメリカ代表。
オタケル「なぁに。店長はきっと、こう考えてるに違いないさ」ムシャムシャ

ロシア代表。
ゴスタク「二人を休暇にすれば、オタク達は、激おこスティックファイナリティぷんぷんドリーム。だろうってね」イウィンク

イギリス代表。
ロリコン・シンシ「つまり、休暇である可能性は低いと。そういうことですね?」フムゥ

マサイ族代表。
オタンボス「そうか……!店長もきっと、それを読んでいるぞ!」ウンバボ

タイ代表
オタファン「早上がり、つまり午前中。いえ、遅くても、御昼には撤退させる気ね!」ドンッ!

ブラジル代表
オタッカー「落ち着けオタファン。そうなれば話は早い。午前中に攻め落としてやればいいだけだ。そうだろ?」ダロ?

ザワザワ……!!

御宅「これで……意見は一応、まとまったみたいですな。……では、明日の午前十一時より、総攻撃を開始します。皆さん。それで異論はありませんな?」カタカタッターン!

ぱちぱちぱちぱち……!!

御宅「愛に国境はない。それは、趣味に対する愛も同じ。その誓いを、ゆめ忘れぬよう」

皆さん「モエ&ピース!!」

御宅「ありがとう……皆!」グスッ

その後皆さんは、カラオケで盛り上がり、早々に帰宅しました。

そして……。

ーこちらアニメイト、オタロード店。どうぞ?

リア充「今年も来たぞーー!!」

リア子「皆さん!避難してください!!」

店長「まさか……総攻撃を仕掛ける気か!」

アルバイト「これでは、二人に裏で作業をさせる事によって、チョコっとトラブルを減らすという手段は、完全に使えませんね」

店長「仕方ない!店内放送用意!」

社員「店内放送、いつでもいけます!」

御宅「皆、まずは社会人としての常識を胸に抱き、店員さん、そしてお客様に迷惑をかけぬよう、迅速にエンジェルを探しだすのだ!」

オタク達「おおおおお!!」

もえもえにゃんにゃ~ん♪

御宅「しっ!店内放送だ!」

社員「ただいまより、店外に、特設スペースを設けさて頂きたく思います。チョコを御持参の方は、そこに設置された段ボール箱に、チョコを入れ、速やかにお帰り頂きたく、お願い申し上げます。なお、多くのお客様に御理解頂けるよう、ご協力願います」

もえもえにゃんにゃ~ん♪

タンクトップ「んだとこら!ふざけやがって!」

コスプレ「エンジェルには会わせない気ね!」

御宅「待て!」

ザッ……。

サングラス「降臨なすった……」ポロポロ

るる「のけ」

オタク達「ははっ!」ザッ!

菫「面を上げて下さい。私達の関係に、上も下もありませんから」ニコッ

オタク達「ありがたき御心!!」

店長「スタンバイフォーメイション!エム・オー・イー!!」

アルバイト「っす」タタッ

御宅(我々の奇襲に対する、臨機応変で迅速な対応……。ふっ。あの店長…………できる!!)カッ!

店長「護衛は、俺が引き受ける!皆は、通常業務に戻ってくれ!!」

皆「アニメイトッ!!」ケイレイ!

店長「えー……皆さん!突然ですが、天使、堕天使。共に、神聖な存在であることは、ご存知ですね」

ヒョロリ「だからなんだ!」

リュック「はやくしろ!」

そーだそーだー!!

店長「こっほん!!……直接的であろうが関節的であろうが、決して、彼女達に触れぬようにそして!!チョコを投下後、速やかにお帰り願います。いいですか?このルールは、皆さんに、これからも守って頂くことになるルールです!もし、このルールを一人でも破れば即座にこのイベントを廃止し!!これから先、チョコを渡す者には入店を禁じさせてもらいますもちろん!!最悪の場合、警察を呼ばせてもらいます」

着ぐるみ「っざけんじゃないわよ!握手会よりひどいじゃない!!」

やいのやいの!!

御宅「きけーーーい!!」

しーん……。

御宅「店長のルールは、正しい!彼女達はそもそも、いち店員であり一般人。我々は、この様なイベントを設けて頂くことを、まず、感謝するべきではないか?」

ざわわ……ざわわ……。

御宅「店長、昨年よりご迷惑をおかけして、本当にすみませんでした。オタク達を代表し、謝罪します」ペコリ

店長「……」

御宅「そして、我々の熱意に、愛をもって応えて頂き、ありがとうございます!!」ペコリ!

オタク達「ありがとうございます!!」ペコリ!

店長「皆さんの気持ち、確かにこの胸に届きました。……私が定めたこのルール、皆様にとっては、大変心苦しいことでしょう。しかし、これも皆様の為を思ってのこと。改めまして、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます!そしてなにとぞ、これからも当店の事を、ご贔屓願います!」ペコリ!

オタク達「お世話になります!!」ペコリ!

ぱちぱちぱち……!!

菫「いい話だなー」グスッ

るる「帰りたい……」

訂正。

贔屓ではなくー。

今後とも、御愛顧のほど、よろしくお願いします!

ー三月

菫「鹿の上って、乗っていいのかな?」

るる「せんと君に、ドロップキックかまされんぞ」

菫「残念」シュン

るる「来たぞ!」

鹿さん「ふんふん」ノシノシ

菫「恐い恐い……!」サッ

るる「あたしの後ろにぎゃーーー!!」

菫「ごめんなさーーーい!!」トテトテ!

るる「覚えてろぐあああ!!」

鹿さん「ふんふん」ノシノシ

ーで

ほっけ「奈良公園の鹿さんは、容赦ないからの」

姫「相手が子供であろうと老人であろうと、オヤツをくれると認識すれば、容赦なく食ってかかります」

るる「ほんま死ぬか思ったわ……」

菫「ごめんね?」

るる「鹿に馬乗りされるところやったんやぞ!」

菫「ケモケモ……!」ゴクリ

るる「鹿と一発やってくるか?」ズズ…

菫「いやー!!」イヤンイヤン

ーリベンジ

菫「あの小さいのを狙おう。おいでおいでー……」

鹿ちゃん「ふんふん」トトト

るる「菫、後ろ」

菫「いやーーー!!」

鹿さん「ふんふん」ノシノシ

るる「バックから襲いかかるとは、さすが日本の鹿やな」

菫「助けやぁーーー!!」

鹿さん「ふんふん」ノシノシ

るる「いい動画撮れた」

姫「るるちゃん後ろ!」

るる「おっと」ヒョイ

鹿さん「ふんふん」ノシノシ

菫「増えたー!!」ガガーン!

るる「逃げろー!菫ー!」

菫「追いかけてくるーーー!!いやーーー!!」タタタ!

るる「はっはっはっはっ!」ケラケラ

ー東大寺

菫「東大寺、大きいね」

るる「せやな」

ー中

菫「大仏様、大きいね」

るる「せやな」

ほっけ「ここにある、大仏殿の柱の穴はの。大仏様の鼻の穴と、同じ大きさなんじゃよ」

るる「へぇ。菫、くぐってみ」

菫「行ってきます」

姫「頭をぶつけないように、気をつけて下さいね」

菫「あいたっ!」コン

るる「アホなんか、ドジなんか」

菫「余裕でした」ヨイショ

るる「やーい、大仏の鼻くそー」

菫「大仏様の前で何てこと言うの!天罰が下るよ!」

るる「ないない」

ーうどん屋さん

菫「おそろの鹿さんストラップ、何だかウキウキするね」シャリン

るる「女同士気色悪いわ」シャラン

ちゃぽ。

るる「うどんに落ちた!くそっ!」

菫「天罰だ!」

るる「ん?これ蕎麦やん!」

菫「それも天罰だよ」クスクス

るる「値段一緒やし、まぁええわ……んん?」

菫「また天罰?」

るる「これラーメンやないかい!!」

菫「本当だ!オツユの色で、わからなかったね」

るる「そういう問題か!」

菫「天罰だー」ケラケラ

るる「いただきます」

菫「食べるの!?」

姫「負けず嫌いなんです」

るる「これ、まんま醤油ラーメンやないか!うまいなちきしょう!」ズルル!

菫「一口ちょうだい!!」ガタッ

ー人生

ほっけ「小娘。菫の新しいアイディアなんじゃが、ちと見てくれるか?」

るる「いや」

ほっけ「くぬー……!」

るる「冗談やて。そんなんですぐ怒ってたら、煮物なるで」

人生。
とある世界に、とても心の優しい、一人の男がいた。
その男には、目に見えるものも、見えないものも何もない。
しかしこれは、事実ではなく、男の妄想。というより、幼稚なふて腐れである。
物語は、そんな男のもとに、一人のロリババアが訪れるところから始まる。。
ある日、男が目を覚ましたら、ロリババアが隣で寝ていたのだ。
そして、なんやかんやあって、彼女の話は本題に入る。
人生、いらなければ売ってやろう。と。
男は考えもなしに、一言で返す。
それから、男の人生は、人生のなくなる人達に売られた。
例えば、今日交通事故で亡くなる人は、一日延命というように。
男はそれを、素晴らしい善意だと、心から喜んでいた。
もちろん。死ぬことに恐れを感じてはいたが、それよりも、自分が人の役に立てている事が、とても嬉しかった。
さて。そんなある日、男の心を揺さぶる、大きな事件が起こる。
なんと、宝くじで三等を当てるという人生を、他人に売ってしまったのだ。
金は対価として頂いているので、構わない。
しかしだ。本来自分が当てたであろう三等を、他人に奪われたのが、男は大層気にくわなかった。
その後も、事件は立て続けに起こり、男の成功は、見知らぬ他人に次々と売られていく。
そしてついに、男が憤怒する日がやってきた。
怒りに狂気し、容赦なくロリババアに襲いかかる。
身ぐるみを剥ぎ、好き放題してやった。
だが、男はその時、今体験した記憶も、感覚も、いや、全てを失ってしまった。
なぜなら。その最後の人生を、ロリババアに買い取られたからである。
男は全てを失い、虚無の中、静かに目を閉じた。

るる「…………」

ほっけ「どうじゃ?」

るる「不安」

ほっけ「病んでおるのかと、わしも心配での」

るる「だいたいわかった」

菫「るるちゃん、見て。新キャラ」

るる「劇画タッチ!?やや上達してるし!」ビクッ

菫「えへへ」テレ

るる「菫」ぎゅ

菫「どうしたの?」

るる「あんな。悩み事があるんやったら、遠慮せず言うてや」

菫「うん」

るる「あたしも辛いから」なでなで

菫「ん、本当にどうしたの?」

るる「ええから。言うてみ、悩み事」

菫「……人生て、何?」ボソッ

るる「ちょっとゾクッとした。ややホラーやったぞ……」ササッ

菫「最近ね。何がしたいのかよくわからないの」

るる「好きな事、何でもやってみたらええ」

菫「評価は低いし、人気もないし」

るる「評価を気にすんなとは言わんけどや、気にしすぎたらあかん。評価の為に、物語書いたり、絵描いてるわけやないやろ?」

菫「うん」

るる「菫は、ポケモエみたいな、素晴らしい世界を描きたいんやろ?だったら、菫の世界を遠慮なく、バーーーン!と、描いたったらええ!」

菫「それはわかってるよ……」

るる「些細な幸せを人生として楽しんでる人もいる。何でか鎧着て、当たり前のように仕事してる人もいる。完全に業務妨害やと知っておきながら、必死に想いを届けようとするキモオタさん達もいる。色んな人がおって、その数だけ、色んな人生があるんや!」

菫「るるちゃん……」

るる「辛い不安なんか、道頓堀に沈めたれ!」

菫「うん」

るる「一緒に、ひとつひとつ、問題を解決していこう」

菫「るるちゃーん!」ぎゅ!

るる「いたっ!」ドテッ

菫「大丈夫?」

るる「ったく、もー」

菫「ふふふっ!」クスクス

るる「ふふっ」クスクス

菫「さっそくだけど、これのアドバイスちょうだい!」

るる「これ、読んだで」

菫「え!?」

るる「菫の作品、いつも読んでるよ」

菫「そうなんだ。ありがとう!」

るる「ん。でな、この作品やけど、説明しすぎ」

菫「そうかな?」

るる「読者に考えさせるんも、大事や思うで」

菫「ふむふむ」メモメモ

るる「あと、菫のオリキャラ。色多すぎ」

菫「カラフルで良くない?」

るる「ええっちゃ、ええけどや。基本三色、多くて四色にした方が綺麗やで」

菫「なるほど」メモメモ

るる「それと、黒、白、そういう色は、全体を纏めてくれるから、できる限り取り入れた方がええよ。あと、補色、反対色っちゅうのも勉強しとき」

菫「詳しいね!るるちゃん!」メモメモ!

るる「こんなん基礎や基礎」

姫「菫さんの為に、ちょこちょこ勉強しているんですよ」

菫「へぇー」ツンツン

るる「菫が、創作活動してる時の暇潰しや」

菫「そーなのー」ツンツン

るる「うっとおしわぁ!!」

菫「もぅ、すぐ怒る」

るる「自分がひつこいからや」

菫「んふふ。嬉しいなー」ルンルン

るる「そ」

菫「隣には、毎日るるちゃんがいる……いつの間にか、当たり前になって、忘れてたよ」

るる「忘れんなや」

菫「遠慮しすぎかな?私……」

るる「それはそれでいい」

菫「髪切った……?」

るる「は?」

菫「おやむにゃ……」スヤ

るる「寝るんかい」

ほっけ「よっぽど、安心したんじゃろな」

菫「んふふ…………」スヤスヤ

るる「安心ね……」ウトウト

ほっけ「小娘?」

るる「…………」スヤ

姫「最近、暖かくなってきましたからね」

ほっけ「そうか。そう言えばもうすぐじゃな……」

姫「もうすぐですね」

ほっけ「早いもんじゃな」

姫「ええ」

ー四月四日

るる「あ」

菫「あれ?」

るる「先帰れ言うたやん……」

菫「るるちゃんも、ケーキ買いにきたの?」

るる「うん」

菫「やっぱり、考える事は一緒なんだね!」

るる「そりゃ当然やろ」

ー食後

るる「え?あたしらが出会って、今日で一年なん?」

菫「うん!」

るる「今日、菫の誕生日やんな」

菫「ほっけさんに聞いたの?」

るる「うん」

菫「じゃあ、このケーキは、あたしの誕生日ケーキなんだ」フフッ

るる「せやで」

菫「ありがとう!」

るる「おう。……て、つまりあの日。菫の誕生日やったんよな?」

菫「そうだよ」

るる「ごめん……」

菫「謝らないで。最高の誕生日プレゼントが届いたから」

るる「…………」テレ

菫「るるちゃんの誕生日はいつ?」

るる「あたし?あたしは、六月六日や」

菫「じゃあ、今年はお祝いしようね!」

るる「ありがとう」

菫「うん!」

るる「じゃ、そろそろケーキ開けるで」

菫「一緒に開けよう!」

二人「せっーの!」

るる「なんやそれ」フフッ

菫「被ったね、苺のホールケーキ」フフッ

るる「お互い、チョイスがベタやなー」

菫「定番ですから!」

るる「どっちから火い付けよっか」

菫「そりゃあ、もちろん」

るる「菫の誕生日ケーキやんな」

菫「駄目!」

るる「何で?」

菫「私は、何回も誕生日を迎えたけど、二人の出会い記念日は、今日が初めてだから」

るる「カレカノみたい」

菫「結婚式の音楽、流さなくていいから!」
るる「結婚式の音楽、流さんでいいから!」

菫「では、火を着けますよー!」

るる「電気消しますー?」

菫「お願いしまーす!」

るる「はーい」

菫「よし、全部着いたよ!」

るる「ん」

菫「私のケーキにも、火を着けるの?」

るる「一緒に祝う。あたしにとっては、どっちも大切な事やから」

菫「るるちゃん……愛してるよ!」ぎゅ!

るる「ボコるよ!」ノケノケ

菫「あ、歌はどうする?」

るる「せっかくやし、菫のオリジナルで」

菫「えー恥ずかしいよぅ」テレテレ

るる「よっ!銀河の歌姫!待ってました!」

菫「では、御期待に応えて、私……歌います!」

るる「短いのな」

菫「私達、春に出逢って」

るる「はっぴばーすでーとぅーゆー」

菫「夏に、お友達になりました」

るる「はっぴばーすでーとぅーゆー」

菫「秋には、笑顔を約束して」

るる「はっぴばーすでい」

菫「冬には、夢を約束しました」

るる「でぃあ」

菫「大好きなるるちゃんと」

るる「すーみれー」

菫「新しい春に」

るる「はっぴばーすでー」

菫「何を約束しようかな?」

るる「とぅーゆー」

菫「合いの手?」

るる「弾き語り?」

菫「どうだった?」

るる「盛りすぎかな?」

菫「そう?」

るる「大盛りでしたわ」

菫「そんなことないと思うけどな……」

るる「菫、一緒に蝋燭消すで」

菫「うん!」

二人「せっーの!ふっー!」

ぱちぱちぱちぱち!!

菫、るる「おめでとう!!」フフッ

ほっけ「おめでとう、お二人さん。わしらから、お祝いのメッセージを送らせてもらっても、良いかな?」

菫「是非!」

ほっけ「こほん」

るる「ありがとうございました!」

ほっけ「まずは小娘!お前さんからじゃ!!」

るる「えー」

ほっけ「るる。初めは、このほっけさんも、おこじゃったよ。しかし、日々成長していくお前さんには、心打たれる物があった。とても、応援したいと思った。お前さんは、友達想いな優しい心と、素直な気持ちを持っておる。それを大切に、これからも、菫と二人で、どんな困難も乗り越えておくれ。出逢ってくれてありがとう。これからも、よろしくの」

るる「こちらこそ……ほっけさん」

ほっけ「ふふっ」

菫「どきどき……」

ほっけ「菫!まずは二十歳の誕生日、おめでとう!……この一年。初めは色々あったが、決して諦めず、ひとつひとつ、自分の力で乗り越えたな。そして、るると友達になってからは、共に悩み、共に前に進むことを知ったはずじゃ。その事を忘れず、共に手を繋ぎ、どんどん突き進め!わしらはずっと、二人を応援するからな」

菫「ありがとう、ほっけさん!私達、頑張るよ!」

姫「るるちゃん。この一年で、私が一番に嬉しかったのは、あなたの笑顔です。私はあなたの笑顔が、大好きです。だからもし、菫さん達に相談し辛い事があれば、いつでも私を頼って下さい。私はいつまでも、あなたの家族ですから!」

るる「ありがとう!あたしも、姫ちゃんの笑顔、大っ好きやで!姫ちゃんは、ずっとずっと、あたしの大切な家族や!!」

姫「嬉しいなっ!」にこっ!

菫「ふふっ」

姫「菫さん!」

菫「はい!」

姫「一年間、本当に、るるちゃんがお世話になりました。あなたがずっと側にいてくれたからこそ、きっと、現在の幸せがあるんだと思います。そして、あなたの前向きな明るさは、未来をも明るく照らす光です。二人の未来が輝きに満ちる事を、心よりお祈りします!」

菫「ありがとう!お姫様!私、必ず未来を、きらっきらにしてみせます!」ケイレイ

ほっけ「それでは、改めまして」

ほっけ、姫「おめでとう!!」パーン!

菫、るる「ありがとう!!」

ーおしまい

るる「あたしな。この一年で学んだことがある」

菫「なに?」モムモム

るる「誰かに支えられて、誰かに助けてもらって、現在のあたしがおるんやな、て」

菫「私は、逃げずにちゃんと向き合えば、友達になれることを学んだよ」

るる「……」モムモム

菫「あむ」モムモム

るる「美味しいな」

菫「うん」

るる「あむ」

菫「あむ」

るる「……」モムモム

菫「……」モムモム

るる「もうすぐ桜満開なるやん?」

菫「あむ」

るる「お花見行こうな」

菫「うん!」にこっ!

るる「あむ」

菫「あ!」

るる「?」モムモム

菫「誕生日プレゼントは!?」

るる「自分で言うたらあかんやろ!」ペチ!

菫「えへへ」テレ

るる「菫と会ってもうたから、ないよ。あと、クリームついてる」

菫「ふぇぇ……」ペロペロ

るる「そうや。去年のぬいぐるみ。あれな」

菫「それが誕生日プレゼント!?」

るる「うん」

菫「そんなー……」

るる「冗談。明日、好きなもん買ったろ!」

菫「私も冗談!あのぬいぐるみ、高かったし」

るる「金とか借りとか気にすんな。黙って、好きなもの買ってもらいんしゃい!」

菫「じゃあ……ほっけ!」

るる「ほっけ!?」

菫「ほっけのみりん干し!美味しいの!」

るる「うーん……売ってるんかな……」

菫「もちろん、箱買いね!」

るる「何でやねん!!」ペチン!

ちゃんちゃん♪

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