にこ「にこの夏祭り!にこ☆」 (56)

「それじゃあ行ってくるにこー」


バタンと勢いよく扉を閉めて我が家を飛び出した


今日は待ちに待ったあの日



ずっと楽しみにしていた地元の夏祭りの日




※SID設定で書いています。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404130613

中学生の時にママが買ってくれた花柄ピンクの浴衣を身に纏い


ルンルン気分で夏祭りのある音ノ木坂小学校に歩いて行ったの



本当は新しい浴衣が欲しかったけど


まだ着れるし、もったいないじゃない




………別に泣いてなんかないにこ

こころとここあは友達と一緒に行くって言って


少し前に友達のお母さんと一緒に出かけたから


今日はにこだけで夏祭り




ちょっと前から少しずつお金を貯めてたから


普段食べれない露店の食べ物をお腹いっぱい食べるにこー☆

にこね


これが夢だったの



露店の食べ物をお腹いっぱーい食べること




小さな夢って笑われちゃうかもだけどさ



こんな夢を大事にしたっていいじゃない

日も沈みかけて


空が綺麗な夕焼け空になってきたところで


小学校の校門にたどり着いたの





既に人がたくさんいて


活気と熱気が渦巻いているっていうの?


とにかくとっても楽しそうな状況にこ

もしかしたら穂乃果ちゃんや絵里ちゃん達に会えるかも


そんな期待も胸に、にこは校庭に行って露店巡りを開始



わいわい――――

がやがや――――



夏祭りは毎年こころとここあを連れて来てるけど


ひとりは今年が初めて

ふふっ


なんでだろう


まだ何もやってないけど、とっても楽しい




愛する妹たちと一緒に露店を巡っても楽しかったけど


今年は気楽に巡れるから開放感があるにこ

さてさて


まずは何を食べちゃおうかな?


リンゴ飴?チョコバナナ?




うーん……


いざ、目の前にすると迷っちゃうなー



両方食べればいいんだろうけど


やっぱり最初が肝心だよね☆

ここは――――チョコバナナにしちゃお☆



露店のおじさんに、チョコバナナをくださーいって少し甘えた声で言ったの


そしたらおじさんが「可愛いお嬢さんにサービスだよ」って


ひとつおまけしてもらちゃった




やっぱりにこが可愛いからなのかな?


くすくす。なんだか得しちゃった♪

ひとくちパクリ



久しぶりに食べたチョコバナナの味は


すっと口の中で広がって――――もう幸せ



あっという間に一本食べちゃった



歩きながらなんてお行儀悪いって海未ちゃんに怒られちゃいそうだけど……


これも夏祭りの醍醐味だよね☆

ドンドコドンドコ♪


校庭の中央付近に建てられたやぐらの上にある太鼓が良い雰囲気を出してる


にこもそのうちあの太鼓ドンドコ叩いてみたいな



これもにこの夢に追加にこー




夢っていうのは、たくさんあった方がいいよね☆

次は何を食べようかなって


チョコバナナ片手に露店を物色していると



後ろからにこの肩をちょんちょんって



誰だろう?


にこが振り返るとそこには



ひょっとこのお面をつけた誰かが――――

「ひゃっ………!?」


突然の出来事だったからつい悲鳴が出そうになっちゃった




オレンジ色の浴衣を着たそのひょっとこはおどけた口調で


「さて、私は誰でしょう?」


くすくす


ちょっと驚いたけど、声聞いたら誰かわかっちゃった☆

「なんだ穂乃果ちゃんだったの。驚いちゃったにこ」


にこがそう言うと、ひょっとこはお面を外しながら


「なーんだ。すぐばれちゃったよー」


とっても笑顔な穂乃果ちゃんがこんにちは




我らがμ'sの元気印穂乃果ちゃんはお面を髪留めをしていない方につけて



「にこちゃん誰かと来てるの?」

「ううん、ひとりにこ。穂乃果ちゃんは?」


「うーん……それがね。ことりちゃんと海未ちゃんと一緒に来たんだけど……」



腕を組んで困った顔で


「二人とも迷子なんだ。まったく、高校生にもなって迷子だよ?」



くすくす


それはきっと穂乃果ちゃんが迷子なだけなんじゃないかな?

「そうだ!にこちゃん、もしよかったら穂乃果と一緒に露店巡りしない?」



唐突なお誘い


にこは別に構わないけど、海未ちゃん達は大丈夫なのかな?


「海未ちゃん達が迷子なのは海未ちゃん達の責任なんだから」


「穂乃果は一切手助けしません!」




言いきっちゃった!


これ、海未ちゃんに聞かれたらすっごい怒りそうにこ

でも……


にこもひとりは飽きてきちゃったし


そろそろ話し相手欲しかった気分だから


オッケー出しちゃった




なーに、怒られるのは穂乃果ちゃんだけだしー



にこは見て見ぬ振りしーちゃお♪

sidか?

「あははっ、このたこ焼き美味しーい!」


はふはふと、とっても美味しそうにたこ焼きを食べてる穂乃果ちゃん



とっても幸せそう



くすくす。見ているこっちまで幸せになっちゃう


「ほらにこちゃんも食べなよー」


爪楊枝に刺した真ん丸なたこ焼きをにこの口元に差し出してくれたの

そこまでやってくれたら食べるしかないじゃない


ゆらゆらと鰹節が揺れていて食欲をそそっちゃう



たこ焼きをぱくり


うーん………とっても美味しい


たこ焼きなんて何年ぶりかな?



ちょっと熱くて舌が火傷しそうだったけど


とっても幸せでそんなの忘れちゃった☆

「いか焼き美味しいねー」


もぐもぐ……ごっくん



甘くて、でもほんのりピリッと辛くて



とっても不思議な味



それに大きくてとっても食べごたえのあるにこ

「あ、にこちゃん。指にソースついてるよ」


あ、本当。人差し指にソースがついてるにこ



ハンカチで手を拭こうかな


ってしたときに、穂乃果ちゃんがにこの指をぱくってくわえたの


「ほ、穂乃果ちゃん!?」

にこの人差し指が穂乃果ちゃんの口の中でくちゅくちゅと舐められている感触――――



なにこれ!


なんだかすっごい恥ずかしーい!


きっとにこの顔は真っ赤になってると思う

「あ、ごめん。にこちゃん痛かった?」


痛いとか痛くないとか、そういう事じゃないよー!


なんて怒っていいのか思いつかず

「ん~!」

って言葉にならない苦情を穂乃果ちゃんに出しながら、ポカポカ叩いちゃった



「ごめんごめん。でも手にソース付くと舐めたくなっちゃわない?」


それは自分の手だけにしてー!

まったく


穂乃果ちゃんは天然なのか、計算でやっているのか本当にわからないにこ




ことりちゃんも海未ちゃんも――――


穂乃果ちゃんのお世話いつもお疲れ様にこ



にこには――――きっとできないにこ



あんな積極的なことされたら、きっと本気になっちゃう☆

その後、ママのお土産にたこ焼きと焼きそばを買って


金魚すくいとかヨーヨー釣りとかをいっぱい楽しんだにこ



すっかり日も沈んで、時間もいい感じになったところで穂乃果ちゃんが何かを思い出したようで


「あ、そうだ。にこちゃんビンゴカード貰ってる?」


ビンゴカード?


なんのことかな?

穂乃果ちゃんに聞いてみるとビンゴ大会があるみたい


いつもはこころとここあが疲れて、早めに帰っちゃってたから知らなかったにこ



「ふふーん、実は海未ちゃんの預かってるから………にこちゃんにあげる」


そう言ってビンゴカードをにこに差し出す



海未ちゃん………なんだか可哀想にこ

ああ、でも海未ちゃんごめん



たとえくじ運がなくても、楽しそうな企画には積極的に参加するのがにこの信条



だからありがたーくビンゴカードはもらうにこ


苦情は穂乃果ちゃんが受け付けるにこー

さっきまで太鼓をドンドン叩いていたやぐらに人が集まっていて


にこ達が来たころに丁度始まったみたい



やぐらの上にいたお兄さんが元気な声で説明を始めて


「それではビンゴ大会はじめまーす!」


ビンゴ大会が始まったにこ

「最初は………17番!」


17番………


ビンゴカードをくまなく確認するけど、17番はないみたい


最初だから当てたかったなぁー


「おおっ!?さっそく当たっちゃった!やったー!」

隣にいた穂乃果ちゃんが機嫌よくカードに穴をあける



むむむ………


さすが希ちゃんの次にラッキーガール



これは一等賞は穂乃果ちゃんかな?

「次は………66番!」


「おおー!また当たったー!」


隣で聞こえる歓喜の声




一方にこは全く当たる気配なし


こうなったら穂乃果ちゃんを応援しようかな?

そんなふうに思っていたら


「43番!」


あら、にこに当たりがきちゃった


「11番!」


まただ

こういうのってダメって考えてた方が当たるのかな?


だったら次は……


「58番!」


外れちゃった



むむむ………難しいにこ

穂乃果ちゃんも悔しそうな顔してるにこ



きっと外れたにこね………って




穂乃果ちゃんいつの間にかにリーチ!?


や、やっぱり穂乃果ちゃん頑張るにこ―!

――――――――――――――――
――――――――
――――――――――――


「綺麗だねぇー…」



夏祭りも終わって


今は穂乃果ちゃんの家の前で花火をしているにこ




ぱちぱち




線香花火を二人でお楽しみ中

にこがビンゴ大会で当てたやつなんだけど



穂乃果ちゃんが、穂乃果の当てたスイカと交換しようよ!って言いだしたの


家にスイカがあるから当たっても困るよー。って言ってたから


せっかくなんだし、交換しちゃった




ありがと、穂乃果ちゃん

「もうちょっとシュバーって楽しめる花火が入ってたらよかったなぁー」



くすくす。穂乃果ちゃんに持たせたらとんでもないことになりそう


でもその時は海未ちゃんの出番にこ



きっと海未ちゃんが穂乃果ちゃんをうまく手懐けるにこ

にこのイメージ的には




穂乃果ちゃんが元気な犬さんで――――


海未ちゃんが飼い主で


ことりちゃんはきっとブリーダーさんにこ

そんなことを考えていると



ぽとり



あーあ。最後の線香花火が終わっちゃった





なんだかしんみり―――――のはずだったんだけど



「ふぁ~……!楽しかったぁー……!」


穂乃果ちゃんがグイーっと背伸びをするから、にこもつられるように一緒にグイー

穂乃果ちゃんが、さあて。花火も終わったことだし――――今からダンスの練習しよっか!なんて言っちゃって


もうしんみりな空気がどっか飛んでいっちゃった




やっぱり穂乃果ちゃんはすごいな



だって、どんなときでも前を向いて―――ううん、前しか見てないの

だから穂乃果ちゃんと一緒に居る時は


にこが後ろを見てあげなくちゃ☆




おや?あそこにいるのは――――



「さぁて、にこはそろそろ帰るにこー」


「ダンスの練習はまた今度ね」

穂乃果ちゃんの返事を聞く前に


「今日は色々ありがとね。スイカは愛する妹たちと食べるにこー♪」


って言い残して、足早に帰ったにこ




なぜなら――――

にこの背後、さっきまでいた場所から海未ちゃんの怒鳴り声


そして穂乃果ちゃんの叫び声が聞こえたにこ



くすくす


穂乃果ちゃん、前を見ることはとっても重要なことだけどー



後ろもよーく確認した方がいいかもね☆





おしまい

おまけ


「すいかおいしいにこー」

「にこー」


ふたりの天使はスイカに夢中☆


にこがスイカを小さく切り分けて、種をスプーンでくりぬいてあげてるにこ




結構大変な作業だけど――――


あの笑顔で疲れなんて吹っ飛んじゃった




本当、穂乃果ちゃんありがとうね☆




おまけおわり

最後まで読んでいただきありがとうございました。
にこにー可愛いにこにー


>>19
なにか違和感があるのでしたら、口調と家族構成だけSID設定って事でお願いします。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月01日 (火) 00:05:33   ID: isdRQkDY

このシリーズすき

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