???「すいません、この娘まだ中学生ですから問題になりますよ？」

飛鳥「！！」



凛「それに監督、この前は私を誘ってくれたのに浮気ですか？」ｸｽｯ

監督「あ…凛ちゃん…や、やだなぁ！ほんの冗談だって！」

凛「冗談でも嫉妬しちゃいますよ？ 」ｸｽｯ


凛「じゃあ私と飛鳥は事務所に戻るんで…また機会があればよろしくお願いします」

監督「あ…あぁよろしくね」

凛「いくよ飛鳥」ｸﾞｲｯ

飛鳥「う、うん」




凛「気をつけた方がいいよ、あの監督ロリコンって有名だからさ」

飛鳥「あ、あぁ肝に命じておくよ」

凛「それにあんな誘いなんて適当に誤魔化せばいいのに、いちいち律儀に答えてたら本当につれてかれることになるよ？」

飛鳥「うん…ありがとう、渋谷先輩」

凛「ん、どういたしまして」

飛鳥「渋谷先輩もこの局で仕事があったのかい？」

凛「まぁね、トーク番組の仕事だったよ」

凛「飛鳥はドラマだっけ？」

飛鳥「うん、といってもただの脇役だけどね」

凛「いいじゃん、そういうところから主演の道もひらけるんだから」

飛鳥「ﾌﾌｯ、そうかもね」



凛「そういえばあんまり飛鳥と話したことって無かったよね？」

飛鳥「たしかにそうだね…同じ事務所でもやっぱり渋谷先輩はなんだか雲の上の人って感じが、ね」

凛「や…やめてよ、私だってただの飛鳥と同じアイドルだよ」


凛「飛鳥はこのあともう上がり？」

飛鳥「そうだね、このあと直接家まで帰るよ」

凛「ふーん…」ｼﾞｯ…

飛鳥「…な、なにかな？」


凛「ねぇ、飛鳥さえよければご飯でもいこうよ」

飛鳥「ご飯？」

凛「うん、実はトライアドメンバーで行くつもりが二人とも急な仕事でこれなくなったから…予約もしてあるしキャンセル料払うのもなんだか嫌だしね」

飛鳥「なるほど…確かに一理あるね」

飛鳥「わかった、渋谷先輩さえよければご一緒させてもらうよ」


凛「よし、じゃあいこっか」

凛「私、荷物とか楽屋においてるからちょっと待ってね」

飛鳥「うん、わかった」

飛鳥(予約までしてるなんて…結構いいお店なのかな？)

飛鳥(というよりまさか…渋谷先輩と二人でご飯にいくことになるなんて、ね…本当人生って何が起きるかわからないものだね)



???「…？あれって…」



飛鳥「……」ｸﾞｩｩｩ…

飛鳥(お腹なった……さすがにちょっと恥ずかしいね…///)

???「やっぱり飛鳥ちゃんでしたかぁ」

飛鳥「ん？」ﾁﾗｯ


まゆ「お仕事だったんですかぁ？おつかれさまです」ﾆｺｯ

飛鳥「佐久間先輩！？」

まゆ「はぁい、まゆですよぉ♪」

まゆ「お腹、なってましたけど大丈夫ですかぁ？よかったらまゆ、キャンディならもってますからあげますよぉ？」

飛鳥「ありがとう佐久間先輩、でもいまから渋谷先輩と食事にいく約束をしてるから遠慮しとくよ」

まゆ「……凛ちゃんと、ですかぁ？」

飛鳥「…？そ、そうだけど…？」


まゆ「…ふぅん♪」



凛「ごめん、待たせちゃったね………あれ？」

飛鳥「大丈夫だよ渋谷先輩……どうかしたのかい？」

凛「いや……なんだか通常の３倍の速さで動きそうな服を着た変な人が見えてるんだけど…みまちがえだよね、ふふっ」

まゆ「奇遇ですねぇ、まゆもいま戦いの中で戦いを忘れそうな服を着た変な人が見えますよぉ♪」



凛、まゆ『アハハハハハハハ』ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁｨｯ!!!



飛鳥「な、なに！？なにがはじまるの！？」




───このときのボクは考えもしなかったんだ
これがあの事務所史に名をのこす『蒼紅の戦い』の始まりだったなんて……

二宮飛鳥(14)
http://imgur.com/I1vRrGn.jpg
http://imgur.com/h0FJ3hQ.jpg

渋谷凛(15)
http://imgur.com/ogmUuyh.jpg
http://imgur.com/L2Kovmj.jpg

佐久間まゆ(16)
http://imgur.com/9u4RE3d.jpg
http://imgur.com/majtD1o.jpg

ー道ー


凛「………」ﾃｸﾃｸﾃｸ

飛鳥「……」ﾃｸﾃｸﾃｸ

まゆ「……」ﾃｸﾃｸﾃｸ



飛鳥(この三人で並んで道を歩くなんてなんというか…よくわからない組み合わせだね)

飛鳥(どうしてこうなったか…それは渋谷先輩が唐突に口にした)

凛『まゆもご飯食べに行かない？』

飛鳥(とういうまさかの言葉からだね)

飛鳥(普通に考えれば予約したのは３人分で一人余ってたしそこに同じ事務所の娘がいたなら誘うっていうのはごくごく自然なことなんだろうけど……)ﾁﾗｯ


凛「………」スマホﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

飛鳥「……」ﾁﾗｯ

まゆ「……」ｶﾐﾉｹｲｼﾞｲｼﾞ



飛鳥(……まったく喋らないよこの人達……！)

飛鳥(真ん中に挟まれてるボクの気持ちも考えてほしいね……)

飛鳥(これは…あれなのかい？ボクが中心になって二人と話せばいいのかい？)

飛鳥(考えてもみればこの二人と話すことって今まで無かったし……もしかしていい機会かも…？ )




飛鳥「ね、ねぇ渋谷先輩」

凛「ん？」ﾁﾗｯ

飛鳥(こっち見てくれた…！)


まゆ(……あらあら)

まゆ(どうやら飛鳥ちゃんは中心になって話を盛り上げようとしてくれてるみたいですねぇ……うふふ、いい娘なんですねぇ♪)




飛鳥「渋谷先輩は、世界が自分の意思とは関係なくまわってるって自覚したのは何歳くらいだい？」

まゆ(いやその話題は確実に盛り上がらないと思いますよ！！？)

凛「……え？」

まゆ(さすがの凛ちゃんも困ってますねぇ……仕方ありません、助け船を…)


凛「なにいってるの飛鳥？世界はまわるんじゃない、自分自身がまわすんだよ」

まゆ(理解をしめした！？)


凛「世界は勝手にまわる…自分自身を取り残して、そんな考えはアイドルになるときにもう捨てたよ」

凛「これからは私が世界の中心になってやるって覚悟と引き換えに、ね」ｸｽｯ

飛鳥「ふふ、さすがはシンデレラガールだね…完敗だよボクのね」

凛「大丈夫だよ、だって飛鳥も世界を持ってるんだから…」

凛「さぁ、残していこうよ…私たちの足跡」

飛鳥「願わくば永久を刻むように…ね」




まゆ(なにいってるのか全然わからない )

飛鳥「佐久間先輩はどうだい？」

まゆ「…えぇ！？ここでまゆにふるんですかぁ……？」



まゆ「そうですねぇ……難しいことはわかりませんけど……まゆはあの人の世界の中にまゆがいるならそれで満足ですねぇ…♪」

凛「夢のある話だね」

まゆ「うるさいですよ凛ちゃん」

凛「むしろ夢しかないね」

まゆ「うるさいですよ花屋」

凛「現実味が無いよね」

まゆ「黙れピアス」




飛鳥「……なるほど」

飛鳥「ところで佐久間先輩」

まゆ「…？はい？」


飛鳥「あの人って誰だい？」

凛「たぶん315プロの…」まゆ「プロデューサーさんですねぇ」


飛鳥「ふーん……で、なぜプロデューサーの世界の中に入りたいんだい？」



凛、まゆ『……え？』