【ゆるゆり】花子「こころの日記!」 (103)

未来「えっ、花子様夏休みの宿題もう終わったの!?」

花子「ま、まあ……///」

未来「すごーい! すごすぎ!」

こころ「花子様すごーい」

花子「いやこころももう終わらせてあるの知ってるし!」

未来「うそっ、こころちゃんも終わってるの?」

こころ「うん……ほら」

花子「なんで夏休みの日記終わってるし……」

こころ「この通りにすごせば大丈夫だよー」


花子「ちなみに明日は何て書いたんだし」

こころ「花子様が学校のプールで水着を忘れる」

花子「なんでこころの日記なのに花子のこと書いてるし!」

未来「えーん私まださわってすらいないよー……二人だけずるーい!」

こころ「花子様ずるーい」

花子「なんでだし!」

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<翌日>


未来「わーいプールプールー♪」

こころ「未来ちゃん泳ぎ得意なの?」

未来「えっへん! 100メートルくらいなら足つかないでも泳げるよ!」

こころ「えーすごーい私なんて90メートルぐらいしか泳げないよー」

花子「全然変わんないじゃん……というかこころ嘘付けし。こころが泳ぐの苦手なの知ってるし!」

こころ「授業で本気だすと注目されちゃうから手抜いてるだけだよー」

花子「ええっ!?」

未来「そんなことより早く着替えよー!」

花子「あーっ!?」

未来「なに!? どしたの花子様!」

こころ「どうしたのー?」

花子「水着忘れたし……!」

未来「うわ! 日記がほんとになっちゃったね!」

こころ「うわー日記がほんとになっちゃったねー」

花子「なんで同じこと二回言ったし……ていうかどうしよう」

こころ「私水着もう一着持ってるよー」

花子「ホント!?」

未来「よかったねー花子様。こころちゃんのならサイズも同じくらいだもんね」

こころ「はい、どーぞ」ヒラッ

花子「ありが……ってこれ花子のだし!! こころが持ってたのかし!」

こころ「今日花子様が忘れると困るから、私が預かっておいたんだよー」

未来「こころちゃん頭いいー!」

こころ「ありがとー」

花子(あれ……この水着家にしまったまま出してなかったはずのような……?)


未来「さあ行こ~!」

こころ「ハワイアンズへ~」

花子「遠い!」

未来「花子様ー見ててねー」

花子「?」

未来「メテオインパクトォォオ!!」

どっぱーん


『相馬さーん飛び込みは禁止ですよー』

未来「あっはは! おこられたー!」

花子「なにやってんだし……」

こころ「こころもやろー」

花子「先生の話聞いてた!?」

未来「でも飛び込みできないってなると何して遊んでいいかわかんないよー」ばちゃばちゃ

こころ「じゃーん、第24回、潜水対決ー」パッパラパー

未来「わーたのしそー!」パチパチ

花子「今まで23回分はいつやってたんだし……」

こころ「せーので潜って、一番長く潜ってたひとの勝ちです。よーい……どん!」ちゃぽん

未来「わーい!」じゃぽん

花子「せーので潜るんじゃないのかし!?」ざぽん


未来「…………」ぷくぷく

花子「…………」ぷくぷく

未来(へへっ、花子様ー)こしょこしよ

花子(こら! へんなとこさわんなし!)こちょこちょ

未来「がふぁー! やられたー!」ごぼごぼ

花子(まったく……でも花子もそろそろ苦しいし)

花子(こころ強いな……あれ?)キョロキョロ


花子(こころどこいった!? どこにもいないし!)

花子「ぷはぁ!」ざぱー

未来「あっ、花子様やっとでてきたー」

花子「未来! こころがいないし!」

未来「えっ?」

こころ「ここにいるよー?」

花子「こころ!? ……何で水から上がってるし?」

こころ「今おトイレ行ってたのー」

花子「いつの間に!?」

未来「今回の優勝者は花子様でーす! おめでとー!」ぱちぱち

こころ「優勝者の花子様には記念品であるタオルが贈呈されまーす」

花子「これ花子のタオルだし! わざわざ更衣室から持ってきたのかし!?」



こころ「たのしかったねー」

未来「ねーねー、これから皆で宿題しない? 花子様の家で!」

こころ「いいねー」

花子「勝手に話進めんなし! ていうか花子たちは宿題終わってるの!」

未来「だから私の宿題手伝ってってこと!」

こころ「そうだよー日記とか大変なんだよ?」

花子「日記は宿題には含まれないし! 日記終わってるのあんただけだし!」

未来「じゃあ宿題持って花子様のお家にいくねー!」

こころ「待ってるよー」

花子「というかなんで花子の家だし!?」




ピンポーン

未来「おじゃましまーす!」

こころ「あっ、いらっしゃい。どうぞどうぞ上がってー?」ささっ

花子「なんでこころが家主面してんだし……」


未来「わーい花子様のお部屋久しぶりー」

こころ「自分だけのお部屋があるっていいなー」

花子「こころはないの?」

こころ「あるよー」

花子「あるのかし!」

未来「そういえば他の家族の人は? お姉さんとか」

花子「撫子ねーちゃんは受験対策の補習で……櫻子はどうせ隣の家にいると思うし」

未来「なんだー櫻子姉ちゃんと遊びたかったのにー」

花子「宿題しに来たんじゃなかったのかし……?」

未来「あっ、そうだった」テヘ


こころ「飲み物持ってくるけど何がいーい? 牛乳とオレンジジュースと麦茶があるけど」

花子「なんでこころはうちの冷蔵庫事情を知ってんだし!?」

こころ「残念ながらドクペは置いてないよ花子様ー」

花子「聞いてないし! いらないし!」



未来「花子様ーむろまちじだいって漢字でどう書くのー?」

花子「むろは……ほら、花子の名前だし」

未来「は? 花子様? 花子様まち時代?」

花子「違ーう! ほら、大室のむろ!」

未来「えーわかんないよー……こう?」

花子「それじゃ空町時代だし……」

未来「間違えちゃった。誰か消しゴム貸してー?」

こころ「消しゴムあるよー」ジャーン

花子「まさかの砂消し!? これじゃノート破れちゃう!」


未来「漢字は難しいからあとまわしだ! 先に何やろうかなー」

こころ「日記やれば? 簡単に終わるよー」

花子「日記こそ後回しにするべきだと思うし……」

未来「こころちゃんは日記どんな風に書いたのー? ちょっとみせてー!」

こころ「いいよー」ぺらっ



[7 がつ 31 にち


花子さまが、プールなのにみずぎをわすれました。でも見つかりました。

そのあと花子さまのおうちで、みんなで宿題をしました。花子さまにもらったオレンジジュースがおいしかったです。

そして、花子さまのお姉さんの、さくらこお姉ちゃんと遊びました。花子さまのひみつのお話がいっぱい聞けたのでよかったです。

今日もたのしい一日でした。]

こころ「こんなかんじー」

未来「ほーなるほどねー」

花子「だからなんで花子のことばっかり書いてあるし!? というか待って!」



花子「こころ、この日記いつ書いたの?」

こころ「んー、三日前くらい」


花子「こころ、今何飲んでるの……?」

こころ「オレンジジュース。おいしいよー」ちゅー

花子(じゃあこころは……三日前に今日の出来事を完璧に予測してたってのかし!?)


花子(ということは……)

ガチャッ

櫻子「花子ーただいまー……あれ?」


未来「あ! 櫻子ねえちゃん!」

櫻子「おー! 未来ちゃん久しぶりー!」

こころ「櫻子おねえちゃんこんにちはー」

櫻子「あーこころちゃん。いらっしゃーい」

花子「さ、櫻子何しに来たんだし!?」

櫻子「何しにって……普通に帰ってきただけじゃん。悪い?」


花子(また日記の通りになったし……!)

未来「櫻子ねえちゃん、何か楽しい話してよー」

櫻子「んー、じゃあねえ……あ! この前花子がねー」

櫻子「部屋に虫がいるしー! って泣いてて、よーく見たらそれほこりだったんだよ!」

未来「あっははははははは!!」

花子「櫻子嘘つくなし! 泣いてないし!///」

櫻子「えーでも泣きそうだったじゃーん」


櫻子「あ、あとね、この前花子がアイス食べてたの。ピノを食べようとして、開けたら星の形のピノがでてきたんだって!」

未来「えーすごい!」

櫻子「そんで、写真撮るしー! とか行ってカメラ探してたんだけど、カメラ探してる間に溶けちゃって形がわかんなくなっちゃったんだって!」

未来「あーっはっはっはっは!!」

花子「未来笑いすぎだし!///」

櫻子「あ! あとねあとね、この前花子がなんか一人でパフェみたいなのを作ってて、でもそれ全然私にくれないんだよーひどくない? 一口だけでいいって言ってるのに全然くれないの!」

こころ「花子様ひどーい」

花子「なんでだし! 花子が一生懸命作ったんだし!」


櫻子「あっ、そうそう! この前花子の頭に猫耳がついたの! 超かわいかったー!」

未来「えーなにそれかわいいー!」

櫻子「ねーちゃんが写メ撮ったの! 見る? ……ほら!」

未来「きゃーかわいいー!」

こころ「花子様こんな趣味があったんだねー///」

花子「違うしそれは変なクラゲにつけられたんだし!」

櫻子「あ、あとねあとね?」

花子「も、もう櫻子出てけし! ここは私の部屋だし!///」

櫻子「えーいいじゃーん私も未来ちゃんたちと遊びたいもーん。あ、じゃあ私の部屋おいでよ!」

未来「わーいいくいくー!」



パタン

こころ「……行っちゃったねー」


花子「こころ、話があるし」

こころ「なにー? 私今日はくまさんのパンツだよー」

花子「パンツの柄なんて聞いてないし! ……そうじゃなくて、この日記!」ぱんっ

花子「ここの日記に書かれてること、全部そっくりそのまま本当に起きてるんだけどどういうことだし!?」

こころ「えー知らないよそんなのー……偶然だよー」

花子「偶然なわけない! もしかして、この日記……」



花子「書いたことが、本当に起きる魔法の日記なんじゃないかし……??」



こころ「…………」


こころ「……ふ……くく」

花子「なっ!?/// 笑うなし!」

こころ「花子様が……そんなインプロヴィゼイションなこと言うなんて……///」クスクス

花子「それを言うならメルヘンチックだし! というか真面目な話!」

花子「ちなみに明日はなんて書いたんだし」ぺらっ

こころ「あっ、あんまり見ないでよぉー」

花子「いいじゃんか! どうせ花子の事ばっかりでこころのこと全然書いてないんだから!」



[8月1日


今日も花子さまのおうちに遊びにいきました。

さくらこお姉ちゃんのお友達の、ひまわりさんがつくってくれたプリンがおいしかったです。

ひまわりさんの妹のかえでちゃんはすごく可愛かったです。

そのまま花子さまのおうちにお泊りすることになりました。

今日もたのしい一日でした。]

花子「な、なんだしこれ……」

こころ「どこか字間違ってた?」

花子「いや、どこも間違ってないけど……」


花子(確かに明日は……ひま姉が花子にバケツプリンを作ってくれるって言った日……!)

花子(確か楓も来るはず……完璧に予測してる……!)



こころ「明日も楽しみだねー」

花子「こころ……この日記は絶対魔法の日記だし」

こころ「ちょっ、だから急にインプロヴィゼイションなこと言わないでよー……///」

花子「いや、絶対魔法の日記だし。ここに書いたことは……絶対に本当のことになるし」

こころ「そんなわけないよー」

花子「こころ、この日記全部消して、明日からは起こったことだけを書いて!」

こころ「えーなんでー? せっかく宿題終わらせたのに……」

花子「いいから!」

花子(よくわかんないけど、怖いんだし……!)


こころ「でもこれ全部ボールペンで書いちゃったよー」

花子「えっ……はああ!?」

こころ「消したくても消せないよー」

花子「小学生がボールペンなんか使うなし! 鉛筆使えし鉛筆!」

こころ「トンボ? ミツビシ?」

花子「メーカーはどうでもいい!」

こころ「ところで花子様、明日もまた遊びにきていーい?」

花子「なっ……!」


こころ「私、お家にいても暇なんだー」



花子(ここで良いっていったら、また日記の通りになるに違いないし……)


こころ「だめ?」



花子(でも……断る理由はないし……)


花子「……わかった。明日も遊びにきていいし」

こころ「わーい」

こころ「ついでに、明日お泊りしていーい?」

花子「あんたそこまでして日記と同じにしたいのかし!?」

こころ「だって……」


花子様と一緒にいると、楽しいんだもん。



花子「な、な……///」



花子「……わかったし。泊まりに来ていいよ!」

こころ「ありがとー」


ガチャ

櫻子「それでねー、花子ったらおかしくて、『ピザって十回言って?』って言ったのに、『ピザしピザしピザしピザし』って言ってんの!」

未来「ひー! ひー!あー! お腹痛い! あはははははは!」ゲラゲラ

花子「さ、櫻子!! あんまり未来たちに変なこと吹き込むなし!///」

櫻子「いいじゃん事実なんだしさー」



こころ「未来ちゃん、そろそろ帰ろー?」

未来「あっ、もうこんな時間だ!」

花子「結局全然宿題してないし……」

未来「だって櫻子姉ちゃんのお話面白いんだもん!」

櫻子「夏休みの宿題なんて後でいいんじゃないのー?」

花子「櫻子はもっと計画的にやれし!」


未来「じゃあさ、明日も花子様のお家に来ていーい? というか泊まってもいーい?」

こころ「いいよー」

未来「やったー♪」

花子「なんであんたが答えたんだし!?」

こころ「さっき良いって言ってくれたからー」

櫻子「またねー未来ちゃん、こころちゃん」

未来「またねー櫻子ねえちゃん! 明日も来るねー!」

櫻子「待ってるよー♪」

こころ「ばいばーい」


花子「…………」

櫻子「ほら、バイバイしなよ」



花子「ば……」



花子「……明日も、来てね……///」ひらひら


アシタハオミヤゲモッテクルネー!

櫻子「あー超楽しいね未来ちゃんと話すの」

花子「櫻子……あんまり花子の友達に変なこと言わないで欲しいし」

櫻子「そんな変なこといってるつもりないけど?」


櫻子「いやーでもあれだね、やっぱり花子はいい友達を作るね。私たちに似て!」

花子「わたしたち?」


櫻子「私とねーちゃんだよ! ねーちゃんもいっぱい良い友達いるじゃん!」

花子「ああ……そういうこと」


櫻子「大切にしなよ? 友達は」

花子「ばっ……/// そ、そんなの言われなくたってわかってるし!」

撫子「ただいまー」ガチャ

櫻子「あっ、ねーちゃん帰ってきたー」


撫子「ん……この匂い……花子、さっき誰か遊びにきてたの?」すんすん

花子「うん、花子の友達がね……」

櫻子「匂いで判断できるとか……」



花子「ねーちゃん、明日また、花子の友達が泊まりに来るんだけど、大丈夫?」


撫子「ん……?」


撫子「いいよ。遠慮しないでどんどん呼びな」

花子「あ、ありがとう……///」

櫻子「ねーちゃん今日の夕飯何ー?」

撫子「今日は和風ハンバーグね。櫻子大根おろしやって」

櫻子「っしゃあ! ハンバーグ!」

花子「あっ! 櫻子に大根おろしさせると辛くなるから花子がやるし!」

櫻子「こんなの誰がやっても変わんないよー」

花子「変わるし! ちゃんと大根の繊維方向を意識すれば甘みのあるおろしになるんだし!」


櫻子「じゃあ花子頼むね。私先にお風呂入るー♪」

花子「あ」


撫子「……まんまとやられたね」

花子「くっ……でもおろしのためなら仕方ないし」

撫子「どんだけ大根おろし好きなの」

ころころ

ーーーーーー
ーーーー
ーー


チュン……チュン……



撫子「あれ、花子早いね」

花子「ん、ねーちゃん」

撫子「どしたの? せっかく夏休みなんだからもう少し寝てればいいのに」

花子「今日からラジオ体操があるんだし」

撫子「あーなるほど……THE・夏休みって感じだね」


花子「ねーちゃんは今日も補習?」

撫子「そ。夕方までには帰るから。火の元に気をつけてね」

花子「行ってらっしゃい」



花子「そろそろ花子もいかなきゃだし」




未来「おっはよー花子様!」

花子「未来は朝から元気すぎるし」

未来「えっへへ! ラジオ体操楽しみだったんだもん!」


こころ「おはよー……」

花子「こころ!? フラフラだけど大丈夫かし!?」

こころ「花子様と……たいそー……たのしみだから……」ヨタヨタ

未来「こころちゃん朝弱いんだってー」

花子「弱すぎるし……生まれたてのバンビだし」

未来「そういえばお母さんに聞いたんだけど、ラジオ体操の曲をあたらしくしたんだって!」

花子「どういうこと?」

未来「町の人にお願いして作曲してもらったんだって。八森オリジナルの体操を」

花子(なんのために……)



おじさん『えーみなさんおはようございます。今日からね、この八森公園で、ラジオ体操の方、毎朝やっていきたいと思います。体操が終わったら、ちゃんとハンコを押してもらってくださいね。皆勤賞の人にはプレゼントもありまーす』

未来「花子様、毎日来てプレゼント貰おうね!」

花子「えー……ちょっとやったらサボりたいし」

未来「だめだよ! みんなでプレゼント貰うの!」

花子「だいたいこういうのって皆勤じゃなくてもお情けでプレゼントくれたりするもんだし」

未来「だめー! 毎日来るの!」

おじさん『それとですね、今年から、ラジオ体操のこの曲が変わりますー。八森オリジナルの体操曲を作曲してもらったので、これでやっていきたいと思います。ちょっと事前にやってみたんですが、なかなか面白いので皆さんも一緒についてきてくださいねー』

未来「わほー楽しみ!」

おじさん『それじゃいきまーす。曲は DJ Mindで、「aggressive morning」です』カチッ

花子「アグレ……え!?」


ドン! ドン! ドン! ドン!

花子「な、何このキック!?」

こころ「BPM170で作ったよー」

花子「作ったって……まさか、DJ Mindってのは……!」

おじさん『まずはッ、腕を大きく上に上げて! フィーバーのポォォォォズ!!』ビシッ

花子「はぁー!?///」

未来「いぇーい!」びしっ

こころ「ふぃーばー」びしっ

花子「ちょっ、まっ! フィーバーのポーズってなんなんだし!?」


おじさん『YO! 早朝! 俺女房に叩き起こされ超不調! 町内会長のwork怠いYO! 体調悪くたって踊れeverybody! Yeah!』

花子「何その恥ずかしいラップ!///」

未来「おじさんもノリノリだー♪」


おじさん『次は両足を交互に前に蹴り出して! 憎いあいつをぶっ倒せ! ツースリーフォー! ツースリーフォー!』

未来「とりゃぁー!」スパァン

こころ「花子様もちゃんとやらなきゃだめだよー」すぱーん

花子「こんなの恥ずかしくてできないし! というか体操の運動量を既にオーバーしてる気が!///」

おじさん『次はジャンプだ! とにかくはねろ! 汚い地上とはオサラバだ! 全身で重力を感じて飛び上がれ! グラビティー!!』

未来「ぐらびてぃー!」ぴょーん

花子「これもうどこぞのブートキャンプより疲れる!!」

こころ「わー」ぴょんぴょん


おじさん『イェイ!イェイ!イェイ! みんな、次の掛け声はわかってるよね!? カウントいくぞオラァ!』

花子「掛け声!?」

おじさん『エイッ! セブン! スィックス! ファイッ!』

こころ「ちゃんと叫んでね花子様」

花子「だから何を!?///」

おじさん『フォースリートゥーワン! Somebody Screeeeeeeeeeeaaammm!!!』

未来「三倍あいすくりぃぃぃぃぃぃぃいいいむ!!」

花子「なんであんた掛け声知ってんだし!?」

こころ「いぇあー」

おじさん『ラストは決めポーズ! みんな好きなポーズを決めてくれよな! いくぞー!』

未来「きめーっ!」バチっ

こころ「いぇーい」びしっ

花子「や、やっと終わった……」ゼェゼェ


未来「楽しかったねー体操!」

花子「どこが!?」

こころ「目が覚めたでしょ」

花子「確かに覚めたけど……というかこれこころが作ったのかし!?」

こころ「普通のじゃ面白くないからハードコアっぽくしてみたんだけど……」

花子「こんなの毎朝やったら死ぬ……」

未来「ほらほら花子様! ハンコ貰いにいくよー!」

花子「あんたなんでそんな元気なんだし!?」

花子「ただいまー……」


シーン……


花子「なんだ、櫻子まだ寝てるのかし」


花子(みんなが来るまでに掃除しとこう)




ガー……

櫻子「うるさーい……」ガチャ

花子「あっ、櫻子」

櫻子「朝っぱらから掃除機なんてかけないでよーもー……」

花子「今日も友達くるんだから仕方ないし。ほら櫻子のこぼしたポテチのカスがほらほら」うぃーん

櫻子「うるっさいなー花子は……あーご飯たべよ」

花子「今パンしかないけど」

櫻子「えー私今日はご飯の気分なのにー」

花子「文句言わないであるもん食べろし。夜にはねーちゃんが食材買って帰ってくるから」

櫻子「わかってますよー」トクトク

花子「ん……? あ、こら! 花子の牛乳飲むな!」

櫻子「へへ、うまー」

花子「ああもう……」

櫻子「しょうがないな、花子にも一杯あげよう」トクトク

花子「あげようっていうかこれ花子のなの!」ゴクゴク

櫻子「朝は牛乳だねー」



花子「…………」ソワソワ

櫻子「なにしてんの?」

花子「えっ?」

櫻子「さっきから落ち着かないでさ」

花子「いや……特になんでもないし」


櫻子「……花子ってそういうとこあるよねー」

花子「なにが」

櫻子「こころちゃんたちが来るの楽しみでソワソワしてるんでしょ? わかるよそんなの」

花子「なっ……!///」

櫻子「でもそういうの友達の前では見せないんだよねー。なんかそういうとこねーちゃんに似てるな」

花子「う、うるさいし!///」


櫻子「というかさ、昨日は突っ込まなかったんだけど、なんで花子って友達から様付けで呼ばれてるの……?」

花子「それは……花子にもよくわかんない……」

櫻子はこころと未来呼び捨てだった気がする



未来「やっほー!」

こころ「いただきまーす」

花子「それを言うならおじゃましまーすだし」


未来「お菓子いっぱいもってきたよー! プッキーといもチップスとー……」ガサガサ

花子「ありがとう」

こころ「こころも持ってきたよー。さきイカと、柿の種と、味ごのみとー……」ガサガサ

花子「なんであんたのは全部おつまみチックなんだし……」


未来「じゃあまずは何やる!? マリオパーティ5とかやる!?」

花子「なんでちょっと古めチョイス……じゃなくて! まずは未来の宿題をやるんだし。遊ぶのはそのあと!」

未来「えーだってどうせ今日お泊りなんだからいいじゃーん」

花子「いっぱい時間があるからこそ先にやることをやるんだし。全部終わらせろとは言わないから、できるだけ片付けちゃおう?」

未来「しょうがないなー花子様は……」

こころ「まったくわがままなんだから……」

花子「……こっちが善意で動いてるってことを忘れんなし?」

未来「すみませんでした」ゲザァ




未来「わり算の筆算どうやるんだっけ」

花子「ああもうそんな大事なの忘れるなし! ここをこうやって……」

未来「あーおもいだした!」カキカキ

花子「まったく……」

花子「…………」チラッ

こころ「ん、なにー?」

花子「い、いや、なんでも……」


こころ「花子様、こころの日記読みたいんでしょ」

花子「」ぷーっ

未来「わ! 花子様が口からオレンジジュース吹いた!」

こころ「ばっちーい」


花子「ば、ばかなこというなし! 別に気になってなんかないし!///」

こころ「顔に書いてあるよー」

花子「そ、そんな……///」

こころ「ちょっとなら読んでもいいよ?」

花子「別にいいし。やっぱりよく考えたら、書いたことが未来に起きるなんておかしいし。ひ・かがくてきだし!」

未来「えっ、私がなにー?」

花子「その未来じゃない!」


ピンポーン

花子「っ…………!」


未来「花子様、誰か来たよ?」

花子「う、うん」

こころ「…………」


ガチャ

花子「あっ……ひま姉」

向日葵「こんにちは花子ちゃん、約束通りのものをもってきましたわ」どーん

花子「プリン、こんなに……ありがとう」

楓「花子おねえちゃん、こんにちは」

花子「楓もいっしょに食べるし!」

楓「わーい♪」


向日葵「あら……誰か来てるんですの?」

花子「うん、花子の友達が」

向日葵「あらちょうどよかった。じゃあそれみなさんで分けてくださいな。少し作りすぎちゃったから……」

花子「うん!」


櫻子「おー向日葵来たか。あがれー」

向日葵「私、ちょっと櫻子のお部屋にいますわね。それ、ちゃんとバケツプリン用のバケツ使ってますから、底についてるキャップを外せばプッチンプリンみたいにできますわ」

花子「わかったし」

花子「プリンもらったよー」

未来「えっ、プリン!?///」


楓「あっ、はじめましてなの……///」

花子「この子はお隣さん。楓っていうし」

こころ「楓ちゃんよろしくねー」

楓「花子おねえちゃんのお友達?」

花子「こっちが未来で、こっちがこころだし」

未来「よろしくねー楓ちゃん♪」

楓「よろしくなの!」


花子「家で一番でっかいお皿じゃないと乗り切らないかもしれないし」

こころ「でかいねー」

未来「はやくはやくー!」

ぱちっ

花子「よいしょっ……と!」


ぷるーん


未来「うわーでかー!」

楓「ちゃんとかたまってるの!」

花子「スプーンはい。適当に取って食べてくれし」

花子(こんな量絶対花子一人じゃ食べられなかった……ひま姉はんぱない)

未来「うまうぃー♪」


こころ「楓ちゃん美味しい?」

楓「おいしいの!」

こころ「良かったね~」

花子(……ん……?)



花子「こ……こころ、楓と会うのは初めてだっけ……?」


こころ「そうだよー」

楓「こころおねえちゃん優しい人なの!」

こころ「ありがとー」ナデナデ



花子「じゃ、じゃあ……なんでこころは……」



花子(会ったこともない人の名前を日記に書けたんだし……!!?)


未来「花子様何ぼーっとしてるの? 全部たべちゃうよー」パクパクパクパク

花子「あ、こら!」



未来「花子様ー計算ドリルあと3ページやったらおしまいでいいー?」

花子「うん……とりあえず今日のところはそれくらいでいいよ」


こころ「楓ちゃん何やってるのー?」

楓「花子おねえちゃんに折り紙もらったの!」

こころ「こころ折り紙でRPG-7つくれるよー」

花子「嘘つけし……」

こころ「ほんとだよーここをこう折って……」せっせ


花子「…………」


花子「…………」そーっ


こころ「なにしてるの?」

花子「わー!?」びくっ

未来「あ! 花子様今何か取ろうとしてた!」

こころ「……日記?」

花子「あ……や、そ、そうだし! こころの日記がまた読みたくなったんだし」


こころ「…………」


こころ「だめー」

花子「え?」

こころ「見ちゃだめー」

花子「なんでだし! さっき読んでもいいよとかいってなかった!?」

こころ「さっきはよかったけど今はもう見ちゃだめー」

花子「いいじゃんか! みせろし!」グイグイ

こころ「引っ張っちゃだめー」ドゴォウン

花子「ぎゃー!!!」ぼかーん


楓「すごいの! 本当に折り紙でRPG-7ができたの!」

こころ「実用性にもすぐれるよー」

花子「意味わかんないし……」プスプス



櫻子「お風呂3人ではいっちゃえば?」

花子「ええっ?」

櫻子「花子と未来ちゃんとこころちゃん。ちっこいし、余裕で入れるでしょ」


未来「未来も花子様と一緒にはいりたいよ!」

こころ「こころもー」

花子「で、でも恥ずかしい……///」

未来「こういうときの『はだかのつきあい』も大事なんだよー?」

こころ「ほらほら脱いで花子様」

花子「わ、わかったからここで脱がせるなし!///」



未来「ジャンケスだよ!」

花子「なにそれ」

こころ「誰が先にシャワーを使うかをジャンケスで決めるの。ギーかチェキかペーをだしてね」

花子「ジャンケスってジャンケンのことかし……?」

未来「ちゃんと皆で声出し合ってやるのがジャンケスのルールだよ。いくよー!」


ジャーンケース……ポイ!

花子「あ、勝っ」

未来「ぶぇぇーーっくしょい!!」

こころ「わーーーっくしゅん!!!」

花子「わ! わ! なんだし!?」

未来「あー、くしゃみ出た。今の見てなかったからノーカンね」

こころ「こころも見てなかったからノーカンでいいよー」

花子「こらー!! せっかく勝ったのに!」

未来「もう一回だ!」

ジャーンケース……ポイ!


花子「あー花子だけ負けた……」

未来「っしゃ! っしゃ! こうなる運命だったんだねー」

こころ「トンダゴッサ!なるほど、運命ってやつだねー」

花子「何言ってんだし……もう順番なんてそんなに気にしないから早く入っちゃってよ」

こころ「私二番目でいいよー。未来ちゃん一番がいいんだよね?」

未来「わーいありがとー!」

花子「なんでそこ同意で決めた!? 花子だけ勝負に負けたみたいになってる!」ガーン




撫子(新しいシャンプー買ってきた)

撫子(あ、そういや花子の友達来てるんだっけ……)


撫子「櫻子、花子たちは?」

櫻子「今みんな風呂入ってるよー」

撫子「んじゃシャンプー差し入れてやるか」



撫子「花子ー、新しいシャン……」コンコン

「あっ、ああっ!♥︎」


撫子(…………!!)

未来「花子様えろーいー!」

こころ「声がえろーいー」

花子「やっ、やめろし!! お前らこれがしたくて花子のシャワー最後にしていたずらする準備してたのかし!?///」

未来「櫻子ねーちゃんから花子様の弱点も聞いてるぞー! こことかこことか……」

花子「にゃああああああああ!!」


撫子「あと花子はここも弱いよ」ぷにぷに

花子「ねっ、ねねねねーちゃん!? 何やってんだし!!///」

撫子「あ、新しいシャンプー差し入れで持ってきたんだよ。使って使って」かしょかしょ

花子「あーー! ちょっ! せっかく流すところだったのに!」

こころ「またあわあわだー」わしゃわしゃ



未来「あーごはんおいしかった!」

花子「あー今日は疲れた……」

こころ「花子様ー、寝るまで何するー?」

未来「マリパ5でもいいよ!」

花子「だからなんでそんな微妙に古いやつなんだし……まあいいけど」

こころ「未来ちゃん、途中で寝ないでね?」

未来「だいじょーぶだいじょーぶ! せっかく花子様とお泊りなんだもん! 今日は夜更かし30ターンだ!」


~5ターン目~

未来「ぐぅ……」すぴー

花子「ほーら……未来がすぐに寝ちゃうのわかってたし」

こころ「仕方ないからもう寝ようか。布団しくから待っててねー」

花子「ちょっ! それ花子の仕事!」



未来「うぅ~ん花子様……そっちはマグマだよ……」むにゃむにゃ

花子「どんな夢みてるし……こころももう寝る?」

こころ「いいよー」

花子「じゃあおやすみし」かちっ


こころ「ぐう……ぐう……」

花子「…………」


こころ「ねえ花子様……」

花子「なんで今わざとらしい寝たふりしたの」


こころ「明日はね、おうちの用事があるから花子様と遊んであげられないの……ごめんね」

花子「上から言うなし……別に毎日遊ばなくたって花子は大丈夫!」

こころ「わたし……もっと……ずっと……一緒に……」


こころ「…………すぅ……」


花子(……よし、寝た!)


花子(い、今のうちに日記を……!)こそこそ



花子(えーっと、確かここに入れてたし……)

花子(あ、あれ? 無い……)



こころ「どうして花子様はそんなに日記が見たいの?」

花子「うわあーっ!? あんた寝たんじゃなかったの!?」

こころ「ずっと寝たふりしかしてないよー」

花子「くぅ~~……! というかなんで日記抱いて寝てるし」

こころ「どうして日記が気になるの?」


花子「それは……だって……」



花子「こころの日記は普通じゃないし。書かれたことが完璧に起こる……魔法の予言書みたいなもんだし」


こころ「そんなのじゃないけど……」



こころ「じゃあもし予言書だったとしても、見なくていいんじゃないかなー」


花子「…………?」

こころ「これから起こることが全部わかってるって、すごくつまらないことだよ。そればっかり気になっちゃって、何も楽しいことがないの」


こころ「何が起こるかなんて、知らない方が楽しいよ?」


花子「…………!」


こころ「こころは、花子様に、楽しく過ごしてもらいたいなあって、いつも、思ってるよ……///」


花子「……わかったし。もう日記は見ない」


こころ「…………」


花子「こころ、ありがとう。こころたちのおかげで、花子は毎日すごく楽しいし……///」

こころ「……!」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

~数日後~


未来「やったー皆勤賞ー!!」

こころ「賞品の花火貰えてよかったね~」

花子「はあ……やっとこの鬼の体操地獄から抜け出せる……」


未来「じゃーねー花子様ー! 私これからお母さんとお出かけだからー!」

こころ「わたしも……じゃあねー」


花子「ばいばーい…………ふう」


花子(…………)

花子(夏休み……暇だし……)




花子「ただいまー」


櫻子「おー花子、良いタイミングじゃのう」

花子「は?」

櫻子「私これから向日葵と買い物行くから、ちゃんとお留守番しててねー」

花子「えっ?」


櫻子「ねーちゃんはまた夕方には帰ってくると思うし、家のことよろしくねー。あと楓はなんかお母さんとでかけたみたいだから、向日葵の家も誰もいなくなるんだって。心配しなくていーよー」


花子「…………」

櫻子「じゃねー」ぱたん


花子(ひ、ひとりだ……)

花子「なにしよう……」

花子(宿題は終わったし、お腹も減ってないし、お昼のテレビはつまらないし……)


花子「読書でもと思ったけど、家にある本は全部読んじゃったし……ん?」かたっ


花子「あ、こころの消しゴムだ……! この前のとき忘れてったんだ」

花子(…………)



『何が起こるかなんて、知らない方が楽しいよ?』


花子「こころ……」


花子(花子は……花子はこれから何をするの?)

花子(あの日記には……「花子様は家で何もせずにつまらない日を過ごしました」って書いたの……?」)


『こころは、花子様に、楽しく過ごしてもらいたいなあって、いつも思ってるよ……///』


花子(……そんなわけない。こころなら、もっと楽しいことをいっぱい書いてくれるはず!)


花子「何が起こるかなんてわからないけど……何が起こっても楽しい結果になるはずだし!」


花子(自分で動かなきゃ!)


花子「よーし! 出かけよう!」




花子(公園でもどこでも行ってやるし。楽しいことか待ってるんだから!)


花子「~♪」ぴょんぴょん

「おーう! そこのごきげんガール!」

花子「んわあああ!?///」


「スキップするのはいいけど、これ落としたよー」

花子「あ、ありがとうございますし……」

花子(む、無意識にスキップしてた……はずかしいし///)


「楽しそうだねー。でもなんで砂消しなんて持ち歩いてるの?」

花子「こっ、これにはっ、いろいろあって……!///」かああっ

「きょーこおねえちゃーん」とてとて

「あーごめんごめん」


花子「あれ……? まりちゃん?」

まり「あ、花子おねーちゃん!」

京子「あれまりちゃん、この子知ってるの?」

まり「楓ちゃんと一緒に遊んだときに来てくれたの……大室花子おねえちゃん」

京子「あーー!! ちっぱいちゃんの妹ちゃん!」

花子「ち、ちっぱ……!?」


京子「櫻子ちゃんのいっこ上の歳納京子だよーん。今日はまりちゃんとおやつを買いにきてるのだ」

まり「花子おねーちゃん、これあげる」がさがさ

花子「こっ、これは絵に描いたようなぺろぺろキャンディ……///」

京子「あーそれ、カービィに出てきそうな飴だなーと思って面白いから買ったんだ。いいでしょ」

花子(いいか……?)

京子「いやーいろいろ話したいことはあるんだけど、残念ながらアイスが溶けてしまうから帰らねば! またねー花子ちゃん」

まり「ばいばーい」

花子「じゃ、じゃあねー……」


花子(……ぺろぺろキャンディ をてにいれた)





「ねえみてあの子……あんな可愛いキャンディ持って……」

「わーかわいい……! ……なんか撫子に似てない?」ひそひそ

花子(こ、この飴を持ちながら歩くのは恥ずかしすぎる……はやくなんとかしなくちゃ!///)


花子(公園で一気に食べちゃおう)



あかり「~♪」

あかり(あっ、あれは……)


あかり「花子ちゃ~ん」ぱたぱた

花子「…………ん?」ばきっ がきっ

あかり「ヒィィ! あ、飴を噛み砕いてらっしゃる……」

花子「あっ、こっ、これには訳があって……!」もごもご

あかり「あ、あはは……食べ終わってからでいいよお」


あかり「そういえば花子ちゃんと初めて会ったのもこの公園の、ここのベンチだったねえ」

花子「そういえば……」ごりごり

あかり「花子ちゃん歯が強いんだねえ……」

花子「毎日牛乳飲んでるから……///」

花子(…………)


花子「あの、お姉さんに、ちょっと聞いてみたいことがあるし」

あかり「えっ?」


花子「あかりお姉さんは……」


花子「もし、自分が書いたことが現実に起きる日記があったとしたら、そこになんて書く?」


あかり「ふ、不思議なお話だねえ」

花子「うん……」

あかり「そうだなあ、それってつまり自分の願い事ってことだよね~」

花子「願い事……お金が降ってきてほしいとか?」

あかり「えっ、でも知らないお金はちゃんとおまわりさんに届けなきゃだし……」

花子(そ、それはそうだけど……)



あかり「あれえ、そう考えると意外と思いつかないなあ」



あかり「あかりはいつも通り、みんなと一緒に笑っていられたらそれで良いと思うかなあ♪」

花子(……!!)

あかり「ご、ごめんね? つまらない答えで……///」

花子「い、いや……」

花子(同じだ……こころと)


花子「……ありがとう。お姉さんが櫻子の友達で本当によかったし」

あかり「えっ、きゅ、急にどうしたのっ?///」

花子「なんでもない! それじゃ!」だっ

あかり「あっ……」

あかり(えへへ……花子ちゃんが笑ってくれると、あかりも嬉しくなるなあ)ぽわーん


花子(……あかりおねえさんと おはなしできた! ▼)

花子(ただなんとなく外に出てきただけなのに……次々と色んなことが起こるし……!)

花子(色んな人に会って……飴も貰って、お話も出来て……)

花子(こころのおかげだし)


花子「……そうだ!」



櫻子「向日葵ーこれおいしそー」

向日葵「どれどれ……? へえ、なかなかよさそうですわね」

櫻子「わー!レシピの本ばっか読んでたらお腹すくよー!」

向日葵「帰ったら何か作ってあげますから、もう少しだけ付き合ってくださる?」

櫻子「いいけどさー、私の読みたい本も買えたし」


「あ、櫻子!」

櫻子「うぇ?」

向日葵「あら、花子ちゃん」

櫻子「あれー? 留守番してたんじゃなかったの?」

花子「ちょっと色々あって出てきたんだし。ちょうどよかった、たぶん櫻子の方が先に帰ると思うし家の鍵渡しとくし」

櫻子「まったくもー。もし私と会えなかったら私家帰っても入れなかったじゃないか!」

向日葵「いやあなたどっちにしろうちに来るって言ってたじゃないの」

櫻子「まあまあ」


向日葵「ところで花子ちゃんは本屋さんになんの用ですの?」

花子「ちょっと、文房具とか買いに」

櫻子「えーそんだけ?」

花子「大事なことなんだし!」

向日葵「ちなみに何を買うんですの?」

花子「えっ……と…………メモとか、ペンとか」


向日葵「それじゃあ、欲しいものが決まったら持ってきてくださいな。花子ちゃんもうすぐ誕生日ですし、私からのプレゼントということで。もちろんちゃんとプレゼントとして用意してるものはありますけど……」

花子「えっ!?」


櫻子「えーずるい花子だけ!?」

向日葵「あなたはもう一ヶ月先でしょう。そっちもそれ用に考えてますから」

櫻子「ぶーぶー」

花子「あっ、で、でも……今から買うやつは花子が使うんじゃなくて、花子が友達に買ってやまやらってあげるやつだから……」

向日葵「あら、そうでしたか……じゃあまた今度ですわね」

櫻子「なんで? 別に買ってあげればいいじゃん」

向日葵「はあ……あなたはもう少し人の気持ちを考えられるようになりなさいな」

櫻子「???」


花子「じゃ、じゃあ花子はこれで」

向日葵「あっ、では花子ちゃんが帰ってくる頃までには、お菓子作っておきますわね」

花子「ありがとう!」

櫻子「じゃあの」


花子(……ひま姉は花子の誕生日もちゃんと覚えてくれてて、いっぱいお菓子作ってくれて……すごすぎるし)

花子(……花子もそんな風になりたい)



~こころ宅~

花子(こころの、わすれものです……あとこの日記帳も、つかってください……)カキカキ


花子(よし。これをポストにいれとけば……)

「う……うぅ……こほっ」ガチャッ


花子「……え?」

こころ「は、なこ……さま……」ふらふら


花子「えええええ!? こころ、何やってるし!? 出かけたんじゃなかったの!?」

こころ「うそ……きて、くれた……はなこさま……」ごほごほ

花子「うわーすっごい熱!! 朝はあんなに元気だったのに!」

こころ「あつい……あついよお……!」

花子(なっ、なんとかしなきゃ!!)



花子「ほら、ここで寝て。あんまり動いちゃだめだし」

こころ「ありがとう……」


花子「今つめたい水とか持ってくるから、おとなしく寝てて!」だっ

こころ「……はなこ、さま……///」



花子(こころは今日おでかけするって……今朝もあんなに元気だったのに!)

花子(水と、タオルと、着替えと……!)ばたばた



花子「ほら、水分とらなきゃ」

こころ「ありがとう……」こくこく


花子「こころ、おうちの人は? まさかこころを置いてお出かけに行っちゃったんじゃ……!」

こころ「ち、ちがうの……」



こころ「うそ、ついたの」


花子「嘘……?」



こころ「本当は、今日はっ、何もない普通の日……だけど、しんぱいかけちゃ、いけない、からぁっ……」ぽろぽろ

花子「な、泣かないで……!」

こころ「ほんとうに、なるって、わからなかったから、秘密っ、に、してた……お母さんたちは、お仕事行ったの……」ごほごほ

花子「落ち着いて……どういう意味かわかんな……あ!」

花子(日記!!)ばつ


花子(…………!!)ぺらぺら



[8 がつ 11 にち

かぜをひいてしまいました。くるしいです]



花子「なっ……なんでこんなこと書いたし!!」ばん

こころ「だっ、て、わたし、まいにち、たのしいこと、ばっかりだったから……」

こころ「ばちがあたる、と、おもったから……!けほっけほっ!」

花子「ばちなんか当たるわけないでしょ!! ど、どうしよう……!」

花子(そうだ!!)

花子「待っててねこころ! 今すぐに治してあげるしー!」ばっ


こころ(はなこ、さま……?)はぁはぁ



こころ(わたし、ほんとは、はなこさまにきてほしかった、けど、かかなかったんだよ……)


こころ(はなこさまに、げんきないとこ、みせたくなかったから……)


こころ(それなのに、きてくれた……)


こころ(やっぱり……はなこさまは……すご……い……)


ーーーーーー
ーーーー
ーー

こころ「う……ん……?」ぱちっ

花子「あ、起きた」

こころ「はなこ、さま……あれっ?」

花子「具合は大丈夫?」


こころ「へいき……もうなんともないよ……? ……あっ!!」



花子「砂消し、いっぱい使っちゃったし」てへへ


こころ(…………)ぺらっ



[8 がつ 11 にち

かぜをひいてしまいました。くるしいです

でも、花子さまがきて、助けてくれたので、すぐになおりました。

元気になったから、はなこさまが、あした一緒にあそんでくれるそうです。

今日もたのしい一日でした。]

花子「勝手に書いちゃったけど、悪く思わないでほしいし」

こころ「は、なこ、さま……!///」

花子「そこから先のページは、全部消しちゃった。明日からは、こっちの新しい日記帳に、起こったことだけを書いてほしいし」

こころ「……買ってくれたの?」


花子「えへへ……こころのためだし」

こころ(~~~~!)うるうる


こころ「花子さまぁ……!!///」だきっ


花子「こころのおかげで、色々気づけたよ」

花子「こころの言う通り、何がおきるかなんて、絶対にわからない方か楽しいと思った」

花子「だから明日からは、花子といっしょに楽しいこといっぱい見つけて、それを書こうよ。こころの日記を、世界一楽しい日記にしてあげるし!」


こころ「ありがと……ありがとう……///」

花子「こころ……」


花子「毎日楽しくたって、ばちなんか当たらないし。こころが楽しかったら、周りの人も楽しくなるんだから、もっと笑えた方がいい」


花子「こころが望むなら、毎日だって花子と一緒にいてもいいよ。花子も、嬉しいから……」


花子「だから、さ……」



花子「明日も一緒に、あそぼ?」


こころ「…………!」


花子「ほら、ゆびきり」

[8 がつ 11 にち



花子さまは、ほんとうにすごいひとです。

会いたいって心の中で思ってたら、ほんとうに来てくれたのです。

びょうきのわたしをすぐに助けてくれました。

そして、明日あそぶやくそくもしてくれました。

花子さまからもらったこの日記に、もっといっぱい楽しい思い出をかけるように、みんなと笑い合いたいです。

花子さまのことが、もっともっとすきになりました。

今日もすばらしい一日でした。]



花子「じゃあね、こころ。明日も来るね!」


こころ「ばいばい、花子さま……///」



花子「はぁ、一時はどうなることかと思ったし」


花子(今日は本当に色んなことがあった……)


花子(何が起こるかなんてわからなかったけど、外に出てみて正解だった)


花子(日記なんて本当は関係無かった。自分で動けば……絶対に楽しいことが待ってるんだ。こころに感謝だし)


花子「すっかり遅くなっちゃった。もうねーちゃんもとっくに帰ってきてるし早く帰らなきゃ…………ん?」


ワンワン!


「まってーーちびーー!」たたたた

花子「わっ! ちび!?」

未来「あれっ!? 花子様だ!」

みさき「なんでこんなとこにいるのよ」

花子「さっきまでこころの家にいたから……みさきちこそ、なんでちびの散歩してるし」

未来「偶然通りかかったのー。 そしたらちびが、みさきちになついちゃって」

みさき「みさきが動かないとちびも歩いてくれないのよ」

花子「ふーん……じゃあ一緒に未来の家まで帰らなきゃね」

未来「やったー! 今日の散歩は花子様も仲間になった!」

みさき「じゃあ新入りは隊の一番後ろにつくのよ! みさきが先頭だからね!」

花子(ちびの散歩なんだからみさきのパーティというより未来のパーティだし……)


花子「あ、そうだ」

花子「二人とも、明日こころの家に来て遊びに欲しいし」

未来「わーーい! いくいく!」

みさき「えー、みさきも?」

花子「花子はみさきちも来てくれると嬉しいけど」

みさき「はっ、はあっ!?///」ぼん


花子「友達は多い方が楽しいに決まってるし。ラジオ体操で貰った花火とかも、みんなでやろうよ」

未来「さっすが花子様! たのしそーう!」

みさき「しょうがないわね! 一緒に遊んであげるんだから!」

花子「ありがと、みんな!」

ちび「ワンワン!!」


花子(こころ……明日も絶対、楽しくなるよ!)

[8 がつ 11 にち



今日は、私の友達の、小川こころちゃんのことをここでしょうかいします。


こころちゃんは、いつも変わったことをして、私たちを笑わせてくれる子です。


ふしぎなことばかりしているから、今まで本当のこころちゃんが見えなかった気がしましたが、今日はその本当のこころちゃんに会えたような気がしました。


こころちゃんは、いつも周りの人のことを楽しませようとしてくれる、とてもすてきな “こころ” を持っている子でした。


こころちゃんの友達でいられて、わたしは本当にしあわせです。


わたしもこころちゃんみたいに、周りの人をいっぱい楽しませられるようになりたいなと、思いました。]

花子「ただいまー」


撫子「あっ花子、遅かったね」

櫻子「ほらほらー、櫻子様が超うまいごはんつくってやったぞー!」

向日葵「ほとんど私と撫子さんがやりましたけどね」

櫻子「こら! 少しは櫻子様に華を持たせなさい」

楓「お皿用意するの!」


花子(みんな……)


花子(花子は、本当に素敵な人たちに囲まれてるし……///)



撫子「今日友達から聞いたんだけどさ、なんかぺろぺろキャンディ持って町を歩いてたのって花子?」

花子「ええっ!?/// な、なんで知ってるの!?」

向日葵「あっ、そういえば赤座さんからもそんなようなメールが来ましたわ」

櫻子「あーきたきた。花子が公園でキャンディをバキバキ食べてたって」

花子(な、なんでこんなに知れ渡ってるんだし……)

楓「花子おねえちゃんかわいいの!」

撫子「うん、かわいいね」

櫻子「まったく花子はいつまでたっても子供っぽいなー!」にしし


花子「うっ、うるさいしーー!!///」



~fin~

お付き合いくださりありがとうございました。


大室家連載初期に書いたので、呼び方とか設定が不自然で申し訳ないです


またいつか、よろしくお願い致します。

乙!

面白かった!
乙!

おつ
小学生組可愛すぎる

乙!
すごく良かった!

>>74
ここ間違ってたごめん
花子様の誕生日は8/7だった


向日葵「それじゃあ、欲しいものが決まったら持ってきてくださいな。花子ちゃんこの前誕生日でしたし、私からの追加のプレゼントということで」


に修正してください

乙乙

乙!

よかったぞ
小学生組でここまでいいのそうないな

乙乙!

とても良かった
乙乙

素晴らしかった
花子様イケメソすぎる

こういう話を待ってた…

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