男「ここが俺に任された街か…」 (16)

人に紛れてひっそりと生き、
そして自らが生きるために人の生き血を啜る、
吸血鬼と呼ばれる存在。
そいつらを狩るのが彼の仕事だ。

男「ふーむ、見たところ平和そのものだが…」

男「まだ昼間だものな、夜まで部屋で待つか」

吸血鬼狩りを行う者は上層部より、
部屋と資金が与えられる。
生活には困らないというわけだ。

男「やれやれ、長旅は疲れるな…一眠りしよう」

―――

男「…ん」

男「夜か…時間は、0時過ぎ」

男「よし、行くか」

男「…ふむ」

男「怪しい奴はいないな、いや…」

そう簡単に姿を見せるほど奴らもバカじゃないということだ。

男「…人通りの少ないところから探すか」

ドンッ

女「あ、ごめんなさい!!」

男「いや、いい、気にするな…」

男「っ!(この女の瞳、赤い)」

吸血鬼はその特徴として赤い瞳、そして人より長い犬歯を持っている。

男「…見つけたぞ」

女「え?」

男「お前もわかってるだろ?俺は吸血鬼を狩る者だ」

女「えっ!?!?!?」

女「あ、いや、その…わ、私、殺されちゃうんですか?」

男「ここが俺に任された街か…」

エリアマネージャー「ノルマ未達成やとパートに降格やからな」

つまんね

男「よくわかってるようだな」

女「あ、あはは…そうですよね」

男「逃げる気はないのか?」

女「見てわかりますもん、逃げても無駄だなーって」

男「…ほう、なかなか潔いな」

女「あ、あの、その前に友達と親にお別れの連絡していいですか?」

男「は?」

女「いきなり私がいなくなったら、捜索とか無駄にしちゃうと思うし…」

男「な、何言ってるんだお前は…?」

男「…(めちゃくちゃ調子狂う…)」

>>5
とか言いながら読んでくれる何てツンデレか、俺がんばっちゃうよー!

女「じゃ、ちょっと待っててください!」

男「あ、ああ…」



女「お待たせしました!」

女「あ、ここだと人多いですし場所変えません?」

男「…いいだろう」

――河原

女「ここなら多分、誰も見てないですよ」

男「うーむ」

女「あ、その前に血飲んでいいですか?」

男「は?俺のをか?」

女「何言ってるんですか、ダメですよ生きた人の血を吸ったら」

ガサゴソ

男「輸血パック…?」

女「はい!これ結構いけます」ゴクゴク

男「…なあ」

女「はひ?」

男「お前、人間捕まえて血を吸ったりしないのか?」

女「え、そんなことしちゃダメです!そりゃ、一部の方々にはそういうのもいますけど…」

男「えぇ…」

女「だから―…」ズシャッ

女「あうっ…ぐ…!?」

男「あ、おい!?」

白髪の男性「お前か、生き血を飲まぬ欠陥品は」

女「あ…あっ…ゲホッゲホッ」

男「お前…!」

男「…(こいつも目が赤い?吸血鬼なのか?だが…何故仲間を?)」

白髪の男性「何故、仲間を刺したのか」

男「っ!」

白髪の男性「こいつは吸血鬼と言っても欠陥品でな、人間に情が湧いた馬鹿な奴だよ」

白髪の男性「吸血鬼の恥だ、死んでもらわねば」

ガキィンッ

白髪の男性「なにっ!?」

男「残念だが、俺は吸血鬼狩りが仕事でな」

白髪の男性「なっ…貴様…!」

男「死ね」

ズバァッ

白髪の男性「チッ…」バサァッ

男「翼!?」

白髪の男性「今日のところは見逃してやる…クッ」バサァッバサァッ

男「…完全に下っ端丸出しの台詞じゃねえか」

男「おい、大丈夫か!!」

女「あ…あが…」パクパク

男「なんだ?おい!」

女「血ィッ!!ガブッ

男「し、しまっ…」

女「…」ゴクンゴクン

男「こいつ!!」ドゴxッ

女「がぁっ…」

女「あ、あ…」

男「やはりこいつも」ジャキッ

女「ご、ごめんなさい…ああ…あああああ!!」

女「うわあああああああああん」

男「え?」

女「うわあああああああああん」

男「お、おい…」

女「生きてる人の血飲んじゃったよぉぉぉ」

男「…落ち着けって」

女「殺しちゃったよおおおおお」

男「っ!?」

女「うわあああああああああん」

男「生きてるぞ」

女「うわっ…?あ、あ、あああ、お化けええええええ!!」

男「」

―――男の部屋

女「…すぅすぅ」

男「何で俺はこいつを連れてきたんだ…」

男「…妙な奴だな」

―そして夜が明けた!

女「…うーん」

男「目が覚めたか」

女「えっ?あ、あの…私」

男「なんか知らんが殺しにくくなってな」

女「…良かったぁ、私が殺しちゃったかと思って」

男「え?」

女「昨日、血飲んじゃいましたよね無理矢理」

女「吸血鬼って瀕死になると一気に身体を蘇生させようとするんです」

女「その際に大量の血が必要で…理性もとぎれとぎれで…」

女「ごめんなさい!無理矢理に血を吸うなんてレイプと一緒です」

女「私のことは強姦魔とか呼んでもいいです!」

男「…調子狂いっ放しだ」

女「…でもどうしよう」

男「ん?」

女「親と友達に今生の別れをしてしまいました」

男「…あ、そういえば連絡したんだっけか」

男「何て説明したんだ?」

女「海外へ旅に出ます。捜さないでください。と」

男「」

女「なので帰るのもちょっと…」

女「あ、ここにいていいですか!?」

男「何でそうなる、大体な俺はお前の敵だぞ?」

女「…邪魔ですか?」

男「…む」

女「邪魔なら…殺してくれてもいいですよ」

男「ダメだ…お前はなんか調子が狂うな」

男「ここにいていいぞ、ただし妙なことをすれば殺す」

男「…(本部になんて連絡しよう…)」

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