のあ「……どうしたの、大声を出して」

仁奈「どうしたもこうしたもねーですよ！　どうして事務所にお馬さんが……はっ！」

のあ「？」

仁奈「まさか……幸子おねーさん！？」

のあ「…………！？」

――――高峯回想中――――
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塩見周子『そういえばこの前さ、幸子ちゃんのフフーンがヒヒーンになってて驚いたよ』

堀裕子『へ？　なんですかそれ？』

周子『あー、やっぱそういう反応になるよね』

荒木比奈『周子ちゃん、さっきから人が来るたびにそれ言ってまスね』

周子『だってみんなの反応が面白くってさー』

裕子『フフーンがヒヒーンってなんなんですか！？　馬か何かなんですか！？』

周子『一緒にいた仁奈ちゃんも凄く驚いてて』

裕子『周子さんってばぁ！』


のあ（幸子が……馬？）

――――回想終了――――


のあ（…………！）

のあ「よく分かったわね」

仁奈「や、やっぱりそうでやがりましたか……」

馬「ヒヒーン！」

仁奈「うう、幸子おねーさん……とうとうお馬さんになっちまって……」

のあ「……」

ｶﾞﾁｬ

周子「うわ、事務所に馬が」

のあ「……！」

のあ「……周子、これは」

仁奈「周子おねーさん！　幸子おねーさんが……幸子おねーさんがお馬さんになりやがってしまいました！」

周子「え、そうなののあさん？」

のあ「……」ﾌﾙﾌﾙ

周子「……」ﾋﾟｰﾝ！

馬「……」ﾎﾟｸﾎﾟｸ

周子「……」ﾆﾔｧ

周子「…………幸子ちゃん！」ﾀﾞｷｯ

のあ「！？」

周子「幸子ちゃん、ホンマに馬になってまうなんて……」

馬「ブルルルル」

のあ「……周子」

周子「そうや、メンコどこに置いてるん？　持ってきてあげるから」

馬「ヒヒーン！」

のあ「…………周子」

仁奈「絶対誰も乗せないって言ってたのに……うっうっ」

のあ（……………………どうしよう）

周子「のあさん、とりあえず幸子ちゃんから降りてあげよう？」

のあ（周子……！）ｷﾞﾘｯ

のあ「…………そうね」

ｶﾞﾁｬ

輿水幸子「おはようございます！　今日もカワイイボクが来ましたよ！」

のあ「！」

周子「！」

仁奈「幸子おねーさんが二人！？」

幸子「へ！？」

――――高峯回想中・ガンスリンガージャーニー公演前――――
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仔馬「……」

仁奈「わぁーっ！　お馬さんでごぜーます！　乗っていいでごぜーますか！？」

的場梨沙「まあいいんじゃない？」

仁奈「ひひーん、どうどう♪」ﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯ

のあ（……次は、私も……）ｳｽﾞｳｽﾞ

梨沙「仁奈みたいに小さい子なら大丈夫だけど、志希やのあみたいみたいに大きいと乗れないわね」

のあ（！！！）ｶﾞｰﾝ

のあ（……結局馬に乗ることは叶わず……）

ｶﾞﾁｬ

馬「ブルルルルル」

のあ「！？」

のあ「……事務所に、馬……？」ｿﾜｿﾜ

のあ（何故……？　いや）

のあ（…………乗るなら、今か）


馬「……」

のあ「……………………ふふ」ﾎﾟｸﾎﾟｸ

ｶﾞﾁｬ

のあ「！」

仁奈「おはよーごぜーま……」

――――回想終了――――


幸子「つまり、馬に乗ってはしゃいでいたところを誤魔化そうとしたら勢いに流されて収拾がつかなくなった、と？」

のあ「……そういうこと」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

周子「いたたたたたい！　のあさんアイアンクローはアカンて！　悪乗りしたのは謝るから！」

仁奈「幸子おねーさんが幸子おねーさんのままで本当によかったですよ……」

のあ「……ごめんなさい、仁奈。貴女を騙すような事をしてしまって」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

周子「ぐわああああああ！」

幸子「のあさん、馬から降りないんですか？」

のあ「まだよ」

幸子「そもそもボクが馬になったらもっとカワイイですよ。元がこんなにカワイイんですから」ﾋﾋｰﾝ!

のあ「あっ」

仁奈「あっ」

周子「あっ」

幸子「あっ」

馬「フフーン！」

幸子「ああっ！？」