ことり「ほのうみを育てよう!」 (69)

絵里「穂乃果と海未をくっつけたい?」

ことり「そうなの」サワサワ

絵里「そ、それはまたどうして?」

ことり「えー?だって絵里ちゃんは思わない?」

ことり「幼なじみとして、早く二人が結ばれて欲しいって…」サラサラ

絵里「ま、まあ確かにあの子達は多分両思いだろうし…私は応援してるけど…」

絵里「でも、それは当人達の問題で、私たちが関わる事ではないわ」

ことり「でもさぁ…」ギュッギュッ

ことり「あの二人を見てたら……じれったくて仕方ないんだよね」キュッ

絵里「まぁね…」

絵里「というか、ことり…」

絵里「さっきから人の髪を弄りまくって何を…」

ことり「できた!にこちゃんと同じツインテール!」

ことり「やーん!絵里ちゃん、かわいい!」


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絵里「ツインテール!?」

ことり「はいっ!鏡!」

絵里「うわっ…何よこれ…」

ことり「とっても可愛いよ!」

絵里「これじゃあ、私がかしこくない人みたいに見えるわ!」

ことり「かしこくは見えないけど、とにかく可愛い!」

ことり「今日はこのままね!」

絵里「ええっ!?嫌よ!」

ことり「おねがぃ」

絵里「うっ…わかったわよ…」

絵里「それで?」

ことり「そうそう、あの二人…きっとこのままじゃ何も進展しないよ?」

絵里「どうしてそんなことがわかるのよ」

ことり「だって二人とも超がつくほどの鈍感だし」

ことり「きっとキューピッド役がいないと…」

絵里「まあ、そうかもね…」

絵里「でも、どうするのよ」

ことり「それなんだけど…」

ことり「まず!ダブルデート作戦!」

絵里「は?ダブルデート?」

ことり「穂乃果ちゃんと海未ちゃんと~」

ことり「ことりと絵里ちゃんでデートするの!」

絵里「いや、私たちがデートする必要ある?」

ことり「もちろん!」

ことり「二人に正しいデートさせるには私たちがフォローしてあげる必要があるの!」

ことり「だから側で二人を見守っててあげよう」

絵里「??」

絵里「何だかよくわからないわ…」

ことり「絵里ちゃんはことりと只デートするだけでいいんだよ~」

ことり「そうと決まったら、穂乃果ちゃんと海未ちゃんに知らせて…」

ことり「当日着るのお洋服を選びにいこっか?」

絵里「え?」

ことり「ほら、いこ!」グイッ

絵里「ちょっと!引っ張らないで!」

ことり「ほんと、絵里ちゃんは着せ替えがいがあるなぁ…」

デート日

海未「あ、穂乃果」

穂乃果「あれ?海未ちゃん」

海未「私はことりと絵里に一緒に遊ぼうと、呼ばれたんですが…」

海未「穂乃果もでしたか」

穂乃果「そうだよ!海未ちゃんも一緒なんだ!」

穂乃果「嬉しいな…」ボソッ

海未「えっ?何か言いました?」

穂乃果「な、なんでもないよ!」


ことり「おーい!まったー?」

グイグイ

絵里「ちょ!まって!ことり!」

海未「おはようございます。ことり…」

海未「…と、絵里ですか」

海未「今日は何時もと違う髪型ですね」

穂乃果「本当!ことりちゃんとお揃いだね!」

ことり「可愛いでしょー!」

ことり「ことりがやったんだよ!」

絵里「凄く早くから呼び出されたと思ったら…」

ことり「やっぱり絵里ちゃんは何でも似合う!」ギュッ

ことり「皆、いこっか!」

穂乃果「えーっと…ことりちゃん」

ことり「なあに?」

穂乃果「まずどこへいくの?」

ことり「最初はね~」

ことり「ことりと言えばここ!っていうところだよ!」

海未「ことりと言えば?」

絵里「メイド喫茶かしら?」

ことり「正解!」

ことり「さすが絵里ちゃん!」ギュッ

ことり「ことりの事よくわかってる!」

絵里「あ、ありがとう」


・・・・

メイド「おかえりなさいませ!ご主人様!」

海未「たっ、ただいま帰りました!」

穂乃果「海未ちゃん、それ別に言わなくていいんだよ?」

海未「えっ…」

海未「やっぱり…慣れませんね…」

穂乃果「じゃあ穂乃果がエスコートしてあげる!」

穂乃果「はい、ここ座って!」

海未「あ、ありがとう…穂乃果」

穂乃果「ことりちゃんと絵里ちゃんも~!」

穂乃果「ん?」

穂乃果「あれ?いない?」

海未「店に入るまではいたのですが…」


・・・・

事務室

絵里「ちょっと!ことり!こんなところまで引っ張って…どういう…」

ことり「これ、着てみて!」

絵里「ええっ…これは…メイド服?」

ことり「うん!」

ことり「もう一度、これを絵里ちゃんに着せたかったんだぁ…」

絵里「そのために、この店に来たの…」

ことり「そういうわけでもないけど…」

ことり「とにかく着て?」

絵里「うっ…」

絵里「わかったわよ…」

絵里(昔からだけど…この子に頼まれるとほんと弱いわ…)

ことり「やった!」


絵里「はい、着たけど…」

ことり「かわいいー!!」

絵里「というか勝手に着て大丈夫なの?」

ことり「大丈夫だよ!店長さんいい人だし!」

ことり「とっても似合ってる!可愛い!絵里ちゃん!」

絵里「ことりって結構無茶苦茶なのね…」

ことり「そうかなぁ…」

ことり「はっ!」

ことり「穂乃果ちゃん達ほったらかしだった!」

ことり「早くいこ!」

絵里「えっ…この格好で…?」

ことり「もちろん!」グイッ

穂乃果「う~」

穂乃果「ことりちゃん達どこいっちゃったの?」

海未「困りましたね…」

穂乃果「探しに行こうかなあ?」

海未「ここで待ってる方がいいでしょう」

海未「何か注文して待ってましょう?」

穂乃果「そうだね…」

穂乃果「すいませーん!メイドさーん!」

『はいはーい!』

穂乃果「注文を…」

穂乃果「って!ことりちゃん!?」

ことり「お待たせ~」

海未「お待たせじゃありません!」

海未「一体どこへ…」

絵里「お、お待たせしました…」

絵里「カップルジュースです…」コトッ

穂乃果「!」

海未「こ、これは何ですか…?」

海未「たのんでないですよ?」

ことり「スペシャルサービスですっ!」

ことり「今から見本を見せるから、こんな感じで飲んでね!」

穂乃果「?」

ことり「はい、絵里ちゃん」

絵里「えっ?」

ことり「見本を見せるよ」

絵里「えええええええ!?」

絵里「私とことりで!?」

ことり「当たり前じゃん、他に誰がいるの?」

絵里「えっ…えっ…」

ことり「そっちのストローくわえて?」

ことり「早く~」

絵里「わ、わかったわ…」

絵里「……」カプッ

ことり「ふふっ、ことりも…」カプッ

絵里「…////」

絵里(顔が…近い…)

穂乃果「はわわわ…」

海未「…」ゴクッ

ことり「…」チュー

絵里「………」ドキドキ バクバク

絵里(ダメ…ことりの綺麗な目が…)

絵里(顔も近いし…息だって…)

絵里(まさか…年下の女の子にこんなにドキドキさせらせるなんて…)

絵里(それも幼なじみに…)



ことり「…ぷはっ」

ことり「こんな感じに!」

絵里「はぁ…はぁ…//////」

海未(これを今から穂乃果と、これを今から穂乃果と、これを今から穂乃果と…////)

穂乃果「こ、これをやればいいんだね…」

穂乃果「やるよ…!」

海未「ほ、穂乃果」

穂乃果「せっかくことりちゃん達が用意してくれたんだし…やらないと!」

穂乃果「それとも…穂乃果とじゃイヤ?」

海未「そんな!」ブンブン

海未「そんなことは絶対にありえません!」カプッ

穂乃果「!」

穂乃果「穂乃果も…」カプッ

海未「…」ドキドキ

海未(近い…穂乃果の顔が…)

穂乃果「…」チュー

穂乃果(海未ちゃん…綺麗…)

穂乃果(目も…吸い込まれそうなくらい…)ドキドキ

海未(ダメです…いつかの公園の時のように…吸い込まれて…)

海未(キス…してしまいそう…)

海未(穂乃果の胸の鼓動が聞こえてくる…)

穂乃果(海未ちゃんのドキドキが聞こえてくる…っていうことは穂乃果のドキドキも…)

海未(ああ…)

海未(穂乃果って…)

穂乃果(海未ちゃんって…)

ほのうみ(世界で一番綺麗な女の子なんじゃないかな…)

ズズッ

穂乃果「ごほっ!はぁ…はぁ…」

海未「けほっ!けほっ!」

ことり「二人とも…息するの忘れてたみたい」ボソッ

絵里「え、ええ…」ボソッ

穂乃果「…////」

海未「…////」

海未(もう穂乃果の顔見れません…)


ことり「結構いい感じだね」ヒソヒソ

絵里「ええ」ヒソヒソ

ことり「それじゃあ移動しようか」

穂乃果「う、うん」

海未「そ、そうですね。ジュースたくさん飲みましたし…」

絵里「次は何処へいくつもりなの?」

ことり「次は、あそこかな~」


・・・・

穂乃果「クレープ屋さんかー」

絵里「ことりにしてはあんまり捻りがないんじゃない?」ヒソヒソ

ことり「ふふふ、根回しは完璧だよ」ヒソヒソ

海未「穂乃果はどれにします?」

穂乃果「うーん、そうだね~」

穂乃果「イチゴは入れたいなぁ」

海未「私は黒蜜を入れたいですね」

クレープ屋さん「すいません、ただいま材料が残り二つ分程しか残ってなくて…」

絵里「!」

穂乃果「えっ…」

ことり「それじゃあ、穂乃果ちゃんと海未ちゃんで一つ」

ことり「ことりと絵里ちゃんで一つでいいんじゃない?」

絵里「そ、そうね!」

穂乃果「!」

海未「し、仕方ないですね。材料がないんじゃあ…」

穂乃果「そうだね…」

穂乃果「じゃあ、イチゴと黒蜜のトッピングのを一つ…」

ことり「レアチーズケーキとチョコソースのを一つください!」

クレープ屋さん「はいよー」

穂乃果「おいしそう…」

海未「ですね」

穂乃果「でも二人で一つだなんてどうやって食べる?」

海未「少しはしたないですが、両端からかじりますか」

ことり「それがいいよ!」

ことり「ことりたちも、絵里ちゃん!」

ことり「はい、そっち側かじって?」

絵里「わ、わかったわ」

絵里「はむっ…」カプ

ことり「じゃあことりも…」カプッ

絵里「ん~~!!??」

ことり「ふふー」ニコッ

穂乃果「ことりちゃん!?」

海未「ああああ!!」

海未「二人とも!顔が…!」

絵里「~~////」

ことり「ふふ、美味しいね!絵里ちゃん」

穂乃果「何も二人いっぺんにかじらなくても!」

ことり「わかってないなー、穂乃果ちゃん」

ことり「クレープは作りたてを食べないと…」

穂乃果「???」

ことり「ね?」

海未「…そうですね」

穂乃果「えっ…」

海未「美味しく食べないと…失礼ですから」

穂乃果「海未ちゃん!?」

海未「嫌…ですか?」

穂乃果「!」

穂乃果「そんなこと…ないけど」

海未「なら…はむっ…」カプ

穂乃果「……」ドキドキ

穂乃果「いただきます…んっ… 」カプッ

海未「んんんーーー!」

穂乃果「ど、どうしたの!?」

海未「な、なんでも!」

海未(近い近い近い近いです!)

穂乃果(はぅ…また海未ちゃんの顔が…)

ことり「ふふっ…」ニヤニヤ



ことり「クレープ美味しかったねー」

穂乃果「そ、そうだね~」

穂乃果(今日は何だか…海未ちゃんと近いなぁ…)

穂乃果(…嬉しいかも)


海未(今日は穂乃果と…)


絵里(ことり…)

絵里(あの…小悪魔め)

絵里(ピュアピュアなふりして…私を惑わす…)

絵里(いつまで耐えられるかしら…)

絵里(正直穂乃果たちの事に構ってあげるどころじゃないわ…)

・・・・



穂乃果「ことりちゃん、今日は誘ってくれてありがとう」

海未「私も…とても楽しかったです」

ことり「うん!また、遊ぼうね!」

絵里(……)

ことり「絵里ちゃんも!」

絵里「えっ!あっ!ええ…」

穂乃果「?」

絵里「じゃ、じゃあ!私は!」タタッ

穂乃果「あっ!絵里ちゃん!」

ことり「二人とも!ばいばい!」

ことり「ことり、寄るところがあるから」

海未「わ、わかりました…」

穂乃果「ばいば~い!」

ことり「ばいば~い!」

穂乃果「海未ちゃん、帰ろっか?」

海未「そうですね」

穂乃果「うちに寄ってく?」

穂乃果「一緒におしるこ食べようよ」

海未「はい!」


絵里「はぁ…はぁ…」

ことり「絵里ちゃん!」

絵里「あっ!?ことり!」

ことり「何で先に帰っちゃうの?」

ことり「穂乃果ちゃんたちは二人きりで帰すつもりだったでしょ?」

ことり「絵里ちゃんが先に帰っちゃったら、ことりがさみしいよ」

絵里「ご、ごめんなさい」

絵里「そ、その…なんというの…」

ことり「?」

絵里「そ、率直に聞くわ!」

絵里「最近、妙にことりがその…えっと…」

ことり「ふふふ、率直に聞くんじゃなかったの?」ギュッ

絵里「…!」

ことり「今日は一緒に帰ろ?」

ことり「ことりと二人で帰る事なんて、あんまり無いでしょ?」

絵里「そ、そうね…帰りましょう」

ことり「やった…」

ことり「本当はね、昔からずっと絵里ちゃんと帰りたいって思ってたんだよ」

絵里「そうなの」

絵里(可愛い後輩が私と帰りたいって言ってくれてる…)

絵里(悪い気はしないわね)

絵里(この子は確か一人っ子…お姉ちゃんとか、年上の人に甘えたいのね…)

絵里(ふふっ、可愛い妹分ね…)

絵里「これからもたまに一緒に帰りましょうね」

ことり「…!」

ことり(絵里ちゃんのほうから…!嬉しいっ!)

ことり「ありがとう!」ダキッ

絵里「ふふっ、可愛いわね」ナデナデ

絵里「ていうか誰かと二人きりで帰るなんて久しぶりよ」

ことり「そうなの?」

絵里「たいてい一人か…穂乃果たちとだし…」

ことり「三年生の人とは?」

絵里「生徒会があるからね…クラスの友達とはなかなか…」

絵里「希と帰ったこともあるけど…」

絵里「あの子…最近また何か怪しい会報作ってるみたいで…」

ことり「そうなんだ…」

ことり「じゃあ、この立ち位置はことりだけのもの!」ガシッ

絵里(可愛い…)

絵里(ことりは二年でも一二を争うほどの美少女…)

絵里(こんなにくっつかれちゃ…ドキドキしちゃうわ)

絵里(ううん!)ブンブン

絵里(ことりは大事な後輩!妹分!)

絵里(勘違いしちゃダメよ…絵里)

絵里「そ、そう言えば…」

ことり「ん?」

絵里「こうやって年下の子と帰ると…小学校の時の縦割りを思い出すわ」

ことり「縦割り?」

絵里「そう」

絵里「私は凛と一緒だったのよ」

ことり「へぇ…」

絵里「あの子…何時も放って置けないくらいおっちょこちょいで…」

絵里「よく手を繋いであげてたわ」

絵里「最近また凛と、深く交流を持つようになったけど…」

絵里「全然変わって無くてビックリしちゃったわ、ふふふ」

絵里「でも何故か変わらない凛を見て安心しちゃったんだけど」

ことり「そう…」

絵里「?」

ことり「…」ムスッ

絵里「ことり?どうかしたの?」

ことり「何でもないよ!」

ことり(やっぱり…まだ…駄目かな)

・・・・

穂乃果「はいっ、どうぞ!」

海未「ありがとうございます」

海未「穂乃果の家のお汁粉…大好きです」

穂乃果「ふふっ、嬉しいな」

穂乃果「あのね…今日、楽しかったよ」

海未「えっ…あっ…私もですよ」

穂乃果「…/////」

穂乃果(思い出しちゃった…)

穂乃果(ジュースにクレープ、他にも…)

海未「/////」

海未(今日は…穂乃果がとても近くて…)

海未(ずっと胸が高まってて…)

海未(穂乃果は…平気なんでしょうね)

海未(鈍感な人だから…)

海未(ずるいです…)


穂乃果(穂乃果ばっかり、ドキドキしてて…海未ちゃん…)

穂乃果(穂乃果の気持ち…気づいてよ)

穂乃果(いや、気持ちは伝えなきゃ…)

穂乃果「あのね…海未ちゃん」

海未「はい…!」

穂乃果「穂乃果…えっと」

穂乃果「えっと…その…あの」

穂乃果(駄目だ…言えない…)

穂乃果(何時もなら無神経な位に何でも言えちゃうのに…)

海未「な、なんですか?」

穂乃果「あっ!」

穂乃果「こ、ことりちゃん!の事なんだけど…」

海未「ことり?」

穂乃果「ことりちゃんと絵里ちゃん…」

海未「ああ…穂乃果もそう思いますか」

穂乃果「やっぱり?」

海未「はい」

海未「きっとことりは絵里の事が好き…なんでしょうね」

穂乃果「うん」

穂乃果「昔から、絵里ちゃんに憧れてる…みたいな事を言ってたもんね」

海未「ええ」

海未「ことりは私たちより少し大人びていますし…」

穂乃果「年上のお姉さん…絵里ちゃんにずっと憧れてるって」

海未「あと、あの綺麗な金髪を触りたいとも言ってました」

穂乃果「ふふっ、ことりちゃんらしい…」

海未「そうですね」

穂乃果「穂乃果たちで二人の事、応援してあげようね!」

海未「はい!」

海未(まったく…穂乃果には困ったものですね…)

穂乃果(海未ちゃん…)

海未(ことりの気持ちはわかる癖に…私の思いはわかってくれない)

穂乃果(穂乃果の気持ちに気づかない鈍感の癖に…ことりちゃんの気持ちはわかるんだ)

穂乃果「はぁ…」

海未「はぁ…」


・・・・

後日

穂乃果「でさ~、雪穂がまたさぁ…」テクテク

海未「うふふ、それは穂乃果が…」テクテク


ことり「来た…」コソッ

ポイッ


穂乃果「もう、参っちゃうよね~」

ブニュ

穂乃果「ぬわぁ!!」ツルッ

海未「きゃっ!」ドン

バタッ

穂乃果「あいてて…転んじゃった…」

穂乃果「海未ちゃん、大丈夫?ごめんね…」

モニュ

穂乃果「ん?」

ムニュ ムニュ

穂乃果「あっ…」

海未「ほ、穂乃果…」

海未「手を…除けて…ください」

穂乃果「ご、ごめん!」パッ

海未「い、いえ…////」

穂乃果「/////」


ことり「よーし、大成功…!」コソッ


希「なんや、ベッタベッタな事しとるなぁ…」

穂乃果「!」

海未「希!」

希「でも二人には少々ベタな位が似合ってるで~」ケラケラ

海未「なっ…一体なんの話を!?」

希「偶然通りかかって二人を見つけたと思ったら、何や面白いことになってるし」

希「二人とも顔赤くして、かわいかったで~」

希「ラブコメもええけど、ケガはせんようにね~」テクテク

穂乃果「…!」

海未「希!」

穂乃果「行っちゃった…」

海未「何だったのでしょうか…」

穂乃果「…」


ことり「おお・・希ちゃん、ナイスアシスト…」

絵里「希に協力を頼んだの?」

ことり「あっ、絵里ちゃん」

絵里「アシストとか言ってたけど…」

ことり「いや、希ちゃんはたまたま通りかかっただけだよ」

ことり「だから、少しヒヤヒヤしちゃった」

絵里「まあ、希は少しおちゃらけた所があるから…」

絵里「あの場面では、ちょうどいい対応をするわよね」

ことり「うん!」

絵里「だったらさ」

ことり「え?」

絵里「希に…本格的に協力を頼んだらいいんじゃない?」

絵里「あの子ならきっと面白そうな事なら喜んで協力してくれるはずよ」

絵里「そうよ!希だけと言わず、にこや凛や花陽にも…」

ことり「…」

絵里「ことり?」

ことり「あっ」

ことり「う、うん」

ことり「そうだよね、考えてみるよ」

絵里「それがいいわ」

絵里「ことりが何故わたしに協力を仰いだのか、まだわからないけど…」

絵里「きっと、他の子たちの方が私よりきっと役にたつわよ」

ことり「…」

ことり「もう、戻るよ…」

絵里「えっ、ええ…」

ことり「じゃあね、また後で」

絵里「じゃあね…」

絵里「…」

絵里(??)

絵里(本当にことりがわからないわ…)

絵里(穂乃果たちを応援するっていうから…)

絵里(他の子に協力してもらうように言っただけなのに…)

絵里(機嫌悪くしちゃって…)

絵里(それに最近)

絵里(凄く甘えてくるし…)

絵里(あれじゃ、勘違いしちゃうじゃない)

絵里(ダメなんだから…)


絵里「はぁ…」

絵里「困ったわ…」

穂乃果「何が?」

絵里「それがね、ことりが…」

絵里「…えっ?」

海未「ことりが?」

絵里「穂乃果!海未!」ビクッ

海未「そんなに驚かなくても…」

絵里「いつの間に…」

穂乃果「絵里ちゃんが何か一人でボケーっとしてるから」

穂乃果「ね?」

海未「はい」

絵里「そ、そう」

穂乃果「それで…」

穂乃果「ことりちゃんがどうしたの?」

絵里「えっ…」

絵里「な、何でもないわ!」

海未「何でもないわけないでしょう」

海未「困ったわ…とか言ってたじゃないですか」

絵里「えっ…ううっ」

穂乃果「言って!絵里ちゃんの力になりたいの!」

絵里「そ、その…ことりが…」

絵里「今、とある理由でことりと行動することが多いんだけど…」

穂乃果(とある理由?衣装のことかな?)

絵里「さっきも一緒に行動してて…話してたんだけど」

絵里「突然、機嫌を損ねちゃって…」

穂乃果「…」

海未「絵里…もしかして」

海未「話の途中で他の子の名前を出したり…しました?」

絵里「わかるの!?」

海未「あっ…」

海未(この人ダメですね…)

絵里「あと、凄く…甘えてきて」

穂乃果「うん」

絵里「ほら!ことりって凄く可愛いじゃない?」

穂乃果「う、うん」

絵里「べたべたくっつかれると…緊張するというか…」

絵里「辛抱出来ないというか…」

海未(少なくとも…ことりの事、少しは意識しているようですね)

穂乃果「ねぇ、それってさぁ」

穂乃果「絵里ちゃん、ことりちゃんの事…好きなんじゃないの?」

絵里「はぁ!?」

海未「穂乃果!」

絵里「無いわよ!」

穂乃果「どうして?」

絵里「だって!幼なじみだし!」

穂乃果「!」ズキッ

海未「!」ズキッ

絵里「あっ…」

穂乃果「…お」

穂乃果「お、幼なじみとか…関係ないよ!」

海未「穂乃果…」

穂乃果「好きになるのに…そんなの…」

絵里「ごめん、それはそうよね…」

絵里「で、でも…ことりは後輩だし…」

絵里「妹みたいなものだし…そんなの…」

絵里「考えられない…」

穂乃果「そんなの…ことりちゃんが可哀想だよ…」

絵里「…!」

海未「穂乃果…」

海未「絵里にも、考えさせてあげましょ?」

穂乃果「うん…」

海未「それでは、私たちは戻りますので…」

絵里「わかったわ…」

穂乃果「じゃあね」

タタタッ

絵里(ことりのスキンシップにドキドキする自分がいて…)

絵里(そんな風にことりにドキドキする事はいけないことだって考える自分もいる…)

絵里(こんなんじゃ、ダメね)

絵里(ことりの気持ちどころか…自分の気持ちすらわかってないじゃない)


・・・・

海未「ことりも大変なんですね」

穂乃果「そうだね」

穂乃果「絵里ちゃん、とっても鈍感さんだし…」

穂乃果(海未ちゃんもいい勝負だけど…)

海未「そのようですね」

海未(穂乃果も人の事言えませんよ)

穂乃果「でも」

穂乃果「きっと、絵里ちゃんはことりちゃんの事が好きだから」

穂乃果「絵里ちゃんが自分の気持ちに気づいて…」

穂乃果「後、二人がすこーし勇気を出したら…」

海未「ふふっ、そうですね」

教室

穂乃果「こーとーりちゃん!」

海未「ことり!」

ことり「ちゅん!?」

ことり「な、なーんだ二人かぁ…」

ことり「もぉー、びっくりさせないでよ~」

穂乃果「ごめんね~」

海未「ことりに言っておきたい事がありまして」

ことり「え?」

ことり「なに…かな? 」

穂乃果「ことりちゃん!」

ことり「…!」ビクッ

穂乃果「あのね!」

穂乃果「絵里ちゃんは自分の気持ちにすら気づかない超鈍感な人だから!」

穂乃果「ことりちゃんが勇気を出して言わないと!」

穂乃果「ぜぇぇぇぇぇぇったいに気持ちは伝わらないからね!」

ことり「えっ…えっ…」

ことり「何で…?」

ことり「穂乃果ちゃんは何を…言ってるのかなぁ…?」

ことり「ねぇ?海未ちゃん?」

海未「ことりも案外、素直じゃないですね…」

海未「気づかないとでも?」

ことり「……」

ことり「やっぱり…わかっちゃうかぁ…」

穂乃果「当たり前だよ」

穂乃果「幼なじみじゃん」

ことり「そう…だね」

ことり「うん」

ことり「ことり…絵里ちゃんの事が好きなの…」

海未「はい」

ことり「ずっと前から…」

穂乃果「なら、思いを伝えなきゃ!」

ことり「それは…わかってるけど…」

海未「自分から伝えないと…きっと進展しませんよ」

穂乃果「そうだよ」

穂乃果「なんせ、相手は超鈍感な絵里ちゃんなんだから!」

海未「むっ…」ジトー

穂乃果「!?」

穂乃果「な、何かなぁ…海未ちゃん?」

海未「別に、何でもないです」

ことり「やっぱり…そうだよね」

ことり「ありがと、二人とも」

穂乃果「おっ?」

穂乃果「伝えるの!?」

ことり「いや…ごめん」

ことり「まだ…」

穂乃果「そっか…踏ん切りがつかないんだね」

海未「焦っても仕方ありせんよ」

海未「積年の思いなんですから…」

ことり「うん…ごめんね」

穂乃果「いいよ!」

穂乃果「でも告白するなら、教えてね!」

ことり「うん」

ことり(やっぱり…二人とも気づいてたか…)

ことり(自分の思い人の気持ちには鈍感な癖に…)

ことり(変なの…)

ことり(でも、いい親友たちを持ったなぁ…)

ことり(それに比べて…ことりは…)

ことり(『ほのうみを育てる!』なんて言うけど…)

ことり(実際は絵里ちゃんに小賢しいアピールをするため…)

ことり(穂乃果ちゃんたちの事…ダシにしてたんだよね)

ことり(ことりは最低…)

ことり(ごめんね…二人ともぉ…)

ことり「…」ポロポロ

穂乃果「こ、ことりちゃん!?」

海未「な、なんで泣いて!」

ことり「何でも…ないの…ごめん」

ことり「ごめんね、二人とも」

ことり「それと、ありがとう」

穂乃果「?」

海未「はい?」

ことり「詳しくは言えないけど、ありがとう!」

穂乃果「んん?」

穂乃果「まあ、よくわかんないけど…」

穂乃果「どういたしまして!」

海未「どういたしまして」

ことり(もう小悪魔なことりはお仕舞い)

ことり(先ずは自分で気持ちをまっすぐに伝える…)

ことり(そんでもって…気持ちがさっぱりしてから!)

ことり(ほのうみを育てよう!)

部室

ガチャ

絵里「来たわよ…ことり」

ことり「絵里ちゃん」

ことり「来てくれて、ありがとう」

絵里「ええ」

ことり「実は絵里ちゃんに伝えたい事があります」

絵里「うん」

絵里「私も…聞きたいことと、伝えたい事があるの」

絵里「先に聞いてもいいかしら」

ことり「うん」

絵里「ありがとう」

絵里「ことり、あなたは穂乃果たちをくっつけようと色々してたけど…」

絵里「ことりは二人が一緒になったら…寂しくはないの?」

絵里「今までずっと一緒だったのに…」

ことり「ことりは…」

ことり「寂しくないよ」

絵里「それはどうして?」

ことり「ずっと好き同士だった二人が結ばれる」

ことり「こんなに嬉しい事はないよ」

ことり「それに、あの二人は結ばれても、ことりの事…気にかけてくれる」

ことり「ずっと昔からと変わらない関係のままいれる」

ことり「そう確信してるの」

絵里「そう…」

ことり「あとね、これは大事な事で…」

ことり「ことりが今日、絵里ちゃんに伝えたかった事だけど…」

ことり「言うね」

絵里「ええ、いいわ」

ことり「絵里ちゃん、好き…」

ことり「大好き…ことりの恋人になって欲しいです」

絵里「ことり…」

ことり「ずっと、自分から言うのを恐れてた…」

ことり「だから…小悪魔を演じてた」

ことり「ことりは臆病だから…」

ことり「でも、二人に勇気をもらったの」

絵里「そう…ありがとう」

絵里「じゃあ、私も…」

絵里「ことり、好きよ」

絵里「ぴゅあぴゅあな癖に…小悪魔ぶるところとか…」

絵里「実は臆病なところとか」

絵里「全部含めて、可愛い」

絵里「あなたより可愛い子はいないわ」

絵里「ことり、愛してる」

絵里「私の…恋人になりなさい」ダキッ

ことり「…はい」


絵里「ことりは私のどんなところが好きなの?」

ことり「言えば…キリがないけど…」

ことり「カッコいいところ」

ことり「可愛いところ」

ことり「すこーしポンコツなところ…」

絵里「おいっ」

ことり「そして、優しいところ」

ことり「あの、小さかった頃…夏祭りで初めて絵里ちゃんと出会ってから…」

ことり「絵里ちゃんに恋してた…」

絵里「はぁ…ことり…!」ギュッ

ことり「きゅぅ!」

ことり「い、いたいよ!絵里ちゃん」

絵里「我慢して、今ことりが愛しくてたまらないんだから…!」ギュー


穂乃果「はわわわわ!」ヒソヒソ

海未「二人きりの部屋で抱き合うなんて…!」ヒソヒソ

海未「破廉恥ですっ!」ヒソヒソ

穂乃果「でも、ことりちゃんも絵里ちゃんも勇気出して言えたんだね!」

海未「はい」

穂乃果「凄いよ…」

穂乃果(穂乃果も…勇気出してみようかな)

海未(私も…ことりたちを見習って…)

穂乃果「海未ちゃん!」

海未「穂乃果!」

穂乃果「あっ…」

海未「あっ、ごめんなさい…」

穂乃果「ふふっ」

海未「うふふ」

穂乃果「穂乃果、今ね…海未ちゃんが言おうとした事わかっちゃった!」

海未「ええっ!?嘘です!超鈍感な癖に!」

穂乃果「鈍感は海未ちゃんの方でしょ!?」

海未「いいえ…私も、穂乃果が言おうとした事がわかりましたから!」

穂乃果「ええー?」

穂乃果「じゃあ…せーのっでもう一度言う?」

海未「いいですよ」

穂乃果「せーのっ!」

穂乃果「海未ちゃん大好き!」

海未「穂乃果が大好きです!」

おわり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月01日 (火) 02:01:52   ID: YJYAYk8L

これは良い

2 :  SS好きの774さん   2014年07月01日 (火) 09:05:29   ID: tcJskZNi

ことりちゃんかわいい

3 :  SS好きの774さん   2014年07月01日 (火) 13:38:32   ID: ZAeeCjpM

とてもよかったけど最後の二文はなくてもよかったかな?

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