メリー「もしもし?私メリー。今、東京駅にいるの」 (45)

男「そ、そうか。」

メリー「電車動いてない。」

男「そもそもなぜこの時間に?」

メリー「残業してた。」

男「えっと、それは一個前の人を見つけるのに手間取ったとか?」

メリー「ううん。交通費バカにならないからガールズバー掛け持ち。」

男「んで、この後どうすんだよ。」

メリー「タクシーは高いから始発待つ。それまでネットカフェ行く。」

男「お、おう…」

メリー「またあとで。」ガチャ。ツーツー。

男「俺のところにメリーさんねぇ、、、」

♪アシタハーアオゾラーエガオデー

男「もしもし?どうした?」

メリー「私メリー。東京駅にいるけど、ネットカフェがない。」

男「だろうな。秋葉原なんてどうだよ。そこから歩けば30分しないで着くでしょ。」

メリー「仕方ない。頑張る。またあとで。」ガチャ。ツーツー。

男「まったく。どこの田舎娘だ。」

男「zzz....」


翌日

男「ん、んあああああ!よく寝たわ…」ノビー

男「ん?うわ、なんだ、この不在着信の量!」

男「全部メリーさんじゃないか。」

男「あ、でも気遣ってるのかな?30分置きに電話してる。」

♪アシタハーアオゾラーエガオデー

男「うおっ噂したら…もしもし?」

メリー「私m

男「メリーでしょ?わかるよ。」

メリー「うん。」ショボン

男「あー、どうした?」

メリー「遅い。もう昼間よ。とっくにあなたの最寄駅に向かって電車を待っているところよ。」

男「今どこの駅だ?」

メリー「○○よ。あ、そろそろ電車が来る。」

男「そか。あ、快速は止まらないぞ。」

メリー「え?なんて?」ブツッ。ツーツー。

男「大丈夫かな…」

♪アシタハー

男「はいもしもしメリーさん?」

メリー「せめて名乗らせて欲しいわ。あなたの駅快速止まらないから2駅もオーバーラップしたじゃないの。」

男「一応言ったんだけどな。」

メリー「聞こえなかったわ。」

男「ごめん。」

メリー「わかればいいのよ。」

男「で、最寄りにはついたのか?」

メリー「うん。これからあなたの家に向かうわ。」

男「車に気をつけろよ?」

メリー「もう子供じゃないわ。大丈夫よ。」

男「はいはい。じゃあ、待ってるから。」

メリー「うん。またあとで。」ガチャ。ツーツー。

男「って、やべぇ、メリーさんって女の子だし部屋片付けておくべきか?」

男「あ、記念にスレ立てようかな」

【速報】メリーさんが俺んち来る(1)
1 名無し 6月26日(木) 16:49:17 ID:nightmare
やべぇ俺死ぬわwwwwwwww

男「これでいいか。」

男「暇だな…あ、レスついた」

2 名無し 6月26日(木) 16:50:37 ID:sakuraayane
クソスレ立てんな

男「ですよねー、、、」

男「この後もレスはロクなのが無い。」

♪アシタハー

男「もしもし?」

メリー「私メリー。久々に名乗れたわ。今あなたの家の近くのスーパーにいるの。」

男「そうか。水分は大切だからな。」

メリー「ついでに、あなたにお土産買ってく。」

男「アイスでもいいか?」

メリー「溶けない?」

男「あー…じゃあ、コーラで。」

メリー「今のコーラって名前が書いてあるのね。」

男「コンプしたくなるよな。」

メリー「その気持ちはわからないわ。」

男「そうか。」

メリー「とりあえず、買っていくわ。」

男「ゴチになりやす。」

♪ア

男「もしもし?」

メリー「あ、私メリー。出るのが早すぎて焦ってしまったわ。今、あなたの家の前にいるの。」

男「そうか。」

メリー「怖くないの?」

男「なにが?」

メリー「だって、私を見たら死んでしまうのよ?」

男「そうだな。」

メリー「ホントは私だってこんな事したくない。」

男「今日はやめとくか?」

メリー「だめ。やらなきゃいけないの。」

男「玄関は開けてあるから。」

メリー「わかった…」グスッ

メリー「私…メリー。今、あなたの、部屋の前に、いる、の。」

男「長かったな。」

メリー「うん。」グスッ

男「なぁ、そのドアを開けたらもう一度電話してくれ。心が落ち着いてからでいいからな。」

メリー「うん。」グスッ

メリー「あとでね。」ガチャ。ツーツー。

数分後。

ガチャ

♪アシタハーアオゾラー

男「もしもし?」

メリー「私メリー。今、あなたの後ろにいるの。」

男「そうか。そのまましゃがんで。」

メリー「?」

男「いいから。」

メリー「うん。」

鏡越しでメリーと男が顔を合わせる。

男「生きてる、、、?」

メリー「え、、、?」

男「よし、第一段階は成功かな?」

メリー「どういうこと?」

男「直接見たらアウトなのかな?て考えてみた。正直賭けみたいなものだよ。」

男「さて、ここからが一番怖いところだ。」

メリー「何をするの?」

男「これをかけてくれ。」

メリー「サングラス?」

男「そう。かけたら目をつぶったままいてくれ。」

メリー「わ、わかったわ。」スチャ

男「目をつぶったね。」クルン

男(頼むよ、、、)

男「メリー。目をあけて。」

メリー「う、うん。」ソー

男「……てる?いきてる!?」ガッツポーズ

メリー「こんな方法があったなんて…」

男「あと、俺以外に目を合わせても無害だということを考えると、標的を誰かに変更すれば俺は死なない。」

メリー「でも、それではここから離れてしまうわ。」

男「確かに。」

メリー「というか、ホントにあなたは冷静ね。」

男「そうか?」

メリー「うん。大抵の人は逃げ出すもの。」

男「そうだろうな。」

メリー「なんであなたは逃げないの?」

男「俺はもともと死にたがりだからね。」

メリー「そう。だからなのね。」

男「ただ、ひとつだけやり残したことがあるっていうか出来たっていうか。」

男「俺さ、こんな年齢だけど女性と関わることがなくてな。その、死ぬ前にキスくらいさせてくれねぇかな?」

メリー「……あなたはずるい人です。」チュッ

男「ありがとう。俺はもうやり残したことはない。さっさとグラサン外しなよ。」

メリー「………やです。」

男「しょうがないだろ。いつまでも居るわけにもいないだろ?」

メリー「でも、嫌なんです!」グスッ

男「なんでだよ?」

メリー「だって、一日電話した相手を見たらそのまま死ぬんですよ?そんな恐怖を知らないからこそ言えるんです!あなたは死にたがりかもしれませんが、なんで、なんで命を大切にできないんですか!!!」

男「それが、、、仕事だろ、、、」

メリー「…っ。そう、ですよね。仕方ありませんよね。『仕事』ですからね。」スッ

男「やっと、決心し…」パーン

メリー「あなたは最低ですっ!人にキスを求めるだけ求めて終わったらさっさと殺せとは都合が良すぎます!」

男「いいんだよ、殺せよ!」

メリー「嫌です。むしろ生き地獄を味わえばいいんです!」

男「なんだよ、もっかい言ってみろよ。」

メリー「このまま生き続けて社会の歯車になってこき使われてしまえばいいんですよ!!」

男「……。」無言でメリーの顔を無理やり合わせる

メリー「ちょっと、やめてください。」ジタバタ

男「………」

メリー「………」

男「……」

メリー「……」

男「…」

メリー「あれ?」

男「ぷはっ!よし、生きてるっ!!」

メリー「ど、どういうことです?」

男「メリーさんって妖怪の一種でしょ?」

メリー「そうね。否定はしないわ。」

男「妖怪とか幽霊って怨念とか言霊で成り立ってると思ったんだ。」

メリー「わからなくもないわ。」

男「メリーさんは『殺したい』とか『殺しちゃう』というイメージを持ったまま相手を見ると相手は死ぬ。それでガールズバーの店員やってても被害が出てないのが頷ける。」

メリー「たしかに、働いててお客さん死んでないわ。」

男「今気づいたんだ…」

メリー「う、うるしゃい!」

男「んで、俺が死にたがりのクズを演じたら見事にメリーさんが引っかかってくれたわけよ。」

メリー「……?」

男「生き続けて社会の歯車になってこき使われてしまえばいいんですよ!!って言ったでしょ?」

メリー「言いました。」

男「それが多分影響したんじゃないかな?」

メリー「そんな…」

男「気にしたら負けだよ。」

メリー「うん…」グスッ

男「はぁ…仕方ないな。ほらおいで。」

メリー「うわああああああん」

男「よしよし。」

おわり。この後どうなったかはご想像で。


数時間後

メリー「あっ!!!」

男「うぉっびっくりした。」

メリー「通話かけっぱなし!」

男「うわ、2時間43分…」

メリー「半分は払ってよね!」

男「しゃーないか。」

ほんとに終われ

と、現在進行形で思い浮かべながら書きました。

小ネタは基本的に夢喰いメリーです。メリー違いですね。

俺の着信音は実際に一時期ユメとキボーと明日のアタシでした。

てか、久々にSS書いたのとこんな時間なのに読んでくれた人に感謝してます。

夢喰いメリー知らなかったが
興味が出てきたよ

>>39
夢喰いメリーは妖怪のメリーさんとは一切関係がないですがものすごい可愛いです

調べたがとんでもなく可愛い
八重歯とか

http://toyama.ddo.jp/ranranrein/401.png

面白かったー!
乙乙!

>>43
可愛いでしょ?

>>44
励みになりやす。伏線云々も思いつきだから回収に手間取った

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