アルミン「暇だなぁ」キース「そうだね」(54)

アルミン「」

キース「せっかくの休日なのに大嵐とか…本当についてない」

アルミン「」

キース「どうせなら街に行きたかったよねー?」

アルミン「シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!」

キース「ん?うん、知ってる。確かお祖父ちゃんがつけてくれた名前だったよね」

アルミン「教官!何かご用命がございましたらなんなりとお申し付けください!」バッ

キース「あー、お願いがあるにはあるんだけどね。それにしてもせっかくのお休みなんだし、もっとラフに話してよ」

アルミン「はっ!…は…うん、わかった……」

キース「その意気だ、アルレルト訓練生」

アルミン「ふああいっ!?失礼しましたぁぁぁ!」バッ

キース「あ、違う違うさっきの感じでお願い。私が間違えちゃっただけだから」

・・・・・

アルミン「ということは、今日は教官の半年ぶりの休日だったと…?」

キース「そういう事だ。しかし残念ながら今日は見ての通り外出許可を出せないほどの大嵐……妻と子の待つ家には帰れそうもない」ガッカリ

アルミン「心中お察し致します…」

キース「超大型巨人が出現する以前はもう少し休日もあったのだがな……やっぱりラフに話しちゃダメ?」

アルミン「教官モードのままでお願い致します!」

キース「そうか…残念だ。どこまで言ったっけ?ああ、そうだ今日家では妻が隣家の家族も招いてパーティーをすると聞いていたのだ」

アルミン「それはご家族もさぞ楽しみにされていたことでしょう」

キース「うむ、その隣家は私の戦友の家でな。友は先頃戦死したものの、我が家の子と隣家の子はまるで兄弟のように仲良しで、二人のじゃれあいは微笑ましいものだった」

キース「貴様らを見るとまるでその子らを見ているようで……どこか懐かしい気になるのだよ」シミジミ

アルミン(お前に家畜以下って言われた子もいたけどな)

――――――
――――
――

アルミン「……ということで、皆に協力して欲しいんだよ」

キース「協力して欲しいんだよー」

一同「…………」

アルミン「……教官モードで、お願いします」

キース「心臓を捧げよ!」

一同「はっ!」バッ

アルミン「(そんな意味合いの言葉だったんだ…)じゃあ詳しい説明をするね」

キース「アルミンって、頼りになるなぁ」

アルミン「(無視)まずはこの十二名でくじ引きをしてペアを決めましょう」

書き始めであれだけどまた後で来ます

わろた

ライナー「質問があります!なぜ104期のメンバーばかりが選ばれたのでしょうか?」

アルミン「あー…教官、何故ですか?」

キース「話せば長くなるが…103期までと104期では少し訓練方針が違うのだ」

キース「103期まではもうバッキバキにしごいて育てていた為か、離職者が大変多かった」

キース「例えば諸君の内何人かも経験した通過儀礼…103期までは1人につき20分は怒鳴り続ける決まりだった」

ミーナ(思い出しちゃった…)シクシク

キース「喉弱いからすぐ痛めちゃって…いつもあめ玉舐めてたよー。…そして有事の際の人材確保の為、104期生からは少しゆとりをもって個性を伸ばす訓練方針に切り替えたのだ」

アルミン「あの教官…それとこれと何の関係が…?」

キース「つまり103期以前の訓練生には厳しくしすぎて友達が1人もいないのだ。理由としては以上。他に質問は?」

アルミン(友達認定されてた…)

ミーナ「わ、私も質問失礼します!このメンバー、成績優秀者が多くみられますが…何故特別秀でたもののない私が選ばれているのでしょうか?」ビクビク

アルミン「えーっとそれは…?」チラッ

キース「家畜呼ばわりしちゃったんだもんミーナの事は気になっちゃって。本当にあの時はごめんね?」

ミーナ「」

ライナー「……質問します!では今回は成績に関わらず教官の記憶に残る者を集めた、と考えてよいのでしょうか?」

キース「ライナー・ブラウン!言わねばわからぬか…?貴様は名前も知らぬ有象無象と休日を共に遊んで過ごしたいのか!?」

ライナー「しっ…失礼致しました。確かに名前も知らぬ相手と過ごす休日はなかなか難しいものと考えられます!」

キース「そうであろう…私ももう歳だからな、いくらズッ友の104期生と言えども全員の名前なぞ覚えるのは無理ゲーなのだ!」

アルミン「教官、落ち着いて話してください。ごちゃごちゃになっています」

キース「休日モードから切り替えるの大変で…気をつけるね」

アルミン(逃げ出したい……)

キース系は期待だ

アルミン「じゃ、じゃあ気をとり直してペア決めのくじ引きをしよう!」

アルミン「六組ペアを作るけど、別に男女ペアじゃなくてもいいみたいだから、適当に引いてね」

【結果】
1アルミン・クリスタ
2ミカサ・アニ
3コニー・サシャ
4ライナー・ミーナ
5エレン・ベルトルト
6ジャン・ユミル


クリスタ「アルミンと一緒ね」
アルミン「…っ!…っ!」声にならない

ミカサ「……」
アニ「……」

コニー「芋女かよ…」
サシャ「私はハゲもいけますよ!」

ライナー「お、あまりない組み合わせになったな」
ミーナ「よろしくね」

エレン「よろしくな」ギュッ
ベルトルト「うん」

ジャン「アニの位置と交換してください」
ユミル「アルミンと自分チェンジで」

アルミン「決まったもんは決まったんだ!文句を言うな!絶対にこのままやるからな!」ドンッ

アルミン「コホン…じゃあ次に課題の説明をするよ。教官、お願い致します」

キース「重要事項だ。必要であればメモをとれ。貴様らには四つの課題を与える」

キース「一つ、この場所からおんぶ状態でスタートし、決められた場所に到着すること」

キース「二つ、ペア同士で手をつなぐこと」

キース「三つ、片方が相手を膝に乗せ、仲の良い語らいをすること」

キース「そして最後、ペアによる共同作業だ。これは各ペアで考えて自由に実行するものとする」

キース「持ち時間は2時間!その間に課題を実行することが絶対条件だ。不履行が多ければ罰則が待っているから十分に注意するように」

キース「この遊びの目的はただ一つ!仲の良い姿を余すところなく私に見せることだ!」

アルミン「終わったら教官の部屋に集合してね。結果発表と罰則、ご褒美の配布があるよ」

ライナー「質問します!」

キース「貴様は質問が多いな…キースうんざり」

ライナー「はっ…申し訳ありません。しかし六組の者達が兵舎内をバラバラに散らばるのに、どうやって評価をするのでしょうか?」

キース「それは私専用の部隊が見えぬ場所から監視して採点することになっている」

サシャ「はい!ご褒美とはなんですか!?」

キース「楽しみにしていろ…特に貴様は好きそうな物だ」

サシャ「……コニー!頑張りましょうね!」

コニー「褒美が出てもお前が全部かっさらいそうで嫌だな…」

キース「……では他に質問はないな?なければこれより開始を宣言する!」

キース「頑張ってぇぇぇ!!」


アルミン「……教官、モード切り替えてやり直し」

キース「始めぇぇぇ!」

一同「ハッ!」バッ

――コニー・サシャペア

サシャ「さぁ!一位目指して突っ走りますよ!」

コニー「おうっ!」ヒラリッ

サシャコニ「「おらおらどけーい!」」ダダダダッ


ライナー「コニー…躊躇い無くサシャの背中に飛び乗ったな……」

ミーナ「でもコニーが相手だとサシャが背負うことに違和感なさすぎだよね」クスクス


――アルミン・クリスタペア

クリスタ「おんぶだって…ちょっと恥ずかしいね」ニコッ

アルミン「ぼぼぼ僕が背負うからっ!その…よろしく///」

クリスタ「うん、重かったらごめんね」ヒョイッ

アルミン(生きてて良かった…)ジーン

クリスタ「じゃあ指定場所の、えーと…図書室にゴー!」

アルミン「ゴー!(可愛いぃぃぃぃぃ!)」

(もげろ)

――エレン・ベルトルトペア

エレン「身長差があるからな~…俺の事背負ってもらってもいいか?」

ベルトルト「勿論。でもその前に……僕の名前はなんでしょーか…?」ドキドキ

エレン「は?ベルトルト・フーバーだろ。その問題必要なのか?じゃあ……俺の名前はなーんだ?」キョトン

ベルトルト「…誰かにフルネームを呼ばれるなんて何年ぶりなんだ…っ!さあエレン、僕の背中に乗るんだ!いっそ馬と呼んでも構わないっっっ!」ササッ

エレン「俺の問題は無視かよ!馬なんて呼ばねーし…まぁいいか、いくぞベルトルト!発進!」ヒョイッ

ベルトルト「鈍感無邪気可愛いです!」ダダダダッ

エレン「うぉっ高い!早い!いっけぇぇぇ!」


――ライナー・ミーナペア

ミーナ「……ちょっとエレンとベルペアが心配だね」

ライナー「ああ、変な突き抜け方をしていたな……おっと、俺たちも急ごうか」ササッ

ミーナ「じゃあ乗るね!……ライナーの背中、すごい安定感!楽しい~!」クスクス

ミーナ「あ!私たち、二人合わせて“ミイナー”だね!」

ライナー「……よし意味不明に可愛い!ミイナー出発だっ!」ダダダダッ

――ミカサ・アニペア

ミカサ「私は…背が高い……」

アニ「……そうだね」

ミカサ「そしてとても重い……」

アニ「まぁ……私よりは」

ミカサ「つまり小柄で軽いあなたを、私が背負うべき……」

アニ「……そうなるね」

ミカサ「兵士として、私はこの体を誇りに思ってきた……」

ミカサ「しかし…今この場で……女として……圧倒的敗北っ…」ポロポロ

ミカサ「迷いようもない……馬の選択…っ!」ポロポロ

アニ「……時間かかりそ」ポンポン

――ジャン・ユミルペア

ジャン「ミカサが泣いている…っ!俺がっ俺が慰めてやブゴハっ…!」

ユミル「てめぇを倒して私はクリスタを追う!」ゲシゲシ

ジャン「俺は中ボスじゃねえ!行きたきゃ勝手に行け!蹴るな!」

キース「全部のペアが出発したようだな。成果を期待出来るペアもいくつかあった。さぁ…お前たち、私を楽しませてみろ…っ!」ワクワク


・・・・二時間後・・・・

ゾロゾロ…

キース「ご苦労であった。私は今から報告部隊と採点の作業にうつる。暫くここで茶でも飲みくつろぐがいい」

アルミン「あれ?ちょっと何人かたりなくない?」

クリスタ「……まだ半分しか集まってないよね?」

ミカサ「エレンはまだみたい…」

アニ「どこいったんだろうね?」

ミカサ「ね、早くこないかな」

アルミン(なんかミカサとアニがちょっと仲良くなってる…)ゾクッ

平和でいいな

キース「待たせたな。では発表にうつる」

アルミン「あの、教官!まだ全員集まっていませんが…」

キース「大丈夫だ、それには理由がある」

キース「さて今回の順位だが…残念なことに営倉送りのペアが出てしまった」

アルミン(なんだって!?手をつないだり遊んでいただけで何故そんなことに…)

キース「それはコニー・スプリンガー、サシャ・ブラウスのペアだ」

アルミン「あんなに張り切って飛び出していったのに!?」

キース「奴らはおんぶで出発後、五分で目的地に到着。六秒間手をつなぎ、スプリンガー訓練生がブラウス訓練生の膝座ると同時に共同作業を開始、三分間行った」

ライナー(コニー…膝にすわるのもお前なのか……)

キース「一応課題はこなしている。しかし問題は共同作業だ」

キース「奴らは共同で盗み食いをした」

アルミン「」
クリスタ「えー…」
ライナー「まさか監視の存在を忘れたのか…?」
ミーナ(ぶっちゃけ想像通り…かな)

キース「監視役が食糧の危機と判断し即刻捕縛、既に営倉にて反省中だ。まず最初に設定した目的地を無視して食糧庫に直行したのは許し難いがな」

キース「……と、いうことで残り五ペアの順位発表にうつるぞ」

キース「第五位、ジャン・ユミルペア!課題クリア0によりすでに罰則が決定し、その準備に移っている」

クリスタ「!だからユミルがいなかったんだ…罰則って何なんだろ…?」

キース「第四位、ライナー・ミーナペア!課題はオールクリア、おんぶ八分、手つなぎ十分、膝抱っこ五分、共同作業は装備点検で三十分だ」

キース「課題遂行は完璧。だがしかしぎこちなさが両者とも最後まであり、共同作業の間も会話が極少なくなってしまっていたのでこの順位だな」

ライナー「すまんなミーナ、気づかぬうちに緊張していたようだ」

ミーナ「私もだよ。楽しかったけどね!」

キース「しかし二人の名前を合わせて“ミイナー”としたことは花丸満点だ!今後も続けるように!」

クリスタ「ミイナーだって…可愛いね」クスクス

アルミン「でも…ちょっと恥ずかしいかな」フフッ

ライナー「」
ミーナ「」

キース「第三位、ミカサ・アニペア!課題オールクリア。出発に手間取ったもののおんぶ四分、手つなぎ三分、膝抱っこ五分。共同作業は組み手で一時間二十分!」

キース「共同作業以外の課題は正直時間が短い。しかし、104期きってのクールビューティー二人が、無言で握り合った手つなぎ!レオンハート訓練生が顔を赤らめて膝に腰を落としたその場の空気!好敵手と向かい合った二人のハイレベルな組み手!」

キース「加えて以前よりも親交を深めたようでなによりだ。監視役から大変よい二時間であったと報告が来ているぞ」ニヤリ

キース「ちなみに監視役のベストオブ萌えポイントはアッカーマン訓練生の膝抱っこ時のセリフ『重くなどない、もっと私に身を任せて構わない』だそうだ」

アニ「……なんだか恥ずかしいね」

ミカサ「ええ、でも確かにとても楽しい時間だった。是非また組み手をお願いしたい」

アニ「……気が向いたらね」プイッ

ライナー「アニ、まだ顔が赤いぞ」ニヤニヤ

アニ「……ふんっ!」バキッ

ライナー「ふぐっ…」

キース「第二位、アルミン・クリスタペア!課題オールクリア、おんぶ十分、手つなぎ十五分、膝抱っこ三分、共同作業はパズルを三十分だ」

アルミン「あれ?エレン達がいないから僕らが一位かと思ったんだけどなぁ」

クリスタ「残念だね」シュン

キース「二人から伝わる初々しさに加えて、まるで金髪の双子天使のような清らかさが監視役を虜にしたようだ。寝そべって二人でパズルに興じる姿は、そのまま一枚の絵画にでもなりそうであったと報告されている」

アルミン「図書室にあったパズル結構難しかったね」

クリスタ「同じような色のピースばっかりだったしね。途中で終わりになっちゃったから、ちゃんと終わらせたかったなぁ」

アルミン「……良かったら今度また…完成させにいかない?///」

クリスタ「いいね!楽しみにしてるね」ニコッ

キース「またこのペアの監視役ベストオブ萌えポイントは“たまたま開いた本の巨人絵に男根のイタズラ書きをみつけてしまった時のクリスタ嬢の反応”だそうだ」

クリスタ「だってあれは…////」

ライナー(よいね、素晴らしいね…)

キース「最後に、優勝…エレン・ベルトルトペア!彼らの成績を聞いて驚くなよ?……」

キース「課題オールクリア、おんぶ三十分、手つなぎと膝抱っこ、共同作業に至っては現在も記録を更新中だ!!!」

アルミン「なん…だと…?」

クリスタ「す…すごいね///」

ライナー「……少なくとも奴らは手をつなぎながら膝抱っこしつつ、共同作業をしているということか……」ゴクリ

ミカサ「まさか……幼い頃の私ですら……そんな経験は……」ガクガク

アニ「あんたまた涙が……」ナデナデ

ミーナ(その場面を是非見たい)ワクワク

キース「ではミーナ・カロライナ訓練生の希望通り、これから二人のもとへと移動しよう」ガチャッ

ミーナ(心を読まれた!?)

キース「思えば彼らはペアが決まった瞬間から、優勝を約束された存在だったのかもしれない」シミジミ

キース「ペアが決まった時を思い出して欲しい。イェーガー訓練生は、挨拶とともにフーバー訓練生と手をつないだ……まだ課題が何も発表されていないにも関わらず…だ!」ドンッ

アルミン「ハッ!…確かに…」ワナワナ

キース「“ペアを作ったら手をつないでおくのが普通だよね”という幼児並みの純粋さからの行動…!萌えずにはいられなかった……」

ミカサ「エレンに萌えずにはいられない……それは当然のこと」ドキドキ

キース「そして第一関門となったおんぶ…そのスタイルすら彼らは他を圧倒していた!」

ライナー「人を背負うというだけの……おんぶで差をつけただと!?」ワナワナ

アルミン「一体どんな秘密が……」ゴクリ

キース「わからないか……。例えるならば、貴様らのおんぶは騎馬が一頭で支える騎馬戦のそれと同じ!背負われたものは馬の両肩を掴んでバランスをとっていたはずだ」

クリスタ「あ、確かにそうだったかも」

キース「しかしイェーガー訓練生のスタイルは違う…その名も“ドキドキおっ○いおんぶ”…っ!」

アルミン「ドキドキおっぱいおんぶ!?」

キース(ちょっと、ちゃんと伏せ字にしてよっ!)プンスカ

アルミン(あ、ごめんごめん)

キース「コホン…そうそれは胸の鼓動が伝わるほど完全に相手の背中に密着し、かつ腕を首に絡めるという究極のスタイルだ!」

ミカサ「可愛い!そのエレンは絶対に可愛い!」フガフガ

アニ「興奮しないの」ペシッ

キース「まだあるぞ…貴様らはおんぶの恥ずかしさから目的地までの最短距離を駆け抜けただろう……」

ミーナ「ハッ…まさか…」

キース「そう、そのまさかだ。彼らは出発時にテンションが上がりすぎて無駄に走り回った。結果多くの人目に晒されることとなったのだが……」

キース「イェーガー訓練生の姿勢は……衆人環視の中でさえブレなかった!」

アルミン「!」

キース「フーバー訓練生の長身から生まれた高い目線にはしゃぐイェーガー訓練生……」

ライナー「……」ゴクリ

キース「……普段数十メートルの高さまでひとっ飛びに動き回っているはずなのに、ニメートルにも満たない高さで喜ぶその姿……まさに至高!」

ミカサ「」バタン

アルミン「ミカサが!想像だけで倒れた!?」

ライナー「ミカサは俺が運ぼう…」ハァハァ

アニ「アンタも興奮しすぎだ!気持ち悪い!」ゲシッ

ミカサ「私は…倒れていられない……エレンの話を…全て聞くまでは…!」ググッ

ライナー「俺の背中で聞くといい…友よ」キラリ

アルミン(気持ち悪い)

クリスタ「気持ち悪い」ペッ

アニ(……)ゲシッ

クリスタマジ小悪魔

キース「監視役曰わく、“新しい扉が開くかと思った”だそうだ」

アニ(ここに扉が開ききった奴がいるんだから…その監視役もガチなんだな)ゾクッ

キース「……さあ着いたぞ。このリネン室の中に二人がいるのだ」

ライナー「よりによってリネン室……中で何をしてやがるんだ」ハァハァ

キース「では開けよう」ガチャ

アルミン「!そんな簡単に開けてしまってはっ!もし中でゴニョゴニョしてたらっ!」アセアセ

アニ「アルミン!アンタはここにいる最後の良心なんだよっ!そっち側に行っちゃダメだ!」

キース「シーッ!……静かに入れ…」ソロソロ

アルミン「!あ…」

キース「大丈夫だ……二人ともよく寝ている」

ライナー「ベルトルトが布団の山に寄っかかって…」

アルミン「その膝にエレンが座って…」

クリスタ「手を握りあって…」

アニ「ベルトルトの胸に頭を預けて…エレンも寝てる」

ミカサ「……ライナーごめんなさい、あなたの服が鼻血にまみれてしまった」ポタポタ

ライナー「……構わんよ」フフッ

キース「彼らの共同作業は同室の者たち全員分のシーツ交換の予定だったそうだ」

アルミン「僕らの分も…?」

キース「そうだ。しかし課題を誤解していたイェーガー訓練生は困ってしまった」

アニ「まさか…」

キース「そう、おんぶから降りたら、残りの時間ずっと手をつなぎ膝に座り続けなければいけない、とな」

キース「だからリネン室には辿り着いたものの、シーツ一枚すら運べない事実に気づき二人で途方に暮れていたという訳だ」

ライナー「ベルトルトも気が回らなかったのか……」

キース「いや……フーバー訓練生は気づいていたようだ。膝から降りて手を離せば済むということに」

アルミン「!じゃ、じゃあベルべ…はわかっていて続けたと言うんですか!?ライナーじゃあるまいし!」

キース「なら貴様は出来るのか?成績上位で、熱い気持ちを隠しもしない、人を引きつける強い瞳を持った……天然ちゃんの渾身のボケにっ!突っ込むことが出来るのか!?」

アルミン「!!!……無理だ…僕には出来ない…っ!エレンは時々とんでもなく鈍感だから…この手の間違いは今までも何度もあった……でも僕は…それを指摘するどころか……」ポロポロ

ミカサ「アルミン、自分を責めてはいけない。原因は指摘する方が恥ずかしいという特殊な雰囲気を作ってしまうエレンにある」

アルミン「ミカサぁ……」ポロポロ

アニ(アルミンがついにあっち側にいってしまった……)ホロリ

キース「さてここに、一枚の報告書がある。言わずもがな、この二人の監視報告書だ」ピラリ

キース「ここには監視役により報告された萌えポイントがいくつも書かれている。紙の裏側にまで及んだのはこのペアだけだがな」

キース「先ほどのおんぶスタイル等々の情報もここから抜粋したのだが……」

キース「アルレルト訓練生に“ライナーじゃあるまいし”と言わしめたフーバー訓練生の真面目さをも覆した、イェーガー訓練生の言動がここに記されている」

ミーナ(見たい!聞きたい!)

クリスタ「気になる……かも//」

ミカサ「エレンの口説き文句……知りたい…ああでも言われたのは私ではない…悔しい」ビクンビクン

キース「今更見るなとは言わない。しかし……後戻り出来なくなる可能性もあるので見るならば腹をくくるんだな」チラッ

アニ(私を見た…!上等じゃないか…やってやるよ…)ゴクリ

眠くて貼る順序があやしくなっつきたので寝ます
また来ます

はよ

朝だぞ起きろ

――エレン・ベルトルトペア監視報告

(おんぶ時)
すごいなベルトルト!父さんにおんぶされたってこんなに高くなかったぜ!と首に腕を回した密着状態ではしゃぐ

(手つなぎ時)
ベルトルトってデカくて格好いいよな~何食ったらそんなにデカくなれるんだ?今日から飯一緒に食おうかな、と提案するも、…って兵舎の飯は皆同じだなと自分で気づき赤面する
………

(膝抱っこ時)
おんぶ重かっただろ?次はベルトルトが休めよ、俺の膝に座ればいい、と膝をポンポンと叩いて無茶を言う
結局ベルトルトの膝に座ることになると、おじゃましますと言って座るが体重を掛け過ぎないよう中腰なり震えていた
気づいたベルトルトが若干悶えていた

(相談中)
両手をつなげばシーツ沢山持って歩けるよな!と元気に提案
とりあえずやってみようかと膝の上のエレンと両手を繋いで向かい合ったところでベルトルトが何かに負けた模様
急に笑い出し、悩むのをやめるようエレンにいい、二人で昼寝を始めた

――…

アニ(あ……あ…)プルプル

クリスタ「挿し絵が欲しい」

ミーナ(教官!あとで書き写させてください!)

キース(あとでね)

ライナー(ベルトルトの名前を俺の名前に書き変えたい……)

キース(きも)

アルミン「脳内での会話はやめてください!」

アルミン「あ…そう言えばご褒美って結局なんだったんですか?」

キース「おお忘れていた。優勝ペアには先日手に入れた珍しい焼き菓子をやろうと思っていたのだ」

アニ「!」ピクン
ミカサ「!」ピクン
クリスタ「!」ピクン
ミーナ「!」ピクン
営倉サシャ「!」ピクン

アルミン(女子の食いつきが半端ないな……)

キース「自分で食べようと思ったんだが、よくよく材料表示をみたらアレルギーで食べられないものがあってな。超がっかり」

キース「しかし何かには使えるだろうと思ってとっておいたのだが、なかなかいい使い方になったな」

キース「さあもういいだろう、二人を起こして今回のお遊びは終了だ」

・・・・・

エレン「でもなんかな…俺たち走り回って寝てただけなのに優勝って言われてもよ…」

ベルトルト「基準がよくわからないね(さっきライナーが力説していた新たな扉のことは流石に言えない…)」

エレン「あ、この菓子だけどさ、ベルトルトに全部やるよ。俺何もしてないし。文字通りベルトルトにおんぶに抱っこだったからさ」

ベルトルト「……僕はエレンから沢山貰ったから、これはエレンにあげるよ」

エレン「いやいやおかしいだろ?俺何もしてないって…」

ベルトルト「ありがとうエレン、それでも今日僕は楽しかったから。六枚もあるんだし、それはエレンがあげたい人に分けてあげたらいいよ」

エレン「あ?……うん、わかった」

ベルトルト(僕もライナーの事を言えないな。仲間と大声あげて笑って、走り回って、手をつないで名前を呼び合う…それだけの事がこんなに楽しいことだったなんて)

ライナー「おい、早く罰則組を見にいこうぜ!」

ベルトルト「うん、いこうか」

エレン「……んー…」

アルミン「あ、エレン!教官にご褒美貰ってきたんだね」

エレン「おう、これから罰則くらった奴らを見に行くんだろ?」

アルミン「うん、皆が揃ったら激励にいってやれって教官が言ってたからね」

クリスタ「ユミルたちの罰則なんだろうね?」

エレン「流石に嵐の中じゃ外は走れないしな。ほれ、クリスタ」

クリスタ「え?」

エレン「あとアニとミカサとミーナに一枚ずつな」

アニ「!これは…」
ミカサ「……焼き菓子」
ミーナ「え?食べていいの?」

エレン「おう、甘いの好きだろ?菓子なんてなかなか食えないし。ベルトルトがあげたい奴にあげていいって言ってたからな。いいんだろ?」

ベルトルト「ああ、皆良かったね」

エレン「よし、じゃいこうぜ」スタスタ

アルミン(女子が感動してるよこの天然たらしめ!全く…なんて読めない男なんだよ君は…)クスクス

――食堂近くの一室

┌────────┐
│ジャミル様控え室│
└────────┘

エレン「ここか……ジャミル?」ガチャッ

ユミル「……」フリッフリ
ジャン「……」フリッフリ

アルミン「」
エレン「思い切った格好だなー」
ライナー「ぷっくっ…」ククク
ベルトルト「……」
ミカサ「……」
アニ「」
クリスタ「……」ガタガタ

エレン「夕食終わったら特設ステージで歌うらしいじゃん、がんばれよ!」

エレン「しかしジャンもユミルもフリッフリのステージ衣装だな!」

エレン「ジャンなんて腹筋丸出しで女装したミカサみてーだし」

ミカサ「!?」

アルミン「エレン!?色々酷いよその言い方は!」

エレン「おい、ユミルもそんなに離れてないでこっちこいよ」

クリスタ「!!だめっ!エレンっ!」

アニ「アンタは……部屋の隅で気配を消していたあの子の気持ちがわからないのかい!?」

ミカサ「エレン、ここはジャンをいじる流れ。ユミルは許してあげて」

エレン「なんでお前ら目をそらして話すんだ?」

ユミル「そうさ……てめぇはそういう奴だよな死に急ぎ野郎……!」ユラリ

ユミル「こんなフリッフリの服を着せられた私を笑いたいんだろう…?」ユラリ

クリスタ「あ……ああユミル、ヤケになっちゃダメよ…」

ユミル「歌を歌えだとよ、可愛い女の子たちならいざしらず……私とあのジャンに…っ!」カッ!

ユミル「出落ちは……必至だろう?」フッ

アニ(可哀想だが……)
ミカサ(その通りだとしか……)
クリスタ(ユミル……)ウルウル
ミーナ(……)ブルブル

ユミル「なんならてめぇも一緒に……モガッ」サクッ

ユミル「……甘い」サクサク

エレン「焼き菓子だよ。ユミルもなかなか可愛いぜ?それ食って頑張れよな」

かいしんのいちげき!

ユミル「……可愛い?」

エレン「おう、似合ってんじゃねーか、ジャンよりよっぽど見られるぜ?」

ユミル「……ジャンよりも?」

エレン「ん?ああ」コクン

ユミル(ジャンはミカサの女装みたいだと言われた…私はジャンより似合っていると言われた……つまり!)

ユミル「私は、ミカサよりも似合っているってことだな!」ピラメキ

ミカサ「!エレン!訂正して!これは聞き逃すことは出来ない!」ガタッ

ユミル(ミカサより上…これは容姿に若干のコンプレックスを抱きながら生きたこれまでの人生最大の賛辞!)

ユミル「今なら私は……何でも出来る…!」

クリスタ「ダメ…それは大きな思い違い…っ!」

ユミル「歌って踊って…ファンと握手!」

アルミン「……ファン……」ゴフッ

アニ「アルミンが吐血!?早速の犠牲者が…」ワナワナ

クリスタ「二人も協力してよぉ!このままじゃユミルが…大事故を起こしちゃう…」ウルウル

ライナー「クリスタ、すまんが関わりたくない」

ベ「」通常攻撃・気配断ち

ユミル「ジャン、やるぞ!時間があまりない!練習だっ!」

ジャン「」

エレン「おう、訓練通りやれば上手くいくさ」

アルミン「訓練関係ないだろ!?…あふ……」

アニ「わざわざ突っ込まなくていいんだ…横になってろ!」オロオロ

クリスタ「エレンが煽ったせいで大変なことに…これは玉突き型の巻き込み事故になるわ…ウウッ…」ポロポロ

ユミル「私はやる!やれる!うおぉぉぉっ!」

・・・・・・
・・・・
・・

なんでや・・・ユミル普通にかわいいやろ・・・

そんなこんなで夕食後の罰則ステージ。

嵐効果で普段よりも多くの者がひしめく会場で、アイドルユニット「ジャミル」はデビューを果たした。

からかい目的で来た者達も、ユミルによる自信満々のパフォーマンスを前にヤジすら飛ばせず、ステージは全十曲を歌いきる大成功をおさめた。

自信に満ちた者は輝くのだと、彼女は自らを持って証明したのである。

――ついでに言うと彼女は結構歌が上手かった。ファンもついた。

ジャンは手品を覚えた。

ワロタ

――男子寮、廊下

ベルトルト「すごいねエレン、本当にステージが成功したよ。正直ダメだと思っていたけど」

エレン「ああ、俺も正直ダメだと思ってたけどな。結果オーライだな」

アルミン(なんかエレンとベルトルトがいい感じに見えてきて複雑だよ)

ライナー(お前もこっち側に来ればいい…悩むことはない)ハアハア

アルミン(やめてよライナー。君興奮の沸点低すぎない?)

エレン「あ、ベルトルトそういえば……」

ベルトルト「ん?―─モガッ」サクサク

ベルトルト「んぐっ……これ最後の一枚じゃ…?」

エレン「あげたい奴にやれって言ってたからな。一緒に遊べて楽しかったぜ」ニカッ

ベルトルト「……」キュン
ライナー「……」キュン
アルミン「……」キュン
キース(……)キュン

アルミン(居たんですね……教官、報告書写させてください)

キース(あとでね)



お付き合いありがとうございました。

二作目なのですがまだまだ緊張します。
一作目のエレン「対人格闘のペア変更?」もよろしくお願いします!

>>45
ユミル可愛いですよね。大好きです。



サシャ「ところでわたしの分のお菓子は・・・?」

コニーでも食ってろよ

いやーおもしろかった

キースかわいい



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