ミカサ「エレンにだっていいところはある」(94)

サシャ「ミカサはなんでエレンとずっと一緒にいるんですか?」

ミカサ「家族だから当然」

クリスタ「でも凄いなぁ、ミカサ以外の女子兵は皆怖がって近づかないよ」

ミーナ「初日からどう見てもキチガイって感じだったからね」

ミカサ「むっ…」

アニ「しかも偉そうな事を言ってる割には実力はさほどでもないときたもんだ」

ユミル「ちょっと拍子抜けだよなぁ」

クリスタ「でもオーラだけはあって近づけないんだよね…私まだ一度も話したことないや」

サシャ「タチが悪いですねぇエレンは」

ミカサ「そんなことない!エレンにだっていいところはある!」バンッ

ユミル「おおっと?ミカサ様がご立腹だぜ?」ニヤニヤ

サシャ「怒ったミカサお餅みたいで可愛いです」

アニ「面白い、それならアイツのいいところを挙げてみてよ?私は思いつかないけど」

ミカサ「うっ…え、エレンの、いいところは…」

クリスタ「なになに?」ワクワク

ミカサ「ええと…そうだ!」

ミーナ「え?あるの?」

クリスタ「聞かせて聞かせて!」

ミカサ「昔、こんなことがあった」

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~~5年前~~


エレン「さてと。薪も拾い終わったし、帰ろうぜミカサ。」

ミカサ「わかった。…あれ?私のマフラーがない…」キョロキョロ

エレン「え?」

ミカサ「今日は暑かったから木陰に置いておいたのに…」

エレン「なくしちゃったのか?」

ミカサ「うぇぇん…」

エレン「泣くなよミカサ…新しいの買ってもらおうぜ」

ミカサ「新しいのじゃダメ…あれじゃないといやだぁ!」グスン

エレン「なんでだよ…」

悪ガキ「や~い!このマフラーは俺たちがもらったもんね~!」

エレン「あっ!あいつらが盗みやがったな!」

エレン「待ってろミカサ!俺が取り返して来てやる!」ニッ!

ミカサ「あっ、エレンだめ!」

悪ガキa「また性懲りもなく挑みに来たなエレン!」

悪ガキb「またボコボコにしてやるぜ!」

エレン「うるせぇ!ミカサのマフラー返しやがれ!」

エレン「うう…ちくしょう!まだ終わって…ねぇ…」ボロボロ

エレン「う…」バタン

悪ガキa「いいザマだなエレン!女のマフラーのために気絶するまで戦うかぁ?」

悪ガキb「こんな惨めなことがあろうか?さ~て、スッキリしたし帰ろうぜ!」

悪ガキc「おう…ってオイ!?やばいぞ!?」

ミカサ「………」ゴゴゴゴゴゴ

ミカサ「エレン、起きて」ペチペチ

エレン「ううん…ハッ!?」ガバッ

悪ガキ「」チーン

エレン「悪ガキが気絶している!?これはいったい…!?」

ミカサ「エレンの気迫が悪ガキを気絶させたの」

エレン「これを…俺がやったのか!?」

ミカサ「うん、そう。私の大切なマフラーを取り返してくれてありがとう」

エレン「あ、ああ!俺にかかればこんなもんよ!」ニッ

エレン「うっ…イテテ…」ズキズキ

ミカサ「(ヒドイ傷…私のために…)」

エレン「さっ、帰ろうぜ!英雄の凱旋だ!」

ミカサ「……うん!」

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ミカサ「この出来事からエレンのカッコよさがわかってもらえると思う!」キラキラ

サシャ「……いや、どっちかって言うと…」

ユミル「お前のカッコよさのほうが伝わったぞ?」

ミカサ「んなっ!?喧嘩がべらぼうに弱いエレンが私のために決死で戦いを挑んでくれたというのに!?」

ミーナ「でも取り返したのはミカサなんでしょ?」

ミカサ「そんなことは問題じゃない!あなたたちの感性は腐っている!」バンッ

クリスタ「う~ん…ミカサが大事だってのはわかったけど…」

アニ「(あいつ…漢気あるんだな…ちょっと見直したかも…)」

ユミル「ていうかお前の苦し紛れの嘘をそんな簡単に信じるとか…アホだなあいつ」

ミカサ「アホじゃない!アホって言った方がアホ!」

クリスタ「(ムキになってるミカサ可愛い)」

ユミル「ほ~、ならあいつが頭良かったエピソードでも聞かせてもらおうか?」ニヤリ

ミカサ「!?そ、そんな…」ガーン

アニ「いや、何か一つくらいあるんじゃ…?」

ミカサ「思い出せ私…!エレンの名誉のために…!」

サシャ「脳みそフル回転でも見つかるかどうか怪しいですねぇ」

クリスタ「まだかなまだかな~♪」ワクワク

ユミル「おい、ないなら無理しなくていいぞ?」

ミカサ「うるさい!絶対あるもん!あ!そうだ!」

ミカサ「昔、こんなことがあったんだった!」

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アルミン「森に探検に来たら迷っちゃったね…」

ミカサ「どうしよう…晩御飯に間に合わないよ」

エレン「落ち着け二人とも!こういう時こそ落ち着くんだ!」

アルミン「いや、元はと言えばエレンがもっと深いところ行こうっていうから…」

エレン「フッ…甘いぜアルミン!おれはこんなこともあろうかと…」

エレン「入口からここまでちょっとずつ石を目印に置いてきたんだ!」バーン

ミカサ「エレン凄い!頭いい!」

アルミン「やった!じゃあ辿っていけば戻れるんだね!見直したよエレン!」

ミカサ「目印が見つからないよぉ」

アルミン「……エレン?」

エレン「な、なんだよ!?ちゃんと探せば…!」

アルミン「どれぐらいの大きさの石を置いてきたの?」

エレン「え…これぐらいの…小さめの…」

アルミン「そんなのそこら中にあるよ!エレンのバカ!」

ミカサ「クンカクンカ」
アルミン「ミ、ミカサ?」
エレン「何してるんだ?」
ミカサ「この石はエレンの香りがする」
エレン「」
アルミン「」

エレン「………」シュン

ミカサ「大丈夫。エレンは頑張った、バカじゃない」ナデナデ

アルミン「仕方ない。僕の記憶を頼りに戻るよ。」

ミカサ「さすがアルミン。私も思い出しながら頑張る」

エレン「俺も頑張る!」スクッ

アルミン「くそぅ…もうちょっとで出口だった気がするんだけど…」

ミカサ「どっちの道にいけばいいのかわからない」

アルミン「迂闊に進むと危険だよ…どうしよう」

エレン「あっ!あれは!」

大きめの石「」ドーン

エレン「俺が置いておいた目印だ!こっちだ二人とも!」

アルミン「あんな大きいの!?小さいのしか置かなかったんじゃ…」

エレン「奮発して大きいの一個だけおいといたんだ!」ジャーン

ミカサ「エレン凄い!天才!」

エレン「へへん!」

アルミン「あれから5キロぐらい歩いてようやく出口についた~」ヘトヘト

ミカサ「アルミンの記憶力も凄いけど、エレンのおかげ!ありがとうエレン!」

エレン「任せとけって!」

アルミン「調子いいなぁまったく」

ミカサ「今日はシチューだって。アルミンも一緒に食べよう。」

アルミン「…うん!(まあいっか。)」

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ミカサ「あのときはエレンの機転によって救われた。」

ミカサ「このことから!エレンが頭も良いことがわかってもらえると思う!」バーン

サシャ「う~ん……?」

ユミル「目印置くって発想はいいんだが…なんか爪甘すぎないか…?その辺にある石置いても…」

ミカサ「そんなことは小さいミス!大きい石を一つ置いていたファインプレーに目をやるべき!」

クリスタ「でも大きい石見つけてもあと5キロもあったんでしょ?別にそんな重大なポイントじゃなかったんじゃ…?」

ミーナ「(アホ過ぎて逆に可愛いかも…)」

アニ「う~ん、頭悪いとは言わないけど、どっちかと言えばアルミンの記憶力が凄いかなぁ」

サシャ「やっぱアルミンって頭ン中特別なんですねぇ」

ミカサ「重要なのはエレンが!あのエレンが一生懸命考えたということ!」

ミカサ「アルミンが凄いこと考えるのは当たり前!でもエレンがこういう事思いついたのは凄いこと!」

ユミル「それ褒めてんのか…?」

ミカサ「アニはこの間対人格闘でエレンの砂かけ目つぶし殺法にやられてた!」

ミカサ「エレンは頭いいから危険な時にああいう機転が利く!」

アニ「いやあれは流石に姑息だった」

ミーナ「ちょっと見苦しかったね」

ミカサ「戦場ではそんなことは言いわけでしかない!」

クリスタ「エレンをけなすつもりはないけど、そこまでしないと勝てないってことなんじゃ…」

ミカサ「!?」

ユミル「だいたいデリカシーがないよな。アニは女の子だぞ?」

ミカサ「アニは強いから問題ない!」

アニ「いやさすがにもうちょっと気を使ってほしいよ」

サシャ「エレンが優しかったエピソードはないんですか?」

ミカサ「エレンはいつでも優しい」

ユミル「優しいってそれはお前とアルミン限定じゃんか。」

クリスタ「私たちには優しくないっていうか…いや、そうじゃないんだけど…ええと…」

サシャ「本当に優しいならパンの一つも献上しろってんです」

ミカサ「違う!エレンは優しい!誰にでも平等に!」

アニ「何かエピソードがあるの?」

ミカサ「えっ…」

ユミル「お前に対して優しかったってのは無しだからな。」

クリスタ「アルミンも抜きでお願い」ワクワク

アニ「ついでに両親も抜きで。親に優しいのは当たり前。」

ミカサ「(どうしよう…あと誰が?ハンネスさんぐらいしか…でもあの飲んだくれに優しかったことなんて…)」

ミカサ「……ッ!」プスプス

サシャ「頭から湯気が出てますよ」

ユミル「ついにミカサアルバムも限界か?ん?」ニヤニヤ

ミカサ「……」シュウウウン

ミーナ「シャットダウンしちゃった」

アニ「これにて解散、か?」

ミカサ「……!!」ウィィィン

サシャ「待って!再起動しましたよ!」

ミカサ「ある!あの時のエレンは…」

クリスタ「なになに!」ドキドキ

ミカサ「マザー・エレンだった!!」

ユミル「男じゃねーのかよあいつ」

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エレン「今日も大勝利だったなぁ!!」ボロボロ

ミカサ「エレンのおかげ。エレンは強い」

エレン「おう!俺は強い!」

アルミン「(けなげだなぁミカサは…)」

ハンネス「ダッハハ!エレン、お前またボコボコにされてきたのかぁ!?」

エレン「なっ!?違うよ!今日は勝ったんだって!勝ったの!」

ハンネス「お、その反応図星だろ?ズバリ当たってしまったかなぁぁぁーー!?」ケラケラ

エレン「違う、違うったら…」ウルウル

ハンネス「早く強くなってミカサを守ってやれよ?じゃあなぁ!」ケラケラ

エレン「うぅ…」グスン

ミカサ「あの飲んだくれめ…」ギラッ

アルミン「ミカサ!どう、どう!」

エレン「……」シュン

ミカサ「(せっかくエレンが良い気分だったのにシュンとなっちゃった…)」

ミカサ「(ハンネスさんめぇ…悪い人じゃないんだけど)」

アルミン「エレン、早く帰ろう?」

エレン「……ああ…」

>>1
いい人生だった…
の人かな?あの巨人がビクッとするやつ

蜂「」ブンブン

アルミン「あの木は蜂がいっぱいいるね。ハチミツって知ってる?蜂の巣からとれるんだけど甘くて美味しいんだ」

ミカサ「アルミンは物知りで羨ましい。でもあの木は危険だから避けて通ろう」

エレン「……」ボーッ

「ニャー」

エレン「……?」

エレン「今なんか聞こえなかったか?」

ミカサ「?」

アルミン「いや何も…エレンの空耳じゃ?」

エレン「いや、よく耳をすませば…」

「ニャアァン!」

エレン「ほら!」

アルミン「ホントだ!猫の鳴き声?どこから?」

ミカサ「あ!あそこ!」

>>53 よく分かるな

子猫「ニャー」

アルミン「木の上だ!降りてこれないんだ!」

エレン「よし、助けるぞ!」

ミカサ「待ってエレン!行っちゃダメ!」

エレン「なんでだよ!?」

蜂「」ブンブン

エレン「う!?蜂か…!」

ミカサ「危険すぎる。ハンネスさんを呼んでこようよ」

エレン「ダメだ!あんな飲んだくれ待ってたらあの猫蜂に刺されちまう!」

アルミン「でも助けに行ったら僕らが蜂に刺されちゃうよ!」

ミカサ「エレンが怪我をするのはいや!命を投げうっちゃだめだっておじさんも言ってた!」

エレン「でも!早く助けてやらないと!親猫もきっと心配してるぞ!」

アルミン「ダメだよエレン!毒持ってたらどうするんだ!」

ミカサ「この世界は残酷なのエレン。仕方のないこともあるの!」

エレン「…もし俺が逆の立場だったら…」

ミカサ「!」

エレン「…きっと助けて欲しいと思う…」グスッ

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グリシャ「エレン!私はお前が自分の命を軽々に投げ打ったことを咎めているんだ!」

エレン「でも…早く助けてやりたかった…」グスン

ミカサ「………」



エレン「暖かいだろ?…早く帰ろうぜ、俺たちの家に」
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ミカサ「わかった。助けよう」

アルミン「み、ミカサ!危険だからやめようよ!」

ミカサ「アルミンを巻き込むつもりはない。下がってて」

エレン「大丈夫だアルミン。すぐ助けるから!」

アルミン「…ああもう!僕もやるよ!」

ミカサ「(あの子猫も、かつての私と同じ。この世界は残酷。でも、こんな世界だとしても…)」

ミカサ「(エレンのような人もいる!私もそうなりたい!)」

エレン「届かない!ミカサ、俺を肩に乗せてくれ!」

蜂「」ブンブン

ミカサ「エレンが危険!私が上に乗る!」

エレン「お前はダメだ!」

ミカサ「なんで!?」

エレン「お前は俺がまも…」ピタッ

ミカサ「?」

エレン「す、スカートだからダメだ!」

ミカサ「!?///」

エレン「肩借りるぞ!」ガッ

ミカサ「う、うん!」

蜂「」ブンブン

エレン「くそっ…蜂が多すぎる!」

アルミン「こっちだ蜂共!」ダッ

エレン「アルミン!?何を!」

アルミン「蜂は黒いものを攻撃しやすいんだ!僕はちょうど黒いシャツを着てるから今のうちに子猫を!」

蜂「!!」ブンブン

アルミン「うわぁぁ!!」ドドド

エレン「さすがだアルミン!よしっ!今のうちに」

エレン「ほら、ゆっくりこっちにおいで…」

子猫「ニャー…」ビクビク

エレン「やっぱり俺の顔怖いのかな…」

エレン「恐くない、恐くないぞ…」ニカッ

子猫「ニャア…」ソロリソロリ

エレン「よしっ!キャッチ!」パシッ

蜂「」ブンブン

エレン「げっ!?まだいた!!いてっ!?」チクチク

子猫「ニャアー」

親猫「ニャーニャー」ナデナデ

ミカサ「良かった…」ニッコリ

アルミン「ハンネスさんを呼んできたよ!」

ハンネス「エレン!大丈夫か!?」

エレン「痛いよぉ…」グスン

ハンネス「うわぁ…男前になっちまったなお前…凄い腫れてるぞ」

ハンネス「ほら、治療してやるから。後は家で父ちゃんに診て貰え」

エレン「うん…」

ハンネス「お?ミカサ…お前は怪我無いのか?」

ミカサ「え?うん。」

ハンネス「そうか…エレン。よくやったな」グッ

エレン「へへ…」グッ

ミカサ「?」

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―――――――――――――――――――――――――――――

ミカサ「……これが、エレンが優しかった、私の大切な思い出…」

ミカサ「皆、わかってくれ…た…?あれ?」

ユミル「ううぅ…」シクシク

アニ「なんて…」ウルウル

クリスタ「なんて優しいのエレン…」グスン

サシャ「知りませんでした…」ポタポタ

ミーナ「今まで頭おかしいと思ってごめんエレン…」グジュグジュ

~~翌朝~~

ユミル「よう!エレン!おはよう!」ニコ

クリスタ「おはよう!エレン!」ニコ

ミーナ「おはよー!エレン!」ニコ

ジャン「おはよう!ミカサ!」

アニ「おはよ、エレン。」

サシャ「おはようございます!エレン!」モグモグ

エレン「なっ…なんだあいつら…急に馴れ馴れしくしやがって…気持ち悪いなぁ」

ミカサ「よかった…誤解が解けて。」ニッコリ

エレン「ん?なんか言ったか?」

ミカサ「別に、なんでもない。」

アルミン「(なるほど…引かれ気味のエレンのためにミカサが手を打ったわけか。けなげだなぁ…)」

ミカサ「ねぇエレン。あの時もしかして…」

エレン「あの時?」

ミカサ「…いや、なんでもない。」

ミカサ「(昨日話してて気づいた。エレンは私を…蜂から守ってくれたんじゃないかって)」

ミカサ「……///」

エレン「なんだよお前まで。気持ち悪いぞ」

アルミン「エレン!そんなこと言っちゃダメ!(バカ!)」

ミカサ「ねぇ、エレン。」

エレン「今度は何だよ!早く朝飯食べたいんだよ俺は!」

ミカサ「…ずっと一緒にいようね。」

エレン「………」

エレン「当たり前だろ?家族なんだから」

アルミン「(……バカ!)」

~~終わり~~

おしまい

エレンは同期から死に急ぎ野郎と呼ばれるぐらいなので主要キャラ以外の女子からは避けられてそう
でも困ってる人はほっとけないいい子なのです
アルミンは途中で黒いシャツを脱ぎ捨てたので逃げ切れました

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