女騎士「『基本無料で遊べるオーク』……?」(33)

女騎士「この看板、どういう意味だ……?」

女騎士「まあいい、今回の目的は洞窟に潜むオークの討伐だ」

女騎士「私一人だけの作戦となるが、問題はあるまい」

触手「キシャーーー!!」

女騎士「ふんっ!!」ザクッ

触手「ギャーーー!!」ビチャッ

女騎士「他愛もない、さて問題のオークはどこだ?」

オーク「……」

女騎士「でたな」チャキ

女騎士「私個人の恨みはないが、討伐依頼が出ているのだ」

女騎士「その首貰い受けるぞ!!」ザンッ

オーク「……ッ!!」ガキン

女騎士「やるな!!しか……し……!?」ガクッ

女騎士「何だ、体が……」プルプル

女騎士(まさか、先ほど切り捨てた触手の断面から吹き出した体液!)

女騎士(鎧の隙間から入り込んで、麻痺効果を及ぼしたのか!?)

女騎士「くっ……」

オーク「……」

女騎士(このままモンスターの慰みものになるぐらいならば)

女騎士「殺せ!!」

オーク「このイベントを続けるにはゲーム内トークンが100単位必要です」

女騎士「は?」

オーク「トークンは10単位で1ゴールドです」

オーク「購入しますか?」

女騎士「ど、どういう意味だ……?」

オーク「購入しますか?」

女騎士(このまま待っていれば麻痺も回復してオークを倒せるハズだ)

女騎士(相手が何もしないと言うなら、願ったりでは……)

女騎士「はあ、はあ……」

女騎士「なんだ、体が熱い……?」

オーク「……」スッ

女騎士「わ、わたしに触れるな……ひあっ」ビクン

オーク「……」

女騎士「くっ……」

オーク「このイベントを続けるにはゲーム内トークンが100単位必要です」

女騎士「え?」

女騎士「この体の熱さも先ほどの触手の体液の効果か……」

オーク「トークンは10単位で1ゴールドです」

オーク「購入しますか?」

女騎士「だから何なのだそれは!?」

オーク「……」サワッ

女騎士「ひうっ」ビクン

オーク「……」

女騎士「……」

オーク「このイベントを続けるにはゲーム内トークンが100単位必要です」

女騎士「なんなのだ、これはいったい何の拷問なのだ!?」

女騎士(こんなことを続けられるぐらいならいっそのこと凌辱された方がマシに思えてきたぞ!)

女騎士(しかしそれでは騎士としての誇りが……)

オーク「トークンは10単位で1ゴールドです」

オーク「購入しますか?」

女騎士(……トークン100単位でも10ゴールドか)

女騎士(その程度で済むなら、いやしかし)

オーク「購入しますか?」

女騎士(……体の痺れも一向に取れないし、事態を進展させるべきなのでは?)

女騎士(体液の染みた衣服を剥ぎとられれば麻痺毒も弱るかも知れぬし)

女騎士(け、決してこのオークに好きなようにされたいなどとは考えていないぞ!)

オーク「……」

女騎士「ああわかったよ、購入すればいいのだろう!!」

オーク「いくら購入しますか?」

女騎士「10ゴールド分だ」

オーク「トークンを100単位購入しました」チャリーン

女騎士「なんだ!?」

女騎士「硬貨を床に落としたときのような謎の音と共に、視界の端に青いコインと数字が浮かんだぞ!?」

オーク「現在所有しているトークンは100単位です」

女騎士「つまりこのクルクル空中で回ってる青コインがトークンなのか?」

オーク「このイベントを続けるにはゲーム内トークンが100単位必要です」

女騎士「なんでもいいから早くしろ!」

オーク「ゲーム内トークンを100単位消費しました」チャリーン

オーク「……ぐへへ、上玉の人間の雌じゃねえか」

女騎士「ッ!!」ビクッ

オーク「たっぷり可愛がってやるよ」

女騎士「くっ、やめろ!!」

女騎士「私は貴様のようなケダモノには決して屈さぬ!!」

オーク「……」ピタッ

女騎士「え?」

オーク「このイベントを続けるには、アイテム『鎧が溶ける薬』が必要です」

女騎士「なん……だと……!?」

オーク「このイベントを続けるには、アイテム『鎧が溶ける薬』が必要です」

女騎士「ちょっとまて、鎧ぐらい素手で引き剥がせば良かろうが!!」

オーク「このイベントを続けるには、アイテム『鎧が溶ける薬』が必要です」

女騎士「いやいやいや、必要にしてもそれはお前が用意すべきアイテムだよな!?」

女騎士「なぜ私の方で用意せねばならぬのだ!!」

オーク「このイベントを続けるには、アイテム『鎧が溶ける薬』が必要です」

オーク「アイテム『鎧が溶ける薬』を購入するには250トークン単位必要です」

女騎士「また金をとるのか!?」

オーク「トークンは10単位で1ゴールド、110単位で10ゴールド、1,500単位で100ゴールドです」

女騎士「は?」

オーク「トークンは10単位で1ゴールド、110単位で10ゴールド、1,500単位で100ゴールドです」

女騎士「そ、それは一気にまとめて購入すれば割安で購入できるということか……?」

オーク「トークンは10単位で1ゴールド、110単位で10ゴールド、1,500単位で100ゴールドです」

女騎士「おいヘルプ機能が不親切だぞ!!」

オーク「トークンは10単位で1ゴールド、110単位で10ゴールド、1,500単位で100ゴールドです」

女騎士「くっ……」

女騎士(どうする、余らせてしまうぐらいなら節約した方がマシだ)

女騎士(しかしこの流れ、さらなるトークンを要求される可能性もある)

女騎士(その場合、10単位ずつの購入と1500単位の一括購入では雲泥の差が生まれてしまう)

女騎士(ここは敢えて先に一括購入をしてしまうのが賢い選択なのではないか?)

オーク「トークンは10単位で1ゴールド、110単位で10ゴールド、1,500単位で100ゴールドです」

女騎士「……1,500単位購入で」

オーク「トークンを1,500単位購入しました」チャリーン

女騎士「一気に100ゴールド消費か、細々したものだが散財した気分だぞ……」

オーク「現在所有しているトークンは1,500単位です」

オーク「アイテム『鎧が溶ける薬』を購入するには250トークン単位必要です」

女騎士「ああ、支払うぞ」

オーク「ゲーム内トークンを250単位消費しました」チャリーン

オーク「ぐへへ、ではこの『鎧が溶ける薬』を使わしてもらうとするか」

女騎士「私が買ったのに貴様が即使用か!」

女騎士「まあ……それでいいのだが」

オーク「観念するんだな、そおれ!」バシャッ

女騎士「くっ、本当に鎧が溶けるだと……!」シュウウウウ

オーク「いい眺めじゃねえか」ジュルリ

女騎士「ふざけるな、貴様など私の体調が万全ならば……」

オーク「負け惜しみが言えるのもここまでだ、さーて」

女騎士「くっ」

オーク「……」ピタッ

女騎士「ん?」

オーク「このイベントを続けるには、装備のレベルが足りません」

女騎士「」

オーク「装備を購入しますか?」

女騎士「ちょっと待てええええええええええええええ!!!」

女騎士「お前が、私の、鎧を、溶かしたの、だろうがッ!!!」

オーク「このイベントを続けるには、装備のレベルが足りません」

オーク「装備を購入しますか?」

女騎士「理不尽だ、こんなのあんまりだ……」

オーク「装備を購入しますか?」

女騎士「はいはい、分かったよ……」

女騎士「それでどんな装備があるんだ?」

オーク「猫耳(Lv.5):1,000トークン単位」

オーク「白衣の天使(Lv.10):3,000トークン単位」

オーク「あぶない水着(Lv.30):10,000トークン単位」

女騎士「装備!?」

女騎士「それ違うよね、ただ単にお前の好みに合わせただけだよね!?」

オーク「装備を購入しますか?」

女騎士「質問に答えろおおおおおおおおおおおおおっ!!」

オーク「猫耳(Lv.5):1,000トークン単位」

オーク「白衣の天使(Lv.10):3,000トークン単位」

オーク「あぶない水着(Lv.30):10,000トークン単位」

女騎士「いやそうじゃなくて!!」

オーク「装備を購入しますか?」

女騎士「くっ、いくら理不尽でも装備を買わなければ話が進まないのか……」

女騎士(あれ、何故私は話を進めようとしているのだ……?)

女騎士(いやしかし、金を払っている以上は使い切らなければ勿体無いしな)

女騎士(少額とはいえ今まで払った金が無駄になるのも心苦しい)

女騎士(いつ回復するか分からぬ麻痺状態でこの状況を続けるというのもアレだしな、うん)

女騎士(そうだ、私は間違っていないハズだ!!)

オーク「装備を購入しますか?」

女騎士「わかった、それじゃ……その……猫耳を……」

オーク「現在所有しているトークンは1,250単位です」

オーク「猫耳(Lv.5)を1,000トークン単位で購入しますか?」

女騎士「……ええい、ままよ!!」

女騎士「イエスで!!」

オーク「ゲーム内トークンを1,000単位消費しました」チャリーン

女騎士「おっ」ポワン

女騎士「いきなり頭に猫耳が現れたぞ……まあ今更驚くことでもないか」

女騎士「さあ、早くイベントとやらを進めるのだ!!」

オーク「このイベントを続けるには、装備のレベルが足りません」

女騎士「は?」

オーク「このイベントに必要な装備レベルはLv.30以上です」

女騎士「先に言えよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

オーク「装備を購入しますか?」

女騎士「っていうか、Lv.30って……」

オーク「猫耳(Lv.5):1,000トークン単位」

オーク「白衣の天使(Lv.10):3,000トークン単位」

オーク「あぶない水着(Lv.30):10,000トークン単位」

女騎士「やっぱり一番高いヤツ!!」

女騎士「しかも『あぶない水着』ってなんだ『あぶない水着』って!!」

女騎士「具体的に何がどうあぶないんだ!!水着なのに!?」

オーク「装備を購入しますか?」

女騎士「い、10,000トークン単位か……」

オーク「トークンは10単位で1ゴールド、110単位で10ゴールド、1,500単位で100ゴールドです」

女騎士「も、もっと上はないのか……?」

オーク「トークンは20,000単位で1,000ゴールド、100,000単位で3,000ゴールド、300,000単位で5,000ゴールドです」

女騎士「高額一括購入させて荒稼ぎしようという思考が見え見えすぎる!!」

オーク「トークンは20,000単位で1,000ゴールド、100,000単位で3,000ゴールド、300,000単位で5,000ゴールドです」

女騎士「くっ、あまりにも5,000ゴールド払った時の倍率が高すぎて他の一括購入が損に思えてしまう!」

女騎士「しかしまとめて5,000ゴールド払うのは流石にもう少額投資とは言えないし……」

女騎士「だがこのまま続けていれば更なる高額支払いが待ち受けている可能性も……」

オーク「トークンは20,000単位で1,000ゴールド、100,000単位で3,000ゴールド、300,000単位で5,000ゴールドです」

女騎士「まあ待て、流石にここで即断は浅慮に過ぎる」

女騎士(1,500単位ずつで購入すると700ゴールドで10,500単位)

女騎士(これは20,000単位で1,000ゴールド支払った方がお得だろう)

女騎士(問題は更に上を目指すかだが……)

女騎士(100,000単位購入で、あぶない水着を買っても90,000単位が残る、これでも十分な気はする)

女騎士(だが次に100,000単位以上の買い物をさせられるのならば、300,000単位購入した方が圧倒的にお得だ)

女騎士(仮に100,000単位ピッタリの買い物でも、1,000ゴールドで20,000単位追加すれば事足りるしな)

女騎士「……あれ、それでは合計4,000ゴールドの支払いで120,000単位しか買えないではないか」

女騎士(そうだ、しかも150,000単位の買い物などを強要された場合はどうなる?)

女騎士(3,000ゴールドの追加購入を余儀なくされた上に、40,000単位しか残らないではないか!)

女騎士(しかし最初から5,000ゴールドで購入していれば、それでも14,000単位も残る……ッ!!)

女騎士「……ああ、決めたぞ!」

女騎士「5,000ゴールド支払う、300,000トークン単位を一括購入だ!!」

オーク「トークンを300,000単位購入しました」チャリーン

女騎士「はははっ!!心なしか視界の端の青コインが輝いて見えるぞ!!!」

オーク「装備を購入しますか?」

女騎士「無論だ、『あぶない水着』をいただこうか!!」

オーク「ゲーム内トークンを10,000単位消費しました」チャリーン

オーク「現在所有しているトークンは290,250単位です」

女騎士「ふははははは、この残高ッ!!」

女騎士「圧倒的ではないか我が課金は!!!」ポワン

女騎士「おお……これが『あぶない水着』か」

女騎士「た、確かにこれはあぶない……主に放送事故的な意味で」

オーク「ほお、なかなかそそる格好をしているじゃねえか」

女騎士「まあお前に買わされたんだけどな、半ば強制的に」

オーク「さて、これから自分がどうなるか分かってるな?」

女騎士「ああ、貴様が脱ぐのに課金が必要だろうと、私を剥くのに課金が必要だろうと受けて立つ!!」

女騎士「もう5,000ゴールドもつぎ込んだんだ、今の私には何も怖れるものは無い!!」

女騎士「さあこい、次の課金イベントオオオオオオオオオッ!!」

オーク「……」チョンチョン

女騎士「ん?」

オーク「……」クイッ

女騎士「そっちがどうかしたか?」


ドドドドドドドドドドド

歩兵1「女騎士様、ただ今助けに参りました!!」

歩兵2「我らが他の騎士殿の援軍に向かっている間に、まさか単独で魔獣討伐に向かわれるとは!」

歩兵3「俺たちが帰ってきたからにはもう安心ですぜ!!」

女騎士「お、お前たち!!」

歩兵1「女騎士様、なんて格好を……」

歩兵3「この変態オークめ、よくも俺たちの女騎士様にこんな格好させやがったな!!」

歩兵2「覚悟ッ!!」バッ

オーク「……ッ!!」カキンッ

歩兵1「ああ女騎士様、嘆かわしや、麻痺毒によって動けないのですね」

歩兵3「今すぐ助けやすぜ!!」グイッ

女騎士「ちょ、ちょっと待てお前ら!!」

女騎士「私は5,000ゴールドも突っ込んだのだぞ!?」

女騎士「ここで退却しては折角の課金が無駄になってしまう!!」

歩兵1「お金なんかよりも女騎士様の身の安全です、逃げますよ!!」

女騎士「くっ、オーク!!私を襲え!!」

オーク「……ッ!」ガキンガキン

歩兵2「ここは私が引き受ける、お前たちは早く女騎士様を外へ!!」ギリギリギリ

女騎士「そんな、ここでイベント強制終了だと!!聞いていないぞ!?」

歩兵3「女騎士様、なんか言ってることがおかしくねえ?」

歩兵1「いくら女騎士様が強いと言っても女性」

歩兵1「モンスターに凌辱されかけた精神的苦痛は計り知れません、そっとしておいてあげましょう……」

女騎士「こんなことは許されない!!課金した以上はせめて最後までイベントを確認しておきたいぞ!!」

歩兵1「はいはい、帰りますよ女騎士様」

女騎士「チクショオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

~数日後~


オーク「……」

女騎士「部下どもの制止を振り切ってなんとか再びやってきたぞ!」

女騎士「念のために確認しておくが、今のトークン残高は?」

オーク「現在所有しているトークンは290,250単位です」

女騎士「よしよし、大丈夫のようだな」

女騎士「今日のために銀行で引き出してリアルマネーもしっかり確保してきた!」

女騎士「今度こそ本当に、何も怖れるものは無い!!」

女騎士「それでは改めて……」





女騎士「くっ……殺せ!!」



(おわり)

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