穂乃果「ラストライブ、前夜」 (33)

*2期12話「ラストライブ」未視聴勢、ブラウザバック推奨



***以下、ネタバレ注意

*みじかめ。
*学校お泊まりの補完(のつもり。)
*基本、穂乃果視点。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1403608626

―――寝れない。

夕方から夜まであれだけ騒いだのに寝れないことに自分でもびっくりしちゃうぐらい。

晩ごはんの時間、楽しかったなあ。

相変わらず個性的なメンバーだなあと、再確認させられちゃった。

…にこちゃんの料理おいしかったなあ。今はあんな感じだけど、意外と将来は普通のいい専業主婦になってたりして、なんて。

こんなこと言ってると真姫ちゃんに怒られちゃうかな?「なんで私が出てくるのよ!イミワカンナイ!」とかって。

今日も真姫ちゃんはみんなにツッコミをいれながらも、希ちゃんにいじられて顔をトマトみたいに真っ赤にしてたなあ。

希ちゃんといえば、絵里ちゃんは希ちゃんにからかわれてたっけ。電気を消した時の絵里ちゃん、かわいかったなあ。

凛ちゃんはどこからかラーメンを持ち込んでるし、花陽ちゃんは満面の笑みでごはんをほお張ってるし。

ことりちゃんと海未ちゃんはいつもと同じように私のそばにいてくれて。あ、それはもっと昔からだっけ。あはは

ラストライブの前の晩だってわたしたちはいつもと何も変わらない。

そう。μ'sの最後のライブが、ラブライブの決勝が明日に控えていたとしても、何も変わらない。

本当に、いつもと変わってない。前に決めたとおり、≪最後まで、私たちらしく。≫

たくさんの気持ちが入り乱れているけど、みんな覚悟は決まってるから。


私は今、本当に幸せなんだと思う。

お昼の練習で「寂しくなっちゃダメ!」なんてことりちゃんに怒られたけど、実はそうじゃなくて。もちろん3年生の卒業は本当に寂しくて悲しいんだけど、あのとき感じたのは、大きな幸せ。
いつか消えてしまうとわかっているのに感じることをやめられない、大きくて、そして儚い幸せ。

誰にも振り向いてもらえなくても、誰にも応援されなくても、なんて言いながら始めたスクールアイドルだけどこんなに立派になって。夢のよう。

このメンバーで、この9人で感じる、この幸せ。この感覚がどうしようもなく好きで…たまらなく好きで。

ちと休憩

なーんて考えてると

ゴソゴソッ

ん?誰か…?トイレにでも行くのかな?

カーテン越しの淡い月明かりに照らされたその柔らかな髪は…絵里ちゃん?

部屋を出て…トイレじゃなさそう。屋上…?

どうしたんだろう…?


絵里ちゃんを追いかけて屋上へ出てみると、綺麗に整った顔が星空を眺めていて…

穂乃果「絵里ちゃん?」

絵里「あら、穂乃果…ごめんなさい、起こしてしまったわね」

穂乃果「ううん、寝付けなくて困ってたところだよ。絵里ちゃんはどうしたの?」

絵里「私もどうにも眠れなくてね…夜風に当たろうかなって」

穂乃果「そうなの?」

絵里「早く寝ないと海未かにこに叱られそうね、『本番が控えてるのに!』って」


穂乃果「あはは、特に海未ちゃんに怒られるかも、穂乃果は」

絵里「『今はラブライブに集中』なんて言ってたのに、卒業の話なんて考えて眠れなくなって…困ったものね、私も」

スタイル抜群の美人で、頭もよくて、ダンスも上手で、いつも頼りになって、でも少しヌケてて、そんなところがとっても魅力的で…。

そんな絢瀬絵里という一人の友達が、大好きな絵里ちゃんが寂しさを押し殺してそうつぶやくのを見たら、私もどうしようもなく寂しくなって。

今まで押さえつけてきた感情が一気に溢れ出すようで、目の前にいる端正な顔立ちの女の子を抱きしめたくなって。抱きしめずにはいられなくなって。

絵里「ほ、穂乃果?」

とりあえずいったんストップです。(書き溜めが。。。)
見てくださってる方、ありがとうございます

書きあがったぶん投下します。言い遅れましたが、SS初投稿ですので遅漏はご容赦ください…。


穂乃果「ごめんね、急に抱きついちゃって…でも、こうしないと絵里ちゃんがどこか遠くへ消えちゃうんじゃないかって…!」

絵里「かまわないけど…別に私はどこにも消えたりしないわよ?今日の穂乃果はいつもより甘えんぼさんね?」

穂乃果「…絵里ちゃん」

絵里「ん?」

穂乃果「私、怖い。」


絵里「どうしたの?そりゃ夜の屋上なんて私もちょっと、ちょっとだけ怖いけれど…」

穂乃果「……今が幸せすぎて、この幸せが壊れてしまうのがすごく怖いの。μ'sの解散を決めたのは穂乃果たちだし、卒業がいやだ、なんて勝手なことを言ってるのもわかってるよ、ごめん……。でも…でも…!もうすぐ絵里ちゃん達が卒業して…μ'sもなくなって…!」

絵里「穂乃果…」

穂乃果「ごめんね、余計なこと言っちゃって…。卒業するっていうのに迷惑だよね…ごめんね…」



絵里「…ありがとうね、穂乃果」

穂乃果「…え?」

小刻みで申し訳ない。今日はこの辺にします…

遅くなりましたが再開します。今からあげる分と、次にあげる分で完結予定です。


絵里「…ありがとうね、穂乃果」

穂乃果「…え?」

絵里「私たちをそんなに大切に思ってくれてるってことに、よ。」

「私も卒業は寂しいけれど、そんな風に思ってくれるあなたたちがいるから、あなたたちのために頑張ろうって思えるの。こんなに、こんなに幸せなことって他にないのよ?」

「穂乃果…私はあなたの、あなたたちのそんな思いに救われたの。そしてここまで引っ張ってきてもらったのよ。」

「穂乃果の力はすごいのよ?穂乃果がやると決めたらみんな何も言わずにそれについていこうって思えるの。」

「だから私は今とっても幸せよ。みんなと一緒にいられて、穂乃果の笑顔に引っ張ってもらって、本当に幸せなの。だから…ありがとう、穂乃果」


穂乃果「グスッ、え、絵里ちゃん…!わたし…!グスッ」

まただ。私はまたこうやって絵里ちゃんに救われている。

未来へ進む絵里ちゃん達に心残りがないようにするためにもしっかりしなくちゃって1週間前に決めたばかりなのに、どうしようもなく涙が止まらなくて…

そのまましばらく絵里ちゃんに抱きついたまま泣いちゃって。

絵里「もう泣きやんだ?大丈夫?」

穂乃果「うん、グスッ、ありがとう…」

絵里「ふふっ、いいわよ。それに、私も少し泣いちゃった」

穂乃果「絵里ちゃんは強いね。私には真似できないよ。」

「人が旅立つとき、つらいのは置いていかれるほうじゃないんだって。つらいのはみんなを置いて旅立つほうなんだよね?きっとそうだよ。」

「なのに、絵里ちゃんは泣き言なんて言わない。どうしてそんなに強くいられるの?」

残りは、何とか書き上げて今晩で完結させます・・・

完結まで行きます。


絵里「強くなんてないわよ?別れを受け入れるなんてできてないし、本当は今日も、思い出が詰まった屋上で一人で泣くつもりだったの。私は自分の弱さを周りに見せるのが苦手だから…。」

穂乃果「そう…だったの」

絵里「別に気にしなくていいわよ?それに、一度はμ'sのみんなに救われた私のこの気持ちは、そしてこの涙は、みんなで夢を叶えるまで見せられない。そう思っているのよ。」

絵里「私は、ううん、私たちは!このメンバーで、ラストライブで、見事ラブライブ優勝を果たす。そうでしょ?」

穂乃果「…うん…うん!そうだよね、何か吹っ切れたよ!」

絵里「そう、穂乃果はそれでいいのよ。あなたは人気のスクールアイドルグループμ'sのリーダーなんだから!」

穂乃果「元気出てきた!よーし!あらためて、ぜっっっっったいに優勝しなくちゃね!!」


絵里「その感じが一番穂乃果らしくて好きよ」

穂乃果「うん!じゃあ、私からも言わせてね!ありがとう、絵里ちゃん!私、他のことは考えない!一進一跳、全身全霊で頑張ってみせる!」

絵里「ふふっ、どういたしまして。じゃあ決意を新たにしたところで、そろそろ寝なくちゃいけないわね…今度こそ、海未に怒られちゃうわよ?」

穂乃果「それはまずいよ絵里ちゃん!はやく寝なくちゃ!」

絵里「じゃあ部屋に戻りましょ?」

穂乃果「うん!絵里ちゃん、手つないでもいい?」

絵里「もちろんよ」

絵里ちゃんの手は柔らかい温もりがあるなあ。ずっとつないでいたいよ…



―――――――――――

部室に戻って、それぞれ布団に入って。

みんなは夢の中かな?どんな夢を見てるのかな?

やっぱり幸せそうなみんなの顔が一番、あらためてそう思える。

泣いちゃったせいか、時間が遅いせいか、両方なのか、布団に入ると心地よい眠気に襲われる。

すうっと意識が遠のいていくのを感じながら、明日の大会に思いを馳せて…

…………絵里ちゃん、大好き…。



―――そして朝。

鳥の鳴き声で目が覚めて…

「うわぁ~・・・っ!」そう、今日はラブライブ決勝当日。

カーテンを開けるとそこには豪快な青空が広がっていて、いつもと変わらない校庭が広がっていて。

後ろを見れば、いつもと変わらないみんながいて。

「まぶしいよう…」だって。

あはは、みんなまだ寝ぼけてるなー??



よーし…ここはリーダーとして…

スゥゥゥゥ…

「おっきろ~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「朝だよ!!!!!!!!ラブライブだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

―――ラブライブ決勝当日。

私の、私たちの、そしてみんなの夢をかなえる日。

私たちが、そしてみんなが、ゼロから紡いできた物語が奇跡を起こす日。

私たちは、いつもの私たちのままで、優勝してみせる!

紡がれた9人の軌跡…μ's、ラストミュージック、スタート!

以上です。

3rdライブのBDを見た後に12話を見て心うたれ、勢いで書きはじめたものですが何とか完結させられました。
読んでくださった方、レスくださった方、ありがとうございました!

絵里SIDEも考えてましたが、作文能力およばずうまく書けませんでした
なによりもほのえりが好きです。ゾウさんよりキリンさんよりほのえりが好きです

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